JP2003318611A - ストリップ伝送線路基板及びその製造方法 - Google Patents

ストリップ伝送線路基板及びその製造方法

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JP2003318611A
JP2003318611A JP2002121771A JP2002121771A JP2003318611A JP 2003318611 A JP2003318611 A JP 2003318611A JP 2002121771 A JP2002121771 A JP 2002121771A JP 2002121771 A JP2002121771 A JP 2002121771A JP 2003318611 A JP2003318611 A JP 2003318611A
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layer
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Satoshi Yanagiura
聡 柳浦
Giyouko In
暁紅 殷
Shigeru Uchiumi
茂 内海
Toshio Kobayashi
利夫 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性の向上を目的とする表面被覆層にて伝
送損失が低い銅配線を備えたストリップ伝送線路基板を
得る。 【解決手段】 パターン化されていない均一な金属板
(例えば銅箔)上に電解Niメッキにより、導電率が高
く、かつ緻密な膜特性を有する電解Niメッキ層を形成
した後、この電解Niメッキ層上に更に電解銅メッキに
より電解銅メッキ層を形成し、この電解銅メッキ層にパ
ターニングを施し銅配線パターンを形成すること、即
ち、銅配線パターンと電解Niメッキ層の形成順序を従
来と逆にすることにより、銅配線パターン上に緻密かつ
均一な膜厚を有するNiメッキ層を形成する。また、銅
配線パターンの表面以外を誘電体に埋め込む構造とする
ことにより、銅配線の耐食性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストリップ伝送線
路基板及びその製造方法に関し、ことに、低伝送損失特
性を有し、1GHz以上の高周波成分を含む高速デジタ
ル信号の伝送に好適なストリップ伝送線路基板及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高速デジタル信号等の高周波信号を処理
する高周波信号処理用プリント回路配線板における最外
層の信号線は、通常、ストリップラインと呼ばれる伝送
線路にて構成される。図9は、特開平8−78940号
公報に開示された従来のストリップラインの一例である
マイクロストリップラインの構成を示す図である。図示
されたように、マイクロストリップラインは、銅製の基
板導体である導体30と、導体30上に配置された低損
失誘電体であるアルミナコンポジット製の誘電体31
と、誘電体31上に配置された幅寸法が制御されたスト
リップ導体32にて構成されるものである。
【0003】かかるストリップラインのストリップ導体
(配線導体)として用いられる銅の表面には、腐食防止
の観点から、通常、厚さ3〜5μm程度の無電解Ni−
Pメッキ層が形成される。また、ストリップ導体の半田
密着性向上のため、さらにその上に薄くフラッシュ金メ
ッキ層が形成される場合もある。図10は、多層プリン
ト配線板製造技術(日刊工業新聞社、高木 清 著、1
993年5月31日初版発行、P.19−P.40)に
開示された従来のストリップ伝送線路基板の製造方法を
示す図である。従来のストリップ伝送線路基板の製造方
法は、まず初めにガラスエポキシやアルミナセラミック
製の基材33の表裏面にストリップ導体及び基板導体と
なる電解銅箔34が貼り付けられることにより基板が形
成される(図中、110)。次にこの基板の所定位置に
貫通穴が形成され(図中、111)、電解銅メッキによ
り貫通穴内部に銅メッキ層35が施され、表裏面の導通
が取られる(図中、112)。その後、電解銅箔34の
一方に所定の配線パターンが形成された後(図中、11
2)、無電解ニッケルリンメッキ層(以下、Ni−Pメ
ッキ層とも言う)36および無電解金メッキ層37が形
成され、所定のストリップ伝送線路基板が作製される
(図中、113)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ストリップ伝送線路基板においては、Ni−Pメッキ層
の導電率(2.7×10 S/cm)が銅箔に用いら
れる銅の導電率(5.5×10 S/cm)に比べ1
桁以上小さいため、銅配線の表面に形成されたNi−P
メッキ層にて伝送損失が生じる表皮効果の問題を有して
いた。
【0005】表皮効果に起因する伝送損失を低減させる
方法としては、Ni−Pメッキ層に代えて導電率が高
く、緻密な膜形成が可能なNiメッキ層(導電率:7.
