以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図面には、理解を容易にするために、適宜三次元直交座標系のX軸、Y軸、及び、Z軸を記載する。一例として、X軸及びY軸は水平面に略平行であり、Z軸は鉛直方向に略平行である。
図1~図5を参照して、本発明の実施形態の乾燥装置1について説明する。図1は、本実施形態に係る乾燥装置1の正面を示す図である。本実施形態の乾燥装置1は、例えば、成形した粘土の乾燥に使用される。粘土は、食器、花器などの形状に成形される。乾燥装置1は、例えば、床面などに設置される。
図2は、図1に示す乾燥装置1のII-II断面を示す図である。図3は、本実施形態に係る乾燥装置1の側面図を示す図である。図4は、図1に示す乾燥装置1のIV-IV断面を示す図である。図5は、本実施形態に係る乾燥装置1の背面を示す図である。
図1~図5に示すように、乾燥装置1は、筐体10と、枠体20とを備える。筐体10は、例えば、陶芸用の粘土を収容する。筐体10は、例えば、難燃性の材料で形成される。難燃性の材料は、例えば、珪酸カルシウムである。例えば、筐体10は、珪酸カルシウムを主成分とする板で形成される。
枠体20は、筐体10の一部を囲う。具体的には、枠体20は、筐体10の正面以外の面を覆う。枠体20は、木製である。また、枠体20の背面には、開口31が配置される。開口31は、貫通孔である。
枠体20は、第1収容部20aと、第2収容部20bと、風路部20cとを有する。第1収容部20aは、後述する表示部21を収容する。第1収容部20aは、第2収容部20bの前面側に位置する。また、第1収容部20aは、筐体10の上側に位置する。
第2収容部20bは、第1収容部20aの背面側に位置する。第2収容部20bは、後述するタンク27を収容する。また、第1収容部20aは、筐体10の上側に位置する。
風路部20cは、風を案内する。風路部20cは、風を案内する風路29を含む。
図2に示すように、風路29には、貫通孔H1と貫通孔H2とが配置される。貫通孔H1は、枠体20と筐体10とを貫通する。つまり、貫通孔H1は、筐体10の内部空間と枠体20の内部空間とを連通させる。具体的には、図2に示すように、貫通孔H1は、枠体20の上側に配置される。貫通孔H1は、貫通孔H2よりも風路29の上流側に位置する。
また、図4に示すように、風路29には、貫通孔H2が配置される。貫通孔H2は、枠体20と筐体10とを貫通する。貫通孔H2は、筐体10の内部空間と枠体20の内部空間とを連通させる。具体的には、貫通孔H2は、枠体20の下側に配置される。貫通孔H2は、貫通孔H1よりも風路29の下流側に位置する。
また、図2~図4に示すように、風路29は、第1風路291と、第2風路292とを含む。図3に示すように、第1風路291は、鉛直方向に伸びる。
図4に示すように、第2風路292は、第1風路291に接続される。第2風路292は、鉛直方向に交差する風路である。第2風路292は、屈曲した風路である。例えば、第2風路292は、Y軸方向に沿う風路と、X軸方向に沿う風路とを含む。
また、図2に示すように、乾燥装置1は、表示部21、操作部22、電源部23、記憶部24、制御部25、通信部26、タンク27、第1送風部28、及び、開閉部30を備える。
図1及び図2に示すように、表示部21は、画像を表示する。画像は、静止画、または動画のうち少なくとも一方を含む。表示部21は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネル等のディスプレイパネルである。表示部21は、例えば、矩形状である。表示部21は、枠体20に固定される。
操作部22は、ユーザーからの操作を受け付ける。操作部22は、例えば、タッチパネルである。タッチパネルは、矩形状である。タッチパネルは、表示部21に重ねて配置される。タッチパネルは、検出部を含む。
タッチパネルの検出部はユーザーの操作を検出する。タッチパネルの検出部は、表示部21に重なるように配置される。なお、タッチパネルの検出部は透明である。ユーザーの操作は、例えば、タッチ操作である。タッチ操作は、タッチパネルの検出部にユーザーの指を接触させる操作である。また、タッチパネルの検出部は、ユーザーの指が接触した位置の押圧力を検出する。
電源部23は、乾燥装置1の各部に電力を供給する。
記憶部24は、主記憶装置を有する。主記憶装置は、例えば、半導体メモリを含む。記憶部24は、主記憶装置として、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有してもよい。記憶部24は、補助記憶装置を更に有する。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリ及びハードディスクドライブの少なくも一方を含む。記憶部24は、補助記憶装置として、SDD(Solid Disk Drive)を有してもよい。記憶部24は、リムーバブルメディアを含んでもよい。
記憶部24は、制御プログラムを記憶する。制御プログラムは、例えば、乾燥装置1の動作を制御するプログラムを含む。乾燥装置1の動作を制御するプログラムは、例えば、乾燥プログラムを含む。乾燥プログラムは、複数の処理を含む。乾燥プログラムは、粘土を成形する前に実施する作業前処理、乾燥処理前に実施される予熱処理、及び、粘土を乾燥する乾燥処理を含む。
制御部25は、各種の処理を実行する。制御部25は、ハードウェアである。制御部25は、例えば、プロセッサを有する。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、または、MPU(Micro Processing Unit)を含む。プロセッサは、汎用演算機または専用演算器を含んでもよい。専用演算器は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、または、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。
通信部26は、端末装置と通信する。具体的には、通信部26は、ネットワークを介して、端末装置と通信する。例えば、通信部26は、ネットワークを介して、端末装置から制御信号を受信する。制御信号は、例えば、乾燥装置1の動作を制御する信号である。また、例えば、通信部26は、ネットワークを介して、端末装置に情報を送信する。
タンク27は、水を貯留する。タンク27は、加湿用の水(例えば、水道水)を収容する。タンク27に収容された水は、例えば、後述する加湿部261へ供給される。タンク27は、例えば、乾燥装置1の天面側に位置する。
第1送風部28は、空気を送風する。第1送風部28は、例えば、シロッコファンである。第1送風部28は、筐体10の内部空間SPの空気を枠体20へ向けて送風する。第1送風部28は、貫通孔H1から筐体10の内部空間SPの空気を吸込み、枠体20へ空気を送風する。第1送風部28は、空気を送風する強さを調整できる。例えば、第1送風部28は、空気を送風する強さを3段階に調整できる。例えば、第1送風部28は、空気を送風する強さを第1出力と、第2出力と、第3出力に調整する。第1出力は、第2出力、及び、第3出力よりも小さい出力である。第2出力は、第3出力より小さい出力である。第3出力は、第1出力、及び、第2出力より大きい出力である。
具体的には、第1送風部28は、風路部20cに風を送風する。また、第1送風部28から送風された空気は、第1気流F1と、第2気流F2と、第3気流F3と、第4気流F4とを発生させる。図2に示すように、第1気流F1は、風路部20cの第1風路291に向かう気流である。第1気流F1は、Y軸方向に沿った気流である。図3に示すように、第2気流F2は、第1風路291を通過する気流である。第2気流F2は、Z軸方向に沿った気流である。図4に示すように、第3気流F3は、第2風路292を通過する気流である。第3気流F3は、Y軸方向に沿った気流である。図4に示すように、第4気流F4は、第2風路292を通過する気流である。第4気流F4は、X軸方向に沿った気流である。第4気流F4は、貫通孔H2から筐体10の内部空間へ移動する。
開閉部30は、筐体10の背面に位置する貫通孔H3を開閉する。開閉部30が貫通孔H3を開放する場合、筐体10の内部の空気が貫通孔H3から流出する。開閉部30が貫通孔H3を閉塞する場合、筐体10の内部の空気が貫通孔H3から流出しない。
また、開閉部30は、貫通孔H3の面積を変更してもよい。具体的には、貫通孔H3の面積に応じて、貫通孔H3から吐き出される空気の量が変更される。例えば、貫通孔H3の面積が大きくなるほど、貫通孔H3から吐き出される空気の量が増加する。また、例えば、貫通孔H3の面積が小さくなるほど、貫通孔H3から吐き出される空気の量が減少する。
開閉部30は、シャッター(不図示)と、シャッター駆動部(不図示)と、駆動伝達部(不図示)を含む。
シャッターは、貫通孔H3を覆うことが可能である。シャッター駆動部は、シャッターを移動させる。シャッター駆動部は、モーターである。駆動伝達部は、シャッター駆動部の駆動力をシャッターに伝達する。よってシャッター駆動部は、シャッターを移動させることが可能となる。シャッターは、貫通孔H3を覆う位置から貫通孔H3を覆わない位置まで移動する。また、シャッターは、貫通孔H3の一部を覆う位置へも移動する。
