JP2003318487A - 面発光型半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents

面発光型半導体レーザ及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003318487A
JP2003318487A JP2002125855A JP2002125855A JP2003318487A JP 2003318487 A JP2003318487 A JP 2003318487A JP 2002125855 A JP2002125855 A JP 2002125855A JP 2002125855 A JP2002125855 A JP 2002125855A JP 2003318487 A JP2003318487 A JP 2003318487A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor film
type
layer
film mirror
multilayer semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002125855A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironobu Narui
啓修 成井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2002125855A priority Critical patent/JP2003318487A/ja
Publication of JP2003318487A publication Critical patent/JP2003318487A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の吸収は増大させることなく電流の低抵抗
化を実現した面発光型半導体レーザ及びその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 第1の多層半導体膜ミラー2と、この第
1の多層半導体膜ミラー2と逆導電型の第2の多層半導
体膜ミラー4とで発光層3を挟んで成る光共振器11a
が半導体基板1上に柱状に積層されており、第1の多層
半導体膜ミラー2と同導電型の第1の埋め込み層12a
が第1の多層半導体膜ミラー2の側面を囲むようにその
側面に接して形成されており、第1の埋め込み層12a
の上には、第2の多層半導体膜ミラー4と同導電型の第
2の埋め込み層13が第2の多層半導体膜ミラー4の側
面を囲むようにその側面に接して形成されて面発光型半
導体レーザ17が構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板面に対して垂
直な方向にレーザ光が出射される面発光型半導体レーザ
及びその製造方法に関し、更に詳しくは、発光層を挟む
p、n型の多層半導体膜ミラーに横方向からキャリアが
注入される構造を有する面発光型半導体レーザ及びその
製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】基板面(レーザ素子が形成された主面)
に対して垂直にレーザ光が出射される面発光型半導体レ
ーザは、端面発光型半導体レーザに比べて発振しきい値
電流が1桁ほど小さい、2次元的に高集積化が可能など
の優れた特長を有し、光通信への応用を中心に期待が高
まっている。中でも、光共振器も主面に対して垂直な垂
直共振器型(VCSEL;Vertical Cavity Surface Emitting
Laser)と呼ばれる面発光型半導体レーザについて以下
説明する。これは、大半の領域を光フィードバックのた
めの多層半導体膜ミラー(DBR;Distributed Bragg Refl
ector )が占めている。多層半導体膜ミラーには、通
常、2種の屈折率の異なる半導体材料を発振波長の1/
4波長の厚さで交互に積層した多層膜が用いられる。
【0003】以下、図17〜図20を参照して、従来例
の面発光型レーザの構成及び製造方法について説明す
る。
【0004】先ず、図17に示すように、MOCVD(Metal
Organic Chemical Vapor Deposition)法あるいはMBE
(Molecular Beam Epitaxy )法などの結晶成長法で、
n型半導体基板1の主面上に、n型多層半導体膜ミラー
2、発光層3、p型多層半導体膜ミラー4を順に成長さ
