JP2002153075A - 電源装置および出力電圧制御方法 - Google Patents

電源装置および出力電圧制御方法

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JP2002153075A
JP2002153075A JP2000345234A JP2000345234A JP2002153075A JP 2002153075 A JP2002153075 A JP 2002153075A JP 2000345234 A JP2000345234 A JP 2000345234A JP 2000345234 A JP2000345234 A JP 2000345234A JP 2002153075 A JP2002153075 A JP 2002153075A
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width modulation
modulation signal
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JP2000345234A
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Yoshihiro Ono
芳弘 小野
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Vp−p、周波数、デューテイを制御した出
力波形によるフィードバック制御を実行する改良された
電源装置構成を提供する。 【解決手段】 2つのスイッチング回路にそれぞれ入力
するPWM信号により出力波形を生成する。PWM1信
号により出力波形の立上がりを制御し、PWM2信号に
より出力波形の立下がりを制御する。本構成により、出
力波形のVp−p(peak to peak)、周波数、デュー
テイ(Duty)値をPWM1,PWM2信号を制御するこ
とで制御可能となる。さらに、2つのスイッチング回路
に入力するPWM信号の制御を基準クロックのカウント
値に基づいて実行することで、出力信号の周波数に依存
せず、同一のカウント数での出力波形のVp−p、上限
値等の制御が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、複写機
等の電源装置および出力電圧制御方法に関する。さらに
詳細には、プリンタ、複写機等の帯電装置、転写装置、
ヒューザー装置、現像装置等に適用可能な電源装置であ
り、状態値検出によるフィードバック制御を正確に実行
することを可能とした構成を持つ電源装置および出力電
圧制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機等の画像形成装置は、
感光体ドラムを接触帯電装置(以下帯電装置)にて一様
に帯電し、露光装置にて静電潜像を形成し、トナー像を
現像装置で形成し、接触転写装置(以下転写装置)で、
トナー像を用紙に転写する。さらに、用紙への転写後、
剥離(デタック)装置で用紙を感光体等から剥離し画像
を出力する。
【0003】例えば、カラー印刷装置においては、イエ
ロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック
(K)の各色ごとに、感光体、帯電装置、現像機、転写
装置のいわゆる画像形成ユニットを形成し、これらの各
々を動作させてカラー印刷を行なう。
【0004】電子写真方式のプリンター・複写機等は、
感光体回りの負荷に対して規定電圧もしくは電流を与え
るための高圧電源を備えている。電圧もしくは電流は、
帯電、現像、転写、剥離、清掃等の処理のために供給さ
れる。昨今のプリンター・複写機等は市場での高機能要
求を背景に、カラー化、高速化が進んでいる。その要求
に対応するべく、感光体、および、帯電、現像、転写機
能を含むブロックを各色(例えばYMCK色)毎に用意
し、ペーパーを1パスで印字するタンデム型エンジンが
主流になりつつある。タンデム型の利点は一度に多色
(例えばYMCK色の4色)を印字できるため、白黒機
と同様のスピードパフォーマンスを実現できる。よっ
て、高圧電源には多色エンジンの負荷に応じるものを用
意することが要求される。
【0005】図9に従来のタンデム型の電源供給構成を
説明する図を示す。図9は、YMCKの各々の画像形成
ユニットにそれぞれ高圧電源(HVPS:High Voltage
Power Supply)を備えた構成であり、それぞれのユニ
ット専用の電源から電源を供給する。
【0006】図9のタンデム型プリンタの動作について
簡単に説明する。各感光体1701の周囲には、帯電ロ
ールを備えた帯電器1702が備えられ、帯電器170
2により感光体1701が一様に帯電された後、図示し
ない露光装置にて露光され、感光体ドラム上に静電潜像
が形成され静電潜像は現像器1703により現像され、
感光体ドラム1701上のトナー像は、転写器1704
により中間転写体1707上に転写される。、これらの
処理をYMCKそれぞれ連続して行なった後、二次転写
器1706によって用紙に転写され、剥離(デタック)
器1705で用紙を剥離し出力する。
【0007】上記構成において、帯電装置は感光体ドラ
ムに接触しており、帯電電源により帯電用バイアスが印
加され、感光体ドラムを一様に帯電する。また、現像装
置を構成する現像ロールは、感光体ドラムに近接して配
置され、帯電したトナーをその表面に担持して回転し、
そのトナーを感光体に向き合う現像位置に運ぶ。また、
その現像ロールには、現像電源から、現像バイアスが印
加される。この現像バイアスの印加により現像ロールの
表面に担持されたトナーが感光体ドラム側に飛翔し、感
光体ドラム上にトナー像が形成される。
【0008】また、転写装置は、感光体ドラムに接触し
た状態に配置されて回転し、転写電源により転写バイア
スが印加され、感光体ドラムと転写ロールとの間に挿入
された用紙上にトナー像を転写させる。これら、帯電装
置電源、現像装置電源、および転写装置電源は、制御回
路により、バイアス印加のタイミング等が制御される。
【0009】今日、プリンター・複写機等は、高機能、
高画質化のため、プリンター・複写機等に利用される高
