JP2003239420A - 電波音波吸収構造物および電波音波吸収壁 - Google Patents

電波音波吸収構造物および電波音波吸収壁

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JP2003239420A
JP2003239420A JP2002045396A JP2002045396A JP2003239420A JP 2003239420 A JP2003239420 A JP 2003239420A JP 2002045396 A JP2002045396 A JP 2002045396A JP 2002045396 A JP2002045396 A JP 2002045396A JP 2003239420 A JP2003239420 A JP 2003239420A
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radio wave
sound
wave
absorber
radio
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JP2002045396A
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Kazuyuki Kashiwabara
一之 柏原
Toshio Kudo
敏夫 工藤
Takasada Mitsui
孝禎 三ツ井
Katsunobu Hosoya
勝宣 細谷
Takeo Iwata
武夫 岩田
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波音波吸収構造物が複数個並設されて使用
される際、該構造物と構造物との接合面に生じる隙間を
透過する電波や音波を遮蔽するための組み合わせ構造を
提供する。 【解決手段】 電波音波吸収体1と、これを少なくとも
その厚み方向Zの一方側の表面が露出し得るように収容
する直方状の筐体2とを備える電波音波吸収構造物にお
いて、筐体2が、その二つの幅方向(X,Y)のうち少
なくともいずれかの両側面部に、互いに嵌合し得る凸部
および/または凹部を設ける。その電波音波吸収構造物
は、電波音波吸収体1の厚み方向Zの一方側が同側とな
り、かつ上記両側面部のうちの一方の側面部が隣り合う
側面部と嵌合するように、複数個並設して電波音波吸収
壁として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波音波吸収体が
収納された筐体であって、複数個並設されて電波音波吸
収壁として使用される筐体において、筐体と筐体とが隣
接する接合面の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ITS(Intelligent Transport
Systems;高速道路交通システム)に代表される交通イ
ンフラの情報化に伴い、ETC(Electronic Toll Coll
ection;ノンストップ自動料金収受)システムやAHS
(Advanced cruise-assist Highway System;走行支援
道路システム)、レーダ、双方向道路情報システムなど
によるDSRC(Dedicated Short Range Communicatio
n;狭域通信)、ミリ波、マイクロ波などの電波の使用
による無線通信技術を応用したシステムの導入が拡大し
ている。これらのシステムでは、路面や、道路脇などに
設けられた吸音壁などで使用電波が反射することによる
通信領域内での電波の乱反射が、システムの誤動作を引
き起こす原因となっており問題とされている。この問題
を解決すべく、当該システム近傍の路側、吸音壁、高
架、料金所の天井などに、電波吸収特性を有する電波吸
収体を、設置する試みが従来よりなされてきた。電波吸
収体は、例えば、ゴムやプラスチックなどのバインダー
に導電性カーボンの粉末やフェライトの粉末などの電波
損失材を混合し、これをシート状(板状)に成形したも
のなどにて実現されていた。
【0003】しかし、道路脇に吸音壁と電波吸収体を並
設すると、道路近傍の設置空間を有効に利用できなかっ
たり、吸音壁の音波吸収特性および電波吸収体の電波吸
収特性を有効に活用できないといった問題があった。こ
れに対し、電波吸収特性と音波吸収特性とを同時に兼ね
備える電波音波吸収体が開発されている。該電波音波吸
収体は、高速道路の電波音波吸収壁などとして用いられ
る際に、通常、筐体内に収納されて使用される。その電
波音波吸収体が収納された筐体(以下、「電波音波吸収
構造物」という)は、例えば、図14に示すような正面
形状と図15に示すような平面形状を有し、直方体の一
面が開放された筐体22内に、電波音波吸収体21の電
波や音波が入射する面をその開放面(正面)に向けて電
波音波吸収体21の厚み方向一方側の表面が露出するよ
うに電波音波吸収体21が収納されている。
【0004】このように電波音波吸収構造物は、図16
に示すように、開放された面、即ち電波音波吸収体21
の電波が入射する面を同側に向けて、複数個並設されて
電波音波吸収壁を構成する。該電波音波吸収壁において
は、上下に並設された筐体22が、支持部材23によっ
て左右に連結されている。なお、図16において、電波
音波吸収体21は、最上段の電波音波吸収構造物におい
てのみ、その表面が露出している様子を示し、他の電波
