JP4419399B2 - 電源装置 - Google Patents

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JP4419399B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源装置、特にプリンタ、複写機等の画像形成装置に適用可能な電源装置に関する。さらに詳細には、プリンタ、複写機等の帯電装置、転写装置、現像装置等に適用可能な電源装置に関する
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機等の画像形成装置は、感光体ドラムを帯電装置にて一様に帯電し、露光装置にて静電潜像を形成し、トナー像を現像装置で形成し、転写装置でトナー像を用紙に転写した後、出力する。
【0003】
図13は、画像形成装置の感光体回りの構成を示す図である。感光体801は、図示しないモータにより駆動されて回転する。この感光体801の周囲には、帯電器802が備えられ、帯電器802により感光体801が一様に帯電された後、例えばラスター出力スキャン(ROS)において像を出力する。ROSが実行する機能は、一連の変調されたスキャン・ラインをもって感光体表面を連続的にスキャンすることにより、感光性の表面上に出力イメージ・コピーを露光することである。感光体801上に形成された静電潜像は、現像器803により現像され、感光体801上に形成されたトナー像は、転写器804により用紙上に転写される。用紙への転写後、剥離(デタック)装置で用紙を感光体から剥離し、ヒューザー装置において用紙にトナーを定着して、画像を出力する。
【0004】
上記構成において、帯電器802は感光体801に接触しており、帯電器用高圧電源812により帯電用バイアスが印加され、感光体801を一様に帯電する。また、現像器803装置を構成する現像ロール808は、感光体801に近接して配置され、帯電したトナーをその表面に担持して回転し、そのトナーを感光体801に向き合う現像位置に運ぶ。また、現像ロール808には、現像器用高圧電源813から、現像バイアスが印加される。この現像バイアスの印加により現像ロールの表面に担持されたトナーが感光体801に飛翔し、感光体801上にトナー像が形成される。
【0005】
また、転写器804は、感光体801に接触した状態に配置されて回転し、転写用高圧電源814により転写バイアスが印加され、感光体801と転写器804との間に挿入された用紙上にトナー像を転写させる。これら、帯電器用高圧電源812、現像器用高圧電源813、および転写器用高圧電源814は、制御回路により出力が制御される。
【0006】
昨今のプリンタ・複写機等は市場での高機能/高画質を売りとする高性能型と、必要最小限の機能で安さを売りとする廉価型とおおよそ二分される。高性能型機の場合、高画質を達成するために高圧電源に求められることは、感光体周りの帯電器、現像器等への高圧出力を精度良く印加する必要がある。精度とは印加タイミング精度、設定電位精度等があり、特に画質に直接かかわる帯電器用、現像器用、転写器用の高圧電源の回路設計には設定電位をいかに良く設計するかが問われる。
【0007】
一般的なアナログ制御方式の高圧電源構成を示すブロック図を図14に示す。図14に示すように、高圧電源820は出力負荷828に対して、転写、帯電など、負荷に応じた所定の出力を行なう。アナログ制御では、高圧電源820の出力タイミング、出力値情報は、制御手段(MCU:マシンコントロールユニット)から出力される制御信号(ON/OFF信号,出力値情報信号)により制御される。
【0008】
高圧電源820は、昇圧トランス821、トランスの1次側印加電圧を周期的にスイッチングするスイッチング回路822、トランスの2次側で所望の出力波形を生成する整流回路を含む2次側回路823と出力状態量を検出する第1検出回路824、第2検出回路825を有する。
【0009】
高圧電源820への出力ONOFFタイミング、出力値情報は、MCUより送られる。MCUより送られる制御信号は、制御回路826に送られ、制御回路826は第1検出回路824からの情報と比較し、その差分からスイッチング回路(Sw回路)822へ送る信号を更新する。その繰り返しにより、負荷側の出力が出力値情報信号に基づく値に制御される。また、第2検出回路825は出力負荷条件の異常を検出する回路であり、例えば、第1検出回路824が負荷に流れる電流を検出し、高圧電源が定電流制御を行っている場合は、第2検出回路825は負荷に印加される電圧を検出し、過剰な電圧にならないよう監視し、一定値以上の値を検出した場合は、制御回路に異常状態を通知し、出力抑制や停止の保護動作を行う。つまり、異常値を超えた時点で保護動作に入ることとなる。
【0010】
近年のCPU性能の向上に伴い、高圧出力をソフトウエアで制御する高圧電源が提案されている。制御方法は、高圧出力の状態量を検出回路で検出し、検出値をCPU等のA/D変換機構によりデジタル変換し、プログラムにより制御するべき目標値との差異を判断する。その結果により、高圧電源の出力を増減させるPWM信号のデューティ(Duty)値を変化させ、目標値に近づける制御を実行する。このようなデジタル制御方式では、ソフトウエアで高圧電源が制御可能なため、従来必要だったオペアンプ(OPAmp)等のアナログ制御回路が必要なくなり、制御回路のコストダウン、実装スペースの縮小が達成される。
【0011】
最近コスト面の優位性からプログラム制御よる高圧電源が多く利用されている。プログラム制御よる高圧電源の構成例を図15に示す。図15に示すように、高圧電源840は、昇圧トランス841、トランスの1次側印加電圧を周期的にスイッチングするスイッチング回路842、トランスの2次側で所望の出力波形を生成する整流回路を含む2次側回路843と出力状態量を検出する第1検出回路844、第2検出回路845を有する。
【0012】
高圧電源840の出力は、制御手段830のCPU831を利用したプログラミングによるデジタル制御によりコントロールされる。第1検出回路844が負荷に流れる電流を検出し、高圧電源が定電流制御を行っている場合は、第2検出回路845は負荷に印加される電圧を検出し、過剰な電圧にならないよう監視し、一定値以上の値を検出した場合は、制御回路に異常状態を通知し、出力抑制や停止の保護動作を行う。
【0013】
第1検出回路844、第2検出回路845により検出された状態量をA/D変換器833によりデジタル変換を行ない、高圧電源が制御すべき目標値とを比較し、その比較結果に応じてパルス発振器832によってスイッチング手段842に与えるPWM信号のデューティ(Duty)値を制御する。スイッチング手段842は、パルス幅信号に基づいて入力電圧をスイッチングして出力制御を実行する。このように、制御手段830から出力される制御信号は、高圧電源840の検出回路の検知結果に基づいて制御されたデューティ値を持つPWM信号である。
【0014】
制御手段830による制御は、2次側検出回路の結果をA/Dでデジタル値に変換し、制御目標値と比較し、その結果から、SW回路842に与えるPWM信号のDuty値を更新するものである。このような制御の場合、モニタ情報を取得する必要があり、サンプリング時間が存在する。概ね、10〜20ms毎にモニタ値を取得し、PWM信号のDuty値を更新している。そのため、On直後の立ち上がり時間を短縮するために、ステップ状に立ち上げることが一般的である。
【0015】
図16に高圧電源の主要構成であるスイッチング回路、トランス、整流平滑回路等によって構成される2次側回路、電流検出回路、電圧検出回路の具体的構成例を示す。
【0016】
電流検出回路864は、抵抗881により出力電流を検出する。電流検出回路864には、オペアンプ879が備えられており、オペアンプ879の反転入力は、自身の出力端に接続されており、オペアンプ879の非反転入力端は、抵抗880を介して検出側の一端が接地された抵抗881の他端と整流平滑回路間に接続されている。また、オペアンプ879の出力は抵抗878を介して制御部に接続され、検出値を出力する。
【0017】
電圧検出回路865は、整流平滑回路863によって生成された出力電圧を検出する。電圧検出回路865には、オペアンプ884が備えられており、オペアンプ884の非反転入力は接地されており、オペアンプ884の反転入力端は、抵抗885を介して整流平滑回路に接続されているとともに、抵抗883を介してオペアンプ884の出力端が接続され、オペアンプ884の出力は抵抗882を介して制御部に接続され、検出値を出力する。
【0018】
整流平滑回路863は、トランス862の2次側に接続されたダイオード874,877、コンデンサ875,876を備えており、トランス862によって昇圧された交番電流をダイオード874,877、コンデンサ875,876の組み合わせにより整流し平滑し、抵抗886を介して出力を負荷側に提供する。
【0019】
スイッチング回路861は、トランジスタ873を含み、トランジスタ873のコレクタはトランス862の1次巻線に接続され、エミッタは接地され、ベースは抵抗871を介してパルス発振器に接続されているとともに、抵抗872の他端に接続されている。
【0020】
CPUを備えた制御手段であるマシンコントロールユニット(MCU)からのPWM信号がハイレベルであるときにトランジスタ873がオンされ、PWM信号がローレベルであるときにトランジスタ873がオフされる。従って、トランジスタ873はPWM信号のデューティに応じた期間でオン/オフの状態を交互に繰り返すので、PWM信号のデューティに応じてトランス862の1次側の入力電圧の印加、非印加を交互に行なうことになる。
【0021】
上述したように、電流検出回路864、電圧検出回路865には、それぞれオペアンプが備えられており、各オペアンプの出力端は抵抗を介して制御部(MCU)に接続され、それぞれ電流検出値、電圧検出値を出力する。
【0022】
なお、電圧検出回路865は高圧出力を検出し、検出した高圧出力をMCUのA/D変換器において検知可能な0〜5Vになるよう、分圧等を行なっている。また、電流検出回路864においては、MCUのA/D変換器で検出可能となるよう電流を電圧に変換する処理を行なっている。
【0023】
MCUは、A/D変換器を有し、電流検出回路864、電圧検出回路865からの検出電圧を入力し、デジタル値に変換した後、CPUに入力する。CPUは、出力に対応するデジタル値と目標値との乖離を判定し、高圧電源側のスイッチング回路に与える新たなデューティ値を演算する。
【0024】
デューティ値に基づく出力制御例について、図17を参照して説明する。図17は、横軸に時間、縦軸に高圧電源の二次側の電流モニタ値を示しているグラフである。▲1▼時刻0時点では任意に計算された値(例えばテーブル利用)からPWM信号のデューティ値が入力される。これが例えば10%とする。
【0025】
▲2▼その10%のデューティ値のPWM信号により、時刻1では電流モニター値が2Vとなる。次に設定されるデューティ値は一例として、以下の計算式により決定される。
次のDuty値=(目標値と現在のモニタ値の中間値/現在のモニタ値)×現在のDuty値
【0026】
例えば、図に示すように、目標値を4Vとすると、現在(時刻=1)のモニター値が2Vであるから中間値は3Vとなる。従って、計算されるデューティ値は、
次のデューティ値=(3V/2V)×10%=15%となる。
つまりデューティの増加率は1.5となる。
【0027】
負荷状態が正常範囲内であれば、上記式に伴い、電流検出結果と目標値との乖離から増加率を算出し、サンプリング時間ごとに次のデューティ値を決定する。その繰り返しにより徐々に目標値に近づける処理が行われる。サンプリング時間毎のデューティ値の遷移は、例えば以下のように行われる。
▲1▼Duty=10%
▲2▼Duty=(3/2)×10%=15%
▲3▼Duty=(3.5/3)×15%=17.5%
▲4▼Duty=(3.75/3.5)×17.5%=18.75%
【0028】
しかしながら、この方式でデューティ値を制御してフィードバック定電流制御を行うと、例えば負荷抵抗値が大きい場合、目標定電流値に届く前に、過電圧値に達してしまうことがある。プリンタあるいは複写機等においては、例えばプリントする用紙の厚さが厚い場合、あるいは気温の変化により負荷抵抗に変動が生じる。
【0029】
負荷抵抗値が大きい場合、電流モニタ値としてフィードバックされる値は小さくなり、デューティをより大きく設定する制御がなされることになる。例えば図18に示すような制御が実行される。(a)は電流値の変化を示し、(b)は電圧値の変化を示している。
【0030】
モニタ値としての電流値に基づくデューティ設定によるフィードバック制御を行う場合、負荷抵抗が大きいと、負荷側の電圧値は、(b)に示すように過電圧値を超えてしまうことがある。モニタ電流に基づくデューティ設定は例えば下記のように行われる。
▲1▼Duty=10%
▲2▼Duty=(2.25/0.5)×10%=45%
▲3▼Duty=(3.125/2.25)×45%=62.5%→過電圧発生
【0031】
このデューティ設定によっても電流値は、図18(a)に示すように目標値に達していないが、(b)に示すように、電圧値は、過電圧ポイントを超えてしまっている。従来は、この過電圧ポイントに達した時点、あるいはオーバーした時点で過電圧制御に移行することで、過電圧状態に留まることを防止する制御を行っていた。
【0032】
上記のように、デューティの増加率を大きく設定してしまうと、そのステップの大きさ如何では、図18(b)に示すように、負荷側に過大な電位が発生する場合があった。
【0033】
このような制御下において、例えばプリント処理、複写処理を実行してしまうと、例えば高圧電源の破損や、ロール型デバイス等の各種負荷側デバイスの破損を招くことになる。
【0034】
一方、この定電流制御で、負荷抵抗値が小さい場合には、その抵抗値により負荷側に最低限必要な電位が得られないという場合も発生し得る。例えば負荷側が転写部である場合に、転写に必要な最低電圧値に達しない場合がある。一例で示せば、定電流制御値が32μAであり、負荷側が過熱、磨耗等の様々な要因により抵抗値が減少し、負荷抵抗が20MΩとなったとすると、オームの法則より、制御の結果として得られる電位は640Vとなる。ここで、転写に最低必要な電位が1000Vとすると、必要電位までに届かないこととなる。
【0035】
このような負荷側抵抗値の減少時の制御例を図19に示す。(a)は電流値の変化を示し、(b)は電圧値の変化を示している。
【0036】
モニタ値としての電流値に基づくデューティ設定によるフィードバック制御を行う場合、負荷抵抗が小さいと、負荷側の電圧値は、(b)に示すように必要電位に至らないことがある。モニタ電流に基づくデューティ設定は例えば下記のように行われる。
