JP2003322467A - マイクロ波による耐火物の乾燥方法 - Google Patents

マイクロ波による耐火物の乾燥方法

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JP2003322467A
JP2003322467A JP2002124487A JP2002124487A JP2003322467A JP 2003322467 A JP2003322467 A JP 2003322467A JP 2002124487 A JP2002124487 A JP 2002124487A JP 2002124487 A JP2002124487 A JP 2002124487A JP 2003322467 A JP2003322467 A JP 2003322467A
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Koichi Fujihira
幸一 藤平
Sumio Sakaki
澄生 榊
Noboru Ishikawa
昇 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波電磁波(マイクロ波)を用いて湿潤耐
火物を乾燥させる耐火物の乾燥方法において、爆裂を防
止し、かつ精度よく目標の耐火物温度での乾燥を可能と
する耐火物の乾燥方法を提供すること。 【解決手段】 対象とする湿潤耐火物に耐火物の温度を
測定するための温度検出器と水蒸気圧を測定するための
チューブを埋め込み、さらに耐火物の重量を検出できる
ようにしておき、前記対象とする湿潤耐火物の温度の目
標値と検出値との差分に応じてマイクロ波発生装置の出
力を調整して耐火物の温度を目標値に一致するように制
御するとともに、乾燥中の耐火物の水蒸気圧と重量を連
続的に監視する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波電磁波(マ
イクロ波)を用いて湿潤耐火物を乾燥させる耐火物の乾
燥方法において、爆裂を防止し、かつ精度良く目標の耐
火物温度での乾燥を可能とする耐火物の乾燥方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開2001−304769号公報およ
び特開2001−115206号公報等において、不定
形耐火物やトーピードカー内張り耐火物にマイクロ波を
照射して水分を除去する、耐火物マイクロ波乾燥方法を
実施することにより、爆裂や亀裂の発生を防止し、耐火
物材料の高密度化による寿命延長・品質安定化を実現さ
せる方法が提案されている。しかし、マイクロ波の出力
を調整しながら精度よく目標とする温度で乾燥を行うた
めの耐火物の乾燥方法に関する提案はされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】耐火物マイクロ波乾燥
においては、爆裂を起こさず短い時間で乾燥終了させる
ことが、操業効率が良く、乾燥に消費するエネルギーコ
ストも低くなり、望ましい。通常、耐火物の昇温速度を
早める、すなわち耐火物へのマイクロ波照射量(出力)
を多くすれば、乾燥時間が短縮できるが、特に、耐火物
温度が100℃前後までの水分が抜けきっていない状態
下において、過度なマイクロ波照射、すなわち急激な加
熱温度上昇を行うと、耐火物内部の水蒸気圧が極度に上
昇(高緻密材料ほど上昇しやすい傾向)し、爆裂を起こ
すことになる。
【0004】このため、マイクロ波照射量を小さくすれ
ば爆裂を起こす可能性は低くなるが、乾燥時間が長くな
る。一方、マイクロ波照射量を大きくすれば乾燥時間が
短くなるが、爆裂を起こす可能性が高くなる。このよう
に相反する制約を受けながら従来操業では、乾燥効率の
最適化に向けて、繰り返し実施される操業実績に基づ
き、爆裂を起こさずに安定して乾燥させるための耐火物
温度と乾燥時間の関係(以下、昇温パターンと称す)を
耐火物材料もしくは形状毎に知見として持っており、こ
