JP2003318548A - 多層回路板及びその製造方法 - Google Patents

多層回路板及びその製造方法

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JP2003318548A
JP2003318548A JP2002125725A JP2002125725A JP2003318548A JP 2003318548 A JP2003318548 A JP 2003318548A JP 2002125725 A JP2002125725 A JP 2002125725A JP 2002125725 A JP2002125725 A JP 2002125725A JP 2003318548 A JP2003318548 A JP 2003318548A
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capacitor
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forming
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Hidekatsu Sekine
秀克 関根
Katsunori Dochi
克敬 洞地
Makoto Nakamura
真 中村
Hisashi Yoshimoto
尚志 吉本
Kazuo Abe
和雄 阿部
Masahisa Tonegawa
雅久 利根川
Takayuki Fukada
隆之 深田
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低コスト化、薄型化及び軽量化を実現できるキ
ャパシタ素子、インダクタ素子及び抵抗素子内蔵の多層
回路板及びその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】絶縁基材11の両面に第1配線層21a及
び21b並びに絶縁層31を形成し、絶縁層31の一方
の面にキャパシタ用下部電極41a及びインダクタ用下
部コイル配線41bを形成し、キャパシタ用下部電極4
1a上に誘電体層61を、インダクタ用下部コイル配線
41bを形成し、さらにキャパシタ用上部電極41aを
形成してキャパシタ素子60を及びインダクタ用上部コ
イル配線41bをを形成してインダクタ素子70を、キ
ャパシタ用上部電極41aと第3配線層82c間に抵抗
素子91をそれぞれ形成し、絶縁層31の同一平面上に
キャパシタ素子、インダクタ素子及び抵抗素子が形成さ
れた多層回路板400を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器に用い
られるプリント配線板及びインターポーザーからなる多
層回路板に関し、さらに詳しくはキャパシタ素子、イン
ダクタ素子及び抵抗素子を内蔵した多層回路板及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のキャパシタ素子及びインダクタ素
子を内蔵した多層回路板の構成及びその製造方法につい
て説明する。ここで言う多層回路板とはプリント配線板
及びインターポーザー基板を総称して用いており、イン
ターポーザー基板はICチップや半導体素子とプリント
配線板との仲立ちをするもので、BGA基板、MCM基
板、SCM基板等が含まれる。従来のキャパシタ素子及
びインダクタ素子を内蔵した多層回路板の構造として
は、図17に示す様に、キャパシタ素子が存在する層に
は、一面に誘電体層61が配置され、インダクタ素子が
存在する層には、同じく一面に磁性体層71が配置さ
れ、キャパシタ素子とインダクタ素子は別々の層に存在
していた。また、従来のキャパシタ素子及びインダクタ
素子を内蔵した多層回路板の製造方法は、その製造工程
内において、キャパシタ素子の場合は、絶縁層31上に
キャパシタ用下部電極41aを形成し、キャパシタ用下
部電極41a及び絶縁層31上に誘電材を混入した樹脂
溶液をコーティングする方法、または誘電体シートをラ
ミネートする方法等で誘電体層61を形成し、表面を研
磨し、キャパシタ用上部電極81aを形成し、キャパシ
タ素子を形成するというものであった。
【0003】また、インダクタ素子の場合も同様に、絶
縁層51上にインダクタ用下部コイル配線41bを形成
し、インダクタ用下部コイル配線41b及び絶縁層51
上に磁性材を混入した樹脂溶液をコーティングする方
法、または磁性体シートをラミネートする方法等で磁性
体層71を形成し、表面を研磨し、磁性体層71の所定
位置にインダクタ用下部コイル配線41bとインダクタ
用上部コイル配線82bを電気的接続するためのビア用
孔をレーザー加工等により形成し、磁性体層71上に導
体層を、ビア用孔にフィルドビアを形成し、導体層をパ
ターニング処理してインダクタ用上部コイル配線81b
を形成し、インダクタ素子を形成するというものであっ
た。
【0004】上記したように従来の多層回路板では、キ
ャパシタ素子を設ける誘電体層61にはキャパシタ以外
の部品を内蔵することができず、また同様にインダクタ
素子を設ける磁性体層71にはインダクタ素子以外の部
品を内蔵することができない。それは、誘電体層や磁性
体層上に配線回路を形成するとノイズ発生、信号遅延、
クロストーク等の電気的特性悪化といった問題が発生す
るため、配線引き回しの自由度も制限されることから、
多層回路板の層数や工数の増加による高コストにつなが
ったり、また、誘電体層と磁性体層が別々の層になるこ
とから、薄型化、軽量化が困難になるといった問題を有
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みなされたものであり、低コスト化、薄型化及び軽
量化を実現できるキャパシタ素子、インダクタ素子及び
抵抗素子内蔵の多層回路板及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1においては、キャパシ
タ素子及びインダクタ素子が内蔵された多層回路板であ
って、前記キャパシタ及びインダクタ素子が任意の層の
同一平面上に設けられていることを特徴とする多層回路
板としたものである。
【0007】また、請求項2においては、キャパシタ素
子、インダクタ素子及び抵抗素子が内蔵された多層回路
板であって、前記キャパシタ素子、インダクタ素子及び
抵抗素子が任意の層の同一平面上に設けられていること
を特徴とする多層回路板としたものである。