2×10 S/cm)を形成することやNi−Pメッ
キ層上に金メッキ層を形成することが考えられる。しか
しながら、Niメッキ層を銅配線パターン上に安定に形
成するためには電解ニッケルメッキ法を用いる必要があ
るが、一般に、パターン化された金属に電解メッキを施
す場合、給電は基板外部から行われるため、パターンの
形状(幅、長さ)が異なると電流分布の問題が生じる。
即ち、電流の流れやすい部分において厚い膜が形成さ
れ、逆に電流の流れにくい部分には薄い膜が形成される
ことになり、金属板上の全面に電解メッキを施す場合に
比較して、膜厚、膜質等のメッキ特性は不均一となる。
そのため、パターン化された後の銅配線パターン全面に
渡って、表面に均一な膜厚を有するNiメッキ層を形成
することが困難であった。また、銅配線パターン表面に
Ni−Pメッキ層を形成し、さらに金メッキ層を形成す
る場合には、形成された金メッキ層の膜厚が薄いと下層
のNi−Pメッキ層まで表皮効果が及ぶため伝送損失を
向上させることが困難であり、形成された金メッキ層の
膜厚が厚いとコストが上昇するという問題を有してい
た。
【0006】本発明はかかる課題を解決することを目的
とし、パターン化されていない均一な金属板(例えば銅
箔)上に電解Niメッキにより、導電率が高く、かつ緻
密な膜特性を有する電解Niメッキ層を形成した後、こ
の電解Niメッキ層上に更に電解銅メッキにより電解銅
メッキ層を形成し、この電解銅メッキ層にパターニング
を施し銅配線パターンを形成すること、即ち、銅配線パ
ターンと電解Niメッキ層の形成順序を従来と逆にする
ことにより、銅配線パターン上に緻密かつ均一な膜厚を
有するNiメッキ層を形成するものである。また、銅配
線パターンの表面以外を誘電体に埋め込む構造とするこ
とにより、銅配線の耐食性を向上させるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるストリ
ップ伝送線路基板は、誘電体基板と、誘電体基板の1面
に配設された基板導体と、誘電体基板の他の面に配設さ
れた複数本のストリップライン導体とを有し、ストリッ
プライン導体が誘電体基板に埋め込まれ、ストリップラ
イン導体の誘電体基板から露出した部分が電解ニッケル
メッキ層を有したものである。
【0008】かかるストリップ伝送線路基板は、ストリ
ップライン導体と空気層を挟んで相対するグランド層が
設けられた構成とすることができる。
【0009】この発明にかかるストリップ伝送線路基板
の製造方法は、銅箔の片面に電解ニッケルメッキを施
し、電解ニッケルメッキ層を形成する工程と、電解ニッ
ケルメッキ層の上に銅配線パターンを形成して外層基材
を形成する工程と、外層基材を銅配線パターンが形成さ
れた面を内側にして、誘電体を有する内層板を貼り合わ
せることにより、銅配線パターンが誘電体に埋め込まれ
るように積層基板を形成する工程と、積層基板の表面の
銅箔を除去し、電解ニッケルメッキ層を露出させる工程
と、露出した電解ニッケルメッキ層のうち銅配線パター
ン上以外に形成された部分を除去する工程を備えたもの
である。
【0010】かかるストリップ伝送線路基板の製造方法
は、外層基材を形成する工程が、銅配線パターン形成後
に、銅配線パターンが形成された面に抵抗体樹脂ペース
トを印刷する工程と、抵抗体樹脂ペーストを硬化させ抵
抗体を形成する工程とを更に備えていてもよい。
【0011】かかるストリップ伝送線路基板の製造方法
は、露出した電解ニッケルメッキ層のうち銅配線パター
ン上以外に形成された部分を除去した後に、露出した電
解ニッケルメッキ層を金で被覆する工程を更に備えてい
てもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
るために、添付の図面に基づいてこれを説明する。 実施の形態1 図1は本発明にかかるストリップ伝送線路基板の製造方
法を示す工程説明図である。かかるストリップ伝送線路
基板は、誘電体層を構成する内層板(図中、102B)
と、この内層板102Bの両側に配置される2枚の外層
板(図中、102A及び102C)にて構成されるもの
である。なお、外層板102Aはストリップ伝送線路
を、102Cはグランド層(基板導体)を形成する。こ
