JP2003322722A - 光学フィルム - Google Patents

光学フィルム

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JP2003322722A
JP2003322722A JP2002129688A JP2002129688A JP2003322722A JP 2003322722 A JP2003322722 A JP 2003322722A JP 2002129688 A JP2002129688 A JP 2002129688A JP 2002129688 A JP2002129688 A JP 2002129688A JP 2003322722 A JP2003322722 A JP 2003322722A
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indenyl
film
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zirconium dichloride
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JP2002129688A
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English (en)
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Tsukasa Yamada
司 山田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 位相差ムラの少ない飽和ノルボルネン系樹脂
からなる光学フィルムを提供する。 【解決手段】 少なくとも1種のメタロセンを含む触媒
の存在下で重合させてなる飽和ノルボルネン系樹脂を1
0質量%以上含み、レターデーションが20nm以上3
00nm以下の光学フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ノルボルネン系樹
脂からなる特定の位相差を有する光学フィルムに関し、
さらに詳しくは接着性に優れ、ガス透過性が低く寸法安
定性が優れ、かつその位相差ムラの少ない、位相差板と
して有用な光学フィルムに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、位相差フィルムはテレビのブラウ
ン管に対する防眩材料としての使用や、液晶表示素子の
着色防止、コントラスト向上のための材料としての利用
がなされてきた。近年、この位相差フィルムの軽量・薄
型の特徴が評価されて、大型液晶表示装置の開発が積極
的に進められているのに伴って、これに用いる広幅の位
相差フィルムに対する需要がますます高まっている。ま
た、生産性の面からも広い幅の位相差フィルムが期待さ
れている。 【0003】位相差フィルムは液晶ディスプレイにおい
ては、偏光された光の成分の相対位相を変化させるため
に用いられる。位相差フィルムとしては、複屈折性を有
するフィルムまたはシートが用いられるが、従来ポリビ
ニルアルコールやトリアセチルセルロース等の高分子フ
ィルムを延伸配向させたものが用いられてきた。しか
し、これらの高分子材料は光弾性係数が大きいため、わ
ずかな応力によりレターデーションが大きく変化し、液
晶ディスプレイの画面の均一性や安定性に問題があっ
た。また、液晶ディスプレイでは、視野角を広くしたい
という要望があり、そのためには、レターデーションの
できるだけ小さな位相差フィルムが必要であり、特にT
FT方式の液晶ディスプレイではその要望が強い。しか
し、従来の素材は光弾性係数が大きいため、レターデー
ションが小さい位相差フィルムを製造するには厳しい生
産管理が必要となり、歩留まりよく製造することは困難
であった。ノルボルネン系樹脂からなるフィルムは、こ
の素材そのものの光弾性係数が小さいので、レターデー
ションが小さく且つ均一な位相差フィルムを製造するの
に有利である。例えば、特開平4−36120号公報お
よび特開平5−2108号公報には、ノルボルネン系樹
脂のフィルムからなる位相差フィルムが提案されてい
る。 【0004】しかしながら、液晶セルの補償状態をディ
スプレイ面内で均一に維持するためには、光学特性が厳
格に均一であることが位相差フィルムには厳格に要求さ
れる。ノルボルネン系樹脂は上述のように光弾性係数か
らは有利ではあるが、広い幅の位相差フィルムを製造し
ようとすると、未延伸フィルムの物性、延伸条件等々に
依存して、延伸後のレターデーションのバラツキが大き
くなる。その結果、位相差フィルムによる色補償が不安
定となる、および局所的にコントラストむらが発生する
等の問題がある。また、幅方向のバラツキが大きく、液
晶表示素子に位相差フィルムとして組み込まれる小さい
面積においても、部分的に光学特性が異なることがあ
り、均一な画面表示ができないという問題、および同一
の長尺状フィルムから裁断された位相差フィルムであっ
ても、光学特性が異なってしまうという問題等がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、位相差ムラ
の少ないノルボルネン系樹脂からなる光学フィルムを提
供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、メタロセン系触媒の
存在下の重合により得られたノルボルネン系樹脂を配合
することによって、レターデーションむらを軽減し得る
との知見を得、この知見に基づいてさらに検討を重ねた
結果、以下の手段により上記課題を解決し得ることを見
出し、本発明を完成するに到った。なお、メタロセン触
媒は反応の形態よりメタセシス触媒の概念に含まれる
が、混乱を避けるため、本明細書では便宜上、メタロセ
ン触媒を含有しないメタセシス触媒を「メタセシス触
媒」というものとする。 【0007】上記課題を解決するための手段は以下の通
りである。 (1) 少なくとも1種のメタロセンを含む触媒の存在
下で重合してなる飽和ノルボルネン系樹脂を10質量%
以上含み、レターデーションが20nm以上300nm
以下の光学フィルム。 (2) 前記触媒が、少なくとも1種のメタロセン以外
の助触媒を含む(1)に記載の光学フィルム。 (3) 1軸延伸されてなる(1)または(2)に記載
の光学フィルム。 (4) 幅方向に1℃以上50℃以下の温度分布を与
え、延伸されてなる(1)〜(3)のいずれかに記載の
光学フィルム。 (5) 前記飽和ノルボルネン系樹脂が、下記一般式
(a)で表される単量体を単独でまたは他の共重合性単
量体とともに重合させてなる重合体、またはその水素添
加物である(1)〜(4)のいずれかに記載の光学フィ
ルム。 【0008】一般式(a) 【化1】【0009】式中、R11〜R14は各々独立して、水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基または
その他の1価の有機基を表し、R11とR12およびR13
14は、互いに結合して2価の炭化水素基を形成してい
てもよく、R11またはR12とR13またはR14とは互いに
結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは
0または正の整数を表し、pは0または正の整数を表
す。 (6) 前記飽和ノルボルネン系樹脂のASTMD57
0による飽和吸水率(23℃水中で1週間浸漬した後の
23℃における飽和吸水率)が0.1〜1質量%である
(1)〜(5)のいずれかに記載の光学フィルム。 (7) 前記メタロセンが下記一般式(I)で表される
化合物である(1)〜(6)のいずれかに記載の光学フ
ィルム。 【0010】一般式(I) 【化2】 【0011】式中、M1は元素周期律表の3〜10族お
よびランタニド系列から選ばれる金属を表し、R1aおよ
びR1bは各々独立して、置換されていてもよいシクロペ
ンタジエニル基または置換もしくは部分的に水素化され
ていてもよいインデニル基を表し、R2はR1aおよびR
1bとを連結する連結基を表し、少なくとも1個の硼素原
子もしくは元素周期律表14族から選ばれる原子を含ん
でいるのが好ましい。R3はアニオン性または非イオン
性配位子を表し、nはM1の価数に依存して0〜4のい
ずれかの数を表し、nが2以上の時、R3は互いに同一
であっても異なっていてもよい。なお、式中、結合を便
宜上一本の線で示したが、結合様式は特に限定されず、
共有結合(単結合、二重結合等)、配位結合、イオン結
合等、およびこれらの混合のいずれの結合様式も含むも
のとする。 【0012】(8) 少なくとも1種のメタロセンを含
む触媒の存在下での重合により製造された飽和ノルボル
ネン系樹脂を10質量%以上含む飽和ノルボルネン系樹
脂フィルムを延伸する工程を含む光学フィルムの製造方
法であって、前記延伸工程において、フィルムの幅方向
の中心部から両端部に向かって連続的または段階的に温
度が上昇する温度分布を与えて延伸することを特徴とす
る光学フィルムの製造方法。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の光学フィルムは、少なく
とも1種のメタロセンを含む触媒の存在下で単量体を重
合させて製造された飽和ノルボルネン系樹脂を10質量
%以上含む。本明細書において、「飽和ノルボルネン系
樹脂」には、ノルボルネン系単量体の単独重合体、ノル
ボルネン系単量体と他の共重合性単量体との共重合体、
それらの水素添加物、およびそれらの変性物が含まれる
ものとする。前記飽和ノルボルネン系樹脂の好ましい態
様としては、下記〜が挙げられる。 下記一般式(a)で表される単量体(以下、「特定
単量体」という。)の開環重合体 特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体 前記開環(共)重合体の水素添加重合体 前記開環(共)重合体をフリーデルクラフツ反応に
より環化した後、水素添加した(共)重合体 特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共
重合体 【0014】 【化3】 【0015】式中、R11〜R14は各々独立して、水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基または
その他の1価の有機基を表し、R11とR12およびR13
14は、互いに結合して2価の炭化水素基を形成しても
よく、R11またはR12とR13またはR14とは互いに結合
して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0ま
たは正の整数を表し、pは0または正の整数を表す。 【0016】上記の特定単量体から得られる環状ポリオ
レフィン系樹脂〔以下「(A)成分」という場合があ
る〕は、基板との密着性を向上させる観点から、分子構
造中に1種類以上の極性基を含有していることが好まし
い。 【0017】上記特定単量体の好ましい態様は、前記一
般式(a)中、R11およびR13が各々独立して、水素原
子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R12およ
びR 14が各々独立して、水素原子または一価の有機基を
表すが、R12およびR14の少なくとも一つは水素原子ま
たは炭化水素基以外の極性基を表し、mは0〜3のいず
れかの整数を表し、pは0〜3のいずれかの整数を表
し、m+pが0〜4(更に好ましくは0〜2、特に好ま
しくは1を表す化合物である。また、式−(CH2n
OOR15で表される極性基を有する特定単量体は、得ら
れる飽和ノルボルネン系樹脂が高いガラス転移温度と低
い吸湿性を有するものとなる点で好ましい。極性基にか
