JP2003322313A - ア−ク炉における酸素バーナ - Google Patents

ア−ク炉における酸素バーナ

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JP2003322313A
JP2003322313A JP2002130798A JP2002130798A JP2003322313A JP 2003322313 A JP2003322313 A JP 2003322313A JP 2002130798 A JP2002130798 A JP 2002130798A JP 2002130798 A JP2002130798 A JP 2002130798A JP 2003322313 A JP2003322313 A JP 2003322313A
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oxygen
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furnace
combustion
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Kiyosuke Mori
喜代助 森
Masaru Kanekawa
賢 兼川
Hirofumi Nakane
裕文 中根
Masashige Kokubu
誠栄 國分
Tsugutoshi Maeda
次俊 前田
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Chugai Ro Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Chugai Ro Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属材料を溶解するアーク炉において溶解初
期からバーナ燃焼が行えバーナ効率を向上させるととも
に、予熱炉にて使用する場合も確実に燃料を燃焼させ、
安全にバーナ燃焼を行えるバーナ装置を提供する。 【解決手段】金属材料を溶解するアーク炉の炉壁の外方
に設けられ、燃料を酸素とともに燃焼させた燃焼炎を前
記炉壁内に向けて噴射して金属材料の加熱および/また
は溶解を促進させる酸素バーナにおいて、前記酸素バー
ナの中心部から第1の燃料を噴出させる第1の燃料噴出
管と、該第1の燃料噴出管の外周部から第1の酸素ガス
を噴出させる第1の酸素噴出管と、該酸素噴出管の外周
部から第2の燃料を噴出させる第2の燃料噴出管と、該
第2の燃料噴出管の外周部から第2の酸素ガスを噴出さ
せる第2の酸素噴出管とを有し、前記アーク炉のパネル
に設けた開孔と、該パネルの外面に取り付けた取り付け
座とで挿通孔を形成するとともに、前記バーナの先端部
を前記挿通孔に取り付けることを特徴とするアーク炉用
の酸素バーナ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料の溶解、
溶融金属の精錬に使用されるアーク炉の炉壁に設けられ
る酸素バ−ナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、スクラップ等の金属材料を溶解す
るアーク炉において、電気による溶解のみでなく、その
電力費用を削減するため、アーク炉の電源供給設備を1
基、金属材料を装入する炉体を2基有し、片側で電気に
よる溶解を行い、もう一方の炉で溶解側の炉から排出さ
れる排ガス、または炉の上部に設置される蓋に取り付け
られたバーナにより金属材料の予熱を行う1電源2炉方
式のアーク炉が実用化されており、更なる電力費用の削
減のため、炉壁に取り付けられる各種のバーナが使用さ
れている。
【0003】この炉壁に取り付けられるバーナにて予熱
側の炉に装入された金属材料を予熱,加熱するためのバ
ーナとして、特開昭59−202388公報には、燃焼
用チップを有するバーナボディーとは別にシールバーを
備え、燃焼時間帯は炉壁のバーナ挿通孔にバーナチップ
を挿通させ、燃焼休止時間帯はバーナチップをバーナ挿
通孔より抜き出し、その代わりにシールバーを挿通する
バーナ装置が開示されている。本バーナ装置によれば、
バーナチップをバーナ挿通孔より抜き出した際に、炉壁
の外部に補助バーナを設置することにより外部にて燃焼
を開始することが可能となる。
【0004】また、特開平10−9524公報には、中
心部より酸素ガスを噴出する酸素噴出管と、この噴出管
