JP2003324965A - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JP2003324965A
JP2003324965A JP2002130362A JP2002130362A JP2003324965A JP 2003324965 A JP2003324965 A JP 2003324965A JP 2002130362 A JP2002130362 A JP 2002130362A JP 2002130362 A JP2002130362 A JP 2002130362A JP 2003324965 A JP2003324965 A JP 2003324965A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のPWM信号に基づいて駆動するスイッ
チング回路を持つ電源装置においてPWM信号の入力エ
ラーを防止する構成を提供する。 【解決手段】 複数のPWM信号に基づいて駆動するス
イッチング回路を持つ電源装置において、PWM信号の
スイッチング回路に対する入力エラーを防止するハード
ウェア構成による出力制御回路を設けた。MCUにおい
て生成するPWM1、PWM2信号を各信号が同時に駆
動要求状態にあるとき演算処理回路において信号値を変
更してスイッチング回路に出力する。また、一方のスイ
ッチング回路に対する入力PWM信号が駆動要求状態の
ときに、他方のスイッチング回路に対する入力PWM信
号の駆動要求状態状態の入力を遮断する遮断回路を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源装置、特にプ
リンタ、複写機等に適用可能な電源装置に関する。さら
に詳細には、プリンタ、複写機等の帯電装置、転写装
置、ヒューザー装置、現像装置等に適用可能な電源装置
であり、状態値検出に基づいたフィードバック制御を行
なう電源装置において、出力を確実に実行し、制御エラ
ーによる出力異常、機器損壊の発生を防止可能とした電
源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機等の画像形成装置は、
感光体ドラムを帯電装置にて一様に帯電し、露光装置に
て静電潜像を形成し、トナー像を現像装置で形成し、一
次接転写装置でトナー像を中間転写体に転写する。さら
に、二次転写装置で用紙への転写後、剥離(デタック)
装置で用紙を感光体等から剥離し画像を出力する。
【0003】例えば、カラー印刷装置においては、イエ
ロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック
(K)の各色ごとに、感光体、帯電装置、現像装置、一
次転写装置のいわゆる画像形成ユニットを形成し、これ
らの各々を動作させてカラー印刷を行なう。
【0004】電子写真方式のプリンター・複写機等は、
感光体回りの負荷に対して規定電圧もしくは電流を与え
るための高圧電源を備えている。電圧もしくは電流は、
帯電、現像、転写、剥離、清掃等の処理のために供給さ
れる。昨今のプリンター・複写機等は市場での高機能要
求を背景に、カラー化、高速化が進んでいる。その要求
に対応するべく、感光体、および、帯電、現像、転写機
能を含むブロックを各色(例えばYMCK色)毎に用意
し、ペーパーを1パスで印字するタンデム型エンジンが
主流になりつつある。タンデム型の利点は一度に多色
(例えばYMCK色の4色)を印字できるため、白黒機
と同様のスピードパフォーマンスを実現できる。
【0005】図8のタンデム型プリンタの動作について
簡単に説明する。各感光体801の周囲には、帯電ロー
ルを備えた帯電器802が備えられ、帯電器802によ
り感光体801が一様に帯電された後、図示しない露光
装置にて露光され、感光体ドラム上に静電潜像が形成さ
れ静電潜像は現像器803により現像され、感光体ドラ
ム801上のトナー像は、一次転写器804により中間
転写体807上に転写される。これらの処理をYMCK
それぞれ連続して行なった後、二次転写器806によっ
て用紙に転写され、剥離(デタック)器805で用紙を
剥離し出力する。
【0006】上記構成において、帯電装置は感光体ドラ
ムに接触しており、帯電電源により帯電用バイアスが印
加され、感光体ドラムを一様に帯電する。また、現像装
置を構成する現像ロールは、感光体ドラムに近接して配
置され、帯電したトナーをその表面に担持して回転し、
そのトナーを感光体に向き合う現像位置に運ぶ。また、
その現像ロールには、現像電源から、現像バイアスが印
加される。この現像バイアスの印加により現像ロールの
表面に担持されたトナーが感光体ドラム側に飛翔し、感
光体ドラム上にトナー像が形成される。
【0007】また、一次転写装置は、中間転写体を介し
て感光体ドラムに接触した状態に配置されて回転し、一
次転写電源により一次転写バイアスが印加され、中間転
写体にトナー像が転写され、さらに二次転写装置により
用紙上にトナー像が転写される。これら、帯電装置電
源、現像装置電源、および一次転写装置電源は、制御回
路により、バイアス印加のタイミング等が制御される。
【0008】今日、プリンター・複写機等は、高機能、
高画質化のため、プリンター・複写機等に利用される高
圧電源は多種多様の機能を必要とし、回路自体が複雑化
してきている。多機能要求の一例として、プロセススピ
ード可変やフルカラーモード/白黒モード切替、印字解
像度可変等があり、高圧電源へは、その仕様に対応しう
る複雑な制御を要求される。
【0009】特に現像出力に利用される例えば矩形波A
Cバイアス出力の場合、Vp−p(peak to peak)、
周波数、デューテイ(Duty)値の全てにおいて、可変す
る場合があり、それを実現するために高圧電源の制御回
路が複雑になり、結果、コストアップの要因となってい
る。図9に矩形波ACバイアス出力と、その制御の3種
類の態様としての(a)Vp−p(peak to peak)制
御、(b)周波数制御、(c)デューテイ(Duty)可変
制御の態様を示す。(a),(b)、(c)において、
矩形波上に示す矢印方向に矩形波を変化させる制御を行
なうことを示している。
【0010】このように、Vp−p(peak to pea
k)、周波数、デューテイ(Duty)値の制御構成を持つ
電源装置として、トランジスタ等のスイッチ素子のスイ
ッチング動作を利用して出力電力を得る、所謂スイッチ
ング電源装置が知られている。
【0011】スイッチング電源装置の構成例を図10に
示す。図10に示すスイッチング電源装置は、MCU
(マシンコントロールユニット)820のCPU821
から制御回路815に出力情報を送り、制御回路815
により、スイッチ回路811のスイッチング動作を起こ
させ、スイッチング動作により昇圧トランス812の1
次巻線への直流電源による入力電圧の印加/非印加を繰
り返し、昇圧トランス812の2次側回路813にエネ
ルギーを伝達して負荷830に供給する出力電力を得る
構成である。
【0012】出力電圧、又は出力電流を安定して目標値
に一致させるために2次側回路813に接続された検知
回路814において検知された出力電圧または電流値に
応じて、電圧モニタ信号Vmon、または電流モニタ信号
Imonを生成し、制御回路815において、電圧モニタ
値(出力電圧値に相当)、または電流モニタ信号Imon
が示す電流モニタ値(出力電流値に相当)が目標値に一
致するようにPWM信号を制御する。PWM信号制御態
様には、上述の(a)Vp−p(peak to peak)制
御、(b)周波数制御、(c)デューテイ(Duty)可変
制御が含まれる。
【0013】スイッチング回路814は、制御されたP
WM信号(パルス幅信号)に基づいて入力電圧をスイッ
チングして出力制御が実行される。制御回路815とし
て一般に利用されているのは、アナログICを利用した
アナログ制御回路である。しかし、上述の(a)Vp−
p(peak to peak)制御、(b)周波数制御、(c)
デューテイ(Duty)可変制御等の複雑な制御をアナログ
ICで実現しようとすると回路規模が大型化し、またそ
の結果としてコストアップを招くという問題があった。
【0014】近年、上記問題点を解決する構成として、
プログラムによりスイッチング回路に入力するPWM信
号を制御する高圧電源、すなわち、制御をソフトウェア
によって実行するデジタル制御方式が提案されている。
【0015】図11に、デジタル制御方式による高圧電
源構成を示す。図11に示すスイッチング電源装置は、
図10のアナログIC等の制御回路を持たず、検知回路
854において検知された電圧モニタ信号Vmon、また
は電流モニタ信号Imonを、デジタル変換後、直接、M
CU(マシンコントロールユニット)860のCPU8
61に入力し、入力値に基づいて、ソフトウェアによっ
