JP2003331659A - 超電導転位セグメント導体およびその製造方法 - Google Patents

超電導転位セグメント導体およびその製造方法

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知史 鈴木
Kenji Goto
謙次 後藤
Takashi Saito
隆 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超電導ケーブル等に用いられる超電導転位セ
グメント導体が、前記ケーブルの製造時の曲げ加工等に
より転位撚りが解けないようにすること、さらに曲げ歪
み等が施されても前記セグメント導体を構成する個々の
導体が自由に動くことができるようにすること、さらに
また前記超電導転位セグメント導体上に施す硬化型の樹
脂被覆を、自動的に連続して行えるようにすること。 【解決手段】 超電導材料からなる複数本の平角状の超
電導導体が転位セグメントに構成され、かつその転位セ
グメント導体には硬化型の樹脂被覆が施され超電導転位
セグメント導体とすることによって、解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は超電導転位セグメ
ント導体並びにその製造方法に関し、前記転位セグメン
ト導体の全体を硬化型樹脂によって被覆することによっ
て、転位セグメント導体の安定性、機械的特性並びに生
産性の向上を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の超電導転位セグメントと
しては、テープ状の超電導導体の複数本を転位撚り合わ
せ、すなわち前記各超電導導体を長手方向に順次その位
置を変えて撚り合わせることによって、この転位セグメ
ントを用いた超電導線のインピーダンスが均等になるよ
うにしていた。高温酸化物超電導体を用いた転位セグメ
ント導体の場合について説明すると、例えばビスマス系
の高温超電導体(BiSrCaCuX、Bi
SrCaCuX等)を、銀シース等に充填し
縮径加工等により所望のテープ形状に成形した後、必要
により熱処理を施してビスマス系の高温超電導導体と
し、これに絶縁被覆等を設けて超電導導体としていた。
ついでこの超電導導体の複数本を長手方向に積層する段
階で転位撚り加工を行い、そしてこれらの転位セグメン
ト導体が解けないようにするために、適当な間隔、例え
ば10〜15mmで、粘着テープ等を巻回して、ビスマ
ス系高温酸化物超電導転位セグメント導体を製造してい
た。
【0003】しかしながら、このような構造の転位セグ
メント導体においては、転位セグメント導体に曲げ歪み
が加えられた場合、前記セグメント導体を構成する個々
の導体が一体として振舞うために、特に外側の導体に大
きな歪みが加わることになり、交流通電時における損失
が大きなものとなる。また、個々の導体どうしの摩擦等
によって曲げ半径が小さな場合、例えば曲率半径が50
mm程度になると、内側の導体が膨らんでしまうような
ことが生じる。さらに、この転位セグメント導体をフォ
ーマ等にスパイラル状に巻き付けたりする時にピッチが
小さい場合には、転位撚りが崩れたりすることが生じて
いた。また前記転位セグメント導体の製造は、前記粘着
テープ等の巻回留めを手作業で行なっているので手間が
かかり、生産性も悪いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明が解決し
ようとする課題は、超電導ケーブル等に用いられる超電
導転位セグメント導体が、前記ケーブルの製造時の曲げ
加工等により転位撚りが解けないようにすること、さら
に曲げ歪み等が施されても前記セグメント導体を構成す
る個々の導体が自由に動くことができるようにするこ
と、さらにまた前記超電導転位セグメント導体上に施す
硬化型樹脂被覆を、自動的に連続して行えるようにする
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そして前記課題を解決す
るためには、請求項1に記載されるように超電導材料か
らなる複数本の平角状導体が転位セグメント導体に構成
され、かつその転位セグメント導体表面に硬化型樹脂被
覆が施されたことを特徴とする、超電導転位セグメント
導体とすることによって、解決される。
【0006】また請求項2に記載されるように、前記超
電導材料が高温酸化物超電導導体或いはA15型の金属
間化合物の超電導導体とする超電導転位セグメント導体
とすることによって、さらには請求項3に記載されるよ
うに、前記硬化型樹脂被覆の弾性率が0.01〜50G
Paであり、かつ被覆厚が10μm以上とする超電導転
位セグメント導体とすることによって、解決される。
【0007】さらにまた請求項4に記載されるように、