かる上記の式において、R15は炭素原子数1〜12の炭
化水素基、好ましくはアルキル基を表す。また、nは通
常0〜5のいずれかの整数であるが、nの値が小さいも
のほど、得られる飽和ノルボルネン系樹脂のガラス転移
温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である特定
単量体は、その合成が容易である点で好ましい。 【0018】さらに、上記一般式(a)中、R11および
/またはR13はアルキル基を表すのが好ましく、当該ア
ルキル基の炭素数は1〜4であることが好ましく、更に
好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。特に、こ
のアルキル基が上記の式−(CH2nCOOR15で表さ
れる極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合
されていることが好ましい。また、上記一般式(a)
中、mが1である特定単量体は、ガラス転移温度の高い
飽和ノルボルネン系樹脂が得られる点で好ましい。 【0019】上記一般式(a)で表される特定単量体の
具体例としては、次のような化合物が挙げられる。ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ
[5.2.1.02,6]−8−デセン、テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.
09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.
4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペ
ンタデセン、トリシクロ[4.4.0.12,5]−3
−ウンデセン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシ
カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,
10]−3−ドデセン、8−n−プロポキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、8−イソプロポキシカルボニルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、 【0020】8−メチル−8−エトキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,1
0]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−ブトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,
10]−3−ドデセン、ジメタノオクタヒドロナフタレ
ン、エチルテトラシクロドデセン、6−エチリデン−2
−テトラシクロドデセン、トリメタノオクタヒドロナフ
タレン、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,
12.08,13]−3−ヘキサデセン、ヘプタシクロ
[8.7.0.13,6.110,17.112,1
5.02,7.011,16]−4−エイコセン、ヘプ
タシクロ[8.8.0.14,7.111,18.11
3,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコ
セン、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]−3−ドデセン、5−フェニル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−フェニ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、5−フルオロビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、5−フルオロメチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−トリフルオロメチルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンタフ
ルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、 【0021】5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,5−ビス(トリフルオロメ
チル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,
6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−トリフルオロ
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,
5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6,6
−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチ
ル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5
−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフ
ルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフ
ルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−フルオロ−5−ペンタフル
オロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフル
オロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−ト
リフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジクロロ−
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフルオロ
−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプ
タフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、 【0022】8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フルオロ
メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,1
0]−3−ドデセン、8−ジフルオロメチルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ペン
タフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,
5.17,10]−3−ドデセン、8,8−ジフルオロ
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,
8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,
9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,
8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8,8,9−ト
リス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,8,
9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8,8,9,9
−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロ
メチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,
10]−3−ドデセン、 【0023】8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリ
フルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,
5.17,10]−3−ドデセン、8,8,9−トリフ
ルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,
8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフル
オロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.
17,10]−3−ドデセン、8−フルオロ−8−ペン
タフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチ
ル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,1
0]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロ−8−ヘプタ
フルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフ
ルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.
17,10]−3−ドデセン、8−(2,2,2−トリ
フルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチ
ル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニ
ル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,1
0]−3−ドデセンなどを挙げることができる。 【0024】これらの特定単量体のうち、8−メチル−
8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.1
2,5.17,10〕−3−ドデセン、8−エチリデン
テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−
3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ〔4.4.0.
12,5.17,10〕−3−ドデセン、ペンタシクロ
〔7.4.0.12,5 .19,12.08,13〕
−3−ペンタデセンは、これを開環重合させて得られる
重合体が高いガラス転移温度と低い吸湿性を有する点で
好ましく、特に、8−メチル−8−メトキシカルボニル
テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−
3−ドデセンが好ましい。上記の特定単量体は必ずしも
単独で用いる必要はなく、2種以上を用いて開環共重合
反応を行うこともできる。 【0025】(A)成分を得るための開環重合工程にお
いては、上記の特定単量体を単独で開環重合させてもよ
いが、当該特定単量体と共重合性単量体とを開環共重合
させてもよい。この場合に使用される共重合性単量体の
具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シク
ロヘプテン、シクロオクテン、トリシクロ[5.2.