て出力するPWM(Pulse Width Modulation、パルス幅
変調)信号の制御を実行し、制御PWM信号により、ス
イッチ回路851のスイッチング動作を起こさせ、スイ
ッチング動作により昇圧トランス852の1次巻線への
直流電源による入力電圧の印加/非印加を繰り返し、昇
圧トランス852の2次側回路853にエネルギーを伝
達して負荷870に供給する出力電力を得る構成であ
る。
【0016】本方式は、アナログIC等の制御回路が不
必要となり、コストダウンを達成でき、また、制御をソ
フトウエアで行うため、プロセス仕様の可変要求に対
し、柔軟に対応できるという利点がある。
【0017】しかしながら、このようなソフトウェア制
御方式では、制御をCPU等のデジタル回路にて行なう
ため、外乱(電気的ノイズ)等が発生した場合CPUが
暴走し、結果、機器の破損を招く恐れがある。これを解
決するため、デジタル回路と、高圧電源のインターフェ
イス回路に保護回路を設けることがある。
【0018】信号異常の判定処理構成としては、ソフト
ウェアによって異常判定を行なう構成が知られている
が、CPUの誤動作はソフトウェアによる誤動作判定処
理にも影響を与え、その信頼性が低下するという問題が
ある。また、たとえ、CPUが正常動作しても、CPU
から高圧電源までの通信ライン途中で混入する誘導ノイ
ズによる異常の発生には対応できない。
【0019】信号異常による問題点を解決するための技
術を開示した従来技術として、例えば、特許第3100
797号(特開平6−335243号)、特許第312
3608号(特開平4−207969号)がある。特許
第3100797号(特開平6−335243号)は、
スイッチング素子を用いた制御構成において、1つのP
WMコントローラと、1つのトランスで、正負のDC−
DCコンバータを切り換える構成として、正負の出力動
作の切り換えをスムーズに行なわせることを可能とし
て、出力異常の発生を防止した構成を持つものである。
【0020】特許第3123608号(特開平4−20
7969号)は、PWM信号を充放電回路によって直流
レベルに変換し、該直流レベルが所定値を越えたときに
スイッチ素子を駆動するPWM信号をグランド(GN
D)に落とすことによってスイッチ素子の駆動を停止す
る割込み回路(保護回路と表現)を適用する構成を開示
している。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述の(a)Vp−p
(peak to peak)制御、(b)周波数制御、(c)デ
ューテイ(Duty)可変制御等の複雑な制御をソフトゥエ
アで実現する技術として、複数のPWM信号を用いて、
出力波形を制御する技術について、本出願人は、先に特
願2000−345234号において提案している。
【0022】これは、例えば図9に示す出力波形(矩形
波)の立上がりを制御するための第1のPWM信号と、
立ち下がりを制御するための第2のPWM信号を用いる
ものである。2つのPWM信号をMCU(マシンコント
ロールユニット)のCPUから出力し、2つのスイッチ
回路を独立に動作させることにより、上述の(a)Vp
−p(peak to peak)制御、(b)周波数制御、
(c)デューテイ(Duty)可変制御等の複雑な制御を実
現する構成である。
【0023】このような複数のPWM信号を適用した制
御構成では、第1のPWM信号と第2のPWM信号とが
ソフトウェアで制御された関係を保ちながらCPUから
出力することで、矩形波は生成される。
【0024】しかし、外乱等(電気的ノイズ)によりC
PUが暴走した場合、例えば、第1のPWM信号と第2
のPWM信号が同時にオン(On)となった場合、スイ
ッチング回路での電流に異常が発生する。例えばプッシ
ュプル回路に貫通電流が流れるなどの異常が発生して、
回路が破損してしまう可能性がある。
【0025】上述の従来技術、特許第3100797号
(特開平6−335243号)、特許第3123608
号(特開平4−207969号)は、本出願人の提案し
た特願2000−345234号に示す複数のPWM信
号による出力制御を考慮した構成ではなく、複数のPW
M信号の相互の制御エラーには対応できるものとはなっ
ていない。
【0026】本発明は、例えば本出願人が先に提案した
特願2000−345234号に示すように、複数のP
WM信号による出力制御を実行する電源装置において、
PWM信号の動作タイミングを監視する監視回路を設
け、PWM信号のタイミング異常を検出し、異常と判断
した場合、スイッチング素子に与えるPWM信号を停止
させて、高圧出力を停止、あるいは垂下させることによ
り、負荷に対するダメージ、および高圧電源の破損を未
然に防止することを可能とした電源装置を提供すること
を目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面は、
入力電力が供給される一次巻線と、電力が出力される二
次巻線とを持つトランスと、前記一次巻線に直列に接続
され、パルス幅信号に基づいてスイッチングをするスイ
ッチング手段と、前記トランスの二次側出力を検出する
検出手段とを有し、前記検出手段の検出値に基づいてフ
ィードバック制御を行なう電源装置において、前記検出
手段の検出値を入力し、前記トランスの二次側出力波形
生成制御に適用するパルス幅変調信号を生成する制御手
段であり、各々が異なる波形生成処理制御を実行する複
数のパルス幅変調信号を、前記検出値に応じて生成する
制御手段と、前記制御手段の生成する複数のパルス幅変
調信号を入力し、該複数のパルス幅変調信号各々の相対
的な信号値状態に応じて、スイッチング手段に対する入
力信号の変更処理または遮断処理を実行する回路構成を
持つ出力制御手段と、前記出力制御手段による出力制御
処理のなされたパルス幅変調信号を入力し、該入力信号
に基づくスイッチング動作により、前記トランスの二次
側出力波形生成を実行する複数のスイッチング手段と、
を有することを特徴とする電源装置にある。
【0028】本構成によれば、スイッチング手段に対す
るPWM信号の入力エラーが発生せず、PWM信号の入
力エラーに基づくスイッチング手段での異常電流が発生
せず、負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが
可能となる。また、スイッチング手段に対する入力信号
の変更処理または遮断処理を実行する回路構成を持つ出
力制御手段を有する構成としたので、ソフトウェア依存
の異常検出、対応処理と異なり、外乱、ノイズによる動
作の不安定さを招くことがなく、スイッチング回路に対
する異常信号入力を確実に防止することができる。
【0029】さらに、本発明の電源装置の一実施態様に
おいて、前記スイッチング手段は、第1のパルス幅変調
信号を入力し、前記トランスの二次側出力波形の立上が
りを制御する第1のスイッチング手段と、第2のパルス
幅変調信号を入力し、前記トランスの二次側出力波形の
立下がりを制御する第2のスイッチング手段とによって
構成され、前記制御手段は、前記第1のパルス幅変調信
号(PWM1)、および前記第2のパルス幅変調信号
(PWM2)の生成処理を実行する構成を有し、前記出
力制御手段は、前記第1のパルス幅変調信号(PWM
1)、および前記第2のパルス幅変調信号(PWM
2)、両信号共に駆動要求を示す信号値状態で各スイッ
チング手段へ入力されることを阻止する回路構成を有す
ることを特徴とする。
【0030】本構成によれば、スイッチング手段に対す
るPWM信号の入力エラーが発生することがなく、トラ
ンスの二次側出力波形のデューテイ値、周波数、および
Vp−pの変更処理を、複数のパルス幅変調信号の更新
処理によって実行する高度な制御構成を持つ電源装置に
おいても、スイッチング手段での異常電流の発生を完全
に防止して高度な制御を確実に実行できる。
【0031】さらに、本発明の電源装置の一実施態様に
おいて、前記出力制御手段は、前記制御手段の生成する
複数のパルス幅変調信号を入力し、該複数のパルス幅変
調信号が駆動要求を示す信号値状態で前記制御手段から
入力された場合に、駆動要求を解除した信号値状態に変
更して出力する演算処理回路によって構成されたことを
特徴とする。
【0032】本構成によれば、演算処理回路を用いて出
力制御回路を構成したので、複数のスイッチング手段に
対して同時に駆動要求を出力することが防止され、スイ
ッチング手段での異常電流が発生せず、負荷ダメージ、
高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となる。また、外
乱、ノイズによる動作の不安定さを招くこともない。
【0033】さらに、本発明の電源装置の一実施態様に
おいて、前記出力制御手段は、前記制御手段から入力さ
れた複数のスイッチング手段各々に対する入力パルス幅
