JP2003319921A - 集団状態における心身状態の評価方法,同評価装置,同評価システムおよびプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

集団状態における心身状態の評価方法,同評価装置,同評価システムおよびプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP2003319921A
JP2003319921A JP2002129045A JP2002129045A JP2003319921A JP 2003319921 A JP2003319921 A JP 2003319921A JP 2002129045 A JP2002129045 A JP 2002129045A JP 2002129045 A JP2002129045 A JP 2002129045A JP 2003319921 A JP2003319921 A JP 2003319921A
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JP2002129045A
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Mitsuru Yoneyama
満 米山
Atsushi Noumoto
淳 納本
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集団の1人が他の者から受ける心身状態の変
化を、定量的,簡便,迅速,客観的かつ非侵襲的に計測
でき、更に、単独状態と集団状態との両状態間における
身状態を評価できる、集団状態における心身状態の評価
方法を提供する。 【解決手段】 解析者が被験者Aの単独状態における単
独生体リズムを検出し(単独生体リズム検出ステップ:
Q1)、その被験者Aを含む2人の被験者A,Bの集団
状態において被験者Aに関する集団生体リズムを検出し
(集団生体リズム検出ステップ:Q2)、そして、単独
生体リズム検出ステップにて検出された単独生体リズム
を処理して得られた単独生体リズム情報と集団生体リズ
ム検出ステップにて検出された集団生体リズムを処理し
て得られた集団生体リズム情報とに基づいて、被験者A
の集団状態における心身状態を評価する(評価ステッ
プ:Q3)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、リラック
ス状態/ストレス状態を示す心身状態の測定又は評価に
関し、特に単独時(単独状態)における生体リズムと集
団時(集団状態)における生体リズムとのリズム変化に
より心身状態の測定又は評価に用いて好適な、集団状態
における心身状態の評価方法,同評価装置,同評価シス
テムおよびプログラムが記録されたコンピュータ読み取
り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、国民の健康に対する関心は高ま
り、国民は自己の責任において病気の早期発見に努めて
いる。また、多くの者が健康を維持又は増進させるため
に運動を取り入れており、国民は自分自身の健康を管理
し、身体的又は心理的な自覚症状をチェックするよう求
められている。最近では、セラピーおよびヒーリングに
よって、身体的および精神的な健康度を上昇させること
も多くなっている。この健康度は、各人の心身状態を反
映するものであり、また、心身状態の変化の影響を受け
易い。この心身状態の変化の指標としては、リラックス
度(リラックス)およびストレス度(ストレス)が用い
られることが多い。ここで、リラックスとは硬直性の解
消度を表し、適度なストレスは制御性向上と関連があ
る。
【0003】ストレスの発生要因の一つは、学校,職場
又は家庭等における対人関係である。人は、自分1人の
単独状態(独立状態)のときと、他人と一緒の集団状態
(2人以上からなるグループが形成されている状態)の
ときとによって、ストレスの受ける度合いが異なる。多
くの人は、集団状態のほうが単独状態のほうよりも強い
ストレスを感じる。また、集団状態においても、その集
団を形成する者が自分の家族である場合、又は仲のよい
友人である場合、各人はさほど強いストレスを感じな
い。
【0004】この半面、集団を形成する者が見識のない
者又は職場の人である場合、各個人は強いストレスを感
じる。さらに、集団の中に特定の人又は集団がいること
によりストレスを感じることもある。すなわち、心身状
態は、単独状態であるか集団状態であるかによって異な
り、また、集団状態の場合はその集団を形成する他の者
によって異なるのである。
【0005】ところで、自分自身のストレスを自覚して
いない人も多く、また、本人が意識しているストレスの
原因と、実際に本人に影響を与えているストレスとが異
なることもある。このため、精神面および身体面から、
各人は自分自身の心身状態について知ることは重要であ
る。一方、ストレスの解消方法は多様であって、ウォー
キング,ジョギング又は自転車走行等を行なっている人
が多く、また、運動時においては、例えば、万歩計(登
録商標),心拍数計測器が用いられる。ここで、万歩計
は身体の振動によって累積歩数を記録し、また、心拍数
計測器は所定の測定時間内の心拍回数を記録しその回数
を測定時間で除算して得るものである。これらの計測装
置は、いずれも、簡便であるが、主に、身体の外部に表
れる変化を計測するものであり、従って、リラックス状
態等の心身状態までをも計測するものではない。このた
め、各人が自分自身のストレスを自覚でき、また、個人
の心身状態を定量的に計測できるものが求められてい
る。
【0006】この心身状態を計測するための一つとし
て、1/f揺らぎ(自然界に見出される変化又はリズム
であって不規則に変化する自然現象を意味する。)を用
いる方法がよく知られている。最近の研究により、豊か
な自然を愛でながらリラックスして歩行するときの歩行
ステッブのリズムは、長期にわたって正の相関を有する
1/f揺らぎを示すことが明らかになっている。すなわ
ち、人のリラックス状態が、歩行リズムとして表れるの
である。
【0007】生体リズムを抽出しリラックス状態の有無
を定量的にうる装置は、例えば、脳波又は心電図等が知
られている。また、心身状態の一側面を計測する装置と
してポリグラフが知られている。このポリグラフは、心
身状態の測定,計測を受ける者(以下、被験者と称す
る。)の心理的な変化を、汗および皮膚の電気的な抵抗
値を用いて検出するものである。生体リズムを検出し心
身状態を解析する者(以下、解析者と称する。)は、計
測のために被験者に電極を取り付け、その状態で被験者
に対して質問する。その質問方法は、通常の会話とは異
なる形式である。このため、被験者は、電極および口頭
による質問によって、いかにも自分自身が計測されてい
るという状況を強く意識する。従って、このポリグラフ
も、侵襲的な計測器であり、被験者はストレスを感じて
いる状態であって全く通常時の状態で計測を受けている
ものではない。また、計測中に、被験者が解析者から話
かけられるので、ポリグラフ計測時における心理状態
は、日常的な心理状態とは異なることが多い。この結
果、ポリグラフが計測するデータは、被験者の緊張感が
含まれる状態におけるデータなのである。すなわち、被
験者の心身状態を測定するために、ポリグラフを用いて
も、解析者は、被験者の心理変化と身体の変化との関係
を外部から正確に知ることはできない。
【0008】ここで、人がリラックス状態であるか否か
を知るために、運動テストを実施する等の方法が考えら
れるが、これらの方法は解析者の主観および経験に依存
するところが多く、客観的かつ定量的なものではない。
また、ペーパーテスト又はペーパーアンケートは、元
々、定量的なデータを得るものではないので、リラック
ス状態の有無を知ることはできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の装置を用いてデータを得る場合、被験者は頭部又は身
体に電極を取り付けてベッドに長時間寝ている必要があ
り、また、被験者は、測定のときに予め、外的処置され
ることもある。すなわち、日常生活の場において、リラ
ックス状態の有無等の生体リズムを定量的,簡便かつ迅
速に計測又はモニタできないという第1の課題がある。
【0010】また、脳波等の計測装置を用いると、被験
者は、身体を拘束され、かつ動くことが許されない等の
条件下で、心身状態を測定又は評価される(このような
測定等は、侵襲的な測定等と呼ばれる。)。従って、被
験者は電極等の取り付けによって違和感を伴い、侵襲的
な装置を用いて、被験者に違和感を起こさせず、無意識
的、かつ身体を拘束されずに、測定等ができないという
第2の課題がある。
【0011】さらに、被験者が集団状態にいることによ
って発生するストレスを解消するためには、解析者は、
ストレスの原因を調査しその原因を取り除く必要があ
る。この調査を心電図計測装置又は脳波計測装置を用い
て行なうためには、解析者は、多くの時間を要し現実的
ではない。すなわち、解析者は、集団の各人が、特定の
者と一緒にいることによってどの程度の心理的変化が生
じるかを簡便に知ることができないという第3の課題が
ある。例えば被験者A〜Eの各人が属する集団におい
て、被験者Aが感じるストレスが、集団内の誰によって
引き起こされるかをデータ化するに当たり、解析者は、
各人について他の者との相性を定量的に計測できない。
従って、解析者は、特定個人の間における相性の適否に
ついて判定できない。
【0012】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、集団の1人が他の者から受ける心身状態の変
化を、定量的,簡便,迅速,客観的かつ非侵襲的に計測
でき、さらに、単独状態と集団状態との両状態間におけ
る身状態を評価できる、集団状態における心身状態の評
価方法,同評価装置,同評価システムおよびプログラム
が記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の集団
状態における心身状態の評価方法は、少なくとも一個の
生体の第1状態における第1生体リズムを検出する第1
生体リズム検出ステップと、一個の生体を含む一個以上
の生体の第2状態における第2生体リズムを検出する第
2生体リズム検出ステップと、第1生体リズム検出ステ
ップにて検出された第1生体リズムに起因する第1生体
リズム情報と第2生体リズム検出ステップにて検出され
た第2生体リズムに起因する第2生体リズム情報とに基
づいて、一個の生体の集団状態における心身状態を評価
する評価ステップとをそなえて構成されたことを特徴と
している(請求項1)。
【0014】また、本発明の集団状態における心身状態
の評価方法は、一個の生体の単独状態における単独生体
リズムを検出する単独生体リズム検出ステップと、一個
の生体を含む複数の生体の集団状態における一個の生体
に関する集団生体リズムを検出する集団生体リズム検出
ステップと、単独生体リズム検出ステップにて検出され
た単独生体リズムに起因する単独生体リズム情報と集団
生体リズム検出ステップにて検出された集団生体リズム
に起因する集団生体リズム情報とに基づいて、一個の生
体の集団状態における心身状態を評価する評価ステップ
とをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項
2)。
【0015】さらに、本発明の集団状態における心身状
態の評価方法は、一個の生体を含む複数の生体の集団状
態における一個の生体の第1集団生体リズムを検出する
第1集団生体リズム検出ステップと、一個の生体を含む
複数の生体の集団状態における一個の生体の第2集団生
体リズムを検出する第2集団生体リズム検出ステップ
と、第1集団生体リズム検出ステップにて検出された第
1集団生体リズムに起因する第1集団生体リズム情報と
第2集団生体リズム検出ステップにて検出された第2集
団生体リズムに起因する第2集団生体リズム情報とに基
づいて、一個の生体の集団状態における心身状態を評価
する評価ステップとをそなえて構成されたことを特徴と
している(請求項3)。
【0016】そして、本発明の集団状態における心身状
態の評価方法は、一個の生体の単独状態における単独生
体リズムを検出する単独生体リズム検出ステップと、単
独生体リズム検出ステップにて検出された単独生体リズ
ムに起因する単独生体リズム情報を第1記録部に記録す
る第1記録ステップと、一個の生体を含む複数の生体の
集団状態における一個の生体に関する集団生体リズムを
検出する集団生体リズム検出ステップと、集団生体リズ
ム検出ステップにて検出された集団生体リズムに起因す
る集団生体リズム情報を第2記録部に記録する第2記録
ステップと、第1記録ステップにて記録された単独生体
リズム情報と第2記録ステップにて記録された集団生体
リズム情報とに基づいて、一個の生体の集団状態におけ
る心身状態を評価する評価ステップとをそなえて構成さ
れたことを特徴としている(請求項4)。
【0017】また、本発明の集団状態における心身状態
の評価方法は、一個の生体を含む複数の生体の集団状態
における一個の生体の第1生体リズムを検出する第1生
体リズム検出ステップと、第1生体リズム検出ステップ
にて検出された第1生体リズムに起因する第1生体リズ
ム情報を第1記録部に記録する第1記録ステップと、一
個の生体を含む複数の生体の集団状態における一個の生
体の第2生体リズムを検出する第2生体リズム検出ステ
ップと、第2生体リズム検出ステップにて検出された第
2生体リズムに起因する第2生体リズム情報を第2記録
部に記録する第2記録ステップと、第1記録ステップに
て記録された第1生体リズム情報と第2記録ステップに
て記録された第2生体リズム情報とに基づいて、一個の
生体の集団状態における心身状態を評価する評価ステッ
プとをそなえて構成されたことを特徴としている(請求
項5)。
【0018】さらに、本発明の集団状態における心身状
態の評価方法は、一個の生体の単独状態における単独生
体リズム情報を第1記録部から読み出す単独生体リズム
情報読み出しステップと、一個の生体を含む複数の生体
の集団状態における一個の生体に関する集団生体リズム
情報を第2記録部から読み出す集団生体リズム情報読み
出しステップと、単独生体リズム情報読み出しステップ
にて読み出された単独生体リズム情報と集団生体リズム
情報読み出しステップにて読み出された集団生体リズム
情報とに基づいて、一個の生体の集団状態における心身
状態を評価する評価ステップとをそなえて構成されたこ
とを特徴としている(請求項6)。
【0019】そして、本発明の集団状態における心身状
態の評価方法は、一個の生体を含む複数の生体の集団状
態における一個の生体の第1生体リズム情報を第1記録
部から読み出す第1生体リズム情報読み出しステップ
と、一個の生体を含む複数の生体の集団状態における一
個の生体の第2生体リズム情報を第2記録部から読み出
す第2生体リズム情報読み出しステップと、第1生体リ
ズム情報読み出しステップにて読み出された第1生体リ
ズム情報と第2生体リズム情報読み出しステップにて読
み出された第2生体リズム情報とに基づいて、一個の生
体の集団状態における心身状態を評価する評価ステップ
とをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項
7)。
【0020】また、本発明の集団状態における心身状態
の評価方法は、一個の生体を含む複数の生体の集団状態
