JP2003331951A - 異方導電膜とその製造方法 - Google Patents

異方導電膜とその製造方法

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Hideki Kashiwabara
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英昭 年岡
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  • Wire Bonding (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 隣接する電極間のピッチが小さくても短絡を
生じないため、特に半導体パッケージの実装用として、
さらなる高密度実装化の要求に十分対応しうる異方導電
膜や、それよりも低圧の接続でより確実に導電接続で
き、しかも大電流が流れても溶断しない上、高周波の信
号にも対応可能で、特にコンタクトプローブの実装用と
して好適な異方導電膜、並びにこれら異方導電膜の製造
方法を提供する。 【解決手段】 異方導電膜は、導電成分として、微細な
金属粒が多数、鎖状に繋がった形状を有する金属粉末を
含むものであり、特に半導体パッケージの実装用の場合
は金属粉末の鎖の長さを、導電接合する隣り合う電極間
の距離未満とし、またコンタクトプローブの実装用の場
合は鎖の径を、1μmを超え、かつ20μm以下の範囲
とする。また製造方法は、その少なくとも一部を、常磁
性を有する金属で形成した鎖を磁場によって配向させな
がら膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエレクトロ
ニクス実装などに用いる新規な異方導電膜と、その製造
方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばフレキシブルプリント配線板(F
PC)などの導体回路に設けた実装用の電極上に、半導
体パッケージを、いわゆるフリップチップボンディング
などによって実装したり、あるいは2つ以上のFPCの
導体回路同士を、接続部分に設けた電極を介して接続し
たりするエレクトロニクス実装の分野においては高密度
実装化が進んでおり、隣接する電極間のピッチがますま
す狭くなる傾向にある。
【0003】エレクトロニクス実装における実装法の1
つに、熱接着性を有するフィルム状の異方導電膜を用い
る方法がある(例えば特許文献1、2参照)。異方導電
膜は、例えば粉末状の導電成分を、熱可塑性樹脂や硬化
性樹脂等の、導電成分を保持して膜を形成する機能(成
膜性)と、熱接着するための接着剤としての機能(接着
性)とを兼ね備えた結着剤からなる膜中に分散させた構
造を有する。
【0004】かかる構造を有する異方導電膜は、上記導
電成分と固形の結着剤とを、溶媒とともに所定の割合で
配合して液状の複合材料を形成し、この複合材料を、下
地上に塗布して乾燥、固化させたのち、下地からはく離
することで製造できる。また異方導電膜は、例えば結着
剤として液状の硬化性樹脂等を用いることで溶媒を省略
した複合材料を下地上に塗布したのち、硬化性樹脂を半
硬化させて固形化することでも製造できる。
【0005】また異方導電膜においては、熱接着した際
に隣り合う電極間が短絡するのを防止すべく、面方向の
導電抵抗(「絶縁抵抗」という)が高くなるように、導
電成分の分布密度を規定する、金属粉末と結着剤との総
量に占める金属粉末の割合で表される金属充てん率を調
整しておく。そして、導電接続したいFPCと半導体パ
ッケージの間や、あるいはFPC同士の間に異方導電膜
を挟んだ状態で熱接着を行う。
【0006】そうすると異方導電膜が、熱接着時の加
熱、加圧によって厚み方向に圧縮されることで、当該厚
み方向の導電成分の分布密度が上昇して、導電成分同士
が互いに近接もしくは接触して導電ネットワークを形成
する結果、厚み方向の導電抵抗(「接続抵抗」という)
が低くなる。しかしこの際、異方導電膜の面方向におけ
る導電成分の分布密度は増加しない。つまり面方向は、
絶縁抵抗が高く導電率が低い初期の状態を維持する。
【0007】したがって異方導電膜によれば、面方向の
絶縁抵抗によって隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡
を防止しつつ、厚み方向の接続抵抗によって多数の電極
−バンプ間、もしくは電極−電極間を一度に、そしてそ
れぞれ独立して導電接続できるとともに、FPCと半導
体パッケージの間、あるいはFPC同士の間を熱接着に
よって固定できるため、実装作業が容易である。
【0008】
【特許文献1】特開平6−102523号公報(第00
09欄、第0010欄、図2)
【特許文献2】特開平8−115617号公報(第00
03欄、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の異方導電膜中に
含まれる導電成分としては、例えば平均粒径が数μm〜
数十μm程度で、かつその形状が粒状、球状、薄片状
(鱗片状、フレーク状)などであるNi粉末や、あるい
は表面に金メッキを施した樹脂粉末などの、種々の金属
粉末が実用化されている。また従来の異方導電膜におい
ては通常、上記の金属粉末を、金属充てん率が7〜10
体積%となるように含有させている。
【0010】しかしこの金属充てん率の範囲では、熱接
着時の接続抵抗の値が十分でなく、より一層、接続抵抗
を低くすることを求められる場合が増加しつつある。そ
こで熱接着時の接続抵抗をこれまでよりもさらに低くす
べく、金属充てん率を上記の範囲より高くすることが考
えられるが、そうした場合に、従来の異方導電膜では面
方向の絶縁抵抗まで低くなってしまう。このため、例え
ば半導体パッケージのバンプの間隔にあわせて近接配置
させた、面方向に隣接する電極間などで短絡を生じやす
いという新たな問題を生じる。
【0011】そして、かかる問題を生じやすいために従
来の異方導電膜は、隣接する電極間のピッチが50μm
以上でないと対応することができず、エレクトロニクス
実装の分野におけるさらなる高密度実装化の要求に対応
できないのが現状である。また近時、発明者は、メモ
リ、IC、LSI、ASICなどの半導体チップが正常
に製造されたか否かを検査するために用いるプローブカ
ードにおいて、実装基板上に実装した多数の微細なコン
タクトプローブをそれぞれ別個に、プローブカード本体
の回路上の電極と接続するために用いている多数の配線
に代えて、1枚の異方導電膜を用いることを検討した。
かかる接続においては、半導体チップのパッドのピッチ
が100〜200μm程度であることから、従来の異方
導電膜でも十分に対応できるのではないかと考えたので
ある。
【0012】すなわちプローブカードは、例えばウエハ
上に形成した、所定のサイズに切り出す前の半導体チッ
プなどのパッドにコンタクトプローブを圧接させて導通
を図り、それによって半導体チップ内の回路を、プロー
ブカード本体の回路を介して外部の検査回路と接続して
検査するためのものであるが、半導体チップの微小化、
多集積化によるパッド自体やその形成ピッチの微小化、
あるいはパッド数の増加に伴って、コンタクトプローブ
自体も精密化し、また実装基板上に多集積化される傾向
にある。
【0013】特に最近では、ミクロン単位の加工精度で
加工されたごく微細なコンタクトプローブを多数、実装
基板上に、前記のように半導体チップのパッドのピッチ
に合わせて100〜200μmのピッチで実装したプロ
ーブカードが実用化されている。しかし、例えば1枚の
ウエハ上に形成した数十〜数百個の半導体チップを一度
に検査するプローブカードでは、コンタクトプローブ
を、実装基板上に数千本も実装しなければならず、それ
