JP2003320259A - スルホン酸の再生方法、スルホン酸無水物の再生方法及びアミド化合物の製造方法 - Google Patents

スルホン酸の再生方法、スルホン酸無水物の再生方法及びアミド化合物の製造方法

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JP2003320259A
JP2003320259A JP2002131338A JP2002131338A JP2003320259A JP 2003320259 A JP2003320259 A JP 2003320259A JP 2002131338 A JP2002131338 A JP 2002131338A JP 2002131338 A JP2002131338 A JP 2002131338A JP 2003320259 A JP2003320259 A JP 2003320259A
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Japan
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sulfonic acid
anhydride
compound
amide compound
acid anhydride
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JP2002131338A
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English (en)
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Toshiyuki Suzuki
敏之 鈴木
Koji Watanabe
渡辺孝二
Kenichi Takizawa
滝沢健一
Yasushi Honda
本田耕史
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オキシム化合物のベックマン転位反応を行っ
てアミド化合物の製造を行うにあたり、用いた触媒を再
生することによって生産性が向上したアミド化合物の製
造方法を提供する。 【解決手段】(1)アミド化合物の製造に使用されたス
ルホン酸をスルホン酸塩として分離する分離工程、及
び、(2)スルホン酸塩からスルホン酸を再生せしめる
スルホン酸再生反応工程、を有するスルホン酸の再生方
法であって、スルホン酸再生反応を、スルホン酸骨格1
モルに対して、混入する含窒素化合物の窒素原子のモル
数を0.1以下で行うことを特徴とするスルホン酸の再
生方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアミド化合物の製造
用触媒として使用されたスルホン酸及び/またはスルホ
ン酸無水物の再生方法に関する。詳しくは、液相中でス
ルホン酸及び/またはスルホン酸無水物の存在下にオキ
シムのベックマン転位反応を行うことによるアミド化合
物の製造に際して、使用する触媒の再生を行う製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】工業的なアミド化合物の製造方法とし
て、オキシム化合物をベックマン転位反応に付してアミ
ド化合物に変換させる方法がある。例えば、液相中で濃
硫酸や発煙硫酸などの強酸を触媒とする、シクロヘキサ
ノンオキシムのベックマン転位反応によるε−カプロラ
クタムの製造方法が知られている。しかしながら、この
方法では、反応生成液からε−カプロラクタムを分離す
るときの中和工程でアンモニア水溶液を用いるため、多
量の硫酸アンモニウムが副生する。
【0003】ベックマン転位反応に用いる触媒に関して
は、種々、検討されている。例えば、シクロヘキサノン
オキシムのベックマン転位反応によるε−カプロラクタ
ムの製造方法に関しては、N,N−ジメチルホルムアミ
ドとクロルスルホン酸から生成するイオン対(ビルスマ
イヤー錯体)を触媒とする方法(M.A.Kiraan
d Y.M.Shaker,Egypt.J.Che
m.,16,551(1973))、エポキシ化合物と
強酸(三フッ化ホウ素・エーテラート等)から生成する
アルキル化剤及びN,N−ジアルキルホルムアミドから
なる触媒を用いる方法(Y.Izumi,Chemis
try Letters,p.2171(199
0))、リン酸あるいは縮合性リン酸化合物を触媒とす
る方法(特開昭62−149665号公報)、N,N−
ジアルキルホルムアミド等の化合物、五酸化リン及び含
フッ素強酸あるいはその誘導体からなる触媒を用いる方
法(特開平5−105654号公報)などが知られてい
る。
【0004】しかしながら、これらの触媒を用いるベッ
クマン転位反応によるε−カプロラクタムの製造方法
は、工業的には、必ずしも満足し得るものではない。す
なわち、単位触媒あたりのアミド生成量(TON値)が
不十分であり、触媒の繰り返し使用が必要であるにもか
かわらず、かかる課題に対する検討例が見あたらなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液相中で触
媒の存在下にオキシム化合物のベックマン転位反応を行
ってアミド化合物の製造を行うにあたり、用いた触媒を
再生することによって更に生産性が向上したアミド化合
物の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み鋭意検討した結果、スルホン酸類を触媒としたベッ
クマン転位反応を行った後に、スルホン塩の形態でアミ
ド化合物と分離せしめ、再生反応を実施するにあたり、
反応で生じたアミド化合物、反応で用いた溶媒、反応で
生じた不純物等の種々の含窒素化合物がスルホン塩に混
入する事がわかり、かかる化合物の混入を防ぐことによ
ってスルホン酸塩からスルホン酸を再生せしめる反応工
程や、スルホン酸からスルホン酸無水物を再生せしめる
反応工程において収率が向上することを見出し本発明に
到達した。
【0007】即ち、本発明の要旨は、(1)アミド化合
物の製造に使用されたスルホン酸をスルホン酸塩として
分離する分離工程、及び、(2)スルホン酸塩からスル
ホン酸を再生せしめるスルホン酸再生反応行程、を有す
るスルホン酸の再生方法であって、スルホン酸再生反応
を、スルホン酸骨格1モルに対して、混入する含窒素化
合物の窒素原子のモル数を0.1以下で行うことを特徴
とするスルホン酸の再生方法に存する。
【0008】本発明の別の要旨は、(1)アミド化合物
の製造に使用されたスルホン酸無水物をスルホン酸塩と
して分離する分離工程、(2)スルホン酸塩からスルホ
ン酸を生成せしめるスルホン酸再生反応工程、(3)ス
ルホン酸からスルホン酸無水物を生成せしめるスルホン
酸無水物再生反応工程、を有するスルホン酸無水物の再
生方法であって、スルホン酸無水物再生反応を、スルホ
ン酸骨格1モルに対して、混入する含窒素化合物の窒素
原子のモル数を0.1以下で行うことを特徴とするスル
ホン酸無水物の再生方法に存する。
【0009】また、本発明の別の要旨は、(1)スルホ
ン酸無水物の存在下にオキシム化合物をベックマン転位
反応に付しアミド化合物を製造する第一の転位反応行
程、(2)アミド化合物の製造に使用されたスルホン酸
無水物をスルホン酸塩として分離する分離工程、(3)
スルホン酸塩からスルホン酸を生成せしめるスルホン酸
再生反応工程、(4)スルホン酸からスルホン酸無水物
を生成せしめるスルホン酸無水物再生反応工程、(5)
