JP4447626B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
例えば、この出力軸トルクをエンジン出力の目標値として、エンジン制御量である空気流量、燃料量および点火時期を決定し、また、実際のエンジンの運転状態から実出力トルクを推定して上記各車両システムに送信することにより、協調制御を実現して良好な走行性能を得る内燃機関の制御装置が提案されている。
具体的には、まず、エンジン回転速度およびエンジン負荷に基づいて、特性曲線群(制御マップ)から最適燃焼トルクが算出される。続いて、この最適燃焼トルクに対して、実際の点火時期やEGR率による補正を行うことによって、出力トルクが精度よく算出される。なお、実際の点火時期やEGR率による補正の補正量は、それぞれの運転ポイント毎の制御マップから算出される。
そのため、適合する制御マップの量が多くなり、適合の工数が多くなるとともに、大容量のROMが必要になるという問題点があった。
そのため、少ない制御マップで、内燃機関の実出力トルクを高精度に算出することができる。
なお、以下の実施の形態では、内燃機関の制御装置が車両に搭載されている場合について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置を概略的に示す構成図である。また、図2は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置のエンジン制御部の構成を概略的に示すブロック図である。
なお、一般的な内燃機関には、複数のシリンダ2が設けられているが、以下の実施の形態では、そのうちの1つのシリンダ2について説明する。
吸気管3において、エアフロセンサ4の下流のエンジン1側には、電子的に開閉制御されて実吸入空気流量Qrを調整するためのスロットルバルブ5が設けられている。
スロットルバルブ5には、スロットル開度T(運転状態)を測定するスロットル開度センサ6(運転状態検出手段)が設けられている。
なお、エアフロセンサ4およびインマニ圧センサ8については、両方とも設けられてもよいし、何れか一方のみが設けられてもよい。
また、インマニ圧Pを直接測定するインマニ圧センサ8に代えて、他のセンサ情報からインマニ圧Pを推定する手段を用いてもよい。
また、吸気管3において、サージタンク7の下流のエンジン1側には、燃料を噴射するインジェクタ12が設けられている。
なお、インジェクタ12は、シリンダ2内に直接燃料を噴射するように設けられてもよい。
また、エンジン1のクランク軸(図示せず)には、クランク軸と一体で回転するクランクプレートの突起からエンジン1の回転速度N(運転状態)を検出するクランク角センサ15(運転状態検出手段)が設けられている。
また、ECU16には、車両に設けられたアクセルの開度を検出するアクセル開度センサ(図示せず)からアクセル開度Dが入力され、可燃混合気の空燃比を検出する空燃比センサ(図示せず)から空燃比AFが入力される。
さらに、ECU16には、他のコントローラ(例えば、トランスミッション制御、ブレーキ制御、トラクション制御等)からのトルク要求値が入力される。
また、ECU16は、目標出力トルクを達成するように、吸入空気流量、EGR率R、空燃比AF、および点火時期IT等の目標値を設定し、吸入空気流量の目標値を達成するようにスロットルバルブ5を制御し、EGR率Rの目標値を達成するようにEGRバルブ11を制御し、空燃比AFの目標値を達成するようにインジェクタ12を駆動し、点火時期ITの目標値を達成するように点火コイル14を通電する。また、ECU16は、これらのアクチュエータ以外のアクチュエータに対する目標値も算出する。
各種センサ20は、エアフロセンサ4、スロットル開度センサ6、インマニ圧センサ8、クランク角センサ15、アクセル開度センサ21、および空燃比センサ22等を含んでいる。
また、各種アクチュエータ40は、スロットルバルブ5、EGRバルブ11、インジェクタ12、および点火コイル14等を含んでいる。
ECU16のROMには、空燃比制御手段、EGRバルブ開度制御手段、EGR率算出手段、着火時期算出手段、燃焼期間算出手段、実熱効率算出手段、実トルク算出手段、点火時期制御手段、および吸入空気流量制御手段が、ソフトウェアとして記憶されている。
また、吸入空気流量制御手段は、スロットル開度制御手段、要求トルク算出手段、目標トルク算出手段、目標シリンダ内新気量算出手段、および目標吸入空気流量算出手段が、ソフトウェアとして記憶されている。
EGRバルブ開度制御手段は、例えば実吸入空気流量Qrやエンジン1の回転速度N等の運転状態に応じて、EGRバルブ11の開度を制御する。