ぞれのコンタクトプローブとプローブカード本体とを繋
ぐ配線についても同数が必要となる。またそれゆえに、
配線のはんだ付け作業の回数も膨大な数になる。
【0014】このためプローブカードの製造や使用時の
管理などが極めて難しいという問題がある。そこで発明
者は、多数の配線とそのはんだ付けを、1枚の異方導電
膜で代用することを検討したのであるが、従来の異方導
電膜を単純に転用したのでは、下記のような問題を生じ
るため実用化が難しいことがわかった。 (1) テストする半導体チップの内部回路に短絡が生じ
ていた場合には、テスト時の異方導電膜に、局部的に、
例えば1A以上の大電流が流れるおそれがある。ところ
が従来の異方導電膜は、かかる大電流への対応を考慮し
たものではなく、許容される電流値はおよそ数十mA程
度に過ぎない。このため短絡等によって大電流が流れる
とジュール熱を生じて、異方導電膜が局部的に高温にな
り、溶断などするおそれがある。
【0015】(2) 前記のようにコンタクトプローブ
は、極めて微小な、そして壊れやすいものであるため、
その実装に異方導電膜を用いる場合は、前述した通常
の、電極−パッド間などの接続の場合よりも、熱接着時
の加圧を低圧で行う必要がある。しかし低圧で接続した
場合、従来の異方導電膜では、厚み方向の接続抵抗を、
十分に実用可能なレベルまで低くすることができず、導
通不良を生じるおそれがある。
【0016】(3) また導通不良をなくするために金属
粉末の金属充てん率を高めた場合、従来の異方導電膜で
は、前記のように面方向の絶縁抵抗も低くなってしまう
ため、たとえ100〜200μmのピッチであっても、
隣り合う電極間での短絡を生じるおそれがある。 (4) また、例えばグラフィックボードやゲーム用の半
導体チップ、Ga−As素子などの高速の半導体チップ
を、その実際に用いる動作速度で検査するためには高周
波の信号を用いる必要がある。しかし、特に上記のよう
に導通不良をなくするべく金属粉末の金属充てん率を高
めた場合には、異方導電膜のインピーダンスが大きくな
るため高周波信号の通過が困難になり、検査できなくな
るおそれもある。
【0017】(5) プローブカードによる検査の対象で
ある半導体チップは、前記のように1枚のウエハの全面
に分布して形成される場合などが多いことから、コンタ
クトプローブの実装基板とプローブカード本体は、ウエ
ハを覆う大きなサイズに形成される。したがってプロー
ブカード接続用の異方導電膜は、従来の半導体パッケー
ジ実装用のものよりもかなり大きなサイズをカバーしな
ければならない上、前記のように低圧での接続時に、こ
れら大きな部材の反りなどによる厚み方向のばらつき
を、その全面にわたって吸収して、接続不良や導通不良
などを生じないようにする必要がある。しかし従来の異
方導電膜では、かかる要求に対応することも難しい。
【0018】本発明の目的は、例えば隣接する電極間の
ピッチが50μm未満、より好ましくは40μm以下で
あっても短絡を生じることがないため、特に半導体パッ
ケージなどの実装用として、さらなる高密度実装化の要
求に十分対応しうる新規な異方導電膜を提供することに
ある。また本発明の他の目的は、上記半導体パッケージ
の場合よりも低圧の接続でより確実に導電接続すること
ができ、しかも大電流が流れても溶断したりしない上、
高周波の信号にも対応可能であるため、特にコンタクト
プローブなどの実装用として好適な新規な異方導電膜を
提供することにある。
【0019】また本発明のさらに他の目的は、かかる新
規な異方導電膜を製造する方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1記載の発明は、微細な金属粒が多数、鎖状に繋がった
形状を有する金属粉末を、導電成分として含むことを特
徴とする異方導電膜である。請求項1の構成において導
電成分として用いる金属粉末は、例えば後述する還元析
出法などによって、ミクロンオーダーないしサブミクロ
ンオーダーの微細な金属粒が最初から多数、鎖状に繋が
った形状に形成される。また特に後述するように、多数
の金属粒が繋がった周囲にさらに金属膜が析出した構造
を有する金属粉末では、個々の金属粒間が直接に接続さ
れる。このため従来の粒状等の金属粉末に比べて、個々
の金属粒間における接触抵抗の増加を抑制することがで
きる。
【0021】また上記鎖状の金属粉末は、従来の粒状等
の金属粉末に比べて比表面積が大きいため、凝集等を生
じることなく、結着剤中に均一に分散させることもでき
る。しかも鎖状の金属粉末は、鎖の太さと長さの比がお
よそ10〜100程度と大きいため、少量の添加でも、
異方導電膜中で良好な導電性のネットワークを形成する
ことができる。このため請求項1の構成によれば、金属
粉末の充てん密度をあまり高くすることなしに、つまり
異方導電膜の面方向の絶縁抵抗を高いレベルに維持しつ
つ、厚み方向の接続抵抗をこれまでよりも大幅に低下さ
せることができる。
【0022】したがって請求項1の異方導電膜を半導体
パッケージなどの実装に用いた場合には、従来は実現不
可能であった、隣接する電極間のピッチが50μm未
満、より好ましくは40μm以下といった微細な部品の
導電接続であっても、短絡を生じることなく確実に行う
ことができ、さらなる高密度実装化の要求に十分に対応
することが可能となる。また請求項1の異方導電膜をコ
ンタクトプローブなどの実装用として用いた場合には、
前記のように金属粉末の充てん密度をあまり高くするこ
となしに、したがってインピーダンスを低いレベルに維
持して高周波信号の通過を可能とした状態で、より低圧
での接続で、多数のコンタクトプローブをより確実に導
電接続することが可能となる。
【0023】請求項2記載の発明は、金属粉末の鎖を膜
の厚み方向に配向させた請求項1記載の異方導電膜であ
る。金属粉末の鎖を膜の厚み方向に配向させると、当該
厚み方向の接続抵抗をさらに大幅に低下させることがで
きる。請求項3記載の発明は、鎖状の金属粉末、または
この金属粉末を形成する個々の金属粒を、常磁性を有す
る金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、常
磁性を有する金属と他の金属との合金、もしくは常磁性
を有する金属を含む複合体にて形成した請求項1記載の
異方導電膜である。
【0024】上記の構成では、以下に述べる還元析出法
などによってサブミクロンオーダーの微細な金属粒を析
出させると、当該金属粒が磁性を帯び、そして多数の金
属粒が磁力によって鎖状に繋がることで鎖状の金属粉末
が自動的に形成される。よって請求項3の構成によれ
ば、鎖状の金属粉末の製造が容易であり、異方導電膜
の、製造効率の向上やコストダウンなどが可能となる。
また上記金属粉末としては、多数の微細な金属粒が単に
磁力によって鎖状に繋がったものから、繋がった金属粒
の周囲にさらに金属層が析出して金属粒間が強固に結合
されたものまで種々の構造を有するものが含まれるが、
このいずれのものにおいても、基本的に金属粒は磁力を
保持している。
【0025】このため、例えば複合材料を製造する際
や、下地上に塗布して異方導電膜を製造する際の応力程
度では鎖が簡単に切れたりしない上、もし切れた場合で
も、応力が加わらなくなった時点で鎖の再結合等を生じ
やすい。しかも塗布後の塗膜中では、複数の金属粉末
が、金属粒の磁力に基づいて互いに接触して導電ネット
ワークを形成しやすい。よって請求項3の構成によれ
ば、異方導電膜の厚み方向の接続抵抗をさらに低くする
ことも可能である。
【0026】請求項4記載の発明は、常磁性を有する金
属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、または
常磁性を有する金属と他の金属との合金によって形成さ