再生したスルホン酸無水物の存在下にオキシム化合物を
ベックマン転位反応に付しアミド化合物を製造する第二
の転位反応行程、を有するアミド化合物の製造方法であ
って、スルホン酸無水物再生反応を、スルホン酸骨格1
モルに対して、混入する含窒素化合物の窒素原子のモル
数を0.1以下で行うことを特徴とするアミド化合物の
製造方法に存する。
【0010】本発明の好適な態様としては、スルホン酸
無水物としては、例えばp−トルエンスルホン酸無水物
等の置換基を有し得る芳香族スルホン酸無水物や、メタ
ンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸無水物であること、
スルホン酸としては、芳香族スルホン酸や脂肪族スルホ
ン酸であること、アミド化合物がε−カプロラクタムや
ラウロラクタム等の炭素数3〜20のラクタム類である
ことが挙げられる。また、再生反応行程に混入する含窒
素化合物としては、ε−カプロラクタムやラウロラクタ
ム等の炭素数5〜13のラクタム類や、転位反応時の溶
媒で使用されるNN−二置換アミド化合物、上記ラクタ
ム類が開環したアミノカルボン酸等を挙げる事ができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。 [オキシム化合物の転位反応によるアミド化合物の生成] (オキシム化合物)アミド化合物の原料として用いられ
るオキシム化合物は、いずれのオキシム化合物でもよ
い。例えば、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサ
ノンオキシム、シクロドデカノンオキシム等の環状ケト
ン化合物のオキシム;アセトンオキシム、2−ブタノン
オキシム等の鎖状ケトン化合物のオキシム;アセトフェ
ノンオキシム、4′−ヒドロキシアセトフェノンオキシ
ム、ベンゾフェノンオキシム等の芳香族ケトン化合物の
オキシムなどが挙げられる。このうち、環状ケトン化合
物のオキシム、特に炭素数5〜13の環状ケトン化合物
のオキシムが好ましく、シクロヘキサノンオキシムや、
シクロドデカノンオキシムが最も好ましい。
【0012】(触媒成分)触媒的な転位反応は、以下に
例示される触媒成分の存在下で実施される。 1.スルホン酸無水物 2.スルホン酸無水物およびカルボン酸無水物の組み合
わせ 3.スルホン酸およびカルボン酸無水物組み合わせ なかでもスルホン酸無水物を用いる系が好ましい。
【0013】スルホン酸無水物としては、芳香族スルホ
ン酸無水物や脂肪族スルホン酸が挙げられる。芳香族ス
ルホン酸としては、芳香環上に炭素数1〜8のアルキル
基;炭素数1〜4のアルコキシ基;炭素数2〜4のアシ
ル基及びF、Cl、Br等のハロゲン原子よりなる群か
ら選ばれる置換基を有していてもよい炭素数6〜20、
特に6〜10の芳香族スルホン酸無水物が挙げられる。
例えば、ベンゼンスルホン酸無水物、p−トルエンスル
ホン酸無水物、p−ドデシルベンゼンスルホン酸無水
物、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸無水物、2,
5−ジメチルベンゼンスルホン酸無水物、4−クロロベ
ンゼンスルホン酸無水物、α−ナフチルスルホン酸無水
物、β−ナフチルスルホン酸無水物、ビフェニルスルホ
ン酸無水物等が挙げられ、このうち、p−トルエンスル
ホン酸無水物が好ましい。
【0014】脂肪族スルホン酸無水物としては、炭素数
1〜4のアルコキシ基;炭素数2〜4のアシル基;F、
Cl、Br等のハロゲン原子よりなる群から選ばれる置
換基を有していてもよい炭素数2〜20、特に2〜10
の脂肪族スルホン酸無水物が挙げられる。例えば、メタ
ンスルホン酸無水物、エタンスルホン酸無水物、プロパ
ンスルホン酸無水物、1−ヘキサンスルホン酸無水物、
1−オクタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンス
ルホン酸無水物等が挙げられ、このうち、メタンスルホ
ン酸無水物が好ましい。
【0015】スルホン酸無水物は、オキシム化合物に対
して0.05〜30モル%、特に0.1〜15モル%と
なるように用いるのが好ましい。使用量が少いと希薄な
濃度でしかアミド化合物が得られなくなり、逆に多いと
転位反応生成液からの各成分の分離操作や酸無水物の再
生処理に要する負荷が多くなる。
【0016】カルボン酸無水物としては、任意のものを
用いることができるが、置換基を有していてもよい炭素
数2〜20の脂肪族カルボン酸無水物、又は芳香族カル
ボン酸無水物が好ましい。カルボン酸無水物の置換基と
しては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐状のアルキル
基;炭素数1〜4の直鎖又は分岐状のアルコキシ基;炭
素数2〜4のアシル基;F、Cl、Br等のハロゲン原
子などが挙げられる。具体的な化合物としては無水酢
酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、吉草酸無水物、
カプロン酸無水物、ヘプタン酸無水物、2−エチルヘキ
サン酸無水物、安息香酸無水物、無水フタル酸、無水マ
レイン酸、無水コハク酸等が挙げられる。これらの中、
炭素数2〜8の脂肪族カルボン酸無水物、特に無水酢酸
及びプロピオン酸無水物が好ましく、無水酢酸が最も好
ましい。
【0017】カルボン酸無水物を使用する場合の使用量
は、任意であるが、スルホン酸無水物やスルホン酸に対
して、約0.2〜20モル倍の範囲で用いるのがよい。
0.5〜10モル倍、特に0.7〜5モル倍が好まし
い。これより少ないとTON値が十分に向上せず、逆に
多いと転位反応後の分離操作が煩雑になるので、いずれ
も好ましくない。スルホン酸としては、上記したスルホ
ン酸無水物が水と反応して生成するスルホン酸が例示さ
れる。スルホン酸の使用量は、任意に設定できるが、オ
キシム化合物に対して0.05〜30モル%、特に0.
1〜15モル%が好ましい。使用量が少いと希薄な濃度
でしかアミド化合物が得られなくなり、逆に多いと転位
反応後の分離操作や酸無水物の再生処理に要する負荷が
多くなる。
【0018】(溶媒)ベックマン転位反応の溶媒として
は、種々の溶媒が使用できる。このような溶媒として
は、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−
ドデカン等の脂肪族炭化水素化合物;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、メト
キシベンゼン等の芳香族炭化水素化合物;アセトニトリ
ル、プロパンニトリル、カプロニトリル、アジポニトリ
ル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニトリル化合
物;フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、マロン酸ジ
メチル、コハク酸ジメチル等のエステル化合物、N,N
ジメチルホルムアミド等のアミド化合物等を挙げること
ができる。これらは単独でも、混合しても用いることが
できる。このうち、N,N−二置換アミド化合物や、
N,N−二置換アミド化合物を含有する混合溶媒、芳香
族炭化水素化合物等が好ましい。
【0019】N,N−二置換アミド化合物としては、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド、N,N−ジイソプロピルホルムアミド、N,
