JP3965299B2 - 心身状態の調整装置及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

心身状態の調整装置及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、心身状態の調整に用いて好適な、心身状態の調整装置及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、社会の複雑多様化と急速な高齢化とに伴い、高血圧,心臓病,脳卒中,糖尿病、またはがん等の生活習慣病や、ストレスによる心身症や、痴呆または寝たきり等の障害が増加し、深刻な社会問題となっている。このため、国民一人一人が自己責任において、病気の早期発見または健康に関心をもつようにし、さらに、日頃から健康を増進し、発病を予防する「一次予防」を重視していくことが要求されている。
【0003】
厚生労働省は、「健康日本21」を策定し、2010年を目指した具体的数値目標を設定して、健康づくり運動を進めている。例えば、同省は、身体活動度の向上のため、日常生活における1日当たりの歩数を現在よりも1000歩(約10分程度)多い、男性9200歩、女性8300歩に増加させることを目標として掲げている。
【0004】
このような状況を反映し、近年、スポーツジムにおける各種のフィットネス運動や、家庭で手軽に行なえるウォーキングまたはジョギング等により健康の維持、増進を図ろうとする意識が人々に定着しつつある。
しかしながら、実際にウォーキング等の運動を行なうにあたっては、「エクササイズ」としての側面が着目され、運動をする者は、一定リズムを聴かされて、所定強度以上の運動状態を保持することを重視される傾向にある。
【0005】
このような運動状態において生ずる生体リズムは、極めて無機的であり、不自然な様相を呈する。例えば、最近の研究により、豊かな自然を愛でながらリラックスして歩くときの歩行ステッブのリズムは、長期にわたって正の相関を有する、いわゆる「1/f揺らぎ」を示すことが明らかになっている。この1/f揺らぎとは、自然界に見出される変化・リズムであって不規則に変化する自然現象である。例えば、導体の抵抗値が不安定に揺らぐ現象が1/f揺らぎを示すことが知られている。また、1/fと表される理由は、その揺らぎの電力スペクトラムが周波数に反比例するからである。
【0006】
また、1/f揺らぎは、自然現象のみならず、人がハイキング等を行ないリラックスした状態になったときにも観察され、人の快適感と深く関わっている。例えば、同一環境において、大人と子供とを一緒に歩行させると、子供はリラックスした状態になることも知られている。特に、人が1/f揺らぎを有する音楽(以下、1/f揺らぎ音楽と称する。)を聴くと、身体に癒し(いやし)効果を与えることも明らかになっている。
【0007】
これに対して、人は、時計に合わせて規則的に歩くと、1/f揺らぎ性が失われ、anti−correlationと呼ばれる負の相関を有するリズムを示すようになる。
従って、「エクササイズ」としての運動は体力増進としての効果は期待できる。この半面、心身のホリスティック(全体的)な健康に寄与するか否かは議論の余地のあるところである。
【0008】
リズムの1/f揺らぎ性が典型的に現れるところは、人間および社会と人間および環境とがダイナミックに共存共栄する場である。
従って、リズムの1/f揺らぎ性が現れるところは、健康な場所でもある。すなわち、リズムの1/f揺らぎ性は、人が活動する場所の健康度を反映する指標と考えることができる。
これに対して、社会的動物としての人間を考えると、人が常に1/f揺らぎ性をもって行動することは現実的ではなく、様々な社会的制約の下で、揺らぎのない、規則的な状態に生きることも要求される。大切なことは、揺らぎ(リラックス)と規則性(ストレス)とのバランスをとりながら、健康的なリズムを自己管理していくことである。
【0009】
ところが、生活空間の都市化と自然破壊とが進行し、人々の孤立化と分離感とが深まるなかにおいて、人が自らの努力のみでそのような健康的なリズムを維持していくことは、ますます困難な状況になっている、
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上の状況を鑑みると、歩行等の日常的な身体の動きを健康的なリズムに回復させるために、心身に無理を強いることなく、穏やかに働きかける人工的な場(人の周りの(物理的な)環境であって、例えば言葉等の軽い刺激を意味する。)を設定でき、しかも、その効果を客観的かつ定量的に評価できれば非常に益するので、社会的意義も大きい。
【0011】
この心身状態を調整または調節(以下、心身状態を調整すると称する。)する方法は、例えば、養生法として知られる「風歩行法」が知られている。この方法は、呼吸のリズムに合わせて歩く気功法(例えば、飯野節夫著「ゆったり元気!気功ウォーキング」)である。そして、この方法を行なうと1/f揺らぎ性を有する歩行リズムを実現できる。
【0012】
この半面、かかる方法によると、呼吸のリズムと歩行とを同調させるという絶え間ない意識的努力を必要とし、しかも、直感力の優れた人を除き、その効果をすぐ実感することが困難である。この他に、心身の「癒し」と人間性の回復とを目的とする技術として最近注目されているものは、例えば、音楽セラピー,ダンスセラピー,アートセラピー,アロマセラピーまたはアニマルセラピー等である。
【0013】
これらの技術の作用効果は、心拍リズムの揺らぎや脳波解析,血液または唾液中の生理物質の測定を用いて定量化が試みられており、実際に効果があることが確認されつつある。例えば音楽セラピーについての効果は、音楽聴取の前後のα(アルファ)律動を計測することによって、その音楽の安静効果の有無を判断している。ここで、脳波解析の場合に、α律動は快い気分の状態で増加するといわれている。また、唾液中の内分泌(コルチゾル値,テストロン値および免疫グロブリンA値)に含まれるコルチゾルを用いた測定もある。すなわち、コルチゾルはストレスホルモンであり、生体のストレスの状態を表す。従って、被験者(心身状態の測定,計測または心身状態の調整を受ける者をいう。)が音楽を聴いた前後においてコルチゾル値を測定することによって、被験者がその音楽による安静効果の有無が判断される。
【0014】
ところで、脳波解析の場合、被験者の頭部に電極を取り付ける(装着する)必要があるので日常生活において不都合であり、また、心電図等を測定する場合も同様である。一方、唾液中の内分泌を用いる場合には、数十人の被験者の測定値を統計処理する必要があり、測定に多くの手間を要する。また、いずれも音楽の再生聴取条件を同一にしなければならない。
【0015】
このように、日常生活の場において、簡便かつ迅速にその効果をモニターする方法は、未だ知られていない。
また、近年、人々の健康増進の意識が向上し、ヘルスケアへの関心が高まってきている。
ところが、やはり、被験者は、電極等の取り付けによって違和感を感じ、また、ベッドにおいて一定時間、寝ていなければならない。さらに、被験者は、検査のときには外的処置されることもある。従って、被験者は、大きな負担を課せられ、かつ、身体を拘束され、いわば、侵襲的に心身状態を検査,測定または評価,調整されるのである。
【0016】
換言すれば、被験者が違和感を感じることなく無意識的に、かつ、身体を拘束されずに測定または評価が可能となることが望まれている。なお、このような測定または評価を、以下、非侵襲的に測定または評価すると称する。
従って、生体の心身状態を調整するための刺激を与えるとともに、生体リズム情報から心身状態と刺激による心身状態の変化とを評価できるものが望まれている。
【0017】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、誰もが容易に、かつ、環境を選ばずに非侵襲的に、心身状態を調整することが可能な、心身状態の調整装置及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の心身状態の調整装置(請求項1)は、生体の随意運動に伴う生体リズムを検出する生体リズム検出部と、該生体リズム検出部にて検出された生体リズムに起因する生体リズム情報を記録する生体リズム情報記録部と、生体の心身状態に刺激を与える刺激付与部と、該刺激付与部が該生体に刺激を与えた状態において該生体リズム検出部にて検出された有刺激生体リズムに起因する有刺激生体リズム情報を記録する有刺激生体リズム情報記録部と、該生体リズム情報記録部に記録された生体リズム情報と該有刺激生体リズム情報記録部に記録された有刺激生体リズム情報とに基づいて、生体の心身状態の変化を評価する評価部と、該評価部における評価結果に基づいて該刺激付与部の刺激を変更する刺激変更部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0019】
また、本発明の心身状態の調整装置(請求項2)は、請求項1記載の構成に加えて、該生体リズム検出部が、該生体の歩行運動に伴う生体リズムを検出することを特徴としている。
【0021】
また、本発明の心身状態の調整装置(請求項3)は、請求項1又は2記載の構成に加えて、有刺激生体リズム情報記録が、繰り返しリズム運動時における筋肉の動きを非侵襲的に計測することにより、有刺激生体リズム情報を生成するように構成されたことを特徴としている。