1.02,6]−3−デセン、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフ
ィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数
としては、4〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜
12である。更にポリブタジエン、ポリイソプレン、ス
チレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン
共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間
二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下
に特定単量体を開環重合させてもよい。そして、この場
合に得られる開環重合体の水素添加物は、耐衝撃性の大
きい樹脂の原料として有用である。 【0026】本発明では、メタロセンを含む触媒の存在
下で、前記特定単量体を単独でまたは共重合性単量体と
ともに重合させた飽和ノルボルネン系樹脂を用いること
ができる。重合は、従来公知の種々の重合方法を参考に
して行うことができる。本発明では、メタロセン触媒に
より重合した飽和ノルボルネン系樹脂を配合することに
よって、フィルムの位相差むらを軽減させている。前記
飽和ノルボルネン系樹脂を配合することによって、フィ
ルムの位相差むらが軽減されるメカニズムの詳細につい
ては明らかではないが、メタロセン系触媒の存在下での
重合により製造された飽和ノルボルネン系樹脂は、従来
のメタセシス触媒の存在下での重合により製造された飽
和ノルボルネン系樹脂と比較して、分子量分布が狭いの
で、そのことがレターデーションむらが軽減されること
になんらかの影響を及ぼしているものと推測される。 【0027】前記フィルムは、メタロセン触媒の存在下
での重合により製造された飽和ノルボルネン系樹脂を、
30質量%以上含有するのが好ましく、60質量%以上
含有するのがより好ましく、80質量%以上含有するの
がさらに好ましい。メタロセン触媒の存在下での重合に
より製造された飽和ノルボルネン系樹脂が100質量%
含むのが最も好ましい態様である。なお、前記フィルム
が、飽和ノルボルネン系樹脂以外の樹脂を含む場合は、
メタロセン触媒の存在下での重合により製造された飽和
ノルボルネン系樹脂の含有量を、全種類の樹脂の含有量
の総和に対して、10質量%以上とする。 【0028】本発明において、重合触媒に用いられるメ
タロセンとしては、下記一般式(I)で表されるメタロ
セン化合物が好ましい。 【0029】一般式(I) 【化4】 【0030】式中、M1は元素周期律表の3〜10族お
よびランタニド系列から選ばれる金属を表し、R1aおよ
びR1bは各々独立して、置換されていてもよいシクロペ
ンタジエニル基または置換もしくは部分的に水素化され
ていてもよいインデニル基を表し、R2はR1aおよびR
1bとを連結する連結基を表し、少なくとも1個の硼素原
子もしくは元素周期律表14族から選ばれる原子を含ん
でいるのが好ましい。R3はアニオン性または非イオン
性配位子を表し、nはM1の価数に依存して0〜4のい
ずれかの数を表し、nが2以上の時、R3は互いに同一
であっても異なっていてもよい。なお、式中、結合を便
宜上一本の線で示したが、結合様式は特に限定されず、
共有結合(単結合、二重結合等)、配位結合、イオン結
合等、およびこれらの混合のいずれの結合様式も含むも
のとする。 【0031】M1は、元素周期表の3〜10族およびラ
ンタニド系列から選ばれる金属を表す。M1は好ましく
は元素周期表の4族およびランタニド系列から選ばれる
金属を表し、より好ましくはチタン、ジルコニウムまた
はハフニウムを表す。 【0032】R2はR1aおよびR1bを連結する連結基を
表し、少なくとも1個の硼素原子もしくは元素周期表1
4族から選ばれる原子を含んでいるのが好ましい。所望
により、1個以上の硫黄および/または酸素原子を含ん
でもよく、所望によりR1aおよび/またはR1bと一緒に
環を形成していてもよい。 【0033】R3はアニオン性または非イオン性配位子
を表す。好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜4
0の基を表す。炭素原子数1〜40の基としては、アル
キル基、アリール基、アリールオキシ基、アルケニル
基、アリールアルキル基、アルキルアリール基またはア
リールアルケニル基を表す。これらの基は置換基を有し
ていてもよく、該置換基としては、ハロゲン原子等が挙
げられる。 【0034】前記一般式(I)で表されるメタロセンの
好ましい態様について以下に説明する。前記一般式
(I)中、M1は元素周期表の4族およびランタニド系
列から選ばれる金属を表す。R1aおよびR1bは各々独立
して、1個以上のハロゲン原子もしくは炭素原子数1〜
40の置換基[例えば、ハロゲン化されていてもよい炭
素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化されていてもよ
い炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリ
ールオキシ基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数
7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアル
キルアリール基、炭素数8〜40のアリールアルケニル
基、Si(R43、N(R42、SiR(OR 43、S
i(SR43、およびP(R42{但し、R4はハロゲ
ン原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6
〜10のアリール基を表すが、複数のR 4は同一であっ
ても異なっていてもよく、また互いに結合して環系を形
成していてもよい}等]により置換されていてもよいシ
クロペンタジエニル基;または1個以上のハロゲン原子
もしくは炭素数1〜40の置換基[例えば、ハロゲン化
されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲ
ン化されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、炭
素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜12のア
ルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭
素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40の
アリールアルケニル基、Si(R43、N(R42、S
iR(OR43、Si(SR43およびP(R42{但
し、R4はハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル
基、または炭素数6〜10のアリール基を表すが、複数
のR4は同一であっても異なっていてもよく、また互い
に結合して環系を形成していてもよい}等]により置換
されていてもよいインデニル基(但し、該インデニル基
は、部分的に水素化されていてもよい);を表すが、R
1aおよびR1bの少なくとも一つは置換基を有する。 【0035】R2はR1aおよびR1bを連結する連結基を
表す。R2の例としては、−B(R5)−、−Al
(R5)−、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、−
S(O)−、−S(O2)−、−NR5−、−C(O)
−、−P(R5)−、−P(O)(R5)−、および下記
に示す構造の二価基が挙げられる。これらのうち、少な
くとも1個の硼素原子もしくは元素周期律表14族から
選ばれる原子を含むことが好ましい。 【0036】 【化5】【0037】が挙げられる。前記式中、R5a〜R5dは各
々独立して、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜
40の置換基[例えば、ハロゲン化されていてもよい炭
素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化されていてもよ
い炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリ
ールオキシ基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数
7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアル
キルアリール基、炭素数8〜40のアリールアルケニル
基、Si(R63、N(R62、Si(OR63、また
はP(R63{R6はハロゲン原子、炭素数1〜10の
アルキル基または炭素数6〜10のアリール基を表し、
複数のR6は同一でも異なっていてもよく、互いに結合
して環系を形成していてもよい}]を表す。前記式中、
2は、珪素、ゲルマニウムまたは錫を表す。 【0038】前記一般式(I)中、R3は、水素原子、
炭素数1〜40の基(例えば、炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10
のアリール基、炭素数6〜25のアリールオキシ基、炭
素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリー
ルアルキル基および炭素数7〜40のアリールアルケニ
ル基)、OH基、ハロゲン原子またはN(R72(但
し、R7はハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基
または炭素数6〜10のアリール基を表す)を表す。n
は1または2を表し、nが2の時、2つのR3は同一で
も異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してい
てもよい。該環としては、2,3−インデニレン基、シ
クロへキシレン基、2,3−インダニレン基などを挙げ
ることができる。 【0039】前記一般式(I)で表されるメタロセン化
合物のより好ましい態様は、下記一般式(II)で表され
るメタロセン化合物である。 【0040】一般式(II) 【化6】 【0041】前記一般式(II)中、M1は、チタン、ジ
ルコニウムまたはハフニウムを表す。R1aは、2および
3の位置が無置換(即ち、2および3の位置には水素原
子が存在し)のインデニル基もしくは4,5,6,7−
テトラヒドロインデニル基を表す。インデニル基および
テトラヒドロインデニル基の4、5、6および7の位置
は、無置換であっても置換されていてもよく(即ち、水
素原子の代わりに置換基を有していてもよく)、該置換
基としてはハロゲン原子、炭素数1〜10の置換基など
が挙げられる。R1bは、少なくとも3の位置に炭素数2
〜40の置換基[例えば、ハロゲン化されていてもよい
炭素数2〜10のアルキル基、ハロゲン化されていても
