JP2003318649A - 進行波合成アレーアンテナ装置 - Google Patents

進行波合成アレーアンテナ装置

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JP2003318649A
JP2003318649A JP2003012217A JP2003012217A JP2003318649A JP 2003318649 A JP2003318649 A JP 2003318649A JP 2003012217 A JP2003012217 A JP 2003012217A JP 2003012217 A JP2003012217 A JP 2003012217A JP 2003318649 A JP2003318649 A JP 2003318649A
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antenna
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俊浩 寺岡
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Jiro Hirokawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数変化に対して放射指向特性の主ビーム
方向の変動量を抑える。 【解決手段】 進行波アレーアンテナ1は給電線路11
に沿って設けられた複数のアンテナ素子51−1乃至5
1−Nを備え、所定の主ビーム半値幅を有し、進行波ア
レーアンテナ2に比較して低いサイドローブレベルの放
射指向特性を有する。進行波アレーアンテナ2は給電線
路12に沿って設けられた複数のアンテナ素子52−1
乃至52−Mを備え所定の放射指向特性を有する。電力
分配器21は、入力される送信信号を2分配してそれぞ
れ進行波アレーアンテナ1,2に給電する。2つの進行
波アレーアンテナ1,2は、所定の周波数変化に対する
進行波アレーアンテナ1から放射される送信信号の電磁
波の主ビームの放射角度の変動量と、上記周波数変化に
対する進行波アレーアンテナ2から放射される送信信号
の電磁波の主ビームの放射角度の変動量とが互いに実質
的に相殺されるように並置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波帯、準
ミリ波帯、ミリ波帯などの帯域で使用され、2つの進行
波アレーアンテナを備えて構成される進行波合成アレー
アンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波帯、準ミリ波帯、ミリ波帯な
どの無線通信システムにおいて、アンテナ素子を給電線
路に沿って並置して構成された進行波アレーアンテナが
広く用いられている。この進行波アレーアンテナにおい
ては、送信信号のエネルギーは給電線路に沿ってその終
端部に向かって進行し、そのエネルギーの一部を順次放
射することにより所定の方向に送信している。この進行
波アレーアンテナは、給電線路の回路設計が比較的容易
であるという特徴を有している。
【0003】図28は、従来例に係る進行波アレーアン
テナ装置504の構成を示す回路図である。図28にお
いて、進行波アレーアンテナ装置504は、給電線路5
02上にその長手方向に沿って、複数のアンテナ素子5
03が並置されて構成されている。ここで、給電部50
1を介して入力された電磁波は、給電線路502をその
終端部に向かって矢印502aの方向で進行し、複数の
アンテナ素子503の各々に順次給電することにより、
各アンテナ素子503から所定の放射方向に電磁波が放
射される。
【0004】この進行波アレーアンテナ504の各アン
テナ素子503の大きさや形状を変化させることによ
り、各アンテナ素子503の励振振幅を制御できる一
方、各アンテナ素子503の素子間距離を変化させるこ
とにより、各アンテナ素子503の励振位相を制御でき
る。これら励振振幅と励振位相を含む励振係数を制御す
ることにより、所望の放射指向特性を得ることができ
る。
【0005】例えば、いわゆるFWA(Fixed Wireless
Access)と呼ばれる加入者無線方式のための基地局ア
ンテナにおいては、垂直面放射指向特性を成形するため
にアレーアンテナを用いることが多く、そのアレーアン
テナの励振係数を制御し、コセカント2乗曲線の垂直面
放射指向特性にすることにより、各加入者無線局に対し
て、実質的に同一の電力を送受信できるようにしてい
る。
【0006】図29は、図28の進行波アレーアンテナ
装置の一例であって、導波管スロットアレーアンテナ装
置508の構成を示す斜視図である。図29において、
導波管スロットアレーアンテナ装置508は、給電線路
となる矩形導波管506の上面において複数の矩形スロ
ットを形成することによりそれぞれスロットアンテナ5
07を形成して構成され、その矩形導波管506の一方
の終端部近傍の下面に矩形形状の入力開口505を形成
し、この入力開口505に給電線路である矩形導波管5
09が連結される。
【0007】以上のように構成された導波管スロットア
レーアンテナ装置508において、送信する電磁波は無
線送信機から矩形導波管509を介して伝送された後、
入力開口505を介して矩形導波管506に入力され
る。次いで、当該電磁波は、矩形導波管506の長手方
向に沿って他方の終端部に向かって伝搬し、伝搬する電
磁波は各スロットアンテナ507の矩形スロットを介し
て放射される。
【0008】この導波管スロットアレーアンテナ装置5
08において、給電線路として矩形導波管を用いること
で、給電線路からの放射が無いため、給電線路の損失を
少なくできる。さらに、各スロットアンテナ507の矩
形スロットの長さや幅を変化することにより励振振幅を
制御でき、各矩形スロット間のアンテナ間距離を変化す
ることにより、励振位相を制御でき、これら励振振幅と
励振位相を含む励振係数を制御することにより、所望の
放射指向特性を得ることができる。従って、所望の放射
指向特性を有するアレーアンテナを形成することが容易
であるという利点がある。そのため、導波管スロットア
レーアンテナ装置508はマイクロ波帯、特にミリ波帯
において、有効なアレーアンテナ装置である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図28
及び図29に図示した従来例の構成では、送信する電磁
波の周波数が変化した場合、給電線路502内の管内波
長の変化により、伝搬する進行波のアンテナ素子503
間における位相遅れも変化する。また、導波管スロット
アレーアンテナ装置508の場合、矩形導波管506を
伝搬する進行波が各スロットアンテナ507の直下の部
分を通過するために、この通過した透過波も位相遅れを
有しており、透過位相も電磁波の周波数により変化す
る。これらの原因により、各アンテナ素子503又は5
07から放射される電磁波に与えられる位相が変化する
ため、各アンテナ素子503又は507の励振位相が変
化する。
【0010】これらのアンテナ装置504,508にお
いては、上述のごとく進行波型給電方法で給電している
ために、入力開口505近傍の給電部から遠いアンテナ
素子ほど、これらの位相変化が積み重なり、放射する電
磁波に対してより大きな位相変化を与えることになる。
従って、各アンテナ素子503又は507間の位相差に
変化が生じると、当該アンテナ装置504,508の放
射指向特性の主ビームの方向が変動することとなる。
【0011】例えば、加入者無線方式の基地局におい
て、これら進行波アレーアンテナ装置504,508を
用いる場合、主ビーム方向の変動が起きることにより、
サービスエリアの縁端部にある加入者無線局における受
信信号強度が減少するとともに、当該加入者無線局にお
ける実質的な送信信号電力が低下することになる。
【0012】本発明の目的は以上の問題点を解決し、送
信する電磁波の周波数変化に対して、放射指向特性の主
ビーム方向の変化を抑圧することができる進行波アレー
アンテナ装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る進行波合成
アレーアンテナ装置は、第1の給電線路に沿って所定の
間隔で設けられた複数の第1のアンテナ素子を備え、所
定の放射指向特性を有する第1の進行波アレーアンテナ
と、第2の給電線路に沿って所定の間隔で設けられた複
数の第2のアンテナ素子を備え、所定の半値幅の主ビー
ムを有し、上記第1の進行波アレーアンテナに比較して
低いサイドローブレベルの放射指向特性を有する第2の
進行波アレーアンテナと、入力される送信信号を2分配
して、一方の送信信号を第1の進行波アレーアンテナに
給電する一方、他方の送信信号を第2の進行波アレーア
ンテナに給電する分配手段とを備え、所定の周波数変化
に対する上記第1の進行波アレーアンテナから放射され
る送信信号の電磁波の主ビームの放射角度の変動量と、
上記周波数変化に対する上記第2の進行波アレーアンテ
ナから放射される送信信号の電磁波の主ビームの放射角
度の変動量とが互いに実質的に相殺されるように、上記
第1の給電線路を進行する送信信号の電磁波の進行方向
と、上記第2の給電線路を進行する送信信号の電磁波の
進行方向との交差角が90度を越えかつ270未満であ
るように上記第1の進行波アレーアンテナと上記第2の
進行波アレーアンテナとを並置したことを特徴とする。
【0014】ここで、上記第2の進行波アレーアンテナ
の放射指向特性は、(a)アンテナ利得の最大値を含
む、30度以内の半値幅の主ビームと、(b)上記アン
テナ利得の最大値から−20dB以下のサイドローブレ
ベルとを有することを特徴とする。
【0015】上記進行波アレーアンテナ装置において、
上記第1の給電線路を進行する送信信号の電磁波の進行
方向と、上記第2の給電線路を進行する送信信号の電磁
波の進行方向とが互いに実質的に逆向きとなるように、
上記第1の進行波アレーアンテナと上記第2の進行波ア
レーアンテナとを並置したことを特徴とする。
【0016】また、上記進行波アレーアンテナ装置にお
いて、上記第1の進行波アレーアンテナは、所定のコセ
ンカント2乗曲線の放射指向特性を有することを特徴と
する。
【0017】さらに、上記進行波アレーアンテナ装置に
おいて、上記分配手段は、上記第1の進行波アレーアン
テナに対して給電される送信信号の電力と、上記第2の
進行波アレーアンテナに対して給電される送信信号の電
力とが互いに異なるように分配する電力制御手段を含む
ことを特徴とする。
【0018】ここで、上記電力制御手段は、上記第2の
進行波アレーアンテナに対して給電される送信信号を所
定の減衰量だけ減衰させる減衰手段を含むことを特徴と
する。
【0019】上記進行波アレーアンテナ装置において、
上記第1と第2の進行波アレーアンテナはそれぞれ、導
波管スロットアレーアンテナ、誘電体導波管スロットア
レーアンテナ又はポスト壁誘電体導波管スロットアレー
アンテナであり、上記減衰手段は、上記第2の進行波ア
レーアンテナの導波管の管幅を、上記第1の進行波アレ
ーアンテナの導波管の管幅よりも小さく設定してなるこ
とを特徴とする。
【0020】また、上記進行波アレーアンテナ装置にお
いて、上記第1と第2の進行波アレーアンテナはそれぞ
れ、誘電体導波管スロットアレーアンテナ又はポスト壁
誘電体導波管スロットアレーアンテナであり、上記減衰
手段は、上記第2の進行波アレーアンテナの誘電体導波
管の誘電率を、上記第1の進行波アレーアンテナの誘電
体導波管の誘電率よりも大きく設定してなることを特徴
とする。
【0021】さらに、上記進行波アレーアンテナ装置に
おいて、上記第1と第2の進行波アレーアンテナはそれ
ぞれ、ポスト壁誘電体導波管スロットアレーアンテナで
あり、上記減衰手段は、上記第2の進行波アレーアンテ
ナのポスト壁のスルーホールの内径を、上記第1の進行
波アレーアンテナのポスト壁のスルーホールの内径より
も小さく設定してなることを特徴とする。
【0022】またさらに、上記進行波アレーアンテナ装
置において、上記第1と第2の進行波アレーアンテナは
それぞれ、ポスト壁誘電体導波管スロットアレーアンテ
ナであり、上記減衰手段は、上記第2の進行波アレーア
ンテナのポスト壁のスルーホールの間隔を、上記第1の
進行波アレーアンテナのポスト壁のスルーホールの間隔
よりも大きく設定してなることを特徴とする。
【0023】上記進行波アレーアンテナ装置において、
上記第1と第2の進行波アレーアンテナはそれぞれ、導
波管スロットアレーアンテナ、誘電体導波管スロットア
レーアンテナ又はポスト壁誘電体導波管スロットアレー
アンテナであり、上記分配手段と、上記第1と第2の進
行波アレーアンテナとは同一の導波管内に形成されたこ
とを特徴とする。
【0024】また、上記進行波アレーアンテナ装置にお
いて、上記第1と第2の進行波アレーアンテナはそれぞ
れ、導波管スロットアレーアンテナ、誘電体導波管スロ
ットアレーアンテナ又はポスト壁誘電体導波管スロット
アレーアンテナであり、上記減衰手段は、上記第2の進
行波アレーアンテナの導波管の入力開口近傍に形成され
た少なくとも1本の導体ピンを含むことを特徴とする。
【0025】さらに、上記進行波アレーアンテナ装置に
おいて、上記第1と第2の進行波アレーアンテナはそれ
ぞれ、導波管スロットアレーアンテナ、誘電体導波管ス
ロットアレーアンテナ又はポスト壁誘電体導波管スロッ
トアレーアンテナであり、上記減衰手段は、上記第2の
進行波アレーアンテナの導波管の入力開口近傍に形成さ
れた導波管壁を含むことを特徴とする。
【0026】上記進行波アレーアンテナ装置において、
上記第2の進行波アレーアンテナの位相遅れ量を、上記
第1の進行波アレーアンテナの位相遅れ量よりも大きく
するように設定する位相遅れ量設定手段をさらに備えた
ことを特徴とする。
【0027】また、上記進行波アレーアンテナ装置にお
いて、上記位相遅れ量設定手段は、上記第2の進行波ア
レーアンテナの第2のアンテナ素子の間隔を、上記第1
の進行波アレーアンテナの第1のアンテナ素子の間隔よ
りも大きく設定してなることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0029】<第1の実施形態>図1は、本発明に係る
第1の実施形態である進行波合成アレーアンテナ装置1
01の構成を示す回路図である。
【0030】この第1の実施形態に係る進行波合成アレ
ーアンテナ装置101は、(a)−Z軸方向で給電線路
11の長手方向に沿って所定の間隔d1で並置されてな
る複数N個のアンテナ素子51−1乃至51−Nを備え
