JP2003321414A - クロロアセトフェノンの精製方法及びパラクロロアセトフェノンの製造方法 - Google Patents

クロロアセトフェノンの精製方法及びパラクロロアセトフェノンの製造方法

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JP2003321414A
JP2003321414A JP2002129139A JP2002129139A JP2003321414A JP 2003321414 A JP2003321414 A JP 2003321414A JP 2002129139 A JP2002129139 A JP 2002129139A JP 2002129139 A JP2002129139 A JP 2002129139A JP 2003321414 A JP2003321414 A JP 2003321414A
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chloroacetophenone
crystallization
parachloroacetophenone
solvent
purifying
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Yoshimune Aosaki
義宗 青嵜
Hirohisa Kubota
裕久 久保田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異性体を含むクロロアセトフェノンから高純
度のパラクロロアセトフェノンを製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 パラクロロアセトフェノンの含有量が7
0〜98%であるクロロアセトフェノンの異性体混合物
を精製することにより、純度が99%以上であるパラク
ロロアセトフェノンを得るクロロアセトフェノンの精製
方法において、クロロアセトフェノンの異性体混合物を
溶媒の存在下に晶析しパラクロロアセトフェノンを得る
晶析工程を有する、クロロアセトフェノンの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、農薬、合成
樹脂等の中間体として有用なパラクロロアセトフェノン
をオルソ、メタ異性体を含むパラクロロアセトフェノン
の混合物から高純度のパラ体を高収率で得る工業的製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】クロロアセトフェノンの合成方法は古く
はOrganic Syntheses, Coll.
Vol I, p111に記載された方法等が挙げ
られる。しかしながら、このようにして得られたクロロ
アセトフェノンは異性体の混合物であり、医薬、農薬、
合成樹脂等の原料若しくは中間体として適していない。
こうした用途では純度の高いパラクロロアセトフェノン
が求められる。異性体を蒸留分離するには、それぞれの
異性体の沸点が非常に近いため、純度の高いパラクロロ
アセトフェノンを得るためには回収率が低下する。設備
的にも非常に段数の高い特殊な蒸留塔が必要であり、設
備的にもエネルギー的にも工業的視点から不利であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、クロ
ロアセトフェノンの異性体混合物から、特殊な設備を必
要とせず、しかも安価に、高純度のパラクロロアセトフ
ェノンを効率よく製造する方法を供給することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み鋭意検討した結果、驚くべきことにパラクロロアセ
トフェノンの含有量が70〜98%であるクロロアセト
フェノンの異性体混合物は、溶媒下に晶析を行うとによ
り、パラ体のみが純度よく結晶化することを見出し本発
明に到達した。即ち、本発明の要旨は、パラクロロアセ
トフェノンの含有量が70〜98%であるクロロアセト
フェノンの異性体混合物を精製することにより、純度が
99%以上であるパラクロロアセトフェノンを得るクロ
ロアセトフェノンの精製方法において、クロロアセトフ
ェノンの異性体混合物を溶媒の存在下でパラクロロアセ
トフェノンを晶析する晶析工程を有する、クロロアセト
フェノンの精製方法に存する。
【0005】また、本発明の別の要旨は、以下の各工程
を有することを特徴とするパラクロロアセトフェノンの
製造方法に存する。(1)クロロベンゼンをルイス酸触
媒の存在下に、無水酢酸及び/又は酢酸クロライドと反
応させてクロロアセトフェノンの異性体混合物を得る反
応工程、(2)クロロアセトフェノンの異性体混合物を
溶媒下で晶析することにより、純度99%以上のパラク
ロロアセトフェノンを得る精製工程、(3)クロロアセ