こで、伝送線路基板を構成する外層板(図中、102A
及び102C)は、例えば、以下のようにして作製す
る。初めに、厚み18μmの電解銅箔1の片側に電解ニ
ッケルメッキ層2を、3.0μm以下の厚みで形成し、
さらに、この電解ニッケルメッキ層2の上に約20μm
厚の電解銅メッキ層3を施した外層基材を用意する(図
中、101)。次にこの外層基材に形成された電解銅メ
ッキ層3に対し常法の露光法及びエッチングを適用し、
所定の配線パターンを形成することにより外層板102
Aを作製する。
【0013】外層板102Aの配線パターンの形成は、
次のようにして行う。まず初めに、電解銅メッキ層3が
施された基板の表裏両面に厚み25〜50μmのフォト
レジストをラミネートし、常法の露光法により、所定の
レジストパターンを形成する。このようにして形成され
たレジストパターンをマスクとし、アルカリ系銅エッチ
ング液により銅のみパターニング(エッチング)する。
最後にレジストを剥離することで、所定の銅配線パター
ンを有する外層板102Aが得られる。
【0014】同様のプロセスにて得られた、外層板10
2A、102Cを、例えば、厚さ100μmのプリプレ
グ5(三菱ガス化学製GHPL−950SKT)と以下
の手順で貼り合わせた後、表面に配線パターン(伝送線
路)又はグランド層を形成し、所定のストリップ伝送線
路基板を作製する。すなわち、外層板102D及び10
2Eを、パターン面を内側にし、プリプレグ5(内層板
102B)を介して内層プリント基板4に貼り合わせ、
熱プレスすることにより積層基板を形成する(図中、1
03)。続いて、得られた積層基板の最外層の銅箔1を
アルカリ系銅エッチング液により全面エッチングして電
解ニッケルメッキ層2を全面露出させる。そして、下層
に形成されている銅配線パターンに合わせて、常法の露
光法を用いて銅パターン部以外の電解ニッケルメッキ層
をエッチングにて除去することにより、表面に3μm厚
の電解ニッケルメッキ層が形成された銅配線(伝送線
路)が得られる。この銅配線は、プリプレグ5と外層板
102D及び102Eが貼り合わされることにより、プ
リプレグ5に埋め込まれた構造を有している(図中、1
03〜105)。また、ここでは誘電体としてプリプレ
グを用いているが、ドライフィルムや半硬化した樹脂塗
膜でも同様な効果を得ることが可能である。
【0015】さらに、基板全体に、0.1μm以下の金
薄膜を形成する無電解フラッシュ金メッキを施すことに
より電解ニッケル層の上に無電解フラッシュ金メッキ層
7が形成され、半田付けが容易なCu/Ni/Auの3
層構造を有する配線(伝送線路)を備えたストリップ伝
送線路基板を形成することも可能である(図中、10
5)。また、かかる金メッキに代えて、常法の露光法と
真空蒸着法やスパッタ法を組合せることにより電解ニッ
ケルメッキ層上にのみ金の被膜を形成することも可能で
ある。
【0016】上述したように、本発明にかかるストリッ
プ伝送線路基板の製造方法によれば、パターン化されて
いない均一な銅箔の上に予め電解ニッケルメッキ層を全
面形成し、その上に更に電解銅メッキ層を全面形成した
後、この電解銅メッキ層にパターニングを施し、銅配線
パターンを形成することにより外層板を形成し、この外
層板を銅配線パターン面を内側にして誘電体層と貼り合
わせ、表面の銅箔および銅配線パターン部以外の電解ニ
ッケルメッキ層を除去することにより、所定の膜厚
(3.0μm以下)を有した電解ニッケルメッキ層にて
表面が被覆された銅配線パターンをストリップ伝送線路
基板全面に渡り形成することができる。この電解ニッケ
ル層(導電率:7.2×10 S/cm)は、無電解
Ni−Pメッキにより形成される従来の無電解Ni−P
層(導電率:2.7×10 S/cm)に比べ、導電
率が高く、表皮効果による伝送損失を低減させることが
できる。また、電解ニッケルメッキ層はパターン化され
ていない均一な銅箔上に電解メッキにて形成されたもの
であるため、電解メッキを施す際の電流密度分布は均一
であるため、膜厚のばらつきが小さい。また、無電解N
i−Pメッキに比べ、緻密な膜特性を有し、導電率が高
い。更に、その後に形成され、銅配線パターンとなる電
解銅メッキ層に対し、従来の無電解Ni−P層(3μm
