JP2003318589A - 電波音波吸収構造物およびそれを用いた電波音波吸収壁 - Google Patents

電波音波吸収構造物およびそれを用いた電波音波吸収壁

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各電波音波吸収構造物間の隙間が形成されに
くい電波音波吸収壁、ならびにそのための電波音波吸収
構造物を提供する。 【解決手段】 電波音波吸収体と、当該電波音波吸収体
を少なくとも厚み方向一方側が露出し得るように収納す
る直方状の筐体とを備え、二つの幅方向のうち、いずれ
か一方の幅方向における両端部にて、電波音波吸収体と
筐体とがボルト状部材によって互いに固定されてなり、
上記幅方向両端部において、一方側の端部におけるボル
ト状部材と他方側の端部におけるボルト状部材とが、当
該幅方向に沿った同一直線上にないように配置されたも
のであることを特徴とする電波音波吸収構造物、ならび
にそれを用いた電波音波吸収壁。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波および音波を
吸収し得る電波音波吸収体と、当該電波音波吸収体を収
容する筐体とを備える電波音波吸収構造物、ならびに当
該電波音波吸収構造物を並設した電波音波吸収壁に関す
る。
【0002】
【従来の技術】道路交通の発達に伴い、車両の走行など
による騒音が社会問題の一つとなっている。このため、
音波を吸収して吸音能を有する吸音壁を道路脇などに設
け、騒音を抑制する試みが従来よりなされている。従来
の防音壁においては、グラスウールやロックウールをパ
ネル状(板状)に成形してなる防音パネルを複数個、断
面H字状の支持部材を介して並設し、壁状としたものが
一般的に用いられていた。
【0003】また近年、ITS(Intelligent Transpor
t Systems;高度道路交通システム)に代表される交通
インフラの情報化に伴い、ETC(Electronic Toll Co
llection;ノンストップ自動料金収受)システムやAH
S(Advanced cruise-assistHighway System;走行支援
道路システム)、レーダ、双方向道路情報システムなど
によるDSRC(Dedicated Short Range Communicatio
n;狭域通信)、ミリ波、マイクロ波などの電波の使用
による無線通信技術を応用したシステムの導入が拡大し
ている。これらのシステムでは、路面や上記吸音壁など
で使用電波が反射することによる通信領域内での電波の
乱反射が、システムの誤作動を引き起こす原因となって
おり問題とされている。この問題を解決すべく、当該シ
ステム近傍の路側、吸音壁、高架、料金所の天井など
に、電波吸収特性を有する電波吸収体を設置する試みが
従来よりなされてきた。電波吸収体は、たとえば、ゴム
やプラスチックなどのバインダーに導電性カーボンの粉
末やフェライトの粉末などの電波損失材を混合し、これ
をシート状(板状)に成形したものなどにて実現されて
いた。
【0004】しかし、道路脇に吸音壁と電波吸収体を併
設すると、道路近傍の設置空間を有効に利用できなかっ
たり、吸音壁の音波吸収特性および電波吸収体の電波吸
収特性を有効に活用できないといった問題がある。
【0005】上記問題を解決すべく、本出願人は、電波
吸収特性と音波吸収特性とを同時に兼ね備える「電波音
波吸収体」を提案している。上記電波音波吸収体は、通
常、その厚み方向一方側が露出し得るように直方状の筐
体内に収納してなる構造物(以下、当該構造物を「電波
音波吸収構造物」と呼ぶ。)とし、当該電波音波吸収構
造物を、複数個、並設してなる(各構造物の厚み方向が
同方向を向くように規則的に一列に並べてなる)壁状物
(以下、当該壁状物を「電波音波吸収壁」と呼ぶ。)と
して、使用する。
【0006】このような電波音波吸収壁の形成に際して
は、各電波音波吸収構造物間の隙間を減らすことが重要
である。すなわち、電波音波吸収壁において上記隙間が
あると、電波音波吸収壁に入射する電波や音波の一部が
隙間をすり抜けてしまい、折角、電波吸収特性と音波吸
収特性とを兼ね備える電波音波吸収体を使用しているに
も関わらず、不所望な電波、音波の抑制効果を充分に発
揮することができなくなる。かかる観点より、電波音波
吸収壁の開発に際し、各電波音波吸収構造物間の隙間を
可及的に減らし得るような新規な構造が求められてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各電
波音波吸収構造物間の隙間が形成されにくい電波音波吸
収壁、ならびにそのための電波音波吸収構造物を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。 (1)電波音波吸収体と、当該電波音波吸収体を少なく
とも厚み方向一方側が露出し得るように収納する直方状
の筐体とを備え、二つの幅方向のうち、いずれか一方の
幅方向における両端部にて、電波音波吸収体と筐体とが
ボルト状部材によって互いに固定されてなる電波音波吸
収構造物であって、上記幅方向両端部において、一方側
の端部におけるボルト状部材と他方側の端部におけるボ
ルト状部材とが、当該幅方向に沿った同一直線上にない
ように配置されたものであることを特徴とする電波音波
吸収構造物。 (2)筐体の底壁が角波板状である、上記(1)に記載
の電波音波吸収構造物。 (3)筐体が、筐体内の液体を排出し得る孔を備えるも
のである、上記(1)または(2)に記載の電波音波吸
収構造物。 (4)二つの幅方向のうちいずれか他方の幅方向におけ
る両端部に箱状の嵌合用部材を有することを特徴とする
上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電波音波吸収構
造物。 (5)嵌合用部材内に、上記いずれか他方の幅方向に沿
って延びる吊り下げ用部材が形成されていることを特徴
とする上記(4)に記載の電波音波吸収構造物。 (6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電波音波
吸収構造物を、厚み方向一方側が同方向となり、かつ上
記幅方向両端部のうち、一方側の端部が他方側の端部に
隣接するように、複数個並設したものである、電波音波
吸収壁。 (7)各電波音波吸収構造物が、上記二つの幅方向のう
ちいずれか他方の幅方向に、断面H字状の支持部材を介
在し、各端部が当該支持部材の凹部に嵌合するようにし
て支持されてなるものである、上記(6)に記載の電波
音波吸収壁。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい一例の電波音波吸収構造物1
を簡略化して示す図であり、図1(a)は正面図、図1
(b)は上面図である。本発明の電波音波吸収構造物1
は、電波音波吸収体2と、当該電波音波吸収体2を少な
くともその厚み方向一方Z1側が露出し得るように収容