【0008】また、請求項3においては、少なくとも以
下の工程を備えることを特徴とする請求項1記載の多層
回路板の製造方法としたものである。 (a)絶縁基材11の両面に第1配線層21a、21b
を形成する工程。 (b)絶縁基材11及び第1配線層21a、21b上に
絶縁層31を形成する工程。 (c)絶縁層31の所定位置にビア用孔32を形成する
工程。 (d)絶縁層31上に導体層41を、ビア用孔32にフ
ィルドビア42を形成する工程。 (e)導体層41をパターニング処理してキャパシタ用
下部電極41a、インダクタ用下部コイル配線41b及
び第2配線層41dを形成する工程。 (f)キャパシタ用下部電極41a及びインダクタ用下
部コイル配線41b上に誘電材を混入した樹脂溶液を塗
布して所定厚の誘電体層61を、第2配線層41d上に
所定厚の絶縁層51を形成する工程。 (g)誘電体層61の所定位置をレーザー加工等にて穴
明け加工して開口部62を形成し、インダクタ用下部コ
イル配線41bを露出させ、絶縁層51の所定位置にビ
ア用孔54を形成する工程。 (h)開口部62に磁性材を混入した樹脂溶液を埋め込
み、乾燥硬化、平坦化処理を行って磁性体層71を形成
する工程。 (i)磁性体層71にインダクタ用下部コイル配線41
bとインダクタ用上部コイル配線とを電気的に接続する
ためのビア用孔をレーザー加工等で形成し、キャパシタ
用下部電極41a上の誘電体層61上にキャパシタ用上
部電極81aを形成してキャパシタ素子60を、インダ
クタ用下部コイル配線41b上の磁性体層71上にイン
ダクタ用上部コイル配線81bを形成してインダクタ素
子70を、絶縁層51上に第3配線層81dをそれぞれ
形成する工程。
【0009】また、請求項4においては、少なくとも以
下の工程を備えることを特徴とする請求項1記載の多層
回路板の製造方法としたものである。 (a)絶縁基材11の両面に第1配線層21a、21b
を形成する工程。 (b)絶縁基材11及び第1配線層21a、21b上に
絶縁層31を形成する工程。 (c)絶縁層31の所定位置にビア用孔32を形成する
工程。 (d)絶縁層31上に導体層41を、ビア用孔32にフ
ィルドビア42を形成する工程。 (e)導体層41をパターニング処理してキャパシタ用
下部電極41a、インダクタ用下部コイル配線41b及
び第2配線層41dを形成する工程。 (f)キャパシタ用下部電極41a及びインダクタ用下
部コイル配線41b上に磁性材を混入した樹脂溶液を塗
布して所定厚の磁性体層71を、第2配線層41d上に
所定厚の絶縁層51を形成する工程。 (g)磁性体層71の所定位置をレーザー加工等にて穴
明け加工して開口部72を形成してキャパシタ用下部電
極41aを露出させ、絶縁層51の所定位置にビア用孔
54を形成する工程。 (h)開口部72に誘電材を混入した樹脂溶液を埋め込
み、乾燥硬化、平坦化処理を行って誘電体層61を形成
する工程。 (i)磁性体層71の所定位置にインダクタ用下部コイ
ル配線41bとインダクタ用上部コイル配線とを電気的
に接続するためのビア用孔をレーザー加工等で形成し、
キャパシタ用下部電極41a上の誘電体層61上にキャ
パシタ用上部電極81aを形成してキャパシタ素子60
を、インダクタ用下部コイル配線41b上の磁性体層7
1上にインダクタ用上部コイル配線81bを形成してイ
ンダクタ素子70を、絶縁層51上に第3配線層81d
をそれぞれ形成する工程。
【0010】また、請求項5においては、少なくとも以
下の工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の多
層回路板の製造方法としたものである。。 (a)絶縁基材11の両面に第1配線層21a、21b
を形成する工程。 (b)絶縁基材11及び第1配線層21a、21b上に
絶縁層31を形成する工程。 (c)絶縁層31の所定位置にビア用孔32を形成する
工程。 (d)絶縁層31上に導体層41を、ビア用孔32にフ
ィルドビア42を形成する工程。 (e)導体層41をパターニング処理してキャパシタ用
下部電極41a、インダクタ用下部コイル配線41b及
び第2配線層41c、第2配線層41dを形成する工
程。 (f)キャパシタ用下部電極41a、インダクタ用下部
コイル配線41b、第2配線層41c及び第2配線層4
1d上に所定厚の絶縁層51を形成する工程。 (g)絶縁層51の所定位置をレーザー加工等にて穴明
け加工して開口部52、開口部53及びビア用孔54を
形成する工程。 (h)開口部52に誘電材を混入した樹脂溶液を埋め込
み、乾燥硬化、平坦化処理を行って誘電体層61を、開
口部53に磁性材を混入した樹脂溶液を埋め込み、乾燥
硬化、平坦化処理を行って磁性体層71を形成する工
程。 (i)磁性体層71の所定位置にインダクタ用下部コイ
ル配線41bとインダクタ用上部コイル配線とを電気的
に接続するためのビア用孔をレーザー加工等で形成し、
キャパシタ用下部電極41a上の誘電体層61上にキャ
パシタ用上部電極81aを形成してキャパシタ素子60
を、インダクタ用下部コイル配線41b上の磁性体層7
1上にインダクタ用上部コイル配線81bを形成してイ
ンダクタ素子70を、絶縁層51上に第3配線層81
c、第3配線層81dをそれぞれ形成する工程。
【0011】さらにまた、請求項6においては、少なく
とも以下の工程を備えることを特徴とする請求項2に記
載の多層回路板の製造方法としたものである。 (a)絶縁基材11の両面に第1配線層21a、21b
を形成する工程。 (b)絶縁基材11及び第1配線層21a、21b上に
絶縁層31を形成する工程。 (c)絶縁層31の所定位置にビア用孔32を形成する
工程。 (d)絶縁層31上に導体層41を、ビア用孔32にフ
ィルドビア42を形成する工程。 (e)導体層41をパターニング処理してキャパシタ用
下部電極41a、インダクタ用下部コイル配線41b、
第2配線層41c及び第2配線層41dを形成する工
程。 (f)キャパシタ用下部電極41a、インダクタ用下部
コイル配線41b、第2配線層41c及び第2配線層4
1d上に所定厚の絶縁層51を形成する工程。 (g)絶縁層51の所定位置をレーザー加工等にて穴明
け加工して開口部52、開口部53及びビア用孔54を
形成する工程。 (h)開口部52に誘電材を混入した樹脂溶液を埋め込
み、乾燥硬化、平坦化処理を行って誘電体層61を、開
口部53に磁性材を混入した樹脂溶液を埋め込み、乾燥
硬化、平坦化処理を行って磁性体層71を形成する工