圧電源は多種多様の機能を必要とし、回路自体が複雑化
してきている。多機能要求の一例として、プロセススピ
ード可変やフルカラーモード/白黒モード切替、印字解
像度可変等があり、高圧電源へは、その仕様に対応しう
る複雑な制御を要求される。
【0010】特に現像出力に利用される例えば矩形波A
Cバイアス出力の場合、Vp−p(peak to peak)、
周波数、デューテイ(Duty)値と全てにおいて、可変す
る場合があり、それを実現するために高圧電源の制御回
路が複雑になり、結果、コストアップの要因となってい
る。図10に矩形波ACバイアス出力と、その制御の3
種類の態様としての(a)Vp−p(peak to peak)
制御、(b)周波数制御、(c)デューテイ(Duty)値
制御の態様を示す。(a),(b)、(c)において、
矩形波上に示す矢印方向に矩形波を変化させる制御を行
なうことを示している。
【0011】このように、Vp−p(peak to pea
k)、周波数、デューテイ(Duty)値と全てにおいて制
御を行なう場合の高圧電源の構成を示すブロック図を図
11に示す。図11に示すように、高圧電源1810は
MCU(マシンコントロールユニット)1820のON
/OFF信号により、制御の開始停止が指示され、出力
負荷1830に対して、負荷に応じた所定の出力を行な
う。
【0012】高圧電源1810は、昇圧トランス181
5、トランスの1次側印加電圧を周期的にスイッチング
するスイッチング(SW)回路1814、トランスの2
次側で出力状態量を検出する検出回路1816、検出回
路1816による検出結果から出力目標値との比較演算
を行なう制御手段によって構成される。制御手段は、前
述のVp−p(peak to peak)、周波数、デューテイ
(Duty)値と全てにおいて制御を行なう場合、Vp−p
制御回路1812、周波数制御回路1811、デューテ
ィ制御回路1813のすべてを備えることになる。
【0013】高圧電源の出力は、制御手段を構成するV
p−p制御回路1812、周波数制御回路1811、デ
ューティ制御回路1813はアナログIC等によりコン
トロールされる。具体的には、検出回路1816により
検出された検出値をアナログIC等により高圧電源が制
御すべき目標値とを比較し、その比較結果に応じてスイ
ッチング回路1814に与えるPWM信号のVp−p
(peak to peak)、周波数、デューテイ(Duty)値を
制御するものである。スイッチング回路1814は、パ
ルス幅信号に基づいて入力電圧をスイッチングして出力
制御を実行する。
【0014】近年、CPU等を利用し、プログラムによ
りスイッチング回路に入力するPWM信号を制御する高
圧電源が提案されている。図11に示すようにPWM信
号のVp−p(peak to peak)、周波数、デューテイ
(Duty)値を制御する回路構成をプログラム制御化した
場合のフィードバック制御処理フローを図12に示す。
各ステップについて説明する。まず、ステップS301
〜S303において、スイッチング回路1814の動作
により生成される出力AC波形のVp−pの電圧目標
値、周波数、デューテイ値を設定する。
【0015】ステップS304において、フィードバッ
ク値による制御段階であるか、初期値設定段階である
か、すなわち立ち上げ初回であるか否かを判定し、立ち
上げ初回である場合は、ステップS321において、出
力AC波形の周波数に対応するスイッチング回路に付与
すべきsw.PWM信号の初期デューテイ値を演算、あ
るいはテーブルから求めて、これをsw.PWM信号の
初期デューテイ値として設定(S322)する。ステッ
プS323において、出力AC波形の周波数に対応する
スイッチング回路に付与すべきsw.PMW信号のデュ
ーテイ上限値を演算あるいはテーブルから求めて、これ
をsw.PWM信号のデューテイ上限値として設定(S
324)する。初期デューテイ値およびデューテイ上限
値は、出力AC波形の周波数によって異なった値となる
ため、周波数が変更された場合は、新たに算出する処理
が必要となる。
【0016】ステップS304において、フィードバッ
ク値による制御段階であると判定した場合は、ステップ
S305において、出力検出回路1816からのモニタ
ー値をとり込み、ステップS306において、目標値と
の乖離に基づいて新たなデューテイを演算して、これを
新規sw.PWM信号のデューテイ値として設定(S3
07)する。
【0017】ステップS308において、演算により求
められた新たなカウント値が上限値以下であるかを判定
する。得られた新規カウント値が上限を超えている場合
は、sw.PWM信号をデューテイ上限値として設定
(S331)する。
【0018】演算結果として得られた新規デューテイ値
が上限を超えていない場合は、演算結果として得られた
新規デューテイ値を設定して出力(S309)する。こ
れらの処理を出力継続中、繰り返し実行し(S31
0)、出力停止(S311)によりフィードバック制御
を終了する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、Vp−
p(peak to peak)、周波数、デューテイ(Duty)値
と全てにおいて制御を行なう場合の高圧電源は、それぞ
れの制御のための回路を備える必要があり、コストアッ
プの要因となっていた。特にカラー印刷装置において
は、各色の印刷ユニット毎にこれらの制御回路を持つ電
源装置を備えることが必要になり、コストの増加は一段
と大きくなっている。
【0020】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
ものであり、Vp−p(peak topeak)、周波数、デュ
ーテイ(Duty)値と全ての制御を行なう構成において、
それぞれの制御用の回路を設けることなく、Vp−p
(peak to peak)、周波数、デューテイ(Duty)値の
制御を可能とした電源装置および出力電圧制御方法を提
供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面は、
トランスと、前記トランスの一次側において入力電源の
オンオフ制御を行なうスイッチング手段と、前記トラン