し得る直方状の筐体3とを備える。ここで、上記「電波
音波吸収体」は、電波吸収特性と音波吸収特性とを同時
に兼ね備える構造体をいう。なお本明細書中でいう「電
波」とは、ITSに代表される交通インフラに使用され
る「GHz」の周波数帯域の電波を指し、特には5.8
GHz帯の周波数のものをいう。また本明細書中でいう
「音波」とは、自動車から発生する音(騒音)、具体的
には100Hz〜4000Hzの周波数の音をいう。
【0010】本発明における電波音波吸収体は、電波吸
収特性および音波吸収特性を同時に兼ね備えるものであ
れば、有機系、無機系などいずれの材料で形成されたも
のであってよいが、燃焼時に煙が発生しにくいという点
で無機系が好ましい。また本発明における筐体3は、少
なくともその厚み方向一方Z1側が露出し得るように電
波音波吸収体2を覆って収容し得るならば、その形状お
よび大きさに特に制限はない。図1には、一方側で開口
した直方状の箱状物で実現される筐体3によって、電波
音波吸収体2をその厚み方向他方Z2側から覆って電波
音波吸収構造物1を形成してなる例を示す。
【0011】本発明において重要なことは、上述のよう
な電波音波吸収構造物が、二つの幅方向のうちいずれか
一方の幅方向における両端部にて、電波音波吸収体と筐
体とがボルト状部材にて互いに固定されてなり、かつ、
当該幅方向両端部において、一方側の端部におけるボル
ト状部材と他方側の端部におけるボルト状部材とが、当
該幅方向に沿った同一直線上にないように配置されるよ
うに形成されてなることである。なお本明細書における
電波音波吸収構造物の「二つの幅方向」とは、電波音波
吸収体を厚み方向に垂直な断面でみたときの、互いに垂
直に交差する二つの方向であって、筐体の上記断面にお
ける四辺のうち互いに垂直な二辺にそれぞれ沿った方向
をいう。図1の例においては、筐体3の上記断面が一方
に長手の長方形に形成され、当該二つの幅方向のうち、
上記筐体の断面の長手の辺に沿った方向を第一幅方向X
1、短手の辺に沿った方向を第二幅方向X2としてい
る。なお電波音波吸収体、筐体および電波音波吸収構造
物についての各厚み方向および二つの幅方向(上記第一
幅方向、第二幅方向)は、図1に示した状態において、
それぞれいずれも同じ厚み方向Z、第一幅方向X1およ
び第二幅方向X2を指すものとする。
【0012】本発明の電波音波吸収構造物は、二つの幅
方向のうちいずれか一方の幅方向における各端部にて、
電波音波吸収体と筐体とが互いにボルト状部材で固定さ
れる。本発明でいう「ボルト状部材」は、固定のために
他部材に挿通させるための部分である挿通部と、当該挿
通部の一端部において挿通部の径よりも大きく広がる頭
部とを基本的に有するような、当分野において従来より
広く用いられる固定用の部材であれば、特に制限はな
い。ボルト状部材の挿通部の長さや径、頭部の形状や大
きさにも特に制限はなく、従来公知の種々のものを適宜
使用することができる。なおボルト状部材は、通常は、
螺合させるためのネジが挿通部に切られているが、電波
音波吸収体と筐体とを挿通して固定し得るならば、必ず
しもネジ切りが施されたものでなくともよい。また、挿
通部の頭部側とは反対側の先端にカエシなどが形成され
た形状(いわば銛状)であってもよい。
【0013】本発明においては、ボルト状部材を用いた
電波音波吸収体と筐体との固定に際し、当該ボルト状部
材を設けた幅方向における一方側の端部と他方側におけ
る端部とが、当該幅方向に沿った同一直線上にないよう
に、ボルト状部材を配置する。ここで「当該幅方向に沿
った同一直線上にない」とは、いずれかの一方の端部に
おけるボルト状部材を、上記幅方向に沿っていずれか他
方の端部に投影した場合に、いずれの各頭部も重複し得
ないような配置をいう。本発明の電波音波吸収構造物に
おけるボルト状部材の配置は、上記のように上記幅方向
一方側の端部に設けられるボルト状部材と上記幅方向他
方側の端部に設けられるボルト状部材とが上記同一直線
上にないように配置されるならば、ボルト状部材の個数
や配置(たとえば、同じ側の端部上で互いに隣り合うボ
ルト状部材間の距離など)に特に制限はない。図1に
は、筐体3の第二幅方向X2一方側の端部3aでは四個
のボルト状部材4a,4b,4c,4dが、第二幅方向
X2他方側の端部3bでは三個のボルト状部材4e,4
f,4gが、一方側と他方側とで第一幅方向X1に関し
て互いにずれて概ね等しい間隔をあけて配置され、筐体
3の外側からその内部に収容された電波音波吸収体2に
到達するように螺合されながら挿通されて、電波音波吸
収体2と筐体3とが互いに固定されてなる例を示す。以
下、上記ボルト状部材4a〜4gを総称して、単に「ボ
ルト状部材4」ということがある。
【0014】本発明の電波音波吸収壁は、上述した電波
音波吸収構造物を、厚み方向一方側が同方向となり、か
つ上記幅方向両端部のうちの一方側の端部が他方側の端
部に隣接するように、複数個並設してなるものである。
本発明は、上記のような電波音波吸収構造物を一単位と
して、複数個、規則的に並べて壁状物としてなる電波音
波吸収壁をも提供するものである。図2は、本発明の好
ましい一例の電波音波吸収壁11を簡略化して示す斜視
図である。図2には、各電波音波吸収構造物1を、その
第二幅方向X2が上下方向と概ね平行となるように、か
つ電波音波吸収体が露出してなる厚み方向一方Z1側が
電波および音波の吸収を意図する領域に面するような配
置にて並設して形成された例の電波音波吸収壁11を示
す。なお図2においては、図1に示したような電波音波
吸収体2の厚み方向一方側に形成された複数個の凸部は
省略している。
【0015】このような本発明の電波音波吸収構造物1
によれば、第二幅方向X2に関し、互いに隣り合う電波
音波吸収構造物1間において、ボルト状部材4の頭部6
が重複することなく、上述したように複数個並設して電
波音波吸収壁11を形成することができる。これによっ
て、上記第二幅方向X2に関して隣り合う電波音波吸収
構造物1のボルト状部材の頭部が重複する構成とは異な
り、上記互いに隣り合う電波音波吸収構造物間に隙間が
生じにくく、当該隙間からの不所望な電波および音波の
漏れを少なくすることができる。本発明の電波音波吸収
壁においては、このように電波音波吸収体の音波吸収性
能によって「吸音」効果を発揮するとともに、上記の如
く電波音波吸収構造物間に隙間を生じにくくすることに
よって「遮音」効果をも発揮する。ここで、「遮音」と
は、筐体に対して、その厚み方向一方側から音を入射す
るとき、入射音の大半を反射し、一部を他方側に漏らす
ことをいう。このとき、他方側に漏れる量が少ないほど
遮音特性が良い。また、「吸音」とは、電波音波吸収体
に対してその厚み方向一方側から音を入射するとき、入
射音のうちの少なくとも一部を電波音波吸収体が吸収
し、電波音波吸収体内で、音のエネルギーを熱エネルギ
ーに変換することをいう。また同様に、本発明の電波音
