JP2003325642A - 腸溶性皮膜付き硬質空カプセルと、腸溶性皮膜付き硬質空カプセルの製造方法と、腸溶性皮膜付き硬質カプセル剤 - Google Patents

腸溶性皮膜付き硬質空カプセルと、腸溶性皮膜付き硬質空カプセルの製造方法と、腸溶性皮膜付き硬質カプセル剤

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Takayuki Fukazawa
孝之 深澤
Masanori Watanabe
正範 渡邉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬質空カプセルに内容物を充填した後にシール
と腸溶性コーティングを行う製造方法は生産性が悪く、
内容物の熱的負担も大きい。 【解決手段】カプセルボディ3にカプセルキャップ5を
セミロック状態で結合してその全表面に腸溶性皮膜7を
形成した後、カプセルボディ3からカプセルキャップ5
を外して内容物を充填し、ロック状態で結合する。この
結合はカプセルキャップ5の開口部が腸溶性皮膜7の一
部7aを挟んで為されるので、この一部7aがカプセル
キャップ5とカプセルボディ3との隙間のシールとして
働く。従って、空カプセルに内容物を充填した後の腸溶
性皮膜のコーティングが不要で且つ特別なシール処理も
必要無いので、内容物の熱的負担が少なくて品質の安定
性を保証でき、生産能率も向上し、一般消費者でも任意
の内容物(水分含量の高いものを含む)を充填した腸溶
性カプセル剤を作ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腸溶性皮膜付き硬
質空カプセルと、腸溶性皮膜付き硬質空カプセルの製造
方法と、腸溶性皮膜付き硬質カプセル剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】カプセル皮膜は通常ゼラチンのような水
溶性物質を含んでいるため、水分含量の高い物質をカプ
セルに予め充填しておくと、時間の経過によりカプセル
皮膜が溶解してしまう。従って、水分含量の高い物質は
種類によっては臭気等のために腸溶が望ましいにもかか
わらず液剤として飲むしかなかった。
【0003】従来、健康食品や医薬品を腸溶性の硬質カ
プセル剤にする製剤方法は、硬質空カプセル(「ハード
カプセル」とも言う)に内容物を充填してそのカプセル
ボディとカプセルキャップとをロック状態まで結合した
後、先ず、そのカプセルボディとカプセルキャップとの
隙間をシールするためのシール処理、例えばバンドシー
ル等を施し、次いで、当該カプセルの表面全体に腸溶性
皮膜をコーティングする、という手順で処理を行ってい
た。
【0004】このコーティングは、例えば溶媒に溶かし
た腸溶性物質をシール済みのカプセル剤に噴霧塗布して
加熱乾燥するという操作で行われ、コーティング後にコ
ーティング量の確認作業を行い、その結果によってはこ
の作業を何回か繰り返さなければならない。この確認作
業は内容物が充填されていると時間がかかる。また、コ
ーティングは熱を伴う処理であるため、これを何度も繰
り返すと、内容物が熱的変性を起こしてしまうという問
題も伴う。更に、膜厚が大きくなり過ぎると、内容物も
含めて廃棄するしかなかった。加えて、通常の腸溶性皮
膜の表面にはミクロサイズの凹凸があってざらざらして
おり、滑走性が悪いことから、腸溶性皮膜を付けたカプ
セル剤を滑走により搬送すると、生産性が低下してしま
うという問題が従来から指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】それ故、本発明は、一
般消費者が内容物を充填して自分専用の腸溶性皮膜付き
硬質カプセル製剤を簡単につくることができ、結果とし
て水分含量の高いものでも内容物とできる腸溶性皮膜付
き硬質空カプセル及びその製造方法を提供することを目
的とする。また、本発明は、工場内の製造作業において
は手間や時間が従来に比べてかからず、品質的にも優れ
た、腸溶性皮膜付き硬質カプセル製剤を提供することを
目的とする。更に、本発明は、腸溶性皮膜の表面性状が
滑らかで滑走性に優れた腸溶性皮膜付き硬質空カプセル
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、上記の課題を解決できるために、以下の本発明を
完成するに至った。請求項1の発明は、カプセルボディ
にカプセルキャップがセミロック状態で結合され、その