▲1▼Duty=10%
▲2▼Duty=(3.75/3.5)×10%=10.7%
▲3▼Duty=(3.875/3.75)×10.7%=10.8%→増加率が小さいため、必要電圧値(例えば転写処理必要電位)に到達しない。
【0037】
このような制御下において、例えばプリント処理、複写処理を実行してしまうと、例えば転写抜け等、正常な印刷処理が実行されないことになる。
【0038】
このような負荷側の異常制御を防止するための従来構成として、例えば特許文献1には、過電流検出における保護機能を有する構成が示され、異常電流を検出するとスイッチング素子へのスイッチング信号を遮断する構成により、過電流時に回路保護を行うことが出来る構成を開示している。しかし、本構成は、異常を検知してからの回路保護であるため、サンプリング時間を有するデジタル制御方式では、その異常状態が次回サンプリングが行われるまでの間、継続してしまったり、急激な上昇時には破損の恐れがある。
【0039】
また、特許文献2は、デジタル制御方式でフィードバック信号が上限値を超えた時は異常と判断して異常時に回路保護を行う構成が開示されている。しかし、これも異常を検知してからの回路保護であるため、サンプリング時間を有するデジタル制御方式では、その異常状態が、次回サンプリングまでの間、継続してしまったり、急激な上昇時には破損の恐れがある。
【0040】
さらに、特許文献3には、高圧出力の異常放電を検出し、異常と判断した場合は停止保護を行うことにより、異常時に回路保護を行う構成が開示されている。しかし、これも異常を検知してからの回路保護であるため、サンプリング時間を有するデジタル制御方式では、その異常状態が次回サンプリングまでの間、継続してしまったり、急激な上昇時には破損の恐れがある。
【0041】
ロール型デバイスで特に転写器に利用される場合、環境変化や経時劣化により負荷抵抗値が変化する。有効な転写を行うためにJob開始前や、数十枚に1回程度の間隔でインピーダンス測定を行っている。方法は定電流制御を行い、その時の電圧値を検出する。その結果により、最適な転写電圧を決定する。
【0042】
このような場合、Job開始前や、数十枚に1回程度の間隔でインピーダンス測定を行うため、定電圧/定電流に制御回路を切り替える必要があり、よって停止時間が必要となってしまう。
【0043】
また、定電圧/定電流に切り替える場合は、さらに定電圧制御時には異常電流抑制するため、過電流保護回路が必要となり、また、定電流制御時には異常電圧抑制するため、過電圧保護回路が必要となり、回路が複雑となった。
【0044】
【特許文献1】
特開平10−210739
【特許文献2】
特開平11−237813
【特許文献3】
特開平11−249505
【0045】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、環境変化、処理条件の変化等に伴って変動のある負荷側の条件にかかわらず、負荷に対する正常な制御、すなわち過電圧の発生や、目標電圧値への未達等の問題を発生させることのない高精度な制御を実行可能とし、また、一定間隔で制御方法を変えてインピーダンス測定を行う場合でも、生産効率を落とすことのなく処理を行うことを可能であり、さらには定電流/定電圧の切り換え制御の場合でも、安価に保護機能を達成した電源装置を提供することを目的とする。
【0046】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、入力電力が供給される1次巻線と、電力が出力される2次巻線とを持つトランスと、前記トランスの2次側出力の負荷側電流値および負荷側電圧値を検出する検出手段と、前記検出手段の検出値に基づいて、前記トランスの1次巻線側に設けられたスイッチング手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段により前記トランスの2次側出力の制御を行なう電源装置であり;前記制御手段は、前記スイッチング手段に出力する制御信号としてデューティ値を変更設定したパルス幅変調信号(PWM信号)を出力する構成であり;前記検出手段の検出する前記負荷側電流値を第1モニタ値として入力し、前記負荷側電流値の目標値に徐々に近づけるための第1制御データ(電流検出増幅率Aともいう)を算出するとともに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の過電圧値に徐々に近づけるための第2制御データ(電圧検出増幅率Bともいう)を算出し;前記第1制御データおよび前記第2制御データは、前記デューティ値を変更設定するために適用するデューティ値増加率であり;前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きくない場合は、前記第1制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きい場合は、前記第2制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力することを特徴とする電源装置である。
【0053】
本構成によれば、パルス幅変調信号(PWM信号)に基づいて出力制御を実行する電源装置において、目標電流値と現在電流値(モニタI値)に基づいて算出される第1制御データ(第電流検出増幅率Aともいう)と、過電圧値と現在電圧値(モニタV値)に基づいて算出される第2制御データ(電圧検出増幅率Bともいう)との比較を実行し、小さいほうを選択して次期設定デューティ算出のための増幅率とすることで、過電圧ポイントをオーバーすることなく、過電圧ポイントでリミット制御が可能となり、デバイス破損等のトラブルを防ぐことが可能となる。
【0054】
請求項2に係る発明は、入力電力が供給される1次巻線と、電力が出力される2次巻線とを持つトランスと、前記トランスの2次側出力の負荷側電流値および負荷側電圧値を検出する検出手段と、前記検出手段の検出値に基づいて、前記トランスの1次巻線側に設けられたスイッチング手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段により前記トランスの2次側出力の制御を行なう電源装置であり;前記制御手段は、前記スイッチング手段に出力する制御信号としてデューティ値を変更設定したパルス幅変調信号(PWM信号)を出力する構成であり;前記検出手段の検出する前記負荷側電流値を第1モニタ値として入力し、前記負荷側電流値の目標値に徐々に近づける第1制御データ(電流検出増幅率Aともいう)を算出するとともに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の最小許容電圧値に徐々に近づけるための第3制御データ(電圧検出増幅率Cともいう)を算出し;前記第1制御データおよび前記第3制御データは、前記デューティ値を変更設定するために適用するデューティ値増加率であり;前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第3制御データがなすデューティ値増加率より小さくない場合は、前記第1制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より小さい場合は、前記第3制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力することを特徴とする電源装置である。
【0055】
本構成によれば、目標電流値と現在電流値(モニタI値)に基づいて算出される第1制御データ(電流検出増幅率Aともいう)と、最小許容電圧値と現在電圧値(モニタV値)に基づいて算出される第3制御データ(電圧検出増幅率Cともいう)とを算出して比較を実行し、大きいほうを選択して、選択した増幅率を適用して次期設定デューティを算出し制御を実行する構成としたので、最小許容電圧ポイントを下回った値に負荷側の電圧値が維持されてしまうことが防止され、負荷側デバイスによる正常動作が可能となる。例えば負荷側デバイスが転写装置である場合には、正常な転写処理が実行される。
【0058】
請求項3に係る発明は、入力電力が供給される1次巻線と、電力が出力される2次巻線とを持つトランスと、前記トランスの2次側出力の負荷側電流値および負荷側電圧値を検出する検出手段と、前記検出手段の検出値に基づいて、前記トランスの1次巻線側に設けられたスイッチング手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段により前記トランスの2次側出力の制御を行なう電源装置であり;前記制御手段は、前記スイッチング手段に出力する制御信号としてデューティ値を変更設定したパルス幅変調信号(PWM信号)を出力する構成であり;前記検出手段の検出する前記負荷側電流値を第1モニタ値として入力し、前記負荷側電流値の目標値に徐々に近づける第1制御データ(電流検出増幅率Aともいう)を算出するとともに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の過電圧値に徐々に近づけるための第2制御データ(電圧検出増幅率Bともいう)を算出し、さらに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の最小許容電圧値に徐々に近づけるための第3制御データ(電圧検出増幅率Cともいう)を算出し;前記第1制御データ、前記第2制御データ、および前記第3制御データは、前記デューティ値を変更設定するために適用するデューティ値増加率であり;前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きい場合は、前記第2制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きくない場合は、さらに、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第3制御データがなすデューティ値増加率より小さくないかどうかを判別し、小さくない場合は、前記第1制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より小さい場合は、前記第3制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力することを特徴とする電源装置である。
【0059】
本構成によれば、第1制御データ(電流検出増幅率Aともいう)と、第2制御データ(電圧検出増幅率Bともいう)と、第3制御データ(電圧検出増幅率Cともいう)との比較に基づいて定電流制御/過電圧制御/転写必要電圧制御の3つの状態遷移が可能となり、負荷側を過大な電位にすることなく、かつ、有効な最低電位を下回ることもない高精度制御が可能となる。また、制御手段に設定する制御プログラムは定電流制御/過電圧制御/転写必要電圧制御の制御を意識することなく各増幅率の値の比較のみで3つの状態遷移を行えるので簡素なプログラムにより、最適な増幅率の選択および最適自動制御が可能となる。
【0060】
請求項5に係る発明は、入力電力が供給される1次巻線と、電力が出力される2次巻線とを持つトランスと、前記トランスの2次側出力の負荷側電流値および負荷側電圧値を検出する検出手段と、前記検出手段の検出値に基づいて、前記トランスの1次巻線側に設けられたスイッチング手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段により前記トランスの2次側出力の制御を行なう電源装置であり;前記制御手段は、前記スイッチング手段に出力する制御信号としてデューティ値を変更設定したパルス幅変調信号(PWM信号)を出力する構成であり、かつ、定電流制御および定電圧制御を切り替えて実行し;定電流制御時には:前記検出手段の検出する前記負荷側電流値を第1モニタ値として入力し、前記負荷側電流値の目標値に徐々に近づけるための第1制御データを算出するとともに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の過電圧値に徐々に近づけるための第2制御データを算出し;前記第1制御データおよび前記第2制御データは、前記デューティ値を変更設定するために適用するデューティ値増加率であり;前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きくない場合は、前記第1制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きい場合は、前記第2制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し;定電圧制御時には:前記検出手段の検出する前記負荷側電流値を第1モニタ値として入力し、前記負荷側電流値の過電流値に徐々に近づける第1制御データを算出するとともに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の目標値に徐々に近づけるための第2制御データを算出し;前記第1制御データおよび前記第2制御データは、前記デューティ値を変更設定するために適用するデューティ値増加率であり;前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きくない場合は、前記第1制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きい場合は、前記第2制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力することを特徴とする電源装置である。
また、請求項4に係る発明は、請求項5に係る発明のうち、定電圧制御に関する部分に関し、入力電力が供給される1次巻線と、電力が出力される2次巻線とを持つトランスと、前記トランスの2次側出力の負荷側電流値および負荷側電圧値を検出する検出手段と、前記検出手段の検出値に基づいて、前記トランスの1次巻線側に設けられたスイッチング手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段により前記トランスの2次側出力の制御を行なう電源装置であり;前記制御手段は、前記スイッチング手段に出力する制御信号としてデューティ値を変更設定したパルス幅変調信号(PWM信号)を出力する構成であり、かつ、定電流制御および定電圧制御を切り替えて実行し;前記検出手段の検出する前記負荷側電流値を第1モニタ値として入力し、前記負荷側電流値の過電流値に徐々に近づける第1制御データを算出するとともに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の目標値に徐々に近づけるための第2制御データを算出し;前記第1制御データおよび前記第2制御データは、前記デューティ値を変更設定するために適用するデューティ値増加率であり;前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きくない場合は、前記第1制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きい場合は、前記第2制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力することを特徴とする電源装置である。
