JP4265148B2 - 電源装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源装置、特にプリンタ、複写機等に適用可能な電源装置に関する。さらに詳細には、プリンタ、複写機等の帯電装置、転写装置、ヒューザー装置、現像装置等に適用可能な電源装置であり、状態値検出に基づいたフィードバック制御を行なう電源装置において、出力を確実に実行し、制御エラーによる出力異常、機器損壊の発生を防止可能とした電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機等の画像形成装置は、感光体ドラムを帯電装置にて一様に帯電し、露光装置にて静電潜像を形成し、トナー像を現像装置で形成し、一次接転写装置でトナー像を中間転写体に転写する。さらに、二次転写装置で用紙への転写後、剥離(デタック)装置で用紙を感光体等から剥離し画像を出力する。
【0003】
例えば、カラー印刷装置においては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとに、感光体、帯電装置、現像装置、一次転写装置のいわゆる画像形成ユニットを形成し、これらの各々を動作させてカラー印刷を行なう。
【0004】
電子写真方式のプリンター・複写機等は、感光体回りの負荷に対して規定電圧もしくは電流を与えるための高圧電源を備えている。電圧もしくは電流は、帯電、現像、転写、剥離、清掃等の処理のために供給される。昨今のプリンター・複写機等は市場での高機能要求を背景に、カラー化、高速化が進んでいる。その要求に対応するべく、感光体、および、帯電、現像、転写機能を含むブロックを各色(例えばYMCK色)毎に用意し、ペーパーを1パスで印字するタンデム型エンジンが主流になりつつある。タンデム型の利点は一度に多色(例えばYMCK色の4色)を印字できるため、白黒機と同様のスピードパフォーマンスを実現できる。
【0005】
図8のタンデム型プリンタの動作について簡単に説明する。各感光体801の周囲には、帯電ロールを備えた帯電器802が備えられ、帯電器802により感光体801が一様に帯電された後、図示しない露光装置にて露光され、感光体ドラム上に静電潜像が形成され静電潜像は現像器803により現像され、感光体ドラム801上のトナー像は、一次転写器804により中間転写体807上に転写される。これらの処理をYMCKそれぞれ連続して行なった後、二次転写器806によって用紙に転写され、剥離(デタック)器805で用紙を剥離し出力する。
【0006】
上記構成において、帯電装置は感光体ドラムに接触しており、帯電電源により帯電用バイアスが印加され、感光体ドラムを一様に帯電する。また、現像装置を構成する現像ロールは、感光体ドラムに近接して配置され、帯電したトナーをその表面に担持して回転し、そのトナーを感光体に向き合う現像位置に運ぶ。また、その現像ロールには、現像電源から、現像バイアスが印加される。この現像バイアスの印加により現像ロールの表面に担持されたトナーが感光体ドラム側に飛翔し、感光体ドラム上にトナー像が形成される。
【0007】
また、一次転写装置は、中間転写体を介して感光体ドラムに接触した状態に配置されて回転し、一次転写電源により一次転写バイアスが印加され、中間転写体にトナー像が転写され、さらに二次転写装置により用紙上にトナー像が転写される。これら、帯電装置電源、現像装置電源、および一次転写装置電源は、制御回路により、バイアス印加のタイミング等が制御される。
【0008】
今日、プリンター・複写機等は、高機能、高画質化のため、プリンター・複写機等に利用される高圧電源は多種多様の機能を必要とし、回路自体が複雑化してきている。多機能要求の一例として、プロセススピード可変やフルカラーモード/白黒モード切替、印字解像度可変等があり、高圧電源へは、その仕様に対応しうる複雑な制御を要求される。
【0009】
特に現像出力に利用される例えば矩形波ACバイアス出力の場合、Vp−p(peak to peak)、周波数、デューテイ(Duty)値の全てにおいて、可変する場合があり、それを実現するために高圧電源の制御回路が複雑になり、結果、コストアップの要因となっている。図9に矩形波ACバイアス出力と、その制御の3種類の態様としての(a)Vp−p(peak to peak)制御、(b)周波数制御、(c)デューテイ(Duty)可変制御の態様を示す。(a),(b)、(c)において、矩形波上に示す矢印方向に矩形波を変化させる制御を行なうことを示している。
【0010】
このように、Vp−p(peak to peak)、周波数、デューテイ(Duty)値の制御構成を持つ電源装置として、トランジスタ等のスイッチ素子のスイッチング動作を利用して出力電力を得る、所謂スイッチング電源装置が知られている。
【0011】
スイッチング電源装置の構成例を図10に示す。図10に示すスイッチング電源装置は、MCU(マシンコントロールユニット)820のCPU821から制御回路815に出力情報を送り、制御回路815により、スイッチ回路811のスイッチング動作を起こさせ、スイッチング動作により昇圧トランス812の1次巻線への直流電源による入力電圧の印加/非印加を繰り返し、昇圧トランス812の2次側回路813にエネルギーを伝達して負荷830に供給する出力電力を得る構成である。
【0012】
出力電圧、又は出力電流を安定して目標値に一致させるために2次側回路813に接続された検知回路814において検知された出力電圧または電流値に応じて、電圧モニタ信号Vmon、または電流モニタ信号Imonを生成し、制御回路815において、電圧モニタ値(出力電圧値に相当)、または電流モニタ信号Imonが示す電流モニタ値(出力電流値に相当)が目標値に一致するようにPWM信号を制御する。PWM信号制御態様には、上述の(a)Vp−p(peak to peak)制御、(b)周波数制御、(c)デューテイ(Duty)可変制御が含まれる。
【0013】
スイッチング回路814は、制御されたPWM信号(パルス幅信号)に基づいて入力電圧をスイッチングして出力制御が実行される。制御回路815として一般に利用されているのは、アナログICを利用したアナログ制御回路である。しかし、上述の(a)Vp−p(peak to peak)制御、(b)周波数制御、(c)デューテイ(Duty)可変制御等の複雑な制御をアナログICで実現しようとすると回路規模が大型化し、またその結果としてコストアップを招くという問題があった。
【0014】
近年、上記問題点を解決する構成として、プログラムによりスイッチング回路に入力するPWM信号を制御する高圧電源、すなわち、制御をソフトウェアによって実行するデジタル制御方式が提案されている。
【0015】
図11に、デジタル制御方式による高圧電源構成を示す。図11に示すスイッチング電源装置は、図10のアナログIC等の制御回路を持たず、検知回路854において検知された電圧モニタ信号Vmon、または電流モニタ信号Imonを、デジタル変換後、直接、MCU(マシンコントロールユニット)860のCPU861に入力し、入力値に基づいて、ソフトウェアによって出力するPWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変調)信号の制御を実行し、制御PWM信号により、スイッチ回路851のスイッチング動作を起こさせ、スイッチング動作により昇圧トランス852の1次巻線への直流電源による入力電圧の印加/非印加を繰り返し、昇圧トランス852の2次側回路853にエネルギーを伝達して負荷870に供給する出力電力を得る構成である。
【0016】
本方式は、アナログIC等の制御回路が不必要となり、コストダウンを達成でき、また、制御をソフトウエアで行うため、プロセス仕様の可変要求に対し、柔軟に対応できるという利点がある。
【0017】
しかしながら、このようなソフトウェア制御方式では、制御をCPU等のデジタル回路にて行なうため、外乱(電気的ノイズ)等が発生した場合CPUが暴走し、結果、機器の破損を招く恐れがある。これを解決するため、デジタル回路と、高圧電源のインターフェイス回路に保護回路を設けることがある。
【0018】
信号異常の判定処理構成としては、ソフトウェアによって異常判定を行なう構成が知られているが、CPUの誤動作はソフトウェアによる誤動作判定処理にも影響を与え、その信頼性が低下するという問題がある。また、たとえ、CPUが正常動作しても、CPUから高圧電源までの通信ライン途中で混入する誘導ノイズによる異常の発生には対応できない。
