JP2003328916A - アイドル時のエンジン回転数制御方法及び装置 - Google Patents

アイドル時のエンジン回転数制御方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、点火時期の調整を通じてア
イドル時のエンジン回転数を目標回転数に制御する際
に、より一定の制御効率を得ることができ、より速い応
答性を得ることができるアイドル時のエンジン回転数制
御方法及び装置を提供することである。 【解決手段】 エンジン回転数及びエンジン負荷量を基
にした目標トルク率を、点火時期及びトルク率間設定さ
れた相関関係を利用して算出し、算出された目標トルク
率に該当する目標点火時期を、前記設定された相関関係
を利用して算出した後、前記算出された点火時期に基づ
いて点火装置を駆動することによって、より一定な制御
効率、そしてより速い応答性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアイドル時のエンジ
ン回転数を制御する方法及び装置に関し、より詳しく
は、エンジンの点火時期を調整することによってアイド
ル時のエンジン回転数を制御する方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】運転者によって要求される負荷がかから
ない状態(つまり、アイドル状態)でも、様々なエンジ
ン運転条件の変化に対処してエンジンの作動が安定する
ように、適切なエンジン回転数にエンジンを制御する必
要がある。アイドル時のエンジン回転数に対する制御
は、大きく分けて、アイドル状態でエンジンに吸入され
る空気量を制御するか、点火時期を制御することによっ
て行われる。
【0003】前者の場合は、自動変速機のセレクターレ
バーの位置変更などのような比較的大きな負荷変動に対
処するために主に使用され、電気負荷発生などのような
比較的小さく迅速な対処が必要な負荷変動に対処するた
めには、点火時期の制御によってエンジン回転数を安定
させるようにしている。
【0004】しかし、点火時期の制御によるアイドル時
のエンジン回転数制御方法は、従来の技術によると、目
標エンジン回転数と現在のエンジン回転数との間の偏差
を求め、この偏差が“0”より大きいか小さいかによっ
て点火時期を調節している。つまり、アイドル状態で現
在のエンジン回転数が目標エンジン回転数より低い場合
には、点火時期を進角(advance)させ、現在の
エンジン回転数が目標エンジン回転数より高い場合に
は、点火時期を遅角(retard)させる。前記偏差
に対する点火時期の調整量は通常比例的である。
【0005】しかし、このような従来の技術によると、
現在の点火時期によるトルク率(つまり、現在発生する
エンジントルクの最大トルクに対する比率)を考慮せず
に単純にエンジン回転数偏差のみによって点火時期の補
正量を算定するので、負荷変動に対して反応が遅いだけ
でなくその反応速度も一定でなくなる。
【0006】図1は、通常のエンジンに関し、特定のエ
ンジン回転数及びエンジン負荷で点火時期によるトルク
変化を示した図面であって、横軸は点火時期(θ)を、
縦軸は前記特定のエンジン回転数及びエンジン負荷での
最大トルクに対比したエンジントルク百分率を示したも
のである。図1から分かるように、特定のエンジン回転
数及びエンジン負荷で発生するエンジントルクは、点火
時期によって変わるが、最大トルクが発生する点火時期
を“θ”で、これより設定角が進んだ点火時期を“θ
”で表示した。
【0007】図1に示されているように、現在の点火時
期の補正量が同一であるとしても、現在の点火時期がい
くつであるかによって点火時期の補正量によるトルクの
変化量は異なるようになる。つまり、現在の点火時期が
最大トルク点火時期(θ)である場合には、現在の点
火時期がθである場合より点火時期の補正によるトル
ク変化量が非常に小さくなるので、点火時期の補正によ
るエンジン回転数の変化が微小になるのである。
【0008】このように、現在の点火時期のトルク率を
考慮せずにエンジン回転数偏差のみによって点火時期を
補正する場合には、結果的に調整されるエンジン回転数
の変化が一定でないばかりか、点火時期の調整によるト
ルク変化量が小さい場合には、多数回のフィードバック
制御によってエンジン回転数が調整されるので、目標エ
ンジン回転数にエンジン回転数を制御するための応答時
間が非常に長くなる。