【0027】
また、本発明の心身状態の調整装置(請求項4)は、請求項1〜3の何れか1項に記載の構成に加えて、前記生体リズム検出部、繰り返しリズム運動時における筋肉の動きの加速度を用いて有刺激生体リズム情報を生成しその有刺激生体リズム情報を有刺激生体リズム情報記録部に記録するように構成されたことを特徴としている
また、本発明の心身状態の調整装置(請求項5)は、請求項1〜4の何れか1項に記載の構成に加えて、前記評価部が、該生体リズム情報と該有刺激生体リズム情報とのうちの少なくとも何れか一方に対し、フラクタル解析法を用いてデータ解析を行ない、該心身状態の変化を評価することを特徴としている
【0028】
また、本発明の心身状態の調整装置(請求項6)は、請求項1〜5の何れか1項に記載の構成に加えて、該刺激付与部が、音,音楽及び振動からなる群より選ばれる1以上の刺激を該生体に与えるように構成されたことを特徴としている。
また、本発明の心身状態の調整装置(請求項7)は、請求項1〜6の何れか1項に記載の構成に加えて、該刺激付与部が、該生体の聴覚を用いて該生体に刺激を与えるように構成されたことを特徴としている。
【0029】
また、本発明の心身状態の調整装置(請求項8)は、請求項1〜7の何れか1項に記載の構成に加えて、前記刺激変更部、評価部の評価に基づいて、複数の刺激データから所定の刺激データを選択することにより、刺激付与部の刺激を変更するように構成されたことを特徴としている。
また、本発明の心身状態の調整装置(請求項9)は、請求項8記載の構成に加えて、該刺激変更部が、該所定の刺激データの選択に際し、以下の(1)〜(3)の何れかの手段を用いることを特徴としている。
(1)該生体自らの好みに応じ該生体により手動で入力される刺激データを選択する手段
(2)予め保持された過去の該複数の刺激データの中から所望のデータを自動的に選択する手段
(3)該評価部で評価された現在の該心身状態に基づいて所望のデータを自動的に選択する手段
【0030】
また、本発明の心身状態の調整装置(請求項10)は、請求項1〜9の何れか1項に記載の構成に加えて、該生体リズム情報記録部又は該有刺激生体リズム情報記録部が、該評価部に対して取り外し可能に設けられていることを特徴としている。
また、本発明の心身状態の調整装置(請求項11)は、請求項1〜10の何れか1項に記載の構成に加えて、該刺激付与部が、該刺激変更部に対して取り外し可能に設けられていることを特徴としている。
また、本発明の心身状態の調整装置(請求項12)は、請求項1〜11の何れか1項に記載の構成に加えて、該生体リズム検出部が、該生体リズム情報記録部又は該有刺激生体リズム情報記録部に対して取り外し可能に設けられていることを特徴としている。
【0031】
さらに、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体(請求項13)は、コンピュータを、生体の随意運動に伴う生体リズムに起因する生体リズム情報を記録する生体リズム情報記録部と、生体の心身状態に刺激を与える刺激付与部と、刺激付与部が生体に刺激を与えた状態において生体リズム検出部にて検出された有刺激生体リズムに起因する有刺激生体リズム情報を記録する有刺激生体リズム情報記録部と、生体リズム情報記録部に記録された生体リズム情報と有刺激生体リズム情報記録部に記録された有刺激生体リズム情報とに基づいて、生体の心身状態の変化を評価する評価部と、評価部における評価結果に基づいて刺激付与部の刺激を変更する刺激変更部として機能させるためのプログラムが記録されている。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施形態に係る心身状態の調整装置の使用態様を説明するための図である。この図1(a)には被験者の使用態様の一例が表示されており、被験者が心身状態の調整装置(以下、調整装置と称する。)10を腰部に取り付けて歩行運動している。そして、調整装置10は、生体の心身状態(被験者の心身状態)に関する生体リズムを測定しこの生体リズムに基づいて心身状態を評価するとともに、この評価に基づくフィードバックを行ない、被験者に刺激(音,音楽または振動等を意味する。)をヘッドフォンステレオ(携帯オーディオ機器等、以下に述べる刺激付与部として機能する。)により付与し、生体の心身状態に刺激を加えられるようになっている。また、この調整装置10が有する機能から、その刺激を与える機能を除いたものは、評価装置として機能するようにもなっている。この評価機能について、図1(b)に示すフローチャートを参照して、本発明の心身状態の評価方法を概略的に説明する。
【0033】
この図1(b)に示す調整装置10からヘッドフォンステレオ17への処理ステップ(以下、ステップと略称する。)S1〜S4が表示されている。まず、ステップS1にて、被験者は特定の音をヘッドフォンステレオ17により聴くことにより、生体の心身状態に刺激を与えられる(刺激付与ステップ)。この刺激付与に当たり、被験者は、自分の移動を伴う随意運動(例えば、歩行すること。)を行ないながら、刺激を与えられるようになっている。なお、ここで、被験者は、自分の移動を伴う随意運動を行なう前に刺激を与えられるようにもできる。具体的には、解析者側が、歩行運動を随意運動として、生体の心身状態に刺激を与えるようにしている。また、解析者は、被験者自身の聴覚を用いて、被験者に音を聴かせることにより被験者に刺激を与えるようにしている。
【0034】
次のステップS2にて、調整装置10は被験者の生体リズムを測定することにより、刺激付与ステップにて刺激を与えられた状態における生体リズムを表す有刺激生体リズムが検出される(有刺激生体リズム検出ステップ)。
続いて、ステップS3にて、測定された生体リズムから所定形式のデータが生成されることにより、有刺激生体リズム検出ステップにて検出された有刺激生体リズムを処理して得られる有刺激生体リズム情報が有刺激生体リズム情報記録部50bに記録される(有刺激生体リズム情報記録ステップ)。この記録は、調整装置10が、繰り返しリズム運動時における筋肉の動きを非侵襲的に計測することにより、有刺激生体リズム情報を生成するようになっている。
【0035】
そして、ステップS4にて、後述するデータベース53に記録されたデータを用いることにより、有刺激生体リズム情報記録ステップにて記録された有刺激生体リズム情報と生体リズム情報記録部50aに記録された生体リズムを処理して得られる生体リズム情報とに基づいてデータ解析されるのである(解析ステップ)。
【0036】
さらに、本発明の心身状態の評価方法は、有刺激生体リズム情報記録ステップにて記録された有刺激生体リズム情報と生体リズム情報記録部50aに記録された生体リズムを処理して得られた生体リズム情報とに基づいて生体の心身状態の変化を評価するものである(評価ステップ)。従って、調整装置10は、データ解析機能と生体の心身状態の変化を評価する機能とを有し、評価装置としても機能していることになる。
【0037】
また、心身状態の調整方法は、調整装置10が評価ステップにおける評価結果に基づいて刺激付与ステップの刺激を変更するようになっている(刺激変更ステップ)。従って、前記評価に基づいて、被験者に対して与える刺激を変更することにより、フィードバックされるのである。
このように、調整装置10は、測定により得られた生体リズムに基づいて心身状態を評価するとともに、その評価に基づいて身体に刺激を与えることにより心身状態を調整する。
【0038】
図2は本発明の一実施形態に係る調整装置10のブロック図であり、この図2に示す調整装置10は、心身状態の評価装置(以下、評価装置と略称する。)9とヘッドフォンステレオ(刺激付与部)17とをそなえて構成されている。この評価装置9は、生体リズム情報に基づいて心身状態を評価するためのものであって、生体リズム検出部12と、データロガー12aと、情報収集部(情報処理装置)14と、データベース50と、情報処理部16と、出力部18とをそなえて構成されている。
【0039】
ここで、生体リズム検出部12は、被験者の生体リズムを検出するものであって、被験者が繰り返しリズムをもつ運動時における筋肉の動きの加速度を用いて有刺激生体リズム情報を生成しその有刺激生体リズム情報を有刺激生体リズム情報記録部50bに記録するものである。また、データロガー12aは、生体リズム検出部12にて検出された原波形データを取得して保持するものであって、例えばRAM(Random Access Memory)等により実現される。
【0040】
そして、このデータロガー12aが、移動を伴う被験者に対して刺激を与えた状態と、被験者に刺激を与えない状態との両状態における生体リズムをそれぞれ保持し、そして、生体リズム検出部12は、この測定により原波形を表す原波形データを得て、この原波形データを、データロガー12aに入力するようになっている。これにより、信号データは一時的に保持される。
【0041】
これらの機能に関して詳述すると、生体リズム検出部12は、被験者の随意運動による繰り返しリズム運動を非侵襲的に計測するセンサーであって、例えば小型の加速度センサーが計測器として使用されている。被験者は、随意運動による筋肉の繰り返しリズム運動を検知できる身体の部位に、その小型の加速度センサーを取り付けて(装着して)、繰り返しリズム運動に伴う加速度を測定する。そして、この随意運動時のデータが、利用されるのである。