における一個の生体に関する集団生体リズムを検出する
集団生体リズム検出ステップと、集団生体リズム検出ス
テップにて検出された集団生体リズムに起因する集団生
体リズム情報を記録部に記録する記録ステップと、記録
ステップにて記録された集団生体リズム情報についてフ
ラクタル解析を用いてデータ解析する解析ステップとを
そなえて構成されたことを特徴としている(請求項
8)。
【0021】加えて、本発明の集団状態における心身状
態の評価方法は、一個の生体の生体リズムを検出する生
体リズム検出ステップと、生体リズム検出ステップにて
検出された生体リズムに起因する生体リズム情報につい
てフラクタル解析を用いてデータ解析する解析ステップ
をそなえて構成されたことを特徴としている(請求項
9)。
【0022】そして、本発明の集団状態における心身状
態の評価装置は、生体の生体リズムを検出する生体リズ
ム検出部と、生体リズム検出部にて検出された第1生体
リズムに起因する第1生体リズム情報と生体リズム検出
部にて検出された第2生体リズムに起因する第2生体リ
ズム情報とに基づいて、一個の生体の集団状態における
心身状態を評価する評価部とをそなえて構成されたこと
を特徴としている(請求項10)。
【0023】また、本発明の集団状態における心身状態
の評価装置は、一個の生体の単独状態における単独生体
リズムと、一個の生体を含む複数の生体の集団状態にお
ける一個の生体に関する集団生体リズムとを検出する生
体リズム検出部と、生体リズム検出部にて検出された単
独生体リズムに起因する単独生体リズム情報と生体リズ
ム検出部にて検出された集団生体リズムに起因する集団
生体リズム情報とに基づいて、一個の生体の集団状態に
おける心身状態を評価する評価部とをそなえて構成され
たことを特徴としている(請求項11)。
【0024】さらに、本発明の集団状態における心身状
態の評価装置は、一個の生体を含む複数の生体の集団状
態における一個の生体に関する第1集団生体リズムと、
一個の生体を含む複数の生体の集団状態における一個の
生体に関する第2集団生体リズムとを検出する生体リズ
ム検出部と、生体リズム検出部にて検出された第1生体
リズムに起因する第1生体リズム情報と生体リズム検出
部にて検出された第2生体リズムに起因する第2生体リ
ズム情報とに基づいて、一個の生体の集団状態における
心身状態を評価する評価部とをそなえて構成されたこと
を特徴としている(請求項12)。
【0025】そして、本発明の集団状態における心身状
態の評価装置は、生体の生体リズムを検出する生体リズ
ム検出部と、生体リズム検出部が検出した生体の単独状
態における単独生体リズムに起因する単独生体リズム情
報を記録する第1記録部と、生体リズム検出部が検出し
た生体の集団状態における集団生体リズムに起因する集
団生体リズム情報を記録する第2記録部と、第1記録部
に記録された単独生体リズム情報と第2記録部に記録さ
れた集団生体リズム情報とに基づいて、生体の集団状態
における心身状態を評価する評価部とをそなえて構成さ
れたことを特徴としている(請求項13)。
【0026】また、生体リズム検出部は、繰り返しリズ
ム運動時における筋肉の動きの加速度を用いて生体リズ
ムを生成し生体リズムを検出するように構成されてもよ
く(請求項14)、繰り返しリズム運動時における筋肉
の動きを非侵襲的に計測することにより、生体リズムを
検出するように構成されてもよい(請求項15)。さら
に、本発明の集団状態における心身状態の評価装置は、
生体の生体リズムを検出する生体リズム検出部と、生体
リズム検出部にて検出された生体リズムに起因する生体
リズム情報についてフラクタル解析を用いてデータ解析
する解析部とをそなえて構成されたことを特徴としてい
る(請求項16)。
【0027】そして、本発明の集団状態における心身状
態の評価システムは、生体の生体リズムを検出可能な端
末と、端末と網を介してデータ送受信可能なサーバとを
そなえ、サーバが、端末が検出した生体の単独状態にお
ける単独生体リズムに起因する単独生体リズム情報を記
録する第1記録部と、端末が検出した生体の集団状態に
おける集団生体リズムに起因する集団生体リズム情報を
記録する第2記録部と、第1記録部に記録された単独生
体リズム情報と第2記録部に記録された集団生体リズム
情報とに基づいて、生体の集団状態における心身状態を
評価する評価部とをそなえて構成されたことを特徴とし
ている(請求項17)。
【0028】加えて、本発明のコンピュータ読み取り可
能な記録媒体は、コンピュータを、生体の生体リズムを
検出する生体リズム検出部にて検出された第1生体リズ
ムに起因する第1生体リズム情報とその生体リズム検出
部にて検出された第2生体リズムに起因する第2生体リ
ズム情報とに基づいて、一個の生体の集団状態における
心身状態を評価する評価部として機能させるためのプロ
グラムが記録されたことを特徴としている(請求項1
8)。
【0029】また、本発明のコンピュータ読み取り可能
な記録媒体は、コンピュータを、生体の生体リズムを検
出する生体リズム検出部にて検出された生体リズムに起
因する生体リズム情報についてフラクタル解析を用いて
データ解析する解析部として機能させるためのプログラ
ムが記録されたことを特徴としている(請求項19)。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (A)本発明の一実施形態の説明 図1は本発明の一実施形態に係る集団状態における心身
状態の評価システム(以下、評価システムと称する。)
の構成例を示す図である。この図1に示す評価システム
32は、単独状態と集団状態との間における個人の生体
リズムの変化を用いてその個人の心身状態の測定および
評価を行ない、特定個人の間における相性の適否を判定
するサービスを提供するものであって、集団状態におけ
る心身状態の評価装置10a,10bと、無線基地局3
0と、ネットワーク33と、配信センター31とをそな
えて構成されている。
【0031】この評価システム32は、例えばインター
ネットのウェブページにおいて、携帯端末等を用いてア
クセスしてきたユーザ(電話加入者)とそのユーザが指
定した他のユーザとの間の相性の適否を判定(以下、相
性判定と称する。)するようになっている。本実施形態
においては、主に、ユーザ数が2人の場合について説明
する。ユーザ数が3人以上の場合は、後述する変形例に
おいて説明する。
【0032】これらの集団状態における心身状態の評価
装置10a,10bは、ともに、集団状態で歩行してい
るときの各人の心身状態を評価することによって相性判
定に必要なデータを生成するものであって、生体リズム
を検出可能な携帯端末,携帯電話又はPDA(Personal
Digital Assistants)等である。具体的には、集団状
態を形成し、そして、集団状態における心身状態の評価
装置10a,10bが、集団状態における心身状態を計
測し、さらに、この集団状態における心身状態と、予め
記録した単独状態における心身状態とを評価するのであ
る。
【0033】ここで、心身状態の評価とは、次に示す
(1−1),(1−2)の2種類の意味を有する。すな
わち、(1−1)フラクタル解析を用いて心身状態の相
対的な変化を評価すること、(1−2)およびフラクタ
ル解析結果を示す曲線が1/f揺らぎ特性と比較して、
絶対的にどの程度近似しているかを評価することとの双
方が、心身状態の評価になる。
【0034】また、集団,集団時および集団状態とは被
験者を含む2人以上の場合を意味し、単独,単独時およ
び単独状態とは被験者本人だけの場合を意味する。集団
状態における心身状態の評価装置10aは、例えば図2
に示すように、被験者Aの心身状態を評価する心身状態
の評価装置9aと、この心身状態の評価装置9aから出
力されたデータを無線信号に変換出力するとともに無線
信号を受信してデータを復号出力する送受信部11a
と、送受信部11aから出力された復号データに含まれ
る相性判定の結果を例えばハートマークの数によって表
示する表示ウィンドウ13とをそなえて構成されてい
る。
【0035】これにより、心身状態の評価装置9aにお
いて、被験者の生体リズム(後述する歩行リズム)が検
出,解析および評価され、送受信部11aにおいて、出
力されたデータが配信センター31(図1参照)に送信
される。そして、配信センター31にて相性判定が行な
われてその結果が送信され、心身状態の評価装置9aの
送受信部11aを介して表示ウィンドウ13にてその結
果が表示されるのである。なお、集団状態における心身
状態の評価装置10bも、この集団状態における心身状
態の評価装置10aと同一又は同様の機能を有する。
【0036】また、無線基地局30(図1参照)はこれ
らの集団状態における心身状態の評価装置10a,10
bと無線接続するとともにネットワーク33と有線接続
してデータ通信するものであり、ネットワーク33は集
団状態における心身状態の評価装置10a,10bをユ
ーザとして有する移動通信網およびインターネットであ
ってデータを送受信するものである。
【0037】さらに、配信センター31は、集団状態に
おける心身状態の評価装置10a,10bとネットワー
ク33を介してデータ送受信可能な1又は複数のサーバ
(図示省略)を有する。この配信センター31は、相性
判定サービスの提供に当たり、予め、各ユーザの生体リ
ズム情報を複数のサーバに登録しておく。図5は本発明
の一実施形態に係る相性判定サービスのシーケンス例を
示す図であり、心身状態の評価装置(個人端末側)10
a,10bと配信センター31との間にて送受信される
メッセージ例が表示されている。
【0038】ここで、被験者A,Bはそれぞれ一緒に歩
行して集団時における歩行データを収集し、この集団時
における歩行データと被験者A,Bの個人ID(Identi
fication:識別子)とを含むメッセージを配信センター
31に対して通知する。配信センター31は、そのメッ
セージを受信すると、集団時における歩行データをいっ
たん保持するとともに、被験者A,Bの個人IDに基づ
いてデータベース部(個人DB[Data-base]部又はデ
ータベース)50に記録された被験者A,Bの単独時に
おける歩行データを抽出する。そして、配信センター3
1は、抽出した単独時における歩行データと、集団時に
おける歩行データとを比較し、被験者A,Bの相性を判
定し、その判定結果を被験者A,Bの集団状態における
心身状態の評価装置10a,10bに送信して、受信待
ちの状態に戻る。
【0039】また、集団状態における心身状態の評価装
置10a,10bは、その判定結果を受信すると、被験
者A,B間の相性がよいときは表示ウィンドウ13にハ
ートマークを多く表示し、また、その相性が悪いときは
ハートマークを少なく表示する。これにより、被験者
A,Bは、いずれも、自分の心身状態を簡便な方法で知
ることができる。
【0040】また、生体リズムとは、被験者A,Bの身
体に生じ外部から観察できるリズム運動であって、以下
の説明においては、被験者Aらが歩行している状態にお
いて生ずる歩行ステップのリズム(歩行リズム)を意味
する。この生体リズムは、被験者A,Bがそれぞれ単独
で歩行しているときの単独時の単独生体リズム(単独歩
行リズム)と、被験者A,Bが一緒に歩行しているとき
の集団時の集団生体リズム(集団歩行リズム)との両方
の意味で使用する。なお、生体リズムとして観察できる
ものは、歩行リズムのほかに、足踏みのリズム、指のタ
ッピングリズム、拍手のリズム、食物を噛むリズム、貧
乏ゆすりのリズム、眼球運動のリズム、又は、まばたき
のリズム等があって、本発明は、生体リズムのうちの一
つを選択して用いてもよく、又は複数の生体リズムを組
み合わせて評価することも可能である。
【0041】従って、図5において、本発明の集団状態
における心身状態の評価方法は、解析者が被験者Aの単
独状態における単独生体リズムを検出し(単独生体リズ
ム検出ステップ:Q1参照)、その被験者Aを含む2人
の被験者A,Bの集団状態における被験者Aに関する集
団生体リズムを検出し(集団生体リズム検出ステップ:
Q2参照)、そして、単独生体リズム検出ステップにて
検出された単独生体リズムを処理して得られた単独生体
リズム情報と集団生体リズム検出ステップにて検出され
た集団生体リズムを処理して得られた集団生体リズム情
報とに基づいて、被験者Aの集団状態における心身状態
を評価するのである(評価ステップ:Q3参照)。
【0042】なお、図5において、上述したものと同一
符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有する
ものであり更なる説明を省略する。また、無線データに
関する処理の表示は省略している。次に、図1,図5に
示す配信センター31について更に詳述する。配信セン
ター31は、送受信部31aと、データベース部50
と、比較部17と、評価部16bとをそなえて構成され
ている。この送受信部31aはネットワーク33と接続
され生体リズム情報を含むメッセージを送受信するもの
である。
【0043】また、データベース部50は、検索可能な
状態でデータを保持するものであって、集団状態におけ
る心身状態の評価装置10aが検出した被験者Aの単独
状態における単独生体リズムを処理して得られた単独生
体リズム情報を記録する第1記録部51aと集団状態に
おける心身状態の評価装置10bが検出した被験者Aの
集団状態における集団生体リズムを処理して得られた集
団生体リズム情報を記録する第2記録部51bとをそな
えて構成されている。
【0044】このデータベース部50が保持するデータ
は、例えば、生波形データ,歩行ステップ間隔又はフラ
クタル解析されたデータ等である。具体的には、データ
ベース部50には、予め、被験者A,Bを含む多数のユ
ーザについて、単独時における歩行リズム情報(歩行リ
ズム情報データ)と、予め被験者A,Bがともに歩行し
て計測した集団時の歩行リズム情報を保持している。こ
のデータベース部50の機能は、例えば、ハードディス
ク又は記憶媒体等により実現される。
【0045】さらに、比較部17は、被験者A,Bにつ
いてそれぞれ単独時と集団時との心身状態の相対的変化
をフラクタル解析結果により評価するとともに、被験者
A,Bが一緒に歩行したときの測定データを加算しその
加算データの特性が1/f揺らぎ特性にどの程度、絶対
的に近似しているかを評価するようになっている。すな
わち、比較部17は、データベース部50に記録された
被験者A,Bの単独時におけるフラクタル解析結果を読
み出して、被験者A,Bの集団時におけるフラクタル解
析結果の曲線の平均曲線と、被験者A,Bの単独時にお
けるフラクタル解析結果の曲線の平均曲線とを比較する
のである。
【0046】さらに、評価部16bは、第1記録部51
aに記録された単独生体リズム情報と第2記録部51b
に記録された集団生体リズム情報とに基づいて、被験者
A,Bを含む多数のユーザの集団状態における心身状態
を評価するものである。具体的には、評価部16bは、
各個人の単独時および集団時におけるフラクタル解析に
よる差分又は相違点を得て、被験者A,Bの心身状態に
ついて、相対的な変化の有無を評価するのである。ま
た、評価部16bは、比較対象として、データベース部
50に予め登録した被験者A,Bについてのフラクタル
解析結果を用いて相対的に評価する。
【0047】ここで、図3(a),(b)を用いて単独
状態における生体リズムの検出態様を説明し、図4
(a),(b)を用いて集団状態における生体リズムの
検出態様を説明する。図3(a)は本発明の一実施形態