【0009】
【先行技術文献1】 特開昭05−005454
【先行技術文献2】 特開昭05−321802
【先行技術文献3】 特開昭09−032612
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、点火時期の調整を通じてエンジン回転数を目標
回転数に制御する際に、より一定の制御効率を得ること
ができより速い応答性を得ることができる、アイドル時
のエンジン回転数制御方法及び装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によるアイドル時のエンジン回転数制御装置
は、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出器;
エンジン負荷量を検出するエンジン負荷量検出器;車速
を検出する車速検出器;エンジンを冷却するための冷媒
の温度を検出する冷却水温検出器;エンジンに吸入され
る空気の温度を検出する吸気温度検出器;エンジンに供
給された燃料/空気混合ガスに点火する点火装置;及び
前記各検出器から入力される検出信号に基づいて前記点
火装置を駆動する電子制御ユニット;を含み、前記電子
制御ユニットは、後述する本発明のアイドル時のエンジ
ン回転数制御方法を遂行することを特徴とする。ここ
に、エンジンで発生するノッキングの程度を検出するノ
ック検出器をさらに含むのが好ましい。
【0012】本発明によるアイドル時のエンジン回転数
制御方法は、エンジン回転数を検出するエンジン回転数
検出段階;エンジン負荷量を検出するエンジン負荷量検
出段階;点火時期及びトルク率間に設定された相関関係
を利用して、前記エンジン回転数及びエンジン負荷量を
基に目標トルク率を算出する目標トルク率算出段階;前
記算出された目標トルク率に該当する目標点火時期を、
前記設定された相関関係を利用して算出する目標点火時
期算出段階;及び前記算出された点火時期に基づいて点
火装置を駆動する点火装置駆動段階;を含むことを特徴
とする。
【0013】前記目標トルク率算出段階は、エンジン回
転数及びエンジン負荷量を基に基本トルク率を算出する
基本トルク率算出段階;及び前記基本トルク率を補正す
ることによって目標トルク率を算出する目標トルク率計
算段階;を含んで構成され、前記基本トルク率算出段階
は、前記エンジン回転数及びエンジン負荷量を基に第1
トルク率を設定する第1トルク率設定段階;前記第1ト
ルク率に対応する第1点火時期を前記設定された相関関
係から演算する第1点火時期演算段階;及び吸気温度及
び冷却水温に基づいて前記第1点火時期を補正する第1
点火時期補正段階;を含み、前記設定された相関関係か
ら補正された第1点火時期に該当するトルク率の値に基
本トルク率を設定するものとする。
【0014】前記第1トルク率は、85〜90%の範囲
に該当する値に設定されるのが好ましく、前記第1トル
ク率はエンジン回転数及びエンジン負荷量を変数として
予め設定されたマップテーブルから算出される。
【0015】本発明のアイドル時のエンジン回転数制御
装置がノック検出器をさらに含む場合には、前記基本ト
ルク率算出段階は、ノック検出器からの信号に基づいて
シリンダー別に前記第1点火時期を補正するノック補正
段階;前記ノック補正段階で補正された各シリンダー別
の第1点火時期の平均値を計算する補正平均段階;をさ
らに含み、前記補正された第1点火時期は、前記第1点
火時期補正段階及び補正平均段階の両方で補正された点
火時期である。
【0016】前記目標トルク率計算段階は、エンジン回
転数偏差及びエンジン回転数変化率を基に基本トルク率
を補正するものとする。
【0017】より具体的に、前記目標トルク率計算段階
は、エンジン回転数偏差の関数で比例利得を演算する段
階;エンジン回転数変化率の関数で微分利得を演算する
段階;エンジン回転数偏差の関数で比例係数を演算する
段階;“比例利得×エンジン回転数偏差+微分利得×エ
ンジン回転数変化率×比例係数”の値でトルク補正量を
算定する段階;前記エンジン回転数及びエンジン負荷量
での最大トルクを算出する段階;及び前記トルク補正量
及び最大トルクから算出されるトルク率補正量を前記基
本トルク率に足すことによって目標トルク率を算出する
段階;を含む。
【0018】本発明のアイドル時のエンジン回転数制御
方法は、アイドル時のエンジン回転数制御条件が満たさ
れたか否かを判断する段階をさらに含み、前記目標トル