N−ジブチルホルムアミド、N,N−ジペンチルホルム
アミド、N,N−ジオクチルホルムアミド、N−メチル
−N−オクタデシルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等が挙げら
れ、このうち、N,N−ジメチルホルムアミドが好まし
い。溶媒の使用量は、好ましくは、オキシム化合物に対
しては1〜1000重量倍、特に2〜100重量倍とな
るように用いる。上述した反応液の各成分であるオキシ
ム化合物、スルホン酸無水物、スルホン酸、カルボン酸
無水物及び反応溶媒は、あらかじめ十分な水分除去を施
した後に反応に供するのが好ましい。
【0020】(触媒成分とアミド化合物と溶媒との転位
反応前の混合について)本発明では、、あらかじめ触媒
成分および溶媒及びアミド化合物を混合せしめた後にオ
キシム化合物の転位反応を実施する事が効果的である。
あらかじめ触媒成分およびN,N−二置換アミド化合物
及びアミド化合物を混合せしめる事により、効率的に触
媒活性種を生成せしめる事ができる。ここで用いるN,
N−二置換化合物以外の他のアミド化合物(以下、単に
「他のアミド化合物」と称することがある)他のアミド
化合物としては、任意のN−置換鎖状アミド化合物や環
状アミド化合物などを使用できるが、反応後の分離操作
の便からして、反応により生成するアミド化合物、即ち
目的とするアミド化合物を用いるのが好ましい。他のア
ミド化合物の使用量は、スルホン酸類に対して0.1〜
10モル倍、特に0.3〜3モル倍が好ましい。
【0021】カルボン酸無水物と強酸無水物を併用する
場合には、カルボン酸無水物は、強酸無水物およびN,
N−二置換アミド化合物及びアミド化合物を混合する際
に共存させてもよいし、強酸無水物およびN,N−二置
換アミド化合物及びアミド化合物を混合した後に混合し
てもよいし、後述する種々の反応操作において、オキシ
ム化合物と同様な形式で反応器に導入してもよい。
【0022】(反応形式)本発明に係る製造方法では、
触媒成分、溶媒、オキシム化合物、他のアミド化合物、
カルボン酸無水物などを含有させた混合液を、0℃〜2
00℃でベックマン転位反応に付すことにより、目的と
するアミド化合物を得ることができる。40℃〜150
℃、特に60℃〜130℃で反応を行わせるのが好まし
い。反応時間は、1秒〜10時間、特に30秒〜7時間
が好ましい。反応の形式は、回分反応、連続流通反応の
いずれでも実施することができるが、工業的には連続流
通反応形式を用いるのが好ましい。反応器の形式につい
ては特に制約はなく、1槽又は2槽以上の連続した攪拌
槽からなる反応器や、チューブラー型反応器等、一般的
な反応器を使用することができる。また、本発明では、
スルホン酸無水物やスルホン酸等を用いるため、反応器
材質は耐腐食性材質のものを用いるのが好ましい。例え
ば、ステンレス鋼、ハステロイ、モネル、インコネル、
チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合
金、ニッケル、ニッケル合金、タンタル、又はフッ素樹
脂、各種ガラスを内側にコーテイングした材料などが挙
げられる。
【0023】多段の攪拌槽を用いる場合には、各槽に分
割してオキシム化合物を供給することが好ましい。ま
た、チューブラー型反応器を用いる場合には、反応器入
口から触媒成分、溶媒、必要に応じてアミド化合物等の
混合溶液を導入し、入口から出口に至る流路上で、単一
又は複数の位置からオキシム化合物を供給することが好
ましい。
【0024】[スルホン酸塩の分離]アミド化合物の製造
に用いられたスルホン酸やスルホン酸無水物は、スルホ
ン酸塩として分離される。 (反応混合物の処理)触媒成分としてスルホン酸無水物
を用いる場合、反応混合物中には、溶媒、アミド化合
物、スルホン酸無水物に由来するスルホン酸、及び未反
応のオキシム化合物、触媒不活性種などを含む。この反
応混合物を蒸留、抽出、晶析等の処理を施す事により、
溶媒、目的のアミド化合物、スルホン酸無水物由来のス
ルホン酸化合物、未反応オキシム化合物等を分離してい
く。本発明ではスルホン酸無水物に由来するスルホン酸
を塩の形態で分離するが、発明者らの検討において、分
離されたスルホン酸塩に、反応に由来する含窒素化合物
が過度に混入する事によって、後述するスルホン酸に再
生する反応や、スルホン無水物を得る再生反応におい
て、収率が低下する状況が観察された。
【0025】(再生反応を阻害する含窒素化合物)再生
反応を阻害する含窒素化合物は、転位反応での目的物質
であるアミド化合物、原料のオキシム化合物、溶媒とし
て好ましく用いられるN,N−二置換化合物、反応時に
生成するアミドの脱水2量体やその分解物、アミド化合
物が加水分解してアミノカルボン酸等が挙げられる。従
って、スルホン酸無水物に由来するスルホン酸を塩の形
態で分離する際に、かかる含窒素化合物の存在に着目
し、対処する事が必要となった。
【0026】(溶媒の混入を避ける処置)転位反応で使
用される溶媒は、通常、蒸留で分離できる。溶媒として
ジメチルホルムアミドの様なN,N−二置換化合物を用
いた場合、塔底に溶媒が過度に残留しない条件を選択す
る事で対応できる。例えば、溶媒がジメチルホルムアミ
ドである場合には、圧力が好ましくは50〜3000P
a、更に好ましくは50〜1000Paに減圧して留去
を行う。
【0027】(アミドの脱水2量体やその分解物、アミ
ノカルボン酸等の含窒素化合物の混入を避ける処置)一
方、反応混合物中には生成アミド化合物の脱水2量体と
強酸無水物由来の酸とからなる不活性触媒種が存在して
いる場合がある。かかるアミド化合物の脱水2量体の挙
動を詳細に検討した結果、かかる化合物は、水の存在下
で分解し、アミノカルボン酸を始め、複数の形態の化合
物に変化する事が判明した。かかる化合物は水溶性が高
く、溶媒抽出ではスルホン酸塩との分離が困難である事
が判った。
【0028】上記不純物を減少させる方策として、以下
の方法が例示される。生成アミド化合物の脱水2量体と
強酸無水物由来の酸とからなる不活性触媒種をプロトン
性化合物で処理する事により分解させ、目的アミド化合
物に選択的に変換する事ができる。使用するプロトン性
化合物としては具体的には酸素原子に結合した水素を有
する化合物であって、例えば水、アルコール化合物、カ
ルボン酸化合物が挙げられる。アルコール化合物として
は、特に限定されるものではなく、置換基を有していて
も良い炭素数1〜8、好ましくは1〜4の脂肪族アルコ
ール化合物を使用することができる(ここで、置換基と
は炭素数1〜2のアルキル基を表す)。具体的な化合物
としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−
ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、n−ヘキサ
ノール、n−オクタノール等を挙げることができ、中で
もメチルアルコール、エチルアルコールが好ましい。カ
ルボン酸化合物としても、特に限定されるものではな
く、置換基を有していても良い炭素数1〜10、好まし
くは1〜4の脂肪族カルボン酸化合物を使用することが
できる(ここで、置換基とは炭素数1〜2のアルキル基
を表す)。具体的な化合物としては、酢酸、プロピオン
酸、n−酪酸、n−吉草酸、n−カプロン、n−ヘプタ
ン酸、2−エチルヘキサン酸等を挙げることができる。
上記したプロトン性化合物の中でも、アミド化合物2量
体を1段で目的アミド化合物に変換させるためには水が
最も好ましい。
【0029】上記したプロトン性化合物の使用量は特に