音波吸収構造物では省略して示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように電波音波吸
収構造物が複数個並設されることによって構成された電
波音波吸収壁において、上下に隣接する筐体の接合面2
4には隙間が生じやすい。この接合面24に生じた隙間
では、図17に示すように、例えば音波が電波音波吸収
壁の正面側から裏面側に透過音波となって抜けてしま
う。電波音波吸収壁に生じる隙間がわずかでも、当該電
波音波吸収壁に入射する音波を透過させる原因となり、
隙間の存在は、吸収壁による遮音効果が発揮されない。
前述のように特に音波吸収特性の優れた電波音波吸収体
が提供されて吸音効果が発揮されても、それを収納する
筐体によって構成された吸収壁に隙間があれば、遮音効
果はなくなり、吸収壁全体として騒音を防ぐ効果が低減
することになる。電波音波吸収構造物における接合面の
隙間は、電波音波吸収壁における遮音効果を高める上で
重要な問題である。
【0006】本発明の目的は、電波音波吸収構造物が複
数個並設されて使用される際、該構造物と構造物との接
合面に生じる隙間を透過する電波や音波を遮蔽するため
の組み合わせ構造を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。 (1)電波音波吸収体と、該電波音波吸収体を少なくと
もその厚み方向一方側の表面が露出し得るように収納す
る直方状の筐体とを備える電波音波吸収構造物であっ
て、前記筐体が、その二つの幅方向のうちの少なくとも
いずれかの両側面部に、互いに嵌合し得る凸部および/
または凹部を有するものである電波音波吸収構造物。 (2)前記互いに嵌合し得る凸部と凹部との大小関係が
凸部≦凹部であることを特徴とする上記(1)記載の電
波音波吸収構造物。 (3)前記凸部および凹部が、側面部において、その側
面に略垂直な方向に、音波が入射する方向と直交する方
向に突出または陥没して、設けられていることを特徴と
する上記(1)または(2)に記載の電波音波吸収構造
物。 (4)前記筐体が、金属製で、かつその表面が防食処理
されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいず
れかに記載の電波音波吸収構造物。 (5)前記筐体から露出する電波音波吸収体の一方向表
面の形状が、規則性のある凸凹を有していることを特徴
とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電波音波
吸収構造物。 (6)前記電波音波吸収体が、連続気孔を有する多孔質
無機材料と、電波損失材と、珪酸アルカリ水溶液とを少
なくとも含有する混合物に炭酸ガスを接触して固化して
なることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに
記載の電波音波吸収構造物。 (7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の電波音波
吸収構造物を、電波音波吸収体の厚み方向一方側が同側
となり、かつ上記両側面部のうちの一方の側面部が隣り
合う側面部と嵌合するように、複数個並設したものであ
ることを特徴とする電波音波吸収壁。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電波音波吸収構造
物を詳細に説明する。本発明は、電波音波吸収体と、該
電波音波吸収体を少なくともその厚み方向一方側の表面
が露出し得るように収納する直方状の筐体とを備える電
波音波吸収構造物であって、筐体が、その二つの幅方向
のうちの少なくともいずれかの両側面部に、互いに嵌合
し得る凸部および/または凹部を有することを特徴とす
る。ここで、上記「電波音波吸収体」は、電波吸収特性
と音波吸収特性とを同時に兼ね備える構造体をいう。こ
の電波音波吸収構造物は、電波音波吸収体の厚み方向一
方側が同側となり、かつ両側面部のうちの一方の側面部
が隣り合う側面部と嵌合するように、複数個並設されて
電波音波吸収壁を構成する。このような本発明の電波音
波吸収壁は、吸収壁正面から入射した電波や音波を、隣
り合う筐体が嵌合する嵌合部においても吸収または遮蔽
することができ、電波や音波の背面への透過を抑制する
ことができる。なお本明細書中でいう「電波」とは、I
TSに代表される交通インフラに使用される5.8GH
z帯の周波数の電波をいう。また本明細書中でいう「音
波」とは、自動車から発生する音(騒音)、具体的には
100Hz〜4000Hzの周波数の音をいう。
【0009】その電波音波吸収体としては、電波吸収特
性と音波吸収特性とを同時に兼ね備えるものが用いられ
る。そのような電波音波吸収体の一例として、軽石など
の連続気孔を有する無機多孔質粒子を基材とし、電波損
失材を含有して構成される電波音波吸収体およびその製
造方法について以下に説明する。
【0010】電波音波吸収体は、連続気孔を有する多
孔質無機粒子と、珪酸アルカリ水溶液と、電波損失材と
を、各々特定の混合比にて混合させる混合工程と、
の工程で得られた混合物に、炭酸ガスを接触させる固化
工程とを含む製造方法により製造される。
【0011】本発明に使用される「連続気孔を有する多
孔質無機粒子」は、図1、図2に示す走査型電子顕微鏡
(SEM)による断面写真に示すように、互いに連なっ
