JP2003327430A - ルチル型二酸化チタン微粒子およびその製造方法 - Google Patents

ルチル型二酸化チタン微粒子およびその製造方法

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JP2003327430A JP2002221717A JP2002221717A JP2003327430A JP 2003327430 A JP2003327430 A JP 2003327430A JP 2002221717 A JP2002221717 A JP 2002221717A JP 2002221717 A JP2002221717 A JP 2002221717A JP 2003327430 A JP2003327430 A JP 2003327430A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】二酸化チタン微粒子が有する光触媒活性を抑制
し、有機系樹脂に配合した際の耐候性を改善するととも
に、発色性を抑制する。 【解決手段】二酸化チタンに対してコバルト元素をCo
Oに換算して0.05〜1重量%の範囲で二酸化チタン
の結晶内部に含有するルチル型二酸化チタン微粒子とす
る。このルチル型二酸化チタン微粒子は、ルチル核を有
し、かつ、150m/g以上の比表面積を有する含水
酸化チタンを含む溶媒中でコバルトの水溶性塩を中和
し、分別し、次いで、300〜1000℃の温度で焼成
して製造する。あるいは、チタン塩とコバルト塩を溶解
した水溶液にアルカリ物質を添加して、チタン塩とコバ
ルト塩を中和および/または加水分解し、分別し、次い
で、300〜1000℃の温度で焼成して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化チタンの結
晶内部にコバルト元素を含有した二酸化チタン微粒子、
その製造方法およびこれを紫外線遮蔽剤として配合した
塗料、インキ、プラスチックス成形物などの組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】平均一次粒子径約0.1μm以下の二酸
化チタン微粒子は、可視光を透過して透明性を示すとと
もに、紫外線を遮蔽するため、日焼け止め化粧料、紫外
線遮蔽塗料、紫外線遮蔽インキ、紫外線遮蔽フィルムな
どに配合して用いられている。また、二酸化チタン微粒
子は元来、屈折率が高いので、所謂フリップフロップ効
果を有するメタリック塗料、光学フィルムの高屈折率
層、光学部材の屈折率の調整などに用いられている。さ
らに、二酸化チタン微粒子は化学的耐久性、機械的耐久
性に優れており、耐薬品皮膜、耐磨耗皮膜、耐チッピン
グ性皮膜などの保護皮膜を形成するためなどにも利用さ
れている。
【0003】しかしながら、二酸化チタンは紫外線に照
射されると励起し、有害物質などを分解する性質(光触
媒活性という)を一方で有しており、二酸化チタン微粒
子を有機系の樹脂とともに用いる場合には、この光触媒
活性により有機系樹脂を劣化し、分解してしまう。そこ
で、紫外線などの自然環境による有機系樹脂の劣化、分
解を防止し、耐候性を持たせるため、二酸化チタンが有
する光触媒活性を極力抑える処理を二酸化チタン微粒子
に施している。
【0004】光触媒活性を極力抑え、耐候性を改善する
ための処理として、二酸化チタン微粒子の表面にアルミ
ニウム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、スズ、ア
ンチモンなどの金属の酸化物、含水酸化物を被覆し、二
酸化チタン微粒子と有機系樹脂とが直接接触しないよう
にして、光触媒活性が発現したとしてもそれが有機系樹
脂を劣化、分解しないようにする表面処理が知られてい
る。また、耐候性を改善するための別の処理として、二
酸化チタン微粒子の結晶内部に異種金属を含有して、二
酸化チタンの光に対する安定性を高めようとする異種金
属固溶処理が知られている。具体的には、特開平10−
330236号に、二酸化チタン微粒子の結晶内部に
鉄、アルミニウム、コバルト、マグネシウム、ジルコニ
ウムの金属の酸化物を含有させることを開示している。
【0005】一方、二酸化チタン粉末は元来白色である
が、二酸化チタン微粒子の結晶内部に異種金属を固溶す
ると、褐色系、黒色系、緑色系、黄色系などの有色を呈
することが知られている。具体的には、二酸化チタン微
粒子の結晶内部にコバルト、アンチモンを含有したTi
−CoO−Sb系、コバルト、タングステン
を含有したTiO−CoO−WO系の赤味調黄色系
顔料が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】二酸化チタン微粒子は
前記の表面処理により、光触媒活性が抑制され、耐候性
が改善されており、二酸化チタン微粒子の配合量が20
重量%以下で用いられる自動車用メタリック塗料や化粧
料などでは十分な耐候性を有している。しかしながら、
塗料、インキやフィルム等のプラスチックス成形物など
の組成物において、二酸化チタン微粒子が有する前記の
紫外線遮蔽性、フリップフロップ効果、高屈折率、耐薬
品性、耐磨耗性、耐チッピング性などの特性を十分に発
揮させようとすると、20重量%以上の配合量が必要と
なり、そのような場合では従来の光触媒活性の抑制技術
では不十分であり、さらなる改善が求められている。前
記の表面処理だけでは、二酸化チタンの微粒子化にとも
ない表面積が増大すると二酸化チタン微粒子の表面全体
を緻密に被覆しにくく、光触媒活性自体の発現を抑制す
る処理ではないこともあって、さらなる耐候性改善に対
応するのは難しい状況である。
【0007】そこで、前記従来技術の特開平10−33
0236号に記載のように、二酸化チタン微粒子の結晶
内部に鉄、アルミニウム、コバルト、マグネシウム、ジ
ルコニウムの金属酸化物の少なくとも一種を1〜20重
量%の範囲で含有すると、耐候性は改善されるものの、
多量に固溶した異種金属が種々の色に発色し、二酸化チ
タン微粒子の着色が濃くなり、それを用いる際の制限と
なる。しかも、特開平10−330236号には、二酸
化チタンと金属酸化物とを混合し、500〜2000℃
で焼結することにより目的物を得ると記載しているが、
酸化鉄を主として含有した二酸化チタンが皮膚上での脂
質の酸化を抑制し過酸化物生成を抑制することを具体的
に開示しているものの、コバルト元素を固溶した具体例
は記載がなく、その効果についても明らかにしていな