て構成され、狭ビーム及び低サイドローブの垂直面放射
指向特性を有する進行波アレーアンテナ1と、(b)−
Z軸方向とは逆方向であるZ軸方向で給電線路12の長
手方向に沿って所定の間隔d2で並置されてなる複数M
個のアンテナ素子52−1乃至52−Mを備えて構成さ
れ、例えばコセカント2乗曲線などの所定の垂直面放射
指向特性を有する進行波アレーアンテナ2とを備える。
【0031】ここで、これら2つの進行波アレーアンテ
ナ1,2は互いに所定の間隔dで並置され、かつ各給
電線路11,12の長手方向が互いに所定の交差角度φ
で交差し、好ましくはφ=180度であって各給電
線路11,12内の電磁波の進行方向が互いに逆向きと
なるように並置されたことを特徴としている。なお、第
1の実施形態においては、φ=180度とし、各給電
線路11,12の中心軸の長手方向は、Z軸上に位置し
ている。
【0032】図1において、無線送信機から出力される
送信信号は、給電線路22及び給電部20を介して電力
分配器21に入力され、電力分配器21は入力される送
信信号を等しく2分配し、一方の送信信号を進行波アレ
ーアンテナ1の給電線路11に出力する一方、他方の送
信信号を進行波アレーアンテナ2の給電線路12に出力
する。給電線路11に入力された送信信号の電磁波は、
給電線路11内を矢印11aの方向で伝搬し、当該給電
線路11において並置された各アンテナ素子51−1乃
至51−Nに対して順次分岐して給電しながら出力さ
れ、所定の狭ビーム及び低サイドローブの垂直面放射指
向特性で放射される。一方、給電線路12に入力された
送信信号の電磁波は、給電線路12内を矢印12a(矢
印11aとは逆向き)の方向で伝搬し、当該給電線路1
2において並置された各アンテナ素子52−1乃至52
−Mに対して順次分岐して給電しながら出力され、例え
ば所定のコセカント2乗曲線の垂直面放射指向特性で放
射される。
【0033】以上のように構成された進行波合成アレー
アンテナ装置101において、進行波アレーアンテナ
1,2は同一のZ軸上に配置されており、給電線路1
1,12内を進行している電磁波の進行方向は互いに逆
向きである。そのため、送信信号の電磁波の周波数を変
化したときにおける各進行波アレーアンテナ1,2の主
ビーム方向の変動はお互いに逆方向に働くことにより打
ち消し合い、全体の進行波合成アレーアンテナ装置10
1としての主ビーム方向の変動量Δθを抑えることがで
きる。
【0034】また、一方の進行波アレーアンテナ11の
垂直面放射指向特性を狭ビーム及び低サイドローブとす
ることで、全体の進行波合成アレーアンテナ装置101
の垂直面放射指向特性を、他方の進行波アレーアンテナ
12の垂直面放射指向特性に近い特性にすることができ
る。ここで、狭ビーム及び低サイドローブの垂直面放射
指向特性における狭ビームに対応する3dB幅(半値
幅)の角度範囲は、好ましくは5度ないし40度、より
好ましくは5度ないし30度、さらに好ましくは5度な
いし40度であり、低サイドローブに対応する相対振幅
(主ビームを0dBとしたとき)は、好ましくは−20
dB以下、より好ましくは、−30dB以下である。
【0035】いま、進行波アレーアンテナ1,2をそれ
ぞれN=M=16であって中心周波数f0=25.48
GHzで設計し、下限周波数f1=25.27GHzか
ら上限周波数f2=25.69GHzまでの帯域幅Δf
=420MHzにおける主ビーム方向の変動量Δθを当
該進行波アレーアンテナ1,2のアレーファクタ(アン
テナ素子を波源とみたときに各アンテナ素子において指
向特性が無いとしたときの放射パターンである。)で計
算する。なお、実際の進行波アレーアンテナ1,2の垂
直面放射指向特性は、アレーファクタと各アンテナ素子
51−1乃至51−N,52−1乃至52−Mの垂直面
放射指向特性であるエレメントファクタを乗算すること
により計算することができる。ここで、給電線路11,
12の管内波長λgは、中心周波数f0においてλg0
=9.64mmとし、下限周波数f1においてλg1=
9.76mmとし、上限周波数f2においてλg2=
9.52mmとしている。これは、高さ3.2mm×幅
7mmの矩形導波管の管内を誘電率εr=2.2の誘電
体で充填した誘電体導波管に相当している。
【0036】まず、進行波アレーアンテナ1のアンテナ
素子間隔d1を、d1=10.5mmと一定にし、進行
波アレーアンテナ1の各アンテナ素子51−1乃至51
−16に対して、次の表1に示している励振振幅及び励
振位相を有する電磁波を入力したときをシミュレーショ
ンし、そのシミュレーション結果である、周波数f0,
f1,f2における垂直面角度に対する放射パターン
(正規化振幅)をそれぞれ図2(a),(b),(c)
に示す。
【0037】
【表1】 ―――――――――――――――――――――――――― 素子番号 励振振幅[dB] 励振位相[度] ―――――――――――――――――――――――――― 1 −25.642 0.000 2 −20.829 9.895 3 −13.814 19.790 4 −8.775 29.685 5 −5.092 39.579 6 −2.489 49.474 7 −0.818 59.369 8 0.000 69.264 9 0.000 79.159 10 −0.818 89.054 11 −2.489 98.948 12 −5.092 108.843 13 −8.775 118.738 14 −13.814 128.633 15 −20.829 138.528 16 −25.642 148.423 ―――――――――――――――――――――――――――
【0038】図2から明らかなように、各周波数におい
て狭ビームかつ低サイドローブな垂直面放射指向特性を
得ることができる。図2及び以下に示すアレーファクタ
を示す図において、進行波アレーアンテナ1,2のZ軸
に対して垂直な正面方向を垂直面角度=0度とし、この
角度0度の軸から、給電線路11,12内の電磁波の進
行方向の軸に向かって回転する角度を正の角度としてい
る。図2においては、下限周波数f1のときの主ビーム
の角度は−3.0度であり、中心周波数f0のときの主
ビームの角度は−2.2度であり、上限周波数f2のと
きの主ビームの角度は−1.40度である。従って、周
波数変化Δf=420MHzに対する主ビーム方向の変
動量Δθt=+1.6度である。
【0039】次いで、進行波アレーアンテナ2のアンテ
ナ素子間隔d2を、d2=8.43mmと一定にし、進
行波アレーアンテナ2の各アンテナ素子52−1乃至5
2−16に対して、次の表2に示している励振振幅及び
励振位相を有する電磁波を入力したときをシミュレーシ
ョンし、そのシミュレーション結果である、周波数f
0,f1,f2における垂直面角度に対する放射パター
ン(正規化振幅)をそれぞれ図3(a),(b),
(c)に示す。
【0040】
【表2】 ―――――――――――――――――――――――――― 素子番号 励振振幅[dB] 励振位相[度] ―――――――――――――――――――――――――― 1 0.000 0.000 2 −0.140 −36.911 3 −0.379 −53.340 4 −0.624 −64.752 5 −1.112 −75.672 6 −1.390 −87.572 7 −1.497 −96.976 8 −2.014 −105.139 9 −2.615 −115.673 10 −2.792 −125.086 11 −3.242 −130.568 12 −4.282 −137.481 13 −4.833 −147.328 14 −4.787 −150.693 15 −5.746 −146.767 16 −9.106 −152.645 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0041】図3から明らかなように、各周波数におい
てコセンカント2乗曲線の垂直面放射指向特性を得るこ
とができる。図3においては、下限周波数f1のときの
主ビームの角度は+1.3度であり、中心周波数f0の
ときの主ビームの角度は+2.2度であり、上限周波数
f2のときの主ビームの角度は+3.0度である。従っ
て、周波数変化Δf=420MHzに対する主ビーム方
向の変動量Δθt=+1.7度である。
【0042】2つの進行波アレーアンテナ1,2のうち
進行波アレーアンテナ1への送信信号の給電電力を例え
ば10dBだけ、電力分配器21と給電線路11との間
に挿入された減衰器を用いて減衰させることにより、進
行波アレーアンテナ1の各アンテナ素子51−1乃至5
1−Nの励振振幅を10dBだけ下げている。これによ
り、進行波合成アレーアンテナ装置101の全体のアレ
ーアンテナの指向特性は、進行波アレーアンテナ2の垂
直面放射指向特性であるコセカント2乗曲線の垂直面放
射指向特性が支配的になる。しかしながら、進行波合成
アレーアンテナ装置101の周波数変化Δfに対する主
ビーム方向の変動量Δθtも進行波アレーアンテナ2が
支配的となる。そのため、進行波アレーアンテナ1のア
ンテナ素子間距離d1を、進行波アレーアンテナ2のア
ンテナ素子間距離d2より大きくしており、これによ
り、各進行波アレーアンテナ1,2間の主ビーム方向の
変動量の相殺量を調整することができる。すなわち、こ
の2つの要因が補完し合うことにより、コセカント2乗
曲線の垂直面放射指向特性を保持しつつ、主ビーム方向
の変動量Δθを抑圧する。
【0043】ここで、2つの進行波アレーアンテナ1,
2間の距離d=8.43mmとして、進行波合成アレ
ーアンテナ装置101のアレーファクタを計算した結果
であって、周波数f1,f0,f2における計算結果を
それぞれ図4(a),(b),(c)に示す。なお、垂
直面角度の定義は、進行波アレーアンテナ2の定義と同
様である。図4から明らかなように、下限周波数f1の
ときの主ビームの角度は+2.3度であり、中心周波数
f0のときの主ビームの角度は+2.4度であり、上限
周波数f2のときの主ビームの角度は+2.5度であ
る。従って、周波数変化Δf=420MHzに対する主
ビーム方向の変動量Δθt=+0.2度である。すなわ
ち、電磁波の周波数が変化しても、コセカント2乗曲線
の垂直面放射指向特性を保持しつつ、主ビーム方向の変
動量をΔθ=0.2度に抑えることができる。
【0044】以上のシミュレーションにおいては、一般
性を重視し、アレーファクタの計算結果を示した。エレ
メントファクタや、励振係数の与え方により、主ビーム
方向の変動量Δθは変化する。しかしながら、2つの進
行波アレーアンテナ1,2への給電電力の配分と、素子
間隔や給電線路内波長のバランスを適切にとることによ
り、進行波合成アレーアンテナ装置101の主ビーム方
向の変動量Δθを抑えることができる。
【0045】以上の実施形態において、アンテナ素子数
N=M=16のときのシミュレーション結果を示してい
るが、本発明はこれに限らず、N≠Mであってもよい。
【0046】以上の実施形態においては、2つの進行波
アレーアンテナ1,2の交差角度φ を180度に設定
しているが、本発明はこれに限らず、所定の周波数変化
Δfに対する進行波アレーアンテナ1から放射される送
信信号の電磁波の主ビームの放射角度の変動量Δθt
と、上記周波数変化Δfに対する進行波アレーアンテナ
2から放射される送信信号の電磁波の主ビームの放射角
度の変動量Δθcとが互いに実質的に相殺されるよう
に、90度<φ<270度の範囲に設定してもよく、
好ましくは、120度<φ<210度、より好ましく
は、150度<φ<240度に設定する。これによ
り、2つの進行波アレーアンテナ1,2の各垂直面放射
指向特性により互いに相殺して、上記周波数変化Δfに
よる主ビームの角度変動を抑圧することができる。すな
わち、90度<φ<270度の範囲に設定した場合に
おいては、給電線路11を進行する送信信号の電磁波の
進行方向と、給電線路12を進行する送信信号の電磁波
の進行方向とが少なくとも互いに直交せず、かつ各進行
方向の交差角が鋭角にならないように、進行波アレーア
ンテナ1と進行波アレーアンテナ2とが並置される。こ
の場合において、少なくとも放射電力の成分の一部が互
いに相殺されることになる。一方、相殺効果を最大にす
るためには、φ=180度に設定することが好まし
く、このとき、給電線路11を進行する送信信号の電磁
波(直線偏波)の進行方向と、給電線路12を進行する
送信信号の電磁波(直線偏波)の進行方向とが互いに実
質的に逆向きとなるように、進行波アレーアンテナ1と
進行波アレーアンテナ2とが並置される。
【0047】以上の実施形態においては、進行波アレー
アンテナ1は、狭ビーム及び低サイドローブの垂直面放
射指向特性を有しており、少なくとも、所定の半値幅の
主ビームを有し、進行波アレーアンテナ2に比較して低
いサイドローブレベルとを備えた垂直面放射指向特性を
有すればよい。ここで、より好ましくは、進行波アレー
アンテナ1の放射指向特性は、(a)アンテナ利得の最
大値を含む、30度以内の主ビーム半値幅と、(b)上
記アンテナ利得の最大値から−20dB以下のサイドロ
ーブレベルとを有する。
【0048】以上の実施形態においては、2つの進行波
アレーアンテナ1,2のうち進行波アレーアンテナ1へ
の送信信号の給電電力を例えば10dBだけ、電力分配
器21と給電線路11との間に挿入された減衰器を用い
て減衰させているが、この減衰量は、好ましくは、8乃
至20dBの範囲で設定され、より好ましくは、8乃至
16dBの範囲で設定される。
【0049】以上の実施形態においては、2つの進行波
アレーアンテナ1,2のうち進行波アレーアンテナ1へ
の送信信号の給電電力を例えば10dBだけ、電力分配
器21と給電線路11との間に挿入された減衰器を用い
て減衰させているが、進行波アレーアンテナ2への送信
信号を増幅してその給電電力を増大させてもよい。すな
わち、2つの進行波アレーアンテナ1,2への送信信号
の給電電力を互いに異なるように制御してもよい。これ
については、他の実施形態にも適用してもよい。
【0050】<第2の実施形態>図5は本発明に係る第
2の実施形態である進行波合成アレーアンテナ装置10
2の構成を示す斜視図であり、図6は図5の進行波アレ
ーアンテナ2aにおける2つのスロットペアアンテナ6
2−m,62−(m+1)付近の構成を示す上面図であ
る。
【0051】この第2の実施形態に係る進行波合成アレ
ーアンテナ装置102は、第1の実施形態における給電
線路11,12をそれぞれ矩形導波管11a,12aで
構成し、各アンテナ素子51−1乃至51−N,52−
1乃至52−Mをそれぞれスロットペアアンテナで構成
したことを特徴としている。進行波合成アレーアンテナ