に係る集団状態における心身状態の評価装置10a,1
0bの単独状態における使用態様を説明するための図で
あり、この図3(a)に示す被験者Aは、集団状態にお
ける心身状態の評価装置10aを腰部(又は腰背部中央
部)に取り付けて歩行している。
【0048】また、図3(b)は本発明の一実施形態に
係る単独状態における使用方法を説明するためのフロー
チャートである。この図3(b)に示すステップS1に
て、集団状態における心身状態の評価装置10aは、被
験者Aの単独状態における単独生体リズムを検出する
(単独生体リズム検出ステップ又は生体リズム検出ステ
ップ)。ここで、単独生体リズムは、繰り返しリズム運
動時における筋肉の動きを非侵襲的に計測することによ
り、検出するようになっている。そして、ステップS2
にて、この単独生体リズム検出ステップにて検出された
単独生体リズムを処理して得られた単独生体リズム情報
に基づいて後述するフラクタル解析を用いてデータ解析
する(解析ステップ)。そして、ステップS3にて、単
独生体リズム検出ステップにて検出された単独生体リズ
ムを処理して得られた単独生体リズム情報をデータベー
ス部50の第1記録部51aに記録するのである(第1
記録ステップ)。
【0049】これにより、被験者Aについて単独時およ
び集団時における生体リズムが得られる。また、被験者
Bについても、集団状態における心身状態の評価装置1
0bを用いて被験者Aと同様に生体リズムが検出され
る。また、集団状態における心身状態の評価装置10b
は、被験者Bの単独状態における単独生体リズムを検出
し(ステップS1)、この検出された単独生体リズムを
処理して得られた単独生体リズム情報に基づいてフラク
タル解析を用いてデータ解析し(ステップS2)、そし
て、この検出された単独生体リズムを処理して得られた
単独生体リズム情報をデータベース部50に記録する
(ステップS3)。
【0050】これにより、各生体リズム情報がデータベ
ース部50の第1記録部51a,第2記録部51bに記
録され、配信センター31において生体リズムの解析者
は、相性判定を実行するのである。次に、図4(a)は
本発明の一実施形態に係る集団状態における集団状態に
おける心身状態の評価装置10a,10bの使用態様を
説明するための図である。この図4(a)に示す2人の
被験者A,Bは、それぞれ、集団状態における心身状態
の評価装置10a,10bを腰部又は腰背部中央部に取
り付けて一緒に歩行しており、集団状態における心身状
態の評価装置10a,10bが被験者A,Bの心身状態
に関する生体リズムを独立して測定するようになってい
る。
【0051】この2人が一緒に歩行している場合におい
て、本発明の集団状態における心身状態の評価方法は、
集団状態における心身状態の評価装置10aが、図4
(b)に示すステップS4にて、被験者Aを含む2人の
被験者A,Bの集団状態における被験者Aに関する集団
生体リズムを検出し(集団生体リズム検出ステップ)、
この集団生体リズム検出ステップにて検出された集団生
体リズムを処理して得られた集団生体リズム情報をいっ
たんデータベース部(第2記録部)50に記録する(第
2記録ステップ)。そして、ステップS5にて、記録ス
テップにて記録された集団生体リズム情報について、フ
ラクタル解析を用いてデータ解析し(解析ステップ)、
ステップS6にて、その解析されたデータがデータベー
ス部50に記録されるのである。
【0052】また、集団状態における心身状態の評価装
置10bは、被験者Bに関し、被験者A,Bの集団状態
における被験者Bに関する集団生体リズムを検出し(ス
テップS7)、検出された集団生体リズムを処理して得
られた集団生体リズム情報をいったんデータベース部5
0に記録する。そして、集団状態における心身状態の評
価装置10bは、その記録された集団生体リズム情報に
ついてフラクタル解析を用いてデータ解析し(ステップ
S8)、その解析されたデータをデータベース部50に
記録する(ステップS6)。
【0053】そして、ステップS9にて、配信センター
31は、記録ステップにて記録された単独生体リズム情
報と集団生体リズム検出ステップにて検出された集団生
体リズムを処理して得られた集団生体リズム情報との変
化を評価するのである(評価ステップ)。この評価の具
体的な手法は、集団状態における心身状態の評価装置1
0a,10bが、被験者A,Bのそれぞれが単独で歩行
したときの心身状態がリラックス状態又はストレス状態
であるかを評価し、また、2人で集団を形成した状態に
おいて歩行したときの被験者A,Bの心身状態がリラッ
クス状態又はストレス状態であるかを評価する。従っ
て、被験者Aが1人のとき(各人が個別歩行していると
き)よりも、被験者Bと一緒にいるときのほうが、健康
度(被験者A,Bの心身状態を反映するものを表す。)
が高い場合には、その被験者Aは被験者Bと相性がよい
と判定される一方、その健康度が低い場合は、被験者A
および被験者B間の相性が低いと判定される。
【0054】これにより、解析者は、被験者A,Bのそ
れぞれについて、単独状態および集団状態の両状態にお
ける心身状態の変化を得ることができ、被験者A,Bの
両人が、単独および集団のときのそれぞれにおいて、リ
ラックスしているか否かを判定できる。また、配信セン
ター31は、被験者A,Bが、相性がよい又は相性が悪
い等の判定結果を回答することにより、相性判定サービ
スを提供できる。
【0055】そして、これにより、被験者Aが配信セン
ター31のウェブページにアクセスすると、配信センタ
ー31がデータベース部50に基づいて、被験者A,B
間の相性を判定しその判定結果を被験者A,Bに通知
し、それらの表示ウィンドウ13(図2参照)にハート
マークが表示され、外観的には知ることができない相性
についての情報を得ることができる。
【0056】なお、この相性判定サービスは、被験者を
3人以上の場合でも同様に実施できる。また、配信セン
ター31は、被験者A,Bについての心身状態を通知す
るようにもでき、このようにすれば、被験者A,Bは、
ストレス原因を知り、ストレスを除去に寄与できる。こ
のように、2人からなる集団を形成する被験者A,Bが
相互に他の被験者B,Aから受ける心身状態の変化につ
いて、解析者は、定量的,簡便,迅速,客観的かつ非侵
襲的に計測でき、さらに、単独状態と集団状態との両状
態間における心身状態を評価できる。
【0057】また、このように、被験者A,Bが相互に
どの程度の大きさのストレスを相手に与えるかについて
定量的にかつ簡便に明らかにできる。次に、図6等を用
いて、評価システム32(集団状態における心身状態の
評価装置10a,10bおよび配信センター31)にお
ける評価方法を詳述する。図6は本発明の一実施形態に
係る評価システムのデータの流れを説明するための図で
ある。この図6に示す集団状態における心身状態の評価
システム32は、配信センター31と、心身状態の評価
装置9a,9bをそれぞれ有する集団状態における心身
状態の評価装置10a,10bとをそなえて構成されて
いる。なお、図1に示す無線基地局30、ネットワーク
33、送受信部31aおよび送受信部11a(11
b)、表示ウィンドウ13については、その表示を省略
している。
【0058】ここで、心身状態の評価装置9a,9b
は、被験者A,Bについてパラレルに評価できるように
設けられており、被験者の数が3人以上のときにはその
人数に応じて接続段数を増加させるようになっている。
この心身状態の評価装置9a,9bは、それぞれ、生体
リズム情報に基づいて被験者A,Bの心身状態を評価す
るものであって、生体リズム検出部12と、データロガ
ー12aと、情報収集部14と、情報処理部16と、情
報出力部18bとをそなえて構成されている。
【0059】心身状態の評価装置9aの生体リズム検出
部12は、被験者Aの生体リズムを検出するものであ
る。この生体リズム検出部12は、被験者Aの単独状態
(第1状態)における単独生体リズム(第1生体リズ
ム)と、被験者Aを含む例えば被験者A,Bの2人の集
団状態における被験者Aに関する集団生体リズム(第2
生体リズム)とを検出する。そして、生体リズム検出部
12は、検出した単独生体リズム,集団生体リズムをそ
れぞれ、単独生体リズム情報,集団生体リズム情報とし
て出力する。すなわち、被験者Aの単独歩行時の歩行リ
ズムと被験者Aの集団歩行時の歩行リズムとが、それぞ
れ、単独生体リズム情報,集団生体リズム情報として出
力されてデータベース部50に記録されるのである。
【0060】また、心身状態の評価装置9bの生体リズ
ム検出部12は、心身状態の評価装置9aの生体リズム
検出部12と同一又は同様の機能を有し、被験者Bの単
独状態における単独生体リズムと被験者A,Bの2人の
集団状態における被験者Bに関する集団生体リズムとを
検出するものである。記録手法に関しては、生体リズム
検出部12は、繰り返しリズム運動時における筋肉の動
きの加速度を用いて生体リズムを生成しその生体リズム
を記録するようになっている。この記録は、被験者A,
Bの随意運動による繰り返しリズム運動時における筋肉
の動きを非侵襲的に計測するセンサー(例えば小型の加
速度センサー:図示省略)によって行なわれる。ここ
で、非侵襲的とは、装置を身体に取り付けることが、被
験者の身体を物理的に拘束するのみならず、心理的な意
味でも被験者A,Bを拘束しないことを意味する。すな
わち、被験者A,Bが自然な状況で計測できるようにな
っている。
【0061】随意運動による筋肉の動きは、個人の心理
的な変化に起因して特徴的に表れるので、この動きを計
測するのである。被験者A,Bは、随意運動による筋肉
の繰り返しリズム運動を検知できる身体の部位に、その
加速度センサーを取り付け又は装着し、そして、この加
速度センサーが、繰り返しリズム運動に伴う加速度を測
定し、測定した加速度データの波形データを、随意運動
時の生体リズム情報として生成する。この加速度センサ
ーは、ピエゾ素子を有するセンサーであってピエゾ素子
のピエゾ効果を利用しており、3次元空間における加速
度のx軸,y軸,z軸の3成分データ(加速度信号)を
それぞれ検出するようになっている。この加速度信号
は、電圧信号に変換され、情報収集部14の入力側(後
述する図8(a)に示す入力部20a〜20c等)に設
けられたA/D変換器(Analogue/Digital変換器:アナ
ログ/ディジタル変換器)により、原生体リズム波形を
再現するのに十分なサンプリング周期で情報収集部14
に設けられたメモリ(図8(a)に示す記憶部24等)
にいったん記録される。
【0062】また、加速度センサーを取り付ける位置
は、腰背部に限定されずそれ以外の位置であって被験者
に違和感を与えることなく取り付けられる部位であれ
は、その取り付け場所又は情報収集部14の接続形態に
ついて特に制限はない。なお、歩行等のように、長距離
にわたる全身の空間的移動を伴う随意運動の計測時は、
携帯性の観点から、望ましくは、生体リズム検出部12
(又は生体リズム検出部12および情報収集部14が一
体となったもの)を、被験者A,Bが普段身につけてい
るもの、例えば、眼鏡,帽子,服,靴,ベルト,時計,
鞄,アクセサリー,携帯端末又は携帯オーディオ機器等
に装着し、接続し、又は格納するようにして取り付ける
ようにする。
【0063】また、被験者A,Bの移動を伴う随意運動
による繰り返しリズム運動とは、被験者A,Bがある程
度まで意識的に制御可能な身体運動を意味し、その運動
中に運動していることを常に意識する必要がないレベル
の身体運動である。好ましくは、繰り返しリズム運動
は、歩行,走行,水泳又は自転車走行(サイクリング)
等の移動を伴うものである。その主な理由は、以下に示
す4種類の内容に基づく。
【0064】(2−1)本発明は、単独時の心身状態と
集団時の心身状態とを比較することを目的としている。
ここで、繰り返しリズム運動は、日常的な運動であり、
また健康づくりの手法として定期的に行なう習慣のある
ものなので、そのような目的に最適である。 (2−2)本発明に係るデータ解析方法は、集団状態又
は単独状態における心身状態について高い信頼性で評価
する必要があり、心身状態の評価装置9a,9bは、所
定長以上の長さを有するデータ(例えば100回以上の
繰り返しリズム運動)を用いることが好ましい。繰り返
しリズム運動は、被験者が日頃から慣れ親しんだ運動で
あり、被験者に特別な努力を要することなく、ある程度
長時間にわたって持続させることが可能なので、高い健
康度を維持できる。
【0065】(2−3)運動は身体全体を使うので、例
えば指先を使う指タッピング等の測定に比べて、生体リ
ズム検出部12の取り付け箇所に制限がなく、より非侵
襲的な計測が可能である。 (2−4)随意運動により発生する生体リズムは、脊髄
を含む脳神経系回路に存在するCPG(Central Patter
n Generator)によって制御されており、脳神経系の健
康状態を反映すると同時に身体全体を使うものでもあ
る。従って、広範囲にわたる心身の状態、例えばストレ
スやリラックスの度合い、局所的な身体の疲労や痛み等
に対しても敏感に反映する。
【0066】本発明は、生体の移動を伴う随意運動によ
る繰り返しリズム運動を測定するが、この生体の移動と
は、生体と周囲の環境との相対的な移動を意味する。具
体的には、身体自身が移動する通常の歩行,走行,水泳
又は自転車走行(サイクリング)等の運動の他に、トレ
ッドミル等の歩行面が移動する歩行装置,同様の走行装
置,自転車走行装置又は流水プール等を用いた運動があ
げられる。
【0067】このように、被験者A,Bは、歩行により
随意運動の繰り返しリズム運動を行ない、計測される。
次に、図6に示す生体リズム検出部12の出力側には、
検出された原波形データを一時的に保持するデータロガ
ー12aが設けられている。このデータロガー12a
は、不揮発性のメモリを用いて脱着可能あるいはデータ
送受信可能なものを用いることができ、これにより、被
験者A,Bは取得した原波形データを記録媒体に記録し
て、その記録媒体を配信センター31に持ち込むことも
でき、あるいは、データ転送することが可能となる。
【0068】すなわち、本発明の集団状態における心身
状態の評価方法は、被験者Aの単独状態における単独生
体リズム情報をデータベース部50に設けられた第1記
録部51aから読み出し(単独生体リズム情報読み出し
ステップ)、被験者Aを含む例えば2人の集団状態にお
ける被験者Aに関する集団生体リズム情報をデータベー
ス部50に設けられた第2記録部51bから読み出し
(集団生体リズム情報読み出しステップ)、そして、単
独生体リズム情報と集団生体リズム情報とに基づいて、
被験者Aの集団状態における心身状態を評価する(評価
ステップ)。
【0069】従って、生体リズム検出部12が設けられ
ることにより、被験者A,Bの身体に測定用の電極の取
り付けが不要となる。また、これにより、評価装置の大
きさを小型化でき、解析者は、被験者A,Bから原波形
データを容易に得ることができる。次に、情報収集部1
4は、生体リズム検出部12又はデータロガー12aに
保持されたデータを信号処理して、測定された生体リズ
ムに基づく生体リズム信号(生体リズム情報)を生成し
て出力するものである。この出力された生体リズム情報
は、情報処理部16を介してデータベース部50に記録
されるようになっている。この情報収集部14の機能は
例えばCPU(Central Processing Unit),ROM(R
ead Only Memory)およびRAM(Random Access Memor