EGR率算出手段は、例えば実吸入空気流量Qrやエンジン1の回転速度N等の運転状態と、EGRバルブ11の開度とに基づいて、排気ガスの導入率を示すEGR率Rを算出する。
実熱効率算出手段は、空燃比AFと、EGR率Rと、着火時期IAと、燃焼期間BPと、実吸入空気流量Qrまたはインマニ圧Pから算出される充填効率Ecとに基づいて、エンジン1の実熱効率ηiを算出する。
実トルク算出手段は、空燃比AFと、インマニ圧Pまたは実吸入空気流量Qrと、実熱効率ηiとに基づいて、エンジン1の実出力トルクTrqまたは実図示平均有効圧Pirを算出する。
スロットル開度制御手段は、スロットルバルブ5のスロットル開度Tを制御することにより、吸気管3の開口面積を変化させて、実吸入空気流量Qrを可変制御する。
要求トルク算出手段は、例えばエンジン1の回転速度N(または、車両の走行速度V)とアクセル開度Dとに基づいて、車両の運転者による運転者要求出力トルクを算出する。
目標シリンダ内新気量算出手段は、目標出力トルクまたは目標図示平均有効圧Pitと、実熱効率ηiと、空燃比AFとに基づいて、目標シリンダ内新気量Qctを算出する。
目標吸入空気流量算出手段は、目標シリンダ内新気量Qctに基づいて、エンジン1が吸入すべき目標吸入空気流量Qtを算出する。
吸入空気流量制御手段は、実吸入空気流量Qrが目標吸入空気流量Qtと一致するように、スロットル開度制御手段を介してスロットル開度Tを制御する。
まず、エアフロセンサ4、またはインマニ圧センサ8は、エンジン1に吸入される実吸入空気流量Qr、またはサージタンク7内のインマニ圧Pを検出する(ステップS101)。
続いて、実トルク算出手段は、実吸入空気流量Qrに対してフィルタ処理を実行するか、またはインマニ圧Pからシリンダ2内の密度を推定することにより、一行程あたりの実シリンダ内新気量Qcr[g]を算出する(ステップS102)。
続いて、実トルク算出手段は、一行程あたりの実シリンダ内新気量Qcrと空燃比AFとに基づいて、次式(1)のように、一行程あたりの燃料量Qf[g]を算出する(ステップS104)。
次に、実熱効率算出手段は、エンジン1の実熱効率ηi[%]を算出する(ステップS106)。なお、実熱効率ηiの算出処理については、後述する。
続いて、実トルク算出手段は、発熱量Htと実熱効率ηiとに基づいて、次式(2)のように、燃焼ガスがシリンダ2内でピストンに対してする仕事である実図示仕事Wi[J]を算出する(ステップS107)。
なお、式(3)において、Vc[L]は一気筒あたりのシリンダ行程容積を示している。
なお、式(4)において、zは気筒数、iは1サイクルあたりの回転数(例えば、4サイクルエンジンの場合には、i=2)をそれぞれ示している。
ここで、熱効率について以下に説明する。一般に、内燃機関の熱力学的サイクルは、オットーサイクルとディーゼルサイクルとに大別され、ガソリンエンジンは、オットーサイクルに近似され、ディーゼルエンジンは、ディーゼルサイクルに近似されることが多い。
これらのサイクルから熱効率を算出する場合には、作動流体が大気温度における空気の比熱を持った完全ガス(理想気体)であり、かつ、燃焼が上死点において瞬時に行われるとする理論空気サイクルとして考えることが一般的である。
まず、第1点目として、高温、高圧下で燃焼が行われるので、熱解離が生じる。また、第2点目として、行程中に燃焼が行われるので、作動流体の組成が、圧縮行程と膨張行程とで互いに異なる。また、第3点目として、作動流体の組成や温度が変化するので、比熱が変化する。また、第4点目として、燃焼が瞬時に行われることはなく、ある程度の期間継続する。
そこで、実熱効率ηiを算出する場合には、上記の4点を考慮する必要がある。
まず、実熱効率算出手段は、充填効率Ec[%]を算出する(ステップS201)。充填効率Ecは、前述したステップS102で算出された一行程あたりの実シリンダ内新気量Qcrと、標準状態における空気のシリンダ行程容積Vcに対する質量Qco[g]とに基づいて、次式(5)のように算出される。
続いて、実熱効率算出手段は、充填効率Ecと基本熱効率ηbとの関係が記された基本熱効率マップを用いて、充填効率Ecから、基本熱効率ηbを算出する(ステップS202)。
これら2点は、作動流体の組成、および組成の変化に起因しているので、作動流体の組成に応じて基本熱効率ηbを補正すればよいと考えられる。
ここで、作動流体の組成を示す物理量としては、空燃比AFとEGR率Rとが考えられることから、空燃比AFおよびEGR率Rに基づいて算出される第1熱効率補正係数を用いて基本熱効率ηbを補正する。
