JP2003317546A - 導電性粒子、導電性材料および異方性導電膜 - Google Patents

導電性粒子、導電性材料および異方性導電膜

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JP2003317546A JP2002121736A JP2002121736A JP2003317546A JP 2003317546 A JP2003317546 A JP 2003317546A JP 2002121736 A JP2002121736 A JP 2002121736A JP 2002121736 A JP2002121736 A JP 2002121736A JP 2003317546 A JP2003317546 A JP 2003317546A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】導電性粒子を用いて端子間の電気的接続を行っ
た場合に、端子間の間隙寸法の変化に追従でき、かつ粒
子を混練したときに粒子からの樹脂の剥離や溶出の少な
い導電性粒子を提供する。 【解決手段】導電性粒子5は、芯材粒子4、芯材粒子4
上に形成されている金属被覆層2、および金属被覆層2
上に形成されている絶縁樹脂層6を有している。絶縁樹
脂層6がグラフト樹脂からなり、かつ芯材粒子4と化学
結合している。また、導電性粒子5において、絶縁樹脂
層6を構成する絶縁樹脂が溶解可能な溶媒による溶出試
験において、溶出量が2.0%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性粒子、導電
性材料および異方性導電膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】異方性導電部材に適した、樹脂を基材と
する導電性粒子が知られている。以下に特許文献を列挙
する。特開昭62-115679 号公報や特開昭62-188184 号公
報においては、架橋重合体樹脂粒子に金属被覆を施して
導電性粒子を得、異方性導電接続構造に適用することが
開示されている。特開平9−115335号公報におい
ては、架橋ポリスチレン粒子にニッケル/金メッキを施
した導電性粒子をエポキシ樹脂に分散した異方性導電接
着フィルムが開示されている。特開昭63−18096
号公報においては、樹脂粒子の周囲に無電解メッキ法に
よって金属被覆を行う手法が開示されている。特開平1
−242782号公報、特開平8−311655公報に
記載された発明では、無電解メッキ法により樹脂粒子に
金属被覆を行う手法が開示されている。
【0003】このような樹脂粒子に金属皮膜を形成した
導電性粒子においては、接着樹脂中の導電性粒子の含有
量が多くなる場合、導電性粒子の多重粒子が発生しやす
く、異方性導電接続構造において、隣接する端子間でリ
ークが発生しやすいという問題があった。このため、以
下のように、導電性粒子表面を樹脂によって被覆する技
術が知られている。
【0004】(1)特開昭62−176139号公報に
おいては、樹脂からなる基材粒子の表面に導電性中間層
を形成し、この導電性皮膜を熱可塑性樹脂によって被覆
している。そして、熱圧着時に表面の熱可塑性樹脂層が
破れ、導電性中間層を露出させ、電気的接続を確保して
いる。 (2)特開平7−105716号公報においては、絶縁
性芯材上に導電性層を形成し、導電性層上に、導電性層
の0.1〜99.9%を被覆する絶縁樹脂層を形成して
いる。 (3)特開2001−252553号公報においては、
溶媒に樹脂を溶解させ、この溶媒中に導電性粒子を投入
し、溶媒を揮発させながら導電性粒子に樹脂を被覆して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】(1)特開昭62−1
76139号公報に記載される異方導電接続材料に用い
られる粒子は、絶縁被覆層が熱可塑性樹脂であるため、
高温多湿下において樹脂が流動し、接続端子間に入り込
み、接続不良を起こす。また、異方導電接続材料の成型
時に、粒子表面の熱可塑性樹脂から接着樹脂への溶出が
起こり、接着不良を起こす可能性がある。さらに、粒子
から絶縁樹脂が剥離し、導電性粒子同士の接触が発生す
る。 (2)特開平7−105716号公報に開示される粒子
においても、絶縁被覆樹脂層が多い場合には上記と同様
の問題を含んでおり、根本的に絶縁樹脂が導電性粒子か
ら剥離しやすいという問題を含んでいる。 (3)特開2001−252553号公報に記載された
発明では、導電性粒子同士の重なりを防ぐため、絶縁性
樹脂を溶媒に溶解させ、導電性粒子に樹脂被覆を行って
いる。しかしながら、導電接続部材において、粒子を接
着樹脂と混練する際に、溶媒に溶解するような非架橋の
樹脂は、接着性樹脂に溶解、混入し、接着樹脂の硬化を
阻害し、導電接続の信頼性を落とす。 特開平1−242782号公報、特開平8−31165
5号公報に記載された発明では、樹脂粒子と金属層との
間に物理的な密着向上の手段が無い。このため、メッキ
時に発生した凝集を解砕する際に粒子にせん断力がかか
ると、粒子からの金属層の剥離が起こるという問題があ
った。通常の樹脂層であれば、密着を向上のためエッチ
ングを行い、アンカー効果により金属層と樹脂層の密着
を高めることができるが、微粒子に対してはエッチング
は困難であり、エッチングにより樹脂粒子の物性を損な
う。
【0006】さらに、ヒートサイクルによる接続信頼性
試験において、接続端子間の間隙の変化による導電接続
不良を防ぐため、一般に復元性をもった樹脂粒子に金属