程。 (i)磁性体層71の所定位置にインダクタ用下部コイ
ル配線41bとインダクタ用上部コイル配線とを電気的
に接続するためのビア用孔をレーザー加工等で形成し、
キャパシタ用下部電極41a上の誘電体層61上にキャ
パシタ用上部電極81aを形成してキャパシタ素子60
を、インダクタ用下部コイル配線41b上の磁性体層
(71)上にインダクタ用上部コイル配線81bを形成
してインダクタ素子70を、絶縁層51上に第3配線層
81c及び第3配線層81dをそれぞれ形成する工程。 (j)キャパシタ用上部電極81aと第3配線層81c
との間にカーボン、グラファイト等を樹脂に混入した抵
抗ペーストをスクリーン印刷等にてパターン印刷し、乾
燥硬化して抵抗素子91を形成する工程。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につき説
明する。請求項1に係る本発明の多層回路板はキャパシ
タ素子及びインダクタ素子内蔵の多層回路板であって、
キャパシタ素子及びインダクタ素子が任意の層の同一平
面上に形成された多層回路板である。図1に請求項1に
係る本発明の多層回路板の一実施例を示す模式構成部分
断面図を、図2に請求項1に係る本発明の多層回路板の
他の実施例を示す模式構成部分断面図を、図3に請求項
1に係る本発明の多層回路板の他の実施例を示す模式構
成部分断面図を、それぞれ示す。請求項1に係る本発明
の多層回路板は、図1、図2及び図3に示すように、第
1配線層21a及び第1配線層21bが形成された絶縁
基材11の両面に絶縁層31が形成されており、絶縁層
31の同一平面上にキャパシタ素子及びインダクタ素子
を形成したものである。キャパシタ素子及びインダクタ
素子は同一平面上であれば、多層回路板の任意の層に形
成でき、形成できるキャパシタ素子及びインダクタ素子
の個数は特に制限されるものではない。図3のような多
層回路板300では、キャパシタ素子及びインダクタ素
子を構成している誘電体層61及び磁性体層71が同一
平面上で絶縁層31で区切られているため、同一平面上
に配線層等の別の部品を形成することも可能である。
【0013】請求項2に係る本発明の多層回路板は、図
4に示すように、第1配線層21a及び21bが形成さ
れた絶縁基材11の両面に絶縁層31が形成されてお
り、絶縁層31の同一平面上にキャパシタ素子、インダ
クタ素子及び抵抗素子を形成したものである。キャパシ
タ素子、インダクタ素子及び抵抗素子は同一平面上であ
れば、多層回路板の任意の層に形成でき、形成できるキ
ャパシタ素子、インダクタ素子及び抵抗素子の個数は特
に制限されるものではない。
【0014】以下多層回路板の製造方法について説明す
る。図5(a)〜(e)、図6(f)〜(i)及び図7
(j)は、請求項3に係る多層回路板の製造方法の一実
施例を工程順に示す模式構成部分断面図である。まず、
絶縁基材11の両面に第1配線層21a及び第1配線層
21bを形成する(図5(a)参照)。次に、絶縁基材
11及び第1配線層21a及び第1配線層21b上に絶
縁層31を形成する(図5(b)参照)。次に、絶縁層
31の所定位置にレーザー加工、フォトプロセス等によ
りビア用孔32を形成する(図5(c)参照)。次に、
絶縁層31上及びビア用孔32内に無電解銅めっき等に
て薄膜導体層(特に図示せず)を形成し、薄膜導体層を
カソードにして電解銅めっきを行い、所定厚の導体層4
1及びフィルドビア42を形成する(図5(d)参
照)。次に、導体層41をパターニング処理して、キャ
パシタ用下部電極41a、インダクタ用下部コイル配線
41b及び第2配線層41dを形成する(図5(e)参
照)。
【0015】次に、キャパシタ用下部電極41a及びイ
ンダクタ用下部コイル配線41b上に誘電材を所定量混
入した樹脂溶液をスクリーン印刷し、乾燥硬化して所定
厚の誘電体層61を形成する。また、第2配線層41d
上に樹脂溶液を塗布するか、絶縁フィルムを貼着する等
の方法で絶縁層51を形成する(図6(f)参照)。次
に、誘電体層61の所定位置をレーザー加工等で穴明け
加工して、開口部62を形成してインダクタ用下部コイ
ル配線41bを露出させる。さらに、絶縁層51の所定
位置にレーザー加工等によりビア用孔54を形成する
(図6(g)参照)。
【0016】次に、開口部62に磁性材を所定量混入し
た樹脂溶液をスクリーン印刷、またはディスペンサー等
で埋め込み、乾燥硬化して、表面研磨等で平坦化処理を
行って、磁性体層71を形成する(図6(h)参照)。
次に、磁性体層71の所定位置にインダクタ用下部コイ
ル配線41bとインダクタ用上部コイル配線とを電気的
に接続するためのビア用孔(特に図示せず)をレーザー
加工等で形成し、誘電体層61、磁性体層71、絶縁層
51及びビア用孔54内に無電解銅めっきにて薄膜導体
層(特に図示せず)を形成し、薄膜導体層上に感光層を
形成し、露光、現像等の一連のパターニング処理を行っ
てレジストパターン55を形成する。さらに、薄膜導体
層をカソードにして電解銅めっきを行い、所定厚の導体
層81及びフィルドビア82を形成する(図6(i)参
照)。ここで、磁性体層71のビア用孔にもフィルドビ
アが形成され、インダクタ用下部コイル配線41bとイ
ンダクタ用上部コイル配線とは電気的に接続される。
【0017】次に、レジストパターン55を専用の剥離
液で剥離し、レジストパターン下部にあった薄膜導体層
を過硫酸アンモニウム水溶液でソフトエッチングして、
キャパシタ用上部電極81aを形成してキャパシタ素子
60を、インダクタ用上部コイル配線81bを形成して
インダクタ素子70を、第3配線層81dをそれぞれ形
成し、絶縁層31の同一平面上にキャパシタ素子60及
びインダクタ素子70が形成された多層回路板100を
得る(図7(j)参照)。ここで、キャパシタ用下部電
極41a、インダクタ用下部コイル配線41b及び第2
配線層41dはアディティブ法で、キャパシタ用上部電
極81a、インダクタ用上部コイル配線81b及び第3
配線層81dはセミアディティブ法で形成したが、これ
に限定されるものではなく、いずれの方法でも良い。
【0018】図8(a)〜(e)、図9(f)〜(i)
及び図10(j)は、請求項4に係る多層回路板の製造
方法の一実施例を工程順に示す模式構成部分断面図であ
る。まず、上記と同じプロセスで、絶縁基材11の両面
に第1配線層21a及び21b並びに絶縁層31を形成
し、絶縁層31の一方の面に、キャパシタ用下部電極4
1a及びインダクタ用下部コイル配線41bを、他方の
