JP2010038067A - 船舶のアイドル回転数制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行負荷補正では模擬船速と目標回転数の偏差にてエンジン負荷を検出して補正値を設定し、シフト位置が後進の場合のみ走行負荷補正として目標トルク率へ足しこみトルクが足らなくなる前に補正することでエンジンストールを防止する。また、特性ドリフトの要因別に学習を行う。
【選択図】図3
Description
図4は、基本トルク率算出機能部310による基本トルク率算出機能を説明するもので、目標回転速度を維持するために必要な基本トルク率Tqbaseを設定するフローチャートである。図4において、シフト位置=F(前進)と判断されると(S401)、基本トルク"F"マップTIQBFを検索して基本トルク率Tqbaseを設定する(S403)。他方、シフト位置=R(後進)と判断されると(S402)、基本トルク"R"マップTIQBRを検索して基本トルク率Tqbaseを設定する(S404)。S401とS402でいずれもNOと判断されると、シフト位置=N(中立)なので、基本トルク"N"マップTIQBNを検索して基本トルク率Tqbaseを設定する(S405)。基本トルクマップTIQBF/TIQBR/TIQBNは、目標回転速度NOBJとシリンダ壁温WTとの3次元マップにて構成される。
図6と図7は、目標回転速度算出機能部311による目標回転速度算出機能を説明するもので、図6は、目標回転速度NOBJを設定するフローチャートであり、図7は、基本目標回転速度マップの特性を説明するグラフである。図6において、目標回転速度NOBJは、基本目標回転速度マップTINOBJを検索してシリンダ壁温WTに応じた値が設定される。図7に示すごとく特性を有する基本目標回転速度マップTINOBJは、シリンダ壁温WTでの2次元マップにて構成され、目標回転速度算出機能部311に格納されている。
図8は、模擬船速算出機能部405による模擬船速算出機能を説明するもので、模擬船速SNEを設定するフローチャートである。図8において、シフト位置=R(後進)以外と判断されると(S801)、模擬船速SNE=フィルタゲイン1×前回の模擬船速SNE[i−1]+(1−フィルタゲイン1)×回転速度NEを模擬船速SNEとして設定する(S802)。シフト位置=R(後進)以外と判断されなければ(S801)、模擬船速SNE=フィルタゲイン2×前回の模擬船速SNE[i−1]+(1−フィルタゲイン2)×目標回転速度NOBJを模擬船速SNEとして設定する(S803)。すなわち、模擬船速算出機能部405は、模擬船速を、エンジン回転数またはアイドル時の目標回転数をなまし処理して算出し、かつシフト位置状態にてなまし係数を切り替えるようになされている。
図9は、船速負荷比率算出機能部406による船速負荷比率算出機能を説明するもので、船速負荷比率Dspdを設定するフローチャートである。図9において、船速負荷比率Dspdとして、模擬船速SNE÷目標回転速度NOBJの結果を設定する。また、この際、船速負荷比率Dspdは係数1.0を最小として設定する(S901)。なお、ここでは、船速負荷比率算出機能部406は、模擬船速と目標回転速度との比を求めることで、エンジンがプロペラにて回転させられているか、または自力で回転しているかの判定を行うものであるが、比の代わりに偏差を求めることで、同様にしてエンジンがプロペラにて回転させられているか、または自力で回転しているかの判定を行うことができる。
図10は、走行負荷補正算出機能部407による走行負荷補正算出機能を説明するもので、走行負荷補正信号tqrfを設定するフローチャートである。図10において、シフト位置=R(後進)以外またはエンストと判断されると(S101)、走行負荷補正信号tqrf=0として設定する(S102)。S101でNOと判断された場合、走行負荷補正マップTIQSFTRを検索して走行負荷補正信号tqrfを設定する(S103)。走行負荷補正マップTIQSFTRは、船速負荷比率Dspdの2次元マップにて構成され、走行負荷補正算出機能部407に格納されている。ここで、走行負荷補正マップTIQSFTRは、船舶速度とアイドル時の目標船舶速度の比率の他に偏差に基づいたものでもよい。
図11は、回転フィードバックI補正算出機能部401による回転フィードバックI補正算出機能を説明するもので、回転フィードバックI補正信号tqfbを設定するフローチャートである。図11において、回転フィードバック(F/B)条件を確認し実行/禁止を判断する(S111)。ここで、模擬船速の状態が減速であると判定された時(SNE>XKSSP)(またはオフアイドル時または始動後所定時間内)には、回転F/Bは禁止され、回転F/BI補正信号tqfbは、前回値の状態から0%に近づける(S117)。すなわち、アイドル運転時、シフト位置がニュートラル状態でなく、かつプロペラにて回転させられていると判断した場合に、回転数フィードバック制御による基本トルク率の補正を禁止する。