被覆を施した導電性粒子を使用し、接着樹脂としては硬
化収縮性の接着剤を使用している。しかし、このような
組み合わせにおいても、樹脂粒子には圧縮履歴が存在す
るため、復元量には限界があり、長期的な信頼性試験に
おいては間隙の変化に導電性粒子が追従しきれず、接続
不良となるケースがあった。
【0007】本発明の課題は、導電性粒子を用いて端子
間の電気的接続を行った場合に、端子間の間隙寸法の変
化に追従でき、かつ粒子を混練したときに粒子からの樹
脂の剥離や溶出の少ない導電性粒子を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、芯材粒子、こ
の芯材粒子上に形成されている金属被覆層、およびこの
金属被覆層上に形成されている絶縁樹脂層を有してお
り、この絶縁樹脂層がグラフト樹脂からなり、かつ芯材
粒子と化学結合していることを特徴とする、導電性粒子
に係るものである。
【0009】また、本発明は、芯材粒子、この芯材粒子
上に形成されている金属被覆層、およびこの金属被覆層
上に形成されている絶縁樹脂層を有しており、この絶縁
樹脂層を構成する絶縁樹脂が溶解可能な溶媒による溶出
試験において、溶出量が2.0%以下であることを特徴
とする、導電性粒子に係るものである。
【0010】また、本発明は、前記導電性粒子と、この
導電性粒子を結着する結着剤とを備えていることを特徴
とする、導電性材料に係るものであり、この導電性材料
からなる異方性導電膜に係るものである。
【0011】本発明者は、芯材樹脂粒子上に金属被覆層
を形成した後、金属被覆層上に、芯材樹脂粒子にグラフ
トした、外部材料、例えば接続端子への接着能を有する
絶縁性樹脂を金属被覆層上に形成させることを想到し
た。
【0012】本発明の導電性粒子は、金属被覆層上に絶
縁樹脂が形成されているために、絶縁樹脂を接着樹脂と
混和しやすい材質とすることができ、これによって接着
樹脂に容易に混和することができる。従って、導電性粒
子を接着樹脂中に均一に分散し、多重粒子の無い導電性
材料を製造可能である。特に、本発明の粒子を異方性導
電構造に使用した場合には、隣接する接続端子間での電
流リークを防止できる。
【0013】また、金属被覆層が絶縁樹脂によって被覆
されているので、絶縁樹脂が端子に対して密着しやす
く、さらに絶縁樹脂が芯材粒子と化学結合しているた
め、本発明の導電性粒子は端子間の間隙寸法変化に対し
て追従しやすい。従って、本発明の導電性材料は接続安
定性に優れている。
【0014】しかも、本発明の導電性粒子は、芯材粒子
と金属被覆層との密着性が優れている。これは、金属被
覆層が、芯材粒子と絶縁樹脂との間に挟まれ、芯材粒子
と結合した絶縁樹脂によって固定されているからであ
る。また、絶縁樹脂層が、金属被覆層に付着しているだ
けでなく、金属被覆層の下地である芯材粒子に化学結合
している。したがって、絶縁樹脂層のガラス転移点以上
の温度で使用しても剥離しない。
【0015】また、本発明においては、絶縁樹脂層を構
成する絶縁樹脂が溶解可能な溶媒による溶出試験におい
て溶出量が2.0%以下であるような導電性粒子を提供
でき、このような導電性粒子を用いると、剪断力が加わ
った場合にも粒子からのグラフト樹脂の剥離が少なく、
また端子への接着力を高く保持できる。
【0016】絶縁樹脂が溶解可能な溶媒は、絶縁樹脂の
種類によって異なる。しかし、絶縁樹脂は、少なくとも
トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジメチル
ホルムアミド、メタノールのいずれかには溶解する。従
って、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジ
メチルホルムアミド、メタノールのいずれを使用した場
合にも溶出量が2.0%以下であれば、本発明の要件を
満足する。ただし、トルエン、テトラヒドロフラン、酢
酸エチル、ジメチルホルムアミド、メタノールのうち、
一部の溶媒について絶縁樹脂が不溶性である場合には、
その溶媒については絶縁樹脂が2%を超えて溶出するお
それはないので、測定の必要はない。
【0017】本発明の観点からは、前記溶出量は1.5
%以下であることが更に好ましい。また、溶出量の測定
条件は、実施例の項目において詳述する。
【0018】また、グラフト樹脂と芯材粒子との化学結
合の種類は限定されないが、共有結合が好ましく、ま
た、ラジカル反応における水素引き抜きによる共有結
合、カルボン酸とアミノ基、イミノ基との反応によるア
ミド結合、カルボン酸とアルコール性水酸基との反応に
よるエステル結合,イソシアネートと水酸基との反応に
よるウレタン結合、イソシアネートとアミノ基、イミノ
基との反応による尿素結合、シランカップリング剤等に
よるシロキサン結合、等が挙げられる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の導電性粒子を製造するた
めには、好ましくは、以下の方法による。図1(a)、
(b)に示すように、芯材粒子4を準備する。芯材粒子
4の表面4aに官能基を導入し、次いで芯材粒子4上に
金属被覆層2を形成する。この際、金属被覆層2に隙間
3を生じさせ、金属被覆粒子1を得る。この段階では、
金属被覆層2の隙間3において、芯材粒子4の表面4a
に官能基が残留している。
【0020】次いで、芯材粒子4の表面4aの官能基と
反応可能な反応分子を起点とし、金属被覆層2上にグラ
フト樹脂を生成させる。これによって、図2(a)、
(b)に示す導電性粒子5が得られる。粒子5において
は、隙間3を起点として、グラフト樹脂からなる絶縁樹