〜5μm)に比べ薄い膜厚(<3μm)にても耐食性を
付与することができるものである。
【0017】即ち、本発明にかかるストリップ伝送線路
基板は、ストリップライン導体である銅配線が誘電体で
あるプリプレグに埋め込まれ、その表層部が緻密な膜特
性を有する電解ニッケルメッキ層にて被覆されており、
電解ニッケルメッキ層の膜厚が3μm以下の薄膜であっ
ても、ストリップライン導体の耐食性が向上するととも
に、信号の伝送損失が小さいという特徴を有する。かか
るストリップ伝送線路基板は信号の低伝送損失を必要と
する基板、例えば、1GHz以上の高周波成分を含む信
号の伝送用基板として好適である。また、電解ニッケル
メッキ層の上にさらに金メッキ層を形成した場合には、
良好なはんだ付け特性を有するストリップライン導体が
得られ、低伝送損失特性を有するストリップ伝送線路基
板の製造が容易となる。なお、電解ニッケルメッキは下
地の銅に比べて導電率が低いため膜厚は3μm以下が好
ましいが、本願発明の効果はかかる膜厚にて特に限定さ
れるものではなく、膜厚が3μm以上であっても従来の
無電解Ni−Pメッキを用いた基板よりも高い伝送性能
が得られる。
【0018】実施の形態2 図2は本発明にかかるストリップ伝送線路基板の製造方
法を示す工程説明図である。かかるストリップ伝送線路
基板の製造方法は、実施の形態1にて示したストリップ
伝送線路基板の製造方法に対し、内層板102Bが配線
を有した積層構造を有する場合に対するものである。本
実施の形態の伝送線路基板を構成する外層板102D及
び102Eは、実施の形態1にて示した方法と同様にし
て作製する。
【0019】また、本実施の形態にかかるストリップ伝
送線路基板を構成する内層板102Bは以下のようにし
て作製する。初めに、厚さ12μmの銅箔を有する銅貼
り積層板(三菱ガス化学(株)製HCL−950sk、
厚さ100μm)の両側の銅面にフォトレジストドライ
フィルムを貼り付け、常法の露光法により所定のレジス
トパターンを形成した後、このレジストパターンをマス
クとし、銅をエッチングし所定の銅配線パターンを形成
する。銅配線パターンの形成後、ドライフィルムを除去
し、内層プリント基板4を作製する(図中、102
B)。この内層プリント基板4の両面に厚さ100μm
のプリプレグ5(三菱ガス化学製GHPL−950SK
T)を貼り付け、プリプレグが形成されたプリント基板
の両面に離型可能なPETフィルム(厚さ25μm:)
をさらに貼り付けたものを内装基材として用意する。そ
して、この内装基材に対し、PETフィルムの上から配
線パターンに対応した所定の位置にスルーホールを空
け、スルーホール内に導電性樹脂ペーストを印刷法にて
充填する。導電性樹脂ペーストの充填後、内層基材の上
下面を同時にドクターブレード等により走査し、導電性
樹脂ペーストのはみ出し部分を掻き取る。その後、この
内装基材を100℃30分の加熱条件にて加熱してペー
ストを半硬化させる。ペーストの半硬化後、PETフィ
ルムをはがすことにより導電性樹脂が充填されたスルー
ホールの形成された内層板102Bが得られる。このと
き焼成時のプリプレグの熱膨張によりスルーホール部に
充填された導電性樹脂は、通常、内層基材より20μm
程度突出した状態となる(図中、102B)。
【0020】以上のようにして得られた、内層板102
Bと外層板102D、102Eを以下の手順で貼り合わ
せた後、表面に配線パターン(伝送線路)を形成するこ
とにより所定のストリップ伝送線路基板が得られる。す
なわち、外層板102D及び102Eを、パターン面を
内側にし、内層板102Bに形成されたスルーホールを
基準として所定位置にセットし、熱プレスすることによ
り積層基板を形成する(図中、103)。このとき、内
層板102Bには内層基材より20μm程度突出した導
電性樹脂が存在するため、熱プレスにより外層板102
D及び102Eと内層板102B間に良好な電気的接続
部が形成される。続いて、得られた積層基板の最外層の
銅箔1をアルカリ系銅エッチング液により全面エッチン
グして電解ニッケルメッキ層2を全面露出させる。そし
て、下層に形成されている銅配線パターンに合わせて、
常法の露光法を用いて銅パターン部以外の電解ニッケル
メッキ層をエッチングにて除去することにより、表面に