波吸収壁11においては、上記隙間を少なく形成できる
ことで、電波に関しても不要電波のすり抜けを防止で
き、不要電波による弊害を抑制することができる。
【0016】図3は、図2の切断面線III−IIIか
らみた断面図である。本発明の電波音波吸収構造物にお
ける筐体には、ボルト状部材を挿通させるために、ボル
ト状部材を設ける位置に対応したボルト孔が予め形成さ
れたものが用いられるが、図3に示す態様のように当該
端部3aにボルト状部材4を挿通させるためのボルト孔
5以外に、当該端部3aとは反対側の端部3bに、設け
るボルト状部材4の位置に対応して、ボルト状部材4の
頭部6が嵌り込む程度の大きさを有する嵌合孔7をさら
に予め形成しておくのが好ましい。同様に、端部3aに
も、当該端部3bにボルト状部材4を挿通させるための
ボルト孔以外に、嵌合孔を予め形成しておくのが好まし
い(図示せず)。このようなボルト孔5に加えて嵌合孔
7が形成された筐体3を用いた電波音波吸収構造物1
を、上述のように並設して電波音波吸収壁11を形成す
ることで、互いに隣り合う電波音波吸収構造物1の第一
幅方向X1におけるボルト状部材の頭部を互いに嵌合さ
せ合いながら、電波音波吸収構造物を並設させることが
でき、結果として、各電波音波吸収構造物間の隙間の形
成がさらに抑制された電波音波吸収壁を実現することが
できる。
【0017】ここで、本発明における筐体3の上記端部
3a,3bは、ボルト状部材4の頭部6の厚みよりも大
きな厚みを有するように選ばれると、当該端部3a,3
bに、ボルト状部材4の頭部6を完全に収容し得る深さ
の嵌合孔7を形成することができるため好ましい。これ
により、電波音波吸収体にもボルト状部材の頭部を収容
し得る孔を形成するといった煩雑な工程を経ることな
く、図3に示すように電波音波吸収構造物1を並設した
状態で、隣り合う電波音波吸収構造物のボルト状部材の
頭部を、嵌合孔7に収容して嵌合させることができる電
波音波吸収壁11を実現することが可能となる。筐体3
の上記端部3a,3bの厚みは、具体的には、5mm〜
10mmに選ばれるのが好ましい。上記厚みが5mm未
満であると、嵌合孔を形成してもボルト状部材の頭部を
収容し得ない深さとなる虞があるためであり、また上記
厚みが10mmを超えると、筐体が重くなり過ぎて得ら
れた電波音波吸収構造物の運搬や布設の作業性が低下す
る虞があるためである。
【0018】本発明における筐体3は、一体で箱状に形
成されたものであっても、別体の底板と側壁用部材とを
組み立てて箱状に形成されたものであってもよい。図3
には、たとえば、断面L字状の側壁用部材16を4個、
断面方形の平板状の底板17の四辺に沿って取り付けて
箱状に組み立て、筐体3を形成した例を示している。側
壁用部材16と底壁17とは、たとえば溶接やビス止め
などの従来公知の適宜の方法にて固定すればよい。
【0019】上記側壁用部材16を形成する材料として
は、特に制限はないが、たとえば鉄、鉄合金、アルミニ
ウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などの金属材料が
適用される。中でも、強度が優れている鉄合金(炭素
鋼、ステンレス鋼)が好ましい。また上記底板17を形
成する材料としては、収納する電波音波吸収体の重量を
十分に保持できる強度を有するものであれば特に制限は
されず、たとえば、上記側壁用部材16の形成材料とし
て例示したのと同様の金属材料やFRP(繊維強化プラ
スチック)が挙げられ、中でも比強度、コストの面から
は、金属材料、特にはステンレス鋼や炭素鋼を適用する
のが好ましい。また本発明における筐体3は、その表面
に防食処理を施したものであるのが好ましい。防食処理
としては、ペンキなどの塗料による防食処理、亜鉛など
のメッキによる防食処理などが適用される。
【0020】図4は、本発明における好ましい他の例の
筐体21を簡略化して示す斜視図である。本発明の電波
音波吸収構造物における筐体は、図4に示す例のよう
に、その底壁22が角波板状に形成されるのが好まし
い。ここで「角波板状」とは、均一な厚みを有し、上記
二つの幅方向のうちいずれかの幅方向に沿って延びる凸
部および/または凹部を有する板状の形状をいう。この
ように底壁22が角波板状に形成された筐体を使用する
ことで、平板状の底壁を有するような筐体を使用した場
合とは異なり、筐体自体の強度が向上され、底壁の厚み
が1.0mm〜3.0mm程度と比較的薄くても、軽量
でしかも強度の高い底壁を有する電波音波吸収構造物、
ひいては電波音波吸収壁を実現することができる。な
お、図4では、上述したボルト孔および嵌合孔は省略し
て示している。このような角波板状の底壁22は、従来
公知の適宜の方法にて実現することができ、たとえば、
断面方形の平板をプレス加工することによって得ること
ができる。
【0021】また本発明の電波音波吸収構造物1は、筐
体3が、筐体内の液体を排出し得る孔をさらに備えるよ
うに実現されるのが好ましい。吸音効果をもたせた構造
体を形成するためには、吸音材料として多孔質材料や繊
維質材料など、内部に空隙の多い構造の材料が一般に用
いられる。吸音効果は、大気の振動(音波)を、上記吸
音材料の空隙に面する壁面への摩擦および構成材料間の
摩擦により熱に変換することによって、通常、付与され
るものだからである。本発明者らが提案している電波音
波吸収体についても例外ではなく、後述するように連続
気孔を有する多孔質材料を吸音材料として使用するのが
好ましい。しかしながら、上記多孔質材料や繊維質材料
などの吸音材料は、水などの低粘度の液体を透過しやす
い構造を有するものである。このため、このような吸音
材料を用いた電波音波吸収構造物を屋外で使用すると、
電波音波吸収体の露出した部分に吹付けられた雨水など
が、当該電波音波吸収体の内部を透過して下部に溜まっ
ていき、筐体内部で滞留することによって、電波音波吸
収材料の多くが水を含むこととなる。この電波音波吸収
体内部に停滞した水は、吸音特性および電波吸収特性を
低減する要因となるとともに、カビや苔を発生させる原
因となる。本発明においては、上記のように筐体がその
内部の液体を排出し得るような孔を備える構成に実現さ
れることで、上述した筐体内部での雨水などの滞留を防
止することができ、この滞留による吸音特性および電波
吸収特性の低減やカビ、苔の発生を防ぐことができる。
【0022】上記排水のための孔は、上述した電波音波
吸収壁として設置した時点で、筐体内部の液体を筐体の
外部に排出し得る位置に形成されているならば、その形
成箇所に特に制限はない。また当該孔の大きさや形状に
も特に制限はない。図1および図2の例では、電波音波
吸収壁11とした時点で下方向を向くように配置される
第二幅方向X2の他方側の端部3bの第一幅方向X1の
両端に、それぞれ上記排水のための孔(図示せず)が形
成されている。
【0023】また本発明の電波音波吸収壁は、各電波音
波吸収構造物が、上記二つの幅方向のうちのいずれか他