制限されるものではないが、通常、上述したアミド化合
物2量体を含む不活性触媒種に対して0.1モル倍から
1000モル倍、好ましくは0.5モル倍から100モ
ル倍、更に好ましくは1モル倍から10モル倍の量を用
いることが出来る。この範囲を越えて少なすぎるとアミ
ド化合物2量体から目的アミドへの十分な分解活性が得
られず、他方、過多にしすぎると目的アミド化合物自体
のアミノ酸への多大な変換(例えば、アミド化合物がε
−カプロラクタムである場合にはアミノカプロン酸が副
生)等の好ましくない副反応が起こるためいずれも好ま
しくない。
【0030】プロトン性化合物による処置の条件として
は特に規定されないが、処理温度は通常0℃〜200
℃、好ましくは30℃〜150℃、更に好ましくは60
℃〜120℃の範囲で実施される。処理圧力も特に制限
されるものでなく、常圧〜加圧条件下で実施される。ま
た、処理時間或いは滞留時間は、通常1分〜40時間で
あり、好ましくは10分〜7時間である。処理を効率的
に行うために、攪拌または振とう下で実施するのが好ま
しい。
【0031】プロトン性化合物によるベックマン転位反
応液の処理は、反応液に直接プロトン性化合物を作用さ
せて実施しても良く、また、反応液から蒸留操作等によ
り軽沸副生物、N,N−二置換アミド化合物および反応
溶媒を除いた後の残液にプロトン性化合物を作用させて
実施しても良い。後者の場合、反応を円滑に進行させる
ために、残液に適当な乾燥処理した溶媒を混合させて使
用する事が出来る。この場合の使用することが出来る溶
媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタン、n−ドデカン等の脂肪族炭化水素化合物、
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、モノクロ
ロベンゼン、メトキシベンゼン等の芳香族炭化水素化合
物、アセトニトリル、プロパンニトリル、カプロニトリ
ル、アジポニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等
のニトリル化合物、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチ
ル、マロン酸ジメチル、コハク酸ジメチル等のエステル
化合物等を挙げることができ、これらは単独でも混合し
ても使用することが出来る。中でも芳香族炭化水素が好
ましい。これら溶媒を用いる場合は、例えば、蒸留後の
釜残液に対し、0.5〜50容量倍で混合することがで
き、好ましくは1〜10容量倍で、更に好ましくは1〜
5の容量倍で混合することができる。
【0032】(中和工程)アミド化合物製造後の反応混
合物からスルホン酸を塩の形態で取り出すに際して、ア
ルカリ化合物で中和を行う。中和に用いるアルカリ性化
合物は、任意のものが用いられるが、好ましくはアルカ
リ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、また
はアンモニアが用いられる。これらアルカリ性化合物は
予め水と混合し、アルカリ水溶液として用いる事もでき
るし、ガス状のアンモニアを用いる事もできる。ガス状
のアンモニアを用いる場合、生成アミド化合物の脱水2
量体と強酸無水物由来の酸とからなる不活性触媒種を分
解する前の段階で、存在するスルホン酸の一部を部分的
に中和する事も可能である。かかる操作によって、プロ
トン性化合物との接触がマイルドな条件になる事にな
り、上記不純物の生成を更に小さくする事も可能とな
る。
【0033】前工程で得られた混合液とアルカリ性化合
物とを混合する際の温度としては、通常0〜200℃で
あり、好ましくは10〜150℃である。また、用いら
れるアルカリ性化合物の量としては、スルホン酸無水物
に由来するスルホン酸を中和する為に必要な量を用いれ
ば良く、転位反応に用いたスルホン酸無水物に対して通
常0.1〜20モル倍であり、好ましくは 0.3〜5
倍モルである。更に好ましくは、転位反応に用いたスル
ホン酸無水物に対して0.4〜1倍モルである。
【0034】(スルホン酸塩を分離する方法)中和によ
って、スルホン酸塩の形態とした後、未反応オキシム化
合物を含有したアミド化合物と、スルホン酸塩との分離
を実施する。この際に、スルホン酸塩に含窒素化合物が
過度に混入しない様に注意を要する。
【0035】(晶析法)中和工程で、ガス状のアンモニ
アを用いた場合、中和時にスルホン酸のアンモニウム塩
の結晶として析出させる事が可能となる。かかる結晶を
分離する事で純度の高いスルホン酸アンモニウム塩を単
離する事が可能である。スルホン酸アンモニウム塩の溶
解度が低い有機溶媒で洗浄する事で更に含窒素化合物の
含有量を低減させる事ができる。付着した溶媒は除いて
も良いし、後述する再生工程に影響が無ければケーキの
状態で再生工程に使用してもよい。
【0036】(抽出法)抽出法によっても含窒素不純物
の濃度を低減させる事ができる。例えば、中和工程でア
ルカリ水溶液を用いて中和した溶液に対して、あるい
は、ガス状アンモニアを用いた後に水を加えた溶液に対
して、更に、アミド化合物を溶解させる有機溶媒を加え
て、目的生成物であるアミド化合物及びオキシム化合物
と、スルホン酸塩を分離することができる。ここで用い
る有機溶媒としては、水と2層分離する有機溶媒が使用
できる。具体的には、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭
化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、
酢酸エチル等のエステル類、メチル−イソブチルケトン
等のケトン類、等が例示される。なかでも芳香族炭化水
素類が好ましい。
【0037】一方、上記した、不活性触媒種の分解工程
にてかかる溶媒を用いた場合にはそのまま2相を形成す
る。かかる抽出操作の後、アミド化合物や未反応オキシ
ム化合物は有機溶媒に、スルホン酸のアルカリ塩は水溶
液の形態で分離される。アミド化合物は水溶性が高い
為、抽出操作を繰り返し実施し、水溶液中のアミド化合
物をできるだけ除く事が好ましい。アミド化合物の抽出
が不十分であると、スルホン酸塩中にアミド化合物が残
留しやすく、好ましくない。更にスルホン酸塩の純度を
上げる方法として、晶析法、低沸不純物の蒸留除去、溶
媒洗浄等を組み合わせる事も可能である。スルホン酸塩
水溶液の形態で再生工程に持ち込む事も可能であるし、
晶析や洗浄後であって溶媒が付着した状態の場合には、
溶媒が再生に影響しなければそのままの状態でもよい
し、溶媒を除去した状態でもよい。
【0038】[スルホン酸塩からスルホン酸を再生する
工程]分離したスルホン酸塩は、他の酸を用いて塩から
スルホン酸へ再生する事ができる。この工程で用いられ
る他の酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸、酢
酸、プロピオン酸等の有機酸、あるいは固体酸、酸型の
イオン交換樹脂等を用いることができる。スルホン酸
と、再生に用いられる他の酸の酸性度として、スルホン
酸の方が強い場合には、用いる他の酸の量を多くした
り、フリーとなったスルホン酸を工程中に系外に取り出
すなどして、反応の平衡としては不利であっても強酸を
回収することができる。
【0039】例えば、パラトルエンスルホン酸の場合に
は、アンモニウム塩の形態ではトルエンへの溶解度が低
いが、フリーの酸の形態ではトルエンへの溶解度が向上
