JP2003330148A - 写真用支持体及び熱現像感光材料 - Google Patents

写真用支持体及び熱現像感光材料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下引層塗設後の保存時に張り付きの発生がな
い写真用支持体、及び上塗り層と写真用支持体との接着
性が良好な熱現像感光材料を提供すること。 【解決手段】 ポリエステル支持体の少なくとも一方の
面に、不飽和2重結合をエポキシ化したエポキシ化スチ
レンブタジエンポリマーを含有する層を有することを特
徴とする写真用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真用支持体及び
熱現像感光材料に関し、特に下引層塗設後の保存時に張
り付きの発生がない写真用支持体、及び熱現像処理前後
に写真用支持体と上塗り層との接着性に優れた熱現像感
光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、医療や印刷製版の分野では、画像
形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題と
なっており、近年では、環境保全、省スペースの観点か
らも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レー
ザーイメージャーやレーザーイメージセッタにより効率
的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像形成する
ことができる写真技術用途の光熱写真材料に関する技術
が必要とされている。かかる技術として、例えば、米国
特許第3,152,904号、同3,487,075
号、及びD.モーガン(Morgan)による「ドライ
シルバー写真材料(Dry Silver Photo
graphic Materials)」(Handb
ook of Imaging Materials,
MarcelDekker,Inc.第48頁,199
1)等に記載されているように、支持体上に有機銀塩、
感光性ハロゲン化銀粒子及び還元剤を含有する熱現像感
光材料が知られている。この熱現像感光材料では溶液系
処理薬品を一切使用しないため、より簡便で環境を損な
わないシステムをユーザーに提供することができる。
【0003】これらの熱現像感光材料の設計には、従来
の現像液により現像する感光材料とは異なる熱現像特有
の配慮が必要である。特に熱現像時には、通常80〜1
40℃の熱がかかるため従来とは異なった設計が必要と
なる。例えば、熱現像感光材料は、画像形成層や、イメ
ージャーからのレーザー光を吸収するための染料を含有
したバッキング層等を支持体上に有しているが、これら
の層は、熱現像前のみならず、熱現像後においても支持
体に強固に接着していなければならない。これらの層を
支持体に接着するために、易接着機能を有する下引層を
支持体上に設けることが多い。画像形成層との接着を目
的とした易接着層には、熱現像温度付近で軟化しやす
く、画像形成層成分との相溶性の高い素材を用いると熱
現像後の接着性がよいことが一般的に知られている。た
だし、保存時の室温状態でも、現像時の熱がかかった状
態でも接着力を保つためには、下引層が広い温度領域で
十分な機能を発揮できるよう下引層を設計しなければな
らない。耐熱性の高い材料により構成された下引層で
は、熱現像処理前において、上塗り層との接着は困難で
あり、一方耐熱性の低い材料により構成された下引層で
は、上塗り層との接着は十分であっても、上塗り層が塗
設される前の巻き取られたときに支持体同士が張り付い
てしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、下引
層塗設後の保存時に張り付きの発生がない写真用支持
体、及び上塗り層と写真用支持体との接着性が良好な熱
現像感光材料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
構成により達成された。
【0006】1.ポリエステル支持体の少なくとも一方
の面に、不飽和2重結合をエポキシ化したエポキシ化ス
チレンブタジエンポリマーを含有する層を有することを
特徴とする写真用支持体。
【0007】2.エポキシ化スチレンブタジエンポリマ
ーを含有する層が下引層であることを特徴とする上記1
記載の写真用支持体。
【0008】3.下引層を構成するバインダーの50質
量%以上がエポキシ化スチレンブタジエンポリマーであ
り、該エポキシ化スチレンブタジエンポリマーのエポキ
シ化度が全不飽和2重結合の10〜30%であることを
特徴とする上記2記載の写真用支持体。
【0009】4.上記3記載の写真用支持体を用いるこ
とを特徴とする熱現像感光材料。 5.感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩及びこの有
機銀塩の還元剤を含む熱現像感光層に不飽和2重結合を
エポキシ化したエポキシ化スチレンブタジエンポリマー
を含有することを特徴とする上記4記載の熱現像感光材
料。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の熱現像感光材料(以下、感光材料ともいう)は、
ポリエステル支持体の少なくとも一方の面に不飽和2重
結合をエポキシ化したエポキシ化スチレンブタジエンポ
リマー(以下エポキシ化SBポリマーともいう)を含有
する層を有する。エポキシ化SBポリマーは下引層に含
まれることが好ましく、さらに熱現像感光層(以下感光
層ともいう)に含まれていてもよい。
【0011】このような構成とすることにより、感光層
と下引層の間の接着性が良好となる。ここで、エポキシ
化SBポリマーを含有する層は1層であっても2層以上
であってもよく、そのうちの少なくとも1層は、エポキ
シ化SBポリマーを全バインダーの50質量%以上含有
することが好ましい。その他、下引層を構成するポリマ
ーには、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリ
デン樹脂、ポリオレフィン樹脂等のポリマーから選ぶこ
とができる。これらのポリマーのうち、エポキシ化SB
ポリマーと併用する場合は、スチレン−ブタジエン共重
合体が特に好ましい。
【0012】本発明においてエポキシ化SBポリマーと
は、一般的なスチレンブタジエン共重合体において、主
鎖のブタジエンの不飽和2重結合部分がエポキシ化され
た構造を分子鎖中に含むポリマーをいう。ここでエポキ
シ化度は10〜30%であることが好ましい。エポキシ
化度が10%未満では下引層の保存時の安定性が悪く、
30%を超えると下引層の脆弱性が問題となる。エポキ
シ化度は、エポキシ化SBポリマー中のオキシラン酸素
濃度またはエポキシ当量を測定し求めることができる。
【0013】エポキシ化SBポリマー中のスチレンとブ
タジエンの含有率は特に制限はないが、スチレンは20
〜70質量%、ブタジエンは20〜75質量%程度が好
ましい。
【0014】エポキシ化SBポリマーには、スチレン、
ブタジエン、エポキシ化ブタジエン以外に、必要に応じ
てアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等の酸成分、
ジビニルベンゼン等の3次元架橋が可能な成分、その他
アクリロニトリル、メチルメタクリレート、エチルアク
リレート等を共重合してもよい。
【0015】エポキシ化SBポリマーの数平均分子量
は、2,000〜1,000,000が好ましく、5,
000〜500,000がより好ましい。
【0016】エポキシ化SBポリマーは、通常はランダ
ム共重合体であるがブロック共重合体でもよい。また、
直鎖ポリマーでもよいし、枝分かれしたものでも架橋し
たものでもよい。そして通常、平均粒径が0.05〜
0.5μmの粒子として用いる。
【0017】エポキシ化SBポリマーは、これらのポリ
マーが水系溶媒に分散したものであることが好ましい。
ここで、水系溶媒とは、組成の30質量%以上、好まし
くは50質量%以上、特に80質量%以上が水である溶
媒(分散媒)をいう。分散状態としては、乳化分散した
もの、ミセル分散したもの、さらに分子中に親水性部位
を持ったポリマーを分子状態で分散したもの等、どのよ
うなものでもよいが、好ましくは乳化分散したもの、す
なわちラテックスが特に好ましい。
【0018】ラテックスの場合、その粒径は10〜50
0nmが好ましい。これらラテックスは、乳化重合法で
製造することができる。例えば、水を分散媒とし、水に
対して10〜50質量%のモノマーとモノマーに対して
0.05〜5質量%の重合開始剤、0.1〜20質量%
の分散剤を用い、30〜100℃、好ましくは60〜9
0℃で3〜8時間攪拌下に重合させることによって製造
することができる。モノマーの量、重合開始剤量、反応
温度、反応時間等の条件は幅広く変更することができ
る。
【0019】本発明の下引層には、バインダー以外に必
要に応じ架橋剤、マット剤、染料、フィラー、界面活性
剤等を添加してもよい。
【0020】架橋剤としては、エポキシ、イソシアネー
ト、メラミン等の公知の化合物が用いられる。また、特
開昭51−114120号等に記載されている活性ハロ
ゲン架橋材は特に好ましい。
【0021】マット剤としては、平均粒径が0.2〜5