次に、図1~図7を参照して、筐体10を詳しく説明する。図6は、本実施形態の乾燥装置1の筐体10の内部を示す図である。図7は、本実施形態の乾燥装置1の筐体10を示す別の図である。図7では、筐体10の断面を示す。筐体10の内部空間SPには、皿などの形状に成形された粘土が配置される。図1~図7に示すように、筐体10は、扉部11と、天壁12と、底壁13と、第1側壁14と、第2側壁15と、第3側壁16とを含む。
扉部11は、筐体10の前側を開閉する。扉部11は、所定の厚みを有する珪酸カルシウムを主成分とする板である。図2に示すように、扉部11は、筐体10の第1方向D1に位置する。第1方向D1は、第3側壁16から扉部11に向かう方向を示す。また、扉部11から第3側壁16へ向かう方向は、第2方向D2である。
図6に示すように、天壁12は、筐体10の上方に位置する。天壁12は、第1側壁14と、第2側壁15と、第3側壁16とに支持される。天壁12は、所定の厚みを有する珪酸カルシウムを主成分とする板である。天壁12の第3方向D3側には、表示部21が配置される。第3方向D3は、底壁13から天壁12へ向かう方向を示す。また、天壁12から底壁13へ向かう方向は、第4方向D4である。
底壁13は、筐体10の下方に位置する。底壁13は、第1側壁14と、第2側壁15と、第3側壁16と、天壁12とを支持する。底壁13は、所定の厚みを有する珪酸カルシウムを主成分とする板である。
第1側壁14は、天壁12と底壁13との間に位置する。第1側壁14は、底壁13の第5方向D5の端部から天壁12に向かって伸びる。第5方向D5は、第2側壁15から第1側壁14へ向かう方向を示す。第1側壁14は、所定の厚みを有する珪酸カルシウムを主成分とする板である。
第1側壁14は、後述する棚板を支持する板支持部と係合する係合部材(図示せず)を有する。係合部材は、板支持部と係合するための係合部を有する。また、係合部は、第3方向D3に沿って所定間隔で複数配置される。
第2側壁15は、天壁12と底壁13との間に位置する。第2側壁15は、第1側壁14と対向する。第2側壁15は、底壁13の第6方向D6の端部から天壁12に向かって伸びる。第6方向D6は、第1側壁14から第2側壁15へ向かう方向を示す。第1側壁14は、所定の厚みを有する珪酸カルシウムを主成分とする板である。
第2側壁15は、後述する棚板を支持する板支持部と係合する係合部材(図示せず)を有する。係合部材は、板支持部と係合するための係合部を有する。また、係合部は、第3方向D3に沿って所定間隔で複数配置される。
第3側壁16は、天壁12と底壁13との間に位置する。第3側壁16は、扉部11と対向する。第3側壁16は、底壁13の第2方向D2の端部から天壁12に向かって伸びる。第3側壁16は、所定の厚みを有する珪酸カルシウムを主成分とする板である。図7に示すように、第3側壁16には、貫通孔H3が配置される。貫通孔H3は、枠体20の背面に配置された開口31と連通する。貫通孔H3は、「開口」の一例に相当する。貫通孔H3は、筐体10の内部空間SPと筐体10の外部とを連通する。
筐体10は、複数の棚板と、複数の板支持部とを有する。
複数の板支持部は、それぞれ、棚板を支持する。筐体10の内部空間SPには、複数の板支持部が配置される。板支持部の第5方向D5の端部は、第1側壁14の係合部材の係合部と係合する。また、板支持部の第6方向D6の端部は、第2側壁15の係合部材の係合部と係合する。よって、第3方向D3に板支持部を移動させた位置で、板支持部の第5方向D5の端部を第1側壁14の係合部と係合させ、板支持部の第6方向D6の端部を第2側壁15の係合部と係合させることで、板支持部を係合部の位置で固定できる。つまり、板支持部を第3方向D3に移動させることで、棚板を第3方向D3に沿って移動させることが可能となる。
また、板支持部同士をそれぞれ移動させることで、棚板同士の第3方向D3の間隔も変更できる。
また、複数の板支持部は、一対の第1板支持部111と、一対の第2板支持部113と、一対の第3板支持部115とを有する。
一対の第1板支持部111は、棚板を支持する。一対の第1板支持部111は、それぞれ離隔して配置される。具体的には、一対の第1板支持部111のうちの一方の第1板支持部111は、筐体10の第1方向D1の側に配置される。また、一対の第1板支持部111のうちの他方の第1板支持部111は、筐体10の第2方向D2の側に配置される。一対の第1板支持部111は、底壁13と一対の第2板支持部113との間に位置する。
一対の第2板支持部113は、棚板を支持する。一対の第2板支持部113は、それぞれ離隔して配置される。具体的には、一対の第2板支持部113のうちの一方の第2板支持部113は、筐体10の第1方向D1の側に配置される。また、一対の第2板支持部113のうちの他方の第2板支持部113は、筐体10の第2方向D2の側に配置される。一対の第2板支持部113は、一対の第1板支持部111と一対の第3板支持部115との間に位置する。
一対の第3板支持部115は、棚板を支持する。一対の第3板支持部115は、それぞれ離隔して配置される。具体的には、一対の第3板支持部115のうちの一方の第3板支持部115は、筐体10の第1方向D1の側に配置される。また、一対の第3板支持部115のうちの他方の第3板支持部115は、筐体10の第2方向D2の側に配置される。一対の第3板支持部115は、天壁12と一対の第2板支持部113との間に位置する。
筐体10の内部空間SPには、複数の棚板が配置される。複数の棚板は、珪酸カルシウムを主成分とする板である。棚板には、成形された粘土が配置される。また、複数の棚板は、複数の孔を有する。よって、筐体10の内部空間SPの空気は、棚板の複数の孔を通過して移動できる。つまり、空気の移動経路を確保できる。
複数の棚板は、第1棚板112と、第2棚板114と、第3棚板116とを含む。第1棚板112は、成形された粘土を支持する。第1棚板112は、第1板支持部111によって支持される。第2棚板114は、成形された粘土を支持する。第2棚板114は、第2板支持部113によって支持される。第3棚板116は、成形された粘土を支持する。第3棚板116は、第3板支持部115によって支持される。
次に、図1~図8を参照して、本実施形態の乾燥装置1を更に詳しく説明する。図8は、本実施形態の乾燥装置1のブロック図である。乾燥装置1は、加熱部HTと、加湿部261と、温度計STと、湿度計SHと、第2送風部38とを更に備える。
加熱部HTは、筐体10の内部空間SPの空気を加熱する。加熱部HTは、制御部25によって制御される。
加熱部HTは、第1加熱部HT1、第2加熱部HT2、第3加熱部HT3、第4加熱部HT4、第5加熱部HT5、第1放熱板ST1、第2放熱板ST2、及び、第3放熱板ST3を含む。
第1加熱部HT1は、筐体10の内部空間SPの扉部11側を加熱する。第1加熱部HT1は、扉部11に固定される。第1加熱部HT1は、例えば、面状ヒータまたはシーズヒータである。
第2加熱部HT2は、筐体10の内部空間SPの天壁12側を加熱する。第2加熱部HT2は、天壁12に固定される。第2加熱部HT2は、例えば、シーズヒータである。第2加熱部HT2は、天壁12に一対配置される。
第3加熱部HT3は、筐体10の内部空間SPの底壁13側を加熱する。第3加熱部HT3は、天壁12に固定される。第3加熱部HT3は、例えば、シーズヒータである。第3加熱部HT3は、底壁13に一対配置される。
第4加熱部HT4は、筐体10の内部空間SPの第1側壁14側を加熱する。第4加熱部HT4は、第1側壁14に固定される。第4加熱部HT4は、例えば、面状ヒータまたはシーズヒータである。第4加熱部HT4は、第1側壁14に配置された係合部材を避けて配置される。
第5加熱部HT5は、筐体10の内部空間SPの第2側壁15側を加熱する。第5加熱部HT5は、第2側壁15に固定される。第5加熱部HT5は、例えば、面状ヒータまたはシーズヒータである。第5加熱部HT5は、第2側壁15に配置された係合部材を避けて配置される。
第1放熱板ST1は、第1加熱部HT1からの熱を筐体10の内部空間SPに伝達する。第1放熱板ST1は、第1加熱部HT1を介して扉部11に取り付けられる。第1放熱板ST1は、第1加熱部HT1を覆う。第1放熱板ST1は、第3方向D3と第5方向D5とに伸びる。第1放熱板ST1は、扉部11よりも小さい。
第2放熱板ST2は、第4加熱部HT4からの熱を筐体10の内部空間SPに伝達する。第2放熱板ST2は、第4加熱部HT4を介して第1側壁14に取り付けられる。第2放熱板ST2は、第4加熱部HT4を覆う。第2放熱板ST2は、第3方向D3と第1方向D1とに伸びる。第2放熱板ST2は、第1側壁14の板支持部と板支持部との間に配置される。
第3放熱板ST3は、第5加熱部HT5からの熱を筐体10の内部空間SPに伝達する。第3放熱板ST3は、第5加熱部HT5を介して第2側壁15に取り付けられる。第3放熱板ST3は、第5加熱部HT5を覆う。第3放熱板ST3は、第3方向D3と第1方向D1とに伸びる。第3放熱板ST3は、第2側壁15の板支持部と板支持部との間に配置される。