セミロック状態での全表面に腸溶性皮膜が形成されてい
ることを特徴とする腸溶性皮膜付き硬質空カプセルであ
る。請求項2の発明は、請求項1に記載した腸溶性皮膜
付き硬質空カプセルにおいて、滑走性改善固形物が腸溶
性皮膜を覆っていることを特徴とする腸溶性皮膜付き硬
質空カプセルである。
【0007】上記の空カプセルに任意の内容物を充填し
て、カプセルキャップをカプセルボディにロック状態ま
で結合することにより、腸溶性硬質カプセル剤を簡単に
つくることができるので、空カプセルを購入した一般消
費者が自分の経口摂取したい内容物を充填して自分専用
の腸溶性カプセル剤を簡単につくることができる。経口
摂取する直前に充填すれば、プロポリスや、生ローヤル
ゼリー、黒酢エキス、梅肉エキス等のような水分含量の
高いものでも、内容物とできることは言うまでもない。
【0008】請求項3の発明は、カプセルボディにカプ
セルキャップがセミロック状態で結合され、そのセミロ
ック状態での全表面に腸溶性皮膜が形成されている腸溶
性皮膜付き硬質空カプセルカプセルの製造方法におい
て、ボディにカプセルキャップをセミロック状態で結合
し、そのセミロック状態での全表面に腸溶性皮膜を形成
することを特徴とする製造方法である。請求項4の発明
は、請求項3に記載した腸溶性皮膜付き硬質空カプセル
の製造方法において、セミロック状態で腸溶性皮膜を覆
うように滑走性改善固形物を施すことを特徴とする製造
方法である。
【0009】上記の製造方法によれば、上記の腸溶性皮
膜付き硬質空カプセルを簡単に製造できる。また、腸溶
性皮膜のコーティングは、内容物が無い空カプセルの状
態で行われるので、重量が大きいカプセル剤に対して腸
溶性皮膜をコーティングする場合に比べて、コーティン
グ量の確認作業が容易で時間もかからない。しかも、内
容物がコーティングのときの熱によって変性することも
ない。更に、上記の空カプセルにあっては、カプセルボ
ディの表面のうちカプセルキャップがロック状態で嵌合
される位置にも腸溶性皮膜が形成されるので、そのカプ
セルキャップをカプセルボディから分離した後、カプセ
ルキャップをカプセルボディにロック状態まで結合する
と、カプセルキャップの開口部が腸溶性皮膜の一部を挟
んでカプセルボディに嵌合することになり、上記一部の
腸溶性皮膜がカプセルキャップとカプセルボディとの隙
間のシールとして働く。従って、カプセルキャップとカ
プセルボディとの隙間をシールするための特別な処理も
必要無くなる。従って、市販される製品が空カプセル形
態又はカプセル剤形態かは問わず、工場内での製造作業
における手間や時間が大幅に低減される。よって、実験
・試作段階での少量生産から大量生産まで生産量にかか
わらず容易に製造することができる。
【0010】前記したように、本発明においては腸溶性
皮膜に、カプセルキャップとカプセルボディとの隙間を
シールする機能も担わせるので、そのコーティング量は
ある程度以上多めにするのが良い。具体的には、腸溶性
皮膜の量を、カプセルボディとカプセルキャップの合計
重量に対して好ましくは20〜80重量%の範囲、より
好ましくは40〜60重量%範囲内である。
【0011】更に、腸溶性皮膜の表面にはミクロサイズ
の凹凸があり、精製やし油等を塗布することによっても
幾分は滑走性が改善されるが、ワックス等の滑走性改善
固形物で腸溶性皮膜を覆うことにより皮膜の表面の凹凸
が埋まり、滑走性がより積極的に改善され、工場におい
て滑走搬送しても生産性の低下が防止される。更に、こ
の場合には、カプセルボティの嵌合部は滑らかになって
いるので、カプセルキャップをカプセルボティ上のロッ
ク結合位置まで移動させるときにはスムーズに滑走す
る。従って、一般消費者が無理な力を加えてカプセルを
破壊する心配がない。
【0012】請求項5の発明は、それぞれ腸溶性皮膜が
コーティングされたカプセルボディとカプセルキャップ
とが、内容物を充填された状態でロック結合されてお
り、カプセルキャップの開口部はカプセルボディの腸溶
性皮膜の一部を挟んでカプセルボディに嵌合したことを
特徴とする腸溶性皮膜付き硬質カプセル剤である。
【0013】
【発明の実施の形態】〔A.腸溶性皮膜付き空カプセ
ル〕(図1、図2) 図1に腸溶性皮膜付き硬質空カプセル1を示し、この腸
溶性皮膜付き硬質空カプセル1のベースであるカプセル
母材1′を図2に示す。
【0014】カプセル母材1′は、カプセルボディ3
と、該カプセルボディ3に結合されるカプセルキャップ
5とで構成される。これら一対のカプセルボディ3とカ
