JP2003318552A - 内層回路入り多層銅張り積層板の製造方法及びこれにより製造された内層回路入り多層銅張り積層板 - Google Patents

内層回路入り多層銅張り積層板の製造方法及びこれにより製造された内層回路入り多層銅張り積層板

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JP2003318552A
JP2003318552A JP2002120041A JP2002120041A JP2003318552A JP 2003318552 A JP2003318552 A JP 2003318552A JP 2002120041 A JP2002120041 A JP 2002120041A JP 2002120041 A JP2002120041 A JP 2002120041A JP 2003318552 A JP2003318552 A JP 2003318552A
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Kazunobu Morioka
一信 盛岡
Yoshiaki Ezaki
義昭 江崎
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度で、製造工程の合理化に寄与し得る非
破壊検査工程を備えた内層回路入り多層銅張り積層板の
製造方法及びこの製造方法によって製造された内層回路
入り多層銅張り積層板を提供する。 【解決手段】 X線座標測定機により積層後の平面視に
おける位置精度検査用クーポン5、6の重心である5
g、6gの位置を測定し、これを穴あけ加工用基準穴用
マーク9の重心P0を原点とするX線座標測定機の座標
面上の座標点として特定し、これにより2枚の内層回路
基板2a、2bが、積層時に位置ずれをおこすことなく
所定の許容範囲内の適正な部位に適正に配置されている
か否かが、次工程であるNC穴あけ加工前に判定できる
ので、総ての工程品を簡便且つ短時間で検査できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度で、製造工
程の合理化に寄与し得る非破壊検査工程を備えた内層回
路入り多層銅張り積層板の製造方法及びこの製造方法に
よって製造された内層回路入り多層銅張り積層板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】内層回路入り多層銅張り積層板の製造方
法における検査工程では、各内層回路基板が積層時に位
置ずれをおこすことなく、適正に配置されているか否か
が判定されるが、従来は、製造ロットから統計的手法に
基づく所定枚数を抜取り、外層銅箔をカッターなどを用
いて、内層回路を露出せしめ、”NC穴あけ用基準ガイ
ドマーク(ここでいうNC穴あけ用基準ガイドマークと
は、通常、内層回路入り多層銅張り積層板の製造に係る
積層成形に先立ち、予め、内層回路パターン設計時に、
内層回路基板のいずれかの内層回路形成面の所定の領域
[通常、内層回路形成エリア外に、該内層回路形成エリ
アを挟んで、相互に対向して二つ形成されることが多
い。]に、形成された複数の穴あけ加工用基準穴用マー
クをいい、次工程であるNC穴あけ加工を行う際のNC
穴あけ用基準穴をその重心に形成するときに使用される
もので、円形、二重円等、重心の特定が容易な形状を有
することが多い。)”を基準として、光学式XY平面座
標計測機などで露出させた内層回路の座標値の計測を実
施し、計測値と設計値との差から内層回路の位置精度が
予め設定されている規格を満足しているか否かを判断す
るという抜取り破壊検査を採用していた。
【0003】しかし、近年の電子機器の高機能化に伴う
プリント配線板の高密度・微細配線化の要求は一層加速
しており、内層回路のランドとNC穴とのズレ許容範囲
も年々小さくなり、最近では、この許容範囲が、50μ
m以下のニーズもでてきており、従来の抜取り破壊検査
では、かかる高レベルの測定精度の確保が困難となって
いた。
【0004】また、かかる抜取り破壊検査では、検査用
サンプルの作製に多大の時間と労力を要する一方、総て
の工程品を検査することができず、検査の信頼性が不充
分で製造方法全体の工程合理化の観点からも問題である
のみならず、検査済み品は、総て廃棄物となるため、地