装置102は、(a)−Z軸方向で矩形導波管11aの
長手方向に沿って所定の間隔d1で並置されてなる複数
N個のスロットペアアンテナ61−1乃至61−Nを備
えて構成され、狭ビーム及び低サイドローブの垂直面放
射指向特性を有する導波管スロットアレーアンテナであ
る進行波アレーアンテナ1aと、(b)−Z軸方向とは
逆方向であるZ軸方向で矩形導波管12aの長手方向に
沿って所定の間隔d2で並置されてなる複数M個のスロ
ットペアアンテナ62−1乃至62−Mを備えて構成さ
れ、例えばコセカント2乗曲線などの所定の垂直面放射
指向特性を有する導波管スロットアレーアンテナである
進行波アレーアンテナ2aとを備え、これら2つの進行
波アレーアンテナ1a,2aは互いに所定の間隔d
(間隔d は、各1番目のスロットペアアンテナ61
−1,62−1の中央部間の距離をいう。)で並置さ
れ、かつφ=180度であって各矩形導波管11a,
12a内の電磁波の進行方向が互いに逆向きとなるよう
に並置されたことを特徴としている。なお、第2の実施
形態においては、各矩形導波管11a,12aの中心軸
の長手方向は、Z軸上に位置している。
【0052】図5において、無線送信機に連結された給
電矩形導波管22aは給電点20aにおいて電力分配器
21aにより2分岐され、分岐された一方は、進行波ア
レーアンテナ2aの矩形導波管12aの−Z軸方向側の
端部下面に形成された矩形形状の入力開口25aに連結
される一方、分岐された他方は、矩形導波管内の減衰器
23aを介して、進行波アレーアンテナ1aの矩形導波
管11aの+Z軸方向側の端部下面に形成された矩形形
状の入力開口24aに連結される。
【0053】進行波アレーアンテナ2aの上面において
は、図6に示すように、互いに所定のスロット間隔hだ
け離間されて並置された、長さL2の矩形スロット64
と、長さL1の矩形スロット63とからそれぞれ構成さ
れる複数M対のスロットペアアンテナ62−m(m=
1,2,…,M)が+Z軸方向に沿って所定の間隔d2
で形成される。ここで、第1のスロットペアアンテナ6
2−1から矩形導波管12aの−Z軸方向側の終端部ま
での距離は、無反射終端状態(開放インピーダンス状
態)となるように、管内波長の1/4の長さとなるよう
に設定される一方、最後のスロットペアアンテナ62−
Mから矩形導波管12aの+Z軸方向側の終端部までの
距離は、無反射終端状態(開放インピーダンス状態)と
なるように、管内波長の1/4の長さとなるように設定
される。
【0054】また、進行波アレーアンテナ1aの上面に
おいては、進行波アレーアンテナ2aと同様に、互いに
所定のスロット間隔h’だけ離間されて並置された、長
さL2’の矩形スロットと、長さL1’の矩形スロット
とからそれぞれ構成される複数N対のスロットペアアン
テナ61−1乃至61−Nが−Z軸方向に沿って所定の
間隔d1で形成される。ここで、第1のスロットペアア
ンテナ61−1から矩形導波管11aの+Z軸方向側の
終端部までの距離は、無反射終端状態(開放インピーダ
ンス状態)となるように、管内波長の1/4の長さとな
るように設定される一方、最後のスロットペアアンテナ
61−Nから矩形導波管11aの−Z軸方向側の終端部
までの距離は、無反射終端状態(開放インピーダンス状
態)となるように、管内波長の1/4の長さとなるよう
に設定される。
【0055】従って、矩形導波管11a上に形成された
複数N対のスロットペアアンテナ61−1乃至61−N
を備えてなる導波管スロットアレーアンテナである進行
波アレーアンテナ1aが構成される一方、矩形導波管1
2a上に形成された複数M対のスロットペアアンテナ6
2−1乃至62−Mを備えてなる導波管スロットアレー
アンテナである進行波アレーアンテナ2aが構成され
る。さらに、これら2つの進行波アレーアンテナ1a,
2aは各矩形導波管11a,12a内の電磁波の進行方
向が互いに逆向きとなるように並置されて、これによ
り、進行波合成アレーアンテナ装置102を構成する。
【0056】以上のように構成された進行波合成アレー
アンテナ装置102において、無線送信機から出力され
る送信信号の電磁波は、給電矩形導波管22aを介して
給電部20aに設けられた電力分配器21aにより等分
に2分配され、2分配された一方の電磁波は、矩形導波
管12aの入力開口25aを介して矩形導波管12a内
に入力された後、矩形導波管12a内を+Z軸方向でそ
の終端部に向かって進行する。ここで、電磁波が矩形導
波管12a内を進行しつつ、各スロットペアアンテナ6
2−1乃至62−Mを介して概ねY軸方向に向かって放
射される。また、2分配された他方の電磁波は、矩形導
波管内の減衰器23aにより所定の減衰量だけ減衰され
た後、矩形導波管11aの入力開口24aを介して矩形
導波管11a内に入力された後、矩形導波管11a内を
−Z軸方向でその終端部に向かって進行する。ここで、
電磁波が矩形導波管11a内を進行しつつ、各スロット
ペアアンテナ61−1乃至61−Nを介して概ねY軸方
向に向かって放射される。
【0057】この実施形態においては、進行波アレーア
ンテナ1a,2aは、給電線路が矩形導波管11a,1
2aにより構成されているため、給電線路からの不要放
射が無く、また、矩形導波管11a,12aに対するス
ロット形成のみで進行波アレーアンテナを形成できるの
で、容易に進行波アレーアンテナ1a,2aを形成でき
るという特徴がある。
【0058】この実施形態において、スロットペアアン
テナ61−1乃至61−N,62−1乃至62−Mの各
矩形スロットの長さや幅を変化することにより、進行波
アレーアンテナ1a,2aにおける励振振幅を制御し、
各スロットペアアンテナ61−1乃至61−N,62−
1乃至62−Mのアンテナ素子間距離を変化することに
より、進行波アレーアンテナ1a,2aにおける励振位
相を制御することができる。これら励振振幅及び励振位
相を含む励振係数を制御することで、一方の進行波アレ
ーアンテナ1aが、例えば第1の実施形態と同様に狭ビ
ームかつ低サイドローブな垂直面放射指向特性を有する
ように形成することができ、他方の進行波アレーアンテ
ナ2aが、例えば第1の実施形態と同様にコセカント2
乗曲線の垂直面放射指向特性を有するように形成するこ
とができる。
【0059】第1の実施形態において示したような一般
的な進行波合成アレーアンテナ装置101と同様に、進
行する電磁波の周波数が変化したとき、矩形導波管11
a,12a内の管内波長が変化するため、矩形導波管1
1a,12a内の進行波の位相遅れによるアンテナ素子
間位相差Δφdが変化する。また、進行する電磁波が各
スロットペアアンテナ61−1乃至61−N,62−1
乃至62−Mのスロットの直下部を通過する際にも、位
相遅れ量Δφtが生じ、この位相遅れ量Δφtも周波数
により変化する。電磁波の周波数が高くなると、位相差
Δφd及び位相遅れ量Δφtはともに大きくなるため、
各アンテナ素子の励振位相差が大きくなり、進行波アレ
ーアンテナ1a,2aの垂直面放射指向特性の主ビーム
方向は、Z軸方向に対して垂直な方向から、矩形導波管
11a,12a内の電磁波の進行方向に向かって回転し
て大きく傾くことになる。逆に、電磁波の周波数が低く
なると、位相差Δφd及び位相遅れ量Δφtは共に小さ
くなるため、進行波アレーアンテナ1a,2aの垂直面
放射指向特性の主ビーム方向は、Z軸方向に対して垂直
な方向から、矩形導波管11a,12a内の電磁波の進
行方向とは逆の方向に向かって回転して大きく傾くこと
になる。
【0060】いま、2つの進行波アレーアンテナ1a,
2aの各矩形導波管11a,12a内の電磁波の進行方
向は互いに逆向きになるように並置されているので、全
体のアレーアンテナである進行波合成アレーアンテナ装
置120としては、電磁波の周波数変化Δfに対する主
ビーム方向の変動を相殺して抑えることができる。
【0061】また、電力分配器21aの一方の分岐先の
矩形導波管に減衰器23aを設け、進行波アレーアンテ
ナ1aの矩形導波管11aへの電磁波の電力を減少させ
ているので、第1の実施形態と同様に、進行波合成アレ
ーアンテナ装置102における全体のアレーアンテナと
しての周波数変化Δfに対する主ビーム方向の変動量Δ
θを制御することができる。本実施形態においては、狭
ビームかつ低サイドローブな指向特性を有する進行波ア
レーアンテナ1aへの給電電力を減少させている。これ
により、コセカント2乗曲線の垂直面放射指向特性を有
する進行波アレーアンテナ2aからの放射電力が支配的
になり、進行波合成アレーアンテナ装置102における
全体の垂直面放射指向特性は、コセカント2乗曲線の垂
直面放射指向特性に近いものとなる。さらに、進行波合
成アレーアンテナ装置102の主ビーム方向の変動も進
行波アレーアンテナ2aのそれが支配的になるため、進
行波アレーアンテナ1aの周波数変化Δfに対する主ビ
ーム方向の変動が大きい垂直面放射指向特性を用いるこ
とで、進行波合成アレーアンテナ装置102における全
体の主ビーム方向の変動量Δθを抑えることができる。
【0062】次いで、図5及び図6に図示した第2の実
施形態に係る進行波合成アレーアンテナ装置102につ
いてシミュレーションした結果を示す。進行波アレーア
ンテナ2aにおいて、図6に示すように、2つの矩形ス
ロット63,64を約半波長(=h)離して配置するこ
とにより、反射波抑圧の効果があり、進行波アレーアン
テナ1aにおいても同様である。この第2の実施形態に
係る実施例においては、幅7mm及び高さ3.2mmの
矩形導波管11a,12aを用い、それらの矩形導波管
11a,12a内に誘電率2.2の誘電体を充填して構
成する。そして、進行波アレーアンテナ1a,2aの各
矩形導波管11a,12aにおいて、幅4mmの矩形ス
ロット63,64を形成して、いわゆるスロットペアア
レーアンテナを構成する。
【0063】16素子(N=16)で構成された進行波
アレーアンテナ1aにおける各アンテナ素子の構成パラ
メータを次の表3のように設定すると、以下に示すよう
に所定の狭ビームかつ低サイドローブな垂直面放射指向
特性を得ることができる。
【0064】
【表3】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 素子番号 Z軸方向の位置 長さL1’ 長さL2’ 間隔h’ ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 0.000 1.988 1.988 2.351 2 11.605 2.370 2.386 2.338 3 20.791 2.929 2.966 2.268 4 29.798 3.332 3.384 2.148 5 38.564 3.632 3.697 2.035 6 47.053 3.820 3.892 1.884 7 55.203 3.950 4.024 1.741 8 62.998 4.045 4.123 1.608 9 70.409 4.120 4.197 1.486 10 77.381 4.191 4.259 1.364 11 83.875 4.255 4.310 1.245 12 90.020 4.279 4.328 1.194 13 96.327 4.207 4.272 1.335 14 103.454 4.031 4.108 1.631 15 111.684 3.674 3.740 2.011 16 120.501 3.313 3.365 2.154 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0065】進行波アレーアンテナ1aに対する励振振
幅及び励振位相を含む励振係数を次の表4に示す。
【0066】
【表4】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 素子番号 f1 f0 f2 励振振幅 励振位相 励振振幅 励振位相 励振振幅 励振位相 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 -25.376 0.000 -25.574 0.000 -25.995 0.000 2 -20.638 20.990 -20.867 16.831 -21.195 12.678 3 -13.680 41.947 -13.827 33.586 -14.097 25.203 4 -8.724 62.977 -8.783 50.216 -8.965 37.415 5 -5.134 84.287 -5.104 66.672 -5.187 48.940 6 -2.598 106.246 -2.490 82.916 -2.485 59.226 7 -0.967 129.419 -0.820 98.908 -0.769 67.371 8 -0.143 154.571 -0.019 114.631 0.000 72.043 9 0.000 182.649 0.000 130.047 -0.170 71.376 10 -0.576 215.045 -0.824 145.141 -1.424 62.756 11 -1.852 253.117 -2.503 159.901 -3.779 44.314 12 -3.906 297.181 -5.114 174.384 -7.013 16.666 13 -7.031 343.728 -8.791 189.006 -10.860 -13.554 14 -11.531 379.843 -13.825 204.293 -16.441 -27.132 15 -18.172 405.434 -20.846 220.366 -23.932 -22.445 16 -22.852 427.126 -25.660 236.874 -28.890 -11.276 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0067】以上のように設定された進行波アレーアン
テナ1aの各周波数f1=25.27GHz,f0=2
5.48GHz,f2=25.69GHzにおけるアレ
ーファクタを計算した結果を図7(a),(b),
(c)に示す。アレーファクタにおいては、励振位相に
上述の位相変化量Δφd,Δφtを含んで計算してい
る。図7において、進行波アレーアンテナ1aのZ軸に
対して垂直な方向である正面方向を0度とし、その方向
から、矩形導波管11aを進行する電磁波の進行方向に
向かうように回転する(左回りで回転する)ときの傾き
の角度を正の角度としている。
【0068】図7から明らかなように、進行波アレーア
ンテナ1aにおいて、所定の狭ビームかつ低サイドロー
ブな垂直面放射指向特性を得ることができる。また、下
限周波数f1における主ビームの変動量Δθdは+6.