せる。これによって、発光層3をn型多層半導体膜ミラ
ー2とp型多層半導体膜ミラー4とで上下に挟んでなる
光共振器が、n型半導体基板1の主面に対して垂直に形
成される。
【0005】n型半導体基板1は、例えばn型GaAsでな
る。n型多層半導体膜ミラー2は、例えばn型AlAsとn
型AlGaAsのヘテロ接合層を1ペアとして、これが数十ペ
ア積層されて構成される。p型多層半導体膜ミラー4
は、例えばp型AlAsとp型AlGaAsのヘテロ接合層を1ペ
アとして、これが数十ペア積層されて構成される。発光
層3は、例えばGaAsのウェル(井戸層)をAlGaAsで上下
に挟んで構成される。
【0006】光共振器の結晶成長後、通常、例えば特開
2000−196189号公報に示されているように、
電流狭窄構造が形成される。これは、図18に示すよう
に、レーザ光の出射部となるべき部分の上面に形成され
たマスク6をマスクとして、H+ などのイオン注入が行
われ、レーザ光の出射部の周囲に高抵抗化領域5を形成
する。これによって、動作時に、レーザ光の出射部は局
所的に電流密度が高められる。
【0007】この後、図19に示すように、p型多層半
導体膜ミラー4とオーミック接触をとるp側電極(金属
膜)7と、n型半導体基板1とオーミック接触をとるn
側電極(金属膜)8が形成される。p側電極7は、光共
振器の上面に開口(アパーチャ)7aを形成して、例え
ば蒸着法で形成される。n側電極8は、n型半導体基板
1の裏側全面に、例えば蒸着法で形成される。なお、図
20は図19を上から見た平面図である。
【0008】以上のように構成される面発光型半導体レ
ーザにおいて、両電極7、8を介して、図19に示すよ
うに、順方向の電圧をかけると、p型多層半導体膜ミラ
ー4からはホールが矢印hで示すように発光層3に注入
され、n型半導体基板1及びn型多層半導体膜ミラー2
からは電子が矢印eで示すように発光層3に注入され
る。これによって、光共振器長によって決定される波長
のレーザ光Lが、p側電極7に形成された開口7aを通
って上方へと出射される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の面
発光型半導体レーザでは、多数のヘテロ障壁を有する多
層半導体膜ミラー2、4を通して、キャリアを発光層3
に注入するため抵抗が大きくなるという問題がある。特
に、p側のキャリアであるホールは電子に比べて移動度
が1/10以下と小さいため、p側で特に抵抗が大きく
なってしまう。更に、上述の構成のように、レーザ光L
の取り出し側とp側電極7とが重なる場合には、レーザ
光Lの出射を許容する開口7aを形成するためp側電極
7を部分的に除去している。このため、p側電極7とp
型多層半導体膜ミラー4との接触部9は狭いリング状と
なり(図20参照)、接触抵抗を高くしている。
【0010】なお、p型多層半導体膜ミラー4を構成す
るAlAs層や、AlAs層とAlGaAs層との界面に高濃度に例え
ばZnをドーピングして、p型多層半導体膜ミラー4中の
キャリア濃度を高くして低抵抗化する方法がある。しか
し、Znなどのドーピングによりキャリア濃度上げると光
の吸収が多くなってしまう。光の吸収量の増大は、発振
しきい値電流の増大や発光効率の低下を引き起こし、こ
の結果、駆動電流の増大、すなわち消費電力の増大を招
く。また、不純物のドーピングは、その制御性や再現性
が難しく、特性のばらつきを招くといった問題もある。
【0011】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、その
目的とするところは、光の吸収は増大させることなく電
流の低抵抗化を実現した面発光型半導体レーザ及びその
製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の課題は、半導体基
板側に形成された第1の多層半導体膜ミラーと、この第
1の多層半導体膜ミラーと逆導電型の第2の多層半導体
膜ミラーとで発光層を挟んで成る光共振器が、半導体基
板上に柱状に積層されており、第1の多層半導体膜ミラ
ーと同導電型の第1の埋め込み層が、第1の多層半導体
膜ミラーの側面を囲むようにその側面に接して形成され
ており、第1の埋め込み層の上には、第2の多層半導体
膜ミラーと同導電型の第2の埋め込み層が、第2の多層
半導体膜ミラーの側面を囲むようにその側面に接して形
成されている面発光型半導体レーザ、によって解決され
る。
【0013】また、以上の課題は、発光層を第1の多層
半導体膜ミラーと、この第1の多層半導体膜ミラーと逆