スの二次側出力を検出して検出値に対応する出力値を出
力する検出手段とを有し、前記検出手段の出力値に基づ
いてフィードバック制御を行なう電源装置において、前
記スイッチング手段は、第1のパルス幅変調信号を制御
手段から入力し、前記トランスの二次側出力波形の立上
がりを制御する第1のスイッチング手段と、第2のパル
ス幅変調信号を制御手段から入力し、前記トランスの二
次側出力波形の立下がりを制御する第2のスイッチング
手段と、前記検出手段の検出値を入力し、該検出値に基
づいて前記第1のパルス幅変調信号および第2のパルス
幅変調信号のオン時間更新処理を実行し、更新された第
1のパルス幅変調信号を前記第1のスイッチング手段に
出力し、更新された第2のパルス幅変調信号を前記第2
のスイッチング手段に出力する制御手段と、を有するこ
とを特徴とする電源装置にある。本構成によれば、出力
波形生成処理が第1のパルス幅変調信号、第2のパルス
幅変調信号の制御により実行可能となり、専用の波形制
御回路構成を保有する必要がなくなり、機器のコストダ
ウン、小型化が図れる。
【0022】さらに、本発明の電源装置の一実施態様に
おいて、前記制御手段は、基準周波数を持つクロックカ
ウントに基づいて、前記トランスの二次側出力波形の立
上がり時間を制御する前記第1のパルス幅変調信号のオ
ン時間の設定を行ない、前記トランスの二次側出力波形
の立下がり時間を制御する前記第2のパルス幅変調信号
のオン時間の設定を行なう構成であることを特徴とす
る。本構成によれば、出力波形生成処理が第1のパルス
幅変調信号、第2のパルス幅変調信号のオン時間の設定
処理によって実行可能となり、専用の波形制御回路構成
を保有する必要がなくなり、機器のコストダウン、小型
化が図れる。
【0023】さらに、本発明の電源装置の一実施態様に
おいて、前記制御手段は、前記検出手段の出力値に基づ
いて、前記第1のパルス幅変調信号および第2のパルス
幅変調信号のオン時間に対応するクロックカウント数を
変更することにより、前記第1のパルス幅変調信号およ
び第2のパルス幅変調信号のオン時間更新処理を実行す
ることを特徴とする。本構成によれば、フィードバック
制御における出力波形更新処理が第1のパルス幅変調信
号、第2のパルス幅変調信号のオン時間の更新処理によ
って実行可能となる。
【0024】さらに、本発明の電源装置の一実施態様に
おいて、前記制御手段は、前記トランスの二次側出力波
形のデューテイ値、周波数、およびVp−pの変更処理
のいずれをも、前記第1のパルス幅変調信号および前記
第2のパルス幅変調信号の更新処理によって実行する構
成を有することを特徴とする。本構成によれば、フィー
ドバック制御における出力波形の生成、更新処理が第1
のパルス幅変調信号および前記第2のパルス幅変調信号
の制御により、様々な態様で実行可能となる。
【0025】さらに、本発明の電源装置の一実施態様に
おいて、前記制御手段は、前記第1のパルス幅変調信号
および前記第2のパルス幅変調信号の初期値、上限値の
少なくともいずれかを設定するクロックカウント数をメ
モリに格納し、該メモリ格納クロックカウント数を、前
記トランスの二次側出力波形の出力周波数に関わらず適
用する構成を有することを特徴とする。本構成によれ
ば、出力波形の周波数に応じて様々な設定値を格納、あ
るいは演算して算出する必要がなくなる。
【0026】さらに、本発明の第2の側面は、トランス
と、前記トランスの一次側において入力電源のオンオフ
制御を行なうスイッチング手段と、前記トランスの二次
側出力を検出して検出値に対応する出力値を出力する検
出手段とを有し、前記検出手段の出力値に基づいてフィ
ードバック制御を行なう電源装置における出力電圧制御
方法であり、第1のスイッチング手段において、第1の
パルス幅変調信号を制御手段から入力し、前記トランス
の二次側出力波形の立上がりを制御する第1の波形生成
ステップと、第2のスイッチング手段において、第2の
パルス幅変調信号を制御手段から入力し、前記トランス
の二次側出力波形の立下がりを制御する第2の波形生成
ステップと、前記検出手段の検出値を入力し、該検出値
に基づいて前記第1のパルス幅変調信号および第2のパ
ルス幅変調信号のオン時間更新処理を実行し、更新され
た第1のパルス幅変調信号を前記第1のスイッチング手
段に出力し、更新された第2のパルス幅変調信号を前記
第2のスイッチング手段に出力する制御ステップと、を
有することを特徴とする出力電圧制御方法にある。本構
成によれば、出力波形生成処理が第1のパルス幅変調信
号、第2のパルス幅変調信号の制御により実行可能とな
り、専用の波形制御回路構成を保有する必要がなくな
り、機器のコストダウン、小型化が図れる。
【0027】さらに、本発明の出力電圧制御方法の一実
施態様において、前記制御ステップは、基準周波数を持
つクロックカウントに基づいて、前記トランスの二次側
出力波形の立上がり時間を制御する前記第1のパルス幅
変調信号のオン時間の設定を行ない、前記トランスの二
次側出力波形の立下がり時間を制御する前記第2のパル
ス幅変調信号のオン時間の設定を行なうことを特徴とす
る。本構成によれば、出力波形生成処理が第1のパルス
幅変調信号、第2のパルス幅変調信号のオン時間の設定
処理によって実行可能となり、専用の波形制御回路構成
を保有する必要がなくなり、機器のコストダウン、小型
化が図れる。
【0028】さらに、本発明の出力電圧制御方法の一実
施態様において、前記制御ステップは、前記検出手段の
出力値に基づいて、前記第1のパルス幅変調信号および
第2のパルス幅変調信号のオン時間に対応するクロック
カウント数を変更することにより、前記第1のパルス幅
変調信号および第2のパルス幅変調信号のオン時間更新
処理を実行することを特徴とする。本構成によれば、フ
ィードバック制御における出力波形更新処理が第1のパ
ルス幅変調信号および第2のパルス幅変調信号のオン時
間の更新処理によって実行可能となる。
【0029】さらに、本発明の出力電圧制御方法の一実
施態様において、前記制御ステップは、前記トランスの
二次側出力波形のデューテイ値、周波数、およびVp−
pの変更処理のいずれをも、前記第1のパルス幅変調信
号および第2のパルス幅変調信号の更新処理によって実
行することを特徴とする。本構成によれば、フィードバ