3μm厚の電解ニッケルメッキ層が形成された銅配線
(伝送線路)が得られる。この銅配線は、内層板102
Bと外層板102D、102Eが貼り合わされることに
より、内層板102Bのプリプレグ5に埋め込まれた構
造を有している(図中、103〜105)。また、実施
の形態1同様、基板全体に、0.1μm以下の金薄膜を
形成することも可能である。
【0021】上述したように、本発明にかかるストリッ
プ伝送線路基板の製造方法によれば、内層板として多層
の配線層を有した積層基板を用いることができるため、
信号伝送損失が小さく、多層配線構造を有したストリッ
プ伝送線路基板が容易に得られ、好適である。
【0022】実施の形態3 実施の形態1、2においては、最外層にストリップライ
ン導体のみを有したストリップ伝送線路基板の製造方法
について説明したが、外層板に抵抗体等の受動部品を形
成する場合には、以下のようにしてストリップ伝送線路
基板を製造することができる。即ち、実施の形態1にお
いて述べた方法により、外層板102A、102Cに銅
配線パターンを形成した後、例えば、フェノール樹脂・
カーボン系抵抗体ペーストを外層板102A、102C
の銅配線パターン面の所定位置にスクリーン印刷により
塗布し、熱硬化させることにより所定の抵抗体を形成す
ることができる。このようにして形成された外層板を、
実施の形態1に示した方法と同様にして内層板102B
と貼り合わせた後、最外層の銅箔をエッチングにて除去
し、露出した電解ニッケルメッキ層をパターニングする
ことにより、抵抗体等の受動部品を有するストリップ伝
送線路基板が得られる。以上、かかるストリップ伝送線
路基板の製造方法を用いることにより、受動部品が形成
された信号伝送損失の小さなストリップ伝送線路基板
が、低コストかつ容易に得られ、好適である。
【0023】実施の形態4 本発明にかかるストリップ伝送線路基板の伝送特性を検
討するために、以下に示す4種類のストリップ伝送線路
基板を用意し、各々の伝送特性を比較した。ここで、サ
ンプル1及び2は本発明にかかるストリップ伝送線路基
板、サンプル3及び4は比較のための従来のストリップ
伝送線路基板である。図3はサンプル1の構成を示す図
である。サンプル1は、実施の形態1にて示した方法と
ほぼ同じ方法にて形成されたものであり、図中、8は厚
み18μmの電解銅箔、3は電解銅メッキ層、2は電解
ニッケルメッキ層、9は無電解金メッキ層、5は内層板
としてのプリプレグを示している。本実施の形態にかか
るストリップ伝送線路基板は、実施の形態1に示したス
トリップ伝送線路基板と比較して、基板導体(電解銅箔
8)の表面に電解Niメッキ及び金メッキが形成されて
いない構成を有している点が相違している。また、スト
リップ導体は厚み20μmの銅配線3に厚み1μmの電
解ニッケルメッキ層2が形成された構成を有し、幅は2
00μmである。また、ストリップ基板はストリップ導
体を中心に幅20mm、長さ方向100mmに切断し
た。
【0024】図5はサンプル2の構成を示す図である。
サンプル2は、サンプル1をベースに、電解銅メッキ層
3の相対位置に、空気層11を挟んで厚さ1mmのアル
ミグランド板12を設けたものである。ここで、電解銅
メッキ層3とアルミグランド板12間の距離は0.5m
mとした。かかる空気層は誘電損失が低く、ストリップ
導体に対する誘電体層として有効であり、また、かかる
空気層を挟んで設けられたグランド基板は放射損失の低
減に寄与し、空気層を誘電層として用いる効果と合わ
せ、伝送特性の向上に寄与するものである。
【0025】また、サンプル1、2の伝送特性を評価す
るために、以下のような従来の伝送線路基板(サンプル
3、4)を作製し、特性比較を行った。図4は、サンプ
ル3の構成を示す図である。サンプル3は、サンプル1
にて用いたプリプレグ5に電解銅メッキ層3を形成し、
常法の露光法にて銅配線パターンを形成後、銅配線上に
無電解Ni−Pメッキにより無電解Ni−Pメッキ層1
0を約3μm形成し、さらに無電解金メッキにより無電
解金メッキ層9を約0.1μm形成したものである。従
って、サンプル3においては、銅配線3はプリプレグ5
に埋設された構成は有していない。図6は、サンプル4
