JP2003318281A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

Info

Publication number
JP2003318281A
JP2003318281A JP2002124146A JP2002124146A JP2003318281A JP 2003318281 A JP2003318281 A JP 2003318281A JP 2002124146 A JP2002124146 A JP 2002124146A JP 2002124146 A JP2002124146 A JP 2002124146A JP 2003318281 A JP2003318281 A JP 2003318281A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type
transistor
impurity concentration
semiconductor device
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002124146A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3744460B2 (ja
Inventor
Kenji Kono
憲司 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2002124146A priority Critical patent/JP3744460B2/ja
Publication of JP2003318281A publication Critical patent/JP2003318281A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3744460B2 publication Critical patent/JP3744460B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】素子自体で十分なサージ耐量が得られ、且つC
MOSトランジスタのラッチアップを防止した半導体装
置を提供する。 【解決手段】不純物濃度が5×1015cm-3以上から3
×1016cm-3以下のp型半導体基板1に形成したp型
ウェル領域4内に、CMOSトランジスタ110におけ
るNチャンネルMOSトランジスタ112と入出力保護
ダイオード120を形成し、p型半導体基板1に形成し
たn型ウェル領域3内に、CMOSトランジスタ110
におけるPチャンネルMOSトランジスタ111を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラッチアップを防
止した半導体装置に関するもので、特に半導体基板内に
形成した入出力保護ダイオードによって、同じ基板内の
別位置に形成したCMOSトランジスタのラッチアップ
を防止した半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CMOSトランジスタを形成したICチ
ップにおいては、CMOSトランジスタが原理的にnp
nとpnpの寄生バイポーラトランジスタを内蔵した構
造となっていため、電源電圧変動や静電気放電(Electr
oStatic Discharge、ESD)などのサージが印加され
た場合にはラッチアップが起き易い。このため、ラッチ
アップの防止策が必要である。
【0003】CMOSトランジスタのラッチアップを防
止策としては、従来から、p型ウェル領域とn型ウェル
領域を酸化膜で分離する酸化膜分離法と、CMOSトラ
ンジスタにおけるp型ウェル領域とn型ウェル領域の間
にガードリングを設ける方法が知られている。酸化膜分
離法は、ウェルを酸化膜で分離することから、原理的に
ラッチアップは起きない。また、ガードリング法は、サ
ージによって発生したラッチアップのトリガーとなる電
流を吸収することで、ラッチアップを防止する。
【0004】また、CMOSトランジスタ自身のラッチ
アップ耐量を上げる方法として、p型半導体基板の不純
物濃度を5×1017cm-3〜1×1019cm-3に上げ
て、基板抵抗を下げる方法がある。この基板抵抗を下げ
る方法は、p型の基板が寄生npnトランジスタのベー
スに対応するため、寄生npnトランジスタのベース抵
抗を下げる作用を持っている。従って、トランジスタの
ベース抵抗を下げることで、この寄生npnトランジス
タのラッチアップを発生するトリガー電流を上げ、CM
