JP2003320195A - 全自動洗濯機 - Google Patents

全自動洗濯機

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JP2003320195A
JP2003320195A JP2002131708A JP2002131708A JP2003320195A JP 2003320195 A JP2003320195 A JP 2003320195A JP 2002131708 A JP2002131708 A JP 2002131708A JP 2002131708 A JP2002131708 A JP 2002131708A JP 2003320195 A JP2003320195 A JP 2003320195A
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JP
Japan
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side member
shaft
washing tub
input
pulsator
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Withdrawn
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JP2002131708A
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English (en)
Inventor
Atsushi Yoshioka
篤志 吉岡
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP02254440A priority patent/EP1270977B1/en
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  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造の簡略化、コンパクト化、組立性の向上
と共に、洗濯能力の向上、省電力化を図る。 【解決手段】 洗濯時、制御部材12は、操作部材25
によってその回転拘束を解除され、ブレーキベルトBは
非作動状態にある。この時、逆入力遮断クラッチCは非
作動状態であり、パルセータ軸35に入力された回転ト
ルクによって洗濯槽31が正逆回転する。そして、パル
セータ31の正逆回転に伴い、洗濯槽30内で水流が発
生して洗濯が行われる。一方、逆入力遮断クラッチCお
よびブレーキベルトBの双方が非作動状態に保持されて
いるため、洗濯槽軸35及び洗濯槽は上記水流による駆
動力を受けて正逆方向に回転(空転)する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全自動洗濯機に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、全自動洗濯機では洗濯物の洗い
・すすぎ・脱水が一つの洗濯槽で行われるため、洗濯槽
は洗い・すすぎ時(洗濯時)は停止し、脱水時にのみ回
転するようになっている。この洗濯槽の回転制御は、そ
の底部中央から下方に延びる洗濯槽軸の回転をブレーキ
ベルト、一方向クラッチ、及びスプリングクラッチを用
いて制御することにより行っている。すなわち、洗濯槽
軸には駆動源からのトルクを受けて正逆回転可能なパル
セータ軸が挿通されており、洗濯時は、ブレーキベルト
を作動、スプリングクラッチを非作動にした状態で、洗
濯槽軸の回転をブレーキベルトと一方向クラッチとで正
逆両回転方向に拘束しながら、パルセータ軸のみを正逆
回転させ、脱水時は、ブレーキベルトを非作動、スプリ
ングクラッチを作動にした状態で、パルセータ軸と洗濯
槽軸とを一方向クラッチの空転方向に一体回転させる。
そして、脱水が完了すると、ブレーキベルトを作動させ
て、洗濯槽軸の回転を停止させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
