JP2003326101A - 高速旋回式蒸発装置 - Google Patents

高速旋回式蒸発装置

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JP2003326101A JP2002135055A JP2002135055A JP2003326101A JP 2003326101 A JP2003326101 A JP 2003326101A JP 2002135055 A JP2002135055 A JP 2002135055A JP 2002135055 A JP2002135055 A JP 2002135055A JP 2003326101 A JP2003326101 A JP 2003326101A
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体成分の発泡を防ぎ、更に濃縮された状態
の液体成分と、新たに投入された液体原料との混合不足
による焦げ付き等を防ぎ、発泡しやすい液体原料や、粘
度の高い液体原料を取り扱うことのできる、新規な高速
旋回式蒸発装置の開発を技術課題とした。 【解決手段】 蒸発缶2は平面視で円形の横断面を有す
るものであり、この蒸発缶2に対して前記吹込管路3を
接続するにあたっては、円形横断面の接線方向に流路を
形成するように接続することにより、蒸発缶2内におい
て液体成分L1の旋回流を生じさせるものであり、且つ
前記吹込管路3における蒸発缶2との接続部位近傍の開
口断面積S3を、前記長管11の開口断面積S11の総
和よりも小さく設定したことを特徴として成るものであ
り、蒸発缶2内において生じる液体成分L1の旋回流
を、流速の早いものとすることができ、その遠心効果に
よって発泡を効果的に抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種調味料、各種エ
キス等の液体原料を濃縮するために用いられる蒸発装置
に関するものであって、特に発泡しやすい液体原料や、
粘度の高い液体原料や各種廃液を取り扱うことのできる
高速旋回式蒸発装置に係るものである。
【0002】
【発明の背景】従来より、漢方薬生薬エキス、各種調味
料、動物エキス、魚介エキス、植物エキス、醗酵液等の
各種液体物質や、アミノ酸、酵母、蛋白質等の水溶液あ
るいは各種廃液等を液体原料とし、この液体原料の濃縮
を行う場合には、種々の蒸発装置が用いられている。こ
のうち液膜上昇式の蒸発装置は、機械的な可動部分が無
い簡単な構造であるためイニシャルコストが低く済み、
またほとんど故障しないため保守費用を含めたランニン
グコストも低く済むものであり、更には設置面積が少な
く済むといったメリットがあるため広く普及しているも
のである。
【0003】前記液膜上昇式蒸発装置D′は、図4に示
すように加熱缶1′と蒸発缶2′とをその間の吹込管路
3′によって接続して成るものである。そして前記加熱
缶1′内に配した長管11′内に流入した液体原料L
を、この長管11′の外側に供給した加熱媒体からの伝
導熱によって沸騰させることにより溶媒成分を蒸発さ
せ、濃度の高まった液体成分L1と蒸気成分Sとを前記
蒸発缶2′内に吹き込み、この蒸発缶2′内においてこ
れら液体成分L1と蒸気成分Sとの分離を行う装置であ
る。
【0004】しかしながら従来の液膜上昇式蒸発装置
D′は、発泡性を有する液体原料Lや、高粘度の液体原
料Lを取り扱うのに適したものではなかった。すなわち
蒸発缶2′内においては、液体成分L1を高速の旋回流
とし、遠心効果により発泡を抑えることが有効であるた
め、従来の液膜上昇式蒸発装置D′にあっては、蒸発缶
2′に対して吹込管路3′を円形横断面の接線方向に流
路を形成するように接続し、蒸発缶2′内において液体
成分L1の旋回流を起こすことが図られている。しかし
ながら加熱缶1′から排出された液体成分L1及び蒸気
成分Sの流速は10〜20m/s程度であり、蒸発缶
2′内における液体成分L1の流速が不充分なものとな
