JP2003327640A - アクリル系グラフト共重合体の製造方法 - Google Patents

アクリル系グラフト共重合体の製造方法

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JP2003327640A
JP2003327640A JP2002138309A JP2002138309A JP2003327640A JP 2003327640 A JP2003327640 A JP 2003327640A JP 2002138309 A JP2002138309 A JP 2002138309A JP 2002138309 A JP2002138309 A JP 2002138309A JP 2003327640 A JP2003327640 A JP 2003327640A
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oligomer
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Takashi Tsuda
隆 津田
Kenji Goto
兼治 後藤
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度のグラフト共重合体を、生産性良く安
価に製造する方法を提供する。 【解決手段】 末端に1分子あたり0.8〜2.2個の
カルボキシル基を有する数平均分子量800〜1200
0のオリゴマー(A)2〜70質量部、エポキシ基含有
ビニル単量体(B)1〜30質量部およびエポキシ基を
含有しないビニル単量体(C)29〜90質量部を含有
する単量体混合物を、撹拌槽式反応器を使用し、150
〜300℃の温度で、60分以内の時間ラジカル重合さ
せることを特徴とするグラフト共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジカル重合によ
るグラフト共重合体の製造方法に関する。本方法によれ
ば、高純度のグラフト共重合体が安価に生産性良く合成
でき、該グラフト共重合体は、塗料、接着剤、成形材料
などの高分子製品の主成分または添加剤として使用でき
る。
【0002】
【従来の技術】異種の重合体単位(重合体連鎖)が化学
結合でつながったブロック共重合体およびグラフト共重
合体は、その界面移行性やミクロ層分離構造に基づく物
理架橋効果などにより、特徴的な界面・バルク物性を示
す。この性質を利用した樹脂製品として、例えば耐衝撃
樹脂、熱可塑性ゴム、表面改質剤や相溶化剤が既に実用
に供されている。ブロック共重合体は通常アニオン重合
などのイオン重合によって合成されるが、水分の管理が
難しく適用可能なポリマーの種類が限定されるといった
短所を有する。一方最近活発に研究されているラジカル
リビング重合では、水分の影響を受けないという長所を
有するものの、開始剤が高価であり末端変換反応が煩雑
であるといった問題がある。グラフト共重合体は通常過
酸化物を用いた連鎖移動法、放射線グラフト法、ポリマ
ー開始剤法などの方法により製造されるが、一般にグラ
フト効率が低く分子量や組成の制御が困難であるという
欠点を持つ。比較的新しいグラフト共重合体の製造方法
としてマクロモノマーを用いる方法が知られているが、
市場で入手できるマクロモノマーの種類が限定されてお
り、製造コストが高いという問題がある。従って、異種
の重合体単位が化学結合でつながったブロックまたはグ
ラフト共重合体が工業的に安価に製造できれば、その技
術的・経済的な価値は大きい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高純
度のグラフト共重合体を、生産性良く安価に製造する方
法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明のグラフト共重合体の製造方
法は、末端に1分子あたり0.8〜2.2個のカルボキ
シル基を有する数平均分子量800〜20000のオリ
ゴマー(A)2〜80質量部、エポキシ基含有ビニル単
量体(B)1〜30質量部およびエポキシ基を含有しな
いビニル単量体(C)15〜90質量部を含有する単量
体混合物を、撹拌槽式反応器を使用し、150〜300
℃の温度で、60分以内の時間ラジカル重合させること
を特徴とするものである。請求項2に記載の発明のグラ
フト共重合体の製造方法は、請求項1に記載の発明にお
いて、オリゴマー(A)が、1分子あたり1.0〜2.
