JP3564656B2 - 窯業成形物の乾燥方法およびその装置 - Google Patents

窯業成形物の乾燥方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、瓦、タイル、煉瓦などの窯業成形物の乾燥方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に瓦、タイル、煉瓦などの窯業製品は水分を含んだ粘土を主体とする原料から製造されるが、成形された直後の窯業成形物の水分率は約20%であるから、窯業成形物を乾燥させる必要のあることは知られるとおりである。
窯業成形物の乾燥の際、乾燥に伴う収縮が窯業成形物に発生することは避けられない。
【0003】
とくに、当業界で広く採用されている熱風を利用したいわゆる強制乾燥の場合では、この乾燥に伴う収縮の差が著しく生じるおそれがあり、乾燥に伴う著しい収縮の差が窯業成形物の変形や亀裂の原因となっていた。
したがって、窯業成形物に変形や亀裂を生じさせないようにするためには、窯業成形物の乾燥を適切に制御することが重要であり、そのための乾燥方法やその装置の選択や工夫は適切な乾燥を実現する大きな要素であった。
【0004】
窯業成形物の乾燥は、予熱期間、恒率乾燥期間、減率乾燥期間の3つの期間に区分することができる。
【0005】
予熱期間は、窯業成形物の温度が上昇し、一定の温度に保たれるまでの期間をいう。
予熱期間は、乾燥炉内に供給される熱風により窯業成形物の温度が上昇する期間であり、熱風の熱のほとんどは窯業成形物の温度上昇に費やされ、窯業成形物の乾燥には費やされない。
【0006】
ただし、窯業成形物の内部の温度が上昇する前に、窯業成形物の表面から乾燥が行われると、窯業成形物の内部の水分は十分に移動できないから、乾燥に伴う著しい収縮の差を生じ、この著しい収縮の差により窯業成形物に変形や亀裂を生じる。
【0007】
そこで、窯業成形物の表面からの乾燥を抑制する一方、乾燥時間を短縮するために窯業成形物の温度をできるだけ上昇させることが求められる。
【0008】
恒率乾燥期間は、窯業成形物の温度がほぼ一定に保たれた状態から窯業成形物の水分率が限界水分率に達するまでの期間をいう。
恒率乾燥期間では、窯業成形物の温度がほぼ一定の温度を保つが、窯業成形物の表面から水分が蒸発し、表面からの水分の蒸発に追従するように窯業成形物の内部の水分は表面に向けて移動する状態にある。
したがって、恒率乾燥期間では窯業成形物の水分率が限界水分率に達するまでほぼ一定の乾燥速度で窯業成形物が乾燥される。
【0009】
一般的に、窯業成形物の温度が高いほど窯業成形物の内部から表面へ移動する水分が多くなる。
しかし、単に乾燥炉内の温度を上昇させ、窯業成形物の温度を高めると、その表面から蒸発する水分が増加する一方、内部から表面に向けて移動する水分が表面から蒸発する水分に対応して追従することができなくなる。
【0010】
したがって、窯業成形物の表面と内部において乾燥状態に差が生じる。
その結果、窯業成形物に乾燥に伴う著しい収縮の差が生じ、窯業成形物に変形や亀裂が発生する。
そこで、恒率乾燥期間では窯業成形物に対して乾燥に伴う収縮の差を極力生じさせないようにすることが重要となる。
【0011】
減率乾燥期間は、窯業成形物の水分率が限界水分率から平衡水分率に達するまでの乾燥期間をいう。
減率乾燥期間では、窯業成形物の表面から蒸発する水分が内部から表面に移動する水分よりも多くなり、窯業成形物に残存する水分の低下に伴って乾燥速度は低下する。
減率乾燥期間では窯業成形物の温度は上昇し、窯業成形物の水分率が平衡水分率に達すると窯業成形物の乾燥が終了する。
減率乾燥期間では、窯業成形物に対する乾燥の収縮がほとんど発生しないので、乾燥による変形や亀裂などの窯業成形物への影響は小さいものである。
【0012】
次に、従来のこの種の乾燥装置を乾燥方法と併せて説明する。
図6に示された乾燥装置は、湿式成形された窯業成形物を収容する乾燥炉100にバ−ナ−116を介設した熱風供給路が接続され、乾燥炉100に設けられた炉内温度センサ122により炉内温度の検出値と炉内温度の設定値に基づいてバ−ナ−116の燃焼量を制御して乾燥炉内の温度調整を行うようにしたものである。
【0013】
そして、熱風供給路に介設されて熱風中に蒸気を混入する加湿器120と、供給される熱風の相対湿度を検出する熱風湿度センサ128と、供給される熱風の温度を検出する熱風温度センサ126と、炉内相対湿度の設定値と、前記炉内温度センサ122による炉内温度の検出値または炉内温度の設定値とから絶対湿度を演算し、さらに、その絶対湿度に対する前記熱風温度センサ126で得られた熱風の温度における相対湿度を演算し、その演算値を相対湿度の補正値として出力する演算部132とを備えたものである。
【0014】
さらに、前記熱風湿度センサ128の検出値と前記演算手段で得られた前記補正設定値の差に基づいて、前記加湿器120の蒸気混入量を制御する制御部130を備えている。
【0015】
この装置によれば、乾燥炉100の相対湿度を制御するに際して、演算部132により予め設定された炉内相対温度の設定値と、炉内温度センサ122による炉内温度の検出値または予め定められた炉内温度の設定値とから絶対湿度が演算され、さらにその絶対湿度に対する熱風温度センサ126で得られた熱風の温度における相対湿度が演算され、その演算値が相対湿度の補正値として出力される。
【0016】
つづいて、制御部130において、熱風湿度センサ128で得られた熱風の相対湿度の検出値が、上記の演算部132から出力された補正設定値と比較されて、その差に基づいて加湿器120から熱風中に混入される蒸気量が制御され、熱風の相対湿度が補正設定値に制御される。
【0017】
この場合、炉内温度が変化し、炉内相対湿度が変化するのを見越してそれを補完するように熱風へ混入する蒸気量が制御され、炉内温度が変化するにもかかわらず炉内相対湿度が設定値に正確に調整される。
【0018】
したがって、炉内相対湿度の制御がより正確で繊細に行われるので、複雑な形状の窯業成形物でも切れや変形を防止して乾燥歩留まりの向上を図ることができ、また、乾燥時間のより短縮化を図ることなどの利点を有するとされている。
【0019】
しかし、前記した従来例の技術では、乾燥炉内の温度を測定し、測定された炉内温度と炉内温度の設定値の差に基づいて乾燥炉内の温度を制御する一方、設定された乾燥炉内の相対湿度を維持するために、熱風の相対湿度を加湿器を用いて制御するというものである。
つまり、乾燥炉内の温度制御は熱風の加熱制御により行い、乾燥炉内の相対湿度の制御を熱風の蒸気混入量の制御により行うものである。
【0020】
ところが、乾燥炉内の温度制御のために熱風の温度を制御すると熱風の相対湿度が追従して変化し、乾燥炉内の相対湿度が変化する。
そこで、相対湿度の変化に対応させて蒸気を混入し、設定された相対湿度に維持させるが、適切な蒸気量の制御のために以下の手順が必要となる。
▲1▼炉内の相対湿度の設定値と炉内温度の測定値により絶対湿度を求める。
▲2▼熱風の温度を測定し、熱風の温度の測定値と算出された炉内の絶対湿度とにより補正設定値としての相対湿度を求める。
▲3▼熱風湿度センサにより測定された熱風の湿度の測定値と、補正設定値を比較する。