ク率算出段階は、前記アイドル時のエンジン回転数制御
条件が満たされた場合に遂行されるのが好ましい。
【0019】前記アイドル時のエンジン回転数制御条件
は、始動後に設定時間が経過したこと、及びスロットル
バルブが閉じられたことを含むとする。
【0020】本発明で、前記点火時期及びトルク率間に
設定された相関関係は、最大トルク点火時期からの相対
点火時期及びトルク率間の相関関係であり、前記目標点
火時期算出段階は、目標トルク率に該当する相対点火時
期を、前記設定された相関関係から算出する相対点火時
期算出段階;及び最大トルクが発生する点火時期を算出
する最大トルク点火時期算出段階;を含み、前記最大ト
ルク点火時期から相対点火時期を加減することによって
目標点火時期を算出するものとする。
【0021】前記相対点火時期は、最大トルク点火時期
から遅角する相対点火時期であるのが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付した
図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】図2は、本発明の実施例のアイドル時のエ
ンジン回転数制御装置を示した図面である。
【0024】本発明の実施例のアイドル時のエンジン回
転数制御装置は、図2に示されているように、エンジン
回転数を検出するエンジン回転数検出器210、エンジ
ン負荷量を検出するエンジン負荷量検出器215、車速
を検出する車速検出器220、エンジンを冷却するため
の冷媒の温度を検出する冷却水温検出器225、エンジ
ンに吸入される空気の温度を検出する吸気温度検出器2
30、エンジンのノッキング(knocking)の発
生程度を検出するノック検出器235、エンジンに供給
された燃料/空気混合ガスに点火する点火装置260、
及び各検出器210〜235から入力される検出信号に
基づいて点火装置260を駆動する電子制御ユニット
(Electronic Control Unit;
以下“ECU”という)250を含む。
【0025】前記エンジン負荷量は、エンジンの負荷、
つまりエンジンにどのくらい大きなトルクが要求される
かを表示するもので、一例として、MAP(Manif
old Absolute Pressure)センサ
ーによる吸気マニホールド圧力、スロットルバルブ開度
量などとすることができる。
【0026】したがって、エンジン負荷量検出器215
は、より具体的には、MAPセンサー、スロットルバル
ブ開度量センサーとすることができ、エンジンの実際の
負荷により直接的な要因として作用するマップセンサー
とするのが好ましく、MAPセンサー方式ではなく空気
流れセンサー方式で吸入空気量を検出するエンジンの場
合には、前記空気流れセンサーとすることができるのが
自明である。
【0027】その他の各検出器は当業者に自明であるの
でより詳細な記載は省略する。
【0028】点火装置260は、点火プラグ及び前記点
火プラグに要求される時点で火炎をおこすための一連の
装置を含み、これに関しては当業者に自明であるのでよ
り詳細な記載は省略する。
【0029】ECU、250は、設定されたプログラム
によって動作するマイクロプロセッサーを含んで具現さ
れ、前記設定されたプログラムは、後述する本発明の実
施例のアイドル時のエンジン回転数制御方法を遂行する
ための一連の命令とすることができる。
【0030】本発明の実施例のアイドル時のエンジン回
転数制御方法を説明するのに先立って、点火時期とエン
ジントルクとの相関関係の設定に関して説明する。
【0031】図3は、本発明の実施例で利用される点火
時期(θ)及びトルク率(η)間に設定された相関関係
を示した図面である。
【0032】水平軸は、エンジン回転数(ω)及びエン
ジン負荷(L)によって最大トルクが発生する点火時期
(θmax;以下“最大トルク点火時期”という)を原
点(origin)として、最大トルク点火時期からの
点火時期偏差(つまり相対点火時期;θ)を表示し、
垂直軸は、その相対点火時期で発生するトルクをそのエ
ンジン回転数及びエンジン負荷での最大トルクに対する
百分率で表示する。前記相対点火時期(θ)は、進角
あるいは遅角のいずれにもすることができるが、最大ト
ルク点火時期(θmax)から進角する前記相対点火時
期(θ)(したがって制御されるトルクの大きさ)
は、ノッキングのために実質的に制限されるので、前記
相対点火時期(θ)は最大トルク点火時期