OSトランジスタ自身のラッチアップ耐量を上げてい
る。このようにしてラッチアップ耐量を上げたCMOS
トランジスタを、サージに対する保護素子として利用す
る方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した酸化膜分離法
とガードリング法によるラッチアップ防止策は、ICチ
ップの大部分を占めるNチャンネルMOSトランジスタ
とPチャンネルMOSトランジスタの分離間隔が拡大す
るため、チップサイズが大きくなり、ウェハコストが増
大するという問題がある。また、酸化膜分離法を用いれ
ば、原理的にラッチアップは起きない構造にすることが
できるが、高価なSOI(Silicon On Insulator)ウェ
ハが必要となる。
【0006】一方、不純物濃度を上げて基板抵抗を下げ
たp型半導体基板にCMOSトランジスタを形成し、そ
のCMOSトランジスタをサージに対する保護素子とし
て利用する方法は、サージに対する十分な耐量が得られ
ていない。基板抵抗を下げたCMOSトランジスタで
も、原理的に内部に寄生トランジスタを内蔵しており、
サージに対する入出力保護素子として使えるのは、せい
ぜい人体モデル(1.5kΩ,100pF,±2kV)
やマシンモデル(0Ω,200pF,±200V)に代
表される比較的弱いサージに対してのみである。従っ
て、例えば自動車のECU(Electric Control Unit)
に要求されるような強いESDサージ(150Ω,15
0pF,±25kV)に対しては、耐量が不十分であ
る。このため、自動車のECUに使用される半導体装置
は、ICチップにキャパシタやツェナーダイオードとい
った保護素子がさらに外付けされて用いられてきた。し
かしながら、このような外部保護素子を用いると、製造
コストが大幅にアップしてしまうといった問題がある。
【0007】そこで本発明の目的は、素子自体で十分な
サージ耐量が得られ、且つCMOSトランジスタのラッ
チアップを防止した半導体装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、p型半導体基板にCMOSトランジスタと入出力保
護ダイオードが形成された半導体装置において、前記p
型半導体基板の不純物濃度が5×1015cm-3以上から
3×1016cm-3以下であり、前記p型半導体基板に形
成された前記p型半導体基板の不純物濃度より大きな不
純物濃度を有するp型ウェル領域内に、前記CMOSト
ランジスタにおけるNチャンネルMOSトランジスタと
前記入出力保護ダイオードが形成され、前記p型半導体
基板に形成されたn型ウェル領域内に、前記CMOSト
ランジスタにおけるPチャンネルMOSトランジスタが
形成されたことを特徴としている。
【0009】本発明では、寄生トランジスタをつくらな
いダイオードを入出力保護素子として用いることで、サ
ージに対する耐量の高い保護素子とすることができる。
さらに、本発明では、p型半導体基板の不純物濃度を、
5×1015cm-3以上から3×1016cm-3以下に設定
している。これによって、正・負のいずれのサージに対
しても、ラッチアップのトリガーとなるサージで発生し
た電子またはホールのCMOSトランジスタへの伝達を
抑制することができる。従って、CMOSトランジスタ
のラッチアップを防止することができる。また、本発明
では、CMOSトランジスタと入出力保護素子として用
いられる入出力保護ダイオードが、同じp型半導体基板
の基板内に形成され、外部保護素子を省略、もしくは低
サージ耐量の素子に代えることが可能となり、周辺部品
のコストを抑えることができる。
【0010】請求項2に記載の発明は、p型半導体基板
上にp型エピタキシャル層が形成され、前記p型エピタ
キシャル層にCMOSトランジスタと入出力保護ダイオ
ードが形成された半導体装置において、前記p型半導体
基板の不純物濃度が5×10 15cm-3以上から3×10
16cm-3以下であり、前記p型エピタキシャル層の不純
物濃度が1×1014cm-3以上から5×1015cm-3
下であり、前記p型エピタキシャル層に形成された前記
p型エピタキシャル層の不純物濃度より大きな不純物濃
度を有するp型ウェル領域内に、前記CMOSトランジ
スタにおけるNチャンネルMOSトランジスタと前記入
出力保護ダイオードが形成され、 前記p型エピタキシ
ャル層に形成されたn型ウェル領域内に、前記CMOS
トランジスタにおけるPチャンネルMOSトランジスタ
が形成されたことを特徴としている。
【0011】これによれば、請求項1の発明と同様に、
p型半導体基板の不純物濃度を、5×1015cm-3以上