導電型の第2の多層半導体膜ミラーとで挟んで成る光共
振器を半導体基板上に形成する工程と、その光共振器を
選択的にエッチングして柱状にする工程と、第1の多層
半導体膜ミラーと同導電型の第1の埋め込み層を、第1
の多層半導体膜ミラーの側面を囲むようにその側面に接
して形成する工程と、第1の埋め込み層の上に、第2の
多層半導体膜ミラーと同導電型の第2の埋め込み層を、
第2の多層半導体膜ミラーの側面を囲むようにその側面
に接して形成する工程とを有することを特徴とする面発
光型半導体レーザの製造方法、によって解決される。
【0014】第1の多層半導体膜ミラーとして例えばn
型の多層半導体膜ミラーを、第2の多層半導体膜ミラー
として例えばp型の多層半導体膜ミラーを考えると、n
型の多層半導体膜ミラーの側面には、そのn型の多層半
導体膜ミラーと同導電型のn型の埋め込み層が第1の埋
め込み層として接しており、p型の多層半導体膜ミラー
の側面には、そのp型の多層半導体膜ミラーと同導電型
のp型の埋め込み層が第2の埋め込み層として接してい
る。
【0015】このような構成のため、n型の多層半導体
膜ミラーには、その側面から電子の注入が可能となり、
p型の多層半導体膜ミラーには、その側面からホールの
注入が可能となる。この結果、電子やホールは、電子や
ホールにとって抵抗となる多数のヘテロ障壁を長い距離
通らなくて済み抵抗を低くできる。
【0016】もちろん、第1の多層半導体膜ミラーをp
型の多層半導体膜ミラーとして、第2の多層半導体膜ミ
ラーをn型の多層半導体膜ミラーとして、第1の埋め込
み層をp型の埋め込み層として、第2の埋め込み層をn
型の埋め込み層として考えた場合にも、上述のことは言
える。
【0017】光共振器は、電流狭窄の機能を実現できる
ように角柱や円柱などの柱状に形成される。レーザ光は
光共振器の頂部(上面)側から出射させても、半導体基
板側から出射させてもよい。光共振器や埋め込み層は、
MOCVD 法やMBE 法などにてエピタキシャル成長させれ
ば、良好なレーザ特性の面発光型半導体レーザが得られ
る。
【0018】更に、光共振器の頂部に形成された錐形状
の半導体層を介してレーザ光を出射させると、その錐形
状の半導体層のレンズ効果によって、レーザ光の拡がり
を抑えて収束して出射させることができる。
【0019】光共振器を構成する各層の半導体材料の選
択によって様々な波長の面発光型半導体レーザを構成す
ることが可能である。例えば、GaAs系の場合には、多層
半導体膜ミラーとしてはGaAs基板上にエピタキシャル成
長が可能で、発振波長に対して吸収の少ないAlAs/(A
l)GaAs多層膜を用いるのが一般的である。InP 系の場
合には、InP 基板上にエピタキシャル成長が可能なInGa
AsP/InP多層膜を用いることができるが、その屈折率差
が非常に小さく高反射率が得にくいため、他の材料、例
えば、SiO2/Si多層膜や、Al2O3 /Si多層膜などが用い
られることもある。半導体基板や光共振器がGaAs系の場
合には、埋め込み層もGaAs系とした方が欠陥のない埋め
込み層を得ることができる。同様に、半導体基板や光共
振器がInP系の場合には、埋め込み層もInP 系とした方
が欠陥のない埋め込み層を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0021】(第1の実施の形態)図2は、第1の実施
の形態による面発光型半導体レーザ17の上面図を示
し、図1は図2における[1]−[1]線方向の断面図
を示す。
【0022】n型半導体基板1上に発光層(活性領域)
3を含む光共振器を成長させた後、選択的なエッチング
を行い角柱状の光共振器11aとする。光共振器11a
は、第1の多層半導体膜ミラーとしてのn型多層半導体
膜ミラー2と、第2の多層半導体膜ミラーとしてのp型
多層半導体膜ミラー4とで発光層3を上下に挟んで構成
される。その光共振器11aの周囲を第1の埋め込み層
としてのn型埋め込み層12aと、第2の埋め込み層と
してのp型埋め込み層13と、p型コンタクト層14と
で囲む。これらn型埋め込み層12a、p型埋め込み層
13、p型コンタクト層14は、何れも光共振器11a
の側面に接している。光共振器11aの頂部には、n型
埋め込み層12aを形成する際に同時に形成される四角
錐形状の半導体層(n型埋め込み層12aと同材質)が
形成されている。
【0023】以下、具体的に本実施の形態による面発光
型半導体レーザ17の製造方法について説明する。
【0024】先ず、図3に示すように、例えば(10