れる金属粉末または金属粒の全体、もしくは常磁性を有
する金属を含む複合体によって形成される金属粉末また
は金属粒のうち、常磁性を有する金属を含む部分を、そ
の形成材料である常磁性を有する金属のイオンを、還元
剤を含む溶液に加えることで、液中に析出させて形成し
た請求項3記載の異方導電膜である。
【0027】かかる還元析出法によれば、前述したよう
に鎖状の金属粉末を自動的に形成することが可能とな
る。また、還元析出法によって形成される金属粒は個々
の粒径が揃っており、粒度分布がシャープである。これ
は、還元反応が系中で均一に進行するためである。した
がってかかる金属粒から製造される金属粉末は、とくに
異方導電膜の厚み方向の接続抵抗を、当該異方導電膜の
全面にわたって均一な状態とする効果に優れている。
【0028】請求項5記載の発明は、還元剤として3価
のチタン化合物を用いた請求項4記載の異方導電膜であ
る。上記還元析出法によって、鎖状の金属粉末またはこ
の金属粉末を形成する個々の金属粒を形成するための還
元剤としては種々の化合物が考えられる。しかし、その
中でも三塩化チタンなどの3価のチタン化合物を用いた
場合には、鎖状の金属粉末を析出、形成した後の溶液
を、電解再生によって繰り返し、鎖状の金属粉末の製造
に利用可能な状態に再生できるという利点がある。
【0029】請求項6記載の発明は、固形分として鎖状
の金属粉末と結着剤とを含み、かつ固形分の総量に占め
る金属粉末の割合で表される金属充てん率を0.05〜
20体積%とした請求項1記載の異方導電膜である。金
属充てん率が0.05体積%未満では、異方導電膜の厚
み方向の導通に寄与する金属粉末が少なすぎるため、熱
接着による同方向の接続抵抗を十分に低くできないおそ
れがある。また金属充てん率が20体積%を超える場合
には、異方導電膜の面方向の絶縁抵抗が低くなりすぎ
て、隣接する電極間で短絡が発生しやすくなるおそれが
ある。
【0030】請求項7記載の発明は、金属粉末として、
多数の微細な金属粒が直鎖状または針状に繋がった形状
を有するものを用いた請求項1記載の異方導電膜であ
る。直鎖状または針状の金属粉末を用いた場合には、異
方導電膜の厚み方向の接続抵抗をさらに低く、かつ面方
向の絶縁抵抗をさらに高くすることができる。とくに金
属粉末の鎖を膜の厚み方向に配向させた際には、配向方
向に沿って並んだ金属粉末間の相互作用をより密に、ま
た配向方向と交差する横方向に並んだ金属粉末間の相互
作用をより粗にすることができるため、前記の効果をよ
り一層、顕著に発揮させることができる。
【0031】請求項8記載の発明は、金属粉末の鎖の長
さを、導電接合する隣り合う電極間の距離未満とした請
求項1記載の異方導電膜である。特に半導体パッケージ
の実装の場合に、金属粉末の鎖の長さを、上記のように
隣り合う電極間の距離未満に規定すると、熱接着時に鎖
状の金属粉末の横倒しが発生しても、隣り合う電極間を
短絡させることがない。このため、隣り合う電極間で短
絡が発生するのを確実に防止することができる。
【0032】また半導体パッケージの実装の場合に、隣
接する電極間のピッチが50μm未満、より好ましくは
40μm以下であっても、請求項7と同様の、金属粉末
間の相互作用の粗密の効果によって、短絡を生じること
なしに半導体パッケージなどを実装するためには、金属
粉末の鎖の径は1μm以下とするのが好ましい。したが
って請求項9記載の発明は、金属粉末の鎖の径を1μm
以下とした請求項8記載の異方導電膜である。
【0033】また鎖の径を1μm以下とするためには、
当該鎖を形成する個々の金属粒の粒径を400nm以下
とするのが好ましい。したがって請求項10記載の発明
は、金属粒の粒径を400nm以下とした請求項9記載
の異方導電膜である。さらに請求項11記載の発明は、
金属粉末の、鎖の長さLと径Dとの比L/Dを3以上と
した請求項8記載の異方導電膜である。
【0034】比L/Dが3未満では鎖の長さが短すぎ
て、金属粉末間の相互作用の粗密の効果によって、短絡
を生じることなしに、異方導電膜の接触抵抗を低くする
効果が得られないおそれがある。一方、コンタクトプロ
ーブの実装において、隣接する電極間での短絡を防止
し、なおかつインピーダンスを低いレベルに抑えて高周
波信号の通過を可能としつつ、大電流を流すことを考慮
すると、個々の金属粉末の鎖の径を、上記の場合よりも
大きい1μmを超える範囲とするとともに、各鎖を、面
方向の短絡を生じないように膜の厚み方向に配向させる
のが好ましい。また、例えば前述したように100〜2
00μmのピッチで隣り合うコンタクトプローブ間にお
いて、前記請求項7と同様の、金属粉末間の相互作用の
粗密の効果によって、短絡を生じることなしに、その実
装を行うためには、金属粉末の鎖の径は20μm以下と
するのが好ましい。
【0035】したがって請求項12記載の発明は、金属
粉末の鎖の径を、1μmを超え、かつ20μm以下とし
た請求項2記載の異方導電膜である。またコンタクトプ
ローブの実装において、インピーダンスの上昇を抑えて
高周波信号の通過を可能とするためには、金属粉末の充
てん率を0.05〜5体積%とするのが好ましい。した
がって請求項13記載の発明は、固形分として鎖状の金
属粉末と結着剤とを含み、かつ固形分の総量に占める金
属粉末の割合で表される金属充てん率を0.05〜5体
積%とした請求項12記載の異方導電膜である。
【0036】さらに、前記半導体パッケージの実装にお
いて、熱接着による異方導電膜の厚み方向の接続抵抗を
十分に低くすること、ならびに上記コンタクトプローブ
の実装において、低圧接続時の接続抵抗をさらに小さく
することを考慮すると、このいずれの場合も、金属粉末
としては、例えば常磁性を有する金属などで形成した鎖
の表面を、導電性に優れた金属で被覆した複合構造を有
するものを用いるのが好ましい。
【0037】したがって請求項14記載の発明は、鎖状
の金属粉末を、常磁性を有する金属単体、常磁性を有す
る2種以上の金属の合金、常磁性を有する金属と他の金
属との合金、もしくは常磁性を有する金属を含む複合体
にて形成した鎖と、その表面を被覆した、Cu、Rb、
Rh、Pd、Ag、Re、PtおよびAuからなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の金属との複合体にて形成し
た請求項8または12記載の異方導電膜である。
【0038】請求項15記載の発明は、請求項2記載の
異方導電膜を製造する方法であって、少なくともその一
部が常磁性を有する金属によって形成された鎖状の金属
粉末と、結着剤とを含む、流動性を有する複合材料を、
下地面と交差する方向に磁場を印加した下地上に塗布し
て、複合材料中の金属粉末の鎖を、上記磁場の方向に沿
う膜の厚み方向に配向させるとともに、複合材料を固化
または硬化させて鎖の配向を固定することを特徴とする
異方導電膜の製造方法である。
【0039】また請求項16記載の発明は、請求項2記
載の異方導電膜を製造する方法であって、少なくともそ
の一部が常磁性を有する金属によって形成された鎖状の
金属粉末を、下地面と交差する方向に磁場を印加した下
地上に散布して、金属粉末の鎖を、上記磁場の方向に配
向させるとともに、その上に、結着剤を含む、流動性を
有する塗剤を塗布して固化または硬化させて鎖の配向を
固定することを特徴とする異方導電膜の製造方法であ
る。
【0040】これらの製造方法によれば、金属粉末の鎖
を膜の厚み方向に配向させた異方導電膜を、より効率よ
く形成することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。本発
明の異方導電膜は、微細な金属粒が多数、鎖状に繋がっ
た形状を有する金属粉末を、導電成分として含むことを