方の幅方向に断面H字状の支持部材を介在し、各端部が
当該支持部材の凹部に嵌合するようにして支持されてな
るようにして実現されるのが、好ましい。ここで、「い
ずれか他方の幅方向」とは、上記電波音波吸収構造物の
二つの幅方向のうち、上述した電波音波吸収体と筐体と
がボルト状部材にて互いに固定されてなる幅方向(いず
れか一方の幅方向)でない幅方向を指す。図2には、各
電波音波吸収構造物1が、上記第一幅方向X1に、長手
方向における断面がH字状の支持部材12を介在した状
態で、その第一幅方向X1における各端部が支持部材1
2の凹部12aに嵌合するようにして支持されてなるよ
うにして実現された例を示している。電波音波吸収体の
上記第一幅方向X1の両端部は、それぞれ上記支持部材
12の凹部12aに嵌合され、その状態で適宜の固定手
段を用いて、各支持部材12に固定される。当該支持部
材12としては、当分野において広く使用されているH
状鋼材などを好適に用いることができる。
【0024】本発明の電波音波吸収構造物は、二つの幅
方向のうちいずれか他方の幅方向における両端部に箱状
の嵌合用部材を有するものであることが好ましい。図1
および図2には、筐体3が、その第一幅方向X1両端部
に、第二幅方向X2両端に開口を有する断面方形状の箱
状物である、嵌合用部材26を有するように実現された
場合を示している。
【0025】嵌合用部材26は、図2に示すように支持
部材12を介して並設する際に、当該嵌合用部材26で
もって支持部材12の凹部12aに嵌合させるために形
成される。したがって嵌合用部材26は、上記支持部材
12の凹部12aに嵌合し得る同程度の大きさである
か、あるいは凹部12aよりも小さければよい。このよ
うな嵌合用部材26を有することで、上記のように電波
音波吸収構造物1を支持部材12の凹部12aに嵌合さ
せて電波音波吸収壁11を形成するに際し、電波音波吸
収体が支持部材に接触することなく上記凹部に電波音波
吸収構造物を嵌め込むことができるので、電波音波吸収
体が不所望に破損してしまうことがない。
【0026】嵌合用部材26を形成する材料としては、
特に制限はなく、上述した筐体を形成する材料(側壁用
部材を形成する材料)と同様の金属材料などを使用すれ
ばよく、中でも、強度が優れている鉄合金(炭素鋼、ス
テンレス鋼)が好ましい。嵌合用部材26についても、
上述した筐体と同様に、防食加工が施されたものである
ことが好ましい。また嵌合用部材26を上記両端部に形
成する方法としては、従来公知の適宜の方法を適用すれ
ばよく、たとえば溶接が挙げられる。
【0027】図5は、図2に示した電波音波吸収壁11
の上面を一部拡大して示す図である。図5には、たとえ
ば、上記嵌合用部材26が支持部材12の凹部12aよ
りも小さく形成され、奥行き側に隙間28をあけ、この
隙間28にばね鋼などの弾性部材29を挟み込むこと
で、電波音波吸収構造物1の第一幅方向X1の端部(嵌
合用部材26)を支持部材12の凹部12aに嵌合させ
た例を示している。このようにして電波音波吸収構造物
1を支持部材12の凹部12aに嵌合させることで、上
記凹部12a内での電波音波吸収構造物1の動きを抑制
でき、さらに溶接などで固定した場合とは異なり容易に
電波音波吸収構造物1の取り替えができるという利点が
ある。
【0028】また本発明の電波音波吸収構造物は、嵌合
用部材内に、上記いずれか他方の幅方向に沿って延びる
吊り下げ用部材が形成されていることが好ましい。この
ような吊り下げ用部材をさらに有することで、上述のよ
うに当該電波音波吸収構造物を断面H字状の支持部材を
介在し複数個並設するに際して、個々の電波音波吸収構
造物をクレーンなどにて吊り下げて布設することがで
き、電波音波吸収壁をより容易に形成することが可能と
なる。図1および図5には、嵌合用部材26の側壁より
その内部空間に向かって第一幅方向X1に沿って突出し
てなる吊り下げ用部材27が形成された例を示してい
る。
【0029】吊り下げ用部材27は、これにロープなど
をそれぞれ固定することで、クレーンなどによって吊り
下げることができるようなものであれば、その大きさや
形状などに特に制限はない。また第二幅方向X2に関し
て、吊り下げ用部材を形成する箇所も、上記幅方向の一
端部における吊り下げ用部材と上記幅方向の他端部にお
ける吊り下げ用部材とが、ほぼ同一直線上に配置される
ならば、特に制限されないが、吊り下げ時のバランスを
より安定に保持できるという理由より、吊り下げた状態
で中央部より上側となり得るような配置に実現されるの
が好ましく、また吊り下げ用部材27は、嵌合用部材2
6の厚み方向に関し中心に位置するように形成されるの
が好ましい。
【0030】吊り下げ用部材27を形成する材料として
は、特に制限はないが、上述した嵌合用部材26を形成
する材料と同様の金属材料などを使用すればよく、中で
も、強度が優れている鉄合金(炭素鋼、ステンレス鋼)
が好ましい。吊り下げ用部材27についても、上述した
筐体と同様に、防食加工が施されたものであることが好
ましい。また吊り下げ用部材27を嵌合用部材26に形
成する方法としては、従来公知の適宜の方法を適用すれ
ばよく、たとえば溶接が挙げられる。
【0031】なお上記吊り下げ用部材は、電波音波吸収
構造物が嵌合用部材を有しない態様で実現される場合に
は、筐体の上記いずれか他方の幅方向の両端部より該幅
方向に沿って延びるように突出して形成されていてもよ
い。
【0032】本発明の電波音波吸収壁11は、たとえば
以下の手順にて製造することができる。 後述するような手順にて作製した電波音波吸収体2
を、その厚み方向一方側が少なくとも露出するように直
方状の筐体3内に収納し、上述のようにボルト状部材4
にて電波音波吸収体2と筐体3とを固定し、電波音波吸
収構造物1を作製する。 得られた電波音波吸収構造物1の筐体3の、二つの幅
方向のうちいずれかの幅方向両端の外壁に、予めその内
部に吊り下げ用部材27が形成された嵌合用部材26を
溶接などによって接合する。 吊り下げ用部材27にロープをかけて、クレーンなど
で持ち上げて、嵌合用部材26が断面H字状の支持部材
12の凹部12aに嵌合するように、厚み方向が同方向
となり、かつボルト状部材4を設けた一方側の端部が他
方側の端部に隣接するように、複数個並設し、電波音波
吸収壁11を製造する。この際、上下に隣接する電波音
波吸収構造物1の位置合わせは、ボルト孔5を基準にし
て行えばよい。
【0033】本発明における電波音波吸収体は、電波吸
収特性および音波吸収特性を同時に兼ね備えるものであ
れば、有機系、無機系などいずれの材料で形成されたも
のであってよいが、特に優れた電波吸収特性および音波
吸収特性を付与し得る観点から、後述するような、連続
気孔を有する多孔質無機材料と、電波損失材と、珪酸ア
ルカリ水溶液とを少なくとも含有する混合物に炭酸ガス
を接触し、固化してなるものであることが好ましい。こ
こで、上記「優れた電波吸収特性」は、たとえば、5.