0)面を主面とするn型半導体基板1上に、n型多層半
導体膜ミラー2、発光層3、p型多層半導体膜ミラー4
を順にエピタキシャル成長させる。これによって、発光
層3をn型多層半導体膜ミラー2とp型多層半導体膜ミ
ラー4とで上下に挟んでなる光共振器11が、n型半導
体基板1の主面に対して垂直に形成される。
【0025】n型半導体基板1は、例えばn型GaAsでな
る。n型多層半導体膜ミラー2は、例えばn型AlAsとn
型AlGaAsのヘテロ接合層を1ペアとして、これが数十ペ
ア積層されて構成される。p型多層半導体膜ミラー4
は、例えばp型AlAsとp型AlGaAsのヘテロ接合層を1ペ
アとして、これが数十ペア積層されて構成される。n
型、p型多層半導体膜ミラー2、4中のAlGaAs層のAl混
晶比は例えば0.1 である。発光層3は、例えばGaAsのウ
ェル(井戸層)をAlGaAsで上下に挟んで、全体の厚さを
波長サイズにしている。
【0026】エピタキシャル成長の方法としては、例え
ばメチル系MOCVD 法が用いられる。更に具体的には、II
I 族元素のガスソースとしてトリメチルガリウム、トリ
メチルアルミニウムを用い、V族元素のガスソースとし
てはAsH3を、n型ドーパントとしてはH2Seを、p型ドー
パントとしてはジエチルジンクを用いてCVDを行う。
もちろん、他の結晶成長法、例えばMBE法を用いても
よい。
【0027】次いで、光共振器11上面の正方形状の領
域に絶縁膜などからなるマスク10を形成し、そのマス
ク10をマスクとしてRIE(Reactive Ion Etching)
などの手法を用いてエッチングを行う。これにより、図
4に示すように、四角柱形状の光共振器11aが形成さ
れる。なお、RIE法でエッチングした後は、マスク1
0は除去され、光共振器11a(p型多層半導体膜ミラ
ー4)の上面は露出される。
【0028】次いで、図5に示すように、n型半導体基
板1上に、n型埋め込み層12aを光共振器11aの高
さの半分、すなわち発光層3に達するまでエピタキシャ
ル成長させる。n型埋め込み層12aは、例えばn型Al
GaAsでなる。これにより、n型埋め込み層12aは、n
型多層半導体膜ミラー2の側面及び発光層3の下半分の
側面に接して、光共振器11aの下半分を取り囲む。こ
のときの結晶成長法としてはMOCVD 法を用いれば、欠陥
のない良好な結晶面を形成させることができる。
【0029】このn型埋め込み層12aがn型半導体基
板1上に結晶成長される際に、n型埋め込み層12aの
材質であるn型AlGaAsが結晶成長可能な面として、光共
振器11a(p型多層半導体膜ミラー4)の上面が露出
している。従って、n型埋め込み層12aがn型半導体
基板1上に結晶成長している間、光共振器11a(p型
多層半導体膜ミラー4)の上面(頂部)にも、n型埋め
込み層12aと同材質(n型AlGaAs)の半導体層12b
が結晶成長される。これは、n型AlGaAsの結晶系に起因
して四角錐形状に成長される。例えば{111}=
{(111)、(111)、(111)、(111)}
面で囲まれた四角錐形状となる。
【0030】続いて、図6に示すように、n型埋め込み
層12aの上に、p型埋め込み層13(p型AlGaAsでな
る)が、MOCVD 法にて結晶成長される。これにより、p
型埋め込み層13は、発光層3の上半分の側面及びp型
多層半導体膜ミラー4の側面に接して、光共振器11a
の上半分の大部分を取り囲む。このとき、800℃以上
の高温下で結晶成長を行うことで、四角錐形状の半導体
層12bの{111}面には、p型AlGaAsは成長されな
い。
【0031】続いて、図7に示すように、p型埋め込み
層13の上に、p型コンタクト層14(p型GaAsでな
る)が、MOCVD 法にて結晶成長される。これにより、p
型コンタクト層14は、光共振器11a(p型多層半導
体膜ミラー4)の側面のうちのp型埋め込み層13で覆
われていなかった残りの部分に接して取り囲む。このと
きも、800℃以上の高温下で結晶成長を行うことで、
四角錐形状の半導体層12bの{111}面には、p型
GaAsは成長されない。
【0032】最後に、図8に示すように、p型コンタク
ト層14の上にp側電極(金属膜)15と、n型半導体
基板1の裏面にn側電極(金属膜)16が、それぞれ蒸
着法にて形成され、本実施の形態による面発光型半導体
レーザ17が得られる。もちろん、電極15、16は蒸
着法に限らず、スパッタリング法などで形成してもよ
い。p側電極15は、四角錐形状の半導体層12bには
形成されないように、半導体層12bをマスクした上で