【0042】
また、加速度センサーは、ピエゾ素子を有しこのピエゾ素子のピエゾ効果を利用したセンサーであって、3次元空間における加速度のx軸,y軸,z軸の3成分データ(加速度信号)をそれぞれ検出するものである。この加速度信号は、電圧信号に変換され、情報収集部14の入力側(後述する図3に示す入力部20a〜20c)に設けられたA/D変換器(Analogue/Digital変換器:アナログ/ディジタル変換器)により、元の生体リズムを再現するのに十分なサンプリング周期を用いて記憶装置(記憶部24:図3参照)に取り込まれる。
【0043】
生体リズム検出部12の取り付け位置は、随意運動に伴う生体リズムを検知できる部位であって、例えば腰背部である。被験者に違和感を与えることなく取り付けられるものであれは、その取り付け場所、または以下に述べる情報収集部14との接続形態について特に制限はない。ただし、歩行等のように、長距離にわたる全身の空間的移動を伴う随意運動を計測する場合は、携帯性の観点から、望ましくは、生体リズム検出部12(または生体リズム検出部12および情報収集部14が一体となったもの)を、被験者が普段身につけているもの、例えば、眼鏡,帽子,服,靴,ベルト,時計,鞄,アクセサリー,携帯端末または携帯オーディオ機器等に装着し、接続し、または格納するようにして取り付ける。
【0044】
次に、情報収集部14(図2参照)は、データロガー12aに保持された信号データを信号処理して、測定された生体リズムに基づく生体リズム信号(生体リズム情報)を計算して得るものであり、その生体リズム情報をデータベース50に記録する。この機能は例えばCPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory)およびRAM等が協働することにより実現される。
【0045】
これにより、生体リズム検出部12にて、原波形データは、所定の周期でサンプリングされ、情報収集部14にて生体リズム信号が検出され、この生体リズム信号がデータベース50に記録される。一方、以前に測定した他の心身状態における生体リズム信号も同様に、生体リズム検出部12,情報収集部14にて処理されて、データベース50に記録される。そして、データベース50にて、予め保持された生体リズム信号と、後から得られた生体リズム信号とがそれぞれ比較されるのである。この比較により、心身状態の変化が判断される。
【0046】
次に、データベース50は、データを記録するものであって、生体リズム情報記録部50aと有刺激生体リズム情報記録部50bと音楽集データ記録部50cとを有する。このデータベース50の機能は、例えば、ハードディスクまたは記憶媒体等により実現される。
ここで、生体リズム情報記録部50aは、生体リズム検出部12にて検出された生体リズムを処理して得られる生体リズム情報を記録するものである。
【0047】
そして、有刺激生体リズム情報記録部50bは、生体リズム検出部12にて生体に刺激を与えられた状態において検出された有刺激生体リズムを処理して得られる有刺激生体リズム情報を記録するものである。なお、有刺激生体リズム情報記録部50bは、生体の心身状態に刺激を与えるヘッドフォンステレオ17が被験者に刺激を与えた状態において、生体リズム検出部12にて検出された有刺激生体リズムを処理して得られる有刺激生体リズム情報を記録するようにもできる。
【0048】
また、音楽集データ記録部50cは、後述する情報処理部16にて処理されるデータおよびヘッドフォンステレオ17にて必要な楽曲データ(音楽集)等を記録するものであり、音楽集データと各個人とを関連づけて記録している。換言すれば、本発明の刺激は、音楽によって与えられている。
次に、情報処理部16は、生体リズム情報生成機能と、データ解析機能と、生体の心身状態の変化を評価する機能とを有し、解析部16a、評価部16bおよび刺激変更部16cをそなえて構成されている。この情報処理部16の機能は、例えば、CPU,ROMおよびRAM(いずれも図示省略)等が協働することにより実現される。
【0049】
ここで、解析部16aは、生体リズム情報記録部50aに記録された生体リズム情報と有刺激生体リズム情報記録部50bに記録された有刺激生体リズム情報とに基づいてデータ解析するものである。解析部16aは、これらの生体リズム情報と有刺激生体リズム情報とのうちの一方を用いてデータ解析できるようにもなっている。具体的には、解析部16aは、データ解析を、フラクタル解析法を用いて行なう。
【0050】
さらに、評価部16bは、生体リズム情報記録部50aに記録された生体リズム情報と有刺激生体リズム情報記録部50bに記録された有刺激生体リズム情報とに基づいて、生体の心身状態の変化を評価するものである。この評価部16bは、刺激を与えられたときの有刺激生体リズム情報と、予め保持された生体リズム情報とを比較することによって、生体の心身状態に変化の有無があったことを評価するのである。
【0051】
また、刺激変更部16cは、評価部16bにおける評価結果に基づいてヘッドフォンステレオ17による刺激を変更するものである。この刺激変更部16cは、評価部16bの評価に基づいて、予めデータベース化された多数の刺激データから所望の刺激データを選択することにより、ヘッドフォンステレオ17の刺激を変更するようになっている。
【0052】
更に詳述すると、刺激変更部16cは、被験者に与える刺激を、主として次の(1−1)〜(1−3)の3種類の方法から選択するようになっている。
(1−1)被験者が自らの好みにより刺激を選択する方法。
(1−2)ヘッドフォンステレオ17が自動的に刺激を選択する方法。
【0053】
ヘッドフォンステレオ17が、情報処理部16に予め保持された過去のデータ、あるいは新たに外部から入力された被験者の好みに関する過去のデータ、あるいは生体の心身状態に関する過去のデータ、あるいは情報処理部16もしくはヘッドフォンステレオ17またはこれらの双方に予め保持された刺激データとのうちから所望のデータを選択するのである。
【0054】
(1−3)情報処理部16によって評価された、被験者の現在の心身状態に基づいてヘッドフォンステレオ17が自動的に刺激を選択する方法。
ヘッドフォンステレオ17が自動的に刺激を選択する場合は、ヘッドフォンステレオ17は、生体リズム情報に基づいて刺激による生体の心身状態の変化を逐次評価し、その結果に基づいて刺激データを変更(例えば楽曲を変更すること。)し、または変調(楽曲のリズムを変更すること。)する。
【0055】
これらの変更または変調は、フィードバック性を有するので、このフィードバック性によって、効果的な心身状態の調整を実現できる。なお、この場合は、前記(1−2)の方法を併用してもよい。
また、前記(1−1),(1−2)および(1−3)のいずれの場合においても、情報処理部16が刺激の自動的選択を行なうこともできる。
【0056】
次に、出力部18は、情報処理部16にて得られた解析結果を出力するものであり、例えばモニター装置である。これにより、被験者または解析者は、視覚を通じて解析内容を容易に知ることができる。
次に、図2および図3を用いて情報収集部14について詳述する。なお、図3に示す生体リズム検出部12,情報処理部16および情報出力部18は、いずれも、上述したものと同一のものである。
【0057】
図3は本発明の一実施形態に係る情報収集部14のブロック図である。この図3に示す情報収集部14は、入力部(入力装置)20a,20bおよび20cと、中央演算部22と、記憶部24とをそなえて構成されている。ここで、入力部20a〜20cは、それぞれ、生体リズム検出部12から出力された原波形データ、または原波形データに基づいて処理が容易な所定形式に変換されたデータを入力されて、一時的に保持するものである。
【0058】
中央演算部22は入力部20a〜20cのそれぞれに接続され予め格納したプログラムを用いて生体リズム情報を生成するものであり、生成した生体リズム情報を情報処理部16に入力するようになっている。また、記憶部24は演算途中のデータや生体リズム情報データ等を保持するものであり例えばRAMにより実現される。
【0059】
これにより、情報収集部14から生体リズム情報が情報処理部16に入力され、情報処理部16は、フラクタル解析等を用いて、情報収集部14に記録された生体リズム情報(例えば筋肉の動きの加速度データ)をデータ解析する。
このデータ解析においては、生成した生体リズム情報と、被験者の過去のデータ(または他者のデータ)とを比較する処理(処理ステップ)をしてもよい。これらの過去のデータまたは他者のデータは、情報処理部16に予め保持されるようにし、または新たに外部から入力されるようにできる。
【0060】
このように、生体リズム検出部12を用いることにより、測定装置全体の小型化が図られ、解析者は、被験者から所望のデータを容易に得ることができる。
次に、図2に示すヘッドフォンステレオ17について、随意運動および刺激の選択方法の観点から詳述する。
ヘッドフォンステレオ17は、生体の心身状態に刺激を与える刺激付与部として機能するものである。すなわち、ヘッドフォンステレオ17が評価装置9における評価内容に基づいて人体に対して音楽等の刺激を与えることにより、調整装置10の調整機能が実現されるのである。ここで、生体の心身状態を調整するための刺激とは、音,光,電磁波,力学的振動,匂い物質、または味物質等の五感に直接働きかけるもの、および通常の意識下において感知困難な微細なエネルギー等、またはそれらの組み合わせを意味する。