8GHz帯の電波を20dB以上減衰できる性質をい
う。また「優れた音波吸収特性」は、たとえば、JIS
A 1409に規定された残響室法にて測定された4
00Hzの吸音率が0.7以上、1000Hzの吸音率
が0.8以上であることをいう。
【0034】本発明における電波音波吸収体は、連続気
孔を有する多孔質無機材料と、電波損失材と、珪酸アル
カリ水溶液とを少なくとも含有する混合物に炭酸ガスを
接触し、固化してなるものであることが好ましい。以
下、これらの電波音波吸収体を形成するのに好適な各材
料、およびこれらを用いた場合の電波音波吸収体の製造
方法について詳述する。
【0035】〔1〕連続気孔を有する多孔質無機粒子 本発明に使用される「連続気孔を有する多孔質無機粒
子」は、図6、図7に示す走査型電子顕微鏡(SEM)
による断面写真に示すように、互いに連なった複数個の
気孔を有する内部構造を有する多孔質の無機粒子を指
す。なお図6(a)は、連続気孔を有する多孔質無機粒
子の一つである軽石の第一のサンプルのSEM断面写真
であり、図6(b)は図6(a)を10倍拡大したSE
M断面写真である。また図7(a)は、連続気孔を有す
る多孔質無機粒子の一つである軽石の第二のサンプルの
SEM断面写真であり、図7(b)は図7(a)を4倍
拡大したSEM断面写真である。電波音波吸収体に、連
続気孔を有する多孔質無機粒子が含有されているか否か
は、たとえば、連続気孔を有する多孔質無機粒子を樹脂
に埋め込んで、樹脂ごと研磨して、前記多孔質無機粒子
の断面を作成し、その断面を、走査型電子顕微鏡で拡大
観察することで確認できる。本発明において使用できる
連続気孔を有する多孔質無機粒子としては、具体的に
は、軽石、バーミキュライト、パーライトが挙げられ
る。
【0036】軽石は、火山噴出物の一種であって、火山
から噴き出した溶岩が急速に冷えてできた岩石をいう。
軽石は、火山噴出により空中に飛ばされた際、圧力の急
激な減少によって溶岩中のガスが逸出することで、上記
のような連続気孔を有する内部構造が形成される。本発
明で使用する軽石は、天然のものであっても、また従来
公知のように天然鉱物の焼成によって人工的に得たもの
であってもよい。形成された電波音波吸収体に軽石が含
まれていることは、たとえば走査型顕微鏡による観察や
X線回折の解析により確認することができる。
【0037】バーミキュライトは、マグネシア(Mg
O)の多い輝岩が、熱水の影響でアルカリ分逸脱して水
分が加わり、雲母の性質を帯びた鉱物である蛭石を、約
800℃〜1000℃で焼成させたものをいう。上記焼
成により、蛭石は、雲母の層が、アコーディオン状に剥
離膨張し(連続気孔を形成し)、容積を増加させる。ま
たバーミキュライトは、化学成分としてシリカ(SiO
2)やアルミナ(Al2 3)、マグネシア(MgO)を
含有する。本発明においてバーミキュライトは、天然の
ものであっても、また従来公知のように天然鉱物の焼成
によって人工的に得たものであってもよい。形成された
電波音波吸収体にバーミキュライトが含まれていること
は、たとえば走査型顕微鏡による断面観察やX線回折の
解析により確認することができる。
【0038】パーライトは、真珠岩という鉱物を800
℃〜1000℃で膨張させたものであって、SiO2
主成分とし、SiO2の他にAl23、Fe23、Ca
O、K 2O、Na2Oなどを含有する。本発明においてパ
ーライトは、天然のものであっても、また従来公知のよ
うに天然鉱物の焼成によって人工的に得たものであって
もよい。形成された電波音波吸収体にパーライトが含ま
れていることは、たとえば走査型顕微鏡による断面観察
やX線回折の解析により確認することができる。
【0039】本発明において用いる連続気孔を有する多
孔質無機粒子は、上記軽石、バーミキュライト、パーラ
イトを単独で用いてもよいし、これらの混合物(2種の
混合物、3種の混合物)であってよい。
【0040】本発明に使用される連続多孔を有する多孔
質無機粒子は、良好な音波吸収特性を付与し得る最適な
空隙率が得られる観点から、その粒径が5mm以下であ
るのが好ましく、3mm以下であるのがより好ましい。
用いる前記多孔質無機粒子の粒径が5mmを超えると、
得られた電波音波吸収体の音波吸収特性が低下する傾向
にあるため好ましくない。なお5mm以下の粒径の前記
多孔質無機粒子は、5mm角メッシュを通過させること
で得ることができる。また低周波数域(300Hz〜5
00Hz)および高周波数域(900Hz〜1100H
z)の音の吸収の観点から、上記粒径は、1mm〜2m
mであるのが好ましい。1mm〜2mmの粒径の規定
は、2mm角メッシュを通過し、1mm角メッシュを通
過しない多孔質無機粒子を指す。
【0041】〔2〕珪酸アルカリ水溶液 本発明に使用される「珪酸アルカリ水溶液」は、上記多
孔質無機粒子間を結合する結合材(バインダー)として
機能する。本発明において好適に使用される珪酸アルカ
リとしては、珪酸カリウム、珪酸ソーダ、珪酸リチウム
が例示される。また本発明における混合物に使用する珪
酸アルカリ水溶液としては、珪酸カリウム、珪酸ソーダ
および珪酸リチウムのうちの2種以上を含むものであっ
てもよい。
【0042】上記混合物における珪酸アルカリ水溶液の
含有率は、形成しようとする電波音波吸収体の吸収対象
とする電波の波長や要求される電波吸収特性に併せて適
宜設定すればよく特に制限はないが、上記多孔質無機粒
子100重量部に対して20重量部〜200重量部配合
されるのが好ましく、100重量部〜150重量部配合
されるのがより好ましい。上記珪酸アルカリ水溶液の含
有率が多孔質無機粒子100重量部に対して20重量部
未満であると、得られた電波音波吸収体の強度が充分に
付与されずに脆くなってしまう傾向にあるため好ましく
ない。また珪酸アルカリ水溶液の含有率が上記多孔質無
機粒子100重量部に対して200重量部を超えると、
上記混合物の粘度が大きくなりすぎて常温での成形性が
悪くなったり、あるいは炭酸ガスの注入後、電波音波吸
収体に充分な強度を付与できなくなる傾向にあるため好
ましくない。
【0043】上記混合物中における珪酸アルカリ水溶液
は、アルカリ珪酸塩の濃度(2種以上の珪酸アルカリを
含有する場合には、それらの総濃度)が30重量%〜5
0重量%であるのが好ましく、35重量%〜45重量%
であるのがより好ましい。上記アルカリ珪酸塩の濃度が
30重量%未満であると、電波音波吸収体が脆くなる傾
向にあるため好ましくない。また上記アルカリ珪酸塩の
濃度が50重量%を超えると、電波音波吸収体が重くな
ってしまい布設が困難となる傾向にあるため好ましくな
い。
【0044】珪酸アルカリが珪酸カリウムの場合の珪酸
アルカリ水溶液としては、たとえばSiO2濃度が2
5.5重量%〜27.5重量%、K2O濃度が12.5
重量%〜14.5重量%の水溶液やSiO2濃度が27
重量%〜29重量%、K2O濃度が21重量%〜23重
量%の水溶液などが例示される。
【0045】また珪酸アルカリが珪酸ソーダの場合の珪
酸アルカリ水溶液としては、たとえば濃度が28重量%
〜48重量%、特には36重量%〜38重量%のアルカ
リケイ酸塩の濃厚水溶液が例示され、とりわけ、市販さ
れているNO.1号〜NO.4号の水ガラスが好ましく
用いられる。水ガラスの主成分は一般式Na2O・nS
iO2(n=2〜4)で表される。なお、一般にNO.