脂層6が生成している。
【0021】芯材粒子4の材質は特に限定されないが、
重合体、有機・無機ハイブリット材料が好ましい。重合
体としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホ
ン、ポリカーボネート、ポリアミド等の線状重合体;ジ
ビニルベンゼン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、
ジビニルスルホン、ジアリルカルビノール、アルキレン
ジアクリレート、オリゴ又はポリアルキレングリコール
ジアクリレート、オリゴ又はポリアルキレングリコール
ジメタクリレート、アルキレントリアクリレート、アル
キレンテトラアクリレート、アルキレントリメタクリレ
ート、アルキレンテトラメタクリレート、アルキレンビ
スアクリルアミド、アルキレンビスメタクリルアミド、
両末端アクリル変性ポリブタジエンオリゴマー等を単独
又は他の重合性モノマーと重合させて得られる網状重合
体;フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルム
アルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹
脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げ
られる。
【0022】重合体の重合法は限定されず、懸濁重合
法、シード重合法、分散重合法、乳化重合法であってよ
い。
【0023】有機・無機ハイブリット材料としては、側
鎖にシリル基を有する(メタ)アクリレートとスチレ
ン、メチルメタクリレート等のビニルモノマーとの共重
合体を作製した後、上記シリル基を縮合反応させたも
の;有機重合体共存下でテトラエトキシシラン、トリエ
トキシシラン、ジエトキシシラン等をゾル−ゲル反応さ
せたもの;テトラエトキシシラン、トリエトキシシラ
ン、ジエトキシシラン等をゾル−ゲル反応させた後、低
温で焼成を行うことにより有機成分を残留させたものが
挙げられる。
【0024】芯材粒子4の形状は限定されず、真球形
状、回転楕円体、多面体、針状、ファイバー状、ウイス
カー、柱状、筒状、不定形であってよい。
【0025】芯材粒子4の平均粒子径は、1〜1000
μmが好ましく、2〜500μmがより好ましい。な
お、芯材粒子4の平均粒子径は、芯材粒子が球状の場合
は直径であり、回転楕円体状である場合は長径である。
また、前記平均粒子径は、任意の芯材粒子300個を電
子顕微鏡で観察・測定することにより得られる値であ
る。
【0026】芯材粒子の粒子径分布の変動係数(CV
値)は、5%以下であることが好ましく、3%以下であ
ることが一層好ましい。CV値が5%を超えると、芯材
粒子の粒子径が不揃いとなるため、この芯材粒子を用い
て製造した導電性粒子によって電気接続を図る際に、接
続に関与しない導電性微粒子が発生し、隣接電極間での
リーク現象が生じる場合がある。
【0027】上記CV値とは、下記の式(1); CV値(%)=(σ/Dn)×100・・・・(1) (式中、σは、粒子径の標準偏差を表し、Dnは、数平
均粒子径を表す)で表される値である。上記標準偏差及
び上記数平均粒子径は、任意の樹脂基材粒子300個を
電子顕微鏡で観察・測定することにより得られる値であ
る。
【0028】金属被覆層の形成手段は特に限定されな
い。しかし、金属結晶が粒状で成長するような方法が好
ましく、無電解メッキ法、電気メッキ法が特に好まし
い。
【0029】金属被覆層2の厚さは、導電性粒子の抵抗
値を低くするという観点からは、0.025μm以上が
好ましく、0.05μm以上がさらに好ましい。また、
製造コストの面からは、10μm以下であることが好ま
しく、1μm以下であることがさらに好ましい。
【0030】金属被覆層2は、単層構造であってもよい
し、2層以上の積層構造であってもよい。
【0031】金属被覆層2を構成する金属としては、周
期律表におけるIB族、VIII族、IIB族、III
B族、IVB族、VB族等に属する金属が挙げられる。
IB族としては、銅、銀、金およびこれらの合金が好ま
しい。VIII族としては、ニッケル、パラジウム、白
金およびこれらの合金が好ましい。IIB族としては、
亜鉛および亜鉛合金が好ましい。IIIB族としては、
ガリウム、アルミニウム、インジウムおよびこれらの合
金が好ましい。IVB族としては、錫、鉛およびこれら
の合金が好ましい。VB族としては、ビスマスおよびビ
スマス合金が好ましい。
【0032】以下に、金属被覆層の一例であるニッケル
−金メッキについて説明する。ニッケル−金メッキで
は、芯材粒子の表面に、無電解ニッケルメッキを行った
後、その表面部分に置換メッキにより金メッキ層を形成
する。上記無電解ニッケルメッキは触媒付与工程とニッ
ケル還元メッキ工程とからなる。
【0033】上記触媒付与工程においては、芯材粒子の
表面に、メッキの核となる触媒を析出又は吸着させる
が、この際、白金族の金属化合物を用いることが好まし
い。具体的には塩化第一錫の塩酸溶液に芯材粒子を浸漬
した後、更に、塩化パラジウムの塩酸溶液に浸漬加熱
し、水洗する。このようにして得た粒子では、パラジウ
ムが粒径50nm以下の微粒子として析出している。
【0034】また、塩化錫と塩化パラジウムとの混合溶
液に芯材粒子を浸漬し、その後、塩酸又は硫酸水溶液を
用いて錫を溶出、除去してもよい。この場合も上記と同
様、粒子表面にパラジウム微粒子が析出している。
【0035】更に、塩化パラジウムと、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジン等の