から3×1016cm-3以下に設定することで、正・負の
いずれのサージに対しても電子またはホールのCMOS
トランジスタへの伝達を抑制し、ラッチアップを防止す
ることができる。一方、本発明においては、1×10 14
cm-3以上から5×1015cm-3以下のp型半導体基板
より不純物濃度が低いp型エピタキシャル層にCMOS
トランジスタと入出力保護ダイオードが形成される。こ
のため、請求項1の発明に較べて、p型ウェル及びそこ
に形成されるCMOSトランジスタにおけるNチャンネ
ルMOSトランジスタと入出力保護ダイオードの形成設
計の自由度が大きい。
【0012】請求項3に記載の発明は、前記入出力保護
ダイオードの周囲を、前記p型ウェル領域の不純物濃度
より大きい不純物濃度を有する高濃度p型領域で取り囲
み、前記高濃度p型領域を電極を介して接地したことを
特徴としている。
【0013】これによれば、正・負のいずれのサージに
対しても、サージで発生しp型半導体基板もしくはp型
エピタキシャル層で吸収しきれなかった電子を、接地し
た高濃度p型領域で吸収することができる。従って、ラ
ッチアップのトリガーとなる電子のCMOSトランジス
タへの伝達を抑制することができ、CMOSトランジス
タのラッチアップを防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の実施の形態を、図1,2に基づいて説明する。
【0015】図1は、本発明の第1の実施形態における
半導体装置の平面模式図であり、図2は、図1における
A−A’線に沿った拡大断面模式図である。
【0016】図1,2に示す本発明の半導体装置100
にあっては、p型半導体(シリコン、Si)基板1にお
いて、図中の一点鎖線で囲った範囲に、CMOSトラン
ジスタ110と入出力保護ダイオード120が形成され
ている。p型Si基板1の厚さは約400μmであり、
p型Si基板1の不純物濃度は、後述するシミュレーシ
ョン結果より、5×1015cm-3以上から3×1016
-3以下の範囲に設定される。
【0017】CMOSトランジスタ110は、p型Si
基板1内に形成されたn型ウェル領域3内に、LOCO
S12によって分離されたPチャンネルMOSトランジ
スタ111が形成され、p型Si基板1内に形成された
p型ウェル領域4内に、LOCOS12によって分離さ
れたNチャンネルMOSトランジスタ112が形成され
ている。n型ウェル領域3は、例えば、深さ5μmで不
純物濃度が5.0×1016cm-3に設定され、p型ウェ
ル領域4は、深さ6μmで不純物濃度は1.0×1017
cm-3に設定されている。尚、図1においては、簡単化
のためにLOCOS12の図示を省略してある。
【0018】PチャンネルMOSトランジスタ111と
NチャンネルMOSトランジスタ112の構造について
は、導電型が異なるのみでありその他の構成については
同様であるため、以下、PチャンネルMOSトランジス
タ111の構造について説明する。n型ウェル領域3上
には、ゲート酸化膜(図示を省略)を介してゲート電極
9が形成されている。また、ゲート電極9の両側にはp
+ 型拡散層からなるソース31とドレイン32が形成さ
れており、これらソース31とドレイン32間をチャネ
ル領域としている。尚、図示を省略したが、ゲート電極
9、ソース31、ドレイン32の上部にはシリサイド膜
が形成され、これにより、サリサイド構造を有するPチ
ャンネルMOSトランジスタ111が構成されている。
【0019】同様にして、p型ウェル領域4にはNチャ
ンネルMOSトランジスタ112が形成され、ゲート電
極の両側に形成されたn+ 型拡散層からなるソース41
とドレイン42間がチャネル領域となっている。n型ウ
ェル領域3とp型ウェル領域4には、各々、n型ウェル
領域3の電位をとるためのn+ 型拡散層43とp型ウェ
ル領域4の電位をとるためのp+ 型拡散層33が形成さ
れている。
【0020】PチャンネルMOSトランジスタ111の
ソース31とドレイン32の2個のp+ 型拡散層、およ
びp型ウェル領域4の電位をとるためのp+ 型拡散層3
3は、例えば、深さ0.3μmで不純物濃度が2.0×
1018cm-3に設定され、NチャンネルMOSトランジ
スタ112のソース41とドレイン42の2個のn+
拡散層、およびn型ウェル領域3の電位をとるためのn
+ 型拡散層43は、例えば、深さ0.3μmで不純物濃
度は1.0×1020cm-3に設定されている。
【0021】p型Si基板1上には、BPSG膜、TE
OS膜等からなる層間絶縁膜11が形成されている。ソ
ースとドレイン及びウェル領域の電位をとるためのp+