平角状の超電導導体を順次分線盤を通過させて集合し、
ついで硬化型樹脂が充填された樹脂槽の入口側に設けら
れた撚合せダイスに導入して転位撚りを施して転位セグ
メント導体とした後、前記転位セグメント導体の表面に
前記硬化型樹脂を被覆し、さらに前記樹脂槽の出口側に
設けた調整ダイスによって被覆厚さを調整した後、硬化
処理を施すことを特徴とする硬化型樹脂が被覆された超
電導転位セグメント導体の製造方法とすることによっ
て、解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに本発明を詳細に説明する。
請求項1に記載される発明は、超電導材料からなる複数
本の平角状導体が転位セグメント導体として構成され、
かつその転位セグメント導体表面に硬化型樹脂被覆が施
された超電導転位セグメント導体に関するもので、この
ような構造とすることによって、前記超電導転位セグメ
ント導体の転位撚りが解けないようになり、そしてこれ
に曲げ歪み等が加わっても個々の超電導導体が自由に動
くことができるようになる。このことは、前記超電導転
位セグメント導体を構成する個々の超電導導体が一体と
して振舞うことがなくなるので、外側の導体に大きな歪
みが加わることもなくなる。また、前記個々の導体どう
しの摩擦等によって、曲げ半径が小さな場合には内側の
導体が膨らんでしまうようなこともなくなる。さらに、
この転位セグメント導体をフォーマ等にスパイラル状に
巻回する場合も、ピッチが小さい場合に転位撚りが崩れ
たりすることが生じていた問題がなくなる。
【0009】図1を用いて説明する。1は、超電導転位
セグメント導体で、平角状の超電導導体2が転位撚り合
わされて構成され、その上には硬化型の樹脂が被覆3さ
れて製造されるものである。図1では前記超電導導体2
が6本の場合であるが、本数はその用途によって適宜選
定されるものである。そして前記超電導導体2は、ビス
マス系の高温酸化物超電導体として、BiSrCa
CuX系やBi SrCaCuX系のもの
が、イットリウム系高温超電導導体として、YBa
CuX系等の高温酸化物超電導体或いはその原料粉
末が銀シース中に充填され、これを平角状にダイス等に
より成形加工し、必要により焼成することによって製造
される。通常この超電導導体は、さらに多数本を銀シー
ス等に配置し、前述と同様に成形加工が繰り返されて、
極細多芯の超電導線として使用されるものである。なお
前記シース材料としては、銀(Ag)以外にも白金(P
t)、金(Au)等の貴金属の単体並びに合金や強化銀
(Ag−0.2Wt%Mg−0.3Wt%Sb)も使用
できる。また、金属間化合物系の超電導体として、A1
5型と称されるNbSn、NbAlやVGa等の
超電導体を成形加工して、平角状の超電導導体とするも
のである。大きさは例えば、厚さ0.05〜2mm×幅
1〜10mm程度のものである。
【0010】このような平角状の超電導導体は例えば、
6本を図1に示すように2列に積み上げられ、順次エッ
ジ方向に転位させて、超電導転位セグメント導体1とし
たものである。そしてこの超電導転位セグメント導体
は、種々の方法によって全体に樹脂被覆3が施される。
この樹脂被覆は硬化型の樹脂を用いるもので、熱硬化
型、紫外線硬化型や室温硬化型のものである。具体的に
は、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、
エポキシ樹脂等の弾力性に富んでいるものが好ましい。
このような硬化型樹脂は、弾力性は前記超電導導体と比
較して小さなものであり、好ましい。また前記樹脂被覆
3の形成方法としては、塗布、吹き付け等によって、被
覆することができる。このように硬化型樹脂が被覆され
た超電導転位セグメント導体は、可撓性を有しかつ曲げ
歪みを受けても転位セグメントが解けることがない。
【0011】以上のように構成された超電導転位セグメ
ント導体1は、前記セグメント全体にわたり硬化型樹脂
の被覆3を設けたものであるから、これに曲げ加工等を
加えてもその形状を十分に保持することができる。また
前記超電導転位セグメント導体の個々の超電導導体は自
由に動くことができるので、前記超電導導体のふくらみ
の問題や大きな圧縮力等の歪みがかかることもない。こ
のような本発明の超電導転位セグメント導体は、可撓性
に優れたものとなりあたかも1本の導体と同様に扱うこ
とが可能となるものである。なお、このような超電導転
位セグメント導体は、その用途として超電導ケーブル、
超電導変圧器、超電導マグネット、超電導限流器等に使
用することができる。
【0012】さらに請求項2乃至3に記載される好まし
い超電導転位セグメント導体1について説明すると、請
求項2に記載される高温酸化物系超電導導体やA15の