水溶性モノマーと、アスコルビン酸との混合水溶液にグ
ラフト重合層を有する芯材粒子を浸漬してもよい(特開
昭61−166977号公報参照)。この場合も上記と
同様、粒子表面にパラジウム微粒子が析出している。
【0036】次に、上記の方法により触媒の付与された
芯材粒子を用いて、ニッケル還元メッキを行う。上記ニ
ッケル還元メッキを行う方法としては、公知の方法
(「最新無電解めっき技術」発行;総合技術センター、
1986年、43頁等)を用いることができ、酸性メッ
キ、アルカリ性メッキのいずれをも用いることができ
る。上記ニッケル還元メッキとして、酸性メッキを用い
る場合には、塩化ニッケル又は硫酸ニッケル溶液に触媒
処理された粒子を浸漬し、pH4〜6の条件下で次亜リ
ン酸ナトリウム溶液を滴下しながらニッケルの還元を行
うことにより、粒子表面にニッケルメッキ層を形成する
ことができる。
【0037】また、アルカリ性メッキを用いる場合に
は、pH8〜10の条件下でホウ酸又はホウ砂溶液を滴
下しながらニッケルの還元を行うことにより、粒子表面
にニッケルメッキ層を形成することができる。これらの
ニッケル還元メッキにおけるニッケル還元反応は、芯材
粒子表面に存在するパラジウムの超微粒子上で進行し、
これによりニッケルメッキ層が形成される。
【0038】次に、ニッケルメッキ層の形成された粒子
に、置換メッキにより金メッキ層を形成する。上記金メ
ッキは、ニッケルを部分的に溶出させると同時に金をニ
ッケルメッキ層の表面部に析出させることにより行う。
具体的には、シアン化合金カリウム、EDTA及び塩化
アンモニウムからなる溶液にニッケルメッキ層が形成さ
れた粒子を投入し、加熱することにより行う。
【0039】金属被覆層2には、グラフト樹脂の原料と
なるモノマーが進入可能な隙間3がある。隙間3の大き
さは、モノマー分子の進入を促進するという観点からか
らは、1nm以上であることが好ましく、2nm以上で
あることがさらに好ましい。また、隙間2が大きすぎる
と、粒子の圧縮変形時に金属被覆層に負荷がかかる際、
金属被覆層に欠陥が生じやすくなる。従って、この観点
からは、隙間3の大きさは1μm以下であることが好ま
しく、0.5μm以下であることがさらに好ましい。
【0040】また、隙間3の面積は、絶縁樹脂層によっ
て金属被覆全体を被覆するという観点からは、芯材粒子
の表面積の0.10%以上を占めていることが好まし
く、0.12%以上を占めていることがさらに好まし
い。また、隙間3の面積が大きくなりすぎると、粒子の
圧縮変形時に金属被覆層に負荷がかかる際、金属被覆層
に欠陥が生じやすくなる。この観点からは、5.0%以
下であることが好ましく、1.0%以下であることが更
に好ましい。
【0041】グラフト樹脂からなる絶縁樹脂層6の厚さ
は、外部部材への接着性の観点からは、0.002μm
以上が好ましく、0.01μm以上が更に好ましい。し
かし、絶縁樹脂層6が厚くなると、導電性接続時に粒子
と端子間に樹脂が残りやすくなり、接続不良の原因とな
りやすいことから、絶縁樹脂層6の厚さは、1μm以下
が好ましく、0.5μm以下が更に好ましい。
【0042】粒子表面におけるグラフト重合について
は、以下の文献記載の方法を例示できる。 「最新粉体の材料設計」(株式会社テクノシステム)第
203 頁 「グラフト重合とその応用」井出文雄著、高分子刊行
会、1984 特開平9−244034号公報
【0043】また、以下の方法を例示できる。芯材粒子
の表面に存在する二重結合等の不飽和結合をラジカル重
合開始剤を用いて開裂させ、ビニルモノマーをグラフト
重合させる。セリウム塩(IV)、過ヨウ素酸塩等の酸
化剤により、アルコール性水酸基等の還元性基を表面に
持つ芯材粒子の表面にラジカルを発生させ、これを起点
としてビニルモノマーをグラフト重合させる。過硫酸塩
−ハロゲン化リチウム系、過硫酸塩−酸性亜硫酸塩系、
過硫酸塩−Ag系、過硫酸塩−水酸基系、過酸化水素−
金属塩系等のレドックス系触媒を用いてグラフト重合さ
せる。パーエステル基、メルカプト基、ジアゾ基等の官
能基を起点としてグラフト重合させる。低温プラズマ、
電子線、ガンマー線照射等の物理的手段で芯材粒子の表
面を活性化した後、重合性モノマーをグラフト重合させ
る。芯材粒子の表面に存在するアミノ基、水酸基等の反
応性基に高分子反応によりグラフトポリマーを結合させ
る。
【0044】特に好適な実施形態においては、グラフト
重合体が、単量体のグラフト重合によって生成してお
り、単量体のグラフト重合が、粒子本体の表面に存在す
るビニル基または重合開始剤を起点として進行する。本
出願人は、粒子表面にビニル基を導入する手法、ラジカ
ル活性点を導入する手法を開発し、ビニル基やラジカル
活性点を基点としてグラフト鎖を形成する方法を開示し
た(特開平5−232480号公報、特開平7−300
587号公報、特開平7−301810号公報、特開平
7−300586号公報)。これらの文献に記載の方法
は本発明において転用可能である。
【0045】芯材粒子表面にビニル基やラジカル活性点
を導入する際の手法は限定されず、前述の各公報記載の
手法を利用できる。例えば、図3(a)に示すように、
芯材粒子4の表面に水酸基を導入し、次いで金属被覆層
2を設ける。次いで、図3(b)に示すように、水酸基
と反応活性を有する官能基Xを有するモノマーXB−D
を水酸基と反応させる。ここで、Bはモノマーの本体部
分であり、Dはビニル基あるいはラジカル活性点であ
る。モノマーの活性水素と水酸基との反応によって、図
3(c)に示すようにD基が粒子表面に導入される。