▲4▼比較結果により混入する蒸気量を制御する。
【0021】
このように、熱風の温度を制御することによる乾燥炉内の温度の制御は、温度と相対湿度と密接かつ複雑な関係にあることから、温度の変化に対応するように相対湿度の変化を考慮しなければならず、乾燥炉内の相対湿度の制御を複雑化する結果となるほか、窯業成形物の最適な乾燥を実現するための条件を見いだすことが極めて困難であった。
【0022】
したがって、最適な乾燥を実現するための乾燥の制御は、乾燥装置の設計者など乾燥技術に精通した者に限られ、窯業成形物の製造に従事するオペレ−タが、窯業成形物の変更などに応じてこれらの制御を自由に変更することは不可能であった。
【0023】
また、湿式成形された窯業成形物から窯業製品を製造する場合、乾燥工程と焼成工程を必要とすることは知られているが、焼成工程において発生する廃熱を乾燥のために有効利用して熱効率を高めることが不充分であった。
すなわち、従来の乾燥装置では、乾燥炉の供給する熱風を発生させるための主たる手段として、熱風発生源を備えることが必須であった。
そして、乾燥炉に熱風発生源が備えられることが前提の上で、焼成炉の廃熱を補助的に利用するのみにとどまっていた。
そのため、焼成炉の熱源とは別に、乾燥炉に独立した熱源が必要となり、多量の燃料を消費して無駄な熱を大気中に放出するなど設備費やランニングコストの増大を招くほか、熱効率が悪いという問題があった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、従来の乾燥技術が熱風の温度を制御して乾燥炉内の温度を制御する一方、熱風に蒸気を混入して乾燥炉内の相対湿度を制御するため、乾燥炉内の相対湿度の制御を複雑化する点や温度と相対湿度との密接かつ複雑な関係により、温度の変化に対応するように相対湿度の変化を考慮しなければならず、温度と相対湿度の制御を個別にすることができない点にあるほか、窯業成形物の最適な乾燥を実現するための条件を見いだすことが困難である点であり、乾燥炉内の相対湿度や温度の制御は乾燥の専門的な知識を有する者に限られる点である。
また、焼成炉の熱源とは別に、乾燥炉に独立した熱源として熱風発生源を設けることが避けられず、焼成炉の廃熱が有効活用されず、設備費やランニングコストの増大を招くほか、熱効率が悪い点である。
【0025】
この発明の目的は、窯業成形物の最適な乾燥を実現することのほか、熱風の温度の制御と供給量の制御を個別に行い、窯業成形物の最適な乾燥の制御をより容易なものとし、乾燥の制御に特別な知識や経験のない乾燥炉のオペレ−タなどが手軽に乾燥条件の制御を行うことができる窯業成形物の乾燥方法とその装置を提供することにある。
併せて、窯業成形物の乾燥のための熱風を発生させる主たる手段として、外気と焼成炉の廃熱のみとし、基本的に乾燥炉に独立した熱風発生源を設けることなく、焼成炉の廃熱を有効活用することができ、熱効率を向上させて設備費やランニングコストを抑制することができる窯業成形物の乾燥方法とその装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段および作用効果】
上記の目的を達成するため、請求項1記載の窯業成形物の乾燥方法は、
湿式成形された窯業成形物を乾燥炉に収容し、窯業成形物の焼成炉の廃熱を利用した熱風を乾燥炉内へ供給し、供給された熱風により窯業成形物を乾燥させる窯業成形物の乾燥方法において、乾燥炉内の設定湿球温度と炉内設定温度を予め設定し、外気の温度と相対湿度を測定して外気温度と外気相対湿度を求め、乾燥炉内の設定湿球温度、外気温度および外気相対湿度に基づいて乾燥炉内に供給する熱風の目標温度を求め、焼成炉から外気と同一の絶対湿度を持つ加熱空気を導入するとともに、求められた熱風の目標温度となるように、外気と焼成炉から導入した前記加熱空気を混合し、外気と焼成炉からの前記加熱空気を混合して得られた目標温度の熱風を乾燥炉へ供給し、他方、乾燥炉内の温度を測定して炉内温度を求め、炉内設定温度と測定された炉内温度の差に基づいて乾燥炉内へ供給する熱風の供給量を制御することを特徴とするものである。
【0027】
したがって、請求項1記載の窯業成形物の乾燥方法は、乾燥炉内の設定湿球温度、外気温度および外気相対湿度に基づいて乾燥炉内に供給する熱風の目標温度が求められる。
そして、焼成炉から外気と同一の絶対湿度を持つ加熱空気を導入するとともに、求められた熱風の目標温度となるように、外気と焼成炉から導入した前記加熱空気が混合され、外気と焼成炉からの前記加熱空気を混合して得られた目標温度の熱風が乾燥炉へ供給される。
【0028】
そして、乾燥炉内へ供給された熱風により窯業成形物の乾燥が行われるが、乾燥炉内に供給された熱風の湿球温度は乾燥炉内の設定湿球温度と同じである。
また、乾燥により熱風が断熱冷却されると熱風の相対湿度は上昇するが、熱風の湿球温度は変化しない。
【0029】
したがって、窯業成形物の温度と乾燥炉内の湿球温度に差が生じないので、乾燥が安定して進行し、乾燥に伴う著しい収縮の差による変形や亀裂の発生を抑制して窯業成形物の乾燥が行われる。
【0030】
他方、乾燥炉内に供給される熱風は乾燥炉内の設定湿球温度、外気温度および外気相対湿度に基づく目標温度が設定されているため、熱風の温度を乾燥炉内の温度変化に追従させることができない。
【0031】
そこで、乾燥炉内の温度を測定して炉内温度を求め、炉内温度と炉内設定温度との差を求め、この差に基づいて熱風の供給量を制御することにより、乾燥炉内の温度は炉内設定温度に保たれる。
なお、炉内設定温度を経時的に上昇させるように設定すれば乾燥時間を短縮化することが可能となる。
【0032】
請求項1記載の窯業成形物の乾燥方法は、上記のように構成されているので以下の利点を有する。
外気と焼成炉から導入した外気と同一の絶対湿度を持つ加熱空気との混合により得られた熱風は、乾燥炉内の設定湿球温度に対応する目標温度にあるので、熱風の湿球温度と窯業成形物の温度が一致し、熱風の湿球温度と窯業成形物の温度との差により生じがちな著しい収縮を抑制することができ、変形や亀裂を抑制して窯業成形物を乾燥することができる。
【0033】
また、乾燥炉内の温度制御は熱風の温度を変化させることなく、熱風の供給量の制御により行うので、熱風の温度制御により乾燥炉内の温度制御を図る場合と比較して、熱風の温度の変化に追従して熱風の相対湿度が変化するという複雑な関係を考慮する必要がない。
【0034】
このように、目標温度の熱風による乾燥炉内の湿球温度の制御と、熱風の供給量の制御による乾燥炉内の温度制御により、窯業成形物の理想的な乾燥を実現し、窯業成形物の乾燥歩留まりを向上させることができる。
【0035】
また、熱風の温度制御が乾燥炉内の湿球温度の制御を目的としており、温度変化に伴う相対湿度の変化を考慮する必要がなく、熱風の供給量の制御が乾燥炉内の温度制御を目的としているので、熱風の温度と供給量を個別に制御することが可能であり、乾燥条件の変動が発生しても乾燥炉のオペレ−タなどが手軽に制御の変更を行うことができる。
【0036】