金属間化合物からなる超電導導体を用いることによっ
て、超電導転位セグメント導体は、線材の幾何的配置の
差異により、偏流せず高電流を通電できることになり、
また請求項3に記載されるように、前記硬化型樹脂の弾
性率を0.01〜50GPaとし、さらにその被覆厚さ
を10μm以上とすることによって、曲げ加工を施した
場合に前記樹脂の破損を防止できることとなり、超電導
転位セグメント導体の解れが全くない可撓性に優れたも
のとなり、また前記転位セグメントを構成する各超電導
導体が、曲げ歪み等に対して自由に動くことを阻害した
り、小さな極率で大きな曲げが印加されることもなくな
り、好ましいものとなる。例えば、厚さ0.3mmで、
幅1.5mm程度の平角状の超電導導体を、曲率半径が
50mmに曲げられるような場合にも十分対応できるよ
うになる。なお前記硬化型樹脂の弾性率は、0.01〜
10GPaの範囲とするのが、可撓性からより好ましい
ものである。
【0013】つぎに請求項4に記載する製造方法につい
て述べると、平角状の超電導導体を順次分線盤を通過さ
せて集合し、ついで硬化型樹脂が充填された樹脂槽の入
口側に設けられた撚合せダイスに導入して転位撚りを施
して転位セグメント導体とした後、前記転位セグメント
導体の表面に前記硬化型樹脂を被覆し、さらに前記樹脂
槽の出口側に設けた調整ダイスによって被覆厚さを調整
した後、硬化処理を施す硬化型樹脂が被覆された超電導
転位セグメント導体の製造方法に関するものである。こ
のような製造方法とすることにより、超電導転位セグメ
ント導体を、自動化して効率よく製造することができる
ようになる。
【0014】図2を用いて説明する。ここで説明する例
は、室温硬化型の樹脂被覆3を形成した超電導転位セグ
メント導体を製造する場合である。0.24mm×1.
9mmの銀シース被覆ビスマス系酸化物超電導体からな
る平角状の超電導導体2は、図2の左方から順次送出さ
れ4の分線盤を通過して集合され、硬化型樹脂が充填さ
れた樹脂槽5の入口側に設けられた転位撚合せダイス6
によって、図1に示されるような転位セグメントに成形
され、樹脂槽5を通過中に紫外線硬化型の樹脂であるデ
ソライトR1166(JSR社の商品名)が、樹脂被覆
3される。ついで、前記樹脂槽5の出口側に設けた調整
ダイス7によって、被覆厚さの調整がなされ、そのまま
大気中に導かれ硬化されて巻取られる。なお前記被覆厚
さは、約10μmであった。このようにして、紫外線硬
化型の樹脂被覆が施された超電導転位セグメント導体
(0.8mm×3.9mm)が、得られることになる。
以上のような製造方法とすることによって、製造ライン
を完全に自動化することが可能となり、従来のように前
記転位セグメント導体に解れ防止の押さえ巻きを手作業
で行う必要がなくなり、大幅に生産性が向上できる。
【0015】なお前述の説明では、被覆樹脂として紫外
線硬化型の樹脂の場合について説明したが、熱硬化型の
樹脂(例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂等)を用い
る場合には、前記樹脂槽5の後に加熱処理を行うゾーン
を設けることによって、同様に製造することができる。
また、前述のような紫外線硬化型の樹脂被覆を形成させ
る場合には、前記樹脂槽5と紫外線照射部を一つの部屋
の中に配置することによって、同様に樹脂被覆された超
電導転位セグメント導体を製造することが可能となる。
【0016】このような製造方法とすることによって、
得られた超電導転位セグメント導体は、このような転位
セグメント導体に曲げ加工等を加えてもその形状を十分
に保持することができ、また前記転位セグメント導体の
個々の導体は、それぞれが自由に動くことができるの
で、前記超電導導体のふくらみの問題や大きな圧縮力等
の歪みがかかることもなくなる。このように本発明の超
電導転位セグメント導体は、可撓性に優れたものとな
り、あたかも1本の導体と同様に扱うことが可能とな
る。また、以上のような製造方法とすることによって、
製造ラインを完全に自動化することが可能であり、従来
のように前記転位セグメント導体に解れ防止のための、
粘着テープ等を手作業で巻回する必要もなくなり、生産
性が大幅に向上する。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を記載して効果について述べ
る。
【0018】実施例1:高温超電導材料であるビスマス
系の酸化物超電導導体(BiSr CaCu
X)からなる厚さ0.24mmで幅が1.9mmの
銀シース平角状超電導導体6本を、図1のように転位撚
りした転位セグメント導体を作製し、これに厚さ10μ
mの紫外線硬化型樹脂(商品名「デソライトR116
6」)を被覆して、硬化型樹脂被覆したビスマス系超電
