JP2003329380A - ヒートパイプの製造方法及び製造装置 - Google Patents

ヒートパイプの製造方法及び製造装置

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JP2003329380A
JP2003329380A JP2002134574A JP2002134574A JP2003329380A JP 2003329380 A JP2003329380 A JP 2003329380A JP 2002134574 A JP2002134574 A JP 2002134574A JP 2002134574 A JP2002134574 A JP 2002134574A JP 2003329380 A JP2003329380 A JP 2003329380A
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pipe
hollow
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Hiroshi Maruki
浩 丸喜
Katsuo Nakayama
克夫 中山
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートパイプの熱輸送量を増大させ、高性能
で安定した品質のヒートパイプを安価な製造装置で効率
よく量産することができるヒートパイプの製造方法及び
製造装置を提供する。 【解決手段】 中空管2をその内部に封入する作動物質
Fの沸騰温度以上に加熱した状態で、その作動物質Fの
蒸気を中空管2の一端部から内部に注入して流動させ、
他端部から流出させることにより中空管2の内部に残存
する非凝縮性ガスを該蒸気と共に流動させて排除し、そ
の後、中空管2の他端部を封止して前記作動物質Fの蒸
気の流出を停止し、中空管2の下部に位置する所定領域
Xを作動物質Fの蒸気の凝縮温度以下に冷却して、中空
管2の内部に封入すべき所定量の作動物質Fの蒸気を凝
縮させ、中空管2の一端部を封止して中空管2の内部に
作動物質Fを封入することによりヒートパイプを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヒートパイプの製造
方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なヒートパイプの製造方法
は加熱追出し法が採用されている。この方法は片端を封
止した中空管の内部に所定量の作動物質の液体を注入
し、前記中空管を加熱することにより内部の作動物質を
沸騰させながら、中空管の内部に残存する非凝縮性ガス
を排除し、その後に当該中空管の開放端部を封止してヒ
ートパイプを製造する方法である。
【0003】この方法は中空管から非凝縮性ガスを排除
するときに、作動物質の液体の一部が気化し、蒸気にな
って排除されてしまうために、ヒートパイプとして封入
する作動物質の液体封入量を管理することが難しく、ヒ
ートパイプ毎に作動物質の液体封入量にばらつきが生じ
て不均一になり、安定した品質の製品を製造することが
容易でないという問題がある。
【0004】そこで、このような問題を解決するヒート
パイプの製造方法として以下説明する方法が提案されて
いる。この方法は真空脱気処理法の一例で、中空管の他
端部に排気管を介して連結された真空ポンプにより中空
管の内部を減圧(真空引き)し、中空管の内部に残存す
る非凝縮性ガスを排除してその他端部を閉塞処理し、次
いで、中空管の一端部から中空管の内部に脱気処理され
た作動物質の液体の流量を計測しながら注入し、中空管
の内部に所定量の作動物質の液体が注入されたら中空管
の一端部を封止する方法である(特開平5−10690
号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
真空脱気処理法によるヒートパイプの製造方法では、下
記のような問題がある。即ち、通常のヒートパイプを構
成する中空管の内部には、凝縮部(低温部)で凝縮して
液化した作動物質の液体を中空管の内壁面全体に膜状に
均等に広げて蒸発部(高温部)まで流下させ、ヒートパ