全自動洗濯機では、洗濯槽の回転をブレーキベルト、一
方向クラッチ、及びスプリングクラッチを用いて制御し
ているため、構造の複雑化、大型化(特に回転駆動部の
軸方向寸法の増大化)を招く傾向にあった。
【0004】また、スプリングクラッチの組立性にやや
難があるために、組立コスト増につながり、しかもスプ
リングクラッチとの摩擦接触部におけるトルク損失の問
題も懸念される。
【0005】さらに、洗濯能力の向上、消費電力の低減
の点からも改良の余地が認められる。
【0006】本発明の課題は、全自動洗濯機、特にその
回転駆動部の構造簡略化、コンパクト化を図ることにあ
る。
【0007】本発明の他の課題は、組立性の向上を図る
ことにある。
【0008】本発明の更なる課題は、全自動洗濯機の洗
濯能力の向上、省電力化を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、洗濯兼脱水を行う洗濯槽と、洗濯槽を回
転駆動する洗濯槽軸と、洗濯槽内に配置されたパルセー
タと、駆動源と、駆動源からの入力トルクを受けてパル
セータを回転駆動するパルセータ軸と、洗濯槽軸とパル
セータ軸との間に配置され、洗濯槽軸へのトルク伝達と
その遮断を制御するクラッチとを有する全自動洗濯機に
おいて、上記クラッチが、パルセータ軸に接続された入
力側部材と、洗濯槽軸に接続された出力側部材と、入力
側部材と出力側部材との間に介在し、入力側部材と出力
側部材間の双方と係合する係合状態、および双方から離
脱する離脱状態を切り替え可能としたトルク伝達部材
と、トルク伝達部材を保持し、入力側部材との間の回転
位相差に応じてトルク伝達部材の係合・離脱状態を切り
替える保持器と、静止側の部材との接触時に、その摩擦
抵抗で保持器に回転抵抗を付与する回転抵抗付与手段と
を備え、入力側部材からの回転トルクに対しては、回転
抵抗付与手段で保持器に回転抵抗を与えて保持器と入力
側部材との間に回転位相差を形成することにより、トル
ク伝達部材を係合状態にし、出力側部材からの逆入力ト
ルクに対しては、保持器に付与する回転抵抗を解除して
上記回転位相差をなくすことにより、トルク伝達部材を
離脱状態にする逆入力遮断クラッチであることを特徴と
するものである。
【0010】ここで、「入力側部材」は、トルク伝達部
材が係合・離脱するクラッチ面を有し、パルセータ軸に
直接又は間接的に接続される。「出力側部材」は、トル
ク伝達部材と係合・離脱するクラッチ面を有し、洗濯槽
軸に直接又は間接的に接続される。出力側部材は、トル
ク伝達部材の係合・離脱作用を通じて、入力側部材と一
体に回転し、また入力側部材に対して空転する。また、
「静止側の部材」は、回転が拘束された静止系に属する
部材をいう。この静止側の部材は、常時静止状態にある
必要はなく、必要時のみ回転が拘束されて静止側とな
り、その他の場合には回転が許容されて回転側となるよ
うなものも含まれる。
【0011】上記構成によれば、入力側部材の入力トル
クは保持器に伝達される。このトルクにより、保持器が
静止側の部材に対して回転するため、保持器には回転抵
抗付与手段からの摩擦抵抗が作用し、この摩擦抵抗によ
って保持器が入力側部材に対して回転位相差を生じる。
これにより、トルク伝達部材が係合状態となり、入力ト
ルクが入力側部材から出力側部材に伝達される。従っ
て、脱水時等においてパルセータ軸および洗濯槽軸の双
方を回転駆動することができる。
【0012】一方、洗濯槽軸を介して出力側部材に回転
トルクが逆入力された場合は、回転抵抗付与手段での摩
擦力が作用しない。これを利用して保持器と入力側部材
とを相対回転させ、両者の回転位相差を解消すれば、ト
ルク伝達部材をセンタリングして離脱状態とし、出力側
部材(洗濯槽側の部材)から入力側部材(パルセータ側
の部材)へのトルク伝達を遮断することができる。従っ
て、例えば洗濯時には、洗濯槽軸を正逆両回転方向に空
転可能とし、パルセータの回転に伴う水流の駆動力によ
って洗濯槽を回転させることが可能となる。これによ
り、パルセータの回転方向の切換わり時に、切換わり前