プセルキャップ5は、それぞれ、厚さ約0.1mmの易
溶解性膜、例えばゼラチン系皮膜から成るもので、一端
が半球面状に閉じ他端が円形の開口とされた既知の中空
砲弾形をしており、カプセルキャップ5の内径はカプセ
ルボディ3の外径よりほんの僅か大きい。カプセルボデ
ィ3の開口近くには周方向へ無端状に延びる結合溝3a
が形成され、カプセルキャップ5の長手方向ほぼ中間の
位置には周方向へ無端状に延びる結合突条5aが内側へ
向けて突出形成されている。これら結合溝3aと結合突
条5aの横断面はそれぞれ略半円弧形をしている。
【0015】カプセルボディ3とカプセルキャップ5は
セミロック状態で結合される。即ち、カプセルキャップ
5は、その結合突条5aがカプセルボディ3の開口縁に
当るところまで、カプセルボディ3に嵌合される。この
セミロック状態のカプセル母材1′の表面全体に腸溶性
皮膜7がコーティングされている。従って、この腸溶性
皮膜7は、カプセルボディ3の表面のうちキャップロッ
ク時にカプセルキャップ5が嵌る位置にも形成される。
【0016】〔B.腸溶性皮膜付き硬質空カプセルの製
造方法〕(図1、図2) 次に、腸溶性皮膜付き空カプセル1の製造方法を説明す
る。カプセル母材1′は、例えば既知の浸漬法に従って
製造する。即ち、先端面が半球面状を為し結合溝3a又
は結合突条5aを形成するための溝が形成された円柱形
の金型を使用し、この金型をゼラチン及び水を含むカプ
セル皮膜液に浸漬することで当該金型の表面にゼラチン
膜を付着させ、この金型を引き上げて回転させながらそ
のゼラチン膜を冷却乾燥させて均一な厚さの筒状の膜を
成形し、この膜をカプセルボディ3として或いはカプセ
ルキャップ5として必要な寸法に切断する。
【0017】そして、このように製造した一対のカプセ
ル母材1′をセミロック状態に結合する。即ち、カプセ
ルキャップ5を、その結合突条5aがカプセルボディ3
の開口縁に当るところまでカプセルボディ3に嵌合す
る。次いで、この状態のカプセル母材1′の表面全体に
腸溶性皮膜7をコーティングにより形成する。このコー
ティングの方法は、医薬品や健康食品のカプセル製剤に
従来から用いられるパンコーティグ法に拠れば良い。即
ち、腸溶性物質を揮発性の溶媒に溶解するか又は水に分
散させたコーティング液をカプセル母材1′の表面全体
にスプレー塗布した後乾燥させる。
【0018】コーティング液は、例えば油脂とアルコー
ル及び腸溶性物質の混合液とする。この油脂の例として
は、ヤシ油、パーム油、大豆油、菜種油、カカオ脂など
の植物性油脂やそれらを硬化させた硬化油等の固体脂
や、ライスワックス、キャンデリラワックス、蜂蜜ロウ
等の食用ワックス等が挙げられる。
【0019】また、腸溶性物質の例としては、とうもろ
こし、小麦、大豆、コラーゲン、ゼラチン等に由来する
植物性または動物性の蛋白質、セルロースアセテートフ
タレート、セルロースアセテートサクシネート、セルロ
ースアセテートマレエート、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースアセテートサクシネート、ポリビニルアセテート
フタレート、ポリビニルプロピオネートフタレート、ポ
リビニルブチレートフタレート等が挙げられる。これら
は、単独で使用しても良いし、2種類以上併用しても良
い。
【0020】また、必要に応じて、上記コーティング液
に、着色剤や、コーティング液の均一分散性を高める可
塑剤などを含ませても良い。可塑剤としては、グリセリ
ン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の乳化
剤や、グリセリン、糖アルコールが挙げられる。
【0021】更に腸溶性皮膜を覆う滑走性改善固形物の
例としては、滑走性の良い食用ワックス、例えば、カル
ナバロウ、ライスワックス、キャンデリラワックス、蜂
蜜ロウ等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良
いし、2種類以上併用しても良い。これらの物質を塗布
等することにより腸溶性皮膜を覆わせる。
【0022】カプセル母材1′に対する腸溶性皮膜のコ
ーティング量は、従来の腸溶性カプセル製剤で行われて
いた量より多めの20〜80重量%、望ましくは40〜
60重量%にする。これにより、セミロック状態のカプ
セル母材1′の表面全体に、膜厚約0.1mm〜0.5
mmの腸溶性皮膜7がコーティングされる。この膜厚
は、カプセルボディ3の外径とカプセルキャップ5の内