イプの周方向の放熱ムラをなくすと共に、実効蒸発面積
を広げて熱輸送量を増大させるために、メッシュ等のウ
イックや多条のグルーブ(凹溝)等が設けられており、
これらウイックやグルーブ等の内部に空気、炭酸ガス等
の非凝縮性ガスが多く残存する。
【0006】そこで、このような方法で中空管の内部を
減圧して真空脱気しても、中空管内の気体が殆ど流動し
ないため、ウイックやグルーブ等の内部に残存する非凝
縮性ガスを中空管から排除することが容易でなく、中空
管の内部に作動物質の液体を注入して製造されたヒート
パイプの内部に非凝縮性ガスが取り残されてしまう。そ
うすると、ヒートパイプに封入された作動物質の蒸発及
び蒸気移動が内部に取り残された非凝縮性ガスによって
妨げられるので、ヒートパイプの熱輸送量(熱伝達性
能)が低下し、高性能で安定した品質のヒートパイプを
製造することが難しいという問題がある。
【0007】また、従来の方法では、中空管の内部に残
存する非凝縮性ガスを確実に排除するために、中空管の
内部を減圧する真空度を高める必要があり、その減圧に
時間を要するほか、中空管を減圧する際、減圧すべき中
空管の端部の形状不良、寸法誤差、取付け位置ずれ等が
あると、その部分でガスリークが生じ易いので、ガスリ
ークが生じないように中空管の内部を減圧する必要があ
り作業性が低下する。その結果、ヒートパイプを効率よ
く量産することが難しく製造コストが高くなるという問
題がある。
【0008】更に、従来の方法では、中空管の内部を減
圧する大型の真空ポンプとその付属品、各種配管の気
体、液体シール処理手段を必要とするので、ヒートパイ
プの製造装置が高価になるという問題がある。
【0009】本発明は、上記課題を解決し、ヒートパイ
プの熱輸送量を増大させ、高性能で安定した品質のヒー
トパイプを安価な製造装置で効率よく量産することがで
きるヒートパイプの製造方法及び製造装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に記載された発明は、中空管を
その内部に封入する作動物質の沸騰温度以上に加熱した
状態で、その中空管の一端部からその作動物質の蒸気を
注入して中空管の内部に流動させ、他端部から流出させ
ることにより中空管の内部に残存する非凝縮性ガスを該
蒸気と共に流動させて排除し、その後、中空管の他端部
を封止して前記作動物質の蒸気の流出を停止し、中空管
の下部に位置する所定領域を作動物質の蒸気の凝縮温度
以下に冷却して、中空管の内部に封入すべき所定量の作
動物質の蒸気を凝縮させ、中空管の一端部を封止して中
空管の内部に作動物質を封入することを特徴とするヒー
トパイプの製造方法である。
【0011】このようなヒートパイプの製造方法による
と、作動物質の蒸気を中空管の内部に一端部から他端部
に向けて途中で凝縮することなく円滑に、また、少ない
流体抵抗で速やかに流動させることが可能になる。ま
た、加熱された蒸気により非凝縮性ガスが移動し易くな
る。そこで、この蒸気の流動を利用して中空管の流体通
路ばかりでなく、ウイックやグルーブ等の内部に残存す
る非凝縮性ガスも、この蒸気の移動方向に蒸気と一緒に
流動させ、中空管の他端部から迅速に流出させ、中空管
の内部に非凝縮性ガスが取り残されるのを確実に防止す
る。従って、ヒートパイプに封入された作動物質の蒸発
が内部に取り残された非凝縮性ガスによって妨げられる
ことがなくなり、ヒートパイプの熱輸送量が増大するの
で、高性能で安定した品質のヒートパイプを製造するこ
とができる。
【0012】また、従来の真空脱気処理方法による製造
方法と異なり、中空管の内部に残存する非凝縮性ガスを
容易に、また、短時間に排除することが可能になるの
で、作業性が向上してヒートパイプを効率よく量産する
ことができ、製造コストを低減させることができる。
【0013】また、本発明の請求項2に記載された発明
は、中空管を作動物質の沸騰温度以上に加熱する中空管
加熱部と、中空管の下部に位置する所定領域を作動物質
の蒸気の凝縮温度以下に冷却する中空管冷却部と、作動
物質を加熱する加熱手段を有し作動物質を収納する作動
物質収納タンクと、作動物質収納タンクから作動物質の
蒸気を中空管に供給する給気配管と、中空管の一端部と