なお、空燃比AFは、前述したステップS103で検出した値を用いればよい。また、EGR率Rについては、EGRバルブ11を経由して導入された外部EGR量と、排気行程から吸気行程までのガス交換時にシリンダ2内に残留した燃焼ガスである内部EGR量とを加算されて総EGR量が算出され、総EGR量に基づいて算出される。
また、内部EGR量についても同様に、例えばエンジン1の回転速度Nや充填効率Ec等の運転状態と、バルブタイミングと、内部EGR量との関係が記された内部EGR量マップをあらかじめROMに記憶し、内部EGR量マップを現時点での運転状態で検索すればよい。
また、さらに別の方法として、排圧(排気管9の圧力)とインマニ圧PとEGRバルブ11の開度とから、オリフィスの流量算出式を用いて外部EGR量を算出してもよい。
次に、実熱効率算出手段は、基本熱効率ηbと第1熱効率補正係数とに基づいて、補正後熱効率ηr[%]を算出する(ステップS205)。
エンジン1のシリンダ2内における燃焼は、点火により火種が発生することによって始まる。また、火種が発生してから、この火種が噴き消えることなく、発熱を伴う連鎖反応を繰り返して膨張し、最終的に急激な発熱反応に至って着火するまでには、所定時間を要することが知られており、この時間は、着火遅れ時間と呼ばれている。そこで、以下、急激な発熱反応が開始して、シリンダ2内における燃焼が急激に加速するタイミングを着火時期IAと称する。
ここで、燃焼が上死点において瞬時に行われるとする理論空気サイクルと、燃焼に所定時間を要する実際のサイクルとの関係を対数表示したP−V線図を図5に示す。
図5において、実際のサイクルでは、燃焼に要する時間によって、一般に時間損失(図の斜線部分参照)と呼ばれる損失が発生している。
そこで、この時間損失を模擬するために、着火時期IAおよび燃焼期間BPに基づいて算出される第2熱効率補正係数を用いて補正後熱効率ηrを補正する。
続いて、実熱効率算出手段は、着火時期IAと、燃焼期間BPと、第2熱効率補正係数との関係が記された第2熱効率補正係数マップを用いて、着火時期IAおよび燃焼期間BPから、第2熱効率補正係数を算出する(ステップS207)。
次に、実熱効率算出手段は、補正後熱効率ηrと第2熱効率補正係数とに基づいて、実熱効率ηiを算出する(ステップS208)。
なお、基本熱効率マップ、第1熱効率補正係数マップ、および第2熱効率補正係数マップは、基本熱効率ηb、第1熱効率補正係数、および第2熱効率補正係数を厳密な測定によって設定することが困難なので、上記の条件で計算したエンジンシミュレーションの結果を用いて設定すればよい。
前述したように、エンジン1のシリンダ2内における燃焼は、火種が発生してから、着火遅れ時間が経過した後に急激に加速する。この着火遅れ時間は、主に着火時におけるシリンダ2内の温度または圧力に依存し、シリンダ2内の温度または圧力は、点火時期ITと強い相関があるものと考えられる。
そこで、点火時期ITと着火時期IAとの関係が1次関数で近似された近似式を用いて、点火時期ITから着火時期IAを算出することを考える。
まず、着火時期算出手段は、点火時期ITを算出する(ステップS301)。点火時期ITは、点火コイル14を通電するために用いられる点火時期ITの目標値から求められる。
続いて、着火時期算出手段は、点火時期ITに基づいて、次式(6)のように、着火時期IAを算出する(ステップS302)。
なお、式(6)において、a、bは、それぞれ実験的に求められる係数を示している。
通常では、着火時期IAが点火時期ITよりも先になることは考えられないので、続いて、着火時期算出手段は、ステップS302で算出された着火時期IAが、点火時期ITよりも後であるか否かを判定する(ステップS303)。
図7において、着火時期IA(図の破線参照)は、常に点火時期ITよりも後になるように設定される。
前述したように、エンジン1のシリンダ2内における燃焼が開始してから、燃焼が終了するまでには、所定の燃焼期間BPを要する。この燃焼期間BPに影響を与える要素としては、シリンダ2内の温度および圧力の変化、作動流体の組成、および着火時期IAが考えられる。
そこで、エンジン1の回転速度N、充填効率Ec、空燃比AF、EGR率R、および着火時期IAに基づいて、燃焼期間BPを算出することを考える。
まず、クランク角センサ15は、エンジン1の回転速度Nを検出し、燃焼期間算出手段は、充填効率Ecを算出する(ステップS401)。充填効率Ecは、前述したステップS201で算出された値を用いればよい。