加湿部261は、筐体10の内部空間SPを加湿する。加湿部261は、超音波により微細な霧を生成する。加湿部261は、制御部25によって制御される。
また、加湿部261は、例えば、第1放熱板ST1に向けて微細な霧を生成する。微細な霧を第1放熱板ST1に向けて放出することで、霧が容易に水蒸気となる。この結果、筐体10の内部空間SPの湿度を向上させることが容易となる。
温度計STは、筐体10の内部空間SPの温度を計測する。温度計STは、第1温度計S11と、第2温度計S21と、第3温度計S31とを含む。
図6に示すように、第1温度計S11は、筐体10の天壁12側に配置される。つまり、第1温度計S11は、筐体10の天壁12側の温度を計測する。図6に示すように、第2温度計S21は、筐体10の底壁13側に配置される。つまり、第2温度計S21は、筐体10の底壁13側の温度を計測する。図2に示すように、第3温度計S31は、筐体10の天壁12に配置される。具体的には、第3温度計S31は、枠体20に配置される。
湿度計SHは、筐体10の内部空間SPの湿度を計測する。湿度計SHは、第1湿度計S12と、第2湿度計S22と、第3湿度計S32とを含む。
図6に示すように、第1湿度計S12は、筐体10の天壁12側に配置される。つまり、第1湿度計S12は、筐体10の天壁12側の湿度を計測する。図6に示すように、第2湿度計S22は、筐体10の底壁13側に配置される。つまり、第2湿度計S22は、筐体10の底壁13側の湿度を計測する。図6に示すように、第3湿度計S32は、筐体10の天壁12に配置される。具体的には、第3湿度計S32は、枠体20に配置される。
第1湿度計S12、第2湿度計S22、及び、第3湿度計S32は、相対湿度を計測する。相対湿度とは、ある温度における飽和水蒸気圧に対する実際の空気の水蒸気分圧の比を示す。換言すると、相対湿度は、ある温度において空気中に含みうる最大限の水分量と比較して、どの程度水分を含んでいるかを示す。また、飽和水蒸気圧は、湿った空気の全圧のうち、水蒸気が占める圧力を示す。
例えば、筐体10の内部の温度が低くなる場合は、筐体10の内部の空気中の飽和水蒸気量が少なくなる。また、例えば、筐体10の温度が高くなる場合は、筐体10の内部の空気中の飽和水蒸気量が多くなる。よって、筐体10の内部の温度を上昇させた状態で湿度を上昇させる場合、内部の温度を上昇させる前と比較して、湿度を上昇させることが困難となる。
第2送風部38は、空気を送風する。第2送風部38は、モーターと、ファンとを含む。第2送風部38は、空気を送風することで、筐体10の内部の空気を移動させる。例えば、第2送風部38は、空気を送風することで、筐体10の内部空間SPの底壁13側の空気を天壁12側へ移動させる。筐体10の内部空間SPの空気が移動することで、筐体10の天壁12側の温度と湿度と、筐体10の底壁13側の温度と湿度とに偏りが生じることを抑制できる。つまり、筐体10の内部空間SPの温度と湿度とを均一にできる。
また、貫通孔H3が開放された状態で第2送風部38が空気を送風する場合、筐体10の内部空間SPの空気は筐体10の外部へ排出される。つまり、第2送風部38は、筐体10の内部空間SPの空気を排出する。第2送風部38は、「排気ファン」の一例に相当する。
引き続き、図6~図8を参照して乾燥装置1の制御部25を詳しく説明する。乾燥装置1の制御部25は、温度判定部251と、湿度判定部252と、加熱制御部253と、加湿制御部254とを含む。制御部25のプロセッサは、温度判定部251、湿度判定部252、加熱制御部253及び加湿制御部254として機能する。
温度判定部251は、温度計STの計測した温度に基づいて、筐体10の内部空間SPの温度が設定温度を超えるか否かを判定する。設定温度は、加熱部HTが筐体10の内部空間SPを加熱する場合の筐体10の内部空間SPの温度を示す。設定温度は、予め使用者が設定する。
湿度判定部252は、湿度計SHの計測した湿度に基づいて、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超えるか否かを判定する。設定湿度は、加湿部261が筐体10の内部空間SPを加湿する場合の筐体10の内部空間SPの湿度を示す。
粘土は乾燥することで収縮する。したがって、温度と湿度とを制御しつつ粘土を乾燥させることで、粘土の表面の乾燥の程度と粘土の内部の乾燥の程度との差を小さくできる。つまり、粘土の表面の乾燥の程度と粘土の内部の乾燥の程度との差を小さくすることで、粘土の表面の収縮の程度と、粘土の内部の収縮の程度との差を小さくできる。この結果、粘土の水分によって、成型した粘土の形状が変わったり、成型した粘土がひび割れたり、爆ぜたりすることを抑制できる。例えば、粘土の表面の乾燥の程度と粘土の内部の乾燥の程度との差が大きい場合、成形した粘土が反り、成形した粘土の形状が変わる。また、粘土を焼成する場合、粘土は収縮する。更に、水分を粘土の内部に多く含む場合、焼成によって水分が気化し、体積が大きくなることで、粘土がひび割れたり、爆ぜるたりする。
加湿制御部254は、加湿部261を制御する。具体的には、加湿制御部254は、湿度計SHと設定湿度とに基づいて、加湿部261を制御する。加湿制御部254が加湿部261を制御する場合、加湿制御部254は、湿度計SHの計測値を取得する。
具体的には、加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPの湿度計SHの計測値を取得する。つまり、第1湿度計S12の計測値と第2湿度計S22の計測値とを加湿制御部254は取得する。なお、加湿制御部254は、第1湿度計S12の計測値と第2湿度計S22の計測値との平均値を算出してもよい。また、加湿制御部254は、第1湿度計S12の計測値と第2湿度計S22の計測値とのうち、大きい値を計測値としてもよい。また、加湿制御部254は、第1湿度計S12の計測値と第2湿度計S22の計測値とのうち、小さい値を計測値としてもよい。
加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超えない場合、筐体10の内部空間SPを加湿するように、加湿部261を制御する。加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超える場合、筐体10の内部空間SPの加湿を停止するように、加湿部261を制御する。
単に粘土を乾燥した場合、粘土は乾燥している部分と水分を含む部分とが含まれる。例えば、単に加熱した場合、粘土の表面から徐々に乾燥する。このため、粘土の内部は乾燥しにくい。粘土の表面の乾燥の程度と粘土の内部の乾燥の程度とが均一でない場合、乾燥中に粘土の形状が変わったり、粘土の表面にひびができたり、焼成の際に粘土がひび割れたり、爆ぜたりする。
したがって、筐体10の内部空間SPの湿度を制御することで、粘土の表面の乾燥の程度と粘土の内部の乾燥の程度とを合わせることができる。この結果、粘土の表面の乾燥の程度と粘土の内部の乾燥の程度とを均一にできる。
また、湿度判定部252は、筐体10の内部空間SPの湿度が第1閾値よりも低いか否かを判定できる。第1閾値は、設定湿度よりも小さい値を示す。筐体10の内部空間SPの湿度が第1閾値よりも低くないと湿度判定部252が判定する場合、加湿部261が加湿を停止するように、加湿制御部254は加湿部261を制御する。また、筐体10の内部空間SPの湿度が第1閾値よりも低いと湿度判定部252が判定する場合、設定湿度になるように加湿制御部254は加湿部261を制御する。
具体的には、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超えた後に、第1閾値よりも筐体10の内部空間SPの湿度が低い場合、設定湿度になるように加湿制御部254は加湿部261を制御する。例えば、第1閾値は設定湿度の「95%」である。なお、第1閾値は、設計者の任意の値に設定できる。つまり、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超えた後に、設定湿度の「95%」よりも筐体10の内部空間SPの湿度が下がる場合、設定湿度になるように加湿制御部254は加湿部261を制御する。したがって、設定した湿度を維持できる。この結果、粘土の内部の乾燥の程度と比較して、粘土の表面が過剰に乾燥することを抑制できる。
加熱制御部253は、加熱部HTを制御する。具体的には、加熱制御部253は、温度計STと設定温度とに基づいて、加熱部HTを制御する。
具体的には、加熱制御部253は、筐体10の内部空間SPの温度計STの計測値を取得する。つまり、第1温度計S11の計測値と第2温度計S21の計測値とを加熱制御部253は取得する。なお、加熱制御部253は、第1温度計S11の計測値と第2温度計S21の計測値との平均値を算出してもよい。また、加熱制御部253は、第1温度計S11の計測値と第2温度計S21の計測値とのうち、大きい値を計測値としてもよい。また、加熱制御部253は、第1温度計S11の計測値と第2温度計S21の計測値とのうち、小さい値を計測値としてもよい。