y)等が協働することにより実現される。
【0070】図8(a),(b)はそれぞれ本発明の一
実施形態に係る情報収集部14(14′)のブロック図
である。この図8(a)に示す情報収集部14は、入力
部(入力装置)20a,20bおよび20cと、中央演
算部22と、記憶部24と、情報出力部18aとをそな
えて構成されている。なお、図8(a),(b)におい
て、上述したものと同一符号を有するものは同一のもの
又は同様の機能を有する。
【0071】ここで、入力部20a〜20cは、それぞ
れ、生体リズム検出部12から出力された原波形デー
タ、又は原波形データに基づいて処理が容易な所定形式
に変換されたデータを入力されて一時的に保持するもの
である。なお、この図8(a)に示す入力部20a〜2
0cの代わりに、図8(b)に示す情報収集部14′の
ように、データロガー12aを直接入力側に設けてデー
タを一時的に保持するようにもできる。
【0072】また、記憶部24は、プログラムを格納し
演算途中のデータ又は生体リズム情報等を一時的に保持
するためのものであって、ROMおよびRAMからな
る。そして、中央演算部22は入力部20a〜20cの
それぞれに接続され、予め記憶部24に格納したプログ
ラムを用いて生体リズム情報を生成し、その生成した生
体リズム情報(生体リズム情報データ)を情報処理部1
6に入力するものである。さらに、情報出力部18a
は、この情報収集部14にて得られた演算結果を出力す
るものである。
【0073】これにより、生体リズム検出部12にて検
出された生体リズム情報は、情報収集部14の記憶部2
4に記録又は保持され、情報処理部16にて、記憶部2
4に記録された生体リズム情報がデータ解析される。そ
して、情報処理部16にて心身状態が評価されると、そ
の解析結果が情報出力部18aから出力されるのであ
る。
【0074】また、生体リズム検出部12と情報収集部
14とは一体形成してもよく、あるいは、生体リズム検
出部12と情報収集部14との間を無線接続してもよ
い。これらが一体的に形成されると、入力部20aを不
要とでき計測されたデータがすべてデータロガー12a
に保持されるので、部材の共用化が可能となり、製造の
原価を低廉にできる。
【0075】また、無線接続する場合には、情報収集部
14は、例えば、Bluetooth(Bluetooth-SIG
[Bluetooth-Special Interest Group] 社Bluetoothの技
術標準化や仕様の策定を推進する業界団体の登録商
標。)等の無線通信プロトコルを用いて接続し、これに
より、構成機器を減らして全体として携帯性を向上させ
ることもできる。すなわち、生体リズム検出部12に微
弱電波等を用いた無線送受信回路(図示省略)を接続
し、生体リズム検出部12が検出したデータを無線送受
信回路にて無線信号に変換し、その無線信号を情報収集
部14に逐次送信するように構成することもでき、この
ようにすれば、生体リズム検出部12が検出したデータ
が、生体リズム検出部12と離れた場所に設けられた情
報収集部14に送信されるようにできる。
【0076】従って、被験者A,Bは、生体リズム検出
部12の機能を有する装置を携帯すればよく、また、集
団状態における心身状態の評価装置10又は心身状態の
評価装置9a,9bを構成する機器の減少を図ることが
でき、装置全体として携帯性を向上できる。次に、情報
処理部16は、データのフラクタル解析機能と、生体リ
ズム情報生成機能と、被験者の心身状態の変化を評価す
る機能とを有し、解析部16aをそなえて構成されてい
る。この情報処理部16の機能は、例えば、CPU,R
OMおよびRAM(いずれも図示省略)等が協働するこ
とにより実現される。
【0077】ここで、解析部16aは、生体リズム検出
部12にて検出された集団生体リズムを処理して得られ
た集団生体リズム情報についてフラクタル解析を用いて
データ解析するものである。そして、解析部16aは、
例えば、被験者A,Bのそれぞれについて単独時と集団
時とにおけるフラクタル解析結果をデータベース部50
に記録するようになっている。すなわち、各被験者の単
独時および集団時の2種類の生体リズム情報がフラクタ
ル解析されてデータベース部50に記録されるのであ
る。
【0078】これにより、各生体リズム検出部12にて
検出された原波形データは、所定の周期でサンプリング
され、それらのサンプリングデータは、情報収集部14
にてフラクタル解析され、それらのフラクタル解析結果
は、いずれも、データベース部50に記録されるのであ
る。従って、被験者A,Bは、自分自身の生体リズムを
測定するに当たり、電極等の取り付けが不要となり、ま
た、ベッドに一定時間寝ている必要がなくなり、さら
に、測定用の外的処置から解放される。従って、被験者
A,Bは、身体的な煩わしさ又は身体の拘束を受けず、
違和感を覚えず、無意識的かつ身体が自由な状態で生体
リズムを測定できるようになる。
【0079】このように、本発明の集団状態における心
身状態の評価方法は、一個の生体の第1状態における第
1生体リズム情報を検出し(第1生体リズム検出ステッ
プ)、一個の生体を含む一個以上の生体の第2状態にお
ける第2生体リズム情報を検出し(第2生体リズム検出
ステップ)、そして、第1生体リズム検出ステップにて
検出された第1生体リズム情報を処理して得られた第1
生体リズム情報と第2生体リズム検出ステップにて検出
された第2生体リズム情報を処理して得られた第2生体
リズム情報とに基づいて、一個の生体の集団状態におけ
る心身状態を評価する(評価ステップ)。
【0080】このように、集団を形成する人数が多数で
あっても、各人のデータを簡便に取得できかつ定量的に
データ解析でき、これにより、心身状態を把握し、スト
レスの原因を除去するとともに、各個人について的確な
リラックス状態を与えることができる。また、このよう
に、無線もしくは電話線,光ファイバー等の有線を用い
て情報処理部16に送信するように構成することもでき
る。
【0081】次に、情報出力部18b(図7参照)は、
情報処理部16における処理結果と、比較部17におけ
る比較結果とを出力するものである。これにより、被験
者A,B又は解析者は、データベース部50に記録され
るデータを容易にモニタできる。なお、この情報出力部
18bと、図8(a),(b)に示す情報出力部18a
とは、データの出力機能を共用化するようにもできる。
【0082】このように、被験者Aの生体リズムは集団
状態における心身状態の評価装置10a(図6参照)に
て検出され、検出されたデータは配信センター31に送
信され、配信センター31において処理されてデータベ
ース部50に記録される。次に、図6に示す心身状態の
評価装置9bは、主に被験者Bについての評価をするも
のであって、心身状態の評価装置9aとほぼ同一の機能
を有する。また、これらの心身状態の評価装置9a,9
bにて同一符号を付したものは同一のものである。そし
て、心身状態の評価装置9bの生体リズム検出部12に
おいて、被験者Bの単独時および集団時のそれぞれにお
ける生体リズムが検出され、検出された生体リズムはフ
ラクタル解析されて、配信センター31に送信される。
【0083】従って、被験者A,Bは、心身状態の評価
装置9a,9bの携帯性により、容易にかつ場所にかか
わらず、非侵襲的に生体リズムを検出でき、また、各心
身状態の変化を客観的、定量的に評価でき、各自の健康
度をチェックできるようになる。次に、図6に示す配信
センター31は、比較部17における比較結果等のデー
タを出力するモニタ出力部19を有する。ここで、配信
センター31に含まれるもののうちの上述したものと同
一符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有す
るものなので、更なる説明を省略する。
【0084】これにより、集団状態における心身状態の
評価装置10a,10bからのデータは比較部17に入
力され、比較部17からの比較結果は、心身状態の評価
装置9a,9bの各情報出力部18bとモニタ出力部1
9とに入力される。従って、本評価システム32が端末
(集団状態における心身状態の評価装置10a,10
b)側およびサーバ(配信センター31)側を分離して
設けている場合には、端末側の情報出力部18bには、
本人単独時のデータと2人以上からなる集団時のデータ
との評価結果が表示され、また、配信センター31側の
モニタ出力部19には、全個人単独時のデータと集団時
のデータとが表示される。一方、本評価システム32
は、配信センター31の比較部17から出力する同一内
容を、端末側の表示ウィンドウ13と配信センター31
側のモニタ出力部19との双方でモニタするようにもで
きる。
【0085】なお、被験者A,Bが、複数回数にわたっ
て相性判定サービスを受けることによって、ユーザの過
去に計測した単独時および集団時の生体リズム情報の履
歴が残るので、より詳細で精度の高い生体リズム情報が
得られる。このように、解析者は、例えば被験者A,B
の双方について、相互に相手と一緒にいることの影響等
を、簡便な方法で知ることができる。また、このよう
に、生体リズム情報が予めデータベース部50に記録さ
れることにより、集団状態における心身状態の評価装置
10a,10bが、繰り返しリズム運動時における筋肉
の動きを非侵襲的に計測でき、生体リズム情報が簡便に
生成でき、評価が著しく簡便になる。
【0086】そして、このように、被験者は、1/f揺
らぎが現れるリラックス状態を維持すべく、揺らぎ(リ
ラックス)と規則性(ストレス)とのバランスをとりな
がら、健康的なリズムを自己管理していくことにより、
更に効果的な自己管理が可能となる。なお、図6の配信
センター31の評価部16bは、端末側に設けることも
できる。
【0087】図7は本発明の一実施形態に係る集団状態
における心身状態の評価システムの他の構成例を示す図
である。この図7に示す集団状態における心身状態の評
価システム(以下、評価システムと略称する。)32a
は、上記の評価システム32とほぼ同一の機能を有し、
配信センター31に設けられた評価部16bが、心身状
態の評価装置9a,9bの情報処理部16に設けられて
いる。これ以外のものは、上述したものと同一の機能を
有する。
【0088】これにより、予め、データベース部50
に、心身状態の評価装置9a,9bの情報収集部14に
て処理された被験者Aの過去のデータ又は被験者Bのデ
ータが予め保持され、あるいは新たに外部から転送され
たものが保持される。そして、被験者Aについての生体
リズム情報(例えば筋肉の動きの加速度データ)が情報
収集部14から情報処理部16に入力される。情報処理
部16の評価部16bは、配信センター31の比較部1
7を介してデータベース部50に記録されたデータを取
得し、情報収集部14の記憶部24に記録された被験者
Aの生体リズム情報と、データベース部50に記録され
た被験者Aの過去のデータ又は被験者Bのデータとを比
較する。さらに、解析部16aにてフラクタル解析が行
なわれ、評価部16bにてその解析結果の比較に基づい
て、心身状態の変化が判定されるのである。また、心身
状態の評価装置9bについても、この心身状態の評価装
置9aとほぼ同一のデータ処理が実行される。
【0089】これにより、ネットワーク33および配信
センター31の負担が軽減され、輻輳が発生したときに
も、評価計算が各携帯端末において実行される。従っ
て、配信センター31がサポート可能な携帯端末の数が
増加し、より多くの加入者に対して本サービスを提供す
ることができる。さらに、これにより、集団状態におけ
る心身状態の評価装置10a,10bのいずれも、フラ
クタル解析結果を配信センター31に送信する必要がな
くなるので迅速な評価が可能となり、被験者A,Bに対
して相性判定結果を短時間で通知できる。
【0090】次に、歩行リズムの計測とフラクタル解析
を用いたデータ解析とについて説明する。フラクタル解
析が用いられる理由は、被験者A,Bの周囲にある環境
変化の影響を低減させるためである。すなわち、随意運
動によって発生する生体リズムの周期は常時一定ではな
いので、被験者A,Bの周囲にある環境変化の影響を受
けて変化する。この変化を定量的に解析する手法の一つ
がフラクタル解析なのである。
【0091】被験者A,Bの歩行リズムの計測条件に関
し、生体リズムの測定は随意運動を歩行とする。さら
に、被験者A,Bは、小型のひずみゲージ式加速度セン
サー(上下、左右、前後の3軸測定、測定樋囲は±5
G)を、被験者A,Bの腰背部中央部に違和感を与えず
に取り付けて、歩行時の腰背部における加速度を1kH
zのサンプリング周期で計測する。ここで、被験者A,
Bの歩行場所は、階段等の激しい上り下りがない場所で
あることが望ましく、その場所に多少の起伏又は段差が
あってもよい。歩行場所の一例として、公園内,自宅、
又はオフィス周辺の道路等を利用する。被験者A,Bの
靴は日頃履き慣れたものを使用し、また、被験者A,B
には約5分間歩行させて、その間の歩行リズムを測定す
る。
【0092】さらに、この測定により、加速度波形のビ
ーク間隔から、右足−右足間又は左足−左足間の歩行間
隔の時系列データが得られる。解析者は、その加速度波
形が最も急激に変化する個所を抽出しその間隔を求め
て、その間隔を被験者A,Bの歩行間隔とするようにも
できる。その後、解析者は、この歩行間隔の時系列に対
して、フラクタル解析を行なう。
【0093】次に、図9(a)〜図9(c)と図10
(a),(b)とをそれぞれ参照して測定データの処理
方法について説明する。図9(a)〜図9(c)はいず
れも本発明の一実施形態に係る歩行リズムの計測方法を
説明するための図である。図9(a)は被験者に課せら
れる測定条件を説明するための図であり、例えば被験者
A(又は被験者B)は、身体に集団状態における心身状
態の評価装置10a(又は10b)を取り付けた状態で
数分間歩行する。ここで、生体リズム検出部12の測定
周波数は、100〜1000Hz(ヘルツ)であり、測
定時間は5〜60(分[又はmin])に設定されてい
る。典型的には1000Hzのサンプリングが、5分間
行なわれるのである。この測定により、原波形を表す原
波形データが、データロガー12aに蓄積される。
【0094】図9(b)はピーク間隔を説明するための
図である。この図9(b)に示すグラフの横軸は時間で
あり、縦軸はx軸(又はy軸又はz軸)の加速度信号を
変換した電圧信号である。この原波形データは、ピーク
を有し、そのピーク間隔は以下の(3−1)〜(3−
4)に示すようにして計算される。 (3−1)1000Hzで5分間測定し、原波形データ
を計測してメモリーカードに蓄積する。従って、データ
の個数は300000個である。
【0095】(3−2)次に、「始点」として波形のス
タート地点近辺において、最大値となるデータ点(ピー
ク点)を得る。 (3−3)前記(3−2)で求めたピーク点から、およ
そ1秒後(約1歩に要する時間に相当する。)の近辺に
おいて、再び最大値になる点を探す。その点が2番目の
ピーク点になる。
【0096】(3−4)以上の操作を繰り返してピーク
点の時系列データを得る。 (3−5)隣接するピーク点の時間差を計算してピーク
間隔の時系列を得る。従って、原波形データは、十分な
サンプリング周期間隔でサンプリングされて、この図9
(b)に示す生体リズムの加速度変化が得られる。 図9(c)は時系列データの一例を示す図である。この
図9(c)に示す時系列データの横軸,縦軸は、それぞ