い。さらに、前記のTiO−CoO−Sb系、
TiO−CoO−WO系は赤味調黄色系顔料を主眼
としており、そのため特開平10−330236号と同
じように発色性が問題となりやすく、また、アンチモン
元素、タングステン元素が二酸化チタンの結晶内部に固
溶すると耐候性が低下するおそれがある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、二酸化チ
タン微粒子が有する光触媒活性を抑制し、有機系樹脂に
配合した際の耐候性を改善するとともに、発色性を抑制
して、種々の用途に用いられる二酸化チタン微粒子を得
ることを目的に、二酸化チタン微粒子に固溶(本明細書
において固溶とはドープという表現を含む意味で用い
る)させる異種金属を探索した結果、異種金属としてコ
バルト元素が好ましく、その含有量を二酸化チタンに対
してCoOに換算して0.05〜1重量%の範囲とする
と、耐候性が改善されるとともに、発色性を抑制するこ
とができること、その際、アンチモン元素、タングステ
ン元素を二酸化チタンの結晶内部には実質的に含有させ
ないことが重要であることを見出した。また、コバルト
元素を固溶する焼成の際に、ケイ素元素、アルミニウム
元素を存在させると、二酸化チタン微粒子の焼結防止と
して働くため焼成温度をより高くでき、高温度の焼成に
よってコバルト元素の発色性をより抑制できること、ま
た、コバルト元素を特定量結晶内部に含有した二酸化チ
タン微粒子を無機物や有機物で表面処理することによ
り、耐候性などの特性を一層改善できることなどを見出
した。さらに、二酸化チタンの結晶内部にコバルト元素
を含有させるには、ルチル核を有し、かつ、150m
/g以上の比表面積を有する含水酸化チタンを含む溶媒
中で、コバルトの水溶性塩を中和し、分別し、次いで、
得られた生成物を300〜1000℃の温度で焼成する
方法、チタン塩とコバルト塩を溶解した水溶液にアルカ
リ物質を添加して、チタン塩とコバルト塩を中和および
/または加水分解し、分別し、次いで、得られた生成物
を300〜1000℃の温度で焼成する方法などが、比
較的低い温度で焼成してもコバルト元素の二酸化チタン
結晶中への固溶が容易に進行し、かつ、安定したルチル
型結晶の二酸化チタン微粒子を容易に得ることができる
ことなどを見出した。さらに、本発明のルチル型二酸化
チタン微粒子は十分な透明性を有する紫外線遮蔽剤など
としても有用であることなどを見出し、発明を完成し
た。
【0009】すなわち、本発明は、(1)平均一次粒子
径が0.005〜0.1μmの範囲であるルチル型二酸
化チタンであり、その二酸化チタンに対してコバルト元
素をCoOに換算して0.05〜1重量%の範囲で二酸
化チタンの結晶内部に含有するが、アンチモン元素、タ
ングステン元素を二酸化チタンの結晶内部には実質的に
含有しない、ルチル型二酸化チタン微粒子であり、
(2)コバルト元素のほかに、アルミニウム、ケイ素お
よびマンガンの群から選ばれる少なくとも一種の元素を
二酸化チタンの結晶内部にさらに含有し、その含有量が
二酸化チタンに対して、各元素の酸化物換算総量で0.
01〜30重量%の範囲である請求項1に記載のルチル
型二酸化チタン微粒子であり、(3)平均一次粒子径が
0.005〜0.1μmの範囲であるルチル型二酸化チ
タンであり、その二酸化チタンに対してコバルト元素を
CoOに換算して0.05〜5重量%の範囲で二酸化チ
タンの結晶内部に含有し、さらに、アルミニウムおよび
ケイ素の元素を二酸化チタンの結晶内部に含有し、その
含有量が二酸化チタンに対して、アルミニウムおよびケ
イ素の元素の酸化物換算総量で0.01〜30重量%の
範囲である、アンチモン元素、タングステン元素を二酸
化チタンの結晶内部には実質的に含有しない、ルチル型
二酸化チタン微粒子であり、(4)二酸化チタン微粒子
の表面にアルミニウム、ケイ素、チタニウム、ジルコニ
ウム、スズ、コバルトおよびマンガンの群から選ばれる
少なくとも一種の元素の含水酸化物および/または酸化
物を含有し、その含有量が二酸化チタンに対して、各元
素の酸化物換算総量で0.1〜100重量%の範囲であ
る請求項1〜3のいずれか一項に記載のルチル型二酸化
チタン微粒子であり、(5)二酸化チタン微粒子の表面
にシリコーン、レシチン、樹脂、粘材、シラン、フッ素
化合物、紫外線吸収材、多価アルコール、アミノ酸、色
素、脂肪酸、カルボン酸塩、金属石鹸、油剤、ワックス
などの有機物の少なくとも一種を含有する、請求項1〜
4のいずれか一項に記載のルチル型二酸化チタン微粒子
であり、(6)ルチル核を有し、かつ、150m/g
以上の比表面積を有する含水酸化チタンを含む溶媒中で
コバルトの水溶性塩を中和し、次いで、分別する第一工
程、第一工程で得られた生成物を300〜1000℃の
温度で焼成する第二工程を含む、二酸化チタンの結晶内
部にコバルト元素を含有するルチル型二酸化チタン微粒
子の製造方法であり、(7)前記の第一工程では、含水
酸化チタンを含む溶媒中で、アルミニウム、ケイ素およ
びマンガンの群から選ばれる少なくとも一種の元素の水
溶性塩およびコバルトの水溶性塩を中和する、請求項6
に記載のルチル型二酸化チタン微粒子の製造方法であ
り、(8)チタン塩とコバルト塩を溶解した水溶液にア
ルカリ物質を添加して、チタン塩とコバルト塩を中和お
よび/または加水分解し、次いで、分別する第一工程、
第一工程で得られた生成物を300〜1000℃の温度
で焼成する第二工程を含む、二酸化チタンの結晶内部に
コバルト元素を含有するルチル型二酸化チタン微粒子の
製造方法であり、(9)前記の第一工程では、チタン塩
とコバルト塩を中和および/または加水分解する際、あ
るいは、中和および/または加水分解した後の溶媒中
に、アルミニウム、ケイ素およびマンガンの群から選ば
れる少なくとも一種の元素を存在させて、チタン塩とコ
バルト塩の中和生成物および/または加水分解生成物
に、アルミニウム、ケイ素およびマンガンの群から選ば
れる少なくとも一種の元素を含有する、請求項8に記載
のルチル型二酸化チタン微粒子の製造方法であり、(1
0)請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法で得られ
たルチル型二酸化チタンを含む溶媒中に、アルミニウ
ム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、スズ、コバル
トおよびマンガンの群から選ばれる少なくとも一種の元
素の水溶性塩を添加し、中和して、アルミニウム、ケイ