球環境保護の観点からも好ましいものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事由に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高精
度で、製造工程の合理化に寄与し得る非破壊検査工程を
備えた内層回路入り多層銅張り積層板の製造方法及びこ
の製造方法によって製造された内層回路入り多層銅張り
積層板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明の内層回路入り多層銅張り積層
板の製造方法にあっては、複数の内層回路基板を有する
内層回路入り多層銅張り積層板の製造方法であって、予
め、二枚の外層銅箔の内側に絶縁層であるプリプレグを
介して積層された前記複数の内層回路基板の内層回路形
成面上に、所定形状の位置精度検査用クーポンを前記内
層回路基板毎に少なくとも一個形成し、積層後の平面視
における二つの基準点に対する前記位置精度検査用クー
ポンの重心の位置を非破壊測定方法により測定し、これ
が所定の円形エリア内に存在するか否かを基準として前
記内層回路入り多層銅張り積層板を選別する検査工程を
有することを特徴とするものである。
【0007】請求項2に係る発明の内層回路入り多層銅
張り積層板の製造方法にあっては、請求項1記載の内層
回路入り多層銅張り積層板の製造方法において、前記二
つの基準点が、予め、前記複数の内層回路基板のいずれ
かの内層回路形成面の内層回路形成エリア外に、該内層
回路形成エリアを挟んで、相互に対向して形成された二
つの穴あけ加工用基準穴用マークの重心、或いは、該重
心を中心として形成した穴であることを特徴とするもの
である。
【0008】請求項3に係る発明の内層回路入り多層銅
張り積層板の製造方法にあっては、請求項1又は請求項
2記載の内層回路入り多層銅張り積層板の製造方法にお
いて、前記非破壊測定方法が、X線座標測定機による測
定であることを特徴とするものである。
【0009】請求項4に係る発明の内層回路入り多層銅
張り積層板の製造方法にあっては、請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載の内層回路入り多層銅張り積層板の
製造方法において、前記内層回路基板毎に少なくとも一
個形成した前記位置精度検査用クーポンが、積層後の平
面視において相互に離間して配置されていることを特徴
とするものである。
【0010】請求項5に係る発明の内層回路入り多層銅
張り積層板にあっては、請求項1乃至請求項4のいずれ
かに記載の内層回路入り多層銅張り積層板の製造方法に
よって製造されたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内層回路入り
多層銅張り積層板の製造方法の実施形態を図面に基づき
説明する。尚、本発明の内層回路入り多層銅張り積層板
の製造方法は、下記の実施形態にのみ限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々
変更を加え得ることは勿論である。ここで、図1は、本
発明の内層回路入り多層銅張り積層板の製造方法におけ
る内層回路入り多層銅張り積層板の基本構成を示すもの
で、(a)は、分解斜視図、(b)は、断面図である。
図2は、本発明の内層回路入り多層銅張り積層板の製造
方法における内層回路基板の内層回路形成面の概略を示
すもので、(a)は、内層回路基板2aの内層回路形成
面4aの平面図、(b)は、内層回路基板2bの内層回
路形成面4bの平面図である。図3は、本発明の内層回
路入り多層銅張り積層板の製造方法における内層回路入
り多層銅張り積層板の積層後の平面視におけるX線座標
測定機の座標面上の原点、X軸、Y軸との配置を示す平
面図である。図4は、図3における位置精度検査用クー
ポン5の近傍(図3中、Sで示した領域)を拡大して示
した平面図である。
【0012】本発明に係る内層回路入り多層銅張り積層
板の製造方法は、上記したように、複数の内層回路基板
を有する内層回路入り多層銅張り積層板に関するもので
あって、予め、これらの内層回路基板の内層回路形成面
上に、位置精度検査用クーポンを内層回路基板毎に少な
くとも一個形成し、積層後の平面視におけるこれらの位