1号の水ガラスは比重が38ボーメ〜59ボーメ、組成
がSiO2分21重量%〜38重量%、Na2O分10重
量%〜18重量%である。NO.2号の水ガラスは比重
が42ボーメ〜49ボーメ、組成がSiO2分26.5
重量%〜32重量%、Na2O分10.5重量%〜1
2.7重量%である。NO.3号の水ガラスは比重が4
0ボーメ以上、組成がSiO2分28重量%〜30重量
%、Na2O分9重量%〜10重量%である。NO.4
号の水ガラスは比重が30ボーメ以上、組成がSiO2
分23重量%〜25重量%、Na2O分6重量%〜7重
量%である。
【0046】また珪酸アルカリが珪酸リチウムの場合の
珪酸アルカリ水溶液としては、たとえばSiO2濃度が
15重量%〜25重量%、Li2O濃度が1重量%〜
1.5重量%の水溶液やSiO2濃度が15重量%〜2
5重量%、Li2O濃度が2重量%〜3.5重量%の水
溶液などが例示される。
【0047】〔3〕電波損失材 本発明に使用される「電波損失材」としては、粒状であ
りかつ誘電損失、導電損失、磁性損失など吸収すべき電
波に損失を与え減衰させ得る作用を有するものであれば
特には限定されない。このような電波損失材としては、
導電性カーボン、磁性体粉(例えば、フェライト)、金
属粉(例えば、鉄粉)など、従来公知の種々のものが挙
げられる。電波損失材は、上記のものを単独で用いても
よく、またこれらを適宜組み合わせて用いてもよい。中
でも、適度な導電率(抵抗率)を有するとともに、導電
率を幅広く選択することが可能な導電損失を与えるとい
う観点から、ケッチェンブラック、アセチレンブラッ
ク、ファーネスブラック、黒鉛、膨脹黒鉛などの導電性
カーボンを使用するのが好ましい。
【0048】上記混合物における電波損失材の含有率
は、得られた電波音波吸収体の吸収対象とする電波の波
長や要求される電波吸収特性に併せて適宜設定すればよ
いが、上記多孔質無機粒子100重量部に対して0.5
重量部〜700重量部配合されるのが好ましい。上記混
合物における電波損失材の含有率が多孔質無機粒子10
0重量部に対して0.5重量部未満であると、電波音波
吸収体として充分な誘電損失が得られず、電波吸収特性
が低下する傾向にあるため好ましくない。また上記混合
物中における電波損失材の含有率が多孔質無機粒子10
0重量部に対して700重量部を超えると、電波音波吸
収体の強度が低下し、その結果、電波音波吸収体が割れ
易くなる傾向にあるため好ましくない。
【0049】電波損失材の好ましい配合量は、その種類
によって上記範囲内で異なり、例えば電波損失材が導電
性カーボンである場合、前記多孔質無機粒子100重量
部に対して0.5重量部〜20重量部配合されるのが好
ましく、1重量部〜5重量部配合されるのがより好まし
い。導電性カーボンが前記多孔質無機粒子100重量部
に対して0.5重量部未満であると、得られた電波音波
吸収体において良好な電波吸収特性を得ることができな
くなる傾向になるためであり、また導電性カーボンが前
記多孔質無機粒子100重量部に対して20重量部を超
えると、得られた電波音波吸収体が脆くなってしまう傾
向にあるためである。また例えば、電波損失材がフェラ
イトの場合、前記多孔質無機粒子100重量部に対して
20重量部〜700重量部配合されるのが好ましく、5
0重量部〜200重量部配合されるのがより好ましい。
【0050】本発明において使用される電波損失材の大
きさ(粒径)は、吸収すべき電波の周波数帯にもよる
が、電波損失材が導電性カーボンの場合、その粒径が2
0nm〜40nmであるのが好ましく、25nm〜35
nmであるのがより好ましい。電波損失材の粒径が20
nm未満であると、電波損失材を電波音波吸収体中に均
一に分散させるのが困難な傾向にあるため好ましくな
い。また電波損失材の粒径が40nmを超えると、良好
な電波吸収特性を得ることが困難となる傾向にあるため
好ましくない。なお、電波音波吸収体中における導電性
カーボンの粒径は、たとえば、走査型電子顕微鏡を使っ
て、高倍率で粉末そのものの写真を撮影し、写真に撮ら
れた粉末の形状の面積と同等の円を想定して、その円の
直径を粒径とする、顕微鏡法によって測定できる。走査
型電子顕微鏡としては、具体的には、JSM−5610
LV(日本電子(株)社製)が好適に使用でき、たとえ
ば、倍率が100000倍である。なお本発明で使用さ
れる導電性カーボンは、たとえば測定粒子数が100
(n=100)で測定された平均粒径が、30nm前後
であるのが好ましい。
【0051】〔4〕その他の添加物 (1)アルミナセメント 本発明における電波音波吸収体を形成する上記混合物
は、強度を向上させる点で、前記多孔質無機粒子100
重量部に対して10重量部〜80重量部のアルミナセメ
ントをさらに含有するものであることが好ましい。アル
ミナセメントは、溶融セメント、バン土セメントなどと
も呼ばれる、アルミン酸カルシウムを主鉱物とするセメ
ントを指す。本発明で用いられるアルミナセメントとし
ては、Al 23とCaOとを主成分とし、これにSiO
2、Fe23、TiO2、MgOなどを添加したものが挙
げられる。アルミナセメントを含有することで、強度が
より向上され割れにくい電波音波吸収体を実現すること
ができる。
【0052】アルミナセメントの含有率が前記多孔質無
機粒子100重量部に対して10重量部未満であると、
電波音波吸収体に充分な強度が得られなくなる傾向にあ
るため好ましくない。またアルミナセメントの含有率が
前記多孔質無機粒子100重量部に対して80重量部を
超えると、得られる電波音波吸収体に対する顕著な強度
の向上がない。
【0053】(2)補強材 また上記混合物は、さらに補強材が混合されてなるもの
であることが好ましい。上記補強材としては、具体的に
は、カーボンファイバ、ガラスファイバ、スチールファ
イバ、PVA(ポリビニルアルコール樹脂)繊維など繊
維形状物が例示される。補強材としてはこれらのうちか
ら選ばれる少なくとも1種を使用すればよいが、上記混
合物中との濡れ性が良好であるという点から、PVAを
使用するのが特に好ましい。上記補強材の繊維形状とし
ては線径10μm〜700μmであり、かつ長さが5m
m〜20mmの比較的短尺のものを用いるのが、得られ
る電波音波吸収体の強度の点から、好ましい。
【0054】上記補強材は、前記多孔質無機粒子100
重量部に対し、1重量部〜20重量部混合するのが好ま