れ、歩数,時間(秒)を表す。ここで、加速度変換は、
ピークをもつ繰り返し波形である。これにより、解析者
は、そのピーク間の時間間隔を計算することにより、生
体リズムの周期変化を抽出できる。
【0097】そして、計算により得られたピーク間隔を
用いて、原波形データはサンプリングされて生体リズム
信号が検出され、この検出された生体リズム信号の変化
が抽出され、その変化の時間間隔が計算される。これに
より、生体リズムの周期が例えば1ミリ秒と得られるの
である。次に、図10(a),(b)を用いて、歩行時
系列データとフラクタル性とについて詳述する。
【0098】図10(a)は歩行時系列データの一例を
示す図であり、健常歩行の場合のほかに、老化,疾病
(パーキンソン病等)の場合や、規則歩行(メトロノー
ム歩行)等の場合の3種類が例示されている。これらの
歩行時系列データは、いずれも、条件によって特徴のあ
る波形を示す。この図10(a)に示す時系列データを
DFA(Derivative Fractal Analysis)を用いて揺ら
ぎ解析すると、図10(b)に示すデータが得られる。
【0099】図10(b)は歩数と揺らぎとの関係を示
す図であり、縦軸および横軸はともにLogプロット
(常用対数Log10プロットを意味する。以下、同様で
ある。)である。この図10(b)に示す3種類の直線
(直線的にプロットされるもの)又は曲線は、それぞ
れ、図10(a)に示す3種類の歩行時系列データに対
応するものである。ここで、各プロット形状は、以下に
述べるように、健常歩行時は傾きがほぼ1の直線が得ら
れ、この場合は1/f揺らぎと呼ばれる状態である。ま
た、老化,疾病時の場合は傾きが0.5の直線が得ら
れ、この場合は白色雑音と呼ばれる状態である。さら
に、規則歩行時は傾きが0に近い直線が得られる。
【0100】従って、揺らぎ解析を用いることにより、
特徴的な直線的な形態が得られるので、解析者は被験者
の歩行状態を知ることができる。この揺らぎ解析に関し
フラクタル解析についてさらに詳述する。随意運動によ
り発生する生体リズムは、脊髄を含む脳神経回路に存在
するCPGにより制御されていると考えられている。そ
の周期は常に一定ではなく、生体状態又は周囲の環境変
化の影響を受けて、微妙に変化する。その変化を定量的
に解析する予法の一つが、フラクタル解析である。
【0101】このフラクタル解析方法は、まず、原デー
タを再現するために十分なサンプリング周期でサンプリ
ングされた生体リズム信号の変化から、生体リズムの周
期を抽出する。そして、信号変化がピークをもった繰り
返し波形であるならば、そのピーク間の時間間隔を計算
することにより、生体リズムの周期の変化を抽出する。
【0102】さらに、図11(a)〜図11(d)を参
照して、生体リズムの周期の時系列データに対して、フ
ラクタル解析が行なわれる。図11(a)〜図11
(d)はそれぞれフラクタル解析方法の一例を説明する
ための図である。以下の説明は、集団状態における心身
状態の評価装置10bも同様であるので、重複した説明
を省略する。
【0103】(4)データ解析 (4−1)時系列データの取得 集団状態における心身状態の評価装置10aは、この図
11(a)に示す被験者Aに取り付けられ被験者Aから
歩行ステップ時間ごとの時系列データを取得するように
なっている。被験者Aが歩行中に腰背部中央部にて計測
される上下方向の加速度波形には、片方の足の踵が地面
に接触した瞬間に、身体が地面から受ける反力のピーク
が現れる。このため、そのビーク間隔から、集団状態に
おける心身状態の評価装置10aは、右足−右足間、又
は左足−左足間の歩行間隔の時系列データを得るように
している。
【0104】この時系列データは、一般に、生体信号リ
ズムを多く含み、かつ平均値や分散値等の統計量が時間
とともに変化する非定常的な信号データである。このた
め、解析者Aは、まず、生体信号からノイズとトレンド
(時間的推移)とを除去する。更に詳述すると、このト
レンドとは、1つの時間波形が有する平均値,分散値等
の2次の統計量が時間とともに、徐々に増加(減少)す
ることを意味する。よく知られているように、解析者
は、多人数からステップ時間のサンプル波形データを得
た後に、正確を期すため、それらのサンプル波形データ
の統計量についてのアンサンブル平均を得るべきであ
る。ところが、この作業は困難なので、統計量を得るた
めに、一個のサンプル波形データから統計量を得て近似
値として使用する。しかし、このサンプル波形データ
は、非定常であって、近似値を使用できる条件は、弱定
常性(又は強定常性)である。従って、解析者は、これ
を満たすように原波形データからトレンド成分を除去す
る必要がある。
【0105】なお、他の取得方法として、そのピーク位
置に対応して前後方向の加速度波形に急激な変化が現れ
ることを利用して、その加速度波形が最も急激に変化す
る個所を抽出しその間隔を求めて歩行間隔としてもよ
い。 (4−2)揺らぎの計算 解析者は、その後、図11(b)に示すように、時間軸
方向にサイズ可変な(時間幅nが可変な)ウィンドウを
設定し、そのウィンドウ内における信号の揺らぎの大き
さを計算する。ここで、nは時間軸のウィンドウ幅(ウ
ィンドウサイズ)を表す(自然数又は実数)。具体例と
して、次の式(5−1)により、ノイズを除去して、式
(5−2)によりトレンド除去後の揺らぎの計算を実行
する。
【0106】
【数1】
【0107】
【数2】
【0108】この式(5−1)において、g(k)は平
均ゼロの周期時系列データの積算値、kは2以上の自然
数、jはk以下の自然数、X(i)は生体リズムの周期
(間隔)の時系列データ、Xavgはその平均値をそれぞ
れ表す。また、式(5−2)において、S(n)はトレ
ンド除去後の摘らぎの大きさ、Nはデータの総数、g n
(k)は時間軸のウィンドウ幅をnとしたときの直線ト
レンドをそれぞれ表し、Σは総和を表す。
【0109】なお、式(5−1)および式(5−2)は
一例であって、Log10(n)プロットの傾きが所定値
にあるときの横軸の範囲(後述するSL,SH)につい
て、例えばべき乗又は係数を乗じて演算する等の数値処
理を行なって実施することもできる。得られた揺らぎ成
分S(n)と、ウィンドウ幅nとのLog−Logプロ
ットは、データが長期の相関をもった時系列データであ
れば、傾き0.5〜1.0の直線であり、ホワイトノイ
ズであれば、傾き0.5の直線であり、また、ブラウン
ノイズであるときは、傾き1.5の直線となることが知
られている。そして、理想的な1/f揺らぎの場合に
は、直線の傾きは1.0となる。
【0110】一般に生体リズムの場合、このプロットが
完璧な直線になることはないので、局所的な傾きを得る
ために、解析者は、揺らぎ成分S(n)と、ウィンドウ
幅nのLog−Logプロットの微分プロットとを作成
し、フラクタル性を評価するようにしている。例えば、
生体リズムが何らかの規則性を有する場合は、その微分
プロットは、その周期に相当するウィンドウ幅nの近辺
における局所的傾きが減少し、0に近づくようになって
いる。
【0111】この1/f揺らぎは、ハイキング時にリラ
ックス状態になったときに表れるものであって快適感と
関連が深く、また、同一環境において、大人と子供とが
一緒に歩行するときは子供がリラックス状態になる。特
に、人が1/f揺らぎを有する音楽を聴くと、身体に癒
し(いやし)効果を与えることも知られている。ところ
で、歩行自体はハイキングの場合と異なり、人は他人か
ら「1,2」と声をかけられながら歩行すると、人はス
トレスを感じることが知られている。このため、人が活
動するときは、リラックス状態と所定の程度を有するス
トレスを感じた状態とのバランスが必要である。
【0112】(4−3)歩行間隔の時系列に対するフラ
クタル解析 解析者は、歩行間隔の時系列に対して、フラクタル解析
を行ない、その結果を揺らぎ成分S(n)とウィンドウ
幅nとのLog−Logプロットとして表示する。例え
ば、図11(c)および後述する図16,図17にそれ
ぞれ示すプロットが得られる。この図11(c)に符号
1を付したものは例えば被験者Aの歩行時におけるプロ
ットであり、また、符号2,3を付したものはいずれも
被験者Aが集団状態において、歩行したときのプロット
であり、これらのプロットは、傾きが直線的になってい
る範囲を含んでいる。
【0113】(4−4)硬直性の解消度および制御性の
向上度の評価 図11(d)は図11(c)に示す曲線のLog(S
(n))の微分値をプロットした図である。解析者は、
この曲線の、軸Log10(n)の値が、0.6〜1.0
の領域における平均の傾きをSLとし、また、1.2〜
1.5の領域における平均の傾きをSHとする。そし
て、被験者が単独時と集団時時との両状態において、心
身状態の変化の指標として、硬直性の解消度(=リラッ
クス度)と制御性の向上度(=ストレス度)とを、次の
式(5−3)および式(5−4)のように定義する。
【0114】 硬直性の解消度=(集団時のSL−単独時のSL)÷(1−単独時のSL) (5−3) 制御性の向上度=(集団時のSH−単独時のSH)÷(単独時のSH) (5−4) このようにして、原波形データから、揺らぎ成分S
(n)が得られ、また、揺らぎ成分S(n)のLogプ
ロットの微分値を計算することによって、単独時と集団
時とにおける心身状態が得られ、これらの内容が比較さ
れるのである。
【0115】上述のごとく構成された評価システム32
を用いた集団状態における心身状態の評価方法につい
て、図12〜図15を参照して詳述する。図12は本発
明の一実施形態に係る心身状態の算出方法の一例を説明
するためのフローチャートである。被験者A,Bは例え
ば歩行リズム等の運動リズムを測定され(ステップA
1)、その運動リズムを用いてフラクタル解析され(ス
テップA2)、そして、心身状態が算出される(ステッ
プA3)。
【0116】この心身状態の算出により、「リラックス
している」,「ストレスを感じている」等の心身状態又
は健康度を細分化したデータが得られる。各心身状態は
段階的に数値化され、被験者がどの段階の心身状態にあ
るかが計測される。具体的には、解析者は、予め心身状
態について、「リラックスしている」は段階1、「やや
リラックスしている」は段階2、「ややストレスを感じ
ている」は段階3、「ストレスを感じている」は段階4
であると割り当てて分類できる。なお、この分類は一例
であって、分類をさらに細分化する等、種々変更して実
施できる。
【0117】そして、解析者は、この算出された心身状
態を用いて、以下の図13〜図15に示す心身状態の測
定のためのデータを得る。次に、解析者は、例えば被験
者A,Bについて、それぞれ、個別に心身状態を計測
し、また、被験者A,Bからなる集団(以下、集団1と
称する。)との心身状態を計測する。図13は例えば被
験者A,Bについて単独時と集団時との心身状態変化の
測定方法を説明するためのフローチャートである。被験
者Aは、単独で歩行(通常歩行)している状態において
運動リズムを測定され(ステップY1)、その運動リズ
ムを用いてフラクタル解析等が行なわれ(ステップY
2)、心身状態が算出される(ステップY3)。なお、
これらのステップY1〜ステップY3は、図12に示す
処理フローを各被験者A,Bについて実行したものに相
当し、以下、処理Yと称する。
【0118】一方、解析者は、同一の被験者Aについ
て、被験者Bと一緒に歩行している集団状態において運
動リズムを測定し(ステップZ1)、このステップZ1
にて得られた運動リズムを用いてフラクタル解析し(ス
テップZ2)、心身状態を算出する(ステップZ3)。
なお、これらのステップZ1〜ステップZ3は、図12
に示す処理フローを集団状態で実行したものに相当し、
以下、処理Zと称する。このフラクタル解析により、生
体リズムの周期が、被験者A,Bの周囲の環境が変化し
ても、解析者は、安定して心身状態の変化を解析でき
る。
【0119】そして、ステップC1において、解析者
は、被験者Aについて単独時と集団時との心身状態を比
較し、差異があるときは「差あり」と付されたルートを
通り、「変化あり」と認定する(ステップC2)。一
方、ステップC1において、差異がないときは「差な
し」と付されたルートを通り「変化なし」と認定される
(ステップC3)。また、解析者は、被験者Aについ
て、先に集団時の心身状態を測定した後に単独時の心身
状態を測定し、心身状態を比較することもできる。
【0120】従って、解析者は、被験者A,Bのそれぞ
れについて単独時および集団時における心身状態の変化
を非侵襲的に得ることができる。これにより、解析者
は、被験者A,Bの各個人について、集団時における心
身状態が単独時におけるそれと比較し、どの程度変化す
るかを評価できる。なお、「個人の変化」の評価方法
は、単独時および集団時の変化を用いるほかにも、例え
ば、被験者Aが集団1、集団2,…,集団N(Nは正の
整数を表す。)の別個の集団の一員として歩行したとき
のN個の心身状態を収集する手法もあり、後述する第1
の変形例において説明する。
【0121】加えて、評価方法は、被験者Aが集団1に
属した状態で、4月1日、2日,…,10日の各日に得
たN個の心身状態を収集する手法、あるいは、被験者A
が集団1に属した状態で朝8時、10時、12時,…,
18時の各時刻に得たN個の心身状態を収集する手法
等、種々のバリエーションを用いて心身状態の変化を評
価することもできる。
【0122】次に、以下の図14に示すように、解析者
は、被験者Aが集団1(被験者A,Bと一緒に歩行した
とき)にて得たデータと、被験者Bが集団1で得たデー
タとを収集し、これらの収集したデータが全体としてど
の程度、1/f揺らぎの特性に近似しているかを評価す
る。図14は歩行者数が2人のときの1/f揺らぎ特性
の評価方法を説明するためのフローチャートである。解
析者は、被験者Aについて処理Zを実行し、集団時の運
動リズムの計測、フラクタル解析および心身状態の算出
を行なう(処理Z)。また、解析者は、被験者Bについ
て、集団時の運動リズムの計測、フラクタル解析および
心身状態の算出を行なう(ステップZ4〜ステップZ
6)。これらの被験者A,Bについて得たデータは、収
集されて単純加算され、ステップC4にて、加算データ
の特性が、1/f揺らぎ特性に全体としてどの程度近似
しているかが判定される。具体的には、比較部17(図
6,図7参照)が、被験者A,Bの集団時におけるフラ
クタル解析結果が1/f揺らぎ特性と絶対的にどの程度
近似しているかについて評価するのである。このステッ
プC4にて、加算データの特性が1/f揺らぎ特性に近
似していないときは、Noルートを通り不良と判定され
る(ステップC5)。また、加算データが、1/f揺ら
ぎ特性に近似しているときは、Yesルートを通り、良
好と判定される(ステップC6)。
【0123】このように、解析者は、集団時における心
身状態が全体としてどの程度、1/f揺らぎの特性に近
似しているかを評価できる。また、このように、解析者
は、被験者A,Bの心身状態を、身体を拘束しないで評
価でき、その効果を客観的、定量的に評価できる。な
お、被験者Aについて計測されたデータは、所定の重み
付け係数を乗算されその乗算されたデータを加算するよ
うにもできる。配信センター31側は、単純加算又は重
み付け加算のいずれをも使用できる。また、被験者Bに
ついても同様であるので重複した説明を省略する。
【0124】次に、以下に示す図15を参照して、集団
1の全体としての心身状態の変化が測定される場合につ
いて説明する。図15は被験者数が2人の場合における