【0019】
信号異常による問題点を解決するための技術を開示した従来技術として、例えば、特許第3100797号(特開平6−335243号)、特許第3123608号(特開平4−207969号)がある。特許第3100797号(特開平6−335243号)は、スイッチング素子を用いた制御構成において、1つのPWMコントローラと、1つのトランスで、正負のDC−DCコンバータを切り換える構成として、正負の出力動作の切り換えをスムーズに行なわせることを可能として、出力異常の発生を防止した構成を持つものである。
【0020】
特許第3123608号(特開平4−207969号)は、PWM信号を充放電回路によって直流レベルに変換し、該直流レベルが所定値を越えたときにスイッチ素子を駆動するPWM信号をグランド(GND)に落とすことによってスイッチ素子の駆動を停止する割込み回路(保護回路と表現)を適用する構成を開示している。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述の(a)Vp−p(peak to peak)制御、(b)周波数制御、(c)デューテイ(Duty)可変制御等の複雑な制御をソフトゥエアで実現する技術として、複数のPWM信号を用いて、出力波形を制御する技術について、本出願人は、先に特願2000−345234号において提案している。
【0022】
これは、例えば図9に示す出力波形(矩形波)の立上がりを制御するための第1のPWM信号と、立ち下がりを制御するための第2のPWM信号を用いるものである。2つのPWM信号をMCU(マシンコントロールユニット)のCPUから出力し、2つのスイッチ回路を独立に動作させることにより、上述の(a)Vp−p(peak to peak)制御、(b)周波数制御、(c)デューテイ(Duty)可変制御等の複雑な制御を実現する構成である。
【0023】
このような複数のPWM信号を適用した制御構成では、第1のPWM信号と第2のPWM信号とがソフトウェアで制御された関係を保ちながらCPUから出力することで、矩形波は生成される。
【0024】
しかし、外乱等(電気的ノイズ)によりCPUが暴走した場合、例えば、第1のPWM信号と第2のPWM信号が同時にオン(On)となった場合、スイッチング回路での電流に異常が発生する。例えばプッシュプル回路に貫通電流が流れるなどの異常が発生して、回路が破損してしまう可能性がある。
【0025】
上述の従来技術、特許第3100797号(特開平6−335243号)、特許第3123608号(特開平4−207969号)は、本出願人の提案した特願2000−345234号に示す複数のPWM信号による出力制御を考慮した構成ではなく、複数のPWM信号の相互の制御エラーには対応できるものとはなっていない。
【0026】
本発明は、例えば本出願人が先に提案した特願2000−345234号に示すように、複数のPWM信号による出力制御を実行する電源装置において、PWM信号の動作タイミングを監視する監視回路を設け、PWM信号のタイミング異常を検出し、異常と判断した場合、スイッチング素子に与えるPWM信号を停止させて、高圧出力を停止、あるいは垂下させることにより、負荷に対するダメージ、および高圧電源の破損を未然に防止することを可能とした電源装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、入力電力が供給される一次巻線と、電力が出力される二次巻線とを持つトランスと、前記一次巻線に直列に接続され、パルス幅信号に基づいてスイッチングをする複数のスイッチング手段と、前記トランスの二次側出力を検出する検出手段とを有し、前記検出手段の検出値に基づいてフィードバック制御を行なう電源装置において、前記検出手段の検出値を入力し、前記トランスの二次側出力波形の立上がりを制御するための第1のパルス幅変調信号(PWM1)と、前記トランスの二次側出力波形の立下がりを制御するための第2のパルス幅変調信号(PWM2)を、前記検出値に応じて生成する制御手段と、前記制御手段の生成する前記第1のパルス幅変調信号(PWM1)、および前記第2のパルス幅変調信号(PWM2)を入力し、前記第1のパルス幅変調信号(PWM1)、および前記第2のパルス幅変調信号(PWM2)の両信号共に駆動要求を示す信号値状態で前記複数のスイッチング手段へ入力されることを阻止する出力制御手段であり、前記第1のパルス幅変調信号(PWM1)および前記第2のパルス幅変調信号(PWM2)の両信号の少なくともいずれか一方が駆動要求信号値でない場合は両信号を前記複数のスイッチング手段へ入力し、前記第1のパルス幅変調信号(PWM1)および前記第2のパルス幅変調信号(PWM2)の両信号共に駆動要求を示す信号値である場合には入力信号の変更処理または遮断処理を実行する回路構成を持つ出力制御手段と、前記出力制御手段による出力制御処理のなされた前記第1のパルス幅変調信号(PWM1)を入力し、前記トランスの二次側出力波形の立上がりを制御する第1のスイッチング手段と、前記出力制御手段による出力制御処理のなされた前記第2のパルス幅変調信号(PWM2)を入力し、前記トランスの二次側出力波形の立下がりを制御する第2のスイッチング手段と、を有することを特徴とする電源装置にある。
【0028】
本構成によれば、スイッチング手段に対するPWM信号の入力エラーが発生せず、PWM信号の入力エラーに基づくスイッチング手段での異常電流が発生せず、負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となる。また、スイッチング手段に対する入力信号の変更処理または遮断処理を実行する回路構成を持つ出力制御手段を有する構成としたので、ソフトウェア依存の異常検出、対応処理と異なり、外乱、ノイズによる動作の不安定さを招くことがなく、スイッチング回路に対する異常信号入力を確実に防止することができる。
【0030】
本構成によれば、スイッチング手段に対するPWM信号の入力エラーが発生することがなく、トランスの二次側出力波形のデューテイ値、周波数、およびVp−pの変更処理を、複数のパルス幅変調信号の更新処理によって実行する高度な制御構成を持つ電源装置においても、スイッチング手段での異常電流の発生を完全に防止して高度な制御を確実に実行できる。
【0031】
さらに、本発明の電源装置の一実施態様において、前記出力制御手段は、前記制御手段の生成する複数のパルス幅変調信号を入力し、該複数のパルス幅変調信号が駆動要求を示す信号値状態で前記制御手段から入力された場合に、駆動要求を解除した信号値状態に変更して出力する演算処理回路によって構成されたことを特徴とする。
【0032】
本構成によれば、演算処理回路を用いて出力制御回路を構成したので、複数のスイッチング手段に対して同時に駆動要求を出力することが防止され、スイッチング手段での異常電流が発生せず、負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となる。また、外乱、ノイズによる動作の不安定さを招くこともない。
【0033】
さらに、本発明の電源装置の一実施態様において、前記出力制御手段は、前記制御手段から入力された複数のスイッチング手段各々に対する入力パルス幅変調信号の両信号とも入力対象の各々のスイッチング手段の駆動要求を示す信号値状態で前記制御手段から入力された場合、いずれか一方のスイッチング手段に対する駆動用信号の入力を遮断する遮断回路によって構成され、前記遮断回路は、一方のスイッチング手段の駆動要求を示す入力パルス幅変調信号値状態に応じて、他方のスイッチング手段に対する駆動用信号の入力の遮断動作を行なう回路構成を持つことを特徴とする。
【0034】
本構成によれば、一方のスイッチング手段の駆動要求を示す入力パルス幅変調信号値状態に応じて、他方のスイッチング手段に対する駆動用信号の入力の遮断動作を行なう遮断回路によって、出力制御回路を構成したので、複数のスイッチング手段に対して同時に駆動要求を出力することが防止され、スイッチング手段での異常電流が発生せず、負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となる。また、外乱、ノイズによる動作の不安定さを招くこともない。
【0035】
さらに、本発明の電源装置の一実施態様において、前記遮断回路によって遮断される駆動用信号は、スイッチング手段に対して入力されるパルス幅変調信号、または基準信号のいずれかであることを特徴とする。