型拡散層31,32,33とn+ 型拡散層41,42,
43には、層間絶縁膜11に形成したコンタクトホール
を介して、Al等からなる配線の導電パターン10が、
コンタクト8で接続されている。尚、図1においては、
簡単化のために層間絶縁膜11と導電パターン10の図
示を省略してある。
【0022】一方、入出力保護ダイオード120は、p
型Si基板1内に形成されたp型ウェル領域4内に形成
され、p+ 型拡散層からなる2個のベース51,52と
+型拡散層からなる2個のエミッタ61,62が、L
OCOS12によって分離され、等間隔に交互に配置さ
れた構造を持つPN接合ダイオードである。2個のエミ
ッタ61,62のn+ 型拡散層は、例えば、深さ2μm
で不純物濃度が1.0×1020cm-3に設定され、2個
のベース51,52のp+ 型拡散層は、例えば、深さ3
μmで不純物濃度は2.0×1018cm-3に設定されて
いる。また、2個のベース51,52同士および2個の
エミッタ61,62同士は、上層電極(図示を省略)に
よって接続される。
【0023】PN接合ダイオードは寄生トランジスタを
つくらないが、図1に示したベース51,52とエミッ
タ61,62が等間隔に交互に配置された構造を持つ入
出力保護ダイオード120は、サージに対する耐量の高
い保護素子とすることができる。図1に示した入出力保
護ダイオード120は、ベース51,52とエミッタ6
1,62が等間隔に配置されているため、並列接続され
ている各PN接合の一箇所にサージ電流が偏ることな
く、サージ電流が均等に流れる。従って、この様に均等
に形成されたPN接合を、複数個並列接続することで必
要なサージ電流耐量を持つダイオードにすることがで
き、複数個直列接続することで必要なサージ電圧耐量を
持つダイオードにすることができる。
【0024】図1に示した入出力保護ダイオード120
とCMOSトランジスタ110の間の最短距離Sは、配
線の取り回し等を考慮して、40μm以上となるように
設定される。
【0025】図1に示した半導体装置の製造方法を説明
する。最初に、所定の不純物濃度を有するp型Si基板
1を用意する。p型Si基板1として、例えば、不純物
としてボロン(B)を含有しており、濃度が1.0×1
16cm-3のものを用いることができる。次に、Nチャ
ンネルMOSトランジスタ112と入出力保護ダイオー
ド120の形成領域に、1×1013cm-2の条件でボロ
ン(B)をイオン注入して、p型ウェル領域4を形成す
る。また、同様にして、PチャンネルMOSトランジス
タ111の形成領域に1×1013cm-2の条件でリン
(P)をイオン注入して、n型ウェル領域3を形成す
る。
【0026】次に、所定の開口部を有するLOCOS1
2を形成する。LOCOS12の形成は、通常用いられ
ている以下の手順で行なう。最初に、p型Si基板1上
の全面に熱酸化時のマスクとなる窒化シリコン(Si
N)膜を積層し、所定の開口部を形成したレジストをマ
スクにしてSiN膜をエッチングし、LOCOS形成部
に対応する部分を開口させる。ついで、SiN膜の開口
部に露出したSi表面を熱酸化させてLOCOS12を
形成し、最後にSiN膜を除去する。LOCOS12の
厚さは、約0.6μmである。CMOSトランジスタ1
10の形成位置では、LOCOS12を形成した後、さ
らに酸化シリコン(SiO)膜からなるゲート酸化膜
(図示を省略)とポリシリコン膜からなるゲート電極9
を、通常用いられる方法で形成する。
【0027】次に、CMOSトランジスタ110および
入出力保護ダイオード120のエミッタ61,62に対
応したLOCOS12の開口部をレジストにより覆った
後、LOCOS12を実質的なマスクとして、ベースに
対応した開口部から2×10 14cm-2の条件でボロンを
イオン注入する。その後、1000℃以上で数時間熱処
理して、ベース51,52となるp+ 型拡散層を形成す
る。レジストを除去した後、同様にして、CMOSトラ
ンジスタ110および入出力保護ダイオード120のベ
ース51,52に対応したLOCOS12の開口部をレ
ジストにより覆った後、LOCOS12のエミッタに対
応した開口部から4×1016cm-2の条件でリンをイオ
ン注入する。その後、1000℃以上で1時間程度熱処
理して、エミッタ61,62となるn+ 型拡散層を形成
する。CMOSトランジスタ110のソースとドレイ
ン、及びウェル領域の電位をとるためのp+ 型拡散層3
1,32,33とn+ 型拡散層41,42,43も、同
様にして形成することができる。また、入出力保護ダイ
オード120のp+ 型拡散層51,52とCMOSトラ