面に第2配線層41dを形成する(図8(a)〜(e)
参照)。
【0019】次に、キャパシタ用下部電極41a及びイ
ンダクタ用下部コイル配線41b上に磁性材を所定量混
入した樹脂溶液をスクリーン印刷し、乾燥硬化して所定
厚の磁性体層71を形成する。また、第2配線層41d
上に樹脂溶液を塗布するか、絶縁フィルムを貼着する等
の方法で絶縁層51を形成する(図9(f)参照)。次
に、磁性体層71の所定位置をレーザー加工等で穴明け
加工して開口部72を形成し、キャパシタ用下部電極4
1aを露出させる。さらに、絶縁層51の所定位置にレ
ーザー加工等によりビア用孔54を形成する(図9
(g)参照)。
【0020】次に、開口部72に誘電材を所定量混入し
た樹脂溶液をスクリーン印刷、またはディスペンサー等
で埋め込み、乾燥硬化して、表面研磨等で平坦化処理を
行って、誘電体層61を形成する(図9(h)参照)。
次に、磁性体層71の所定位置にインダクタ用下部コイ
ル配線41bとインダクタ用上部コイル配線とを電気的
に接続するためのビア用孔(特に図示せず)をレーザー
加工等で形成し、誘電体層61、磁性体層71、絶縁層
51及びビア用孔54内に無電解銅めっきにて薄膜導体
層(特に図示せず)を形成し、薄膜導体層上に感光層を
形成し、露光、現像等の一連のパターニング処理を行っ
てレジストパターン55を形成する。さらに、薄膜導体
層をカソードにして電解銅めっきを行い、所定厚の導体
層81及びフィルドビア82を形成する(図9(i)参
照)。ここで、磁性体層71のビア用孔にもフィルドビ
アが形成され、インダクタ用下部コイル配線41bとイ
ンダクタ用上部コイル配線とは電気的に接続される。
【0021】次に、レジストパターン55を専用の剥離
液で剥離し、レジストパターン下部にあった薄膜導体層
を過硫酸アンモニウム水溶液でソフトエッチングして、
キャパシタ用上部電極81aを形成してキャパシタ素子
60を、インダクタ用上部コイル配線81bを形成して
インダクタ素子70を、第3配線層81dをそれぞれ形
成し、絶縁層31の同一平面上にキャパシタ素子60及
びインダクタ素子70が形成された多層回路板200を
得る(図10(j)参照)。
【0022】図11(a)〜(e)、図12(f)〜
(i)及び図13(j)は、請求項5に係る多層回路板
の製造方法の一実施例を工程順に示す模式構成部分断面
図である。まず、上記と同じプロセスで、絶縁基材11
の両面に第1配線層21a及び第1配線層21b並びに
絶縁層31を形成し、絶縁層31の一方の面に、キャパ
シタ用下部電極41a、インダクタ用下部コイル配線4
1b及び第2配線層41cを、他方の面に第2配線層4
1dを形成する(図11(a)〜(e)参照)。
【0023】次に、キャパシタ用下部電極41a、イン
ダクタ用下部コイル配線41b、第2配線層41c及び
第2配線層41d上に樹脂溶液を塗布するか、絶縁フィ
ルムを貼着する等の方法で絶縁層51を形成する(図1
2(f)参照)。
【0024】次に、絶縁層51の所定位置をレーザー加
工等にて穴明け加工して、キャパシタ用下部電極41a
上の絶縁層51に開口部52を、インダクタ用下部コイ
ル配線41b上の絶縁層51に開口部53を、第2配線
層41c及び第2配線層41c41d上の絶縁層51に
ビア用孔54を形成する工程(図12(g)参照)。
【0025】次に、開口部52に誘電材を混入した樹脂
溶液をスクリーン印刷、またはディスペンサー等で埋め
込み、乾燥硬化し、さらに、開口部53に磁性材を混入
した樹脂溶液をスクリーン印刷、またはディスペンサー
等で埋め込み、乾燥硬化し、平坦化処理を行って誘電体
層61及び磁性体層71を形成する(図12(h)参
照)。
【0026】次に、磁性体層71の所定位置にインダク
タ用下部コイル配線41bとインダクタ用上部コイル配
線とを電気的に接続するためのビア用孔をレーザー加工
等で形成し、誘電体層61、磁性体層71、絶縁層51
及びビア用孔54内に無電解銅めっきにて薄膜導体層
(特に図示せず)を形成し、薄膜導体層上に感光層を形
成し、露光、現像等の一連のパターニング処理を行って
レジストパターン55を形成する。さらに、薄膜導体層
をカソードにして電解銅めっきを行い、所定厚の導体層
81及びフィルドビア82を形成する(図12(i)参
照)。ここで、磁性体層71のビア用孔にもフィルドビ
アが形成され、インダクタ用下部コイル配線41bとイ
ンダクタ用上部コイル配線とは電気的に接続される。
【0027】次に、レジストパターン54を専用の剥離
液で剥離し、レジストパターン下部にあった薄膜導体層
を過硫酸アンモニウム水溶液でソフトエッチングして、
キャパシタ用上部電極81aを形成してキャパシタ素子
60を、インダクタ用上部コイル配線81bを形成して
インダクタ素子70を、第3配線層81c及び第3配線
層81dをそれぞれ形成し、絶縁層31の同一平面上に
キャパシタ素子60及びインダクタ素子70が形成され
た多層回路板300を得る(図13(j)参照)。
【0028】図14(a)〜(e)、図15(f)〜
(i)及び図16(j)〜(k)は、請求項6に係る多
層回路板の製造方法の一実施例を工程順に示す模式構成
部分断面図である。まず、上記と同じプロセスで、絶縁
基材11の両面に第1配線層21a及び21b並びに絶
縁層31を形成し、絶縁層31の一方の面に、キャパシ
タ用下部電極41a、インダクタ用下部コイル配線41
b及び第2配線層41cを、他方の面に第2配線層41
dを形成する(図14(a)〜(e)参照)。
【0029】次に、キャパシタ用下部電極41a、イン
ダクタ用下部コイル配線41b、第2配線層41c及び
第2配線層41d上に樹脂溶液を塗布するか、絶縁フィ
ルムを貼着する等の方法で絶縁層51を形成する(図1
5(f)参照)。
【0030】次に、絶縁層51の所定位置をレーザー加
工等にて穴明け加工して、キャパシタ用下部電極41a
上の絶縁層51に開口部52を、インダクタ用下部コイ
ル配線41b上の絶縁層51に開口部53を、第2配線
層41c及び第2配線層41d上の絶縁層51にビア用
孔54を形成する工程(図15(g)参照)。
【0031】次に、開口部52に誘電材を混入した樹脂
溶液をスクリーン印刷、またはディスペンサー等で埋め
込み、乾燥硬化し、さらに、開口部53に磁性材を混入
した樹脂溶液をスクリーン印刷、またはディスペンサー
等で埋め込み、乾燥硬化し、平坦化処理を行って誘電体
層61及び磁性体層71を形成する(図15(h)参
照)。
【0032】次に、磁性体層71の所定位置にインダク