ック制御における出力波形の生成、更新処理が第1のパ
ルス幅変調信号および第2のパルス幅変調信号の制御に
より、様々な態様で実行可能となる。
【0030】さらに、本発明の出力電圧制御方法の一実
施態様において、前記制御ステップは、前記第1のパル
ス幅変調信号および第2のパルス幅変調信号の初期値、
上限値の少なくともいずれかを設定するクロックカウン
ト数をメモリに格納し、該メモリ格納クロックカウント
数を、前記トランスの二次側出力波形の出力周波数に関
わらず適用することを特徴とする。本構成によれば、出
力波形の周波数に応じて様々な設定値を格納、あるいは
演算して算出する必要がなくなる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電源装置および出
力電圧制御方法の詳細について図面を参照しながら説明
する。
【0032】
【実施例】本発明に係る電源装置の回路構成例を図1に
示す。なお、本発明の構成は、プリンタ、複写装置等の
転写装置、帯電装置、現像装置、ヒューザー装置等にお
ける電源において、またプリンタ、複写装置以外の分野
において、出力検出によるフィードバック制御構成を有
する構成において適用可能である。
【0033】図1に示すフィードバック制御構成は、出
力負荷500に出力値を与える高圧電源100、高圧電
源の制御を行なう制御手段としてのMCU(マシンコン
トロールユニット)200からなる。
【0034】MCU200内部には高圧電源100の制
御に必要なCPU201、スイッチング回路102,1
03に対してパルス幅変調信号:PWM1、パルス幅変
調信号:PWM2を出力するパルス発振器202、高圧
電源100の検出値をディジタル値に変換するA/D変
換器203が備えられている。MCU200はこの他に
も様々な部品で構成されているが、ここでは高圧電源1
00のフィードバック制御に関する構成部品のみ記載し
ている。
【0035】高圧電源100は、昇圧トランス101、
2つのスイッチング回路102、103、出力検出回路
104を備えている。ここで出力検出回路104の検出
値をMCU200内部のA/D変換器203に入力し、
目標値と比較し、比較結果に基づいて、制御用の2つの
パルスとしてのパルス幅変調信号:PWM1、パルス幅
変調信号:PWM2をパルス発振器202において生成
し、生成した各パルスを各スイッチング回路102、1
03に入力してスイッチング回路を制御して、トランス
101の一次側において入力電源のオンオフ制御を実行
し、Vp−p(peak to peak)、周波数、デューテイ
(Duty)値と全てにおいて制御した出力AC波形を生成
する。
【0036】本発明の電源装置におけるフィードバック
制御は、まず、出力検出回路104からの検出値と、出
力目標値との比較に基づいて2つのパルス信号としての
PWM1,PWM2を生成し、スイッチング回路10
2、103に2つのパルスPWM1,PWM2をそれぞ
れ入力する。
【0037】スイッチング回路102、103で、各入
力パルスPWM1,PWM2に基づいてトランス101
の入力のオンオフを制御することによりフィードバック
制御を行なうものである。
【0038】図1のブロック図の詳細回路構成例を図2
に示す。図2に示すようにスイッチング回路102、1
03は、トランス101の一次側の一方のラインに接続
される。トランス101の一次側の他方のラインは、ト
ランス101入力電源(1/2Vcc)に接続される。
トランス101の二次側にはコンデンサ110、抵抗1
71が接続され、負荷に対する出力Voutを出力す
る。各スイッチング回路102、103には低圧安定化
電源から供給される例えば+24VDCが供給される。
トランス102の2次側からは、負荷に高圧出力Vou
tが供給される。
【0039】2つのスイッチング回路102、103に
は、MCU200からのパルス信号PWM1、PWM2
がそれぞれ入力される。MCU200では、出力検出回
路104からの検出値(Mon)と、目標値または基準
値と比較して、その比較結果に基づいて2つのパルスP
WM1、PWM2を生成してそれぞれスイッチング回路
102、103に入力する。なお、出力検出回路104
では、高圧出力を検出し、検知した高圧出力をMCU2
00のCPUにおいて検知可能な0〜5Vになるよう、
分圧、整流する処理を行なっている。
【0040】スイッチング回路102、103ではMC
U200から入力されるPWM1、PWM2に従って、
トランジスタ等によって構成されるスイッチング回路の
オン/オフが制御され、所定形状の出力波形(矩形波)
を生成する。各スイッチング回路102、103に入力
されるPWM1.PWM2のデューティ値により、出力
波形のVp−pが設定され、PWM1、PWM2のディ
レイ(遅延時間)によって出力波形のデューティが設定
され、PWM1、PWM2の周波数によって出力波形の
周波数が設定される。
【0041】出力検出回路104には、オペアンプ16
2が備えられており、オペアンプ162の反転入力は、
自身の出力端に接続されており、オペアンプ162の非
反転入力端は、抵抗161を介してダイオード164、
コンデンサ163からなる平滑回路に接続されている。
また、オペアンプ162の出力端は抵抗161を介して
制御部に接続され、モニター値(Mon)を出力する。
【0042】スイッチング回路102は、トランジスタ
152,153と、複数の抵抗151を有し、スイッチ
ング回路103は、トランジスタ154,155,15
6と複数の抵抗151を有する。スイッチング102の
トランジスタ153と、スイッチング回路103のトラ
ンジスタ156はトランス101の1次巻線に接続さ
れ、それぞれのベースはMCU200からのPWM信号
をトランジスタおよび抵抗を介して入力する。
【0043】スイッチング回路102、103に入力さ
れるパルスの構成と、これらのパルスに基づいて形成さ
れる出力波形の例を図3に示す。
【0044】図3(a)がPWM1およびPWM2信号
により形成される出力波形の例である。出力波形の上段
ラインと下段ラインとの差分がVp−p、波形の上段領
域と下段領域との比率がデューティ、波形の間隔が周波
数を定義する要素に対応する。
【0045】スイッチング回路102には、図3(b)