8度であり、中心周波数f0における主ビームの変動量
Δθdは+3.0度であり、上限周波数f2における主
ビームの変動量Δθdは−1.6度である。
【0069】次いで、同様に、16素子で(M=16)
構成された進行波アレーアンテナ2a各アンテナ素子の
構成パラメータを次の表5のようにすると、以下に示す
ように、コセカント2乗曲線の垂直面放射指向特性を得
ることができる。
【0070】
【表5】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 素子番号 Z軸方向の位置 長さL1 長さL2 間隔h ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 0 3.783 3.857 1.878 2 9.602181206 3.803 3.877 1.86 3 18.61618393 3.82 3.895 1.844 4 27.45225815 3.838 3.914 1.826 5 36.24385207 3.845 3.921 1.818 6 45.02319713 3.865 3.941 1.796 7 53.65639566 3.899 3.975 1.758 8 62.18699823 3.913 3.989 1.74 9 70.74035222 3.925 4.001 1.726 10 79.17009039 3.962 4.04 1.678 11 87.35028052 3.995 4.072 1.632 12 95.49388806 4.001 4.078 1.624 13 103.601063 4.039 4.115 1.564 14 111.1569233 4.129 4.203 1.398 15 117.8299446 4.223 4.29 1.19 16 124.4650918 4.187 4.256 1.276 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0071】進行波アレーアンテナ2aに対する励振振
幅及び励振位相を含む励振係数を次の表6に示す。
【0072】
【表6】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 素子番号 f1 f0 f2 励振振幅 励振位相 励振振幅 励振位相 励振振幅 励振位相 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 2 -0.128 -33.907 -0.162 -36.911 -0.204 -40.446 3 -0.320 -47.101 -0.394 -53.340 -0.485 -60.712 4 -0.524 -55.033 -0.643 -64.752 -0.787 -76.278 5 -0.942 -62.242 -1.118 -75.672 -1.334 -91.661 6 -1.173 -70.263 -1.401 -87.572 -1.681 -108.242 7 -1.226 -75.370 -1.504 -96.976 -1.845 -122.886 8 -1.668 -78.652 -2.024 -105.139 -2.463 -137.101 9 -2.182 -83.999 -2.624 -115.673 -3.173 -154.117 10 -2.299 -87.740 -2.812 -125.086 -3.451 -170.697 11 -2.642 -86.428 -3.261 -130.568 -4.040 -184.969 12 -3.538 -85.588 -4.308 -137.481 -5.287 -202.119 13 -3.941 -87.098 -4.849 -147.328 -6.018 -223.089 14 -3.754 -79.419 -4.802 -150.693 -6.230 -241.969 15 -4.338 -56.837 -5.742 -146.767 -7.941 -265.426 16 -7.129 -33.627 -9.108 -152.645 -11.584 -313.366 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0073】以上のように設定された進行波アレーアン
テナ2aの各周波数f1=25.27GHz,f0=2
5.48GHz,f2=25.69GHzにおけるアレ
ーファクタを計算した結果を図8(a),(b),
(c)に示す。アレーファクタにおいては、励振位相に
上述の位相変化量Δφd,Δφtを含んで計算してい
る。図8において、進行波アレーアンテナ2aのZ軸に
対して垂直な方向である正面方向を0度とし、その方向
から、矩形導波管12aを進行する電磁波の進行方向に
向かうように回転する(右回りで回転する)ときの傾き
の角度を正の角度としている。
【0074】図8から明らかなように、進行波アレーア
ンテナ2aにおいて、コセカント2乗曲線の垂直面放射
指向特性を得ることができる。また、周波数変化Δfに
対応する下限周波数f1における主ビームの変動量Δθ
cは0.0度であり、中心周波数f0における主ビーム
の変動量Δθcは+2.2度であり、上限周波数f2に
おける主ビームの変動量Δθcは+4.6度である。
【0075】これら2つの進行波アレーアンテナ1a,
2aを図5のように、各矩形導波管11a,12a内の
電磁波の進行方向が逆向きになるように所定の間隔d
=35mmだけ離間して配置し、減衰器23aの減衰量
を5dBに設定する。このときの2つの進行波アレーア
ンテナ1a,2aを備えた進行波合成アレーアンテナ装
置102の周波数f1、f0、f2におけるアレーファ
クタをそれぞれ図9(a),(b),(c)に示す。
【0076】図9から明らかなように、進行波合成アレ
ーアンテナ装置102において、コセカント2乗曲線の
垂直面放射指向特性を得ることができる。また、周波数
変化Δfに対応する下限周波数f1における主ビームの
変動量Δθcは+1.8度であり、中心周波数f0にお
ける主ビームの変動量Δθcは+2.2度であり、上限
周波数f2における主ビームの変動量Δθcは+2.6
度である。すなわち、図8に示すコセカント2乗曲線の
垂直面放射指向特性を有する進行波アレーアンテナ2a
の周波数変化Δfに対する主ビーム方向の変動量Δθは
4.6度であったのに対して、図7に示す狭ビームかつ
低サイドローブな垂直面放射指向特性を有する進行波ア
レーアンテナ1aをさらに備えた進行波合成アレーアン
テナ装置102においては、周波数変化Δfに対する主
ビーム方向の変動量Δθを0.8度に抑えることができ
る。
【0077】また、狭ビームかつ低サイドローブな指向
特性を有する進行波アレーアンテナ1aの励振を減衰器
23aにより弱めていることにより、コセカント2乗曲
線の垂直面放射指向特性が得られている。さらに、進行
波アレーアンテナ1aは、周波数変化Δfに対する主ビ
ーム方向の変化が8.4度と進行波アレーアンテナ2a
の周波数変化Δfに対する主ビーム方向の変化より大き
いものを用いているため、励振を弱めても主ビーム方向
の変動量Δθを抑圧することができる。
【0078】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、2つの進行波アレーアンテナ1a,2aを、各矩形
導波管11a,12a内の電磁波の進行方向が互いに逆
向きになるように並置することにより、周波数変換Δf
に対する、垂直面放射指向特性における主ビームの変動
量Δθを抑えることができる。
【0079】<第3の実施形態>図10は本発明に係る
第3の実施形態である進行波合成アレーアンテナ装置1
03の構成を示す斜視図であり、図11は図10の進行
波合成アレーアンテナ装置103の上面図であり、図1
2は図11のA−A’面の縦断面図である。この第3の
実施形態に係る進行波合成アレーアンテナ装置103
は、それぞれ誘電体基板201上に形成されたスロット
アレーアンテナである進行波アレーアンテナ1b,2b
を誘電体基板201内の給電線路を進行する電磁波の進
行方向が互いに逆向きになるように(φ=180度)
並置して構成したことを特徴としている。
【0080】図12において、誘電体基板201の上面
には上面導体202が形成される一方、その下面には下
面導体203が形成され、その両側面にはそれぞれ側面
導体204,205が形成されるとともに、誘電体基板
201の長手方向の各端部には終端導体(図示せず。)
が形成され、当該誘電体基板201は擬似的な給電矩形
導波管11bを構成している。また、図10及び図11
に示すように、進行波アレーアンテナ1b側の誘電体基
板201の幅をaとし、進行波アレーアンテナ2b側
及び中央部の誘電体基板201の幅をa(>a)と
している。さらに、進行波アレーアンテナ1b側の誘電
体基板201上の上面導体202において、−Z軸方向
に沿って所定のアンテナ素子間隔d1で8個の矩形スロ
ットを、例えばエッチング法により形成することにより
8個のスロットアンテナ71−1乃至71−8を備えた
スロットアレーアンテナを形成し、これにより進行波ア
レーアンテナ1bを構成している。一方、進行波アレー
アンテナ2b側の誘電体基板201上の上面導体202
において、+Z軸方向に沿って所定のアンテナ素子間隔
d2で8個の矩形スロットを、例えばエッチング法によ
り形成することにより8個のスロットアンテナ72−1
乃至72−8を備えたスロットアレーアンテナを形成
し、これにより進行波アレーアンテナ2bを構成してい
る。なお、各矩形スロットは、その長手方向が、Z軸に
対して垂直な方向と平行となるように形成されている。
【0081】2つの進行波アレーアンテナ1b,2b
間、すなわち、各第1のスロットアンテナ71−1,7
2−1間は、所定の離間距離dだけ離れるように設定
される。また、誘電体基板201の長手方向の中央部の
下面導体203において給電矩形導波管を連結するため
の矩形形状の入力開口25bが形成され、その中心から
第1のスロットアンテナ71−1までの距離d1iは無
反射終端状態(開放インピーダンス状態)となるように
管内波長の1/4波長の整数倍に設定され、入力開口2
5bの中心から第1のスロットアンテナ72−1までの
距離d2iは無反射終端状態(開放インピーダンス状
態)となるように管内波長の1/4波長の整数倍に設定
される。また、第8のスロットアンテナ71−8から直
近の終端導体(図示せず。)までの距離d1eも無反射
終端状態(開放インピーダンス状態)となるように管内
波長の1/4波長の整数倍に設定され、第8のスロット
アンテナ72−8から直近の終端導体(図示せず。)ま
での距離d2eも無反射終端状態(開放インピーダンス
状態)となるように管内波長の1/4波長の整数倍に設
定される。
【0082】上述のように、進行波アレーアンテナ1b
側の誘電体基板201の幅をaとし、進行波アレーア
ンテナ2b側及び中央部の誘電体基板201の幅をa
としており、入力開口25bと、第1のスロットアンテ
ナ71−1との間に、誘電体基板201の幅が急激に変
化する部分が形成され、これが減衰器部23bを形成し
ている。なお、本実施形態においては、進行波アレーア
ンテナ1bにおいて、Z軸から幅方向の縁端部までの距
離がa/2になるように設定され、進行波アレーアン
テナ2bにおいて、Z軸から幅方向の縁端部までの距離
がa/2になるように設定される。
【0083】以上のように構成された進行波合成アレー
アンテナ装置103においては、給電矩形導波管(図示
せず。)から入力開口25bを介して入力された送信信
号の電磁波は、入力開口25bの直上の矩形導波管11
bにおいて2分配され、2分配された一方の電磁波は、
Z軸方向に沿って進行波アレーアンテナ2b内の矩形導
波管11bを進行しながら、各スロットアンテナ72−
1乃至72−8を介して放射され、他方の電磁波は、減
衰器部23bで所定の減衰を受けた後、−Z軸方向に沿
って進行波アレーアンテナ1b内の矩形導波管11bを
進行しながら、各スロットアンテナ71−1乃至71−
8を介して放射される。
【0084】以上のように構成された進行波合成アレー
アンテナ装置103においては、入力開口25bを1つ
とし、2つの進行波アレーアンテナ1b,2bを誘電体
基板201を用いて一体化して形成している。各スロッ
トアンテナ71−1乃至71−8,72−1乃至72−
8の各矩形スロットの長さや幅を変化することにより進
行波アレーアンテナ1b,2bに対する励振振幅を制御
し、各アンテナ素子間距離d1,d2を変化することに
より、進行波アレーアンテナ1b,2bに対する励振位
相を制御することができる。これら励振振幅及び励振位
相を含む励振係数を制御することで、一方の進行波アレ
ーアンテナ1bが第1の実施形態と同様に所定の狭ビー
ムかつ低サイドローブな垂直面放射指向特性を有するよ
うに形成し、他方の進行波アレーアンテナ2bが第1の
実施形態と同様に所定のコセカント2乗曲線の垂直面放
射指向特性を有するように形成することができる。
【0085】ここで、擬似的な給電矩形導波管11b内
で互いに逆方向に進行する電磁波を伝搬させる2つの進
行波アレーアンテナ1b,2bを設けたことで、周波数
変化Δfに対する各進行波アレーアンテナ1b,2bの
垂直面放射指向特性の主ビーム方向が互いに逆向きに変
動するために、全体の進行波合成アレーアンテナ装置1
03における主ビーム方向の変動量Δθを抑えることが
できる。このとき、一方の進行波アレーアンテナ1bが
所定の狭ビームかつ低サイドローブな垂直面放射指向特
性を有するため、進行波合成アレーアンテナ装置103
の垂直面放射指向特性は、他方の進行波アレーアンテナ
2bのコセカント2乗曲線の垂直面放射指向特性と同様
の放射指向特性となる。
【0086】また、進行波アレーアンテナ1bの管幅を
とし、進行波アレーアンテナ1bの管幅aに対し
て小さくなるように設定しているので、入力開口25b
から各進行波アレーアンテナ1b,2bの矩形導波管1
1bを見たときの入力インピーダンスは2つの進行波ア
レーアンテナ1b,2bで互いに異なり、2つの進行波
アレーアンテナ1b,2bに入力される電磁波の電力に
差を与えることができる。言い換えれば、進行波アレー
アンテナ1bに入力される電磁波は減衰器部23bによ
る減衰を受ける。このように、進行波アレーアンテナ2
bに比較して、進行波アレーアンテナ1bへの給電する
電磁波の電力を小さくしているため、進行波アレーアン
テナ1bの放射電力も小さくなり、進行波アレーアンテ
ナ2bから放射される電磁波の電力が支配的になる。そ
のため、進行波合成アレーアンテナ装置103の垂直面
放射指向特性は、よりコセカント2乗曲線の垂直面放射
指向特性に近い垂直面放射指向特性になる。
【0087】進行波アレーアンテナ1bの管幅を進行波
アレーアンテナ2bよりも小さくしたことにより、放射
電力は小さくなるが、周波数変化Δfに対する管内波長
の変化量は大きくなるため、進行波アレーアンテナ1b
の垂直面放射指向特性の主ビーム方向の変動量Δθはコ
セカント2乗曲線の垂直面放射指向特性のものより大き
くなる。この2つの要因が補完し合うため、全体の進行
波合成アレーアンテナ装置103は、コセカント2乗曲
線の垂直面放射指向特性を保持しながら、主ビーム方向