た複数個の気孔を有する内部構造を有する多孔質の無機
粒子を指す。なお図1(a)は、連続気孔を有する多孔
質無機粒子の一つである軽石の第一のサンプルのSEM
断面写真であり、図1(b)は図1(a)を10倍拡大
したSEM断面写真である。また図2(a)は、連続気
孔を有する多孔質無機粒子の一つである軽石の第二のサ
ンプルのSEM断面写真であり、図2(b)は図2
(a)を4倍拡大したSEM断面写真である。電波音波
吸収体に、連続気孔を有する多孔質無機粒子が含有され
ているか否かは、例えば、連続気孔を有する多孔質無機
粒子を樹脂に埋め込んで、樹脂ごと研磨して、前記多孔
質無機粒子の断面を作成する。その断面を、走査型電子
顕微鏡で拡大観察することで確認できる。本発明におい
て使用できる連続気孔を有する多孔質無機粒子として
は、具体的には、軽石、バーミキュライト、パーライト
が挙げられる。
【0012】軽石は、火山噴出物の一種であって、火山
から噴き出した溶岩が急速に冷えてできた岩石をいう。
軽石は、火山噴出により空中に飛ばされた際、圧力の急
激な減少によって溶岩中のガスが逸出することで、上記
のような連続気孔を有する内部構造が形成される。本発
明で使用する軽石は、天然のものであっても、また従来
公知のように天然鉱物の焼成によって人工的に得たもの
であってもよい。形成された電波音波吸収体に軽石が含
まれていることは、例えば走査型顕微鏡による観察やX
線回折の解析により確認することができる。
【0013】本発明において用いる連続気孔を有する多
孔質無機粒子は、上記軽石、バーミキュライト、パーラ
イトを単独で用いてもよいし、これらの混合物(2種の
混合物、3種の混合物)であってよい。
【0014】本発明に使用される連続多孔を有する無機
多孔質粒子は、良好な音波吸収特性を付与し得る最適な
空隙率が得られる観点から、その粒径が5mm以下であ
るのが好ましく、3mm以下であるのがより好ましい。
該無機多孔質粒子の粒径は、所定の面積のメッシュを通
過するかどうかをみることにより測定される。例えば5
mm角のメッシュを通過する粒子の粒径は、5mm以下
である。上記無機多孔質粒子の最も好ましい粒径は、1
mm〜2mm、即ち2mm角のメッシュを通過するが、
1mm角のメッシュを通過しないものである。
【0015】本発明に使用される「珪酸アルカリ水溶
液」は、上記多孔質無機粒子間を結合する結合材として
機能する。本発明において好適に使用される珪酸アルカ
リとしては、珪酸カリウム、珪酸ソーダ、珪酸リチウム
が例示される。また本発明における混合物に使用する珪
酸アルカリ水溶液としては、珪酸カリウム、珪酸ソーダ
および珪酸リチウムのうちの2種以上を含むものであっ
てもよい。
【0016】上記混合物における珪酸アルカリ水溶液の
含有率は、形成しようとする電波音波吸収体の吸収対象
とする電波の波長や要求される電波吸収特性に併せて適
宜設定すればよく特に制限はない。上記混合物中におけ
る珪酸アルカリ水溶液は、アルカリ珪酸塩の濃度(2種
以上の珪酸アルカリを含有する場合には、それらの総濃
度)が30重量%〜50重量%であるのが好ましく、3
5重量%〜45重量%であるのがより好ましい。
【0017】本発明に使用される「電波損失材」として
は、粒状でありかつ誘電損失、導電損失、磁性損失など
吸収すべき電波に損失を与え減衰させ得る作用を有する
ものであれば特には限定されない。このような電波損失
材としては、導電性カーボン、磁性体粉(例えば、フェ
ライト)、金属粉(例えば、鉄粉)など、従来公知の種
々のものが挙げられる。電波損失材は、上記のものを単
独で用いてもよく、またこれらを適宜組み合わせて用い
てもよい。
【0018】上記混合物における電波損失材の含有率
は、得られた電波音波吸収体の吸収対象とする電波の波
長や要求される電波吸収特性に併せて適宜設定すればよ
いが、上記多孔質無機粒子100重量部に対して1重量
部〜700重量部配合されるのが好ましい。電波損失材
の好ましい配合量は、その種類によって上記範囲内で異
なる。
【0019】本発明において使用される電波損失材の大
きさ(粒径)は、吸収すべき電波の周波数帯にもよる
が、電波損失材が導電性カーボンの場合、その粒径が1
5nm〜45nmであるのが好ましく、25nm〜35
nmであるのがより好ましい。
【0020】電波音波吸収体の製造方法においては、ま
ずの工程において、上記の多孔質無機材料、珪酸アル
カリ水溶液、電波損失材を各々上述した割合で混合させ
る。この際、必要に応じ、後述するような他の添加物
(アルミナセメント、補強材など)を、適宜混合する。
混合する手順としては、特に制限はないが、なお電波損
失材を出来るだけ均一にバインダー中に分散させた方が
ミリ波等の極めて短波長の電波に対する吸収性能を図る
ことができる点から、まず電波損失材を珪酸アルカリ水
溶液中に混入させた状態で、上記多孔質無機粒子を添加
すると、電波損失材を極めて均一にバインダー中に分散
できる、という利点がある。このの工程の混合は、例
えばプロペラ式攪拌機を用いて、常温の条件で行えばよ
い。
【0021】の工程では、上記混合物を、炭酸ガスに
接触させる。好ましい態様としては、外径が1mm〜3
mm程度の棒材を混合物内部の中心まで達するように刺
し込み、これによってできた孔に細管(炭酸ガス注入ノ
ズル)を挿入し、該細管から混合物の内部に炭酸ガスを
供給する態様が挙げられる。なお細管の管壁に多数の孔