変調信号の両信号とも入力対象の各々のスイッチング手
段の駆動要求を示す信号値状態で前記制御手段から入力
された場合、いずれか一方のスイッチング手段に対する
駆動用信号の入力を遮断する遮断回路によって構成さ
れ、前記遮断回路は、一方のスイッチング手段の駆動要
求を示す入力パルス幅変調信号値状態に応じて、他方の
スイッチング手段に対する駆動用信号の入力の遮断動作
を行なう回路構成を持つことを特徴とする。
【0034】本構成によれば、一方のスイッチング手段
の駆動要求を示す入力パルス幅変調信号値状態に応じ
て、他方のスイッチング手段に対する駆動用信号の入力
の遮断動作を行なう遮断回路によって、出力制御回路を
構成したので、複数のスイッチング手段に対して同時に
駆動要求を出力することが防止され、スイッチング手段
での異常電流が発生せず、負荷ダメージ、高圧電源破損
を未然に防ぐことが可能となる。また、外乱、ノイズに
よる動作の不安定さを招くこともない。
【0035】さらに、本発明の電源装置の一実施態様に
おいて、前記遮断回路によって遮断される駆動用信号
は、スイッチング手段に対して入力されるパルス幅変調
信号、または基準信号のいずれかであることを特徴とす
る。
【0036】本構成によれば、スイッチング手段に対す
る基準信号の入力構成の有無にかかわらず、複数のスイ
ッチング手段に対して同時に駆動要求を出力することが
防止され、スイッチング手段での異常電流が発生せず、
負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能と
なる。
【0037】さらに、本発明の電源装置の一実施態様に
おいて、前記制御手段は、前記トランスの二次側出力波
形のデューテイ値、周波数、およびVp−pの変更処理
のすべてを、前記複数のパルス幅変調信号の更新処理に
よって実行する構成を有することを特徴とする。
【0038】本構成によれば、トランスの二次側出力波
形のデューテイ値、周波数、およびVp−pの変更処理
を、複数のパルス幅変調信号の更新処理によって実行す
る高度な制御構成を持つ電源装置においても、スイッチ
ング手段に対するPWM信号の入力エラーが発生せず、
PWM信号の入力エラーに基づくスイッチング手段での
異常電流が発生せず、負荷ダメージ、高圧電源破損を未
然に防ぐことが可能となり、高度な制御を確実に実行で
きる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電源装置の詳細に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0040】まず、複数のPWM信号を用いて、出力波
形を制御する構成を持つ電源装置構成についての概要
を、図1乃至図3を参照して説明する。なお、本電源装
置構成は、プリンタ、複写装置等の転写装置、帯電装
置、現像装置、ヒューザー装置等における電源におい
て、またプリンタ、複写装置以外の分野において、出力
検出によるフィードバック制御構成を有する構成におい
て適用可能である。
【0041】図1に示す電源装置は、フィードバック制
御構成を持ち、出力負荷250に出力値を与える高圧電
源100、高圧電源の制御を行なう制御手段としてのM
CU(マシンコントロールユニット)200からなる。
【0042】MCU200内部には高圧電源100の制
御に必要なCPU201を有し、CPU201の制御に
よって生成された複数のパルス幅変調信号を入力し、出
力制御処理を実行する出力制御回路202を有し、出力
制御回路202から高圧電源100のスイッチング回路
102,103に対してパルス幅変調信号:PWM1、
パルス幅変調信号:PWM2が出力される。
【0043】MCU200には、高圧電源100の検出
値をディジタル値に変換するA/D変換器203が備え
られている。MCU200はこの他にも様々な部品で構
成されているが、ここでは高圧電源100のフィードバ
ック制御に関する構成部品、および、本発明の主題であ
るパルス幅変調信号:PWM1、パルス幅変調信号:P
WM2の出力制御を実行する出力制御回路202のみ記
載している。
【0044】なお、出力制御回路202は、図1では、
MCU(マシンコントロールユニット)200内に設け
た構成例を示しているが、この出力制御回路は、MCU
(マシンコントロールユニット)200の外部、例えば
高圧電源(HVPS)100側のスイッチング回路10
2,103前段部に設けてもよく、あるいは、MCU
(マシンコントロールユニット)200と、高圧電源
(HVPS)100の接続回路内に設ける構成としても
よい。これらの詳細については、後述する。
【0045】高圧電源100は、昇圧トランス101、
2つのスイッチング回路102、103、出力検出回路
104を備えている。ここで出力検出回路104の検出
値をMCU200内部のA/D変換器203に入力し、
目標値と比較し、比較結果に基づいて、制御用の2つの
パルスとしてのパルス幅変調信号:PWM1、パルス幅
変調信号:PWM2を生成し、出力制御回路202での
制御後に、各パルスを各スイッチング回路102、10
3に入力する。
【0046】各スイッチング回路102、103の制御
により、トランス101の一次側において入力電力のオ
ンオフ制御が実行され、Vp−p(peak to peak)、
周波数、デューテイ(Duty)等を制御した出力AC波形
が生成される。
【0047】本発明の電源装置におけるフィードバック
制御は、まず、出力検出回路104からの検出値と、出
力目標値との比較に基づいて2つのパルス信号としての
PWM1,PWM2を生成し、スイッチング回路10
2、103に2つのパルスPWM1,PWM2をそれぞ
れ入力する。
【0048】スイッチング回路102、103で、各入
力パルスPWM1,PWM2に基づいてトランス101
の入力のオンオフを制御することによりフィードバック
制御を行なうものである。
【0049】図1のブロック図の詳細回路構成例を図2
に示す。図2に示すようにスイッチング回路102、1
03は、トランス101の一次側の一方のラインに接続
される。トランス101の一次側の他方のラインは、ト
ランス101入力電源(1/2Vcc)に接続される。
トランス101の二次側にはコンデンサ110、抵抗1
71が接続され、負荷に対する出力Voutを出力す
る。各スイッチング回路102、103には低圧安定化
電源から供給される例えば+24VDCが供給される。
トランス101の2次側からは、負荷に高圧出力Vou
tが供給される。
【0050】2つのスイッチング回路102、103に
は、MCU200からのパルス信号PWM1、PWM2
がそれぞれ入力される。MCU200では、出力検出回
路104からの検出値(Mon)と、目標値または基準
値と比較して、その比較結果に基づいて2つのパルスP
WM1、PWM2を生成してそれぞれスイッチング回路
102、103に入力する。なお、出力検出回路104
では、高圧出力を検出し、検知した高圧出力をMCU2
00のCPUにおいて検知可能な0〜5Vになるよう、
分圧、整流する処理を行なっている。
【0051】スイッチング回路102、103ではMC
U200から入力されるPWM1、PWM2に従って、
トランジスタ等によって構成されるスイッチング回路の
オン/オフが制御され、所定形状の出力波形(矩形波)
を生成する。各スイッチング回路102、103に入力
されるPWM1.PWM2のデューティ値により、出力
波形のVp−pが設定され、PWM1、PWM2のディ
レイ(遅延時間)によって出力波形のデューティが設定
され、PWM1、PWM2の周波数によって出力波形の
周波数が設定される。
【0052】出力検出回路104には、オペアンプ16
2が備えられており、オペアンプ162の反転入力は、
自身の出力端に接続されており、オペアンプ162の非
反転入力端は、抵抗161を介してダイオード164、
コンデンサ163からなる平滑回路に接続されている。
また、オペアンプ162の出力端は抵抗161を介して
制御部に接続され、モニター値(Mon)を出力する。
【0053】スイッチング回路102は、トランジスタ
152,153と、複数の抵抗151を有し、スイッチ
ング回路103は、トランジスタ154,155,15
6と複数の抵抗151を有する。スイッチング回路10
2のトランジスタ153と、スイッチング回路103の
トランジスタ156はトランス101の1次巻線に接続
され、それぞれのベースはMCU200からのPWM信
号をトランジスタおよび抵抗を介して入力する。
【0054】スイッチング回路102、103に入力さ
れるパルスの構成と、これらのパルスに基づいて形成さ
れる出力波形の例を図3に示す。
【0055】図3(a)がPWM1およびPWM2信号
により形成される出力波形の例である。出力波形の上段
ラインと下段ラインとの差分がVp−p、波形の上段領