μm程度のスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリ
カ等の微粒子が用いられる。
【0022】さらに、フィラーとしてはコロイダルシリ
カ等、界面活性剤としてはアニオン、ノニオン、カチオ
ン界面活性剤、染料としてはアンチハレーション染料、
色調調整用染料等がある。
【0023】本発明の下引層は、水系、有機溶媒系いず
れの塗布液を塗布乾燥して形成してもよいが、コストや
環境の点からは水系塗布液を用いることが好ましい。下
引層塗布液のバインダー濃度は、1〜40質量%が好ま
しく、10〜25質量%がより好ましい。
【0024】下引層の塗布方法、乾燥方法については特
に制限はないが、塗布方法としては、バーコーター法、
ディップコーター法、カーテンコート法、浸漬法、エア
ーナイフ法、ホッパー塗布法等の公知の方法を用いるこ
とができる。乾燥方法については、25〜200℃程度
で0.5〜20分間程度乾燥させればよい。本発明の下
引層の厚みは、1層当たり0.1〜10μm、より好ま
しくは0.2〜2μmが好ましい。
【0025】本発明の感光材料には、上記のエポキシ化
SBポリマーを含有する下引層の他に、エポキシ化SB
ポリマー共重合体を含有しない下引層を設けてもよい。
このような下引層のバインダーとしては、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、ゼラチン等のポリマーから選ぶことができ
る。これらの層の厚みは、0.1〜2μmの範囲が好ま
しい。下引層全体の厚さとしては、好ましくは0.1〜
15μm、より好ましくは0.2〜5μmである。
【0026】本発明の感光材料に用いる支持体はポリエ
ステルである。その厚さは通常30〜1000μmであ
るが、これらのうちで厚みが50〜300μmの2軸延
伸したポリエチレンテレフタレートは強度、耐薬品性そ
の他の点から好ましい支持体である。支持体は必要に応
じて染色してもよく、また必要に応じてコロナ処理、グ
ロー処理、火炎処理等の表面処理や下引を施したもので
あってもよい。
【0027】本発明における感光性ハロゲン化銀の形成
方法は当業界ではよく知られており、例えばResea
rch Disclosure 1978年6月の第1
7029号及び米国特許第3,700,458号に記載
されている方法を用いることができる。本発明で用いる
ことのできる具体的な方法としては、調製された有機銀
塩中にハロゲン含有化合物を添加することにより有機銀
塩の銀の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する方法、ゼ
ラチンあるいは他のポリマー溶液の中に銀供給化合物及
びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロ
ゲン化銀粒子を調製し有機銀塩と混合する方法を用いる
ことができる。本発明においては後者の方法を用いるこ
とが好ましい。
【0028】感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像
形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好
ましく、具体的には0.20μm以下が好ましく、0.
01〜0.15μmがより好ましくは、0.02〜0.
12μmが更に好ましい。ここでいう粒子サイズとは、
ハロゲン化銀粒子が立方体あるいは八面体のいわゆる正
常晶である場合にはハロゲン化銀粒子の稜の長さをい
う。また、ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合に
は主表面の投影面積と同面積の円像に換算したときの直
径をいう。その他正常晶でない場合、例えば球状粒子、
棒状粒子等の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等
な球を考えたときの直径をいう。
【0029】ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、
八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ
状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特
に立方体状粒子、平板状粒子が好ましい。平板状ハロゲ
ン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は好ましく
は100:1〜2:1、より好ましくは50:1〜3:
1がよい。更に、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まっ
た粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン
化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特
に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増
感効率が高い(100)面の占める割合が高いことが好
ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65
%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。
(100)面の比率は増感色素の吸着における(11
1)面と(100)面との吸着依存性を利用したT.T
ani;J.Imaging Sci.,29、165
(1985年)に記載の方法により求めることができ
る。
【0030】感光性ハロゲン化銀のハロゲン組成として
は特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭
化銀、ヨウ塩臭化銀、ヨウ化銀のいずれであってもよい
が、本発明においては臭化銀あるいはヨウ臭化銀を好ま
しく用いることができる。特に好ましくはヨウ臭化銀で
あり、ヨウ化銀含有率は0.1〜40mol%が好まし
く、0.1〜20mol%がより好ましい。
【0031】粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一
であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化した
ものでもよく、または連続的に変化したものでもよい
が、好ましい例として粒子内部のヨウ化銀含有率の高い
ヨウ臭化銀粒子を使用することができる。また、好まし
くはコア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を用い
ることができる。構造としては好ましくは2〜5重構
造、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を
用いることができる。
【0032】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀粒
子は、ロジウム、レニウム、ルテニウム、オスニウム、
イリジウム、コバルト、水銀または鉄から選ばれる金属
の錯体を少なくとも一種含有することが好ましい。これ
ら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属
の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀
1molに対し1nmol〜10nmolが好ましく、
10nmol〜100μmolがより好ましい。具体的
な金属錯体の構造としては特開平7−225449号等
に記載された構造の金属錯体を用いることができる。コ
バルト、鉄の化合物については6シアノ金属錯体を好ま
しく用いることができる。具体例としては、フェリシア
ン酸イオン、フェロシアン酸イオン、ヘキサシアノコバ
ルト酸イオン等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。ハロゲン化銀中の金属錯体の含有相は均一
でも、コア部に高濃度に含有させてもよく、あるいはシ
ェル部に高濃度に含有させてもよく特に制限はない。
【0033】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水
洗により脱塩することができるが、本発明においては脱
塩してもしなくてもよい。
【0034】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀粒
子は化学増感されていることが好ましい。好ましい化学
増感法としては当業界でよく知られているように硫黄増
感法、セレン増感法、テルル増感法を用いることができ
る。また金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合
物等の貴金属増感法や還元増感法を用いることができ
る。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好まし
く用いられる化合物としては公知の化合物を用いること
ができるが、特開平7−128768号等に記載の化合
物を使用することができる。
【0035】テルル増感剤としては、例えばジアシルテ