加熱制御部253は、筐体10の内部空間SPの温度が設定温度を超えない場合、筐体10の内部空間SPを加熱するように、加熱部HTを制御する。また、加熱制御部253は、筐体10の内部空間SPの温度が設定温度を超える場合、筐体10の内部空間SPの加熱を停止するように、加熱部HTを制御する。
湿度は、温度が高いほど湿度を高くできる。つまり、筐体10の内部空間SPの湿度を上げるためには、筐体10の内部空間SPの温度を上げる必要がある。したがって、筐体10の内部空間SPの温度を上げつつ、筐体10の内部空間SPの湿度を上げることで、粘土の表面と粘土の内部との乾燥の程度とを合わせることが容易となる。この結果、粘土の表面と粘土の内部との乾燥の程度を焼成に適した状態にできる。
具体的には、加熱制御部253は、筐体10の内部空間SPの温度が設定温度を超える場合、筐体10の内部空間SPの加熱を停止するように、第1加熱部HT1を制御する。更に具体的には、加熱制御部253は、筐体10の内部空間SPの温度が設定温度を超える場合、筐体10の内部空間SPの加熱を停止するように、第1加熱部HT1のみを制御する。
本実施形態では、第1加熱部HT1は、メインヒータである。つまり、第1加熱部HT1は、第2加熱部HT2~第5加熱部HT5と比較して、出力が大きい。第1加熱部HT1を停止し、第2加熱部HT2~第5加熱部HT5が筐体10の内部空間SPを加熱することで、筐体10の内部空間SPの温度が低減することを抑制できる。この結果、筐体10の内部空間SPの温度を維持することが容易となる。
また、筐体10の内部空間SPの温度が設定温度に達した後に、第2閾値よりも筐体10の内部空間SPの温度が下がる場合、設定温度になるように加熱制御部253は加熱部HTを制御する。例えば、第2閾値は設定温度の「95%」である。なお、第1閾値は、設計者の任意の値に設定できる。つまり、筐体10の内部空間SPの温度が設定温度を超えた後に、設定温度の「95%」よりも筐体10の内部空間SPの温度が下がる場合、設定温度になるように加湿制御部254は加湿部261を制御する。したがって、設定した温度を維持できる。この結果、粘土の内部の乾燥の程度と比較して、粘土の表面が過剰に乾燥することを抑制できる。
また、温度判定部251は、記憶部24に記憶された加熱時間で設定温度に到達するか否かを判定する。この場合、温度判定部251は、筐体10の内部空間SPの温度を所定の間隔で判定する。温度判定部251が判定を行う間隔は、加熱制御部253が算出した設定温度と温度計STの計測値との差と、乾燥装置1に設定された加熱時間とに基づいて、温度判定部251が決定する。具体的には、加熱制御部253が算出した設定温度と温度計STの計測値との「差」と、乾燥装置1に設定された加熱時間とを除算する。そして、温度判定部251は、除算によって得られた商を温度判定部251が判定を行う間隔に決定する。
例えば、加熱制御部253が算出した設定温度と温度計STの計測値との差は、35℃である。また、乾燥装置1に設定された加熱時間が120分である。この場合、温度判定部251は、差の「35」を加熱時間の「120」で除算する。これにより、商は「0.29」となる。そして、温度判定部251は、算出した商と加熱時間とに基づいて、温度判定部251は、判定のタイミングを決定する。そして、温度判定部251は、判定のタイミングか否かを判定する。判定のタイミングの場合、温度判定部251は、所定温度上昇したか否かを判定する。つまり、温度判定部251は、1分毎に筐体10の内部空間SPの温度が「0.29℃」上昇したか否かを判定する。
所定期間毎に所定温度上昇したと温度判定部251が判定する場合、記憶部24に記憶された加熱時間で設定温度に到達すると温度判定部251は判定する。つまり、筐体10の内部空間SPの温度を成型した粘土を乾燥させるための温度にできる。また、所定期間毎に所定温度上昇していないと温度判定部251が判定する場合、記憶部24に記憶された加熱時間で設定温度に到達しないと温度判定部251は判定する。つまり、筐体10の内部空間SPの温度を成型した粘土を乾燥させるための温度にできない。この場合、制御部25は、表示部21が警告を表示するように、表示部21を制御する。警告は、加熱時間を再設定することを促す警告である。
引き続き、図6~図8を参照して乾燥装置1の制御部25を詳しく説明する。乾燥装置1の制御部25は、排気制御部255と、開閉制御部256とを更に含む。制御部25のプロセッサは、排気制御部255、及び、開閉制御部256として機能する。
排気制御部255は、第2送風部38を制御する。具体的には、排気制御部255は、風を送風するように、第2送風部38を制御する。また、排気制御部255は、風を送風しないように、第2送風部38を制御する。
開閉制御部256は、開閉部30を制御する。具体的には、開閉制御部256は、貫通孔H3を開放するように、開閉部30を制御する。また、開閉制御部256は、貫通孔H3を開放しないように、開閉部30を制御する。
また、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超えると湿度判定部252が判定した場合、開閉制御部256は貫通孔H3を開放するように開閉部30を制御する。また、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超えると湿度判定部252が判定した場合、排気制御部255は貫通孔H3から筐体10の内部空間SPの空気を排気するように第2送風部38を制御する。したがって、設定湿度を超えた場合、湿度を下げることができる。この結果、粘土の内部の乾燥の程度と比較して、粘土の表面が過剰に湿潤することを抑制できる。
また、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超えないと湿度判定部252が判定した場合、開閉制御部256は貫通孔H3を開放しないように開閉部30を制御する。筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超えないと湿度判定部252が判定した場合、排気制御部255は貫通孔H3から筐体10の内部空間SPの空気を排気しないように第2送風部38を制御する。よって、筐体10の内部空間SPの湿度が下がることを抑制できる。
また、湿度判定部252は、筐体10の内部空間SPの湿度が第3閾値よりも高いか否かを判定できる。第3閾値は、設定湿度よりも高い値を示す。筐体10の内部空間SPの湿度が第3閾値よりも高くないと湿度判定部252が判定する場合、加湿部261が加湿するように、加湿制御部254は加湿部261を制御する。
また、筐体10の内部空間SPの湿度が第3閾値よりも高いと湿度判定部252が判定する場合、設定湿度になるように加湿制御部254は加湿部261を制御する。
具体的には、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超えた後に、第3閾値よりも筐体10の内部空間SPの湿度が高い場合、設定湿度になるように排気制御部255は第2送風部38を制御する。更に、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超えた後に、第3閾値よりも筐体10の内部空間SPの湿度が高い場合、設定湿度になるように開閉制御部256は開閉部30を制御する。例えば、第3閾値は設定湿度の「110%」である。なお、第3閾値は、設計者の任意の値に設定できる。
更に具体的には、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超えた後に、設定湿度の「110%」よりも筐体10の内部空間SPの湿度が高くなる場合、設定湿度になるように排気制御部255は第2送風部38を制御する。つまり、排気制御部255は、第2送風部38が送風するように、第2送風部38を制御する。
更に、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度を超えた後に、設定湿度の「110%」よりも筐体10の内部空間SPの湿度が高くなる場合、設定湿度になるように開閉制御部256は開閉部30を制御する。つまり、開閉制御部256は、開閉部30が貫通孔H3を開放するように、開閉部30を制御する。したがって、設定した湿度を維持できる。この結果、粘土の内部の乾燥の程度と比較して、粘土の表面が過剰に湿潤することを抑制できる。
なお、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度になった場合、第2送風部38が送風を停止するように、排気制御部255は第2送風部38を制御する。更に、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度になった場合、開閉部30が貫通孔H3を閉塞するように、開閉制御部256は開閉部30を制御する。したがって、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度よりも下がることを抑制できる。