図12は、回転フィードバックP補正算出機能部402による回転フィードバックP補正算出機能を説明するもので、回転フィードバックP補正信号tqfbpを設定するフローチャートである。図12において、まず、回転比率NRAを算出する(S121)。回転比率NRAは、回転比率NRA=回転速度NE/目標回転速度NOBJにて設定される。次に、模擬船速を参照し、模擬船速SNE>XNEISCFBPが成立した場合は回転F/BP補正信号tqfbpを0%と設定する(S122→S124)。S122で条件不成立の場合は、S121で算出した回転比率NRAとシフト位置SPSからあらかじめ設定されている回転比率マップTIQSFT*FBを検索しその値を回転F/BP補正信号tqfbpとして設定する(S123)。回転比率マップTIQSFT*FBは、回転比率NRAの2次元マップにて構成され、回転フィードバックP補正算出機能部402に格納されている。
図13は、トルク率F学習補正算出機能部403によるトルク率F学習補正算出機能を説明するもので、トルク率F学習補正信号tqlrfを設定するフローチャートである。図13において、まず、禁止/実行の学習条件を判定する(S131)。判定条件としては、シフト≠F、または|NE−NOBJ|<XKNEL、または壁温WT<XKWTFB、または回転F/B条件=禁止、または始動後所定時間内、または故障時であり、これらが成立した場合は学習禁止とし、回転F/BI補正平均値tqfbave2=0%と設定する(S133)。学習条件が実行の場合は、回転F/BI補正平均値tqfbave2=回転F/BI補正値の所定時間(TIME2)の平均値と設定する(S132)。次に、トルク率F学習値tqlrfeprを算出する(S134)。トルク率F学習値tqlrfeprは、トルク率F学習値tqlrfepr=tqlrfepr[i−1]+tqfbave2/2として設定する(tqfbave2更新時に実施する)。さらに、シフト位置センサ=Nならば(S135)、トルク率F学習補正信号tqlrf=0%と設定する(S136)。他方、シフト位置≠Nならば、トルク率F学習補正信号tqlrf=tqlrfeprとして設定する(S137)。
図14は、トルク率N学習補正算出機能部404によるトルク率N学習補正算出機能を説明するもので、トルク率N学習補正信号tqlrnを設定するフローチャートである。図14において、まず、禁止/実行の学習条件を判定する(S141)。判定条件としては、シフト≠N、または|NE−NOBJ|<XKNEL、または壁温WT<XKWTFB、または回転F/B条件=禁止、または始動後所定時間内、または故障時であり、これらが成立した場合は学習禁止とし、回転F/BPI補正平均値tqfbave=0%と設定する(S143)。学習条件が実行の場合は、回転F/BI補正平均値tqfbave=回転F/BI補正値の所定時間(TIME)の平均値と設定する(S142)。次に、トルク率N学習補正信号tqlrnを算出する(S144)。トルク率N学習補正信号tqlrnは、トルク率N学習補正信号tqlrn=tqlrn[i−1]+tqfbave/2として設定する(tqfbave更新時に実施する)。
回転偏差算出機能部408により、目標回転速度NOBJとエンジン回転速度NEの絶対値を回転偏差Neabsとして算出する。
Neabs=|NE−NOBJ|
図15は、目標トルク率算出機能部313による目標トルク率算出機能を説明するもので、目標トルク率算出機能を説明するフローチャートである。上記で算出した基本トルク率Tqbaseと、回転フィードバックI補正信号tqfbと、回転フィードバックP補正tqfbpと、トルク率F学習補正信号tqlrfと、トルク率N学習補正信号tqlrnと、走行負荷補正信号tqrfを加算し、目標トルク率TQと設定する(S151)。
図16は、充填効率算出機能部314による充填効率算出機能を説明するもので、充填効率算出機能を設定するフローチャートである。まず、充填効率補正マップTITQTQを検索して補正ゲインKTを設定する(S161)。充填効率補正マップTITQTQは、目標点火時期ADVでの2次元マップにて構成される。次に、上記で算出した目標トルク率TQと充填効率補正ゲインKTを乗算して充填効率QBを算出する(S162)。
図18は、目標空気量算出機能部319による目標空気量算出機能を説明するもので、目標空気量算出機能を設定するフローチャートである。ここでは、充填効率QB[%]、目標回転速度NOBJ[r/min]、標準大気密度[g/l]、排気量[cc]及び単位換算調整値(1/1200000)を乗算し、目標空気量QOBJ[g/s]を算出する(S171)。