ンジスタ110のp+ 型拡散層31,32,33の不純
物濃度と拡散深さを同じに設計すれば、これらを同時に
形成することもできる。入出力保護ダイオード120の
+ 型拡散層61,62とCMOSトランジスタ110
のn+ 型拡散層41,42,43についても同様であ
る。
【0028】次に、層間絶縁膜11としてBPSG膜を
全面に積層し、p+ 型拡散層31,32,33,51,
52とn+ 型拡散層41,42,43,61,62に接
続するための開口部を形成する。BPSG膜11の厚さ
は、約0.6μmである。次に、Al膜を全面に約1μ
mの厚さで積層した後、所定形状にパターニングして、
電極10を形成する。
【0029】以上で、図1,2に示した半導体装置10
0が形成される。尚、電極10の形成後、上層の層間絶
縁膜や電極および保護膜が形成され、パッドを開口して
半導体装置100が完成されるが、一般的に知られた工
程であり、その説明を省略する。
【0030】図3に、図1,2に示した半導体装置10
0の入出力保護ダイオード120に自動車のECUに要
求される±25kVのサージが入力された際、CMOS
トランジスタ110のラッチアップの発生確率につい
て、p型Si基板1の不純物濃度依存性をシミュレート
した結果を示す。シミュレーションは、図1の半導体装
置100において、入出力保護ダイオード120とCM
OSトランジスタ110の間隔Sを100μmに設定
し、CMOSトランジスタ110の構造を1μm設計ル
ールで最小にレイアウトして行った。
【0031】図3のシミュレーション結果によれば、p
型Si基板1の不純物濃度が5×1015cm-3以上から
3×1016cm-3以下の領域において、25kVの正・
負のいずれのサージに対してもラッチアップの発生確率
を下げることができる。
【0032】入出力保護ダイオード120のエミッタ6
1,62に+25kVの正サージが印加されると、PN
接合が逆バイアスされてアバランシェが起き、ホールと
電子が発生する。入出力保護ダイオード120のエミッ
タ61,62に−25kVの負サージが印加されると、
PN接合は順方向にバイアスされるため、電子が大量に
発生する。これらサージによって発生したホールと電子
が基板1を経由してCMOSトランジスタ110に伝播
すると、ホールの場合はNチャンネルMOSトランジス
タ112の領域に形成される寄生npnトランジスタの
ベース電流、電子の場合は、同じくPチャンネルMOS
トランジスタ111の領域に形成される寄生pnpトラ
ンジスタのベース電流となり、サージの程度が大きけれ
ば、CMOSトランジスタ110のラッチアップを引き
起こす。
【0033】p型Si基板1の不純物濃度が高いほど基
板内にはホールが多く存在することになる。負サージで
大量に発生する電子は、基板内にホールが多く存在する
と再結合し易く、基板内部を拡散しにくくなる。従っ
て、p型Si基板1の不純物濃度が高いほど、負のサー
ジに対してラッチアップが起きにくくなる。図3の−2
5kVのサージに対するシミュレーション結果より、不
純物濃度が5×1015cm-3以上であれば、ラッチアッ
プの発生確率は急激に低下する。
【0034】一方、正サージで発生するホールによる正
ノイズ(電位)は、p型Si基板1の不純物濃度が高い
ほど基板を伝播し易い。従って、p型Si基板1の不純
物濃度が高いほど、正のサージに対してラッチアップが
起き易くなる。図3の+25kVのサージに対するシミ
ュレーション結果より、不純物濃度が3×1016cm -3
より大きい場合、ラッチアップの発生確率は1となる。
【0035】以上の結果より、p型Si基板1の不純物
濃度が5×1015cm-3以上から3×1016cm-3以下
の領域において、ラッチアップのトリガーとなるサージ
で発生した電子またはホールの伝達を抑制することがで
き、CMOSトランジスタ110のラッチアップを防止
することができる。尚、図1の半導体装置100におい
て、入出力保護ダイオード120とCMOSトランジス
タ110の間隔Sを40μmに設定しても、図3とほぼ
同じシミュレーション結果が得られる。
【0036】図1,2に示した半導体装置100は、C
MOSトランジスタ110と入出力保護ダイオード12
0を、不純物濃度が5×1015cm-3以上から3×10
16cm-3以下のp型Si基板1内に直接形成した。CM
OSトランジスタ110と入出力保護ダイオード120
は、図4に示すように、p型Si基板1にp型エピタキ
シャル層2を形成し、p型エピタキシャル層2内に形成
しても良い。図4に示す半導体装置200においては、