【0046】粒子表面に水酸基を導入する際には、好ま
しくは芯材粒子に相互侵入高分子網目構造を形成し得る
化合物を含浸させ、反応させる。このような処理を施す
ことにより、絶縁樹脂層の芯材粒子への結合を一層強化
でき、粒子の剪断力に対する抵抗力が一層向上する。
【0047】「相互侵入高分子網目構造を形成し得る化
合物」は、粒子に含浸させることが可能であって、更に
粒子内部において加熱によって相互侵入高分子網目構造
を生成することができるような化合物であれば、限定さ
れない。好適な実施形態においては、本化合物は、相互
に架橋反応し得る官能基を複数有する。このように、本
化合物が複数の官能基を有し、各官能基において架橋反
応が進行することによって、相互侵入高分子網目構造が
生成する。このような官能基としては、以下を例示でき
る。これらの官能基は、1つの化合物に一種類または二
種類以上包含されている。エポキシ基、加水分解性シリ
ル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、イミノ基
【0048】エポキシ基を有する前記化合物としては、
以下を例示できる。エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコ
ールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレート、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソ
ルビタンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトー
ルポリグリシジルエーテル、3−グリシジドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリメ
トキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル) エチルトリメトキシシラン
【0049】加水分解性シリル基を有する化合物として
は、以下を例示できる。テトラエトキシシラン、2−ト
リメトキシシリルエチルトリメトキシシラン、6−トリ
メトキシシリルヘキサメチレントリメトキシシラン、p
−ジメトキシシリルエチルベンゼン、テレフタル酸ジ−
3−トリメトキシシリルプロピル、アジピン酸ジ−3−
トリメトキシシリルプロピル、イソシアヌル酸トリ−3
−メチルジメトキシシリルプロピル
【0050】また、相互侵入高分子網目構造を形成する
結合としては、エーテル結合、シロキサン結合、エーテ
ル結合とシロキサン結合との組み合わせを例示できる。
【0051】グラフト樹脂を生成する際に用いる単量体
としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イ
ソブチル、アクリロニトリル、ビニルピロリドン、グリ
シジルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステ
アリルメタクリレート、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチ
レン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、アリルフ
タレート、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、
メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の重合性
ビニル単量体を例示できる。更に、以下を例示できる。
ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリ
レート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロ
ピルメタクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−
イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミ
ド、メタクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウム
クロライド、メタクリロイロキシエチルベンジルジメチ
ルアンモニウムクロライド、アクリロイロキシエチルト
リメチルアンモニウムクロライド、アクリロイロキシエ
チルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、アクリ
ルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等
の含窒素系カチオン性モノマー;アンモニウム α−ス
ルホナート−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキル
オキシポリオキシエチレン、ソジウム p−スチレンス
ルホナート、ソジウムビニルスルホナート、ソジウム
2−メタクリロイルエチルスルホナート、アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム等のスル
ホン酸系アニオン性ビニル単量体;2−アクリロイルオ
キシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイロ
キシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−ア
クリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2
−メタクリロイルオキシエチルホスフェート等の燐酸系
アニオン性ビニル単量体;アクリックアシッド、メタク
リックアシッド、メタクリル酸ダイマー等のカルボン酸
系アニオン性ビニル単量体。
【0052】更に、例えば以下のような親水性の官能基
を有するビニル単量体を例示できる。2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロ
ールモノメタクリレート等の水酸基含有単量体;ポリエ
チレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレング
リコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコール
モノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール
モノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール
モノアクリレート等のポリエーテル含有単量体;グリシ
ジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等のエポ
キシ含有単量体。上記した単量体の例示は、本発明を限
定するものではない。単量体は二種以上混合されても良
い。
【0053】本発明による導電性粒子は、優れた導電性
を有していることから、樹脂などの結着材に混入するこ
とにより、優れた導電性を有する導電性材料が得られ
る。このような導電性材料は、フィルム状の帯電防止膜
や、電子回路において電気的接合を行う部分に使用可能
な異方性導電膜として好適に利用できる。
【0054】こうした導電性材料を構成する結着材(接
着剤)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエス
テル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸
ビニル、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、メタ
クリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン
樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、エチレン・酢酸ビニ
ル樹脂、スチレン・アクリロニトリル樹脂、アクリロニ
トリル・ブタジエン・スチレン樹脂を例示できる。
【0055】また、本発明の導電性粒子を、絶縁性粒子
と混合し、加圧成形することより、導電性材料を製造可
能である。こうした絶縁性粒子としては、前述した芯材
粒子の項目で列挙した粒子を例示でき、特にプラスチッ
ク粒子、更には熱可塑性プラスチック粒子が好ましい。
【0056】本発明の導電性粒子を異方性導電膜に対し
て適用した場合について更に説明する。異方性導電構造
を製造する際には、図4に示すように、所定パターンの
端子13A、13Bが設けられた一対の基板12A、1
2Bを準備する。そして、一対の基板の間に異方性導電
膜19をはさみ、加熱下に圧力を加えて圧着する。異方
性導電膜19は、結着材14と、結着材14中に分散さ
れた導電性粒子15とからなる。ここで、導電性粒子1
5の表面が金属被覆層からなっている場合には、基板1
2Aと12Bとの間隔が変動すると、粒子15と端子1
3A、13Bとの間に隙間16が発生し、接続不良が生
ずる。
【0057】これに対して、図5、図6に示すように、
本発明の導電性粒子5を使用した異方性導電構造11A
の場合には、導電性粒子5の表面がグラフト樹脂6によ
って被覆されており、導電性粒子5が端子13A、13
Bに対して接着する。これによって、基板12Aと12
Bとの間隔が変動したときに、粒子15と端子13A、
13Bとの間に隙間16が発生しにくい。
【0058】
【実施例】以下、具体的な実験結果を例示するが、本発
明はこの実施例に限定されるものではない。
【0059】(架橋重合体粒子Bの製造)2L セパラブ
ルフラスコにポリビニルピロリドン3.5%メタノール
溶液400g、スチレン42g、p−トリメトキシシリ
ルスチレン63gを充填し、窒素気流下において緩やか
に攪拌しつつ60℃に加温する。アゾビスイソブチロニ
トリル4gを加え、12時間反応させる。反応終了後室
温に冷却した後、水酸化カリウムの5%水溶液200g
を追加し、2時間60℃で攪拌して加水分解及び架橋反
応せしめた。得られた粒子を洗浄し、粒子Aを得た。粒
子A20gに対して、相互侵入高分子網目形成化合物
(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシラン)10gを溶解させたトルエン溶液20
gを加えてエポキシを含浸させた。次いで、該エポキシ
含浸粒子を200℃で16時間加熱した後、洗浄するこ
とにより、粒子表面4aにエポキシ基由来の水酸基を有
する架橋重合体粒子Bを得た。粒子Bの平均粒子径は
5.20μmであり、変動係数は3%であった。
【0060】(金属被覆粒子Cの作製)粒子Bを公知の
手法により無電解銅メッキを行い、平均粒径5.40μ
m、メッキ膜厚0.10μmの金属被覆粒子Cを得た。
粒子Cは、図3(a)の段階に該当する。SEMによ
り、金属被覆粒子Cの表面には無数の1〜100nmの
穴が確認され、隙間の面積は0.13%であった。
【0061】(表面にビニル基を導入した金属被覆粒子
Dの作製)金属被覆粒子C10gに対し、メタクリロイ