置精度検査用クーポンの重心の位置を非破壊測定方法に
より測定し、これを基礎として、各内層回路基板が積層
時に位置ずれをおこすことなく、適正に配置されている
か否かを判定する検査工程を有する内層回路入り多層銅
張り積層板の製造方法である。
【0013】例えば、図1及び図2に示すように、2枚
の内層回路基板2a、2bを有する内層回路入り多層銅
張り積層板1の場合には、予め、2枚の外層銅箔7の内
側に絶縁層であるプリプレグ3を介して積層された2枚
の内層回路基板2a、2bの内、内層回路基板2aの表
裏2つの内層回路形成面4a、4cの内、4a上の内層
回路形成エリア8aの外部の4隅に所定形状の位置精度
検査用クーポン5(円形)を4個形成する一方、もう一
枚の内層回路基板2bの内層回路形成面4b、4dの
内、4b上にも同様に、所定形状の位置精度検査用クー
ポン6(正三角形)を4個形成しておき、積層後の平面
視における前記位置精度検査用クーポン5、6の重心の
位置を非破壊測定方法により測定し、これを基礎とし
て、上記判定を行なうこととなる。
【0014】具体的には、これを以下のような手順で行
なうことができる。 2枚の内層回路基板2a、2bの内、内層回路基板2
aの一方の内層回路形成面4a上の内層回路形成エリア
8aの外部の4隅に所定形状の位置精度検査用クーポン
として位置精度検査用クーポン5(円形)を4個、更
に、前記した内層回路形成エリア8aの外部に、この内
層回路形成エリア8aを挟んで、相互に対向して二つの
穴あけ加工用基準穴用マーク9、10を予め、前記内層
回路形成面4aとともに金属銅層として形成しておく。
なお、穴あけ加工用基準穴用マーク9、10として、従
来より、内層回路形成面上に形成している上記”NC穴
あけ用基準ガイドマーク”をそのまま利用してもよい。
一方、もう一方の内層回路基板2bの内層回路形成面4
b上の内層回路形成エリア8bの外部の4隅に別の位置
精度検査用クーポンとして位置精度検査用クーポン6
(正三角形)を4個、予め、前記内層回路形成面4bと
ともに同様に形成しておく(図1、図2参照)。この場
合において、この位置精度検査用クーポン5と位置精度
検査用クーポン6とを、積層した際の平面視において相
互に離間して配置しておく(図2、図3参照)。
【0015】2枚の外層銅箔7の内側に絶縁層である
プリプレグ3を介して2枚の内層回路基板2a、2b
を、ガイドピンを使用する等の公知の方法で、相互に位
置合わせをした後、積層成形する(図1)。
【0016】積層成形した内層回路入り多層銅張り積
層板1に対して、X線を使用して外層銅箔7の上から二
つの穴あけ加工用基準穴用マーク9、10を探索し、そ
の各々の重心P0、P1を結ぶ直線を非破壊測定方法で
あるX線座標測定機の座標面上の座標軸であるX軸、加
工用基準穴用マーク9の重心P0を前記X線座標測定機
の座標面上の原点、この原点を通過し、前記X軸に直交
する直線上に、X線座標測定機の座標面上の座標軸であ
るY軸を設けることによりX線座標測定機の座標面を特
定し、内層回路入り多層銅張り積層板1を該座標面のそ
の位置に固定する。即ち、これによって、X線座標測定
機の座標面上の原点である加工用基準穴用マーク9の重
心P0を位置精度検査用クーポン5、6の重心である5
g、6gの位置を特定する際の基準点として使用するこ
とができる。
【0017】X線座標測定機により積層後の平面視に
おける前記位置精度検査用クーポン5、6の重心の位置
を測定し、これを基準点である穴あけ加工用基準穴用マ
ーク9の重心P0を原点とするX線座標測定機の座標面
上の座標点として特定し、総ての位置精度検査用クーポ
ン5、6の重心である5g、6gの位置が、所定の円形
エリアA内に存在するか否かを基準として2枚の内層回
路基板2a、2bが、適正に配置された内層回路入り多
層銅張り積層板1を選別する。図4は、位置精度検査用
クーポン5の近傍(図3中、Sで示した領域)を拡大し
て示した平面図であるが、ここでは、前記P0を原点と
するX線座標測定機の座標面上の”あるべき5g”の座
標点である5Aを中心とし、これからの許容誤差範囲を
示す半径r(単位:μm)を有する前記円形エリアAの
内部に位置精度検査用クーポン5の重心である5gが存
在しているのでこの位置精度検査用クーポン5に関して
は、合格判定がなされることとなる。本実施形態のよう
に、内層回路基板2aが複数個の位置精度検査用クーポ