の方向に慣性回転する洗濯槽とパルセータとの間に相対
回転が生じて洗濯能力の向上が図られる。また、洗濯能
力の向上が図られる結果、洗濯時間を短縮する等して省
電力化を図ることができる。
【0013】以上の機能を実現するためには、入力側部
材に対して回転位相差を生じた保持器を当該回転位相差
が解消される方向に回転させる必要があるが、これは、
例えばセンタリングばね等のばね材を用い、入力側部材
と保持器とを回転方向で弾性的に連結することによって
行うことができる。
【0014】トルク伝達部材の係合・離脱作用は、例え
ば入力側部材と出力側部材との間にくさび隙間を形成
し、このくさび隙間に対してトルク伝達部材としての係
合子をくさび係合させ、あるいは離脱させることによっ
て実現することができる。この構成には、くさび隙間を
形成するためのカム面を入力側部材や出力側部材に設け
た構成(係合子として、ローラ、ボール等の円形断面の
ものを用いる)、くさび隙間を形成するためのカム面を
係合子に設けた構成(係合子としてスプラグ等を用い
る)が含まれる。カム面を有する入力側部材や出力側部
材は、カム面を軸状部材に直接設ける他、カム面を有す
るリング状部材を軸状部材に固定することによっても得
ることができる。
【0015】この逆入力遮断クラッチでは、摩擦抵抗
(例えばすべり摩擦抵抗)で保持器に回転抵抗を付与す
る回転抵抗付与手段を設けているので、保持器に作用す
る回転抵抗が回転数に依存せず、立ち上がり応答性が良
好であるという利点が得られる。このため、全自動洗濯
機においては、入力側部材(パルセータ軸)に入力した
回転トルクを瞬時に出力側部材(洗濯槽軸)へ伝達する
ことができる。また、保持器に作用する回転抵抗が温度
に影響を受けないので、使用環境の温度変化によってク
ラッチの動作特性が変化することがほとんどないという
特徴も有する。
【0016】この逆入力遮断クラッチは、入力側部材か
ら出力側部材へ入力トルクを伝達する作動状態と、入力
側部材から出力側部材への入力トルクの伝達を遮断する
非作動状態とが切り替え可能となるよう構成することが
できる。この場合、洗濯時に逆入力遮断クラッチを非作
動状態にすれば、入力側部材から出力側部材へのトルク
伝達が遮断されるので、上述のように洗濯槽軸を空転さ
せることが可能となる。一方、脱水時に逆入力遮断クラ
ッチを作動状態に切り替えれば、入力側部材からの回転
トルクが出力側部材へ伝達されるので、パルセータ軸と
洗濯槽軸の双方を回転させることが可能となる。
【0017】上述した逆入力遮断クラッチの作動と非作
動の切換えは、静止側の部材に対する回転抵抗付与手段
の接触および非接触を切換えることによって行うことが
できる。すなわち、回転抵抗付与手段を静止側の部材に
接触させれば、その時の摩擦抵抗によって保持器に回転
抵抗を与えてトルク伝達部材を係合状態にすることがで
きる。一方、回転抵抗付与手段を静止側の部材に対して
非接触とすれば、摩擦抵抗が解除されて保持器に与えら
れる回転抵抗が小さくなり、トルク伝達部材を離脱状態
にすることができる。例えば逆入力遮断クラッチに制御
部材を設け、この制御部材の回転を拘束すれば、制御部
材が上記静止側の部材となるので、回転抵抗付与手段と
の接触により、逆入力遮断クラッチを作動状態とするこ
とができる。一方、制御部材の回転拘束を解除すると、
制御部材が回転し始める(この時、制御部材は静止側の
部材とはならない)。これにより、回転抵抗付与手段は
静止側の部材に対して非接触となるので、保持器に与え
られる回転抵抗が小さくなり、逆入力遮断クラッチが非
作動状態となる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、全自動洗濯機の回転駆動
部の周辺部を示している。洗濯槽30の底部中央上面に
パルセータ31が回転自在に配置され、底部中央下に中
空状の洗濯槽軸32が接続される。
【0019】洗濯槽軸32は、上部軸部32aと下部軸
部32bを備え、両軸部32a,32bは大径のブレー
キドラム部32cを介して相互に連結される。上部軸部