【0036】
本構成によれば、スイッチング手段に対する基準信号の入力構成の有無にかかわらず、複数のスイッチング手段に対して同時に駆動要求を出力することが防止され、スイッチング手段での異常電流が発生せず、負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となる。
【0037】
さらに、本発明の電源装置の一実施態様において、前記制御手段は、前記トランスの二次側出力波形のデューテイ値、周波数、およびVp−pの変更処理のすべてを、前記複数のパルス幅変調信号の更新処理によって実行する構成を有することを特徴とする。
【0038】
本構成によれば、トランスの二次側出力波形のデューテイ値、周波数、およびVp−pの変更処理を、複数のパルス幅変調信号の更新処理によって実行する高度な制御構成を持つ電源装置においても、スイッチング手段に対するPWM信号の入力エラーが発生せず、PWM信号の入力エラーに基づくスイッチング手段での異常電流が発生せず、負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となり、高度な制御を確実に実行できる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電源装置の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0040】
まず、複数のPWM信号を用いて、出力波形を制御する構成を持つ電源装置構成についての概要を、図1乃至図3を参照して説明する。なお、本電源装置構成は、プリンタ、複写装置等の転写装置、帯電装置、現像装置、ヒューザー装置等における電源において、またプリンタ、複写装置以外の分野において、出力検出によるフィードバック制御構成を有する構成において適用可能である。
【0041】
図1に示す電源装置は、フィードバック制御構成を持ち、出力負荷250に出力値を与える高圧電源100、高圧電源の制御を行なう制御手段としてのMCU(マシンコントロールユニット)200からなる。
【0042】
MCU200内部には高圧電源100の制御に必要なCPU201を有し、CPU201の制御によって生成された複数のパルス幅変調信号を入力し、出力制御処理を実行する出力制御回路202を有し、出力制御回路202から高圧電源100のスイッチング回路102,103に対してパルス幅変調信号:PWM1、パルス幅変調信号:PWM2が出力される。
【0043】
MCU200には、高圧電源100の検出値をディジタル値に変換するA/D変換器203が備えられている。MCU200はこの他にも様々な部品で構成されているが、ここでは高圧電源100のフィードバック制御に関する構成部品、および、本発明の主題であるパルス幅変調信号:PWM1、パルス幅変調信号:PWM2の出力制御を実行する出力制御回路202のみ記載している。
【0044】
なお、出力制御回路202は、図1では、MCU(マシンコントロールユニット)200内に設けた構成例を示しているが、この出力制御回路は、MCU(マシンコントロールユニット)200の外部、例えば高圧電源(HVPS)100側のスイッチング回路102,103前段部に設けてもよく、あるいは、MCU(マシンコントロールユニット)200と、高圧電源(HVPS)100の接続回路内に設ける構成としてもよい。これらの詳細については、後述する。
【0045】
高圧電源100は、昇圧トランス101、2つのスイッチング回路102、103、出力検出回路104を備えている。ここで出力検出回路104の検出値をMCU200内部のA/D変換器203に入力し、目標値と比較し、比較結果に基づいて、制御用の2つのパルスとしてのパルス幅変調信号:PWM1、パルス幅変調信号:PWM2を生成し、出力制御回路202での制御後に、各パルスを各スイッチング回路102、103に入力する。
【0046】
各スイッチング回路102、103の制御により、トランス101の一次側において入力電力のオンオフ制御が実行され、Vp−p(peak to peak)、周波数、デューテイ(Duty)等を制御した出力AC波形が生成される。
【0047】
本発明の電源装置におけるフィードバック制御は、まず、出力検出回路104からの検出値と、出力目標値との比較に基づいて2つのパルス信号としてのPWM1,PWM2を生成し、スイッチング回路102、103に2つのパルスPWM1,PWM2をそれぞれ入力する。
【0048】
スイッチング回路102、103で、各入力パルスPWM1,PWM2に基づいてトランス101の入力のオンオフを制御することによりフィードバック制御を行なうものである。
【0049】
図1のブロック図の詳細回路構成例を図2に示す。図2に示すようにスイッチング回路102、103は、トランス101の一次側の一方のラインに接続される。トランス101の一次側の他方のラインは、トランス101入力電源(1/2Vcc)に接続される。トランス101の二次側にはコンデンサ110、抵抗171が接続され、負荷に対する出力Voutを出力する。各スイッチング回路102、103には低圧安定化電源から供給される例えば+24VDCが供給される。トランス101の2次側からは、負荷に高圧出力Voutが供給される。
【0050】
2つのスイッチング回路102、103には、MCU200からのパルス信号PWM1、PWM2がそれぞれ入力される。MCU200では、出力検出回路104からの検出値(Mon)と、目標値または基準値と比較して、その比較結果に基づいて2つのパルスPWM1、PWM2を生成してそれぞれスイッチング回路102、103に入力する。なお、出力検出回路104では、高圧出力を検出し、検知した高圧出力をMCU200のCPUにおいて検知可能な0〜5Vになるよう、分圧、整流する処理を行なっている。
【0051】
スイッチング回路102、103ではMCU200から入力されるPWM1、PWM2に従って、トランジスタ等によって構成されるスイッチング回路のオン/オフが制御され、所定形状の出力波形(矩形波)を生成する。各スイッチング回路102、103に入力されるPWM1.PWM2のデューティ値により、出力波形のVp−pが設定され、PWM1、PWM2のディレイ(遅延時間)によって出力波形のデューティが設定され、PWM1、PWM2の周波数によって出力波形の周波数が設定される。
【0052】
出力検出回路104には、オペアンプ162が備えられており、オペアンプ162の反転入力は、自身の出力端に接続されており、オペアンプ162の非反転入力端は、抵抗161を介してダイオード164、コンデンサ163からなる平滑回路に接続されている。また、オペアンプ162の出力端は抵抗161を介して制御部に接続され、モニター値(Mon)を出力する。
【0053】
スイッチング回路102は、トランジスタ152,153と、複数の抵抗151を有し、スイッチング回路103は、トランジスタ154,155,156と複数の抵抗151を有する。スイッチング回路102のトランジスタ153と、スイッチング回路103のトランジスタ156はトランス101の1次巻線に接続され、それぞれのベースはMCU200からのPWM信号をトランジスタおよび抵抗を介して入力する。
【0054】
スイッチング回路102、103に入力されるパルスの構成と、これらのパルスに基づいて形成される出力波形の例を図3に示す。
【0055】
図3(a)がPWM1およびPWM2信号により形成される出力波形の例である。出力波形の上段ラインと下段ラインとの差分がVp−p、波形の上段領域と下段領域との比率がデューティ、波形の間隔が周波数を定義する要素に対応する。
【0056】
スイッチング回路102には、図3(b)のPWM1信号が入力され、スイッチング回路103には、図3(c)のPWM2信号が入力される。ここで(b)PWM1は、(a)出力波形の立上がり部分を決定する信号であり、一方、(c)PWM2は、(a)出力波形の立下がり部分を決定する信号である。
【0057】
すなわち、PWM1によるトランス101の1次側LC共振により、2次側コンデンサ110(図2参照)へ充電し、PWM2にて放電する。この繰り返しにより、図3(a)の出力波形が生成される。従って、PWM1、PWM2の各パルス信号自体のデューティ値は、同値であることが必要であり、デューティ書き替えの処理は、PWM1、PWM2同時に実行することが必要となる。
【0058】