(θmax)から遅角する量とするのが好ましい。
【0033】エンジン作動状態(つまりエンジン回転数
及びエンジン負荷)によって、その作動状態で発生する
最大トルク及び最大トルク点火時期(θmax)は変わ
る。しかし、現在の点火時期(θ)の前記最大トルク点
火時期(θmax)からの相対点火時期(θ)と前記
トルク率(η)との間の相関関係は、エンジン回転数
(ω)及びエンジン負荷(L)には大きく依存せず、図
3のような特性曲線を示すようになる。
【0034】特定のエンジンに関する図3のような相関
関係曲線は、エンジン実験を通じて得ることができ、こ
れに関しては当業者に自明であるのでより詳細な記載は
省略する。
【0035】図3の相関関係を利用すれば、特定の相対
点火時期(θ)に対応するトルク率(η)が分かり、
そして、その反対に、特定のトルク率(η)に対応する
相対点火時期(θ)が分かる。
【0036】前者及び後者に関する相互関係は、予め計
算されてマップテーブルとしてECU、250に保存さ
れ、以下では前記マップテーブルを各々“MAP
(以下“基本マップ”という)及び“MAP −1
(以下“逆基本マップ”という)と称する。つまり、前
記マップテーブルは、“η=MAP(θ)”及び
“θ =MAP −1(η)”から構成されている。
【0037】以下、本発明の実施例のアイドル時のエン
ジン回転数制御方法を、図4乃至図7を参照して詳細に
説明する。
【0038】図4は、本発明の実施例のアイドル時のエ
ンジン回転数制御方法を示したフローチャートであり、
図4に示された本発明の実施例のアイドル時のエンジン
回転数制御方法のうち、基本トルク率計算段階(S42
5)の詳細フローチャートは図5に、トルク補正量計算
段階(S435)の詳細フローチャートは図6に各々示
した。
【0039】そして、図7は、本発明の実施例のアイド
ル時のエンジン回転数制御方法の遂行過程で目標点火時
期を算出する過程を相対点火時期(θ)とトルク率
(η)との間の相関関係で示した図面である。
【0040】まず、アイドル時のエンジン回転数制御条
件が満たされたか否かを判断する(S405、S41
0)。
【0041】前記アイドル時のエンジン回転数制御条件
は、始動後に設定時間が経過したこと、スロットルバル
ブが閉じられたことを含み、より好ましくは、車速が
“0”であることをさらに含む。
【0042】このために、まず、始動後に設定時間が経
過したかを判断して(S405)、設定時間が経過した
場合には、スロットルバルブが閉じられた状態で車速が
0であるかを判断する(S410)。前記設定時間は、
車両の始動時には始動制御のための別個の燃料制御及び
点火時期の制御が遂行されるので、そのための時間の間
には本発明の実施例によるアイドル時のエンジン回転数
制御を遂行しないためのものであって、その具体的な値
は当業者が自明に設定することができる。
【0043】アイドル時のエンジン回転数制御条件が満
たされない場合には、従来の技術による一般的な方法で
点火時期を決定(S495)して、これによって点火装
置260を駆動する(S470)。
【0044】アイドル時のエンジン回転数制御条件が満
たされる場合には、まず、エンジン回転数検出器210
及びエンジン負荷量検出器215からエンジン回転数
(ω)及びエンジン負荷量(L)を検出する(S41
5)。
【0045】そして、検出されたエンジン回転数(ω)
及びエンジン負荷量(L)に基づいて目標トルク率(η
target)を算出する(S420)。
【0046】前記目標トルク率(ηtarget)の算
出は、基本トルク率(η)を計算し(S425)、エ
ンジン回転数偏差(Δω)及びエンジン回転数変化率
(dω/dt)に基づいてトルク補正量(ΔT)を演算
し(S430、S435)、演算されたトルク補正量
(ΔT)に基づいて前記基本トルク率(η)を補正す
ることによって(S440)、目標トルク率(η
target)を算出する。
【0047】前記エンジン回転数偏差(Δω)とは、現
在のエンジン回転数(ω)の設定された目標エンジン回
転数(ωtarget)からの偏差を、そして、エンジ
ン回転数変化率(dω/dt)とは、検出されるエンジ
ン回転数(ω)の時間変化率をいう。
【0048】以下、目標トルク率(ηtarget)算
出段階(S420)に関してより詳細に説明する。
【0049】まず、基本トルク率(η)計算段階(S
425)に関して図5を参照して説明する。
【0050】基本トルク率(η)を計算するために、