域と下段領域との比率がデューティ、波形の間隔が周波
数を定義する要素に対応する。
【0056】スイッチング回路102には、図3(b)
のPWM1信号が入力され、スイッチング回路103に
は、図3(c)のPWM2信号が入力される。ここで
(b)PWM1は、(a)出力波形の立上がり部分を決
定する信号であり、一方、(c)PWM2は、(a)出
力波形の立下がり部分を決定する信号である。
【0057】すなわち、PWM1によるトランス101
の1次側LC共振により、2次側コンデンサ110(図
2参照)へ充電し、PWM2にて放電する。この繰り返
しにより、図3(a)の出力波形が生成される。従っ
て、PWM1、PWM2の各パルス信号自体のデューテ
ィ値は、同値であることが必要であり、デューティ書き
替えの処理は、PWM1、PWM2同時に実行すること
が必要となる。
【0058】このように、出力波形の立上がり部分を決
定する信号としてのPWM1、出力波形の立下がり部分
を決定する信号としてのPWM2により、図3(a)に
示すような出力波形が出力される。図1に示すマシンコ
ントロールユニット200のCPU201は、このよう
に異なる波形生成処理制御を実行する複数のパルス幅変
調信号(PWM1,PWM2)を、出力検出回路104
の検出値に応じて生成する制御手段として機能する。
【0059】図3から理解されるように、(b)PWM
1、(c)PWM2の周波数により、(a)出力波形の
周波数が決定される。また、(b)PWM1に対する
(c)PWM2の遅延により、(a)出力波形のデュー
テイが決定される。さらに、(b)PWM1、(c)P
WM2のデューティ値により、(a)出力波形のVp−
pが決定される。
【0060】このように、PWM1、PWM2の2つの
パルス信号に基づいて、スイッチング回路102,10
3を制御して、例えばVp−p(peak to peak)、周
波数、デューテイ(Duty)値を制御した出力AC波形を
生成し、フィードバック制御を行なう。なお、スイッチ
ング回路102,103に入力するためのPWM信号の
生成は、例えば水晶発振器による基本クロックに基づい
て実行される。
【0061】(PWM信号制御実施例1)次に、本発明
に係るPWM信号の出力制御回路構成の実施例1につい
て、図4および図5を参照して説明する。PWM信号制
御実施例1は、演算処理回路によって構成される出力制
御回路を用いてPWM信号の出力制御を行なう構成であ
る。
【0062】図4に示す電源装置構成は、図1乃至図3
を参照して説明したと同様の複数のパルス幅変調信号
(PWM信号)、すなわち第1PWM信号(PWM1
b)と、第2PWM信号(PWM2b)を、高圧電源
(HVPS:High Voltage Power Supply)330の2
つのスイッチング回路に供給する構成を持つ電源装置で
ある。すなわち、第1スイッチング回路331、第2ス
イッチング回路332に図3(b),(c)に示すPW
M信号をそれぞれ供給し、トランジスタ等によって構成
される2つのスイッチング回路331,332のオン/
オフ制御を実行して、図3(a)に示す矩形波を生成さ
せる構成を持つ。
【0063】各スイッチング回路331、332に入力
されるPWM1b、PWM2bのデューティ値により、
出力波形のVp−p(図3参照)が設定され、PWM1
b、PWM2bのディレイ(遅延時間)によって出力波
形のデューティが設定され、PWM1b、PWM2bの
周波数によって出力波形の周波数が設定される。
【0064】このように、昇圧回路(トランス)333
の一次側において入力電力のオンオフ制御を実行し、V
p−p(peak to peak)、周波数、デューテイ(Dut
y)等を制御した出力AC波形が生成されて、昇圧回路
(トランス)333の2次側(負荷側)に目標値に応じ
た出力が供給される。
【0065】MCU(マシンコントロールユニット)3
10のCPU340は、出力検出部334からの検出値
と、出力目標値との比較に基づいて2つのパルス幅変調
信号としてのPWM1a,PWM2aを生成し、出力制
御回路を構成するASIC(Application Specific I
C)320に入力する。
【0066】CPU340から出力されASIC(Appl
ication Specific IC)320に入力されるパルス幅変
調信号:PWM1a,PWM2aは、ASIC320か
ら出力され、高圧電源(HVPS)330の第1スイッ
チング回路331、第2スイッチング回路332に各々
入力されるパルス幅変調信号:PWM1b,PWM2b
に各々対応する信号である。
【0067】CPU340から出力されるパルス幅変調
信号:PWM1a,PWM2aは、ASIC(Applicat
ion Specific IC)320により構成される出力制御回
路内の排他論理和(EX−OR)回路,321、排他
論理和(EX−OR)回路,323、アンド(AN
D)回路,322、アンド(AND)回路,324
を介した演算処理の後、高圧電源330の各スイッチン
グ回路331,332に対して出力される。
【0068】アンド(AND)回路,322の出力
が、高圧電源(HVPS:High Voltage Power Suppl
y)330の第1スイッチング回路331への入力として
の第1のパルス幅変調信号:PWM1bとなり、アンド
(AND)回路,324の出力が、高圧電源(HVP
S)330の第2スイッチング回路332への入力とし
ての第2のパルス幅変調信号:PWM2bとなる。
【0069】排他論理和(EX−OR)回路321,3
23、およびアンド(AND)回路322、324にお
ける信号処理について説明する。CPU340から検出
値と目標値とに基づいて、出力矩形波のVp−p(peak
to peak)、周波数、デューテイ(Duty)等を制御可
能な出力タイミングおよび出力幅を有する2つのパルス
幅変調信号:PWM1a,PWM2aは、各々が2つの
排他論理和(EX−OR)回路,321、排他論理和
(EX−OR)回路,323に入力される。
【0070】排他論理和(EX−OR)回路,321
の出力は、CPU340から出力されるパルス幅変調信
号:PWM1aとともに、アンド(AND)回路,3
22に入力されて、アンド(AND)回路,322の
出力が、高圧電源(HVPS)330の第1スイッチン
グ回路331への入力としての第1のパルス幅変調信
号:PWM1bとなる。
【0071】一方、排他論理和(EX−OR)回路,
323の出力は、CPU340から出力されるパルス幅
変調信号:PWM2aとともに、アンド(AND)回路
,324に入力されて、アンド(AND)回路,3
24の出力が、高圧電源(HVPS)330の第2スイ
ッチング回路332への入力としての第2のパルス幅変
調信号:PWM2bとなる。
【0072】CPU340からの入力信号としてのPW
M1a,2a,および、高圧電源330の各スイッチン
グ回路331,332への出力信号としてのPWM1
b,2b、および、排他論理和(EX−OR)回路,
321、排他論理和(EX−OR)回路,323、ア
ンド(AND)回路,322、アンド(AND)回路
,324の出力信号の対応関係を図5に示す。
【0073】CPU340がノイズ等のエラーを発生し
ない限り、CPU340からの入力信号としてのPWM
1a,2aは、同時に駆動要求状態信号(High)と
なることはない。しかし、何らかのエラーが発生した場
合も想定し、CPU340からの入力信号としてのPW
M1a,2aの全ての組み合わせ、すなわち、 (1)PWM1a=High,PWM2a=High (2)PWM1a=High,PWM2a=Low (3)PWM1a=Low,PWM2a=High (4)PWM1a=Low,PWM2a=Low 上記4態様における各信号の状態を図5に示している。
【0074】高圧電源(HVPS)への出力側の信号、
PWM1b、PWM2bが同時にオン(ON)となった
場合、高圧電源側のスイッチング回路での電流に異常が
発生する。例えばプッシュプル回路に貫通電流が流れる
などの異常が発生して、回路が破損してしまう可能性が
ある。図4に示す回路構成は、このようなPWM1b、
PWM2bが同時にオン(ON)となる状況を防止する
ことが可能となる。
【0075】CPUからの出力信号が、例えばCPUの
エラーにより、図5(1)のケース、すなわち、PWM
1a=駆動要求状態信号(High),PWM2a=駆
動要求状態信号(High)となった場合、排他論理和
(EX−OR)回路,321、排他論理和(EX−O
R)回路,323の各出力がLowとなり、その結
果、アンド(AND)回路,322、アンド(AN
D)回路,324への入力は、HighとLowの組
み合わせとなり、その結果、両アンド回路の出力、すな
わち、高圧電源への出力であるPWM1b,PWM2b