【0061】
また、本実施形態においては、被験者が、生体の移動を伴う随意運動を行ないながら、刺激を与えられるようになっている。この場合、刺激が何らかの時間的変化を示せば、それだけ心身状態の調整は効果が大きい。この随意運動とは、身体の一部を意識的に動かす運動であり、身体の一部を意識的に動かせない不随意運動(例えば心臓の拍動)と対立する運動種別である。この好適な例としては、音楽,映像,ボディーソニック等、またはそれらの組み合わせたものがあげられる。
【0062】
そして、刺激変更部16cは、生体に与える刺激を、一例として、次の(1−1)〜(1−3)の3種類の方法から選択し、ヘッドフォンステレオ17から変更された刺激が被験者に与えられるのである。
ヘッドフォンステレオ17は、その調整装置10からの刺激を直接、被験者に与える機能のみならず、その調整装置10からの条件指示によって間接的に刺激を被験者に与える機能をも有する。この間接的刺激とは、例えば音楽を刺激とした場合、予め録音された音楽の再生機能のみならず、生演奏の演奏条件(例えば、テンポやアゴーギグ:テンポの揺らし方)を演奏家に指示することを意味する。さらに、ヘッドフォンステレオ17は、予め複数の刺激用のデータを保持しこれらを選択して被験者に対して刺激を与えるようにもできる。
【0063】
また、ヘッドフォンステレオ17は、調整装置10から刺激を被験者に与えるのみならず、刺激により被験者が行なう行為の条件を指示する機能をも有する。例えば、音楽の場合に、音楽を被験者に聴かせるのみならず、アゴーギグを変更することによって、その音楽に合わせて被験者自身が歌を歌ったりする条件を被験者に指示する機能も含まれるのである。
【0064】
本実施形態において、被験者の移動を伴う随意運動による繰り返しリズム運動とは、被験者がある程度まで意識的に制御可能な身体運動を意味し、その運動中に運動していることを常に意識する必要がない。
好ましい例としての繰り返しリズム運動は、歩行,走行,水泳、または自転車走行(サイクリング)等の移動を伴うものである。その主な理由として以下に示す4種類の内容があげられる。
【0065】
(2−1)本発明は、身体の運動と生体への刺激とのダイナミックな相互作用に基づいて心身状態を調整し、ホリスティックな健康度を回復させることを主目的としている。この運動は、日常的な運動であり、また健康づくりの手法として定期的に行なう習慣のあるものなので、そのような目的に最適である。
(2−2)本発明に係るデータ解析方法は、心身状態の評価を高い信頼性で行なううえで、所定長以上の長さを有するデータ、例えば100回以上の繰り返しリズム運動を用いることが好ましい。本運動は、日頃から慣れ親しんだ運動であり、被験者に特別な努力を要することなく、ある程度長時間にわたり持続させることが可能なので、心身状態の調整と健康度の回復という目的に最適である。
【0066】
(2−3)運動は身体全体を使うので、例えば指先を使う指タッピング等の測定に比べて、生体リズム検出部12の取り付け箇所に制限がなく、より非侵襲的な計測が可能である。
(2−4)運動は、脊髄を含む脳神経系回路に存在するCPG(Central Pattern Generator)によって制御されており、脳神経系の健康状態を反映すると同時に身体全体を使うものでもある。従って、広範囲にわたる心身の状態、例えばストレスやリラックスの度合い、局所的な身体の疲労や痛み等に対しても敏感に反映する。
【0067】
本発明においては、生体の移動を伴う随意運動による繰り返しリズム運動を測定するが、この生体の移動とは、生体と周囲の環境との相対的な移動を意味する。具体的には、身体自身が移動する通常の歩行,走行,水泳または自転車走行(サイクリング)等の運動の他に、トレッドミル等の歩行面が移動する歩行装置,同様の走行装置,自転車走行装置または流水プール等を用いた運動があげられる。
【0068】
これにより、被験者は、ヘッドフォンステレオ17にて、生体の心身状態を調整するための刺激を与えられるとともに、生体リズム検出部12は、繰り返しリズム運動に伴う現象、例えば、力の変化,空聞的な身体の位置の変化,身体から発する音,電磁波等の波や微細エネルギーの変化または身体の周りにおける場の変化等を生体リズム情報として非侵襲的に測定する。また、生体リズム検出部12から得られた生体リズム情報は、情報収集部14に記録または保持され、情報処理部16にて、情報収集部14に記録された生体リズム情報がデータ解析され、そして、心身状態が評価されると、情報処理部16にて得られた解析結果が出力部18から出力されるのである。
【0069】
このように、被験者は、容易かつ何処においても、心身状態を調整でき、また、その効果を客観的、定量的に評価できる。
次に、歩行リズムの計測とフラクタル解析を用いたデータ解析とについて、図4(a)〜図4(c)と図5(a),(b)とをそれぞれ参照しながら説明する。
【0070】
図4(a)〜図4(c)はいずれも本発明の一実施形態に係る歩行リズムの計測方法を説明するための図である。
図4(a)は被験者に課せられる測定条件を説明するための図であり、被験者は身体に調整装置10を取り付けた状態で数分間歩行する。ここで、生体リズム検出部12の測定周波数は、100〜1000Hz(ヘルツ)であり、測定時間は5〜60(分)に設定されている。典型的には1000Hzのサンプリングが、5分間行なわれるのである。この測定により、原波形を表す原波形データが、データロガー12aに蓄積される。
【0071】
図4(b)はピーク間隔を説明するための図である。この図4(b)に示すグラフの横軸は時間であり、縦軸を表す原波形データは、x軸(またはy軸またはz軸)の加速度信号を電圧信号に変換したものである。この原波形データは、ピークを有し、そのピーク間隔は以下の(3−1)〜(3−4)に示すようにして計算される。
【0072】
(3−1)1000Hzで5分間測定し、原波形データを計測してメモリーカードに蓄積する。従って、データの個数は300000個である。
(3−2)次に、「始点」として波形のスタート地点近辺において、最大値となるデータ点(ピーク点)を得る。
(3−3)前記(3−2)で求めたピーク点から、およそ1秒後(約1歩に要する時間に相当する。)の近辺において、再び最大値になる点を探す。その点が2番目のピーク点になる。
【0073】
(3−4)以上の操作を繰り返してピーク点の時系列データを得る。
(3−5)隣接するピーク点の時間差を計算してピーク間隔の時系列を得る。
図4(c)は時系列データの一例を示す図である。この図4(c)に示す時系列データの横軸,縦軸は、それぞれ、歩数,時間(秒)を表す。
このように、原波形データは、得られたピーク間隔を用いてサンプリングされて生体リズム信号が検出される。また、この検出された生体リズム信号の変化が抽出され、その変化の時間間隔を計算することにより、生体リズムの周期が例えば1ミリ秒と得られる。
【0074】
次に、図5(a),(b)を用いて、歩行時系列データとフラクタル性とについて詳述する。図5(a)は歩行時系列データの一例を示す図であり、健常歩行の場合のほかに、老化,疾病(パーキンソン病等)の場合や、規則歩行メトロノーム歩行等の場合の3種類が例示されている。これらの歩行時系列データは、いずれも、条件によって特徴のある波形を示す。この図5(a)に示す時系列データをDFA(Derivative Fractal Analysis)を用いて揺らぎ解析すると、図5(b)に示すデータが得られる。
【0075】
図5(b)は歩数と揺らぎとの関係を示す図であり、縦軸および横軸はともにLogプロット(常用対数Log10プロットを意味する。以下、同様である。)されたものである。この図5(b)に示す3種類の直線(直線的にプロットされるもの)または曲線は、それぞれ、図5(a)に示す3種類の歩行時系列データに対応するものである。ここで、各プロット形状は、以下に述べるように、健常歩行時は傾きがほぼ1の直線が得られ、この場合は1/f揺らぎと呼ばれる状態である。また、老化,疾病時の場合は傾きが0.5の直線が得られ、この場合は白色雑音と呼ばれる状態である。さらに、規則歩行時は傾きが0に近い直線が得られる。
【0076】
従って、揺らぎ解析を用いることにより、特徴的な直線的な形態が得られるので、解析者は被験者の歩行状態を知ることができる。この揺らぎ解析は、フラクタル解析とも呼ばれる。この揺らぎ解析についてさらに詳述する。
随意運動により発生する生体リズムは、脊髄を含む脳神経回路に存在するCPGにより制御されていると考えられている。その周期は常に一定ではなく、生体状態または周囲の環境変化の影響を受けて、微妙に変化する。その変化を定量的に解析する予法の一つが、フラクタル解析である。
【0077】
このフラクタル解析方法は、まず、原データを再現するために十分なサンプリング周期でサンプリングされた生体リズム信号の変化から、生体リズムの周期を抽出する。そして、信号変化がピークをもった繰り返し波形であるならば、そのピーク間の時間間隔を計算することにより、生体リズムの周期の変化を抽出する。さらに、生体リズムの周期の時系列データに対して、フラクタル解析が行なわれる。