まず、設定された値で第1トルク率(η)を算出する
(S510)。
【0051】前記第1トルク率(η)は、現在のエン
ジン回転数(ω)及びエンジン負荷量(L)のエンジン
作動状態で制御が容易で燃費も有利なトルク率を選択す
るためのもので、具体的な値は、具体的なエンジンの様
々な因子及び当業者の選択によって変わるが、好ましく
は、85〜90%の範囲に設定される。
【0052】エンジン回転数(ω)及び負荷量(L)に
よる好ましい第1トルク率(η)は、予め計算された
マップテーブル(MAPη)から抽出されるものとす
る。
【0053】第1トルク率(η)を算出(S510)
した後には、前記第1トルク率(η )に対応する第1
点火時期(θ)を算出する(S520)。前記第1点
火時期(θ)は、前記逆基本マップ(MAP −1
から“θ=MAP −1(η)”の値で算出され
る。
【0054】第1点火時期(θ)を算出(S520)
した後には、冷却水温(T)及び吸気温度
(Tair)に基づいて前記第1点火時期(θ)を補
正することによって第2点火時期(θ)を算出する
(S530)。
【0055】第1点火時期(θ)を補正(S530)
するのは、図3(あるいはそれと同等な図7)のような
トルク率と点火時期の相関関係は、特定の吸気温度及び
冷却水温で実験によって設定されたものであるので、現
在の吸気温度(Tair)及び冷却水温(T)に適切
なように点火時期の補正が必要なためである。
【0056】このような第1点火時期(θ)補正の具
体的な計算は、当業者に自明であるのでより詳細な記載
は省略する。
【0057】第2点火時期(θ)を算出(S530)
した後には、第2点火時期(θ)に対してノック検出
器235からの信号に基づいてシリンダー別に補正し
(S540)、補正された第2点火時期(θ)の移動
平均を求める(S550)。
【0058】ノック検出器235信号のシリンダー別の
補正(S540)は、ノッキングの発生時に特定気筒に
対して一時的に点火を遅角させるためのもので、通常の
従来の技術によって当業者が自明に補正することができ
る。
【0059】ノック検出器235による補正は、特定シ
リンダーに対して計算され、したがって、その補正量
は、シリンダー別に変わる。したがって、特定シリンダ
ーによって計算された大きな補正量によって本発明の実
施例の点火時期の計算が過度な偏差を示さないように全
てのシリンダーに対してノック検出器235による補正
量を計算した後、これを平均して得られる値で基本点火
時期(θ)を設定する。
【0060】基本点火時期(θ)を設定(S550)
した後には、前記設定された基本点火時期(θ)に対
応するトルク率の値で基本トルク率(η)を算出する
(S560)。前記基本トルク率(η)は、前記基本
マップ(MAP)から“η =MAP(θ)”の
値で算出される。
【0061】再び図4を参照して、このように基本トル
ク率(η)を算出(S560)した後には、エンジン
回転数偏差(Δω)及びエンジン回転数変化率(dω/
dt)を演算し(S430)、演算されたエンジン回転
数偏差(Δω)及びエンジン回転数変化率(dω/d
t)に基づいてトルク補正量(ΔT)を演算する(S4
35)。
【0062】図6に示されているように、前記トルク補
正量(ΔT)演算段階(S435)では、まず、エンジ
ン回転数偏差(Δω)に基づいて比例利得(propo
rtional gain;以下“Pgain”とす
る)を予め設定されたPgai マップテーブル(MA
)から算出する(S610)。
【0063】そして、エンジン回転数変化率(dω/d
t)に基づいて微分利得(differential
gain;以下“Dgain”とする)を予め設定され
たD gainマップテーブル(MAP)から、そし
て、微分利得補償に利用される比例係数(Damp)を
予め設定されたDampマップテーブル(MA
amp)から各々算出する(S620)。
【0064】前記Pgainマップテーブル(MA
)、Dgainマップテーブル(MAP)、及び
ampマップテーブル(MAPamp)は、エンジン
回転数偏差(Δω)及びエンジン回転数変化率(dω/
dt)に対して比例微分制御によってエンジン回転数
(ω)を目標回転数(ωtarget)に接近させるた
めのもので、その具体的なマップテーブル値は、当業者
が容易に設定することができるのでより詳細な説明は省
略する。
【0065】このように各利得(Pgain、D