ン5を備える場合には、これらすべての位置精度検査用
クーポン5の合否判定を総合的に判断して内層回路基板
2a全体の位置ずれが許容範囲内であるか否かの判断が
なされる。以下、同様にして、位置精度検査用クーポン
6についても同様な判断がなされ、結果として、内層回
路基板2b全体の位置ずれが許容範囲内であるか否かの
判断がなされることとなる。
【0018】以上のような判断を各内層回路基板の総
てについて行ない、総ての内層回路基板の位置ずれが許
容範囲内にある内層回路入り多層銅張り積層板が合格品
と判断されることとなる。
【0019】本実施形態においては、位置精度検査用ク
ーポンは、本来、内層回路基板毎に少なくとも一個形成
すれば、各内層回路基板が積層時に位置ずれをおこすこ
となく、適正に配置されているか否かを判定するという
本来の目的を達成することは可能であるが、本実施形態
に示すように、同一の内層回路形成面の上に、複数個形
成することにより、例えば、内層回路基板4に、成形収
縮バラツキによる寸法歪みがある場合等を考慮すると、
かかる判定の精度を更に向上させることができ好都合で
ある。
【0020】また、本実施形態においては、2枚の内層
回路基板2a、2bの内、内層回路基板2aの表裏2つ
の内層回路形成面4a、4cの内、4a上の内層回路形
成エリア8aの外部の4隅に所定形状の位置精度検査用
クーポン5(円形)を4個形成する一方、もう一枚の内
層回路基板2bの内層回路形成面4b、4dの内、4b
上にも同様に、所定形状の位置精度検査用クーポン6
(正三角形)を4個形成しておき、積層後の平面視にお
ける前記位置精度検査用クーポン5、6の重心の位置を
非破壊測定方法により測定することとしたが、内層回路
中のランド、若しくは、クリアランス等、重心の特定が
容易な既存部位を位置精度検査用クーポンとして利用す
る実施形態も可能である。
【0021】さらに、図2、図3に示すように、この位
置精度検査用クーポンを、積層の際の平面視において相
互に離間して配置することにより、X線座標測定機によ
る座標計測を行なう際に、画像処理が容易で更なる計測
精度の向上に寄与し得ることとなる。いうまでもなく、
かかる位置精度検査用クーポンを、相互に離間して配置
せず、積層の際の平面視において、部分的に重なりを生
ずるように配置した場合、或いは、上記したように、内
層回路中の既存部位を位置精度検査用クーポンとして利
用する場合においても、X線撮像した画像の2値化(黒
白)処理により、位置精度検査用クーポンの各重心を特
定し、X線座標測定機による座標計測を行うことも当然
可能である。
【0022】また、本実施形態においては、例えば、内
層回路基板2aの表裏2つの内層回路形成面4a、4c
の内、4a上に位置精度検査用クーポン5(円形)を形
成したが、もう一方の内層回路形成面4cに設けてもよ
く、所定形状の位置精度検査用クーポンを内層回路基板
毎に少なくとも一個形成すれば足りるというものであ
る。また、位置精度検査用クーポンの形状についても、
上記課題解決に寄与し得る限りにおいて、特に限定はさ
れないが、本実施形態に示したように、円形、正三角
形、正方形、正六角形等のように、重心の特定が容易な
簡単な形状が好適であると考えられる。
【0023】一方、内層回路形成工程での表裏露光フィ
ルムの層間ずれに起因する内層回路基板の表裏での内層
回路層間ずれは、通常、露光機により管理されるが、例
えば、本実施形態において、内層回路基板2aの表裏2
つの内層回路形成面4a、4cの双方に位置精度検査用
クーポンを形成して、内層回路形成面4a、4cの双方
の位置精度検査用クーポンの重心の位置を測定するよう
にすれば、内層回路基板の表裏での内層回路層間のずれ
を検査することも併せて行うことが可能となり、更に、
有用である。
【0024】また、位置精度検査用クーポンの重心の位
置を特定する際の基準点の設定についても、上記課題解
決に寄与し得る限りにおいて、特に限定はされないが、
本実施形態に示したように、予め、前記複数の内層回路
基板2のいずれかの内層回路形成面4の内層回路形成エ
リア8の外部に、該内層回路形成エリア8を挟んで、相
互に対向して形成された二つの穴あけ加工用基準穴用マ
ークの重心P0、P1を結ぶ直線を非破壊測定方法であ
るX線座標測定機の座標面上のX軸、加工用基準穴用マ