ってしまい、液体成分L1の発泡を充分に抑えることは
できなかった。
【0005】また前記液膜上昇式蒸発装置D′は、長管
11′の内部で液体原料Lを沸騰させ、長管11′内を
上昇する蒸気成分Sが液体成分L1を引き上げるもので
あるため、液体原料Lを加熱缶1′の下部に供給してい
る。しかしながら加熱缶1′の下部においては液体原料
Lが上昇する流速はコンマ数m/s程度と非常に遅いた
め、戻り管路5′から再び加熱缶1′内に戻る濃縮され
た状態の液体成分L1と、新たに投入された液体原料L
とがうまく混ざり合わない。この結果濃度の低い部分が
先に長管11′内を上昇することとなるため、長管1
1′内に均等な圧力がかからず、各長管11′での流量
が不均一となり、液切れによる過熱や焦げ付きが生じて
しまう。
【0006】
【解決を試みた技術課題】本発明はこのような背景を認
識してなされたものであって、液体成分の発泡を防ぎ、
更に濃縮された状態の液体成分と、新たに投入された液
体原料との混合不足による焦げ付き等を防ぎ、発泡しや
すい液体原料や、粘度の高い液体原料を取り扱うことの
できる、新規な高速旋回式蒸発装置の開発を技術課題と
したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
高速旋回式蒸発装置は、加熱缶と蒸発缶との間を吹込管
路及び戻り管路によって接続することにより循環経路を
形成するとともに、前記加熱缶内に配した長管内に流入
した液体原料を、この長管の外側に供給した加熱媒体か
らの伝導熱によって沸騰させることにより溶媒成分を蒸
発させ、濃度の高まった液体成分と蒸気成分とを前記蒸
発缶内に吹き込み、この蒸発缶内においてこれら液体成
分と蒸気成分とを分離して高濃度の液体成分を得る蒸発
装置において、前記蒸発缶は平面視で円形の横断面を有
するものであり、この蒸発缶に対して前記吹込管路を接
続するにあたっては、円形横断面の接線方向に流路を形
成するように接続することにより、蒸発缶内において液
体成分の旋回流を生じさせるものであり、且つ前記吹込
管路における蒸発缶との接続部位近傍の開口断面積を、
前記長管の開口断面積の総和よりも小さく設定したこと
を特徴として成るものである。この発明によれば、蒸発
缶内において生じる液体成分の旋回流を、流速の早いも
のとすることができ、その遠心効果によって発泡を効果
的に抑えることができる。
【0008】更にまた請求項2記載の高速旋回式蒸発装
置は、前記要件に加え、前記吹込管路における蒸発缶と
の接続部位の開口断面を、垂直辺が水平辺よりも長い長
方形形状とし、蒸発缶内に吹き込む液体成分と蒸気成分
とを薄層状態とすることを特徴として成るものである。
この発明によれば、液体成分の旋回流と、上昇する蒸気
成分との干渉を軽減するため、液体成分の旋回流の乱れ
を防止することができる。
【0009】更にまた請求項3記載の高速旋回式蒸発装
置は、前記要件に加え、前記蒸発缶から排出された蒸気
成分を圧縮し、圧縮により高温となった過熱蒸気を加熱
缶に供給するように構成したことを特徴として成るもの
である。この発明によれば、液体原料から発生した蒸気
成分の潜熱を有効利用することができ、ランニングコス
トを低減することができる。
【0010】更にまた請求項4記載の高速旋回式蒸発装
置は、前記要件に加え、前記液体原料の供給は、蒸発缶
内に行うように構成したことを特徴として成るものであ
る。この発明によれば、高速旋回式蒸発装置中に新たに
供給された液体原料を、蒸発缶内において濃縮された状
態の液体成分と充分に混合し、濃度が均一となった状態
で加熱缶に供給することができる。
【0011】更にまた請求項5記載の高速旋回式蒸発装
置は、前記要件に加え、前記循環経路内を減圧状態とす
ることを特徴として成るものである。この発明によれ
ば、液体原料の沸点が低下するため、蒸発を効率的に行
うことができる。そしてこれら各請求項記載の発明の構
成を手段として前記課題の解決が図られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明について図示の実施の