素、チタニウム、ジルコニウム、スズ、コバルトおよび
マンガンの群から選ばれる少なくとも一種の元素の化合
物を二酸化チタン微粒子の表面に付着する、ルチル型二
酸化チタン微粒子の製造方法であり、(11)請求項1
〜5のいずれか一項に記載のルチル型二酸化チタン微粒
子を紫外線遮蔽剤として含む組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の二酸化チタン微粒子はX
線回折法による測定でルチル型結晶のピークを示すもの
であり、アナタース型二酸化チタンに比べ、光触媒活性
が一般に低く、耐候性に優れている。二酸化チタン微粒
子の粒子径は、電子顕微鏡写真による平均一次粒子径で
表して0.005〜0.1μmの範囲であり、好ましく
は0.01〜0.1μmの範囲であり、透明性に優れた
微細なものである。二酸化チタン微粒子の形状は、その
製造条件を変えることによって、例えば、真球状、略球
状、紡錘状、針状、棒状、板状などの形状のものとする
ことができる。平均一次粒子径はそれぞれの微粒子の最
大径の平均値で表し、例えば紡錘状などの場合、各微粒
子の長軸径の平均値を平均一次粒子径とする。本発明に
おいては、ルチル型二酸化チタン微粒子の結晶内部にコ
バルト元素を固溶し含有する。その含有量が、二酸化チ
タンに対してコバルト元素をCoOに換算して0.01
〜1重量%の範囲であると二酸化チタン微粒子の光触媒
活性を抑制し、耐候性を改善することができるととも
に、発色性を抑制することができる。二酸化チタン微粒
子に固溶するコバルト元素の含有量を増加させると耐候
性は改善され1重量%より多くてもよいが、一方、コバ
ルト元素の含有量が多くなると発色性が強くなることか
ら、0.01〜1重量%の範囲が好ましく、0.05〜
1重量%の範囲がより好ましい。しかしながら、本発明
では、アンチモン元素、タングステン元素を二酸化チタ
ンの結晶内部に固溶すると発色性が強くなるため、でき
る限り、アンチモン元素、タングステン元素を二酸化チ
タンの結晶内部に実質的に、人為的に含有させないこと
が好ましい。
【0011】本発明の二酸化チタンの結晶内部には、前
記の特定量のコバルト元素のほかに、アルミニウム、ケ
イ素、マンガン、リン、ナトリウム、カリウム、リチウ
ム、銅、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、バナジウ
ム、鉄、ニッケルなどの元素をさらに含有してもよく、
アルミニウム、ケイ素およびマンガンの群から選ばれる
少なくとも一種の元素をさらに含有すると耐候性を抑制
することができるためより好ましい態様である。コバル
ト元素以外の元素の含有量は任意に設定することがで
き、アルミニウム、ケイ素またはマンガンの含有量は、
二酸化チタンに対して、アルミニウムをAl、ケ
イ素をSiO、マンガンをMnOの酸化物に換算し
た総量で表して0.01〜30重量%の範囲であり、好
ましくは5〜15重量%である。アルミニウム、ケイ素
の元素は、二酸化チタン微粒子の焼結防止として働くた
めコバルト元素を固溶する際の焼成温度をより高くして
も二酸化チタン微粒子の成長を抑制できるとともに、高
温度の焼成によってコバルト元素の発色性をより抑制で
きる。このため、アルミニウムおよびケイ素の群から選
ばれる少なくとも一種の元素を二酸化チタンの結晶内部
にさらに含有するのがより好ましく、アルミニウムとケ
イ素の両方の元素を含有する場合は、コバルト元素の含
有量を高めることができ、コバルト元素の含有量を0.
01〜20重量%の範囲に、好ましくは0.05〜5重
量%の範囲に、より好ましくは0.05〜2重量%の範
囲にしても発色性を十分抑制することができるためより
好ましい態様である。
【0012】本発明では、二酸化チタンの結晶内部にコ
バルト元素を含有したルチル型二酸化チタン微粒子、あ
るいは、コバルト元素のほかに、アルミニウム、ケイ素
およびマンガンの群から選ばれる少なくとも一種の元素
などを二酸化チタンの結晶内部にさらに含有した前記の
ルチル型二酸化チタン微粒子の表面に無機物の表面処
理、例えば、アルミニウム、ケイ素、チタニウム、ジル
コニウム、スズ、アンチモン、コバルトおよびマンガン
の群から選ばれる少なくとも一種の元素の含水酸化物お
よび/または酸化物(それぞれの元素の水酸化物を含
む)を付着してもよく、この無機物表面処理の効果によ
り、さらに耐候性を改善することができるため好ましい
態様である。特に、アルミニウム、ケイ素、チタニウ
ム、ジルコニウム、スズ、コバルトおよびマンガンの群
から選ばれる少なくとも一種の元素の含水酸化物および
/または酸化物(それぞれの元素の水酸化物を含む)を
付着するのが好ましい。この無機物表面処理の量は、二
酸化チタンに対して、各元素の酸化物(Al、S
iO、TiO、ZrO、SnO、CoO、MnO
など)に換算した総量で表して0.1〜100重量%
の範囲であり、好ましくは5〜20重量%の範囲であ
る。
【0013】また、化粧料、塗料、プラスチックスへの
分散性および塗膜の耐久性を一層向上させる目的で、前
記の無機物の表面処理に加えて、あるいは、無機物の表
面処理に代えて、従来公知の有機物表面処理が行われて
いても構わない。例えば、シリコーン処理、レシチン処
理、樹脂処理、粘材処理、シラン処理、フッ素化合物処
理、紫外線吸収材処理、多価アルコール処理、アミノ酸
処理、色素処理、脂肪酸処理、カルボン酸塩処理、金属
石鹸処理、油剤処理、ワックス処理などが挙げられ、二
酸化チタン微粒子の表面にシリコーン、レシチン、樹
脂、粘材、シラン、フッ素化合物、紫外線吸収材、多価
アルコール、アミノ酸、色素、脂肪酸、カルボン酸塩、
金属石鹸、油剤、ワックスなどの有機物の少なくとも一
種を含有するのが好ましい態様である。アミノプロピル
シランなどのシラン処理、ステアリン酸などの脂肪酸処
理が一般的であるが、特に、パーフルオロアルキルリン
酸エステルなどのフッ素化合物処理が行われていること
が好ましい。さらに、効果の異なる複数の有機物表面処
理を組み合わせることも可能である。この有機物表面処
理の量は、目的に応じて適宜設定することができ、二酸
化チタンに対して、有機物総量で表して0.1〜20重
量%の範囲が適当である。
【0014】次に、二酸化チタンの結晶内部にコバルト
元素を含有するルチル型二酸化チタン微粒子を製造する
には、まず、ルチル核を有し、かつ、150m/g以
上の比表面積を有する含水酸化チタンを含む溶媒中で、
コバルトの水溶性塩を中和し、分別する第一工程、次い