する。従って、トルエン共存下、他の酸と接触させる事
で生成したパラトルエンスルホン酸を他の酸が溶解しな
いトルエン層に移動させる事ができる為、平衡を有利に
する事ができる。他の酸としては好ましくは、無機酸で
あり、更に好ましくは硫酸である。強酸無水物としてp
−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類を用い、他の酸
として硫酸を用いた場合、硫酸の使用量は通常強酸無水
物に対して0.1〜20モル倍であり、好ましくは1〜
10モル倍である。一方、イオン交換樹脂や固体酸も好
適に使用されるが、これらを充填塔などに充填し、スル
ホン酸のアルカリ塩水溶液を流通せしめる事で再生処理
ができる。
【0040】本発明では、アミド化合物の製造に使用さ
れたスルホン酸無水物をスルホン酸塩として分離した後
に再生反応を施す際、スルホン酸骨格1モルに対して、
混入する含窒素化合物のモル数を0.1以下として再生
反応工程を操作する事を特徴とする。更に好ましくは、
0.05以下、更に好ましくは0.02以下である。前
記したスルホン酸の再生反応の際には、スルホン酸塩に
含窒素化合物が共存すると、再生反応の収率が低下する
状況が発生したり、再生されたスルホン酸にかかる含窒
素化合物や、かかる由来物質が混入する事になり、スル
ホン酸無水物の再生反応を阻害する事が生じた。スルホ
ン酸再生反応の収率が低下する要因としては、含窒素化
合物が共存すると再生で使用する酸を消費する格好とな
り、再生率が低下する事や、含窒素化合物とスルホン酸
が強固な相互作用を持つ形態で存在し、再生されにくい
等の原因が推測される。また、溶媒で抽出しながら操作
する場合には、溶媒への抽出が悪い方向に系を変化させ
ている可能性も考えられる。生じたスルホン酸を前記の
触媒系で転位反応にそのまま使用する事ができる。ま
た、再生されたスルホン酸を用いて、後述の方法でスル
ホン酸無水物の原料として用いる事ができる。
【0041】[再生したスルホン酸を脱水縮合してスル
ホン酸無水物を再生する工程]再生されたスルホン酸
は、次に、脱水縮合してスルホン酸無水物に変換され
る。脱水縮合反応は、通常脱水剤と反応させることに行
われ、脱水剤として好ましくは、無水酢酸、発煙硫酸、
五酸化二燐、縮合リン酸等が用いられる。更に好ましく
は無水酢酸、五酸化二燐である。無水酢酸を使用する場
合、スルホン酸無水物を得る為には、副生する酢酸を蒸
発させ、系外に除去する事で、効果的に強酸無水物を得
る事ができる。また、スルホン酸と無水酢酸から、一
旦、混合酸無水物を生成せしめ、さらにスルホン酸と接
触させる事でも、スルホン酸無水物を得る事ができる。
反応条件としては特に規定されないが、反応温度は通常
0℃以上250℃以下、好ましくは10℃から130
℃、更に好ましくは15℃から120℃の範囲で実施さ
れる。反応工程における圧力も特に制限されるものでな
く、スルホン酸や使用する脱水剤の種類、又採用される
手法に応じて、減圧〜加圧条件下で実施される。好まし
くは減圧〜微加圧下で実施される。
【0042】かかる再生反応においても、含窒素化合物
が共存すると、再生反応の収率が低下するため、前記し
た手法を組み合わせる事によって、原料であるスルホン
酸中のスルホン酸骨格1モルに対して、混入する含窒素
化合物中の窒素原子のモル数を0.1以下として操作す
る事が必要である。更に好ましくは、0.05以下、更
に好ましくは0.02以下である。得られた強酸無水物
は、ベックマン反応工程に利用することができる。
【0043】
【実施例】本発明を実施例を挙げて具体的に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例に
限定されるものではない。 [実施例1] (活性種形成工程)5Lの丸底フラスコを乾燥窒素で置
換した後、予めモレキュラシーブスで乾燥処理したN,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)3L、及び、p−
トルエンスルホン酸無水物45.6g、カプロラクタム
15.81gを添加し、60℃まで昇温した。
【0044】(反応工程)次いでシクロヘキサノンオキ
シム380gをN,N−ジメチルホルムアミド380m
Lに溶解した液を、80分かけて丸底フラスコに供給し
た。この間フラスコ内の温度は80℃に制御した。反応
液をガスクロマトグラフで分析した所、シクロヘキサノ
ンオキシムは全て消失し、カプロラクタムが366g存
在している事がわかった。
【0045】(DMF蒸留工程)反応液を400Paの
減圧下、温度を80℃まで徐々に上げながらDMFを留
去させ、濃縮物を得た。 (不活性触媒種の処理工程)得た濃縮物に1720gの
トルエンと、2.8gの水を加え、窒素雰囲気下で90
℃、2時間攪拌した。かかる処理液をガスクロマトグラ
ムで分析した所、カプロラクタムが385.7g存在し
ている事がわかった。(反応後に存在していた不純物が
加水分解し、カプロラクタムが増加した。)
【0046】(中和工程)あらかじめ水168.2g、
29%アンモニア水32.6gを混合した。かかるアン
モニア水溶液を前工程で得られたトルエン溶液に加えた
後、80℃で、30分間攪拌した。 (トルエン抽出工程)中和後の液を20分間静置して相
分離させた後、トルエン相を回収した。水相に新たなト
ルエン1108gを加え、20分間攪拌した後、20分
間静置し、同様にトルエン相を回収した。本操作を15
回繰り返し、トルエン中にカプロラクタムを回収した。
一方、抽出処理後の水相は、パラトルエンスルホン酸ア
ンモニウム塩を含有する水溶液であった。
【0047】(パラトルエンスルホン酸アンモニウム塩
の晶析工程)上記操作を繰り返して行い、パラトルエン
スルホン酸アンモニウム塩を117.1g含有した水溶
液588.1gを原料として用いた。かかる水溶液を大
気圧下で加熱し、水を364.8g留去した後、室温ま
で冷却し、パラトルエンスルホン酸アンモニウム塩の結
晶を析出させた。結晶を濾別した後、冷水25gで結晶
を洗浄させた。濾液と、洗浄水を混合し、再度大気圧下
での加熱、冷却晶析、濾過、冷水洗浄を行った。本操作
を合計3回繰り返し、パラトルエンスルホン酸アンモニ
ウム塩の含水ケーキと、3回目の濾液と洗浄液を得た。
【0048】(パラトルエンスルホン酸への再生工程)
得られたパラトルエンスルホン酸アンモニウム塩の含水
ケーキを真空乾燥機で乾燥させた。得られたパラトルエ
ンスルホン酸アンモニウム塩の純度をNMRで測定した
結果99wt%であった。パラトルエンスルホン酸アン
モニウムのモル数に対するカプロラクタム、アミノカプ
ロン酸の合計のモル数は0.005以下であった。かか
るパラトルエンスルホン酸アンモニウム結晶91.3
g、トルエン2500ml、98%硫酸67.6gを反
応器に仕込んだ。大気圧下、攪拌しながら加熱し、トル
エンと水を還留せしめた。還留液は相分離器で水を除
き、トルエンのみを反応器に戻した。かかる還留処理を
90分行った。処理後、静置すると反応器内は2層分離
しており、上層のトルエン相から、パラトルエンスルホ
ン酸のトルエン溶液を回収した。得たパラトルエンスル
ホン酸のトルエン溶液をエバポレーターにて、トルエン
を留去させ、パラトルエンスルホン酸の結晶を得た。N
MRでは含窒素不純物は検出できなかった。原料のパラ
トルエンスルホン酸アンモニウム塩から、収率99%で
パラトルエンスルホン酸を得ることが出来た。
【0049】(パラトルエンスルホン酸無水物への再生
工程)上記操作で得た、パラトルエンスルホン酸89.