トフェノンの異性体混合物に対して0.1〜2倍重量の
晶析残液を廃棄し、残りの晶析残液を次回の晶析に再利
用する再利用工程。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、クロロアセトフェノン
の異性体混合物を、溶媒の存在下、晶析することによ
り、高純度のパラクロロアセトフェノンを製造すること
ができる。 (反応工程)本発明に用いられるクロロアセトフェノン
の異性体混合物は、パラクロロアセトフェノンの含有量
が70〜98%である限り、いかなる反応によって得ら
れたものでも用いることができる。クロロアセトフェノ
ンの工業的な製造法としては、クロロベンゼンと酢酸ク
ロライドまたは無水酢酸を塩化アルミニウムの存在下反
応する方法があげられる。反応条件としては通常、クロ
ロベンゼン100重量部に対して、酢酸クロライドは7
0〜150重量部、ルイス酸触媒例えば塩化アルミニウ
ムが25〜150重量部である。反応温度としては、2
0〜100℃が好ましく50〜90℃が更に好ましい、
また、反応時間としては通常3〜10時間である。この
反応においては反応溶媒を用いても良いが、原料のクロ
ロベンゼンを溶媒として用いる事が好ましい。
【0007】反応終了後、塩化アルミニウムを処理し、
溶媒を留去した後に、蒸留してクロロアセトフェノンの
異性体混合物を得ることが出来る。クロロアセトフェノ
ンには3種または2種の異性体が存在するが、通常の蒸
留ではこれら3種または2種の異性体は分離することが
できない。
【0008】(晶析工程)クロロアセトフェノンの異性
体混合物は、通常オルソクロロアセトフェノン(以下、
「オルソ体」と称することがある)の含有量が2〜50
%、メタクロロアセトフェノン(以下、「メタ体」と称
することがある)の含有量が0〜5%、パラクロロアセ
トフェノン(以下、「パラ体」と称することがある)の
含有量が45〜98%である。これら3種の異性体の含
有比率は、クロロアセトフェノンの合成方法や条件によ
っては異なるが、未だ選択率100%の合成法は見出さ
れておらず、異性体の混合物として得られるのが現状で
ある。
【0009】クロロアセトフェノンの異性体混合物の
内、本発明の精製方法に用いられるのは、パラクロロア
セトフェノンが70〜98%の範囲のものである。クロ
ロアセトフェノンの異性体混合物中のオルソ体の含有量
が増えると、晶析温度が下がり、設備的により低温で操
作する必要が生じるため、異性体混合物中のオルソ体の
含有量は20%以下であることが好ましく、15%以下
であることが好ましい。また、本発明の方法はオルソ体
がある程度多くても、晶析可能であることが特徴である
ので、オルソ体の含有量は4%以上のものが好適に用い
られ、5%以上のものが更に好適である。また、メタ体
は少ない程良いが、好ましくは3%以下、更に好ましく
は2%以下である。上述のクロロベンゼンと酢酸クロラ
イドまたは無水酢酸を塩化アルミニウムの存在下反応す
る方法を用いた場合には、オルソ−パラ配向性であり、
通常オルソ体が3〜30%、メタ体が0〜3%、パラ体
が70〜97%で得られるので、精製工程に好適に利用
できる。
【0010】クロロアセトフェノンの異性体混合物中に
は、3種の異性体以外の成分も含まれていてもよい。工
業的に得られるクロロアセトフェノンには原料やその他
の副生成物、反応工程に用いた溶媒が含まれる場合があ
る。例えば、クロロベンゼン、酢酸等が挙げられる。但
し、クロロアセトフェノン以外の成分が極端に多いと、
パラクロロアセトフェノンの晶析を阻害する場合がある
ので、クロロアセトフェノン以外の成分は30%以下で
あることが好ましく、15%以下であることが更に好ま
しく、5%以下であることが特に好ましい。
【0011】晶析工程に用いられる溶媒は、収率向上の
ためパラクロロアセトフェノンを過剰に溶解しないもの
が使用される。用いられる溶媒としては炭化水素が好ま
しく、例えば脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素が挙げら
れる。脂肪族炭化水素としては、n−ペンタン、n−ヘ
キサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n
−デカン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、
2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、
2,2,4―トリメチルペンタン、イソプレン、シクロ
ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキセン等を挙げる
事が出来る。また、芳香族炭化水素としてはトルエン、
エチルベンゼン、クメン、n−ブチルベンゼン、o−キ
シレン、m−キシレン等が挙げられる。
【0012】溶媒の沸点があまり高すぎると、晶析後の