ーク9の重心P0を前記X線座標測定機の座標面上の原
点、この原点を通過し、前記X軸に直交する直線上に、
X線座標測定機の座標面上のY軸を設けることによりX
線座標測定機の座標面を特定するようにすると同一規格
の内層回路入り多層銅張り積層板1について、既存且つ
同一の基準点により統一的且つ画一的に判定することが
可能となり好都合である。いうまでもなく、この場合に
おいて、前記二つの穴あけ加工用基準穴用マークの重心
P0、P1の代わりに、かかる重心を中心として形成し
た穴を位置精度検査用クーポンの重心の位置を特定する
際の基準点として利用することも当然可能である。
【0025】また、本発明で使用可能な非破壊測定方法
についても、上記課題解決に寄与し得る限りにおいて、
特に限定はされないが、本実施形態に示したように、X
線座標測定機により測定するようにすると上記した50
μm以下の測定精度を確保することも可能となり好都合
である。
【0026】この場合において、図1に示す内層回路入
り多層銅張り積層板1は、2枚の内層回路基板2a、2
bを有するものであるが、本発明の内層回路入り多層銅
張り積層板が有する内層回路基板は、2枚のみに限定さ
れるものではなく、上記課題解決に寄与し得る限りにお
いて、何ら制限のないものであることは勿論である。寧
ろ、上記するように、X線座標測定機により測定するこ
とを前提にすれば、6層以上の多層構成の場合でも、X
線座標測定機の測定能力の及ぶ限りにおいて、各内層回
路基板の位置ずれの有無を支障なく高精度で判定できる
ので、上記した従来法に比較して圧倒的に有利であるこ
とは明白であるといえる。また、かかる多層構成になる
とプリプレグ3及び内層回路基板4の使用枚数も増える
ことから、上記した内層回路基板4の成形収縮バラツキ
による寸法歪みが大きくなり、本発明に係る内層回路入
り多層銅張り積層板の製造方法の有効性は一層顕著なも
のになるといえる。
【0027】このように、本発明に係る内層回路入り多
層銅張り積層板の製造方法においては、予め、複数の内
層回路基板の内層回路形成面上に、形成した位置精度検
査用クーポンによる内層回路入り多層銅張り積層板を選
別する検査工程を有するが、この検査工程は非破壊検査
のため、総ての工程品を簡便に、短時間で検査でき、し
かも、合格品は、総て、次工程に投入可能となり、製造
工程の合理化に大きく寄与し得る一方、検査済み品は、
総て廃棄物となる従来の検査と異なり、近年の地球環境
保護の観点からも非常に好ましいものであるといえる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
6層構成の内層回路入り銅張り積層板[サイズ:500
mm×600mm、アニュラリング:50μm(ランド
径0.45φ/穴径0.35φ)]を同一の製造条件
(層構成:FR-4グレード、外層銅箔の厚み:18μ
m、内層回路基板の厚み:0.15mm、内層回路の厚
み:35μm/35μm、プリプレグの厚み:0.15m
m、成形条件:180℃、60分、25kgf/cm
2)にて、2ロット作製(500枚/ロット)し、以下
2種類の検査方式にて、検査し、NC穴あけ加工後の座
切れ不良(内層ランドに対するNC穴あけ加工穴の穴ず
れで、層間の導通信頼性悪化、導通不良の原因とな
る。)の有無を評価した。
【0029】[実施例1]全数非破壊検査した内層回路入
り銅張り積層板(株)ユニハイト社製X線座標測定機
(XMA−700A型)により、合否判定基準50μm
にて全数位置精度検査を実施したところ、500枚中6
枚が不合格品(494枚が合格品)であった。次に、こ
の合格品(494枚)を次工程であるNC穴あけ加工を
行った結果、座切れ不良は確認されなかった。
【0030】[比較例]抜取り破壊検査(検査数3枚)し
た内層回路入り銅張り積層板・500枚中3枚を抜取
り、外層銅箔をカッターで剥がし、内層回路の所定部分
を露出させた後、光学式XY座標測定機にて計測検査を
実施した。
【0031】合否判定基準50μmに対し、3枚とも合
格品であったので、残り497枚を次工程であるNC穴
あけ加工を行った結果、497枚中7枚座切れ品が確認
された。
【0032】以上の結果より、本発明に係る内層回路入
り多層銅張り積層板の製造方法における検査工程の従来
法に対する優位性は明らかであるといえる。
【0033】また、かかる本発明に係る内層回路入り多