の変動量Δθを抑えることができる。
【0088】以上の実施形態においては、2つの進行波
アレーアンテナ1b,2bの管幅に差を与えて減衰器部
23bを形成しているが、それらの管高に差を与えるこ
とによっても、同様の効果を得ることができる。
【0089】また、誘電体基板201による矩形導波管
11b内は中空であっても、誘電体が充填されていても
よい。充填する誘電体の誘電率により、矩形導波管11
b内の管内波長を小さくすることができる。これによ
り、当該進行波合成アレーアンテナ装置103の全体の
構成を小さくできるのみでなく、スロットアンテナ素子
間の距離を小さくすることができるため、垂直面放射指
向特性のグレーティングローブを大幅に抑圧することが
できる。例えば、進行波アレーアンテナ1bの誘電率を
進行波アレーアンテナ2bの誘電率よりも大きくした場
合、進行波アレーアンテナ1bの矩形導波管11bの管
内波長を、進行波アレーアンテナ2bの矩形導波管11
bの管内波長よりも小さくすることができ、所定の波長
の電磁波を伝搬させるときに進行波アレーアンテナ1b
での伝搬減衰量を、進行波アレーアンテナ2bでの伝搬
減衰量よりも大きくすることができるとともに、進行波
アレーアンテナ1bでの上述の位相遅れ量を、進行波ア
レーアンテナ2bでの位相遅れ量よりも大きくすること
ができる。
【0090】さらに、誘電体基板201の誘電率につい
ても、進行波アレーアンテナ1bの誘電体基板201の
誘電率と、進行波アレーアンテナ2bの誘電体基板20
1の誘電率とを互いに異なるように形成してもよい。上
述の通り、誘電体基板201の誘電率により、管内波長
が変わるため、各進行波アレーアンテナ1b,2bの各
矩形導波管11bに異なる誘電率の誘電体を充填するこ
とにより、2つの進行波アレーアンテナ1b,2bの垂
直面放射指向特性の主ビーム方向の変動量Δθに差を与
えることで、全体の進行波合成アレーアンテナ装置10
3の主ビーム方向の変動量を制御することができる。
【0091】以上の実施形態においては、矩形導波管を
用いているが、円形導波管など他の形状の導波管などの
伝送線路を用いてもよい。
【0092】<第4の実施形態>図13は本発明に係る
第4の実施形態である進行波合成アレーアンテナ装置1
04の構成を示す斜視図であり、図14は図13の進行
波合成アレーアンテナ装置104の上面図であり、図1
5は図13の進行波合成アレーアンテナ装置104の下
面図であり、図16は図14のB−B’面の縦断面図で
ある。この第4の実施形態に係る進行波合成アレーアン
テナ装置104は、それぞれ誘電体基板301上に形成
された公知のポスト壁誘電体導波管スロットアレーアン
テナである進行波アレーアンテナ1c,2cを誘電体基
板301内の給電線路を進行する電磁波の進行方向が互
いに逆向きになるように(φ=180度)並置して構
成したことを特徴としている。
【0093】図16において、誘電体基板301の上面
には上面導体302が形成される一方、その下面には下
面導体303が形成され、その両側面近傍及び誘電体基
板301の長手方向の各端部近傍には、誘電体基板30
1の厚さ方向を貫通するように内径sの複数のスルーホ
ール83が所定の間隔tで形成された後、その内周面に
スルーホール導体83cが形成され、スルーホール83
が形成された位置においては、スルーホール導体83c
により上面導体302と下面導体303とが電気的に接
続され、これにより、いわゆる「ポスト壁」を形成して
いる。また、図14及び図15に示すように、進行波ア
レーアンテナ1c側のポスト壁幅をa とし、進行波
アレーアンテナ2c側及び中央部のポスト壁幅をaec
(>a )としている。以上のように構成された、上
面導体302と下面導体303とポスト壁により、電磁
波を閉じ込めて伝搬させる擬似的な矩形導波管を形成す
ることができ、これを「ポスト壁誘電体導波管」11c
という。
【0094】さらに、進行波アレーアンテナ1c側の誘
電体基板301上の上面導体302において、−Z軸方
向に沿って所定のアンテナ素子間隔d1で8個の矩形ス
ロットを、例えばエッチング法により形成することによ
り8個のスロットアンテナ81−1乃至81−8を備え
たスロットアレーアンテナを形成し、これにより進行波
アレーアンテナ1cを構成している。一方、進行波アレ
ーアンテナ2c側の誘電体基板301上の上面導体30
2において、+Z軸方向に沿って所定のアンテナ素子間
隔d2で8個の矩形スロットを、例えばエッチング法に
より形成することにより8個のスロットアンテナ82−
1乃至82−8を備えたスロットアレーアンテナを形成
し、これにより進行波アレーアンテナ2cを構成してい
る。なお、各矩形スロットは、その長手方向が、Z軸に
対して垂直な方向と平行となるように形成されている。
【0095】2つの進行波アレーアンテナ1c,2c
間、すなわち、各第1のスロットアンテナ81−1,8
2−1間は、所定の離間距離dだけ離れるように設定
される。また、図15に示すように、誘電体基板301
の長手方向の中央部の下面導体303において給電矩形
導波管を連結するための矩形形状の入力開口25cが形
成される。さらに、入力開口25cと、第1のスロット
アンテナ81−1との間の略中間位置であって誘電体基
板301の幅方向の中央部において、誘電体基板301
の厚さ方向を貫通するように内径sの1個のスルーホー
ル84が形成された後、その内周面にスルーホール導体
(図示せず。)が形成され、スルーホール84が形成さ
れた位置においては、当該スルーホール導体により上面
導体302と下面導体303とが電気的に接続され、こ
れにより、「ポスト壁」を形成している。このポスト壁
は、入力開口25cを介して入力された後、進行波アレ
ーアンテナ1cに入力される電磁波を所定の減衰量で減
衰させる減衰器部(第3の実施形態における減衰器部2
3bに対応する)を構成している。
【0096】上述のように、進行波アレーアンテナ1c
側のポスト壁幅をaetとし、進行波アレーアンテナ2
b側及び中央部のポスト壁幅をaecとしており、入力
開口25cと、第1のスロットアンテナ81−1との間
に設けられたスルーホール84によるポスト壁が形成さ
れ、これが減衰器部を形成している。
【0097】以上のように構成された進行波合成アレー
アンテナ装置104においては、給電矩形導波管(図示
せず。)から入力開口25cを介して入力された送信信
号の電磁波は、入力開口25cの直上のポスト壁誘電体
導波管11cにおいて2分配され、2分配された一方の
電磁波は、Z軸方向に沿って進行波アレーアンテナ2c
内のポスト壁誘電体導波管11cを進行しながら、各ス
ロットアンテナ82−1乃至82−8を介して放射さ
れ、他方の電磁波は、スルーホール84による減衰器部
で所定の減衰を受けた後、−Z軸方向に沿って進行波ア
レーアンテナ1c内のポスト壁誘電体導波管11cを進
行しながら、各スロットアンテナ81−1乃至81−8
を介して放射される。
【0098】この実施形態に係る進行波合成アレーアン
テナ装置104において、誘電体基板301の誘電率、
厚さ、スルーホール83,84の内径s及び間隔t、ポ
スト壁幅aet,aecを変化することにより、ポスト
壁誘電体導波管11cの管内波長を変化させることがで
き、このポスト壁誘電体導波管11cを、同一の管内波
長を有する金属壁の誘電体矩形導波管と等価であるを仮
定して、当該アンテナ装置104の設計を行うことがで
きる。また、進行波合成アレーアンテナ装置104を誘
電体基板301を用いて構成するため、薄型で、且つ安
価に製作することができる。
【0099】さらに、各スロットアンテナ81−1乃至
81−8,82−1乃至82−8の矩形スロットの長さ
や幅を変化することにより、当該各スロットアンテナに
対する励振振幅を制御し、アンテナ素子間距離d1,d
2を変化することにより励振位相を制御することで、所
望の垂直面指向特性を得ることができる。本実施形態に
おいては、一方の進行波アレーアンテナ1cが第1の実
施形態と同様に所定の狭ビームかつ低サイドローブな垂
直面指向特性を有する用に形成し、他方の進行波アレー
アンテナ2cが第1の実施形態と同様に所定のコセカン
ト2乗曲線の垂直面放射指向特性を有するように形成す
る。
【0100】このポスト壁誘電体導波管11cを用いた
進行波アレーアンテナ1c,2cも進行波アレーアンテ
ナであり、所定の周波数変化Δfに対して、垂直面放射
指向特性の主ビーム方向が変動する。しかしながら、入
力開口25cにおいて、2方向にポスト壁誘電体導波管
11cが分岐しているため、2つの進行波アレーアンテ
ナ1c,2cの各進行する電磁波の進行方向は互いに逆
向きとなっており、主ビーム方向の変動量Δθがお互い
相殺して逆方向に働き、全体の進行波合成アレーアンテ
ナ装置104においては、主ビーム方向の変動量Δθを
抑えることができる。
【0101】また、一方の進行波アレーアンテナ2cの
垂直面放射指向特性が所定の狭ビームかつ低サイドロー
ブな指向特性であるため、進行波合成アレーアンテナ装
置104の垂直面放射指向特性はコセカント2乗曲線の
垂直面放射指向特性を保持できる。
【0102】図13乃至図15に示すように、進行波ア
レーアンテナ1c側のポスト壁誘電体導波管11c内に
スルーホール84による減衰器部を設けているので、進
行波アレーアンテナ1cへの給電電力を減少させること
ができるため、全体の進行波合成アレーアンテナ装置1
04の垂直面放射指向特性はよりコセカント2乗曲線の
垂直面放射指向特性に近い垂直面放射指向特性を得るこ
とができる。
【0103】また、進行波アレーアンテナ1cのポスト
壁幅aetを進行波アレーアンテナ2cのポスト壁幅a
ecよりも小さく設定している。ポスト壁幅を小さくす
ることは、ポスト壁誘電体導波管を金属壁誘電体導波管
と等価に仮定したとき、導波管幅が小さくなったことと
等価になるため、第3の実施形態と同様に、よりコセカ
ント2乗曲線の垂直面放射指向特性に近い垂直面放射指
向特性を得ることができるとともに、主ビーム方向の変
動量Δθを抑えることができる。
【0104】以上の実施形態においては、2つの進行波
アレーアンテナ1c,2cのポスト壁幅を異なるように
設定しているが、スルーホール83の内径sや間隔tを
変化させることでも、導波管幅を等価的に変化させるこ
とができ、同様の効果を得ることができる。一般的に、
スルーホール83の内径sを大きくすることにより、管
内波長を大きくすることができ、間隔tを大きくするこ
とにより、管内波長を小さくすることができる。
【0105】例えば、進行波アレーアンテナ1cのスル
ーホール83の内径sを進行波アレーアンテナ2cのそ
れよりも対応して小さくした場合、進行波アレーアンテ
ナ1cのポスト壁誘電体導波管11cの管内波長を、進
行波アレーアンテナ2cのポスト壁誘電体導波管11c
の管内波長よりも小さくすることができ、所定の波長の
電磁波を伝搬させるときに進行波アレーアンテナ1cで
の伝搬減衰量を、進行波アレーアンテナ2cでの伝搬減
衰量よりも大きくすることができるとともに、進行波ア
レーアンテナ1cでの上述の位相遅れ量を、進行波アレ
ーアンテナ2cでの位相遅れ量よりも大きくすることが
できる。
【0106】また、進行波アレーアンテナ1cのスルー
ホール83の間隔tを進行波アレーアンテナ2cのそれ
よりも対応して大きくした場合、進行波アレーアンテナ
1cのポスト壁誘電体導波管11cの管内波長を、進行
波アレーアンテナ2cのポスト壁誘電体導波管11cの
管内波長よりも小さくすることができ、所定の波長の電
磁波を伝搬させるときに進行波アレーアンテナ1cでの
伝搬減衰量を、進行波アレーアンテナ2cでの伝搬減衰
量よりも大きくすることができるとともに、進行波アレ
ーアンテナ1cでの上述の位相遅れ量を、進行波アレー
アンテナ2cでの位相遅れ量よりも大きくすることがで
きる。
【0107】<第5の実施形態>図17は本発明に係る
第5の実施形態である進行波合成アレーアンテナ装置1
05の構成を示す斜視図である。第5の実施形態に係る
進行波合成アレーアンテナ装置は、図1に図示した第1
の実施形態に比較して、以下の相違点を有することを特
徴としている。その他の構成は同様である。すなわち、
給電点を介して入力される送信信号は、電力分配器20
により同一の分配比で電力分配された後、分配後の一方
の送信信号は減衰器23を介して進行波アレーアンテナ
1に入力される一方、分配後の他方の送信信号はそのま
ま進行波アレーアンテナ2に入力される。
【0108】以上のように構成された第5の実施形態に
係る進行波アレーアンテナ装置105において、進行波
アレーアンテナ1は、進行波アレーアンテナ2に比較し
て狭ビームかつ低サイドローブの指向性を有するように
構成され、進行波アレーアンテナ2は、コセカント2乗
の指向性を有するように構成されている。減衰器23に
より、進行波アレーアンテナ1への送信信号の給電電力
を、進行波アレーアンテナ2に比較して減衰させること
により、周波数変化に対する主ビーム方向を変動を抑え
たアレーアンテナ構成となっている。
【0109】<第6の実施形態>図18は本発明に係る
第6の実施形態である進行波合成アレーアンテナ装置1
06の構成を示す斜視図である。第6の実施形態に係る
進行波合成アレーアンテナ装置106は、(a)第5の
実施形態における進行波アレーアンテナ1を、各アンテ
ナ素子で2つのスロットを有し(第2の実施形態)かつ
ポスト壁誘電体導波管を用いて構成し(第4の実施形
態)、(b)第5の実施形態における進行波アレーアン
テナ2を、各アンテナ素子で2つのスロットを有し(第
2の実施形態)かつポスト壁誘電体導波管を用いて構成
した(第4の実施形態)ことを特徴としている。
【0110】図18において、給電点及び同軸ケーブル
27aを介して入力される送信信号は、電力分配器20
により同一の分配比で電力分配された後、分配後の一方
の送信信号は減衰器23及び同軸ケーブル27bを介し
て同軸導波管変換器26aにに入力される一方、分配後
の他方の送信信号はそのまま同軸ケーブル27cを介し
て同軸導波管変換器26bに入力される。同軸導波管変
換器26aは入力される送信信号を導波管を伝搬する送
信信号に変換した後、接続導波管28及び、進行波アレ
ーアンテナ1dの導波管の入力開口25dを介して進行
波アレーアンテナ1dの導波管内に入力され、その後、
送信信号は当該導波管を伝搬しながら各アンテナ素子か
ら放射される。一方、同軸導波管変換器26bは入力さ
れる信信号を導波管を伝搬する送信信号に変換した後、
接続導波管29及び、進行波アレーアンテナ1dの導波
管の入力開口25eを介して進行波アレーアンテナ2d
の導波管内に入力され、その後、送信信号は当該導波管
を伝搬しながら各アンテナ素子から放射される。
【0111】本実施形態においては、第5の実施形態と
同様に、進行波アレーアンテナ1dは、進行波アレーア
ンテナ2に比較して狭ビームかつ低サイドローブの指向
性を有するように構成され、進行波アレーアンテナ2d
は、コセカント2乗の指向性を有するように構成されて
いる。
【0112】図18において、2つの接続導波管28,
29の伝送路長さを互いに同一にしたとき、2本の同軸
ケーブル27b,27cの長さの差を調整することによ