このように、出力波形の立上がり部分を決定する信号としてのPWM1、出力波形の立下がり部分を決定する信号としてのPWM2により、図3(a)に示すような出力波形が出力される。図1に示すマシンコントロールユニット200のCPU201は、このように異なる波形生成処理制御を実行する複数のパルス幅変調信号(PWM1,PWM2)を、出力検出回路104の検出値に応じて生成する制御手段として機能する。
【0059】
図3から理解されるように、(b)PWM1、(c)PWM2の周波数により、(a)出力波形の周波数が決定される。また、(b)PWM1に対する(c)PWM2の遅延により、(a)出力波形のデューテイが決定される。さらに、(b)PWM1、(c)PWM2のデューティ値により、(a)出力波形のVp−pが決定される。
【0060】
このように、PWM1、PWM2の2つのパルス信号に基づいて、スイッチング回路102,103を制御して、例えばVp−p(peak to peak)、周波数、デューテイ(Duty)値を制御した出力AC波形を生成し、フィードバック制御を行なう。なお、スイッチング回路102,103に入力するためのPWM信号の生成は、例えば水晶発振器による基本クロックに基づいて実行される。
【0061】
(PWM信号制御実施例1)
次に、本発明に係るPWM信号の出力制御回路構成の実施例1について、図4および図5を参照して説明する。PWM信号制御実施例1は、演算処理回路によって構成される出力制御回路を用いてPWM信号の出力制御を行なう構成である。
【0062】
図4に示す電源装置構成は、図1乃至図3を参照して説明したと同様の複数のパルス幅変調信号(PWM信号)、すなわち第1PWM信号(PWM1b)と、第2PWM信号(PWM2b)を、高圧電源(HVPS:High Voltage Power Supply)330の2つのスイッチング回路に供給する構成を持つ電源装置である。すなわち、第1スイッチング回路331、第2スイッチング回路332に図3(b),(c)に示すPWM信号をそれぞれ供給し、トランジスタ等によって構成される2つのスイッチング回路331,332のオン/オフ制御を実行して、図3(a)に示す矩形波を生成させる構成を持つ。
【0063】
各スイッチング回路331、332に入力されるPWM1b、PWM2bのデューティ値により、出力波形のVp−p(図3参照)が設定され、PWM1b、PWM2bのディレイ(遅延時間)によって出力波形のデューティが設定され、PWM1b、PWM2bの周波数によって出力波形の周波数が設定される。
【0064】
このように、昇圧回路(トランス)333の一次側において入力電力のオンオフ制御を実行し、Vp−p(peak to peak)、周波数、デューテイ(Duty)等を制御した出力AC波形が生成されて、昇圧回路(トランス)333の2次側(負荷側)に目標値に応じた出力が供給される。
【0065】
MCU(マシンコントロールユニット)310のCPU340は、出力検出部334からの検出値と、出力目標値との比較に基づいて2つのパルス幅変調信号としてのPWM1a,PWM2aを生成し、出力制御回路を構成するASIC(Application Specific IC)320に入力する。
【0066】
CPU340から出力されASIC(Application Specific IC)320に入力されるパルス幅変調信号:PWM1a,PWM2aは、ASIC320から出力され、高圧電源(HVPS)330の第1スイッチング回路331、第2スイッチング回路332に各々入力されるパルス幅変調信号:PWM1b,PWM2bに各々対応する信号である。
【0067】
CPU340から出力されるパルス幅変調信号:PWM1a,PWM2aは、ASIC(Application Specific IC)320により構成される出力制御回路内の排他論理和(EX−OR)回路▲1▼,321、排他論理和(EX−OR)回路▲2▼,323、アンド(AND)回路▲1▼,322、アンド(AND)回路▲2▼,324を介した演算処理の後、高圧電源330の各スイッチング回路331,332に対して出力される。
【0068】
アンド(AND)回路▲1▼,322の出力が、高圧電源(HVPS:High Voltage Power Supply)330の第1スイッチング回路331への入力としての第1のパルス幅変調信号:PWM1bとなり、アンド(AND)回路▲2▼,324の出力が、高圧電源(HVPS)330の第2スイッチング回路332への入力としての第2のパルス幅変調信号:PWM2bとなる。
【0069】
排他論理和(EX−OR)回路321,323、およびアンド(AND)回路322、324における信号処理について説明する。CPU340から検出値と目標値とに基づいて、出力矩形波のVp−p(peak to peak)、周波数、デューテイ(Duty)等を制御可能な出力タイミングおよび出力幅を有する2つのパルス幅変調信号:PWM1a,PWM2aは、各々が2つの排他論理和(EX−OR)回路▲1▼,321、排他論理和(EX−OR)回路▲2▼,323に入力される。
【0070】
排他論理和(EX−OR)回路▲1▼,321の出力は、CPU340から出力されるパルス幅変調信号:PWM1aとともに、アンド(AND)回路▲1▼,322に入力されて、アンド(AND)回路▲1▼,322の出力が、高圧電源(HVPS)330の第1スイッチング回路331への入力としての第1のパルス幅変調信号:PWM1bとなる。
【0071】
一方、排他論理和(EX−OR)回路▲2▼,323の出力は、CPU340から出力されるパルス幅変調信号:PWM2aとともに、アンド(AND)回路▲2▼,324に入力されて、アンド(AND)回路▲2▼,324の出力が、高圧電源(HVPS)330の第2スイッチング回路332への入力としての第2のパルス幅変調信号:PWM2bとなる。
【0072】
CPU340からの入力信号としてのPWM1a,2a,および、高圧電源330の各スイッチング回路331,332への出力信号としてのPWM1b,2b、および、排他論理和(EX−OR)回路▲1▼,321、排他論理和(EX−OR)回路▲2▼,323、アンド(AND)回路▲1▼,322、アンド(AND)回路▲2▼,324の出力信号の対応関係を図5に示す。
【0073】
CPU340がノイズ等のエラーを発生しない限り、CPU340からの入力信号としてのPWM1a,2aは、同時に駆動要求状態信号(High)となることはない。しかし、何らかのエラーが発生した場合も想定し、CPU340からの入力信号としてのPWM1a,2aの全ての組み合わせ、すなわち、
(1)PWM1a=High,PWM2a=High
(2)PWM1a=High,PWM2a=Low
(3)PWM1a=Low,PWM2a=High
(4)PWM1a=Low,PWM2a=Low
上記4態様における各信号の状態を図5に示している。
【0074】
高圧電源(HVPS)への出力側の信号、PWM1b、PWM2bが同時にオン(ON)となった場合、高圧電源側のスイッチング回路での電流に異常が発生する。例えばプッシュプル回路に貫通電流が流れるなどの異常が発生して、回路が破損してしまう可能性がある。図4に示す回路構成は、このようなPWM1b、PWM2bが同時にオン(ON)となる状況を防止することが可能となる。
【0075】
CPUからの出力信号が、例えばCPUのエラーにより、図5(1)のケース、すなわち、PWM1a=駆動要求状態信号(High),PWM2a=駆動要求状態信号(High)となった場合、排他論理和(EX−OR)回路▲1▼,321、排他論理和(EX−OR)回路▲2▼,323の各出力がLowとなり、その結果、アンド(AND)回路▲1▼,322、アンド(AND)回路▲2▼,324への入力は、HighとLowの組み合わせとなり、その結果、両アンド回路の出力、すなわち、高圧電源への出力であるPWM1b,PWM2bは、両者ともLowとなる。従って、高圧電源の2つのスイッチング回路に対して、2つのパルス幅変調信号が同時に駆動要求を示すオン状態で出力されることはなく、高圧電源側のスイッチング回路において異常電流が流れることがない。
【0076】