図19は、吸入空気量調整機能部320による吸入空気量調整機能を説明するもので、吸入空気量調整機能を設定するフローチャートである。ここでは、ISCバルブ流量特性TIVSTEPと目標空気量QOBJに基づいてISCバルブ開度を算出する(S181)。ISCバルブ流量特性マップTIVSTEPは、目標空気量QOBJとの2次元マップにて構成され、吸入空気量調整機能部320に格納されている。
Claims (6)
- 船舶に搭載するエンジンのアイドル時の回転速度を制御する船舶のアイドル回転数制御装置において、
エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
前記エンジンの暖機状態を検出するエンジン温度検出手段と、
前記エンジンのアイドル運転状態を検出するアイドル運転状態検出手段と、
前記エンジンのシフト位置状態がニュートラル、前進、または後進であるかを検出する負荷検出手段と、
前記各検出手段の検出に基づいて前記エンジンがアイドル状態のときに前記検出手段にて検出したエンジン状態を基にエンジン回転数を目標回転数に収束させるように制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
エンジンの回転速度、シフト位置及び目標回転速度に基づいて模擬船速を算出する模擬船速算出機能部と、
エンジンが船舶の走行状態によりプロペラにて回転させられているか、または自力にて回転しているかを判定する減速走行判定手段と、
前記エンジンがアイドル状態のときに前記エンジンを目標回転数にて定常運転させるために必要な、前記エンジンの最大トルクに対し発生させるトルクの割合である基本トルク率を算出する基本トルク率算出機能部と、
目標回転数とエンジン回転数との偏差に応じ前記基本トルク率に対して偏差がなくなるよう補正する回転数フィードバック補正信号を出力する回転数フィードバック補正算出機能部と、
前記回転数フィードバック補正信号に基づいてトルク率補正値を学習するトルク率学習補正機能部と、
船舶速度に応じて基本トルク率を補正する走行負荷補正信号を算出する走行負荷補正算出機能部と、
前記基本トルク率、前記回転フィードバック補正信号、前記トルク率学習補正信号、及び走行負荷補正信号に基づいて目標トルク率を算出する目標トルク率算出機能部と、
前記目標トルク率を発生させるために必要な目標空気量を算出する目標空気量算出機能部と、
前記目標空気量に基づいて前記エンジンに供給される吸入空気量を調整する吸入空気量調整機能部と
を有することを特徴とする船舶のアイドル回転数制御装置。 - 請求項1に記載の船舶のアイドル回転数制御装置において、
前記走行負荷補正算出機能部は、船舶速度とアイドル時の目標船舶速度の偏差または比率に基づいた走行負荷補正マップを予め格納し、シフト位置が後進時のみ前記走行負荷補正マップのデータに基づいた走行負荷補正を行う
ことを特徴とする船舶のアイドル回転数制御装置。 - 請求項1に記載の船舶のアイドル回転数制御装置において、
前記模擬船速算出機能部は、模擬船速を、エンジン回転数またはアイドル時の目標回転数をなまし処理して算出し、かつシフト位置状態にてなまし係数を切り替える
ことを特徴とする船舶のアイドル回転数制御装置。 - 請求項1に記載の船舶のアイドル回転数制御装置において、
前記減速走行判定手段は、エンジン回転数と模擬船速の比率または偏差に基づいてエンジンがプロペラにて回転させられているか、または自力で回転しているかの判定を行う
ことを特徴とする船舶のアイドル回転数制御装置。 - 請求項1に記載の船舶のアイドル回転数制御装置において、
前記回転数フィードバック補正算出機能部は、アイドル運転時、前記シフト位置がニュートラル状態でなく、かつ前記減速走行判定手段にてプロペラにて回転させられていると判断した場合に、回転数フィードバック制御による基本トルク率の補正を禁止する
ことを特徴とする船舶のアイドル回転数制御装置。 - 請求項1に記載の船舶のアイドル回転数制御装置において、
前記トルク率学習補正機能部は、アイドル時、所定条件が成立したときに前記回転数フィードバック補正信号の平均値に基づいて、シフト位置がニュートラル、ニュートラル以外のシフト位置ごとに独立に学習値を算出し、独立に学習値の更新を行い、ニュートラルのシフト位置での学習値はシフト状態に関係なく常時目標トルク率算出に使用し、ニュートラル以外のシフト位置での学習はニュートラルの学習が完了後に行う
ことを特徴とする船舶のアイドル回転数制御装置。
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