【0061】
請求項5に係る発明によれば、Job開始前や、数十枚に1回程度の間隔でインピーダンス測定を行うため、定電圧/定電流を切り替える必要がある場合でも、第1制御データ(電流検出増減率Aともいう)と、第2制御データ(電圧検出増減率Bともいう)との比較に基づいて定電流制御/定電圧制御の2つの状態遷移が可能となり、停止時間を必要としないため、生産性を落とすことなく高精度制御が可能となる。また、制御手段に設定する制御プログラムは定電流値/定電圧値を切り替えるだけで、ひとつのプログラムにより定電流制御/定電圧制御を意識することなく各増減率の値の比較のみで2つの状態遷移を行えるので簡素なプログラムにより、最適な増減率の選択および最適自動制御が可能となる。
請求項4に係る発明によれば、過電流を抑制しつつ定電圧制御を行うことができる。
【0062】
さらには、定電圧/定電流に切り替える場合にも、異常電流/電圧に対する保護回路を付加する必要がなく、制御手段に設定する制御プログラムは定電流値かつ過電圧値/定電圧値かつ過電流値を切り替えるだけで、ひとつのプログラムにより定電流制御/定電圧制御、さらには保護機能をも意識することなく各増減率の値の比較のみで2つの状態遷移を行えるので簡素なプログラムにより、最適な増減率の選択および最適自動制御が可能となる。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電源装置についての複数の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0064】
(実施例1)
本発明の電源装置構成例を図1に示す。図1に示すように、本発明の電源装置は、デジタル制御方式の高圧電源構成である。図1に示すように、高圧電源140は出力負荷150に対して負荷に応じた出力制御を行なう。負荷は、例えばプリンタ、複写機等における帯電装置、転写装置、現像装置等である。デジタル制御は、前述したようにプログラムで高圧電源140を制御する方式である。
【0065】
高圧電源140は、昇圧トランス141、トランス141の1次側印加電圧を周期的にスイッチングするスイッチング回路142、トランス141の2次側で所望の出力波形を生成する整流回路を含む2次側回路143と出力状態量を検出する第1検出回路144、第2検出回路145を有する。
【0066】
高圧電源140の出力は、制御手段130としてのマシンコントロールユニット(MCU)のCPU131を利用したプログラミングによるデジタル制御によりコントロールされる。第1検出回路144が負荷に流れる電流を検出し、第2検出回路145は負荷に印加される電圧を検出し、それぞれの検出値(モニタ値)を制御手段130側のA/D変換器133に入力する。
【0067】
第1検出回路144、第2検出回路145により検出された状態量はA/D変換器133によりデジタル変換がなされ、高圧電源が制御すべき目標値と比較される。その比較結果に応じてパルス発振器132によってスイッチング手段142に与えるPWM信号のデューティ(Duty)値を制御する。スイッチング手段142は、パルス幅信号に基づいて入力電圧をスイッチングして出力制御を実行する。
【0068】
本実施例1のデューティ制御は、第1検出回路144のモニタ値、すなわち負荷側電流検出結果と、第2検出回路145のモニタ値、すなわち負荷側電圧検出結果の双方を各サンプリングタイミングにおいて制御手段130において解析を行い、解析結果に基づいてデューティ設定を実行する。
【0069】
制御手段130は、第1検出回路144のモニタ値、すなわち負荷側電流検出結果(モニタ電流値)から得られる第1制御データ(電流検出増幅率Aともいう)、すなわち、目標電流値と、モニタ電流値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電流検出増幅率Aを算出する。
【0070】
さらに、制御手段130は、第2検出回路145のモニタ値、すなわち負荷側電圧検出結果(モニタ電圧値)に基づいて算出される第2制御データ(電圧検出増幅率Bともいう)、すなわち、予め設定された過電圧値と、モニタ電圧値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電圧検出増幅率Bを算出する。過電圧値とは、負荷側に印加される電圧値としての許容最大電圧値であり、通常の動作状態における目標電圧値よりやや高い値に設定される電圧値である。図1に示す制御手段130は、メモリ134に目標電流値データ、目標電圧値データ、過電圧値データ等を格納し、これらの格納データと各検出回路144,145からA/D変換器133に入力されデジタル変換されたモニタ値との比較をCPU131の制御の下に実行して次期のデューティ値設定を実行する。
【0071】
制御手段130は、各サンプリングタイミングにおいて、第1検出回路144の負荷側電流検出結果(モニタ電流値)と目標電流値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電流検出増幅率Aと、過電圧値と、モニタ電圧値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電圧検出増幅率Bとの比較を実行し、小さい増幅率を選択し、選択された小さい増幅率により次期デューティを設定し、設定デューティにより制御を実行する。
【0072】
すなわち、制御手段130は、目標電流値に対する現在電流値(モニタI値)の乖離幅に基づいて電流検出増幅率Aを算出し、これを第1制御用データとし、過電圧値に対する現在電圧値(モニタV値)の乖離幅に基づいて電圧検出増幅率Bを算出し、これを第2制御用データとし、これらのいずれかを選択して適用制御データとして、適用制御データに基づいて次期デューティを設定し、設定デューティを持つパルス幅変調信号(PWM信号)をスイッチング手段に出力する制御を実行する。
【0073】
電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Bは、下記式によって示される。
電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))
電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))
【0074】
制御手段130のCPU131は、上記電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Bとを算出して比較を実行し、小さいほうを選択して次期設定デューティとする。図2を参照してデューティ設定処理の詳細について説明する。
【0075】
図2において、(a)は電流値の変化を示し、(b)は電圧値の変化を示している。横軸に時間t、縦軸に高圧電源の二次側の状態値、すなわち、(a)電流値i、(b)電圧値Vを示している。(a)には目標電流値ia、(b)には過電圧値Vmaxの各ラインを示している。
【0076】
初期的には、定電流制御が実行され、▲1▼時刻0時点では任意に計算された値(例えばテーブル利用)からPWM信号のデューティ値(例えばデューティ10%)が入力される。
【0077】
初期設定デューティ値のPWM信号により、スイッチング回路142のオン時間が設定され、負荷側に出力が発生し、各サンプリング時間▲2▼、▲3▼..においてモニタ電流値、モニタ電圧値が各検出回路144,145から制御手段130に入力される。
【0078】
制御手段130は、モニタ電流値と目標電流値とから電流検出増幅率Aを算出し、モニタ電圧値と過電圧値とから電圧検出増幅率Bを算出する。
【0079】
図2(a)の▲2▼のサンプリング時間において、電流検出増幅率Aは、図2(a)に示すαとβとの比率、すなわちβ/αとして設定される。前述したように、電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))である。図2(a)において、Pi1=Qi1であり、(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)はα+Qi1、すなわちβであり、(現在電流値(モニタI値))はαである。
【0080】
従って、電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=β/αとなる。
【0081】
一方、図2(b)の▲2▼のサンプリング時間において、電圧検出増幅率Bは、図2(b)に示すγとδとの比率、すなわちδ/γとして設定される。前述したように、電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))である。図2(b)において、Pv1=Qv1であり、(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)はγ+Qv1、すなわちδであり、(現在電圧値(モニタV値))はγである。
【0082】
従って、電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=δ/γとなる。
【0083】
制御手段130は、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合は、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとし、成立しない場合は、電圧検出増幅率Bに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
【0084】
このように、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Bとを算出して比較を実行し、小さいほうを選択して次期設定デューティ算出のための増幅率とすることで、過電圧ポイントをオーバーすることなく、過電圧ポイントでリミット制御が可能となり、破損等のトラブルを防ぐことが出来る。
【0085】
図3を参照して、負荷側の抵抗値が大きくなり、モニタ電流値が小さくなってしまった場合の制御例について説明する。前述したように、負荷側の抵抗値は環境変化、あるいはプリンタ複写機等の処理用紙の種類などによって変化する。
【0086】
図3も、図2と同様、(a)は電流値の変化を示し、(b)は電圧値の変化を示している。横軸に時間t、縦軸に高圧電源の二次側の状態値、すなわち、(a)電流値i、(b)電圧値Vを示している。(a)には目標電流値ia、(b)には過電圧値Vmaxの各ラインを示している。
【0087】
初期的には、定電流制御が実行され、▲1▼時刻0時点では任意に計算された値(例えばテーブル利用)からPWM信号のデューティ値(例えばデューティ10%)が入力される。
【0088】
▲2▼その初期設定デューティ値のPWM信号により、スイッチング回路142のオン時間が設定され、負荷側に出力が発生し、各サンプリング時間▲2▼、▲3▼..においてモニタ電流値、モニタ電圧値が各検出回路144,145から制御手段130に入力される。
【0089】
制御手段130は、モニタ電流値と目標電流値とから電流検出増幅率Aを算出し、モニタ電圧値と過電圧値とから電圧検出増幅率Bとを算出する。
【0090】
図3(a)の▲2▼のサンプリング時間において、Pi1=Qi1であり、電流検出増幅率Aは、前述したように、
電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=β/αとなる。
【0091】
一方、図3(b)の▲2▼のサンプリング時間において、Pv1=Qv1であり、電圧検出増幅率Bは、前述したように、
電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=δ/γとなる。
【0092】
制御手段130は、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合は、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとし、成立しない場合は、電圧検出増幅率Bに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
【0093】
具体的な数値を設定して、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Bとの比較をする。目標電流値ia=4、過電圧値Vmax=4とする。なお、電圧検出回路としての第2検出回路145は高圧出力を検出し、検出した高圧出力をMCUのA/D変換器133において検知可能な0〜5Vになるよう、分圧等を行なっている。また、電流検出回路としての第1検出回路144においては、MCUのA/D変換器で検出可能となるよう電流を電圧に変換する処理を行なっている。これらの変換値が制御手段130のメモリ134に格納された目標電流値ia=4、過電圧値Vmax=4と比較される。
【0094】
まず、時点▲1▼において、初期デューティとしてDuty=10%が設定されたものとする。次に時点▲2▼において、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Bとの比較を実行する。
【0095】
このとき、負荷側抵抗が大きく、図3(a)に示すようにモニタ電流値が小さくなる。この場合のモニタ値を0.5とする。
電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=2.25/0.5=4.5となる。
【0096】
一方、図3(b)に示すように、
電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=3/2=1.5となる。
【0097】
前述したように、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合は、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとし、成立しない場合は、電圧検出増幅率Bに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。上記の場合、電流検出増幅率A=4.5>電圧検出増幅率B=1.5となり、電圧検出増幅率Bに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