特徴とするものである。 (金属粉末)鎖状の金属粉末としては、気相法、液相法
等の種々の方法で製造される、鎖状構造を有する種々の
金属粉末が、いずれも使用可能であるが、とくに多数の
微細な金属粒が直鎖状または針状に繋がった形状を有す
るものが好ましい。
【0042】また鎖状の金属粉末としては、当該金属粉
末、またはこの金属粉末を形成する個々の金属粒を、常
磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属
の合金、常磁性を有する金属と他の金属との合金、もし
くは常磁性を有する金属を含む複合体にて形成したもの
が好ましい。常磁性を有する金属を含む金属粉末の具体
例としては、下記(a)〜(e)のいずれか1種、もしくは2
種以上の混合物などをあげることができる。
【0043】(a) 常磁性を有する金属単体、常磁性を
有する2種以上の金属の合金、または常磁性を有する金
属と他の金属との合金から形成したミクロンオーダーな
いしサブミクロンオーダーの金属粒を、自身の磁性によ
って多数個、鎖状に繋がらせた金属粉末。 (b) 上記(a)の金属粉末の表面にさらに、常磁性を有す
る金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、ま
たは常磁性を有する金属と他の金属との合金からなる金
属層を析出させて、金属粒間を強固に結合した金属粉
末。
【0044】(c) 上記(a)または(b)の金属粉末の表面
にさらに、他の金属や合金からなる金属層を析出させ
て、金属粒間を強固に結合した金属粉末。 (d) 常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以
上の金属の合金、または常磁性を有する金属と他の金属
との合金から形成した粒状の芯材の表面を、他の金属や
合金で被覆して複合体を得、この複合体を金属粒とし
て、芯材の磁性によって多数個、鎖状に繋がらせた金属
粉末。
【0045】(e) 上記(d)の金属粉末の表面にさらに、
他の金属や合金からなる金属層を析出させて、金属粒間
を強固に結合した金属粉末。上記のうち常磁性を有する
金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、また
は常磁性を有する金属と他の金属との合金によって形成
される金属粉末または金属粒の全体、もしくは常磁性を
有する金属を含む複合体によって形成される金属粉末ま
たは金属粒のうち、常磁性を有する金属を含む部分は、
還元析出法によって、その形成材料である常磁性を有す
る金属のイオンを含む溶液に還元剤を加えることで、液
中に析出させて形成するのが好ましい。
【0046】還元析出法においては、まず還元剤、例え
ば三塩化チタンなどの3価のチタン化合物と、例えばク
エン酸三ナトリウム等とを溶解させた溶液(以下「還元
剤溶液」とする)に、アンモニア水等を加えてpHを9
〜10に調整する。これにより、3価のチタンイオンが
錯化剤としてのクエン酸と結合して配位化合物を形成し
て、Ti(III)からTi(IV)に酸化する際の活性化エネ
ルギーが低くなり、還元電位が高くなる。具体的には、
Ti(III)とTi(IV)との電位差が1Vを超える。この
値は、Ni(II)からNi(0)への還元電位や、Fe(II)
からFe(0)への還元電位などに比べて著しく高い値で
ある。よって各種の金属のイオンを効率よく還元して、
金属粒や金属膜などを析出、形成することができる。
【0047】次に上記の還元剤溶液に、例えばNi等
の、常磁性を有する金属単体のイオンを含む溶液、また
は常磁性を有する金属を含む合金を形成する2種以上の
イオンを含む溶液を加える。そうすると、Ti(III)が
還元剤として機能して、自身がTi(IV)に酸化する際
に、金属のイオンを還元して液中に析出させる。すなわ
ち液中に、上記金属単体または合金からなる金属粒が析
出するとともに、自身の磁性によって多数が鎖状に繋が
って鎖状の金属粉末を形成する。また、このあとさらに
析出を続けると、上記金属粉末の表面にさらに金属層が
析出して、金属粒同士を強固に結合する。
【0048】つまり前記(a)(b)などの金属粉末や、その
元になる金属粒、あるいは前記(d)の金属粉末の元にな
る複合体のうち芯材などを、上記の方法によって製造す
ることができる。このうち金属粒や芯材は個々の粒径が
揃っており、粒度分布がシャープである。これは、還元
反応が系中で均一に進行するためである。したがってか
かる金属粒や芯材から製造される金属粉末は、とくに異
方導電膜の厚み方向の導電抵抗を、当該異方導電膜の全
面にわたって均一な状態とする効果に優れている。
【0049】金属粒や芯材等を析出させた後の還元剤溶
液は、電解再生を行うことで、何度でも繰り返し、還元
析出法による鎖状の金属粉末の製造に利用することがで
きる。すなわち、金属粒や芯材等を析出させた後の還元
剤溶液を電解槽に入れるなどして電圧を印加すること
で、Ti(IV)をTi(III)に還元してやれば、再び電解
析出用の還元剤溶液として使用することができる。これ
は、電解析出時にチタンイオンが殆ど消費されない、つ
まり析出させる金属とともに析出されないためである。
【0050】金属粒や芯材等を形成する、常磁性を有す
る金属または合金としては、例えばNi、鉄、コバルト
およびこれらのうち2種以上の合金等をあげることがで
き、とくにNi単体やNi−鉄合金(パーマロイ)等が
好ましい。かかる金属や合金にて形成した、とくに金属
粒は、鎖状に繋がる際の磁気的な相互作用が強いため、
金属粒間の接触抵抗を低減する効果に優れている。また
上記の、常磁性を有する金属や合金とともに、前記(c)
(d)(e)の複合体を形成する他の金属としては、Cu、R
b、Rh、Pd、Ag、Re、PtおよびAuからなる
群より選ばれた少なくとも1種の金属またはその合金な
どをあげることができる。金属粉末の導電性を向上する
ことを考慮すると、これらの金属で形成される部分は、
鎖の外表面に露出している部分であるのが好ましい。つ
まり鎖の表面をこれらの金属で被覆した、前記(c)(e)の
構造を有する複合体が好ましい。被覆は、例えば無電解
めっき法、電解めっき法、還元析出法、真空状着法など
の種々の成膜方法によって形成できる。
【0051】半導体パッケージの実装などに用いる金属
粉末としては、前記(a)〜(e)のいずれかの構造を有し、
なおかつその鎖の長さが、導電接合する隣り合う電極間
の距離未満であるものが好ましい。また上記金属粉末と
しては、鎖の径が1μm以下、鎖状の金属粉末を形成す
る個々の金属粒の粒径が400nm以下であるものが好
ましい。これらの理由は先に説明したとおりである。
【0052】なお鎖の長さは、横倒しによる短絡をより
一層、確実に防止することを考慮すると、導電接合する
隣り合う電極間の距離の0.9倍以下であるのがさらに
好ましい。また鎖の径があまりに小さすぎると、複合材
料を製造する際や、下地上に塗布して異方導電膜を製造
する際の応力程度で簡単に切れやすくなるおそれがある
ので、鎖の径は10nm以上であるのが好ましい。
【0053】また鎖を形成する金属粒の粒径があまりに
小さすぎると、鎖状に繋がれた金属粉末自体のサイズが
小さくなりすぎて、導電成分としての機能が十分に得ら
れないおそれがあるので、金属粒の粒径は10nm以上
であるのが好ましい。さらに、上述した鎖の長さの下限
は特に限定されないが、上述した好適な鎖の径の範囲内
で、なおかつ鎖の長さLと径Dとの比L/Dが3以上と
なるように、鎖の長さを設定するのが好ましい。
【0054】比L/Dが3未満では、これも先に述べた
ように、金属粉末間の相互作用の粗密の効果によって、
短絡を生じることなしに、異方導電膜の接触抵抗を低く
する効果が得られないおそれがある。またとくに前記