全体としての心身状態の比較方法を説明するためのフロ
ーチャートである。解析者は、被験者A,Bについて、
それぞれ、処理Yを実行し2種類の単独時の心身状態を
得るとともに(ステップD1)、被験者A,Bについ
て、それぞれ、処理Zを実行し2種類の集団時の心身状
態を得る(ステップD2)。そして、2種類の単独時の
心身状態と2種類の集団時の心身状態とは、それぞれ、
加算平均され(ステップD3,ステップD4)、ステッ
プD5において、加算平均された2種類のデータが比較
され、差異があるときは「差あり」と付されたルートを
通り、「変化あり」と認定される(ステップD7)。ま
た、差異がないときは「差なし」と付されたルートを通
り、「変化なし」と判定される(ステップD6)。
【0125】従って、解析者は、個別に得た心身状態と
集団状態で得た心身状態とのそれぞれを加算平均して比
較するので、単独時と集団時との間において全体として
の心身状態がどの程度変化するかを評価できる。このよ
うにして、解析者は、被験者A,Bの各個人について集
団時と単独時との心身状態の変化を評価できる(図13
参照)。また、解析者は、単独時と集団時との間におい
て全体としての心身状態の変化を評価できる(図15参
照)。従って、解析者は、個別の心身状態と全体として
の心身状態との変化を評価できる。
【0126】さらに、このようにして、解析者は、集団
時における心身状態が全体としてどの程度、1/f揺ら
ぎの特性に近似しているかを評価できる(図14参
照)。また、解析者は、もとより、各個人の心身状態が
どの程度1/f揺らぎの特性に近似しているかを評価で
きるので、解析者は、個別の心身状態の特性と、全体と
しての心身状態の特性との変化を評価できる。
【0127】以上は、被験者が2人であったが、3人以
上の場合でも同様である。図18は本発明の一実施形態
の第1の変形例に係る集団状態における心身状態の評価
システムの構成例を示す図である。この図18に示す評
価システム32bは、評価システム32とほぼ同一のも
のであり、例えばW(Wは3以上の整数を表す。)パラ
レルに設けられた集団状態における心身状態の評価装置
10a(又は10b)を有する。なお、その他のもので
あって上述したものと同一符号を有するものは、同一又
は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略す
る。
【0128】図19は集団時における1/f揺らぎ特性
の評価方法を説明するためのフローチャートであり、こ
の図19に示すもので上述したものと同一符号を有する
ものは同一のもの又は同様の機能を有するものである。
複数の被験者A,B,…,Wは、それぞれ、処理Zを実
行される。ここで、被験者Wは、集団時の運動リズムの
計測、フラクタル解析および心身状態の算出が行なわれ
る(ステップZ7〜ステップZ9)。そして、被験者
A,…,Wについて得たデータは、収集されて単純加算
され、加算データの特性が、1/f揺らぎ特性に全体と
してどの程度近似しているかが判定される(ステップC
7)。すなわち、加算データの特性と1/f揺らぎ特性
とが近似又は非近似かによって、それぞれ、YESルー
ト又はNoルートを通り、良好又は不良と判定される
(ステップC8,C9)。
【0129】このように、被験者が3人以上の場合にお
いても、やはり非侵襲的に心身状態を測定し加算データ
特性と1/f揺らぎ特性とがどの程度近似しているかを
評価できる。とりわけ、被験者数が多い場合は、簡便に
健康度を知ることができ、著しく利便性が向上する。す
なわち、各被験者の身体に電極等を取り付けて測定する
煩雑さを回避できる。
【0130】また、図20は被験者数が3人以上の場合
における全体としての心身状態の比較方法を説明するた
めのフローチャートである。この図20に示すもので、
上述したものと同一符号を有するものは同一のもの又は
同様の機能を有する。解析者は、被験者A,…,Wにつ
いて、それぞれ、単独時のW個の心身状態を得て(ステ
ップD10)、さらに、集団時のW個の心身状態を得る
(ステップD11)。そして、単独時と集団時との心身
状態とは、それぞれ、加算平均され(ステップD12,
ステップD13)、ステップD14〜ステップD16に
おいて、加算平均された2種類のデータが比較され、差
異の有無を判定される。
【0131】これにより、単独時と集団時との間におい
て全体としての心身状態の変化を評価でき、とりわけ、
被験者数が増加するほど著しい利便性を有する。このよ
うに、被験者数にかかわらず、誰もが容易に、かつ、環
境を選択せずに非侵襲的に、心身状態を評価できる。ま
た、このようにして、評価システム32(32aおよび
32b)によれば、生体リズムの変化を用いることによ
り、各個人の心身状態を多角的に評価でき、特定個人の
間における相性の適否を判定できる。
【0132】そして、評価システム32(32aおよび
32b)によれば、非侵襲的に心身状態を評価できるの
で、ユーザに対して相性判定サービスを簡便に提供でき
る。
【0133】
【実施例】以下、随意運動を歩行とし、測定対象を歩行
リズムとして、生体リズムを測定する手法を説明する。
被験者は、小型のひずみゲージ式加速度センサー(上下
・左右・前後の3軸測定、測定範囲は±5G)を、被験
者の腰背部中央部に違和感を与えずに取り付けて、歩行
時の腰背部における加速度を1kHzのサンプリング周
期で計測する。
【0134】被験者の歩行場所は、階段等の激しい上り
下りがないことが望ましく、その場所に多少の起伏や段
差があってもよい。歩行場所の一例として、公園内、自
宅、あるいはオフィス周辺の道路等を利用する。被験者
の靴は日頃履きなれたものを使用し、また被験者には約
10分間歩行させて、その間の歩行リズムを測定する。
さらに、解析者は、複数の被験者を同時に歩行させる場
合は、談話しながら歩行してもらう。
【0135】データ解析に当たり、上述したように加速
度波形のピークの間隔から、右足−右足間、あるいは左
足−左足間の歩行間隔の時系列データが得られる。又
は、その加速度波形が最も急激に変化する個所を抽出し
て、その間隔を求めて歩行間隔としてもよい。この歩行
間隔の時系列に対して、フラクタル解析を行なう。以
下、集団歩行が単独歩行よりもやや健康的な例について
図16(a),(b)を用いて説明し、また、集団歩行
が単独歩行よりもやや不健康な例について図17
(a),(b)を用いて説明する。特に微分プロットで
ある図16(b)および図17(b)については、特に
横軸の値が0.6〜1.5の領域に着目して説明する。
【0136】図16(a),(b)はそれぞれ2人の被
験者A,Bが歩行したときの結果を示す図であり、被験
者A,Bについて単独時(実線)と2人歩行時(一点鎖
線)との2種類(全部で4本)の結果が表示されてい
る。また、図16(a)は揺らぎ成分S(n)とウィン
ドウ幅nとのLog−Logプロットを示し、横軸,縦
軸はそれぞれ、Log10(n),Log10S(n)であ
る。図16(b)は図16(a)に示すプロットの微分
値を示したものであり、横軸,縦軸はそれぞれ、Log
10(n),d(Log10S(n))/d(Log
10(n))である。
【0137】図16(b)に示す4本の曲線の縦軸の値
(微分値)に着目すると、被験者A,Bが2人で一緒に
歩行した場合(2本の一点鎖線)の方が、被験者がそれ
ぞれ単独で歩行した場合(2本の実線)のものに比べて
大きい。これは2人一緒に歩行したことにより、被験者
A,Bのリラックス度が上昇しているからである。この
2人の被験者A,Bは、長年仕事のパートナーとして友
好関係にあり、そのような相性の良さが歩行に反映され
たと考えられる。
【0138】このように、集団歩行時の健康度が、単独
歩行時の健康度よりもややよい場合が示された。これに
対して、集団歩行時の健康度が、単独歩行時の健康度よ
りもよくない場合について、図17(a),(b)を用
いて説明する。図17(a),(b)はそれぞれ3人の
被験者A〜Cが歩行したときの結果を示す図であり、被
験者A〜Cについて単独時(実線)と3人歩行時(一点
鎖線)との2種類(全部で6本)の結果が表示されてい
る。また、図17(a)は揺らぎ成分S(n)とウィン
ドウ幅nとのLog−Logプロットを示し、横軸,縦
軸はそれぞれ、Log10(n),Log10S(n)であ
る。図17(b)は図17(a)に示すプロットの微分
値を示したものであり、横軸,縦軸はそれぞれ、Log
10(n),d(Log10S(n))/d(Log
10(n))である。
【0139】図17(b)に示す6本の曲線の縦軸の値
(微分値)に着目すると、被験者A〜Cが3人で一緒に
歩行した場合(3本の一点鎖線)の方が、被験者A〜C
がそれぞれ単独で歩行した場合(3本の実線)のものに
比べて小さい。これは3人一緒に歩行することで、各被
験者A〜Cのリラックス度が低下していることを示す。
この3人の被験者は、顔見知りではあるが懇意ではない
関係にあり、そのような相性の不具合が歩行に反映され
たと考えられる。
【0140】そして、これらの図16(b)および図1
7(b)に示すように、各被験者の相性が、曲線の微分
値を用いることによって明らかにできる。また、これら
の値に加えて、各被験者間の関係について個別に、親し
さを表すデータ(非表示)を加算することにより、さら
に信頼性の高いデータを得ることができる。このよう
に、配信センター31(図1参照)は、被験者A,Bに
ついての健康度を定量的に得て、(5−5)〜(5−
8)の4種類のパターンについて検討する。
【0141】 被験者A,Bがともに、健康度が上昇する。 (5−5) 被験者A,Bがともに、健康度が下降する。 (5−6) 被験者Aは健康度が上昇するが被験者Bは健康度が下降する。 (5−7) 被験者Aは健康度が下降するが被験者Bは健康度が上昇する。 (5−8) そして、配信センター31は、これらのうちの一種類を
被験者A,Bに通知し、これにより、相性判定サービス
が完結するのである。
【0142】このように、解析者は、被験者Aだけのと
きの健康度と、被験者A,Bが一緒に歩行しているとき
との健康度とが、どの程度異なるかを明らかにできる。
なお、本発明は上述した実施態様に限定されるものでは
なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して
実施できる。 (A1)第1の変形例の説明 第1の変形例においては、1人の被験者Aについて、こ
の被験者Aが所属する集団によってどの程度、身状態の
変化を生じるかが評価される。このため、被験者A等の
心身状態は、集団ごとに異なると予想される。このた
め、解析者は、被験者Aの単独時および集団時における
心身状態をそれぞれ計測する代わりに、被験者Aが集団
1に属するときと、集団1と異なる別個の集団に属する
ときとのそれぞれにおいて、被験者A等の心身状態を解
析するのである。
【0143】図21(a),(b)はそれぞれ本発明の
第1の変形例に係る集団状態における心身状態の評価方
法を説明するための図である。解析者は、被験者Aが4
人の集団1に属するとき(図21(a)参照)と、被験
者Aが8人の集団2に属するとき(図21(b)参照)
とのそれぞれの場合の結果を用いて、被験者A(又は被
験者B)の心身状態の変化を評価するのである。ここ
で、例えば、集団1の各人は被験者Aの家族であり、集
団2の各人は被験者Aおよびこの被験者Aと全く面識が
ない者である。解析者は、被験者Aだけを固定し被験者
A以外の者を変更して、別集団を作り、そして、解析お
よび評価を行なって被験者Aに関して、更に詳細なデー
タを収集する。ここで、集団1,2は、例えば、以下の
(6−1),(6−2)に示すように選択される。
【0144】 集団1={A,B,C,D} (6−1) 集団2={A,B,C,D,E,F,G,H} (6−2) この場合、集団1の場合が集団2の場合よりも健康度が
高いと推定されるので、解析者は、この健康度に関する
推定を定量化することにより明確にするのである。な
お、集団1の場合において、集団1の各人が歩行すると
ころの周囲の環境が特別な場合には、被験者Aは非常に
強いストレスを感じることがあり得る。このため、正確
な計測をするために、解析者は、集団1,2が、とも
に、同一の環境になるように設定する必要がある。
【0145】ここで、生体リズム検出部12は、被験者
Aを含む例えば4人の集団状態における被験者Aに関す
る集団生体リズムと、被験者Aを含む例えば8人の集団
状態における被験者Aに関する集団生体リズムとを検出
するようになっており、また、評価部16bは、生体リ
ズム検出部12にて検出された生体リズムを処理して得
られる生体リズム情報と生体リズム検出部12にて検出
された生体リズムを処理して得られる生体リズム情報と
に基づいて、被験者Aの集団状態における心身状態を評
価するようになっている。
【0146】本発明の集団状態における心身状態の評価
方法は、集団状態における心身状態の評価装置10a
(又は10b)が、被験者Aを含む4人からなる集団1
の集団状態における被験者Aの生体リズム情報をデータ
ベース部50から読み出し(第1生体リズム情報読み出
しステップ)、被験者Aを含む8人の集団2の集団状態
における被験者Aの生体リズム情報をデータベース部5
0から読み出し(第2生体リズム情報読み出しステッ
プ)、そして、それら2種類の生体リズム情報に基づい
て、被験者Aの集団状態における心身状態を評価する
(評価ステップ)。
【0147】これにより、例えば被験者Aについて、被
験者Aが被験者Eと2人だけの場合はその被験者Eによ
ってはストレスを受けない一方、被験者Aが被験者Cと
一緒の場合はその被験者Cによって強いストレスを感じ
る等の因果関係を得ることができる。さらに、この方法
を用いることにより、集団の人数が例えば10人の場合
において、解析者は、1人の被験者が他の9人の被験者
によってどの程度の心身状態の変化があるかについて、
組み合わせ的に相性に関するデータを得ることができ
る。
【0148】そして、このような構成によって、解析者
は、被験者Aを含む4人の被験者の集団状態(図21
(a)参照)において被験者Aの生体リズムを検出する
(第1集団生体リズム検出ステップ)。ここで、第1集
団生体リズム検出ステップは、解析者が繰り返しリズム
運動時における筋肉の動きを非侵襲的に計測することに
より、集団生体リズムを検出する。また、被験者Aを含
む8人の被験者の集団状態(図21(b)参照)におい
て被験者Aの生体リズムを検出する(第2集団生体リズ
ム検出ステップ)。そして、解析者は、第1集団生体リ
ズム検出ステップにて検出された生体リズムを処理して
得られた生体リズム情報と第2集団生体リズム検出ステ
ップにて検出された生体リズムを処理して得られた生体
リズム情報とに基づいて、被験者Aの集団状態における
心身状態を評価する(評価ステップ)。
【0149】さらに、得られた被験者の生体リズム情報
をデータベース部50に記録されるときも同様である。
すなわち、解析者は、被験者Aを含む4人の集団状態に
おける被験者Aの生体リズムを検出し(第1集団生体リ
ズム検出ステップ)、第1集団生体リズム検出ステップ
にて検出された生体リズムを処理して得られた生体リズ
ム情報をデータベース部50(第1記録部51a)に記
録する(第1記録ステップ)。次に、被験者Aを含む8
人の集団状態における被験者Aの生体リズムを検出し
(第2集団生体リズム検出ステップ)、第2集団生体リ
ズム検出ステップにて検出された生体リズムを処理して
得られた生体リズム情報をデータベース部50(第2記