を設けておけば、炭酸ガスが更に均一に混合物と接触す
るのでより好ましい態様となる。また、棒材の代わりに
細管を直接混合物に刺し込んで炭酸ガスを供給するよう
にしても良い。炭酸ガスの供給圧力は2kg/cm2
5kg/cm2程度とするのが好ましい。
【0022】上述したような、の工程を含有する本
発明の製造方法においては、上述のように前記多孔質無
機粒子、電波損失材ならびに珪酸アルカリ水溶液を少な
くとも含有する混合物に、炭酸ガスを接触させ、当該混
合物を固化する。炭酸ガスが接触すると、珪酸ゲルと炭
酸アルカリが生成(例えば、珪酸アルカリ水溶液が珪酸
ソーダ水溶液である場合には、珪酸ゲルと炭酸ソーダが
生成)され、上記混合物が固化される。このようにして
得られた電波音波吸収体は、優れた電波吸収特性と音波
吸収特性能とを同時に兼ね備える。ここで、「優れた電
波吸収特性」は、例えば、5.8GHz帯の電波を20
dB以上減衰できる性質をいう。また「優れた音波吸収
特性」は、例えば、JIS A 1409に規定された
残響室法にて測定された400Hzの吸音率が0.7以
上、1000Hzの吸音率が0.8以上であることをい
う。
【0023】電波音波吸収体を形成する上記混合物は、
前記無機多孔質粒子100重量部に対して10重量部〜
80重量部のアルミナセメントをさらに含有するもので
あることが好ましい。アルミナセメントは、溶融セメン
ト、バン土セメントなどとも呼ばれる、アルミン酸カル
シウムを主鉱物とするセメントを指す。本発明で用いら
れるアルミナセメントとしては、Al23とCaOとを
主成分とし、これにSiO2、Fe23、TiO2、Mg
Oなどを添加したものが挙げられる。アルミナセメント
を含有することで、強度がより向上され割れにくい電波
音波吸収体を実現することができる。
【0024】アルミナセメントの含有率が前記無機多孔
質粒子100重量部に対して10重量部未満であると、
電波音波吸収体に充分な強度が得られなくなる傾向にあ
る。またアルミナセメントの含有率が前記無機多孔質粒
子100重量部に対して80重量部を超えると、得られ
る電波音波吸収体に対する顕著な強度の向上がない傾向
にある。
【0025】また上記混合物は、さらに補強材が混合さ
れてなるものであることが好ましい。上記補強材として
は、具体的には、カーボンファイバ、ガラスファイバ、
スチールファイバ、PVA(ポリビニルアルコール樹
脂)繊維など繊維形状物が例示される。上記補強材をさ
らに混合することで、得られた電波音波吸収体におい
て、強度が向上され、割れなどが生じにくくなって電波
音波吸収体が不所望に破損してしまうことによる飛散を
防止するとともに、仮に飛散が生じたとしても、ガラス
繊維が含有されない場合と比較して小さな塊が飛散する
ため、安全性が向上される。好ましくは、混合物との濡
れ性の点からガラスファイバが良い。
【0026】このようにして得られる、軽石などの連続
気孔を有する無機多孔質粒子を基材とし、電波損失材を
含有する電波音波吸収体は、さらに、あらゆる角度から
の入射電波を効率よく吸収できる構造であることが好ま
しい。そのような電波音波吸収体は、例えば平板状の台
部と台部の厚み方向一方側に形成される複数個の凸部と
を備え、該凸部は略規則的に配列された複数個の錐体お
よび/または錐体台形で実現される。錐体の具体例とし
ては、四角錐、三角錐、多角錐(五角錐、六角錐、八角
錐など)、円錐などが挙げられる。錐体台形の具体例と
しては、上記錐体の具体例として挙げたものと同様の底
面形状を有する錐体台形(四角錐台形、三角錐台形、多
角錐台形、円錐台形など)が挙げられる。該多角錐台形
には、五角錐台形、六角錐台形、八角錐台形などが含ま
れる。特に正六角錐および/または正六角錐台形を配列
する場合にはハニカム構造を構成することができる。
【0027】複数個の凸部は、これらの錐体、錐体台形
のうち、同じ形状および同じ高さのものであっても、互
いに異なる形状および同じ高さのものであっても、同じ
形状および互いに異なる高さのものであっても、またい
ずれもが互いに異なる形状および異なる大きさのもので
あってもよい。凸部の配列の仕方としては、概ね規則性
をもって配列されていれば特に制限はない。例えば、各
凸部が、上述した正四角錐、正四角錐台形、円錐、円錐
台形、三角錐、三角錐台形、多角錐、多角錐台形などか
ら選ばれるいずれかが行列状または最密状に配列されて
実現されてもよく、大小の正四角錐の台形が組合わされ
て配列されることによって各凸部が実現されるものであ
ってもよい。ここで「行列状」とは、略合同な底面形状
を有する複数個の凸部が、全体として方形状(矩形状、
正方形状)となるように略等間隔で配置された状態をい
い、「最密状」とは、略合同または略相似な底面形状を
有する凸部が、上記行列状以外の形態にて、互いに隣接
するように二次元的に充填されて配置された状態をい
う。
【0028】各凸部の高さ(底面と、頂点または上面と
の間の直線距離)は、特に制限はないが、吸収すべき電
波または音波の波長と同程度の大きさ、あるいはそれ以
上の大きさであることが好ましい。凸部の高さがこのよ
うに選ばれることで、広角度から入射する電波および音
波を良好に吸収する、という効果を有する電波音波吸収
体を実現することができる。
【0029】凸部が錐体および/または錐体台形で実現
されることによって、電波および音波の入射を意図する
電波音波吸収体の表面に凹凸が形成され、様々な角度の