の昇温パターンにしたがって乾燥操業を実施している。
【0005】すなわち、耐火物温度がこの昇温パターン
通りとなるように、操作量であるマイクロ波照射量と乾
燥時間の関係(以下、出力パターンと称す)を予め決め
ておき、この出力パターン通りに昇温させるようマイク
ロ波照射量を人手や制御装置によって調整するが、この
出力パターン、つまり実際の操作量であるマイクロ波照
射量とプロセス量である耐火物温度との関係を、直接見
出すことは非常に困難であり、実操業レベルの繰り返し
テストや操業実績等から経験的に求める必要があるた
め、時間とコストがかかり効率的でない。
【0006】また、実際には乾燥中に耐火物の状態変化
(耐火物の水分含有量変化等)が起こり、これに伴っ
て、マイクロ波が同一照射量の場合でも昇温度合が変化
するといったように、乾燥中の状態変化に応じて耐火物
温度の昇温度合も変化するため、必ずしも昇温パターン
通りの耐火物温度となっていない場合がある。更に、上
記のように昇温度合が変化し、昇温パターンと実際の耐
火物温度に差が生じた場合には、操業中に耐火物温度を
監視しながら人手でマイクロ波照射量を調整したり、複
数台数のマイクロ波発生装置で構成している設備では運
転台数を変更して昇温度合を調整する等の手間を要して
いる。
【0007】したがって、このような従来技術に対して
本発明においては、爆裂を確実に防止し、かつ乾燥時間
短縮を追及した効率的な操業を行うためには、乾燥中の
実際の耐火物温度を把握しながら、昇温パターン通りに
精度良く昇温調整を可能とする耐火物の乾燥方法を提供
することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の手段は、
マイクロ波を用いて湿潤耐火物を乾燥させる耐火物の乾
燥方法において、対象とする湿潤耐火物に耐火物の温度
を測定するための温度検出器と水蒸気圧を測定するため
のチューブを埋め込み、さらに耐火物の重量を検出でき
るようにしておき、前記対象とする湿潤耐火物の温度の
目標値と検出値との差分に応じてマイクロ波発生装置の
出力を調整して耐火物の温度を目標値に一致するように
制御するとともに、乾燥中の耐火物の水蒸気圧と重量を
連続的に監視することを特徴とする。第二の手段は、第
一の手段よりさらに、耐火物の水蒸気圧が予め設定した
水蒸気圧上限値以上となった場合に、マイクロ波出力を
予め設定した出力値まで下げることを特徴とする。第三
の手段は、第一の手段または第二の手段よりさらに、耐
火物重量検出値に基づき耐火物乾燥に伴う重量変化率を
算出し、その重量変化率が予め設定した重量変化率設定
値以下となった場合に、乾燥終了と判定し、乾燥終了表
示および/またはマイクロ波出力自動停止することを特
徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、上記構成でマイクロ波
乾燥中における耐火物の温度Tを温度検出器によって測
定し、統括制御装置にて目標温度Trefとの差分ΔTを
吸収するようにマイクロ波発生装置の出力Pを調整する
ことで、耐火物乾燥温度Tの目標温度Trefに対する精
度向上を図るものである。統括制御装置による耐火物温
度の制御方法としては、PID調節系に代表される古典
制御理論に基づくフィードバック制御が考えられる。
【0010】また、耐火物乾燥中、耐火物温度が100
℃近辺まで上昇すると、耐火物内部で水蒸気が発生し、
この水蒸気は耐火物内部の組織を通過して外部雰囲気に
抜けていくが、急激に温度を上昇させると水蒸気の発生
量も急増するので、耐火物内部の組織を通り抜けにくく
なり、その結果、耐火物内部の圧力すなわち水蒸気圧が
上昇し、耐火物の機械的剛性力を超えると爆裂を起こす
ことになる。
【0011】そこで、前記耐火物温度のフィードバック
制御と併せて、統括制御装置にてマイクロ波乾燥中にお
ける耐火物内部の水蒸気圧pを水蒸気圧検出器によって
測定し、統括制御装置にて水蒸気圧pが過度に上昇した
際(乾燥対象の耐火物材料に応じて予め設定しておいた
水蒸気圧上限値以上となった際)に、マイクロ波発生装