よい炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のア
リールオキシ基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素
数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のア
ルキルアリール基、炭素数8〜40のアリールアルケニ
ル基、Si(R43、N(R42、SiR(OR43
Si(SR43もしくはP(R42{但し、R4はハロ
ゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6
〜10のアリール基を表し、複数のR4は同一であって
も異なってていもよく、互いに結合して環系を形成して
いてもよい}]を有するシクロペンタジニル基を表す。
前記シクロペンタジエニル基は、さらに2、4および5
の位置に置換基(例えば、炭素数1〜10の置換基また
はハロゲン原子)を有していてもよい。 【0042】R2は、R1aおよびR1bの1位を連結する
1〜3個の員数からなる連結基を表す。R2の好ましい
具体例としては、以下のものが挙げられる。 【0043】 【化7】 【0044】前記式中、R5a〜R5dは各々独立して、水
素原子、炭素数1〜40の置換基{例えば、ハロゲン化
されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲ
ン化されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、炭
素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜12のア
ルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭
素数7〜40のアルキルアリール基および炭素数8〜4
0のアリールアルケニル基}を表し、mは1、2または
3を表し、M2は珪素である。 【0045】前記一般式(II)中、R3aおよびR3bは各
々独立して、水素原子、炭素数1〜40の置換基(例え
ば、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のア
ルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜
25のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル
基、炭素数7〜40のアリールアルキル基および炭素数
7〜40のアリールアルケニル基)、OH基、ハロゲン
原子またはN(R72{但し、R7は、ハロゲン原子、
炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜10のア
リール基を表す}を表すか、または、R3aおよびR3b
互いに結合して環系を形成していてもよい。該環として
は、2,3−インデニレン基、シクロへキシレン基、
2,3−インダニレン基などを挙げることができる。 【0046】前記一般式(II)で表されるメタロセン化
合物の、特に好ましい態様を以下に示す。前記一般式
(II)中、M1はジルコニウムであり;R1aは、水素原
子以外に置換基を全く有しない無置換のインデニル基ま
たはテトラヒドロヒドロインデニル基を表し;R1bは、
3の位置で炭素数2〜40の置換基[例えば、炭素数2
〜10のアルキル基(エチル、プロピル、イソプロピ
ル、tert−ブチルおよびn−ブチル)、炭素数6〜
20のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル
基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、Si
(R43、N(R42、SiR(OR43、Si(SR
43およびP(R42{但し、R4はハロゲン原子、炭
素数1〜40のアルキル基または炭素数6〜10のアリ
ール基を表し、複数のR 4は同一であっても異なってい
てもよく、互いに結合して環を形成していてもよい}]
により置換されており、2、4および5の位置には水素
の代わりに全く置換基を有さない、シクロペンタジエニ
ル基を表す;態様である。 【0047】本発明に触媒として使用可能なメタロセン
の具体例としては、イソプロピレン(1−インデニル)
(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(3−
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルメチレン(1−インデニル)(3−
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、イソプロピレン(1−インデニル)(3−エチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェ
ニルメチレン(1−インデニル)(3−エチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニ
ルメチレン(1−インデニル)(3−エチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン
(1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン
(1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチ
レン(1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン
(1−インデニル)(3−tert−ブチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチ
レン(1−インデニル)(3−tert−ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェ
ニルメチレン(1−インデニル)(3−tert−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イ
ソプロピレン(1−インデニル)(3−トリメチルシリ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
フェニルメチレン(1−インデニル)(3−トリメチル
シリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルメチレン(1−インデニル)(3−
トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、 【0048】イソプロピレン(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−1−インデニル)(3−トリメチルシリルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロ
ピレン(1−インデニル)(3,4−ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメ
チレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニ
ル)(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−ト
リメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、イソプロピレン(1−インデニル)(3,4
−ジ−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニ
ル)(3,4−ジ−トリメチルシリルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレ
ン(1−インデニル)(3,4−ジ−トリメチルシリル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソ
プロピレン(1−インデニル)(2,3−ジ−トリメチ
ルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(2,3−
ジ−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、 【0049】メチルフェニルメチレン(1−インデニ
ル)(2,3−ジ−トリメチルシリルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1−
インデニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1
−インデニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン
(1−インデニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1
−インデニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1
−インデニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン
(1−インデニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1
−インデニル)(3,4−ジイソプロピルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレ
ン(1−インデニル)(3,4−ジイソプロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェ
ニルメチレン(1−インデニル)(3,4−ジイソプロ
ピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピレン(1−インデニル)(3,4−ジ−te
rt−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(3,
4−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、 【0050】メチルフェニルメチレン(1−インデニ
ル)(3,4−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1−
インデニル)(2,3−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1
−インデニル)(2,3−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン
(1−インデニル)(2,3−ジメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1
−インデニル)(2,3−ジエチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1