給気配管とを接続する接続具と、中空管の内部に注入す
る作動物質の蒸気の流量を計測する計測手段と、中空管
の一端部及び他端部を封止する封止手段とを備えたこと
を特徴とするヒートパイプの製造装置である。
【0014】このような構成によると、ヒートパイプを
製造するために従来必要としていた中空管の内部を減圧
する大型の真空ポンプとその付属品、各種配管の気体、
液体シール処理手段を必要としなくなり、更に配管系が
簡素になって、製造装置が安価になるという効果が得ら
れる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に図面を参照しながら本発明に
よるヒートパイプの製造方法及び製造装置の好ましい実
施形態を説明する。図1は本発明によるヒートパイプの
製造装置の一実施形態を示す概略説明図である。
【0016】本図において、1は中空管2を作動物質F
の沸騰温度以上に加熱する中空管加熱部である。中空管
加熱部1は中空管2の下部に位置する所定領域Xを除く
主領域を加熱する主加熱部1Aと該所定領域Xを加熱す
る補助加熱部1Bとからなる。主加熱部1A及び補助加
熱部1Bは加熱炉構造になっていて、内部に例えば電熱
ヒータ1Cが内蔵され、中空管2を作動物質Fの沸騰温
度以上に加熱することができるように温度制御される。
なお、主加熱部1A、補助加熱部1Bのいずれか一方又
は双方はヒータ加熱手段に代えて温水、油水、蒸気等に
よる流体加熱手段、電磁誘導加熱手段、中空管通電加熱
手段等の加熱手段によるものであってもよく、作動物質
Fの種類等によって適宜選択される。また、前記補助加
熱部1Bは備えることが好ましいが適宜省略することが
できる。
【0017】中空管2は銅、銅合金、アルミニウム、ア
ルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン等の
金属材料を図示のものでは断面円、楕円、角形で直管状
に成形し、内部にメッシュ等のウイックやグルーブ等を
設けて形成されている。作動物質Fは水、アルコール
類、パーフルオロカーボン(フロン代替物)等の凝縮性
の流体が使用される。
【0018】3は直立して配置された中空管2の下部、
即ち、他端部側に位置する所定領域Xを作動物質Fの蒸
気の凝縮温度以下に冷却する中空管冷却部で、図示する
ものでは中空管加熱部1の補助加熱部1Bの内部に設け
られている。中空管冷却部3はファン等による空冷手
段、水、氷等による水冷手段、冷媒・圧縮機使用の冷凍
手段等が使用され、作動物質Fの種類等によって適宜選
択される。そして、中空管2の下部に位置する所定領域
Xを作動物質Fの蒸気の凝縮温度以下に冷却することが
できるように温度制御される。
【0019】4は作動物質Fを加熱する加熱手段5を有
し作動物質Fを収納する作動物質収納タンクである。加
熱手段5は例えば電熱ヒータからなり、作動物質収納タ
ンク4内の下部に設置されて、作動物質Fを加熱沸騰さ
せて蒸気を発生することができるようになっている。ま
た、作動物質収納タンク4の上部の気相領域には、排気
管6が接続され、これにバルブ7を介して減圧機8が連
通するように設けられる。そこで、作動物質収納タンク
4の気相領域に存在する空気その他の非凝縮性ガスが減
圧機8によって排除される。これにより、加熱手段5に
よって作動物質Fの沸騰温度以上に加熱された作動物質
Fの蒸気は脱気処理された状態で後記する給気配管9を
通して中空管2の内部に注入される。
【0020】給気配管9は作動物質収納タンク4から作
動物質Fの蒸気を中空管2に供給するもので、この給気
配管9に作動物質収納タンク4から中空管2に向けて順
に第1のバルブ10、マスフローコントローラ(MF
C)11、第2のバルブ12、フィルタ13が設けられ
る。また、給気配管9のマスフローコントローラ11と
第2のバルブ12との間にはバイパス管14が接続さ
れ、そのバイパス管14が第3のバルブ15を介して作
動物質収納タンク4に連通するように設けられる。
【0021】マスフローコントローラ11は中空管2の
内部に注入する作動物質Fの蒸気の流量を計測する計測
手段である。このマスフローコントローラ11は、中空
管2の内部に上部の一端部から作動物質Fの蒸気を注入