また、図8に示すように、制御部25は、実行部257を更に有する。制御部25のプロセッサは、実行部257として機能する。
実行部257は、乾燥プログラムを実行する。乾燥プログラムは、第1処理と、第2処理と、第3処理とを含む。実行部257は、第1処理と、第2処理と、第3処理と順番に実行する。
第1処理は、加熱部HTを制御する処理と、加湿部261を制御する処理とを含む。第1処理が含む加熱部HTを制御する処理では、筐体10の内部空間SPの温度を第1温度にする。つまり、筐体10の内部空間SPの温度が第1温度になるように、加熱制御部253が加熱部HTを制御する。第1処理が含む加湿部261を制御する処理は、筐体10の内部空間SPの湿度を第1湿度にする。つまり、筐体10の内部空間SPの湿度が第1湿度になるように、加湿制御部254が加湿部261を制御する。
第2処理は、加熱部HTを制御する処理と、加湿部261を制御する処理とを含む。第2処理が含む加熱部HTを制御する処理では、筐体10の内部空間SPの温度を第1温度にする。つまり、筐体10の内部空間SPの温度が第1温度になるように、加熱制御部253が加熱部HTを制御する。第2処理が含む加湿部261を制御する処理は、筐体10の内部空間SPの湿度を第2湿度にする。つまり、筐体10の内部空間SPの湿度が第2湿度になるように、加湿制御部254が加湿部261を制御する。第2湿度は、第1湿度よりも小さい。
第3処理は、加熱部HTを制御する処理と、加湿部261を制御する処理とを含む。第3処理が含む加熱部HTを制御する処理では、筐体10の内部空間SPの温度を第3温度にする。つまり、筐体10の内部空間SPの温度が第3温度になるように、加熱制御部253が加熱部HTを制御する。第3処理が含む加湿部261を制御する処理は、筐体10の内部空間SPの湿度を第3湿度にする。つまり、筐体10の内部空間SPの湿度が第3湿度になるように、加湿制御部254が加湿部261を制御する。第3湿度は、第2湿度よりも小さい。
第1処理では、第2処理及び第3処理と比較して湿度が高い。第1処理において、湿度を高くすることで粘土の表面が粘土の内部より過剰に乾くことを抑制できる。第2処理では、第1処理と比較して湿度は低い。第1処理を経ることで、粘土の表面の乾燥の程度と粘土の内部の乾燥の程度とが略一致する。つまり、粘土に含まれる水分量が粘土の表面と粘土の内部とで均一な状態となっている。よって、第2処理において、湿度を第1処理より低くすることで、粘土の表面の乾燥の程度と粘土の内部の乾燥の程度と合わせた状態で乾燥を開始できる。第3処理では、第2処理と比較して湿度は低い。第3処理において、湿度を第2処理よりも低くすることで、粘土の表面と粘土の内部とを更に乾燥できる。したがって、第1処理から第3処理を順番に実行することで、粘土の表面の乾燥の程度と、粘土の内部の乾燥の程度とを合わせることができる。この結果、粘土を焼成する際に、粘土のひび割れや粘土が爆ぜることを抑制できる。
次に、図6~図9を参照して、乾燥装置1を更に詳しく説明する。図9は、本実施形態の乾燥装置1の表示部21に表示された乾燥処理の設定画像G1を示す。乾燥処理の設定画像G1は、乾燥装置1の設定画面を示す。設定画面では、筐体10の内部空間SPの設定温度、加熱部HTが筐体10の内部空間SPを加熱する加熱時間、及び、筐体10の内部空間SPの設定湿度が示される。
乾燥処理の設定画像G1は、第1画像G101、第2画像G102、第3画像G103、第4画像G104、第5画像G105、第6画像G106、第7画像G107、第8画像G108、第9画像G109、第11画像G111、第12画像G112、及び、第13画像G114を含む。
第1画像G101は、西暦と、日付と、時間とを含む。図9では、西暦は「2021」である。日付は、「01/02」である。時間は、「10:19:14」である。
第2画像G102は、第3温度計S31の計測結果を示す。つまり、第2画像G102は、筐体10の外部の温度を示す。第2画像G102が示す温度は、「17℃」である。
第3画像G103は、第3湿度計S32の計測結果を示す。つまり、第3画像G103は、筐体10の外部の湿度を示す。第3画像G103が示す湿度は、「33%」である。
第4画像G104は、第1温度計S11の計測結果と第2温度計S21の計測結果との平均値を示す。つまり、第4画像G104は、筐体10の内部空間SPの温度を示す。第4画像G104が示す温度は、「20℃」である。
第5画像G105は、第1湿度計S12の計測結果と第2湿度計S22の計測結果との平均値を示す。つまり、第5画像G105は、筐体10の内部空間SPの湿度を示す。第5画像G105が示す湿度は、「11%」である。
第6画像G106は、第1温度計S11の計測結果を示す。つまり、第6画像G106は、筐体10の内部空間SPの上部の温度を示す。第6画像G106が示す温度は、「20℃」である。
第7画像G107は、第1湿度計S12の計測結果を示す。つまり、第7画像G107は、筐体10の内部空間SPの上部の湿度を示す。第7画像G107が示す湿度は、「12%」である。
第8画像G108は、第2温度計S21の計測結果を示す。つまり、第8画像G108は、筐体10の内部空間SPの下部の温度を示す。第8画像G108が示す温度は、「20℃」である。
第9画像G109は、第2湿度計S22の計測結果を示す。つまり、第9画像G109は、筐体10の内部空間SPの下部の湿度を示す。第9画像G109が示す湿度は、「11%」である。
第11画像G111は、設定温度を示す。第12画像G112は、設定湿度を示す。第13画像G114は、乾燥装置1が実行する処理の時間を示す。
図9に示すように、乾燥処理の設定画像G1は、選択画像G115、第1設定画像G120、第2設定画像G130、及び、第3設定画像G140を更に含む。選択画像G115は、使用者の操作を受け付ける。具体的には、選択画像G115は、使用者の操作に応じて、第1設定画像G120、第2設定画像G130、及び、第3設定画像G140を選択できる。
第1設定画像G120は、第1処理における設定温度、設定湿度、及び、設定時間を設定するための画像である。第1設定画像G120は、第1温度画像G121と、第1湿度画像G122と、第1時間画像G124とを含む。
第1温度画像G121は、第1処理における設定温度を示す画像である。第1処理における設定温度は、「55℃」を示す。第1処理における設定温度は、「第1温度」の一例に相当する。第1湿度画像G122は、第1処理における設定湿度を示す画像である。第1処理における設定湿度は、「85%」を示す。第1処理における設定湿度は、「第1湿度」の一例に相当する。第1時間画像G124は、第1処理における設定時間を示す画像である。第1処理における設定時間は、「120分」を示す。設定時間は、設定温度と設定湿度とを維持する時間である。つまり、第1処理では、設定温度と設定湿度とを「120分」の期間だけ維持する。第1処理における設定温度、第1処理における設定湿度、及び、第1処理における設定時間は、記憶部24に記憶される。
第2設定画像G130は、第2処理における設定温度、設定湿度、及び、設定時間を設定するための画像である。第2設定画像G130は、第2温度画像G131と、第2湿度画像G132と、第2時間画像G134とを含む。
第2温度画像G131は、第2処理における設定温度を示す画像である。第2処理における設定温度は、「55℃」を示す。第2湿度画像G132は、第2処理における設定湿度を示す画像である。第2処理における設定湿度は、「65%」を示す。第2処理における設定湿度は、「第2湿度」の一例に相当する。第2時間画像G134は、第2処理における設定時間を示す画像である。第2処理における設定時間は、「360分」を示す。つまり、第2処理では、設定温度と設定湿度とを「360分」の期間だけ維持する。第2処理における設定温度、第2処理における設定湿度、及び、第2処理における設定時間は、記憶部24に記憶される。
第3設定画像G140は、第3処理における設定温度、設定湿度、及び、設定時間を設定するための画像である。第3設定画像G140は、第3温度画像G141と、第3湿度画像G142と、第3時間画像G144とを含む。
第3温度画像G141は、第2処理における設定温度を示す画像である。第3処理における設定温度は、「90℃」を示す。第3処理における設定温度は、第1処理における設定温度よりも高い。第3処理における設定温度は、「第2温度」の一例を示す。第3湿度画像G142は、第2処理における設定湿度を示す画像である。第3処理における設定湿度は、「15%」を示す。第3処理における設定湿度は、「第3湿度」の一例に相当する。第3時間画像G144は、第2処理における設定時間を示す画像である。第3処理における設定時間は、「720分」を示す。つまり、第3処理では、設定温度と設定湿度とを「720分」の期間だけ維持する。第3処理における設定温度、第3処理における設定湿度、及び、第3処理における設定時間は、記憶部24に記憶される。
なお、図示しないが表示部21には、テンキーが表示されてもよい。テンキーは、0~9の数値を含む。テンキーは、使用者の操作を受け付ける。テンキーの選択された位置に応じて、数値が入力される。