の外周部より燃料を噴出する燃料噴出管と、またこの燃
料噴出管の外周部より燃焼用酸素ガスを噴出する燃焼用
酸素ガス噴出管の三重管で構成し、酸素ガス噴出管の先
端に絞り部を設け、燃料噴出管と燃焼用酸素噴出管とで
形成される環状空間に旋回羽根を介設するバーナ装置が
開示されている。さらに、特開2000−171158
公報には、金属溶解炉の炉壁の外方に設けられ、炉壁内
に向けて先端部から燃焼炎を噴出するバーナ本体と、大
略的に燃焼炎の噴射方向に沿って延びる筒状の形状を有
し、基端側がバーナ本体の少なくとも先端部を外囲し、
先端部が溶解炉の炉壁に形成される挿通孔に挿通される
燃焼筒とを含み、バーナ本体の先端部から燃焼筒の先端
側までの長さaに対する燃焼炎の長さbの比率R(=b
/a)が0.2≦R≦2.0の範囲に選ばれるバーナ装
置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、前述のよ
うに、前記先行技術の各種バーナ装置は、バーナ先端部
に燃料を燃焼させるための着火熱源が存在しないため、
電気にて溶解している溶解炉側ではアークによる火花が
飛んでくる溶解中期以降に使用は可能であるが、原料を
アーク炉内に装入した溶解初期にバーナ挿通孔前面部に
スクラップ等の金属材料が存在すると、燃焼せずに燃料
が噴出するのみで金属材料の溶解促進に貢献する割合が
減少するという問題点があった。
【0006】さらに、1電源2炉方式のアーク炉におい
ては、予熱炉側でバーナを使用する場合は、スクラップ
上層面の排ガス,または炉蓋に設置されたバーナによる
着火熱源は存在するが、スクラップ中層以下の部位には
熱源が存在しないため、やはり燃料が燃焼せずに溶解炉
内部に噴出されるのみとなり、特にガス燃料の場合は、
未燃焼ガスが炉内に充満し、突然爆発する危険性があ
る。従って、予熱炉側でもバーナを使用する場合は、溶
解炉側で溶解終了後も常に燃焼させておく必要がある。
通常、溶解炉で使用する場合は約200〜400m3
(Normal)/Hrの燃料を燃焼させるため、燃焼
量を低下させても約1/10の20〜40m3(Nor
mal)/Hr燃焼させる必要があり、非常に経済性が
悪い。さらに、燃焼させたまま金属材料を炉内に装入さ
せた場合、燃焼量を低下させたことにより燃焼炎の吐出
速度が弱いため、装入時の衝撃および突風にて燃焼炎が
吹き消される可能性が高いという問題点があった。
【0007】また、バーナチップを炉外に抜き出し外部
にて補助バーナにて着火せることができるバーナ装置で
は、挿通孔とバーナチップ外周部との隙間から炎が漏
れ、バーナ周辺のホース,ケーブル等が焼損する確立が
高い。また、構造が複雑なためメンテナンス費用が増加
する。さらに、バーナ本体と燃焼筒とを有するバーナに
おいては、バーナ挿通孔内にバーナ燃焼炎を保った場合
も高温の燃焼炎が存在するため、燃焼筒の内部が高温と
なり、燃焼炎が長い場合は、燃焼炎が燃焼筒内部と接触
し破損する恐れがあるとともに、燃焼筒を寿命延長のた
め水冷式の構造にした場合は、燃焼炎にて構造物の破
損,水洩れの危険性が高いという問題点があった。そこ
で、本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決
し、金属材料を溶解するアーク炉において溶解初期から
バーナ燃焼が行えバーナ効率を向上させるとともに、予
熱炉にて使用する場合も確実に燃料を燃焼させ、安全に
バーナ燃焼を行えるバーナ装置を提供することを課題と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決するために鋭意検討の結果なされたものであり、そ
の要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの
下記内容である。 (1)金属材料を溶解するアーク炉の炉壁の外方に設け
られ、燃料を酸素とともに燃焼させた燃焼炎を前記炉壁
内に向けて噴射して金属材料の加熱および/または溶解
を促進させる酸素バーナにおいて、前記酸素バーナの中
心部から第1の燃料を噴出させる第1の燃料噴出管(3
1)と、該第1の燃料噴出管(31)の外周部から第1
の酸素ガスを噴出させる第1の酸素噴出管(32)と、
該酸素噴出管(32)の外周部から第2の燃料を噴出さ
せる第2の燃料噴出管(33)と、該第2の燃料噴出管
(33)の外周部から第2の酸素ガスを噴出させる第2
の酸素噴出管(34)とを有し、前記アーク炉のパネル