0個のカルボキシル基を有することを特徴とする。請求
項3に記載の発明のグラフト共重合体の製造方法は、請
求項1または2に記載の発明において、オリゴマー
(A)が、末端に水酸基を有するオリゴマーと酸無水物
との反応により製造されたものであることを特徴とす
る。請求項4に記載の発明のグラフト共重合体の製造方
法は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、
ビニル単量体(B)および(C)がラジカル重合して生
成されるビニル重合体単位1個あたり、ビニル単量体
(B)に由来する単量体単位が0.2〜3.3個含まれ
ることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】1.オリゴマー(A) 本発明の原料として使用するオリゴマー(A)は、末端
に1分子あたり0.8〜2.2個のカルボキシル基を有
する数平均分子量800〜20000のものである。該
オリゴマー(以下、末端官能性オリゴマーともいう。)
の骨格構造はポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボ
ネート、ポリジエン及びその水素添加物またはポリイソ
ブチレンであり、この中でポリエステル、ポリエーテル
及びポリジエンの水素添加物が好ましく用いられる。
【0006】ポリエステルの例としては、多官能カルボ
ン酸またはその低級アルキルエステルと多官能アルコー
ルの重縮合、ヒドロキシカルボン酸の重縮合、環状エス
テルの開環重合などによって得られる脂肪族、脂環族ま
たは芳香族のポリエステルが挙げられる。ポリエーテル
の例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルの開環重合体
が挙げられる。ポリジエンの水素添加物としては、ブタ
ジエンやイソプレンを還元(水素添加)して実質的に分
子内の不飽和結合を潰した重合体が挙げられる。
【0007】末端官能性オリゴマーは、分子末端にカル
ボキシル基を有し、1分子当たりのカルボキシル基数が
0.8〜2.2である事に特徴がある。好ましいカルボ
キシル基数は1分子当たり1.0〜2.0である。1分
子当たりのカルボキシル基数が0.8未満ではグラフト
率が低下し、2.2を越えると重合時に架橋反応を起こ
し易いのでいずれも好ましくない。
【0008】末端官能性オリゴマーとしては、市販のテ
レケリックオリゴマーの中で片末端または両末端にカル
ボキシル基を持つものをそのまま使用することもでき
る。
【0009】市販テレケリックオリゴマーの多くは末端
にヒドロキシル基を持つタイプであり、このものを本発
明に利用する方法として、酸無水物を用いた官能基の変
換反応により末端カルボキシル基型オリゴマーを得るこ
ともできる。この際用いる酸無水物としては無水コハク
酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロ
フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテト
ラヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、
無水メチルハイミック酸、無水トリメリット酸、無水メ
チルナジック酸、ドデシル無水コハク酸などの市販の酸
無水物が挙げられる。反応条件は特に限定されず触媒の
添加も必要に応じて行えば良いが、通常は触媒を添加し
なくても100℃以上の加熱溶融状態で混合することに
より、容易に末端カルボキシル基型オリゴマーに変換す
ることができる。無触媒で反応する時の好ましい反応温
度は100〜250℃であり、120〜200℃が更に
好ましい。100℃未満では反応速度が遅く、250℃
を越えると着色など熱劣化を起こし易い。好ましい反応
時間2分〜5時間であり、5分〜2時間が更に好まし
い。反応時間が2分未満では反応率が低く、5時間を越
えると着色など熱劣化を起こし易いため好ましくない。
反応させる酸無水物のモル量は、ヒドロキシル基に対し
0.4〜1.5倍モルが好ましく、0.5〜1.2倍モ
ルが更に好ましい。酸無水物の使用量が0.4倍モル未
満ではグラフト率が低いため層分離を起こし易く、1.
5倍モルを越えると未反応の酸無水物が残存し、熱安定
性を低下させるので好ましくない。
【0010】本発明で使用する末端官能性オリゴマーの
分子量は、数平均分子量で800〜20000であり、
1000〜15000が好ましい。数平均分子量が80
0未満であると重合時に架橋し易く、20000を越え
ると層分離・不均一化しやすいので好ましくない。
【0011】2.エポキシ基含有ビニル単量体(B) 本発明で使用されるエポキシ基含有ビニル単量体は、ラ
ジカル重合性二重結合とエポキシ基を分子内に持つ化合
物であり、ビニル単量体(B)が含有するエポキシ基と
オリゴマー(A)が末端に有するカルボキシル基とが反
応することにより、オリゴマー(A)由来の重合体単位
およびビニル単量体(B)とビニル単量体(C)に由来
するビニル重合体単位を化学結合によりグラフト化させ
るための成分である。
【0012】具体例としては、アクリル酸グリシジル、
メタクリル酸グリシジル、p−スチリルカルボン酸グリ
シジルなどの不飽和モノカルボン酸のグリシジルエステ