面が存在することになり、広範囲の角度から入射される
電波および音波を吸収することができる。これにより、
表面がフラットな電波音波吸収体と比較して、様々な角
度にて入射する電波および音波に対して略垂直に存在し
得る面が多く形成され、電波音波吸収体によって好適に
吸収し得る電波および音波の入射角度の範囲が広く、よ
り優れた電波吸収特性と音波吸収特性とを同時に兼ね備
える電波音波吸収体を実現することができる。このよう
な電波音波吸収体は、ETCシステムをはじめとしたI
TSなどにおける電波吸収体と吸音壁との役割を兼ね備
えた電波音波吸収体として、非常に有用である。
【0030】本発明に用いる電波音波吸収体の好ましい
一態様としては、各凸部が行列状に配置された正四角錐
台形である場合である。このように実現された各凸部を
有する電波音波吸収体は、容易に製造が可能である。ま
た、特に錐体台形で凸部が形成されることによって、錐
体の場合に考えられる凸部の尖端の不所望な欠け落ちを
確実に防止することができる。なお上記電波音波吸収体
は通常、上述したシステムが実現された料金所などの屋
根に設けられるが、錐体のみで実現される場合と比較し
て、電波音波吸収体が迫ってくるような圧迫感が軽減さ
れる利点がある。
【0031】本発明に用いる電波音波吸収体の特に好ま
しい一態様としては、略合同な正四角錐台形である各凸
部が、列ごとに底辺の半分の長さだけずれた形で二次元
的に充填されるようにして、最密状に配列されてなるも
のである。このように実現された各凸部を有する電波音
波吸収体においては、上記電波音波吸収体が有する効果
に加え、各凸部間に連続的な直線状の隙間が形成され
ず、電波および音波がこの隙間をすり抜けてしまうよう
なことが抑制される。
【0032】このような電波音波吸収体は、上述のよう
に電波吸収特性と音波吸収特性とを同時に兼ね備え、さ
らに上記配列の凸部を有することにより、優れた電波音
波吸収特性を示す。このような優れた電波音波吸収特性
を有する電波音波吸収体が収納された筐体からなる電波
音波吸収構造物が、複数個並設されて構成される吸収壁
において遮音効果を発揮し、音波吸収特性による吸音効
果とともに、騒音を効果的に防ぐためには、隣り合う筐
体の側面部が接合する接合面に隙間が生じることによっ
て、該隙間に吸収壁の正面側から入射した電波や音波が
背面側へ透過しないようにすることが必要である。ここ
で、「遮音」とは、筐体に対して、その厚み方向一方側
から音を入射するとき、入射音の大半を反射し、一部を
他方側に漏らすことをいう。このとき、他方側に漏れる
量が少ないほど遮音特性が良い。また、「吸音」とは、
電波音波吸収体に対してその厚み方向一方側から音を入
射するとき、入射音のうちの少なくとも一部を電波音波
吸収体が吸収し、電波音波吸収体内で、音のエネルギー
を熱エネルギーに変換することをいう。その変換効率が
高い程、吸音特性(音波吸収特性)が良い。
【0033】そこで、本発明においては、電波音波吸収
構造物が複数個並設されて吸収壁を構成する際に、隣接
する筐体の側面部が接する接合面において、吸収壁の正
面側と背面側を結ぶ電波および音波が直進できる隙間が
生じないようにする。このような隙間は、吸収壁の正面
側から入射した電波や音波を背面側へ透過させるからで
ある。該隙間を生じないように、上記側面部に隣接する
筐体と嵌合し得る凸部および/または凹部を設ける。
【0034】図3は、本発明の実施の一形態による電波
音波吸収構造物の概略構成を示す正面図である。図4
は、図3に示す電波音波吸収構造物の平面図である。電
波音波吸収体1は、図3では概略構成を示すため省略し
て示しているが、上述のように、平板上の台部と、台部
の厚み方向一方側に形成される複数個の凸部とを備え、
略合同な正四角錐台形である各凸部が、列ごとに底辺の
半分の長さだけずれた形で二次元的に充填されるように
して最密状に配列されてなるものである。このような構
造の電波音波吸収体1は、図4に示すように、直方体の
一面が開放された筐体2内に、電波音波吸収体1の厚み
方向Zの一方側の表面(凸部が備えられた面)が露出し
得るように、即ち電波が入射する面をその開放面(正
面)に向けて、収納されている。電波音波吸収構造物の
正面形状としては、従来の電波音波吸収構造物と同様で
あり、図3および図4には表れていないが、筐体2の二
つの幅方向(第一幅方向X、第二幅方向Y)のうちの第
二幅方向Yの両側面部に、複数の筐体2を並設したとき
に隣接する筐体2と互いに嵌合し得る凸部および/また
は凹部を有している。なお、電波音波吸収体1の厚み方
向Zは、図3において紙面垂直方向に相当し、筐体2の
厚み方向も同方向となる。また、上記第一幅方向Xは、
直方体の正面において互いに垂直な二辺のうちいずれか
一方の辺(図3では横方向の辺)に概ね沿った方向をさ
し、上記第二幅方向Yは、上記二辺のうち他方の辺(図
3では縦方向の辺)に概ね沿った方向をさす。従って、
上記第一幅方向X、第二幅方向Yおよび厚み方向Zは、
互いに垂直に交わる三軸に沿った方向となる。
【0035】図4においては、電波音波吸収体1がその
厚み方向Zの一方側の表面を露出して筐体2内に収納さ
れた例を示したが、本発明の電波音波吸収構造物におい
て、筐体2は、電波音波吸収体1を少なくともその厚み
方向一方側の表面が露出し得るように収納するものであ
る。よって、厚み方向Zの一方側の表面が露出していれ
ば、例えばさらに第一幅方向Xの両側面部の表面を露出