り、進行波アレーアンテナ1d,2dの導波管の入力開
口25d,25eにおける位相が互いに同相になるよう
に設定している。また、減衰器23の減衰量を調整する
ことにより、2個の進行波アレーアンテナ1,2への送
信信号の給電電力量を制御して設定している。
【0113】以上のように構成された進行波アレーアン
テナ装置106のシミュレーション結果について図19
乃至図21を参照して以下に説明する。
【0114】図19(a)は下限周波数f1のときの図
18の進行波アレーアンテナ1dの垂直面角度に対する
放射パターン(正規化振幅)を示すグラフであり、図1
9(b)は中心周波数f0のときの図18の進行波アレ
ーアンテナ1dの垂直面角度に対する放射パターン(正
規化振幅)を示すグラフであり、図19(c)は上限周
波数f2のときの図18の進行波アレーアンテナ1dの
垂直面角度に対する放射パターン(正規化振幅)を示す
グラフである。図20(a)は下限周波数f1のときの
図18の進行波アレーアンテナ2dの垂直面角度に対す
る放射パターン(正規化振幅)を示すグラフであり、図
20(b)は中心周波数f0のときの図18の進行波ア
レーアンテナ2dの垂直面角度に対する放射パターン
(正規化振幅)を示すグラフであり、図20(c)は上
限周波数f2のときの図18の進行波アレーアンテナ2
dの垂直面角度に対する放射パターン(正規化振幅)を
示すグラフである。図21(a)は下限周波数f1のと
きの図18の進行波合成アレーアンテナ装置106の垂
直面角度に対する放射パターン(正規化振幅)を示すグ
ラフであり、図21(b)は中心周波数f0のときの図
18の進行波合成アレーアンテナ装置106の垂直面角
度に対する放射パターン(正規化振幅)を示すグラフで
あり、図21(c)は上限周波数f2のときの図18の
進行波合成アレーアンテナ装置106の垂直面角度に対
する放射パターン(正規化振幅)を示すグラフである。
【0115】図19から明らかなように、進行波アレー
アンテナ1dの主ビームの半値幅(アンテナ利得の最大
値で規格化した振幅の−3dBでの主ビームの半値幅を
いう。)は主ビームの最大値を含み、30°以内であっ
て狭ビームであり、サイドローブも−20dB以下の
(進行波アレーアンテナ2dに比較して)低いサイドロ
ーブレベルを有するテーラー指向特性を有している。一
方、進行波アレーアンテナ2dは、コセカント2乗曲線
に沿ったコセカント2乗の指向特性を有している。本実
施形態において、進行波アレーアンテナ1の周波数を下
限周波数f1=25.27GHzから上限周波数f2=
25.69GHzまで変化したときの主ビーム方向の変
動量Δθtは、7.9度であり、進行波アレーアンテナ
2の変動量Δθc=3.8度に比べて、約2倍である。
【0116】減衰器23の減衰量を16dBとし、同軸
ケーブル27b,27cの長さの差を調整することによ
り、進行波アレーアンテナ1d,2dの入力開口25
d,25e(給電点)での位相を互いに同相にした場合
の放射指向性の測定結果を図21に示す。図21から明
らかなように、コセカント2乗の指向特性を有する進行
波アレーアンテナ2d単体の指向特性に比較して、本実
施形態に係る進行波アレーアンテナ装置106を用いる
ことで、0.9度まで、主ビーム方向の変動量Δθを抑
えることができている。また、比較的狭ビームでかつ低
サイドローブの指向特性を有する進行波アレーアンテナ
1dを用いているが、減衰器23を用いて、当該進行波
アレーアンテナ1dに入力される送信信号の入力電力を
抑えることにより、コセカント2乗の指向特性を乱さな
い結果となっている。
【0117】従って、本実施形態に係る進行波合成アレ
ーアンテナ装置106によれば、主ビーム方向の変動量
Δθを抑えたコセカント2乗の指向特性を有するアレー
アンテナ装置を実現できる。
【0118】<第6の実施形態の変形例>図22は、第
6の実施形態の第1の変形例であって、電力分配部の構
成を示す横断面図である。図22において、それぞれ図
18に図示された進行波アレーアンテナ1dの導波管
と、進行波アレーアンテナ2dの導波管が、図13の第
4の実施形態と同様に、図81の互いに対向する中央部
で連結され(図22乃至図23においては、導波管を形
成する壁をスルーホール導体83cではなく実線で図示
している。なお、当該導波管は第1乃至第3の実施形態
と同様の通常の導波管であってもよい。)、その中央部
に当該導波管の長手方向とは直交する方向に突出して延
在するように、分岐導波管30が形成され、当該分岐導
波管30の終端部近傍に、給電点20に接続される入力
開口31が形成されている。さらに、上記中央部の進行
波アレーアンテナ1d側の入力端近傍に、複数の導体ピ
ン84aがその長手方向が導波管の厚さ方向と平行とな
るように設けられている。以上のように構成された電力
分配部においては、入力開口20を介して入力された送
信信号は分岐導波管30を伝搬した後、上記中央部で分
岐導波管30とは直交する2つの方向に分配されて、各
分配された送信信号は各進行波アレーアンテナ1d,2
dに入力されるが、進行波アレーアンテナ1dの入力端
近傍では、そこを伝搬する送信信号は、複数の導体ピン
84aが形成されているために、複数の導体ピン84a
の数に応じて決定される減衰量の減衰を受けて進行波ア
レーアンテナ1dに入力される。従って、当該第1の変
形例は、図18に図示された、電力分配器21と減衰器
23の構成と同様の構成を有する。以上の第1の変形例
においては、複数の導体ピン84aを設けているが、こ
れに代えて、例えばより径の大きい、1本の導体ピンで
あってもよい。
【0119】図23は第6の実施形態の第2の変形例で
あって、電力分配部の構成を示す横断面図である。図2
3においては、図22の複数の導体ピン84aに代え
て、進行波アレーアンテナ1dの入力端部に当該導波管
の横方向の幅を狭くするための導波管壁84bを形成し
たことを特徴としている。以上のように構成された電力
分配部においては、入力開口20を介して入力された送
信信号は分岐導波管30を伝搬した後、上記中央部で分
岐導波管30とは直交する2つの方向に分配されて、各
分配された送信信号は各進行波アレーアンテナ1d,2
dに入力されるが、進行波アレーアンテナ1dの入力端
近傍では、そこを伝搬する送信信号は、導波管壁84b
が形成されているために、当該導波管壁84bの幅に応
じて決定される減衰量の減衰を受けて進行波アレーアン
テナ1dに入力される。従って、当該第2の変形例は、
図18に図示された、電力分配器21と減衰器23の構
成と同様の構成を有する。
【0120】図24は第6の実施形態の第3の変形例で
あって、電力分配部の構成を示す横断面図である。図2
4において、それぞれ図18に図示された進行波アレー
アンテナ1dの導波管と、進行波アレーアンテナ2dの
導波管が、図13の第4の実施形態と同様に、図81の
互いに対向する中央部で連結され、かつ、第3の実施形
態と同様に、2つの進行波アレーアンテナ1d,2dの
導波管の各幅を互いに異ならせている。ここで、進行波
アレーアンテナ1dの導波管の幅は、進行波アレーアン
テナ2dの導波管の幅よりも狭い。また、上記中央部に
おいて、給電点に接続される入力開口31を形成してい
る。以上のように構成することにより、進行波アレーア
ンテナ1dを伝搬する送信信号は、進行波アレーアンテ
ナ2dを伝搬する送信信号に比較して、所定の減衰量の
減衰を受け、上述の第1と第2の変形例と同様の作用効
果を有する。
【0121】
【実施例】本発明者らは、第6の実施形態に係る進行波
アレーアンテナ装置を試作してその電気的特性について
実験を行った。以下、その実験結果について説明する。
第6の実施形態に係る進行波アレーアンテナ装置のシミ
ュレーション結果(数値解析結果)について上述した
が、その妥当性を、当該実験を通して検証する。
【0122】進行波アレーアンテナ1dに対する励振振
幅をAtとし、進行波アレーアンテナ2dに対する励振
振幅をAcとし、進行波アレーアンテナ1dにおける主
ビーム方向の変動量をΔθtとし、進行波アレーアンテ
ナ2dにおける主ビーム方向の変動量をΔθcとしたと
き、第6の実施形態のシミュレーションでは、励振振幅
比Ac/At=12dB、主ビーム方向の変動量比Δθ
t/Δθc=2.2が数値計算により、最適値として得
られている。ここで、試作装置の設計条件を次の表に示
す。
【0123】
【表7】 進行波アレーアンテナ装置106の設計条件 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 進行波アレーアンテナ1d 進行波アレーアンテナ2d ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 比誘電率εr 6 2.2 基板厚[mm] 1.6 3.2 スルーホール半径[mm] 0.6 0.6 スルーホールピッチ[mm] 2.4 2.4 ポスト壁導波管幅[mm] 5.56 7.93 スロットペア数 16 16 アレー長[mm] 110 160 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0124】ここでは、実験的な手法として、励振振幅
比Ac/Atは、図18に示すように、電力分配器21
と減衰器23により、給電電力を分配することで得る。
このときの電力分配器21として、ヒューレット・パッ
カード製HP−87304C型ハイブリッド・デバイダ
を用いている。この電力分配器21は、1つの入力信号
に対して、等振幅でかつ同相の2つの出力信号が得られ
るものである。そして、減衰器23により、進行波アレ
ーアンテナ1dに対する励振振幅を下げることで、励振
振幅比Ac/Atを得る。このとき、減衰器23の減衰
量x[dB]は、次式で表される。
【0125】
【数1】
【0126】この式において、At(n)は、進行波ア
レーアンテナ1dのn番目のアンテナ素子における励振
振幅を示し、Ac(n)は、進行波アレーアンテナ2d
のn番目のアンテナ素子における励振振幅を表してい
る。また、主ビーム方向の変動量比Δθt/Δθcは、
上述したように、各導波管をそれぞれ構成する各誘電体
基板の比誘電率の差により与える。なお、実験の装置構
成は、図18と同様である。図18において、上述のよ
うに、2本の同軸ケーブル27b,27cの線路長の差
を調整することにより、進行波アレーアンテナ1d,2
dの各入力端部での送信信号の位相差を実質的に0とな
るように調整している。
【0127】次いで、各進行波アレーアンテナ1d,2
dの構造パラメータを次の表に示す。
【0128】
【表8】 進行波アレーアンテナ1dの構造パラメータ ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 素子番号 素子位置 スロット長L1 スロット長L2 スロット間隔d1 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 4.814 1.726 1.735 0.662 2 10.243 1.808 1.821 0.668 3 15.614 2.093 2.114 0.641 4 20.851 2.401 2.433 0.592 5 25.933 2.573 2.612 0.550 6 30.808 2.741 2.784 0.482 7 35.475 2.829 2.872 0.432 8 39.932 2.939 2.980 0.356 9 44.136 2.993 3.031 0.314 10 48.129 3.075 3.107 0.244 11 52.045 3.049 3.083 0.267 12 55.957 3.023 3.059 0.289 13 60.029 2.893 2.935 0.390 14 64.620 2.687 2.729 0.507 15 69.551 2.418 2.451 0.589 16 74.684 2.242 2.268 0.619 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― (注)入力開口位置が0であり、スロット幅は0.4であり、単位はすべて [mm]である。
【0129】
【表9】 進行波アレーアンテナ2dの構造パラメータ ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 素子番号 素子位置 スロット長L1 スロット長L2 スロット間隔d1 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 4.814 3.736 3.811 0.959 2 14.335 3.74 3.815 0.958 3 23.187 3.798 3.875 0.928 4 31.86 3.8 3.877 0.927 5 40.568 3.767 3.843 0.944 6 49.307 3.79 3.867 0.932 7 57.911 3.83 3.907 0.911 8 66.495 3.826 3.903 0.913 9 75.167 3.798 3.875 0.928 10 83.759 3.825 3.902 0.913 11 92.262 3.84 3.918 0.904 12 100.907 3.784 3.86 0.936 13 109.597 3.744 3.819 0.956 14 118.086 3.758 3.834 0.949 15 126.66 3.719 3.793 0.968 16 134.077 4.087 4.164 0.728 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― (注)入力開口位置が0であり、スロット幅は0.4であり、単位はすべて [mm]である。
【0130】図25は第6の実施形態に係る進行波アレ
ーアンテナ装置における進行波アレーアンテナ1dの指
向特性の測定値(実験値)を示すグラフであり、図26
は第6の実施形態に係る進行波アレーアンテナ装置にお
ける進行波アレーアンテナ2dの指向特性の測定値(実
験値)を示すグラフであり、図27は第6の実施形態に
係る進行波アレーアンテナ装置の指向特性の測定値(実
験値)を示すグラフである。
【0131】図25から明らかなように、この進行波ア
レーアンテナ1dの周波数に対する主ビーム方向の変動
量は、Δθt=7.9°であった。また、図26におい
て、進行波アレーアンテナ2dのコセカント2乗の指向
特性における主ビーム方向の変動量は、Δθc=3.8
°である。従って、主ビーム方向の変動量比Δθt/Δ
θc=2.1である。この条件において、励振振幅比A
c/Atと全体の進行波アレーアンテナ装置の周波数に
対する、進行波アレーアンテナ2dにおける主ビーム方
向の変動量Δθの関係を示したものを図27に示してい
る。この図27の結果は、上述のシミュレーション結果
と同様の振る舞いをしていることがわかる。そして、励
振振幅比Ac/At=14dBのときに、主ビーム方向
の変動量Δθ=0.9度が得られることがわかる。
【0132】これらの条件において、全体の進行波アレ
ーアンテナ装置の放射指向性を図28に示す。図28に
おいて、下限周波数f=25.27GHz、所望波周
波数f=25.48GHz、上限周波数f=25.