置の出力Pを自動的に低減することで、耐火物内部の温
度上昇を低減させ、したがって、水蒸気の発生量の低減
とともに水蒸気圧pが低減するので、爆裂を生じさせな
い。更に、耐火物乾燥中における耐火物重量Wを重量検
出器によって測定し、統括制御装置にて乾燥時間経過と
ともに減少する耐火物重量Wの単位時間当たりの重量変
化率ΔWを算出し、その値が0もしくは0付近となるこ
とで、乾燥終了時期を定量的かつ自動判定することがで
きる。
【0012】そこで、前記耐火物温度のフィードバック
制御と併せて、統括制御装置にてまず、乾燥開始前の水
分を含んだ耐火物の初期重量Woを測定・記憶してお
く。乾燥開始後は、耐火物温度の上昇とともに耐火物内
部の水分が蒸発して排出され、徐々に耐火物重量Wが減
少していくが、マイクロ波乾燥中の耐火物重量Wを重量
検出器によって統括制御装置にて逐次測定・記憶してお
き、単位時間当たりの重量変化率ΔW、すなわち現時点
tにおける耐火物重量W(t)とし、現時点からある所
定時間Δt前における耐火物重量W(t−Δt)とする
と、ΔW=(W(t)−W(t−Δt))/Δtであ
り、これを算出してその値が0もしくは予め設定した重
量変化率設定値(例えば、30分間に重量変化率0.5
kg以下)に到達した時点を乾燥終了時期と判定できる。
これより、統括制御装置12にて乾燥終了を操作者にM
MI装置15を介して表示・通知したり、マイクロ波発
生装置1からの出力を自動停止させることができる。
【0013】上述のような形態によって、乾燥開始前に
昇温パターンを設定すればよく、乾燥開始後は操作量で
あるマイクロ波出力は自動制御で行うため、時間とコス
トがかかった出力パターンを見出す必要がなく、人手の
介入も不要となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1に、本発明の一実施例であるマイクロ波によ
る耐火物の乾燥方法を実現する装置構成図を示す。本実
施例では、不定形耐火物のマイクロ波乾燥を行った場合
の構成について説明する。図1において、従来のマイク
ロ波乾燥設備(マイクロ波発生装置1、熱風発生装置
2、導波管3、乾燥炉4から成る)の他、乾燥対象の耐
火物の温度を測定する温度検出器6(本実施例では熱電
対)、耐火物内部の水蒸気圧を測定する水蒸気圧検出器
7およびチューブ8、乾燥中の耐火物重量を測定する重
量検出器9(本実施例ではロードセル式秤量器)ならび
にマイクロ波発生装置1に対して、耐火物温度の目標値
と実測値の差分を吸収するように制御して、マイクロ波
発生装置1の出力の目標値Prefを出力する統括制御装
置12(信号変換器13、演算回路14、MMI装置1
5から成る)を備えている。
【0015】上記温度検出器6、水蒸気圧検出器7、重
量検出器9は、統括制御装置12内の信号変換器13に
それぞれ接続されており、検出された各値は信号変換器
13を介して統括制御装置12内の演算回路14に出力
する。また統括制御装置12は、上記各検出値に応じ
て、マイクロ波発生装置1に対し、マイクロ波出力の指
令値Prefを与える。
【0016】本実施例における統括制御装置12は、動
作判定機能および目標値出力機能で構成している。各機
能の概要について、図1および図2に基づいて、以下に
説明する。まず動作判定機能について説明する。乾燥開
始前に予め操作者がMMI装置15(本実施例ではタッ
チパネル)を介して、耐火物温度目標値Tref(乾燥経
過時間対耐火物温度)、水蒸気圧上限値pmax、重量変
化率Wdt(乾燥終了判定値)をそれぞれ設定し、演算回
路14へ入力する。また、装置運転中(乾燥中)、上記
各検出器値は、信号変換器13を介してそれぞれ制御周
期毎に演算回路14へ入力する。
【0017】乾燥開始時に操作者はMMI装置15を介
して統括制御装置12内の演算回路14に対し、マイク
ロ波乾燥設備の運転開始を指令するとともに、これによ
って統括制御装置12内の演算回路14は、上記各検出
値のデータを信号変換器13を介して入力開始する。演