して中空管2の内部に残存する非凝縮性ガスを排除し、
中空管2の下部の他端部を封止して封止部2A(図2参
照)を形成した後、中空管2の内部に注入する作動物質
Fの蒸気の流量を計測すると共に、中空管2の内部に注
入する蒸気の流量を制御する機能を有する。中空管2の
内部に所定量の作動物質Fを正確に注入するために、こ
のコントローラ11で蒸気の注入開始時と注入終了時に
おける蒸気の注入速度が遅くなるように制御することが
望ましい。
【0022】16は中空管2の一端部と給気配管9とを
接続する接続具(カプラー)、17、18は中空管2の
他端部及び一端部をそれぞれ封止して扁平な封止部2
A、2B(図2参照)を形成する封止手段で、エア又は
油圧で作動するかしめ具で構成される。
【0023】本発明によるヒートパイプの製造装置は以
上のように構成されている。この装置を用いてヒートパ
イプを製造する方法を以下説明する。先ず、中空管加熱
部1の主加熱部1A及び補助加熱部1Bを作動させて、
中空管2をその全長にわたり、その内部に封入する作動
物質Fの沸騰温度以上、例えば、作動物質Fが水の場合
には100℃以上に加熱する。また、作動物質収納タン
ク4内に収納された作動物質Fの液体を加熱手段5によ
り加熱沸騰させて蒸気を発生させ、バルブ10、15を
閉じ、バルブ7を開き、減圧機8を作動させて、作動物
質収納タンク4の気相領域に残存する非凝縮性ガスを該
蒸気と共に排気(排除)する。作動物質収納タンク4の
気相領域に残存する非凝縮性ガスが排気(排除)された
ならば、バルブ7を閉じて減圧機8を停止する。
【0024】次に、第1のバルブ10を閉じた状態で第
2、第3のバルブ12、15を開き、作動物質収納タン
ク4から脱気処理された作動物質Fの蒸気をバイパス管
14及び給気配管9を通して中空管2に向けて供給す
る。この際、バイパス管14及び給気配管9を通る作動
物質Fの蒸気がこれら管14、9内で凝縮して円滑な流
通を阻害する恐れがある場合には、これら管14、9の
外周を保温材で保温しておくか、作動物質Fの沸騰温度
以上に加熱しておくことが望ましい。また、該蒸気が通
る前に、これら管14、9内に残存している非凝縮性ガ
スは該蒸気と共に移動して排除されるが、蒸気が通る前
に予め減圧排気して排除しておいてもよい。
【0025】次に、このようにして中空管2の方に供給
された作動物質Fの蒸気を、作動物質Fの沸騰温度以上
に加熱された中空管2の一端部(上部)から中空管2の
内部に注入して他端部に向けて流動させ、他端部から中
空管2の外方へ流出させる。このような蒸気の中空管2
内への注入、流動及び流出作業を所定時間続行し、中空
管2の内部(ウイックやグルーブ等の内部を含む)に残
存する空気等の非凝縮性ガスを該蒸気の流動と共に流動
させ、中空管2の外方へ流出させることにより十分に排
除する。
【0026】このようにして、前記蒸気の中空管2内へ
の注入、流動及び流出作業を所定時間続行したら、図示
しないタイマー等の指令で、封止手段17を作動させ、
中空管2の他端部をかしめて封止し、扁平な封止部2A
を形成して前記作動物質Fの蒸気の流出を停止する。
【0027】次に、前記封止手段17により中空管2の
他端部を封止すると同時に、又は、封止後に、前記バイ
パス管14側に設けられている第3のバルブ15を閉じ
ると共に、第1のバルブ10を開き、作動物質収納タン
ク4内の作動物質Fの蒸気をマスフローコントローラ1
1に通し、これにより該蒸気の流量を計測しながら給気
配管9を通して中空管2の内部に再注入し、他端部に向
けて流動させる。この際、計量された作動物質Fの蒸気
を中空管2の内部に再注入するときの流速は注入開始時
には減速し、中空管2の下部に位置する所定領域Xを冷
却して該蒸気の凝縮を開始した後、徐々に増速して所定
の流速とし、更に、該蒸気の凝縮終了後、再び注入速度
を減速するようにマスフローコントローラ11で速度制
御するようにしている。このように作動物質Fの再注入
開始時と終了時に該蒸気の再注入流速を減速するように
制御すると、バルブ切換え動作遅延等により、実際に中
空管2内に注入される作動物質Fの注入量(封入量)と
マスフローコントローラ11で計測された値との間にず