併せて、窯業成形物の乾燥のための熱風を発生させる主たる手段は、外気と焼成炉から導入される外気と同一の絶対湿度を持つ加熱空気のみとなるので、熱風を発生させるための熱風発生源などの熱源を乾燥炉に設ける必要がなく、焼成炉の廃熱を有効活用することができるほか、窯業成形物の乾燥の熱効率を向上させることができ、設備費やランニングコストを抑制することができる。
【0037】
請求項2記載の窯業成形物の乾燥方法は、
湿式成形された窯業成形物を乾燥炉に収容し、窯業成形物の焼成炉の廃熱を利用した熱風を乾燥炉内へ供給し、供給された熱風により窯業成形物を乾燥させる窯業成形物の乾燥方法において、乾燥炉内の設定湿球温度と炉内設定温度を予め設定し、乾燥炉へ供給される熱風の温度と相対湿度を測定して熱風温度と熱風相対湿度を求め、乾燥炉内の設定湿球温度、熱風温度および熱風相対湿度に基づいて乾燥炉内に供給する熱風の目標温度を求め、焼成炉から加熱空気を導入するとともに、求められた熱風の目標温度となるように、外気と焼成炉から導入した加熱空気を混合し、外気と焼成炉からの加熱空気を混合して得られた目標温度の熱風を乾燥炉へ供給し、他方、乾燥炉内の温度を測定して炉内温度を求め、炉内設定温度と測定された炉内温度の差に基づいて乾燥炉内へ供給する熱風の供給量を制御することを特徴とするものである。
【0038】
したがって、請求項2記載の窯業成形物の乾燥方法は、請求項1記載の窯業成形物の乾燥方法の場合と同様な作用を奏するが、外気と焼成炉からの加熱空気を混合して得られた目標温度は乾燥炉内の設定湿球温度、熱風温度および熱風相対湿度に基づいているため、外気と焼成炉からの加熱空気を混合して得られる熱風の目標温度がより正確に維持される。
【0039】
したがって、請求項2記載の窯業成形物の乾燥方法は、請求項1記載の窯業成形物の乾燥方法が奏する効果のほか、外気と焼成炉からの加熱空気を混合して得られる熱風の目標温度をより正確に維持することができるので、乾燥炉内の設定湿球温度に対する熱風の湿球温度をより安定して保つことができ、より正確な乾燥の制御を行うことができる。
【0040】
請求項3記載の窯業成形物の乾燥装置は、
湿式成形された窯業成形物を収容する乾燥炉が備えられ、乾燥炉へ熱風を供給する熱風供給ダクトが乾燥炉に接続されるとともに、乾燥炉内の空気を排出する排気ダクトが乾燥炉に接続された窯業成形物の乾燥装置において、外気を吸引する外気吸引ダクトが熱風供給ダクトに接続されるとともに、外気吸引ダクトに外気を吸引する外気吸引手段が設けられ、外気吸引ダクトと熱風供給ダクトの接続部に、外気と同一の絶対湿度を持つ加熱空気を焼成炉から供給する廃熱供給ダクトが接続され、外気の温度を測定する外気温度センサと外気の相対湿度を測定する外気湿度センサが外気吸引ダクトに設けられ、外気温度センサにより測定された外気温度と外気湿度センサにより測定された外気相対湿度により、予め設定された乾燥炉内の設定湿球温度に対応する熱風の目標温度を求める演算手段が設けられ、外気と焼成炉からの前記加熱空気を混合して得られる熱風の温度が目標温度となるように、外気吸引手段を制御する吸引制御手段が設けられ、他方、乾燥炉に該乾燥炉内の温度を測定する炉内温度センサが設けられ、炉内温度センサにより測定された炉内温度と予め設定された炉内設定温度の差に基づいて乾燥炉内へ供給する熱風の供給量を制御する風量制御手段が設けられたことを特徴とするものである。
【0041】
したがって、請求項3記載の窯業成形物の乾燥装置によれば、
外気温度センサにより外気温度が測定され、外気湿度センサにより外気相対湿度が測定される。
予め設定された乾燥炉内の設定湿球温度、測定された外気温度および外気相対湿度に基づいて乾燥炉内へ供給する熱風の目標温度が演算手段により求められる。
【0042】
求められた熱風の温度が目標温度となるように、吸引制御手段が吸引手段を制御し、吸引ダクトを通じて吸引された外気と焼成炉から導入された外気と同一の絶対湿度を持つ加熱空気が混合され、外気と焼成炉から導入された前記加熱空気の混合により得られた目標温度の熱風は熱風供給ダクトを通じて乾燥炉内へ供給される。
【0043】
そして、乾燥炉内に供給された熱風により窯業成形物の乾燥が行われるが、乾燥炉内に供給された熱風の湿球温度は乾燥炉内の設定湿球温度と同じである。
また、乾燥により熱風が断熱冷却されると熱風の相対湿度は上昇するが、熱風の湿球温度は変化しない。
したがって、窯業成形物の温度と乾燥炉内の湿球温度に差が生じないので、乾燥が安定して進行し、乾燥に伴う著しい収縮の差による窯業成形物の変形や亀裂の発生を抑制される。
【0044】
他方、乾燥炉内に供給される熱風は乾燥炉内の設定湿球温度、外気温度および外気相対湿度に基づく目標温度が設定されているため、熱風の温度を乾燥炉内の温度変化に追従させることができない。
そこで、乾燥炉内の温度を炉内温度センサにより測定して炉内温度を求め、炉内温度と炉内設定温度との差を求め、この差に基づいて風量制御手段を制御して熱風の供給量を制御することにより、乾燥炉内の温度は炉内設定温度に保たれる。
【0045】
請求項3記載の窯業成形物の乾燥装置は、上記のように構成されているので、以下の利点を有する。
乾燥炉内の設定湿球温度に対応する目標温度の熱風を供給することができ、熱風の湿球温度と窯業成形物の温度が一致した状態で窯業成形物を乾燥することができるので、熱風の湿球温度と窯業成形物の温度の差により生じがちな乾燥に伴う著しい収縮の差による窯業成形物の変形や亀裂が抑制され、理想的な窯業成形物の乾燥を行うことができる。
【0046】
熱風の温度制御による乾燥炉内の湿球温度の制御と、熱風の供給量の制御による乾燥炉内の温度制御により、窯業成形物の理想的な乾燥を実現し、窯業成形物の乾燥歩留まりを向上させることができる。
【0047】
また、熱風の温度制御は乾燥炉内の湿球温度の制御を目的とし、熱風の供給量の制御は乾燥炉内の温度制御を目的としているので、従来のような温度と相対湿度を制御するために熱風の温度と蒸気混入量を制御する場合と比較して、熱風の温度と供給量を独立させて制御することが可能であり、乾燥炉内の雰囲気を最適な状態にすることが極めて容易となり、乾燥に対する特別な知識を持たない乾燥炉のオペレ−タなどが手軽に乾燥の制御を変更することができる。
【0048】
併せて、窯業成形物の乾燥のための熱風を発生させる主たる手段は、外気と焼成炉から導入される外気と同一の絶対湿度を持つ加熱空気のみとなるので、熱風を発生させるための熱風発生源などの熱源を乾燥炉に設ける必要がなく、焼成炉の廃熱を有効活用することができるほか、窯業成形物の乾燥の熱効率を向上させることができ、設備費やランニングコストを抑制することができる。
【0049】
請求項4記載の窯業成形物の乾燥装置は、
湿式成形された窯業成形物を収容する乾燥炉が備えられ、乾燥炉へ熱風を供給する熱風供給ダクトが乾燥炉に接続されるとともに、乾燥炉内の空気を排出する排気ダクトが接続された窯業成形物の乾燥装置において、外気を吸引する外気吸引ダクトが熱風供給ダクトに接続されるとともに、外気吸引ダクトに外気を吸引する外気吸引手段が設けられ、外気吸引ダクトと熱風供給ダクトの接続部に、焼成炉からの加熱空気を供給する廃熱供給ダクトが接続され、熱風の温度を測定する熱風温度センサと熱風の相対湿度を測定する熱風湿度センサが熱風供給ダクトに設けられ、熱風温度センサにより測定された熱風温度と熱風湿度センサにより測定された熱風相対湿度とにより、予め設定された乾燥炉内の設定湿球温度に対応する熱風の目標温度を求める演算手段と、乾燥炉内へ供給される熱風の温度が目標温度となるように、焼成炉から導入された加熱空気に対して混合させる外気の吸引量を制御する吸引制御手段が設けられ、他方、乾燥炉に該乾燥炉内の温度を測定する炉内温度センサが設けられ、炉内温度センサにより測定された炉内温度と予め設定された炉内設定温度の差に基づいて熱風の供給量を制御する風量制御手段が設けられたことを特徴とするものである。