gain)及び比例係数(Damp)を算出した後に
は、算出された値を利用してトルク補正量(ΔT)を計
算する(S630)。
【0066】前記トルク補正量(ΔT)の計算は、一例
として ΔT=(Pgain×Δω)+(Dgain×(dω/
dt)× D amp) の式によって計算される。
【0067】このようにトルク補正量(ΔT)を計算
(S630)した後には、再び図4を参照して、現在の
エンジン回転数(ω)及びエンジン負荷量(L)での最
大トルク(Tmax)を算出する(S440)。
【0068】前記最大トルク(Tmax)は、予め設定
されたマップテーブル(MAP)から算出されるもの
とすることができ、前記マップテーブル(MAP
は、エンジン実験を通して当業者が自明に設定すること
ができるのでより詳細な説明は省略する。
【0069】最大トルク(Tmax)を算出(S44
0)した後には、前記計算されたトルク変動補正量(Δ
T)に基づいて基本トルク率(η)を補正することに
よって、目標トルク率(ηtarget)を算出する
(S445)。
【0070】前記目標トルク率(ηtarget)は、
より具体的には、 ηtarget=η+(ΔT/Tmax)× 100 の式によって算出する。ここで、“100”をかけるの
は、図3(あるいはそれと同等な図7)のトルク率−点
火時期の関係でトルク率が百分率で定義されたためであ
り、この数字は、トルク率のスケールが異なって定義さ
れる場合には他の値を有するのは自明である。
【0071】このような過程(S425〜S445)に
よって目標トルク率(ηtarge )を算出(S42
0)した後には、前記算出された目標トルク率(η
targ et)に該当する目標点火時期(θ
target)を算出する(S450)。
【0072】目標点火時期(θtarget)を算出す
るために、まず、前記算出された目標トルク率(η
target)に該当する最終点火時期
(θfinal)を前記逆基本マップ(MAP −1
から算出する(S455)。
【0073】そして、前記基本マップ(MAP)の相
対点火時期の原点(origin)に該当する最大トル
ク点火時期(θmax)を設定されたマップテーブル
(MAPθ)から抽出し(S460)、前記最大トルク
点火時期(θmax)と前記最終点火時期(θ
final)とを足すことによって目標点火時期(θ
targe )を算出する(S465)。
【0074】最大トルク点火時期(θmax)と前記最
終点火時期(θfinal)とを足すことによって目標
点火時期(θtarget)を算出すると説明したが、
これは相対点火時期(θ)を遅角する量として設定さ
れたためで、これとは反対に設定された場合には引き算
演算することは自明である。
【0075】目標点火時期(θtarget)を算出し
た後には、前記算出された目標点火時期(θ
target)に基づいて点火装置を駆動する(S47
0)。点火時期に基づいて点火装置を駆動する過程は当
業者に自明であるのでより詳細な説明は省略する。
【0076】以上で、本発明のアイドル時のエンジン回
転数制御方法及び装置に関する好ましい実施例を説明し
たが、本発明は前記実施例に限定されるのではなく、本
発明の実施例から当該発明が属する技術分野において通
常の知識を有する者により容易に変更されて同等だと認
められる範囲の全ての変更を含む。
【0077】
【発明の効果】本発明の実施例によれば、点火時期及び
トルク率間に設定された相関関係を利用して目標点火時
期を算出するので、一定の制御効率、そして速い応答性
を得ることができる。
【0078】また、目標点火時期の演算過程で、エンジ
ン回転数及びエンジン負荷量による適切なトルク率を設
定するので、様々なエンジン作動状態でも安定したアイ
ドル時のエンジン回転数に制御することができる。
【0079】また、吸気温度及び冷却水温に基づいて前
記設定された相関関係による点火時期の演算を補正する
ので、実際のエンジン駆動状況に適したアイドル時のエ
ンジン回転数に制御することができ、特に、ノッキング
に対比した制御が遂行される場合にも各シリンダー別に
演算される補正量を平均するので、好ましくない突然の
目標点火時期の変動を防止することができる。
【0080】また、前記設定された相関関係で、点火時
期を最大トルク点火時期からの相対点火時期で構成する
ことにより、より一定な制御効率が具現され、この相対
点火時期は最大トルク点火時期から遅角する点火時期と