しく、5重量部〜10重量部混合するのがより好まし
い。補強材が前記多孔質無機粒子100重量部に対し1
重量部未満であると、得られた電波音波吸収体に十分な
強度を付与できない傾向にあるため好ましくない。また
補強材が前記多孔質無機粒子100重量部に対し20重
量部を超えて混合しても、顕著な強度向上を得ることが
できないため好ましくない。
【0055】上記補強材をさらに混合することで、得ら
れた電波音波吸収体において、強度が向上され、割れな
どが生じにくくなって電波音波吸収体が不所望に破損し
てしまうことによる飛散を防止するとともに、仮に飛散
が生じたとしても、補強材が含有されない場合と比較し
て小さな塊が飛散するため、安全性が向上される。
【0056】上述したような材料を使用した場合、本発
明における電波音波吸収体2は、たとえば、以下の〜
の工程を含有する製造方法によって製造できる。まず
の工程において、上記の多孔質無機材料、珪酸アルカ
リ水溶液、電波損失材を各々上述した割合で混合させ
る。この際、必要に応じ、後述するような他の添加物
(アルミナセメント、補強材など)を、適宜混合する。
混合する手順としては、特に制限はないが、なお電波損
失材を出来るだけ均一にバインダー中に分散させた方が
ミリ波等の極めて短波長の電波に対する吸収性能を図る
ことができる点から、まず電波損失材を珪酸アルカリ水
溶液中に混入させた状態で、上記多孔質無機粒子を添加
すると、電波損失材を極めて均一にバインダー中に分散
できる、という利点がある。このの工程の混合は、た
とえばプロペラ式攪拌機を用いて、常温で行えばよい。
【0057】続くの工程では、まず、たとえば一方向
にのみ開口し、底部に、製造する電波音波吸収体に形成
したい表面形状に応じた凹部38が形成された型枠37
内に混合物36を注入し(図8(a))、プレス板39
によりプレス成形を行う(図8(b))。図8には、た
とえば凸部が正四角錐で形成される場合を示す。上記プ
レス成形は、当分野において通常行われているプレス条
件、すなわち0℃〜50℃の温度条件かつ0.1MPa
〜0.5MPaの圧力条件で行えばよい。
【0058】の工程では、プレス成形後の混合物を、
炭酸ガスに接触させる。好ましい態様としては、図8
(c)に簡略化して示すように、外径が1mm〜3mm
程度の棒材を混合物内部の中心まで達するように刺し込
み、これによってできた孔に細管40(炭酸ガス注入ノ
ズル)を挿入し、該細管40から混合物36の内部に炭
酸ガスを供給する態様が挙げられる。なお細管40の管
壁に多数の孔を設けておけば、炭酸ガスが更に均一に混
合物36と接触するのでより好ましい態様となる。ま
た、棒材の代わりに細管を直接混合物に刺し込んで炭酸
ガスを供給するようにしても良い。炭酸ガスの供給圧力
は2kg/cm2〜5kg/cm2程度とするのが好まし
い。上記混合物と炭酸ガスとの接触は、混合物が十分に
固化するように行えば良いが、混合物全体が均一に固化
するように行うのが好ましい。なお混合物の表面が炭酸
ガスとの接触の前に空気に触れると、空気中の炭酸ガス
によって表面が固化し、棒材や細管による刺し込みが行
えなくなる場合がある。そのため、混合物の表面には、
樹脂または金属のフィルムを貼付するか、塗膜を設ける
などしておき、これらの上から棒材や細管を刺し込むよ
うにするのが好ましい。なお棒材や細管の刺し込みによ
って生じた孔は、そのままでも問題はないが、固化後、
火山噴出物の発泡粒子と結合材(CMCなどの有機バイ
ンダーや水ガラスなどの無機バインダー)との混合物を
充填して埋めるのが、強度を維持する上で好ましい。
【0059】上述したような〜の工程を含有する製
造方法においては、上述のように前記多孔質無機粒子、
電波損失材ならびに珪酸アルカリ水溶液を少なくとも含
有する混合物に、炭酸ガスを接触させ、当該混合物を固
化する。炭酸ガスが接触すると、珪酸ゲルと炭酸アルカ
リが生成(例えば、珪酸アルカリ水溶液が珪酸ソーダ水
溶液である場合には、珪酸ゲルと炭酸ソーダが生成)さ
れ、上記混合物が固化される。このようにして得られた
電波音波吸収体は、優れた電波吸収能と音波吸収能とを
同時に兼ね備える。このような製造方法で得られた電波
音波吸収体においては、配合される電波損失材に起因し
て電波吸収特性が付与され、さらに連続気孔が形成され
た内部構造を有する多孔質無機粒子が有するによって吸
音特性が付与されるものと考えられる。
【0060】このような電波音波吸収体では、従来別体
であった電波音波吸収体と音波吸収体(吸音壁)とを、
電波音波吸収体として一体のものとして実現できる。こ
れによって、設置空間の限られた場所でも布設が可能で
ある。
【0061】また本発明における電波音波吸収体は、上
記の構成材料を用いて形成されてなることによって、火
災が起きたときにも煙が発生しにくいという利点もあ
る。
【0062】また本発明における電波音波吸収体は、平
板状の台部と台部の厚み方向一方側に形成される複数個
の凸部とを備え、該凸部は略規則的に配列された複数個
の錐体および/または錐体台形で実現される。錐体の具
体例としては、四角錐、三角錐、多角錐(五角錐、六角
錐、八角錐など)、円錐などが挙げられる。錐体台形の
具体例としては、上記錐体の具体例として挙げたものと
同様の底面形状を有する錐体台形(四角錐台形、三角錐
台形、多角錐台形、円錐台形など)が挙げられる。該多
角錐台形には、五角錐台形、六角錐台形、八角錐台形な
どが含まれる。特に正六角錐および/または正六角錐台
形を配列する場合にはハニカム構造を構成することがで
きる。
【0063】複数個の凸部は、これらの錐体、錐体台形
のうち、同じ形状および同じ高さのものであっても、互
いに異なる形状および同じ高さのものであっても、同じ
形状および互いに異なる高さのものであっても、またい
ずれもが互いに異なる形状および異なる大きさのもので
あってもよい。凸部の配列の仕方としては、概ね規則性
をもって配列されていれば特に制限はない。例えば、各
凸部が、上述した正四角錐、正四角錐台形、円錐、円錐
台形、三角錐、三角錐台形、多角錐、多角錐台形などか
ら選ばれるいずれかが行列状または最密状に配列されて
実現されてもよく、大小の正四角錐の台形が組合わされ
て配列されることによって各凸部が実現されるものであ
ってもよい。ここで「行列状」とは、略合同な底面形状
を有する複数個の凸部が、全体として方形状(矩形状、