−インデニル)(2,3−ジエチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン
(1−インデニル)(2,3−ジエチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(1
−インデニル)(2,3−ジイソプロピルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレ
ン(1−インデニル)(2,3−ジイソプロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェ
ニルメチレン(1−インデニル)(2,3−ジイソプロ
ピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、 【0051】イソプロピレン(1−インデニル)(2,
3−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデ
ニル)(2,3−ジ−tert−ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチ
レン(1−インデニル)(2,3−ジ−tert−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イ
ソプロピレン(1−インデニル)(テトラメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニル
メチレン(1−インデニル)(テトラメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニル
メチレン(1−インデニル)(テトラメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−1−インデニル)(3−メチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチ
レン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニ
ル)(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、イソプロピレン(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−1−インデニル)(3−エチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、 【0052】ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テ
トラヒドロ−1−インデニル)(3−エチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニル
メチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)(3−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、イソプロピレン(4,5,6,7−テト
ラヒドロ−1−インデニル)(3−イソプロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニル
メチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−イ
ソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピレン(4,5,6,7−テトラヒドロ
−1−インデニル)(3−tert−ブチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチ
レン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニ
ル)(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−t
ert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、イソプロピレン(4,5,6,7−テトラヒ
ドロ−1−インデニル)(3,4−ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、 【0053】ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テ
トラヒドロ−1−インデニル)(3,4−ジメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフ
ェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−
インデニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3,4
−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒ
ドロ−1−インデニル)(3,4−ジエチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニル
メチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、イソプロピレン(4,5,6,7
−テトラヒドロ−1−インデニル)(3,4−ジイソプ
ロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒド
ロ−1−インデニル)(3,4−ジイソプロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェ
ニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−イ
ンデニル)(3,4−ジイソプロピルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3,4
−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4,5,6,
7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3,4−ジ−t
ert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、 【0054】メチルフェニルメチレン(4,5,6,7
−テトラヒドロ−1−インデニル)(3,4−ジ−te
rt−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、イソプロピレン(4,5,6,7−テトラヒド
ロ−1−インデニル)(2,3−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレ
ン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、メチルフェニルメチレン(4,5,6,
7−テトラヒドロ−1−インデニル)(2,3−ジメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イ
ソプロピレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−イ
ンデニル)(2,3−ジエチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(2,3
−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、メチルフェニルメチレン(4,5,6,7−テト
ラヒドロ−1−インデニル)(2,3−ジエチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピ
レン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニ
ル)(2,3−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、 【0055】ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テ
トラヒドロ−1−インデニル)(2,3−ジイソプロピ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メ
チルフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ
−1−インデニル)(2,3−ジイソプロピルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレ
ン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(2,3−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(2,3−ジ−tertt−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(2,3−ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒド
ロ−1−インデニル)(テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレ
ン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリドが挙げられる。 【0056】特に、イソプロピレン(1−インデニル)
(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)
(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、メチルフェニルメチレン(1−インデニ
ル)(3−イソブロピルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、イソプロピレン(1−インデニル)
(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニ
ル)(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(1−
インデニル)(3−tert−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−イ
ソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラヒ
ドロ−1−インデニル)(3−イソプロピルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニル
メチレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、イソプロピレン(1−インデニ