p側電極15の蒸着が行われる。
【0033】以上のように構成される面発光型半導体レ
ーザ17において、両電極15、16を介して、図9に
示すように、順方向の電圧をかけると、p型多層半導体
膜ミラー4には、p型埋め込み層13及びp型コンタク
ト層14から、ホールが矢印hで示すように注入されて
発光層3に至る。n型多層半導体膜ミラー2には、n型
半導体基板1からの電子の注入に加えて、n型埋め込み
層12aからも、電子が矢印eで示すように注入されて
発光層3に至る。
【0034】このように、本実施の形態では、ホール及
び電子が、p、n多層半導体膜ミラー4、2へと、横方
向(p、n多層半導体膜ミラー4、2の側面側)から注
入されるため、ホール及び電子がp、n多層半導体膜ミ
ラー4、2のヘテロ障壁を通る距離を短くでき、この結
果p、n多層半導体膜ミラー4、2での抵抗を低くする
ことができ良好なレーザ特性が得られる。更に、レーザ
光出射側の電極(p側電極)15は従来に比べて大きな
面積でもってキャリア(ホール)供給層(p型コンタク
ト層14)との接触が可能になるので、このことも低抵
抗化を促進する。
【0035】また、p、n多層半導体膜ミラー4、2
に、高濃度に不純物をドーピングすることなく低抵抗化
を実現できる。すなわち、p、n多層半導体膜ミラー
4、2における光の吸収を増大させることなく低抵抗化
を実現でき、発振しきい値電流の増大や発光効率の低下
を防止できる。
【0036】光共振器11aで発生したレーザ光は、図
10に示すように、光共振器11aの上面(頂部)に形
成された四角錐形状の半導体層12bを通って出射され
る。従って、半導体層12bは発振波長に対して透過性
のある材質でなる。このとき、四角錐形状の半導体層1
2bがレンズの機能を果たす。すなわち、半導体層12
bの内部と外部との境界でレーザ光Lは屈折して収束さ
れる。これにより、拡がりを抑制され集光されたレーザ
光Lを出射することができ、例えば、この面発光型半導
体レーザ17を光通信の光源として用いた場合には、光
ファイバーへの導入を容易に行える。
【0037】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施
の形態と同じ構成部分には同一の符号を付し、その詳細
な説明は省略する。
【0038】図12は、第2の実施の形態による面発光
型半導体レーザ27の上面図を示し、図11は図12に
おける[11]−[11]線方向の断面図を示す。すな
わち、本実施の形態の面発光型半導体レーザ27は、第
1の実施の形態の面発光型半導体レーザ17において、
四角錐形状の半導体層12bを除去した構成である。従
って、光共振器11aで発生したレーザ光Lは、そのま
ま上面から出射される。そのレーザ光Lの出射を許容す
るため、p側電極15は光共振器11aの上面には形成
されていない。
【0039】四角錐形状の半導体層12bは、上記図7
で説明した工程の後(p側電極15の形成前)、あるい
は図8で説明した工程の後(p側電極15を形成した
後)に除去される。例えば、フッ酸系エッチャントを用
いたウェットエッチングにて選択的に除去する。あるい
は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法にて
除去してもよい。更には、n型半導体基板1上にn型埋
め込み層12aをエピタキシャル成長させる際に、光共
振器11aの上面を絶縁膜などでなるマスクで覆って、
結晶面を露出させないようにすれば、四角錐形状の半導
体層12bは形成されない。
【0040】このように四角錐形状の半導体層12bが
ない構成であっても、上記第1の実施の形態と同様、ホ
ール及び電子が、p、n多層半導体膜ミラー4、2へ
と、横方向(p、n多層半導体膜ミラー4、2の側面
側)から注入されるため、ホール及び電子がp、n多層
半導体膜ミラー4、2のヘテロ障壁を通る距離を短くで
き、この結果p、n多層半導体膜ミラー4、2での抵抗
を低くすることができ良好なレーザ特性が得られる。
【0041】更に、レーザ光出射側の電極(p側電極)
15は従来に比べて大きな面積でもってキャリア(ホー
ル)供給層(p型コンタクト層14)との接触が可能に
なるので、このことも低抵抗化を促進する。また、p、
n多層半導体膜ミラー4、2に、高濃度に不純物をドー
ピングすることなく低抵抗化を実現できる。すなわち、
p、n多層半導体膜ミラー4、2における光の吸収を増
大させることなく低抵抗化を実現でき、発振しきい値電
流の増大や発光効率の低下を防止できる。