(c)または(e)のように、鎖の表面をCu、Rb、Rh、
Pd、Ag、Re、PtおよびAuからなる群より選ば
れた少なくとも1種の金属で被覆した複合構造を有する
ものが、導電性を向上できるため好ましい。
【0055】一方、コンタクトプローブの実装などに用
いる金属粉末としては、やはり(a)〜(e)のいずれかの構
造を有し、なおかつその鎖の径が1μmを超え、かつ2
0μm以下であるものが好ましい。また、上記金属粉末
を形成する個々の金属粒の粒径は、0.5〜2μmであ
るのが好ましい。またとくに前記(c)または(e)のよう
に、鎖の表面をCu、Rb、Rh、Pd、Ag、Re、
PtおよびAuからなる群より選ばれた少なくとも1種
の金属で被覆した複合構造を有するものが、導電性を向
上できるため好ましい。
【0056】ただしコンタクトプローブ実装用の金属粉
末としては、より径の細い、半導体パッケージの実装に
用いるものと同程度の鎖が多数、束状に凝集した形状を
有し、なおかつ凝集してできた鎖の径が1μmを超え、
かつ20μm以下であるものを用いることもできる。ま
た導電性を向上することを考慮すると、かかる凝集体の
表面を、前記金属で被覆してもよい。なお上記の金属粉
末に寸法が類似した、直径が20μm程度、長さが12
0μm程度の円柱状のCu粉末を、樹脂中に分散させた
異方導電膜がある。
【0057】しかし、かかる異方導電膜をコンタクトプ
ローブの実装に使用した場合には、後述する比較例の結
果から明らかなように、膜の厚み方向の導電性が不十分
になる。これは、銅粉末であるがゆえに、膜の厚み方向
に磁性配向できないためであると考えられる。つまり銅
粉末は、磁場の印加によって膜の厚み方向に配向させる
ことができず、膜形成時の応力などによってランダムに
向いてしてしまう。このため、コンタクトプローブ実装
時の低圧接続では十分な導電ネットワークを形成するこ
とができず、同方向の接続抵抗を十分に低くできないの
である。
【0058】(結着剤)鎖状の金属粉末とともに異方導
電膜を形成する結着剤としては、当該用途において結着
剤として従来公知の、成膜性および接着性を有する種々
の化合物がいずれも使用可能である。かかる結着剤とし
ては、例えば熱可塑性樹脂や硬化性樹脂、液状硬化性樹
脂などがあり、特に好ましくはアクリル系樹脂、エポキ
シ系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂などをあげ
ることができる。
【0059】(複合材料)異方導電膜のもとになる複合
材料は、鎖状の金属粉末と結着剤とを、適当な溶媒とと
もに所定の割合で配合して製造する。また液状硬化性樹
脂等の液状の結着剤を用いることで、溶媒を省略しても
よい。 (異方導電膜とその製造方法)本発明の異方導電膜は、
例えばガラス板などの下地上に、上記の複合材料を塗布
して乾燥、固化させるか、あるいは結着剤が硬化性樹
脂、液状硬化性樹脂である場合はこれを硬化させたの
ち、下地からはく離することで製造できる。
【0060】その厚みは、半導体パッケージの実装用の
場合、異方導電膜を介して電極とバンプとを圧着させた
際に良好に導電接着させることを考慮すると、10μm
〜100μmであるのが好ましい。またコンタクトプロ
ーブ実装用の場合、その厚みは、実装基板やプローブカ
ード本体の、反りなどによる厚み方向のばらつきを、そ
の全面にわたって吸収して、接続不良や導通不良などを
生じないようにすることを考慮すると、100〜300
μmであるのが好ましい。
【0061】また本発明の異方導電膜は、いずれの用途
においても、金属粉末の鎖を、膜の厚み方向に配向させ
た状態で固定しているのが好ましい。かかる異方導電膜
は、(A) 先に説明した、少なくともその一部が常磁性
を有する金属によって形成された鎖状の金属粉末と、結
着剤とを含む、流動性を有する複合材料を、下地面と交
差する方向に磁場を印加した下地上に塗布することで、
金属粉末の鎖を、上記磁場の方向に沿う膜の厚み方向に
配向させた状態で複合材料を固化または硬化させること
によって、金属粉末の鎖の配向を固定するか、もしくは
(B) 上記鎖状の金属粉末を、下地面と交差する方向に
磁場を印加した下地上に散布して、金属粉末の鎖を、上
記磁場の方向に配向させた状態で、結着剤を含む、流動
性を有する塗剤を塗布して固化または硬化させることに
よって、金属粉末の鎖の配向を固定したのち、下地から
はく離することによって製造できる。
【0062】これらの方法を実施する際に印加する磁場
の強さは、金属粉末中に含まれる、常磁性を有する金属
の種類や割合等によって異なるものの、異方導電膜中の
金属粉末を、当該膜の厚み方向に十分に配向させること
を考慮すると、磁束密度で表して1000μT以上、中
でも10000μT以上、とくに40000μT以上で
あるのが好ましい。磁場を印加する方法としては、ガラ
ス基板などの下地の上下に磁石を配置する方法や、ある
いは下地として磁石の表面を利用する方法などをあげる
ことができる。後者の方法は、磁石の表面から出る磁力
線が、当該表面から、異方導電膜の厚み程度までの領域
では、磁石の表面に対してほぼ垂直であることを利用し
たもので、異方導電膜の製造装置を簡略化できるという
利点がある。
【0063】かくして製造した異方導電膜における、固
形分、すなわち鎖状の金属粉末と結着剤との総量に占め
る金属粉末の割合で表される金属充てん量は、0.05
〜20体積%とするのが好ましい。なお特にコンタクト
プローブの実装用の場合は、インピーダンスの上昇を抑
えて高周波信号の通過を可能とするために、金属粉末の
充てん率を、上記の範囲内でも特に0.05〜5体積%
とするのが好ましい。
【0064】金属充てん量を上記の範囲に調整するため
には、鎖状の金属粉末を配向させない場合、および上記
(A)の場合は、金属粉末と結着剤とを上記の比率で含有
する複合材料を用いて異方導電膜を形成すればよい。ま
た(B)の場合は、金属粉末の散布量、塗剤中の結着剤濃
度や塗布量などを調整すればよい。上記本発明の異方導
電膜は、導電成分としての、鎖状の金属粉末の機能によ
り、例えば半導体パッケージの実装において、隣接する
電極間のピッチが50μm未満、より好ましくは40μ
m以下であっても短絡を生じることが無い。このためエ
レクトロニクス実装の分野における、さらなる高密度実
装化の要求に十分に対応することが可能となる。
【0065】またコンタクトプローブ実装用の場合は、
特に鎖の径を太くするとともに、鎖を膜の厚み方向に配
向させることで、半導体パッケージの場合より低圧の接
続で、より確実に導電接続することが可能となる。しか
も大電流が流れても溶断したりしない上、高周波の信号
に対応可能とすることもできる。なお本発明の異方導電
膜は、上記の用途以外にも、例えばIC用ソケットのピ
ン実装用などにも使用できる。また、現在はワイヤボン
ディングやμBGA(μボールグリッドアレイ)接続し
ている三次元パッケージに使用することも可能である。
【0066】
〔半導体パッケージ実装用の異方導電膜〕
実施例1 導電成分としては、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形
状を有し、Ni粒の粒径が100nm、鎖の径Dが40
0nm、長さLが5μm、比L/Dが12.5であるN
i粉末を用いた。
【0067】そしてこのNi粉末と、結着剤としてのア
クリル樹脂とを、金属充てん率が20体積%となるよう
に混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複
合材料を調製した。次に、この複合材料をガラス基板上
に塗布して乾燥、固化させたのち、はく離することで、