【0098】
従って、時点▲1▼の設定デューティ:10%に対して、電圧検出増幅率B=1.5を適用して、▲2▼のポイントにおける次期デューティを設定する。すなわち、
Duty=10%×1.5=15%とする。
【0099】
▲3▼の時点でも、同様の処理が実行される。電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合は、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとし、成立しない場合は、電圧検出増幅率Bに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
時点▲3▼において、図3(a)に示すように、電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=2.375/0.75=3.16となる。
【0100】
一方、図3(b)に示すように、電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=3.5/3=1.16となる。
【0101】
上記の場合、電流検出増幅率A=3.16>電圧検出増幅率B=1.16なり、電圧検出増幅率Bに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
【0102】
従って、時点▲2▼の設定デューティ:15%に対して、電圧検出増幅率B=1.16を適用して、▲3▼のポイントにおける次期デューティを設定する。すなわち、
Duty=15%×1.16=17.4%とする。
【0103】
以降、各サンプリングポイントにおいて、同様の処理を繰り返し実行する。この制御によれば、電流検出増幅率Aと、電圧検出増幅率Bとの双方を算出し、増幅率の小さいほうを選択して次期デューティの増幅率として適用するため、過電圧ポイントをオーバーすることなく、過電圧ポイントでリミット制御が可能となる。この結果、負荷側に予めら設定された過電圧以上の電圧が印加されることが防止され、負荷側デバイスの破損等のトラブルを防ぐことが出来る。
【0104】
上述した制御処理のフローチャートを図4に示す。以下、図4に示すフローチャートの各ステップについて説明する。図4に示すフローは、MCUにおける処理、すなわち、図1の電源装置の制御手段130の処理手順を示したものであり、高圧電源140の電流検出回路としての第1検出回路144、電圧検出回路としての第2検出回路145からそれぞれモニタ電流値およびモニタ電圧値を取得して、制御されたデューティを持つPWM信号を出力するまでの処理を示している。
【0105】
ステップS101では、電流検出回路から電流モニタ値を取り込む。ステップS102において、電流モニタ値と、目標電流値とに基づいて電流増幅率Aを算出する。すなわち、電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))に基づいて電流検出増幅率Aを算出する。
【0106】
次に、ステップS103では、電圧検出回路から電圧モニタ値を取り込む。ステップS104において、電圧モニタ値と、過電圧値とに基づいて電圧増幅率Bを算出する。すなわち、電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))に基づいて電圧検出増幅率Bを算出する。
【0107】
次に、ステップS105において、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立するか否かを判定する。電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合は、ステップS106に進み、電流検出増幅率Aを選択し、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立しない場合は、ステップS107に進み、電圧検出増幅率Bを選択する。
【0108】
ステップS108では、選択した電流検出増幅率Aまたは電圧検出増幅率Bに基づいて、PWM信号のデューティを計算する。すなわち、
次期デューティ=現デューティ×電流検出増幅率A、または
次期デューティ=現デューティ×電圧検出増幅率Bである。
【0109】
ステップS109では、計算結果に基づいて次期デューティを設定し、ステップS110において設定したデューティ値を持つPWM信号を高圧電源のスイッチング回路に出力する。
【0110】
ステップS111では、出力継続か否かを判定し、継続の場合は、ステップS101以下の処理を繰り返し実行する。なお、ステップS101の電流モニタ値の取り込み、およびステップS103の電圧モニタ値の取り込み処理は、モニタ値サンプリングタイミングに応じて実行される。
【0111】
ステップS111において、出力継続不要と判定された場合は、ステップS112において、PWM信号の出力を停止して制御処理を終了する。
【0112】
このように、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Bとを算出して比較を実行し、小さいほうを選択して次期設定デューティ算出のための増幅率とすることで、過電圧ポイントをオーバーすることなく、過電圧ポイントでリミット制御が可能となり、デバイス破損等のトラブルを防ぐことが出来る。
【0113】
(実施例2)
次に、本発明の電源装置の第2の実施例について説明する。第2の実施例は、負荷側デバイスの許容最小電圧値に基づく制御を行う構成例である。例えば負荷側デバイスが転写装置である場合、電流検出結果から得られる第1制御データ(電流検出増幅率Aともいう)と電圧検出から得られる転写必要最小許容電圧値を目標電圧値とした制御を行うときに電流検出増幅率同様に得られる第3制御データ(電圧検出増幅率Cともいう)を算出し、どちらか大きいほうを選択し、次期デューティ設定のための増幅率として選択して制御を行う。
【0114】
装置構成は、実施例1と同様であり、図1に示すように、制御手段130としてのマシンコントロールユニット(MCU)のCPU131を利用したプログラミングによるデジタル制御により高圧電源140の出力がコントロールされる。第1検出回路144が負荷に流れる電流を検出し、第2検出回路145は負荷に印加される電圧を検出し、それぞれの検出値(モニタ値)を制御手段130側のA/D変換器133に入力する。
【0115】
第1検出回路144、第2検出回路145により検出された状態量はA/D変換器133によりデジタル変換がなされ、高圧電源が制御すべき目標値と比較される。その比較結果に応じてパルス発振器132によってスイッチング手段142に与えるPWM信号のデューティ(Duty)値を制御する。スイッチング手段142は、パルス幅信号に基づいて入力電圧をスイッチングして出力制御を実行する。
【0116】
本実施例2のデューティ制御は、第1検出回路144のモニタ値、すなわち負荷側電流検出結果と、第2検出回路145のモニタ値、すなわち負荷側電圧検出結果の双方を各サンプリングタイミングにおいて制御手段130に入力して解析を行い、解析結果に基づいてデューティ設定を実行する。
【0117】
制御手段130は、第1検出回路144のモニタ値、すなわち負荷側電流検出結果(モニタ電流値)から得られる電流検出増幅率A、すなわち、目標電流値と、モニタ電流値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電流検出増幅率Aを算出する。
【0118】
さらに、制御手段130は、第2検出回路145のモニタ値、すなわち負荷側電圧検出結果(モニタ電圧値)に基づいて算出される電圧検出増幅率C、すなわち、予め設定された負荷側の最小許容電圧値と、モニタ電圧値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電圧検出増幅率Cを算出する。
【0119】
最小許容電圧値とは、負荷側に印加される電圧値として、負荷側デバイスによる処理が実行可能な状態として許容される最小の電圧値であり、通常の動作状態における目標電圧値よりやや低い値に設定される電圧値である。
【0120】
図1に示す制御手段130は、メモリ134に目標電流値データ、目標電圧値データ、最小許容電圧値データ等を格納し、これらの格納データと各検出回路144,145からA/D変換器133に入力されデジタル変換されたモニタ値との比較をCPU133の制御の下に実行して次期のデューティ値設定を実行する。
【0121】
制御手段130は、各サンプリングタイミングにおいて、第1検出回路144の負荷側電流検出結果(モニタ電流値)と目標電流値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電流検出増幅率Aと、最小許容電圧値と、モニタ電圧値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電圧検出増幅率Cとの比較を実行して大き方の増幅率を選択する。さらに、制御手段130は、選択された大きい増幅率を適用して次期デューティを設定し、設定デューティにより制御を実行する。
【0122】
すなわち、制御手段130は、目標電流値に対する現在電流値(モニタI値)の乖離幅に基づいて電流検出増幅率Aを算出し、これを第1制御用データとし、最小許容電圧値に対する現在電圧値(モニタV値)の乖離幅に基づいて電圧検出増幅率Cを算出し、これを第2制御用データとし、これらのいずれかを選択して適用制御データとして、適用制御データに基づいて次期デューティを設定し、設定デューティを持つパルス幅変調信号(PWM信号)をスイッチング手段に出力する制御を実行する。
【0123】
電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Cは、下記式によって示される。
電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))
電圧検出増幅率C=(最小許容電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))
【0124】
制御手段130のCPU131は、上記電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Cとを算出して比較を実行し、大きいほうを選択して次期デューティを設定する。図5を参照してデューティ設定処理の詳細について説明する。
【0125】
図5において、(a)は電流値の変化を示し、(b)は電圧値の変化を示している。横軸に時間t、縦軸に高圧電源の二次側の状態値、すなわち、(a)電流値i、(b)電圧値Vを示している。(a)には目標電流値ia、(b)には最小許容電圧値Vminの各ラインを示している。
【0126】
初期的には、定電流制御が実行され、▲1▼時刻0時点では任意に計算された値(例えばテーブル利用)からPWM信号のデューティ値(例えばデューティ10%)が入力される。
【0127】
初期設定デューティ値のPWM信号により、スイッチング回路142のオン時間が設定され、負荷側に出力が発生し、各サンプリング時間▲2▼、▲3▼..においてモニタ電流値、モニタ電圧値が各検出回路144,145から制御手段130に入力される。
【0128】
制御手段130は、モニタ電流値と目標電流値とから電流検出増幅率Aを算出し、モニタ電圧値と最小許容電圧値とから電圧検出増幅率Cを算出する。
【0129】
図5(a)の▲2▼のサンプリング時間において、電流検出増幅率Aは、図5(a)に示すαとβとの比率、すなわちβ/αとして設定される。前述したように、電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))である。図5(a)において、Pi1=Qi1であり、(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)はα+Qi1、すなわちβであり、(現在電流値(モニタI値))はαである。
【0130】
従って、電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=β/αとなる。
【0131】
一方、図5(b)の▲2▼のサンプリング時間において、電圧検出増幅率Cは、図5(b)に示すγとδとの比率、すなわちδ/γとして設定される。前述したように、電圧検出増幅率C=(最小許容電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))である。図5(b)において、Pv1=Qv1であり、(最小許容電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)はγ+Qv1、すなわちδであり、(現在電圧値(モニタV値))はγである。
【0132】
従って、電圧検出増幅率C=(最小許容電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=δ/γとなる。
【0133】
制御手段130は、電流検出増幅率A≧電圧検出増幅率Cが成立する場合は、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとし、成立しない場合は、電圧検出増幅率Cに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
【0134】
このように、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Cとを算出して比較を実行し、大きいほうを選択して次期設定デューティ算出のための増幅率とすることで、負荷側デバイスの最小許容電圧を下回る電圧値に設定されることなく、負荷側デバイスの正常な動作が可能となる。例えば負荷側デバイスが転写装置である場合、転写エラーの発生防止が可能となる。
【0135】
図6を参照して、負荷側の抵抗値が小さくなり、モニタ電流値が大きくなってしまった場合の制御例について説明する。前述したように、負荷側の抵抗値は環境変化、あるいはプリンタ複写機等の処理用紙の種類などによって変化する。
【0136】
図6も、図5と同様、(a)は電流値の変化を示し、(b)は電圧値の変化を示している。横軸に時間t、縦軸に高圧電源の二次側の状態値、すなわち、(a)電流値i、(b)電圧値Vを示している。(a)には目標電流値ia、(b)には最小許容電圧値Vminの各ラインを示している。
【0137】