【0042】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施
の形態と同じ構成部分には同一の符号を付し、その詳細
な説明は省略する。
【0043】図14は、第3の実施の形態による面発光
型半導体レーザ37の上面図を示し、図13は図14に
おける[13]−[13]線方向の断面図を示す。すな
わち、本実施の形態の面発光型半導体レーザ37では、
p型コンタクト層14の上面のみならず、光共振器11
aの上面にも、p側電極(金属膜)15’が形成されて
いる。そして、n型半導体基板1の裏面に形成されたn
側電極(金属膜)16’には、レーザ光Lの出射を許容
する開口16’aが形成されている。
【0044】本実施の形態では、光共振器11aで発生
したレーザ光Lは、光共振器11aの上面では、その上
面を覆うp側電極15’によって反射されて出射せず、
n型半導体基板1側から、n側電極16’の開口16’
aを通って出射される。従って、n型半導体基板1は、
発振波長に対して透過性を有する材質で構成する。更
に、レーザ光Lの透過性を高めるため、n型半導体基板
1を裏面側から研削して厚さを薄くしてもよい。
【0045】本実施の形態では、上記第1の実施の形態
で得られる効果に加えて、次のような効果が得られる。
p側電極15’は金属ミラーとしての機能も有している
ため、p型多層半導体膜ミラー4の層数をそれほど多く
しなくとも高反射率を実現できる。従って、p型多層半
導体膜ミラー4の層数の削減が可能になり、ホールにと
って抵抗となるヘテロ障壁を削減することができ、より
低抵抗が図れる。
【0046】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、
本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能であ
る。
【0047】光共振器11aは四角柱形状に限ることは
ない。更には、角柱にも限ることはなく、図15に示す
ように円柱状の光共振器40であってもよい。この場合
にも、図16に示すように、n型半導体基板1上にn型
埋め込み層12aをエピタキシャル成長させる際に、円
柱状の光共振器40の上面に、n型埋め込み層12aと
同材質で錐形状の半導体層41が形成される。しかし、
半導体層41は円錐形状とはならず、4つの扇形の{1
11}面からなる錐形状となる。
【0048】また、多層半導体膜ミラーの導電型(p、
n)を、上記実施の形態とは上下が逆になるように形成
してもよい。これに合わせて、p、n型の埋め込み層も
上下逆にする。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、多
層半導体膜ミラーの側面側からキャリアが注入され、多
数のヘテロ障壁を有する多層半導体膜ミラーを長い距離
通らずに済み、抵抗が低くなり良好なレーザ特性が得ら
れる。更に、光共振器で発生したレーザ光を、光共振器
の頂部に形成された錐形状の半導体層を通して導出すれ
ば、レーザ光はその錐形状の半導体層にて屈折され、収
束されたレーザ光として導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による、面発光型半
導体レーザの縦断面図(図2における[1]−[1]線
方向の断面図)である。
【図2】同面発光型半導体レーザの平面図である。
【図3】同面発光型半導体レーザの製造工程(その1)
を示す斜視図である。
【図4】図3に続く、面発光型半導体レーザの製造工程
(その2)を示す斜視図である。
【図5】図4に続く、面発光型半導体レーザの製造工程
(その3)を示す斜視図である。
【図6】図5に続く、面発光型半導体レーザの製造工程
(その4)を示す斜視図である。
【図7】図6に続く、面発光型半導体レーザの製造工程
(その5)を示す斜視図である。
【図8】図7に続く工程にて完成した面発光型半導体レ
ーザの斜視図である。
【図9】同面発光型半導体レーザの縦断面斜視図であ
る。
【図10】同面発光型半導体レーザの光出射作用を説明
する斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態による、面発光型
半導体レーザの縦断面図(図12における[11]−
[11]線方向の断面図)である。
【図12】同面発光型半導体レーザの平面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態による、面発光型
半導体レーザの縦断面図(図14における[13]−
[13]線方向の断面図)である。