ルリド類、ビス(オキシカルボニル)テルリド類、ビス
(カルバモイル)テルリド類、ジアシルテルリド類、ビ
ス(オキシカルボニル)ジテルリド類、ビス(カルバモ
イル)ジテルリド類、P=Te結合を有する化合物、テ
ルロカルボン酸塩類、Te−オルガニルテルロカルボン
酸エステル類、ジ(ポリ)テルリド類、テルリド類、テ
ルロール類、テルロアセタール類、テルロスルホナート
類、P−Te結合を有する化合物、含Teヘテロ環類、
テルロカルボニル化合物、無機テルル化合物、コロイド
状テルル等を用いることができる。
【0036】貴金属増感法に好ましく用いられる化合物
としては、例えば塩化金酸、カリウムクロロオーレー
ト、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナ
イド、あるいは米国特許2,448,060号、英国特
許618,061号等に記載されている化合物を好まし
く用いることができる。
【0037】還元増感法の具体的な化合物としては、ア
スコルビン酸、二酸化チオ尿素の他に例えば、塩化第一
スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘
導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物
等を用いることができる。また、乳剤のpHを7以上ま
たはpAgを8.3以下に保持して熟成することにより
還元増感することができる。また、粒子形成中に銀イオ
ンのシングルアディション部分を導入することにより還
元増感することができる。
【0038】本発明の感光性ハロゲン化銀の使用量とし
ては、有機銀塩1molに対して0.01〜0.5mo
lが好ましく、0.02〜0.3molがより好まし
く、0.03〜0.25molが特に好ましい。
【0039】感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法
及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲ
ン化銀粒子と有機銀塩を高速攪拌機やボールミル、サン
ドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で
混合する方法や、有機銀塩の調製中のいずれかのタイミ
ングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機
銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に
現れる限りにおいては特に制限はない。
【0040】ハロゲン化銀調製法としては、有機銀塩の
一部の銀を有機または無機のハロゲン化物でハロゲン化
するいわゆるハライデーション法も好ましく用いられ
る。ここで用いる有機ハロゲン化物としては有機銀塩と
反応しハロゲン化銀を生成する化合物であればいかなる
物でもよいが、N−ハロゲノイミド(N−ブロモスクシ
ンイミド等)、ハロゲン化4級窒素化合物(臭化テトラ
ブチルアンモニウム等)、ハロゲン化4級窒素塩とハロ
ゲン分子の会合体(過臭化臭化ピリジニウム)等が挙げ
られる。無機ハロゲン化合物としては有機銀塩と反応し
ハロゲン化銀を生成する化合物であればいかなる物でも
よいが、ハロゲン化アルカリ金属またはアンモニウム
(塩化ナトリウム、臭化リチウム、沃化カリウム、臭化
アンモニウム等)、ハロゲン化アルカリ土類金属(臭化
カルシウム、塩化マグネシウム等)、ハロゲン化遷移金
属(塩化第2鉄、臭化第2銅等)、ハロゲン配位子を有
する金属錯体(臭化イリジウム酸ナトリウム、塩化ロジ
ウム酸アンモニウム等)、ハロゲン分子(臭素、塩素、
沃素)等がある。また、有機ハロゲン化物と無機ハロゲ
ン化物を併用してもよい。
【0041】本発明でハライデーションする際のハロゲ
ン化物の添加量としては有機銀塩1mol当たりハロゲ
ン原子として1〜500mmolが好ましく、10〜2
50mmolがさらに好ましい。
【0042】本発明に用いることのできる非感光性の有
機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された
光触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像等)及び還元剤の存
在下で、80℃またはそれ以上に加熱された場合に銀画
像を形成する銀塩である。有機銀塩は銀イオンを還元で
きる源を含む任意の有機物質であってよい。有機酸の銀
塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28
の)長鎖脂肪カルボン酸の銀塩が好ましい。配位子が
4.0〜10.0の範囲の錯安定定数を有する有機また
は無機銀塩の錯体も好ましい。銀供給物質は、好ましく
は画像形成層の約5〜70質量%を構成することができ
る。好ましい有機銀塩はカルボキシル基を有する有機化
合物の銀塩を含む。これらの例は、脂肪族カルボン酸の
銀塩及び芳香族カルボン酸の銀塩を含むが、これらに限
定されることはない。脂肪族カルボン酸の銀塩の好まし
い例としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリ
ン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、
ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマ
ル酸銀、酒石酸銀、リノール酸銀、酪酸銀及び樟脳酸
銀、これらの混合物等が挙げられる。
【0043】メルカプト基またはチオン基を含む化合物
の銀塩及びこれらの誘導体を使用することもできる。こ
れらの化合物の好ましい例としては、3−メルカプト−
4−フェニル−1,2,4−トリアゾールの銀塩、2−
メルカプトベンズイミダゾールの銀塩、2−メルカプト
−5−アミノチアジアゾールの銀塩、2−(エチルグリ
コールアミド)ベンゾチアゾールの銀塩、S−アルキル
チオグリコール酸(ここでアルキル基の炭素数は12〜
22である)の銀塩等のチオグリコール酸の銀塩、ジチ
オ酢酸の銀塩等のジチオカルボン酸の銀塩、チオアミド
の銀塩、5−カルボキシル−1−メチル−2−フェニル
−4−チオピリジンの銀塩、メルカプトトリアジンの銀
塩、2−メルカプトベンズオキサゾールの銀塩、米国特
許第4,123,274号に記載の銀塩、例えば3−ア
ミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−チアゾールの銀
塩等の1,2,4−メルカプトチアゾール誘導体の銀
塩、米国特許第3,301,678号に記載の3−(3
−カルボキシエチル)−4−メチル−4−チアゾリン−
2−チオンの銀塩等のチオン化合物の銀塩を含む。さら
に、イミノ基を含む化合物も使用することができる。こ
れらの化合物の好ましい例としては、ベンゾトリアゾー
ルの銀塩及びそれらの誘導体、例えばメチルベンゾトリ
アゾール銀等のベンゾトリアゾールの銀塩、5−クロロ
ベンゾトリアゾール銀等のハロゲン置換ベンゾトリアゾ
ールの銀塩、米国特許第4,220,709号に記載の
ような1,2,4−トリアゾールまたは1−H−テトラ
ゾールの銀塩、イミダゾール及びイミダゾール誘導体の
銀塩等を含む。例えば、米国特許第4,761,361
号及び同第4,775,613号に記載のような種々の
銀アセチリド化合物も使用することもできる。
【0044】有機銀塩の形状としては特に制限はない
が、短軸と長軸を有する針状結晶が好ましい。本発明に
おいては、短軸0.01〜0.20μm、長軸0.10
〜5.0μmが好ましく、短軸0.01〜0.15μ
m、長軸0.10〜4.0μmがより好ましい。有機銀
塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単
分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、
長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは10
0%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは
50%以下である。有機銀塩の形状は有機銀塩分散物の
透過型電子顕微鏡像により求めることができる。単分散
性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積荷重平均
直径の標準偏差を求める方法があり、体積荷重平均直径
で割った値の100分率(変動係数)が好ましくは10
0%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは
50%以下である。測定方法としては、例えば液中に分
散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆ
らぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることによ
り得られた粒子サイズ(体積荷重平均直径)から求める
ことができる。
【0045】本発明に用いることのできる有機銀塩は、
脱塩することができる。脱塩を行う方法としては特に制
限はなく公知の方法を用いることができるが、遠心濾