れが生じるのを最小に押さえることができ、中空管2内
に封入する作動物質Fの液体量を管理し易くなるので好
ましい。
【0028】次に、前記バルブ15、10の開閉動作の
切換及び計量された作動物質Fの蒸気の再注入作業開始
と同時に、又は、該作業開始後に、中空管加熱部1にお
ける補助加熱部1Bの電熱ヒータ1Cの通電を遮断し
て、中空管2の下部に位置する所定領域Xの加熱を停止
すると共に、中空管冷却部3を作動させて、中空管2の
前記所定領域Xを作動物質Fの蒸気の凝縮温度以下に冷
却し、中空管2の他端部の封止時に中空管2の内部に既
に注入され、また、中空管2の内部に計量されて再注入
されて、中空管2の内部に封入すべき所定量の作動物質
Fの蒸気を凝縮して液化させ、中空管2の前記他端部側
の内部に貯留する。
【0029】このようにして前記蒸気の凝縮液化が進
み、マスフローコントローラ11による蒸気の流量の計
測値(中空管2の他端部の封止時に中空管2の内部に既
に注入されている作動物質Fの注入量を補正してある)
が、中空管2の内部に封入すべき作動物質Fの凝縮され
た液体の所定量に相当する値に到達したら、マスフロー
コントローラ11からの出力指令で封止手段18を作動
させ、中空管2の一端部をかしめて封止し、扁平な封止
部2Bを形成して中空管2の内部に所定量の作動物質F
の液体を封入する。そして、中空管2の一端部の封止作
業終了と同時に、又は、その作業終了後に、前記第1、
第2のバルブ10、12を閉じる。更に、中空管加熱部
1及び中空管冷却部3の作動を停止する。このようにし
て中空管2の両端部の仮封止が終了した後、その両端部
の封止個所をTIG溶接等により完全密封して中空管2
の内部に所定量の作動物質F(液体)が封入され、中空
管2の両端部に扁平な封止部2A、2Bを有するヒート
パイプ(ウイック、グルーブ等は図示省略)(図2参
照)を製造する。
【0030】前記したヒートパイプの製造方法によれ
ば、中空管2の内部を作動物質Fの蒸気が途中で滞留す
ることなく円滑に流動し、また、加熱された蒸気により
非凝縮性ガスが移動し易くなり、その蒸気の流動と共
に、中空管内のウイックやグルーブ等に残存する非凝縮
性ガスも流動して排除される。従って、ヒートパイプに
封入された作動物質の蒸発が内部に取り残された非凝縮
性ガスによって妨げられることがなくなり、ヒートパイ
プの熱輸送量が増大するので、高性能で安定した品質の
ヒートパイプを製造することができ、更に、中空管2内
の非凝縮性ガスを比較的短時間に追い出すことが可能に
なるので、製造の作業性が向上してヒートパイプを効率
よく量産することができ、製造コストを引き下げること
ができる。
【0031】なお、前記実施形態では、ヒートパイプを
製造する際、中空管2を直立して配置したが、一端部が
上方に位置し、他端部が下方に位置するように傾斜して
配置して製造するようにしてもよい。また、中空管2の
形状は直管状であるが、L形状、V形状、U形状、半円
弧形状、扇形状、W形状等の形状でもよい。その場合、
必ずしも他端部が下方に位置せず、中間部が下部に位置
する場合もあり、この場合は、中間部(下部)に位置す
る所定領域Xを作動物質Fの蒸気の凝縮温度以下に冷却
することになる。その他の方法、手段は前記実施形態で
説明したものと実質同一である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のヒートパ
イプの製造方法によると、中空管をその内部に封入する
作動物質の沸騰温度以上に加熱した状態で、その中空管
の一端部からその作動物質の蒸気を注入して中空管の内
部に流動させ、他端部から流出させることにより中空管
の内部に残存する非凝縮性ガスを該蒸気と共に流動させ
て排除し、その後、中空管の他端部を封止して前記作動
物質の蒸気の流出を停止し、中空管の下部に位置する所
定領域を作動物質の蒸気の凝縮温度以下に冷却して、中
空管の内部に封入すべき所定量の作動物質の蒸気を凝縮
させ、中空管の一端部を封止して中空管の内部に作動物
質を封入するようにしたので、作動物質の蒸気を中空管
の内部に一端部から他端部に向けて途中で凝縮すること
なく円滑に、また、少ない流体抵抗で速やかに流動させ