【図14】同面発光型半導体レーザの平面図である。
【図15】本発明の変形例による面発光型半導体レーザ
の製造工程を示す斜視図である。
【図16】図15に続く製造工程を示す斜視図である。
【図17】従来例の面発光型半導体レーザの製造工程
(その1)を示す断面図である。
【図18】図17に続く製造工程(その2)を示す断面
図である。
【図19】図18に続く工程にて完成した従来例の面発
光型半導体レーザの断面図である。
【図20】同従来例の面発光型半導体レーザの平面図で
ある。
【符号の説明】
1……n型半導体基板、2……n型多層半導体膜ミラ
ー、3……発光層、4……p型多層半導体膜ミラー、1
1a……四角柱状光共振器、12a……n型埋め込み
層、12b……n型半導体層、13……p型埋め込み
層、14……p型コンタクト層、15……p側電極、1
6……n側電極、17……面発光型半導体レーザ、27
……面発光型半導体レーザ、37……面発光型半導体レ
ーザ、40……円柱状光共振器、41……n型半導体
層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板側に形成された第1の多層半
    導体膜ミラーと、該第1の多層半導体膜ミラーと逆導電
    型の第2の多層半導体膜ミラーとで発光層を挟んで成る
    光共振器が、前記半導体基板上に柱状に積層されてお
    り、 前記第1の多層半導体膜ミラーと同導電型の第1の埋め
    込み層が、前記第1の多層半導体膜ミラーの側面を囲む
    ように該側面に接して形成されており、 前記第1の埋め込み層の上には、前記第2の多層半導体
    膜ミラーと同導電型の第2の埋め込み層が、前記第2の
    多層半導体膜ミラーの側面を囲むように該側面に接して
    形成されていることを特徴とする面発光型半導体レー
    ザ。
  2. 【請求項2】 前記光共振器の頂部に錐形状の半導体層
    が形成され、 前記光共振器で発生したレーザ光は前記半導体層を通っ
    て収束されて出射されることを特徴とする請求項1に記
    載の面発光型半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に、第1の多層半導体膜ミ
    ラーと、発光層と、前記第1の多層半導体膜ミラーと逆
    導電型の第2の多層半導体膜ミラーとを積層して、前記
    発光層を前記第1の多層半導体膜ミラーと前記第2の多
    層半導体膜ミラーとで挟んで成る光共振器を形成する工
    程と、 前記光共振器を選択的にエッチングして柱状にする工程
    と、 前記第1の多層半導体膜ミラーと同導電型の第1の埋め
    込み層を、前記第1の多層半導体膜ミラーの側面を囲む
    ように該側面に接して形成する工程と、 前記第1の埋め込み層の上に、前記第2の多層半導体膜
    ミラーと同導電型の第2の埋め込み層を、前記第2の多
    層半導体膜ミラーの側面を囲むように該側面に接して形
    成する工程とを有することを特徴とする面発光型半導体
    レーザの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の埋め込み層を形成する工程
    を、前記柱状の光共振器の頂部を露出させた状態で行
    い、前記頂部に前記第1の埋め込み層と同材料でなる錐
    形状の層を形成させることを特徴とする請求項3に記載
    の面発光型半導体レーザの製造方法。
JP2002125855A 2002-04-26 2002-04-26 面発光型半導体レーザ及びその製造方法 Pending JP2003318487A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002125855A JP2003318487A (ja) 2002-04-26 2002-04-26 面発光型半導体レーザ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002125855A JP2003318487A (ja) 2002-04-26 2002-04-26 面発光型半導体レーザ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003318487A true JP2003318487A (ja) 2003-11-07

Family