32aは上部軸受33aで洗濯機フレーム34に回転自
在に支持され、下部軸部32bは下部軸受33bで洗濯
機フレーム34に回転自在に支持れる。ブレーキドラム
部32cの外周には一方向ブレーキ、例えばブレーキベ
ルトBが配設され、このブレーキベルトBをブレーキド
ラム部32cに押し付けることで、洗濯槽軸32が制動
力を受ける。
【0020】パルセータ31はパルセータ軸35に接続
され、パルセータ軸35は洗濯槽軸32の内径部に回転
自在に挿通される。パルセータ軸35は、上部軸部35
aと下部軸部35bを備え、両軸部35a,35bは、
ブレーキドラム部32cの内径部に配置された減速機
構、例えば遊星歯車減速機構(図示省略)を介して相互
に連結される。また、パルセータ軸35の上部軸部35
aの軸端にはパルセータ31が連結され、下部軸部35
bの軸端には動力伝達手段、例えば駆動プーリ36が連
結される。駆動プーリ36には、図示されていない駆動
源、例えば電動モータからベルト等の動力伝達手段を介
して正逆トルクが入力され、これによりパルセータ軸3
5、さらにはパルセータ31が正逆回転する。
【0021】パルセータ軸35の下部軸部35bと洗濯
槽軸32の下部軸部32bとの間には、パルセータ軸3
5から洗濯槽軸32へのトルク伝達とその遮断を制御す
る逆入力遮断クラッチCが介装される。
【0022】図2に示すように、このクラッチCは、入
力側部材としての内輪12、出力側部材としての外輪1
1、トルク伝達部材としてのローラ13、ローラ13を
円周方向等間隔に保持する保持器14、制御部材として
の制御リング21、および回転抵抗付与手段として機能
する摺動部材、例えば摺動ばね17を備える。内輪12
は、パルセータ軸35の下部軸部35bの外周に固定さ
れ、外輪11は、洗濯槽軸32の下部軸部32bの外周
に固定される。
【0023】内輪12は、円筒部12aと円筒部12a
の一端(上方)に形成されたフランジ部12bとを有す
る。円筒部12aは、パルセータ軸35の下部軸部35
bの外周に嵌合固定される。フランジ部12bは、下部
軸部35bの肩部35b1に当接している。内輪12の
円筒部12a外周面と外輪11の内周面との間の隙間に
複数のローラ13が介装されている。
【0024】保持器14は略円筒状のもので、ローラ1
3を収容するための複数(ローラ13の数と同数)の窓
形のポケット14aを円周方向の複数箇所に等間隔で有
する。保持器14の一端部、例えば下側の端部には、摺
動ばね17と係合する切欠き状のストッパ部14bが軸
方向に設けられている(図4参照)。
【0025】図2に示すように、制御リング21は、内
周側の第一リング21aと、その外周面に嵌合した第二
リング21bとで構成される。第一リング21aは、例
えばゴム又は樹脂で形成され、その内周に、内輪12
(図示例では円筒部12a)の外周面と嵌合する嵌合面
21a1を備えている。第二リング21bは例えば金属
材で形成され、その外周には、外径側に突出した複数の
係合部21b1を備えている。この係合部21b1は、
例えば所定ピッチで円周方向に配列される。第二リング
21bの内周面と内輪11の外周面との間には半径方向
の隙間が形成されている。第一リング21aと第二リン
グ21bは、圧入、接着等の適宜の手段で相互に固定す
る他、樹脂や金属材で一部品として一体に形成すること
もできる。
【0026】摺動ばね17は、図4に示すように、有端
リング状の弾性部材であって、制御部材21の内周面に
嵌合された摺動部17aと、摺動部17aの両端を内径
側に折り曲げて形成した係合片17b,17bとを備え
ている。摺動部17aの外周面は、制御部材21の内
周、本実施形態では第一リング21aの内周面21a1
に嵌合されている。係合片17bは何れも保持器14の
切欠き状のストッパ部14bに挿入されている。摺動ば
ね17が自然状態の時、係合片17b間の円周方向の距
離は、ストッパ部14bの円周方向の幅よりも小さい。
【0027】図5に示すように、内輪12と保持器14
の間には、両者を回転方向で連結する弾性部材としての
センタリングばね15が配置される。このセンタリング