算回路14は乾燥開始前に予め設定した耐火物温度目標
値Tref、水蒸気圧上限値pmax、重量変化率Wdtと、そ
れに対応する各検出値を制御周期毎にそれぞれ比較す
る。
【0018】乾燥開始以降通常時は、詳細を後述する目
標値出力機能に基づく耐火物温度制御(以下、耐火物温
度制御動作と称す)を行うが、一方、乾燥中の各検出値
が、乾燥開始前に予め設定した上記各設定値を水蒸気圧
については上回った場合、重量変化率については下回っ
た場合、それぞれ以下の動作を行う。
【0019】まず、水蒸気圧検出値pが水蒸気圧上限値
pmaxを上回った場合、前述の理由によって耐火物の爆
裂を防止するため、マイクロ波出力Pを0とする。これ
より、マイクロ波出力Pを0としたことで、耐火物の温
度上昇、すなわち水蒸気圧も低下し、水蒸気圧検出値p
が前記水蒸気圧上限値pmaxより下回るようになるが、
下回った時点で本動作(以下、水蒸気圧高検出時動作と
称す)から通常の耐火物温度制御動作に復帰する。
【0020】次の乾燥中の耐火物重量Wの減少割合が、
重量変化率設定値Wdtより下回った場合、前述のように
耐火物の乾燥が終了していることを示しているため、演
算回路14は乾燥終了と判定し、MMI装置15(本実
施例では、タッチパネル上)に乾燥終了を示す表示を出
力する(以下、本動作を乾燥終了判定動作と称す)。操
作者はこの表示が出力されたことを確認して運転を終了
すべく、MMI装置15を介して統括制御装置12の制
御動作およびマイクロ波発生装置1からのマイクロ波出
力を停止する。
【0021】なお、本実施例では、乾燥終了判定動作は
MMI装置15を介して乾燥終了を示す表示を出力する
のみで、運転停止操作は操作者が行うものとしたが、一
方、操作者の操作を介入させることなく、統括制御装置
12によって乾燥終了判定とともに自動的に運転停止さ
せるようにしてもよい。
【0022】以上、動作判定機能の主な内容について説
明したが、上記のように、すなわち動作判定機能は、耐
火物温度制御動作、水蒸気圧高検出時動作、乾燥終了判
定動作の内、乾燥中の耐火物の状態(耐火物温度T、水
蒸気圧pmax、耐火物重量Wの各検出値)を検出し、予
め設定した動作判定基準値(耐火物温度目標値Tref,
水蒸気圧上限値pmax、重量変化率Wdt)と逐次比較し
て、統括制御装置12がマイクロ波発生装置1に対して
行ういずれかの動作を判定し、処理するものである。
【0023】次に、目標値出力機能について説明する。
目標値出力機能では、上記判定結果に基づく耐火物温度
制御動作において、演算回路14にて前記手順によって
乾燥開始前に予め設定した耐火物温度目標値Trefと、
乾燥開始後の耐火物温度検出値Tとの差分ΔTを算出
し、この差分ΔTを吸収するように、マイクロ波発生装
置1に対して、マイクロ波出力の目標値Prefを算出す
る。そしてこの目標値Prefは、信号変換器13にて信
号値に変換し、マイクロ波発生装置1に対し出力する。
以上が目標値出力機能の主な内容である。
【0024】本発明における統括制御装置12の機能
(動作判定機能および目標値出力機能)の本質は、乾燥
中の耐火物の乾燥状態(耐火物温度、水蒸気圧および水
分減少量)を検出し、その状態に応じて、マイクロ波発
生装置1へのマイクロ波出力の指令の与え方、すなわち
統括制御装置12の動作を選択するとともに、マイクロ
波発生装置1に対して目標とする耐火物温度になるよ
う、マイクロ波発生装置1の出力目標値Prefを設定す
ることにあるので、本実施例に示した動作判定方法およ
び耐火物温度の目標値出力方法のみに限定するものでは
ない。
【0025】次に、上記方法を用いた具体的実施例につ
いて説明する。乾燥対象の不定形耐火物は、総重量20
tonを乾燥炉4内に用意した。重量検出器9を炉内に設
置し、2.25tonの不定形耐火物1個を代表に選んで
重量検出器9に載せた。また、重量検出器9上に配置し
た耐火物とは別の耐火物1個については、乾燥前の成型
時に予め温度検出器6(熱電対)と内径2mmのチューブ