で、第一工程で得られた生成物を300〜1000℃の
温度で焼成する第二工程を必須とする方法で行うことが
できる。ここで用いるルチル核を有する含水酸化チタン
とは、X線回折法による測定でルチル型結晶のピークを
有するものであり、非晶質の部分に由来するブロードな
回折パターンを含んでいてもよい。このものは例えば、
硫酸法二酸化チタン顔料の製造において、二酸化チタン
のルチル化促進および粒径の調節を目的に硫酸チタン溶
液の加水分解の際に種晶として用いられるものである。
ルチル核を有する含水酸化チタンは微細なものほどコバ
ルト元素が固溶しやすいため好ましく、比表面積で表し
て150m/g以上のものであり、より好ましくは1
50〜400m/gの範囲であり、さらに好ましくは
200〜300m/gの範囲である。
【0015】このようなルチル核を有する含水酸化チタ
ンは例えば、(a)TiOとして150〜220g/
lの四塩化チタン水溶液を沸点付近の温度で2〜10時
間加熱して加水分解する方法、(b)TiOとして1
50〜220g/lの硫酸チタン水溶液あるいは四塩化
チタン水溶液を5〜30℃に保持しながら水酸化ナトリ
ウムなどのアルカリ溶液で中和してコロイド状の非晶質
水酸化チタンを析出させ、必要に応じてこのコロイド状
水酸化チタンを60〜80℃で1〜10時間熟成する方
法、(c)メタチタン酸あるいはオルトチタン酸などの
非晶質含水酸化チタンを水酸化ナトリウム水溶液に入
れ、80℃〜沸点で1〜10時間加熱処理した後濾過、
洗浄し、その後塩酸溶液中で80℃〜沸点で1〜10時
間加熱処理する方法、などで得られるものを用いること
ができ、前記(a)、(b)の方法では一層微細な含水
酸化チタンが得られやすいため好ましい方法である。
【0016】ルチル核を有する含水酸化チタンを前記
(a)、(b)、(c)の方法で得た状態の溶媒中に、
あるいは、ルチル核を有する含水酸化チタンを水などの
溶媒に懸濁してスラリーとし、さらには、水などの溶媒
に分散してゾルとした後、その溶媒中に、コバルトの水
溶性塩とアルカリまたは酸とを添加し、コバルトの水溶
性塩を中和して、含水酸化チタン粒子の表面にコバルト
の水酸化物、酸化物または含水酸化物を沈殿させる。こ
の第一工程では例えば、ルチル核を有する含水酸化チタ
ンを含む溶媒を40〜90℃の温度、好ましくは60〜
80℃の範囲に加熱しながら、この中にコバルトの水溶
性塩を添加し、次に水酸化ナトリウム、アンモニア水等
のアルカリ性水溶液を添加して中和するのが好ましい。
使用する含水酸化チタンは必要に応じて酸化チタン(T
iO)濃度を50〜300g/lに調整するのがよ
い。コバルトの水溶性塩としては塩化コバルト、硫酸コ
バルト、硝酸コバルト、炭酸コバルトなどを用いること
ができる。中和反応は系のpHを6〜8に調整しながら
行うのがよい。コバルト元素のほかに、アルミニウム、
ケイ素およびマンガンの群から選ばれる少なくとも一種
の元素などを二酸化チタンの結晶内部にさらに含有させ
る場合、この第一工程において、コバルトの水溶性塩の
ほかに、アルミニウム、ケイ素およびマンガンの群から
選ばれる少なくとも一種の元素などの水溶性塩を中和す
るのが好ましい。アルミニウムの水溶性塩としてはアル
ミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウムなどを用いることができ、ケイ素
の水溶性塩としてはケイ酸ナトリウムなどを用いること
ができ、マンガンの水溶性塩としては硫酸マンガン、硝
酸マンガン、塩化マンガンなどを用いることができる。
コバルトの水溶性塩の添加量は、二酸化チタン結晶内部
へのコバルト元素の含有量の設定に応じて適宜調整する
ことができ、例えば、二酸化チタンに対してコバルト元
素をCoOに換算して0.01〜20重量%の範囲に、
好ましくは0.05〜5重量%の範囲に、より好ましく
は0.05〜2重量%の範囲に、さらに好ましくは0.
05〜1重量%の範囲に調整することができる。また、
アルミニウム、ケイ素およびマンガンの群から選ばれる
少なくとも一種の元素などの水溶性塩の添加量も二酸化
チタン結晶内部への含有量の設定に応じて適宜調整する
ことができ、例えば、二酸化チタンに対して、アルミニ
ウムをAl、ケイ素をSiO、マンガンをMn
の酸化物に換算した総量で表して0.01〜30重
量%の範囲に、好ましくは5〜15重量%の範囲に調整
することができる。次に、中和して得られた生成物を種
々の濾過方式、傾斜方式、遠心分離方式、蒸発乾固方式
などにより分別し、必要に応じて洗浄したり、乾燥して
もよい。
【0017】次に、前記の第一工程で得られた生成物を
300〜1000℃の温度、好ましくは500〜700
℃の温度で焼成する。焼成は種々の方法によって行うこ
とができ、例えば、電気炉、トンネルキルン、ロータリ
ーキルンなどを用いることができる。この第二工程によ
って、コバルト元素を二酸化チタンの結晶内部に固溶す
ることができ、また、アルミニウム、ケイ素、マンガン
などの各元素も全部あるいは一部固溶することができる
が、アンチモン元素、タングステン元素も同様に固溶す
るため、アンチモン元素、タングステン元素を二酸化チ
タンの結晶内部に実質的に含有させないようにするに
は、この第二工程の焼成前までに二酸化チタン微粒子に
アンチモン元素、タングステン元素を人為的に含有させ
ない必要がある。なお、必要に応じて、焼成して得られ
た生成物を粉砕してもよく、粉砕はサンドミル、ペブル
ミル、ディスクミルなどによる湿式粉砕、流体エネルギ
ーミル、ハンマーミル、エッジランナーミルなどによる
乾式粉砕により行うことができる。
【0018】また、二酸化チタンの結晶内部にコバルト
元素を含有するルチル型二酸化チタン微粒子を製造する
別の方法は、まず、チタン塩とコバルト塩を溶解した水
溶液にアルカリ物質を添加して、チタン塩とコバルト塩
を中和および/または加水分解し、分別する第一工程、
次いで、第一工程で得られた生成物を300〜1000
℃の温度で焼成する第二工程を必須とする方法で行うこ
とができる。チタン塩とコバルト塩を同じ反応器内で中
和および/または加水分解することにより、チタンの含
水酸化物、水酸化物または酸化物とコバルトの含水酸化
物、水酸化物または酸化物を含む生成物を沈殿させる。
この第一工程では例えば、チタン塩を含む溶媒を40〜
90℃の温度、好ましくは60〜80℃の範囲に加熱し
ながら、この中にコバルトの水溶性塩を添加し、次に水
酸化ナトリウム、アンモニア水等のアルカリ物質を添加
して中和および/または加水分解するのが好ましい。使