(10)に設けた開孔と、該パネルの外面に取り付けた
取り付け座(13)とで挿通孔(12)を形成するとと
もに、前記バーナの先端部(11)を前記挿通孔(1
2)に取り付けることを特徴とするアーク炉用の酸素バ
ーナ。
【0009】(2)前記第2の酸素ガスを噴出させる噴
出孔(44)の角度を、前記酸素バーナの軸線に対して
3〜10度の範囲にすることを特徴とする(1)に記載
の酸素バーナ。 (3)燃料を空気にて燃焼させ、該燃焼炎の先端部が前
記パネル(10)の炉内面端部と前記酸素バーナの先端
部(11)との間の挿通孔(12)に入り込むように取
り付けられた補助バーナを有し、該補助バーナの燃料噴
出管(54)の最後端部に取り外し可能な遮蔽版(5
8)を取り付けることにより、前記燃料噴出管(54)
の最後端から貫通バーを挿入できることを特徴とする
(1)または(2)に記載の酸素バーナ。
【0010】本発明によれば、操業開始の最初の溶解炉
にて、通常の酸素バーナの着火方法と同様に、ある程度
金属材料の溶解が進み、アークによる着火が可能な時間
が経過した段階で、第1の燃料と第1の燃料燃焼用酸素
ガスを噴出させればアークにより着火される。第1の燃
料が確実に燃焼しているかは、バーナ後端部に取り付け
られた炎検出器にて検出することが可能である。従っ
て、常にバーナ先端部に熱源が存在するため、溶解炉が
どんな状態にあってもメインの第2の燃料を着火せるこ
とが可能となり、次の溶解炉からは溶解初期からバーナ
燃焼が可能となりバーナ効率が向上するとともに、予熱
炉側でも確実にバーナ燃焼を開始することが可能とな
る。予熱炉にて使用中に、もし失火現象が検出された場
合は、予熱炉が溶解炉に移行した時に再度燃焼させれば
よい。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
あるアーク炉の酸素バーナ1の構成を簡略化して示す断
面図であり、図2は、図1に示す酸素バーナ1を備える
アーク炉の構成を簡略化して示す正面断面図であり、図
3は、図1に示す酸素バーナを備える1電源2炉のアー
ク炉の構成を簡略化して示す正面断面図であり、図4
は、図1に示す酸素バーナ1の先端部の内部構造を簡略
化して示す断面図であり、図5は、酸素バーナの端面を
正面から見た正面図であり、図6は、図1の酸素バーナ
において、補助バーナを取り付けた構成を簡略化して示
す正面断面図である。図7は、図6に示す補助バーナ2
0の構成を簡略化して示す正面断面図である。図8は、
補助バーナの燃料噴出孔に貫通バーを挿入した図であ
る。
【0012】金属材料を溶解するアーク炉における酸素
バーナ1は、主にアーク炉の炉壁の外方に取り付けら
れ、燃料を酸素にて燃焼させ金属材料の加熱あるいは溶
解を促進させる。図2のアーク炉は、金属材料を溶解す
る3相交流アーク式溶解炉であり、炉本体3と、炉蓋4
と、3本の電極5(本図は2本のみ図示)とにより構成
される。炉本体3は、上方に開口を有する有底円筒状の
容器であり、炉壁6と炉底7とを有している。炉壁6は
外周の炉殻を形成する鉄皮8と、鉄皮8の内周面に内張
りされる耐火煉瓦9もしくはパネル10(本実施例では
水冷のパネル10を図示する)が備えられている。炉底
7は外周の炉殻を形成する鉄皮8と、鉄皮8の内周面に
は金属材料が溶解された高温の溶湯を保持するために内
張りされる耐火煉瓦9が備えられている。
【0013】図3は、電源供給設備を1基有し、金属材
料を装入する炉体を2基有する1電源2炉方式の直流ア
ーク炉を示す。この設備は、炉本体3,炉蓋4,1本の
電極5,炉底7に炉底電極20を有したアーク炉を2基
設置し、片方の炉(本図では仮称A炉)で電極5と炉底
電極20との間でアークを発弧させて金属材料の溶解を
行っている間に、もう一方の炉(本図では仮称B炉)で
は、A炉からの排ガスにて金属材料の予熱を行う。排ガ
スは図中の矢印に沿って、A炉の炉蓋4上のエルボダク
ト21,連結ダクト22,B炉の炉蓋4上のエルボダク
ト21,金属材料,移動ダクト23を通って、最後は集
塵機にてダスト捕集を行う。移動ダクトは、溶解炉にお
いては不要なため、移動し蓋24にて開口を塞ぐ。
【0014】図1において、炉壁6の内周面に備えられ
た水冷式のパネル10には酸素バーナ1の先端部11を
挿入するための挿通孔12を有している。炉殻の鉄皮8
の外周には酸素バーナ1を鉄皮8に固定するための取り
付け座13を有している。酸素バーナ1の先端部11の
端面14は、挿通孔12の軸線上で、端面14とパネル