ル)(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−イン
デニル)(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン
(1−インデニル)(3−トリメチルシリルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピレン
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4,5,6,
7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−tert−
ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルメチレン(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−1−インデニル)(3−tert−ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロ
ピレン(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニ
ル)(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4,5,
6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)(3−トリメ
チルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、メチルフェニルメチレン(4,5,6,7−テト
ラヒドロ−1−インデニル)(3−トリメチルシリルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドが好まし
い。 【0057】前記メタロセンは、オレフィン重合に関し
て非常に活性の高い触媒である。メタロセン触媒以外
に、他の助触媒を1種以上用いるのが好ましい。例え
ば、1種類のメタロセンと1種類の助触媒を使用するの
が好ましい。特に、広い、即ち、マルチモーダルの分子
量分布を有する反応器ブレンドまたはポリオレフィン類
を製造する場合は、2種以上のメタロセンの混合物を使
用することもできる。なお、前述した様に、メタセシス
触媒を用いると得られる飽和ノルボルネン系樹脂の分子
量分布が広くなる傾向があり、延伸時のレターデーショ
ンムラの観点からは不利であるため、できる限り用いな
い。ここで、前述した様に、本明細書において、「メタ
セシス触媒」の用語は、メタロセン触媒以外のメタセシ
ス触媒を意味するものとして便宜上用い、具体例として
は、Ir、Os、Ruの三塩化物の含水塩、MoC
5、WCl6、ReCl5、(C253Al、(C
253Al/TiCl4、(π−C474Mo/Ti
Cl4、(π−C474W/TICl4、(π−C
353Cr/WCl6等が挙げられる。 【0058】本発明において、好ましい助触媒として
は、下記一般式(IIIa)で表される線状型アルミノオ
キサン触媒および下記一般式(IIIb)で表される環状
型アルミノオキサン触媒が挙げられる。 【0059】 【化8】 【0060】前記一般式(IIIa)および(IIIb)にお
いて、R8a〜R8fは各々独立して、炭素数1〜6のアル
キル基、炭素数6〜18のアリール基、ベンジル基また
は水素原子を表し、pは2〜50のいずれかの整数(好
ましくは10〜35のいずれかの整数)を表す。 【0061】R8a〜R8fは、メチル基、イソブチル基、
フェニル基またはベンジル基であるのが好ましく、メチ
ル基であるのがより好ましい。R8a〜R8eは全て同一で
あるのが好ましく、前記線状型と環状型とを併用する場
合は、R8a〜R8fが全て同一であるのが好ましい。R8a
〜R8e(前記線状型と環状型とを併用する場合はR8a
8f)が異なる場合、メチル基と水素原子であるか、ま
たはメチル基とイソブチル基であるのが好ましく、各々
の場合、水素原子またはイソブチル基は、R8a〜R
8e(前記線状型と環状型とを併用する場合はR8a
8f)の0.01〜40%の割合で存在しているのが好
ましい。 【0062】前記一般式(IIIa)または(IIIb)で表
されるアルミノオキサンは、公知の種々の方法により製
造することができる。その方法の一つとして、例えば、
不活性溶媒(例えば、トルエン)中で、アルミニウム炭
化水素化合物および/またはハイブリッドアルミニウム
炭化水素化合物と、水(気体、固体、水または結合、例
えば、結晶水として)とを反応させる方法がある。R8a
〜R8eが異なるアルキル基であるアルミノオキサンを製
造するためには、所望の組成に相当する、2種の異なる
トリアルキルアルミニウム(AlR3+AlR’3)を水
と反応させる[S. PasynkIcwIcz, Polyhedron 9(1990)
429, 欧州特許出願第EP−A−302424号]。ア
ルミノオキサンの詳細な三次元構造は知られていない。 【0063】製造方法に関係なく、全てのアルミノオキ
サン溶液は、通常、遊離系または付加物として存在す
る、種々の量の未反応アルミニウム出発化合物を含む。
アルミノオキサンを支持体に適用し、次いで、これを支
持した形態で懸濁液中で使用することも可能である。ア
ルミノオキサンを支持体に適用する種々の方法は、公知
である(欧州特許出願第EP−A−578838号)。
シリカゲルは、支持体として機能し得る。 【0064】前記メタロセン化合物を触媒として重合反
応に使用する前に、助触媒、特にアルミノオキサンによ
り、本発明の方法で使用すべきメタロセンを予備活性化
させることができる。これにより、重合活性が顕著に増
加する。遷移金属化合物の予備活性化は、溶液中で実施
することができる。従って、メタロセンを不活性炭化水
素中のアルミノオキサン溶液に溶解させるのが好まし
い。好適な不活性炭化水素類は、脂肪族または芳香族炭
化水素類である。トルエンを使用するのが好ましい。前
記予備活性化処理において、溶液中のアルミノオキサン
の濃度は、用いる材料によって好ましい範囲も異なる
が、全溶液をベースとして約1質量%〜飽和濃度が一般
的であり、好ましくは5〜30質量%である。メタロセ
ンは同濃度で使用し得るが、アルミノオキサン1mol
当たり10-4〜1molの量で使用するのが好ましい。
予備活性化時間は、5分〜60時間が一般的であり、5
〜60分間が好ましい。予備活性化は、−78℃〜10
0℃の温度で実施することができ。0〜70℃で実施す
るのが好ましい。 【0065】本発明において、メタロセンはそのままの
形態で触媒として用いることもできるが、支持体に担持
された形態で触媒として用いることもできる。好適な支
持体としては、例えば、シリカゲル、酸化アルミニウ
ム、固体アルミノオキサンまたは他の無機支持体材料が
ある。微粉砕形のポリオレフィン粉末も好適な支持体材
料である。 【0066】本発明において、前記アルミノオキサンの
代わりにまたはアルミノオキサンに加えて、助触媒とし
て式:R−(NH4x−B(BR’4xまたは式:R3
PHBR’4の塩様化合物を使用することができる。こ
こで、xは1〜3のいずれかの整数を表し、Rはアルキ
ル基またはアリール基を表し、R’はフッ素化または部
分的にフッ素化されていてもよいアリール基を表す。こ
の場合、触媒は、メタロセンと前記式で表される化合物
の1種との反応生成物を含む(欧州特許出願第EP−A
−277004号)。 【0067】重合系の反応混合物に溶媒を添加する場
合、これらは、慣習的に不活性溶媒、例えば、脂肪族若
しくは脂環式炭化水素類、石油留分若しくは水素化ディ
ーゼル油留分またはトルエンである。 【0068】触媒として用いるメタロセン類は、ラセミ
化合物(racemate)の形態で使用するのが好ま
しい。メタロセンは、反応器容積1dm3当たり遷移金
属をベースとして、10-1〜10-8molの濃度で使用
するのが好ましく、10-2〜10-7mol好ましく、1
-3〜10-7molが特に好ましい。助触媒であるアル
ミノオキサンは、反応器容積1dm3当たりアルミニウ
ム含量をベースとして、10-4〜10-1molの濃度で
使用し、10-4〜2×10-2molが好ましい。しかし
ながら、原則として高い濃度も可能である。その他、詳
細については特表2001−506689号公報に記載
の項目をもちいることができる。 【0069】予備重合を実施してもよい。予備重合は、
メタロセンを使用して実施することができる。予備重合
に関しては、重合に使用したオレフィン類(またはその
中の1種)を使用するのが好ましい。 【0070】本発明で使用する飽和ノルボルネン系樹脂
の数平均分子量は特に限定されないが、トルエン溶媒に
よるゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GP
C)で測定される数平均分子量は、2万5千〜10万が
好ましく、より好ましくは3万〜8万である。 【0071】また、本発明で使用する飽和ノルボルネン
系樹脂の23℃における飽和吸水率は、0.1〜1質量
%であることが好ましい。飽和吸水率が0.1%未満で
あると、光学フィルムとした後、ガラス基板等と接着す
る場合、その密着性が乏しくなり、剥離を生じやすくな
る。一方、1%を超えると、光学フィルムとした後、吸
水により寸法変化を起こしやすくなる。飽和吸水率がこ
の範囲内の飽和ノルボルネン系樹脂を用いると、レター
デーションが均一で、且つガラス基板などとの密着性に
優れ、使用途中で該基板と剥離等が生じ難い光学フィル
ムを製造できる。また飽和吸水率が前記範囲であると、
酸化防止剤などとの相溶性にも優れるので、フィルム中
に酸化防止剤などを多量に添加することが可能となる。
なお、上記の飽和吸水率はASTMD570に従い、2
3℃水中で1週間浸漬して増加質量を測定することによ
り得られる値である。 【0072】本発明では、上記メタロセンを含む触媒の
存在下で重合した飽和ノルボルネン系樹脂に、市販の飽
和ノルボルネン系樹脂を配合することもできる。但し、
市販の飽和ノルボルネン系樹脂は通常メタセシス触媒を
用いて重合されたものであるので、ブレンド量は少ない
ほど好ましい。市販の飽和ノルボルネン樹脂としては、
例えば、日本ゼオン社製、商品名「ZEONOR」、
「ZEONEX」;JSR社製、商品名「ARTO
N」;日立化成工業社製、商品名「OPTOREZ」;
三井石油化学社製、商品名「APEL」等を挙げること
ができる。また、飽和ノルボルネン系樹脂以外の樹脂
も、飽和ノルボルネン系樹脂と相溶するポリマーであれ
ば、その特性を損なわない範囲でブレンドすることがで
きる。具体的には、TAC等のセルロース系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シンジオタ
クチックポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリアリレ
ート系樹脂、ポリスルホン系樹脂等を主成分とする樹脂
が好ましく挙げられる。また、特に無水マレイン酸系の
樹脂の一部は飽和ノルボルネン系樹脂との相溶性に優