ル、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和ポリカルボン
酸のモノグリシジルエステル或いはポリグリシジルエス
テル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグ
リシジルエーテルなどの不飽和グリシジルエーテルなど
が挙げられる。これらの中では、ラジカル重合性の点か
らアクリル酸グリシジル及びメタクリル酸グリシジルが
好ましく用いられる。
【0013】3.エポキシ基を含有しないビニル単量体
(C) エポキシ基含有ビニル単量体(B)と共重合させるエポ
キシ基を含有しないビニル単量体(C)は、主にエポキ
シ基含有ビニル単量体(B)の濃度を調整し、得られる
グラフト共重合体の物性を制御するために使用される。
各種のラジカル重合性不飽和化合物が使用でき、各種の
アクリル系単量体、酢酸ビニルを初めとするカルボン酸
ビニルエステル、スチレンやα−メチルスチレンに代表
されるスチレン系単量体、無水マレイン酸、マレイン酸
に代表される不飽和二塩基酸とその無水物、ビニルピリ
ジン、ビニルピロリドン等が挙げられる。 アクリル系
単量体とはアクリル酸とそのエステル、メタクリル酸と
そのエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、α−置換ア
クリル酸とそのエステルを意味する。アクリル系単量体
の具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリ
ル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、ポリエチレング
リコールやポリプロピレングリコールの(メタ)アクリル
酸エステル、イソボルニル(メタ)アクリレートを始め
とする脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリロニトリル、N,N−ジアルキル(メタ)ア
クリルアミド、α-ヒドロキシメチルアクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミ
ノ基を有するアクリル系ビニル単量体等が挙げられる。
【0014】好適に使用されるビニル単量体(C)は、
エポキシ基との反応性を有する官能基(カルボキシル
基、酸無水物基、アミノ基など)を含まない単量体であ
る。例えばスチレン系単量体、カルボン酸ビニルエステ
ル、エポキシ基との反応性を有する官能基を含まないア
クリル系単量体などが好ましいビニル単量体であり、こ
れらの単量体を50質量%以上使用するのが好ましい。
2種以上の単量体を併用してもよい。
【0015】4.グラフト共重合体の製造 ラジカル重合において使用する成分(A)、(B)およ
び(C)の割合は、(A)が2〜80質量部、(B)が
1〜30質量部、(C)が15〜90質量部であり、好
適には(A)が5〜70質量部、(B)が2〜20質量
部、(C)が20〜80質量部である。
【0016】これらの原料成分を、高温・短時間でラジ
カル重合することによりグラフト共重合体を高効率に得
られる。反応温度は150〜300℃であり、160〜
270℃が好ましい。反応温度が150℃未満では架橋
反応が起り易く、300℃を越えると生成したポリマー
が分解して着色しやすいので好ましくない。反応時間は
60分以内であり、2〜30分が好ましい。反応時間が
60分を越えると、生成ポリマーが熱劣化して物性が低
下したり着色したりする。攪拌槽式の反応器中で、実質
的に溶剤を用いない高モノマー濃度の条件でラジカル重
合させることができる。本発明の条件で製造されるグラ
フト共重合体は、通常の成形材用樹脂と比較して分子量
が小さく溶融粘度も低いため、攪拌槽式反応器でも十分
均一混合できる。
【0017】本発明のグラフト共重合体の製造方法は実
質的に溶剤を用いない塊状重合である事を特徴とする
が、分子量の調整などを目的として少量の有機溶剤を使
用しても構わない。有機溶剤の種類は、脂肪族炭化水素
系、芳香族炭化水素系、エステル系、エーテル系、ケト
ン系、アルコール系など、製造する樹脂の組成や他の目
的に応じて選定すれば良い。有機溶剤を用いる場合の使
用量は(A)〜(C)の総量100質量部に対して50
質量部以内が好ましく、30質量部以内が更に好まし
い。50質量部を越える有機溶剤を使用すると、溶剤除
去工程が煩雑になりグラフト共重合体の製造効率が低下
するため好ましくない。各原料成分の反応器への仕込方
法は特に限定されない。バッチ式の反応器で初期一括仕
込みで製造しても良いし、少なくとも一つの原料成分を
連続的に反応器中に供給するセミ連続仕込み法でも良い
し、全原料を連続供給し、同時に反応器のから生成樹脂
を連続的に抜き出す連続重合法でもよい。
【0018】上記成分(A)〜(C)のラジカル重合に
おいて、通常はラジカル開始剤を使用する。通常のラジ
カル重合で常用される有機過酸化物やアゾ化合物が好適
に使用でき、その中で温度180℃での半減期が10分
以内のものが好ましく用いられる。温度180℃での半
減期が10分を越えると生成物中に未反応の過酸化物が
残存し易く、使用の際に熱安定性の低下などの問題を起
し易い。使用できる有機過酸化物としては、ケトンパー