次に、図9を参照して、第1処理~第3処理の一例を詳しく説明する。使用者は、乾燥装置1の操作部22を操作して、乾燥装置1の表示部21に乾燥処理の設定画像G1を表示させる。制御部25は、記憶部24に記憶された乾燥プログラムに基づいて、第1設定画像G120、第2設定画像G130、及び、第3設定画像G140を表示する。また、記憶部24に記憶されたデータを参照して、制御部25は、第1温度画像G121、第1湿度画像G122、第1時間画像G124、第2温度画像G131、第2湿度画像G132、第2時間画像G134、第3温度画像G141、第3湿度画像G142、及び、第3時間画像G144を表示するように、表示部21を制御する。
次に、実行部257は、乾燥処理を実行する。乾燥処理は成形された粘土を乾燥させる処理である。乾燥処理は、第1処理、第2処理、第3処理を含む。具体的には、実行部257は、第1処理、第2処理、第3処理を順番に実行する。加熱制御部253は、第1温度画像G121が示す設定温度に基づいて、加熱部HTを制御する。
第1処理における加熱制御部253は、筐体10の内部空間SPの温度が、第1温度画像G121が示す値「55℃」になるように、加熱部HTを制御する。具体的には、加熱制御部253は、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5が筐体10の内部空間SPを加熱するように、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5を制御する。
また、温度判定部251は、温度計STが計測した値と第1温度画像G121が示す値とに基づいて、筐体10の内部空間SPの温度が第1温度画像G121が示す値「55℃」を超えるか否かを判定する。第1温度画像G121が示す値「55℃」を超えないと温度判定部251が判定する場合、加熱制御部253は、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5が筐体10の内部空間SPを加熱するように、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5を制御する。また、第1温度画像G121が示す値「55℃」を超えると温度判定部251が判定する場合、加熱制御部253は、第2加熱部HT2~第5加熱部HT5が筐体10の内部空間SPを加熱するように、第2加熱部HT2~第5加熱部HT5を制御する。つまり、加熱制御部253は、第1加熱部HT1を停止させる。
そして、加熱制御部253は、第1時間画像G124が示す値「120分」に基づいて、筐体10の内部空間SPの温度を第1温度画像G121が示す値「55℃」に維持する。つまり、加熱制御部253は、筐体10の内部空間SPの温度を55℃まで上昇させ、55℃の状態を120分間だけ維持する。
なお、筐体10の内部空間SPの温度を維持する場合、温度計STの計測値と第2閾値とに基づいて、温度判定部251は判定をおこなう。
例えば、筐体10の内部空間SPの温度が第1温度画像G121が示す温度「55℃」に達した後に、第2閾値よりも筐体10の内部空間SPの温度が下がる場合、第1温度画像G121が示す温度「55℃」になるように加熱制御部253は加熱部HTを制御する。例えば、第2閾値は、設定温度の「95%」である。つまり、筐体10の内部空間SPの温度が第1温度画像G121が示す温度「55℃」に達した後に、「52.3℃」よりも筐体10の内部空間SPの温度が下がる場合、第1温度画像G121が示す温度「55℃」になるように加熱制御部253は加熱部HTを制御する。
第1処理における加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPの湿度が第1湿度画像G122が示す値「85%」になるように、加湿部261を制御する。
また、湿度判定部252は、湿度計SHが計測した値と第1湿度画像G122が示す値とに基づいて、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度「85%」を超えるか否かを判定する。筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度「85%」を超えると湿度判定部252が判定する場合、加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPの加湿を停止するように、加湿部261を制御する。筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度「85%」を超えないと湿度判定部252が判定する場合、加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPを加湿するように、加湿部261を制御する。
そして、加湿制御部254は、第1時間画像G124が示す値「120分」に基づいて、筐体10の内部空間SPの湿度を第1湿度画像G122が示す値「85%」に維持する。つまり、加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPの湿度を85%まで上昇させ、85%の状態を120分間だけ維持する。
なお、筐体10の内部空間SPの湿度を維持する場合、湿度計SHの計測値と第1閾値とに基づいて、湿度判定部252は判定をおこなう。また、筐体10の内部空間SPの温度を維持する場合、湿度計SHの計測値と第3閾値とに基づいて、湿度判定部252は判定をおこなう
例えば、筐体10の内部空間SPの湿度が第1湿度画像G122が示す湿度「85%」に達した後に、第1閾値よりも筐体10の内部空間SPの湿度が下がる場合、第1湿度画像G122が示す湿度「85%」になるように加湿制御部254は加湿部261を制御する。例えば、第1閾値は、設定湿度の「95%」である。つまり、筐体10の内部空間SPの湿度が第1湿度画像G122が示す温度「85%」に達した後に、「80.8%」よりも筐体10の内部空間SPの湿度が下がる場合、第1湿度画像G122が示す湿度「85%」になるように加湿制御部254は加湿部261を制御する。
また、例えば、筐体10の内部空間SPの湿度が第1湿度画像G122が示す湿度「85%」に達した後に、第3閾値よりも筐体10の内部空間SPの湿度が上がる場合、第1湿度画像G122が示す湿度「85%」になるように加熱制御部253は加熱部HTを制御する。例えば、第3閾値は、設定湿度の「110%」である。つまり、筐体10の内部空間SPの湿度が第1湿度画像G122が示す湿度「85%」に達した後に、「93.5%」よりも筐体10の内部空間SPの湿度が上がる場合、第1湿度画像G122が示す湿度「85%」になるように、排気制御部255は第2送風部38を制御する。つまり、排気制御部255は、第2送風部38が送風するように、第2送風部38を制御する。更に、開閉制御部256は、開閉部30が貫通孔H3を開放するように、開閉部30を制御する。したがって、設定した湿度を維持できる。
第1処理では、成形された粘土の表面の乾燥の程度と、粘土の内部の乾燥の程度とを合わせる。具体的には、粘土の内部と比較して、粘土の表面が過剰に乾燥することを抑制する。換言すると、粘土の表面の含水率と、粘土の内部の含水率とを略一致させながら、粘土を乾燥させる。
第1処理を実行し、第1時間画像G124が示す値「120分」が経過した場合、実行部257は、第2処理を実行する。
第2処理における加熱制御部253は、第2時間画像G134が示す値「360分」に基づいて、筐体10の内部空間SPの温度を第2温度画像G131が示す値「55℃」に維持する。第1処理において、筐体10の内部空間SPの温度が、第2温度画像G131が示す温度まで上昇しているためである。また、筐体10の内部空間SPの温度が第2温度画像G131が示す温度と異なる場合は、第1処理で説明したように加熱制御部253は、加熱部HTを制御する。
なお、筐体10の内部空間SPの温度が設定温度に達して、第2温度画像G131が示す値を第2時間画像G134が示す値「360分」だけ維持する制御は、第1処理と同様のため省略する。
また、第2処理の湿度は、第1処理の湿度よりも小さい。よって、排気制御部255は、湿度計SHの計測値に基づいて、第2送風部38が送風するように、第2送風部38を制御する。更に、開閉制御部256は、湿度計SHの計測値に基づいて、開閉部30が貫通孔H3を開放するように、開閉部30を制御する。これにより、筐体10の内部空間SPの湿度を第1湿度画像G122が示す値「85%」から第2湿度画像G132が示す値「65%」まで低減できる。
なお、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度に達して、第2湿度画像G132が示す値を「360分」だけ維持する制御は、第1処理と同様のため省略する。
第2処理では、粘土の表面と粘土の内部とを更に乾燥させる。第2処理では、第1処理よりも低い湿度に設定され、第1処理よりも長い時間をかけて、粘土の表面と粘土の内部とから水分を除く。