p型Si基板1の不純物濃度を5×1015cm -3以上か
ら3×1016cm-3以下とし、p型エピタキシャル層2
の不純物濃度を1×1014cm-3以上から5×1015
-3以下とする。p型エピタキシャル層2の厚さは、1
0〜20μm程度である。図4に示す半導体装置200
は、最初にp型Si基板1に所定の不純物濃度のp型エ
ピタキシャル層2をエピタキシャル成長し、その後は、
図1,2の半導体装置100で説明したのと同様の工程
によって製造することができる。
【0037】p型エピタキシャル層2の厚さはp型Si
基板1の厚さに比較して一桁以上小さいため、サージで
発生する電子及びホールは主としてp型Si基板1を伝
播し、p型エピタキシャル層2の影響はほとんどない。
従って、p型Si基板1の不純物濃度を5×1015cm
-3以上から3×1016cm-3以下に設定すれば、前記と
同様にサージで発生した電子またはホールの伝達を抑制
することができ、CMOSトランジスタ110のラッチ
アップを防止することができる。
【0038】一方、図4の半導体装置200において
は、p型エピタキシャル層2の不純物濃度を、1×10
14cm-3以上から5×1015cm-3以下の範囲に設定し
ている。このp型エピタキシャル層2の不純物濃度は、
p型Si基板1の不純物濃度より低いため、p型ウェル
4とp+ 型拡散層33,51,52の不純物濃度をより
広い範囲で設定できる。従って、図4の半導体装置20
0は、図1,2の半導体装置100に較べて、p型ウェ
ル4及びそこに形成されるCMOSトランジスタ110
におけるNチャンネルMOSトランジスタ112と入出
力保護ダイオード120の形成設計の自由度が大きい。
【0039】以上説明したラッチアップ防止の効果に加
えて、本発明ではCMOSトランジスタ110と入出力
保護素子として用いられる入出力保護ダイオード120
が、同じp型半導体基板1の基板内に形成され、外部保
護素子が使用されていていない。このため、製造コスト
も削減することができる。
【0040】(第2の実施形態)第1の実施形態は、p
型Si基板の不純物濃度を最適にして、サージで発生し
た電子またはホールの伝達を抑制し、CMOSトランジ
スタのラッチアップを防止するものであった。第2の実
施形態では、p型Si基板の不純物濃度に加えて、入出
力保護ダイオードの周囲を高濃度p型領域で取り囲み、
電極を介して接地した構造に関する。以下、本実施形態
について図に基づいて説明する。
【0041】図5,6に、本実施形態における半導体装
置300を示す。図5は本実施形態の半導体装置300
の平面模式図であり、図6は、図5におけるA−A’線
に沿った拡大断面模式図である。尚、第1の実施形態と
同様の部分については同一の符号をつけその説明を省略
する。
【0042】図5,6に示す本実施形態の半導体装置3
00では、図1,2に示す半導体装置100と較べ、入
出力保護ダイオード120の周囲を取り囲む、高濃度p
型領域7が追加された構造となっている。高濃度p型領
域7は、コンタクト71と電極70を介して接地されて
いる。高濃度p型領域7の不純物濃度は、p型ウェル領
域4の不純物濃度より大きい不純物濃度を有し、例え
ば、不純物濃度は1.0×1019cm-3で、最短幅10
μm、深さ10μmに設定される。
【0043】図5,6に示す半導体装置300の製造方
法は、p型Si基板1にp型ウェル領域4とn型ウェル
領域3を形成した後、所定部分に1×1013cm-2の条
件でボロン(B)をイオン注入して、高濃度p型領域7
を形成する。その後は、図1,2の半導体装置100で
説明したのと同様の工程によって製造することができ
る。
【0044】本実施形態においては、入出力保護ダイオ
ード120を接地された高濃度p型領域7で取り囲んで
いるので、サージで発生しp型半導体基板1で吸収しき
れなかった電子を、高濃度p型領域7のホールと結合さ
せ吸収することができる。従って、ラッチアップのトリ
ガーとなる電子のCMOSトランジスタ110への伝達
を抑制することができ、CMOSトランジスタ110の
ラッチアップを防止することができる。
【0045】高濃度p型領域7は、図4に示したp型エ
ピタキシャル層2を形成した半導体装置200に追加し
ても有効である。尚、この場合の高濃度p型領域7の深
さは、図7に示した半導体装置400のように、p型エ
ピタキシャル層2の厚さより深くして、p型半導体基板
1に到達させると効果的である。
【0046】以上述べたように、本案によれば、外部保
護素子を用いることなしに、低コストで十分なサージ耐
量が得られ、且つCMOSトランジスタのラッチアップ