層銅張り積層板の製造方法により製造された内層回路入
り多層銅張り積層板は、前記複数の各内層回路基板が積
層時に位置ずれをおこすことなく、所定の許容範囲内の
適正な部位に適正に配置されていることが保証された信
頼性の高いものであるといえる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明の内
層回路入り多層銅張り積層板の製造方法にあっては、複
数の内層回路基板を有する内層回路入り多層銅張り積層
板の製造方法であって、予め、二枚の外層銅箔の内側に
絶縁層であるプリプレグを介して積層された前記複数の
内層回路基板の内層回路形成面上に、所定形状の位置精
度検査用クーポンを前記内層回路基板毎に少なくとも一
個形成し、積層後の平面視における二つの基準点に対す
る前記位置精度検査用クーポンの重心の位置を非破壊測
定方法により測定し、これが所定の円形エリア内に存在
するか否かを基準として前記内層回路入り多層銅張り積
層板を選別する検査工程を有することを特徴とするの
で、前記複数の各内層回路基板が積層時に位置ずれをお
こすことなく、所定の許容範囲内の適正な部位に適正に
配置されているか否かが、次工程であるNC穴あけ加工
前に判定でき、不合格品を早期に製造工程から除外して
製造工程全体の効率化を図ることができることに加え
て、非破壊測定方法により総ての工程品を簡便且つ短時
間で検査でき、しかも、合格品は、総て、次工程に投入
可能となり、製造工程の合理化に大きく寄与し得るとい
う優れた効果を奏する。
【0035】請求項2に係る発明の内層回路入り多層銅
張り積層板の製造方法にあっては、請求項1記載の内層
回路入り多層銅張り積層板の製造方法において、前記二
つの基準点が、予め、前記複数の内層回路基板のいずれ
かの内層回路形成面の内層回路形成エリア外に、該内層
回路形成エリアを挟んで、相互に対向して形成された二
つの穴あけ加工用基準穴用マークの重心、或いは、該重
心を中心として形成した穴であることを特徴とするの
で、請求項1記載の発明の効果に加えて、当該二つの基
準点により、前記位置精度検査用クーポンの重心の位置
を特定する際の座標面、その座標面上の座標軸、原点等
を特定できる一方、従来より、内層回路形成面上に形成
している”NC穴あけ用基準ガイドマーク”を当該二つ
の基準点としてそのまま利用できるという優れた効果を
奏する。
【0036】請求項3に係る発明の内層回路入り多層銅
張り積層板の製造方法にあっては、請求項1又は請求項
2記載の内層回路入り多層銅張り積層板の製造方法にお
いて、前記非破壊測定方法が、X線座標測定機による測
定であることを特徴とするので、請求項1又は請求項2
記載の発明の効果に加えて、6層以上の多層構成の場合
でも、X線座標測定機の測定能力の及ぶ限りにおいて、
各内層回路基板の位置ずれの有無を支障なく高精度で判
定できるという優れた効果を奏する。
【0037】請求項4に係る発明の内層回路入り多層銅
張り積層板の製造方法にあっては、請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載の内層回路入り多層銅張り積層板の
製造方法において、前記内層回路基板毎に少なくとも一
個形成した前記位置精度検査用クーポンが、積層後の平
面視において相互に離間して配置されていることを特徴
とするので、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
発明の効果に加えて、X線座標測定機による座標計測を
行なう際に、画像処理が容易で計測精度の向上に寄与し
得るという優れた効果を奏する。
【0038】請求項5に係る発明の内層回路入り多層銅
張り積層板にあっては、請求項1乃至請求項4のいずれ
かに記載の内層回路入り多層銅張り積層板の製造方法に
よって製造されたことを特徴とするので、各内層回路基
板が積層時に位置ずれをおこすことなく、所定の許容範
囲内の適正な部位に適正に配置されていることを保証し
得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内層回路入り多層銅張り積層板の製造
方法における内層回路入り多層銅張り積層板の基本構成
を示すもので、(a)は、分解斜視図、(b)は、断面
図である。
【図2】本発明の内層回路入り多層銅張り積層板の製造