【0078】
図6(a)〜図6(d)はそれぞれフラクタル解析方法の一例を説明するための図である。
(4)データ解析
(4−1)時系列データの取得
図6(a)は被験者からステップ時間ごとの時系列データを取得する方法を示す図である。被験者が歩行中に腰背部中央部にて計測される上下方向の加速度波形には、片方の足の踵が地面に接触した瞬間に、身体が地面から受ける反力のピークが現れる。このため、そのビーク間隔から、右足−右足間、または左足−左足間の歩行間隔の時系列データを得るようにする。
【0079】
この時系列データは、一般に、生体信号リズムを多く含み、かつ平均値や分散値等の統計量が、時間とともに変化する信号であって非定常的な信号である。このため、解析者は、まず、生体信号からノイズとトレンド(時間的推移)とを除去する。
更に詳述すると、このトレンドとは、1つの時間波形が有する平均値,分散値等の2次の統計量が時間とともに、徐々に増加(減少)することを意味する。よく知られているように、解析者は、多人数からステップ時間のサンプル波形データを得た後に、正確を期すため、それらのサンプル波形データの統計量についてのアンサンブル平均を得るべきである。ところが、この作業は困難なので、統計量を得るために、一個のサンプル波形データから統計量を得て近似値として使用する。しかし、このサンプル波形データは、非定常であって、前記近似値を使用できる条件は、弱定常性(または強定常性)である。従って、解析者は、これを満たすように原波形データから前記トレンド成分を除去する必要がある。
【0080】
なお、他の取得方法として、そのピーク位置に対応して前後方向の加速度波形に急激な変化が現れることを利用して、その加速度波形が最も急激に変化する個所を抽出しその間隔を求めて歩行間隔としてもよい。
(4−2)揺らぎの計算
解析者は、その後、図6(b)に示すように、時間軸方向にサイズ可変なウィンドウを設定し、そのウィンドウ内における信号の揺らぎの大きさを計算する。具体例として、次の式(5−1)により、ノイズを除去して、式(5−2)によりトレンド除去後の揺らぎの計算を実行する。
【0081】
【数1】
Figure 0003965299
【0082】
【数2】
Figure 0003965299
【0083】
この式(5−1)において、g(k)は平均ゼロの周期時系列データの積算値、kは2以上の自然数、jはk以下の自然数、X(i)は生体リズムの周期(間隔)の時系列データ、Xavgはその平均値をそれぞれ表す。また、式(5−2)において、S(n)はトレンド除去後の摘らぎの大きさ、Nはデータの総数、gn(k)は時間軸のウィンドウ幅をnとしたときの直線トレンドをそれぞれ表し、Σは総和を表す。
【0084】
なお、式(5−1)および式(5−2)は一例であって、Log10(n)プロットの傾きが所定値にあるときの横軸の範囲(後述するSL,SH)について、例えばべき乗または係数を乗じて演算する等の数値処理を行なって実施することもできる。
得られた揺らぎ成分S(n)と、ウィンドウサイズnのLog−Logプロットは、データが長期の相関をもった時系列データであれば、傾き0.5〜1.0の直線であり、ホワイトノイズであれば、傾き0.5の直線であり、また、ブラウンノイズであるときは、傾き1.5の直線となることが知られている。そして、理想的な1/f揺らぎの場合は、傾きは1.0となる。
【0085】
一般に生体リズムの場合、このプロットが完璧な直線になることはないので、局所的な傾きを得るために、解析者は、揺らぎ成分S(n)と、ウィンドウサイズnのLog−Logプロットの微分プロットとを作成し、フラクタル性を評価するようにしている。例えば、生体リズムが何らかの規則性を有する場合は、その微分プロットは、その周期に相当するウィンドウサイズnの近辺における局所的傾きが減少し、0に近づくようになっている。
【0086】
この1/f揺らぎは、人がハイキング等を行なっているときにリラックスした状態になったとき等に観察される。例えば、同一環境において、大人と子供とを一緒に歩行させると、子供はリラックスした状態になる。また、人は1/f揺らぎ音楽を聴くと、身体に癒し効果を与えることも知られている。
ところで、歩行についてはハイキングの場合と異なり、人は他人から「1,2」と声をかけられながら歩行すると、人はストレスを感じることが知られている。このため、人が活動するときは、リラックスした状態と所定の程度を有するストレスを感じた状態とのバランスが必要である。
【0087】
(4−3)歩行間隔の時系列に対するフラクタル解析
解析者は、前記歩行間隔の時系列に対して、フラクタル解析を行ない、その結果を揺らぎ成分S(n)とウィンドウサイズnとのLog−Logプロットとして表示する。例えば、図6(c)および後述する図11(a),(b)〜図14(a),(b)にそれぞれ示すプロットが得られる。この図6(c)に符号1を付したものは通常歩行時のプロットであり、また、符号2,3を付したものはいずれも被験者が音楽を聴きながら歩行(音楽歩行)したときのプロットであり、これらのプロットは、傾きが直線的になっている範囲が含まれる。
【0088】
(4−4)硬直性の解消度および制御性の向上度の評価
図6(d)は図6(c)に示す曲線のLog(S(n))の微分値をプロットした図である。解析者は、この曲線の、軸Log10(n)の値が、0.6〜1.0の領域における平均の傾きをSLとし、また、1.2〜1.5の領域における平均の傾きをSHとする。そして、被験者が音楽を聴くことによる心身状態の変化の指標として、硬直性の解消度(=リラックス度)と制御性の向上度(=ストレス度)とを、次の式(5−3)および式(5−4)のように定義する。
【0089】
硬直性の解消度=(音楽を聴いたときのSL−音楽を聴かないときのSL)÷(1−音楽を聴かないときのSL) (5−3)
制御性の向上度=(音楽を聴かないときのSH−音楽を聴いたときのSH)÷(音楽を聰かないときのSH) (5−4)
このようにして、原波形データから、揺らぎ成分S(n)が得られ、また、揺らぎ成分S(n)のLogプロットの微分値を計算することによって、音楽歩行時における心身状態が得られるのである。
【0090】
上述のごとく構成された調整装置10を用いた、心身状態の評価方法および同調整方法について、図7〜図10を参照して詳述する。
この心身状態を評価するに当たり、被験者は、予め、自分自身の心身状態を検査される。
図7は本発明の一実施形態に係る心身状態の検査方法の一例を説明するためのフローチャートである。被験者は例えば通勤リズムを測定され(ステップA1)、そのリズムを用いてフラクタル解析され(ステップA2)、そして、心身状態が算出される(ステップA3)。
【0091】
ここで、心身状態の算出とは、「リラックスしている」,「ストレスを感じている」等の心身状態または健康度を細分化したデータを得ることを意味し、各心身状態を段階的に数値化して、被験者がどの段階の心身状態にあるかを検査することである。解析者は、予め心身状態について、「リラックスしている」は段階1、「ややリラックスしている」は段階2、「ややストレスを感じている」は段階3、「ストレスを感じている」は段階4であると割り当てて分類するのである。また、この分類は一例であって、分類をさらに細分化する等、種々変更して実施できる。
【0092】
そして、各被験者は、この心身状態を、例えば月の初日に検査し、その日の心身状態がデータベース50の生体リズム情報記録部50aに記録される。また、月の最後の日およびそれらの中間の日における心身状態がデータベース化されるのである。さらに、1日における心身状態の変化を知るためには、数時間ごとに、被験者はこの検査によって自身の心身状態を得ることもできる。
【0093】
図8は本発明の一実施形態に係る刺激による心身状態の変化の評価方法を説明するためのフローチャートである。ここで、図8に示すAを付したものは図7に示す処理フローチャートと同一のものであって、予めこの処理を行なうことによって、生体の心身状態または健康度が得られる。次に、被験者は刺激を受けている状態における運動のリズムを測定され(ステップB1)、そのリズムを用いてフラクタル解析され(ステップB2)、心身状態が算出される(ステップB3)。
【0094】
換言すれば、解析者は、最初に、生体の移動を伴う随意運動を行ないながら心身状態を調整するための刺激を被験者に与え、随意運動による筋肉の繰り返しリズム運動を検知できる部位に生体リズム検出部12を取り付けて、繰り返しリズム運動に伴う筋肉の動きを非侵襲的に生体リズム情報として測定する。続いて、解析者はその得た生体リズム情報を記録または保持する。
【0095】
なお、これら2種類の測定の順番は入れ替え可能であって、解析者は被験者が随意運動を行なう前に被験者に刺激を与えて、その後、随意運動を行なっているときの心身状態を算出することもできる。従って、予めデータベース化された情報と被験者が入力した情報との2種類のデータが、測定のために用いられているのである。
【0096】