(2)のケース、すなわち、PWM1a=High,PWM2a=Lowとなった場合は、排他論理和(EX−OR)回路▲1▼,321、排他論理和(EX−OR)回路▲2▼,323の各出力がHighとなり、その結果、アンド(AND)回路▲1▼,322の出力はHigh、アンド(AND)回路▲2▼,324の出力はLow、すなわち、高圧電源への出力であるPWM1bはHigh,PWM2bはLowとなる。従って、高圧電源に対しては、CPUからの出力としてのPWM1a=High,PWM2a=Low状態と同様の、出力信号PWM1b=High,PWM2b=Low状態が正確に入力され、正確な制御が実行される。
【0077】
(3)のケース、すなわち、PWM1a=Low,PWM2a=Highとなった場合は、排他論理和(EX−OR)回路▲1▼,321、排他論理和(EX−OR)回路▲2▼,323の各出力がHighとなり、その結果、アンド(AND)回路▲1▼,322の出力はLow、アンド(AND)回路▲2▼,324の出力はHigh、すなわち、高圧電源への出力であるPWM1bはLow,PWM2bはHighとなる。従って、高圧電源に対しては、CPUからの出力としてのPWM1a=Low,PWM2a=High状態と同様の、出力信号PWM1b=Low,PWM2b=High状態が正確に入力され、正確な制御が実行される。
【0078】
(4)のケース、すなわち、PWM1a=Low,PWM2a=Lowとなった場合は、排他論理和(EX−OR)回路▲1▼,321、排他論理和(EX−OR)回路▲2▼,323の各出力がLowとなり、その結果、アンド(AND)回路▲1▼,322の出力はLow、アンド(AND)回路▲2▼,324の出力もLow、すなわち、高圧電源への出力であるPWM1b、PWM2bともLowとなる。従って、高圧電源に対しては、CPUからの出力としてのPWM1a=Low,PWM2a=Low状態と同様の、出力信号PWM1b=Low,PWM2b=Low状態が正確に入力され、正確な制御が実行される。
【0079】
このように、CPUからの正常な出力状態として、発生し得る3状態、すなわち、
(2)PWM1a=High,PWM2a=Low
(3)PWM1a=Low,PWM2a=High
(4)PWM1a=Low,PWM2a=Low
の状態では、高圧電源の各スイッチング回路に対する出力:PWM1b,2bをCPUからの正常な出力状態:PWM1a,2aとして正確に伝達する。
【0080】
また、CPUからの異常な出力状態として、発生し得る下記状態、
(1)PWM1a=High,PWM2a=High
の場合には、高圧電源の各スイッチング回路に対する出力:PWM1b,2bをいずれもLowに制御して出力することになり、高圧電源に対して、2つのパルス幅変調信号が同時にオン状態で出力されることはない。このように、本実施例における出力制御回路として構成される演算処理回路は、制御手段(CPU201)から入力される複数のパルス幅変調信号が駆動要求を示す信号値状態(High)である場合に、駆動要求を解除した信号値状態(Low)に変更して出力する構成を持つ。
【0081】
高圧電源に対する出力信号:PWM1bが駆動要求状態信号(High)の信号としてスイッチング回路に出力されるのは、CPUからの信号:PWM2aがLowの時のみであり、また、。高圧電源に対する出力信号:PWM2bが駆動要求状態信号(High)の信号としてスイッチング回路に出力されるのは、CPUからの信号:PWM1aがLowの時のみとなる。従って、CPU等に異常が発生し、タイミング制御が不安定となった場合でも、高圧電源側のスイッチング回路において異常電流が流れることがなく、スイッチング回路および高圧電源の損壊発生を防止することが可能となる。
【0082】
また、本構成は、ハードウェアによって出力としての複数のPWM信号を制御する構成であり、ソフトウェア依存の異常検出、対応処理と異なり、外乱、ノイズによる動作の不安定さを招くことがなく、確実な異常信号入力防止が達成される。
【0083】
なお、図4に示す排他論理和(EX−OR)回路321,323、およびアンド(AND)回路322、324から構成される出力制御回路は、上述した例では、MCU(マシンコントロールユニット)310内に設けた構成として説明したが、この出力制御回路は、MCU(マシンコントロールユニット)310の外部、例えば高圧電源(HVPS)330側に設けてもよく、あるいは、MCU(マシンコントロールユニット)310と、高圧電源(HVPS)330の接続回路として構成してもよい。
【0084】
(PWM信号制御実施例2)
次に、本発明に係るPWM信号の出力制御回路構成の実施例2について、図6を参照して説明する。
【0085】
本実施例は、制御手段(CPU)から入力される複数のスイッチング手段各々に対する入力パルス幅変調信号の両信号とも入力対象の各々のスイッチング手段の駆動要求を示す信号値状態である場合、いずれか一方のスイッチング手段に対する駆動用信号の入力を遮断する遮断回路を出力制御手段として有する構成である。遮断回路は、一方のスイッチング手段の駆動要求を示す入力パルス幅変調信号値状態に応じて、他方のスイッチング手段に対する駆動用信号としてのパルス幅変調信号の入力の遮断動作を行なう回路構成を持つ。
【0086】
図6の回路は、先に図2を参照して説明した高圧電源回路構成に対して、PWM1信号が駆動要求状態信号(High)の場合に、PWM2信号がエラー等により、駆動要求状態信号(High)となった場合でも、駆動要求状態信号(High)となったPWM2信号がスイッチング手段▲2▼,503に伝達しないように、PWM1信号が駆動要求状態信号(High)の場合に動作する遮断手段▲2▼,591を設け、また、PWM2信号が駆動要求状態信号(High)の場合に、PWM1信号がエラー等により、駆動要求状態信号(High)となった場合でも、駆動要求状態信号(High)となったPWM1信号がスイッチング手段▲1▼,502に伝達しないように、PWM2信号が駆動要求状態信号(High)の場合に動作する遮断手段▲1▼,581を設けた構成である。
【0087】
本構成により、PWM1信号、PWM2信号を出力するCPU等に異常が発生し、pwm信号出力のタイミング制御が不安定となった場合でも、高圧電源側のスイッチング手段への異常信号の入力が防止され、負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となる。
【0088】
図6の回路構成について説明する。図6に示すようにスイッチング手段▲1▼,502、スイッチング手段▲2▼,503は、トランス501の一次側の一方のラインに接続される。トランス501の一次側の他方のラインは、トランス501入力電源(1/2Vcc)に接続される。トランス501の二次側にはコンデンサ510、抵抗571が接続され、負荷に対する出力Voutを出力する。スイッチング手段▲1▼,502、スイッチング手段▲2▼,503には低圧安定化電源から供給されるVcc、例えば+24VDCが供給される。トランス501の2次側からは、負荷に高圧出力Voutが供給される。
【0089】
2つのスイッチング手段▲1▼,502、スイッチング手段▲2▼,503には、MCU(図示せず)からのパルス信号PWM1、PWM2がそれぞれ入力される。MCUでは、出力検出手段504からの検出値(Mon)と、目標値または基準値と比較して、その比較結果に基づいて2つのパルスPWM1、PWM2を生成してそれぞれスイッチング手段▲1▼,502、スイッチング手段▲2▼,503に出力する。なお、出力検出手段504では、高圧出力を検出し、検知した高圧出力をMCUのCPUにおいて検知可能な0〜5Vになるよう、分圧、整流する処理を行なっている。
【0090】
スイッチング手段▲1▼,502、スイッチング手段▲2▼,503ではMCUから入力されるPWM1、PWM2に従って、トランジスタ等によって構成されるスイッチング手段のオン/オフが制御され、所定形状の出力波形(矩形波)を生成する。スイッチング手段▲1▼,502、スイッチング手段▲2▼,503に入力されるPWM1.PWM2のデューティ値により、出力波形のVp−pが設定され、PWM1、PWM2のディレイ(遅延時間)によって出力波形のデューティが設定され、PWM1、PWM2の周波数によって出力波形の周波数が設定される。
【0091】
出力検出手段504には、オペアンプ562が備えられており、オペアンプ562の反転入力は、自身の出力端に接続されており、オペアンプ562の非反転入力端は、抵抗561を介してダイオード564、コンデンサ563からなる平滑回路に接続されている。また、オペアンプ562の出力端は抵抗561を介して制御部に接続され、モニター値(Mon)を出力する。