用するチタン塩は必要に応じて酸化チタン(TiO
濃度を50〜300g/lに調整するのがよい。チタン
塩としては硫酸チタン、硫酸チタニル、塩化チタンなど
を用いることができ、コバルト塩としては塩化コバル
ト、硫酸コバルト、硝酸コバルト、炭酸コバルトなどを
用いることができる。中和反応は系のpHを6〜8に調
整しながら行うのがよい。コバルト元素のほかに、アル
ミニウム、ケイ素およびマンガンの群から選ばれる少な
くとも一種の元素などを二酸化チタンの結晶内部にさら
に含有させる場合、この第一工程において、チタン塩と
コバルト塩を中和および/または加水分解する際の溶媒
中に、あるいは、中和および/または加水分解した後の
溶媒中に、アルミニウム、ケイ素およびマンガンの群か
ら選ばれる少なくとも一種の元素などを存在させて、必
要に応じて中和および/または加水分解して、チタン塩
とコバルト塩の中和生成物および/または加水分解生成
物に、アルミニウム、ケイ素およびマンガンの群から選
ばれる少なくとも一種の元素などを含有させるのが好ま
しい。アルミニウムの化合物としてはアルミン酸ナトリ
ウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アル
ミニウムなどを用いることができ、ケイ素の化合物とし
てはケイ酸ナトリウムなどを用いることができ、マンガ
ンの化合物としては硫酸マンガン、硝酸マンガン、塩化
マンガンなどを用いることができる。コバルトの水溶性
塩の添加量は、二酸化チタン結晶内部へのコバルト元素
の含有量の設定に応じて適宜調整することができ、例え
ば、二酸化チタンに対してコバルト元素をCoOに換算
して0.01〜20重量%の範囲に、好ましくは0.0
5〜5重量%の範囲に、より好ましくは0.05〜2重
量%の範囲に、さらに好ましくは0.05〜1重量%の
範囲に調整することができる。また、アルミニウム、ケ
イ素およびマンガンの群から選ばれる少なくとも一種の
元素などの水溶性塩の添加量も二酸化チタン結晶内部へ
の含有量の設定に応じて適宜調整することができ、例え
ば、二酸化チタンに対して、アルミニウムをAl
、ケイ素をSiO、マンガンをMnOの酸化
物に換算した総量で表して0.01〜30重量%の範囲
に、好ましくは5〜15重量%の範囲に調整することが
できる。次に、得られた生成物を種々の濾過方式、傾斜
方式、遠心分離方式、蒸発乾固方式などにより分別し、
必要に応じて洗浄したり、乾燥してもよい。
【0019】次に、前記の第一工程で得られた生成物を
300〜1000℃の温度、好ましくは500〜700
℃の温度で焼成する。焼成は種々の方法によって行うこ
とができ、例えば、電気炉、トンネルキルン、ロータリ
ーキルンなどを用いることができる。この第二工程によ
って、コバルト元素を二酸化チタンの結晶内部に固溶す
ることができ、また、アルミニウム、ケイ素、マンガン
などの各元素も全部あるいは一部固溶することができる
が、アンチモン元素、タングステン元素も同様に固溶す
るため、アンチモン元素、タングステン元素を二酸化チ
タンの結晶内部に実質的に含有させないようにするに
は、この第二工程の焼成前までに二酸化チタン微粒子に
アンチモン元素、タングステン元素を人為的に含有させ
ない必要がある。なお、必要に応じて、焼成して得られ
た生成物を粉砕してもよく、粉砕はサンドミル、ペブル
ミル、ディスクミルなどによる湿式粉砕、流体エネルギ
ーミル、ハンマーミル、エッジランナーミルなどによる
乾式粉砕等により行うことができる。
【0020】二酸化チタンの結晶内部にコバルト元素を
含有した前記のルチル型二酸化チタン微粒子、あるい
は、コバルト元素のほかにアルミニウム、ケイ素、マン
ガンなどを含有した前記のルチル型二酸化チタン微粒子
の表面に無機物を処理するには、例えば、焼成、粉砕し
て得られた前記のルチル型二酸化チタン微粒子を水など
の溶媒に懸濁してスラリーとし、あるいは、水などの溶
媒に分散してゾルとし、必要に応じて湿式粉砕や分級処
理した後、この溶媒中に表面処理する無機物の水溶性塩
を添加し、水溶性塩が溶媒中でアルカリ性を示す場合は
硫酸、塩酸などの酸性溶液で、あるいは、水溶性塩が溶
媒中で酸性を示す場合は水酸化ナトリウム、アンモニア
水などのアルカリ性溶液で中和して、二酸化チタン微粒
子の表面に沈殿、付着させる方法が好ましい。具体的に
は、ルチル型二酸化チタン微粒子を含む溶媒を40〜9
0℃の温度、好ましくは60〜80℃の範囲に加熱しな
がら、この中に、表面処理する無機物の水溶性塩を添加
し、次に水酸化ナトリウム、アンモニア水等のアルカリ
性水溶液を添加して中和するのが好ましい。中和反応は
系のpHを6〜8に調整しながら行うのがよい。無機物
としてアルミニウム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウ
ム、スズ、コバルトおよびマンガンの群から選ばれる少
なくとも一種の元素の含水酸化物および/または酸化物
(それぞれの元素の水酸化物を含む)を付着するには、
前記のルチル型二酸化チタン微粒子を含む溶媒中に、ア
ルミニウム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、ス
ズ、コバルトおよびマンガンの群から選ばれる少なくと
も一種の元素の水溶性塩を添加し、中和するのが好まし
い。表面処理する無機物の添加量は、表面処理量の設定
に応じて適宜調整することができ、例えば、アルミニウ
ム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、スズ、コバル
トおよびマンガンの群から選ばれる少なくとも一種の元
素の水溶性塩を用いる場合、二酸化チタンに対して、そ
れらの酸化物に換算した総量で表して0.1〜100重
量%の範囲に、好ましくは5〜20重量%の範囲に調整
することができる。この方法により得られた生成物を必
要に応じて、分別、洗浄、乾燥あるいは粉砕などを行っ
てもよい。
【0021】また、二酸化チタンの結晶内部にコバルト
元素を含有した前記のルチル型二酸化チタン微粒子の表
面に、あるいは、コバルト元素のほかにアルミニウム、
ケイ素、マンガンの元素などを含有した前記のルチル型
二酸化チタン微粒子の表面に、さらには、アルミニウ
ム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、スズ、コバル
トおよびマンガンの群から選ばれる少なくとも一種の元
素の含水酸化物および/または酸化物(それぞれの元素