することにより、より広い範囲の点火時期を使用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常のエンジンにおいて点火時期によるトルク
変化を示した図面である。
【図2】本発明の実施例のアイドル時のエンジン回転数
制御装置を示した図面である。
【図3】本発明の実施例で利用される点火時期(θ)及
びトルク率(η)間に設定された相関関係を示した図面
である。
【図4】本発明の実施例のアイドル時のエンジン回転数
制御方法を示したフローチャートである。
【図5】本発明の実施例のアイドル時のエンジン回転数
制御方法のうちの基本トルク率計算段階の詳細フローチ
ャートである。
【図6】本発明の実施例のアイドル時のエンジン回転数
制御方法のうちのトルク補正量計算段階の詳細フローチ
ャートである。
【図7】本発明の実施例のアイドル時のエンジン回転数
制御方法の遂行過程で目標点火時期を算出する過程を、
点火時期(θ)とトルク率(η)との間の相関関係図上
で示した図面である。
【符号の説明】
210 エンジン回転数検出器 215 エンジン負荷量検出器 220 車速検出器 225 冷却水温検出器 230 吸気温度検出器 235 ノック検出器 250 電子制御ユニット(ECU) 260 点火装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 376 F02P 5/15 E F02P 5/152 K 5/153 D Fターム(参考) 3G022 CA03 DA01 DA02 EA02 FA04 FA06 GA05 GA08 GA09 GA11 GA13 3G084 BA03 BA17 CA03 DA04 DA11 EA11 EB08 EB13 EB15 EC04 FA02 FA05 FA20 FA25 FA32 FA33

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン回転数を検出するエンジン回転
    数検出段階;エンジン負荷量を検出するエンジン負荷量
    検出段階;点火時期及びトルク率間に設定された相関関
    係を利用して、前記エンジン回転数及びエンジン負荷量
    を基に目標トルク率を算出する目標トルク率算出段階;
    前記算出された目標トルク率に該当する目標点火時期
    を、前記設定された相関関係を利用して算出する目標点
    火時期算出段階;及び前記算出された点火時期に基づい
    て点火装置を駆動する点火装置駆動段階;を含むことを
    特徴とするアイドル時のエンジン回転数制御方法。
  2. 【請求項2】 前記目標トルク率算出段階は、 エンジン回転数及びエンジン負荷量を基に基本トルク率
    を算出する基本トルク率算出段階;及び前記基本トルク
    率を補正することによって目標トルク率を算出する目標
    トルク率算出段階;を含むことを特徴とする、請求項1
    に記載のアイドル時のエンジン回転数制御方法。
  3. 【請求項3】 前記基本トルク率算出段階は、 前記エンジン回転数及びエンジン負荷量を基に第1トル
    ク率を設定する第1トルク率設定段階;前記第1トルク
    率に対応する第1点火時期を前記設定された相関関係か
    ら演算する第1点火時期算出段階;及び吸気温度及び冷
    却水温に基づいて前記第1点火時期を補正する第1点火
    時期補正段階;を含み、 前記設定された相関関係から補正された第1点火時期に
    該当するトルク率の値に基本トルク率を設定することを
    特徴とする、請求項2に記載のアイドル時のエンジン回
    転数制御方法。
  4. 【請求項4】 前記第1トルク率は、85〜90%の範
    囲に該当する値に設定されることを特徴とする、請求項
    3に記載のアイドル時のエンジン回転数制御方法。
  5. 【請求項5】 前記第1トルク率は、エンジン回転数及
    びエンジン負荷量を変数として予め設定されたマップテ
    ーブルから算出されることを特徴とする、請求項3に記
    載のアイドル時のエンジン回転数制御方法。
  6. 【請求項6】 前記基本トルク率算出段階は、 ノック検出器からの信号に基づいてシリンダー別に前記
    第1点火時期を補正するノック補正段階;及び前記ノッ
    ク補正段階で補正された各シリンダー別の第1点火時期
    の平均値を算出する補正平均段階;をさらに含み、 前記補正された第1点火時期は、前記第1点火時期補正