第2処理を実行し、第2時間画像G134が示す値「360分」が経過した場合、実行部257は、第3処理を実行する。
第3処理における加熱制御部253は、筐体10の内部空間SPの温度が、第3温度画像G141が示す値「90℃」になるように、加熱部HTを制御する。具体的には、加熱制御部253は、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5が筐体10の内部空間SPを加熱するように、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5を制御する。第3処理の設定温度まで筐体10の内部空間SPを加熱する制御は、第1処理と同様のため省略する。また、筐体10の内部空間SPの温度が設定温度に達して、第3温度画像G141が示す値を第3時間画像G144が示す値「720分」だけ維持する制御は、第1処理と同様のため省略する。
また、第3処理の湿度は、第2処理の湿度よりも小さい。よって、排気制御部255は、湿度計SHの計測値に基づいて、第2送風部38が送風するように、第2送風部38を制御する。更に、開閉制御部256は、湿度計SHの計測値に基づいて、開閉部30が貫通孔H3を開放するように、開閉部30を制御する。これにより、筐体10の内部空間SPの湿度を第2湿度画像G132が示す値「65%」から第3湿度画像G142が示す値「15%」まで低減できる。
なお、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度に達して、第3湿度画像G142が示す値を「720分」だけ維持する制御は、第1処理と同様のため省略する。
第3処理では、粘土の表面と粘土の内部とを焼成可能な程度に乾燥させる。第3処理は、第2処理よりも高い温度と低い湿度と設定され、第2処理よりも長い時間をかけて、粘土の表面と粘土の内部とから水分を除く。
次に、図8~図10を参照して、本実施形態の乾燥装置1の乾燥処理を詳しく説明する。図10は、乾燥装置1が実行する乾燥処理を示すフローチャートである。乾燥処理のフローチャートは、第1処理、第2処理、第3処理とのそれぞれで実施される。乾燥処理は、ステップS101~ステップS115を含む。
ステップS101において、制御部25は、第1送風部28は空気を送風する。第1送風部28が空気を送風することで、筐体10の内部空間SPの空気が循環する。処理はステップS102に進む。
ステップS102において、加熱制御部253は、第1処理の設定温度に基づいて、筐体10の内部空間SPを加熱するように、加熱部HTを制御する。また、加湿制御部254は、第1処理の設定湿度に基づいて、筐体10の内部空間SPを加湿するように、加湿部261を制御する。処理はステップS103に進む。
ステップS103において、温度判定部251は、判定のタイミングか否かを判定する。判定のタイミングでない場合(ステップS103においてNo)、処理はステップS103に戻る。判定のタイミングである場合(ステップS103においてYes)、処理はステップS104に進む。
ステップS103でYesの場合、ステップS104において、温度判定部251は、温度計STの計測値に基づいて、筐体10の内部空間SPの温度が第1処理の設定温度を超えるか否かを判定する。筐体10の内部空間SPの温度が第1処理の設定温度を超えない場合(ステップS104においてNo)、処理はステップS111に進む。筐体10の内部空間SPの温度が第1処理の設定温度を超える場合(ステップS104においてYes)、処理はステップS105に進む。
ステップS104でYesの場合、ステップS105において、加熱制御部253は、加熱部HTが加熱を停止するように、加熱部HTを制御する。処理はステップS106に進む。
ステップS106において、湿度判定部252は、湿度計SHの計測値に基づいて、筐体10の内部空間SPの湿度が第1処理の設定湿度を超えるか否かを判定する。第1処理の設定湿度を超えない場合(ステップS106においてNo)、処理はステップS103に戻る。第1処理の設定湿度を超える場合(ステップS106においてYes)、処理はステップS107に進む。
ステップS106でYesの場合、ステップS107において、加湿制御部254は、加湿部261が加湿を停止するように、加湿部261を制御する。処理はステップS108に進む。
ステップS108において、湿度判定部252は、湿度計SHの計測値に基づいて、筐体10の内部空間SPの湿度が第3閾値を超えるか否かを判定する。筐体10の内部空間SPの湿度が第3閾値を超える場合(ステップS108においてYes)、処理はステップS114に進む。筐体10の内部空間SPの湿度が第3閾値を超えない場合(ステップS108においてNo)、処理はステップS109に進む。
ステップS108でNoの場合、ステップS109において、制御部25は、設定時間を経過したか否かを判定する。設定時間を経過しない場合(ステップS109においてNo)、処理はステップS103に戻る。設定時間を経過した場合(ステップS109においてYes)、処理は終了する。
ステップS104でNoの場合、ステップS111において、湿度判定部252は、湿度計SHの計測値に基づいて、筐体10の内部空間SPの湿度が第1処理の設定湿度を超えるか否かを判定する。第1処理の設定湿度を超えない場合(ステップS111においてNo)、処理はステップS103に戻る。第1処理の設定湿度を超える場合(ステップS111においてYes)、処理はステップS112に進む。
ステップS111でYesの場合、ステップS112において、加湿制御部254は、加湿部261が加湿を停止するように、加湿部261を制御する。処理はステップS113に進む。
ステップS113において、湿度判定部252は、湿度計SHの計測値に基づいて、筐体10の内部空間SPの湿度が第3閾値を超えるか否かを判定する。筐体10の内部空間SPの湿度が第3閾値を超えない場合(ステップS113においてNo)、処理はステップS103に戻る。筐体10の内部空間SPの湿度が第3閾値を超える場合(ステップS113においてYes)、処理はステップS114に進む。
ステップS108でYesの場合、ステップS113でYesの場合、ステップS114において、排気制御部255は、風を送風するように、第2送風部38を制御する。処理はステップS115に進む。
なお、筐体10の内部空間SPの湿度が第3閾値を超えないと湿度判定部252が判定する場合、排気制御部255は、第2送風部38が風の送風を停止するように、第2送風部38を制御する。
ステップS115において、開閉制御部256は、貫通孔H3を開放するように、開閉部30を制御する。処理はステップS103に戻る。
なお、筐体10の内部空間SPの湿度が第3閾値を超えないと湿度判定部252が判定する場合、開閉制御部256は貫通孔H3を閉塞するように、開閉部30を制御する。
また、図9に示す乾燥処理は、第2処理及び第3処理でも実施される。例えば、図9に示す乾燥処理にしたがって第2処理を実行する場合、ステップS102の第1処理、ステップS104の第1処理、ステップS106の第1処理、及び、ステップS111の第1処理を第2処理と読み替えることが可能である。また、例えば、図9に示す乾燥処理にしたがって第3処理を実行する場合、ステップS102の第1処理、ステップS104の第1処理、ステップS106の第1処理、及び、ステップS111の第1処理を第3処理と読み替えることが可能である。
次に図8と図11とを参照して、乾燥処理前に実施される予熱処理と、粘土を成型する前に実施される作業前処理とを説明する。図11は、本実施形態の乾燥装置1の表示部21に表示された設定画像G3を示す。設定画像G3は、乾燥装置1の予熱処理の設定画面を含む。予熱処理は、乾燥装置1の筐体10に成形された粘土を収容する前に、予め筐体10の内部空間SPの温度と湿度とを調整する処理である。
設定画像G3は、第1画像G101、第2画像G102、第3画像G103、第4画像G104、第5画像G105、第6画像G106、第7画像G107、第8画像G108、第9画像G109、第11画像G111、第12画像G112、及び、第13画像G114を含む。
設定画像G3は、選択画像G115、第4設定画像G150を更に含む。
第4設定画像G150は、予熱処理における設定温度、設定湿度、及び、設定時間を設定するための画像である。第4設定画像G150は、第4温度画像G151と、第4湿度画像G152と、第4時間画像G154とを含む。
第4温度画像G151は、予熱処理における設定温度を示す画像である。予熱処理における設定温度は、「55℃」を示す。第4湿度画像G152は、予熱処理における設定湿度を示す画像である。予熱処理における設定湿度は、「60%」を示す。第4時間画像G154とは、予熱処理における設定時間を示す画像である。予熱処理における設定時間は、「0分」を示す。予熱処理における設定温度、予熱処理における設定湿度、及び、予熱処理における設定時間は、記憶部24に記憶される。
本実施形態の実行部257は、予熱処理を更に実行する。具体的には、操作部22が予熱処理のコマンドを使用者から受け付けた場合、実行部257は、予熱処理を実行する。