方法における内層回路基板の内層回路形成面の概略を示
すもので、(a)は、内層回路基板2aの内層回路形成
面4aの平面図、(b)は、内層回路基板2bの内層回
路形成面4bの平面図である。
【図3】本発明の内層回路入り多層銅張り積層板の製造
方法における内層回路入り多層銅張り積層板の積層後の
平面視におけるX線座標測定機の座標面上の原点、X
軸、Y軸との配置を示す平面図である。
【図4】図3における位置精度検査用クーポン5の近傍
(図3中、Sで示した領域)を拡大して示した平面図で
ある。
【符号の説明】
1 内層回路入り多層銅張り積層板 2 内層回路基板 2a 内層回路基板 2b 内層回路基板 3 プリプレグ 4 内層回路形成面 4a 内層回路形成面(内層回路基板2a) 4b 内層回路形成面(内層回路基板2b) 4c 内層回路形成面(内層回路基板2a) 4d 内層回路形成面(内層回路基板2b) 5 位置精度検査用クーポン(円形) 5g 重心(位置精度検査用クーポン5) 6 位置精度検査用クーポン(正三角形) 6g 重心(位置精度検査用クーポン6) 7 外層銅箔 8 内層回路形成エリア 8a 内層回路形成エリア(内層回路形成面4a) 8b 内層回路形成エリア(内層回路形成面4b) 9 穴あけ加工用基準穴用マーク(内層回路形成面
4a) 10 穴あけ加工用基準穴用マーク(内層回路形成
面4a) P0 重心(穴あけ加工用基準穴用マーク9) P1 重心(穴あけ加工用基準穴用マーク10)
フロントページの続き Fターム(参考) 5E346 AA06 AA12 AA15 AA22 AA26 AA32 AA43 AA60 BB01 CC02 CC08 CC32 DD02 DD12 EE02 EE06 EE09 EE13 EE16 EE17 GG15 GG28 GG31 HH11 HH33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の内層回路基板を有する内層回路入
    り多層銅張り積層板の製造方法であって、予め、二枚の
    外層銅箔の内側に絶縁層であるプリプレグを介して積層
    された前記複数の内層回路基板の内層回路形成面上に、
    所定形状の位置精度検査用クーポンを前記内層回路基板
    毎に少なくとも一個形成し、積層後の平面視における二
    つの基準点に対する前記位置精度検査用クーポンの重心
    の位置を非破壊測定方法により測定し、これが所定の円
    形エリア内に存在するか否かを基準として前記内層回路
    入り多層銅張り積層板を選別する検査工程を有すること
    を特徴とする内層回路入り多層銅張り積層板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記二つの基準点が、予め、前記複数の
    内層回路基板のいずれかの内層回路形成面の内層回路形
    成エリア外に、該内層回路形成エリアを挟んで、相互に
    対向して形成された二つの穴あけ加工用基準穴用マーク
    の重心、或いは、該重心を中心として形成した穴である
    ことを特徴とする請求項1記載の内層回路入り多層銅張
    り積層板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記非破壊測定方法が、X線座標測定機
    による測定であることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の内層回路入り多層銅張り積層板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記内層回路基板毎に少なくとも一個形
    成した前記位置精度検査用クーポンが、積層後の平面視
    において相互に離間して配置されていることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の内層回路入
    り多層銅張り積層板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の内層回路入り多層銅張り積層板の製造方法によって製
    造されたことを特徴とする内層回路入り多層銅張り積層
    板。
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