形態に基づいて説明するものであり、図1に示す蒸気供
給装置9を用いて加熱缶1に蒸気を供給する実施の形態
と、図3に示す圧縮機90を用いて液体原料Lから発生
した蒸気成分Sを圧縮し、得られた過熱蒸気Hを加熱缶
1に供給する実施の形態とに分けて説明を行う。
【0013】
【蒸気供給装置を用いる実施の形態】まず蒸気供給装置
9を用いて加熱缶1に蒸気を供給する実施の形態につい
て説明する。図1中符号Dで示すものが本発明の高速旋
回式蒸発装置であり、このものは加熱缶1と蒸発缶2と
の間を吹込管路3によって接続して成るものである。そ
して前記加熱缶1内に配した長管11内に流入した液体
原料Lを、この長管11の外側に供給した加熱媒体から
の伝導熱によって沸騰させることにより溶媒成分を蒸発
させ、濃度の高まった状態の液体成分L1と蒸気成分S
とを前記蒸発缶2内に吹き込み、この蒸発缶2内におい
てこれら液体成分L1と蒸気成分Sとの分離を行う装置
である。
【0014】以下高速旋回式蒸発装置Dを構成する諸部
材について詳しく説明する。まず前記加熱缶1について
説明すると、このものは密閉性が確保された筐体10内
に、金属等の耐熱素材から成る管路である長管11を複
数本具えるものであり、この長管11の下端部を給液口
12と連通状態とし、一方、長管11の上部を排出口1
3に臨ませて成るものである。また前記筐体10側周部
分には蒸気口14及びドレン口15が形成される。
【0015】次に前記蒸発缶2について説明すると、こ
のものは円筒下部に逆円錐を接続した形状の中空部材で
ある筐体20の上部に排気口21を形成し、下部に流出
口22を形成し、更に側周部に流入口23を形成して成
るものである。
【0016】そして前記加熱缶1における排出口13
と、蒸発缶2における流入口23との間を吹込管路3に
よって連通状態に接続し、また前記加熱缶1における給
液口12と、蒸発缶2における流出口22との間を戻り
管路5によって連通状態に接続する。この結果、蒸発缶
2、戻り管路5、加熱装置1及び吹込管路3を要素とし
た循環経路が形成されるものである。
【0017】ここで前記吹込管路3及び流入口23の形
態について詳しく説明する。まず前記吹込管路3は図2
に示すように、蒸発缶2に対して円形横断面の接線方向
に流路を形成するように接続することにより、蒸発缶2
内において液体成分L1及び蒸気成分Sの旋回流を生じ
させるように構成される。そして吹込管路3における加
熱缶1との接続部位を、先細り状のダクト31によって
構成し、更に吹込管路3における蒸発缶2との接続部位
近傍の開口断面積S3が、前記複数本の長管11の開口
断面積S11の総和よりも小さくなるように設定した。
また前記流入口23は図2(c)に示すように、垂直辺
が水平辺よりも長い長方形状のスリットとするものであ
り、吹込管路3における蒸発缶2との接続部位の開口断
面の形状も、垂直辺が水平辺よりも長い長方形状とし、
蒸発缶2内に吹き込む液体成分L1と蒸気成分Sとが薄
層状態に成るように構成した。
【0018】なお戻り管路5の途中には濃縮液排出口5
1を形成するものであり、バルブ52を開放することに
より、濃縮された状態の液体成分L1を外部に排出でき
るように構成する。
【0019】また前記蒸発缶2における排気口21の後
段部分にはコンデンサ7を接続し、更にその後段に真空
ポンプPを接続する。更にまたこの実施の形態において
は、前記蒸発缶2における筐体20内に液体原料Lを供
給するものであり、給液タンク8に貯留された液体原料
Lを、バルブ81の開度を調整することにより、筐体2
0内に配したノズル82から噴出するものである。
【0020】更にまた前記加熱缶1に形成した蒸気口1
4には蒸気供給装置9を接続するものであり、ここから
筐体10内に供給された蒸気が、長管11内に位置する
液体原料L(濃縮後の液体成分L1も含む)に対して熱
を伝導し、その結果蒸気は凝集してドレン口15から外
部に排出される。
【0021】本発明の高速旋回式蒸発装置Dは、一例と