厚み30μmの異方導電膜を製造した。 実施例2 導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状
を有し、Ni粒の粒径が400nm、鎖の径Dが1μ
m、長さLが5μm、比L/Dが5であるNi粉末を用
いたことと、このNi粉末と、結着剤としてのアクリル
樹脂とを、金属充てん率が0.05体積%となるように
混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合
材料を調製したこと以外は実施例1と同様にして、厚み
30μmの異方導電膜を製造した。
【0068】実施例3 導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状
を有し、Ni粒の粒径が300nm、鎖の径Dが600
nm、長さLが5μm、比L/Dが8.3であるNi粉
末の表面を、厚み50nmのAgで被覆した複合構造を
有する金属粉末を用いたことと、この金属粉末と、結着
剤としてのアクリル樹脂とを、金属充てん率が1体積%
となるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペー
スト状の複合材料を調製したこと以外は実施例1と同様
にして、厚み30μmの異方導電膜を製造した。
【0069】実施例4 上記実施例3で調製したのと同じ複合材料を、下地とし
ての磁石の上に塗布して、磁束密度40000μTの磁
場中で乾燥、固化させることによって、金属粉末を膜の
厚み方向に配向させた状態で固定したのちはく離して、
厚み30μmの異方導電膜を製造した。 実施例5 実施例3で使用したのと同じ金属粉末を、実施例4で使
用したのと同じ磁石の上に散布して、磁束密度4000
0μTの磁場中で、膜の厚み方向に配向させた。
【0070】次にこの状態で、結着剤としてのアクリル
樹脂をメチルエチルケトンに溶解した塗剤を塗布した。
塗布量は金属充てん率が1体積%となるように調整し
た。そして塗剤を乾燥、固化させることによって、金属
粉末を膜の厚み方向に配向させた状態で固定したのちは
く離して、厚み30μmの異方導電膜を製造した。 比較例1 導電成分として、5μmから20μmまで粒度分布があ
るフレーク状のNi粉末を用いたことと、このNi粉末
と、結着剤としてのアクリル樹脂とを、金属充てん率が
20体積%となるように混合し、メチルエチルケトンを
加えてペースト状の複合材料を調製したこと以外は実施
例1と同様にして、厚み30μmの異方導電膜を製造し
た。
【0071】比較例2 導電成分として、直径5μmの球状の樹脂粒子の表面
に、100nmのAuを被覆した複合構造を有する球状
の金属粉末を用いたことと、この金属粉末と、結着剤と
してのアクリル樹脂とを、金属充てん率が20体積%と
なるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペース
ト状の複合材料を調製したこと以外は実施例1と同様に
して、厚み30μmの異方導電膜を製造した。
【0072】比較例3 比較例2で使用したのと同じ金属粉末と、結着剤として
のアクリル樹脂とを、金属充てん率が1体積%となるよ
うに混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の
複合材料を調製したこと以外は比較例2と同様にして、
厚み30μmの異方導電膜を製造した。 接続抵抗の測定 幅15μm、長さ50μm、厚み2μmのAu電極が1
5μm間隔で配列された電極パターンを有するFPC
の、上記電極パターン上に、各実施例、比較例で製造し
た異方導電膜を貼り付けた。
【0073】次に、片面にAl膜を蒸着したガラス基板
を、Al膜が異方導電膜と接するように重ねた状態で、
100℃に加熱しながら1電極あたり10gの圧力で加
圧して熱接着させた。そして異方導電膜とAl膜とを介
して導電接続された隣り合う2つのAu電極間の抵抗値
を測定し、この測定値を1/2にして、異方導電膜の厚
み方向の接続抵抗とした。
【0074】結果を表1に示す。なお表中の評価は、そ
れぞれ下記のとおりとした。 ◎:接続抵抗が0.1Ω以下。厚み方向の導電性は極め
て良好。 ○:接続抵抗が0.1Ω超で、かつ1Ω以下。厚み方向
の導電性は良好。 ×:接続抵抗が1Ω超。厚み方向の導電性は不良。 絶縁抵抗の測定 上記で使用したのと同じFPCの電極パターン上に、各
実施例、比較例で製造した異方導電膜を貼り付けた。
【0075】次にこの異方導電膜上に、今度はAl膜を
蒸着していないガラス基板を重ねた状態で、100℃に
加熱しながら1電極あたり10gの圧力で加圧して熱接
着させた。そして異方導電膜を介してガラス基板が熱接
着された、隣り合う2つのAu電極間の抵抗値を測定し
て、異方導電膜の面方向の絶縁抵抗とした。結果を表1
に示す。なお表中の評価は、それぞれ下記のとおりとし
た。
【0076】 ◎:絶縁抵抗が1GΩ超。面方向の絶縁性は極めて良
好。 ○:絶縁抵抗が1MΩ超で、かつ1GΩ以下。面方向の
絶縁性は良好。 ×:絶縁抵抗が1MΩ以下。面方向の絶縁性は不良。
【0077】
【表1】
【0078】表1より、フレーク状のNi粉末を20体
積%の金属充てん率で含有させた比較例1の異方導電
膜、並びに樹脂粒子とAu被覆の複合構造を有する球状
の金属粉末を20体積%の金属充てん率で含有させた比
較例2の異方導電膜はともに絶縁抵抗が低く、面方向の
絶縁性が悪いことがわかった。また、上記複合構造を有
する球状の金属粉末の金属充てん率を1体積%に減少さ
せた比較例3の異方導電膜は、接続抵抗が高く、厚み方
向の導電性が悪いことがわかった。
【0079】これに対し、実施例1〜5の異方導電膜は
何れも接続抵抗が低く、厚み方向の導電性に優れるとと
もに、絶縁抵抗が高く、面方向の絶縁性にも優れること
がわかった。また実施例1、2から、接続抵抗をより低
く、かつ絶縁抵抗をより高くするためには、直鎖状の金
属粉末の鎖の径を太くしつつ、金属充てん率を低くすれ
ばよいことが確認された。
【0080】また実施例1〜3から、接続抵抗をさらに
低くするためには、金属粉末の鎖の表面に、導電性に優
れた金属を被覆すればよいこと、実施例3〜5から、金
属粉末の鎖を厚み方向に配向させればよいことが確認さ
れた。 実施例6 導電成分としては、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形
状を有し、Ni粒の粒径が400nm、鎖の径Dが1μ
m、長さLが9μm、比L/Dが9であるNi粉末を用
いた。
【0081】そしてこのNi粉末と、結着剤としてのア
クリル樹脂とを、金属充てん率が1体積%となるように
混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合
材料を調製した。次にこの複合材料を、下地としての磁
石の上に塗布して、磁束密度200000μTの磁場中
で乾燥、固化させることによって、金属粉末を膜の厚み
方向に配向させた状態で固定したのちはく離して、厚み
20μmの異方導電膜を製造した。
【0082】実施例7 導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状
を有し、Ni粒の粒径が400nm、鎖の径Dが3μ
m、長さLが9μm、比L/Dが3であるNi粉末を用
いたこと以外は実施例6と同様にして、厚み20μmの
異方導電膜を製造した。 比較例4 導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状
を有し、Ni粒の粒径が400nm、鎖の径Dが1μ
m、長さLが15μm、比L/Dが15であるNi粉末
を用いたこと以外は実施例6と同様にして、厚み20μ
mの異方導電膜を製造した。
【0083】比較例5 導電成分として、微細なNi粒の集合体からなり、Ni