録部51b)に記録する(第2記録ステップ)。さら
に、解析者は、第1記録ステップにて記録された生体リ
ズム情報と第2記録ステップにて記録された生体リズム
情報とに基づいて、被験者Aの集団状態における心身状
態を評価する(評価ステップ)。
【0150】また、被験者は、ネットワーク33を介さ
ずに、直接、配信センター31に測定データを渡すこと
もできる。具体的には、被験者Aは、集団状態における
心身状態の評価装置10a(又は10b)に記録された
原波形データを変換して記録媒体に記録しその記録媒体
を配信センター31に持ち込むようにしてもよく、ある
いは、被験者Aは、集団状態における心身状態の評価装
置10a(又は10b)から読み出した原波形データを
配信センター31に転送するようにもできる。そして、
配信センター31は、その被験者Aからのデータに基づ
いて被験者Aの心身状態を評価する。
【0151】従って、例えば被験者Aが集団1,集団
2,…,集団M(Mは正の整数を表す。)の別個の集団
で歩行したときのM個の心身状態を収集される。これに
より、解析者は、被験者Aが単独で活動しているとき
と、被験者Aが集団で活動しているときとにおいて、そ
れぞれ、非侵襲的に心理状態又は健康度を計測でき、か
つ被験者Aの健康度を数値化し比較できる。
【0152】また、このように、被験者Aが集団1と集
団2とに属しているときに、解析者は各集団における心
身状態の変化が、定量的に評価できる。このようにし
て、被験者Aのストレスの大きさが、集団内の被験者
A,B,C,Dの各人からどの程度受けるかの情報が簡
便に得られるので、迅速かつ的確に、各被験者について
の心身状態の改善に寄与できる。
【0153】(A2)第2の変形例の説明 更に別個の集団として、例えば、被験者Aを含む職場ご
とに、上記の処理を行なうことによって、解析者は健康
度を計測することもできる。例えば、解析者は、集団3
として、(6−3)に示す者から編成する。ここで、集
団3は被験者Aと被験者Aのデスク周辺に位置する者と
から構成されている。そして、解析者は、被験者Aに関
し集団1と集団3とを比較し被験者Aの健康度の高低を
解析するのである。
【0154】 集団3={A,I,J,K,L,M,N,O} (6−3) これにより、集団3における健康度が集団1と比較して
著しく低い場合は、解析者は、被験者Aと職場の他の者
とは、ともに、表面的には仲良く仕事をしているように
みえるが、相互に協調して仕事をしていないあるいは協
調性に欠ける等を判定できる。一方、集団3における健
康度が集団1における健康度よりも大きい場合、解析者
は、被験者Aと職場の他の者とは、相互に信頼して仕事
をしている可能性が高いと判定できる。
【0155】このように、いわゆる職場の雰囲気が定量
化され、各人が協調して仕事をしているか否か等を判定
すべく、外見的には判定しにくい自分と他人との人間関
係について、解析者はチェックすることができる。ま
た、この解析結果を用いて、職場の雰囲気に関する調査
資料として使用することもできる。加えて、軍隊等の集
団規律が厳格な職場等に用いることができる。
【0156】さらに、解析者は、被験者Aを単独歩行さ
せて計測したときと、被験者Aを含む集団で集団歩行さ
せて計測したときとを比較する。ここで、被験者Aを集
団歩行させたときのほうが被験者Aについて高い健康度
を計測できた場合、解析者は、被験者Aは単独時よりも
結集したときのほうが、高い健康度を得られ、より高い
効果が得られることを客観的に明らかにできる。
【0157】また、解析者は、被験者A単独で歩行させ
たときに計測した後に、被験者Aと被験者Aの上司とを
一緒に歩行させた状態における被験者の健康度を計測
し、また、被験者Aと被験者Aに気を許した仲間との2
人で歩行させた状態で健康度を計測する。そして、この
状態において、解析者は、両状態において計測したデー
タを定量的に比較し評価する。
【0158】このように、この解析結果は、組織を作る
ときの参考資料として用いることができる。この解析結
果は、集団としての規律を重んじる職場(例えば、軍
隊)において使用することもできる。 (A3)第3の変形例の説明 本発明は、被験者が集団の各人から影響を受ける状態の
健康度のみならず、人が動物(ペット:図示省略)と一
緒にいるときの健康度を計測することもできる。例え
ば、本発明はアニマルセラピーのために用いることも可
能である。このアニマルセラピーとは、人が動物との触
れ合いを通じて心を癒すことをいい、人が犬,馬と一緒
に散歩することにより人がリラックス状態になることを
いう。
【0159】さらに、本発明は、人が複数の盲導犬又は
犯罪捜査に協力するための訓練犬の中からパートナー犬
を決定する場合や、複数の馬の中から相性のよい馬を決
定する場合にも使用できる。具体的には、人が多数の犬
からパートナー犬を選択する場合は、被験者と多数の犬
とを一緒に歩行させて、客観的なデータを計測すること
ができる。
【0160】そして、解析者は、被験者を多数の犬と一
緒に歩行させ、これにより、複数の犬等の中より、最も
リラックス状態に近づけるパートナー犬を判定するので
ある。従って、個人は、簡便な計測器を取り付けて、パ
ートナー犬を容易に選択できる。これにより、多数の犬
の中からその被験者と相性のよい犬を選択するための一
つの基準となる資料を提供できる。
【0161】また、これにより、人とパートナー犬との
相性の良否を知るために要する期間を大幅に短縮でき、
加えて、その解析結果が定量化されているので、客観的
な評価が可能となる。以上は、人対人についてのもので
あるが、人対複数の犬又は人対馬等の組み合わせを考慮
する需要も大きい。例えば、盲導犬を必要とする人が盲
導犬を選択するための情報を得られることも望まれてい
る。
【0162】(A4)第4の変形例の説明 なお、情報収集部14と情報処理部16とについても、
一体に構成することができ、情報収集部14にて生体リ
ズム情報が記録された後に、この記録された生体リズム
情報が情報処理部16に接続されるようにしてもよい、
そして、この接続のために、メモリーカードのような取
り外し可能な記録媒体を用いて、情報処理部16にデー
タを伝送するようにもできる。
【0163】この記録媒体は、パーソナルコンピュータ
やワークステーション等のコンピュータを、上記の機能
が実現するためのプログラムが記録されたコンピュータ
読み取り可能なものであって、例えば、CD−R(CD-R
ecordable),CD−RW(CD-Rewritable)等である。
この記録媒体は、コンピュータを、生体の生体リズムを
検出する生体リズム検出部にて検出された第1生体リズ
ムを処理して得られた第1生体リズム情報と、第2生体
リズムを処理して得られた第2生体リズム情報とに基づ
いて、1人以上の被験者の集団状態における心身状態を
評価する評価部として機能させるためのプログラムが記
録されたものである。
【0164】さらに、記録媒体は、コンピュータを、生
体の生体リズムを検出する生体リズム検出部にて検出さ
れた生体リズムを処理して得られた生体リズム情報につ
いてフラクタル解析を用いてデータ解析する解析部とし
て機能させるためのプログラムが記録されている。これ
らの記録媒体によれば、上記の効果に加えて、譲渡が容
易となり、例えば、データメモリ等を用いて、より詳細
な測定および評価が可能なソフトウェアを用いることも
できる。
【0165】また、これにより、評価システム32の拡
張および変更が比較的容易にできる。
【0166】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の集団状
態における心身状態の評価方法によれば、少なくとも一
個の生体の第1状態における第1生体リズムを検出する
第1生体リズム検出ステップと、一個の生体を含む一個
以上の生体の第2状態における第2生体リズムを検出す
る第2生体リズム検出ステップと、第1生体リズム検出
ステップにて検出された第1生体リズムに起因する第1
生体リズム情報と第2生体リズム検出ステップにて検出
された第2生体リズムに起因する第2生体リズム情報と
に基づいて、一個の生体の集団状態における心身状態を
評価する評価ステップとをそなえて構成されているの
で、2人からなる集団を形成する被験者A,Bが相互に
他の被験者B,Aから受ける心身状態の変化について、
解析者は、定量的,簡便,迅速,客観的かつ非侵襲的に
計測でき、さらに、単独状態と集団状態との両状態間に
おける心身状態を評価できる(請求項1)。
【0167】また、本発明の集団状態における心身状態
の評価方法によれば、一個の生体を含む複数の生体の集
団状態における一個の生体の第1集団生体リズムを検出
する第1集団生体リズム検出ステップと、一個の生体を
含む複数の生体の集団状態における一個の生体の第2集
団生体リズムを検出する第2集団生体リズム検出ステッ
プと、第1集団生体リズム検出ステップにて検出された
第1集団生体リズムに起因する第1集団生体リズム情報
と第2集団生体リズム検出ステップにて検出された第2
集団生体リズムに起因する第2集団生体リズム情報とに
基づいて、一個の生体の集団状態における心身状態を評
価する評価ステップとをそなえて構成されているので、
解析者および被験者は、いずれも、外観的には知ること
ができない各個人の相性についての情報を得ることがで
きる(請求項2,3)。
【0168】そして、本発明の集団状態における心身状
態の評価方法によれば、一個の生体の単独状態における
単独生体リズムを検出する単独生体リズム検出ステップ
と、単独生体リズム検出ステップにて検出された単独生
体リズムに起因する単独生体リズム情報を第1記録部に
記録する第1記録ステップと、一個の生体を含む複数の
生体の集団状態における一個の生体に関する集団生体リ
ズムを検出する集団生体リズム検出ステップと、集団生
体リズム検出ステップにて検出された集団生体リズムに
起因する集団生体リズム情報を第2記録部に記録する第
2記録ステップと、第1記録ステップにて記録された単
独生体リズム情報と第2記録ステップにて記録された集
団生体リズム情報とに基づいて、一個の生体の集団状態
における心身状態を評価する評価ステップとをそなえて
構成されているので、例えば解析者および被験者は、い
ずれも、外観的には知ることができない各個人の相性に
ついての情報を得ることができる(請求項4〜7)。
【0169】また、本発明の集団状態における心身状態
の評価方法によれば、一個の生体を含む複数の生体の集
団状態における一個の生体に関する集団生体リズムを検
出する集団生体リズム検出ステップと、集団生体リズム
検出ステップにて検出された集団生体リズムに起因する
集団生体リズム情報を記録部に記録する記録ステップ
と、記録ステップにて記録された集団生体リズム情報に
ついてフラクタル解析を用いてデータ解析する解析ステ
ップとをそなえて構成されているので、生体リズムの周
期が、被験者の周囲の環境が変化しても、安定して、心
身状態の変化を解析できる(請求項8,9,16)。
【0170】そして、本発明の集団状態における心身状
態の評価装置は、生体の生体リズムを検出する生体リズ
ム検出部と、生体リズム検出部にて検出された第1生体
リズムに起因する第1生体リズム情報と生体リズム検出
部にて検出された第2生体リズムに起因する第2生体リ
ズム情報とに基づいて、一個の生体の集団状態における
心身状態を評価する評価部とをそなえて構成されている
ので、解析者は測定時に被験者の身体を拘束されずに心
身状態を評価でき、被験者はリラックスでき、心身状態
を向上でき、また、その効果を客観的かつ定量的に評価
できる(請求項10)。
【0171】また、本発明の集団状態における心身状態
の評価装置は、一個の生体の単独状態における単独生体
リズムと、一個の生体を含む複数の生体の集団状態にお
ける一個の生体に関する集団生体リズムとを検出する生
体リズム検出部と、生体リズム検出部にて検出された単
独生体リズムに起因する単独生体リズム情報と生体リズ
ム検出部にて検出された集団生体リズムに起因する集団
生体リズム情報とに基づいて、一個の生体の集団状態に
おける心身状態を評価する評価部とをそなえて構成され
ているので、例えば職場等において、外見的には判定で
きない協調性をチェックでき、これにより、職場の雰囲
気に関する調査資料として使用することもできる(請求
項11〜13)。
【0172】さらに、生体リズム検出部は、繰り返しリ
ズム運動時における筋肉の動きの加速度を用いて生体リ
ズムを生成し生体リズムを記録するように構成されても
よく、繰り返しリズム運動時における筋肉の動きを非侵
襲的に計測することにより、生体リズムを検出するよう
に構成されてもよく、このようにすれば、被験者は身体
的かつ心理的にも非侵襲的な状態で計測でき、また、筋
肉の動きは個人の心理的な変化に対応して特徴的に表れ
る的確な計測が可能となる(請求項14,15)。
【0173】そして、本発明の集団状態における心身状
態の評価システムは、生体の生体リズムを検出可能な端
末と、端末と網を介してデータ送受信可能なサーバとを
そなえ、サーバが、端末が検出した生体の単独状態にお
ける単独生体リズムに起因する単独生体リズム情報を記
録する第1記録部と、端末が検出した生体の集団状態に
おける集団生体リズムに起因する集団生体リズム情報を
記録する第2記録部と、第1記録部に記録された単独生
体リズム情報と第2記録部に記録された集団生体リズム
情報とに基づいて、生体の集団状態における心身状態を
評価する評価部とをそなえて構成されているので、解析
者および被験者は、ともに、既存の設備を利用して自分
自身の心身状態を得ることができるので、比較的低廉な
設備投資でサービスの提供又はサービスの利用が可能と
なる(請求項17)。
【0174】加えて、本発明のコンピュータ読み取り可
能な記録媒体は、コンピュータを、生体の生体リズムを
検出する生体リズム検出部にて検出された第1生体リズ
ムに起因する第1生体リズム情報と生体リズム検出部に
て検出された第2生体リズムに起因する第2生体リズム
情報とに基づいて、一個の生体の集団状態における心身
状態を評価する評価部として機能させるためのプログラ
ムが記録されているので、例えばデータメモリ等を用い
て、より詳細な測定および評価が可能なソフトウェアを
利用でき、さらに、例えば評価システムの拡張および変
更が比較的容易にできる(請求項18,19)。
【0175】加えて、人が、複数の動物と一緒にいる場
合に、特定の動物といるときが最もリラックス状態に近
づけるかについて、簡便かつ定量的に知ることができ、
選択する動物がパートナーとして最適であるか否かに関
する情報を得ることができる。また、頒布が容易とな
り、例えば、データメモリ等を用いて、より詳細な測定
および評価が可能なソフトウェアを用いることもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る集団状態における心
身状態の評価システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る集団状態における心
身状態の評価装置の構成部分の要部を示す図である。
【図3】(a)は本発明の一実施形態に係る集団状態に
おける心身状態の評価装置の単独状態における使用態様
を説明するための図であり、(b)は本発明の一実施形
態に係る単独状態における使用方法を説明するためのフ
ローチャートである。
【図4】(a)は本発明の一実施形態に係る集団状態に
おける集団状態における心身状態の評価装置の使用態様
を説明するための図であり、(b)は本発明の一実施形