して上述したように構成されるものであり、以下この装
置の作動態様について説明する。まず蒸気供給装置9か
ら加熱缶1内に蒸気を供給するものであり、長管11を
加熱した蒸気は凝集し、ドレン口15から外部に排出さ
れる。次いで真空ポンプPを起動して液体原料L及び液
体成分L1の循環経路内の減圧を図り、この状態でバル
ブ81の開度を調節して、漢方薬生薬エキス、各種調味
料、動物エキス、魚介エキス、植物エキス、醗酵液等の
各種液体物質や、アミノ酸、酵母、蛋白質等の水溶液あ
るいは各種廃液等を液体原料Lとしてノズル82から蒸
発缶2内に供給する。なおこの実施の形態では、真空ポ
ンプPを用いて循環経路内の減圧を行い、液体原料Lの
沸点低下を図ったが、液体原料Lの種類等によっては減
圧を要さない場合もある。
【0022】すると液体原料Lは、戻り管路5を経由し
て加熱缶1に至って長管11内に供給され、蒸気から伝
導される熱によって長管11内部で沸騰し、発生した蒸
気成分Sが長管11内を上昇する際に、濃縮された状態
の液体成分L1を引き上げるものである。そしてこれら
蒸気成分Sと液体成分L1とは長管11内を上昇して排
出口13に至りここから吹込管路3内に入り込むもので
あり、このとき先細り状のダクト31を通過するととも
に、蒸発缶2との接続部位近傍の開口断面積S3を複数
本の長管11の開口断面積S11の総和よりも小さく設
定した吹込管路3を通過するため流速が増すものであ
る。なおこの実施の形態では、吹込管路3内における蒸
気成分Sと液体成分L1との流速が、100〜250m
/sとなるようにした。
【0023】次いで蒸気成分Sと液体成分L1とは、蒸
発缶2における流入口23から筐体20内に流入するも
のであり、このとき図2に示すように、蒸発缶2は平面
視で円形の横断面を有するものであり、この蒸発缶2に
対して吹込管路3が円形横断面の接線方向に流路を形成
するように接続されているため、蒸発缶2内において液
体成分L1の旋回流を生じさせることができる。特に本
発明によればこの旋回流の回転数は、小型の装置で20
000rpm程度、大型の装置で1000rpm程度
と、既存の装置と比べて高い値とすることができるた
め、遠心効果により液体成分L1の発泡を効果的に抑え
ることができるものである。
【0024】また前記吹込管路3における蒸発缶2との
接続部位の開口断面を、垂直辺が水平辺よりも長い長方
形形状としたため、蒸発缶2内に吹き込む液体成分L1
と蒸気成分Sとが薄層状態となり、流入口23から排気
口21に向けて移動する蒸気成分Sの流れが、流入口2
3から排出口22に向けて移動する液体成分L1の流れ
に干渉してしまうことがない。
【0025】そして蒸気成分Sは排気口21からコンデ
ンサ7に至り、凝集液となって外部に排出される。一
方、液体成分L1は流出口22に至り、ここから戻り管
路5内に移動するものであり、濃縮された状態の液体成
分L1は、前記ノズル82から供給された新たな液体原
料Lを伴って再び加熱缶1における長管11内に位置す
ることとなる。なおこの際、濃縮された状態の液体成分
L1は、新たに供給された液体原料Lと混ざり合うた
め、濃度が均一となった状態で加熱缶1に供給されるこ
ととなり、複数の長管11での流量が不均一になること
が無く、液切れによる過熱や焦げ付きが生じない。
【0026】そして以上のような操作を継続し、液体成
分L1が所望の濃度となった時点でバルブ53を開放
し、濃縮された状態の液体成分L1を外部に排出するも
のである。
【0027】
【圧縮機を用いる実施の形態】続いて図3に示す、圧縮
機90を用いて液体原料Lから発生した蒸気成分Sを圧
縮し、得られた過熱蒸気Hを加熱缶1に供給する実施の
形態について説明を行う。なおこの実施の形態で示す高
速旋回式蒸発装置Dは、図1に示した高速旋回式蒸発装
置Dと基本構成を同一とするものであるため、ここでは
構成の異なる部分についてのみ説明を行うものとする。
すなわちこの実施の形態で示す高速旋回式蒸発装置Dは
図3に示すように、前記蒸発缶2における排気口21と