過、吸引濾過、限外濾過、凝集法によるフロック形成水
洗等の公知の濾過方法を好ましく用いることができる。
【0046】有機銀塩は粒子サイズの小さい、凝集のな
い微粒子を得る目的で、分散剤を使用した固体微粒子分
散物とする方法が用いられる。有機銀塩を固体微粒子分
散化する方法は、分散助剤の存在下で公知の微細化手段
(例えば、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミ
ル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラ
ーミル)を用い、機械的に分散することができる。
【0047】分散剤を使用して有機銀塩を固体微粒子化
する際には、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸の共
重合体、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル
共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸共重
合体等の合成アニオンポリマー、カルボキシメチルデン
プン、カルボキシメチルセルロース等の半合成アニオン
ポリマー、アルギン酸、ペクチン酸等のアニオン性ポリ
マー、特開昭52−92716号、WO88/0479
4号等に記載のアニオン性界面活性剤、特願平7−35
0753号に記載の化合物、あるいは公知のアニオン
性、ノニオン性、カチオン性界面活性剤や、その他ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース等の公知のポリマ
ー、あるいはゼラチン等の自然界に存在する高分子化合
物を適宜選択して用いることができる。
【0048】分散助剤は、分散前に有機銀塩の粉末また
はウェットケーキ状態の有機銀塩と混合し、スラリーと
して分散機に送り込むのが一般的な方法であるが、予め
有機銀塩と混ぜ合わせた状態で熱処理や溶媒による処理
を施して有機銀塩粉末またはウェットケーキとしてもよ
い。分散前後または分散中に適当なpH調整剤によりp
Hコントロールしてもよい。
【0049】機械的に分散する以外にも、pHコントロ
ールすることで溶媒中に粗分散し、その後、分散助剤の
存在下でpHを変化させて微粒子化させてもよい。この
とき、粗分散に用いる溶媒として有機溶媒を使用しても
よく、通常有機溶媒は微粒子化終了後除去される。
【0050】調製された分散物は、保存時の微粒子の沈
降を抑える目的で攪拌しながら保存したり、親水性コロ
イドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチンを使用し
ゼリー状にした状態)で保存したりすることもできる。
また、保存時の雑菌等の繁殖を防止する目的で防腐剤を
添加することもできる。
【0051】本発明の有機銀塩は所望の量で使用できる
が、0.1〜5g/m2が好ましく、さらに好ましくは
1〜3g/m2である。
【0052】本発明に用いる還元剤は、銀イオンを金属
銀に還元する任意の物質、好ましくは有機物質であって
よい。フェニドン、ハイドロキノン及びカテコール等の
従来の写真現像剤は有用であるが、ヒンダードフェノー
ル還元剤が好ましい。還元剤は、画像形成層の銀1mo
lに対して5〜50%mol含まれることが好ましく、
10〜40mol%含まれることがさらに好ましい。還
元剤の添加層は、画像形成層、画像形成層以外の層でも
よい。画像形成層以外の層に添加する場合は銀1mol
に対して10〜50%molと多めに使用することが好
ましい。また、還元剤は現像時のみ有効に機能を持つよ
うに誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよ
い。
【0053】有機銀塩を利用した熱現像感光材料におい
ては広範囲の還元剤が、特開昭46−6074号、同4
7−1238号、同47−33621号、同49−46
427号、同49−115540号、同50−1433
4号、同50−36110号、同50−147711
号、同51−32632号、同51−1023721
号、同51−32324号、同51−51933号、同
52−84727号、同55−108654号、同56
−146133号、同57−82828号、同57−8
2829号、特開平6−3793号、米国特許3,66
7,9586号、同3,679,426号、同3,75
1,252号、同3,751,255号、同3,76
1,270号、同3,782,949号、同3,83
9,048号、同3,928,686号、同5,46
4,738号、独国特許2321328号、欧州特許6
92732号等に開示されている。例えば、フェニルア
ミドオキシム、2−チエニルアミドオキシム及びp−フ
ェノキシフェニルアミドオキシム等のアミドオキシム;
例えば、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンズア
ルデヒドアジン等のアジン;2,2−ビス(ヒドロキシ
メチル)プロピオニル−β−フェニルヒドラジンとアス
コルビン酸との組合せのような脂肪族カルボン酸アリー
ルヒドラジドとアスコルビン酸との組合せ;ポリヒドロ
キシベンゼンとヒドロキシルアミン、レダクトン及び/
またはヒドラジンの組合せ(例えばハイドロキノンと、
ビス(エトキシエチル)ヒドロキシルアミン、ピペリジ
ノヘキソースレダクトンまたはホルミル−4−メチルフ
ェニルヒドラジンの組合せ等);フェニルヒドロキサム
酸、p−ヒドロキシフェニルヒドロキサム酸及びβ−ア
リニンヒドロキサム酸等のヒドロキサム酸;アジンとス
ルホンアミドフェノールとの組合せ(例えば、フェノチ
アジンと2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミ
ドフェノール等);エチル−α−シアノ−2−メチルフ
ェニルアセテート、エチル−α−シアノフェニルアセテ
ート等のα−シアノフェニル酢酸誘導体;2,2−ジヒ
ドロキシ−1,1−ビナフチル、6,6−ジブロモ−
2,2−ジヒドロキシ−1,1−ビナフチル及びビス
(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタンに例示される
ようなビス−β−ナフトール;ビス−β−ナフトールと
1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体(例えば、2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノンまたは2,4−ジヒドロ
キシアセトフェノン等)の組合せ;3−メチル−1−フ
ェニル−5−ピラゾロン等の5−ピラゾロン;ジメチル
アミノヘキソースレダクトン、アンヒドロジヒドロアミ
ノヘキソースレダクトン及びアンヒドロジヒドロピペリ
ドンヘキソースレダクトンに例示されるようなレダクト
ン;2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフ
ェノール及びp−ベンゼンスルホンアミドフェノール等
のスルホンアミドフェノール還元剤;2−フェニルイン
ダン−1,3−ジオン等;2,2−ジメチル−7−t−
ブチル−6−ヒドロキシクロマン等のクロマン;2,6
−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジ
ヒドロピリジン等の1,4−ジヒドロピリジン;ビスフ
ェノール(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブ
チル−5−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4
−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェ
ノール)、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン及
び2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン等);アスコルビン酸誘導体(例え
ば、パルミチン酸1−アスコルビル、ステアリン酸アス
コルビル等);ならびにベンジル及びビアセチル等のア
ルデヒド及びケトン;3−ピラゾリドン及びある種のイ
ンダン−1,3−ジオン;クロマノール(トコフェロー
ル等)等がある。特に好ましい還元剤としては、ビスフ
ェノール、クロマノールである。
【0054】本発明に用いられる還元剤は、溶液、粉
末、固体微粒子分散物等いかなる方法で添加してもよ
い。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボー
ルミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、
ジェットミル、ローラーミル等)で行われる。また、固
体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0055】画像を向上させる色調剤として知られる添
加剤を含むと光学濃度が高くなることがある。また、色
調剤は黒色銀画像を形成させる上でも有利になることが
ある。色調剤は画像形成層を有する面に銀1mol当た
り0.1〜50mol%含まれることが好ましく、0.