れ、特に好ましく用いることができる。 【0073】本発明の光学フィルムは、前記メタロセン
を含む触媒の存在下で重合されてなる飽和ノルボルネン
系樹脂を含むフィルム(以下、「飽和ノルボルネン系樹
脂フィルム」とう)を延伸することによって、製造する
ことができる。前記飽和ノルボルネン系樹脂フィルム
は、種々の公知の方法を参考にして製造することができ
る。例えば、溶液流延法、溶融成形法等により製造する
ことができる。 【0074】溶液流延法により製造する場合は、まず、
例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロ
ベンゼン、トリエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イ
ソプロピルベンゼン等の高沸点溶媒、または、これら高
沸点溶媒とシクロヘキサン、ベンゼン、テトラヒドロフ
ラン、ヘキサン、オクタン等の低沸点溶媒との混合溶媒
に、上記飽和ノルボルネン系樹脂を、好ましくは濃度5
〜60質量%となるように溶解して樹脂溶液を得る。他
の樹脂を用いる場合は、全種類の総量の濃度が前記範囲
となるように、樹脂溶液を調製する。 【0075】次に、得られた樹脂溶液をバーコーター、
ドクターナイフ、メイアバー、ロール、Tダイ等を用い
て、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱性フィル
ム、スチールベルト、金属箔等上に流延し、加熱乾燥す
ることにより、飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを得
る。 【0076】溶融成形法により製造する場合は、Tダイ
法やインフレーション法などの溶融押出法、カレンダー
法、熱プレス法、射出成形法などを用いて製造すること
ができる。 【0077】上記飽和ノルボルネン系樹脂フィルムに
は、本発明の効果を損なわない範囲において、フィルム
の耐熱性、耐紫外線性、平滑性等を向上させるために、
フェノール系、リン系などの老化防止剤;フェノール系
などの熱劣化防止剤;アミンなどの帯電防止剤;脂肪族
アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステル
や部分エーテルなどの滑剤;ベンゾフェノン系紫外線吸
収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニ
トリル系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤;フッ素系ノ
ニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、
シリコーン系レベリング剤などのレベリング剤等が添加
されてもよい。 【0078】上記飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの厚
みは、通常5〜200μmが好ましく、より好ましくは
10〜100μmである。フィルムの厚みが5μm未満
では強度が低下するだけでなく、偏光板の耐久試験を行
うとカールが大きくなるなどの問題がある。一方、10
0μmを超えると透明性が低下するだけでなく、透湿度
が小さくなりPVA系接着剤の溶剤である水の乾燥が遅
くなるという問題がある。 【0079】次に、上記の様にして作製された飽和ノル
ボルネン系樹脂フィルムを、延伸することにより、本発
明の位相差フィルムを作製することができる。延伸方法
としては公知の一軸延伸法、すなわち、テンター法によ
る横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、周遠の異なるロ
ールを利用する縦一軸延伸法等を用いることができる。
また、分子の配向に影響のない範囲で延伸した後、分子
を配向させるべく一軸方向に延伸する二軸延伸であって
もよい。 【0080】延伸により分子が配向し、フィルムには一
定のレターデーション値が発現される。レターデーショ
ンは、延伸前のシートのレターデーション、延伸倍率、
延伸温度、延伸後のフィルムの厚さ等により制御するこ
とができる。延伸前のシートが一定の厚さの場合、延伸
倍率が大きいフィルムほどレターデーションの絶対値が
大きくなる傾向があるので、延伸倍率を変更することに
よって前記所望のレターデーションに調整することがで
きる。本発明では、偏光顕微鏡(例えば、溝尻光学製エ
リプソメーターDVA−36LS)によるレターデーシ
ョンの測定値が、波長633nmにおいて20〜300
nmとなるように、好ましくは30〜250nmとなる
ように延伸の諸条件を調整する。 【0081】レターデーション値のバラツキは小さい程
好ましく、波長633nmにおけるレターデーションの
バラツキが±20%以下であることが好ましい。特に好
ましくは±5%以下である。レターデーションのバラツ
キが±20%を超えると、光学的に均一な位相差を与え
ることが困難となり、光ディスク再生装置に用いた場合
には、信号の解像度が悪化し、再生性能が得られ難くな
る。 【0082】本発明の光学フィルムの幅方向における光
学特性の均一性をより高めるためには、フィルムの幅方
向に温度分布を与えて延伸するのが好ましい。従来、近
接ロールを用いて、単純に縦一軸延伸した場合、フィル
ムのレターデーション値が、フィルムの幅方向に不均一
化し、レターデーションは両端部に向かうに従い大きく
なり、中央部に向かうに従って小さくなる傾向がある
(幅方向に連続的にはU字パターンとなる)。これはフ
ィルムの幅方向の両端部と中央部とではネックインの状
況が異なることに起因している。即ち、中央部ではネッ
クインが阻害されやすく、両端部では比較的自由にネッ
クインが行われ、ネックイン量が大きくなる。このため
両端部の方が中央部より完全な一軸配向に近くなり、そ
の差が、中央部と両端部におけるレターデーション値の
差となって現れる。 【0083】レターデーション値と延伸温度は大まかに
は逆比例の関係を示す。従って、レターデーション値が
大きくなる両端部をその程度に応じて延伸温度を高く、
且つレターデーション値の小さくなる中央部をその程度
に応じて延伸温度を低くし、延伸温度に温度勾配を持た
せることにより、幅方向にレターデーションが均一な位
相差フィルムを製造することができる。 【0084】延伸時に幅方向に温度分布を持たせること
によるレターデーション値の制御は、レターデーション
値5〜10nm/℃の範囲で可能である。延伸時の温度
勾配は、温度差を設けずに延伸した場合に中央部と両端
部とで生じるレターデーション値の差の実際値に応じて
設定することができる。実際には、温度勾配が下向き凸
状の直線または曲線になるよう、適切な温度範囲で延伸
温度を設定するのが好ましい。 【0085】延伸時に、フィルムの幅方向に温度勾配を
持たせる方法としては、以下の方法が可能である。 延伸温度を高温とする領域に、スポット状に高温の
風を吹き付け加熱する。その領域において必要な温度に
加熱するために、吹き出し風の温度を適宜設定してもよ
いし、吹き出しのノズルスリット幅を領域ごとに変え
て、風を吹き出すことにより必要な温度にしてもよい。 温度勾配の高温を必要とする部分にスポット状の遠
赤外線ヒーターを設置し、必要に応じて電気容量を制御
する。 オイル加熱ロールの内部を分割し、高分子フィルム
の中央部分と両端部分に各々対応する領域を、低温領域
および高温領域に区分する。 誘電加熱ロール内部のヒートパイプやジャケットの
分割によって温度差を付与する。 【0086】本発明の光学フィルムの水蒸気透過度は、
温度40℃相対湿度90%の条件下で、25μm厚で2
0g/m2・24hr以上であり、好ましくは30g/
2・24hr以上、特に好ましくは40〜500g/
2・24hrである。水蒸気透過度が20g/m2・2
4hr未満であると、粘着剤の溶媒である水分が拡散せ
ず、結果的に後工程での膨れ、剥がれなどの原因とな
る。 【0087】本発明の光学フィルムは、透明であるのが
好ましい。本明細書において、「透明」とは、波長域4
00nm〜700nmにおける透過率が全域で70%以
上であることをいう。 【0088】本発明の光学フィルムは、ガス透過性が低
く、寸法安定性に優れ、かつ位相差むらが少ないという
性質を有し、位相差板として有用である。本発明の光学
フィルムは、光ディスクの再生装置、液晶ディスプレイ
に用いることができる。本発明の光学フィルムは、接着
性も良好であるので、光ディスクの再生装置、液晶ディ
スプレイの部材として用いる場合、他のフィルム、シー
ト、基板等の他の部材に容易に接着することができる。
他の部材との接着には、粘着剤や接着剤を用いることが
できる。これらの粘着剤および接着剤としては、透明性
に優れたものが好ましく、具体例としては天然ゴム、合
成ゴム、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、ポリビニ
ルエーテル、アクリル系、変性ポリオレフィン系、およ
びこれらにイソシアナートなどの硬化剤を添加した硬化
型粘着剤;ポリウレタン系樹脂溶液とポリイソシアナー
ト系樹脂溶液を混合するドライラミネート用接着剤;合
成ゴム系接着剤;エポキシ系接着剤;などが挙げられ
る。 【0089】また、本発明の位相差フィルムには、他の
フィルムシート、基板などとの積層の作業性を向上させ
るために、あらかじめ、粘着剤層または接着剤層を形成
しておくことができる。粘着剤層または接着剤層を形成
する場合には、粘着剤や接着剤としては前述のような粘
着剤あるいは接着剤を用いることができる。 【0090】本発明の光学フィルムの片面または両面
に、反射防止膜を積層することができる。反射防止膜の
形成方法としては、例えば、フッ素系共重合体を有機溶
媒に溶解し、その溶液をバーコーターなどを用いてキャ
スト法などにより、上記フィルムやシート材や位相差板
などの上に塗布し、プレスを用いて加熱し、硬化させる
方法が挙げられる。加熱条件としては好ましくは、80
〜165℃、さらに好ましくは100〜150℃の温度
で、時間は好ましくは、10分〜3時間、さらに好まし
くは30分〜2時間である。形成する反射防止膜の厚み
は、好ましくは、5〜2000nm、さらに好ましくは
10〜1000nm、特に好ましくは50〜200nm
である。5nm未満であると、反射防止効果が発揮でき
ず、2000nmを超えると、塗膜の厚みにムラが生じ
やすくなり、外観などが悪化し好ましくない。 【0091】本発明の光学フィルムは、そのまま位相差
フィルムとして使用することができるが、ガラス板など
の透明基板と張り合わせ位相差板として使用することも
できる。透明基板との張り合わせには、粘着剤や接着剤
を用いることができる。前記粘着剤および接着剤として
は透明なものが好ましい。中でもアクリル系のものが好
ましい。粘着剤として特に好ましいのは、水分散アクリ
ル系粘着剤であり、位相差フィルムに位相差ムラが生じ
ることを抑えられる点で好ましい。 【0092】本発明の位相差フィルムや位相差板を光デ
ィスク再生装置に用いた場合、その光ディスク再生装置
は、ディジタル情報端末、ナビゲーション、液晶モニタ
ー、CD−ROM、書き込み型CD、書き換え可能DV