換言すれば、生体リズム情報記録部50aが記録する情報は、所定の条件または所定の環境下にて検出された生体リズムを処理して得られる第1の生体リズム情報である。また、有刺激生体リズム情報記録部50bが記録する情報は、前記第1の生体リズム情報を検出したときの条件または環境とは異なる条件または環境下にて検出された生体リズムを処理して得られる第2の生体リズム情報である。そして、評価部16bが、これらの第1の生体リズム情報と第2の生体リズム情報とに基づいて、生体の心身状態の変化を評価するように構成することもできる。これにより、やはり、音楽のみならず、視覚,嗅覚または味覚等の五感を用いて得られた情報を用いて比較することもできる。
【0097】
次に、ステップB4において、通常運動のときと刺激を受けているときとの心身状態が比較され、差異があるときは「差あり」と付されたルートを通り変化有りと認定される(ステップB6)。一方、ステップB4において、差異がないときは「差なし」と付されたルートを通り変化無しと認定される(ステップB5)。
【0098】
換言すれば、解析者は、生体リズム情報をデータ解析し、そのデータ解析されたデータと、その被験者自身の過去のデータまたは他者のデータとを比較するのである。このように、被験者は、刺激による心身状態の変化を検査される。
次に、健康度を上昇させる刺激(音楽)をデータベース化して利用する方法および心身状態を向上させる方法について図9を用いて説明する。
【0099】
図9は本発明の一実施形態に係るデータベース化とその利用方法の一例を説明するためのフローチャートである。被験者は一つの刺激(楽曲)の心身状態の変化を検査され(ステップC1)、心身状態が変化したか否かがチェックされる(ステップC2)。ここで、心身状態が変化した場合はYesルートを通り、データベースにその刺激(楽曲)データ、心身状態データを追加される(ステップC3)。また、ステップC2において、心身状態が変化しない場合はNoルートを通り、およびステップC3の処理が行なわれた後は、ステップC4において、すべての刺激(楽曲)について検査したか否かがチェックされ、すべての検査が終了していない間は、Noルートを通り、ステップC1以降の処理が繰り返され、また、すべての検査が終了した場合には、Yesルートを通り処理が終了する。
【0100】
このように、音楽集と各個人とが関連付けられてデータベース50が作成され、心身状態の測定および調整を行なう前に、各個人の調査が行なわれる。また、これにより、各個人の健康度を上昇させるための刺激(音楽)がデータベース化される。
次に、調整装置10は、検査により得られた生体の心身状態を用いて、心身状態を向上させる。
【0101】
図10は本発明の一実施形態に係る心身状態を向上させる方法の一例を説明するためのフローチャートである。
被験者または解析者は、現在の心身状態を入力し(ステップD1)、調整装置10は、データベースから現在の心身状態の向上に合った刺激(楽曲)の一覧を作成し(ステップD2)、刺激(楽曲)の一覧を被験者に対して表示する(ステップD3)。そして、被験者は、刺激(楽曲)を選択し、再生方法を指定すると(ステップD4)、被験者はヘッドフォンステレオ17によって刺激(楽曲)が再生されるのである(ステップD5)。
【0102】
従って、本発明の心身状態の調整方法は、調整装置10が、随意運動を行ないながらまたは随意運動を行なう前に生体の心身状態に刺激を与える(刺激付与ステップ)。
そして、調整装置10が、刺激を与えられていない状態における無刺激生体リズム情報を、随意運動による繰り返しリズム運動時における筋肉の動きを非侵襲的に計測することにより生成し(無刺激生体リズム情報生成ステップ)、無刺激生体リズム情報を生体リズム情報記録部50aに記録する(記録ステップ)。
【0103】
調整装置10は、刺激を与えられた状態における有刺激生体リズム情報を、随意運動による繰り返しリズム運動時における筋肉の動きを非侵襲的に計測することにより生成し(有刺激生体リズム情報生成ステップ)、無刺激生体リズム情報をデータ解析し被験者の過去のデータまたは被験者と異なる他者の情報データと比較し(比較ステップ)、比較により生体の心身状態の変化を評価し(評価ステップ)、評価ステップにおける心身状態の評価結果に基づいて刺激付与ステップの刺激を変更する(刺激変更ステップ)。
【0104】
このように、被験者は、検査または測定のときに身体を拘束されずに、心身状態を評価できる。これにより、被験者は、リラックスした状態を得られ、また、心身状態を向上させることができ、その効果を客観的、定量的に評価できる。
そして、このように、誰もが容易に、かつ、環境を選ばずに非侵襲的に、心身状態を評価し、心身状態を調整できる。
【0105】
【実施例】
以下の説明においては、心身状態を調整する刺激を音楽とし、また、随意運動を歩行とし、以下に示すように生体リズムを測定する。
被験者は、小型のひずみゲージ式加速度センサー(上下、左右、前後の3軸測定、測定樋囲は±5G)を、被験者の腰背部中央部に違和感を与えずに取り付けて、歩行時の腰背部における加速度を1kHzのサンプリング周期で計測する。
【0106】
ここで、被験者の歩行場所は、階段等の激しい上り下りがない場所であることが望ましく、その場所に多少の起伏または段差があってもよい。歩行場所の一例として、公園内,自宅、またはオフィス周辺の道路等を利用する。被験者の靴は日頃履き慣れたものを使用し、また、被験者には約5分間歩行させて、その間の歩行リズムを測定する。
【0107】
ここで、音楽刺激を与える場合は、被験者は、ヘッドフォンステレオ17によって再生された楽曲を、ヘツドフォンを用いて聴きながら歩行する。そのとき、被験者は、歩行リズムを意識的に音楽に合わせる必要はなく、被験者自信にとって自然なスピードおよびリズムで歩行する。
データ解析に当たり、前記したように、加速度波形のビーク間隔から、右足−右足間、または左足−左足間の歩行間隔の時系列データが得られる。あるいは、その加速度波形が最も急激に変化する個所を抽出しその間隔を求めて歩行間隔とするようにもできる。解析者は、この歩行間隔の時系列に対して、フラクタル解析を行なう。
【0108】
図11(a),(b)はともに音楽を聴かない場合の結果を示す図であり、図12(a),(b)はともに軍艦マーチ(行進曲「軍艦」、作曲:瀬戸口藤吉、演奏:海上自衛隊東京音楽隊、指揮:谷村政次郎、CD:KICX8556、以下、軍艦マーチと略する。)を聴いた場合の結果を示す図であり、図13(a),(b)はともにモーツァルトの弦楽四重奏曲(弦楽四重奏曲第14番ト長調K.387「春」、第1楽章アレグロ、ヴィヴァーチェ、アッサイ、作曲:ヴォルフガング・モーツァルト、演奏:アルバン・ペルグ四重奏団、CD:MFCC34、以下、モーツァルトの弦楽四重奏曲と略する。)を聴いた場合の結果を示す図であり、そして、図14(a),(b)はともに環境音楽曲(トワイライト、作曲演奏:小久保隆、CD:TECD20330、以下、環境音楽曲と略する。)を聴いた場合の結果を示す図である。これらのプロットは、いずれも、同一被験者(男性)についての4回の実験結果を重ねてプロットしたものである。
【0109】
ここで、図11(a)、図12(a)、図13(a)および図14(a)はそれぞれ揺らぎ成分S(n)とウィンドウサイズnとのLog−Logプロットを示す図である。図11(a)〜図14(a)に示す横軸はLog10(n)であり、また、縦軸はS(n)である。
また、図11(b)、図12(b)、図13(b)および図14(b)は、それぞれ、図11(a)〜図14(a)に示すプロットを微分して得たものである。図11(b)〜図14(b)に示す横軸はLog(n)であり、また、縦軸はd(LogS(n))/d(Log(n))であり、LogS(n)をLog(n)について微分した値を意味する。
【0110】
以下、特に、微分プロットである図11(b)〜図14(b)に着目して説明する。
まず、図11(b)に示す音楽刺激がない場合は、曲線の縦軸の値(微分値)が約0.5から開始し、右肩上がりで1(ほぼ健康な値を表す。)に近づく傾向にある。ここで、0.5という小さい値は、歩数が10歩以下のスケールであることを意味し、歩行がやや規則的になっていることを示している。これは、被験者が一定のリズムで歩こうとする習慣が無意識的に現れたものと考えられ、成人に典型的に見られる特徴である。しかし、長期的な(歩数の大きい)領域では、そのような規則性が崩れて正の相関が現れて、1/f揺らぎ的な傾向を示している。
【0111】
また、図12(b)に示す軍艦マーチを聴いた場合は、曲線(微分値)は横軸のスケールにほとんど依存せず、0.6近辺に集約されている。この理由は、軍艦マーチの規則的リズムに歩行リズムが同調し、1/f揺らぎ性が減少したからである。また、微分値は1から遠ざかっている。
さらに、図13(b)に示すモーツァルトの弦楽四重奏曲を聴いた場合、微分値は初期値から0.8近辺の非常に高い値を示す。これは、習慣として被験者の体に染み込んでいた規則的歩行リズムが音楽刺激により解消され、1/f揺らぎ性が回復していることを意味する。
【0112】
最後に、図14(b)に示す環境音楽曲を聴いた場合は、右肩下がりの傾向を示す。これは、歩行リズムが無意識的に音楽リズムにほぼ完全に引き込まれ、長時間にわたって規則性が維持されていることを意味する。このパターンと類似のパターンは、メトロノームのリズムに合わせて歩行する場合に得られるが、メトロノームを聴いたときの歩行は、被験者が拍子を外すまいとする精神的ストレスによるところが大きい。
【0113】
これに対して、音楽の場合は、被験者が意識的に努力をしなくても歩行に規則性をもたせることができるという利点がある。