69GHzにおけるコセンカント2乗特性の分散はそれ
ぞれ、σ(f)=71%、σ(f)=71%、σ
(f)=73%となっており、26GHz帯FWAの
周波数帯域において、コセカント2乗の指向特性を保持
することができていることがわかる。また、コセカント
2乗の指向特性を有する進行波アレーアンテナ2d単体
では、アンテナ利得の周波数変動量は、3.34dBで
あったのに対して、第6の実施形態に係る進行波アレー
アンテナ装置においては、1.3dBと周波数変動を小
さくすることができる。
【0133】<変形例>以上の実施形態においては、垂
直面放射指向特性における主ビームの変動を抑圧する方
法について説明しているが、本発明はこれに限らず、同
様の方法で、水平面放射指向特性における主ビームの変
動を抑圧するようにしてもよい。
【0134】以上の実施形態においては、他方の進行波
アレーアンテナ2,2a,2b,2c,2dはコセンカ
ント2乗曲線の放射指向特性を有するように形成してい
るが、本発明はこれに限らず、例えば、第1の実施形態
と同様な狭ビームかつ低サイドローブな放射指向特性を
有するように、又は所定のビーム特性を有するように、
形成してもよい。
【0135】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る進行波
合成アレーアンテナ装置によれば、第1の給電線路に沿
って所定の間隔で設けられた複数の第1のアンテナ素子
を備え、所定の放射指向特性を有する第1の進行波アレ
ーアンテナと、第2の給電線路に沿って所定の間隔で設
けられた複数の第2のアンテナ素子を備え、所定の半値
幅の主ビームを有し、上記第1の進行波アレーアンテナ
に比較して低いサイドローブレベルの放射指向特性を有
する第2の進行波アレーアンテナと、入力される送信信
号を2分配して、一方の送信信号を第1の進行波アレー
アンテナに給電する一方、他方の送信信号を第2の進行
波アレーアンテナに給電する分配手段とを備え、所定の
周波数変化に対する上記第1の進行波アレーアンテナか
ら放射される送信信号の電磁波の主ビームの放射角度の
変動量と、上記周波数変化に対する上記第2の進行波ア
レーアンテナから放射される送信信号の電磁波の主ビー
ムの放射角度の変動量とが互いに実質的に相殺されるよ
うに、上記第1の給電線路を進行する送信信号の電磁波
の進行方向と、上記第2の給電線路を進行する送信信号
の電磁波の進行方向との交差角が90度を越えかつ27
0未満であるように上記第1の進行波アレーアンテナと
上記第2の進行波アレーアンテナとを並置した。ここ
で、好ましくは、上記第2の進行波アレーアンテナの放
射指向特性は、(a)アンテナ利得の最大値を含む、3
0度以内の半値幅の主ビームと、(b)上記アンテナ利
得の最大値から−20dB以下のサイドローブレベルと
を有する。また、好ましくは、上記第1の給電線路を進
行する送信信号の電磁波の進行方向と、上記第2の給電
線路を進行する送信信号の電磁波の進行方向とが互いに
実質的に逆向きとなるように、上記第1の進行波アレー
アンテナと上記第2の進行波アレーアンテナとを並置
し、さらに、上記進行波合成アレーアンテナ装置におい
て、好ましくは、上記第2の進行波アレーアンテナは、
所定のコセンカント2乗曲線の放射指向特性を有する。
【0136】従って、本発明によれば、上記周波数変化
に対する上記第1の進行波アレーアンテナから放射され
る送信信号の電磁波の主ビームの放射角度の変動量と、
上記周波数変化に対する上記第2の進行波アレーアンテ
ナから放射される送信信号の電磁波の主ビームの放射角
度の変動量とが互いに実質的に相殺され、これにより、
所望の相手局に対して所望の設計角度で主ビームを向け
ることができる。
【0137】さらに、上記進行波合成アレーアンテナ装
置において、好ましくは、上記分配手段は、上記第1の
進行波アレーアンテナに対して給電される送信信号の電
力と、上記第2の進行波アレーアンテナに対して給電さ
れる送信信号の電力とが互いに異なるように分配する電
力制御手段を含み、ここで、好ましくは、上記第1の進
行波アレーアンテナに対して給電される送信信号を所定
の減衰量だけ減衰させる減衰手段をさらに備える。これ
により、上記第2の進行波アレーアンテナによる放射指
向特性を、上記第1の進行波アレーアンテナによる放射
指向特性に比較して優勢とし、全体の進行波合成アレー
アンテナ装置における放射指向特性を、上記第2の進行
波アレーアンテナの放射指向特性と同様の特性とするこ
とができる。
【0138】さらに、上記進行波合成アレーアンテナ装
置において、好ましくは、上記第1の進行波アレーアン
テナの位相遅れ量を、上記第2の進行波アレーアンテナ
の位相遅れ量よりも大きくするように設定する位相遅れ
量設定手段をさらに備えたことを特徴とする。上記第1
と第2の進行波アレーアンテナ間の主ビーム方向の変動
量の相殺量を調整することができ、これにより、所望の
放射指向特性を保持しつつ、主ビーム方向の変動量を抑
圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態である進行波合
成アレーアンテナ装置101の構成を示す回路図であ
る。
【図2】 (a)は下限周波数f1のときの図1の進行
波アレーアンテナ1の垂直面角度に対する放射パターン
(正規化振幅)を示すグラフであり、(b)は中心周波
数f0のときの図1の進行波アレーアンテナ1の垂直面
角度に対する放射パターン(正規化振幅)を示すグラフ
であり、(c)は上限周波数f2のときの図1の進行波
アレーアンテナ1の垂直面角度に対する放射パターン
(正規化振幅)を示すグラフである。
【図3】 (a)は下限周波数f1のときの図1の進行
波アレーアンテナ2の垂直面角度に対する放射パターン
(正規化振幅)を示すグラフであり、(b)は中心周波
数f0のときの図1の進行波アレーアンテナ2の垂直面
角度に対する放射パターン(正規化振幅)を示すグラフ
であり、(c)は上限周波数f2のときの図1の進行波
アレーアンテナ2の垂直面角度に対する放射パターン
(正規化振幅)を示すグラフである。
【図4】 (a)は下限周波数f1のときの図1の進行
波合成アレーアンテナ装置101の垂直面角度に対する
放射パターン(正規化振幅)を示すグラフであり、
(b)は中心周波数f0のときの図1の進行波合成アレ
ーアンテナ装置101の垂直面角度に対する放射パター
ン(正規化振幅)を示すグラフであり、(c)は上限周
波数f2のときの図1の進行波合成アレーアンテナ装置
101の垂直面角度に対する放射パターン(正規化振
幅)を示すグラフである。
【図5】 本発明に係る第2の実施形態である進行波合
成アレーアンテナ装置102の構成を示す斜視図であ
る。
【図6】 図5の進行波アレーアンテナ2aにおける2
つのスロットペアアンテナ62−m,62−(m+1)
付近の構成を示す上面図である。
【図7】 (a)は下限周波数f1のときの図5の進行
波アレーアンテナ1aの垂直面角度に対する放射パター
ン(正規化振幅)を示すグラフであり、(b)は中心周
波数f0のときの図5の進行波アレーアンテナ1aの垂
直面角度に対する放射パターン(正規化振幅)を示すグ
ラフであり、(c)は上限周波数f2のときの図5の進
行波アレーアンテナ1aの垂直面角度に対する放射パタ
ーン(正規化振幅)を示すグラフである。
【図8】 (a)は下限周波数f1のときの図5の進行
波アレーアンテナ2aの垂直面角度に対する放射パター
ン(正規化振幅)を示すグラフであり、(b)は中心周
波数f0のときの図5の進行波アレーアンテナ2aの垂
直面角度に対する放射パターン(正規化振幅)を示すグ
ラフであり、(c)は上限周波数f2のときの図5の進
行波アレーアンテナ2aの垂直面角度に対する放射パタ
ーン(正規化振幅)を示すグラフである。
【図9】 (a)は下限周波数f1のときの図5の進行
波合成アレーアンテナ装置102の垂直面角度に対する
放射パターン(正規化振幅)を示すグラフであり、
(b)は中心周波数f0のときの図5の進行波合成アレ
ーアンテナ装置102の垂直面角度に対する放射パター
ン(正規化振幅)を示すグラフであり、(c)は上限周
波数f2のときの図5の進行波合成アレーアンテナ装置
102の垂直面角度に対する放射パターン(正規化振
幅)を示すグラフである。
【図10】 本発明に係る第3の実施形態である進行波
合成アレーアンテナ装置103の構成を示す斜視図であ
る。
【図11】 図10の進行波合成アレーアンテナ装置1
03の上面図である。
【図12】 図11のA−A’面の縦断面図である。
【図13】 本発明に係る第4の実施形態である進行波
合成アレーアンテナ装置104の構成を示す斜視図であ
る。
【図14】 図13の進行波合成アレーアンテナ装置1
04の上面図である。
【図15】 図13の進行波合成アレーアンテナ装置1
04の下面図である。
【図16】 図14のB−B’面の縦断面図である。
【図17】 本発明に係る第5の実施形態である進行波
合成アレーアンテナ装置105の構成を示す斜視図であ
る。
【図18】 本発明に係る第6の実施形態である進行波
合成アレーアンテナ装置106の構成を示す斜視図であ
る。
【図19】 (a)は下限周波数f1のときの図18の
進行波アレーアンテナ1dの垂直面角度に対する放射パ
ターン(正規化振幅)を示すグラフであり、(b)は中
心周波数f0のときの図18の進行波アレーアンテナ1
dの垂直面角度に対する放射パターン(正規化振幅)を
示すグラフであり、(c)は上限周波数f2のときの図
18の進行波アレーアンテナ1dの垂直面角度に対する
放射パターン(正規化振幅)を示すグラフである。
【図20】 (a)は下限周波数f1のときの図18の
進行波アレーアンテナ2dの垂直面角度に対する放射パ
ターン(正規化振幅)を示すグラフであり、(b)は中
心周波数f0のときの図18の進行波アレーアンテナ2
dの垂直面角度に対する放射パターン(正規化振幅)を
示すグラフであり、(c)は上限周波数f2のときの図
18の進行波アレーアンテナ2dの垂直面角度に対する
放射パターン(正規化振幅)を示すグラフである。
【図21】 (a)は下限周波数f1のときの図18の
進行波合成アレーアンテナ装置106の垂直面角度に対
する放射パターン(正規化振幅)を示すグラフであり、
(b)は中心周波数f0のときの図18の進行波合成ア
レーアンテナ装置106の垂直面角度に対する放射パタ
ーン(正規化振幅)を示すグラフであり、(c)は上限
周波数f2のときの図18の進行波合成アレーアンテナ
装置106の垂直面角度に対する放射パターン(正規化
振幅)を示すグラフである。
【図22】 第6の実施形態の第1の変形例であって、
電力分配部の構成を示す横断面図である。
【図23】 第6の実施形態の第2の変形例であって、
電力分配部の構成を示す横断面図である。
【図24】 第6の実施形態の第3の変形例であって、
電力分配部の構成を示す横断面図である。
【図25】 第6の実施形態に係る進行波アレーアンテ
ナ装置における進行波アレーアンテナ1dの指向特性の
測定値(実験値)を示すグラフである。
【図26】 第6の実施形態に係る進行波アレーアンテ
ナ装置における進行波アレーアンテナ2dの指向特性の
測定値(実験値)を示すグラフである。
【図27】 第6の実施形態に係る進行波アレーアンテ
ナ装置の指向特性の測定値(実験値)を示すグラフであ
る。
【図28】 従来例に係る進行波アレーアンテナ装置5
04の構成を示す回路図である。
【図29】 図28の進行波アレーアンテナ装置の一例
であって、導波管スロットアレーアンテナ装置508の
構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2,1a,2a,1b,2b,1c,2c,1d,
2d…進行波アレーアンテナ、 11,12…給電線路、 11a,12a…給電矩形導波管、 20,20a…給電点、 21,21a…電力分配器、 22…給電線路、 22a,22b…給電矩形導波管、 23…減衰器、 23a…減衰器、 23b…減衰器部、 24a,25a,25b…入力開口、 26a,26b…同軸導波管変換器、 27a,27b,27c…同軸ケーブル、 28,29…接続導波管、 30…分岐導波管、 31…入力開口、 51−1乃至51−N,52−1乃至52−M…アンテ
ナ素子、 61−1乃至61−N,62−1乃至62−M…スロッ
トペアアンテナ、 63,64…矩形スロット、 71−1乃至71−8,72−1乃至72−8…スロッ
トアンテナ、 81−1乃至81−8,82−1乃至82−8…スロッ
トアンテナ、 83,84…スルーホール、 83c…スルーホール導体、 101乃至106…進行波合成アレーアンテナ装置、 201,301…誘電体基板 202,302…上面導体、 203,303…下面導体、 204,205…側面導体。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年3月5日(2003.3.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る進行波合成
アレーアンテナ装置は、第1の給電線路に沿って所定の
間隔で設けられた複数の第1のアンテナ素子を備え、所
定の放射指向特性を有する第1の進行波アレーアンテナ
と、第2の給電線路に沿って所定の間隔で設けられた複
数の第2のアンテナ素子を備え、所定の半値幅の主ビー
ムを有し、上記第1の進行波アレーアンテナに比較して
低いサイドローブレベルの放射指向特性を有する第2の
進行波アレーアンテナと、入力される送信信号を2分配
して、一方の送信信号を第1の進行波アレーアンテナに
給電する一方、他方の送信信号を第2の進行波アレーア
ンテナに給電する分配手段とを備え、所定の周波数変化
に対する上記第1の進行波アレーアンテナから放射され
る送信信号の電磁波の主ビームの放射角度の変動量と、
上記周波数変化に対する上記第2の進行波アレーアンテ
ナから放射される送信信号の電磁波の主ビームの放射角
度の変動量とが互いに実質的に相殺されるように、上記
第1の給電線路を進行する送信信号の電磁波の進行方向
と、上記第2の給電線路を進行する送信信号の電磁波の
進行方向との交差角が90度を越えかつ270度未満
あるように上記第1の進行波アレーアンテナと上記第2
の進行波アレーアンテナとを並置したことを特徴とす
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】また、一方の進行波アレーアンテナの垂
直面放射指向特性を狭ビーム及び低サイドローブとする
ことで、全体の進行波合成アレーアンテナ装置101の
垂直面放射指向特性を、他方の進行波アレーアンテナ
の垂直面放射指向特性に近い特性にすることができる。
ここで、狭ビーム及び低サイドローブの垂直面放射指向
特性における狭ビームに対応する3dB幅(半値幅)の
角度範囲は、好ましくは5度ないし40度、より好まし
くは5度ないし30度、さらに好ましくは5度ないし4
0度であり、低サイドローブに対応する相対振幅(主ビ
ームを0dBとしたとき)は、好ましくは−20dB以
下、より好ましくは、−30dB以下である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】いま、2つの進行波アレーアンテナ1a,
2aの各矩形導波管11a,12a内の電磁波の進行方
向は互いに逆向きになるように並置されているので、全
体のアレーアンテナである進行波合成アレーアンテナ装
102としては、電磁波の周波数変化Δfに対する主
ビーム方向の変動を相殺して抑えることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正内容】
【0098】この実施形態に係る進行波合成アレーアン
テナ装置104において、誘電体基板301の誘電率、
厚さ、スルーホール83,84の内径s及び間隔t、ポ
スト壁幅aet,aecを変化することにより、ポスト
壁誘電体導波管11cの管内波長を変化させることがで
き、このポスト壁誘電体導波管11cを、同一の管内波
長を有する金属壁の誘電体矩形導波管と等価であること
を仮定して、当該アンテナ装置104の設計を行うこと
ができる。また、進行波合成アレーアンテナ装置104
を誘電体基板301を用いて構成するため、薄型で、且
つ安価に製作することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正内容】
【0107】<第5の実施形態>図17は本発明に係る
第5の実施形態である進行波合成アレーアンテナ装置1
05の構成を示す斜視図である。第5の実施形態に係る
進行波合成アレーアンテナ装置は、図1に図示した第1
の実施形態に比較して、以下の相違点を有することを特
徴としている。その他の構成は同様である。すなわち、
給電点を介して入力される送信信号は、電力分配器21
により同一の分配比で電力分配された後、分配後の一方
の送信信号は減衰器23を介して進行波アレーアンテナ
1に入力される一方、分配後の他方の送信信号はそのま
ま進行波アレーアンテナ2に入力される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正内容】
【0108】以上のように構成された第5の実施形態に
係る進行波合成アレーアンテナ装置105において、進
行波アレーアンテナ1は、進行波アレーアンテナ2に比
較して狭ビームかつ低サイドローブの指向性を有するよ
うに構成され、進行波アレーアンテナ2は、コセカント
2乗の指向性を有するように構成されている。減衰器2
3により、進行波アレーアンテナ1への送信信号の給電
電力を、進行波アレーアンテナ2に比較して減衰させる
ことにより、周波数変化に対する主ビーム方向を変動を
抑えたアレーアンテナ構成となっている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正内容】
【0110】図18において、給電点及び同軸ケーブル
27aを介して入力される送信信号は、電力分配器21
により同一の分配比で電力分配された後、分配後の一方
の送信信号は減衰器23及び同軸ケーブル27bを介し
て同軸導波管変換器26aにに入力される一方、分配後