5〜20mol%含まれることがさらに好ましい。ま
た、色調剤は現像時のみ有効に機能を持つように誘導化
されたいわゆるプレカーサーであってもよい。
【0056】有機銀塩を利用した熱現像感光材料におい
ては広範囲の色調剤が、特開昭46−6077号、同4
7−10282号、同49−5019号、同49−50
20号、同49−91215号、同49−91215
号、同50−2524号、同50−32927号、同5
0−67132号、同50−67641号、同50−1
14217号、同51−3223号、同51−2792
3号、同52−14788号、同52−99813号、
同53−1020号、同53−76020号、同54−
156524号、同54−156525号、同61−1
83642号、特開平4−56848号、特公昭49−
10727号、同54−20333号、米国特許3,0
80,254号、同3,446,648号、同3,78
2,941号、同4,123,282号、同4,51
0,236号、英国特許1380795号、ベルギー特
許841910号等に開示されている。色調剤の例は、
フタルイミド及びN−ヒドロキシフタルイミド;スクシ
ンイミド、ピラゾリン−5−オン、ならびにキナゾリノ
ン、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フ
ェニルウラゾール、キナゾリン及び2,4−チアゾリジ
ンジオンのような環状イミド;ナフタルイミド(例え
ば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド);コバ
ルト錯体(例えば、コバルトヘキサミントリフルオロア
セテート);3−メルカプト−1,2,4−トリアゾー
ル、2,4−ジメルカプトピリミジン、3−メルカプト
−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール及び
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールに
例示されるメルカプタン;N−(アミノメチル)アリー
ルジカルボキシイミド、(例えば、(N,N−ジメチル
アミノメチル)フタルイミド及びN,N−(ジメチルア
ミノメチル)−ナフタレン−2,3−ジカルボキシイミ
ド);ならびにブロック化ピラゾール、イソチウロニウ
ム誘導体及びある種の光退色剤(例えば、N,N−ヘキ
サメチレンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチル
ピラゾール)、1,8−(3,6−ジアザオクタン)ビ
ス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)及び2
−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾー
ル);ならびに3−エチル−5[(3−エチル−2−ベ
ンゾチアゾリニリデン)−1−メチルエチリデン]−2
−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン;フタラジノ
ン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩、または4−
(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノ
ン、5,7−ジメトキシフタラジノン及び2,3−ジヒ
ドロ−1,4−フタラジンジオン等の誘導体;フタラジ
ノンとフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4−メチル
フタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロ無水フ
タル酸等)との組合せ;フタラジン、フタラジン誘導体
もしくは金属塩、または4−(1−ナフチル)フタラジ
ン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラ
ジン及び2,3−ジヒドロフタラジン等の誘導体;フタ
ラジンとフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4−メチ
ルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロ無水
フタル酸等)との組合せ;キナゾリンジオン、ベンズオ
キサジンまたはナフトオキサジン誘導体;色調調節剤と
してだけでなくその場でハロゲン化銀生成のためのハラ
イドイオンの源としても機能するロジウム錯体、例えば
ヘキサクロロロジウム(III)酸アンモニウム、臭化ロ
ジウム、硝酸ロジウム及びヘキサクロロロジウム(II
I)酸カリウム等;無機過酸化物及び過硫酸塩、例え
ば、過酸化二硫化アンモニウム及び過酸化水素;1,3
−ベンズオキサジン−2,4−ジオン、8−メチル−
1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン及び6−ニ
トロ−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン等の
ベンズオキサジン−2,4−ジオン;ピリミジン及び不
斉−トリアジン(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミ
ジン、2−ヒドロキシ−4−アミノピリミジン等)、ア
ザウラシル、及びテトラアザペンタレン誘導体(例え
ば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1
H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレ
ン、及び1,4−ジ(o−クロロフェニル)−3,6−
ジメルカプト−1H,4H−2,3a,5,6a−テト
ラアザペンタレン)等がある。
【0057】色調剤は、溶液、粉末、固体微粒子分散物
等いかなる方法で添加してもよい。固体微粒子分散は公
知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボールミ
ル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラ
ーミル等)で行われる。また、固体微粒子分散する際に
分散助剤を用いてもよい。
【0058】本発明に用いられる増感色素としては、ハ
ロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲ
ン化銀粒子を分光増感できるものであればいかなるもの
でもよい。増感色素としては、シアニン色素、メロシア
ニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレック
スメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチ
リル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミ
オキソノール色素等を用いることができる。本発明に使
用される有用な増感色素は、例えばResearch
Disclosure Item17643IV−A項
(1978年12月p.23)、同Item1831X
項(1979年8月p.437)に記載もしくは引用さ
れた文献に記載されている。特に各種レーザーイメージ
ャー、スキャナー、イメージセッターや製版カメラの光
源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利
に選択することができる。
【0059】赤色光への分光増感の例としては、He−
Neレーザー、赤色半導体レーザーやLED等のいわゆ
る赤色光源に対しては、特開昭54−18726号に記
載のI−1〜I−38の化合物、特開平6−75322
号に記載のI−1〜I−35の化合物及び特開平7−2
87338号に記載のI−1〜I−34の化合物、特公
昭55−39818号に記載の色素1〜20、特開昭6
2−284343号に記載のI−1〜I−37の化合物
及び特開平7−287338号に記載のI−1〜I−3
4の化合物等が有利に選択される。
【0060】750〜1400nmの波長領域の半導体
レーザー光源に対しては、シアニン、メロシアニン、ス
チリル、ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノー
ル及びキサンテン色素を含む種々の既知の色素により、
スペクトル的に有利に増感させることができる。
【0061】有用なシアニン色素は、例えば、チアゾリ
ン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核及びイミダ
ゾール核等の塩基性核を有するシアニン色素である。
【0062】有用なメロシアニン染料で好ましいもの
は、上記の塩基性核に加えて、チオヒダントイン核、ロ
ーダニン核、オキサゾリジンジオン核、チアゾリンジオ
ン核、バルビツール酸核、チアゾリノン核、マロノニト
リル核及びピラゾロン核等の酸性核も含む。上記のシア
ニン及びメロシアニン色素において、イミノ基またはカ
ルボキシル基を有するものが特に効果的である。例え
ば、米国特許3,761,279号、同3,719,4
95号、同3,877,943号、英国特許1,46
6,201号、同1,469,117号、同1,42
2,057号、特公平3−10391号、同6−523
87号、特開平5−341432号、同6−19478
1号、同6−301141号に記載されたような既知の
色素から適当に選択してよい。
【0063】本発明に用いられる増感色素の構造として
特に好ましいものは、チオエーテル結合含有置換基を有
するシアニン色素(例えば、特開昭62−58239