導転位セグメント導体を得た。このものについて、ボビ
ンへの巻き返しのような繰り返し曲げ加工を加えて、前
記転位セグメント導体の状態を観察したところ、この超
電導転位セグメント導体はあたかも1本の超電導導体の
ような可撓性を有し、各超電導導体が解ける等の転位セ
グメントがバラけることが全くないものであった。また
前記各導体どうしの摩擦による超電導導体の変形や破損
も全く生じていなかった。さらに前記のような曲げ加工
を繰り返し受けた後の各高温超電導導体の特性劣化(臨
界電流値の低下等の現象)も見られなかった。
【0019】実施例2:超電導ケーブルの線材として応
用した例について述べる。図3に示すような直径20m
mのステンレス製のフォーマに、厚さ0.24mmで幅
が1.90mmの、銀シース被覆ビスマス系高温超電導
体からなる導体6本を転位撚りし、その上にシリコーン
樹脂系の熱硬化型樹脂(信越化学社製の商品名「シリコ
ーン樹脂KE1843」)を30μm厚さ被覆した超電
導転位セグメント導体15本を、スパイラル状にピッチ
100mm〜1000mmの範囲で巻回配置し、その上
に不織布を絶縁被覆して超電導ケーブルとした。比較例
として、前記と同様の超電導転位セグメント導体を用
い、硬化型樹脂被覆の代わりに粘着テープを10mm間
隔で解れ防止として施した超電導ケーブルについて、前
記転位セグメント導体の各導体に係るスパイラルピッチ
に依存する歪み(%)を比較した。
【0020】結果を図4に示した。この図から明らかな
如く、本発明の硬化型樹脂被覆超電導転位セグメント導
体は、粘着テープによって解れないようにした比較例の
転位セグメント導体に比較してスパイラルピッチに対す
る歪み(%)が、各スパイラルピッチ例えば100m
m、200mm、400mm、600mmにおいて、6
0%以上小さくなっていることが判る。このことは、本
発明の前記転位セグメント導体が小さな曲げ半径で曲げ
られても、特性劣化がないことを示している。よって、
本発明の硬化型樹脂被覆超電導転位セグメント導体は、
小さなピッチで巻き付けが可能であり、マグネット等の
コイルとして十分使用可能なことが判る。
【0021】実施例3:次に製造方法の実施例について
述べる。厚さ0.24mmで幅が1.9mmの銀シース
ビスマス系超電導導体6本を、順次左方から2m/mi
nの速度で送出し、分線盤4を通過させて集合し、室温
硬化型樹脂が充填された樹脂槽5の入口側に設けられた
転位撚合せダイス6によって、転位セグメントに成形さ
れ、樹脂槽5を通過させて前記硬化型樹脂を被覆した。
ついで、前記樹脂槽5の出口側に設けた調整ダイス7に
よって、被覆厚さ10μmに調整し、そのまま大気中で
硬化させて、硬化型樹脂被覆が施された厚さ0.8mm
で幅が3.9mmの超電導転位セグメントを製造した。
この超電導転位セグメント導体について、フラットワイ
ズの曲げ加工を施し、超電導転位セグメント導体の臨界
電流値を測定して、その性能を調べた。
【0022】結果は、前記超電導転位セグメント導体は
曲げ加工に対して転位セグメントが解れることはなかっ
た。また、臨界電流値についても、全く問題のないもの
であった。そしてこのような製造方法とすることによっ
て、製造ラインを自動化することができ、硬化型の樹脂
被覆の厚さも自由に調整することができ、その製造速度
も従来のように前記転位セグメント導体に解れ防止の押
さえ巻きを手作業で行うものと比較して、3倍以上であ
った。さらに、本発明の製造方法によれば超電導導体そ
の種類に関係なく、必要数使用して超電導転位セグメン
ト導体を製造することができることになる。
【0023】
【発明の効果】本発明は請求項1に記載されるように、
超電導材料からなる複数本の平角状導体が転位セグメン
トに構成され、かつその転位セグメントには硬化型樹脂
被覆が施された超電導転位セグメント導体とすること、
また請求項2に記載されるように、前記超電導材料が、
高温酸化物超電導導体或いはA15型の金属間化合物か
らなる超電導導体とすること、さらに請求項3に記載さ
れるように、前記硬化型樹脂被覆は、弾性率が0.01
〜50GPa(好ましくは0.01〜10GPa)であ
って、10μm以上の厚さに被覆する超電導転位セグメ
ント導体としたので、前記超電導転位セグメント導体の
転位撚りが解けないようにすることができ、また曲げ歪
み等を施しても個々の導体が自由に動くことができるの
で、超電導転位セグメント導体を構成する個々の導体が
一体として振舞うことによる外側の導体に大きな歪みが
加わることもない。また、前記転位セグメント導体を構
成する個々の導体同士の摩擦等によって、曲げ半径が小
さな場合にも内側の導体が膨らんでしまうようなことも
なくなる。さらに、この超電導転位セグメント導体をフ
ォーマ等にスパイラル状に巻き付けたりする場合に、そ