態に係る集団状態における使用方法を説明するためのフ
ローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る相性判定サービスの
シーケンス例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る評価システムのデー
タの流れを説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る集団状態における心
身状態の評価システムの他の構成例を示す図である。
【図8】(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施形態
に係る情報収集部のブロック図である。
【図9】(a)〜(c)はいずれも本発明の一実施形態
に係る歩行リズムの計測方法を説明するための図であ
る。
【図10】(a)は歩行時系列データの一例を示す図で
あり、(b)は歩数と揺らぎとの関係を示す図である。
【図11】(a)〜(d)はそれぞれフラクタル解析方
法の一例を説明するための図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る心身状態の算出方
法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図13】各個人について単独時と集団時との心身状態
変化の測定方法を説明するためのフローチャートであ
る。
【図14】歩行者数が2人のときの1/f揺らぎ特性の
評価方法を説明するためのフローチャートである。
【図15】被験者数が2人の場合における全体としての
心身状態の比較方法を説明するためのフローチャートで
ある。
【図16】(a),(b)はそれぞれ2人の被験者が歩
行したときの結果を示す図である。
【図17】(a),(b)はそれぞれ3人の被験者が歩
行したときの結果を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態の第1の変形例に係る集
団状態における心身状態の評価システムの構成例を示す
図である。
【図19】集団時における1/f揺らぎ特性の評価方法
を説明するためのフローチャートである。
【図20】被験者数が3人以上の場合における全体とし
ての心身状態の比較方法を説明するためのフローチャー
トである。
【図21】(a),(b)はそれぞれ本発明の第1の変
形例に係る集団状態における心身状態の評価方法を説明
するための図である。
【符号の説明】
9a,9b 心身状態の評価装置 10a,10b 集団状態における心身状態の評価装
置(携帯端末) 11a,11b,31a 送受信部 12 生体リズム検出部 12a データロガー 13 表示ウィンドウ 14,14′ 情報収集部(情報処理装置) 16 情報処理部 16a 解析部 16b 評価部 17 比較部 18a,18b 情報出力部 19 モニタ出力部 20a〜20c 入力部 22 中央演算部 24 記憶部 30 無線基地局 31 配信センター 32,32a,32b 集団状態における心身状態の
評価システム(評価システム) 50 データベース部(データベース) 51a 第1記録部 51b 第2記録部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一個の生体の第1状態におけ
    る第1生体リズムを検出する第1生体リズム検出ステッ
    プと、 該一個の生体を含む一個以上の生体の第2状態における
    第2生体リズムを検出する第2生体リズム検出ステップ
    と、 該第1生体リズム検出ステップにて検出された第1生体
    リズムに起因する第1生体リズム情報と該第2生体リズ
    ム検出ステップにて検出された第2生体リズムに起因す
    る第2生体リズム情報とに基づいて、該一個の生体の集
    団状態における心身状態を評価する評価ステップとをそ
    なえて構成されたことを特徴とする、集団状態における
    心身状態の評価方法。
  2. 【請求項2】 一個の生体の単独状態における単独生体
    リズムを検出する単独生体リズム検出ステップと、 該一個の生体を含む複数の生体の集団状態における該一
    個の生体に関する集団生体リズムを検出する集団生体リ
    ズム検出ステップと、 該単独生体リズム検出ステップにて検出された単独生体
    リズムに起因する単独生体リズム情報と該集団生体リズ
    ム検出ステップにて検出された集団生体リズムに起因す
    る集団生体リズム情報とに基づいて、該一個の生体の集
    団状態における心身状態を評価する評価ステップとをそ
    なえて構成されたことを特徴とする、集団状態における
    心身状態の評価方法。
  3. 【請求項3】 一個の生体を含む複数の生体の集団状態
    における該一個の生体の第1集団生体リズムを検出する
    第1集団生体リズム検出ステップと、 該一個の生体を含む複数の生体の集団状態における該一
    個の生体の第2集団生体リズムを検出する第2集団生体
    リズム検出ステップと、 該第1集団生体リズム検出ステップにて検出された第1
    集団生体リズムに起因する第1集団生体リズム情報と該
    第2集団生体リズム検出ステップにて検出された第2集
    団生体リズムに起因する第2集団生体リズム情報とに基
    づいて、該一個の生体の集団状態における心身状態を評
    価する評価ステップとをそなえて構成されたことを特徴
    とする、集団状態における心身状態の評価方法。
  4. 【請求項4】 一個の生体の単独状態における単独生体
    リズムを検出する単独生体リズム検出ステップと、 該単独生体リズム検出ステップにて検出された単独生体
    リズムに起因する単独生体リズム情報を第1記録部に記
    録する第1記録ステップと、 該一個の生体を含む複数の生体の集団状態における該一
    個の生体に関する集団生体リズムを検出する集団生体リ
    ズム検出ステップと、 該集団生体リズム検出ステップにて検出された集団生体
    リズムに起因する集団生体リズム情報を第2記録部に記
    録する第2記録ステップと、 該第1記録ステップにて記録された単独生体リズム情報
    と該第2記録ステップにて記録された集団生体リズム情
    報とに基づいて、該一個の生体の集団状態における心身
    状態を評価する評価ステップとをそなえて構成されたこ
    とを特徴とする、集団状態における心身状態の評価方
    法。
  5. 【請求項5】 一個の生体を含む複数の生体の集団状態
    における該一個の生体の第1生体リズムを検出する第1
    生体リズム検出ステップと、 該第1生体リズム検出ステップにて検出された第1生体
    リズムに起因する第1生体リズム情報を第1記録部に記
    録する第1記録ステップと、 該一個の生体を含む複数の生体の集団状態における該一
    個の生体の第2生体リズムを検出する第2生体リズム検
    出ステップと、 該第2生体リズム検出ステップにて検出された第2生体
    リズムに起因する第2生体リズム情報を第2記録部に記
    録する第2記録ステップと、 該第1記録ステップにて記録された第1生体リズム情報
    と該第2記録ステップにて記録された第2生体リズム情
    報とに基づいて、該一個の生体の集団状態における心身
    状態を評価する評価ステップとをそなえて構成されたこ
    とを特徴とする、集団状態における心身状態の評価方
    法。
  6. 【請求項6】 一個の生体の単独状態における単独生体
    リズム情報を第1記録部から読み出す単独生体リズム情
    報読み出しステップと、 該一個の生体を含む複数の生体の集団状態における該一
    個の生体に関する集団生体リズム情報を第2記録部から
    読み出す集団生体リズム情報読み出しステップと、 該単独生体リズム情報読み出しステップにて読み出され
    た単独生体リズム情報と該集団生体リズム情報読み出し
    ステップにて読み出された集団生体リズム情報とに基づ
    いて、該一個の生体の集団状態における心身状態を評価
    する評価ステップとをそなえて構成されたことを特徴と
    する、集団状態における心身状態の評価方法。
  7. 【請求項7】 一個の生体を含む複数の生体の集団状態
    における該一個の生体の第1生体リズム情報を第1記録
    部から読み出す第1生体リズム情報読み出しステップ
    と、 該一個の生体を含む複数の生体の集団状態における該一
    個の生体の第2生体リズム情報を第2記録部から読み出
    す第2生体リズム情報読み出しステップと、 該第1生体リズム情報読み出しステップにて読み出され
    た第1生体リズム情報と該第2生体リズム情報読み出し
    ステップにて読み出された第2生体リズム情報とに基づ
    いて、該一個の生体の集団状態における心身状態を評価
    する評価ステップとをそなえて構成されたことを特徴と
    する、集団状態における心身状態の評価方法。
  8. 【請求項8】 一個の生体を含む複数の生体の集団状態
    における該一個の生体に関する集団生体リズムを検出す
    る集団生体リズム検出ステップと、 該集団生体リズム検出ステップにて検出された集団生体
    リズムに起因する集団生体リズム情報を記録部に記録す
    る記録ステップと、 該記録ステップにて記録された集団生体リズム情報につ
    いてフラクタル解析を用いてデータ解析する解析ステッ
    プとをそなえて構成されたことを特徴とする、集団状態
    における心身状態の評価方法。
  9. 【請求項9】 一個の生体の生体リズムを検出する生体
    リズム検出ステップと、 該生体リズム検出ステップにて検出された生体リズムに
    起因する生体リズム情報についてフラクタル解析を用い
    てデータ解析する解析ステップをそなえて構成されたこ
    とを特徴とする、集団状態における心身状態の評価方
    法。
  10. 【請求項10】 生体の生体リズムを検出する生体リズ
    ム検出部と、 該生体リズム検出部にて検出された第1生体リズムに起
    因する第1生体リズム情報と該生体リズム検出部にて検
    出された第2生体リズムに起因する第2生体リズム情報
    とに基づいて、一個の生体の集団状態における心身状態
    を評価する評価部とをそなえて構成されたことを特徴と
    する、集団状態における心身状態の評価装置。
  11. 【請求項11】 一個の生体の単独状態における単独生
    体リズムと、該一個の生体を含む複数の生体の集団状態
    における該一個の生体に関する集団生体リズムとを検出
    する生体リズム検出部と、 該生体リズム検出部にて検出された単独生体リズムに起
    因する単独生体リズム情報と該生体リズム検出部にて検
    出された集団生体リズムに起因する集団生体リズム情報
    とに基づいて、該一個の生体の集団状態における心身状
    態を評価する評価部とをそなえて構成されたことを特徴
    とする、集団状態における心身状態の評価装置。
  12. 【請求項12】 一個の生体を含む複数の生体の集団状
    態における該一個の生体に関する第1集団生体リズム
    と、該一個の生体を含む複数の生体の集団状態における
    該一個の生体に関する第2集団生体リズムとを検出する
    生体リズム検出部と、 該生体リズム検出部にて検出された第1生体リズムに起
    因する第1生体リズム情報と該生体リズム検出部にて検
    出された第2生体リズムに起因する第2生体リズム情報
    とに基づいて、該一個の生体の集団状態における心身状
    態を評価する評価部とをそなえて構成されたことを特徴
    とする、集団状態における心身状態の評価装置。
  13. 【請求項13】 生体の生体リズムを検出する生体リズ
    ム検出部と、 該生体リズム検出部が検出した該生体の単独状態におけ
    る単独生体リズムに起因する単独生体リズム情報を記録
    する第1記録部と、 該生体リズム検出部が検出した該生体の集団状態におけ
    る集団生体リズムに起因する集団生体リズム情報を記録
    する第2記録部と、 該第1記録部に記録された単独生体リズム情報と該第2
    記録部に記録された集団生体リズム情報とに基づいて、
    該生体の集団状態における心身状態を評価する評価部と
    をそなえて構成されたことを特徴とする、集団状態にお
    ける心身状態の評価装置。
  14. 【請求項14】 該生体リズム検出部が、 繰り返しリズム運動時における筋肉の動きの加速度を用
    いて該生体リズムを生成し該生体リズムを検出するよう
    に構成されたことを特徴とする、請求項10〜請求項1
    3のいずれか一項記載の集団状態における心身状態の評
    価装置。
  15. 【請求項15】 該生体リズム検出部が、 繰り返しリズム運動時における筋肉の動きを非侵襲的に
    計測することにより、該生体リズムを検出するように構
    成されたことを特徴とする、請求項10〜請求項14の
    いずれか一項記載の集団状態における心身状態の評価装
    置。
  16. 【請求項16】 生体の生体リズムを検出する生体リズ
    ム検出部と、 該生体リズム検出部にて検出された生体リズムに起因す
    る生体リズム情報についてフラクタル解析を用いてデー
    タ解析する解析部とをそなえて構成されたことを特徴と
    する、集団状態における心身状態の評価装置。
  17. 【請求項17】 生体の生体リズムを検出可能な端末
    と、 該端末と網を介してデータ送受信可能なサーバとをそな
    え、 該サーバが、 該端末が検出した生体の単独状態における単独生体リズ
    ムに起因する単独生体リズム情報を記録する第1記録部
    と、 該端末が検出した該生体の集団状態における集団生体リ
    ズムに起因する集団生体リズム情報を記録する第2記録
    部と、 該第1記録部に記録された単独生体リズム情報と該第2
    記録部に記録された集団生体リズム情報とに基づいて、
    該生体の集団状態における心身状態を評価する評価部と
    をそなえて構成されたことを特徴とする、集団状態にお
    ける心身状態の評価システム。
  18. 【請求項18】 コンピュータを、 生体の生体リズムを検出する生体リズム検出部にて検出
    された第1生体リズムに起因する第1生体リズム情報と
    該生体リズム検出部にて検出された第2生体リズムに起
    因する第2生体リズム情報とに基づいて、一個の生体の
    集団状態における心身状態を評価する評価部として機能
    させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み
    取り可能な記録媒体。
  19. 【請求項19】 コンピュータを、 生体の生体リズムを検出する生体リズム検出部にて検出
    された生体リズムに起因する生体リズム情報についてフ
    ラクタル解析を用いてデータ解析する解析部として機能
    させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み
    取り可能な記録媒体。
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