ばね15は、内輪12に対して回転位相差を生じた保持
器14を回転位相差が0となるようにセンタリングする
機能を有するもので、この機能を有する限りセンタリン
グばね15の形状は特に問わない。図6はセンタリング
ばね15の一例を示すもので、環状部15aと、環状部
15aの両端から内径側に延びた一対の係合部15b,
15bとを備えるものを例示している。この例では、セ
ンタリングばね15の環状部15aは保持器14の外周
に嵌合されており、係合部15bは、保持器14および
内輪12に形成した切欠き状のストッパ部14c,12
cに挿入され、ストッパ部14c、12cの円周方向両
側の壁面に係合している。この状態では、一対の係合部
15bがストッパ部14c,12cの円周方向両側の壁
面にそれぞれ弾性力をもって接触しているので、内輪1
2と保持器14が回転方向に連結され、かつ保持器14
の内輪12に対する円周方向の位置決めがなされる。
【0028】図3は、図2に示すクラッチCのX−X断
面を示している。内輪12の外周(本実施形態では円筒
部12aの外周)には、複数(ローラ13の数と同数)
の平坦状のカム面22(クラッチ面)が円周方向に所定
間隔に設けられ、これと対向する外輪11の円筒状内周
面23(クラッチ面)との間に、正逆両回転方向に幅を
縮小したくさび隙間が形成されている。各ローラ13
は、それぞれ内輪12の各カム面22と外輪の円筒状内
周面23との間に配置され、それぞれ保持器14のポケ
ット14aに収容保持されている。図7に示すように、
保持器14のポケット14aの円周方向中心とカム面2
2の円周方向中心が一致した状態(センタリングされた
状態)では、ローラ13はカム面22の略中央に位置
し、正逆両方向のくさび隙間からそれぞれ離脱してい
る。ローラ13の直径は、カム面22と円筒状内周面2
3との間の半径方向の最大距離よりも若干小さく形成さ
れており、これよりセンタリングされた状態では、ロー
ラ13とカム面22および円筒状内周面23との間に
は、半径方向の隙間がある。以下、このローラ13の状
態を中立位置という。
【0029】このクラッチCは、内輪12への入力トル
クを外輪11に伝達する作動状態と、内輪12へ入力さ
れた回転トルクの外輪11への伝達を遮断する非作動状
態とを切り替え可能としたもので、両状態相互間の切り
替えは、以下に説明するように制御リング21の回転拘
束および解除によって行うことができる。
【0030】先ず、制御リング21の回転を拘束した場
合を説明する。この時、制御リング21は、静止側の部
材となる。この状態で内輪12に、例えば反時計方向回
転のトルクが入力されると、保持器14がセンタリング
ばね15を介して内輪12からトルクを受けて回転す
る。保持器14が所定角度回転すると、保持器14のス
トッパ部14bの回転方向遅れ側の壁面14b1が、図
8に示す状態から、図9に示すように摺動ばね17の一
方(回転方向遅れ側)の係合部17bと接触した状態と
なる。
【0031】さらに内輪12が回転すると、保持器14
のストッパ部14bの壁面14b1が摺動ばね17の係
合部17bと接触した状態で、摺動ばね17が保持器1
4に連れ回るようになる。この時、摺動ばね17は回転
を拘束された制御部材21の内周を摺動回転することに
より滑り摩擦抵抗を受ける。この摩擦抵抗は保持器14
の回転抵抗となるので、センタリングばね15に弾性変
形が生じ、その分、保持器14は内輪12に対して回転
位相差(回転遅れ)を生じる。この保持器14の回転遅
れによって、ポケット14aに保持されたローラ13が
保持器14によって押され、その方向の楔隙間に噛み込
んで内輪12および外輪11の双方と係合する。この
時、図10に示すように、内輪12は矢印方向に回転し
ているので、くさびの原理から、ローラ13がカム面2
2と円筒状内周面23との間に噛み込まれる。これによ
り、内輪12からローラ13を介して外輪11に入力ト
ルクが伝達され、外輪11が保持器14および内輪12
と一体となって回転する。このように制御リング21の
回転を拘束することで、クラッチCを作動状態にするこ