初期的には、定電流制御が実行され、▲1▼時刻0時点では任意に計算された値(例えばテーブル利用)からPWM信号のデューティ値(例えばデューティ10%)が入力される。
【0138】
初期設定デューティ値のPWM信号により、スイッチング回路142のオン時間が設定され、負荷側に出力が発生し、各サンプリング時間▲2▼、▲3▼..においてモニタ電流値、モニタ電圧値が各検出回路144,145から制御手段130に入力される。
【0139】
制御手段130は、モニタ電流値と目標電流値とから電流検出増幅率Aを算出し、モニタ電圧値と最小許容電圧値とから電圧検出増幅率Cとを算出する。
【0140】
図6(a)の▲2▼のサンプリング時間において、Pi1=Qi1であり、電流検出増幅率Aは、前述したように、
電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=β/αとなる。
【0141】
一方、図6(b)の▲2▼のサンプリング時間において、Pv1=Qv1であり、電圧検出増幅率Cは、前述したように、
電圧検出増幅率C=(最小許容電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=δ/γとなる。
【0142】
制御手段130は、電流検出増幅率A≧電圧検出増幅率Cが成立する場合は、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとし、成立しない場合は、電圧検出増幅率Cに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
【0143】
具体的な数値を設定して、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Cとの比較をする。目標電流値ia=4、最小許容電圧値Vmin=4とする。なお、電圧検出回路としての第2検出回路145は高圧出力を検出し、検出した高圧出力をMCUのA/D変換器133において検知可能な0〜5Vになるよう、分圧等を行なっている。また、電流検出回路としての第1検出回路144においては、MCUのA/D変換器で検出可能となるよう電流を電圧に変換する処理を行なっている。これらの変換値が制御手段130のメモリ134に格納された目標電流値ia=4、最小許容電圧値Vmin=4と比較される。
【0144】
まず、時点▲1▼において、初期デューティとしてDuty=10%が設定されたものとする。次に時点▲2▼において、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Cとの比較を実行する。
【0145】
このとき、負荷側抵抗が小さく、図6(a)に示すようにモニタ電流値が大きくなる。この場合のモニタ値を3.0とする。
電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=3.5/3.0=1.17となる。
【0146】
一方、図6(b)に示すように、
電圧検出増幅率C=(最小許容電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=3/2=1.5となる。
【0147】
前述したように、電流検出増幅率A≧電圧検出増幅率Cが成立する場合は、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとし、成立しない場合は、電圧検出増幅率Cに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。上記の場合、電流検出増幅率A=1.17<電圧検出増幅率C=1.5となり、電圧検出増幅率Cに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
【0148】
従って、時点▲1▼の設定デューティ:10%に対して、電圧検出増幅率C=1.5を適用して、▲2▼のポイントにおける次期デューティを設定する。すなわち、
Duty=10%×1.5=15%とする。
【0149】
▲3▼の時点でも、同様の処理が実行される。電流検出増幅率A≧電圧検出増幅率Cが成立する場合は、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとし、成立しない場合は、電圧検出増幅率Cに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
時点▲3▼において、図6(a)に示すように、電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=4/4=1.0となる。
【0150】
一方、図6(b)に示すように、電圧検出増幅率C=(最小許容電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=3.5/3=1.16となる。
【0151】
上記の場合、電流検出増幅率A=1.0<電圧検出増幅率C=1.16となり、大きい方の電圧検出増幅率Cに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
【0152】
従って、時点▲2▼の設定デューティ:15%に対して、電圧検出増幅率C=1.16を適用して、▲3▼のポイントにおける次期デューティを設定する。すなわち、
Duty=15%×1.16=17.4%とする。
【0153】
以降、各サンプリングポイントにおいて、同様の処理を繰り返し実行する。この制御によれば、電流検出増幅率Aと、電圧検出増幅率Cとの双方を算出し、増幅率の大きいほうを選択して次期デューティの増幅率として適用するため、最小許容電圧ポイントを下回った状態に負荷側の出力が維持されてしまうことがなくなり、負荷側デバイスによる正常動作が可能となる。
【0154】
上述した制御処理のフローチャートを図7に示す。以下、図7に示すフローチャートの各ステップについて説明する。図7に示すフローは、MCUにおける処理、すなわち、図1の電源装置の制御手段130の処理手順を示したものであり、高圧電源140の電流検出回路としての第1検出回路144、電圧検出回路としての第2検出回路145からそれぞれモニタ電流値およびモニタ電圧値を取得して、制御されたデューティを持つPWM信号を出力するまでの処理を示している。
【0155】
ステップS151では、電流検出回路から電流モニタ値を取り込む。ステップS152において、電流モニタ値と、目標電流値とに基づいて電流増幅率Aを算出する。すなわち、電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))に基づいて電流検出増幅率Aを算出する。
【0156】
次に、ステップS153では、電圧検出回路から電圧モニタ値を取り込む。ステップS154において、電圧モニタ値と、最小許容電圧値とに基づいて電圧増幅率Cを算出する。すなわち、電圧検出増幅率C=(最小許容電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))に基づいて電圧検出増幅率Cを算出する。
【0157】
次に、ステップS155において、電流検出増幅率A≧電圧検出増幅率Cが成立するか否かを判定する。電流検出増幅率A≧電圧検出増幅率Cが成立する場合は、ステップS156に進み、電流検出増幅率Aを選択し、電流検出増幅率A≧電圧検出増幅率Cが成立しない場合は、ステップS157に進み、電圧検出増幅率Cを選択する。
【0158】
ステップS158では、選択した電流検出増幅率Aまたは電圧検出増幅率Cに基づいて、PWM信号のデューティを計算する。すなわち、
次期デューティ=現デューティ×電流検出増幅率A、または
次期デューティ=現デューティ×電圧検出増幅率Cである。
【0159】
ステップS159では、計算結果に基づいて次期デューティを設定し、ステップS160において設定したデューティ値を持つPWM信号を高圧電源のスイッチング回路に出力する。
【0160】
ステップS161では、出力継続か否かを判定し、継続の場合は、ステップS151以下の処理を繰り返し実行する。なお、ステップS151の電流モニタ値の取り込み、およびステップS153の電圧モニタ値の取り込み処理は、モニタ値サンプリングタイミングに応じて実行される。
【0161】
ステップS161において、出力継続不要と判定された場合は、ステップS162において、PWM信号の出力を停止して制御処理を終了する。
【0162】
このように、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Cとを算出して比較を実行し、大きいほうを選択して、選択した増幅率を適用して次期設定デューティを算出し制御を実行することで、最小許容電圧ポイントを下回った値に負荷側の電圧値が維持されてしまうことが防止され、負荷側デバイスによる正常動作が可能となる。例えば負荷側デバイスが転写装置である場合には、正常な転写処理が実行される。
【0163】
(実施例3)
次に、上述した実施例1、および実施例2における制御を併せて実行する処理例について、実施例3として説明する。
【0164】
本実施例においては、過電圧値(Vmax)と最小許容電圧値(Vmin)との両者を用いて、負荷側の電圧値が過電圧値と最小許容電圧値との間に設定されるように制御を行う構成である。
【0165】
過電圧値とは、負荷側に印加される電圧値としての許容最大電圧値であり、通常の動作状態における目標電圧値よりやや高い値に設定される電圧値である。最小許容電圧値とは、負荷側に印加される電圧値として、負荷側デバイスによる処理が実行可能な状態として許容される最小の電圧値であり、通常の動作状態における目標電圧値よりやや低い値に設定される電圧値である。本実施例においては、負荷側デバイスにおける電圧値を最小許容電圧値から過電圧の範囲内に制御することで、デバイスの損傷を防ぐとともに正常な動作を保障するものである。
【0166】
本実施例では、下記の3つの増幅率A,B,Cを適宜選択して次期デューティの算出に適用する。
電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))
電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))
電圧検出増幅率C=(最小許容電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))
【0167】
上記の3つの増幅率から選択した1つの増幅率に基づいて、PWM信号のデューティを計算する。すなわち、
次期デューティ=現デューティ×電流検出増幅率A、または
次期デューティ=現デューティ×電圧検出増幅率B、または、
次期デューティ=現デューティ×電圧検出増幅率Cとして、デューティが設定される。
【0168】
装置構成は、実施例1、2と同様であり、図1に示すように、制御手段130としてのマシンコントロールユニット(MCU)のCPU131を利用したプログラミングによるデジタル制御により高圧電源140の出力がコントロールされる。第1検出回路144が負荷に流れる電流を検出し、第2検出回路145は負荷に印加される電圧を検出し、それぞれの検出値(モニタ値)を制御手段130側のA/D変換器133に入力する。
【0169】
第1検出回路144、第2検出回路145により検出された状態量はA/D変換器133によりデジタル変換がなされ、高圧電源が制御すべき目標値と比較される。その比較結果に応じてパルス発振器132によってスイッチング手段142に与えるPWM信号のデューティ(Duty)値を制御する。スイッチング手段142は、パルス幅信号に基づいて入力電圧をスイッチングして出力制御を実行する。
【0170】
本実施例3のデューティ制御は、第1検出回路144のモニタ値、すなわち負荷側電流検出結果と、第2検出回路145のモニタ値、すなわち負荷側電圧検出結果の双方を各サンプリングタイミングにおいて制御手段130に入力して解析を行い、解析結果に基づいてデューティ設定を実行する。
【0171】
制御手段130は、上述の電流検出増幅率A、電圧検出増幅率B、電圧検出増幅率Cの3つの増幅率から選択した1つの増幅率に基づいて、PWM信号のデューティを計算する。
【0172】
図1に示す制御手段130は、メモリ134に目標電流値データ、過電圧値データ、最小許容電圧値データ等を格納し、これらの格納データと各検出回路144,145からA/D変換器133に入力されデジタル変換されたモニタ値との比較をCPU133の制御の下に実行して次期のデューティ値設定を実行する。
【0173】
制御手段130は、まず、電流モニタ値と、目標電流値とに基づいて算出する電流増幅率Aと、電圧モニタ値と、過電圧値とに基づいて算出する電圧増幅率Bとを比較し、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立するか否かを判定する。電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立しない場合は、電圧検出増幅率Bを選択し、電圧検出増幅率Bを適用して次期デューティを算出する。
【0174】
電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合は、さらに電圧モニタ値と最小許容電圧値とに基づいて算出する電圧増幅率Cと電流検出増幅率Aとを比較する。電流検出増幅率A≧電圧検出増幅率Cが成立する場合は、電流検出増幅率Aを選択し、電流検出増幅率Aを適用して次期デューティを算出する。電流検出増幅率A≧電圧検出増幅率Cが成立しない場合は、電圧検出増幅率Cを選択し、電圧検出増幅率Cを適用して次期デューティを算出する。
【0175】
どの増幅率を選択するかを示すテーブルを図8に示す。比較対象となるのは、AとB、およびAとCである。選択される増幅率は下記のようになる。
A≦Bの場合は、A(ただしさらにCと比較)
A>Bの場合は、B
A≧Cの場合は、A
A<Cの場合は、C
【0176】
上述した制御処理のフローチャートを図9に示す。以下、図9に示すフローチャートの各ステップについて説明する。図9に示すフローは、MCUにおける処理、すなわち、図1の電源装置の制御手段130の処理手順を示したものであり、高圧電源140の電流検出回路としての第1検出回路144、電圧検出回路としての第2検出回路145からそれぞれモニタ電流値およびモニタ電圧値を取得して、制御されたデューティを持つPWM信号を出力するまでの処理を示している。
【0177】
ステップS201では、電流検出回路から電流モニタ値を取り込む。ステップS202において、電流モニタ値と、目標電流値とに基づいて電流増幅率Aを算出する。すなわち、電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))に基づいて電流検出増幅率Aを算出する。