させたり、厚み方向Zの他方側の表面の一部を露出させ
たりして、電波および音波を吸収する面を広くすること
も可能である。
【0036】図5は、図3に示す筐体2が上下に並設さ
れた概略構成を示す正面図である。図3及び図4に示し
た電波音波吸収体1が収納された筐体2は、電波音波吸
収体1の厚み方向一方側(例えば開放面である正面側)
が同側となり、かつ第二幅方向Yの両側面部のうちの一
方の側面部が隣り合う筐体2の側面部と嵌合するよう
に、複数個上下に並設され、吸収壁の一部を構成してい
る。上下に並設された各筐体2の側面部は、接合面3で
他の筐体2の側面部と上または下に隣接している。な
お、図5において電波音波吸収体1は、その露出面の凸
部を省略して示している。
【0037】図6は、筐体2の側面部に設けられた凸部
または凹部によって接合面3に形成された嵌合部4の第
1例を示す図であり、図5の接合面部分を右側面から見
た拡大図である。図7は、図5の電波音波吸収壁の接合
面3に第1例の嵌合部4が形成された構成を示す斜視図
である。接合面3には、側面における形状が三角形状の
嵌合部4が形成されている。嵌合部4は、筐体2の第二
幅方向Yの両側面部のうちの一方の側面部(底面)に形
成された断面が三角形状の凹部と、これと嵌合する、上
下に隣り合う筐体2の第二幅方向Yの両側面部のうちの
一方の側面部(上面)に形成された断面が三角形状の凸
部とで構成されている。当該嵌合部4の凸部は、図6に
示す最上段の筐体2のように、筐体2の上面において、
第一幅方向Xの両側面部の一方の側面部から他方の側面
部(例えば右側面から左側面)まで同一断面形状で形成
されている。同様に、嵌合部4の凹部も、筐体2の底面
において、右側面の端から左側面の端まで同一断面形状
で形成されている。なお、図7において、電波音波吸収
体1は、最上段の筐体2においてのみ、その凸部の配列
を示し、他の筐体2では省略して示している。
【0038】上述のように隣接する筐体2の接合面3に
嵌合部4を形成することによって、吸収壁の正面側と背
面側を結ぶ電波および音波が直進できる隙間が生じるこ
とはない。嵌合部4が形成される接合面3には全く隙間
が生じないことが理想的であるが、実際には隙間が生じ
てしまう。しかし、たとえ嵌合部4に沿って隙間が生じ
るとしても、嵌合部4の三角形状の山(凸部)を音波が
越えることができず、この凸部に当たるようになってい
ればよい。凸部に当たった音波は筐体2で吸収または反
射されることによって遮蔽され、遮音されるからであ
る。例えば、凸部が、側面部において、その側面に略垂
直な方向に、音波が入射する方向と直交するように突出
して、設けられていることが好ましい。該凸部と嵌合す
る凹部は、側面部において、その側面に略垂直な方向
に、音波が入射する方向と直交するように陥没して設け
られることになる。
【0039】また、嵌合部4を形成することによって、
電波音波吸収構造物を複数個並設して吸収壁を布設する
際に、上下に隣接する電波音波吸収構造物の位置合わせ
が容易となり、布設後においても安定に維持することが
できる。
【0040】上述のように嵌合部4を形成する凸部およ
び凹部は、吸収壁の正面側と背面側を結ぶ電波および音
波が直進できる隙間が生じなければ、その形状や大きさ
が制限されるものではない。ただし、上記のような吸収
壁の布設後の安定性の観点からは、嵌合部4における凸
部と凹部との大小関係を特定する必要がある。この嵌合
部4における凸部と凹部との大小関係について、以下の
図8を参照して説明する。
【0041】図8は、図6の嵌合部における凸部と凹部
との大小関係による吸収壁の安定性を説明するための図
である。図8(a)のように、凸部4bより凹部4aが
大きい場合、隙間は、嵌合部には生じるが、凸部または
凹部が形成されていない側面が接する部分には生じ難く
なり、吸収壁は安定する。一方、図8(b)のように、
凸部4bより凹部4aが小さい場合、隙間は、嵌合部に
は生じ難いが、凸部4bまたは凹部4aが形成されてい
ない側面が接する部分に生じ、吸収壁は不安定となる。
なお、凸部4bと凹部4aとが同じ大きさである場合に
は、隙間は、嵌合部および凸部4bまたは凹部4aが形
成されていない側面が接する部分のいずれでも、生じ難
くなる。従って、本発明における嵌合部を構成する凸部
と凹部との大小関係は、吸収壁の安定性の観点から、凸
部と凹部との大きさが同じか凸部より凹部が大きいこと
(凸部≦凹部)が好ましい。
【0042】筐体2は、上述のように遮音効果を有する
ことが必須であり、該筐体2が電波音波吸収壁の一部を
構成することから、電波音波吸収体1を収納して上下に
並設される際の重さに耐え得ることも要求される。これ
らの観点から、筐体2の材質としては、遮音効果があ
り、上記重さに耐え得るものであれば、特に制限され
ず、例えば鉄や鉄合金などの鉄鋼材料、アルミニウムや
その合金、銅やその合金などの金属製のものが挙げら
れ、比強度(引張強さ/密度)が大きい点で、好ましく
は鉄鋼材料であり、特に好ましくは炭素鋼である。ま
た、これらの材料を使用して作製した筐体2に、メッキ
やペンキ塗装などの表面処理を施して耐候性を向上する
ようにしてもよい。例えば鉄などを用いて筐体2を作製
する場合には、その表面にペンキ塗装を施せば、錆びを
防ぐことができる。
【0043】上述のように、嵌合部4を構成する凸部お
よび凹部の形状については、特に限定されず、従来公知