以上の特徴は、4回の実験結果が示すように、良好な再現性を示した。
このように、音楽によって、実際に、生体の心身状態の変化が起こり、しかもその変化の度合いが音楽の種類に依存していることがわかる。
【0114】
従って、生体への穏やかな刺激により生体リズムの振る舞いを調整することによって、心身状態の調整が実現される。
このようにして、誰もが容易に、かつ環境を選ばずに心身状態を調整し、しかもその効果を客観的・定量的に評価できる。
また、解析者は、硬直性の解消度および制御性の向上度のそれぞれの値について、0.2以下の場合を、効果小(−)、0.2〜0.5の場合を効果中(△)、0.5以上の場合を効果大(○)と判定する。
【0115】
【表1】
Figure 0003965299
【0116】
表1は、40歳代男性を被験者として、3種類の音楽を聴かせたときの結果を示すものである。3種類の音楽は、軍艦マーチと、モーツァルトの弦楽四重奏曲と、ある環境音楽曲である。
本発明は上述した実施態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。例えば、次の(6−1)〜(6−4)に示すようにもできる。
【0117】
(6−1)第1の変形例
図2,図3において、情報収集部14と情報処理部16とは一体であってもよく、情報収集部14にて生体リズム情報が記録された後に、この記録された生体リズム情報が情報処理部16に接続されてもよい、この接続とは、メモリーカードのような取り外し可能な記録媒体を情報収集部14から情報処理部16に移す態様でもよい。無線もしくは電話線,光ファイバー等の有線を用いて情報処理部16に送信するように構成することもできる。
【0118】
そして、図2に示す情報処理部16とヘッドフォンステレオ17とが、一体であってもよく、情報処理部16とヘッドフォンステレオ17との間の情報伝達を、無線および有線を用いて行なってもよい。あるいは、取り外し可能な記録媒体等その他の態様によってもよい。
(6−2)第2の変形例の説明
また、図3において、生体リズム検出部12と情報収集部14とは一体形成してもよく、あるいは、生体リズム検出部12と情報収集部14との間を無線等により接続し、生体リズム検出部12が検出したデータを、無線送受信回路(図示省略)にて無線信号に変換して情報収集部14に逐次送信するようにしてもよい。具体的には、生体リズム検出部12に、微弱電波等を用いた無線通信機能を設けて、生体リズム検出部12が、離れた場所に設置された情報収集部14に接続できるようにする。そして、携帯電話等の無線通信機能をもつ携帯端末(例えば、以下に示す図15参照)と生体リズム検出部12とを何らかの方法で接続し、その携帯端末が、その通信機能を用いて遠隔地の情報収集部14に接続するのである。このようにすれば、被験者は、生体リズム検出部12の機能を有する装置を携帯すればよく、また、調整装置10または評価装置9を構成する機器の減少を図ることができ、装置全体として携帯性を向上できる。
【0119】
図15は本発明の一実施形態の第2の変形例に係る心身状態の調整を実現するための構成図である。この図15に示す楽曲配信システム32は、個人端末10aおよびヘッドフォンステレオ17を有する被験者と、無線基地局30と、ネットワーク33と、配信センター31とをそなえて構成されている。
ここで、個人端末10aは上述した調整装置の各機能を有する携帯電話または携帯端末,PDA(Personal Digital Assistants)機器等である。換言すれば、情報収集部14は、生体リズム検出部12との間において、Bluetooth(商品名または役務名を表す。)等の無線通信プロトコルを用いて接続し、これにより、構成機器を減らして全体として携帯性を向上させるのである。
【0120】
ここで、Bluetoothとは、10〜100m(メートル)程度の範囲の通信を可能とするプロトコルであって、無線ネットワークにおいて、親機と最大7台の子機とが通信できるように規定されたものである。また、親機と複数の子機とから形成されるネットワークは、ピコネットと呼ばれ、子機は複数のピコネットに属することも可能である。
【0121】
また、ネットワーク33は主に携帯電話用のデータ通信網であり、無線基地局30は携帯電話と無線通信しデータ変換してネットワーク33と有線通信するものである。また、配信センター31は、複数の楽曲データを有し個人端末10aに対してその楽曲の一覧を作成して送信する機能と楽曲を選択する機能とを有する。配信センター31は、データを送受信する送受信部31aと、楽曲データを保持するデータベース31bと、個人端末10aから送信された心身状態のデータに基づいて楽曲の一覧を作成する楽曲一覧作成部31cと、個人端末10aから送信された楽曲一覧よりデータベース化された楽曲を選択して出力する楽曲選択部31dとをそなえて構成されている。
【0122】
このような構成によって、図16に示す心身状態の調整が行なわれる。図16は本発明の一実施形態の第2の変形例に係る心身状態の調整を説明するためのフローチャートである。被験者は、まず、個人端末10aに、現在の心身状態を入力し(ステップP1)、その心身状態がデータ化されて、配信センター31に送信される。ここで、配信センター31は、受信待ちの状態において、個人端末10aからの送信データを受信すると、受信した心身状態の向上に合った楽曲一覧を作成し(ステップP11)、その楽曲一覧データを個人端末10aに対して送信する。
【0123】
個人端末10aは、その楽曲一覧データを受信すると、ディスプレイ(図示省略)にその内容を表示する(ステップP2)。ここで、個人端末10aは、被験者に対して楽曲の選択再生方法を表示する。この選択再生方法とは、楽曲の順番,繰り返し等を指定するための方法を意味する。被験者が、楽曲の選択再生方法を指定すると(ステップP3)、指定された楽曲一覧データが配信センター31に送信され、ステップP12において、配信センター31は、受信した楽曲一覧より、データベース化された楽曲を選択し、データ化された楽曲を個人端末10aに対して送信し、再度、受信待ちの状態になる。
【0124】
一方、被験者は、そのデータを受信すると、指定された再生方法による楽曲を再生し(ステップP4)、心身状態が向上する。
このように、被験者に関する心身状態のデータを予めデータベース化しておくことによって、被験者は、所望の時間、時期に、心身状態を検査でき、あるいは、心身状態を調整できる。
【0125】
(6−3)第3の変形例の説明
上述した情報収集部14(図2)にて生体リズム情報が記録された後に、この記録された生体リズム情報が情報処理部16に接続されるようにしてもよい、この接続は、メモリーカードのような取り外し可能な記録媒体を用いて、情報処理部16にデータを伝送するようにもできる。この記録媒体は、パーソナルコンピュータ(パソコン)やワークステーション(以下、コンピュータと称する。)を、上記の各部を機能させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能なものである。
【0126】
この記録媒体は、コンピュータを、生体の生体リズムを処理して得られる生体リズム情報を記録する生体リズム情報記録部50aと、生体リズム検出部12にて生体に刺激を与えられた状態において検出された有刺激生体リズムを処理して得られる有刺激生体リズム情報を記録する有刺激生体リズム情報記録部50bと、生体リズム情報記録部50aに記録された生体リズム情報と有刺激生体リズム情報記録部50bに記録された有刺激生体リズム情報とに基づいて、生体の心身状態の変化を評価する評価部として機能させるためのプログラムが記録されている。
【0127】
さらに、その記録媒体は、コンピュータを、生体の生体リズムを処理して得られる生体リズム情報を記録する生体リズム情報記録部50aと、生体リズム検出部12にて生体に刺激を与えられた状態において検出された有刺激生体リズムを処理して得られる有刺激生体リズム情報を記録する有刺激生体リズム情報記録部50bと、生体リズム情報記録部50aに記録された生体リズム情報と有刺激生体リズム情報記録部50bに記録された有刺激生体リズム情報とのうちの少なくとも一方に基づいてデータ解析する解析部として機能させるためのプログラムが記録されている。
【0128】
また、その記録媒体は、コンピュータを、生体の生体リズムを処理して得られる生体リズム情報を記録する生体リズム情報記録部50aと、生体の心身状態に刺激を与える刺激付与部と、ヘッドフォンステレオ17が生体に刺激を与えた状態において生体リズム検出部12にて検出された有刺激生体リズムを処理して得られる有刺激生体リズム情報を記録する有刺激生体リズム情報記録部50bと、生体リズム情報記録部50aに記録された生体リズム情報と有刺激生体リズム情報記録部50bに記録された有刺激生体リズム情報とに基づいて、生体の心身状態の変化を評価する評価部16bと、評価部16bにおける評価結果に基づいてヘッドフォンステレオ17の刺激を変更する刺激変更部として機能させるためのプログラムが記録されている。
【0129】
この記録媒体によれば、上記の効果に加えて、頒布が容易となり、例えば、データメモリ等を用いて、より詳細な測定,評価および調整が可能なソフトウェアを用いることもできる。
(6−4)第4の変形例の説明
また、刺激は、聴覚による刺激のほかに、映像等を組み合わせることもできる。