の水酸化物を含む)などの無機物を付着させた前記のル
チル型二酸化チタン微粒子の表面に、有機物を処理する
には、例えば、前記のルチル型二酸化チタン微粒子を水
などの溶媒に懸濁してスラリーとし、あるいは、水など
の溶媒に分散してゾルとし、必要に応じて湿式粉砕や分
級処理した後、この溶媒中に表面処理する有機物を添加
して、ルチル型二酸化チタン微粒子の表面に吸着、結合
させる湿式方式、あるいは、ルチル型二酸化チタン微粒
子を粉砕する際などの粉末の状態に有機物を添加して、
ルチル型二酸化チタン微粒子の表面に付着する乾式方式
を用いることができる。表面処理する有機物としては、
シリコーン、レシチン、樹脂、粘材、シラン、フッ素化
合物、紫外線吸収材、多価アルコール、アミノ酸、色
素、脂肪酸、カルボン酸塩、金属石鹸、油剤、ワックス
などの有機物の少なくとも一種を用いることができる。
有機物の添加量は、表面処理量の設定に応じて適宜調整
することができ、二酸化チタンに対して、有機物総量で
表して0.1〜20重量%の範囲が適当である。この湿
式方式により得られた生成物は必要に応じて、分別、洗
浄、乾燥あるいは粉砕などを行ってもよい。
【0022】本発明の二酸化チタンの結晶内部にコバル
ト元素を含有した前記のルチル型二酸化チタン微粒子は
紫外線遮蔽剤として塗料、インキやフィルム等のプラス
チック成形物などに配合すると、その優れた紫外線遮蔽
能を利用して紫外線遮蔽組成物とすることができる。こ
の紫外線遮蔽組成物には、本発明のルチル型二酸化チタ
ン微粒子を任意の量、好ましくは20重量%以上を配合
し、そのほかにそれぞれの分野で使用される組成物形成
材料を配合し、さらに各種の添加剤を配合してもよい。
紫外線遮蔽塗料や紫外線遮蔽インキであれば、塗膜形成
材料またはインキ膜形成材料、溶剤、分散剤、顔料、充
填剤、増粘剤、フローコントロール剤、レベリング剤、
硬化剤、架橋剤、硬化用触媒などを配合する。塗膜形成
材料としては例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂などの有機
系成分や、オルガノシリケート、オルガノチタネートな
どの無機系成分を用いることができ、インキ膜形成材料
としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹
脂、塩酢ビ樹脂、塩素化プロピレン樹脂などを用いるこ
とができる。これらの塗膜形成材料、インキ膜形成材料
には、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、紫外線硬化性樹
脂など各種のものを用いることができ特に制限はない
が、モノマーやオリゴマーの紫外線硬化性樹脂を用い、
光重合開始剤や光増感剤を配合し、塗布後に紫外光を照
射して硬化させると、基材に熱負荷を掛けず、硬度や密
着性の優れた塗膜が得られるので好ましい。また、紫外
線遮蔽プラスチックス成形物であれば、プラスチック
ス、顔料、染料、分散剤、滑剤、酸化防止材、紫外線吸
収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、殺菌剤などを本
発明のルチル型二酸化チタン微粒子とともに練り込み、
フィルム状などの任意の形状に成形する。プラスチック
スとしては、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポ
リ乳酸樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ウレ
タン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0023】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0024】実施例1 TiOとして200g/lの濃度の四塩化チタン水溶
液を室温に保持しながら、水酸化ナトリウム水溶液を添
加し、pHを7.0に調整してコロイド状の非晶質含水
酸化チタンを析出させ、引き続き熟成してルチル核を有
する含水酸化チタンゾルを得た。このゾルをよく洗浄し
た後、TiOとして200g/lの濃度の含水酸化チ
タン水性スラリーとした。この含水酸化チタンの比表面
積は163m/gであった。
【0025】次に、このスラリーを70℃に加熱し、よ
く攪拌しながら、この中に表1に示すTiO/CoO
比になるように硫酸コバルト水溶液を30分を要して添
加した後、水酸化ナトリウム溶液を40分間を要して添
加してpH7に調整して含水酸化チタン粒子表面に水酸
化コバルトを沈殿、被覆させた。その後60分間熟成
し、濾過、洗浄した後、得られた洗浄ケーキを500℃
で3時間焼成した。
【0026】引き続き、得られた焼成物を水中に分散さ
せ、サンドミルで湿式粉砕して、二酸化チタン微粒子の
スラリーとした。このスラリーを70℃に加熱し、よく
攪拌しながら、この中にTiOに対してAl
して5.0重量%の硫酸アルミニウム水溶液を30分間
を要して添加し、引き続き水酸化ナトリウム溶液を添加
し、pHを7.0に調整して含水アルミナを沈殿、被覆
させた。その後、このスラリーを、60分間熟成し、濾
過、洗浄し、乾燥した後、流体エネルギーミルで粉砕し
た。次いで、得られた粉体をミキサーで攪拌しながら、
ニ酸化チタンに対して5重量%のアミノプロピルトリメ
トキシシランを1分かけて添加し、さらに5分間攪拌し
た。その後、100℃で1時間熱処理して、二酸化チタ
ン微粒子(試料A〜D)を得た。
【0027】試料A〜Dについて、理学電気工業(株)
製RINT-2200にてX線回折測定を行ったところ、すべて
の回折ピークがルチル型二酸化チタンに帰属され、コバ
ルト元素は結晶内に固溶されていると判断された。ま
た、アンチモン元素、タングステン元素は二酸化チタン
の結晶内部には実質的に含有していなかった。
【0028】実施例2 TiOとして200g/lの四塩化チタン水溶液に、
表1に示すTiO/CoO比になるように硫酸コバル
トを溶解し、この水溶液を室温に保持しながら、水酸化
ナトリウム水溶液を添加し、pHを7.0に調整してコ
ロイド状の非晶質含水酸化チタンを析出させ、引き続き
熟成して、コバルト成分を含有するルチル型の含水酸化
チタンゾルを得た。次に、このゾルをよく洗浄し、得ら
れた洗浄ケーキを350℃で3時間焼成した。
【0029】引き続き、得られた焼成物を水中に分散さ
せ、サンドミルで湿式粉砕して、二酸化チタン微粒子の
スラリーとした。このスラリーを70℃に加熱し、よく