【0092】
スイッチング手段▲1▼,502は、トランジスタ552,553と、複数の抵抗551を有し、スイッチング手段▲2▼,503は、トランジスタ554,555,556と複数の抵抗551を有する。スイッチング手段▲1▼,502のトランジスタ553と、スイッチング手段▲2▼,503のトランジスタ556はトランス501の1次巻線に接続され、それぞれのベースはMCUからのPWM信号をトランジスタおよび抵抗を介して入力する。
【0093】
スイッチング手段▲1▼,502、スイッチング手段▲2▼,503に入力されるパルスの構成と、これらのパルスに基づいて形成される出力波形は、先に図3を参照して説明した通りであり、図3(a)がPWM1およびPWM2信号により形成される出力波形の例である。出力波形の上段ラインと下段ラインとの差分がVp−p、波形の上段領域と下段領域との比率がデューティ、波形の間隔が周波数を定義する要素に対応する。
【0094】
スイッチング手段▲1▼,502には、図3(b)のPWM1信号が入力され、スイッチング手段▲2▼,503には、図3(c)のPWM2信号が入力される。ここで(b)PWM1は、(a)出力波形の立上がり部分を決定する信号であり、一方、(c)PWM2は、(a)出力波形の立下がり部分を決定する信号である。
【0095】
すなわち、PWM1によるトランス501の1次側LC共振により、2次側コンデンサ510へ充電し、PWM2にて放電する。この繰り返しにより、図3(a)の出力波形が生成される。このように、出力波形の立上がり部分を決定する信号としてのPWM1、出力波形の立下がり部分を決定する信号としてのPWM2により、図3(a)に示すような出力波形が出力される。
【0096】
図6の回路には、PWM1信号が駆動要求状態信号(High)の場合に、PWM2信号がエラー等により、駆動要求状態信号(High)となった場合でも、駆動要求状態信号(High)となったPWM2信号をスイッチング手段▲2▼,503に伝達させないために、PWM1信号が駆動要求状態信号(High)の場合に動作する遮断手段▲2▼,591が設けられている。また、PWM2信号が駆動要求状態信号(High)の場合に、PWM1信号がエラー等により、駆動要求状態信号(High)となった場合でも、駆動要求状態信号(High)となったPWM1信号がスイッチング手段▲1▼,502に伝達しないように、PWM2信号が駆動要求状態信号(High)の場合に動作する遮断手段▲1▼,581を設けられている。
【0097】
遮断手段▲1▼,581は、トランジスタ582、抵抗583,584によって構成され、遮断手段▲2▼,591は、トランジスタ592、抵抗593,594によって構成されている。遮断手段▲1▼,581のトランジスタ582のベースは、PWM2信号ラインに接続され、コレクタがPWM1信号ラインに接続され、エミッタが接地された構成を持つ。遮断手段▲1▼,581のトランジスタ582は、PWM2がHighとなることで動作する。遮断手段▲2▼,591のトランジスタ592のベースは、PWM1信号ラインに接続され、コレクタがPWM2信号ラインに接続され、エミッタが接地された構成を持つ。遮断手段▲2▼,591のトランジスタ592は、PWM1がHighとなることで動作する。
【0098】
PWM1信号がHighである場合、遮断手段▲2▼,591のトランジスタ592のベースにHigh信号が伝達されトランジスタ592はオン状態となる。この時、MCU側のCPUエラーによりPWM2信号がHighになってしまった場合、PWM2信号のHighに相当する電流は、オン状態にあるトランジスタ592を介して放電され、スイッチング手段▲2▼,503に伝達されることがない。
【0099】
また、PWM2信号がHighである場合、遮断手段▲1▼,581のトランジスタ582のベースにHigh信号が伝達されトランジスタ582はオン状態となる。この時、MCU側のCPUエラーによりPWM1信号がHighになってしまった場合、PWM1信号のHigh状態によって生じた電流は、オン状態にあるトランジスタ582を介して放電され、スイッチング手段▲1▼,502に伝達されることがない。
【0100】
このように、PWM1、PWM2がCPUエラー等により、同時に駆動要求状態信号(High)となった場合であっても、スイッチング手段▲1▼,502、スイッチング手段▲2▼,503に対して、同時に駆動要求状態信号(High)信号が入力されることが防止さる。従って、異常信号の高圧電源側のスイッチング手段への入力が防止され、負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となる。
【0101】
また、本構成は、ハードウェアによって出力としての複数のPWM信号を制御する構成であり、ソフトウェア依存の異常検出、対応処理と異なり、外乱、ノイズによる動作の不安定さを招くことがなく、確実な異常信号入力防止が達成される。
【0102】
なお、図6に示す遮断手段▲1▼,581、遮断手段▲2▼,591は、上述した例では、高圧電源(HVPS)内に設けた構成例として説明したが、これらの遮断手段は、MCU(マシンコントロールユニット)内、あるいは、MCU(マシンコントロールユニット)と、高圧電源(HVPS)の接続回路内に構成してもよい。
【0103】
(PWM信号制御実施例3)
次に、本発明に係るPWM信号の出力制御回路構成の実施例3について、図7を参照して説明する。
【0104】
本実施例は、制御手段(CPU)から入力される複数のスイッチング手段各々に対する入力パルス幅変調信号の両信号とも入力対象の各々のスイッチング手段の駆動要求を示す信号値状態である場合、いずれか一方のスイッチング手段に対する駆動用信号の入力を遮断する遮断回路を出力制御手段として有する構成である。遮断回路は、一方のスイッチング手段の駆動要求を示す入力パルス幅変調信号値状態に応じて、他方のスイッチング手段に対する駆動用信号としての基準信号の入力の遮断動作を行なう回路構成を持つ。
【0105】
図7の回路は、スイッチング手段▲1▼,602、スイッチング手段▲2▼,603の各々に基準電圧▲1▼および基準電圧▲2▼(例えば5V)を入力する構成を有する。CPUから入力するPWM1信号、PWM2信号の入力に応じて、基準電圧によりスイッチング手段▲1▼,602、スイッチング手段▲2▼,603のスイッチング動作をより確実に実行する構成としたものである。
【0106】
基準電圧入力型の高圧電源構成において、図7に示す回路構成では、PWM1信号が駆動要求状態信号(High)の場合に、PWM2信号がエラー等により、駆動要求状態信号(High)となった場合でも、スイッチング手段▲2▼,603が動作しないように、スイッチング手段▲2▼,603に対する基準電圧▲2▼(5V)の入力を、PWM1信号がHighの場合に動作する遮断手段▲2▼,691により遮断する構成としている。
【0107】
また、PWM2信号が駆動要求状態信号(High)の場合に、PWM1信号がエラー等により、駆動要求状態信号(High)となった場合でも、スイッチング手段▲1▼,602が動作しないように、スイッチング手段▲1▼,602に対する基準電圧▲1▼(5V)の入力を、PWM2信号がHighの場合に動作する遮断手段▲1▼,681により遮断する構成を持つ。
【0108】
従って、PWM1信号、PWM2信号を出力するCPU等に異常が発生し、各PWM信号出力タイミング制御が不安定となった場合でも、異常信号の高圧電源側のスイッチング手段への入力が防止され、負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となる。
【0109】
図7の回路構成について説明する。図7に示すようにスイッチング手段▲1▼,602、スイッチング手段▲2▼,603は、トランス601の一次側の一方のラインに接続される。トランス601の一次側の他方のラインは、トランス601入力電源(1/2Vcc)に接続される。トランス601の二次側にはコンデンサ610、抵抗671が接続され、負荷に対する出力Voutを出力する。スイッチング手段▲1▼,602、スイッチング手段▲2▼,603には低圧安定化電源から供給されるVcc、例えば+24VDCが供給される。トランス601の2次側からは、負荷に高圧出力Voutが供給される。
【0110】