とができる。
【0032】内輪12への入力トルクがなくなり、内輪
12及び保持器14の回転が止まると、センタリングば
ね15の弾性復元力によって保持器14が内輪12に対
して相対回転し、図3および図7に示す中立位置にセン
タリングされる。
【0033】一方、外輪11から逆入力される回転トル
クに対しては、摺動ばね17の滑り摩擦抵抗は生じない
ので、センタリングばね15の作用により保持器14が
センタリングされ、保持器14と内輪12との回転位相
差が解消される。保持器14がセンタリングされた状態
では、ローラ13が楔隙間の円周方向中央に位置して自
転可能となるから、出力側の外輪11から逆入力された
回転トルクに対しては外輪11が空転し、この逆入力ト
ルクの内輪12への伝達を遮断する。この時、ローラ1
3は、内輪12および外輪11の双方から離脱した状態
となる。
【0034】次に、制御リング21の回転拘束を解除し
た場合を説明する。この状態で内輪12にトルクが入力
されると、作動状態と同様に、保持器14がセンタリン
グばね15を介して内輪12からトルクを受けて回転す
るが、この時、制御リング21の回転拘束が解除されて
いるので、制御リング21は、制御リング21内周の内
輪12との接触部や、内輪12の端面に装着した止め輪
24との接触部における摩擦力によって内輪12および
保持器14と同期回転し、あるいは、内輪12および保
持器14に対して遅れ回転する。すなわち、制御リング
21は、静止側の部材ではなく、回転側の部材となる。
この場合、センタリングばね15のばねトルクK1と摺
動ばね17で生じる摩擦トルクK2との関係は、K1>
K2である。そのため、センタリングばね15にたわみ
はなく、保持器14は内輪12に対してセンタリングさ
れた状態で回転する(中立位置)。従って、上記何れの
場合でも、ローラ13のカム面22および円筒状内周面
23に対する噛み込みは発生せず、ローラ13が内輪1
2や外輪11から離脱した状態となる。そのため、内輪
12から外輪11への入力トルクの伝達が遮断され、内
輪12と外輪11とが相互に空転可能となる。このよう
に制御リング21の回転を解除することで、クラッチC
を非作動状態にすることができる。
【0035】この実施形態において、クラッチCの作動
・非作動の切り替え、すなわち制御リング21の回転拘
束・解除の切り替えは図1に示すような操作部材25に
よって行われる。図示例の操作部材25は、所定の軸心
周りに回動可能に配置され、制御リング21の係合部2
1b1と係合可能な係合要素を備えている。操作部材2
5は、例えばワイヤやアーム等の操作手段によって回動
操作され、係合部21b1と係合して制御リング21の
回転を拘束する位置(以下、「拘束位置」という)と、
係合部21b1から離れて制御リング21の回転拘束を
解除する位置(以下、「解除位置」という)とに切り替
えられる。操作部材25の位置切り替えは、全自動洗濯
機の洗濯・脱水モードの切換えと連動して自動的に行わ
れる。なお、操作部材25を制御リング21に対して半
径方向に進退移動可能に配置し、操作部材25の進退移
動操作によって、制御リング21の回転拘束・解除を切
換える構成としてもよい。
【0036】全自動洗濯機が洗濯モードの時、操作部材
25は解除位置、ブレーキベルトBは非作動状態(ブレ
ーキドラム部32cに対して非接触の状態)に保持され
る。操作部材25が解除位置にある時、クラッチCは非
作動状態である。従って、パルセータ軸35と洗濯槽軸
32との間のトルク伝達がクラッチCによって遮断さ
れ、パルセータ軸35と洗濯槽軸32とが相互に空転可
能となる。この状態で、図示されていない電動モータか
らパルセータ軸35に正逆トルクが入力されると、パル
セータ軸35から洗濯槽軸32へのトルク伝達がクラッ
チCによって遮断されるため、入力トルクはパルセータ
軸35のみに入力され、パルセータ軸35及びパルセー
タ31が正逆回転する。そして、パルセータ31の正逆
回転に伴い、洗濯槽30内で水流が発生して洗濯が行わ
れる。一方、クラッチC及びブレーキベルトBの双方が