【0130】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の心身状態の調整装置(請求項1〜12)によれば、被験者は、検査または測定のときに身体を拘束されずに、心身状態を評価できる。これにより、被験者は、リラックスした状態を得られ、また、心身状態を向上させることができ、その効果を客観的、定量的に評価できる。
そして、このように、誰もが容易に、かつ、環境を選ばずに非侵襲的に、心身状態を評価し、心身状態を調整できる。
【0134】
た、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体(請求項13)によれば、コンピュータを、生体の随意運動に伴う生体リズムに起因する生体リズム情報を記録する生体リズム情報記録部と、生体の心身状態に刺激を与える刺激付与部と、刺激付与部が生体に刺激を与えた状態において生体リズム検出部にて検出された有刺激生体リズムに起因する有刺激生体リズム情報を記録する有刺激生体リズム情報記録部と、生体リズム情報記録部に記録された生体リズム情報と有刺激生体リズム情報記録部に記録された有刺激生体リズム情報とに基づいて、生体の心身状態の変化を評価する評価部と、評価部における評価結果に基づいて刺激付与部の刺激を変更する刺激変更部として機能させるためのプログラムが記録されているので、頒布が容易となり、例えば、データメモリ等を用いて、より詳細な測定,評価および調整が可能なソフトウェアを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施形態に係る心身状態の調整装置の使用態様を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る調整装置のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る情報収集部のブロック図である。
【図4】(a)〜(c)はいずれも本発明の一実施形態に係る歩行リズムの計測方法を説明するための図である。
【図5】(a)は歩行時系列データの一例を示す図であり、(b)は歩数と揺らぎとの関係を示す図である。
【図6】(a)〜(d)はそれぞれフラクタル解析方法の一例を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る心身状態の検査方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る刺激による心身状態の変化の評価方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係るデータベース化とその利用方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る心身状態を向上させる方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図11】(a),(b)はともに音楽を聴かない場合の結果を示す図である。
【図12】(a),(b)はともに軍艦マーチを聴いた場合の結果を示す図である。
【図13】(a),(b)はともにモーツァルトの弦楽四重奏曲を聴いた場合の結果を示す図である。
【図14】(a),(b)はともに環境音楽曲を聴いた場合の結果を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態の第2の変形例に係る心身状態の調整を実現するための構成図である。
【図16】本発明の一実施形態の第2の変形例に係る心身状態の調整を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
9 心身状態の評価装置
10 心身状態の調整装置
10a 個人端末
12 生体リズム検出部
12a データロガー
14 情報収集部(情報処理装置)
16 情報処理部
16a 解析部
16b 評価部
16c 刺激変更部
18 情報出力部
17 ヘッドフォンステレオ
20a〜20c 入力部
22 中央演算部
24 記憶部
30 無線基地局
31 配信センター
32 楽曲配信システム
50 データベース
50a 生体リズム情報記録部
50b 有刺激生体リズム情報記録部
50c 音楽集データ記録部

Claims (13)

  1. 生体の随意運動に伴う生体リズムを検出する生体リズム検出部と、
    該生体リズム検出部にて検出された生体リズムに起因する生体リズム情報を記録する生体リズム情報記録部と、
    生体の心身状態に刺激を与える刺激付与部と、
    該刺激付与部が該生体に刺激を与えた状態において該生体リズム検出部にて検出された有刺激生体リズムに起因する有刺激生体リズム情報を記録する有刺激生体リズム情報記録部と、
    該生体リズム情報記録部に記録された生体リズム情報と該有刺激生体リズム情報記録部に記録された有刺激生体リズム情報とに基づいて、生体の心身状態の変化を評価する評価部と、
    該評価部における評価結果に基づいて該刺激付与部の刺激を変更する刺激変更部とをそなえて構成されたことを特徴とする、心身状態の調整装置。
  2. 該生体リズム検出部が、該生体の歩行運動に伴う生体リズムを検出する
    ことを特徴とする、請求項1記載の心身状態の調整装置。
  3. 該有刺激生体リズム情報記録が、繰り返しリズム運動時における筋肉の動きを非侵襲的に計測することにより、該有刺激生体リズム情報を生成するように構成された
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の心身状態の調整装置。
  4. 該生体リズム検出部が、繰り返しリズム運動時における筋肉の動きの加速度を用いて該有刺激生体リズム情報を生成しその有刺激生体リズム情報を該有刺激生体リズム情報記録部に記録するように構成された
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の心身状態の調整装置。
  5. 評価部が、該生体リズム情報と該有刺激生体リズム情報とのうちの少なくとも何れか一方に対し、フラクタル解析法を用いてデータ解析を行ない、該心身状態の変化を評価する
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の心身状態の調整装置。
  6. 該刺激付与部が、音,音楽及び振動からなる群より選ばれる1以上の刺激を該生体に与えるように構成された
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の心身状態の調整装置。
  7. 該刺激付与が、該生体の聴覚を用いて該生体に刺激を与えるように構成された
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の心身状態の調整装置。
  8. 該刺激変更部が、
    該評価部の評価に基づいて、複数の刺激データから所定の刺激データを選択することにより、該刺激付与部の刺激を変更するように構成された
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の心身状態の調整装置。
  9. 該刺激変更部が、
    該所定の刺激データの選択に際し、以下の(1)〜(3)の何れかの手段を用いることを特徴とする、請求項8記載の心身状態の調整装置。
    (1)該生体自らの好みに応じ該生体により手動で入力される刺激データを選択する手段
    (2)予め保持された過去の該複数の刺激データの中から所望のデータを自動的に選択する手段
    (3)該評価部で評価された現在の該心身状態に基づいて所望のデータを自動的に選択する手段
  10. 該生体リズム情報記録部又は該有刺激生体リズム情報記録部が、該評価部に対して取り外し可能に設けられている
    ことを特徴とする、請求項1〜9の何れか1項に記載の心身状態の調整装置。
  11. 該刺激付与部が、該刺激変更部に対して取り外し可能に設けられている
    ことを特徴とする、請求項1〜10の何れか1項に記載の心身状態の調整装置。
  12. 該生体リズム検出部が、該生体リズム情報記録部又は該有刺激生体リズム情報記録部に対して取り外し可能に設けられている
    ことを特徴とする、請求項1〜11の何れか1項に記載の心身状態調整装置。
  13. コンピュータを、
    生体の随意運動に伴う生体リズムに起因する生体リズム情報を記録する生体リズム情報記録部と、
    生体の心身状態に刺激を与える刺激付与部と、
    該刺激付与部が該生体に刺激を与えた状態において該生体リズム検出部にて検出された有刺激生体リズムに起因する有刺激生体リズム情報を記録する有刺激生体リズム情報記録部と、
    該生体リズム情報記録部に記録された生体リズム情報と該有刺激生体リズム情報記録部に記録された有刺激生体リズム情報とに基づいて、生体の心身状態の変化を評価する評価部と、
    該評価部における評価結果に基づいて該刺激付与部の刺激を変更する刺激変更部として機能させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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