は、両者ともLowとなる。従って、高圧電源の2つの
スイッチング回路に対して、2つのパルス幅変調信号が
同時に駆動要求を示すオン状態で出力されることはな
く、高圧電源側のスイッチング回路において異常電流が
流れることがない。
【0076】(2)のケース、すなわち、PWM1a=
High,PWM2a=Lowとなった場合は、排他論
理和(EX−OR)回路,321、排他論理和(EX
−OR)回路,323の各出力がHighとなり、そ
の結果、アンド(AND)回路,322の出力はHi
gh、アンド(AND)回路,324の出力はLo
w、すなわち、高圧電源への出力であるPWM1bはH
igh,PWM2bはLowとなる。従って、高圧電源
に対しては、CPUからの出力としてのPWM1a=H
igh,PWM2a=Low状態と同様の、出力信号P
WM1b=High,PWM2b=Low状態が正確に
入力され、正確な制御が実行される。
【0077】(3)のケース、すなわち、PWM1a=
Low,PWM2a=Highとなった場合は、排他論
理和(EX−OR)回路,321、排他論理和(EX
−OR)回路,323の各出力がHighとなり、そ
の結果、アンド(AND)回路,322の出力はLo
w、アンド(AND)回路,324の出力はHig
h、すなわち、高圧電源への出力であるPWM1bはL
ow,PWM2bはHighとなる。従って、高圧電源
に対しては、CPUからの出力としてのPWM1a=L
ow,PWM2a=High状態と同様の、出力信号P
WM1b=Low,PWM2b=High状態が正確に
入力され、正確な制御が実行される。
【0078】(4)のケース、すなわち、PWM1a=
Low,PWM2a=Lowとなった場合は、排他論理
和(EX−OR)回路,321、排他論理和(EX−
OR)回路,323の各出力がLowとなり、その結
果、アンド(AND)回路,322の出力はLow、
アンド(AND)回路,324の出力もLow、すな
わち、高圧電源への出力であるPWM1b、PWM2b
ともLowとなる。従って、高圧電源に対しては、CP
Uからの出力としてのPWM1a=Low,PWM2a
=Low状態と同様の、出力信号PWM1b=Low,
PWM2b=Low状態が正確に入力され、正確な制御
が実行される。
【0079】このように、CPUからの正常な出力状態
として、発生し得る3状態、すなわち、 (2)PWM1a=High,PWM2a=Low (3)PWM1a=Low,PWM2a=High (4)PWM1a=Low,PWM2a=Low の状態では、高圧電源の各スイッチング回路に対する出
力:PWM1b,2bをCPUからの正常な出力状態:
PWM1a,2aとして正確に伝達する。
【0080】また、CPUからの異常な出力状態とし
て、発生し得る下記状態、 (1)PWM1a=High,PWM2a=High の場合には、高圧電源の各スイッチング回路に対する出
力:PWM1b,2bをいずれもLowに制御して出力
することになり、高圧電源に対して、2つのパルス幅変
調信号が同時にオン状態で出力されることはない。この
ように、本実施例における出力制御回路として構成され
る演算処理回路は、制御手段(CPU201)から入力
される複数のパルス幅変調信号が駆動要求を示す信号値
状態(High)である場合に、駆動要求を解除した信
号値状態(Low)に変更して出力する構成を持つ。
【0081】高圧電源に対する出力信号:PWM1bが
駆動要求状態信号(High)の信号としてスイッチン
グ回路に出力されるのは、CPUからの信号:PWM2
aがLowの時のみであり、また、。高圧電源に対する
出力信号:PWM2bが駆動要求状態信号(High)
の信号としてスイッチング回路に出力されるのは、CP
Uからの信号:PWM1aがLowの時のみとなる。従
って、CPU等に異常が発生し、タイミング制御が不安
定となった場合でも、高圧電源側のスイッチング回路に
おいて異常電流が流れることがなく、スイッチング回路
および高圧電源の損壊発生を防止することが可能とな
る。
【0082】また、本構成は、ハードウェアによって出
力としての複数のPWM信号を制御する構成であり、ソ
フトウェア依存の異常検出、対応処理と異なり、外乱、
ノイズによる動作の不安定さを招くことがなく、確実な
異常信号入力防止が達成される。
【0083】なお、図4に示す排他論理和(EX−O
R)回路321,323、およびアンド(AND)回路
322、324から構成される出力制御回路は、上述し
た例では、MCU(マシンコントロールユニット)31
0内に設けた構成として説明したが、この出力制御回路
は、MCU(マシンコントロールユニット)310の外
部、例えば高圧電源(HVPS)330側に設けてもよ
く、あるいは、MCU(マシンコントロールユニット)
310と、高圧電源(HVPS)330の接続回路とし
て構成してもよい。
【0084】(PWM信号制御実施例2)次に、本発明
に係るPWM信号の出力制御回路構成の実施例2につい
て、図6を参照して説明する。
【0085】本実施例は、制御手段(CPU)から入力
される複数のスイッチング手段各々に対する入力パルス
幅変調信号の両信号とも入力対象の各々のスイッチング
手段の駆動要求を示す信号値状態である場合、いずれか
一方のスイッチング手段に対する駆動用信号の入力を遮
断する遮断回路を出力制御手段として有する構成であ
る。遮断回路は、一方のスイッチング手段の駆動要求を
示す入力パルス幅変調信号値状態に応じて、他方のスイ
ッチング手段に対する駆動用信号としてのパルス幅変調
信号の入力の遮断動作を行なう回路構成を持つ。
【0086】図6の回路は、先に図2を参照して説明し
た高圧電源回路構成に対して、PWM1信号が駆動要求
状態信号(High)の場合に、PWM2信号がエラー
等により、駆動要求状態信号(High)となった場合
でも、駆動要求状態信号(High)となったPWM2
信号がスイッチング手段,503に伝達しないよう
に、PWM1信号が駆動要求状態信号(High)の場
合に動作する遮断手段,591を設け、また、PWM
2信号が駆動要求状態信号(High)の場合に、PW
M1信号がエラー等により、駆動要求状態信号(Hig
h)となった場合でも、駆動要求状態信号(High)
となったPWM1信号がスイッチング手段,502に
伝達しないように、PWM2信号が駆動要求状態信号
(High)の場合に動作する遮断手段,581を設
けた構成である。
【0087】本構成により、PWM1信号、PWM2信
号を出力するCPU等に異常が発生し、pwm信号出力
のタイミング制御が不安定となった場合でも、高圧電源
側のスイッチング手段への異常信号の入力が防止され、
負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能と
なる。
【0088】図6の回路構成について説明する。図6に
示すようにスイッチング手段,502、スイッチング
手段,503は、トランス501の一次側の一方のラ
インに接続される。トランス501の一次側の他方のラ
インは、トランス501入力電源(1/2Vcc)に接
続される。トランス501の二次側にはコンデンサ51
0、抵抗571が接続され、負荷に対する出力Vout
を出力する。スイッチング手段,502、スイッチン
グ手段,503には低圧安定化電源から供給されるV
cc、例えば+24VDCが供給される。トランス50
1の2次側からは、負荷に高圧出力Voutが供給され
る。
【0089】2つのスイッチング手段,502、スイ
ッチング手段,503には、MCU(図示せず)から
のパルス信号PWM1、PWM2がそれぞれ入力され
る。MCUでは、出力検出手段504からの検出値(M
on)と、目標値または基準値と比較して、その比較結
果に基づいて2つのパルスPWM1、PWM2を生成し
てそれぞれスイッチング手段,502、スイッチング
手段,503に出力する。なお、出力検出手段504
では、高圧出力を検出し、検知した高圧出力をMCUの
CPUにおいて検知可能な0〜5Vになるよう、分圧、
整流する処理を行なっている。
【0090】スイッチング手段,502、スイッチン
グ手段,503ではMCUから入力されるPWM1、
PWM2に従って、トランジスタ等によって構成される
スイッチング手段のオン/オフが制御され、所定形状の
出力波形(矩形波)を生成する。スイッチング手段,
502、スイッチング手段,503に入力されるPW
M1.PWM2のデューティ値により、出力波形のVp
−pが設定され、PWM1、PWM2のディレイ(遅延
時間)によって出力波形のデューティが設定され、PW
M1、PWM2の周波数によって出力波形の周波数が設
定される。
【0091】出力検出手段504には、オペアンプ56
2が備えられており、オペアンプ562の反転入力は、
自身の出力端に接続されており、オペアンプ562の非
反転入力端は、抵抗561を介してダイオード564、