ることが可能になる。また、加熱された蒸気により非凝
縮性ガスが移動し易くなる。
【0033】そこで、この蒸気の流動を利用して中空管
の流体通路ばかりでなく、ウイックやグルーブ等の内部
に残存する非凝縮性ガスも、この蒸気の移動方向に蒸気
と一緒に流動させ、中空管の他端部から迅速に流出さ
せ、中空管の内部に非凝縮性ガスが取り残されるのを確
実に防止する。従って、ヒートパイプに封入された作動
物質の蒸発が内部に取り残された非凝縮性ガスによって
妨げられることがなくなり、ヒートパイプの熱輸送量が
増大するので、高性能で安定した品質のヒートパイプを
製造することができる。
【0034】また、従来の真空脱気処理方法による製造
方法と異なり、中空管の内部に残存する非凝縮性ガスを
容易に、また、短時間に排除することが可能になるの
で、作業性が向上してヒートパイプを効率よく量産する
ことができ、製造コストを低減させることができる。
【0035】更に、本発明のヒートパイプの製造装置に
よると、中空管を作動物質の沸騰温度以上に加熱する中
空管加熱部と、中空管の下部に位置する所定領域を作動
物質の蒸気の凝縮温度以下に冷却する中空管冷却部と、
作動物質を加熱する加熱手段を有し作動物質を収納する
作動物質収納タンクと、作動物質収納タンクから作動物
質の蒸気を中空管に供給する給気配管と、中空管の一端
部と給気配管とを接続する接続具と、中空管の内部に注
入する作動物質の蒸気の流量を計測する計測手段と、中
空管の一端部及び他端部を封止する封止手段とを備えて
いるので、ヒートパイプを製造するために従来必要とし
ていた中空管の内部を減圧する大型の真空ポンプとその
付属品、各種配管の気体、液体シール処理手段を必要と
しなくなり、更に配管系が簡素になって、製造装置が安
価になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヒートパイプの製造装置の一実施
形態を示す概略説明図である。
【図2】本発明のヒートパイプの製造方法によって製造
されたヒートパイプ(ウイック、グルーブ等は図示省
略)を示す縦断面図である。
【符号の説明】
F 作動物質 X 所定領域 1 中空管加熱部 1A 主加熱部 1B 補助加熱部 1C 電熱ヒータ 2 中空管 2A 封止部 2B 封止部 3 中空管冷却部 4 作動物質収納タンク 5 加熱手段 6 排気管 7 バルブ 8 減圧機 9 給気配管 10 バルブ(第1) 11 マスフローコントローラ 12 バルブ(第2) 13 フィルタ 14 バイパス管 15 バルブ(第3) 16 接続具 17 封止手段 18 封止手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空管をその内部に封入する作動物質の
    沸騰温度以上に加熱した状態で、その作動物質の蒸気を
    中空管の一端部から内部に注入して流動させ、他端部か
    ら流出させることにより、中空管の内部に残存する非凝
    縮性ガスを該蒸気と共に流動させて排除し、その後、中
    空管の他端部を封止して前記作動物質の蒸気の流出を停
    止し、中空管の下部に位置する所定領域を作動物質の蒸
    気の凝縮温度以下に冷却して、中空管の内部に封入すべ
    き所定量の作動物質の蒸気を凝縮させ、中空管の一端部
    を封止して中空管の内部に作動物質を封入することを特
    徴とするヒートパイプの製造方法。
  2. 【請求項2】 中空管を作動物質の沸騰温度以上に加熱
    する中空管加熱部と、中空管の下部に位置する所定領域
    を作動物質の蒸気の凝縮温度以下に冷却する中空管冷却
    部と、作動物質を加熱する加熱手段を有し作動物質を収
    納する作動物質収納タンクと、作動物質収納タンクから
    作動物質の蒸気を中空管に供給する給気配管と、中空管
    の一端部と給気配管とを接続する接続具と、中空管の内
    部に注入する作動物質の蒸気の流量を計測する計測手段
    と、中空管の一端部及び他端部を封止する封止手段とを
    備えたことを特徴とするヒートパイプの製造装置。
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