3g、無水酢酸63.5gをフラスコに仕込んだ。窒素
雰囲気下、室温で20分攪拌させた後、60℃で20分
攪拌した。続いて真空ポンプで130Paの減圧条件と
し、60℃で、30分攪拌させた。続いて減圧条件を維
持しながら、95℃で2時間攪拌した。一旦大気圧に戻
した後、フラスコに無水酢酸42.3gを加えて、同様
に室温で20分攪拌し、続いて60℃で20分間攪拌し
た。続いて真空ポンプで130Paの減圧条件とし、6
0℃で、30分攪拌させた。続いて減圧条件を維持しな
がら、95℃で2時間30分攪拌した。フラスコを冷却
し、大気圧に戻した。フラスコから粗パラトルエンスル
ホン酸無水物を得た。粗パラトルエンスルホン酸無水物
中には、パラトルエンスルホン酸からの収率で、99%
のパラトルエンスルホン酸無水物が含有されていた。
【0050】(パラトルエンスルホン酸無水物の精製工
程)得られた粗パラトルエンスルホン酸無水物に無水酢
酸79.4gを加え、室温で20分間攪拌した。無水酢
酸に溶解する成分と溶解しない成分があった。かかる混
合物を、充分に乾燥した雰囲気下で濾過操作を行った。
得られた固体に合計132.3gの無水酢酸を振りかけ
て洗浄した。得られたケーキを、200Paの減圧下、
室温で乾燥させた。得られた結晶をNMRで分析した
所、純度が99.4%のパラトルエンスルホン酸無水物
である事がわかった。
【0051】(再生したパラトルエンスルホン酸無水物
を用いた活性種形成工程)5Lの丸底フラスコを乾燥窒
素で置換した後、予めモレキュラシーブスで乾燥処理し
たN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)3L、及
び、再生したパラトルエンスルホン酸無水物45.6
g、カプロラクタム15.81gを添加し、60℃まで
昇温した。
【0052】(反応工程)次いでシクロヘキサノンオキ
シム380gをN,N−ジメチルホルムアミド380m
Lに溶解した液を、80分かけて丸底フラスコに供給し
た。この間フラスコ内の温度は80℃に制御した。反応
液をガスクロマトグラフで分析した所、シクロヘキサノ
ンオキシムは全て消失し、カプロラクタムが371.6
g存在している事がわかった。再生させたパラトルエン
スルホン酸無水物を用いても、同様の反応成績が得られ
た。以下、同様の操作で、カプロラクタムのトルエン水
溶液と、パラトルエンスルホン酸アンモニウム塩水溶液
を得る事ができた。
【0053】[比較例1](不活性触媒種の処理工程と
晶析を含まない方法) 実施例1と同様に、反応工程、DMF蒸留工程を行っ
た。得られた濃縮物に、水を27.2g、29%アンモ
ニア水32.6gを加え、80℃で、30分間攪拌し
た。得た水溶液に、700mlのトルエンを加え、攪拌
後、静置し、トルエン溶液を分離せしめた。一方、残水
相に、新たに700mlのトルエンを加え、相分離し、
トルエン溶液を分離せしめた。かかるトルエン抽出を6
回繰り返した。6回の抽出後の残水には、パラトルエン
スルホン酸アンモニウム塩が含有されていた。かかる水
溶液から水を留去させた所、粘性のあるペースト状の流
体を得た。かかるペースト状の流体をNMRにて分析し
た所、パラトルエンスルホン酸アンモニウム塩は、71
wt%含有されている事がわかった。かかるペースト状
の流体中には、DMF、カプロラクタム、カプロラクタ
ム2量体類縁物質等の含窒素化合物が含有されていた。
パラトルエンスルホン酸アンモニウム塩のモル数を1と
した場合、上記不純物中に含まれる窒素原子のモル数
は、合計で、0.67であった。
【0054】上記ペースト状の流体を11.26g(パ
ラトルエンスルホン酸アンモニウム塩の含有量は8
g)、98%硫酸を5.15g、トルエンを300ml
反応器に仕込み、大気圧下、攪拌しながら加熱し、トル
エンと水を還留せしめた。還留液は相分離器で水を除
き、トルエンのみを反応器に戻した。かかる還留処理を
90分行った。処理後、トルエン相から、パラトルエン
スルホン酸のトルエン溶液を回収した。得たパラトルエ
ンスルホン酸のトルエン溶液をエバポレーターにて、ト
ルエンを留去させた。留去後の釜残からは、収率49%
相当のパラトルエンスルホン酸(3.56g)しか得ら
れなかった。
【0055】[実施例2]実施例1と同様の方法でDM
F蒸留液を得た。 (アンモニアガス用いた部分中和工程)かかるDMF蒸
留後の釜残にトルエンを1750g仕込んだ。ガラス容
器内を窒素置換した後、室温で、攪拌下、系内に存在す
るパラトルエンスルホン酸ユニットの1/2当量に相当
するアンモニアをガスの状態で15分間かけて吹き込ん
だ。
【0056】(不活性触媒種の処理工程)上で得たトル
エン溶液に2.8gの水を加え、窒素雰囲気下で90
℃、2時間攪拌した。 (アンモニアガスでの中和工程)上で得たトルエン溶液
に、室温、攪拌下で、系内に存在するパラトルエンスル
ホン酸ユニットの1当量に相当するアンモニアをガスの
状態で30分間かけて吹き込んだ。トルエン溶液には、
白色の結晶が析出しており、結晶を濾別した。得た結晶
をトルエンで洗浄した後、真空乾燥し、白色結晶を得
た。NMR分析及びLC分析の結果から、得た結晶は、
純度が96%のパラトルエンスルホン酸アンモニウム塩
であり、共存する含窒素不純物として、6−アミノヘキ
サン酸とカプロラクタムが検出された。これら含窒素不
純物の合計の存在量は、パラトルエンスルホン酸アンモ
ニウム塩に対して、0.038モル当量であった。
【0057】(パラトルエンスルホン酸への再生工程)
かかるパラトルエンスルホン酸アンモニウム結晶10.
0g、トルエン200g、98%硫酸7.34gを反応
器に仕込んだ。大気圧下、攪拌しながら加熱し、トルエ
ンと水を還留せしめた。還留液は相分離器で水を除き、
トルエンのみを反応器に戻した。かかる還留処理を90
分間行った。トルエン相から、パラトルエンスルホン酸
のトルエン溶液を回収した。得たパラトルエンスルホン
酸のトルエン溶液をエバポレーターにて、トルエンを留
去させ、パラトルエンスルホン酸の結晶を得た。NMR
で分析した所、純度が99wt%のパラトルエンスルホ
ン酸であった。パラトルエンスルホン酸アンモニウム塩
から、収率99%でパラトルエンスルホン酸を得ること
が出来た。
【0058】[実施例3]試薬のパラトルエンスルホン
酸1水和物とアンモニア水から、パラトルエンスルホン
酸アンモニウム塩を合成した。パラトルエンスルホン酸
アンモニウム塩53ミリモル、硫酸を62ミリモル(9
8%硫酸を使用)、トルエン300mlを反応器に仕込
んだ。大気圧下、攪拌しながら加熱し、トルエンと水を
還留せしめた。還留液は相分離器で水を除き、トルエン
のみを反応器に戻した。かかる還留処理を90分間行っ
た。トルエン相から、パラトルエンスルホン酸のトルエ
ン溶液を回収した。
【0059】得たパラトルエンスルホン酸のトルエン溶
液をエバポレーターにて、トルエンを留去させ、パラト
ルエンスルホン酸の結晶を得た。NMRで分析した所、
パラトルエンスルホン酸アンモニウム塩から、収率10
0%でパラトルエンスルホン酸を得ることが出来た。
【0060】[比較例2]パラトルエンスルホン酸アン
モニウム塩にカプロラクタムが混入した場合を想定し、
カプロラクタムを35.3ミリモル添加した以外は実施
例3と同様に操作を行った。パラトルエンスルホン酸の
モル数を1とすると、カプロラクタム中の窒素原子のモ
ル数は、0.667に相当する。パラトルエンスルホン
酸の収率は65%であった。また、得られたパラトルエ
ンスルホン酸中にはカプロラクタムが残留していた。
【0061】[実施例4]パラトルエンスルホン酸アン
モニウム塩にDMFが混入した場合を想定し、DMFを
2.7ミリモル添加した以外は実施例3と同様に操作を