タ用下部コイル配線41bとインダクタ用上部コイル配
線とを電気的に接続するためのビア用孔をレーザー加工
等で形成し、誘電体層61、磁性体層71、絶縁層51
及びビア用孔54内に無電解銅めっきにて薄膜導体層
(特に図示せず)を形成し、薄膜導体層上に感光層を形
成し、露光、現像等の一連のパターニング処理を行って
レジストパターン55を形成する。さらに、薄膜導体層
をカソードにして電解銅めっきを行い、所定厚の導体層
81及びフィルドビア82を形成する(図15(i)参
照)。ここで、磁性体層71のビア用孔にもフィルドビ
アが形成され、インダクタ用下部コイル配線41bとイ
ンダクタ用上部コイル配線とは電気的に接続される。
【0033】次に、レジストパターン55を専用の剥離
液で剥離し、レジストパターン下部にあった薄膜導体層
を過硫酸アンモニウム水溶液でソフトエッチングして、
キャパシタ用上部電極81aを形成してキャパシタ素子
60を、インダクタ用上部コイル配線81bを形成して
インダクタ素子70を、第3配線層81c及び第3配線
層81dをそれぞれ形成する(図16(j)参照)。
【0034】次に、キャパシタ用上部電極81aと第3
配線層81cとの間にカーボン、グラファイト等を樹脂
に混入した抵抗ペーストをスクリーン印刷等にてパター
ン印刷し、乾燥硬化して抵抗素子91を形成し、絶縁層
31の同一平面上にキャパシタ素子60、インダクタ素
子70及び抵抗素子91が形成された多層回路板400
を得る(図16(k)参照)。
【0035】本発明の多層回路板及びその製造方法によ
ると、キャパシタ素子、インダクタ素子及び抵抗素子を
任意の層の同一面上に内蔵することが可能となり、更に
は、キャパシタ素子、インダクタ素子以外の部分は電気
特性を向上させるための材料を選択できるので、配線引
き回しの自由度が拡大でき、多層回路板の層数や工数の
低減が可能となり、低コスト化、薄型化、軽量化が可能
となる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 <実施例1>まず、不織布ガラスにエポキシ樹脂を含浸
させた絶縁基材11の両面に18μmの銅箔を貼り合わ
せた銅張り積層板を用い、パターニング処理して第1配
線層21a及び第1配線層21bを形成し、Bステージ
(半硬化性)のエポキシ系熱硬化性絶縁樹脂フィルムを
貼り合わせて40μm厚の絶縁層31を形成し、絶縁層
31の所定位置にレーザー加工にてビア用孔32を形成
した(図5(a)〜(c)参照)。
【0037】次に、絶縁層31上及びビア用孔32内に
無電解銅めっき等にて薄膜導体層を形成し、薄膜導体層
をカソードにして電解銅めっきを行い、10μm厚の導
体層41及びフィルドビア42を形成し、導体層41を
パターニング処理して、キャパシタ用下部電極41a、
インダクタ用下部コイル配線41b及び第2配線層41
dを形成した(図5(d)〜(e)参照)。
【0038】次に、キャパシタ用下部電極41a及びイ
ンダクタ用下部コイル配線41b上にチタン酸バリウム
粉を高充填させたエポキシ樹脂溶液をスクリーン印刷
し、乾燥硬化して40μm厚の誘電体層61を形成し
た。さらに、第2配線層41d上にBステージ(半硬化
性)のエポキシ系熱硬化性絶縁樹脂フィルムを貼り合わ
せて40μm厚の絶縁層51を形成した(図6(f)参
照)。
【0039】次に、誘電体層61をレーザー加工で穴明
け加工して、2×4mmの開口部62を形成した。さら
に、絶縁層51の所定位置にレーザー加工にてビア用孔
54を形成した(図6(g)参照)。
【0040】次に、フェライト粉をエポキシ系樹脂に高
充填させた樹脂溶液をディスぺンサーで、開口部62内
部に埋め込み、乾燥硬化して、表面研磨を行って40μ
m厚の磁性体層71を形成した(図6(h)参照)。
【0041】次に、磁性体層71の所定位置にレーザー
加工でビア用孔を形成し、誘電体層61、磁性体層7
1、絶縁層51及びビア用孔54内に無電解銅めっきに
て薄膜導体層を形成し、薄膜導体層上に感光層を形成
し、露光現像等の一連のパターニング処理を行ってレジ
ストパターン55を形成した。さらに、薄膜導体層をカ
ソードにして電解銅めっきを行い、10μm厚の導体層
81及びフィルドビア82を形成した(図6(i)参
照)。
【0042】次に、レジストパターン55を専用の剥離
液で剥離し、レジストパターン下部にあった薄膜導体層
を過硫酸アンモニウム水溶液でソフトエッチングして、
キャパシタ用上部電極81aを形成してキャパシタ素子
60を、インダクタ用上部コイル配線81bを形成して
インダクタ素子70を、第3配線層81dをそれぞれ形
成し、絶縁層31の同一平面上にキャパシタ素子60及
びインダクタ素子70が形成された多層回路板100を
得た(図7(j)参照)。
【0043】<実施例2>まず、実施例1と同様の工程
で、不織布ガラスにエポキシ樹脂を含浸させた絶縁基材
11の両面に第1配線層21a及び21b、絶縁層31
を形成し、絶縁層の一方の面にキャパシタ用下部電極4
1a及びインダクタ用下部コイル配線41bを、他方の
面に第2配線層41dを形成した(図8(a)〜(e)
参照)。
【0044】次に、キャパシタ用下部電極41a及びイ
ンダクタ用下部コイル配線41b上にフェライト粉を高
充填させたエポキシ樹脂溶液をスクリーン印刷し、乾燥
硬化して40μm厚の磁性体層71を形成した。さら
に、第2配線層41d上にBステージ(半硬化性)のエ
ポキシ系熱硬化性絶縁樹脂フィルムを貼り合わせて40
μm厚の絶縁層51を形成した(図9(f)参照)。
【0045】次に、磁性体層71をレーザー加工で穴明
け加工して、2×2mmの開口部72を形成した。さら
に、絶縁層51の所定位置にレーザー加工にてビア用孔
54を形成した(図9(g)参照)。
【0046】次に、チタン酸バリウム粉をエポキシ系樹
脂に高充填させた樹脂溶液をディスぺンサーで、開口部
72内部に埋め込み、乾燥硬化して、表面研磨を行って
40μm厚の誘電体層61を形成した(図9(h)参
照)。
【0047】次に、誘電体層61の所定位置にレーザー
加工でビア用孔を形成し、誘電体層61、磁性体層7
1、絶縁層51及びビア用孔54内に無電解銅めっきに
て薄膜導体層を形成し、薄膜導体層上に感光層を形成
し、露光現像等の一連のパターニング処理を行ってレジ
ストパターン55を形成した。さらに、薄膜導体層をカ
ソードにして電解銅めっきを行い、10μm厚の導体層
81及びフィルドビア82を形成した(図9(i)参
照)。