のPWM1信号が入力され、スイッチング回路103に
は、図3(c)のPWM2信号が入力される。ここで
(b)PWM1は、(a)出力波形の立上がり部分を決
定する信号であり、一方、(c)PWM2は、(a)出
力波形の立下がり部分を決定する信号である。
【0046】すなわち、PWM1によるトランス101
の1次側LC共振により、2次側コンデンサ110(図
2参照)へ充電し、PWM2にて放電する。この繰り返
しにより、図3(a)の出力波形が生成される。従っ
て、PWM1、PWM2の各パルス信号自体のデューテ
ィ値は、同値であることが必要であり、デューティ書き
替えの処理は、PWM1、PWM2同時に実行すること
が必要となる。
【0047】このように、出力波形の立上がり部分を決
定する信号としてのPWM1、出力波形の立下がり部分
を決定する信号としてのPWM2により、図3(a)に
示すような出力波形が出力される。
【0048】図3から理解されるように、(b)PWM
1、(c)PWM2の周波数により、(a)出力波形の
周波数が決定される。また、(b)PWM1に対する
(c)PWM2の遅延により、(a)出力波形のデュー
テイが決定される。さらに、(b)PWM1、(c)P
WM2のデューティ値により、(a)出力波形のVp−
pが決定される。
【0049】このように、PWM1、PWM2の2つの
パルス信号に基づいて、スイッチング回路102,10
3を制御して、Vp−p(peak to peak)、周波数、
デューテイ(Duty)値と全てにおいて制御した出力AC
波形を生成し、フィードバック制御を行なう。
【0050】なお、スイッチング回路102,103に
入力するためのPWM信号の生成は、例えば水晶発振器
による基本クロックに基づいて実行される。PWM信号
の生成手法として(1)分周方式、および(2)クロッ
クカウント方式について説明する。
【0051】(1)分周方式 分周方式は、PWM信号の分解能と周波数から基本クロ
ックの分周比を計算してパルスを設定する方法であり、
PWM信号の分解能をカウント用レジスタ全域において
利用できるという利点がある。
【0052】図4に分周方式によりPWM信号を生成す
る手法を説明する図を示す。図4(a)に示す基本クロ
ック(分周なし)は16MHzであり、この基本クロッ
クに基づいて、例えば(b)2分周(16/2MH
z)、(c)4分周(16/4MHz)が得られる。希
望周波数を得るための算出は、 周波数=基本クロック/(分周比×分解能) によって行われる。
【0053】例えば、10bit(1023)分解能の
とき、図4の(d)に示すような5kHzの周波数を実
現する場合、上記式に各数値を当てはめると、16M
(基本クロック)/(3(分周比)×1023(分解
能))=5213.42Hzとなり、基本クロックの3
分周により、ほぼ5KHzを生成することができる。た
だし、希望周波数5000Hzに対して生成される周波
数は5213.42Hzとなり、本方式では取得周波数
の正確度を高めることは困難であるという問題がある。
【0054】(2)クロックカウント方式 本方式は、基本クロックを条件なくカウントし、希望周
波数近傍でカウントをリセットして周波数とする方法で
ある。
【0055】図5にクロックカウント方式によりPWM
信号を生成する手法を説明する図を示す。基本クロック
は(a)16MHzであり、この基本クロックに基づい
て例えば2カウントすることで(b)16MHz×2の
周波数を得ることができる。希望周波数を得るための算
出は、 周波数=基本クロック/カウント数 によって行われる。
【0056】例えば、(c)に示すように5kHzの周
波数を実現する場合、上記式に当てはめると、16M
(基本クロック)/3200(カウント数)=5000
Hzとなり、誤差がほとんどなく周波数を得ることが可
能となる。ただし、この場合、カウントが3200必要
となり、12bitカウンタが必要となる。
【0057】上述のような、(1)分周方式、(2)ク
ロックカウント方式等のPWM信号生成方法に従って、
図1のMCU200において、PWM1信号、PWM2
信号を生成して、それぞれスイッチング回路102、1
03に出力する。なお、出力AC波形の周波数に正確性
を要求される負荷には、(2)クロックカウント方式を
採用することが好ましい。すなわち、基準周波数を持つ
クロックカウントに基づいて、出力波形の立上がり時間
に対応するPWM1のオン時間の設定を行ない、また、
制御用パルス幅変調信号の立下がり時間に対応するPW
M2のオン時間の設定を行なう。
【0058】図1、2に示す電源装置において、上述の
PWM1、PWM2信号を使用したフィードバック制御
の具体例について説明する。
【0059】マシンシーケンスにおいて、高圧電源10
0に対する出力開始指令がくると、MCU200は、P
WM1,2として予め初期値として設定されたデューテ
ィ値を持った、且つ同じデューテイ値の一対のPWM信
号を、スイッチング回路102,103に対して発振す
る。
【0060】その後、出力検出回路104の検出出力値
(モニター値)に基づいてフィードバック制御が実行さ
れる。フィードバック制御におけるPWM1およびPW
M2信号の新規デューテイ(Duty)値設定のための
演算式の原則は、 新規Duty値=(目標値÷モニター値)×現在Dut
y値 となり、上記式に基づいて、逐次PWM1,2が更新さ
れる。出力検出回路104から新たな検出値がMCU2
00に入力される毎に上記演算式により、PWM1およ
びPWM2信号の新規デューテイ値が設定されて逐次P
WM1,2が更新される。
【0061】MCU200内のCPU201によるフィ
ードバック制御の場合、出力検出回路104から入力さ
れるモニター(Mon)信号により、現在の出力値を判
断し、プログラムにより、目標値の乖離値を計算し、そ
の結果からPWM1およびPWM2信号の新規デューテ
イ値を演算する。
【0062】ただし、PWM1およびPWM2信号の初
期デューテイ値は上記式から算出はできない、なぜな
ら、モニター値、現在のデューテイ値は共に0であるか
らである。つまり、初回デューテイ値は回路自体が動作
していないため、上記式からの演算は実行されない。初
期値は、例えば図6に示すような出力Vp−pとデュー