加熱缶1における蒸気口14との間に蒸気循環管路6を
接続し、更にその途中に圧縮機90を具えて成るもので
ある。そしてこの圧縮機90から筐体10内に供給され
た過熱蒸気Hが、長管11内に位置する液体原料L(濃
縮後の液体成分L1も含む)に対して熱を伝導し、その
結果過熱蒸気Hは凝集してドレン口15から外部に排出
される。なおこのドレン口15の後段部分には、凝集液
排出ポンプを兼用する真空ポンプPを具えるものであ
る。
【0028】この実施の形態で示す高速旋回式蒸発装置
Dは、一例として上述したように構成されるものであ
り、以下この装置の作動態様について説明する。まず圧
縮機90を起動して加熱缶1内に過熱蒸気Hを供給する
ものであり、長管11を加熱した過熱蒸気Hは凝集し、
ドレン口15から外部に排出される。なお装置の始発状
態において蒸気循環経路6内に蒸気成分Sが存在しない
場合には、適宜の蒸気供給装置を併設し、ここから蒸気
循環経路6内に蒸気を供給する等の措置を施す。次いで
真空ポンプPを起動して液体原料L及び液体成分L1の
循環経路内の減圧を行い、液体原料Lの沸点低下を図
り、この状態でバルブ81の開度を調節して、廃液等の
液体原料Lをノズル82から蒸発缶2内に供給する。な
お液体原料Lの種類等によっては減圧を要さない場合も
ある。
【0029】すると液体原料Lは、戻り管路5を経由し
て加熱缶1に至って長管11内に供給され、蒸気から伝
導される熱によって長管11内部で沸騰し、発生した蒸
気成分Sが長管11内を上昇する際に、濃縮された状態
の液体成分L1を引き上げるものである。そしてこれら
蒸気成分Sと液体成分L1とは長管11内を上昇して排
出口13に至りここから吹込管路3内に入り込むもので
あり、このとき先細り状のダクト31を通過するととも
に、蒸発缶2との接続部位近傍の開口断面積S3を複数
本の長管11の開口断面積S11の総和よりも小さく設
定した吹込管路3を通過するため流速が増すものであ
る。なおこの実施の形態では、吹込管路3内における蒸
気成分Sと液体成分L1との流速が、100〜250m
/sとなるようにした。
【0030】次いで蒸気成分Sと液体成分L1とは、蒸
発缶2における流入口23から筐体20内に流入するも
のであり、このとき図2に示すように、蒸発缶2は平面
視で円形の横断面を有するものであり、この蒸発缶2に
対して吹込管路3が円形横断面の接線方向に流路を形成
するように接続されているため、蒸発缶2内において液
体成分L1の旋回流を生じさせることができる。特に本
発明によればこの旋回流の回転数は、小型の装置で20
000rpm程度、大型の装置で1000rpm程度
と、既存の装置と比べて高い値とすることができるた
め、遠心効果により液体成分L1の発泡を効果的に抑え
ることができるものである。
【0031】また前記吹込管路3における蒸発缶2との
接続部位の開口断面を、垂直辺が水平辺よりも長い長方
形形状としたため、蒸発缶2内に吹き込む液体成分L1
と蒸気成分Sとが薄層状態となり、流入口23から排気
口21に向けて移動する蒸気成分Sの流れが、流入口2
3から排出口22に向けて移動する液体成分L1の流れ
に干渉してしまうことがない。やがて蒸気成分Sは排気
口21から蒸気循環管路6内を移動して圧縮機90に至
り、この圧縮機90の圧縮作用により高温の過熱蒸気H
となり、蒸気口14に供給されるものである。
【0032】一方、液体成分L1は流出口22に至り、
ここから戻り管路5内に移動するものであり、濃縮され
た状態の液体成分L1は、前記ノズル82から供給され
た新たな液体原料Lを伴って再び加熱缶1における長管
11内に位置することとなる。なおこの際、濃縮された
状態の液体成分L1は、新たに供給された液体原料Lと
混ざり合うこととなり、濃度が均一となった状態で加熱
缶1に供給され、複数の長管11での流量が不均一にな
ることが無く、液切れによる過熱や焦げ付きが生じな
い。
【0033】そして以上のような操作を継続し、液体成
分L1が所望の濃度となった時点でバルブ52を開放