10の炉内面15との距離がバーナ挿通孔12の直径に
対し1〜2倍の位置にセットすることが望ましい。
【0015】酸素バーナ1は、図4の断面図に示す様
に、6重管にて構成される。中心部より第1の燃料を噴
出する第1の燃料噴出管31と、この第1の燃料噴出管
31の外周部より第1の酸素ガスを噴出する第1の酸素
ガス噴出管32と、この第1の酸素ガス噴出管32の外
周部より第2の燃料を噴出する第2の燃料噴出管33
と、この第2の燃料噴出管33の外周部より第2の酸素
ガスを噴出する第2の酸素噴出管34と、酸素バーナ1
の先端部11は高温の炉内からの輻射熱と酸素燃焼によ
る高温炎からの輻射熱から保護するために水冷にするこ
とが好ましく、第2の酸素噴出管34の外周部に冷却水
を流すための仕切管35と最外周管36にて構成されて
いる。最外周管36には鉄皮8の取り付け座13に取り
付けるための取り付け座37が設けられており、メンテ
ナンスのために着脱可能な構造となっている。さらに、
第1の酸素噴出管32,第2の燃料噴出管33,第2の
酸素噴出管34,および最外周管36は、酸素バーナ1
の先端部にてブロック38と一体に接続されている。
【0016】酸素バーナ1の端面14を正面から見た状
態を図5に示すが、中心部に第1の燃料を噴出する第1
の燃料噴出孔41が1個と、その外周に第1の酸素ガス
を噴出する第1の酸素噴出孔42が1個と,その外周に
第2の燃料を噴出する第2の燃料噴出孔43が数個と、
さらにその外周に第2の酸素ガスを噴出する第2の酸素
噴出孔44が数個設けられている。尚、噴出孔43と噴
出孔44は、多重管をバーナ端面まで延長した1個ずつ
の孔であってもよいが、特に図4の断面図において、第
2の酸素ガスを噴出させるための噴出孔44は、酸素バ
ーナ1の軸芯に対してαの傾斜を有して設けられてお
り、通常,αは3〜10度の範囲に設けられるのが好ま
しい。従って、第2の酸素ガスを噴出する噴出孔44
は、軸線に対しαの傾斜角度を有する必要があるため、
加工上は数個の孔が望ましい。
【0017】図6,図7は、補助バーナ50を取り付け
た実施例である。鉄皮8には補助バーナ50を固定する
ための取り付け座13aが取り付けられ、パネル10の
内部には大略的に補助バーナ50の燃焼炎の噴射方向に
沿って延びる筒状の挿通孔51を有し、その一方の端側
が補助バーナ本体の少なくとも先端部を外囲し、他の先
端側が酸素バーナ1を挿入するための挿通孔12の外周
面に面している。酸素バーナ1の先端部11の端面14
は、挿通孔12の軸線上で挿通孔51とが交差する外周
面のA点よりも反炉内側に位置することが望ましい。ま
た、補助バーナ50の先端部52の端面53は、挿通孔
51の軸線上で挿通孔12とが交差する外周面のA点よ
りも補助バーナ側に位置することが望ましい。補助バー
ナ50は、中心部より燃料を噴出する燃料噴出管54
と、この燃料噴出管54の外周部より燃料を燃焼させる
ためのエアーを噴出させるエアー噴出管55の二重管に
て構成されている。補助バーナ50は、炉内からの輻射
熱が弱いこと、エアーによる燃焼のため火炎温度が低
く、先端部52を冷却する必要はない。補助バーナ50
の後端部には、最初に点火させるためのスパークプラグ
56と、燃料の燃焼有無を検出するための炎検出器57
が装備され、燃料噴出管54の最外端部には取り外し可
能な遮蔽板58が取り付いている。この遮蔽板58を取
り外し、燃料噴出管54内に貫通バー59を挿入できる
ようになっている。これは、パネル内挿通孔12部に炉
内からの異物が付着した場合、この貫通バー59により
異物62を掻き落とすようにしている。
【0018】前述の構成における酸素バーナの使用方法
を以下に述べる。操業開始の溶解炉において、金属材料
を炉内に装入後、アークにより溶解を開始する。その後
に、酸素バーナ1の第1の燃料噴出管31より燃料(本
実施例ではLPGを使用)を、第1の酸素噴出管32よ
り酸素を噴出させればアークにより容易に着火する。第
1の燃料の燃焼目的は、第2の燃料を燃焼させるための
火種の役目を目的とするため、燃焼させるための噴出量
は1〜3m3(Normal)/Hr程度でよい。
【0019】この第1の燃料の燃焼している状態で第2
の燃料噴出管33より第2の燃料を、第2の酸素噴出管
34から第2の酸素を噴出させればすぐに燃料が燃焼す
る。必要時間第2の燃料を燃焼させた後は、第2の燃料
および第2の酸素を停止し、酸素バーナ端面への炉内か
らのスプラッシュなどによる噴出孔の閉塞防止のためエ
アーの噴出に切り替える。公称60トンの3相交流アー
ク炉で本酸素バーナ1を実使用した結果、第1の燃料を
燃焼させた状態で原料を装入しても吹き消えることがほ
とんどなかった。これは、パネル10の挿通孔12にお
いて、炉内側端面15と酸素バーナ1の端面14との間
に空間を設けたことが効果として現れている。
【0020】さらに、第2の酸素ガス噴出孔44を傾斜
させたことにより、水冷式のパネル10に一定量の冷却
水を通水した状態で操業した結果、第2の燃料を100
m3(Normal)/Hr燃焼させたとき、冷却水の
入口温度と出口温度の差が15℃あったが、第2の燃料
を200m3(Normal)/Hr燃焼させた時は、
冷却水の温度差が12℃に低下したため、燃焼炎が酸素
バーナ1の挿通孔12の内面に接触せずに燃料の燃焼量
を増加させることが可能となった。傾斜角を3〜10度
が好ましいのは、3度以下にすると燃焼炎が挿通孔に接
触する可能性が有り、10度以上にすると燃料と酸素ガ
スの均一混合がなされず炎の持続性が低くなるためであ
る。
【0021】このアーク炉は24時間連続操業している
が、炎検出器16にて失火を検出したのは2〜3回/月
程度であったが、この時も確実にすぐに着火させるた
め、補助バーナ50を取り付けたところ、失火の検出と
同時に補助バーナを着火させることにより容易にかつ確
実に酸素バーナ1の第1の燃料を燃焼させることが出来
た。補助バーナは、第1の燃料を燃焼させた後は、補助
バーナの燃焼をストップし、先端部の孔詰まり防止のた
めエアーのみの噴出に切り替えて使用することが経済的
である。
【0022】また、炎検出器57が失火を検出したので
酸素バーナの第1の燃焼状況を確認したところ燃焼状態
を維持していたことがあり、この原因を調査したとこ
ろ、図6の補助バーナ50の取り付け図において、補助
バーナ50を取り付ける挿通孔51が右肩上がりの傾斜
を有しているため、補助バーナ50の端面53の右上方
に存在する挿通孔の空間部にスラグやスプラッシュの塊
が堆積し、炎検出器57の視界を塞いでいることが判明
した。炉内を冷やしてから炉内に作業者が入ってスラグ
やスプラッシュの塊を除去することは可能であるが、補
助バーナ50の燃料噴出管54の最外端部に取り付けた
遮蔽板58を取り外し、燃料噴出管54の内部に細長い
バーを押し込むことにより容易に取り除くことが可能と
なる。尚、60トンアーク炉においては補助バーナ50
を酸素バーナ1の下方に右肩上がりに取り付けたが、補
助バーナ50の取り付け位置は限定するものではなく、
酸素バーナ1を中心として上下左右どちらに取り付けて
も効果は同じである。図8は、補助バーナの燃料噴出孔
に貫通バーを挿入した図である。図8において、燃料噴
出管54内に貫通バー59を挿入し、パネル内挿通孔1
2部に炉内からの異物が付着した場合、この貫通バー5
9により異物62を掻き落とすことができる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、金属材料を溶解するア
ーク炉において溶解初期からバーナ燃焼が行えバーナ効
率を向上させるとともに、予熱炉にて使用する場合も確
実に燃料を燃焼させ、安全にバーナ燃焼を行える酸素バ
ーナを提供することができ、具体的には、以下のような
産業上有用な著しい効果を奏する。1)金属材料を加熱
および溶解するアーク炉に請求項1に記載の酸素バーナ
を取り付けることにより、溶解初期からバーナ燃焼が可
能となり、バーナ燃焼の使用率向上にて溶解時間の短
縮、電力原単位の削減が図られる。2)1電源2炉方式
のアーク炉に請求項1に記載の酸素バーナを取り付ける
ことにより、予熱炉側でもバーナ燃焼を安全にかつ確実
に行える。
【0024】3)さらに、補助バーナを取り付けること
により、もしバーナ燃焼炎が消えた場合でも、すぐに燃
焼を再開できるため、酸素バーナ使用率を向上できる。
4)補助バーナの先端孔が詰まった場合でも、バーナ後
端に設けられた遮蔽板を外し、燃料噴出管に貫通バーを
挿入することにより、外部から簡単に詰まり物を除去す
ることが可能となり、バーナ使用率がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態であるアーク炉の酸素
バーナ1の構成を簡略化して示す断面図である。
【図2】 図1に示す酸素バーナ1を備えるアーク炉の
構成を簡略化して示す正面断面図である。
【図3】 図1に示す酸素バーナを備える1電源2炉方
式のアーク炉の構成を簡略化して示す正面断面図であ
る。
【図4】 図1に示す酸素バーナ1の内部構成を簡略化
して示す断面図である。
【図5】 酸素バーナ1の端面を正面から見た正面図で
ある。
【図6】 図1の酸素バーナにおいて、補助バーナを取
り付けた構成を簡略化して示す正面断面図である。
【図7】 図6に示す補助バーナ50の構成を簡略化し
て示す正面断面図である。
【図8】 補助バーナの燃料噴出孔に貫通バーを挿入し
た図である。
【符号の説明】
1:酸素バーナ、3:炉本体、4:炉蓋、5:電極、
6:炉壁、7:炉底、8:鉄皮、9:耐火煉瓦、10:
パネル、11:先端部、12:挿通孔、13:取り付け
座、14:酸素バーナ端面、15:パネル炉内面、1
6:炎検出器、20:炉底電極、21:エルボダクト、
22:連結ダクト、23:移動ダクト、24:蓋、3
1:第1の燃料噴出管、32:第1の酸素噴出管、3
3:第2の燃料噴出管、34:第2の酸素噴出管、3
5:仕切管、36:最外周管、37:取り付け座、3
8:ブロック、41:第1の燃料噴出孔、42:第1の
酸素噴出孔、43:第2の燃料噴出孔、44:第2の酸
素噴出孔、50:補助バーナ、51:挿通孔、52:補
助バーナ先端部、53:補助バーナ端面、54:
補助バーナ用燃料噴出管、55:補助バーナ用エアー噴
出管、56:スパークプラグ、57:炎検出器、58:
遮蔽板、59:貫通バー、60:補助バーナ用エアー供
給口、61:補助バーナ用燃料供給口、62:異物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 兼川 賢 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内 (72)発明者 中根 裕文 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内 (72)発明者 國分 誠栄 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 前田 次俊 大阪府大阪市西区京町堀2丁目4番7号 中外炉工業株式会社内 Fターム(参考) 3K017 CA03 CA04 CA09 CB08 CB11 CC08 CD04 CE05 CH04 3K019 AA02 BA01 BB05 BD01 BD11 BD12 CC02 3K023 JA03 4K045 AA04 BA01 GB02 GB08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料を溶解するアーク炉の炉壁の外
    方に設けられ、燃料を酸素とともに燃焼させた燃焼炎を
    前記炉壁内に向けて噴射して金属材料の加熱および/ま
    たは溶解を促進させる酸素バーナにおいて、 前記酸素バーナの中心部から第1の燃料を噴出させる第
    1の燃料噴出管(31)と、 該第1の燃料噴出管(31)の外周部から第1の酸素ガ
    スを噴出させる第1の酸素噴出管(32)と、 該酸素噴出管(32)の外周部から第2の燃料を噴出さ
    せる第2の燃料噴出管(33)と、 該第2の燃料噴出管(33)の外周部から第2の酸素ガ
    スを噴出させる第2の酸素噴出管(34)とを有し、 前記アーク炉のパネル(10)に設けた開孔と、該パネ
    ルの外面に取り付けた取り付け座(13)とで挿通孔
    (12)を形成するとともに、 前記バーナの先端部(11)を前記挿通孔(12)に取
    り付けることを特徴とするアーク炉用の酸素バーナ。
  2. 【請求項2】 前記第2の酸素ガスを噴出させる噴出孔
    (44)の角度を、前記酸素バーナの軸線に対して3〜
    10度の範囲にすることを特徴とする請求項1に記載の
    酸素バーナ。
  3. 【請求項3】 燃料を空気にて燃焼させ、該燃焼炎の先
    端部が前記パネル(10)の炉内面端部と前記酸素バー
    ナの先端部(11)との間の挿通孔(12)に入り込む
    ように取り付けられた補助バーナを有し、該補助バーナ
    の燃料噴出管(54)の最後端部に取り外し可能な遮蔽
    版(58)を取り付けることにより、前記燃料噴出管
    (54)の最後端から貫通バーを挿入できることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の酸素バーナ。
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