テイ値の関係を示す特性式に基づいて、予め定めた出力
目標値(出力Vp−p)に対応するデューティ値をPW
M1およびPWM2信号の初期デューティ値として設定
したり、初期値を定めたテーブルをMCU内のメモリに
格納し、テーブルに基づいて初期値を決定するなどの方
法が実行される。その後は、出力検出回路104から入
力されるモニター(Mon)値により上述した演算によ
り、PWM1およびPWM2信号の新規デューテイが決
定されてフィードバック制御されることになる。
【0063】PWM1およびPWM2信号の初期デュー
ティ値が設定され、MCU200のパルス発振器202
からスイッチング回路102、103に対してPWM
1、PWM2信号が出力されると、PWM1、PWM2
信号に従ってトランス101の動作により図3(a)の
出力AC波形が出力される。その出力を出力検出回路1
04が検出し、モニター(Mon)値として、MCU2
00のA/D変換器203に入力して、A/D変換器2
03が入力アナログ値をデジタル変換して、CPUが目
標値と比較し、新規Duty値=(目標値÷モニター
値)×現在Duty値により、PWM1およびPWM2
信号の新規デューテイ値が演算され、パルス発振器20
2において発振されて、スイッチング回路102、10
3に入力される。
【0064】図3を用いて説明した通り、本例に示され
る2つのパルス信号PWM1、PWM2の初期デューテ
イ値は前記の如く、特性式やテーブル等を利用して、設
定される。PWM1およびPWM2信号のオン時間をフ
ィードバック制御を繰り返し実行することにより昇圧さ
れる電圧値(Vp−p値)が制御される。また、PWM
1に対するPWM2の遅延時間を変更することにより、
出力波形(図3(a))のデューテイ値の変更ができ
る。
【0065】本発明の制御構成においては、出力波形の
デューテイ値の制御は、スイッチング回路102、10
3に入力するPWM信号のデューテイ値を制御するので
はなく、PWM信号のオン時間を制御することによって
達成される。PWM信号のオン時間は、例えば、先の
(2)クロックカウント方式の説明から理解されるよう
に基準周波数のクロックカウントに基づいて制御可能で
ある。
【0066】2つのパルス幅変調信号、PWM1、PW
M2を用いて出力波形の制御を行なう本発明の構成にお
いては、たとえ出力波形の周波数がどのような周波数を
持つ場合であっても、同一のオン時間を持つPWM信号
の適用が可能である。
【0067】電圧値(Vp−p値)もPWM1、PWM
2信号のオン時間により昇圧される電圧値に相当するも
のであるので、たとえ出力波形の周波数がどのような周
波数を持つ場合であっても、基準周波数のクロックカウ
ントに基づいて出力波形の電圧値(Vp−p値)の制御
が可能となる。
【0068】また、スイッチング回路102,103に
与えるPWM信号は、トランス101、スイッチング回
路102,103の素子の焼損を防ぐため、上限値を定
めておく必要がある。例えば、本例で示されている回路
は、出力波形が5kHzの場合、デューティ値を12.
5%、6kHzではデューティ値を15.0%、9kH
zではデューティ値を22.5%とするデューテイ値の
上限値を設定すれば、回路損傷等のトラブルは防ぐこと
が出来る。
【0069】従来のデューティ値による上限設定の場
合、周波数毎に上限デューテイ値を算出して設定するこ
とが必要となる。結局、周波数毎の上限値設定テーブル
等が必要となり、プログラムが複雑となる。
【0070】しかし、本発明の2つのPWM信号PWM
1、PWM2を用いた出力波形生成構成によれば、例え
ばPWMのオン時間の制御による出力波形の上限設定が
可能となる。従って、PWMのオン時間の制御を基本ク
ロックのカウントにより実行することで、上限制御が可
能となる。すなわち、出力波形の周波数に関わらず、同
じカウント値が適用可能となり、周波数に応じたテーブ
ル等を使う必要がなく、処理が容易となる。
【0071】図7に出力波形の周波数に対応するデュー
ティ制御の場合と、カウント値制御の場合の対応を示
す。図7に示すように、出力波形が例えば、5kHz、
6kHz、9kHzの3態様について想定する。
【0072】これら各周波数の出力波形の場合、ある一
定の出力目標値に対する初期値をデューテイにより設定
しようとすると、出力波形が5kHzの場合はデューテ
イ値を1.56%と設定し、出力波形が7kHzの場合
はデューテイ値を1.87%と設定し、出力波形が9k
Hzの場合はデューテイ値を2.82%と設定するな
ど、各周波数に応じて初期デューテイ値を異ならせて設
定することが必要となっていた。同じ目標出力を得るた
めには、高周波数の場合は、1つのサイクルにおいて得
られるエネルギーが小さくなるため、デューテイを高め
ることが必要となる。
【0073】しかし、本発明のPWM1、PWM2信号
によって出力波形の立上がり、立下がりを設定する構成
においては、同じ基準クロックのカウント数により、周
波数に関わらず出力波形が同じの立上がり、立ち下がり
時間を持つことになり、トランスからの出力エネルギー
が周波数に依存せず等しくなるので、周波数に依存しな
い同一のカウント数を初期値として設定することが可能
となる。
【0074】また、上限値についても、デューテイ値制
御の場合は、上述したように、周波数に応じてデューテ
イ値を変更設定することが必要となるが、本発明のPW
M1、PWM2信号によって出力波形の立上がり、立下
がりを設定する構成においては、各PWMのオン時間に
よる波形の上昇幅が決定されるので、各PWMのオン時
間を制御する基準クロックのカウント数により制御可能
となり、周波数に依存しない同一のカウント数を上限値
の設定に利用することが可能となる。
【0075】MCU200は、2つのスイッチング回路
102,103に入力されるPWM1およびPWM2信
号の初期値、上限値の少なくともいずれかを設定するク
ロックカウント数をメモリに格納し、メモリ格納したク
ロックカウント数を、出力波形の出力周波数に関わらず
適用することが可能となる。
【0076】図1の構成における具体的なフィードバッ
ク制御処理例について説明する。出力波形を周波数:6
kHz、Vp−p:1.22kVp−pとして、sw.