オキサイド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオ
キサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパ
ーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、パーオ
キシエステル類などの化合物が使用できる。ジアルキル
パーオキサイドの具体例としては、αα'-ビス(t-ブチ
ルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパー
オキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-ブ
チルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチル
パーオキシ)ヘキシン-3などが挙げられる。また、アゾ
開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
−2−メチルブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサン
カルボニトリル、アゾビスシアノバレリックアシドな
ど、市販のアゾ系開始剤を使用することができる。
【0019】本発明の方法により得られるグラフト共重
合体は、下記のとの2種類の重合体単位(重合体連
鎖)から成るグラフト共重合体である。 オリゴマー(A)に基づく重合体単位(重合体連鎖) 単量体(B)と(C)の共重合体単位(共重合体連
鎖) グラフト化反応は、の末端カルボキシル基がの主鎖
中のエポキシ基に付加する反応であり、重合反応と同時
に自発的に起きることに特徴がある。このグラフト化反
応は本発明の条件下で十分速いため、通常は触媒を添加
する必要がない。しかし、更に反応を加速する必要があ
る場合は所望により触媒を添加しても良い。触媒として
は通常のエポキシ基とカルボキシル基の付加反応に用い
られるアミン類、アンモニウム塩、リン系触媒、酸触媒
などである。本発明では、共重合体単位中のエポキシ
基の平均個数を0.2〜3.3個となるよう、エポキシ
基含有単量体(B)の使用量と共重合体単位の分子量を
調整するのが好ましい。平均個数を0.2個未満ではグ
ラフト率が低く、3.3個を越えると副反応によって架
橋・ゲル化しやすくなる。ラジカル重合温度の選択やラ
ジカル重合において連鎖移動剤の使用、連鎖移動剤の種
類や濃度を選択することにより共重合体単位の分子量を
調整することができる。
【0020】
【実施例】以下、参考例、実施例および比較例を挙げて
本発明をさらに具体的に説明する。各例における成分配
合の部は全て質量部である。
【0021】参考例1 末端カルボキシル基を有するオ
リゴマーの製造(1) 両末端に水酸基を有する水添ポリブタジエン(日本ソー
ダ製 NISSO-PB GI-1000、数平均分子量2770 重量平
均分子量4330のもの)200部とメチルテトラヒド
ロ無水フタル酸(日立化成製NH−2200)20部を
300mLガラスフラスコに秤量し、150℃で1時間
加熱攪拌して反応を終了した。生成物の分子量は、数平
均分子量3210 重量平均分子量4380であり、中
和滴定から求めた酸価は0.516ミリ当量/gであっ
た。この生成物をメタノールで2回沈殿精製し、数平均
分子量は3870 重量平均分子量4810であり、酸
価は0.338ミリ当量/gのオリゴマー1を得た。こ
の結果から一分子当たりのカルボキシル基数は1.31
個と計算された。
【0022】参考例2 末端カルボキシル基を有するオ
リゴマーの製造(2) 両末端に水酸基を有する水添ポリブタジエン(日本ソー
ダ製 NISSO-PB GI-3000、数平均分子量4510 重量平
均分子量6600のもの)200部とメチルテトラヒド
ロ無水フタル酸10.7部を300mLガラスフラスコ
に秤量し、150℃で1時間加熱攪拌して反応を終了し
た。生成物の分子量は、数平均分子量5690 重量平
均分子量6930であり、中和滴定から求めた酸価は
0.288ミリ当量/gであった。この生成物を参考例
1と同様の方法で精製し、オリゴマー2を得た。一分子
当たりのカルボキシル基数を計算すると、1.64個で
あった。
【0023】実施例1〜5 水添ポリブタジエン−ブチ
ルアクリレートグラフト共重合体の製造 下記表1に示す末端カルボキシル型オリゴマー、ビニル
単量体、連鎖移動剤、開始剤を滴下ロートに入れ、20
0℃オイルバス中に浸した300mlガラスフラスコ中
に攪拌下で15分かけて仕込んだ。反応中内液は激しく
還流した。オイルバスの温度を230℃に上昇させて更
に10分間加熱攪拌し反応を終了した。反応液は無色透
明の高粘度液であり、ガスクロマトグラフィーから求め
た重合率は90%以上、酸価から求めたグラフト反応率
は60%以上であった。重合率、グラフト反応率、分子
量(GPCによるポリスチレン換算分子量)の値を表1
に示した。
【0024】
【表1】
【0025】比較例1 末端カルボキシル型オリゴマーの替わりに末端ヒドロキ
シル型オリゴマー(日本ソーダ製 NISSO-PB GI-3000、
数平均分子量4510 重量平均分子量6600のも
の)を用いる事以外は実施例1と全く同様の組成・方法
で重合反応させた。生成物は白濁しており、静置すると