号、同3−138638号、同3−138642号、同
4−255840号、同5−72659号、同5−72
661号、同6−222491号、同2−230506
号、同6−258757号、同6−317868号、同
6−324425号、特表平7−500926号、米国
特許5,541,054号に記載された色素)、カルボ
ン酸基を有する色素(例えば、特開平3−163440
号、6−301141号、米国特許5,441,899
号に記載された色素)、メロシアニン色素、多核メロシ
アニン色素や多核シアニン色素(例えば、特開昭47−
6329号、同49−105524号、同51−127
719号、同52−80829号、同54−61517
号、同59−214846号、同60−6750号、同
63−159841号、特開平6−35109号、同6
−59381号、同7−146537号、同7−146
537号、特表平55−50111号、英国特許1,4
67,638号、米国特許5,281,515号に記載
された色素)が挙げられる。
【0064】また、J−bandを形成する増感色素と
して、米国特許5,510,236号、同3,871,
887号の実施例5に記載の色素、特開平2−9613
1号、特開昭59−48753号に開示されており、本
発明に好ましく用いることができる。
【0065】これらの増感色素は単独に用いてもよく、
2種以上組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特
に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と
ともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは
可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を
示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強
色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物質はR
esearch Disclosure 176巻17
643(1978年12月発行)第23頁IVのJ項、あ
るいは特公昭49−25500号、同43−4933
号、特開昭59−19032号、同59−192242
号等に記載されている。
【0066】増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加せし
めるには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、あ
るいは水、メタノール、エタノール、プロパノール、ア
セトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノ
ール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ
−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、
N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独もしくは
混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。
【0067】また、米国特許3,469,987号等に
開示されているように、色素を揮発性の有機溶剤に溶解
し、溶液を水または親水性コロイド中に分散し、この分
散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−23389
号、同44−27555号、同57−22091号等に
開示されているように、色素を酸に溶解し、溶液を乳剤
中に添加したり、酸または塩基を共存させて水溶液とし
て乳剤中へ添加する方法、米国特許3,822,135
号、同4,006,025号等に開示されているように
界面活性剤を共存させて水溶液あるいはコロイド分散物
としたものを乳剤中に添加する方法、特開昭53−10
2733号、同58−105141号に開示されている
ように親水性コロイド中に色素を直接分散させ、その分
散物を乳剤中に添加する方法、特開昭51−74624
号に開示されているように、レッドシフトさせる化合物
を用いて色素を溶解し、溶液を乳剤中へ添加する方法を
用いることもできる。また、溶液に超音波を用いること
もできる。
【0068】増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する
時期は、これまで有用であることが認められている乳剤
調製のいかなる工程中であってもよい。例えば米国特許
2,735,766号、同3,628,960号、同
4,183,756号、同4,225,666号、特開
昭58−184142号、同60−196749号等に
開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成工程ま
たは/及び脱塩前の時期、脱銀工程中及び/または脱塩
後から化学熟成の開始前までの時期、特開昭58−11
3920号等に開示されているように、化学熟成の直前
または工程中の時期、化学熟成後、塗布までの時期の乳
剤が塗布される前ならばいかなる時期、工程において添
加されてもよい。また、米国特許4,225,666
号、特開昭58−7629号等に開示されているよう
に、同一化合物を単独で、または異種構造の化合物と組
み合わせて、例えば粒子形成工程中と化学熟成工程中ま
たは化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前または
工程中と完了後とに分ける等して分割して添加してもよ
く、分割して添加する化合物及び化合物の組み合わせの
種類を変えて添加してもよい。
【0069】増感色素の使用量は、感度やカブリ等の性
能に合わせて所望の量でよいが、感光性層のハロゲン化
銀1mol当たり10-6〜1molが好ましく、10-4
〜10-1がさらに好ましい。
【0070】本発明の感光材料は、支持体の一方の側に
少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む感光性層を有
し、他方の側にバック層を有する、いわゆる片面感光材
料であることが好ましい。
【0071】片面感光材料は、搬送性改良のためにマッ
ト剤を添加してもよい。マット剤は、一般に水に不溶性
の有機または無機化合物の微粒子である。マット剤とし
ては任意のものを使用でき、例えば米国特許第1,93
9,213号、同2,701,245号、同2,32
2,037号、同3,262,782号、同3,53
9,344号、同3,767,448号等に記載の有機
マット剤、同1,260,772号、同2,192,2
41号、同3,257,206号、同3,370,95
1号、同3,523,022号、同3,769,020
号等に記載の無機マット剤等当業界で良く知られたもの
を用いることができる。例えば、具体的にはマット剤と
して用いることのできる有機化合物の例としては、水分
散性ビニル重合体の例としてポリメチルアクリレート、
ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ア
クリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体、ポリス
チレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリビ
ニルアセテート、ポリエチレンカーボネート、ポリテト
ラフルオロエチレン等、セルロース誘導体の例としては
メチルセルロース、セルロースアセテート、セルロース
アセテートプロピオネート等、澱粉誘導体の例としてカ
ルボキシ澱粉、カルボキシニトロフェニル澱粉、尿素−
ホルムアルデヒド−澱粉反応物等、公知の硬化剤で硬化
したゼラチン及びコアセルベート硬化して微少カプセル
中空粒体とした硬化ゼラチン等好ましく用いることがで
きる。無機化合物の例としては、二酸化珪素、二酸化チ
タン、二酸化マグネシウム、、酸化アルミニウム、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム、公知の方法で減感した塩化
銀、同じく臭化銀、ガラス、珪藻土等を好ましく用いる
ことができる。上記のマット剤は必要に応じて異なる種
類の物質を混合して用いることができる。マット剤の大
きさ、形状に特に限定はなく、任意の粒径のものを用い
ることができる。本発明の実施に際しては0.1〜30
μmの粒径のものを用いるのが好ましい。また、マット
剤の粒径分布は狭くても広くてもよい。一方、マット剤
は熱現像感光材料のヘイズ、表面光沢に大きく影響する
ことから、マット剤作製時あるいは複数のマット剤の混
合により、粒径、形状及び粒径分布を所望の状態にする
ことが好ましい。
【0072】本発明においてバック層のマット度として
はベック平滑度が10〜250秒が好ましく、さらに好
ましくは50〜180秒である。
【0073】本発明において、マット剤は感光材料の最
外表面層もしくは最外表面層として機能する層、あるい
は外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわ
ゆる保護層として作用する層に含有されることが好まし
い。
【0074】本発明においてバック層の好適なバインダ
ーは、透明または半透明で、一般に無色であり、天然ポ
リマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィ
ルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン、アラビアゴ
ム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセル
ロース、セルロースアセテート、セルロースアセテート
ブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デ
ンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル
酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コ
ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン
−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエ
ン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビ
ニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポ
リ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹
脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、
ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、
セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バイ
ンダーは水または有機溶媒またはエマルションから被覆
形成してもよい。
【0075】本発明においてバック層は、同時にアンチ
ハレーション層であってもよく、所望の波長範囲での最
大吸収が0.3〜2であることが好ましく、さらに好ま
しくは0.5〜2であり、かつ処理後の可視領域におい
ては0.001以上0.5未満であることが好ましく、
さらに好ましくは0.001以上0.3未満の光学濃度
を有する層であることが好ましい。また、バック層に用
いるハレーション防止染料の例としては前述のアンチハ
レーション層と同じである。
【0076】米国特許第4,460,681号及び同第
4,374,921号に示されるような裏面抵抗性加熱
層(backside resistive heat
ing layer)を使用することもできる。
【0077】本発明の感光材料は、感光層を有する面の
最外層(以降「表面保護層」という)には、バインダー
として親水性コロイドを含有する層を設けることが好ま
しい。親水性コロイドとしてはゼラチン、カゼイン、寒
天等があるが、これらのうちゼラチンが最も好ましい。
ゼラチンとしては石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン等
どのようなものでもよく、さらにゼラチン誘導体を用い
てもよい。表面保護層のバインダーとしては親水性のコ
ロイドに加えてエチルアクリレート等のポリマーラテッ
クスを加えてもよい。
【0078】表面保護層は必要に応じて、架橋剤により
架橋してもよい。架橋剤としては、活性ハロゲン、ビニ
ルスルホン、エポキシ等親水性コロイドの架橋剤として
公知の化合物を用いることができる。
【0079】表面保護層に用いられるマット剤として
は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリカ
等の微粒子が好ましい。粒子の形状には特に制限はない
が、球形の微粒子が好ましい。マット剤の粒子は0.2
〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmが好まし
い。マット剤の添加量は感光材料の層構成、厚みや使用
目的によって一概には言えないが10〜200mg/m
2、より好ましくは20〜100mg/m2が好ましい。
【0080】表面保護層に用いられるスベリ剤としては
シリコン化合物、パラフィン等公知の化合物を用いるこ
とができる。
【0081】本発明における感光材料は、帯電防止また
は導電性層、例えば、可溶性塩(例えば塩化物、硝酸塩
等)、蒸着金属層、米国特許第2,861,056号及
び同第3,206,312号に記載のようなイオン性ポ
リマーまたは米国特許第3,428,451号に記載の
ような不溶性無機塩等を含む層等を有してもよい。
【0082】本発明の熱現像感光材料を用いてカラー画
像を得る方法としては、特開平7−13295号10頁
左欄43行目〜11左欄40行目に記載の方法がある。
また、カラー染料画像の安定剤としては英国特許第1,
326,889号、米国特許第3,432,300号、
同第3,698,909号、同第3,574,627
号、同第3,573,050号、同第3,764,33
7号及び同第4,042,394号に例示されている。
【0083】本発明における写真乳剤は、浸漬コーティ
ング、エアナイフコーティング、フローコーティングま
たは、米国特許第2,681,294号に記載の種類の
ホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーテ
ィング操作により塗布することができる。所望により、
米国特許第2,761,791号及び英国特許第83
7,095号に記載の方法により2層またはそれ以上の
層を同時に塗布することができる。
【0084】本発明の感光材料の中に、追加の層、例え
ば移動染料画像を受容するための染料受容層、反射印刷
が望まれる場合の不透明化層、保護トップコート層及び
光熱写真技術において既知のプライマー層等を含むこと
ができる。本発明の感光材料はその感光材料一枚のみで
画像形成できることが好ましく、受像層等の画像形成に
必要な機能性層が別の感光材料とならないことが好まし
い。
【0085】本発明の感光材料はいかなる方法で現像さ
れてもよいが、通常イメージワイズに露光した感光材料
を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80
〜250℃であり、さらに好ましくは100〜140℃
である。現像時間としては1〜180秒が好ましく、1
0〜90秒がさらに好ましい。
【0086】本発明の感光材料はいかなる方法で露光さ
れてもよいが、露光光源としてはレーザー光が好まし
い。レーザー光としては、ガスレーザー、YAGレーザ
ー、色素レーザー、半導体レーザー等が好ましい。ま
た、半導体レーザーと第2高調波発生素子等を用いるこ
ともできる。
【0087】本発明の感光材料は露光時のヘイズが低
く、干渉縞が発生しやすい傾向にある。この干渉縞発生
防止技術としては、特開平5−113548等に開示さ
れているレーザー光を感光材料に対して斜めに入光させ
る技術や、WO95/31754等に開示されているマ
ルチモードレーザーを利用する方法が知られており、こ
れらの技術を用いることが好ましい。
【0088】本発明の感光材料を露光するにはSPIE
vol.169 Laser Printing 1
16〜128頁(1979)、特開平4−51043、
WO95/31754等に開示されているようにレーザ
ー光が重なるように露光し、走査線が見えないようにす
ることが好ましい。
【0089】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
【0090】実施例1 (下引層塗布液の調製)水680mlに別途乳化重合法
にて作製した下記表1に示すモノマー比のエポキシ化ス
チレンブタジエンラテックス(濃度30質量%)300
ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径2.
5μm)0.1g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム(1質量%)20mlを添加して下引層塗布液を得
た。
【0091】(下引層付き写真用支持体の作製)青色染
料で色味付け(青色濃度0.14)した厚さ177μm
の2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の片面
に、上記下引層塗布液をバーコーターを用いて乾燥膜厚
が0.2μmになるように塗布して、180℃で5分間
乾燥し、下引層付き写真用支持体を作製した。
【0092】(試料の評価)作製した下引層付き写真用
支持体を10cm×10cmの大きさに切り出した試料
を20枚重ね、10kgの鉛の錘を上に置いて35℃で
7日間放置した。その後、錘を外し、1枚ずつ剥がしな
がら試料の張り付き具合を観察した。実用上問題ないの
はBランク以上である。評価の結果を表1に示す。
【0093】 A:張り付きなし B:張り付き1枚 C:張り付き2〜4枚 D:5枚以上張り付いている。
【0094】
【表1】
【0095】(ハロゲン化銀粒子Aの調製)水700m
lにフタル化ゼラチン22g及び臭化カリウム30gを
溶解して温度40℃にてpHを5.0に合わせた後、硝
酸銀18.6gを含む水溶液159mlと臭化カリウム
と沃化カリウムを92:8のmol比で含む水溶液を硝
酸銀に対し等mol、pAg7.7に保ちながらコント
ロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。
ついで、硝酸銀55.4gを含む水溶液476mlと6
塩化イリジウム酸2カリウムを8μmolと臭化カリウ
ムを1molを含む水溶液1LをpAg7.7に保ちな
がらコントロールドダブルジェット法で30分かけて添
加した。その後、pHを下げて凝集沈降させ脱塩処理を
し、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.