PWM信号初期値=50カウント、制御目標モニター値
を4V(A/D変換による変換ディジタル値=818)
とする。sw.PWM信号初期値=50カウントとは、
スイッチング回路102、103に入力するPWM1、
PWM2のオン時間を基準クロックの50カウントとす
る設定としたという意味である。
【0077】上記初期設定により、PWM1,PWM2
がスイッチング回路102,103に入力され高圧電源
のトランス101が動作し、出力検出回路104が出力
を検出してモニター値がMCU200に入力されたと
き、出力電圧Vp−pが244Vp−p、モニター値が
0.8V(A/D変換による変換ディジタル値=16
3)であったとすると、制御目標モニター値は4Vであ
るので、モニター値と目標値との差分に基づいてカウン
ト値を変更する。カウント値の変更演算処理では、例え
ば目標値との差分の1/2の位置を設定値としたカウン
ト値を算出する。
【0078】目標値4V(ディジタル値=818)に対
して、モニター値0.8V(ディジタル値=163)で
あるから、目標値の1/2のポイントは、0.8+(4
−0.8)/2=2.4V(ディジタル値=491)と
なる。このとき、PWM信号の新規カウント値は、以下
のようにして設定する。新sw.PWM信号=(次の目
標値/現在のモニター値)×現在のカウント(CNT)
【0079】上記式に各数値を入れて計算すると、 新sw.PWM信号=(491/163)×50=15
0 従って、新規カウント数を150としたPWM信号を各
スイッチング回路102、103に入力する。
【0080】次に、上記の更新PWM信号により出力検
出回路104が新たなモニター値をMCU200に入力
してくると、その新たなモニター値に基づいて上記処理
を実行する。このような処理を繰り返し実行することに
より、出力を目標に近付けて、安定化させる制御が可能
となる。
【0081】本発明の電源装置のフィードバック制御処
理フローを図8に示す。各ステップについて説明する。
まず、ステップS101〜S103において、図1に示
す2つのスイッチング回路の動作により生成される出力
波形のVp−pの電圧目標値、周波数、デューテイ値を
設定する。
【0082】ステップS104において、フィードバッ
ク値による制御段階であるか、初期値設定段階である
か、すなわち立ち上げ初回であるか否かを判定し、立ち
上げ初回である場合は、前述したようにテーブルまた
は、出力目標から算出する初期カウント値をPWM信号
の初期値として設定して出力(S109)する。
【0083】また、ステップS104において、フィー
ドバック値による制御段階であると判定した場合は、ス
テップS105において、出力検出回路104からのモ
ニター値をとり込み、ステップS106において、前述
した式:新sw.PWM信号=(次の目標値/現在のモ
ニター値)×現在のカウント(CNT)を演算し、ステ
ップS107において、演算結果を新たなカウント値と
して設定する。
【0084】ステップS108において、演算により求
められた新たなカウント値が上限値以下であるかを判定
する。なお、上限値は、予めMCU200内のメモリに
格納し、CPU201が演算結果との比較を行なう。演
算結果として得られた新規カウント値が上限を超えてい
る場合は、ステップS122に進み、上限値を新たなカ
ウント値として設定しして出力(S109)する。演算
結果として得られた新規カウント値が上限を超えていな
い場合は、演算結果として得られた新規カウント値を設
定して出力(S109)する。
【0085】これらの処理を出力継続中、繰り返し実行
し(S110)、出力停止(S111)によりフィード
バック制御を終了する。
【0086】この処理は、出力波形の周波数に関わら
ず、一定のカウント値を適用して処理可能となるため、
周波数毎に異なるデューテイ値を計算、あるいはテーブ
ルから取得するなどの処理を行なうことなくフィードバ
ック制御を実行することが可能となる。
【0087】以上、特定の実施例を参照しながら、本発
明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成
し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で
本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべ
きではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に
記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0088】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の電源装置
および出力電圧制御方法においては、2つのスイッチン
グ回路に入力するPWM信号により出力波形を生成し、
出力波形のVp−p(peak to peak)、周波数、デュ
ーテイ(Duty)値をスイッチング回路に入力するPWM
信号を制御するのみで、制御可能となり、Vp−p(pe
ak to peak)、周波数、デューテイ(Duty)値制御用
の専用回路を必要とせず、機器の小型化、コストダウン
が実現される。
【0089】さらに、2つのスイッチング回路に入力す
るPWM信号の制御を基準クロックのカウント値に基づ
いて実行する構成により、出力信号の周波数に依存せ
ず、同一のカウント数で、出力波形のVp−p(peak
to peak)制御、上限値制御等が可能となり、周波数の
変更に伴う演算処理、あるいは周波数毎の各設定値の格
納処理が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電源装置の構成ブロック図である。
【図2】 本発明の電源装置の回路構成例を示す図であ
る。
【図3】 本発明の電源装置に適用されるスイッチング
回路に入力するPWM信号との出力波形の対応を説明す
る図である。
【図4】 パルス信号の生成手法としての分周方式を説
明する図である。
【図5】 本発明の電源装置において適用可能なパルス
信号の生成手法としてのクロックカウント方式を説明す
る図である。
【図6】 本発明の電源装置において適用される出力目
標値からの初期デューテイ値の設定処理を説明する図で
ある。
【図7】 本発明の電源装置におけるカウント値に基づ
く初期値、上限値の設定と、デューテイ値による各値の
設定手法との差異を出力周波数との関係において説明す
る図である。
【図8】 本発明の電源装置におけるフィードバック制
御処理フローを示す図である。
【図9】 高圧電源を用いたカラー印刷装置の構成を示
す図である。
【図10】 矩形波の制御態様を説明する図である。
【図11】 従来の電源装置の構成ブロック図である。
【図12】 従来の電源装置におけるフィードバック制
御処理フローを示す図である。
【符号の説明】