ここで、基本燃焼期間Bbとしては、所定の着火時期(例えば、TDC(上死点))で、EGR率が零で、かつ理論空燃比の場合における燃焼期間を設定する。
なお、基本燃焼期間マップは、基本燃焼期間Bbを厳密な測定によって設定することが困難なので、上記の条件で計算したエンジンシミュレーションの結果を用いて設定すればよい。
シリンダ2の瞬時容積は、圧縮行程で減少し、上死点において最小となった後、膨張行程で増加する。このとき、燃焼が同心球状にほぼ一定速度で進行すると考えると、膨張行程において燃焼が進行する場合には、燃焼の進行と同期して燃焼するべき容積が増加するので、燃焼期間BPが長くなると考えられる。また、圧縮行程において燃焼が進行する場合には、燃焼の進行と同期して燃焼するべき容積が減少するので、燃焼期間BPが短くなると考えられる。
以上のことを踏まえて実測した着火時期IAと燃焼期間BPとの関係を図9に示す。
図9において、燃焼期間BPは、着火時期IAが進角側に変化するにつれて、短くなっている。
なお、式(7)のように直線近似した場合に、誤差が大きくなるときには、次式(8)に示すように、2次関数で着火時期補正後燃焼期間Biを近似してもよい。
排気ガスをサージタンク7に導入するということは、燃焼に寄与しない不活性ガス(窒素、二酸化炭素、水等)を導入することである。そのため、排気ガスを導入した後の可燃混合気は、酸素濃度が低下するので、燃焼速度が低下して、燃焼期間BPが長くなると考えられる。
以上のことを踏まえて実測したEGR率Rと燃焼期間BPとの関係を図10に示す。
図10において、燃焼期間BPは、EGR率Rが高くなるにつれて、長くなっている。
なお、式(9)のように直線近似した場合に、誤差が大きくなるときには、次式(10)および次式(11)に示すように、2次関数および指数関数でそれぞれEGR率補正後燃焼期間Brを近似してもよい。
Br=(1+R)h×Bi ・・・(11)
一般に、燃焼速度は、理論空燃比よりもややリッチ側で最大となることが知られている。そのため、燃焼期間BPは、図11に示すように、理論空燃比よりもややリッチ側で最も短くなる。
まず、クランク角センサ15は、エンジン1の回転速度Nを検出し、アクセル開度センサ21は、アクセル開度Dを検出する(ステップS501)。エンジン1の回転速度Nは、前述したステップS401で検出された値を用いればよい。
このとき、クランク角センサ15がエンジン1の回転速度Nを検出する代わりに、車速センサ(図示せず)が車両の走行速度Vを検出してもよい。
続いて、吸入空気流量制御手段は、運転者要求出力トルクとトルク要求値とを比較して、最終要求出力トルクを算出する(ステップS504)。ここで算出された最終要求出力トルクは、エンジン1のクランク軸から出力されるトルクを示している。
続いて、吸入空気流量制御手段は、最終要求出力トルクとエンジン補機負荷とを加算して、エンジン1に付随する補機負荷を考慮したエンジン要求出力トルクを算出する(ステップS506)。
続いて、目標トルク算出手段は、エンジン要求出力トルクとエンジンロスとを加算して、エンジン1のシリンダ2内で発生すべき目標図示平均有効圧Pitを算出する(ステップS508)。なお、目標トルク算出手段は、目標図示平均有効圧Pitの代わりに、目標出力トルクを算出してもよい。
ここで、目標シリンダ内新気量Qctは、前述した式(1)〜式(3)を逆算して、次式(13)で表される。
=AF×Ht/44000
=AF×Wi/(ηi×44000)
=AF×Pit×Vc/(ηi×44000) ・・・(13)
続いて、吸入空気流量制御手段は、実吸入空気流量Qrが目標吸入空気流量Qtと一致するように、スロットル開度Tの目標値を算出し、スロットル開度制御手段を介してスロットル開度Tを制御する(ステップS512)。
ここでは、オリフィスの流量算出式、およびエアフロセンサ4を用いたスロットル開度フィードバック等の少なくとも一方を用いることにより、目標吸入空気流量Qtを高精度に達成することができる。
さらに、吸入空気流量制御手段により吸入空気流量が高精度に制御できることから、本実施の形態は実現可能である。
そのため、少ない制御マップで、エンジン1の実出力トルクTrqを高精度に算出することができる。
また、吸入空気流量制御手段は、目標トルク算出手段が算出した目標図示平均有効圧Pit(目標出力トルク)に基づいて目標吸入空気流量Qtを算出し、目標吸入空気流量Qtを達成するようにスロットル開度Tの目標値を算出して、スロットル開度制御手段を介してスロットル開度Tを制御する。
そのため、運転者要求出力トルクや他のコントローラからのトルク要求値を高精度に達成することができる。