コンデンサ563からなる平滑回路に接続されている。
また、オペアンプ562の出力端は抵抗561を介して
制御部に接続され、モニター値(Mon)を出力する。
【0092】スイッチング手段,502は、トランジ
スタ552,553と、複数の抵抗551を有し、スイ
ッチング手段,503は、トランジスタ554,55
5,556と複数の抵抗551を有する。スイッチング
手段,502のトランジスタ553と、スイッチング
手段,503のトランジスタ556はトランス501
の1次巻線に接続され、それぞれのベースはMCUから
のPWM信号をトランジスタおよび抵抗を介して入力す
る。
【0093】スイッチング手段,502、スイッチン
グ手段,503に入力されるパルスの構成と、これら
のパルスに基づいて形成される出力波形は、先に図3を
参照して説明した通りであり、図3(a)がPWM1お
よびPWM2信号により形成される出力波形の例であ
る。出力波形の上段ラインと下段ラインとの差分がVp
−p、波形の上段領域と下段領域との比率がデューテ
ィ、波形の間隔が周波数を定義する要素に対応する。
【0094】スイッチング手段,502には、図3
(b)のPWM1信号が入力され、スイッチング手段
,503には、図3(c)のPWM2信号が入力され
る。ここで(b)PWM1は、(a)出力波形の立上が
り部分を決定する信号であり、一方、(c)PWM2
は、(a)出力波形の立下がり部分を決定する信号であ
る。
【0095】すなわち、PWM1によるトランス501
の1次側LC共振により、2次側コンデンサ510へ充
電し、PWM2にて放電する。この繰り返しにより、図
3(a)の出力波形が生成される。このように、出力波
形の立上がり部分を決定する信号としてのPWM1、出
力波形の立下がり部分を決定する信号としてのPWM2
により、図3(a)に示すような出力波形が出力され
る。
【0096】図6の回路には、PWM1信号が駆動要求
状態信号(High)の場合に、PWM2信号がエラー
等により、駆動要求状態信号(High)となった場合
でも、駆動要求状態信号(High)となったPWM2
信号をスイッチング手段,503に伝達させないため
に、PWM1信号が駆動要求状態信号(High)の場
合に動作する遮断手段,591が設けられている。ま
た、PWM2信号が駆動要求状態信号(High)の場
合に、PWM1信号がエラー等により、駆動要求状態信
号(High)となった場合でも、駆動要求状態信号
(High)となったPWM1信号がスイッチング手段
,502に伝達しないように、PWM2信号が駆動要
求状態信号(High)の場合に動作する遮断手段,
581を設けられている。
【0097】遮断手段,581は、トランジスタ58
2、抵抗583,584によって構成され、遮断手段
,591は、トランジスタ592、抵抗593,59
4によって構成されている。遮断手段,581のトラ
ンジスタ582のベースは、PWM2信号ラインに接続
され、コレクタがPWM1信号ラインに接続され、エミ
ッタが接地された構成を持つ。遮断手段,581のト
ランジスタ582は、PWM2がHighとなることで
動作する。遮断手段,591のトランジスタ592の
ベースは、PWM1信号ラインに接続され、コレクタが
PWM2信号ラインに接続され、エミッタが接地された
構成を持つ。遮断手段,591のトランジスタ592
は、PWM1がHighとなることで動作する。
【0098】PWM1信号がHighである場合、遮断
手段,591のトランジスタ592のベースにHig
h信号が伝達されトランジスタ592はオン状態とな
る。この時、MCU側のCPUエラーによりPWM2信
号がHighになってしまった場合、PWM2信号のH
ighに相当する電流は、オン状態にあるトランジスタ
592を介して放電され、スイッチング手段,503
に伝達されることがない。
【0099】また、PWM2信号がHighである場
合、遮断手段,581のトランジスタ582のベース
にHigh信号が伝達されトランジスタ582はオン状
態となる。この時、MCU側のCPUエラーによりPW
M1信号がHighになってしまった場合、PWM1信
号のHigh状態によって生じた電流は、オン状態にあ
るトランジスタ582を介して放電され、スイッチング
手段,502に伝達されることがない。
【0100】このように、PWM1、PWM2がCPU
エラー等により、同時に駆動要求状態信号(High)
となった場合であっても、スイッチング手段,50
2、スイッチング手段,503に対して、同時に駆動
要求状態信号(High)信号が入力されることが防止
さる。従って、異常信号の高圧電源側のスイッチング手
段への入力が防止され、負荷ダメージ、高圧電源破損を
未然に防ぐことが可能となる。
【0101】また、本構成は、ハードウェアによって出
力としての複数のPWM信号を制御する構成であり、ソ
フトウェア依存の異常検出、対応処理と異なり、外乱、
ノイズによる動作の不安定さを招くことがなく、確実な
異常信号入力防止が達成される。
【0102】なお、図6に示す遮断手段,581、遮
断手段,591は、上述した例では、高圧電源(HV
PS)内に設けた構成例として説明したが、これらの遮
断手段は、MCU(マシンコントロールユニット)内、
あるいは、MCU(マシンコントロールユニット)と、
高圧電源(HVPS)の接続回路内に構成してもよい。
【0103】(PWM信号制御実施例3)次に、本発明
に係るPWM信号の出力制御回路構成の実施例3につい
て、図7を参照して説明する。
【0104】本実施例は、制御手段(CPU)から入力
される複数のスイッチング手段各々に対する入力パルス
幅変調信号の両信号とも入力対象の各々のスイッチング
手段の駆動要求を示す信号値状態である場合、いずれか
一方のスイッチング手段に対する駆動用信号の入力を遮
断する遮断回路を出力制御手段として有する構成であ
る。遮断回路は、一方のスイッチング手段の駆動要求を
示す入力パルス幅変調信号値状態に応じて、他方のスイ
ッチング手段に対する駆動用信号としての基準信号の入
力の遮断動作を行なう回路構成を持つ。
【0105】図7の回路は、スイッチング手段,60
2、スイッチング手段,603の各々に基準電圧お
よび基準電圧(例えば5V)を入力する構成を有す
る。CPUから入力するPWM1信号、PWM2信号の
入力に応じて、基準電圧によりスイッチング手段,6
02、スイッチング手段,603のスイッチング動作
をより確実に実行する構成としたものである。
【0106】基準電圧入力型の高圧電源構成において、
図7に示す回路構成では、PWM1信号が駆動要求状態
信号(High)の場合に、PWM2信号がエラー等に
より、駆動要求状態信号(High)となった場合で
も、スイッチング手段,603が動作しないように、
スイッチング手段,603に対する基準電圧(5
V)の入力を、PWM1信号がHighの場合に動作す
る遮断手段,691により遮断する構成としている。
【0107】また、PWM2信号が駆動要求状態信号
(High)の場合に、PWM1信号がエラー等によ
り、駆動要求状態信号(High)となった場合でも、
スイッチング手段,602が動作しないように、スイ
ッチング手段,602に対する基準電圧(5V)の
入力を、PWM2信号がHighの場合に動作する遮断
手段,681により遮断する構成を持つ。
【0108】従って、PWM1信号、PWM2信号を出
力するCPU等に異常が発生し、各PWM信号出力タイ
ミング制御が不安定となった場合でも、異常信号の高圧
電源側のスイッチング手段への入力が防止され、負荷ダ
メージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となる。
【0109】図7の回路構成について説明する。図7に
示すようにスイッチング手段,602、スイッチング
手段,603は、トランス601の一次側の一方のラ
インに接続される。トランス601の一次側の他方のラ
インは、トランス601入力電源(1/2Vcc)に接
続される。トランス601の二次側にはコンデンサ61
0、抵抗671が接続され、負荷に対する出力Vout
を出力する。スイッチング手段,602、スイッチン
グ手段,603には低圧安定化電源から供給されるV
cc、例えば+24VDCが供給される。トランス60
1の2次側からは、負荷に高圧出力Voutが供給され
る。
【0110】2つのスイッチング手段,602、スイ
ッチング手段,603には、MCU(図示せず)から
のパルス信号PWM1、PWM2がそれぞれ入力され
る。MCUでは、出力検出手段604からの検出値(M
on)と、目標値または基準値と比較して、その比較結
果に基づいて2つのパルスPWM1、PWM2を生成し
てそれぞれスイッチング手段,602、スイッチング
手段,603に出力する。なお、出力検出手段604