【0048】次に、レジストパターン55を専用の剥離
液で剥離し、レジストパターン下部にあった薄膜導体層
を過硫酸アンモニウム水溶液でソフトエッチングして、
キャパシタ用上部電極81aを形成してキャパシタ素子
60を、インダクタ用上部コイル配線81bを形成して
インダクタ素子70を、第3配線層81dをそれぞれ形
成し、絶縁層31の同一平面上にキャパシタ素子60及
びインダクタ素子70が形成された多層回路板200を
得た(図10(j)参照)。
【0049】<実施例3>まず、実施例1と同様の工程
で、不織布ガラスにエポキシ樹脂を含浸させた絶縁基材
11の両面に第1配線層21a及び21b、絶縁層31
を形成し、絶縁層の一方の面にキャパシタ用下部電極4
1a、インダクタ用下部コイル配線41b及び第2配線
層41cを、他方の面に第2配線層41dを形成した
(図11(a)〜(e)参照)。
【0050】次に、キャパシタ用下部電極41a、イン
ダクタ用下部コイル配線41b及び第2配線層41c、
41d上に低誘電率エポキシ系フィルムを貼り合わせて
40μm厚の絶縁層51を形成した(図12(f)参
照)。
【0051】次に、絶縁層51の所定位置をレーザー加
工にて穴明け加工して、キャパシタ用下部電極41a上
に2×2mmの開口部52を、インダクタ用下部コイル
配線41b上に2×4mmの開口部53を、第2配線層
41c、41d上の絶縁層51にビア用孔54を形成し
た(図12(g)参照)。
【0052】次に、開口部52にチタン酸バリウム粉を
エポキシ系樹脂に高充填させた樹脂溶液をディスペンサ
ーで埋め込み、乾燥硬化し、さらに、開口部53にフェ
ライト粉をエポキシ系樹脂に高充填させた樹脂溶液をデ
ィスペンサーで埋め込み、乾燥硬化し、表面研磨を行っ
て40μm厚の誘電体層61及び40μm厚の磁性体層
71を形成した(図12(h)参照)。
【0053】次に、誘電体層61の所定位置にレーザー
加工でビア用孔を形成し、誘電体層61、磁性体層7
1、絶縁層51及びビア用孔54内に無電解銅めっきに
て薄膜導体層を形成し、薄膜導体層上に感光層を形成
し、露光、現像等の一連のパターニング処理を行ってレ
ジストパターン55を形成した。さらに、薄膜導体層を
カソードにして電解銅めっきを行い、10μm厚の導体
層81及びフィルドビア82を形成した(図12(i)
参照)。
【0054】次に、レジストパターン55を専用の剥離
液で剥離し、レジストパターン下部にあった薄膜導体層
を過硫酸アンモニウム水溶液でソフトエッチングして、
キャパシタ用上部電極81aを形成してキャパシタ素子
60を、インダクタ用上部コイル配線81bを形成して
インダクタ素子70を、第3配線層81c及び第3配線
層81dをそれぞれ形成し、絶縁層31の同一平面上に
キャパシタ素子60及びインダクタ素子70が形成され
た多層回路板300を得た(図13(j)参照)。
【0055】<実施例4>まず、実施例1と同様の工程
で、不織布ガラスにエポキシ樹脂を含浸させた絶縁基材
11の両面に第1配線層21a及び21b、絶縁層31
を形成し、絶縁層の一方の面にキャパシタ用下部電極4
1a、インダクタ用下部コイル配線41b及び第2配線
層41cを、他方の面に第2配線層41dを形成した
(図14(a)〜(e)参照)。
【0056】次に、キャパシタ用下部電極41a、イン
ダクタ用下部コイル配線41b及び第2配線層41c、
41d上に低誘電率エポキシ系フィルムを貼り合わせて
40μm厚の絶縁層51を形成した(図15(f)参
照)。
【0057】次に、絶縁層51の所定位置をレーザー加
工にて穴明け加工して、キャパシタ用下部電極41a上
に2×2mmの開口部52を、インダクタ用下部コイル
配線41b上に2×4mmの開口部53を、第2配線層
41c、41d上の絶縁層51にビア用孔54を形成し
た工程(図15(g)参照)。
【0058】次に、開口部52にチタン酸バリウム粉を
エポキシ系樹脂に高充填させた樹脂溶液をディスペンサ
ーで埋め込み、乾燥硬化し、さらに、開口部53にフェ
ライト粉をエポキシ系樹脂に高充填させた樹脂溶液をデ
ィスペンサーで埋め込み、乾燥硬化し、表面研磨を行っ
て40μm厚の誘電体層61及び40μm厚の磁性体層
71を形成した(図15(h)参照)。
【0059】次に、誘電体層61の所定位置にレーザー
加工でビア用孔を形成し、誘電体層61、磁性体層7
1、絶縁層51及びビア用孔54内に無電解銅めっきに
て薄膜導体層を形成し、薄膜導体層上に感光層を形成
し、露光、現像等の一連のパターニング処理を行ってレ
ジストパターン55を形成した。さらに、薄膜導体層を
カソードにして電解銅めっきを行い、10μm厚の導体
層81及びフィルドビア82を形成した(図15(i)
参照)。
【0060】次に、レジストパターン55を専用の剥離
液で剥離し、レジストパターン下部にあった薄膜導体層
を過硫酸アンモニウム水溶液でソフトエッチングして、
キャパシタ用上部電極81aを形成してキャパシタ素子
60を、インダクタ用上部コイル配線81bを形成して
インダクタ素子70を、第3配線層81c及び第3配線
層81dをそれぞれ形成した(図16(j)参照)。
【0061】次に、キャパシタ用上部電極81aと第3
配線層81cとの間にカーボン、グラファイトをエポキ
シ樹脂に混入した抵抗ペーストをスクリーン印刷にてパ
ターン印刷し、乾燥硬化して抵抗素子91を形成し、絶
縁層31の同一平面上にキャパシタ素子60、インダク
タ素子70及び抵抗素子91が形成された多層回路板4
00を得た(図16(k)参照)。
【0062】
【発明の効果】本発明の多層回路板及びその製造方法に
よると、キャパシタ素子、インダクタ素子及び抵抗素子
を任意の層の同一面上に内蔵することが可能となり、更
には、キャパシタ素子、インダクタ素子以外の部分は電
気特性を向上させるための材料を選択できるので、配線
引き回しの自由度が拡大でき、多層回路板の層数や工数
の低減が可能となり、低コスト化、薄型化、軽量化が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る本発明の多層回路板の一実施例
を示す模式部分構成断面図である。
【図2】請求項1に係る本発明の多層回路板の他の実施
例を示す模式部分構成断面図である。
【図3】請求項1に係る本発明の多層回路板の他の実施
例を示す模式部分構成断面図である。
【図4】請求項2に係る本発明の多層回路板の一実施例
を示す模式部分構成断面図である。
【図5】(a)〜(e)は、請求項3に係る本発明の多