ルイソシアナート(図3(b)のHB−D)の30%ト
ルエン溶液3g、メチルエチルケトン20gを一括に仕
込み、室温で30分反応させ、金属層の穴部の芯材粒子
表面にビニル基を導入した金属被覆粒子Dを得た。粒子
Dは、図3(c)に該当する。
【0062】(本発明例:樹脂被覆された導電性粒子E
の作製)金属被覆粒子D10gに対し、メチルエチルケ
トン100g、重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド1
g、メチルメタクリレート30g、ラウリルメタクリレ
ート10g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10
g、(共重合ポリマーのTgは44℃)を一括に仕込み、
窒素気流下80℃で2時間反応させた後、メチルエチル
ケトンで洗浄し乾燥することにより、グラフト重合鎖が
該ビニル基を起点として形成された粒子Eが得られた。
得られた粒子Eの平均粒径は5.44μmであり、金属
被覆層2上の樹脂層6の厚みは0.02μmであること
が確認された。得られた粒子Eは均一に被覆されてお
り、多重粒子は観察されなかった。
【0063】(本発明例:樹脂被覆された導電性粒子G
の作製)得られた粒子E10gに対し、再度メタクリロ
イルイソシアナート30%トルエン溶液3g、メチルエ
チルケトン20gを一括に仕込み、室温で30分反応さ
せ、該グラフト重合鎖の一次側鎖ビニル基が導入された
粒子Fを得た。該粒子F10gに対し、メチルエチルケ
トン100g、重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド1
g、メチルメタクリレート30g、ラウリルメタクリレ
ート10g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10
g(共重合ポリマーのTgは44℃)を一括に仕込み、窒
素気流下80℃で2時間反応させると、グラフト重合鎖
が該ビニル基を起点として形成された粒子Gが得られ
た。得られた粒子Gの平均粒径は5.52μmであり、
金属被覆層上の樹脂層の厚みは0.06μmであること
が確認された。得られた粒子Gは均一に被覆されてお
り、多重粒子は観察されなかった。
【0064】(本発明例:樹脂被覆された導電性粒子H
の作製)金属被覆粒子D 10gに対し、メチルエチルケ
トン100g、重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド1
g、メチルメタクリレート25g、ラウリルメタクリレ
ート10g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10
g、グリシジルメタクリレート5g(共重合ポリマーの
Tgは38℃)を一括に仕込み、窒素気流下80℃で2時
間反応させた後、メチルエチルケトンで洗浄し乾燥する
ことにより、グラフト重合鎖が該ビニル基を起点として
形成された粒子Hが得られた。得られた粒子Hの平均粒
径は5.44μmであり、金属被覆層上の樹脂層の厚み
は0.02μmであることが確認された。得られた粒子
Hは均一に被覆されており、多重粒子は観察されなかっ
た。
【0065】(比較例:樹脂被覆された導電性粒子Iの
作製)金属被覆粒子C10gに対し、粒子H の被覆層と
同じ組成のメタクリル酸エステル共重合体( 重量平均分
子量1万) 0.25gの酢酸ブチル溶液5gを加え、粒
子を分散させた後、分散媒の酢酸ブチルを徐々に蒸発さ
せ被覆導電性粒子I を得た。粒子I を光学顕微鏡および
SEM で観察したところ、粒子は均一に被覆されていた
が、一部多重粒子が観察された。
【0066】(絶縁樹脂層の溶出試験)各粒子E,G,
H,Iを、表1に示す各溶媒に分散させた。超音波を30
分印加した後、粒子を溶媒から取り出し、濾過・乾燥し
た。粒子の初期重量と試験後の重量との差を測定し、重
量変化量を絶縁樹脂の溶出量とした。この結果を表1に
示す。
【0067】
【表1】
【0068】この結果から、本発明の導電性粒子は、絶
縁樹脂層の溶出がほとんど無く、被覆樹脂層が芯材粒子
に結合していることが確認された。粒子Iは、溶剤に可
溶な樹脂を粒子に被覆しただけであり、溶剤により容易
に溶出されることが確認された。
【0069】(ITO付ガラス基板に対する導電性粒子
の固着性能)得られた粒子C,E,G,H,I を、それ
ぞれイソプロピルアルコールに分散させ、ITO付ガラ
ス基板上に粒子を散布する。イソプロピルアルコールを
室温にて蒸発させた後、この基板を絶縁樹脂層のガラス
転移温度Tg以上の温度(120℃)に加熱し、120
℃で60秒静置する。この基板を室温まで冷却後、この
基板上の粒子の確認を行い、基板上部6mmの所から窒
素ガスを1kg/cm にて10秒間ブローさせる。窒
素ブロー後に基板上に残っている粒子数をパーセンテー
ジであらわす。
【0070】
【表2】
【0071】(導通信頼性試験)得られた各例の導電性
粒子5 gを、エポキシ樹脂( 三井化学製、「ストラクト
ボンドXN-5A」)100 gに混ぜ合わせ、ペーストを作成
した。 該ペースト0.1 mgを、ITO膜が内面に形成さ
れた幅10mmの2枚のガラス基盤上を交差するように
挟み、プレス機にて35kg/cmの圧力において80
℃、30分仮圧着を行なった。この試験片を顕微鏡で観察
し、粒子濃度の測定を行った後、この試験片に対し、粒
子1 個あたり1gf の荷重となる様圧力を加え、1 50
℃、45分間熱圧着した。この試験片を顕微鏡で観察
し、凝集粒子( 多重粒子) の有無を観察し、更に電気抵