では、高圧出力を検出し、検知した高圧出力をMCUの
CPUにおいて検知可能な0〜5Vになるよう、分圧、
整流する処理を行なっている。
【0111】スイッチング手段,602、スイッチン
グ手段,603では、それぞれ基準電圧、の入力
部を持ち、MCUから入力されるPWM1、PWM2に
従って、トランジスタ721,761の動作が制御さ
れ、さらにトランジスタ711,751の動作が制御さ
れ、その結果、スイッチング手段のトランス601接続
部のトランジスタ653,656のオン/オフが制御さ
れ、所定形状の出力波形(矩形波)を生成する。
【0112】スイッチング手段,602、スイッチン
グ手段,603に入力されるPWM1.PWM2のデ
ューティ値により、出力波形のVp−pが設定され、P
WM1、PWM2のディレイ(遅延時間)によって出力
波形のデューティが設定され、PWM1、PWM2の周
波数によって出力波形の周波数が設定される。
【0113】出力検出手段604には、オペアンプ66
2が備えられており、オペアンプ662の反転入力は、
自身の出力端に接続されており、オペアンプ662の非
反転入力端は、抵抗661を介してダイオード664、
コンデンサ663からなる平滑回路に接続されている。
また、オペアンプ662の出力端は抵抗661を介して
制御部に接続され、モニター値(Mon)を出力する。
【0114】スイッチング手段,602は、トランジ
スタ652,653,711,721と、複数の抵抗6
51,712,722を有し、スイッチング手段,6
03は、トランジスタ654,655,656,75
1,761と複数の抵抗651,752,762を有す
る。スイッチング手段,602のトランジスタ653
と、スイッチング手段,603のトランジスタ656
はトランス601の1次巻線に接続され、それぞれのベ
ースは、各スイッチング手段にトランジスタおよび抵抗
を介して入力する基準電圧,が接続され、MCUか
らのPWM1信号またはPWM2信号に基づいて動作制
御がなされる。
【0115】スイッチング手段,602、スイッチン
グ手段,603に入力されるパルスの構成と、これら
のパルスに基づいて形成される出力波形は、先に図3を
参照して説明した通りであり、図3(a)がPWM1お
よびPWM2信号により形成される出力波形の例であ
る。出力波形の上段ラインと下段ラインとの差分がVp
−p、波形の上段領域と下段領域との比率がデューテ
ィ、波形の間隔が周波数を定義する要素に対応する。
【0116】スイッチング手段,602には、図3
(b)のPWM1信号が入力され、スイッチング手段
,603には、図3(c)のPWM2信号が入力され
る。ここで(b)PWM1は、(a)出力波形の立上が
り部分を決定する信号であり、一方、(c)PWM2
は、(a)出力波形の立下がり部分を決定する信号であ
る。
【0117】すなわち、PWM1によるトランス601
の1次側LC共振により、2次側コンデンサ610へ充
電し、PWM2にて放電する。この繰り返しにより、図
3(a)の出力波形が生成される。このように、出力波
形の立上がり部分を決定する信号としてのPWM1、出
力波形の立下がり部分を決定する信号としてのPWM2
により、図3(a)に示すような出力波形が出力され
る。
【0118】図7の回路には、PWM1信号が駆動要求
状態信号(High)の場合に、PWM2信号がエラー
等により、駆動要求状態信号(High)となった場合
でも、スイッチング手段,603が動作しないよう
に、スイッチング手段,603に対する基準電圧
(5V)の入力を、PWM1信号がHighの場合に動
作する遮断手段,691が設けられている。また、P
WM2信号が駆動要求状態信号(High)の場合に、
PWM1信号がエラー等により、駆動要求状態信号(H
igh)となった場合でも、スイッチング手段,60
2が動作しないように、スイッチング手段,602に
対する基準電圧(5V)の入力を、PWM2信号がH
ighの場合に動作する遮断手段,681が設けられ
ている。
【0119】遮断手段,681は、トランジスタ68
2、抵抗683,684によって構成され、遮断手段
,691は、トランジスタ692、抵抗693,69
4によって構成されている。遮断手段,681のトラ
ンジスタ682のベースは、PWM2信号ラインに接続
され、コレクタがスイッチング手段,602に対する
基準電圧(5V)入力ラインに接続され、エミッタが
接地さた構成を持つ。遮断手段,681のトランジス
タ682は、PWM2がHighとなることで動作す
る。
【0120】遮断手段,691のトランジスタ692
のベースは、PWM1信号ラインに接続され、コレクタ
がスイッチング手段,603に対する基準電圧(5
V)入力ラインに接続され、エミッタが接地された構成
を持つ。遮断手段,691のトランジスタ692は、
PWM1がHighとなることで動作する。
【0121】PWM1信号がHighである場合、遮断
手段,691のトランジスタ692にHigh信号が
伝達されトランジスタ692はオン状態となる。この
時、MCU側のCPUエラーによりPWM2信号がHi
ghになってしまった場合でも、スイッチング手段,
603に対する基準電圧(5V)は、遮断手段,6
91のトランジスタ692内のオン状態にあるトランジ
スタ692を介して放電され、スイッチング手段,6
03に伝達されることがなく、スイッチング手段,6
03は動作しない。
【0122】また、PWM2信号がHighである場
合、遮断手段,681のトランジスタ682にHig
h信号が伝達されトランジスタ682はオン状態とな
る。この時、MCU側のCPUエラーによりPWM1信
号がHighになってしまった場合でも、スイッチング
手段,602に対する基準電圧(5V)は、遮断手
段,681のトランジスタ682がオン状態にあるた
め、トランジスタ682を介して放電され、スイッチン
グ手段,602に伝達されることがなく、スイッチン
グ手段,602は動作しない。
【0123】このように、PWM1、PWM2がCPU
エラー等により、同時にHighとなった場合であって
も、スイッチング手段,602、スイッチング手段
,603に対する基準電圧入力が遮断されることにな
るため、スイッチング手段,602、スイッチング手
段,603に対して同時に信号が入力されることが防
止さる。従って、異常信号の高圧電源側のスイッチング
手段への入力が防止され、負荷ダメージ、高圧電源破損
を未然に防ぐことが可能となる。
【0124】また、本構成は、ハードウェアによって出
力としての複数のPWM信号を制御する構成であり、ソ
フトウェア依存の異常検出、対応処理と異なり、外乱、
ノイズによる動作の不安定さを招くことがなく、確実な
異常信号入力防止が達成される。
【0125】なお、図7に示す遮断手段,681、遮
断手段,691は、上述した例では、高圧電源(HV
PS)内に設けた構成例として説明したが、これらの遮
断手段は、MCU(マシンコントロールユニット)内、
あるいは、MCU(マシンコントロールユニット)と、
高圧電源(HVPS)の接続回路内に構成してもよい。
【0126】以上、特定の実施例を参照しながら、本発
明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成
し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で
本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべ
きではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に
記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0127】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の電源装置
によれば、複数のパルス幅変調信号(PWM信号)に基
づいて駆動するスイッチング回路を持つ電源装置におい
て、駆動信号となる複数のパルス幅変調信号(PWM信
号)のスイッチング回路に対する入力エラーを確実に防
止する出力制御回路を構成したので、スイッチング回路
に対するPWM信号の入力エラーが発生せず、負荷ダメ
ージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となる。
【0128】また、本発明の電源装置によれば、複数の
パルス幅変調信号(PWM信号)に基づいて駆動するス
イッチング回路を持つ電源装置において、スイッチング
回路の前段にハードウェアによって構成した出力制御回
路を設けた構成としたので、ソフトウェア依存の異常検
出、対応処理と異なり、外乱、ノイズによる動作の不安
定さを招くことがなく、スイッチング回路に対する異常
信号入力を確実に防止することができる。