100 高圧電源、101 トランス 102,103 スイッチング回路 104 出力検出回路、200 マシンコントロールユ
ニット 201 CPU、202 パルス発振器 203 A/D変換器、500 出力負荷 110 コンデンサ、151 抵抗 152,153,154,155,156 トランジス
タ 161抵抗、162 オペアンプ 163 コンデンサ、164 ダイオード、 171
抵抗 1701 感光体、1702 帯電器、1703 現像
器 1704 転写器、1705 剥離器 1706 二次転写器、1707 中間転写体 1810 高圧電源、1811 周波数制御回路 1812 Vp−p制御回路、1813 デューテイ制
御回路 1814 スイッチング回路、1815 トランス 1816 出力検出回路、1830 出力負荷

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トランスと、前記トランスの一次側におい
    て入力電源のオンオフ制御を行なうスイッチング手段
    と、前記トランスの二次側出力を検出して検出値に対応
    する出力値を出力する検出手段とを有し、前記検出手段
    の出力値に基づいてフィードバック制御を行なう電源装
    置において、 前記スイッチング手段は、 第1のパルス幅変調信号を制御手段から入力し、前記ト
    ランスの二次側出力波形の立上がりを制御する第1のス
    イッチング手段と、 第2のパルス幅変調信号を制御手段から入力し、前記ト
    ランスの二次側出力波形の立下がりを制御する第2のス
    イッチング手段と、 前記検出手段の検出値を入力し、該検出値に基づいて前
    記第1のパルス幅変調信号および第2のパルス幅変調信
    号のオン時間更新処理を実行し、更新された第1のパル
    ス幅変調信号を前記第1のスイッチング手段に出力し、
    更新された第2のパルス幅変調信号を前記第2のスイッ
    チング手段に出力する制御手段と、 を有することを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、 基準周波数を持つクロックカウントに基づいて、前記ト
    ランスの二次側出力波形の立上がり時間を制御する前記
    第1のパルス幅変調信号のオン時間の設定を行ない、前
    記トランスの二次側出力波形の立下がり時間を制御する
    前記第2のパルス幅変調信号のオン時間の設定を行なう
    構成であることを特徴とする請求項1に記載の電源装
    置。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、 前記検出手段の出力値に基づいて、前記第1のパルス幅
    変調信号および第2のパルス幅変調信号のオン時間に対
    応するクロックカウント数を変更することにより、前記
    第1のパルス幅変調信号および第2のパルス幅変調信号
    のオン時間更新処理を実行することを特徴とする請求項
    2に記載の電源装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、 前記トランスの二次側出力波形のデューテイ値、周波
    数、およびVp−pの変更処理のいずれをも、前記第1
    のパルス幅変調信号および前記第2のパルス幅変調信号
    の更新処理によって実行する構成を有することを特徴と
    する請求項1乃至3いずれかに記載の電源装置。
  5. 【請求項5】前記制御手段は、 前記第1のパルス幅変調信号および前記第2のパルス幅
    変調信号の初期値、上限値の少なくともいずれかを設定
    するクロックカウント数をメモリに格納し、該メモリ格
    納クロックカウント数を、前記トランスの二次側出力波
    形の出力周波数に関わらず適用する構成を有することを
    特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の電源装置。
  6. 【請求項6】トランスと、前記トランスの一次側におい
    て入力電源のオンオフ制御を行なうスイッチング手段
    と、前記トランスの二次側出力を検出して検出値に対応
    する出力値を出力する検出手段とを有し、前記検出手段
    の出力値に基づいてフィードバック制御を行なう電源装
    置における出力電圧制御方法であり、 第1のスイッチング手段において、第1のパルス幅変調
    信号を制御手段から入力し、前記トランスの二次側出力
    波形の立上がりを制御する第1の波形生成ステップと、 第2のスイッチング手段において、第2のパルス幅変調
    信号を制御手段から入力し、前記トランスの二次側出力
    波形の立下がりを制御する第2の波形生成ステップと、 前記検出手段の検出値を入力し、該検出値に基づいて前
    記第1のパルス幅変調信号および第2のパルス幅変調信
    号のオン時間更新処理を実行し、更新された第1のパル
    ス幅変調信号を前記第1のスイッチング手段に出力し、
    更新された第2のパルス幅変調信号を前記第2のスイッ
    チング手段に出力する制御ステップと、 を有することを特徴とする出力電圧制御方法。
  7. 【請求項7】前記制御ステップは、 基準周波数を持つクロックカウントに基づいて、前記ト
    ランスの二次側出力波形の立上がり時間を制御する前記
    第1のパルス幅変調信号のオン時間の設定を行ない、前
    記トランスの二次側出力波形の立下がり時間を制御する
    前記第2のパルス幅変調信号のオン時間の設定を行なう
    ことを特徴とする請求項6に記載の出力電圧制御方法。
  8. 【請求項8】前記制御ステップは、 前記検出手段の出力値に基づいて、前記第1のパルス幅
    変調信号および第2のパルス幅変調信号のオン時間に対
    応するクロックカウント数を変更することにより、前記
    第1のパルス幅変調信号および第2のパルス幅変調信号
    のオン時間更新処理を実行することを特徴とする請求項
    7に記載の出力電圧制御方法。
  9. 【請求項9】前記制御ステップは、 前記トランスの二次側出力波形のデューテイ値、周波
    数、およびVp−pの変更処理のいずれをも、前記第1
    のパルス幅変調信号および第2のパルス幅変調信号の更
    新処理によって実行することを特徴とする請求項6乃至
    8いずれかに記載の出力電圧制御方法。
  10. 【請求項10】前記制御ステップは、 前記第1のパルス幅変調信号および第2のパルス幅変調
    信号の初期値、上限値の少なくともいずれかを設定する
    クロックカウント数をメモリに格納し、該メモリ格納ク
    ロックカウント数を、前記トランスの二次側出力波形の
    出力周波数に関わらず適用することを特徴とする請求項
    6乃至9いずれかに記載の出力電圧制御方法。
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