粒の粒径が400nm、短径Dが6μm、長径Lが9μ
m、比L/Dが1.5である粒状のNi粉末を用いたこ
と以外は実施例6と同様にして、厚み20μmの異方導
電膜を製造した。 接続抵抗の測定 幅15μm、長さ50μm、厚み5μmのAu電極が1
0μm間隔で配列された電極パターンを有するFPC
の、上記電極パターン上に、各実施例、比較例で製造し
た異方導電膜を貼り付けた。
【0084】次に、片面にAl膜を蒸着したガラス基板
を、Al膜が異方導電膜と接するように重ねた状態で、
100℃に加熱しながら1電極あたり10gの圧力で加
圧して熱接着させた。そして異方導電膜とAl膜とを介
して導電接続された隣り合う2つのAu電極間の抵抗値
を測定し、この測定値を1/2にして、異方導電膜の厚
み方向の接続抵抗とした。
【0085】結果を表2に示す。なお表中の評価は、そ
れぞれ下記のとおりとした。 ◎:接続抵抗が0.1Ω以下。厚み方向の導電性は極め
て良好。 ○:接続抵抗が0.1Ω超で、かつ1Ω以下。厚み方向
の導電性は良好。 ×:接続抵抗が1Ω超。厚み方向の導電性は不良。 絶縁抵抗の測定 上記で使用したのと同じFPCの電極パターン上に、各
実施例、比較例で製造した異方導電膜を貼り付けた。
【0086】次にこの異方導電膜上に、今度はAl膜を
蒸着していないガラス基板を重ねた状態で、100℃に
加熱しながら1電極あたり10gの圧力で加圧して熱接
着させた。そして異方導電膜を介してガラス基板が熱接
着された、隣り合う2つのAu電極間の抵抗値を測定し
て、異方導電膜の面方向の絶縁抵抗とした。結果を表2
に示す。なお表中の評価は、それぞれ下記のとおりとし
た。
【0087】 ◎:絶縁抵抗が1GΩ超。面方向の絶縁性は極めて良
好。 ○:絶縁抵抗が1MΩ超で、かつ1GΩ以下。面方向の
絶縁性は良好。 ×:絶縁抵抗が1MΩ以下。面方向の絶縁性は不良。
【0088】
【表2】
【0089】表2より、鎖の長さが隣り合う電極間の距
離よりも長い鎖状のNi粉末を含有させた比較例4の異
方導電膜は絶縁抵抗が低く、面方向の絶縁性が悪いこと
がわかった。そしてこの原因として、熱接着時にNi粉
末の横倒しが発生して、隣り合う電極間を短絡させたこ
とが予測された。また、比L/Dが小さすぎて鎖状でな
く粒状を呈するNi粉末を含有させた比較例5の異方導
電膜は、接続抵抗が高く、厚み方向の導電性が低いこと
がわかった。
【0090】これに対し、実施例6、7の異方導電膜は
何れも接続抵抗が低く、厚み方向の導電性に優れるとと
もに、絶縁抵抗が高く、面方向の絶縁性にも優れること
がわかった。そしてこのことから、鎖の長さを隣り合う
電極間の距離未満とすることによって、たとえ熱接着時
にNi粉末の横倒しが発生しても、隣り合う電極間の短
絡を確実に防止できることが確認された。 〔コンタクトプローブ実装用の異方導電膜〕 実施例8 導電成分としては、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた鎖
が複数本、束状に凝集した形状を有し、Ni粒の粒径が
100nm、鎖の径が10μm、長さが50μmである
Ni粉末を用いた。
【0091】そしてこのNi粉末と、結着剤としてのア
クリル樹脂とを、金属充てん率が1体積%となるように
混合し、メチルエチルケトンを加えてペースト状の複合
材料を調製した。次にこの複合材料を、下地としての磁
石の上に塗布して、200000μTの磁場中で乾燥、
固化させることによって、金属粉末を膜の厚み方向に配
向させた状態で固定したのちはく離して、厚み120μ
mの異方導電膜を製造した。
【0092】実施例9 導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状
を有し、Ni粒の粒径が1μm、鎖の径が10μm、長
さが50μmであるNi粉末を用いたこと以外は実施例
8と同様にして、厚み120μmの異方導電膜を製造し
た。 実施例10 導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状
を有し、Ni粒の粒径が1μm、鎖の径が10μm、長
さが50μmであるNi粉末の表面を、厚み50nmの
Agで被覆した複合構造を有する金属粉末を用いたこと
以外は実施例8と同様にして、厚み120μmの異方導
電膜を製造した。
【0093】実施例11 導電成分として、微細なNi粒が直鎖状に繋がれた形状
を有し、Ni粒の粒径が300nm、鎖の径が600n
m、長さが50μmであるNi粉末を用いたこと以外は
実施例8と同様にして、厚み120μmの異方導電膜を
製造した。 比較例6 導電成分として、直径5μmの球状のNi粉末を用い、
このNi粉末と、結着剤としてのアクリル樹脂とを、金
属充てん率が10体積%となるように混合し、メチルエ
チルケトンを加えてペースト状の複合材料を調製した。
【0094】次に、この複合材料をガラス基板上に塗布
して乾燥、固化させたのち、はく離することで、厚み1
20μmの異方導電膜を製造した。 比較例7 導電成分として、前記比較例2で使用したのと同じ、直
径5μmの球状の樹脂粒子の表面に、100nmのAu
を被覆した金属粉末を用い、この金属粉末と、結着剤と
してのアクリル樹脂とを、金属充てん率が10体積%と
なるように混合し、メチルエチルケトンを加えてペース
ト状の複合材料を調製した。
【0095】次に、この複合材料をガラス基板上に塗布
して乾燥、固化させたのち、はく離することで、厚み1
20μmの異方導電膜を製造した。 比較例8 絶縁性の樹脂中に、直径20μm、長さ120μmの円
柱状のCu粉末を30μm間隔で分布させた、厚み12
0μmの市販の異方導電膜を、比較例8とした。
【0096】接続抵抗の測定 幅100μm、長さ50μm、厚み2μmのAu電極が
40μm間隔で配列された電極パターンを有するFPC
の、上記電極パターン上に、各実施例、比較例で製造し
た異方導電膜を貼り付けた。次に、片面にAl膜を蒸着
したガラス基板を、Al膜が異方導電膜と接するように
重ねた状態で、100℃に加熱しながら1電極あたり1
gの圧力で加圧して熱接着させた。
【0097】そして異方導電膜とAl膜とを介して導電
接続された隣り合う2つのAu電極間の抵抗値を測定
し、この測定値を1/2にして、異方導電膜の厚み方向
の接続抵抗とした。結果を表3に示す。なお表中の評価
は、それぞれ下記のとおりとした。 ◎:接続抵抗が0.1Ω以下。厚み方向の導電性は極め
て良好。 ○:接続抵抗が0.1Ω超で、かつ1Ω以下。厚み方向
の導電性は良好。
【0098】×:接続抵抗が1Ω超。厚み方向の導電性
は不良。 絶縁抵抗の測定 幅100μm、長さ50μm、厚み2μmのAu電極が
40μm間隔で配列された電極パターンを有するFPC
の、上記電極パターン上に、各実施例、比較例で製造し
た異方導電膜を貼り付けた。次にこの異方導電膜上に、
今度はAl膜を蒸着していないガラス基板を重ねた状態
で、100℃に加熱しながら1電極あたり1gの圧力で
加圧して熱接着させた。
【0099】そして異方導電膜を介してガラス基板が熱
接着された、隣り合う2つのAu電極間の抵抗値を測定
して、異方導電膜の面方向の絶縁抵抗とした。結果を表
3に示す。なお表中の評価は、それぞれ下記のとおりと
した。 ◎:絶縁抵抗が10GΩ以上。面方向の絶縁性は極めて
良好。 ○:絶縁抵抗が100MΩ超で、かつ10GΩ未満。面
方向の絶縁性は良好。 ×:絶縁抵抗が100MΩ以下。面方向の絶縁性は不
良。
【0100】限界電流量の測定 幅100μm、長さ50μm、厚み2μmのAu電極が
40μm間隔で配列された電極パターンを有するFPC
の、上記電極パターン上に、各実施例、比較例で製造し
た異方導電膜を貼り付けた。次に、片面にAl膜を蒸着
したガラス基板を、Al膜が異方導電膜と接するように