の構造物を接合するための嵌合部に用いられる形状から
選択することが可能である。但し、嵌合部の形成が容易
という点、吸収壁の布設の際が容易という点などから、
最適な形状を選択することが好ましい。嵌合部を構成す
る凸部および凹部の形状が上記三角形状以外の例を、以
下の図9〜11に示す。
【0044】図9は、接合面3に形成された嵌合部5の
第2例を示す図であり、図5の接合面部分を右側面から
見た拡大図である。接合面部分には、図6に示した三角
形状の嵌合部4の替わりに、側面における形状が矩形状
の嵌合部5が設けられている。嵌合部5は、筐体2の底
面に形成された断面形状が矩形状の凹部と、これと嵌合
する、筐体2の上面に形成された断面形状が矩形状の凸
部とで構成されている。当該嵌合部5の凹部および凸部
は、図6に示した三角形状の嵌合部4と同様に、各々筐
体2の底面および上面において、右側面から左側面まで
同一断面形状で形成されている。
【0045】図10は、接合面3に形成された嵌合部6
の第3例を示す図であり、図5の接合面部分を右側面か
ら見た拡大図である。接合面部分には、図6に示した三
角形状の嵌合部4の替わりに、側面における形状が半円
状の嵌合部6が設けられている。嵌合部6は、筐体2の
底面に形成された断面形状が半円形状の凸部と、これと
嵌合する、筐体2の上面に形成された断面形状が半円形
状の凹部とで構成されている。当該嵌合部6の凹部およ
び凸部は、図6に示した三角形状の嵌合部4と同様に、
各々筐体2の底面および上面において、右側面から左側
面まで同一断面形状で形成されている。
【0046】図11は、接合面3に形成された嵌合部4
の第4例を示す図であり、図5の接合面部分を右側面か
ら見た拡大図である。接合面3部分には、図6に示した
三角形状の嵌合部4が2つ設けられている。2つの嵌合
部4が筐体2の底面および上面において、右側面から左
側面まで同一断面形状で平行に形成されている他は、図
6に示した嵌合部4と同様である。図11には、接合面
3に2つの嵌合部4が設けられた例を示したが、3つ以
上であってもよい。
【0047】なお、図6、図9〜11において示した嵌
合部は、筐体2の底面および上面において、その凹凸関
係が反対に形成されていてもよいし、凸部や凹部が第一
幅方向Xの両側面部の一方の側面部から他方の側面部
(例えば右側面から左側面)まで同一断面形状で形成さ
れている必要もないが、吸収壁の正面と背面を結ぶ電波
および音波が直進できる隙間が生じないように形成され
ていればよい。また、上述のような嵌合部は、電波音波
吸収体1が収納された筐体2が上下左右に並設されて構
成された吸収壁において、筐体2の上下接合面3だけで
なく、筐体2の左右の接合面に形成するようにしてもよ
い。即ち、筐体2の二つの幅方向(第一幅方向X、第二
幅方向Y)の各両側面部に、複数の筐体2を並設したと
きに隣接する筐体2と互いに嵌合し得る凸部および/ま
たは凹部を有していてもよい。
【0048】以上のような構成の筐体は、公知の加工、
成形方法を用いることによって成形することができる。
例えば、筐体を金属製とした場合の加工方法を以下に示
す。図12は、筐体2の製造方法の一例を説明するため
の概略図である。電波音波吸収体の厚み方向Zの一方側
の表面が露出される側とは反対の側となる底板11と、
上記第一幅方向Xの両側面となる2枚の側面用板12
と、上記第二幅方向Yの両側面となる2枚の側面用板1
3とを用意する。なお、図12では説明容易のため側面
用板12および側面用板13について一方のみを示し、
側面用板13の凸部および/または凹部を省略して示し
ている。側面用板13には、予めプレス加工により一方
の側面用板13に凸部および/または凹部を設け、これ
と互いに嵌合し得るように他方の側面用板13には凹部
および/または凸部を設ける。底板11に、2枚の側面
用板12を第一幅方向Xの両側面となるように、2枚の
側面用板13を第二幅方向Yの両側面となるように、そ
れぞれ溶接して図1に示した筐体を作製する
【0049】図13は、筐体2の製造方法の他の例を説
明するための概略図である。上記図12において、底板
11に相当する部分と、2枚の側面用板12に相当する
部分とが一体成形された筐体部分15を、1枚の板をプ
レス加工することにより成形する。上記製造方法の一例
と同様にして、第二幅方向Yの両側面となる2枚の側面
用板16を用意し、予めプレス加工により凸部および/
または凹部を設ける。なお、図13では一方の側面用板
16のみを示し、凸部および/または凹部の図示を省略
している。筐体部分15に、2枚の側面用板16を第二
幅方向Yの両側面となるように溶接して図1に示した筐
体を作製する。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から分かるように、隣接する
筐体の側面部が接する部分に生じる隙間を透過しようと
する電波および音波、特に音波を遮蔽して遮音効果を発
揮し、筐体に収納される電波音波吸収体の音波吸収特性
による吸音効果とともに、電波音波吸収構造物によって
構成される電波音波吸収壁として、騒音を効果的に防ぐ
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、連続気孔を有する多孔質無機粒
子の一つである軽石の第一のサンプルのSEM断面写真
であり、図1(b)は図1(a)を10倍拡大したSE
M断面写真である。