2つのスイッチング手段▲1▼,602、スイッチング手段▲2▼,603には、MCU(図示せず)からのパルス信号PWM1、PWM2がそれぞれ入力される。MCUでは、出力検出手段604からの検出値(Mon)と、目標値または基準値と比較して、その比較結果に基づいて2つのパルスPWM1、PWM2を生成してそれぞれスイッチング手段▲1▼,602、スイッチング手段▲2▼,603に出力する。なお、出力検出手段604では、高圧出力を検出し、検知した高圧出力をMCUのCPUにおいて検知可能な0〜5Vになるよう、分圧、整流する処理を行なっている。
【0111】
スイッチング手段▲1▼,602、スイッチング手段▲2▼,603では、それぞれ基準電圧▲1▼、▲2▼の入力部を持ち、MCUから入力されるPWM1、PWM2に従って、トランジスタ721,761の動作が制御され、さらにトランジスタ711,751の動作が制御され、その結果、スイッチング手段のトランス601接続部のトランジスタ653,656のオン/オフが制御され、所定形状の出力波形(矩形波)を生成する。
【0112】
スイッチング手段▲1▼,602、スイッチング手段▲2▼,603に入力されるPWM1.PWM2のデューティ値により、出力波形のVp−pが設定され、PWM1、PWM2のディレイ(遅延時間)によって出力波形のデューティが設定され、PWM1、PWM2の周波数によって出力波形の周波数が設定される。
【0113】
出力検出手段604には、オペアンプ662が備えられており、オペアンプ662の反転入力は、自身の出力端に接続されており、オペアンプ662の非反転入力端は、抵抗661を介してダイオード664、コンデンサ663からなる平滑回路に接続されている。また、オペアンプ662の出力端は抵抗661を介して制御部に接続され、モニター値(Mon)を出力する。
【0114】
スイッチング手段▲1▼,602は、トランジスタ652,653,711,721と、複数の抵抗651,712,722を有し、スイッチング手段▲2▼,603は、トランジスタ654,655,656,751,761と複数の抵抗651,752,762を有する。スイッチング手段▲1▼,602のトランジスタ653と、スイッチング手段▲2▼,603のトランジスタ656はトランス601の1次巻線に接続され、それぞれのベースは、各スイッチング手段にトランジスタおよび抵抗を介して入力する基準電圧▲1▼,▲2▼が接続され、MCUからのPWM1信号またはPWM2信号に基づいて動作制御がなされる。
【0115】
スイッチング手段▲1▼,602、スイッチング手段▲2▼,603に入力されるパルスの構成と、これらのパルスに基づいて形成される出力波形は、先に図3を参照して説明した通りであり、図3(a)がPWM1およびPWM2信号により形成される出力波形の例である。出力波形の上段ラインと下段ラインとの差分がVp−p、波形の上段領域と下段領域との比率がデューティ、波形の間隔が周波数を定義する要素に対応する。
【0116】
スイッチング手段▲1▼,602には、図3(b)のPWM1信号が入力され、スイッチング手段▲2▼,603には、図3(c)のPWM2信号が入力される。ここで(b)PWM1は、(a)出力波形の立上がり部分を決定する信号であり、一方、(c)PWM2は、(a)出力波形の立下がり部分を決定する信号である。
【0117】
すなわち、PWM1によるトランス601の1次側LC共振により、2次側コンデンサ610へ充電し、PWM2にて放電する。この繰り返しにより、図3(a)の出力波形が生成される。このように、出力波形の立上がり部分を決定する信号としてのPWM1、出力波形の立下がり部分を決定する信号としてのPWM2により、図3(a)に示すような出力波形が出力される。
【0118】
図7の回路には、PWM1信号が駆動要求状態信号(High)の場合に、PWM2信号がエラー等により、駆動要求状態信号(High)となった場合でも、スイッチング手段▲2▼,603が動作しないように、スイッチング手段▲2▼,603に対する基準電圧▲2▼(5V)の入力を、PWM1信号がHighの場合に動作する遮断手段▲2▼,691が設けられている。また、PWM2信号が駆動要求状態信号(High)の場合に、PWM1信号がエラー等により、駆動要求状態信号(High)となった場合でも、スイッチング手段▲1▼,602が動作しないように、スイッチング手段▲1▼,602に対する基準電圧▲1▼(5V)の入力を、PWM2信号がHighの場合に動作する遮断手段▲1▼,681が設けられている。
【0119】
遮断手段▲1▼,681は、トランジスタ682、抵抗683,684によって構成され、遮断手段▲2▼,691は、トランジスタ692、抵抗693,694によって構成されている。遮断手段▲1▼,681のトランジスタ682のベースは、PWM2信号ラインに接続され、コレクタがスイッチング手段▲1▼,602に対する基準電圧▲1▼(5V)入力ラインに接続され、エミッタが接地さた構成を持つ。遮断手段▲1▼,681のトランジスタ682は、PWM2がHighとなることで動作する。
【0120】
遮断手段▲2▼,691のトランジスタ692のベースは、PWM1信号ラインに接続され、コレクタがスイッチング手段▲2▼,603に対する基準電圧▲2▼(5V)入力ラインに接続され、エミッタが接地された構成を持つ。遮断手段▲2▼,691のトランジスタ692は、PWM1がHighとなることで動作する。
【0121】
PWM1信号がHighである場合、遮断手段▲2▼,691のトランジスタ692にHigh信号が伝達されトランジスタ692はオン状態となる。この時、MCU側のCPUエラーによりPWM2信号がHighになってしまった場合でも、スイッチング手段▲2▼,603に対する基準電圧▲2▼(5V)は、遮断手段▲2▼,691のトランジスタ692内のオン状態にあるトランジスタ692を介して放電され、スイッチング手段▲2▼,603に伝達されることがなく、スイッチング手段▲2▼,603は動作しない。
【0122】
また、PWM2信号がHighである場合、遮断手段▲1▼,681のトランジスタ682にHigh信号が伝達されトランジスタ682はオン状態となる。この時、MCU側のCPUエラーによりPWM1信号がHighになってしまった場合でも、スイッチング手段▲1▼,602に対する基準電圧▲1▼(5V)は、遮断手段▲1▼,681のトランジスタ682がオン状態にあるため、トランジスタ682を介して放電され、スイッチング手段▲1▼,602に伝達されることがなく、スイッチング手段▲1▼,602は動作しない。
【0123】
このように、PWM1、PWM2がCPUエラー等により、同時にHighとなった場合であっても、スイッチング手段▲1▼,602、スイッチング手段▲2▼,603に対する基準電圧入力が遮断されることになるため、スイッチング手段▲1▼,602、スイッチング手段▲2▼,603に対して同時に信号が入力されることが防止さる。従って、異常信号の高圧電源側のスイッチング手段への入力が防止され、負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となる。
【0124】
また、本構成は、ハードウェアによって出力としての複数のPWM信号を制御する構成であり、ソフトウェア依存の異常検出、対応処理と異なり、外乱、ノイズによる動作の不安定さを招くことがなく、確実な異常信号入力防止が達成される。
【0125】
なお、図7に示す遮断手段▲1▼,681、遮断手段▲2▼,691は、上述した例では、高圧電源(HVPS)内に設けた構成例として説明したが、これらの遮断手段は、MCU(マシンコントロールユニット)内、あるいは、MCU(マシンコントロールユニット)と、高圧電源(HVPS)の接続回路内に構成してもよい。
【0126】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0127】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の電源装置によれば、複数のパルス幅変調信号(PWM信号)に基づいて駆動するスイッチング回路を持つ電源装置において、駆動信号となる複数のパルス幅変調信号(PWM信号)のスイッチング回路に対する入力エラーを確実に防止する出力制御回路を構成したので、スイッチング回路に対するPWM信号の入力エラーが発生せず、負荷ダメージ、高圧電源破損を未然に防ぐことが可能となる。
【0128】