行った。パラトルエンスルホン酸のモル数を1とする
と、DMF中の窒素原子のモル数は、0.05に相当す
る。パラトルエンスルホン酸の収率は99.6%であっ
た。
【0062】[比較例3]パラトルエンスルホン酸アン
モニウム塩にDMFが混入した場合を想定し、DMFを
6.4ミリモル添加した以外は実施例3と同様に操作を
行った。パラトルエンスルホン酸のモル数を1とする
と、DMF中の窒素原子のモル数は、0.12に相当す
る。パラトルエンスルホン酸の収率は75.9%であっ
た。
【0063】[比較例4]パラトルエンスルホン酸アン
モニウム塩に6−アミノヘキサン酸が混入した場合を想
定し、6−アミノヘキサン酸を14ミリモル添加した以
外は実施例3と同様に操作を行った。パラトルエンスル
ホン酸のモル数を1とすると、6−アミノヘキサン酸中
の窒素原子のモル数は、0.26に相当する。パラトル
エンスルホン酸の収率は60.9%であった。
【0064】[比較例5]パラトルエンスルホン酸アン
モニウム塩に6−アミノヘキサン酸が混入した場合を想
定し、6−アミノヘキサン酸を10ミリモル添加した以
外は実施例3と同様に操作を行った。パラトルエンスル
ホン酸のモル数を1とすると、6−アミノヘキサン酸中
の窒素原子のモル数は、0.19に相当する。パラトル
エンスルホン酸の収率は72.7%であった。
【0065】[実施例5]含窒素不純物を含まない原料
から、パラトルエンスルホン酸を合成した。乾燥機で乾
燥した50mlのナス型フラスコを乾燥窒素で置換後、
パラトルエンスルホン酸3.76g(21.83mmo
l)と無水酢酸2.67g(26.20mmol)を仕
込んで25℃で20分攪拌した。その後60℃まで加温
して20分攪拌し、ついで60℃のまま200Paまで
減圧してその状態で20分攪拌した。さらに95℃まで
昇温して1.5時間攪拌を行った。
【0066】25℃に冷却・復圧したのち、反応物に窒
素下にて1.79g(17.49mmol)の無水酢酸
を再添加し、25℃で20分攪拌した。その後60℃ま
で加温して20分攪拌し、ついで60℃のまま250P
aまで減圧してその状態で20分攪拌。さらに95℃ま
で昇温して1.5時間攪拌し、25℃に冷却して乾燥窒
素にて復圧した。得られた反応生成物をNMRで分析し
た。その結果、パラトルエンスルホン酸無水物の収率は
96.8%、生成物中におけるパラトルエンスルホン酸
無水物の純度は96.7重量%であった。
【0067】[実施例6]含窒素不純物を含まない原料
から、パラトルエンスルホン酸とアセチルパラトルエン
スルホネートを別途合成した。窒素雰囲気下で、50m
lのナス型フラスコに、パラトルエンスルホン酸5.1
g(29.4mmol)とアセチルパラトルエンスルホ
ネート5.7g(26.6mmol)を仕込んで約20
0Paまで減圧し、続いてすぐにオイルバスにて60℃
まで加温して30分攪拌した。この温度この組成での反
応では生成したパラトルエンスルホン酸無水物のうちの
かなりの部分が反応液中で結晶化した。その後、25℃
に冷却して得られた反応生成物を窒素下にてCDCl3
に溶解させ1H−NMRで分析した。
【0068】その結果、得られた粗パラトルエンスルホ
ン酸無水物の収率は仕込んだアセチルパラトルエンスル
ホネートに対して76.5%であった。次に、該粗パラ
トルエンスルホン酸無水物に乾燥窒素雰囲気下にて無水
酢酸を2.29g(22.40mmol)加えて25℃
にて20分間攪拌してスラリー状にし、その後乾燥空気
雰囲気下にて減圧濾過を行って濾残に上から13.34
g(130.67mmol)の無水酢酸を振りかけてリ
ンス洗浄を行った。得られたケーキは25℃下、約50
0Paにて3時間減圧乾燥した。
【0069】最終的に得られた精製パラトルエンスルホ
ン酸無水物(白色)をNMRで分析した。その結果、パ
ラトルエンスルホン酸無水物の収率は当初に仕込んだア
セチルパラトルエンスルホネートから換算して63.1
%であり、パラトルエンスルホン酸無水物の純度は9
9.9重量%であった。また、このとき不純物として
は、アセチルパラトルエンスルホネートが0.1%、酢
酸がごく微量含有されていた。
【0070】[比較例6]窒素置換した50mlのナス
型フラスコに、パラトルエンスルホン酸3.79g(2
2.01mmol)と無水酢酸2.69g(26.34
mmol)、ε−カプロラクタムが混入した場合を想定
して、0.38g(3.36mmol)のε−カプロラ
クタムを仕込んで25℃で20分攪拌した。その後60
℃まで加温して20分攪拌し、ついで60℃のまま約5
00Paまで減圧してその状態で30分攪拌。さらに9
5℃まで昇温して1.5時間攪拌を行った。25℃に冷
却・復圧したのち、反応物に窒素下にて1.80g(1
7.67mmol)の無水酢酸を再添加し、25℃で2
0分攪拌した。その後60℃まで加温して20分攪拌
し、ついで60℃のまま約500Paまで減圧してその
状態で30分攪拌。さらに95℃まで昇温して1.5時
間攪拌し、25℃に冷却して乾燥窒素にて復圧した。
【0071】得られた反応生成物をNMRで分析した。
パラトルエンスルホン酸無水物の収率はおよそ73.8
%、生成物中におけるパラトルエンスルホン酸無水物の
重量百分率(純度)はおよそ64.8%であった。ま
た、ε−カプロラクタムは数種類の物質へと変化してし
まっていた。ただし、パラトルエンスルホン酸無水物と
アセチルパラトルエンスルホネート以外のパラトルエン
スルホン酸含有物質とε−カプロラクタム由来の不純物
の分子量は、各々いずれもパラトルエンスルホン酸とε
−カプロラクタムの分子量と同等として計算した。
【0072】[比較例7]窒素置換されたナス型フラス
コに、パラトルエンスルホン酸3.76g(21.85
mmol)と無水酢酸2.69g(26.31mmo
l)、6−アミノヘキサン酸0.37g(2.84mm
ol)を仕込んで25℃で20分攪拌した。その後60
℃まで加温して20分攪拌し、ついで60℃のまま約5
00Paまで減圧してその状態で30分攪拌。さらに9
5℃まで昇温して1.5時間攪拌を行った。25℃に冷
却・復圧したのち、反応物に窒素下にて1.79g(1
7.49mmol)の無水酢酸を再添加し、25℃で2
0分攪拌した。その後60℃まで加温して20分攪拌
し、ついで60℃のまま約500Paまで減圧してその
状態で30分攪拌。さらに95℃まで昇温して1.5時
間攪拌し、25℃に冷却して乾燥窒素にて復圧した。
【0073】得られた反応生成物を窒素下にてCDCl
3に溶解させ1H−NMRで分析した。その結果、パラ
トルエンスルホン酸無水物の収率はおよそ68.6%、
生成物中におけるパラトルエンスルホン酸無水物の純度
はおよそ62.2%であった。また、6−アミノヘキサ
ン酸は数種類の物質へと変化してしまっていた。ただ
し、パラトルエンスルホン酸無水物とアセチルパラトル
エンスルホネート以外のパラトルエンスルホン酸含有物
質と6―アミノヘキサン酸由来の不純物の分子量は、各
々いずれもパラトルエンスルホン酸と6―アミノヘキサ
ン酸の分子量と同等として計算した。
【0074】[比較例8]窒素置換された50mlのナ
ス型フラスコに、パラトルエンスルホン酸1.4g
(8.0mmol)とアセチルパラトルエンスルホネー
ト1.7g(7.6mmol)、ε−カプロラクタム
0.13g(1.17mmol)を仕込んで約130P
aまで減圧し、続いてすぐにオイルバスにて60℃まで
加温して30分攪拌した。この温度この組成での反応で
は生成したパラトルエンスルホン酸無水物のうちのかな
りの部分が反応液中で結晶化した。その後、25℃に冷
却して得られた反応生成物をNMRで分析した。得られ
た粗パラトルエンスルホン酸無水物の収率は仕込んだア
セチルパラトルエンスルホネートに対しておよそ61.