非作動状態に保持されているため、洗濯槽軸35及び洗
濯槽30は上記の水流による駆動力を受けて正逆両回転
方向に空転する。これにより、パルセータ31の回転方
向の切換わり時に、切換わり前の方向に慣性回転する洗
濯槽30とパルセータ31との間に相対回転が生じて、
洗濯能力の向上が図られる。
【0037】洗濯が終わり、全自動洗濯機が脱水モード
になると、操作部材25は拘束位置に切換わる。操作部
材25が拘束位置にある時、クラッチCは作動状態であ
る。従って、パルセータ軸35と洗濯槽軸32との間の
トルク伝達がクラッチCを介して行われる。この状態で
図示されていない電動モータからパルセータ軸35に所
定方向(正方向又は逆方向)のトルクが入力されると、
その入力トルクはクラッチCを介して洗濯槽軸32に伝
達されて、パルセータ軸35と洗濯槽軸32とが同期回
転する。これにより、洗濯槽30が所定方向に回転して
脱水が行われる。
【0038】脱水が終わり、全自動洗濯機が停止モード
になると、電動モータは停止、ブレーキベルトBは作動
状態に切換わる。そして、ブレーキベルトBの作動によ
って洗濯槽軸32及び洗濯槽30の回転が停止し、脱水
が完了する。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以下に示す効果を有する。
【0040】(1)従来の全自動洗濯機に配置されてい
た二つのクラッチ要素(一方向クラッチ及びスプリング
クラッチ)に代えて、一つのクラッチ要素(二方向クラ
ッチ)を配置するだけで良いので、全自動洗濯機、特に
回転駆動部の構造の簡略化、コンパクト化(特に軸方向
寸法の縮小化)を図ることができる。
【0041】(2)従来の全自動洗濯機に配置されてい
たスプリングクラッチが不要となるので、組立性が向上
し、組立コストの低減に寄与すると同時に、トルク損失
を低減して省電力化を図ることができる。
【0042】(3)洗濯槽軸を正逆両回転方向に空転可
能とし、パルセータの回転に伴う水流の駆動力によって
洗濯槽を回転させる構成とすることにより、洗濯能力の
向上を図ることができると共に、洗濯時間を短縮する等
して省電力化を図ることができる。
【0043】(4)回転する保持器への回転抵抗を摩擦
抵抗に基づいて付与するので、回転抵抗値が回転数や温
度の影響を受けにくくなり、これら回転数や温度の変化
に対するクラッチの動作特性を安定化させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる全自動洗濯機の回転駆動部の周
辺部分を示す軸方向断面図である。
【図2】全自動洗濯機の回転駆動部に装備される逆入力
遮断クラッチの軸方向断面図である。
【図3】図2中のX−X線断面図である。
【図4】図2中のY−Y線断面図である。
【図5】逆入力遮断の要部を拡大した半径方向断面図で
ある。
【図6】逆入力遮断クラッチのセンタリングばね付近の
半径方向断面図である。
【図7】初期状態のローラを示す半径方向断面図であ
る。
【図8】初期状態の摺動ばねを示す半径方向断面図であ
る。
【図9】保持器と摺動ばねが接触した状態を示す半径方
向断面図である。
【図10】ローラがくさび隙間に噛み込んだ状態を示す
半径方向断面図である。
【符号の説明】
11 外輪 12 内輪 12a 円筒部 12b フランジ部 13 ローラ 14 保持器 14a ポケット 14b ストッパ部 15 センタリングばね 17 摺動ばね 21 制御部材 21a 第一リング 21b 第二リング 30 洗濯槽 31 パルセータ 32 パルセータ軸 32c ブレーキドラム部 34 洗濯機フレーム 35 洗濯槽軸 36 駆動プーリ B ブレーキベルト C 逆入力遮断クラッチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗濯兼脱水を行う洗濯槽と、洗濯槽を回
    転駆動する洗濯槽軸と、洗濯槽内に配置されたパルセー
    タと、駆動源からの入力トルクを受けてパルセータを回
    転駆動するパルセータ軸と、洗濯槽軸とパルセータ軸と