【0178】
次に、ステップS203では、電圧検出回路から電圧モニタ値を取り込む。ステップS204において、電圧モニタ値と、過電圧値とに基づいて電圧増幅率Bを算出する。すなわち、電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))に基づいて電圧検出増幅率Bを算出する。
【0179】
次に、ステップS205において、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立するか否かを判定する。電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合は、ステップS206に進み、電流検出増幅率Aを選択し、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立しない場合は、ステップS207に進み、電圧検出増幅率Bを選択する。
【0180】
ステップS208では、電圧モニタ値と、最小許容電圧値とに基づいて電圧増幅率Cを算出する。すなわち、電圧検出増幅率C=(最小許容電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))に基づいて電圧検出増幅率Cを算出する。
【0181】
次に、ステップS209において、電流検出増幅率A≧電圧検出増幅率Cが成立するか否かを判定する。電流検出増幅率A≧電圧検出増幅率Cが成立する場合は、ステップS210に進み、電流検出増幅率Aを選択し、電流検出増幅率A≧電圧検出増幅率Cが成立しない場合は、ステップS211に進み、電圧検出増幅率Cを選択する。
【0182】
次に、ステップS212において、選択した電流検出増幅率Aまたは電圧検出増幅率Bまたは電圧検出増幅率Cに基づいて、PWM信号のデューティを計算する。すなわち、
次期デューティ=現デューティ×電流検出増幅率A、または
次期デューティ=現デューティ×電圧検出増幅率B、または
次期デューティ=現デューティ×電圧検出増幅率Cである。
【0183】
ステップS213では、計算結果に基づいて次期デューティを設定し、ステップS214において設定したデューティ値を持つPWM信号を高圧電源のスイッチング回路に出力する。
【0184】
ステップS215では、出力継続か否かを判定し、継続の場合は、ステップS201以下の処理を繰り返し実行する。なお、ステップS201の電流モニタ値の取り込み、およびステップS203の電圧モニタ値の取り込み処理は、モニタ値サンプリングタイミングに応じて実行される。
【0185】
ステップS215において、出力継続不要と判定された場合は、ステップS216において、PWM信号の出力を停止して制御処理を終了する。
【0186】
このように、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Bとを算出して比較を実行し、小さいほうを選択して次期設定デューティとすることで、過電圧ポイントをオーバーすることなく、過電圧ポイントでリミット制御が可能となり、デバイス破損等のトラブルを防ぐことが出来、さらに、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Cとを算出して比較を実行し、大きいほうを選択して、選択した増幅率を適用して次期設定デューティを算出し制御を実行することで、最小許容電圧ポイントを下回った値に負荷側の電圧値が維持されてしまうことが防止され、負荷側デバイスによる正常動作が可能となる。例えば負荷側デバイスが転写装置である場合には、正常な転写処理が実行される。
【0187】
本実施例の構成によれば、電流検出増幅率Aと、電圧検出増幅率Bと、電圧検出増幅率Cとの比較に基づいて定電流制御/過電圧制御/転写必要電圧制御の3つの状態遷移が可能となり、負荷側を過大な電位にすることなく、かつ、有効な最低電位を下回ることもない高精度制御が可能となる。また、制御手段に設定する制御プログラムは定電流制御/過電圧制御/転写必要電圧制御の制御を意識することなく各増幅率の値の比較のみで3つの状態遷移を行えるので簡素なプログラムにより、最適な増幅率の選択および最適自動制御が可能となる。
【0188】
(実施例4)
次に、本発明の電源装置の第4の実施例について説明する。第4の実施例は、定電圧かつ過電流制御/定電流かつ過電圧制御の自動切り替えを行う構成例である。例えばロール型デバイスで、Job開始前や、数十枚に1回程度の間隔でインピーダンス測定を行う場合(以下測定モード)、定電流制御が実行され、その検出結果から用紙転写に最適な電圧を決定する。用紙に転写を行う場合(以下転写モード)は求められた最適な電圧値における定電圧制御が行われる。測定モードでは定電流制御の電流目標値と電流検出結果から得られる電流検出増幅率Aと過電圧値と電圧検出結果から得られる電圧検出増幅率Bを算出し、どちらか小さいほうを選択し、さらに、転写モードでは過電流値と電流検出結果から得られる電流検出増幅率Aと定電圧制御の電圧目標値と電圧検出結果から得られる電圧検出増幅率Bを算出し、どちらか小さいほうを選択し、次期デューティ設定のための増幅率として選択して制御を行う。
【0189】
装置構成は、実施例1と同様であり、図1に示すように、制御手段130としてのマシンコントロールユニット(MCU)のCPU131を利用したプログラミングによるデジタル制御により高圧電源140の出力がコントロールされる。第1検出回路144が負荷に流れる電流を検出し、第2検出回路145は負荷に印加される電圧を検出し、それぞれの検出値(モニタ値)を制御手段130側のA/D変換器133に入力する。
【0190】
第1検出回路144、第2検出回路145により検出された状態量はA/D変換器133によりデジタル変換がなされ、高圧電源が制御すべき目標値と比較される。その比較結果に応じてパルス発振器132によってスイッチング手段142に与えるPWM信号のデューティ(Duty)値を制御する。スイッチング手段142は、パルス幅信号に基づいて入力電圧をスイッチングして出力制御を実行する。
【0191】
本実施例4のデューティ制御は、第1検出回路144のモニタ値、すなわち負荷側電流検出結果と、第2検出回路145のモニタ値、すなわち負荷側電圧検出結果の双方を各サンプリングタイミングにおいて制御手段130に入力して解析を行い、解析結果に基づいてデューティ設定を実行する。
【0192】
制御手段130は、第1検出回路144のモニタ値、すなわち負荷側電流検出結果(モニタ電流値)から得られる電流検出増幅率A、すなわち、目標電流値と、モニタ電流値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率、もしくは過電流値と、モニタ電流値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電流検出増幅率Aを算出する。
【0193】
さらに、制御手段130は、第2検出回路145のモニタ値、すなわち負荷側電圧検出結果(モニタ電圧値)に基づいて算出される電圧検出増幅率B、すなわち、過電圧値と、モニタ電圧値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率、もしくは目標電圧値と、モニタ電圧値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電圧検出増幅率Bを算出する。
【0194】
図1に示す制御手段130は、メモリ134に目標電流値データ、目標電圧値データ、過電流値データ、過電圧値データ等を格納し、これらの格納データと各検出回路144,145からA/D変換器133に入力されデジタル変換されたモニタ値との比較をCPU133の制御の下に実行して次期のデューティ値設定を実行する。
【0195】
制御手段130は、各サンプリングタイミングにおいて、測定モードでは、第1検出回路144の負荷側電流検出結果(モニタ電流値)と目標電流値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電流検出増幅率Aと、過電圧値と、モニタ電圧値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電圧検出増幅率Bとの比較を実行して小さい方の増幅率を選択する。さらに、制御手段130は、選択された小さい増幅率を適用して次期デューティを設定し、設定デューティにより制御を実行する。また、転写モードでは、第1検出回路144の負荷側電流検出結果(モニタ電流値)と過電流値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電流検出増幅率Aと、目標電圧値と、モニタ電圧値とに基づいて設定される現デューティと次期デューティとの比率としての電圧検出増幅率Bとの比較を実行して小さい方の増幅率を選択する。さらに、制御手段130は、選択された小さい増幅率を適用して次期デューティを設定し、設定デューティにより制御を実行する。
【0196】
すなわち、制御手段130は、各々のモードにおいて、電流検出増幅率Aを第1制御用データとし、電圧検出増幅率Bを第2制御用データとし、これらのいずれかを選択して適用制御データとして、適用制御データに基づいて次期デューティを設定し、設定デューティを持つパルス幅変調信号(PWM信号)をスイッチング手段に出力する制御を実行する。
【0197】
電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Bは、下記式によって示される。
測定モードでは、
電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))
電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))
転写モードでは、
電流検出増幅率A=(過電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))
電圧検出増幅率B=(目標電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))
【0198】
制御手段130のCPU131は、各々のモードにおいて、上記電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Bとを算出して比較を実行し、小さいほうを選択して次期デューティを設定する。図10を参照してデューティ設定処理の詳細について説明する。
【0199】
図10において、(a)は電流値の変化を示し、(b)は電圧値の変化を示している。横軸に時間t、縦軸に高圧電源の二次側の状態値、すなわち、(a)電流値i、(b)電圧値Vを示している。(a)には目標電流値ia、過電流値Imax、(b)には目標電圧値Va、過電圧値Vmaxの各ラインを示している。
【0200】
初期的には、測定モードが実行され、▲1▼時刻0時点では任意に計算された値(例えばテーブル利用)からPWM信号のデューティ値(例えばデューティ10%)が入力される。
【0201】
初期設定デューティ値のPWM信号により、スイッチング回路142のオン時間が設定され、負荷側に出力が発生し、各サンプリング時間▲2▼、▲3▼..においてモニタ電流値、モニタ電圧値が各検出回路144,145から制御手段130に入力される。
【0202】
制御手段130は、測定モードでは、モニタ電流値と目標電流値とから電流検出増幅率Aを、モニタ電圧値と過電圧値とから電圧検出増幅率Bを算出し、転写モードではモニタ電流値と過電流値とから電流検出増幅率Aを、モニタ電圧値と目標電圧値とから電圧検出増幅率Bを算出する。
【0203】
図10(a)の▲2▼のサンプリング時間において、電流検出増幅率Aは、図10(a)に示すαとβとの比率、すなわちβ/αとして設定される。前述したように、測定モードでは、電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))、転写モードでは電流検出増幅率A=(過電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))である。図10(a)において、Pi1=Qi1であり、測定モードにおける(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)、転写モードにおける(過電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)はα+Qi1、すなわちβであり、(現在電流値(モニタI値))はαである。
【0204】
従って、測定モードでは、電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=β/α、転写モードでは、電流検出増幅率A=(過電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=β/αとなる。
【0205】
一方、図10(b)の▲2▼のサンプリング時間において、電圧検出増幅率Bは、図10(b)に示すγとδとの比率、すなわちδ/γとして設定される。前述したように、測定モードでは、電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))、転写モードでは、電圧検出増幅率B=(目標電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))である。図10(b)において、Pv1=Qv1であり、測定モードにおける(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)、転写モードにおける(目標電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)はγ+Qv1、すなわちδであり、(現在電圧値(モニタV値))はγである。
【0206】
従って、測定モードでは、電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=δ/γ、転写モードでは、電圧検出増幅率B=(目標電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=δ/γとなる。
【0207】
制御手段130は、各々のモードにおいて、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合は、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとし、成立しない場合は、電圧検出増幅率Bに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