の構成を示す図である。サンプル4は、サンプル3をベ
ースに、電解銅メッキ層3の相対位置に、空気層11を
挟んで厚さ1mmのアルミグランド板12を設けたもの
である。
【0026】次に、アジレントテクノロジー社製ネット
ワークアナライザー8510Bを用いて、これら4種の
サンプル1〜4の伝送線路(ストリップライン)におけ
る伝送特性を測定した。サンプル1と3の伝送特性の比
較を図7に、サンプル2と4の伝送特性の比較を図8に
示す。図7、8の縦軸に示されたS21は、高周波回路
の特性を表すSパラメータの1つである順方向伝達係数
(利得)を意味し、伝送により損失するエネルギーの大
きさを表すものである。従って、図7、8においてはエ
ネルギーロス(伝送損失)が小さいほど、0に近づくこ
とになる。図7、8より、5GHzから15GHzの広
い周波数領域にわたり、本発明にかかるストリップ伝送
線路基板(サンプル1、2)における信号の伝送損失が
小さく、、従来の伝送線路基板(サンプル3、4)にて
得られた伝送特性よりも優れていることが分かる。な
お、図7、8には5GHz〜15GHzの周波数領域に
おける伝送特性を示したが、理論的には、ほぼ1GHz
から300GHz程度の高周波領域の信号に対し、本発
明にかかるストリップ伝送線路基板は従来のストリップ
伝送線路基板よりも信号の伝送損失が小さく、優れた伝
送特性を有していると考えられる。
【0027】
【発明の効果】以上、本発明にかかるストリップ伝送線
路基板によれば、誘電体基板と、誘電体基板の1面に配
設された基板導体と、誘電体基板の他の面に配設された
複数本のストリップライン導体とを有し、ストリップラ
イン導体が誘電体基板に埋め込まれ、ストリップライン
導体の誘電体基板から露出した部分が電解ニッケルメッ
キ層を有しているため、ストリップライン導体の耐食性
が高く、表面での伝送損失が小さい、低伝送損失特性を
有するストリップ伝送線路基板が得られる。また、スト
リップライン導体と空気層を挟んで相対するグランド層
が設けられた場合には、ストリップライン導体が誘電損
失の低い空気層で覆われ、グランド層により放射損失が
低減されるため、より伝送損失の小さいストリップ伝送
線路基板が得られ、好適である。
【0028】本発明にかかるストリップ伝送線路基板の
製造方法によれば、銅箔の片面に電解ニッケルメッキを
施し、電解ニッケルメッキ層を形成する工程と、電解ニ
ッケルメッキ層の上に銅配線パターンを形成して外層基
材を形成する工程と、外層基材を銅配線パターンが形成
された面を内側にして、誘電体を有する内層板を貼り合
わせることにより、銅配線パターンが誘電体に埋め込ま
れるように積層基板を形成する工程と、積層基板の表面
の銅箔を除去し、電解ニッケルメッキ層を露出させる工
程と、露出した電解ニッケルメッキ層のうち銅配線パタ
ーン上以外に形成された部分を除去する工程を備えてい
るため、ストリップライン導体を構成する銅配線パター
ンが内層板に埋め込まれ、かつ銅配線パターンの表面が
緻密な膜特性を有する電解ニッケル層にて覆われたスト
リップ伝送線路基板を作製することができ、耐食性が高
く、かつ低伝送損失特性を有するストリップライン導体
を備えたストリップ伝送線路基板の製造方法が実現され
る。
【0029】また、外層基材を形成する工程が、銅配線
パターン形成後に、銅配線パターンが形成された面に抵
抗体樹脂ペーストを印刷する工程と、抵抗体樹脂ペース
トを硬化させ抵抗体を形成する工程とを更に備えるよう
にすれば、抵抗体等の受動部品を有するストリップ伝送
線路基板の製造方法が実現される。
【0030】さらに、露出した電解ニッケルメッキ層の
うち銅配線パターン上以外に形成された部分を除去した
後に、露出した電解ニッケルメッキ層を金で被覆する工
程を更に備えた場合には、半田付けが容易なCu/Ni
/Auの3層構造を有するストリップライン導体が形成
され、ストリップライン導体のはんだ付け特性が向上す
るため、はんだ付けが容易なストリップ伝送線路基板の
製造方法が実現され、好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるストリップ伝送線路基板の製
造方法を説明する図である。
【図2】 本発明にかかるストリップ伝送線路基板の製