予熱処理における加熱制御部253は、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5が筐体10の内部空間SPを加熱するように、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5を制御する。
また、温度判定部251は、温度計STが計測した値と第4温度画像G151が示す値とに基づいて、筐体10の内部空間SPの温度が第4温度画像G151が示す値「55℃」を超えるか否かを判定する。第4温度画像G151が示す値「55℃」を超えないと温度判定部251が判定する場合、加熱制御部253は、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5が筐体10の内部空間SPを加熱するように、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5を制御する。また、第4温度画像G151が示す値「55℃」を超えると温度判定部251が判定する場合、加熱制御部253は、第2加熱部HT2~第5加熱部HT5が筐体10の内部空間SPを加熱するように、第2加熱部HT2~第5加熱部HT5を制御する。つまり、加熱制御部253は、第1加熱部HT1を停止させる。
予熱処理における加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPの湿度が第4湿度画像G152が示す値「60%」になるように、加湿部261を制御する。湿度判定部252は、湿度計SHが計測した値と第4湿度画像G152が示す値とに基づいて、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度「60%」を超えるか否かを判定する。筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度「60%」を超えると湿度判定部252が判定する場合、加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPの加湿を停止するように、加湿部261を制御する。筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度「60%」を超えないと湿度判定部252が判定する場合、加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPを加湿するように、加湿部261を制御する。
よって、乾燥装置1が乾燥処理を実行する前に、予熱処理を実行できる。このため、第1処理を実行する際に、筐体10の内部空間SPの温度と湿度とを上昇させることができる。つまり、第1温度画像G121が示す値と、第1湿度画像G122が示す値とに容易に到達可能となる。
また、図11に示すように、設定画像G3は、乾燥装置1の作業前処理の設定画面を含む。作業前処理は、粘土を成形する前に実施する処理である。例えば、粘土を乾燥させた方が粘土の成形が容易となる場合がある。このような場合、作業前処理が実施される。
設定画像G3は、第5設定画像G160を更に含む。第5設定画像G160は、作業前処理における設定温度、設定湿度、及び、設定時間を設定するための画像である。第5設定画像G160は、第5温度画像G161と、第5湿度画像G162と、第5時間画像G164とを含む。
第5温度画像G161は、作業前処理における設定温度を示す画像である。作業前処理における設定温度は、「50℃」を示す。第5湿度画像G162は、作業前処理における設定湿度を示す画像である。作業前処理における設定湿度は、「55%」を示す。第5時間画像G164とは、作業前処理における設定時間を示す画像である。作業前処理における設定時間は、「20分」を示す。作業前処理における設定温度、作業前処理における設定湿度、及び、予熱処理における設定時間は、記憶部24に記憶される。
本実施形態の実行部257は、作業前処理を更に実行する。具体的には、操作部22が作業前処理のコマンドを使用者から受け付けた場合、実行部257は、作業前処理を実行する。
作業前処理における加熱制御部253は、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5が筐体10の内部空間SPを加熱するように、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5を制御する。
また、温度判定部251は、温度計STが計測した値と第5温度画像G161が示す値とに基づいて、筐体10の内部空間SPの温度が第5温度画像G161が示す値「50℃」を超えるか否かを判定する。第5温度画像G161が示す値「50℃」を超えないと温度判定部251が判定する場合、加熱制御部253は、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5が筐体10の内部空間SPを加熱するように、第1加熱部HT1~第5加熱部HT5を制御する。また、第5温度画像G161が示す値「50℃」を超えると温度判定部251が判定する場合、加熱制御部253は、第2加熱部HT2~第5加熱部HT5が筐体10の内部空間SPを加熱するように、第2加熱部HT2~第5加熱部HT5を制御する。つまり、加熱制御部253は、第1加熱部HT1を停止させる。
そして、加熱制御部253は、第5時間画像G164が示す値「20分」に基づいて、筐体10の内部空間SPの温度を第5温度画像G161が示す値「50℃」に維持する。つまり、加熱制御部253は、筐体10の内部空間SPの温度を50℃まで上昇させ、50℃の状態を20分間だけ維持する。
作業前処理における加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPの湿度が第5湿度画像G162が示す値「55%」になるように、加湿部261を制御する。湿度判定部252は、湿度計SHが計測した値と第5湿度画像G162が示す値とに基づいて、筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度「55%」を超えるか否かを判定する。筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度「55%」を超えると湿度判定部252が判定する場合、加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPの加湿を停止するように、加湿部261を制御する。筐体10の内部空間SPの湿度が設定湿度「55%」を超えないと湿度判定部252が判定する場合、加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPを加湿するように、加湿部261を制御する。
そして、加湿制御部254は、第5時間画像G164が示す値「20分」に基づいて、筐体10の内部空間SPの湿度を第5湿度画像G162が示す値「55%」に維持する。つまり、加湿制御部254は、筐体10の内部空間SPの湿度を55%まで上昇させ、55%の状態を20分間だけ維持する。
よって、成形に適した乾燥の程度になるように、粘土を乾燥させることができる。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)本実施形態では、板支持部が3つの例を開示したが、これに限らない。例えば、板支持部が1つであってもよいし、板支持部が4つ以上でもよい。また、板支持部と同様に棚板は3つに限らない。つまり、棚板が1つであってもよいし、棚板が4つ以上でもよい。
(2)本実施形態では、加湿部261は、第1放熱板ST1に向けて噴霧したが、これに限らない。例えば、加湿部261は、第2放熱板ST2に向けて噴霧してよい。また、例えば、加湿部261は、第3放熱板ST3に向けて噴霧してもよい。
(3)また、本実施形態の加湿制御部254は、設定湿度と湿度計SHの計測値との差を算出してもよい。そして、加湿制御部254は、算出した差に基づいて、設定湿度になるように、加湿部261を制御する。
(4)また、本実施形態の加熱制御部253は、設定温度と温度計STの計測値との差を算出してもよい。加熱制御部253が温度計STを制御する場合、加熱制御部253は、温度計STの計測値を取得する。更に、加熱制御部253は、設定温度と温度計STの計測値との差を算出する。そして、加熱制御部253は、算出した差に基づいて、加熱部HTが筐体10の内部空間SPを加熱する期間を算出する。加熱制御部253は、算出した期間だけ加熱部HTが筐体10の内部空間SPを加熱するように、加熱部HTを制御する。
(5)また、本実施形態の乾燥装置1は、通信部26が携帯端末と通信してもよい。携帯端末は、例えば、スマートフォンである。例えば、通信部26は、携帯端末に画像情報を送信する。画像情報は、例えば、設定画像である。携帯端末は、携帯端末が有する表示部に図9に示す設定画像を表示してもよい。また、設定画像に基づいて、操作された情報は、通信部26に携帯端末が送信する。通信部26は、設定画像が操作された情報を受信する。操作された情報に基づいて、制御部25は乾燥装置1の各部を制御する。