【0129】また、本発明の電源装置によれば、マシン
コントロールユニットにおいて生成する複数のパルス幅
変調信号:PWM1、PWM2を演算処理回路によって
構成される出力制御回路に入力し、演算処理後に、スイ
ッチング回路に出力する構成とし、PWM1、PWM2
が同時に駆動要求状態(High)にあるとき、演算処
理回路において信号値を変更して非駆動要求信号値とし
てスイッチング手段に出力する構成としたので、スイッ
チング回路に対する異常信号入力を確実に防止し、安全
な制御が実現される。
【0130】また、本発明の電源装置によれば、複数の
パルス幅変調信号:PWM1、PWM2に基づいて駆動
する複数のスイッチング回路を持つ電源装置において、
各スイッチング回路の前段に、一方のスイッチング回路
に対する入力PWM信号が駆動要求状態信号(Hig
h)のときに、他方のスイッチング回路に対する入力P
WM信号が駆動要求状態信号(High)となった場合
でも、その入力を遮断する、ハードウェアによって構成
した遮断回路を設けたので、外乱、ノイズによる動作の
不安定さを招くことがなく、スイッチング回路に対する
異常信号入力を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電源装置の構成ブロック図である。
【図2】 電源装置の回路構成の詳細を示す図である。
【図3】 本発明の電源装置に適用されるスイッチング
回路に入力するPWM信号との出力波形の対応を説明す
る図である。
【図4】 本発明の電源装置における出力制御回路構成
例(実施例1)を示す図である。
【図5】 図4に示す出力制御回路構成例(実施例1)
における入出力信号、各演算手段の出力状態の対応を示
す図である。
【図6】 本発明の電源装置における出力制御回路構成
例(実施例2)を示す図である。
【図7】 本発明の電源装置における出力制御回路構成
例(実施例3)を示す図である。
【図8】 高圧電源を用いたカラー印刷装置の構成を示
す図である。
【図9】 矩形波の制御態様を説明する図である。
【図10】 従来の電源装置の構成ブロック図である。
【図11】 従来の電源装置におけるフィードバック制
御処理フローを示す図である。
【符号の説明】
100 高圧電源、101 トランス 102,103 スイッチング回路 104 出力検出回路、200 マシンコントロールユ
ニット 201 CPU、202 出力制御回路 203 A/D変換器、250 出力負荷 110 コンデンサ、151 抵抗 152,153,154,155,156 トランジス
タ 161抵抗、162 オペアンプ 163 コンデンサ、164 ダイオード、 171
抵抗 310 マシンコントロールユニット、320 ASI
C 321,323 排他論理和(EX−OR)回路 322,324 アンド回路 330 高圧電源(HVPS) 331 第1スイッチング回路、332 第2スイッチ
ング回路 333 昇圧回路、334 出力検出部、340 CP
U 501 トランス、502,503 スイッチング回路 504 出力検出回路、 510 コンデンサ、551
抵抗 552,553,554,555,556 トランジス
タ 561抵抗、562 オペアンプ 563 コンデンサ、564 ダイオード、 571
抵抗 581,591 遮断手段、582,592 トランジ
スタ 583,584,593,594 抵抗 601 トランス、602,603 スイッチング回路 604 出力検出回路、 610 コンデンサ、651
抵抗 652,653,654,655,656 トランジス
タ 661抵抗、662 オペアンプ 663 コンデンサ、664 ダイオード、 671
抵抗 681,691 遮断手段、682,692 トランジ
スタ 683,684,693,694 抵抗 711,751 トランジスタ、 712,731,752,771 抵抗 801 感光体、802 帯電器、803 現像器 804 一次転写器、805 剥離器 806 二次転写器、807 中間転写体 810 高圧電源、811 スイッチ回路 812 トランス、813 2次側回路 820 マシンコントロールユニット、821 CPU 830 出力負荷、 850 高圧電源、851 スイッチ回路 852 トランス、853 2次側回路 860 マシンコントロールユニット、861 CPU 870 出力負荷、

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力電力が供給される一次巻線と、電力が
    出力される二次巻線とを持つトランスと、前記一次巻線
    に直列に接続され、パルス幅信号に基づいてスイッチン
    グをするスイッチング手段と、前記トランスの二次側出
    力を検出する検出手段とを有し、前記検出手段の検出値
    に基づいてフィードバック制御を行なう電源装置におい
    て、 前記検出手段の検出値を入力し、前記トランスの二次側
    出力波形生成制御に適用するパルス幅変調信号を生成す
    る制御手段であり、各々が異なる波形生成処理制御を実
    行する複数のパルス幅変調信号を、前記検出値に応じて
    生成する制御手段と、 前記制御手段の生成する複数のパルス幅変調信号を入力
    し、該複数のパルス幅変調信号各々の相対的な信号値状
    態に応じて、スイッチング手段に対する入力信号の変更
    処理または遮断処理を実行する回路構成を持つ出力制御
    手段と、 前記出力制御手段による出力制御処理のなされたパルス
    幅変調信号を入力し、該入力信号に基づくスイッチング
    動作により、前記トランスの二次側出力波形生成を実行
    する複数のスイッチング手段と、 を有することを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】前記スイッチング手段は、 第1のパルス幅変調信号を入力し、前記トランスの二次
    側出力波形の立上がりを制御する第1のスイッチング手
    段と、 第2のパルス幅変調信号を入力し、前記トランスの二次
    側出力波形の立下がりを制御する第2のスイッチング手
    段とによって構成され、 前記制御手段は、 前記第1のパルス幅変調信号(PWM1)、および前記
    第2のパルス幅変調信号(PWM2)の生成処理を実行
    する構成を有し、 前記出力制御手段は、 前記第1のパルス幅変調信号(PWM1)、および前記
    第2のパルス幅変調信号(PWM2)、両信号共に駆動
    要求を示す信号値状態で各スイッチング手段へ入力され
    ることを阻止する回路構成を有することを特徴とする請
    求項1に記載の電源装置。
  3. 【請求項3】前記出力制御手段は、 前記制御手段の生成する複数のパルス幅変調信号を入力
    し、 該複数のパルス幅変調信号が駆動要求を示す信号値状態
    で前記制御手段から入力された場合に、駆動要求を解除
    した信号値状態に変更して出力する演算処理回路によっ
    て構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載
    の電源装置。
  4. 【請求項4】前記出力制御手段は、 前記制御手段から入力された複数のスイッチング手段各
    々に対する入力パルス幅変調信号の両信号とも入力対象
    の各々のスイッチング手段の駆動要求を示す信号値状態
    で前記制御手段から入力された場合、いずれか一方のス
    イッチング手段に対する駆動用信号の入力を遮断する遮
    断回路によって構成され、 前記遮断回路は、一方のスイッチング手段の駆動要求を
    示す入力パルス幅変調信号値状態に応じて、他方のスイ
    ッチング手段に対する駆動用信号の入力の遮断動作を行
    なう回路構成を持つことを特徴とする請求項1または2
    に記載の電源装置。
  5. 【請求項5】前記遮断回路によって遮断される駆動用信
    号は、スイッチング手段に対して入力されるパルス幅変
    調信号、または基準信号のいずれかであることを特徴と
    する請求項4に記載の電源装置。
  6. 【請求項6】前記制御手段は、 前記トランスの二次側出力波形のデューテイ値、周波
    数、およびVp−pの変更処理のすべてを、前記複数の
    パルス幅変調信号の更新処理によって実行する構成を有
    することを特徴とする請求項1または2に記載の電源装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015186425A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 三菱電機株式会社 インバータ制御回路

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