【0050】
請求項4記載の窯業成形物の乾燥装置によれば、
外気吸引ダクトを通じて外気が吸引される一方、焼成炉からの加熱空気が廃熱供給ダクトを通じて供給され、外気吸引ダクトと廃熱供給ダクトが接続された熱風供給ダクトの接続部において、外気と焼成炉の加熱空気が混合され、乾燥炉へ供給する熱風が得られる。
このとき、熱風温度センサにより熱風温度が測定されるとともに熱風湿度センサにより熱風相対湿度が測定される。
【0051】
予め設定された炉内の設定湿球温度、測定された熱風温度および熱風相対湿度に基づいて乾燥炉内に供給する熱風の目標温度が演算手段により求められる。
求められた熱風の温度が目標温度となるように、吸引制御手段が吸引手段を制御し、吸引ダクトを通じて吸引された外気と焼成炉から導入された加熱空気が混合され、外気と焼成炉から導入された加熱空気の混合により得られた目標温度の熱風は熱風供給ダクトを通じて乾燥炉内へ供給される。
【0052】
そして、供給された熱風により窯業成形物の乾燥が行われるが、乾燥炉内に供給された熱風の湿球温度は乾燥炉内の設定湿球温度と同じである。
また、乾燥により熱風が断熱冷却されると熱風の相対湿度は上昇するが熱風の湿球温度は変化しない。
したがって、窯業成形物の温度と乾燥炉内の湿球温度に差が生じないので、乾燥が安定して進行し、乾燥に伴う著しい収縮の差による窯業成形物の変形や亀裂の発生が抑制される。
【0053】
他方、乾燥炉内に供給される熱風は乾燥炉内の設定湿球温度、熱風温度および熱風相対湿度に基づく目標温度が設定されているため、熱風の温度を乾燥炉内の温度変化に追従させることができない。
そこで、乾燥炉内の温度を炉内温度センサにより測定して炉内温度を求め、炉内温度と炉内設定温度との差を求め、この差に基づいて風量制御手段を制御して熱風の供給量を制御することにより、乾燥炉内の温度が炉内設定温度に保たれる。
【0054】
請求項4記載の窯業成形物の乾燥装置は、上記のように構成されているので、請求項3記載の窯業成形物の乾燥装置の効果を奏するほか以下の利点を有する。
熱風温度センサと熱風湿度センサが熱風供給ダクトに設けられているので、乾燥炉内へ供給される熱風の目標温度をより安定して維持できる。
なお、これらのセンサを熱風供給ダクトの乾燥炉寄りに設ければ、熱風の目標温度の正確性を一層図ることができる。
【0055】
請求項5記載の窯業成形物の乾燥装置は、請求項3または4記載の窯業成形物の乾燥装置において、風量制御手段が、熱風供給ダクトに設けられた送風ファンと、炉内温度センサにより測定される炉内温度と炉内設定温度との差に基づいて送風ファンを制御する送風用制御器とからなることを特徴とするものである。
【0056】
請求項5記載の窯業成形物の乾燥装置によれば、炉内温度センサにより測定された炉内温度と炉内設定温度との差に基づいて送風用制御器が送風ファンを制御するので、乾燥炉の設定温度に対応する熱風の供給量が正確に制御される。
【0057】
また、請求項5記載の窯業成形物の乾燥装置は、上記の構成であるから、請求項3または4記載の窯業成形物の乾燥装置が奏する効果のほか、送風ファンにより外気および焼成炉からの加熱空気を吸引し、外気および焼成炉からの加熱空気の混合により得られた熱風を乾燥炉内に供給するので、熱風供給ダクトにダンパを設ける必要がなく、装置の構造が簡単になるほか、風量制御手段が送風ファンと送風用制御器からなることから、送風用制御器により送風ファンは制御されるので、炉内設定温度に対応する熱風を正確に供給することができ、乾燥炉の温度制御を容易にかつ正確に行うことができる。
【0058】
請求項6記載の窯業成形物の乾燥装置は、請求項3または4記載の窯業成形物の乾燥装置において、外気吸引ダクトに送風ファンが設けられ、風量制御手段が、熱風供給ダクトに設けられた熱風用ダンパと、炉内温度センサにより測定される炉内温度と炉内設定温度との差に基づいて熱風用ダンパを開閉する開閉用制御器とからなり、熱風用ダンパにより分岐された熱風の一部を吸引する分岐ダクトが設けられるとともに熱風供給ダクトに送風ファンが設けられたことを特徴とするものである。
【0059】
請求項6記載の窯業成形物の乾燥装置によれば、送風ファンにより外気および焼成炉からの加熱空気を吸引し、外気と焼成炉からの加熱空気の混合により得られた熱風を乾燥炉内へ供給する。
熱風が供給される熱風供給ダクトに熱風用ダンパが設けられており、炉内温度センサにより測定された炉内温度と炉内設定温度との差に基づいて開閉用制御器が熱風用ダンパの開閉による送風を制御するので、乾燥炉の設定温度に対応する熱風の供給量が正確に制御される。
また、熱風用ダンパにより分岐された熱風の一部は分岐ダクトに吸引される。
【0060】
請求項6記載の窯業成形物の乾燥装置は、上記の構成であるから、請求項3または4記載の窯業成形物の乾燥装置の効果のほか、外気および焼成炉からの加熱空気を吸引し、外気と焼成炉からの加熱空気の混合により得られた熱風を乾燥炉内へ供給する送風ファンが設けられているものの、熱風用ダンパの開閉により、乾燥炉内への熱風の供給量を制御するとともに、熱風用ダンパにより分岐された熱風の一部は、分岐ダクトに吸引されるので、送風ファンを所定の回転数で運転することができ、送風ファンによる熱風供給ダクトに対する負荷は一定となり、熱風供給ダクトの耐久性を向上させることができる。
【0061】
また、風量制御手段が熱風用ダンパと開閉用制御器とからなることから、開閉用制御器により熱風用ダンパの開閉は制御されるので、炉内設定温度に対応する熱風を正確に供給することができ、乾燥炉内の温度制御を容易にかつ正確に行うことができる。
【0062】
請求項7記載の窯業成形物の乾燥装置は、請求項3、4、5または6記載の窯業成形物の乾燥装置において、乾燥炉に供給される熱風を補助的に加熱する補助熱風発生器が熱風供給ダクトに設けられたことを特徴とするものである。
【0063】
請求項7記載の窯業成形物の乾燥装置によれば、
外気吸引ダクトを通じて外気が吸引される一方、焼成炉からの加熱空気が廃熱供給ダクトを通じて供給され、外気吸引ダクトと廃熱供給ダクトが接続された熱風供給ダクトの接続部において、外気と焼成炉の加熱空気が混合され、乾燥炉へ供給する熱風が得られる。
このとき、焼成炉の運転開始時であって、焼成炉から導入される加熱空気の温度が熱風の目標温度より低いという理由により、外気と焼成炉からの加熱空気の混合によって得られた熱風の温度が目標温度に達していない場合、不足する温度を補うために補助熱風発器により補助的に熱風を加熱する。
【0064】