【0208】
このように、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Bとを算出して比較を実行し、小さいほうを選択して次期設定デューティ算出のための増幅率とすることで、定電圧かつ過電流制御/定電流かつ過電圧制御の自動切り替えを行うことが可能となる。例えばロール型デバイスで、Job開始前や、数十枚に1回程度の間隔でインピーダンス測定を行う場合に有効である。
【0209】
図11を参照して、測定モードと転写モードが切り替わる場合の制御例について説明する。前述したように、測定モードとはJob開始前や、数十枚に1回程度の間隔でインピーダンス測定を行い、定電流制御が実行され、その検出結果から用紙転写に最適な電圧を決定するモードである。転写モードとは求められた最適な電圧値における定電圧制御が行われるモードである。
【0210】
図11も、図10と同様、(a)は電流値の変化を示し、(b)は電圧値の変化を示している。横軸に時間t、縦軸に高圧電源の二次側の状態値、すなわち、(a)電流値i、(b)電圧値Vを示している。(a)には目標電流値ia、過電流値Imax、(b)には目標電圧値Va、過電圧値Vmaxの各ラインを示している。
【0211】
初期的には、測定モードが実行され、▲1▼時刻0時点では任意に計算された値(例えばテーブル利用)からPWM信号のデューティ値(例えばデューティ10%)が入力される。
【0212】
初期設定デューティ値のPWM信号により、スイッチング回路142のオン時間が設定され、負荷側に出力が発生し、各サンプリング時間▲2▼、▲3▼..においてモニタ電流値、モニタ電圧値が各検出回路144,145から制御手段130に入力される。
【0213】
制御手段130は、モニタ電流値と目標電流値とから電流検出増幅率Aを算出し、モニタ電圧値と過電圧値とから電圧検出増幅率Bとを算出する。
【0214】
図11(a)の▲2▼のサンプリング時間において、Pi1=Qi1であり、電流検出増幅率Aは、前述したように、
電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=β/αとなる。
【0215】
一方、図11(b)の▲2▼のサンプリング時間において、Pv1=Qv1であり、電圧検出増幅率Bは、前述したように、
電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=δ/γとなる。
【0216】
制御手段130は、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合は、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとし、成立しない場合は、電圧検出増幅率Bに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
【0217】
具体的な数値を設定して、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Bとの比較をする。初期的に、測定モードが実行され、目標電流値ia=2、過電圧値Vmax=4とする。なお、電圧検出回路としての第2検出回路145は高圧出力を検出し、検出した高圧出力をMCUのA/D変換器133において検知可能な0〜5Vになるよう、分圧等を行なっている。また、電流検出回路としての第1検出回路144においては、MCUのA/D変換器で検出可能となるよう電流を電圧に変換する処理を行なっている。これらの変換値が制御手段130のメモリ134に格納された目標電流値ia=2、過電圧値Vmax=4と比較される。
【0218】
まず、時点▲1▼において、初期デューティとしてDuty=10%が設定されたものとする。次に時点▲2▼において、電流検出増幅率Aと電圧検出増幅率Bとの比較を実行する。
【0219】
このとき、図11(a)に示すようにモニタ電流値を1.0とする。
電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=1.5/1.0=1.5となる。
【0220】
一方、図11(b)に示すように、
電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=2.5/1=2.5となる。
【0221】
前述したように、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合は、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとし、成立しない場合は、電圧検出増幅率Bに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。上記の場合、電流検出増幅率A=1.5<電圧検出増幅率C=2.5となり、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
【0222】
従って、時点▲1▼の設定デューティ:10%に対して、電圧検出増幅率C=1.5を適用して、▲2▼のポイントにおける次期デューティを設定する。すなわち、
Duty=10%×1.5=15%とする。
【0223】
各サンプリング時間▲2▼、▲3▼..においてモニタ電流値、モニタ電圧値が各検出回路144,145から制御手段130に入力され、測定モードである定電流制御が実行される。
【0224】
ただし、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合について記したが、成立しない場合は実施例1と同様である。
【0225】
さらに、サンプリング時間(11)の時点で、測定モードから転写モードへの切り替えが実行され、過電流値imax=4、目標電圧値Va=3とする。同様の処理が実行される。電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合は、電流検出増幅率Aに基づいて設定されるデューティを次期デューティとし、成立しない場合は、電圧検出増幅率Bに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
サンプリング時点(11)において、図11(a)に示すように、電流検出増幅率A=(過電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))=3/2=1.5となる。
【0226】
一方、図11(b)に示すように、電圧検出増幅率B=(目標電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))=2.5/2=1.25となる。
【0227】
上記の場合、電流検出増幅率A=1.5>電圧検出増幅率B=1.25となり、小さい方の電圧検出増幅率Bに基づいて設定されるデューティを次期デューティとする。
【0228】
従って、時点(11)の設定デューティ:仮に20%に対して、電圧検出増幅率B=1.25を適用して、(11)のポイントにおける次期デューティを設定する。すなわち、
Duty=20%×1.25=25%とする。
【0229】
各サンプリング時間(11)、(12)..においてモニタ電流値、モニタ電圧値が各検出回路144,145から制御手段130に入力され、転写モードである定電流制御が実行される。
【0230】
ただし、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立しない場合について記したが、成立する場合は実施例1と同様である。
【0231】
以降、各サンプリングポイントにおいて、測定/転写モードの状態により、同様の処理を繰り返し実行する。この制御によれば、電流検出増幅率Aと、電圧検出増幅率Bとの双方を算出し、増幅率の小さいほうを選択して次期デューティの増幅率として適用するため、定電圧かつ過電流制御/定電流かつ過電圧制御の自動切り替えを行うことが可能となり、一定間隔で制御方法を変えてインピーダンス測定を行う場合でも、停止時間を必要としないため、生産効率を落とすことのなく処理を行うことを可能であり、さらには定電流/定電圧の切り換え制御の場合でも、保護回路を付加する必要がなく、安価に保護機能を達成できる。
【0232】
上述した制御処理のフローチャートを図12に示す。以下、図12に示すフローチャートの各ステップについて説明する。図12に示すフローは、MCUにおける処理、すなわち、図1の電源装置の制御手段130の処理手順を示したものであり、高圧電源140の電流検出回路としての第1検出回路144、電圧検出回路としての第2検出回路145からそれぞれモニタ電流値およびモニタ電圧値を取得して、制御されたデューティを持つPWM信号を出力するまでの処理を示している。
【0233】
ステップS251において、測定モードか転写モードかを判定する。測定モードである時はステップ252へ進み、目標電流値と過電圧値を設定する。転写モードである時は、ステップ253へ進み、過電流値と目標電圧値を設定する。
【0234】
ステップS254では、電流検出回路から電流モニタ値を取り込む。ステップS255において、測定モードの時は、電流モニタ値と目標電流値とに基づいて電流増幅率Aを算出する。すなわち、電流検出増幅率A=(目標電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))に基づいて電流検出増幅率Aを算出する。また、転写モードの時は、電流モニタ値と過電流値とに基づいて電流増幅率Aを算出する。すなわち、電流検出増幅率A=(過電流値と現在電流値(モニタI値)の中間値)/(現在電流値(モニタI値))に基づいて電流検出増幅率Aを算出する。
【0235】
次に、ステップS256では、電圧検出回路から電圧モニタ値を取り込む。ステップS257において、測定モードの時は、電圧モニタ値と、過電圧値とに基づいて電圧増幅率Bを算出する。すなわち、電圧検出増幅率B=(過電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))に基づいて電圧検出増幅率Bを算出する。また、転写モードの時は、電圧モニタ値と、目標電圧値とに基づいて電圧増幅率Bを算出する。すなわち、電圧検出増幅率B=(目標電圧値と現在電圧値(モニタV値)の中間値)/(現在電圧値(モニタV値))に基づいて電圧検出増幅率Bを算出する。
【0236】
次に、ステップS258において、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立するか否かを判定する。電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立する場合は、ステップS259に進み、電流検出増幅率Aを選択し、電流検出増幅率A≦電圧検出増幅率Bが成立しない場合は、ステップS260に進み、電圧検出増幅率Bを選択する。
【0237】
ステップS261では、選択した電流検出増幅率Aまたは電圧検出増幅率Bに基づいて、PWM信号のデューティを計算する。すなわち、
次期デューティ=現デューティ×電流検出増幅率A、または
次期デューティ=現デューティ×電圧検出増幅率Bである。
【0238】
ステップS262では、計算結果に基づいて次期デューティを設定し、ステップS263において設定したデューティ値を持つPWM信号を高圧電源のスイッチング回路に出力する。
【0239】
ステップS264では、出力継続か否かを判定し、継続の場合は、ステップS251以下の処理を繰り返し実行する。なお、ステップS254の電流モニタ値の取り込み、およびステップS256の電圧モニタ値の取り込み処理は、モニタ値サンプリングタイミングに応じて実行される。
【0240】
ステップS264において、出力継続不要と判定された場合は、ステップS265において、PWM信号の出力を停止して制御処理を終了する。
【0241】
このように、定電圧/定電流を切り替える必要がある場合でも、電流検出増減率Aと、電圧検出増減率Bとの比較に基づいて定電流制御/定電圧制御の2つの状態遷移が可能となり、停止時間を必要としないため、生産性を落とすことなく高精度制御が可能となる。また、制御手段に設定する制御プログラムは定電流値/定電圧値を切り替えるだけで、ひとつのプログラムにより定電流制御/定電圧制御を意識することなく各増減率の値の比較のみで2つの状態遷移を行えるので簡素なプログラムにより、最適な増減率の選択および最適自動制御が可能となる。
【0242】
さらには、定電圧/定電流に切り替える場合にも、異常電流/電圧に対する保護回路を付加する必要がなく、制御手段に設定する制御プログラムは定電流値かつ過電圧値/定電圧値かつ過電流値を切り替えるだけで、ひとつのプログラムにより定電流制御/定電圧制御、さらには保護機能をも意識することなく各増減率の値の比較のみで2つの状態遷移を行えるので簡素なプログラムにより、安価に、かつ最適な増減率の選択および最適自動制御が可能となる。
【0243】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0244】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の電源装置によれば、パルス幅変調信号(PWM信号)に基づいて出力制御を実行する電源装置において、目標電流値と現在電流値(モニタI値)に基づいて算出される電流検出増幅率Aと、過電圧値と現在電圧値(モニタV値)に基づいて算出される電圧検出増幅率Bとの比較を実行し、小さいほうを選択して次期設定デューティ算出のための増幅率とすることで、過電圧ポイントをオーバーすることなく、過電圧ポイントでリミット制御が可能となり、デバイス破損等のトラブルを防ぐことが可能となる。
【0245】
さらに、本発明の構成によれば、目標電流値と現在電流値(モニタI値)に基づいて算出される電流検出増幅率Aと、最小許容電圧値と現在電圧値(モニタV値)に基づいて算出される電圧検出増幅率Cとを算出して比較を実行し、大きいほうを選択して、選択した増幅率を適用して次期設定デューティを算出し制御を実行する構成としたので、最小許容電圧ポイントを下回った値に負荷側の電圧値が維持されてしまうことが防止され、負荷側デバイスによる正常動作が可能となる。例えば負荷側デバイスが転写装置である場合には、正常な転写処理が実行される。
【0246】
さらに、本発明の構成によれば、電流検出増幅率Aと、電圧検出増幅率Bと、電圧検出増幅率Cとの比較に基づいて定電流制御/過電圧制御/転写必要電圧制御の3つの状態遷移が可能となり、負荷側を過大な電位にすることなく、かつ、有効な最低電位を下回ることもない高精度制御が可能となる。また、制御手段に設定する制御プログラムは定電流制御/過電圧制御/転写必要電圧制御の制御を意識することなく各増幅率の値の比較のみで3つの状態遷移を行えるので簡素なプログラムにより、最適な増幅率の選択および最適自動制御が可能となる。