造方法を説明する図である。
【図3】 本発明にかかるストリップ伝送線路基板の構
成説明図である。
【図4】 従来のストリップ伝送線路基板の構成説明図
である。
【図5】 本発明にかかるストリップ伝送線路基板の構
成説明図である。
【図6】 従来のストリップ伝送線路基板の構成説明図
である。
【図7】 本発明にかかるストリップ伝送線路基板の伝
送特性を示す図である。
【図8】 本発明にかかるストリップ伝送線路基板の伝
送特性を示す図である。
【図9】 従来のストリップ伝送線路の構成説明図であ
る。
【図10】 従来のストリップ伝送線路基板の製造方法
を説明する図である。
【符号の説明】
1 銅箔、2 電解ニッケルメッキ層、3 電解銅メッ
キ層、4 内層プリント基板、5 プリプレグ、6 導
電性樹脂ペースト、7 無電解フラッシュ金メッキ層、
8 電解銅箔、9 無電解金メッキ層、10 無電解ニ
ッケル−リンメッキ層、11 空気層、12 アルミグ
ランド板、30 基板導体、31 誘電体、32 スト
リップ導体、33 基材、34 無電解銅、35 電解
銅メッキ層、36 無電解ニッケル−リンメッキ層、3
7 無電解金メッキ層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内海 茂 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 小林 利夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4E351 BB05 BB31 CC11 DD01 5E343 AA12 AA13 BB03 BB16 BB24 BB44 BB63 BB72 DD56 ER50 GG06 GG08 GG11 GG18 GG20 5J014 CA31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板と、この誘電体基板の1面に
    配設された基板導体と、前記誘電体基板の他の面に配設
    された複数本のストリップライン導体とを有し、前記ス
    トリップライン導体が前記誘電体基板に埋め込まれ、前
    記ストリップライン導体の前記誘電体基板から露出した
    部分が電解ニッケルメッキ層を有してなるストリップ伝
    送線路基板。
  2. 【請求項2】 前記ストリップライン導体と空気層を挟
    んで相対するグランド層が設けられてなる請求項1に記
    載のストリップ伝送線路基板。
  3. 【請求項3】 銅箔の片面に電解ニッケルメッキを施
    し、電解ニッケルメッキ層を形成する工程と、 この電解ニッケルメッキ層の上に銅配線パターンを形成
    して外層基材を形成する工程と、 この外層基材を前記銅配線パターンが形成された面を内
    側にして、誘電体を有する内層板を貼り合わせることに
    より、前記銅配線パターンが前記誘電体に埋め込まれる
    ように積層基板を形成する工程と、 この積層基板の表面の前記銅箔を除去し、前記電解ニッ
    ケルメッキ層を露出させる工程と、 露出した前記電解ニッケルメッキ層のうち前記銅配線パ
    ターン上以外に形成された部分を除去する工程を備えて
    なるストリップ伝送線路基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記外層基材を形成する工程が、前記銅
    配線パターン形成後に、前記銅配線パターンが形成され
    た面に抵抗体樹脂ペーストを印刷する工程と、前記抵抗
    体樹脂ペーストを硬化させ抵抗体を形成する工程とを更
    に備えてなる請求項3に記載のストリップ伝送線路基板
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記露出した電解ニッケルメッキ層のう
    ち前記銅配線パターン上以外に形成された部分を除去し
    た後に、前記露出した電解ニッケルメッキ層を金で被覆
    する工程を更に備えてなる請求項3または4に記載のス
    トリップ伝送線路基板の製造方法。
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