9、pAg8.0に調整し沃臭化銀粒子(沃素含量コア
8mol%、平均2mol%、平均サイズ0.07μ
m、投影面積直径の変動係数8%、(100)面比率7
9%の立方体粒子)を調製した。
【0096】こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に
昇温し、銀1mol当たりチオ硫酸ナトリウム85μm
olと2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルジ
フェニルフォスフィンセレニドを11μmol、2μm
olのテルル化合物1、塩化金酸3.3μmol、チオ
シアン酸230μmolを添加し、120分間熟成し
た。その後温度を50℃に変更して増感色素Aをハロゲ
ン化銀1mol当たり5×10-4mol、増感色素Bを
2×10-4mol撹拌しながら添加した。さらに沃化カ
リウムをハロゲン化銀に対して3.5mol%添加して
30分撹拌し、30℃に急冷して目的のハロゲン化銀粒
子Aを得た。
【0097】
【化1】
【0098】(有機酸銀微結晶分散物の調製)ベヘン酸
40g、ステアリン酸7.3g、水500mlを温度9
0℃で15分間攪拌し、1mol/LのNaOH187
mlを15分間かけて添加し、1mol/Lの硝酸水溶
液61mlを添加して50℃に降温した。次に1mol
/Lの硝酸銀水溶液124mlを2分間かけて添加し、
そのまま30分間攪拌した。その後、吸引濾過で固形分
を濾別し、濾水の伝導度が30μS/cmになるまで固
形分を水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させ
ないでウエットケーキとして取り扱い、乾燥固形分3
4.8g相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアル
コール12g及び水150mlを添加し、よく混合して
スラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビー
ズ840gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入
れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメ
ックス(株)製)にて5時間分散し、電子顕微鏡観察に
より平均短径0.044μm,平均長径0.8μm,投
影面積変動係数30%の針状粒子である有機酸銀の微結
晶分散物を得た。
【0099】(固体微粒子分散物の調製)テトラクロロ
フタル酸1gに対し、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース0.81gと水94.2mlを添加して良く攪拌し
てスラリーとして10時間放置した。その後、平均直径
0.5mmのジルコニア製ビーズを100gを用意し、
スラリーと一緒にベッセルに入れ、有機酸銀微結晶分散
物の調製に用いたものと同じ分散機で5時間分散してテ
トラクロロフタル酸の固体微粒子分散液を得た。平均粒
子径は70質量%が1.0μm以下であった。
【0100】同様にして、その他の素材である4−メチ
ルフタル酸、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−
ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサ
ン、フタラジン、トリブロモメチルフェニルスルホンに
ついて固体微粒子分散物を調製した。ただし、その他の
素材については適宜分散剤の使用量、及び所望の平均粒
子経を得るために分散時間を変更した。
【0101】(感光層塗布液の調製)先に調製した有機
銀微結晶分散物(銀1mol相当)に対し、ハロゲン化
銀粒子Aをハロゲン化銀0.1mol相当と、以下のバ
インダー(ポリマーラテックス)及び上記各素材の固体
微粒子分散液を添加して感光層塗布液を得た。
【0102】 バインダー(表2記載) 430g テトラクロロフタル酸 5g 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5− トリメチルヘキサン 98g フタラジン 9.2g トリブロモメチルフェニルスルホン 12g 4−メチルフタル酸 7g (保護層塗布液の調製)セルロースアセテートブチレー
ト10gに対し、界面活性剤Aを0.26g、界面活性
剤Bを0.09g、シリカ微粒子(平均粒子サイズ2.
5μm)0.9g、水64gを添加して表面保護層塗布
液を得た。
【0103】
【化2】
【0104】(発色分散物の調製)酢酸エチル35gに
対し、下記の化合物1、2をそれぞれ2.5g、7.5
g添加して、撹拌し、溶解した。その溶液にあらかじめ
溶解したポリビニルアルコール10質量%溶液50gを
添加し、5分間ホモジナイザーで撹拌した。その後、酢
酸エチルを揮発させ、最後に水で希釈し、発色分散物を
得た。
【0105】
【化3】
【0106】(バック面塗布液の調製)ポリビニルアル
コール30gに対し、先に調製した発色分散物50g、
20gの下記化合物3、水250gを添加してバック面
塗布液を得た。
【0107】
【化4】
【0108】(試料の作製)前記作製した下引層付き写
真用支持体の下引層のない面に、スライドホッパーを用
いてバック面塗布液を660nmの光学濃度が0.7と
なるように塗布して、40℃で20分間乾燥した。次い
で、この反対側の面、つまり下引層のある面に、上記の
ごとく調製した感光層塗布液、表面保護層塗布液を、感
光層は銀塗布量が1.9g/m2、表面保護層はバイン
ダー塗布量がそれぞれ、0.5、1.8g/m2となる
ようにスライドホッパーを用いて同時に塗布した。塗布
後、10℃、60%RHの雰囲気で、1分間保持した
後、40℃で20分間乾燥した。このようにして得られ
た試料を25℃、60%RHの雰囲気に14日間保存し
た後、以下の評価を行った。
【0109】(接着性の評価)試料の感光層が塗設され
ている面の表面に、カミソリを用いて4mm間隔で縦横
それぞれ6本ずつの傷を付けて、25個の桝目を作っ
た。但し傷は支持体表面に到達するまでの深さとした。
この上に幅25mmのマイラーテープを張り付けて十分
に圧着した。圧着してから5分経過後、マイラーテープ
を180度の剥離角で急激に引っ張り、試料から剥離し
た。このとき、感光層が試料から剥離した桝目の数を数
えて以下のように分類した。実用上許容できるものはA
とBのものだけである。
【0110】 A:0 B:1 C:2〜4 D:5以上 さらに、120℃の熱現像ドラムに45秒間押しつけて
熱現像した試料についても同様の評価を行った(表中処
理後と記載する)。評価の結果を表2に示す。
【0111】
【表2】
【0112】表2から明らかなように、本発明の試料は
熱現像処理前後において支持体と感光層との間の接着性
が良好であることが分かる。なお、別途、試料の写真性
を評価したところ、最高濃度、かぶり、感度、画像色調
等に差は確認できなかった。
【0113】
【発明の効果】本発明により、下引層塗設後の保存時に
張り付きの発生がない写真用支持体、及び上塗り層と写
真用支持体との接着性が良好な熱現像感光材料を提供す
ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル支持体の少なくとも一方の
    面に、不飽和2重結合をエポキシ化したエポキシ化スチ
    レンブタジエンポリマーを含有する層を有することを特
    徴とする写真用支持体。
  2. 【請求項2】 エポキシ化スチレンブタジエンポリマー
    を含有する層が下引層であることを特徴とする請求項1
    記載の写真用支持体。
  3. 【請求項3】 下引層を構成するバインダーの50質量
    %以上がエポキシ化スチレンブタジエンポリマーであ
    り、該エポキシ化スチレンブタジエンポリマーのエポキ
    シ化度が全不飽和2重結合の10〜30%であることを
    特徴とする請求項2記載の写真用支持体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の写真用支持体を用いるこ
    とを特徴とする熱現像感光材料。
  5. 【請求項5】 感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩
    及びこの有機銀塩の還元剤を含む熱現像感光層に不飽和
    2重結合をエポキシ化したエポキシ化スチレンブタジエ
    ンポリマーを含有することを特徴とする請求項4記載の
    熱現像感光材料。
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