2層に分離し、グラフト共重合体は得られなかった。 比較例2 n−ドデシルメルカプタン(n−DM)またはグリシジ
ルメタクリレートの使用量を表2に示したように変更し
て、実施例1と同様の方法で重合させた。重合中に内溶
液が架橋して攪拌不能となった。
【0026】
【表2】
【0027】実施例6 ポリエステル−アクリル
グラフト重合体の製造 表3に示す両末端カルボキシル型ポリエステル(ユニチ
カ製ER−8107酸価=0.586meq/g)、ビニル
単量体、連鎖移動剤、開始剤を滴下ロートに入れ、20
0℃オイルバス中に浸した300mlガラスフラスコ中
に攪拌下で15分かけて仕込んだ。反応中内液は激しく
還流した。オイルバスの温度を230℃に上昇させて更
に10分間加熱攪拌し反応を終了した。反応液は無色透
明の高粘度液であり、ガスクロマトグラフィーから求め
た重合率は90%以上、酸価から求めたグラフト反応率
は60%以上であった。重合率、グラフト反応率、分子
量(GPCによるポリスチレン換算分子量)の値を表3
に示した。
【0028】
【表3】
【0029】表1〜3及び実施例の記述において使用し
た略号は次の化合物を意味し、分析項目などは以下のよ
うに算出された。また、表1〜3のオリゴマーおよびビ
ニル単量体の数値は質量部を意味する。 ・BA: n−ブチルアクリート ・HA: 2−エチルヘキシルアクリレート ・St: スチレン ・GMA: グリシジルメタクリレート ・HEA: ヒドロキシエチルアクリレート ・HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート ・DTBP:ジt−ブチルパーオキシド 日本油脂株式
会社製パーブチルD ・n−DM:n−ドデシルメルカプタン ・MEL: メルカプトエタノール ・重合率: ガスクロマトグラフィーから残存する単量
体の量を求め、仕込み量との比較で計算した。 ・グラフト反応率:0.1Nの水酸化カリウムで滴定し
て酸価を求め、オリゴマーの仕込み量との比較でカルボ
ン酸の消費率を求め、グラフト反応率とした。 ・分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで
ポリスチレン換算の分子量を求めた。 ・アクリル分子量:アクリル重合体単位(ビニル重合体
単位)の分子量を意味する。ビニル単量体と連鎖移動剤
の仕込み比率から計算した。 ・エポキシ基数:上記のアクリル重合体単位1個あたり
に含まれるエポキシ基の数を意味する。上記のアクリル
分子量とエポキシ基含有単量体の仕込比率から計算し
た。
【0030】
【発明の効果】グラフト率の高く均一性の良いグラフト
共重合体が容易に製造できた。本発明の方法で製造され
たグラフト共重合体は、塗料・コーティング材料、接着
剤、粘着剤、分散剤、インキバインダー、ポリオレフィ
ン樹脂やエンジニアリングブラスチックス等の添加剤等
として優れた性能を持ち広範な用途に利用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J026 AA67 AB07 AB17 AB19 AC23 AC33 BA16 BA27 BA30 BA31 BA32 BA36 BB02 CA03 DB05 DB12 DB15 DB31 DB32 DB38 GA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端に1分子あたり0.8〜2.2個の
    カルボキシル基を有する数平均分子量800〜2000
    0のオリゴマー(A)2〜80質量部、エポキシ基含有
    ビニル単量体(B)1〜30質量部およびエポキシ基を
    含有しないビニル単量体(C)15〜90質量部を含有
    する単量体混合物を、撹拌槽式反応器を使用し、150
    〜300℃の温度で、60分以内の時間ラジカル重合さ
    せることを特徴とするグラフト共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 オリゴマー(A)が、1分子あたり1.
    0〜2.0個のカルボキシル基を有するものである請求
    項1に記載のグラフト共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 オリゴマー(A)が、末端に水酸基を有
    するオリゴマーと酸無水物との反応により製造されたも
    のである請求項1または2に記載のグラフト共重合体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 ビニル単量体(B)および(C)がラジ
    カル重合して生成されるビニル重合体単位1個あたり、
    ビニル単量体(B)に由来する単量体単位が0.2〜
    3.3個含まれる請求項1〜3のいずれかに記載のグラ
    フト共重合体の製造方法。
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WO2018121137A1 (zh) * 2016-12-27 2018-07-05 金发科技股份有限公司 一种含反应性基团的接枝共聚物及其应用

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