溶媒の除去が困難になるため沸点が高すぎないものが好
ましい。例としてペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2−
メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチ
ルブタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、トルエン
等の炭素数5〜10の炭化水素が好適に使用される。更
に、収率向上の側面からパラクロロアセトフェノンに対
する溶解度が低い、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の飽
和脂肪族炭化水素が好適に使用される。
【0013】また、水溶性の溶媒の場合、水を添加する
ことによりパラクロロアセトフェノンの溶解度を低く調
整して使用することが出来る。水溶性の溶媒としては、
例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル系溶媒が挙げられる。これら溶媒
はパラクロロアセトフェノンの溶解度が20g/100
g以下であることが好ましく、15g/100g以下で
あることが更に好ましい。これら溶媒は、単独で用いて
もよく、2種以上を混合して用いても良い。
【0014】晶析工程においては、まずクロロアセトフ
ェノンの異性体混合物を上述の溶媒に溶解するが、溶解
の際の温度としては、好ましくは10〜100℃であ
る。操作の面からは20〜50℃の範囲で溶解するのが
更に好ましい。また、晶析温度は−20〜20℃で行わ
れる。工業的には低温になるほど設備への負荷やコスト
が大きくなるため、−10〜10℃である事が好まし
い。更に、オルソ体の含有率が大きくなると晶析温度が
低下する。オルソ体が3〜10%程度含まれる場合、晶
析温度は5〜−10℃であることが好ましい。
【0015】晶析溶媒はクロロアセトフェノンの異性体
混合物に対して0.1〜20倍重量使用される。溶媒が
多すぎるとパラクロロアセトフェノンの溶媒への溶解ロ
スが増え、また、溶媒が少なすぎるとパラ体の純度が十
分に上がらないため、溶媒はクロロアセトフェノンの異
性体混合液に対して0.5〜1倍重量の割合で添加され
ることが好ましい。一方、工業的な晶析を行う場合、溶
媒量が少ないと結晶が固化しすぎ、撹拌が出来なくなる
ばかりでなく、結晶が大きくなり過ぎ晶析槽から移送出
来なくなる等問題が生じる。通常、晶析後付着溶媒を除
去するために結晶分離槽に送られるが、濾過等で十分に
付着溶媒を除去しないと純度が十分に上がらない。この
ように晶析後、結晶分離のためにセントル濾過槽や加圧
濾過装置を使用する場合には、送液するために晶析溶媒
はパラクロロアセトフェノンに対して1〜20倍量使用
される事が好ましい。5〜10倍量使用されることが更
に好ましい。
【0016】(晶析残液再利用工程)晶析工程におい
て、溶媒量が増えると純度は改善されるが溶解ロスが大
きくなるため、過剰の溶媒はリサイクル使用されること
が好ましい。晶析に使用された溶媒には既にパラクロロ
アセトフェノンが既に飽和溶解しているため、晶析リサ
イクル溶媒には新たにパラクロロアセトフェノンが溶解
しないた。よって、リサイクルした溶媒は過剰に添加し
ても新たなパラクロロスチレンのロスはない。一方、晶
析を繰り返すと、残液中に異性体が濃縮されるため、晶
析液の一部は廃棄しなければならない。リサイクルする
場合、パラクロロアセトフェノンの異性体混合溶液に対
して0.2〜2倍の晶析残液を一回の晶析で廃棄し、残
りの晶析残液はリサイクルして、次回の晶析に使用する
事が好ましい。更に、パラクロロアセトフェノンの回収
率を上げ、パラ体純度を上げるため、パラクロロアセト
フェノンの異性体混合溶液に対して0.5〜1倍の晶析
残液を廃棄し、残りを次回の晶析で用いることが更に好
ましい。晶析には前回廃棄した晶析残液と同量の新たな
溶媒と晶析残液を混合使用することが好ましい。
【0017】(晶析後洗浄工程)晶析後、結晶の間に晶
析残液が残ると、パラクロロアセトフェノンの純度が下
がる為、晶析後、セントル濾過等の方法により分離され
た結晶は、新たな溶媒によって洗浄されることが好まし
い。洗浄溶媒の量が多くなると残液の除去だけでなく、
パラクロロアセトフェノンの結晶の溶解量が増えすぎる
ため、パラクロロアセトフェノンの異性体混合溶液に対
して0.1〜3倍量の溶媒で洗浄される。操作性、溶解
によるパラクロロアセトフェノンのロス低減を考えると
0.2〜1倍量の溶媒で洗浄されることが更に好まし
い。洗浄溶媒としては、上述の晶析工程に用いられるも
のと同様なものを用いることが出来るが、晶析工程に用
いる溶媒と晶析後洗浄工程に用いる溶媒は同一であるの
が好ましい。
【0018】洗浄をバッチ操作で行う場合、溶媒を分割