の他方の送信信号はそのまま同軸ケーブル27cを介し
て同軸導波管変換器26bに入力される。同軸導波管変
換器26aは入力される送信信号を導波管を伝搬する送
信信号に変換した後、接続導波管28及び、進行波アレ
ーアンテナ1dの導波管の入力開口25dを介して進行
波アレーアンテナ1dの導波管内に入力され、その後、
送信信号は当該導波管を伝搬しながら各アンテナ素子か
ら放射される。一方、同軸導波管変換器26bは入力さ
れる信信号を導波管を伝搬する送信信号に変換した後、
接続導波管29及び、進行波アレーアンテナ1dの導波
管の入力開口25eを介して進行波アレーアンテナ2d
の導波管内に入力され、その後、送信信号は当該導波管
を伝搬しながら各アンテナ素子から放射される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正内容】
【0113】以上のように構成された進行波合成アレー
アンテナ装置106のシミュレーション結果について図
19乃至図21を参照して以下に説明する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正内容】
【0116】減衰器23の減衰量を16dBとし、同軸
ケーブル27b,27cの長さの差を調整することによ
り、進行波アレーアンテナ1d,2dの入力開口25
d,25e(給電点)での位相を互いに同相にした場合
の放射指向性の測定結果を図21に示す。図21から明
らかなように、コセカント2乗の指向特性を有する進行
波アレーアンテナ2d単体の指向特性に比較して、本実
施形態に係る進行波合成アレーアンテナ装置106を用
いることで、0.9度まで、主ビーム方向の変動量Δθ
を抑えることができている。また、比較的狭ビームでか
つ低サイドローブの指向特性を有する進行波アレーアン
テナ1dを用いているが、減衰器23を用いて、当該進
行波アレーアンテナ1dに入力される送信信号の入力電
力を抑えることにより、コセカント2乗の指向特性を乱
さない結果となっている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正内容】
【0118】<第6の実施形態の変形例>図22は、第
6の実施形態の第1の変形例であって、電力分配部の構
成を示す横断面図である。図22において、それぞれ図
18に図示された進行波アレーアンテナ1dの導波管
と、進行波アレーアンテナ2dの導波管が、図13の第
4の実施形態と同様に、図18の互いに対向する中央部
で連結され(図22乃至図23においては、導波管を形
成する壁をスルーホール導体83cではなく実線で図示
している。なお、当該導波管は第1乃至第3の実施形態
と同様の通常の導波管であってもよい。)、その中央部
に当該導波管の長手方向とは直交する方向に突出して延
在するように、分岐導波管30が形成され、当該分岐導
波管30の終端部近傍に、給電点20に接続される入力
開口31が形成されている。さらに、上記中央部の進行
波アレーアンテナ1d側の入力端近傍に、複数の導体ピ
ン84aがその長手方向が導波管の厚さ方向と平行とな
るように設けられている。以上のように構成された電力
分配部においては、入力開口31を介して入力された送
信信号は分岐導波管30を伝搬した後、上記中央部で分
岐導波管30とは直交する2つの方向に分配されて、各
分配された送信信号は各進行波アレーアンテナ1d,2
dに入力されるが、進行波アレーアンテナ1dの入力端
近傍では、そこを伝搬する送信信号は、複数の導体ピン
84aが形成されているために、複数の導体ピン84a
の数に応じて決定される減衰量の減衰を受けて進行波ア
レーアンテナ1dに入力される。従って、当該第1の変
形例は、図18に図示された、電力分配器21と減衰器
23の構成と同様の構成を有する。以上の第1の変形例
においては、複数の導体ピン84aを設けているが、こ
れに代えて、例えばより径の大きい、1本の導体ピンで
あってもよい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正内容】
【0119】図23は第6の実施形態の第2の変形例で
あって、電力分配部の構成を示す横断面図である。図2
3においては、図22の複数の導体ピン84aに代え
て、進行波アレーアンテナ1dの入力端部に当該導波管
の横方向の幅を狭くするための導波管壁84bを形成し
たことを特徴としている。以上のように構成された電力
分配部においては、入力開口31を介して入力された送
信信号は分岐導波管30を伝搬した後、上記中央部で分
岐導波管30とは直交する2つの方向に分配されて、各
分配された送信信号は各進行波アレーアンテナ1d,2
dに入力されるが、進行波アレーアンテナ1dの入力端
近傍では、そこを伝搬する送信信号は、導波管壁84b
が形成されているために、当該導波管壁84bの幅に応
じて決定される減衰量の減衰を受けて進行波アレーアン
テナ1dに入力される。従って、当該第2の変形例は、
図18に図示された、電力分配器21と減衰器23の構
成と同様の構成を有する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正内容】
【0120】図24は第6の実施形態の第3の変形例で
あって、電力分配部の構成を示す横断面図である。図2
4において、それぞれ図18に図示された進行波アレー
アンテナ1dの導波管と、進行波アレーアンテナ2dの
導波管が、図13の第4の実施形態と同様に、図18
互いに対向する中央部で連結され、かつ、第3の実施形
態と同様に、2つの進行波アレーアンテナ1d,2dの
導波管の各幅を互いに異ならせている。ここで、進行波
アレーアンテナ1dの導波管の幅は、進行波アレーアン
テナ2dの導波管の幅よりも狭い。また、上記中央部に
おいて、給電点に接続される入力開口31を形成してい
る。以上のように構成することにより、進行波アレーア
ンテナ1dを伝搬する送信信号は、進行波アレーアンテ
ナ2dを伝搬する送信信号に比較して、所定の減衰量の
減衰を受け、上述の第1と第2の変形例と同様の作用効
果を有する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】変更
【補正内容】
【0135】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る進行波
合成アレーアンテナ装置によれば、第1の給電線路に沿
って所定の間隔で設けられた複数の第1のアンテナ素子
を備え、所定の放射指向特性を有する第1の進行波アレ
ーアンテナと、第2の給電線路に沿って所定の間隔で設
けられた複数の第2のアンテナ素子を備え、所定の半値
幅の主ビームを有し、上記第1の進行波アレーアンテナ
に比較して低いサイドローブレベルの放射指向特性を有
する第2の進行波アレーアンテナと、入力される送信信
号を2分配して、一方の送信信号を第1の進行波アレー
アンテナに給電する一方、他方の送信信号を第2の進行
波アレーアンテナに給電する分配手段とを備え、所定の
周波数変化に対する上記第1の進行波アレーアンテナか
ら放射される送信信号の電磁波の主ビームの放射角度の
変動量と、上記周波数変化に対する上記第2の進行波ア
レーアンテナから放射される送信信号の電磁波の主ビー
ムの放射角度の変動量とが互いに実質的に相殺されるよ
うに、上記第1の給電線路を進行する送信信号の電磁波
の進行方向と、上記第2の給電線路を進行する送信信号
の電磁波の進行方向との交差角が90度を越えかつ27
0未満であるように上記第1の進行波アレーアンテナと
上記第2の進行波アレーアンテナとを並置した。ここ
で、好ましくは、上記第2の進行波アレーアンテナの放
射指向特性は、(a)アンテナ利得の最大値を含む、3
0度以内の半値幅の主ビームと、(b)上記アンテナ利
得の最大値から−20dB以下のサイドローブレベルと
を有する。また、好ましくは、上記第1の給電線路を進
行する送信信号の電磁波の進行方向と、上記第2の給電
線路を進行する送信信号の電磁波の進行方向とが互いに
実質的に逆向きとなるように、上記第1の進行波アレー
アンテナと上記第2の進行波アレーアンテナとを並置
し、さらに、上記進行波合成アレーアンテナ装置におい
て、好ましくは、上記第1の進行波アレーアンテナは、
所定のコセンカント2乗曲線の放射指向特性を有する。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0137
【補正方法】変更
【補正内容】
【0137】さらに、上記進行波合成アレーアンテナ装
置において、好ましくは、上記分配手段は、上記第1の
進行波アレーアンテナに対して給電される送信信号の電
力と、上記第2の進行波アレーアンテナに対して給電さ
れる送信信号の電力とが互いに異なるように分配する電
力制御手段を含み、ここで、好ましくは、上記第2の進
行波アレーアンテナに対して給電される送信信号を所定
の減衰量だけ減衰させる減衰手段をさらに備える。これ
により、上記第2の進行波アレーアンテナによる放射指
向特性を、上記第1の進行波アレーアンテナによる放射
指向特性に比較して優勢とし、全体の進行波合成アレー
アンテナ装置における放射指向特性を、上記第2の進行
波アレーアンテナの放射指向特性と同様の特性とするこ
とができる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正内容】
【図19】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図20
【補正方法】変更
【補正内容】
【図20】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図21
【補正方法】変更
【補正内容】
【図21】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 晃一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 廣川 二郎 東京都世田谷区大原1−49−9 Fターム(参考) 5J021 AA02 AA07 AA11 AB05 CA01 DB07 FA05 FA32 GA05 HA05 JA02 5J045 AA02 AA26 BA02 DA04 EA06 FA01 GA01 HA01 JA01 JA17 NA01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の給電線路に沿って所定の間隔で設
    けられた複数の第1のアンテナ素子を備え、所定の放射
    指向特性を有する第1の進行波アレーアンテナと、 第2の給電線路に沿って所定の間隔で設けられた複数の
    第2のアンテナ素子を備え、所定の半値幅の主ビームを
    有し、上記第1の進行波アレーアンテナに比較して低い
    サイドローブレベルの放射指向特性を有する第2の進行
    波アレーアンテナと、 入力される送信信号を2分配して、一方の送信信号を第
    1の進行波アレーアンテナに給電する一方、他方の送信
    信号を第2の進行波アレーアンテナに給電する分配手段
    とを備え、 所定の周波数変化に対する上記第1の進行波アレーアン
    テナから放射される送信信号の電磁波の主ビームの放射
    角度の変動量と、上記周波数変化に対する上記第2の進
    行波アレーアンテナから放射される送信信号の電磁波の
    主ビームの放射角度の変動量とが互いに実質的に相殺さ
    れるように、上記第1の給電線路を進行する送信信号の
    電磁波の進行方向と、上記第2の給電線路を進行する送
    信信号の電磁波の進行方向との交差角が90度を越えか
    つ270未満であるように上記第1の進行波アレーアン
    テナと上記第2の進行波アレーアンテナとを並置したこ
    とを特徴とする進行波合成アレーアンテナ装置。
  2. 【請求項2】 上記第2の進行波アレーアンテナの放射
    指向特性は、(a)アンテナ利得の最大値を含む、30
    度以内の半値幅の主ビームと、(b)上記アンテナ利得
    の最大値から−20dB以下のサイドローブレベルとを
    有することを特徴とする請求項1記載の進行波合成アレ
    ーアンテナ装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の給電線路を進行する送信信号
    の電磁波の進行方向と、上記第2の給電線路を進行する
    送信信号の電磁波の進行方向とが互いに実質的に逆向き
    となるように、上記第1の進行波アレーアンテナと上記
    第2の進行波アレーアンテナとを並置したことを特徴と
    する請求項1又は2記載の進行波合成アレーアンテナ装
    置。
  4. 【請求項4】 上記第1の進行波アレーアンテナは、所
    定のコセンカント2乗曲線の放射指向特性を有すること
    を特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記
    載の進行波合成アレーアンテナ装置。
  5. 【請求項5】 上記分配手段は、上記第1の進行波アレ
    ーアンテナに対して給電される送信信号の電力と、上記
    第2の進行波アレーアンテナに対して給電される送信信
    号の電力とが互いに異なるように分配する電力制御手段
    を含むことを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれ
    か1つに記載の進行波合成アレーアンテナ装置。
  6. 【請求項6】 上記電力制御手段は、上記第2の進行波
    アレーアンテナに対して給電される送信信号を所定の減
    衰量だけ減衰させる減衰手段を含むことを特徴とする請
    求項5記載の進行波合成アレーアンテナ装置。
  7. 【請求項7】 上記第1と第2の進行波アレーアンテナ
    はそれぞれ、導波管スロットアレーアンテナ、誘電体導
    波管スロットアレーアンテナ又はポスト壁誘電体導波管
    スロットアレーアンテナであり、上記減衰手段は、上記
    第2の進行波アレーアンテナの導波管の管幅を、上記第
    1の進行波アレーアンテナの導波管の管幅よりも小さく
    設定してなることを特徴とする請求項6記載の進行波合
    成アレーアンテナ装置。
  8. 【請求項8】 上記第1と第2の進行波アレーアンテナ
    はそれぞれ、誘電体導波管スロットアレーアンテナ又は
    ポスト壁誘電体導波管スロットアレーアンテナであり、
    上記減衰手段は、上記第2の進行波アレーアンテナの誘
    電体導波管の誘電率を、上記第1の進行波アレーアンテ
    ナの誘電体導波管の誘電率よりも大きく設定してなるこ
    とを特徴とする請求項6記載の進行波合成アレーアンテ
    ナ装置。
  9. 【請求項9】 上記第1と第2の進行波アレーアンテナ
    はそれぞれ、ポスト壁誘電体導波管スロットアレーアン
    テナであり、上記減衰手段は、上記第2の進行波アレー
    アンテナのポスト壁のスルーホールの内径を、上記第1
    の進行波アレーアンテナのポスト壁のスルーホールの内
    径よりも小さく設定してなることを特徴とする請求項6
    記載の進行波合成アレーアンテナ装置。
  10. 【請求項10】 上記第1と第2の進行波アレーアンテ
    ナはそれぞれ、ポスト壁誘電体導波管スロットアレーア
    ンテナであり、上記減衰手段は、上記第2の進行波アレ
    ーアンテナのポスト壁のスルーホールの間隔を、上記第
    1の進行波アレーアンテナのポスト壁のスルーホールの
    間隔よりも大きく設定してなることを特徴とする請求項
    6記載の進行波合成アレーアンテナ装置。
  11. 【請求項11】 上記第1と第2の進行波アレーアンテ
    ナはそれぞれ、導波管スロットアレーアンテナ、誘電体
    導波管スロットアレーアンテナ又はポスト壁誘電体導波
    管スロットアレーアンテナであり、上記分配手段と、上
    記第1と第2の進行波アレーアンテナとは同一の導波管
    内に形成されたことを特徴とする請求項1乃至6のうち
    のいずれか1つに記載の進行波合成アレーアンテナ装
    置。
  12. 【請求項12】 上記第1と第2の進行波アレーアンテ
    ナはそれぞれ、導波管スロットアレーアンテナ、誘電体
    導波管スロットアレーアンテナ又はポスト壁誘電体導波
    管スロットアレーアンテナであり、上記減衰手段は、上
    記第2の進行波アレーアンテナの導波管の入力開口近傍
    に形成された少なくとも1本の導体ピンを含むことを特
    徴とする請求項6記載の進行波合成アレーアンテナ装
    置。
  13. 【請求項13】 上記第1と第2の進行波アレーアンテ
    ナはそれぞれ、導波管スロットアレーアンテナ、誘電体
    導波管スロットアレーアンテナ又はポスト壁誘電体導波
    管スロットアレーアンテナであり、上記減衰手段は、上
    記第2の進行波アレーアンテナの導波管の入力開口近傍
    に形成された導波管壁を含むことを特徴とする請求項6
    記載の進行波合成アレーアンテナ装置。
  14. 【請求項14】 上記第2の進行波アレーアンテナの位
    相遅れ量を、上記第1の進行波アレーアンテナの位相遅
    れ量よりも大きくするように設定する位相遅れ量設定手
    段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至13の
    うちのいずれか1つに記載の進行波合成アレーアンテナ
    装置。
  15. 【請求項15】 上記位相遅れ量設定手段は、上記第2
    の進行波アレーアンテナの第2のアンテナ素子の間隔
    を、上記第1の進行波アレーアンテナの第1のアンテナ
    素子の間隔よりも大きく設定してなることを特徴とする
    請求項14記載の進行波合成アレーアンテナ装置。
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