径との寸法差より大きい。
【0023】〔C.腸溶性皮膜付きカプセル剤の製造方
法〕(図3、図4) 次に、このように製造された腸溶性皮膜付き硬質空カプ
セル1を使用して硬質カプセル剤を製造する製造方法を
説明する。先ず、図3に示すように、腸溶性皮膜付き硬
質空カプセル1のカプセルキャップ5とカプセルボディ
3とを分離する。この分離は、カプセルキャップ5から
カプセルボディ3を引き抜くことで行う。カプセルキャ
ップ5からカプセルボディ3を引き抜くと、腸溶性皮膜
7は、同図を見て分かるように、カプセルキャップ5の
開口縁辺りで切り離される。
【0024】この状態から、カプセルボディ3内に所要
の内容物13を充填した後、そのカプセルボディ3にカ
プセルキャップ5をロック状態まで結合する(図4参
照)。即ち、結合突条5aが結合溝3aにしっかり係合
するところまで、カプセルキャップ5をカプセルボディ
3に嵌合する。この嵌合により、カプセルキャップ5の
開口部が、カプセルボディ3の表面にある腸溶性皮膜7
のうち開口側の端にある部分7aに外嵌めされる。
【0025】前記したように、腸溶性皮膜7の膜厚は、
カプセルボディ3の外径とカプセルキャップ5の内径と
の寸法差より大きいので、カプセルボディ3の開口部は
腸溶性皮膜7の一部7aを挟んでカプセルボディ3にぴ
ったり圧着する。従って、この部分の腸溶性皮膜7a
が、カプセルボディ3とカプセルキャップ5との間を気
密又は水密に封じるシール材として機能する。以上によ
り、腸溶性皮膜付きカプセル剤11が製造される。
【0026】図5に別の腸溶性皮膜付き硬質空カプセル
21を示す。この腸溶性皮膜付き硬質空カプセル21
は、腸溶性皮膜を覆うようにワックス23が塗布されて
いることを除いては、腸溶性皮膜付き硬質空カプセル1
の構成と同じであり、製法も腸溶性皮膜を形成した後に
ワックスを塗布することを除いては同じである。なお、
ワックス23の厚さは非常に大きく描かれており、実際
は非常に薄く形成する。
【0027】
【実施例】次に、本発明品である腸溶性皮膜付きカプセ
ル剤(実施例)と従来品(比較例)を製造し、それらに
ついて行った試験の結果を述べる。腸溶性皮膜付カプセル剤の製造 (1)本発明品1(腸溶性皮膜付カプセル剤、滑走性改
善物質なし)の製造 カプセル母材1′としては、シオノギクオリカプス株式
会社製のゼラチン硬質空カプセル1号を2000粒と、
同社製のゼラチン硬質空カプセル2号を1000粒用い
た。腸溶性コーティング液としては、エタノール136
0g、精製水400g、ツェイン180g、グリセリン
40g、精製やし油20gを混合して加温溶解したもの
を用いた。
【0028】まず、カプセル母材1′のカプセルボディ
3とカプセルキャップ5とをセミロック状態で結合した
後、コーティングパンに投入して温風を当てることで3
0〜40℃に加温し、次いで、このセミロック状態のま
まのカプセル母材1′に、腸溶性コーティング液の噴霧
と乾燥を数回に分けて施して腸溶性皮膜をコーティング
した。このときのコーティング量は、空カプセルの40
〜60重量%とし、コーティング終了後に、カプセルの
0.5〜1.0重量%の精製やし油を塗布した。この腸
溶性皮膜付き空カプセル1をカプセルキャップ5とカプ
セルボディ3とに分離し、ニンニクの粉末を充填してロ
ック状態で結合した。
【0029】(2)本発明品2(腸溶性皮膜付カプセル
剤、滑走性改善物質あり)の製造 使用した空カプセルの号数及び数量と腸溶性コーティン
グ液の組成及びコーティング方法には上記本発明品1と
同様のものを用い、コーティング量を空カプセルの30
〜40重量%とし、終了後に、精製やし油の代りに、カ
プセルの2.0〜3.0重量%のカルナバロウを塗布し
たことを除いては本発明品1と同様にして腸溶性皮膜付
カプセル剤を製造した。
【0030】(3)従来品(シール後に腸溶性皮膜をコ
ーティング)の製造 使用した空カプセルの号数及び数量と腸溶性コーティン
グ液の組成及びコーティング方法には上記実施例と同様
のものを用い、カプセルをロック状態で結合してバンド
シールを施した後に、腸溶性皮膜のコーティングを行っ
た。但し、腸溶性コーティング液の塗布量は、空カプセ
ルと内容物の合計重量に対する4〜7重量%にした。
【0031】試験 上記本発明品1、2及び従来品の腸溶性硬質空カプセル
を6個づつサンプリングして、日局一般試験法、崩壊試
験腸溶性の製剤の項により試験を行った。そして、その
結果を表1に示す。この表1が示す通り、本発明品の腸