請求項7記載の窯業成形物の乾燥装置は、上記の構成であるから、請求項3または4記載の窯業成形物の乾燥装置の効果のほか、外気と焼成炉からの加熱空気の混合によって得られた熱風の温度が目標温度に達していない場合、不足する温度を補うために補助的に熱風を加熱するので、乾燥炉に供給される熱風は目標温度に達することができるので、焼成炉から導入される加熱空気の温度の高低に左右されず、安定した窯業成形物の乾燥を実施できる。
また、補助熱風発器は、焼成炉の運転開始時などに使用が限られるほか、熱風の目標温度に対する不足分を補うだけの能力を備えればよいから小型のものでよく、乾燥装置の熱効率を低下を最小限に抑制できる。
【0065】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。
図1はこの実施の形態その1に係る窯業成形物の乾燥装置の概略図、図2は実施の形態その2に係る窯業成形物の乾燥装置の概略図、図3は実施の形態その3に係る窯業成形物の乾燥装置の概略図、図4は湿球温度と温度制御との関係を示す説明図、図5は実施の形態その1に係る窯業成形物の乾燥装置による乾燥特性を示すグラフ、図6は従来例の窯業成形物の乾燥装置の概略図である。
【0066】
この発明の実施の形態その1に係る窯業成形物の乾燥装置について説明する。
(全体構成)
図1には、窯業成形物を収容するトンネル式の乾燥炉10が設けられており、図示しないが乾燥炉10の内部には乾燥炉10内の空気を撹拌して乾燥炉10内の雰囲気をより均一にするための撹拌用ファンが設けられている。
そして、乾燥炉10の入口(図示せず)から順次搬入された未乾燥の窯業成形物を一方へ向けて搬送させつつ乾燥させ、乾燥された窯業成形物を出口(図示せず)から順次搬出する構成となっている。
【0067】
この乾燥炉10に熱風供給ダクト12の一端が接続され、熱風供給ダクト12の他端に外気吸引ダクト14の一端が接続され、外気吸引ダクト14の他端は開放されている。
また、焼成炉からの加熱空気を供給する廃熱供給ダクト16が、熱風供給ダクト12と外気吸引ダクト14の接続部Aに接続されている。
【0068】
外気吸引ダクト14は外気を熱風供給ダクト12へ送るためのものであり、外気吸引ダクト14には外気の吸引を制御するための外気吸引手段18が設けられ、具体的手段として自動開閉式のダンパが採用されている。
廃熱供給ダクト16は、焼成炉の排気である加熱空気の一部を導入し、熱風供給ダクト12へ向けて供給するものである。
熱風供給ダクト12は、外気と焼成炉からの加熱空気を混合して得られた熱風を乾燥炉10内へ供給するものである。
【0069】
なお、焼成炉から導入される加熱空気は、焼成炉の冷却帯において焼成された窯業成形物を冷却する目的で送り込まれた炉外の空気が窯業成形物からの放熱を吸収したために加熱された空気となるものである。
したがって、加熱空気は焼成炉の予熱帯や焼成帯において生じる燃焼ガスの残留分を含むものではないので、乾燥のために使用しても窯業成形物に悪影響が生じることはない。
また、焼成炉から導入される加熱空気は、焼成炉において外気が加熱されたものであり、外気と焼成炉から導入される加熱空気の絶対湿度は一致している。
このため、外気と焼成炉からの加熱空気を混合する点について不都合が生じることはない。
【0070】
熱風供給ダクト12には送風ファン20が設けられており、送風ファン20は外気を外気吸引ダクト14に吸引するとともに、焼成炉からの加熱空気を廃熱供給ダクト16に吸引するほか、外気と焼成炉からの加熱空気を混合して得られた熱風を乾燥炉10内へ供給する機能を備えており、送風ファン20は後述する熱風の供給量を制御する風量制御手段34の一部を構成している。
【0071】
送風ファン20が設けられた熱風供給ダクト12の上流側には、外気の乾球温度(以下、単に外気温度という)を測定するための外気温度センサ22と外気の相対湿度(以下、単に外気相対湿度という)を測定するための外気湿度センサ24が設けられている。
この実施の形態においては、外気温度センサ22と外気湿度センサ24を外気吸引ダクト14に取り付けたが、外気の温度と相対湿度を測定することが可能であれば、両センサを設置する場所は問わない。
【0072】
外気温度センサ22と外気相対湿度センサ24は、測定された外気温度と外気相対湿度を別に設けられた演算手段26に伝達できるように、演算手段26に接続されている。
【0073】
(演算手段)
演算手段26は、乾燥に最適な熱風の目標の乾球温度(以下、単に目標温度という)を求めるほか、目標温度に基づいて後述する吸引制御手段28を制御する機能を有するものである。
そして、演算手段26には、乾燥炉10内の湿球温度を予め設定した設定湿球温度のデータが格納されているほか、乾燥炉10内の設定湿球温度、測定された外気温度と外気相対湿度により熱風の目標温度を求めるためのプログラムが格納されている。
【0074】
熱風の目標温度を演算手段26により求めるプログラムは、図4に示される湿度図表に基づいて以下の要素を求める手順から構成されている。
▲1▼乾燥炉10内の設定湿球温度に対応する相対湿度100%における断熱冷却線。
▲2▼測定された外気温度及び外気相対湿度における絶対湿度(kg/kg)。
▲3▼乾燥炉10内の設定湿球温度と相対湿度100%における断熱冷却線と、測定された外気温度および外気相対湿度における絶対湿度(kg/kg)との交点における温度(目標温度)。
【0075】
この湿度図表に基づいて、乾燥炉10内の設定湿球温度、測定された外気温度および外気相対湿度とにより目標温度を求める意図は、とくに恒率乾燥期間における窯業成形物の変形や亀裂の抑制を図るため、熱風の温度制御により乾燥炉10内の湿球温度の制御を図るためである。
【0076】
(吸引制御手段)
吸引制御手段28は、先に述べた演算手段26に接続されるとともに、演算手段26により求められた熱風の目標温度に基づいて外気吸引手段18を制御し、焼成炉からの加熱空気に混合させる外気の吸引量を制御するためのものである。
【0077】
したがって、外気吸引手段18は吸引制御手段28の制御を受けつつ外気の吸引量を制御するが、外気と焼成炉からの加熱空気を混合して得られた熱風の温度が目標温度となるまで外気の吸引量を増減する。
この実施の形態では、外気と焼成炉からの加熱空気の混合して得られた熱風の温度の正確性をより高めるために、熱風の温度を測定する熱風温度センサ36が、熱風供給ダクト12に設けられ、熱風温度センサ36は吸引制御手段28に接続されている。
【0078】
したがって、熱風温度センサ36により測定された熱風の温度(以下、単に熱風温度という)は吸引制御手段28へ伝達され、測定された熱風温度と熱風の目標温度が比較され、その結果により外気吸引手段18に対する制御を行うので、外気と焼成炉からの加熱空気の混合して得られる熱風の温度制御が極めて正確に行われる。
【0079】
(風量制御手段)
一方、乾燥炉10内の温度を測定するための炉内温度センサ30が乾燥炉10に設けられている。
そして、炉内温度センサ30は測定された炉内の温度(以下、単に炉内温度という)を別に設けられた送風用制御器32に伝達できるよう送風用制御器32に接続されている。
送風用制御器32は、熱風供給ダクト12に設けられた送風ファン20の運転を制御するためのものであり、送風用制御器32と送風ファン20により風量制御手段34が構成される。