し、濃縮された状態の液体成分L1を外部に排出するも
のである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、液体原料Lを濃縮した
液体成分の発泡を防ぎ、更に濃縮された状態の液体成分
と、新たに投入された液体原料Lとの混合不足による焦
げ付き等を防ぎ、発泡しやすい液体原料Lや、粘度の高
い液体原料Lを効率的に濃縮することができる。更に液
体原料Lから発生した蒸気成分Sの潜熱を有効利用する
ことができ、ランニングコストを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】蒸気供給装置を用いる実施の形態で示した本発
明の高速旋回式蒸発装置を骨格的に示す側面図である。
【図2】蒸気缶に対する戻り管路の接続の様子を示す斜
視図、平面図及び側面図である。
【図3】圧縮機を用いる実施の形態で示した本発明の高
速旋回式蒸発装置を骨格的に示す側面図である。
【図4】既存の液膜上昇式蒸発装置を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
D 高速旋回式蒸発装置(液膜上昇式蒸発装置) 1 加熱缶 10 筐体 11 長管 12 給液口 13 排出口 14 蒸気口 15 ドレン口 2 蒸発缶 20 筐体 21 排気口 22 流出口 23 流入口 3 吹込管路 5 戻り管路 51 濃縮液排出口 52 バルブ 6 蒸気循環路 7 コンデンサ 8 給液タンク 81 バルブ 82 ノズル 9 蒸気供給装置 90 圧縮機 L 液体原料 L1 液体成分 P 真空ポンプ S 蒸気成分 S3 開口断面積 S11 開口断面積

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱缶と蒸発缶との間を吹込管路及び戻
    り管路によって接続することにより循環経路を形成する
    とともに、前記加熱缶内に配した長管内に流入した液体
    原料を、この長管の外側に供給した加熱媒体からの伝導
    熱によって沸騰させることにより溶媒成分を蒸発させ、
    濃度の高まった液体成分と蒸気成分とを前記蒸発缶内に
    吹き込み、この蒸発缶内においてこれら液体成分と蒸気
    成分とを分離して高濃度の液体成分を得る蒸発装置にお
    いて、前記蒸発缶は平面視で円形の横断面を有するもの
    であり、この蒸発缶に対して前記吹込管路を接続するに
    あたっては、円形横断面の接線方向に流路を形成するよ
    うに接続することにより、蒸発缶内において液体成分の
    旋回流を生じさせるものであり、且つ前記吹込管路にお
    ける蒸発缶との接続部位近傍の開口断面積を、前記長管
    の開口断面積の総和よりも小さく設定したことを特徴と
    する高速旋回式蒸発装置。
  2. 【請求項2】 前記吹込管路における蒸発缶との接続部
    位の開口断面を、垂直辺が水平辺よりも長い長方形形状
    とし、蒸発缶内に吹き込む液体成分と蒸気成分とを薄層
    状態とすることを特徴とする請求項1記載の高速旋回式
    蒸発装置。
  3. 【請求項3】 前記蒸発缶から排出された蒸気成分を圧
    縮し、圧縮により高温となった過熱蒸気を加熱缶に供給
    するように構成したことを特徴とする請求項1または2
    記載の高速旋回式蒸発装置。
  4. 【請求項4】 前記液体原料の供給は、蒸発缶内に行う
    ように構成したことを特徴とする請求項1、2または3
    記載の高速旋回式蒸発装置。
  5. 【請求項5】 前記循環経路内を減圧状態とすることを
    特徴とする請求項1、2、3または4記載の高速旋回式
    蒸発装置。
JP2002135055A 2002-05-10 2002-05-10 高速旋回式蒸発装置 Expired - Lifetime JP4330308B2 (ja)

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