攪拌しながら、この中にTiOに対してAl
して5.0重量%の硫酸アルミニウム水溶液を30分間
を要して添加し、引き続き水酸化ナトリウム溶液を添加
し、pHを7.0に調整して含水アルミナを沈殿、被覆
させた。その後、このスラリーを、60分間熟成し、濾
過、洗浄し、乾燥した後、流体エネルギーミルで粉砕し
た。次いで、得られた粉体をミキサーで攪拌しながら、
ニ酸化チタンに対して5重量%のアミノプロピルトリメ
トキシシランを1分かけて添加し、さらに5分間攪拌し
た。その後、100℃で1時間熱処理して、二酸化チタ
ン微粒子(試料E〜G)を得た。
【0030】試料E〜Gについて、前記と同様にX線回
折測定を行ったところ、すべての回折ピークがルチル型
二酸化チタンに帰属され、コバルト元素は結晶内に固溶
されていると判断された。また、アンチモン元素、タン
グステン元素は二酸化チタンの結晶内部には実質的に含
有していなかった。
【0031】実施例3 TiOとして200g/lの濃度の四塩化チタン水溶
液を室温に保持しながら、水酸化ナトリウム水溶液を添
加し、pHを7.0に調整してコロイド状の非晶質含水
酸化チタンを析出させ、引き続き熟成して182m
gのルチル核を有する含水酸化チタンゾルを得た。この
ゾルをよく洗浄した後、TiOとして200g/lの
濃度の含水酸化チタン水性スラリーとした。
【0032】次に、このスラリーを70℃に加熱し、よ
く攪拌しながら、この中に表1に示すTiO/CoO
比になるように硫酸コバルト水溶液を30分を要して添
加した後、水酸化ナトリウム溶液を40分間を要して添
加してpH7に調整して含水酸化チタン粒子表面に水酸
化コバルトを沈殿、被覆させた。更に、よく攪拌しなが
ら、この中にTiOに対しSiOとして5重量%の
ケイ酸ナトリウム水溶液を30分を要して添加した後、
硫酸を40分間を要して添加してpH7に調整して含水
酸化チタン粒子表面にシリカを沈殿、被覆させた。そし
て更に、このスラリー中にTiOに対しAl
して5重量%の硫酸アルミニウム水溶液を30分を要し
て添加した後、水酸化ナトリウム溶液を40分間を要し
て添加してpH7に調整して含水酸化チタン粒子表面に
水酸化アルミニウムを沈殿、被覆させた。その後60分
間熟成し、濾過、洗浄した後、得られた洗浄ケーキを6
00℃で3時間焼成した。
【0033】引き続き、得られた焼成物を水中に分散さ
せ、サンドミルで湿式粉砕して、二酸化チタン微粒子の
スラリーとした。このスラリーを70℃に加熱し、よく
攪拌しながら、この中にTiO2 に対してAl23
して5.0重量%の硫酸アルミニウム水溶液を30分間
を要して添加し、引き続き水酸化ナトリウム溶液を添加
し、pHを7.0に調整して含水アルミナを沈殿、被覆
させた。このスラリーを、60分間熟成し、濾過、洗浄
し、乾燥した後、流体エネルギーミルで粉砕した。次い
で、得られた粉体をミキサーで攪拌しながら、ニ酸化チ
タンに対して5重量%のアミノプロピルトリメトキシシ
ランを1分かけて添加し、さらに5分間攪拌した。その
後、100℃で1時間熱処理して、二酸化チタン微粒子
(試料H〜K)を得た。
【0034】試料H〜Kについて、前記と同様にX線回
折測定を行ったところ、すべての回折ピークがルチル型
二酸化チタンに帰属され、コバルト、アルミニウム、ケ
イ素の各元素は結晶内に固溶されていると判断された。
また、アンチモン元素、タングステン元素は二酸化チタ
ンの結晶内部には実質的に含有していなかった。
【0035】比較例1 実施例1において、硫酸コバルト水溶液を添加しないこ
と以外は実施例1と同様にして、ルチル型二酸化チタン
微粒子(試料L)を得た。
【0036】比較例2 実施例2において、硫酸コバルトを使用しないこと以外
は実施例2と同様にして、ルチル型二酸化チタン微粒子
(試料M)を得た。
【0037】比較例3 実施例3において、硫酸コバルトを使用しないこと以外
は実施例3と同様にして、ルチル型二酸化チタン微粒子
(試料N)を得た。
【0038】比較例4 実施例1において、硫酸コバルトの替わりに硫酸鉄を使
用すること以外は実施例1と同様にして、鉄元素を固溶
したルチル型二酸化チタン微粒子(試料O)を得た。
【0039】比較例5 実施例1において、硫酸コバルトの替わりに硫酸銅を使
用すること以外は実施例1と同様にして、銅元素を固溶
したルチル型二酸化チタン微粒子(試料P)を得た。
【0040】比較例6 実施例1において、硫酸コバルトの替わりに硫酸ジルコ
ニウムを使用すること以外は実施例1と同様にして、ジ
ルコニウム元素を固溶したルチル型二酸化チタン微粒子
(試料Q)を得た。
【0041】比較例7 実施例1において、硫酸コバルトの替わりに硫酸アルミ
ニウムを使用すること以外は実施例1と同様にして、ア
ルミニウム元素を固溶したルチル型二酸化チタン微粒子
(試料R)を得た。
【0042】
【表1】
【0043】実施例1〜3、比較例1〜7で得られた試
料A〜Rの電子顕微鏡写真による粒子形状、平均一次粒
子径と蛍光X線法によるコバルト元素の含有量を表2に
示す。なお、電子顕微鏡撮影には(株)日立製作所製H-70
00、蛍光X線分析には理学電気(株)製RIX-3000を用い
た。
【0044】
【表2】
【0045】試験例1 前記試料A〜R4.2gを、アクリル樹脂/ブチル化メ
ラミン樹脂=8/2(重量比)の混合ワニス28.1g
(不揮発分9.2%)中へペイントシェーカーを用いて
分散した。得られた塗料組成物をトリアセチルセルロー
スフィルム上に乾燥膜厚が1.2μmになるように塗布
し、30分セッティング後、100 ℃で30分間焼付
けた。これら塗膜について、島津製作所製分光光度計UV
-2200Aにて分光透過率を測定し、さらに、日本電色工業
(株)製ヘイズメーター300Aにてヘイズを測定することに
より、表3に示す透明紫外線遮蔽膜が得られていること
がわかった。
【0046】
【表3】
【0047】試験例2 試験例1の塗膜を白モレストチャート紙上に置いたとき
のカラー測定をスガ試験機(株)製カラーメーターSM-5を
用いて行い、さらに、コバルトによる着色を目視判定し
たところ、表4の様になった。コバルト含有量が多いほ
ど着色するが、シリカ、アルミナなどで粒子成長を抑制
しつつ高温焼成して作成した試料は、コバルトの発色が
小さいことがわかった。
【0048】
【表4】 目視判定記号 ○:着色が気にならない △:やや着色が気になるが問題ないレベル ×:着色が気になる
【0049】試験例3 試験例1の塗料を、透明ガラス板上に、乾燥膜厚が1.