【0080】
送風用制御器32を詳しく述べると、炉内温度センサ30により測定された炉内温度と予め設定された乾燥炉10内の設定温度(以下、単に炉内設定温度という)との比較が送風用制御器32により行われ、炉内温度が炉内設定温度よりも高い場合は、送風ファン20による乾燥炉10への熱風の供給量を減少させ、一方、炉内温度が炉内設定温度よりも低い場合は、送風ファン20による熱風の供給量を増大させるように送風用制御器32により送風ファン20の運転を制御し、乾燥炉10内の温度を炉内設定温度に保つように図られている。
【0081】
送風ファン20と送風用制御器32からなる風量制御手段34の目的は、とくに恒率乾燥期間における窯業成形物の変形や亀裂を抑制しつつ、熱風の供給量の制御により乾燥炉内の温度の制御を図ることにある。
【0082】
なお、この実施の形態において予め設定される炉内設定温度は、窯業成形物の乾燥時間をより短縮化するために、恒率乾燥期間においては経時的に上昇するように設定されており、炉内設定温度のデータは送風用制御器32に格納される。
【0083】
また、炉内設定温度を経時的に上昇するように設定することにより、温度上昇に伴って窯業成形物に含まれる水分が低下して窯業成形物の強度が増加することから、乾燥に伴う著しい収縮の差による変形や亀裂の抑制を図ることができる。
【0084】
(排気ダクト)
乾燥炉10内の空気を排出するために乾燥炉10に排気ダクト38が設けられ、排気量を調節する排気ダンパ40が排気ダクト38に設けられている。
一方、乾燥炉10内に炉内圧力センサ42が設けられ、炉内圧力センサ42により測定された乾燥炉10内の圧力に応じて排気ダンパ40の開閉を制御し、排気を図るように構成されている。
【0085】
排気ダンパ40の開閉制御により乾燥炉10内の圧力を調整する目的は、乾燥炉10内の圧力が高くなると、熱風の乾燥炉10への供給が阻害されるほか、乾燥炉10の内壁が物理的損傷を受けるおそれのあることに鑑み、乾燥炉10内への熱風の供給を安定して行うことと併せて乾燥炉10の内壁の物理的損傷を防止することにある。
なお、排気ダクト38に排気用ファンを設けて、強制的に乾燥炉10の排気を行うようにしてもよい。
【0086】
次に、実施の形態その1に係る窯業成形物の乾燥装置の制御の説明と併せてその乾燥方法の制御について説明する。
この実施の形態の乾燥炉10内の湿球温度の制御については、外気温度センサ22により測定された外気温度と、外気湿度センサ24により測定された外気相対湿度と、予め設定された乾燥炉10内の設定湿球温度とから演算手段26により熱風の目標温度が求められ、目標温度に基づいて吸引制御手段28を制御させ、外気吸引手段18による外気の吸引量が制御される。
このため、吸引された外気と焼成炉から導入される加熱空気との混合により、熱風を得ることができるが、焼成炉からの加熱空気の供給量が一定であれば、外気の吸引量を制御することにより、熱風の温度制御を図ることができる。
【0087】
この熱風の温度制御による乾燥炉10内の湿球温度の制御は、窯業成形物の乾燥時における変形および亀裂を防止するために有効である。
未乾燥の窯業成形物は水分を含んだ湿潤なものであるから、窯業成形物の温度は、窯業成形物の周囲の雰囲気の湿球温度(温度計に湿ったガ−ゼを付けて測定した温度)とほぼ等しく扱うことができる。
【0088】
そこで、加熱期間を経過して恒率乾燥期間における窯業成形物の温度と、恒率乾燥期間における乾燥炉10内の湿球温度を等しく保つことができると、熱風の熱は水分の蒸発にのみ使用され、適切な乾燥速度で窯業成形物を乾燥させることができる。
したがって、窯業成形物の一部に急激な乾燥や窯業成形物の表面への結露が発生することなく、恒率乾燥期間における窯業成形物の変形や亀裂を抑制できる。
【0089】
ほぼ密閉された乾燥炉10内において、熱風が窯業成形物の乾燥に使用されても近似的に断熱冷却され、熱風が断熱冷却される場合、断熱冷却の過程において熱風の湿球温度が変化しない。
【0090】
そして、乾燥炉10内の湿球温度が設定湿球温度に維持されるためには、乾燥炉10内の設定湿球温度に対応する断熱冷却線上に位置するように熱風の目標温度を求め、求められた目標温度となるように、外気と焼成炉から導入される加熱空気を混合すればよい。
【0091】
したがって、目標温度の加熱を乾燥炉10内に供給し、乾燥炉10内において熱風が乾燥に使用されても、乾燥炉10内の湿球温度は設定湿球温度と同じに維持され、また、乾燥炉10内の湿球温度と窯業成形物の温度が一致するので、恒率乾燥期間において窯業成形物の乾燥は安定して進行する。
【0092】
一方、乾燥炉10内の温度制御は、熱風の供給量を制御することにより行われる。
つまり、乾燥炉10内の温度が熱風の温度より低い場合、一定の温度の熱風であっても、供給される熱風の供給量を増大させると、供給量に応じて乾燥炉10内の温度は上昇する現象を利用するものである。
【0093】
この実施の形態における窯業成形物の乾燥の制御の具体例は、以下のようなプログラムに基づいて行った。
加熱期間を約2時間とし、この期間で窯業成形物の温度が35℃から45℃まで上昇するように乾燥炉10内の湿球温度を35℃から45℃に上昇させる設定とした。
【0094】
次に、恒率乾燥期間を約8時間とし、この期間の設定湿球温度を45℃とし、炉内温度を47℃から68℃まで段階的に上昇するように設定した。
減率乾燥期間を約4時間とし、この期間の設定湿球温度についても45℃とする一方、炉内温度を68℃から80℃に上昇させ、温度80℃で約2時間の保持時間を設定した(図5を参照)。
【0095】
この乾燥における外気温度は35℃、外気の相対湿度は60%であったことから、乾燥炉10内の設定湿球温度が45℃であることを併せ、演算手段26により熱風の目標温度は145℃であった(図4を参照)。
一方、焼成炉から導入された廃熱である加熱空気は温度が155℃と一定で供給され、目標温度145℃の熱風を得るために必要な外気と加熱空気との混合比は約1:15となった。
【0096】
以上の設定および条件に基づいて窯業成形物の乾燥を行ったところ、乾燥された窯業成形物において乾燥による変形や亀裂はほとんど発生しなかった。
すなわち、乾燥炉10内の設定湿球温度、測定された外気温度と外気相対湿度とにより、乾燥炉10内の設定湿球温度に対応する熱風の目標温度が求められ、目標温度の熱風となるように、外気と焼成炉からの加熱空気を混合し、外気と焼成炉からの加熱空気との混合により得られた熱風が乾燥炉10内に供給され、乾燥炉10内に供給された目標温度の熱風は乾燥に使用されても湿球温度は変化することなく、設定湿球温度に保たれることにより、窯業成形物の温度と乾燥炉10内の湿球温度が一致する状態を維持し、窯業成形物の一部に急激な乾燥や表面への結露が生じないためである。
【0097】
恒率乾燥期間における乾燥炉10内の設定湿球温度と窯業成形物の温度を常に一致させる制御であるから、窯業成形物の種類に応じて設定湿球温度を自由に変更しても窯業成形物の温度が設定湿球温度と一致するように熱風の目標温度が求められ、従来のように温度と相対湿度の関係を考慮する必要もないので、乾燥炉10のオペレ−タによる乾燥の制御の変更が容易となった。
【0098】