    段階及び補正平均段階の両方で補正された点火時期であ
    ることを特徴とする、請求項3に記載のアイドル時のエ
    ンジン回転数制御方法。
  7. 【請求項7】 前記目標トルク率算出段階は、 エンジン回転数偏差及びエンジン回転数変化率を基に基
    本トルク率を補正することを特徴とする、請求項2に記
    載のアイドル時のエンジン回転数制御方法。
  8. 【請求項8】 前記目標トルク率算出段階は、 エンジン回転数偏差の関数で比例利得を演算する段階;
    エンジン回転数変化率の関数で微分利得を演算する段
    階;エンジン回転数偏差の関数で比例係数を演算する段
    階;“比例利得×エンジン回転数偏差+微分利得×エン
    ジン回転数変化率×比例係数”の値でトルク補正量を算
    出する段階;前記エンジン回転数及びエンジン負荷量で
    の最大トルクを算出する段階;及びトルク補正量及び最
    大トルクから算出されるトルク率補正量を前記基本トル
    ク率に足すことによって目標トルク率を算出する段階;
    を含むことを特徴とする、請求項2に記載のアイドル時
    のエンジン回転数制御方法。
  9. 【請求項9】 アイドル時のエンジン回転数制御条件が
    満たされたか否かを判断する段階をさらに含み、 前記目標トルク率算出段階は、前記アイドル時のエンジ
    ン回転数制御条件が満たされた場合に遂行されることを
    特徴とする、請求項1に記載のアイドル時のエンジン回
    転数制御方法。
  10. 【請求項10】 前記アイドル時のエンジン回転数制御
    条件は、 始動後に設定時間が経過したこと、そしてスロットルバ
    ルブが閉じられたことを含むことを特徴とする、請求項
    9に記載のアイドル時のエンジン回転数制御方法。
  11. 【請求項11】 前記点火時期及びトルク率間に設定さ
    れた相関関係は、最大トルク点火時期からの相対点火時
    期及びトルク率間の相関関係であり、 前記目標点火時期算出段階は、 目標トルク率に該当する相対点火時期を前記設定された
    相関関係から算出する相対点火時期算出段階;及び最大
    トルクが発生する点火時期を算出する最大トルク点火時
    期算出段階;を含み、 前記最大トルク点火時期から相対点火時期を加減するこ
    とによって目標点火時期を算出することを特徴とする、
    請求項1に記載のアイドル時のエンジン回転数制御方
    法。
  12. 【請求項12】 前記相対点火時期は、最大トルク点火
    時期から遅角する相対点火時期であることを特徴とす
    る、請求項11に記載のアイドル時のエンジン回転数制
    御方法。
  13. 【請求項13】 エンジン回転数を検出するエンジン回
    転数検出器;エンジン負荷量を検出するエンジン負荷量
    検出器;車速を検出する車速検出器;エンジンを冷却す
    るための冷媒の温度を検出する冷却水温検出器;エンジ
    ンに吸入される空気の温度を検出する吸気温度検出器;
    エンジンに供給された燃料/空気混合ガスに点火する点
    火装置;及び前記各検出器から入力される検出信号に基
    づいて前記点火装置を駆動する電子制御ユニット;を含
    み、 前記電子制御ユニットは、第1項乃至第5項及び第7項
    乃至第11項のうちのいずれか一つの項の方法を遂行す
    る手段を有することを特徴とする、アイドル時のエンジ
    ン回転数制御装置。
  14. 【請求項14】 エンジン回転数を検出するエンジン回
    転数検出器;エンジン負荷量を検出するエンジン負荷量
    検出器;車速を検出する車速検出器;エンジンを冷却す
    るための冷媒の温度を検出する冷却水温検出器;エンジ
    ンに吸入される空気の温度を検出する吸気温度検出器;
    エンジンで発生するノッキングの程度を検出するノック
    検出器;エンジンに供給された燃料/空気混合ガスに点
    火する点火装置;及び前記各検出器から入力される検出
    信号に基づいて前記点火装置を駆動する電子制御ユニッ
    ト;を含み、 前記電子制御ユニットは、第6項の方法を遂行する手段
    を有することを特徴とする、アイドル時のエンジン回転
    数制御装置。
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