ID=29540453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002125855A Pending JP2003318487A (ja) 2002-04-26 2002-04-26 面発光型半導体レーザ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003318487A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006120881A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Sony Corp 面発光型半導体レーザ素子
JP2007207938A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Sumitomo Electric Ind Ltd 面発光半導体レーザ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006120881A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Sony Corp 面発光型半導体レーザ素子
JP4687064B2 (ja) * 2004-10-22 2011-05-25 ソニー株式会社 面発光型半導体レーザ素子
JP2007207938A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Sumitomo Electric Ind Ltd 面発光半導体レーザ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3840276B2 (ja) 発光装置
JP2004146833A (ja) 複数活性領域を備えた電気ポンピング式垂直共振器面発光レーザ
JP2019012744A (ja) 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法
JPH07221409A (ja) P型及びn型の不純物誘起層無秩序化材料を組み込んだ半導体デバイス
US5537666A (en) Surface emission type semiconductor laser
JP2000252584A (ja) 半導体レーザ及びその製造方法
JPH11150340A (ja) 垂直キャビティを有する表面発光型半導体レーザ
JP4360806B2 (ja) 光学的にポンピングされる面発光型半導体レーザ装置および該装置の製造方法
US20040213310A1 (en) Surface emitting semiconductor laser and communication system using the same
US6720197B2 (en) Surface-emitted laser and method of fabrication thereof
JP2009238828A (ja) 発光装置
JP4224981B2 (ja) 面発光半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2001267686A (ja) レーザ素子
JPH0629612A (ja) 表面放出型半導体レーザの製造方法と、その方法で得られるレーザ
JP4443094B2 (ja) 半導体発光素子
JP5006242B2 (ja) 面発光半導体レーザ素子
JP2009238843A (ja) 発光装置
KR20070065226A (ko) 면 발광형 반도체 레이저 및 그 제조 방법
JP2003318487A (ja) 面発光型半導体レーザ及びその製造方法
JP2002198613A (ja) 突起状構造を有する半導体素子およびその製造方法
JPH06132608A (ja) 半導体レーザ及びその製造方法
JP2003324249A (ja) 面発光型半導体レーザ及びその製造方法
JP2009238846A (ja) 発光装置
JPH05243678A (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
JP3358197B2 (ja) 半導体レーザ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050304

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061109

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070228