また、本発明の電源装置によれば、複数のパルス幅変調信号(PWM信号)に基づいて駆動するスイッチング回路を持つ電源装置において、スイッチング回路の前段にハードウェアによって構成した出力制御回路を設けた構成としたので、ソフトウェア依存の異常検出、対応処理と異なり、外乱、ノイズによる動作の不安定さを招くことがなく、スイッチング回路に対する異常信号入力を確実に防止することができる。
【0129】
また、本発明の電源装置によれば、マシンコントロールユニットにおいて生成する複数のパルス幅変調信号:PWM1、PWM2を演算処理回路によって構成される出力制御回路に入力し、演算処理後に、スイッチング回路に出力する構成とし、PWM1、PWM2が同時に駆動要求状態(High)にあるとき、演算処理回路において信号値を変更して非駆動要求信号値としてスイッチング手段に出力する構成としたので、スイッチング回路に対する異常信号入力を確実に防止し、安全な制御が実現される。
【0130】
また、本発明の電源装置によれば、複数のパルス幅変調信号:PWM1、PWM2に基づいて駆動する複数のスイッチング回路を持つ電源装置において、各スイッチング回路の前段に、一方のスイッチング回路に対する入力PWM信号が駆動要求状態信号(High)のときに、他方のスイッチング回路に対する入力PWM信号が駆動要求状態信号(High)となった場合でも、その入力を遮断する、ハードウェアによって構成した遮断回路を設けたので、外乱、ノイズによる動作の不安定さを招くことがなく、スイッチング回路に対する異常信号入力を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電源装置の構成ブロック図である。
【図2】 電源装置の回路構成の詳細を示す図である。
【図3】 本発明の電源装置に適用されるスイッチング回路に入力するPWM信号との出力波形の対応を説明する図である。
【図4】 本発明の電源装置における出力制御回路構成例(実施例1)を示す図である。
【図5】 図4に示す出力制御回路構成例(実施例1)における入出力信号、各演算手段の出力状態の対応を示す図である。
【図6】 本発明の電源装置における出力制御回路構成例(実施例2)を示す図である。
【図7】 本発明の電源装置における出力制御回路構成例(実施例3)を示す図である。
【図8】 高圧電源を用いたカラー印刷装置の構成を示す図である。
【図9】 矩形波の制御態様を説明する図である。
【図10】 従来の電源装置の構成ブロック図である。
【図11】 従来の電源装置におけるフィードバック制御処理フローを示す図である。
【符号の説明】
100 高圧電源、101 トランス
102,103 スイッチング回路
104 出力検出回路、200 マシンコントロールユニット
201 CPU、202 出力制御回路
203 A/D変換器、250 出力負荷
110 コンデンサ、151 抵抗
152,153,154,155,156 トランジスタ
161抵抗、162 オペアンプ
163 コンデンサ、164 ダイオード、 171 抵抗
310 マシンコントロールユニット、320 ASIC
321,323 排他論理和(EX−OR)回路
322,324 アンド回路
330 高圧電源(HVPS)
331 第1スイッチング回路、332 第2スイッチング回路
333 昇圧回路、334 出力検出部、340 CPU
501 トランス、502,503 スイッチング回路
504 出力検出回路、 510 コンデンサ、551 抵抗
552,553,554,555,556 トランジスタ
561抵抗、562 オペアンプ
563 コンデンサ、564 ダイオード、 571 抵抗
581,591 遮断手段、582,592 トランジスタ
583,584,593,594 抵抗
601 トランス、602,603 スイッチング回路
604 出力検出回路、 610 コンデンサ、651 抵抗
652,653,654,655,656 トランジスタ
661抵抗、662 オペアンプ
663 コンデンサ、664 ダイオード、 671 抵抗
681,691 遮断手段、682,692 トランジスタ
683,684,693,694 抵抗
711,751 トランジスタ、
712,731,752,771 抵抗
801 感光体、802 帯電器、803 現像器
804 一次転写器、805 剥離器
806 二次転写器、807 中間転写体
810 高圧電源、811 スイッチ回路
812 トランス、813 2次側回路
820 マシンコントロールユニット、821 CPU
830 出力負荷、
850 高圧電源、851 スイッチ回路
852 トランス、853 2次側回路
860 マシンコントロールユニット、861 CPU
870 出力負荷、

Claims (5)

  1. 入力電力が供給される一次巻線と、電力が出力される二次巻線とを持つトランスと、前記一次巻線に直列に接続され、パルス幅信号に基づいてスイッチングをする複数のスイッチング手段と、前記トランスの二次側出力を検出する検出手段とを有し、前記検出手段の検出値に基づいてフィードバック制御を行なう電源装置において、
    前記検出手段の検出値を入力し、前記トランスの二次側出力波形の立上がりを制御するための第1のパルス幅変調信号(PWM1)と、前記トランスの二次側出力波形の立下がりを制御するための第2のパルス幅変調信号(PWM2)を、前記検出値に応じて生成する制御手段と、
    前記制御手段の生成する前記第1のパルス幅変調信号(PWM1)、および前記第2のパルス幅変調信号(PWM2)を入力し、前記第1のパルス幅変調信号(PWM1)、および前記第2のパルス幅変調信号(PWM2)の両信号共に駆動要求を示す信号値状態で前記複数のスイッチング手段へ入力されることを阻止する出力制御手段であり、前記第1のパルス幅変調信号(PWM1)および前記第2のパルス幅変調信号(PWM2)の両信号の少なくともいずれか一方が駆動要求信号値でない場合は両信号を前記複数のスイッチング手段へ入力し、前記第1のパルス幅変調信号(PWM1)および前記第2のパルス幅変調信号(PWM2)の両信号共に駆動要求を示す信号値である場合には入力信号の変更処理または遮断処理を実行する回路構成を持つ出力制御手段と、
    前記出力制御手段による出力制御処理のなされた前記第1のパルス幅変調信号(PWM1)を入力し、前記トランスの二次側出力波形の立上がりを制御する第1のスイッチング手段と、
    前記出力制御手段による出力制御処理のなされた前記第2のパルス幅変調信号(PWM2)を入力し、前記トランスの二次側出力波形の立下がりを制御する第2のスイッチング手段と、
    を有することを特徴とする電源装置。
  2. 前記出力制御手段は、
    前記制御手段の生成する複数のパルス幅変調信号を入力し、
    該複数のパルス幅変調信号が駆動要求を示す信号値状態で前記制御手段から入力された場合に、駆動要求を解除した信号値状態に変更して出力する演算処理回路によって構成されたことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記出力制御手段は、
    前記制御手段から入力された複数のスイッチング手段各々に対する入力パルス幅変調信号の両信号とも入力対象の各々のスイッチング手段の駆動要求を示す信号値状態で前記制御手段から入力された場合、いずれか一方のスイッチング手段に対する駆動用信号の入力を遮断する遮断回路によって構成され、
    前記遮断回路は、一方のスイッチング手段の駆動要求を示す入力パルス幅変調信号値状態に応じて、他方のスイッチング手段に対する駆動用信号の入力の遮断動作を行なう回路構成を持つことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  4. 前記遮断回路によって遮断される駆動用信号は、スイッチング手段に対して入力されるパルス幅変調信号、または基準信号のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載の電源装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記トランスの二次側出力波形のデューテイ値、周波数、およびVp−pの変更処理のすべてを、前記複数のパルス幅変調信号の更新処理によって実行する構成を有することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
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