した方が洗浄の効率はよい。洗浄溶媒の添加方法に制限
はないが、霧状に結晶にふりかけたり、セントルをかけ
ながら噴霧することはなお好ましい。洗浄溶媒は冷却し
て使用されることが好ましい。洗浄溶媒が晶析温度まで
冷却しておき使用されることが更に好ましい。
【0019】(洗浄母液再利用工程)洗浄に使用された
溶媒は、次回以降のの晶析工程へ再利用することが好ま
しい。洗浄溶媒中にパラクロロアセトフェノンが晶析温
度で飽和量溶解していない場合は、次回以降の晶析工程
において、新たに加えられる溶媒の一部とみなして使用
されることが好ましい。本発明の精製方法により精製さ
れたパラクロロアセトフェノンの純度は99%以上であ
る。また、パラクロロアセトフェノンの収率は70%以
上であるが、工業的には収率は80%以上であることが
好ましく、90%であることが更に好ましい。
【0020】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限
定されるものではない。 [実施例1]パラクロロアセトフェノン(東京化成製)9
0gにオルソクロロアセトフェノン(東京化成製)10
gを、500mlの三角フラスコに加え混合した。10
0gのn−ヘキサンを加え、一度溶液を40℃に昇温
し、パラクロロアセトフェノンを溶解した。−5℃に3
時間で冷却後、100mgのパラクロロアセトフェノン
の結晶を添加すると、無色透明の針状結晶が析出した。
−5℃に冷却したブフナーロートで素早く濾過し、その
後、−5℃に冷却した10gのn−ヘキサンで2度洗浄
を繰り返した。
【0021】濾過後の純度は、96.6%、1回目のn
−ヘキサン洗浄で99.4%、2回目のn−ヘキサン洗
浄で99.5%であった。得られた結晶を10℃で真空
乾燥し、99.5%のパラクロロアセトフェノンを得
た。異性体の純度分析はガスクロマトグラフィーを用い
て分析した。カラムはヒューレットパッカード社製HP
−1を使用した。 [実施例2〜4]原料組成を変える以外は実施例1と同様
の操作を行った結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】[実施例5]溶媒をシクロヘキサン75g、
n−ヘキサン25gの混合溶媒に変えた以外は実施例1
と同じ方法で晶析を行い、99.5%のパラクロロアセ
トフェノンを得た。
【0024】[実施例6]実施例1の中で、パラクロロア
セトフェノン90g、オルソクロロアセトフェノン10
gの組成の代わりに、パラクロロアセトフェノン90
g、オルソクロロアセトフェノン7g、メタクロロアセ
トフェノン2.8g、クロロベンゼン0.3gの組成
で、実施例1と同様の晶析検討をした。この晶析後、パ
ラクロロアセトフェノン99.6%、オルソクロロアセ
トフェノン0.25%、メタクロロアセトフェノン(東
京化成製)0.09%、クロロベンゼン0.03%の組
成を有するクロロアセトフェノンの無色針状晶の結晶を
得た。
【0025】[実施例7]実施例1の中で、晶析溶媒とし
てn−ヘキサンの代わりにnーヘプタンを用いた以外
は、実施例1と同様に行った。パラクロロアセトフェノ
ンの純度は99.5%であった。 [実施例8]実施例1の中で、パラクロロアセトフェノン
80g、オルトクロロアセトフェノン20gの組成の溶
液を用い、実施例1と同様に晶析した。結果、晶析後の
パラクロロアセトフェノンの純度は96.1%、1回目
のn−ヘキサン洗浄で97.7%、2回目のn−ヘキサ
ン洗浄で99.5%のパラクロロアセトフェノンの結晶
を得た。
【0026】[比較例1]実施例1中の溶媒をメタノール
またはアセトンに代えて−5℃、−20℃でそれぞれ晶
析操作を行ったが、パラクロロアセトフェノンの結晶は
析出しなかった。 [比較例2]実施例1の溶媒の代わりに、50%メタノー
ル水溶液を用いて晶析操作を行ったが、純度90.5%
のパラクロロアセトフェノンしか得られず、純度は改善
されていなかった。
【0027】[実施例6]パラクロロアセトフェノン45
0gにオルソクロロアセトフェノン50gを、1000
mlの三角フラスコに500gのn−ヘキサンを加え撹
拌溶解した。−10℃で晶析後、―10℃に冷却したブ
フナーロートで濾過し結晶を分離した。濾過で分離され
た晶析残液は560gであった。分離した結晶を−10
℃に冷却した50gのn−ヘキサンを2度に分け降りか
けながら洗浄した。パラクロロアセトフェノン90gに
オルソクロロアセトフェノン5gを加え、前回の晶析で
得られた晶析残液のうち100gは廃棄し、残りの45
9gの晶析残液を加えた。さらに、洗浄で使用したn−
ヘキサン溶液50gと新たにn−ヘキサンを50g加え
結晶を溶解した。−10℃で晶析を行い、−10℃に冷
却したブフナーロートで濾過後、分離した結晶を−10
℃に冷却した50gのn−ヘキサンを降りかけながら2
度洗浄した。パラクロロアセトフェノンの純度99.5