8の各1本を不定形耐火物の表面から約100mm内部に
挿入し、耐火物内部の温度および水蒸気圧が測定できる
ようにセットしておいた。温度検出器6とチューブ8
は、乾燥炉壁に設けた貫通穴を通して、炉外へ取り出し
ており、貫通穴部の開口部分は炉内のマイクロ波が炉外
へ漏洩しないよう、アルミテープで塞いだ。チューブ8
は炉外に設けた水蒸気圧検出器7に接続している。各検
出器は、統括制御装置12の信号変換器13に配線接続
しており、各検出値は信号変換器13を介して演算回路
14に出力される。
【0026】マイクロ波発生装置1は、周波数2450
MHz、最大出力120kWであり、外部からの信号(本実
施例ではDC4〜20mAを統括制御装置12より与え
る)に応じて、マイクロ波の出力P(本実施例では0〜
120kW)を可変できる機能を有している。マイクロ波
発生装置1から乾燥炉4へのマイクロ波の伝播は、導波
管3で接続しており、マイクロ波発生装置1からは1本
の導波管を接続し、乾燥炉上で導波管を4つに分岐させ
た後に乾燥炉内に挿入してマイクロ波を照射させる構造
としている。
【0027】また、炉内で4つに分岐した導波管の各先
端部に、放出されるマイクロ波を拡散するためのスター
ラー11(炉上に設置したモーターにより、炉を貫通し
ている駆動軸を回転させることで炉内のファンを回転さ
せる)を取り付けている。
【0028】乾燥炉4は、幅11.9m×奥行6.3m
×高さ4.0mであり、前面1面に昇降式扉を設け、耐
火物の搬入出時に開閉する構造としている。
【0029】熱風発生装置2(LPGバーナー、燃焼空
気ブロア、熱風ブロアで構成している)は、乾燥炉4と
ダクト10で接続して乾燥炉内に熱風を送り込み、耐火
物表面に結露するのを防ぐために炉内の雰囲気温度が耐
火物温度より高くなるようにしている。乾燥炉内へ送り
込む熱風量は毎分90m3一定であり、乾燥炉内の雰囲
気温度は、熱風発生装置のLPGバーナーの燃焼量調節
によって、耐火物温度目標値よりも常に20℃高くなる
ように調整している。また、炉内に送り込まれた熱風
は、耐火物の加熱によって蒸発した水蒸気を含んで、送
り込みの圧力によりダクト10を通じて炉外へ自然排出
するようにしている。
【0030】耐火物の昇温パターン、すなわち耐火物目
標温度Trefと乾燥経過時間の関係を図3に示す。本実
施例では、図3に示すように耐火物温度を常温から60
時間で300℃まで上昇し、乾燥させることとし、乾燥
開始前に統括制御装置12のMMI装置15より、耐火
物目標温度Trefを設定した。また、乾燥開始前に統括
制御装置12のMMI装置15より、水蒸気圧上限設定
値pmaxを1MPa、重量変化率Wdtを30分間に変化量
0.5kg以下にそれぞれ設定した。
【0031】各設定値を設定した後、乾燥開始し、マイ
クロ波を炉内に照射しながら、スターラー11を回転さ
せて放出されるマイクロ波の攪拌を行い、炉内の耐火物
に均一にマイクロ波を当てるようにした。マイクロ波の
照射を開始すると同時に熱風発生装置2を作動し、ダク
トを介して炉内に熱風を送り込んで、炉内の雰囲気温度
が耐火物温度目標値Trefよりも常に20℃高くなるよ
うに調整した。
【0032】統括制御装置12は、不定形耐火物温度の
検出値Tをフィードバックし、目標値Trefとの差分Δ
Tに応じて耐火物温度検出値Tが目標値通りとなるよ
う、1秒制御周期毎にマイクロ波発生装置1の出力Pを
調整した。乾燥開始後約59時間経過時に、耐火物重量
Wの変化量が予め設定して重量変化率Wdt以下になり、
MMI装置15に乾燥終了を示す表示が出たため、操作
者はこれを確認して乾燥停止の操作を行い乾燥を終了し
た。
【0033】図3に本実施例に基づく、耐火物温度制御
結果を示す。図3より明らかなように、本発明を適用す
ることによって、耐火物温度検出値Tはあらゆる乾燥経
過時間においても、目標温度Trefに対して±5%以下
の制度で温度制御できた。また、本実施例で設定した昇
温パターンに基づく乾燥では、水蒸気圧の検出値pの最
大は0.3MPaであり、水蒸気圧上限設定値pmaxに設定