を防止した半導体装置を実現することができ、IC設計
技術向上に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施形態における半導体
装置の構造を示す平面模式図である。
【図2】本発明における第1の実施形態における半導体
装置の構造を示す拡大断面模式図である。
【図3】本発明における半導体装置のp型Si基板不純
物濃度に対するラッチアップ発生確率のシミュレーショ
ン結果である。
【図4】本発明における第1の実施形態における半導体
装置の構造を示す拡大断面模式図である。
【図5】本発明における第2の実施形態における半導体
装置の構造を示す平面模式図である。
【図6】本発明における第2の実施形態における半導体
装置の構造を示す拡大断面模式図である。
【図7】本発明における第2の実施形態における半導体
装置の構造を示す拡大断面模式図である。
【符号の説明】
100,200,300,400 半導体装置 110 CMOSトランジスタ 111 PチャンネルMOSトランジスタ 112 NチャンネルMOSトランジスタ 120 入出力保護ダイオード 1 p型半導体(Si)基板 2 p型エピタキシャル層 3 n型ウェル 4 p型ウェル 51,52 ベース 61,62 エミッタ 7 高濃度p型領域 8,71 コンタクト 9 ゲート電極(ポリシリコン) 10,70 導電パターン(Al) 11 層間絶縁膜(BPSG) 12 LOCOS

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型半導体基板にCMOSトランジスタ
    と入出力保護ダイオードが形成された半導体装置におい
    て、 前記p型半導体基板の不純物濃度が5×1015cm-3
    上から3×1016cm -3以下であり、 前記p型半導体基板に形成された前記p型半導体基板の
    不純物濃度より大きな不純物濃度を有するp型ウェル領
    域内に、前記CMOSトランジスタにおけるNチャンネ
    ルMOSトランジスタと前記入出力保護ダイオードが形
    成され、 前記p型半導体基板に形成されたn型ウェル領域内に、
    前記CMOSトランジスタにおけるPチャンネルMOS
    トランジスタが形成されたことを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 p型半導体基板上にp型エピタキシャル
    層が形成され、前記p型エピタキシャル層にCMOSト
    ランジスタと入出力保護ダイオードが形成された半導体
    装置において、 前記p型半導体基板の不純物濃度が5×1015cm-3
    上から3×1016cm -3以下であり、 前記p型エピタキシャル層の不純物濃度が1×1014
    -3以上から5×10 15cm-3以下であり、 前記p型エピタキシャル層に形成された前記p型エピタ
    キシャル層の不純物濃度より大きな不純物濃度を有する
    p型ウェル領域内に、前記CMOSトランジスタにおけ
    るNチャンネルMOSトランジスタと前記入出力保護ダ
    イオードが形成され、 前記p型エピタキシャル層に形成されたn型ウェル領域
    内に、前記CMOSトランジスタにおけるPチャンネル
    MOSトランジスタが形成されたことを特徴とする半導
    体装置。
  3. 【請求項3】 前記入出力保護ダイオードの周囲を、前
    記p型ウェル領域の不純物濃度より大きい不純物濃度を
    有する高濃度p型領域で取り囲み、前記高濃度p型領域
    を電極を介して接地したことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の半導体装置。
JP2002124146A 2002-04-25 2002-04-25 半導体装置 Expired - Fee Related JP3744460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002124146A JP3744460B2 (ja) 2002-04-25 2002-04-25 半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002124146A JP3744460B2 (ja) 2002-04-25 2002-04-25 半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003318281A true JP2003318281A (ja) 2003-11-07