Claims (5)
- 内燃機関の吸気管に設けられたスロットルバルブと、
前記吸気管における前記スロットルバルブの下流側の吸気管内圧、および前記内燃機関に吸入される実吸入空気流量の少なくとも一方と、前記内燃機関の回転速度とを含む運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記吸気管に導入される排気ガスの導入量を調節するEGRバルブと、
前記内燃機関に供給する燃料量を変化させて空燃比を制御する空燃比制御手段と、
前記運転状態に応じて、前記EGRバルブの開度を制御するEGRバルブ開度制御手段と、
前記運転状態と前記EGRバルブの開度とに基づいて、EGR率を算出するEGR率算出手段と、
前記内燃機関のシリンダ内における燃焼が急激に加速する着火時期を算出する着火時期算出手段と、
前記シリンダ内における燃焼の開始から終了までに要する燃焼期間を算出する燃焼期間算出手段と、
前記空燃比と、前記EGR率と、前記着火時期と、前記燃焼期間と、前記吸気管内圧または前記実吸入空気流量から算出される充填効率とに基づいて、前記内燃機関の実熱効率を算出する実熱効率算出手段と、
前記内燃機関の実出力トルクまたは実図示平均有効圧を算出する実トルク算出手段と、を備え、
前記実熱効率算出手段は、前記充填効率に基づいて、熱解離を考慮した基本熱効率を算出し、前記空燃比と前記EGR率とから算出される第1熱効率補正係数に基づいて、前記基本熱効率を補正して補正後熱効率を算出し、前記着火時期と前記燃焼期間とから算出される第2熱効率補正係数に基づいて、前記補正後熱効率を補正して前記実熱効率を算出し、
前記実トルク算出手段は、前記空燃比と、前記吸気管内圧または前記実吸入空気流量と、前記実熱効率とに基づいて、前記内燃機関の実出力トルクまたは実図示平均有効圧を算出することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記実トルク算出手段は、
前記吸気管内圧または前記実吸入空気流量に基づいて、一行程あたりの実シリンダ内新気量を算出し、
前記空燃比と前記一行程あたりの実シリンダ内新気量とに基づいて、一行程あたりの燃料量、および発熱量を算出し、
前記実熱効率と前記発熱量とに基づいて、実図示仕事を算出し、
前記実図示仕事に基づいて、前記実出力トルクまたは前記実図示平均有効圧を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御手段を備え、
前記着火時期算出手段は、
前記点火時期と前記着火時期との関係が1次関数で近似された近似式を用いて、前記点火時期から前記着火時期を算出し、
算出された着火時期が前記点火時期よりも早いタイミングとなる場合には、前記着火時期を前記点火時期と同じタイミングに設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記燃焼期間算出手段は、
前記運転状態に基づいて、基本燃焼期間を算出し、
前記着火時期と、前記EGR率と、前記空燃比とに基づいて、前記基本燃焼期間を補正して前記燃焼期間を算出することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。 - スロットル開度制御手段を介して前記スロットルバルブのスロットル開度を制御する吸入空気流量制御手段を備え、
前記吸入空気流量制御手段は、
前記スロットル開度を制御することにより、前記吸気管の開口面積を変化させて、前記実吸入空気流量を可変制御する前記スロットル開度制御手段と、
前記運転状態、および前記内燃機関が設けられた車両の走行速度の少なくとも一方と、前記車両に設けられたアクセルのアクセル開度とに基づいて、前記車両の運転者による運転者要求出力トルクを算出する要求トルク算出手段と、
前記運転者要求出力トルクに基づいて、前記内燃機関が発生すべき目標出力トルクまたは目標図示平均有効圧を算出する目標トルク算出手段と、
前記目標出力トルクまたは前記目標図示平均有効圧と、前記実熱効率と、前記空燃比とに基づいて、目標シリンダ内新気量を算出する目標シリンダ内新気量算出手段と、
前記目標シリンダ内新気量に基づいて、前記内燃機関が吸入すべき目標吸入空気流量を算出する目標吸入空気流量算出手段と、を含み、
前記実吸入空気流量が前記目標吸入空気流量と一致するように、前記スロットル開度を制御することを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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