正方形状)となるように略等間隔で配置された状態をい
い、「最密状」とは、略合同または略相似な底面形状を
有する凸部が、上記行列状以外の形態にて、互いに隣接
するように二次元的に充填されて配置された状態をい
う。
【0064】各凸部の高さ(底面と、頂点または上面と
の間の直線距離)は、特に制限はないが、吸収すべき電
波または音波の波長と同程度の大きさ、あるいはそれ以
上の大きさであることが好ましい。凸部の高さがこのよ
うに選ばれることで、広角度から入射する電波および音
波を良好に吸収する、という効果を有する電波音波吸収
体を実現することができる。
【0065】凸部が錐体および/または錐体台形で実現
されることによって、電波および音波の入射を意図する
電波音波吸収体の表面に凹凸が形成され、様々な角度の
面が存在することになり、広範囲の角度から入射される
電波および音波を吸収することができる。これにより、
表面がフラットな電波音波吸収体と比較して、様々な角
度にて入射する電波および音波に対して略垂直に存在し
得る面が多く形成され、電波音波吸収体によって好適に
吸収し得る電波および音波の入射角度の範囲が広く、よ
り優れた電波吸収特性と音波吸収特性とを同時に兼ね備
える電波音波吸収体を実現することができる。このよう
な電波音波吸収体は、ETCシステムをはじめとしたI
TSなどにおける電波吸収体と吸音壁との役割を兼ね備
えた電波音波吸収体として、非常に有用である。
【0066】図1には、電波音波吸収体2における各凸
部が、ハニカム構造を有するように配列された正六角錐
台形で実現されてなる例を示している。上記「ハニカム
構造」とは、上面からみて、複数個の略合同の正六角形
が蜂の巣状に配列された状態をいい、上述した最密状に
包含される。このようなハニカム構造を有するように配
列された凸部を有する電波音波吸収体2では、各凸部間
に連続的な直線状の隙間がさらに形成されにくく、より
高い電波のすり抜け防止の効果を得ることができ、また
凸部が錐体台形であることによる凸部の尖端の不所望な
欠け落ちおよび圧迫感の軽減の効果を得ることができ
る。
【0067】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、各電波音波吸収構造物間の隙間が形成されにく
い電波音波吸収壁、ならびにそのための電波音波吸収構
造物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一例の電波音波吸収構造物1
を簡略化して示す図であり、図1(a)は正面図、図1
(b)は上面図である。
【図2】本発明の好ましい一例の電波音波吸収壁11を
簡略化して示す斜視図である。
【図3】図2の切断面線III−IIIからみた断面図
である。
【図4】本発明における好ましい他の例の筐体21を簡
略化して示す斜視図である。
【図5】図2に示した電波音波吸収壁11の上面を一部
拡大して示す図である。
【図6】図6(a)は、連続気孔を有する多孔質無機粒
子の一つである軽石の第一のサンプルのSEM断面写真
であり、図6(b)は図6(a)を10倍拡大したSE
M断面写真である。
【図7】図7(a)は、連続気孔を有する多孔質無機粒
子の一つである軽石の第二のサンプルのSEM断面写真
であり、図7(b)は図7(a)を4倍拡大したSEM
断面写真である。
【図8】本発明における電波音波吸収体の製造方法の好
ましい一例を、段階的に簡略化して示す図である。
【符号の説明】
1 電波音波吸収構造物 2 電波音波吸収体 3 筐体 4 ボルト状部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 敏夫 大阪府大阪市北区天満橋1丁目8番30号 OAPタワー 三菱電線工業株式会社関西 支社内 (72)発明者 岩田 武夫 東京都町田市忠生2−2−1−405 (72)発明者 和田 堅治 兵庫県川西市萩原台東2−72 Fターム(参考) 2D001 AA01 CA01 CB05 CD01 5E321 AA41 BB31 BB53 BB60 CC22 GG11 GH05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波音波吸収体と、当該電波音波吸収体
    を少なくとも厚み方向一方側が露出し得るように収納す
    る直方状の筐体とを備え、二つの幅方向のうち、いずれ
    か一方の幅方向における両端部にて、電波音波吸収体と
    筐体とがボルト状部材によって互いに固定されてなる電
    波音波吸収構造物であって、 上記幅方向両端部において、一方側の端部におけるボル
    ト状部材と他方側の端部におけるボルト状部材とが、当
    該幅方向に沿った同一直線上にないように配置されたも
    のであることを特徴とする電波音波吸収構造物。
  2. 【請求項2】 筐体の底壁が角波板状である、請求項1
    に記載の電波音波吸収構造物。
  3. 【請求項3】 筐体が、筐体内の液体を排出し得る孔を
    備えるものである、請求項1または2に記載の電波音波
    吸収構造物。
  4. 【請求項4】 二つの幅方向のうちいずれか他方の幅方
    向における両端部に箱状の嵌合用部材を有することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電波音波吸収
    構造物。
  5. 【請求項5】 嵌合用部材内に、上記いずれか他方の幅
    方向に沿って延びる吊り下げ用部材が形成されているこ
    とを特徴とする請求項4に記載の電波音波吸収構造物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の電波音
    波吸収構造物を、厚み方向一方側が同方向となり、かつ
    上記幅方向両端部のうち、一方側の端部が他方側の端部
    に隣接するように、複数個並設したものである、電波音
    波吸収壁。
  7. 【請求項7】 各電波音波吸収構造物が、上記二つの幅
    方向のうちいずれか他方の幅方向に、断面H字状の支持
    部材を介在し、各端部が当該支持部材の凹部に嵌合する
    ようにして支持されてなるものである、請求項6に記載
    の電波音波吸収壁。
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