JP3744460B2 JP3744460B2 (ja) 2006-02-08

Family

ID=29539240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002124146A Expired - Fee Related JP3744460B2 (ja) 2002-04-25 2002-04-25 半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3744460B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010000224A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 生体認識装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010000224A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 生体認識装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3744460B2 (ja) 2006-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4917172B2 (ja) 垂直型電流制御型シリコン・オン・インシュレータ(soi)デバイス及びそれを形成する方法
JP3675303B2 (ja) 静電気保護回路が内蔵された半導体装置及びその製造方法
US7253480B2 (en) Structure and fabrication method of electrostatic discharge protection circuit
KR100885829B1 (ko) 반도체 디바이스 및 보호 회로
JPH09115999A (ja) 半導体集積回路装置
JPH04345064A (ja) 半導体集積回路装置およびその製造方法
JP3090081B2 (ja) 半導体装置
JP2007335440A (ja) 半導体装置の静電破壊保護方法及び静電破壊保護装置
JP3144330B2 (ja) 半導体装置
US20150187752A1 (en) Bi-directional esd protection device
JP3888912B2 (ja) 半導体集積回路装置
JP2007335441A (ja) 静電破壊保護装置
TW201318141A (zh) 半導體裝置
JP2007220814A (ja) 半導体装置
JP3244065B2 (ja) 半導体静電保護素子及びその製造方法
JP2016526800A (ja) トレンチの下にシンカー拡散を有するバイポーラトランジスタ
JP2004363136A (ja) 半導体回路装置
JP3744460B2 (ja) 半導体装置
JP4479041B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP6972691B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JPH05335410A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP3211871B2 (ja) 入出力保護回路
JP2014038922A (ja) 半導体装置
JP3237269B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2009038101A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091202

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091202

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101202

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111202

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121202

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131202

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees