JP2003321588A - バインダー樹脂組成物と製造方法及びその用途 - Google Patents

バインダー樹脂組成物と製造方法及びその用途

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JP2003321588A JP2002376495A JP2002376495A JP2003321588A JP 2003321588 A JP2003321588 A JP 2003321588A JP 2002376495 A JP2002376495 A JP 2002376495A JP 2002376495 A JP2002376495 A JP 2002376495A JP 2003321588 A JP2003321588 A JP 2003321588A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポリオレフィン系、塩ビ、ポリカーボネー
ト、PET、ABS、ナイロン素材に対し、付着性が良好で、
かつ溶剤溶解性にも優れる、新規なバインダー樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】 メタロセン系触媒の共存下にプロピレン
と他のα−オレフィンを共重合して得られた、示差走査
型熱量計(DSC)による融点(Tm)が115〜165℃のプロ
ピレン系ランダム共重合体(A)を塩素含有率が10〜40
重量%まで塩素化した、重量平均分子量が3000〜250000
である塩素化プロピレン系ランダム共重合体と安定剤及
び有機溶剤を含むことを特徴とするバインダー樹脂組成
物、及び/または(A)をα,β−不飽和カルボン酸ま
たはその無水物を0.1〜20重量%グラフトした後、塩素
含有率が10〜40重量%まで塩素化した、重量平均分子量
が30000〜220000であるカルボキシル基含有塩素化プロ
ピレン系ランダム共重合体と安定剤及び有機溶剤を含む
ことを特徴とするバインダー樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン、
ポリエチレン、エチレンプロピレン共重合物、エチレン
プロピレンジエン共重合物などのポリオレフィン系樹脂
や塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)樹脂、アクリルニトリルブ
タジエンスチレン(ABS)樹脂、ナイロン樹脂の保護又
は美粧を目的として用いられるバインダー樹脂組成物及
びその製造方法に関する。更に詳しくは、これらポリオ
レフィン系、塩ビ系、ポリカーボネート系、PET系、ABS
系、ナイロン系のシートやフィルム、成型物に対し、優
れた付着性やその他の物性に優れる塗料、印刷インキ、
接着剤あるいはプライマー用のバインダー樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックは、軽量、防錆、デザイン
の自由度が広い等多くの利点があるため、近年、自動車
部品、電気部品、建築資材等の材料として広く用いられ
ている。とりわけポリオレフィン系樹脂は、価格が安く
成形性・耐薬品性・耐熱性・耐水性・良好な電気特性な
ど多くの優れた性質を有するため、工業材料として広範
囲に使用されており、将来その需要の伸びも期待されて
いる。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は極性を有
する合成樹脂と異なり、非極性でかつ結晶性のため、接
着が困難であるという欠点も持ち合わせている。
【0003】これに対して、塗装や接着の前処理とし
て、成形物の表面をプラズマ処理やガス炎処理し活性化
する方法、あるいは、塩素化ポリオレフィンを主成分と
したプライマー(下塗り剤)を塗装すると言った方法が
採られている。
【0004】自動車のポリプロピレンバンパー塗装にお
いては、例えば、特開昭57−36128号公報、特公昭63−3
6624号公報に塩素化変性ポリオレフィンを主成分とした
プライマー組成物が開示されている。
【0005】これら塩素化物からなるプライマーは、こ
れまでのポリオレフィンに対する付着性は優れるもの
の、最近では素材の高剛性化、低温焼き付けに伴い付着
性が十分得られない素材も現れ、従来の塩素化ポリオレ
フィン系樹脂では十分対応できていないのが現状であ
る。
【0006】さらには、塩素化ポリオレフィン系樹脂
は、ポリプロピレン素材に対しては比較的優れた付着性
を示すが、その他の素材(塩ビ、ポリカーボネート、PE
T、ABS、ナイロン)に対しては、付着性が十分でないの
が現状である。
【0007】これまでに提案されている塩素化ポリオレ
フィン樹脂等は、チーグラー・ナッタ触媒を重合触媒と
して製造したアイソタクチックポリプロピレン(以下、
IPP)を塩素化した、塩素化IPPを主成分としたも
のであった。
【0008】これに対して、メタロセン化合物を重合触
媒として製造したシンジオタクチックポリプロピレン
(以下、SPP)を塩素化した、塩素化SPPを使用した
接着剤が開示されている(特許第3045498号、特開平7-1
8016号)。しかしながら、この塩素化SPPは、従来の
チーグラー・ナッタ触媒を重合触媒として製造した塩素
化IPPよりは溶剤溶解性が向上しているが、素材がポリ
プロピレンの場合に優れた付着性を示したのみで、その
他の素材(塩ビ、ポリカーボネート、PET、ABS、ナイロ
ン)に対しては、付着性が十分でないといった欠点を持
っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリプロピ
レン素材を含めた各種ポリオレフィン系、塩ビ系、ポリ
カーボネート系、PET系、ABS系、ナイロン系素材に対
し、付着性及び耐ガソホール性が良好で、かつ溶剤溶解
性にも優れるバインダー樹脂組成物を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、メタロセ
ン系触媒の共存下にプロピレンと他のα−オレフィンを
共重合して得られた、示差走査型熱量計(DSC)による
融点(Tm)が115〜165℃のプロピレン系ランダム共重合
体を熱減成後、あるいは熱減成せずに直接、塩素含有率
が10〜40重量%まで塩素化した、重量平均分子量が3000
〜250000である塩素化プロピレン系ランダム共重合体で
あることを特徴とするバインダー樹脂組成物、及び/ま
たはメタロセン系触媒の共存下にプロピレンと他のα−
オレフィンを共重合して得られた、示差走査型熱量計
(DSC)による融点(Tm)が115〜165℃のプロピレン系
ランダム共重合体を熱減成後、あるいは熱減成せずに直
接、α,β−不飽和カルボン酸またはその無水物を0.1〜
20重量%グラフトした後、塩素含有率が10〜40重量%ま
で塩素化した、重量平均分子量が30000〜220000である
カルボキシル基含有塩素化プロピレン系ランダム共重合
体であることを特徴とするバインダー樹脂組成物により
上記問題点を解決するに至った。
【0011】本発明の原料であるプロピレン系ランダム
共重合体は、重合触媒としてメタロセン触媒を用いて、
主成分であるプロピレンと、他のα−オレフィンを共重
合して得られた共重合体である。ウインテック(日本ポ
リケム(株)製)等の市販品を用いることもできる。
【0012】コモノマーである他のα−オレフィンとし
ては、エチレン又は炭素数4以上のオレフィンからなる
群から少なくとも1種を選択することができる。炭素数
4以上のオレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げ
られる。メタロセン触媒を用いることにより、チーグラ
ー・ナッタ触媒よりも、共重合しうるコモノマーの範囲
を広げることができる。
【0013】本発明で用いるメタロセン触媒とは、公知
のものが使用できる。具体的には、以下に述べる成分
(A)及び(B)、さらに必要に応じて(C)を組み合
わせて得られる触媒が望ましい。 成分(A);共役五員環配位子を少なくとも一個を有す
る周期律表4〜6族の遷移金属化合物であるメタロセン
錯体。 成分(B);化合物(B)とメタロセン錯体(A)を反
応させることにより、該メタロセン錯体(A)を活性化
することの出来る助触媒(イオン交換性層状ケイ酸
塩)。 成分(C);有機アルミニウム化合物。
【0014】本発明のプロピレン系ランダム共重合体
は、公知の方法(特開2001-206914など)で製造するこ
とができる。例えば、反応釜にプロピレン、エチレン、
水素を供給しながら連続的にアルキルアルミニウムとメ
タロセン触媒を添加しながら製造を行う。
【0015】本発明のプロピレン系ランダム共重合体
は、示差走査型熱量計(以下、DSC)による融点(以
下、Tm)が、115〜165℃のものが好ましい。165℃より
高いと溶剤溶解性が低下する。115℃より低いと素材へ
の付着性が低下する。より好ましくは115〜135℃の低融
点プロピレン系ランダム共重合体である。尚、本発明に
おけるDSCによるTmの測定方法は、セイコー社製DSC測定
装置を用い、試料(約5mg)を採り200℃で5分間融解
後、40℃まで10℃/minの速度で降温して結晶化した後
に、更に10℃/minで200℃まで昇温して融解したときの
融解ピーク温度及び融解終了温度で評価した。
【0016】本発明のプロピレン系ランダム共重合体
は、バンバリーミキサー、ニーダー、押し出し機等を使
用し、融点以上350℃以下の温度でラジカル発生剤の存
在下で熱減成したもの、あるいは熱減成しないものを、
単独あるいは混合して使用しても構わない。反応に用い
るラジカル発生剤は公知のものの中より適宜選択するこ
とが出来るが、特に有機過酸化物系化合物が望ましい。
【0017】上記有機過酸化物系化合物としては、例え
ば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、ジラウリルパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、
1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシ
クロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-シク
ロヘキサン、シクロヘキサノンパーオキサイド、t-ブチ
ルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシイソブ
チレート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキ
サノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエ
ート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
クミルパーオキシオクトエート等があげられる。
【0018】本発明の塩素化ポリプロピレン系ランダム
共重合体は、上記プロピレン系ランダム重合体に塩素を
導入することにより得られる。
【0019】塩素化反応は、上記プロピレン系ランダム
共重合体をクロロホルム等の塩素系溶剤に溶解した後、
紫外線を照射しながら、あるいは、上記有機過酸化物の
存在下ガス状の塩素を吹き込むことにより行われる。
【0020】塩素含有率は、10〜40重量%、好ましくは
15〜30重量%が最適である。この範囲より低いと、各種
素材への付着性は良くなるが、有機溶剤への溶解性が低
下する。また、この範囲より高いと、各種素材との付着
性が低下する。尚、塩素含有率は、JIS−K7229
に準じて測定した値である。
【0021】本発明で用いる塩素化プロピレン系ランダ
ム共重合体の重量平均分子量(以下、Mw)は、3000〜
250000である。3000未満では樹脂の凝集力が不足し、25
0000を超えるとインキ及び接着剤のハンドリングが低下
するため好ましくない。尚、本発明におけるMwは、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GP
C、標準物質:ポリスチレン樹脂)によって測定された
値である。
【0022】また、本発明のカルボキシル基含有塩素化
ポリプロピレン系ランダム共重合体は、上記プロピレン
系ランダム共重合体にα,β-不飽和カルボン酸及び塩素
を導入することにより得られるが、その製造は次に挙げ
る2つの方法により製造可能である。すなわち、熱減成
したプロピレン系ランダム共重合体あるいは熱減成しな
いプロピレン系ランダム共重合体に直接α,β-不飽和カ
ルボン酸またはその無水物をグラフト重合させた後、塩
素化反応を行う方法(第一の方法)と、塩素化反応を行っ
た後にα,β-不飽和カルボン酸またはその無水物をグラ
フト重合させる方法(第二の方法)である。
【0023】以下にその具体的な製造方法を例示する。
第一の方法において、まず熱減成したプロピレン系ラン
ダム共重合体あるいは熱減成しないプロピレン系ランダ
ム共重合体に直接α,β-不飽和カルボン酸またはその無
水物をグラフト共重合する方法は、ラジカル発生剤の存
在下で上記樹脂を融点以上に加熱溶融して反応させる方
法(溶融法)、上記樹脂を有機溶剤に溶解させた後、ラ
ジカル発生剤の存在下で加熱撹拌して反応させる方法
(溶液法)等、公知の方法によって行うことが出来る。
【0024】溶融法の場合には、バンバリーミキサー、
ニーダー、押し出し機等を使用し融点以上350℃以下の
温度で短時間に反応させるので、操作が簡単であるとい
う利点がある。
【0025】一方、溶液法に於いては、有機溶剤として
トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤を使うことが望ま
しいが、他にエステル系溶剤、ケトン系溶剤等を一部混
合して使用しても差し支えない。反応に用いるラジカル
発生剤は公知のものの中より適宜選択することが出来る
が、特に有機過酸化物系化合物が望ましく、上記で記載
した化合物が使用可能である。
【0026】しかしながら、溶液法の場合はα,β-不飽
和カルボン酸またはその無水物をグラフト共重合した
後、塩素化反応をする場合には上記溶媒からクロロホル
ム等の塩素化溶媒に置き換える必要があるため、第一の
方法では溶融法の方が好ましい。
【0027】上記カルボキシル基変性後に行われる塩素
化反応は、プロピレン系ランダム共重合体またはα,β-
不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト共重合し
たプロピレン系ランダム共重合体を、クロロホルム等の
塩素系溶剤に溶解した後、紫外線を照射しながら、ある
いは、上記有機過酸化物の存在下ガス状の塩素を吹き込
む事により行われる。
【0028】第二の方法である塩素化反応を行った後
α,β-不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト重
合させる方法では、まず、プロピレン系ランダム共重合
体をクロロホルム等の塩素系溶剤に溶解し、第一の方法
と同様に塩素化反応を行い塩素化プロピレン系ランダム
共重合体を製造した後、溶媒をトルエン、キシレン等の
溶媒に変更し、次いでα,β-不飽和カルボン酸またはそ
の無水物を上記有機過酸化物の存在下でグラフト共重合
を行う。反応温度は50℃以上、溶媒の沸点以下の温度で
実施できる。しかしながら、第二の方法は反応温度が50
℃以上100℃以下では、α,β-不飽和カルボン酸あるい
はその無水物のグラフト重合性が低く、また、100℃以
上溶剤の沸点以下では塩素化プロピレン系ランダム共重
合体が脱塩酸を起こす可能性があり、第二の方法より第
一の方法が好ましい。
【0029】第一の方法において、プロピレン系ランダ
ム共重合体にα,β-不飽和カルボン酸またはその無水物
をグラフト共重合する目的は、本発明のバインダー樹脂
組成物をプライマーとして使用した場合に、上塗り塗料
との付着性を付与するためである。塩素化ポリオレフィ
ンは元来極性は低く、そのままではプライマー(下塗り
剤)として使用した場合、PP素材との付着性は良好であ
るが、極性の高い上塗り塗料(例えばポリウレタン塗
料、メラミン塗料)との付着性はほとんどない。従っ
て、α,β-不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフ
ト共重合することによって塩素化ポリオレフィンの極性
を高めることが重要になる。使用できるα,β-不飽和カ
ルボン酸またはその無水物としては、例えば、マレイン
酸、シトラコン酸、イタコン酸、アコニット酸及びこれ
らの無水物、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、メ
サコン酸などが例示できるが、ポリオレフィン樹脂への
グラフト性を考慮すると無水マレイン酸が最も適してい
る。
【0030】本発明において、α,β-不飽和カルボン酸
またはその無水物をグラフト共重合によって導入する量
は、0〜20重量%が最適で、好ましくは0〜10重量%であ
る。10重量%を超えるとプライマーとして使用した場
合、耐湿性が低下する傾向にある。
【0031】塩素含有率は、10〜40重量%、好ましくは
15〜30重量%が最適である。この範囲より低いと、各種
素材への付着性は良くなるが、有機溶剤への溶解性が低
下する。また、この範囲より高いと、各種素材との付着
性が低下する。尚、塩素含有率は、JIS−K7229
に準じて測定した値である。
【0032】本発明で用いる塩素化プロピレン系ランダ
ム共重合体及びカルボキシル基含有塩素化プロピレン系
ランダム共重合体の重量平均分子量(以下、Mw)は、
前者の場合には30000〜250000である。3000未満では樹
脂の凝集力が不足し、250000を超えるとスプレー性が低
下するため好ましくない。また後者の場合には30000〜2
20000である。30000未満では樹脂の凝集力が不足し2200
00を越えるとスプレー性が低下するため好ましくない。
尚、本発明におけるMwは、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(以下、GPC、標準物質:ポリスチレ
ン樹脂)によって測定された値である。
【0033】塩素化ポリオレフィンは紫外線や、高熱に
さらされると脱塩酸を伴い劣化する。塩素化ポリオレフ
ィンが脱塩酸により劣化を起こすと、樹脂の着色ととも
にポリプロピレン素材への付着性低下等の物性低下をは
じめ、遊離する塩酸により作業環境の悪化を引き起こす
ことから、安定剤を添加する必要がある。この効果を得
るために、樹脂成分(固形分)に対して、安定剤を0.
1〜5重量%添加するのが好ましい。安定剤として、エ
ポキシ化合物が例示できる。エポキシ化合物は特に限定
されないが、塩素化樹脂と相溶するものが好ましく、エ
ポキシ当量が100から500程度のもので、一分子中のエポ
キシ基が1個以上有するエポキシ化合物が例示できる。
たとえば、天然の不飽和基を有する植物油を過酢酸など
の過酸でエポキシ化したエポキシ化大豆油やエポキシ化
アマニ油、また、オレイン酸、トール油脂肪酸、大豆油
脂肪酸等の不飽和脂肪酸をエポキシ化したエポキシ化脂
肪酸エステル類。エポキシ化テトラヒドロフタレートに
代表されるエポキシ化脂環化合物。ビスフェノールAや
多価アルコールとエピクロルヒドリンを縮合した、例え
ば、ビスフェノールAグリシジルエーテル、エチレング
リコールグリシジルエーテル、プロピレングリコールグ
リシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテ
ル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が例示され
る。また、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシ
ルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ス
テアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、フェニルグリシジルエーテル、sec-ブチルフェニル
グリシジルエーテル、tert-ブチルフェニルグリシジル
エーテル、フェノールポリエチレンオキサイドグリシジ
ルエーテル等に代表されるモノエポキシ化合物類が例示
される。また、ポリ塩化ビニル樹脂の安定剤として使用
されている、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛
等の金属石鹸類、ジブチル錫ジラウレート、ジブチルマ
レート等の有機金属化合物類、ハイドロタルサイト類化
合物も使用でき、これらを併用して使用してかまわな
い。
【0034】本発明の組成物は、有機溶剤に溶解して用
いることもできる。溶液濃度は用途により適宜選択すれ
ばよいが、溶液濃度は高すぎても低すぎても塗工作業性
が損なわれるため、樹脂濃度は5〜60重量%が好まし
い。使用する溶剤はトルエン、キシレン等の芳香族系溶
剤が好ましく、他に酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステ
ル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン系溶剤、n-ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族
系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチ
ルシクロヘキサン等の脂環式系溶剤が使用することがで
きる。さらには、樹脂溶液の保存安定性を高めるため
に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等のアルコール、プロピレングリコールメチルエーテ
ル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレン
グリコールターシャリーブチルエーテル等のプロピレン
系グリコールエーテルを、単独または2種以上混合して
上記溶剤に対し1〜20重量%添加する事が好ましい。
【0035】本発明のバインダー樹脂組成物を、有機溶
剤に溶解させる場合の処方としては、反応溶媒であるク
ロロホルム等の塩素化溶媒を沸点の差を利用して上記溶
媒に変換することによって可能である。また、反応の終
了した反応液に、安定剤としてのエポキシ化合物等を添
加した後、スクリューシャフト部に脱溶剤用吸引部を備
えたベント付き押出機に供給して固形化し、上記溶剤に
溶解しても良い。固形化の方法はすでに知られている公
知の方法、例えば押出機の吹出口部分に水中カットペレ
タイザーを備えたベント付押出機、ベント付き押出機及
びストランド状の樹脂をカットするペレタイザー等を使
用して実施できる。
【0036】本発明にかかるバインダー樹脂組成物は、
ポリオレフィン系、塩ビ系、ポリカーボネート系、PET
系、ABS系、ナイロン系のフィルム、シート、成型物に
適用できる塗料、印刷インキ、接着剤及びプライマーと
して用いることができる。そのままコーティングして用
いてもよいが、本発明の効果を損なわない範囲で、溶
剤、顔料、その他の添加剤を加えて用いてもよい。ま
た、該組成物はそれだけでバランスのとれた塗膜物性を
示すが、必要であれば環化ゴム、石油樹脂、クマロンイ
ンデン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、アクリル樹
脂、アルキッド樹脂などをさらに添加して用いても差し
支えない。特に、本発明のバインダー樹脂組成物が30
wt%以上含有することが好ましい。
【0037】
【作用】メタロセン触媒を重合触媒として製造したプロ
ピレン系ランダム共重合体の特徴の一つは、従来のチー
グラー・ナッタ触媒を重合触媒として製造したプロピレ
ン系ランダム共重合体よりも融点・ガラス転移点が低い
といった特徴がある。したがって、塩素含有率を低くし
ても溶剤溶解性が良く、さらに、融点が低いことで低温
焼き付け時の付着性が良くなったものと考えられる。
【0038】また、メタロセン触媒を重合触媒として製
造したプロピレン系ランダム共重合体の特徴として分子
量分布が非常に狭い(Mw / Mn =約2以下)ことが上げられ
る。さらには、α,β-不飽和カルボン酸またはその無水
物をグラフト共重合する場合は、有機過酸化物等を使用
するため、従来のチーグラー・ナッタ触媒を重合触媒と
して製造したプロピレン系ランダム共重合体では必ず分
子量の低下、即ち低分子量成分が生成するが、メタロセ
ン触媒を重合触媒として製造したプロピレン系ランダム
共重合体では、その生成がほとんどないこともあらたに
判明したものである。
【0039】本発明においては明確な理由は分からない
が、メタロセン触媒を重合触媒として製造したプロピレ
ン系ランダム共重合体は、従来のチーグラー・ナッタ触
媒を重合触媒として製造したプロピレン系ランダム共重
合体とは異なり、ポリオレフィン系素材以外に塩ビ系、
ポリカーボネート系、PET系、ABS系、ナイロン系等幅広
い素材に対し、優れた付着性を示すことを見いだした。
また、低分子量成分の少ないメタロセン触媒を重合触媒
として製造したプロピレン系ランダム共重合体を用いる
ことによって、耐ガソホール性が良好になったものと考
えられる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが本発明はこれによって限定されるものではない。
【0041】[実施例−1]メタロセン触媒を重合触媒
として製造したプロピレン系ランダム共重合体(プロピ
レン約97%−エチレン約3%)(日本ポリケム株式会社
製 MFR=2.0g/10minTm=125℃)をバレル温度350℃に設
定した二軸押出機に供給して熱減成を行い、190℃にお
ける溶融粘度が約1500mPa・sのプロピレン系ランダム共
重合体を得た。この樹脂500gをグラスライニングされた
反応釜に投入した。5Lのクロロホルムを加え、2kg/cm2
の圧力下、紫外線を照射しながらガス状の塩素を反応釜
底部より吹き込み塩素化した。途中3点抜き取りを行
い、溶媒であるクロロホルムをエバポレーターで留去し
た。その後、トルエン/シクロヘキサン=70/30(重量
比)で置換し、安定剤としてエピコート828(油化シェ
ルエポキシ(株)製)を対樹脂2重量%添加して、樹脂
濃度20重量%の塩素化プロピレン系ランダム共重合体
樹脂溶液を得た。樹脂の物性を表1に示す。得られた樹
脂溶液を室温にて1ヶ月放置したが、液状、外観に変化
は見られなかった。
【0042】[実施例−2]メタロセン触媒を重合触媒
として製造したプロピレン系ランダム共重合体(プロピ
レン約97%−エチレン約3%)(ウインテック、日本ポ
リケム(株)製 MFR=2.0g/10min Tm=125℃)500gを
グラスライニングされた反応釜に投入した。5Lのクロロ
ホルムを加え、2kg/cm2の圧力下、紫外線を照射しなが
らガス状の塩素を反応釜底部より吹き込み塩素化した。
途中3点抜き取りを行い、溶媒であるクロロホルムをエ
バポレーターで留去した。その後、トルエン/シクロヘ
キサン=70/30(重量比)で置換し、安定剤としてエピオ
ールTB(日本油脂(株)製)を対樹脂2重量%添加し
て、樹脂濃度20重量%の塩素化プロピレン系ランダム
共重合体樹脂溶液を得た。樹脂の物性を表1に示す。得
られた樹脂溶液を室温にて1ヶ月放置したが、液状、外
観に変化は見られなかった。
【0043】[実施例−3]メタロセン触媒を重合触媒
として製造したプロピレン系ランダム共重合体(プロピ
レン約97%−エチレン約3%)(日本ポリケム株式会社
製 MFR=2.0g/10minTm=125℃)をバレル温度350℃に設
定した二軸押出機に供給して熱減成を行い、190℃にお
ける溶融粘度が約2000mPa・sのプロピレン系ランダム共
重合体を得た。この樹脂500gを撹拌器、冷却管、温度計
および滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコ中で190℃
に加熱溶解させた。フラスコ内の窒素置換を10分間行っ
た後、撹拌しながら無水マレイン酸25gを約5分かけて投
入し、ラジカル発生剤としてジ-t-ブチルパーオキシド2
gを約30分間かけて滴下した。さらに30分間反応を継続
した後、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら未
反応の無水マレイン酸を取り除いた。次にこの生成物を
グラスライニングされた反応釜に投入し、5Lのクロロホ
ルムを加え、2kg/cm2の圧力下、紫外線を照射しながら
ガス状の塩素を反応釜底部より吹き込み塩素化した。途
中抜き取りを行い、それぞれ溶媒であるクロロホルムを
エバポレーターで留去した後、トルエン/シクロヘキサ
ン=70/30(重量比)で置換し無水マレイン酸で変性され
た塩素化プロピレン系ランダム共重合体の20重量%溶液
を得た。安定剤としてエピコート828(油化シェルエポ
キシ(株)製)を対樹脂4%添加した。樹脂の物性を表
1に示す。得られた樹脂溶液を室温にて1ヶ月放置した
が、液状、外観に変化は見られなかった。
【0044】[実施例−4]L/D=34、φ=40mm
の二軸押出機に、メタロセン触媒を重合触媒として製造
したプロピレン系ランダム共重合体(プロピレン約97%
−エチレン約3%)(日本ポリケム株式会社製 MFR=7.
0g/10min Tm=125℃)500g、無水マレイン酸30g、ジク
ミルパーオキサイド15gを投入した。滞留時間は10分、
バレル温度は180℃(第1バレル〜第7バレル)として
反応し、第7バレルにて脱気を行い、未反応の無水マレ
イン酸を除去し無水マレイン酸変性プロピレン系ランダ
ム共重合体を得た。この樹脂500gをグラスライニングさ
れた反応釜に投入し、5Lのクロロホルムを加え、2kg/cm
2の圧力下、紫外線を照射しながらガス状の塩素を反応
釜底部より吹き込み塩素化した。途中抜き取りを行い、
それぞれ溶媒であるクロロホルムをエバポレーターで留
去し、トルエン/シクロヘキサン=70/30(重量比)で置
換し無水マレイン酸で変性された塩素化プロピレン系ラ
ンダム共重合体の20重量%溶液を得た。安定剤としてそ
れぞれエピオールSB(日本油脂(株)製)を対樹脂4%
添加した。樹脂の物性を表1に示す。得られた樹脂溶液
を室温にて1ヶ月放置したが、液状、外観に変化は見ら
れなかった。
【0045】[比較例−1]チーグラー・ナッタ触媒を
重合触媒として製造したアイソタクチックポリプロピレ
ン(IPP)をバレル温度350℃に設定した二軸押出機に供
給して熱減成を行い、190℃における溶融粘度が約2000m
Pa・sのIPPを得た。この樹脂500gを用い、実施例1と同
様にして、樹脂濃度20重量%の塩素化IPP樹脂溶液
を得た。樹脂の物性を表1に示す。得られた樹脂溶液を
室温にて1ヶ月放置したが、液状、外観に変化は見られ
なかった。
【0046】[比較例−2]シンジオタクチックポリプ
ロピレン(SPP MFR=3.7g/10min)500gを用い、実施例
1と同様にして、樹脂濃度20重量%の塩素化SPP樹
脂溶液を得た。樹脂の物性を表1に示す。得られた樹脂
溶液を室温にて1ヶ月放置したが、液状、外観に変化は
見られなかった。
【0047】[比較例−3]チーグラー・ナッタ触媒を
重合触媒として製造したアイソタクチックポリプロピレ
ン(IPP)をバレル温度350℃に設定した二軸押出機に供
給して熱減成を行い、190℃における溶融粘度が約2000m
Pa・sのIPPを得た。この樹脂500gを用い、実施例2と同
様にして、樹脂濃度20重量%の無水マレイン酸で変性
された塩素化IPP樹脂溶液を得た。樹脂の物性を表1
に示す。得られた樹脂溶液を室温にて1ヶ月放置した
が、液状、外観に変化は見られなかった。
【0048】[比較例−4]シンジオタクチックポリプ
ロピレン(SPP MFR=3.7g/10min)をバレル温度350℃
に設定した二軸押出機に供給して熱減成を行い、190℃
における溶融粘度が約2000mPa・sのSPPを得た。この樹脂
500gを実施例2と同様にして、樹脂濃度20重量%の無
水マレイン酸で変性された塩素化SPP樹脂溶液を得
た。樹脂の物性を表1に示す。得られた樹脂溶液を室温
にて1ヶ月放置したが、液状、外観に変化は見られなか
った。
【0049】[比較例―5]実施例1において、安定剤
を添加せずに、樹脂濃度20重量%の塩素化プロピレン
系ランダム共重合体樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を1
ヶ月室温で放置しておいたところ、いずれの樹脂溶液も
赤褐色に変色した。
【0050】[樹脂物性の測定方法] ・MFR(Melt Flow Rate) JIS−K−6758ポリプロピレン試験方法のメルト
フローレート(条件:230℃、加重2.16kgf)により測定
した。 ・Tm セイコー社製DSC測定装置を用い、試料(約5mg)を
採り、200℃で5分間融解した。その後、40℃まで10℃/
minの速度で降温して結晶化した後に、更に10℃/minで2
00℃まで昇温して、融解したときの融解ピーク温度及び
融解終了温度で評価した。 ・塩素含有率 JIS−K7229に準じて測定。 ・重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn) GPC(標準物質:ポリスチレン樹脂)によって測定。
また、表中Mw/Mnは、分子量分布を示す。
【0051】[液状試験]得られた樹脂溶液を室温にて
1ヶ月放置し、液状、外観を目視により評価した。 評価基準 ○:1ヶ月後も、液状、外観に変化がない。 △:1ヶ月後、赤褐色に変色。 ×:1ヶ月後、ゲル化。
【0052】[プライマー試験]実施例−3,4及び比
較例−3,4より得られた樹脂溶液(固形分20%)100g
と二酸化チタン20gをサンドミルで3時間混練した後、N
O.4フォードカップで13〜15秒/20℃になるようにキシレ
ンで粘度調整を行い、超高剛性PP板(TX-933A,三菱化学
(株)製)、塩ビ、ポリカーボネート(PC)、PET、ABS、
ナイロン-6にエアー式スプレーガンによって膜厚が約10
μmになるように塗装した。次に、2液硬化型ウレタン塗
料を塗装した(膜厚約30μm)。80℃で30分乾燥し、室温
にて24時間放置し物性評価を行った。プライマー試験結
果を表2に示す。 ・付着性 塗面上に1mm間隔で素地に達する100個の碁盤目を作り、
その上にセロハン粘着テープを密着させて180゜方向に
引き剥し、塗膜の残存する程度で判定した。 ・耐ガソホール性 塗装板をレギュラーガソリン/エタノール=9/1(v/v)に12
0分浸漬し塗膜の状態を観察した。 良好;塗膜に異常のない状態 不良;塗膜に異常のある状態 ・耐水性 40℃の温水に塗装板を240時間浸漬し、塗膜の状態と付
着性を調べた。 良好;全く剥離がない場合 不良;剥離が生じた場合
【0053】[接着性試験] ・ヒートシール試験 得られた樹脂溶液(固形分20wt%)をコーティングロッ
ド#14で未処理PP、塩ビ、PETに塗工した。24時間室温
で乾燥した後、塗工面を重ね合わせ、80℃の1kg/cm2
2秒間の圧着条件でヒートシールを行った。24時間後、
テンシロンにて180°剥離強度(g/cm)を測定した(引
っ張り速度:50mm/min)。接着性試験結果を表3に示
す。
【0054】[インキ試験]得られた樹脂溶液(固形分
20wt%)100gと二酸化チタン20gをサンドミルで3時間
練肉した後、#3ザーンカップで25〜30秒/20℃の粘度
になるようにトルエンで希釈しインキを調整した。得ら
れたインキについて、粘着テープ剥離試験とヒートシー
ル試験を行った。インキ試験結果を表4に示す。 ・粘着テープ剥離試験 ヒートシール試験と同様な方法で、未処理PP、塩ビ、PE
Tにインキを塗工した。24時間室温で乾燥した後、セロ
ファン粘着テープをインキ塗工面に貼り付け、一気に剥
がした時の塗工面の状態を調べた。 評価基準 良好:剥がれが全くない状態 不良:剥がれがある状態 ・ヒートシール試験 接着性試験と同じ。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【発明の効果】表1よりメタロセン触媒を重合触媒とし
て製造したプロピレン系ランダム共重合体の塩素化物
は、塩素含有率が低くても液状が良好である。また、表
2よりメタロセン触媒を重合触媒として製造したプロピ
レン系ランダム共重合体の塩素化物は、従来のチーグラ
ー・ナッタ触媒を重合触媒として製造したIPPの塩素
化物より耐ガソホール性が良好である。さらに、表2〜
4よりメタロセン触媒を重合触媒として製造したプロピ
レン系ランダム共重合体の塩素化物は、ポリプロピレン
素材のみならず、塩ビ、ポリカーボネート、PET、ABS、
ナイロン等の素材に対しても良好な付着性を示してい
る。従って、この塩素化プロピレン系ランダム共重合体
及び/またはカルボキシル基含有塩素化ポリプロピレン
系ランダム共重合体を含むバインダー樹脂組成物が、産
業上有用であり、特に、塗料、接着剤、ヒートシール
剤、印刷インキ、プライマー用に有効であることが分か
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 151/06 C09D 151/06 4J100 C09J 123/28 C09J 123/28 151/06 151/06 C09K 3/10 C09K 3/10 Z Fターム(参考) 4H017 AA04 AC17 AD06 4J002 BB201 BB211 BN051 EA016 EA026 EA056 EC036 ED026 EE036 EH036 GH01 GJ01 HA05 4J038 CB171 CP061 GA06 GA12 KA06 MA07 MA13 MA14 NA12 PC08 4J039 AD01 AD17 AF02 BE12 CA04 EA48 4J040 DA181 DL061 DL101 GA03 GA07 JA02 LA01 LA02 LA06 MA10 4J100 AA02Q AA03P AA04Q AA16Q AA17Q AA19Q CA04 CA11 CA31 DA01 DA24 FA10 HA21 HA57 HB04 HE22 HG09 JA01 JA03 JA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタロセン系触媒の共存下にプロピレン
    と他のα−オレフィンを共重合して得られたプロピレン
    系ランダム共重合体を、塩素含有率が10〜40重量%まで
    塩素化した、重量平均分子量が3000〜250000である塩素
    化プロピレン系ランダム共重合体と安定剤及び有機溶剤
    を含むことを特徴とするバインダー樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の塩素化プロピレン系ラン
    ダム共重合体が、α、β−不飽和カルボン酸又はその無
    水物を0〜20重量%グラフト重合した後、塩素含有率が1
    0〜40重量%まで塩素化した、あるいは塩素含有率が10
    〜40重量%まで塩素化した後、α、β−不飽和カルボン
    酸又はその無水酸を0〜20重量%グラフト重合した、重
    量平均分子量が30000〜220000であるカルボキシル基含
    有塩素化ポリプロピレン系ランダム共重合体であるバイ
    ンダー樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 プロピレン系ランダム共重合体が、示差
    走査型熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が115〜16
    5℃である請求項1又は2記載のバインダー樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 メタロセン系触媒の共存下にプロピレン
    と他のα−オレフィンを共重合して得られた、示差走査
    型熱量計(DSC)による融点(Tm)が115〜165℃のプロ
    ピレン系ランダム共重合体を熱減成後、あるいは熱減成
    せずに、塩素含有率が10〜40重量%まで塩素化した塩素
    化プロピレン系ランダム共重合体とする請求項1または
    2記載のバインダー樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 塩素化プロピレン系ランダム共重合体
    が、α、β−不飽和カルボン酸又はその無水物を0〜20
    重量%グラフト重合した後、塩素含有率が10〜40重量%
    まで塩素化した、あるいは塩素含有率が10〜40重量%ま
    で塩素化した後、α、β−不飽和カルボン酸又はその無
    水物を0〜20重量%グラフト重合した、カルボキシル基
    含有塩素化ポリプロピレン系ランダム共重合体である請
    求項4記載のバインダー樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3いずれか1項記載のバイン
    ダー樹脂組成物を有効成分とする、ポリオレフィン系、
    塩ビ系、ポリカーボネート系、PET系、ABS系、ナイロン
    系のフィルム、シート、成型物に適用できる塗料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3いずれか1項記載のバイン
    ダー樹脂組成物を有効成分とする、ポリオレフィン系、
    塩ビ系、ポリカーボネート系、PET系、ABS系、ナイロン
    系のフィルム、シート、成型物に適用できる印刷イン
    キ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜3いずれか1項記載のバイン
    ダー樹脂組成物を有効成分とする、ポリオレフィン系、
    塩ビ系、ポリカーボネート系、PET系、ABS系、ナイロン
    系のフィルム、シート、成型物に適用できる接着剤。
  9. 【請求項9】 請求項1〜3いずれか1項記載のバイン
    ダー樹脂組成物を有効成分とする、ポリオレフィン系、
    塩ビ系、ポリカーボネート系、PET系、ABS系、ナイロン
    系のフィルム、シート、成型物に適用できるヒートシー
    ル剤。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3いずれか1項記載のバイ
    ンダー樹脂組成物を有効成分とする、ポリオレフィン
    系、塩ビ系、ポリカーボネート系、PET系、ABS系、ナイ
    ロン系のフィルム、シート、成型物に適用できるプライ
    マー。
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