Dなどの記録装置およびそれらを用いたOA機器、CD
などの音響再生装置、DVDなどの画像再生装置および
それらを用いたAV機器、上記のCD、DVDなどを用
いたゲーム機等に用いることができる。 【0093】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す
具体例に制限されるものではない。 [実施例1] 1.光学フィルムの作製 (1)飽和ノルボルネン系樹脂の調製 (1)−1 メタロセン触媒を用いた飽和ノルボルネン
系樹脂(N−1)の調製 トルエンに、8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ〔4,4,0,12.5,17.10〕ドデカ
−3−エンを溶解して、50質量%濃度溶液を調製し
た。このトルエン溶液600cm3を、予めエテンで完
全にパージした1.5dm3オートクレーブ中に投入し
た。エテン(エチレン)(6bar)で複数回加圧する
ことにより、溶液をエテンで飽和させた。メチルアルミ
ノオキサンのトルエン溶液(凝固点降下測定法:cry
oscopic determinationにより1
300g/molの分子量を有する10質量%濃度のメ
チルアルミノオキサンのトルエン溶液)10cm3を計
量し、混合物を70℃で30分間、撹拌した。メチルア
ルミノオキサンのトルエン溶液10cm3中で、イソプ
ロピレン(1−インデニル)(3−tert−ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド0.37
mgを15分間予備活性化した後に、反応容器中に添加
した。撹拌(750rpm)しながら、重合を1時間実
施し、追加の量を計量することにより、エテン圧力を6
barに保持した。 【0094】反応時間終了後、この重合体溶液に、メタ
ノール500gを加えて30分間攪拌して静置した。2
層に分離した上層を除き、再びメタノールを加えて30
分間攪拌し、静置した後上層を除いた。同様の操作をさ
らに2回行ない、得られた下層をシクロヘキサン、1,
2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体濃度が10
%であるシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエタン溶
液を得た。このようにして得られた重合体溶液に、水添
触媒としてパラジウム/シリカマグネシア[日揮化学
(株)製、パラジウム量=5質量%]20gを添加し、
オートクレーブ中で、水素圧40kg/cm2として1
65℃で4時間にわたり水素添加反応を行った。次い
で、水添触媒を濾過によって除去した。このようにして
得られた水添重合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエ
リスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を、当
該水添重合体に対して0.1質量%となる割合で加えて
から380℃で減圧下に脱溶媒を行った。次いで、溶融
した樹脂をチッ素雰囲気下で押出機によりペレット化す
ることにより、水素添加率99.5%、ガラス転移温度
158℃、粘度数195mL/g、の水添重合体を得
た。 【0095】得られた水添重合体について、GPC法
(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換
算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(M
w)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は39,
000、重量平均分子量(Mw)は71,000、分子
量分布(Mw/Mn)は1.82であった。また、23
℃における飽和吸水率を測定したところ0.4%であっ
た。 【0096】(1)−2 メタセシス触媒を用いた飽和
ノルボルネン系樹脂(N−2)の調製 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
〔4,4,0,12.5,17.10〕ドデカ−3−エ
ン100gと、1,2−ジメトキシエタン60gと、シ
クロヘキサン240gと、1−ヘキセン9gと、ジエチ
ルアルミニウムクロライドのトルエン溶液(0.96モ
ル/リットル)3.4mLとを内容積1リットルのオー
トクレーブに仕込んだ。一方、六塩化タングステンの
1,2−ジメトキシエタン溶液(0.05モル/リット
ル)20mLと、パラアルデヒドの1,2−ジメトキシ
エタン溶液(0.1モル/リットル)10mLとをフラ
スコ内で混合した。この混合溶液4.9mLを、前記オ
ートクレーブ内に添加した。密栓後、オートクレーブ内
の系を80℃に加熱しながら2時間にわたって攪拌する
ことにより重合を行った。得られた重合体溶液に、1,
2−ジメトキシエタンとシクロヘキサンとの混合溶媒
(1,2−ジメトキシエタン/シクロヘキサン=20質
量%/80質量%)を加えて、重合体/溶媒の割合を1
/10(質量比)とした後、トリエタノールアミン20
gを加えて10分間攪拌した。この重合体溶液に、メタ
ノール500gを加えて30分間攪拌して静置した。2
層に分離した上層を除き、再びメタノールを加えて30
分間攪拌し、静置した後、上層を除いた。同様の操作を
さらに2回行ない、得られた下層をシクロヘキサン、
1,2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体濃度が
10%であるシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエタ
ン溶液を得た。このようにして得られた重合体溶液に、
水添触媒としてパラジウム/シリカマグネシア[日揮化
学(株)製、パラジウム量=5%]20gを添加し、オ
ートクレーブ中で、水素圧40kg/cm2として16
5℃で4時間にわたり水素添加反応を行った。次いで、
水添触媒を濾過によって除去した。このようにして得ら
れた水添重合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエリス
リチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を、当該水
添重合体に対して0.1%となる割合で加えてから38
0℃で減圧下に脱溶媒を行った。次いで、溶融した樹脂
をチッ素雰囲気下で押出機によりペレット化することに
より、水素添加率99.5%、ガラス転移温度158
℃、粘度数195mL/g、重量平均分子量149,0
00g/molの水添重合体を得た。 【0097】得られた水添重合体について、GPC法
(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換
算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(M
w)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は39,
000、重量平均分子量(Mw)は116,000、分
子量分布(Mw/Mn)は2.97であった。また、2
3℃における飽和吸水率を測定したところ0.4%であ
った。 【0098】(2) 飽和ノルボルネン系樹脂フィルム
の作製 上記得られた各々の飽和ノルボルネン系樹脂を単独ある
いは表1に示した様にブレンドして、トルエンに35質
量%になるよう溶解し、ポリエチレンテレフタレート工
程フィルムに流延し、80℃で5分間、120℃で5分
間、さらに工程フィルムから剥がした後に150℃で3
分間乾燥して、飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを得
た。尚、乾燥後の飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの厚
みは60μmであった。 【0099】(3) 位相差フィルムの作製 (2)で作製した飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを以
下のようにして延伸した。なお、延伸ロールは、誘電加
熱ロールを用い160℃に加熱した。なお、両端部分
に、ノズルスリット幅がフィルム幅の1/4幅のノズル
からフィルムの両端部より内側に172℃の熱風を至近
距離から吹き付け、温度勾配ができるように加熱し、フ
ィルムの幅方向に温度勾配を与えた。幅方向の温度分布
をサーモビアーで測定したところ、温度は中央部で16
0℃、両端部分で170℃であった。上述の加熱状態に
てニップ間250mmの一軸ロール延伸で、縦方向に
1.1倍程度の延伸を行った結果、厚さ85μmの透明
な延伸フィルムが得られた。 【0100】この延伸フィルムの633nmに於けるレ
ターデーション値をフィルム幅方向に30mm間隔をお
いた16点で各3点ずつ測定した。測定には溝尻光学製
エリプソメーターDVA−36LSを用いた。その結果
得られたレターデーション値を表1に示した。また、こ
れらの位相差膜をクロスニコルに配置した偏光板の間に
挟み、局所的なレターデーションムラを観察し、以下の
5段階で評価した。 ◎:目視で全くムラを判別できない、○:目視でほとん
どムラを判別できない、○〜△:目視でムラらしきもの
を判別できる、△:目視でムラを判別できる、×:目視
で明らかな色ムラとして判別できる。 【0101】 【表1】【0102】この延伸フィルムを液晶デバイス用位相差
板として使用したところ、着色むら、コントラストむら
がなく、鮮明な液晶画像を得られた。 【0103】以上の結果から、実施例の本発明は、比較
例に比べ、レターデーションムラが少なく、位相差フィ
ルムとして優れた特性を有していることがわかった。 【0104】 【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、位
相差ムラの少ない飽和ノルボルネン系樹脂からなる光学
フィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 65:00 C08L 65:00 Fターム(参考) 2H049 BA06 BA25 BB42 BC03 BC09 BC22 2H091 FA11X FA11Z FB02 LA02 LA06 LA16 LA17 LA20 4F071 AA39 AF29 AF30 AF31 AF35 AH12 AH16 AH19 BB02 BB03 BB04 BB09 BC01 BC02 4F210 AA12 AG01 AH73 QA03 QC02 QD32 QD34 QG01 QG18 QM02 QM03

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも1種のメタロセンを含む触媒
    の存在下で重合してなる飽和ノルボルネン系樹脂を10
    質量%以上含み、レターデーションが20nm以上30
    0nm以下の光学フィルム。
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