併せて、乾燥炉10の湿度制御を熱風の供給量の制御により行うので、乾燥炉10内の温度を変動させても湿球温度が設定湿球温度に維持されていれば、一定の範囲内において乾燥時間の変更自由にでき、この実施の形態では乾燥時間が14時間に短縮することができた。
【0099】
また、乾燥途中において外気温度や外気相対湿度の変動が生じても、演算手段26により、これらの変動に対応するように熱風の目標温度が求められ、目標温度に基づいて吸引制御手段28が制御されるので、外気吸引手段18による外気の吸引量の適切な制御を行うことができる。
【0100】
さらに、乾燥炉10へ供給される熱風は、外気と焼成炉から導入される加熱空気の混合により得られるので、乾燥装置に熱風発生源を設置することが不要となり、焼成炉の廃熱を有効活用することができるほか、窯業成形物の乾燥の熱効率を向上させることができ、設備費やランニングコストを抑制することができる。
【0101】
次に、図2を参照して実施の形態その2に係る窯業成形物の乾燥装置について説明する。
この実施の形態の乾燥装置においては、熱風温度センサ44と熱風湿度センサ46が熱風供給ダクト12に設けられ、熱風温度センサ44により測定された熱風の温度(以下、単に熱風温度という)と熱風湿度センサ46により測定された熱風の相対湿度(以下、単に熱風相対湿度という)が演算手段48に伝達されるように設けられている点が、先の実施の形態と比較して異なる。
【0102】
したがって、熱風温度は熱風温度センサ44により測定され、また、熱風相対湿度は熱風湿度センサ46により測定される。
測定された熱風温度と熱風相対湿度は演算手段48へ伝達され、演算手段48において熱風温度、熱風相対湿度および乾燥炉10内の設定湿球温度により熱風の目標温度が求められる。
求められた目標温度に基づいて吸引制御手段28が外気吸引手段18による外気の吸引量を適切に制御する。
【0103】
この実施の形態においては、熱風供給ダクト12の乾燥炉10寄りに熱風温度センサ44が設けられており、熱風が乾燥炉10へ供給される直前で熱風温度を監視することになり、吸引制御手段28による外気吸引手段18の外気の吸引量の制御は、熱風の目標温度に対するより繊細な制御とすることができるので、乾燥炉10内へ供給される熱風の温度制御をより正確に行うことができる。
【0104】
次に、図3を参照して実施の形態その3に係る窯業成形物の乾燥装置について説明する。
この実施の形態の乾燥装置は、熱風供給ダクト12に熱風用ダンパ52が設けられ、実施の形態その1における送風用制御器32に代えて開閉用制御器54が設けられている。
開閉用制御器54は、炉内温度センサ56により測定された炉内温度を開閉用制御器54に伝達できるように炉内温度センサ56と接続されているほか、熱風用ダンパ52の開閉を制御するために熱風用ダンパ52とも接続されている。
【0105】
また、熱風用ダンパ52により分岐された熱風を放出させる分岐ダクト58が設けられている。
なお、分岐ダクト58を排気ダクト38に接続してもよい。
あるいは、分岐ダクト58を外気吸引ダクト14に接続してもよいが、この場合、熱風の目標温度を正確に求める必要があることから、分岐ダクト58を接続する場所は、外気温度センサ22および外気湿度センサ24が設けられている箇所より上流側とする必要がある。
【0106】
開閉用制御器54は、炉内温度センサ56により測定された炉内温度の伝達を受け、炉内温度に応じて熱風用ダンパ52の開閉を制御して熱風の供給量を制御することができる。
したがって、この実施の形態における風量制御手段50は開閉用制御器54と熱風用ダンパ52から構成される。
この実施の形態において、熱風供給ダクト12に設けられた送風ファン60は一定の回転数を保って運転されるものであり、熱風の供給量を炉内温度に基づいて制御する風量制御手段50を構成するものではない。
【0107】
また、この実施の形態に係る乾燥装置は、乾燥炉に供給される熱風に対して補助的に加熱する補助熱風発生器62が熱風供給ダクト12に設けられている。
この実施の形態では、補助熱風発生器62を制御するための補助加熱制御手段64が設けられている。
【0108】
補助加熱制御手段64は、熱風供給ダクト12に設けられた熱風温度センサ36と接続されており、熱風温度センサ36により測定された熱風の温度が、演算手段26により得られた目標温度より低いとき補助熱風発生器62を制御し、熱風供給ダクト12を通過する熱風に対して加熱するものである。
【0109】
なお、熱風の温度が目標温度より低くなる可能性がある場合は、焼成炉の運転開始時などである。
つまり、焼成炉から導入される加熱空気の温度が熱風の目標温度より低い場合であり、焼成炉からの加熱空気を直接乾燥炉10へ供給する熱風としたとしても、熱風の温度が目標温度に達していないことになるから、不足する温度を補うために補助熱風発生器62により補助的に熱風を加熱する必要が生じる。
【0110】
この実施の形態によれば、送風ファン60により外気吸引ダクト14に吸引された外気は、廃熱供給ダクト16から供給される焼成炉からの加熱空気と混合される。
このときの、外気吸引手段18による外気の吸引量の制御は、実施の形態その1と同様に、演算手段26により乾燥炉10内の設定湿球温度、測定された外気温度、外気相対湿度とから熱風の目標温度が求められ、求められた熱風の目標温度になるように、外気と焼成炉からの加熱空気が混合されるが、外気吸引手段18は吸引制御手段28により制御されるものである。
【0111】
一方、乾燥炉10内の温度制御は風量制御手段50による熱風の供給量の制御により行われるが、風量制御手段50は熱風用ダンパ52と開閉用制御器54から構成されているので、炉内温度センサ56により測定された炉内温度は開閉用制御器54へ伝達され、開閉用制御器54は炉内温度に応じて熱風用ダンパ52の開閉を制御して、乾燥炉10内へ供給する熱風の供給量を制御する。
【0112】
そして、熱風用ダンパ52により分岐された熱風の一部は、乾燥炉10内へ供給する必要がないので、分岐ダクト58を通じて大気中へ放出される。
実施の形態その1と同様の効果を奏するほか、送風ファン60が所定の回転数で運転され、必要な熱風の量を熱風用ダンパ52の開閉により制御するので、送風ファン60による熱風供給ダクト12に対する負荷は一定となり、熱風供給ダクト12の耐久性を向上させることができる。
なお、分岐ダクト58を外気吸引ダクト14に接続した場合は、分岐された熱風は外気と混合され、その後さらに焼成炉からの加熱空気と混合されて、新たな熱風として再利用されるので、熱風発生源による外気への加熱量が低減され、乾燥装置の省エネルギ−化を図ることができる。
【0113】
また、外気と焼成炉からの加熱空気の混合によって得られた熱風の温度が目標温度に達していない場合であっても、不足する温度を補うために補助的に熱風を加熱するので、乾燥炉10に供給される熱風は目標温度に達することができ、焼成炉から導入される加熱空気の温度の高低に左右されず、安定した窯業成形物の乾燥を実施できる。
また、補助熱風発生器62は、焼成炉の運転開始時などに使用が限られるほか、熱風の目標温度に対する不足分を補うだけの能力を備えればよいから小型ものでよく、乾燥装置の熱効率を低下を最小限に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態その1に係る窯業成形物の乾燥装置の概略図である。