【0247】
さらに、本発明の構成によれば、Job開始前や、数十枚に1回程度の間隔でインピーダンス測定を行うため、定電圧/定電流を切り替える必要がある場合でも、電流検出増減率Aと、電圧検出増減率Bとの比較に基づいて定電流制御/定電圧制御の2つの状態遷移が可能となり、停止時間を必要としないため、生産性を落とすことなく高精度制御が可能となる。また、制御手段に設定する制御プログラムは定電流値/定電圧値を切り替えるだけで、ひとつのプログラムにより定電流制御/定電圧制御を意識することなく各増減率の値の比較のみで2つの状態遷移を行えるので簡素なプログラムにより、最適な増減率の選択および最適自動制御が可能となる。
【0248】
さらに、本発明の構成によれば、定電圧/定電流に切り替える場合にも、異常電流/電圧に対する保護回路を付加する必要がなく、制御手段に設定する制御プログラムは定電流値かつ過電圧値/定電圧値かつ過電流値を切り替えるだけで、ひとつのプログラムにより定電流制御/定電圧制御、さらには保護機能をも意識することなく各増減率の値の比較のみで2つの状態遷移を行えるので簡素なプログラムにより、安価に、かつ最適な増減率の選択および最適自動制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電源装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の電源装置の第1実施例における制御例について説明する図である。
【図3】 本発明の電源装置の制御例について負荷側の抵抗値が大きい場合の処理例を説明する図である。
【図4】 本発明の電源装置の第1実施例における処理手順を説明するフローチャートを示す図である。
【図5】 本発明の電源装置の第2実施例における制御例について説明する図である。
【図6】 本発明の電源装置の制御例について負荷側の抵抗値が小さい場合の処理例を説明する図である。
【図7】 本発明の電源装置の第2実施例における処理手順を説明するフローチャートを示す図である。
【図8】 本発明の電源装置の第3実施例における増幅率の選択処理について説明する図である。
【図9】 本発明の電源装置の第3実施例における処理手順を説明するフローチャートを示す図である。
【図10】 本発明の電源装置の第4実施例における制御例について説明する図である。
【図11】 本発明の電源装置の制御例について定電流/定電圧の切り替えを行う場合の処理例を説明する図である。
【図12】 本発明の電源装置の第4実施例における処理手順を説明するフローチャートを示す図である。
【図13】 画像形成装置の感光体回りの構成を示す図である。
【図14】 画像形成装置の高圧電源の構成例を示す図である。
【図15】 画像形成装置の高圧電源および制御手段の構成例を示す図である。
【図16】 画像形成装置の高圧電源におけるデジタル制御回路構成を示す図である。
【図17】 デジタル制御高圧電源におけるPWM信号デューティ値と電流モニタ値との対応を説明する図である。
【図18】 デジタル制御高圧電源における過電圧値オーバ処理例について説明する図である。
【図19】 デジタル制御高圧電源における許容電圧未達例について説明する図である。
【符号の説明】
130 制御手段(MCU)、131 CPU、
132 パルス発振器、 133 AD変換器、
134 メモリ、 140 高圧電源、141 トランス、
142 スイッチ回路、143 2次側回路、
144 第1検出回路、145 第2検出回路
150 出力負荷
801 感光体、802 帯電器、803 現像器、
804 転写器、808 現像ロール、
812 帯電器用高圧電源、813 現像器用高圧電源、
814 転写器用高圧電源、
820 高圧電源、821 トランス、
822 スイッチ回路、823 2次側回路、
824 第1検出回路、825 第2検出回路、
826 制御回路、828 出力負荷、
830 制御手段、831 CPU、
832 パルス発振器、833 A/D変換器、
840 高圧電源、841 トランス、
842 スイッチ回路、843 2次側回路、
844 第1検出回路 845 第2検出回路、
850 出力負荷、
861 スイッチング回路
862 トランス、863 整流平滑回路
864 電流検出回路、865 電圧検出回路
871,872 抵抗、873 トランジスタ
874,877 ダイオード、875,876 コンデンサ
878,880,881 抵抗、 879 オペアンプ
882,883,885 抵抗、884 オペアンプ
886 抵抗

Claims (5)

  1. 入力電力が供給される1次巻線と、電力が出力される2次巻線とを持つトランスと、前記トランスの2次側出力の負荷側電流値および負荷側電圧値を検出する検出手段と、前記検出手段の検出値に基づいて、前記トランスの1次巻線側に設けられたスイッチング手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段により前記トランスの2次側出力の制御を行なう電源装置であり、
    前記制御手段は、前記スイッチング手段に出力する制御信号としてデューティ値を変更設定したパルス幅変調信号(PWM信号)を出力する構成であり、
    前記検出手段の検出する前記負荷側電流値を第1モニタ値として入力し、前記負荷側電流値の目標値に徐々に近づけるための第1制御データを算出するとともに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の過電圧値に徐々に近づけるための第2制御データを算出し、
    前記第1制御データおよび前記第2制御データは、前記デューティ値を変更設定するために適用するデューティ値増加率であり、
    前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きくない場合は、前記第1制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きい場合は、前記第2制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力することを特徴とする電源装置。
  2. 入力電力が供給される1次巻線と、電力が出力される2次巻線とを持つトランスと、前記トランスの2次側出力の負荷側電流値および負荷側電圧値を検出する検出手段と、前記検出手段の検出値に基づいて、前記トランスの1次巻線側に設けられたスイッチング手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段により前記トランスの2次側出力の制御を行なう電源装置であり、
    前記制御手段は、前記スイッチング手段に出力する制御信号としてデューティ値を変更設定したパルス幅変調信号(PWM信号)を出力する構成であり、
    前記検出手段の検出する前記負荷側電流値を第1モニタ値として入力し、前記負荷側電流値の目標値に徐々に近づける第1制御データを算出するとともに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の最小許容電圧値に徐々に近づけるための第3制御データを算出し、
    前記第1制御データおよび前記第3制御データは、前記デューティ値を変更設定するために適用するデューティ値増加率であり、
    前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第3制御データがなすデューティ値増加率より小さくない場合は、前記第1制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より小さい場合は、前記第3制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力することを特徴とする電源装置。
  3. 入力電力が供給される1次巻線と、電力が出力される2次巻線とを持つトランスと、前記トランスの2次側出力の負荷側電流値および負荷側電圧値を検出する検出手段と、前記検出手段の検出値に基づいて、前記トランスの1次巻線側に設けられたスイッチング手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段により前記トランスの2次側出力の制御を行なう電源装置であり、
    前記制御手段は、前記スイッチング手段に出力する制御信号としてデューティ値を変更設定したパルス幅変調信号(PWM信号)を出力する構成であり、
    前記検出手段の検出する前記負荷側電流値を第1モニタ値として入力し、前記負荷側電流値の目標値に徐々に近づける第1制御データを算出するとともに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の過電圧値に徐々に近づけるための第2制御データを算出し、さらに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の最小許容電圧値に徐々に近づけるための第3制御データを算出し、
    前記第1制御データ、前記第2制御データ、および前記第3制御データは、前記デューティ値を変更設定するために適用するデューティ値増加率であり、
    前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きい場合は、前記第2制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きくない場合は、さらに、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第3制御データがなすデューティ値増加率より小さくないかどうかを判別し、小さくない場合は、前記第1制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より小さい場合は、前記第3制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力することを特徴とする電源装置。
  4. 入力電力が供給される1次巻線と、電力が出力される2次巻線とを持つトランスと、前記トランスの2次側出力の負荷側電流値および負荷側電圧値を検出する検出手段と、前記検出手段の検出値に基づいて、前記トランスの1次巻線側に設けられたスイッチング手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段により前記トランスの2次側出力の制御を行なう電源装置であり、
    前記制御手段は、前記スイッチング手段に出力する制御信号としてデューティ値を変更設定したパルス幅変調信号(PWM信号)を出力する構成であり、かつ、定電流制御および定電圧制御を切り替えて実行し、
    前記検出手段の検出する前記負荷側電流値を第1モニタ値として入力し、前記負荷側電流値の過電流値に徐々に近づける第1制御データを算出するとともに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の目標値に徐々に近づけるための第2制御データを算出し、
    前記第1制御データおよび前記第2制御データは、前記デューティ値を変更設定するために適用するデューティ値増加率であり、
    前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きくない場合は、前記第1制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きい場合は、前記第2制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力することを特徴とする電源装置。
  5. 入力電力が供給される1次巻線と、電力が出力される2次巻線とを持つトランスと、前記トランスの2次側出力の負荷側電流値および負荷側電圧値を検出する検出手段と、前記検出手段の検出値に基づいて、前記トランスの1次巻線側に設けられたスイッチング手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段により前記トランスの2次側出力の制御を行なう電源装置であり、
    前記制御手段は、前記スイッチング手段に出力する制御信号としてデューティ値を変更設定したパルス幅変調信号(PWM信号)を出力する構成であり、かつ、定電流制御および定電圧制御を切り替えて実行し、
    定電流制御時には、
    前記検出手段の検出する前記負荷側電流値を第1モニタ値として入力し、前記負荷側電流値の目標値に徐々に近づけるための第1制御データを算出するとともに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の過電圧値に徐々に近づけるための第2制御データを算出し、
    前記第1制御データおよび前記第2制御データは、前記デューティ値を変更設定するために適用するデューティ値増加率であり、
    前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きくない場合は、前記第1制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きい場合は、前記第2制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、
    定電圧制御時には、
    前記検出手段の検出する前記負荷側電流値を第1モニタ値として入力し、前記負荷側電流値の過電流値に徐々に近づける第1制御データを算出するとともに、前記検出手段の検出する前記負荷側電圧値を第2モニタ値として入力し、前記負荷側電圧の目標値に徐々に近づけるための第2制御データを算出し、
    前記第1制御データおよび前記第2制御データは、前記デューティ値を変更設定するために適用するデューティ値増加率であり、
    前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きくない場合は、前記第1制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力し、前記第1制御データがなすデューティ値増加率が、前記第2制御データがなすデューティ値増加率より大きい場合は、前記第2制御データにより増加させた新たなデューティ値のパルス幅変調信号を前記スイッチング手段に出力することを特徴とする電源装置。
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