抗値を測定した。この試験片を高温側が80℃、2時
間、低温側が−20℃、2時間を1サイクルとし、20
0サイクル行なった後、再度この試験片の電気抵抗値の
測定を行った。このときの電気抵抗値の変化を表2に示
す。
【0072】本発明の導電性粒子E、G、Hは、粒子残
存率が高く、基板に対する固着性の高いものであった。
また、導通試験後の抵抗値の上昇が少なかった。
【0073】粒子Cは、導電性粒子の表面に金属被覆層
が露出しているものであるが、基板に対する固着性が低
く、かつ多重粒子が見られた。また、導通試験後に抵抗
値が上昇した。比較例の粒子Iは、溶剤に可溶な樹脂を
粒子に被覆しただけであり、粒子の基板への固着性は高
かった。しかし、多重粒子が見られた。また、導通試験
後に抵抗値が著しく上昇した。
【0074】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、導
電性粒子を用いて端子間の電気的接続を行った場合に、
端子間の間隙寸法の変化に追従でき、かつ粒子を混練し
たときに粒子からの樹脂の剥離や溶出の少ない導電性粒
子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、芯材粒子4および金属被覆層2を模
式的に示す正面図であり、(b)は、芯材粒子4および
金属被覆層2を模式的に示す断面図である。
【図2】(a)は、導電性粒子5を模式的に示す正面図
であり、(b)は、導電性粒子5を模式的に示す断面図
である。
【図3】(a)は、芯材粒子4の表面4aに水酸基が付
着している状態を模式的に示し、(b)は、モノマーH
B−Dと水酸基との反応を示し、(c)は、モノマーと
水酸基との反応後の状態を模式的に示す。
【図4】比較例の異方性導電構造11を模式的に示す断
面図である。
【図5】本発明例の異方性導電構造11Aを模式的に示
す断面図である。
【図6】図5の構造11Aの要部拡大図である。
【符号の説明】
1 金属被覆粒子 2 金属被覆層 3
隙間 4 芯材粒子 4a 芯材粒子4の表面
5 導電性粒子 6 絶縁樹脂層 7 絶縁樹脂層6と芯材粒子4
との反応界面 11 比較例の異方性導電構造 11A 本発明
例の異方性導電構造 12A、12B 基板 13A,13B 端子
14 結着材 15 比較例の導電性粒子
19 比較例の異方性導電膜 19A 本発明例の異方性導電膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H05K 3/32 H05K 3/32 B C08L 51:00 C08L 51:00 Fターム(参考) 4F070 AA18 AA32 AB08 AC15 AE06 DA31 DB03 DC02 DC11 4J026 AA12 AA13 AA17 AA18 AA31 AA45 AB01 AB08 AB17 AB28 AB40 BA02 BA03 BA05 BA10 BA20 BA22 BA27 BA29 BA30 BA31 BA32 BA39 BA43 BA46 BA47 BA50 BB01 BB03 DB02 DB09 DB15 FA02 GA01 5E319 BB16 GG03 5G301 DA02 DA42 DD01 DD03 DE10 5G307 HA02 HA03 HB03 HC01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材粒子、この芯材粒子上に形成されて
    いる金属被覆層、およびこの金属被覆層上に形成されて
    いる絶縁樹脂層を有しており、この絶縁樹脂層がグラフ
    ト樹脂からなり、かつ前記芯材粒子と化学結合している
    ことを特徴とする、導電性粒子。
  2. 【請求項2】 前記グラフト樹脂が溶解可能な溶媒によ
    る溶出試験において、溶出量が2.0%以下であること
    を特徴とする、請求項1記載の導電性粒子。
  3. 【請求項3】 芯材粒子、この芯材粒子上に形成されて
    いる金属被覆層、およびこの金属被覆層上に形成されて
    いる絶縁樹脂層を有しており、この絶縁樹脂層を構成す
    る絶縁樹脂が溶解可能な溶媒による溶出試験において、
    溶出量が2.0%以下であることを特徴とする、導電性
    粒子。
  4. 【請求項4】 前記芯材粒子の表面に、前記金属被覆層
    によって被覆されていない隙間が、前記芯材粒子の総面
    積の0.1%以上、5.0%以下存在することを特徴と
    する、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の導
    電性粒子。
  5. 【請求項5】前記芯材粒子にビニル基を導入し、このビ
    ニル基を起点として重合性ビニル単量体をグラフト重合
    させることによって前記絶縁樹脂層が形成されているこ
    とを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項
    に記載の導電性粒子。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記
    載の導電性粒子と、この導電性粒子を結着する結着剤と
    を備えていることを特徴とする、導電性材料。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の導電性材料からなること
    を特徴とする、異方性導電膜。
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