    の間に配置され、洗濯槽軸へのトルク伝達とその遮断を
    制御するクラッチとを有する全自動洗濯機において、 上記クラッチが、 パルセータ軸に接続された入力側部材と、洗濯槽軸に接
    続された出力側部材と、入力側部材と出力側部材との間
    に介在し、入力側部材と出力側部材間の双方と係合する
    係合状態、および双方から離脱する離脱状態を切り替え
    可能としたトルク伝達部材と、トルク伝達部材を保持
    し、入力側部材との間の回転位相差に応じてトルク伝達
    部材の係合・離脱状態を切り替える保持器と、静止側の
    部材との接触時に、その摩擦抵抗で保持器に回転抵抗を
    付与する回転抵抗付与手段とを備え、 入力側部材からの回転トルクに対しては、回転抵抗付与
    手段で保持器に回転抵抗を与えて保持器と入力側部材と
    の間に回転位相差を形成することにより、トルク伝達部
    材を係合状態にし、出力側部材からの逆入力トルクに対
    しては、保持器に付与する回転抵抗を解除して上記回転
    位相差をなくすことにより、トルク伝達部材を離脱状態
    にする逆入力遮断クラッチであることを特徴とする全自
    動洗濯機。
  2. 【請求項2】 逆入力遮断クラッチが、入力側部材から
    出力側部材へ入力トルクを伝達する作動状態と、入力側
    部材から出力側部材への入力トルクの伝達を遮断する非
    作動状態とを切り替え可能である請求項1記載の全自動
    洗濯機。
  3. 【請求項3】 洗濯時に逆入力遮断クラッチを非作動状
    態にすると共に、脱水時に逆入力遮断クラッチを作動状
    態に切り替える請求項2記載の全自動洗濯機。
  4. 【請求項4】 さらに逆入力遮断クラッチに制御部材を
    設け、この制御部材の回転を拘束することで、逆入力遮
    断クラッチを作動状態とし、制御部材の回転拘束を解除
    することで、逆入力遮断クラッチを非作動状態にする請
    求項2又は3記載の全自動洗濯機。
  5. 【請求項5】 洗濯時、洗濯槽軸をパルセータ軸に対し
    て空転させる請求項1〜4何れか記載の全自動洗濯機。
  6. 【請求項6】 洗濯時、パルセータの回転に伴う水流の
    駆動力で洗濯槽が回転する請求項5記載の全自動洗濯
    機。
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US10/177,760 US6871735B2 (en) 2001-06-26 2002-06-24 Reverse-input shutoff clutch and rotation drive device
DE60211600T DE60211600T2 (de) 2001-06-26 2002-06-25 Rückwärtsfahrende Sperrkupplung und Einrichtung zur Drehbewegungsübertragung
CNB021233918A CN1274973C (zh) 2001-06-26 2002-06-25 逆输入隔断式离合器及其回转驱动装置
EP02254440A EP1270977B1 (en) 2001-06-26 2002-06-25 Reverse-input shutoff clutch and rotation drive device

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005351422A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Ntn Corp 逆入力遮断一方向クラッチ

Cited By (2)

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JP4638178B2 (ja) * 2004-06-11 2011-02-23 Ntn株式会社 逆入力遮断一方向クラッチ

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