【図2】実施の形態その2に係る窯業成形物の乾燥装置の概略図である。
【図3】実施の形態その3に係る窯業成形物の乾燥装置の概略図である。
【図4】湿球温度と温度制御との関係を示す説明図である。
【図5】実施の形態その1に係る窯業成形物の乾燥装置による乾燥特性を示すグラフ、である。
【図6】従来例の窯業成形物の乾燥装置の概略図である。
【符号の説明】
10 乾燥炉
12 熱風供給ダクト
14 外気吸引ダクト
16 廃熱供給ダクト
18 外気吸引手段
20 送風ファン
22 外気温度センサ
24 外気湿度センサ
26 演算手段
28 吸引制御手段
30 炉内温度センサ
32 送風用制御器
34 風量制御手段
36 熱風温度センサ
38 排気ダクト
40 排気ダンパ
42 炉内圧力センサ
44 熱風温度センサ
46 熱風湿度センサ
48 演算手段
50 風量制御手段
52 熱風用ダンパ
54 開閉用制御器
56 炉内温度センサ
58 分岐ダクト
60 送風ファン
62 補助熱風発生器
64 補助加熱制御手段
100 乾燥炉
102 循環ダクト
104 排気ダクト
106 排気ダンパ
108 循環ダンパ
110 外気吸引ダクト
112 外気吸引ダンパ
114 送風機
116 バーナー
120 加湿器
122 炉内温度センサ
124 炉内湿度センサ
126 熱風温度センサ
128 熱風湿度センサ
130 制御器
132 演算部

Claims (7)

  1. 湿式成形された窯業成形物を乾燥炉に収容し、窯業成形の焼成炉の廃熱を利用した熱風を乾燥炉内へ供給し、供給された熱風により窯業成形物を乾燥させる窯業成形物の乾燥方法において、
    乾燥炉内の設定湿球温度と炉内設定温度を予め設定し、
    外気の温度と相対湿度を測定して外気温度と外気相対湿度を求め、
    乾燥炉内の設定湿球温度、外気温度および外気相対湿度に基づいて乾燥炉内に供給する熱風の目標温度を求め、
    焼成炉から外気と同一の絶対湿度を持つ加熱空気を導入するとともに、求められた熱風の目標温度となるように、外気と焼成炉から導入した前記加熱空気を混合し、
    外気と焼成炉からの前記加熱空気を混合して得られた目標温度の熱風を乾燥炉へ供給し、
    他方、乾燥炉内の温度を測定して炉内温度を求め、炉内設定温度と測定された炉内温度の差に基づいて乾燥炉内へ供給する熱風の供給量を制御することを特徴とする窯業成形物の乾燥方法。
  2. 湿式成形された窯業成形物を乾燥炉に収容し、窯業成形物の焼成炉の廃熱を利用した熱風を乾燥炉内へ供給し、供給された熱風により窯業成形物を乾燥させる窯業成形物の乾燥方法において、
    乾燥炉内の設定湿球温度と炉内設定温度を予め設定し、
    乾燥炉へ供給される熱風の温度と相対湿度を測定して熱風温度と熱風相対湿度を求め、
    乾燥炉内の設定湿球温度、熱風温度および熱風相対湿度に基づいて乾燥炉内に供給する熱風の目標温度を求め、
    焼成炉から加熱空気を導入するとともに、求められた熱風の目標温度となるように、外気と焼成炉から導入した加熱空気を混合し、
    外気と焼成炉からの加熱空気を混合して得られた目標温度の熱風を乾燥炉へ供給し、
    他方、乾燥炉内の温度を測定して炉内温度を求め、炉内設定温度と測定された炉内温度の差に基づいて乾燥炉内へ供給する熱風の供給量を制御することを特徴とする窯業成形物の乾燥方法。
  3. 湿式成形された窯業成形物を収容する乾燥炉が備えられ、乾燥炉内へ熱風を供給する熱風供給ダクトが乾燥炉に接続されるとともに、乾燥炉内の空気を排出する排気ダクトが乾燥炉に接続された窯業成形物の乾燥装置において、
    外気を吸引する外気吸引ダクトが熱風供給ダクトに接続されるとともに、外気吸引ダクトに外気を吸引する外気吸引手段が設けられ、
    外気吸引ダクトと熱風供給ダクトの接続部に、外気と同一の絶対湿度を持つ加熱空気を焼成炉から供給する廃熱供給ダクトが接続され、
    外気の温度を測定する外気温度センサと外気の相対湿度を測定する外気湿度センサが外気吸引ダクトに設けられ、
    外気温度センサにより測定された外気温度と外気湿度センサにより測定された外気相対湿度により、予め設定された乾燥炉内の設定湿球温度に対応する熱風の目標温度を求める演算手段が設けられ、
    外気と焼成炉からの前記加熱空気を混合して得られる熱風の温度が目標温度となるように、外気吸引手段を制御する吸引制御手段が設けられ、
    他方、乾燥炉に該乾燥炉内の温度を測定する炉内温度センサが設けられ、
    炉内温度センサにより測定された炉内温度と予め設定された炉内設定温度の差に基づいて乾燥炉内へ供給する熱風の供給量を制御する風量制御手段が設けられたことを特徴とする窯業成形物の乾燥装置。
  4. 湿式成形された窯業成形物を収容する乾燥炉が備えられ、乾燥炉内へ熱風を供給する熱風供給ダクトが乾燥炉に接続されるとともに、乾燥炉内の空気を排出する排気ダクトが接続された窯業成形物の乾燥装置において、
    外気を吸引する外気吸引ダクトが熱風供給ダクトに接続されるとともに、外気吸引ダクトに外気を吸引する外気吸引手段が設けられ、
    外気吸引ダクトと熱風供給ダクトの接続部に、焼成炉からの加熱空気を供給する廃熱供給ダクトが接続され、
    熱風の温度を測定する熱風温度センサと熱風の相対湿度を測定する熱風湿度センサが熱風供給ダクトに設けられ、
    熱風温度センサにより測定された熱風温度と熱風湿度センサにより測定された熱風相対湿度とにより、予め設定された乾燥炉内の設定湿球温度に対応する熱風の目標温度を求める演算手段と、
    乾燥炉内へ供給される熱風の温度が目標温度となるように、焼成炉から導入された加熱空気に対して混合させる外気の吸引量を制御する吸引制御手段が設けられ、
    他方、乾燥炉に該乾燥炉内の温度を測定する炉内温度センサが設けられ、
    炉内温度センサにより測定された炉内温度と予め設定された炉内設定温度の差に基づいて熱風の供給量を制御する風量制御手段が設けられたことを特徴とする窯業成形物の乾燥装置。
  5. 風量制御手段が、熱風供給ダクトに設けられた送風ファンと、炉内温度センサにより測定される炉内温度と炉内設定温度の差に基づいて送風ファンを制御する送風用制御器とからなることを特徴とする請求項3または4記載の窯業成形物の乾燥装置。
  6. 風量制御手段が、熱風供給ダクトに設けられた熱風用ダンパと、
    炉内温度センサにより測定される炉内温度と炉内設定温度との差に基づいて熱風用ダンパを開閉する開閉用制御器とからなり、
    熱風用ダンパにより分岐された熱風の一部を吸引する分岐ダクトが設けられるとともに熱風供給ダクトに送風ファンが設けられたことを特徴とする請求項3または4記載の窯業成形物の乾燥装置。
  7. 乾燥炉に供給される熱風を補助的に加熱する熱風発生器が熱風供給ダクトに設けられたことを特徴とする請求項3、4、5又は6記載の窯業成形物の乾燥装置。
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