【図2】図2(a)は、連続気孔を有する多孔質無機粒
子の一つである軽石の第二のサンプルのSEM断面写真
であり、図2(b)は図2(a)を4倍拡大したSEM
断面写真である。
【図3】本発明の実施の一形態による電波音波吸収構造
物の概略構成を示す正面図である。
【図4】図3に示す電波音波吸収構造物の平面図であ
る。
【図5】図3に示す筐体2が上下に並設された概略構成
を示す正面図である。
【図6】筐体2の側面部に設けられた凸部または凹部に
よって接合面3に形成された嵌合部4の第1例を示す拡
大図である。
【図7】図5の電波音波吸収壁の接合面3に第1例の嵌
合部4が設けられた構成を示す斜視図である。
【図8】図8(a)は、図6の嵌合部4における凸部が
凹部より小さい場合に吸収壁が安定となる例を示す説明
図であり、図8(b)は、凸部が凹部より大きい場合に
吸収壁が不安定となる例を示す説明図である。
【図9】接合面3に形成された嵌合部5の第2例を示す
拡大図である。
【図10】接合面3に形成された嵌合部6の第3例を示
す拡大図である。
【図11】接合面3に形成された嵌合部4の第4例を示
す拡大図である。
【図12】筐体2の製造方法の一例を説明するための概
略図である。
【図13】筐体2の製造方法の他の例を説明するための
概略図である。
【図14】従来の電波音波吸収構造物の概略構成を示す
正面図である。
【図15】図14の電波音波吸収構造物の平面図であ
る。
【図16】従来の電波音波吸収構造物が複数個並設され
た概略構成を示す正面図である。
【図17】図16に示す筐体2の接合面部分を右側面か
ら見た拡大図である。
【符号の説明】
1 電波音波吸収体 2 筐体 3 接合面 4,5,6 嵌合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三ツ井 孝禎 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 (72)発明者 細谷 勝宣 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 (72)発明者 岩田 武夫 東京都町田市忠生2−2−1−405 Fターム(参考) 2E001 DH01 FA03 FA30 GA06 GA17 HA01 HB02 HB04 HB05 JA06 JA12 JA13 JA15 JA22 JA29 JB02 JB08 JD04 LA04 5E321 AA41 AA44 BB02 BB13 BB51 BB57 BB60 CC01 CC30 GG05 GG11 GH10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波音波吸収体と、該電波音波吸収体を
    少なくともその厚み方向一方側の表面が露出し得るよう
    に収納する直方状の筐体とを備える電波音波吸収構造物
    であって、 前記筐体が、その二つの幅方向のうち、少なくともいず
    れかの両側面部に、互いに嵌合し得る凸部および/また
    は凹部を有するものである電波音波吸収構造物。
  2. 【請求項2】 前記互いに嵌合し得る凸部と凹部との大
    小関係が凸部≦凹部であることを特徴とする請求項1記
    載の電波音波吸収構造物。
  3. 【請求項3】 前記凸部および凹部が、側面部におい
    て、その側面に略垂直な方向に、音波が入射する方向と
    直交するように突出または陥没して、設けられているこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の電波音波吸収
    構造物。
  4. 【請求項4】 前記筐体が、金属製で、かつその表面が
    防食処理されていることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の電波音波吸収構造物。
  5. 【請求項5】 前記筐体から露出する電波音波吸収体の
    一方向表面の形状が、規則性のある凸凹を有しているこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電波音
    波吸収構造物。
  6. 【請求項6】 前記電波音波吸収体が、連続気孔を有す
    る多孔質無機材料と、電波損失材と、珪酸アルカリ水溶
    液とを少なくとも含有する混合物に炭酸ガスを接触して
    固化してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の電波音波吸収構造物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の電波音
    波吸収構造物を、電波音波吸収体の厚み方向一方側が同
    側となり、かつ上記両側面部のうちの一方の側面部が隣
    り合う側面部と嵌合するように、複数個並設したもので
    あることを特徴とする電波音波吸収壁。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008255722A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Koyu Technos Kk 吸音パネル及びこれを用いた壁体並びにこれを用いた建築構造体
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