%、収率は86%であった。
【0028】
【発明の効果】 本発明により異性体を含むパラクロロ
アセトフェノンの溶液から、特別な設備を使用せず、し
かも高収率かつ高純度でパラクロロアセトフェノンを製
造することが可能となった。すなわち、本発明の方法に
よれば、溶媒の存在下、異性体を含むパラクロロアセト
フェノンの溶液から99%以上の純度のパラクロロアセ
トフェノンを製造することが可能であり、晶析残液をリ
サイクルすることにより溶媒量が増してもパラクロロア
セトフェノンの収率の低下が抑えられ、しかも送液等の
操作が容易になり特別な設備が不要となるため、本発明
は工業的極めて有利なパラクロロアセトフェノンの製造
方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 616 B01D 9/02 616 617 617 618 618B 619 619A 625 625A 625E C07C 45/81 C07C 45/81 49/807 49/807 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC44 AD15 BA09 BA37 BB11 BB12 BC10 BC31 BC50 BC51 4H039 CA62 CD20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラクロロアセトフェノンの含有量が7
    0〜98%であるクロロアセトフェノンの異性体混合物
    を精製することにより、純度が99%以上であるパラク
    ロロアセトフェノンを得るクロロアセトフェノンの精製
    方法において、クロロアセトフェノンの異性体混合物を
    溶媒の存在下に晶析しパラクロロアセトフェノンを得る
    晶析工程を有する、クロロアセトフェノンの精製方法。
  2. 【請求項2】 クロロアセトフェノンの異性体混合物中
    のオルトクロロアセトフェノンの含有量が3〜20%で
    ある請求項1に記載のクロロアセトフェノンの精製方
    法。
  3. 【請求項3】 溶媒が炭素数5〜10の炭化水素類から
    選ばれる少なくとも一種または数種の混合溶媒である請
    求項1又は2に記載のクロロアセトフェノンの精製方
    法。
  4. 【請求項4】 溶媒がn−ヘキサンまたはn−ヘプタ
    ン、シクロヘキサン、またはこれらの混合溶媒である請
    求項3に記載のクロロアセトフェノンの精製方法。
  5. 【請求項5】 クロロアセトフェノンの異性体混合物に
    対して、0.1〜20倍重量の溶媒を使用する請求項1
    乃至4のいずれかに記載のクロロアセトフェノンの精製
    方法。
  6. 【請求項6】 晶析温度が−20〜20℃である請求項
    1乃至5のいずれかに記載のクロロアセトフェノンの精
    製方法。
  7. 【請求項7】 クロロアセトフェノンの異性体混合物に
    対して0.1〜2倍重量の晶析残液を廃棄し、残りの晶
    析残液を次回以降の晶析工程に再利用するクロロアセト
    フェノンの精製方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6のいずれかに記載の方法
    により得たパラクロロアセトフェノンを溶媒により洗浄
    する晶析後洗浄工程を有するクロロアセトフェノンの精
    製方法。
  9. 【請求項9】 パラクロロアセトフェノンの洗浄母液を
    次回以降の晶析工程に再利用する請求項8に記載のクロ
    ロアセトフェノンの精製方法。
  10. 【請求項10】 以下の各工程を有することを特徴とす
    るパラクロロアセトフェノンの製造方法。(1)クロロ
    ベンゼンをルイス酸触媒の存在下に、無水酢酸及び/又
    は酢酸クロライドと反応させてクロロアセトフェノンの
    異性体混合物を得る反応工程、(2)クロロアセトフェ
    ノンの異性体混合物を溶媒の存在下に晶析しパラクロロ
    アセトフェノンを得る晶析工程、(3)クロロアセトフ
    ェノンの異性体混合物に対して0.1〜2倍重量の晶析
    残液を廃棄し、残りの晶析残液を次回の晶析に再利用す
    る晶析残液再利用工程。
  11. 【請求項11】 更に、(4)晶析して得られたパラク
    ロロアセトフェノンを溶媒により洗浄する晶析後洗浄工
    程を有する、請求項10に記載のパラクロロアセトフェ
    ノンの製造方法。
  12. 【請求項12】 更に、(5)パラクロロアセトフェノ
    ンの洗浄母液を次回以降の晶析工程に再利用する洗浄母
    液再利用工程を有する、請求項11に記載のパラクロロ
    アセトフェノンの製造方法。
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