2μmになるように塗布し、30分セッティング後、1
30℃で30分間焼付けた。これら塗布板について、サ
ンシャインウエザーメーター(S−80、スガ試験機
(株)製)を用いて、光源:サンシャインカーボンアー
ク灯、相対湿度:60%の条件で白化試験を行った。白
化試験は、二酸化チタンが有する光触媒活性の目安とな
る試験であり、塗膜の白化が生じるまでの曝露時間が長
いほど光触媒活性が抑制され、耐候性が改善されたこと
を示す。30時間ごとに目視判定を行い、塗膜の白化が
生じるまでの時間を調べた結果を表5に示す。コバルト
元素を含有したに酸化チタン微粒子は白化が認められる
までの曝露時間が長く、光触媒活性を十分に抑制でき、
コバルト元素含有による耐候性向上効果が明白である。
【0050】
【表5】
【0051】
【発明の効果】本発明のルチル型二酸化チタン微粒子
は、平均一次粒子径が0.005〜0.1μmの範囲で
あり、二酸化チタンに対してコバルト元素をCoOに換
算して0.05〜1重量%の範囲で二酸化チタンの結晶
内部に含有し、アンチモン元素、タングステン元素を二
酸化チタンの結晶内部には実質的に含有しないものであ
り、二酸化チタン微粒子が有する光触媒活性を抑制し、
耐候性を改善できるとともに、コバルト元素の発色性を
抑制したものであり、優れた耐候性を要求される紫外線
遮蔽塗料、紫外線遮蔽インキ、紫外線遮蔽プラスチック
ス成形物などに配合して用いられるほか、透明塗料、保
護皮膜形成用塗料、メタリック塗料、光学フィルム、光
学部材、日焼け止め化粧料など種々の用途に利用するこ
とができる。
【0052】また、本発明のルチル型二酸化チタン微粒
子は、平均一次粒子径が0.005〜0.1μmの範囲
であり、二酸化チタンに対してコバルト元素をCoOに
換算して0.05〜5重量%の範囲で二酸化チタンの結
晶内部に含有し、さらに、アルミニウムとケイ素の両方
の元素を二酸化チタンの結晶内部に特定量含有し、アン
チモン元素、タングステン元素を二酸化チタンの結晶内
部には実質的に含有しないものであり、二酸化チタン微
粒子が有する光触媒活性を抑制し、耐候性を改善できる
とともに、コバルト元素の発色性を抑制したものであ
り、優れた耐候性を要求される紫外線遮蔽塗料、紫外線
遮蔽インキ、紫外線遮蔽プラスチックス成形物などに配
合して用いられるほか、透明塗料、保護皮膜形成用塗
料、メタリック塗料、光学フィルム、光学部材、日焼け
止め化粧料など種々の用途に利用することができる。
【0053】さらに、本発明のルチル型二酸化チタン微
粒子の製造方法は、ルチル核を有し、かつ、150m
/g以上の比表面積を有する酸化チタンを含有する溶媒
中で、コバルトの水溶性塩を中和し、分別し、次いで、
得られた生成物を300〜1000℃の温度で焼成する
方法、あるいは、チタン塩とコバルト塩を溶解した水溶
液にアルカリ物質を添加して、チタン塩とコバルト塩を
中和および/または加水分解し、分別し、次いで、得ら
れた生成物を300〜1000℃の温度で焼成する方法
であって、比較的低い温度で焼成してもコバルト元素の
二酸化チタン結晶中への固溶が容易に進行し、かつ、安
定したルチル型結晶の二酸化チタン微粒子を簡便に製造
することができる。
【0054】また、前記の製造方法において、コバルト
元素を固溶する焼成の際に、ケイ素元素、アルミニウム
元素を存在させると、二酸化チタン微粒子の焼結防止と
して働くため焼成温度をより高くでき、高温度の焼成に
よってコバルト元素の発色性をより抑制できる好ましい
方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB241 AB242 BB11 BB23 BB25 BB26 BB46 CC01 EE17 FF01 4G047 CA02 CA05 CB05 CB08 CC03 CD04 CD07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均一次粒子径が0.005〜0.1μm
    の範囲であるルチル型二酸化チタンであり、その二酸化
    チタンに対してコバルト元素をCoOに換算して0.0
    5〜1重量%の範囲で二酸化チタンの結晶内部に含有す
    るが、アンチモン元素、タングステン元素を二酸化チタ
    ンの結晶内部には実質的に含有しない、ルチル型二酸化
    チタン微粒子。
  2. 【請求項2】コバルト元素のほかに、アルミニウム、ケ
    イ素およびマンガンの群から選ばれる少なくとも一種の
    元素を二酸化チタンの結晶内部にさらに含有し、その含
    有量が二酸化チタンに対して、各元素の酸化物換算総量
    で0.01〜30重量%の範囲である請求項1に記載の
    ルチル型二酸化チタン微粒子。
  3. 【請求項3】平均一次粒子径が0.005〜0.1μm
    の範囲であるルチル型二酸化チタンであり、その二酸化
    チタンに対してコバルト元素をCoOに換算して0.0
    5〜5重量%の範囲で二酸化チタンの結晶内部に含有
    し、さらに、アルミニウムおよびケイ素の元素を二酸化
    チタンの結晶内部に含有し、その含有量が二酸化チタン
    に対して、アルミニウムおよびケイ素の元素の酸化物換
    算総量で0.01〜30重量%の範囲である、アンチモ
    ン元素、タングステン元素を二酸化チタンの結晶内部に
    は実質的に含有しない、ルチル型二酸化チタン微粒子。
  4. 【請求項4】二酸化チタン微粒子の表面にアルミニウ
    ム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、スズ、コバル
    トおよびマンガンの群から選ばれる少なくとも一種の元
    素の含水酸化物および/または酸化物を含有し、その含
    有量が二酸化チタンに対して、各元素の酸化物換算総量
    で0.1〜100重量%の範囲である請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載のルチル型二酸化チタン微粒子。
  5. 【請求項5】二酸化チタン微粒子の表面にシリコーン、
    レシチン、樹脂、粘材、シラン、フッ素化合物、紫外線
    吸収材、多価アルコール、アミノ酸、色素、脂肪酸、カ
    ルボン酸塩、金属石鹸、油剤、ワックスなどの有機物の
    少なくとも一種を含有する、請求項1〜4のいずれか一
    項に記載のルチル型二酸化チタン微粒子。
  6. 【請求項6】ルチル核を有し、かつ、150m/g以
    上の比表面積を有する含水酸化チタンを含む溶媒中でコ
    バルトの水溶性塩を中和し、次いで、分別する第一工
    程、第一工程で得られた生成物を300〜1000℃の
    温度で焼成する第二工程を含む、二酸化チタンの結晶内
    部にコバルト元素を含有するルチル型二酸化チタン微粒
    子の製造方法。
  7. 【請求項7】前記の第一工程では、含水酸化チタンを含
    む溶媒中で、アルミニウム、ケイ素およびマンガンの群
    から選ばれる少なくとも一種の元素の水溶性塩およびコ
    バルトの水溶性塩を中和する、請求項6に記載のルチル
    型二酸化チタン微粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】チタン塩とコバルト塩を溶解した水溶液に
    アルカリ物質を添加して、チタン塩とコバルト塩を中和
    および/または加水分解し、次いで、分別する第一工
    程、第一工程で得られた生成物を300〜1000℃の
    温度で焼成する第二工程を含む、二酸化チタンの結晶内
    部にコバルト元素を含有するルチル型二酸化チタン微粒
    子の製造方法。
  9. 【請求項9】前記の第一工程では、チタン塩とコバルト
    塩を中和および/または加水分解する際、あるいは、中
    和および/または加水分解した後の溶媒中に、アルミニ
    ウム、ケイ素およびマンガンの群から選ばれる少なくと
    も一種の元素を存在させて、チタン塩とコバルト塩の中
    和生成物および/または加水分解生成物に、アルミニウ
    ム、ケイ素およびマンガンの群から選ばれる少なくとも
    一種の元素を含有する、請求項8に記載のルチル型二酸
    化チタン微粒子の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項6〜9のいずれか一項に記載の方
    法で得られたルチル型二酸化チタンを含む溶媒中に、ア
    ルミニウム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、ス
    ズ、コバルトおよびマンガンの群から選ばれる少なくと
    も一種の元素の水溶性塩を添加し、中和して、アルミニ
    ウム、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、スズ、コバ
    ルトおよびマンガンの群から選ばれる少なくとも一種の
    元素の化合物を二酸化チタン微粒子の表面に付着する、
    ルチル型二酸化チタン微粒子の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜5のいずれか一項に記載のル
    チル型二酸化チタン微粒子を紫外線遮蔽剤として含む組
    成物。
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