のピッチを小さくしても転位撚りが崩れたりすることが
ない等の、優れた超電導転位セグメント導体とすること
ができる。そしてこのような超電導転位セグメント導体
は、その用途として超電導ケーブル、超電導変圧器、超
電導マグネット、超電導限流器等に使用することができ
る。
【0024】また本発明は請求項4に記載されるよう
に、平角状の超電導導体を順次分線盤を通過させて集合
し、ついで硬化型樹脂が充填された樹脂槽の入口側に設
けられた撚合せダイスに導入して転位撚りを施して転位
セグメント導体とした後、前記転位セグメント導体の表
面に前記硬化型樹脂を被覆し、さらに前記樹脂槽の出口
側に設けた調整ダイスによって被覆厚さを調整した後、
硬化処理を施す硬化型樹脂が被覆された超電導転位セグ
メント導体の製造方法としたので、前記転位セグメント
導体への粘着テープ等による解れ防止のための巻回作業
を、手作業で行う必要がなくなり、また製造ラインを完
全に自動化することが可能となるので、生産性の大幅な
向上が見られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超電導転位セグメント導体の概略を示
す断面図である。
【図2】本発明の超電導転位セグメント導体の製造方法
の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の超電導転位セグメント導体を用いた、
超電導ケーブルの概略を示す図面である。
【図4】図3に示した超電導ケーブルの各導体に係る歪
みを、スパイラルピッチごとに示すグラフである。
【符号の説明】
1 超電導転位セグメント導体 2 超電導導体 3 樹脂被覆 4 分線盤 5 樹脂槽 6 転位撚合せダイス 7 調整ダイス 8 フォーマ 9 絶縁被覆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 隆 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 5G321 AA01 AA11 BA01 BA02 BA03 CA16 CA18 CA48

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導材料からなる複数本の平角状導体
    が転位セグメント導体に構成され、かつその転位セグメ
    ント導体表面に硬化型樹脂被覆が施されたことを特徴と
    する、超電導転位セグメント導体。
  2. 【請求項2】 前記超電導材料が、高温酸化物超電導導
    体或いはA15型の金属間化合物からなる超電導導体で
    あることを特徴とする、請求項1に記載の超電導転位セ
    グメント導体。
  3. 【請求項3】 前記硬化型樹脂被覆は、弾性率が0.0
    1〜50GPaであり、かつ被覆厚が10μm以上であ
    ることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記
    載の超電導転位セグメント導体。
  4. 【請求項4】 平角状の超電導導体を順次分線盤を通過
    させて集合し、ついで硬化型樹脂が充填された樹脂槽の
    入口側に設けられた撚合せダイスに導入して転位撚りを
    施して転位セグメント導体とした後、前記転位セグメン
    ト導体の表面に前記硬化型樹脂を被覆し、さらに前記樹
    脂槽の出口側に設けた調整ダイスによって被覆厚さを調
    整した後、硬化処理を施すことを特徴とする硬化型樹脂
    が被覆された超電導転位セグメント導体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005096322A1 (en) * 2004-03-31 2005-10-13 Industrial Research Limited Composite superconductor cable produced by transposing planar subconductors
US7788893B2 (en) 2006-12-21 2010-09-07 General Cable Superconductors Limited Apparatus and method for producing composite cable
US8156637B2 (en) 2006-12-21 2012-04-17 General Cable Superconductors Limited Apparatus for forming HTS continuous conductor elements

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