1%であった。ただし、パラトルエンスルホン酸無水物
とアセチルパラトルエンスルホネート以外のパラトルエ
ンスルホン酸含有物質とε−カプロラクタム由来の不純
物の分子量は、各々パラトルエンスルホン酸とε−カプ
ロラクタムの分子量と同等として計算した。
【0075】
【発明の効果】本発明により、オキシム化合物のベック
マン転位反応を行ってアミド化合物の製造を行うにあた
り、用いた触媒を再生することによって生産性が向上し
たアミド化合物の製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 309/30 C07C 309/30 C07D 201/04 C07D 201/04 223/10 223/10 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 滝沢健一 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社内 (72)発明者 本田耕史 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 4C034 DE03 4G069 AA10 BA21A BA21B BE01A BE22A BE22B BE37A BE37B CB59 GA01 GA04 GA10 4H006 AA02 AC61 AD15 BC31 BD60 4H039 CA42 CH90

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)アミド化合物の製造に使用された
    スルホン酸をスルホン酸塩として分離する分離工程、及
    び、(2)スルホン酸塩からスルホン酸を再生せしめる
    スルホン酸再生反応工程、を有するスルホン酸の再生方
    法であって、スルホン酸再生反応を、スルホン酸骨格1
    モルに対して、混入する含窒素化合物の窒素原子のモル
    数を0.1以下で行うことを特徴とするスルホン酸の再
    生方法。
  2. 【請求項2】 スルホン酸が芳香族スルホン酸または脂
    肪族スルホン酸である事を特徴とする請求項1に記載の
    スルホン酸の再生方法。
  3. 【請求項3】 アミド化合物が炭素原子3〜20のラク
    タム化合物である請求項1又は2に記載のスルホン酸の
    再生方法。
  4. 【請求項4】 (1)アミド化合物の製造に使用された
    スルホン酸無水物をスルホン酸塩として分離する分離工
    程、(2)スルホン酸塩からスルホン酸を生成せしめる
    スルホン酸再生反応工程、(3)スルホン酸からスルホ
    ン酸無水物を生成せしめるスルホン酸無水物再生反応工
    程、を有するスルホン酸無水物の再生方法であって、ス
    ルホン酸無水物再生反応を、スルホン酸骨格1モルに対
    して、混入する含窒素化合物の窒素原子のモル数を0.
    1以下で行うことを特徴とするスルホン酸無水物の再生
    方法。
  5. 【請求項5】 スルホン酸再生反応を、スルホン酸骨格
    1モルに対して、混入する含窒素化合物の窒素原子のモ
    ル数を0.1以下で行う請求項4に記載のスルホン酸無
    水物の再生方法。
  6. 【請求項6】 スルホン酸無水物が芳香族スルホン酸無
    水物または脂肪族スルホン酸無水物である請求項4又は
    5に記載のスルホン酸無水物の再生方法。
  7. 【請求項7】 スルホン酸無水物再生反応工程におい
    て、カルボン酸無水物を使用する事を特徴とする請求項
    4〜6のいずれかに記載のスルホン酸無水物の再生方
    法。
  8. 【請求項8】 アミド化合物が炭素原子3〜20のラク
    タム化合物である請求項4〜7のいずれかに記載のスル
    ホン酸無水物の再生方法。
  9. 【請求項9】 (1)スルホン酸無水物の存在下にオキ
    シム化合物をベックマン転位反応に付しアミド化合物を
    製造する第一の転位反応工程、(2)アミド化合物の製
    造に使用されたスルホン酸無水物をスルホン酸塩として
    分離する分離工程、(3)スルホン酸塩からスルホン酸
    を生成せしめるスルホン酸再生反応工程、(4)スルホ
    ン酸からスルホン酸無水物を生成せしめるスルホン酸無
    水物再生反応工程、(5)再生したスルホン酸無水物の
    存在下にオキシム化合物をベックマン転位反応に付しア
    ミド化合物を製造する第二の転位反応工程、を有するア
    ミド化合物の製造方法であって、スルホン酸無水物再生
    反応を、スルホン酸骨格1モルに対して、混入する含窒
    素化合物の窒素原子のモル数を0.1以下で行うことを
    特徴とするアミド化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 (1)カルボン酸無水物及びスルホン
    酸の存在下にオキシム化合物をベックマン転位反応に付
    しアミド化合物を製造する第一の転位反応工程、(2)
    アミド化合物の製造に使用されたスルホン酸をスルホン
    酸塩として分離する分離工程、(3)スルホン酸塩から
    スルホン酸を生成せしめるスルホン酸再生反応工程、
    (4)カルボン酸無水物及び再生したスルホン酸の存在
    下にオキシム化合物をベックマン転位反応に付しアミド
    化合物を製造する第二の転位反応行程、を有するアミド
    化合物の製造方法であって、第一の転位反応工程後に、
    反応混合物をプロトン性化合物により処理することを特
    徴とするアミド化合物の製造方法。
  11. 【請求項11】 分離工程において、スルホン酸とアン
    モニアを反応させてスルホン酸アンモニウムとして晶析
    させることを特徴とする請求項10に記載のアミド化合
    物の製造方法。
  12. 【請求項12】 (1)スルホン酸無水物の存在下にオ
    キシム化合物をベックマン転位反応に付しアミド化合物
    を製造する第一の転位反応工程、(2)アミド化合物の
    製造に使用されたスルホン酸無水物をスルホン酸塩とし
    て分離する分離工程、(3)スルホン酸塩からスルホン
    酸を生成せしめるスルホン酸再生反応工程、(4)スル
    ホン酸からスルホン酸無水物を生成せしめるスルホン酸
    無水物再生反応工程、(5)再生したスルホン酸無水物
    の存在下にオキシム化合物をベックマン転位反応に付し
    アミド化合物を製造する第二の転位反応行程、を有する
    アミド化合物の製造方法であって、第一の転位反応工程
    後に、反応混合物をプロトン性化合物により処理するこ
    とを特徴とするアミド化合物の製造方法。
  13. 【請求項13】 更に、分離工程において、スルホン酸
    とアンモニアを反応させてスルホン酸アンモニウムとし
    て晶析させることを特徴とする請求項12に記載のアミ
    ド化合物の製造方法。
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