重ねた状態で、100℃に加熱しながら1電極あたり1
gの圧力で加圧して熱接着させた。
【0101】そして異方導電膜とAl膜とを介して導電
接続された隣り合う2つのAu電極間に電流を流すとと
もに、その電流値を徐々に増加させた際に、溶断による
断線が発生した電流値を求めて限界電流量とした。結果
を表3に示す。なお表中の評価は、それぞれ下記のとお
りとした。 ◎:限界電流量が1.5A超。耐電流特性は極めて良
好。 ○:限界電流値が1.0A以上で、かつ1.5A以下。
耐電流特性は良好。
【0102】×:限界電流値が1.0A未満。耐電流特
性は不良。
【0103】
【表3】
【0104】表3より、球状のNi粉末を10体積%の
金属充てん率で含有させた比較例6の異方導電膜、並び
に樹脂粒子とAu被覆の複合構造を有する球状の金属粉
末を10体積%の金属充てん率で含有させた比較例7の
異方導電膜はともに接続抵抗が高く、厚み方向の導電性
が悪いことがわかった。また比較例6の異方導電膜は絶
縁抵抗が低いことから、面方向の絶縁性も悪いことがわ
かった。また円柱状のCu粉末を含有させた比較例8の
異方導電膜は、やはり接続抵抗が高く、厚み方向の導電
性が悪いことがわかった。
【0105】これに対し、実施例8〜11の異方導電膜
は何れも接続抵抗が低く、厚み方向の導電性に優れると
ともに、絶縁抵抗が高く、面方向の絶縁性にも優れるこ
とがわかった。また実施例8〜10と実施例11から、
異方導電膜の限界電流値を向上するためには、金属粉末
の鎖の径を1μmを超える範囲、特に5μm以上にする
のが好ましいことが確認された。
【0106】また実施例8、9と実施例10から、接続
抵抗をさらに低くするためには、金属粉末の鎖の表面
に、導電性に優れた金属を被覆すればよいことが確認さ
れた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 13/00 501 H01B 13/00 501P H01L 21/60 311 H01L 21/60 311S H01R 43/00 H01R 43/00 H // H05K 3/32 H05K 3/32 B (72)発明者 柏原 秀樹 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 年岡 英昭 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 小副川 みさ子 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 小山 惠司 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 真嶋 正利 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 谷 佳枝 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 Fターム(参考) 5E051 CA03 5E319 AA03 AC01 BB11 BB16 CC61 CD26 GG01 5F044 KK03 LL09 5G307 AA08 HA02 HB03 HC01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細な金属粒が多数、鎖状に繋がった形状
    を有する金属粉末を、導電成分として含むことを特徴と
    する異方導電膜。
  2. 【請求項2】金属粉末の鎖を膜の厚み方向に配向させた
    請求項1記載の異方導電膜。
  3. 【請求項3】鎖状の金属粉末、またはこの金属粉末を形
    成する個々の金属粒を、常磁性を有する金属単体、常磁
    性を有する2種以上の金属の合金、常磁性を有する金属
    と他の金属との合金、もしくは常磁性を有する金属を含
    む複合体にて形成した請求項1記載の異方導電膜。
  4. 【請求項4】常磁性を有する金属単体、常磁性を有する
    2種以上の金属の合金、または常磁性を有する金属と他
    の金属との合金によって形成される金属粉末または金属
    粒の全体、もしくは常磁性を有する金属を含む複合体に
    よって形成される金属粉末または金属粒のうち、常磁性
    を有する金属を含む部分を、 その形成材料である常磁性を有する金属のイオンを、還
    元剤を含む溶液に加えることで、液中に析出させて形成
    した請求項3記載の異方導電膜。
  5. 【請求項5】還元剤として3価のチタン化合物を用いた
    請求項4記載の異方導電膜。
  6. 【請求項6】固形分として鎖状の金属粉末と結着剤とを
    含み、かつ固形分の総量に占める金属粉末の割合で表さ
    れる金属充てん率を0.05〜20体積%とした請求項
    1記載の異方導電膜。
  7. 【請求項7】金属粉末として、多数の微細な金属粒が直
    鎖状または針状に繋がった形状を有するものを用いた請
    求項1記載の異方導電膜。
  8. 【請求項8】金属粉末の鎖の長さを、導電接合する隣り
    合う電極間の距離未満とした請求項1記載の異方導電
    膜。
  9. 【請求項9】金属粉末の鎖の径を1μm以下とした請求
    項8記載の異方導電膜。
  10. 【請求項10】金属粒の粒径を400nm以下とした請
    求項9記載の異方導電膜。
  11. 【請求項11】金属粉末の、鎖の長さLと径Dとの比L
    /Dを3以上とした請求項8記載の異方導電膜。
  12. 【請求項12】金属粉末の鎖の径を、1μmを超え、か
    つ20μm以下とした請求項2記載の異方導電膜。
  13. 【請求項13】固形分として鎖状の金属粉末と結着剤と
    を含み、かつ固形分の総量に占める金属粉末の割合で表
    される金属充てん率を0.05〜5体積%とした請求項
    12記載の異方導電膜。
  14. 【請求項14】鎖状の金属粉末を、常磁性を有する金属
    単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、常磁性を
    有する金属と他の金属との合金、もしくは常磁性を有す
    る金属を含む複合体にて形成した鎖と、その表面を被覆
    した、Cu、Rb、Rh、Pd、Ag、Re、Ptおよ
    びAuからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属と
    の複合体にて形成した請求項8または12記載の異方導
    電膜。
  15. 【請求項15】請求項2記載の異方導電膜を製造する方
    法であって、少なくともその一部が常磁性を有する金属
    によって形成された鎖状の金属粉末と、結着剤とを含
    む、流動性を有する複合材料を、下地面と交差する方向
    に磁場を印加した下地上に塗布して、複合材料中の金属
    粉末の鎖を、上記磁場の方向に沿う膜の厚み方向に配向
    させるとともに、複合材料を固化または硬化させて鎖の
    配向を固定することを特徴とする異方導電膜の製造方
    法。
  16. 【請求項16】請求項2記載の異方導電膜を製造する方
    法であって、少なくともその一部が常磁性を有する金属
    によって形成された鎖状の金属粉末を、下地面と交差す
    る方向に磁場を印加した下地上に散布して、金属粉末の
    鎖を、上記磁場の方向に配向させるとともに、その上
    に、結着剤を含む、流動性を有する塗剤を塗布して固化
    または硬化させて鎖の配向を固定することを特徴とする
    異方導電膜の製造方法。
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