した1.0MPaに到達することはなく、マイクロ波出力
Pを0に低減させる運転動作を行うことはなかった。以
上のような結果、爆裂の発生も皆無でかつ所望の品質・
乾燥時間での耐火物乾燥を実施でき、乾燥開始時および
終了時以外の乾燥中は、作業者の操作介入を全く必要と
せずに無人での自動運転が可能であった。
【0034】なお本発明の本質は、乾燥中の耐火物の温
度、水蒸気圧、重量をそれぞれ実測し、これに基づいて
マイクロ波発生装置の出力(照射量)を調整することで
あり、測定方法および手段は限定されない。また、本実
施例では示していないが、不定形耐火物の他にトピード
カーや溶鋼鍋の内張耐火物を対象とした場合についても
本発明は同様に適用できる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、従来のマイクロ波によ
る耐火物の乾燥方法に比べ、次のような効果がある。
乾燥中の過度なマイクロ波照射(急激な加熱温度上昇)
等による爆裂を確実に防 止でき、かつ目標温度に精度
良く温度調節しながら乾燥できることで、耐火物材 料
の高緻密化・品質安定化および乾燥時間短縮化(効率
化)が図れる。本方法による乾燥では、マイクロ波出
力の変更操作は自動で行うため、運転開始 後は無人自
動運転が可能となり、装置運転者の作業負荷軽減が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様(実施例)を示すシステム構成
図である。
【図2】本発明の統括制御装置の構成を示すブロック図
である。
【図3】本発明の実施例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 マイクロ波発生装置 2 熱風発生装置 3 導波管 4 乾燥炉 5 耐火物 6 温度検出器 7 水蒸気圧検出器 8 チューブ 9 重量検出器 10 ダクト 11 スターラー 12 統括制御装
置 13 信号変換器 14 演算回路 15 MMI装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 昇 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 3L113 AA03 AC12 BA01 CA03 CA08 CA10 CB07 CB38 DA10 DA21 4K051 AA06 BB03 FA02 LG03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波を用いて湿潤耐火物を乾燥さ
    せる耐火物の乾燥方法において、対象とする湿潤耐火物
    に耐火物の温度を測定するための温度検出器と水蒸気圧
    を測定するためのチューブを埋め込み、さらに耐火物の
    重量を検出できるようにしておき、前記対象とする湿潤
    耐火物の温度の目標値と検出値との差分に応じてマイク
    ロ波発生装置の出力を調整して耐火物の温度を目標値に
    一致するように制御するとともに、乾燥中の耐火物の水
    蒸気圧と重量を連続的に監視することを特徴とするマイ
    クロ波による耐火物の乾燥方法。
  2. 【請求項2】 耐火物の水蒸気圧が予め設定した水蒸気
    圧上限値以上となった場合に、マイクロ波出力を予め設
    定した出力値まで下げることを特徴とする請求項1に記
    載のマイクロ波による耐火物の乾燥方法。
  3. 【請求項3】 耐火物重量検出値に基づき耐火物乾燥に
    伴う重量変化率を算出し、その重量変化率が予め設定し
    た重量変化率設定値以下となった場合に、乾燥終了と判
    定し、乾燥終了表示および/またはマイクロ波出力自動
    停止することを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載のマイクロ波による耐火物の乾燥方法。
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