層回路板の製造方法における工程の一部を示す模式部分
構成断面図である。
【図6】(f)〜(i)は、請求項3に係る本発明の多
層回路板の製造方法における工程の一部を示す模式部分
構成断面図である。
【図7】(j)は、請求項3に係る本発明の多層回路板
の製造方法における工程の一部を示す模式部分構成断面
図である。
【図8】(a)〜(e)は、請求項4に係る本発明の多
層回路板の製造方法における工程の一部を示す模式部分
構成断面図である。
【図9】(f)〜(i)は、請求項4に係る本発明の多
層回路板の製造方法における工程の一部を示す模式部分
構成断面図である。
【図10】(j)は、請求項4に係る本発明の多層回路
板の製造方法における工程の一部を示す模式部分構成断
面図である。
【図11】(a)〜(e)は、請求項5に係る本発明の
多層回路板の製造方法における工程の一部を示す模式部
分構成断面図である。
【図12】(f)〜(i)は、請求項5に係る本発明の
多層回路板の製造方法における工程の一部を示す模式部
分構成断面図である。
【図13】(j)は、請求項5に係る本発明の多層回路
板の製造方法における工程の一部を示す模式部分構成断
面図である。
【図14】(a)〜(e)は、請求項6に係る本発明の
多層回路板の製造方法における工程の一部を示す模式部
分構成断面図である。
【図15】(f)〜(i)は、請求項6に係る本発明の
多層回路板の製造方法における工程の一部を示す模式部
分構成断面図である。
【図16】(j)〜(k)は、請求項6に係る本発明の
多層回路板の製造方法における工程の一部を示す模式部
分構成断面図である。
【図17】従来のキャパシタ素子及びインダクタ素子内
蔵の多層回路板の一例を示す模式部分構成断面図であ
る。
【符号の説明】
11……絶縁基材 21a、21b……第1配線層 31、51……絶縁層 32、54……ビア用孔 41、81……導体層 41a……キャパシタ用下部電極 41b……インダクタ用下部電極 41c、41d……第2配線層 42、82……フィルドビア 52、53、62、72……開口部 55……レジストパターン 60……キャパシタ素子 61……誘電体層 70……インダクタ素子 71……磁性体層 81a……キャパシタ用上部電極 81b……インダクタ用上部電極 91……抵抗素子 100、200、300、400……多層回路板
フロントページの続き (72)発明者 吉本 尚志 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 阿部 和雄 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 利根川 雅久 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 深田 隆之 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 5E346 AA06 AA11 AA12 AA13 AA14 AA15 AA33 AA35 AA43 AA60 BB02 BB16 CC02 CC08 CC21 CC32 CC55 CC58 DD02 DD07 DD09 DD22 DD31 EE33 FF04 FF45 GG15 GG17 GG22 GG40 HH23 HH24 HH33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャパシタ素子及びインダクタ素子が内蔵
    された多層回路板であって、前記キャパシタ素子及びイ
    ンダクタ素子が任意の層の同一平面上に設けられている
    ことを特徴とする多層回路板。
  2. 【請求項2】キャパシタ素子、インダクタ素子及び抵抗
    素子が内蔵された多層回路板であって、前記キャパシタ
    素子、インダクタ素子及び抵抗素子が任意の層の同一平
    面上に設けられていることを特徴とする多層回路板。
  3. 【請求項3】少なくとも以下の工程を備えることを特徴
    とする請求項1記載の多層回路板の製造方法。 (a)絶縁基材(11)の両面に第1配線層(21a、
    21b)を形成する工程。 (b)絶縁基材(11)及び第1配線層(21a、21
    b)上に絶縁層(31)を形成する工程。 (c)絶縁層(31)の所定位置にビア用孔(32)を
    形成する工程。 (d)絶縁層(31)上に導体層(41)を、ビア用孔
    (32)にフィルドビア(42)を形成する工程。 (e)導体層(41)をパターニング処理してキャパシ
    タ用下部電極(41a)、インダクタ用下部コイル配線
    (41b)及び第2配線層(41d)を形成する工程。 (f)キャパシタ用下部電極(41a)及びインダクタ
    用下部コイル配線(41b)上に誘電材を混入した樹脂
    溶液を塗布して所定厚の誘電体層(61)を、第2配線
    層(41d)上に所定厚の絶縁層(51)を、形成する
    工程。 (g)誘電体層(61)の所定位置をレーザー加工等に
    て穴明け加工して開口部(62)を形成してインダクタ
    用下部コイル配線(41b)を露出させ、絶縁層(5
    1)の所定位置にビア用孔(54)を形成する工程。 (h)開口部(62)に磁性材を混入した樹脂溶液を埋
    め込み、乾燥硬化、平坦化処理を行って磁性体層(7
    1)を形成する工程。 (i)磁性体層(71)にインダクタ用下部コイル配線
    (41b)とインダクタ用上部コイル配線とを電気的に
    接続するためのビア用孔をレーザー加工等で形成し、キ
    ャパシタ用下部電極(41a)上の誘電体層(61)上
    にキャパシタ用上部電極(81a)を形成してキャパシ
    タ素子(60)を、インダクタ用下部コイル配線(41
    b)上の磁性体層(71)上にインダクタ用上部コイル
    配線(81b)を形成してインダクタ素子(70)を、
    絶縁層(51)上に第3配線層(81d)をそれぞれ形
    成する工程。
  4. 【請求項4】少なくとも以下の工程を備えることを特徴
    とする請求項1に記載の多層回路板の製造方法。 (a)絶縁基材(11)の両面に第1配線層(21a、
    21b)を形成する工程。 (b)絶縁基材(11)及び第1配線層(21a、21
    b)上に絶縁層(31)を形成する工程。 (c)絶縁層(31)の所定位置にビア用孔(32)を
    形成する工程。 (d)絶縁層(31)上に導体層(41)を、ビア用孔