溶性皮膜付き硬質カプセル剤は、従来の方法で製造した
腸溶性硬質カプセル剤と同等の腸溶性を持つことが確認
された。
【0032】
【表1】
【0033】更に、上記本発明品1、2の腸溶性硬質空
カプセルを100個ずつサンプリングして、斜面(約3
0度傾斜)上を滑らせて最後まで搬送されたか否かを試
験した。また、10人のモニターを準備し、上記本発明
品1、2の腸溶性硬質カプセル剤を100個ずつサンプ
リングして、各モニターに10個ずつ配布した。各モニ
ターには生ローヤルゼリーを充填し、ロック結合しても
らい、使い易さを評価してもらった。その結果を表2に
示す。この表2が示すとおり、ワックスを塗布すると、
滑走性がより改善されることが確認された。
【0034】
【表2】
【0035】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明の具体的構成がこの実施の形態に限定されるもの
では無く、本発明の要旨から外れない範囲での設計変更
等があっても本発明に含まれる。例えば、空カプセルの
全体的形状やサイズ、材料、或いはカプセルボディとカ
プセルキャップとのロック手段などが実施例に示したも
のに限られることは無く、セミロック用の特別な結合部
を備えたものであっても良い。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、新規で
且つ生産性に優れたな腸溶性皮膜付き硬質空カプセルが
提供できる。また、品質や生産性に優れた腸溶性硬質空
カプセルが提供される。加えて、ワックス等の滑走性改
善固形物で腸溶性皮膜を覆うことにより生産性やロック
結合時の操作性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る腸溶性皮膜付き硬質
空カプセルの中央縦断面図である。
【図2】図1の腸溶性皮膜付き空カプセルのベースであ
るカプセル母材をカプセルボディとカプセルキャップに
分離して示す斜視図である。
【図3】図1に示す腸溶性皮膜付き空カプセルをカプセ
ルボディとカプセルキャップに分離した状態の中央縦断
面図である。
【図4】図1に示す腸溶性皮膜付き空カプセルを用いた
カプセル剤の一例を示す一部切欠断面図である。
【図5】図1とは別の実施の形態に係る腸溶性皮膜付き
硬質空カプセルの中央縦断面図である。
【符号の説明】
1…腸溶性皮膜付き硬質空カプセル 3…カプセルボ
ディ 5…カプセルキャップ 7…腸溶性皮膜 7a…腸
溶性皮膜の一部 13…内容物 21…腸溶性皮膜付き硬質空カプセル 23…滑走性
改善固形物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カプセルボディにカプセルキャップがセミ
    ロック状態で結合され、そのセミロック状態での全表面
    に腸溶性皮膜が形成されていることを特徴とする腸溶性
    皮膜付き硬質空カプセル。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した腸溶性皮膜付き硬質空
    カプセルにおいて、滑走性改善固形物が腸溶性皮膜を覆
    っていることを特徴とする腸溶性皮膜付き硬質空カプセ
    ル。
  3. 【請求項3】カプセルボディにカプセルキャップがセミ
    ロック状態で結合され、そのセミロック状態での全表面
    に腸溶性皮膜が形成されている腸溶性皮膜付き硬質空カ
    プセルカプセルの製造方法において、ボディにカプセル
    キャップをセミロック状態で結合し、そのセミロック状
    態での全表面に腸溶性皮膜を形成することを特徴とする
    製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載した腸溶性皮膜付き硬質空
    カプセルの製造方法において、セミロック状態で腸溶性
    皮膜を覆うように滑走性改善固形物を施すことを特徴と
    する製造方法。
  5. 【請求項5】それぞれ腸溶性皮膜がコーティングされた
    カプセルボディとカプセルキャップとが、内容物を充填
    された状態でロック結合されており、カプセルキャップ
    の開口部はカプセルボディの腸溶性皮膜の一部を挟んで
    カプセルボディに嵌合したことを特徴とする腸溶性皮膜
    付き硬質カプセル剤。
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