    (32)にフィルドビア(42)を形成する工程。 (e)導体層(41)をパターニング処理してキャパシ
    タ用下部電極(41a)、インダクタ用下部コイル配線
    (41b)及び第2配線層(41d)を形成する工程。 (f)キャパシタ用下部電極(41a)及びインダクタ
    用下部コイル配線(41b)上に磁性材を混入した樹脂
    溶液を塗布して所定厚の磁性体層(71)を、第2配線
    層(41d)上に所定厚の絶縁層(51)を形成する工
    程。 (g)磁性体層(71)の所定位置をレーザー加工等に
    て穴明け加工して開口部(72)を形成してキャパシタ
    用下部電極(41a)を露出させ、絶縁層(51)の所
    定位置にビア用孔(54)を形成する工程。 (h)開口部(72)に誘電材を混入した樹脂溶液を埋
    め込み、乾燥硬化、平坦化処理を行って誘電体層(6
    1)を形成する工程。 (i)磁性体層(71)の所定位置にインダクタ用下部
    コイル配線(41b)とインダクタ用上部コイル配線と
    を電気的に接続するためのビア用孔をレーザー加工等で
    形成し、キャパシタ用下部電極(41a)上の誘電体層
    (61)上にキャパシタ用上部電極(81a)を形成し
    てキャパシタ素子(60)を、インダクタ用下部コイル
    配線(41b)上の磁性体層(71)上にインダクタ用
    上部コイル配線(81b)を形成してインダクタ素子
    (70)を、絶縁層(51)上に第3配線層(81d)
    をそれぞれ形成する工程。
  5. 【請求項5】少なくとも以下の工程を備えることを特徴
    とする請求項1に記載の多層回路板の製造方法。 (a)絶縁基材(11)の両面に第1配線層(21a、
    21b)を形成する工程。 (b)絶縁基材(11)及び第1配線層(21a、21
    b)上に絶縁層(31)を形成する工程。 (c)絶縁層(31)の所定位置にビア用孔(32)を
    形成する工程。 (d)絶縁層(31)上に導体層(41)を、ビア用孔
    (32)にフィルドビア(42)を形成する工程。 (e)導体層(41)をパターニング処理してキャパシ
    タ用下部電極(41a)、インダクタ用下部コイル配線
    (41b)及び第2配線層(41c、41d)を形成す
    る工程。 (f)キャパシタ用下部電極(41a)、インダクタ用
    下部コイル配線(41b)、第2配線層(41c、41
    d)上に所定厚の絶縁層(51)を形成する工程。 (g)絶縁層(51)の所定位置をレーザー加工等にて
    穴明け加工して開口部(52、53)及びビア用孔(5
    4)を形成する工程。 (h)開口部(52)に誘電材を混入した樹脂溶液を埋
    め込み、乾燥硬化、平坦化処理を行って誘電体層(6
    1)を、開口部(53)に磁性材を混入した樹脂溶液を
    埋め込み、乾燥硬化、平坦化処理を行って磁性体層(7
    1)を形成する工程。 (i)磁性体層(71)の所定位置にインダクタ用下部
    コイル配線(41b)とインダクタ用上部コイル配線と
    を電気的に接続するためのビア用孔をレーザー加工等で
    形成し、キャパシタ用下部電極(41a)上の誘電体層
    (61)上にキャパシタ用上部電極(81a)を形成し
    てキャパシタ素子(60)を、インダクタ用下部コイル
    配線(41b)上の磁性体層(71)上にインダクタ用
    上部コイル配線(81b)を形成してインダクタ素子
    (70)を、絶縁層(51)上に第3配線層(81c、
    81d)をそれぞれ形成する工程。
  6. 【請求項6】少なくとも以下の工程を備えることを特徴
    とする請求項2に記載の多層回路板の製造方法。 (a)絶縁基材(11)の両面に第1配線層(21a、
    21b)を形成する工程。 (b)絶縁基材(11)及び第1配線層(21a、21
    b)上に絶縁層(31)を形成する工程。 (c)絶縁層(31)の所定位置にビア用孔(32)を
    形成する工程。 (d)絶縁層(31)上に導体層(41)及びビア用孔
    (32)にフィルドビア(42)を形成する工程。 (e)導体層(41)をパターニング処理してキャパシ
    タ用下部電極(41a)、インダクタ用下部コイル配線
    (41b)及び第2配線層(41c、41d)を形成す
    る工程。 (f)キャパシタ用下部電極(41a)、インダクタ用
    下部コイル配線(41b)、第2配線層(41c)及び
    第2配線層(41d)上に所定厚の絶縁層(51)を形
    成する工程。 (g)絶縁層(51)の所定位置をレーザー加工等にて
    穴明け加工して開口部(52、53)及びビア用孔(5
    4)を形成する工程。 (h)開口部(52)に誘電材を混入した樹脂溶液を埋
    め込み、乾燥硬化、平坦化処理を行って誘電体層(6
    1)を、開口部(53)に磁性材を混入した樹脂溶液を
    埋め込み、乾燥硬化、平坦化処理を行って磁性体層(7
    1)を形成する工程。 (i)磁性体層(71)の所定位置にインダクタ用下部
    コイル配線(41b)とインダクタ用上部コイル配線と
    を電気的に接続するためのビア用孔をレーザー加工等で
    形成し、キャパシタ用下部電極(41a)上の誘電体層
    (61)上にキャパシタ用上部電極(81a)を形成し
    てキャパシタ素子(60)を、インダクタ用下部コイル
    配線(41b)上の磁性体層(71)上にインダクタ用
    上部コイル配線(81b)を形成してインダクタ素子
    (70)を、絶縁層(51)上に第3配線層(81c、
    81d)をそれぞれ形成する工程。 (j)キャパシタ用上部電極(81a)と第3配線層
    (81c)との間にカーボン、グラファイト等を樹脂に
    混入した抵抗ペーストをスクリーン印刷等にてパターン
    印刷し、乾燥硬化して抵抗素子(91)を形成する工
    程。
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JP2014029914A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Ibiden Co Ltd プリント配線板

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