JP2003316841A - Lsi配線システム及びプログラム - Google Patents

Lsi配線システム及びプログラム

Info

Publication number
JP2003316841A
JP2003316841A JP2002124831A JP2002124831A JP2003316841A JP 2003316841 A JP2003316841 A JP 2003316841A JP 2002124831 A JP2002124831 A JP 2002124831A JP 2002124831 A JP2002124831 A JP 2002124831A JP 2003316841 A JP2003316841 A JP 2003316841A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring
editing
designer
lock
design data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002124831A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukihiko Tanigawa
幸彦 谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2002124831A priority Critical patent/JP2003316841A/ja
Publication of JP2003316841A publication Critical patent/JP2003316841A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大規模・高密度LSIのレイアウト設計に関
して複数の設計者の端末から同一の設計データを対象と
して同時並行的に編集を行うことができ、設計を効率化
すること。 【解決手段】 複数の設計者のクライアント端末からサ
ーバが管理する設計データを同時並行的に編集させ、サ
ーバは、各設計者ごとに配線ツールのプロセスを並列的
に実行して設計データの作業用コピーで編集させる手段
と、設計者による作業用コピーの編集の結果状態に更新
が生じた際にその設計者以外の他の設計者のプロセス及
び作業用コピーに更新を反映する制御を行うデータ更新
制御手段と、設計データを構成する所定の図形オブジェ
クト単位で編集に関する排他ロックの制御を行うロック
制御手段と、複数の設計者による同時並行編集の様子を
随時、端末の編集画面に表示させる処理を行う表示制御
手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSI等のチップ
のレイアウト設計を行うためのシステム及びプログラム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、LSI(Large Scale Integrated
circuit)等のチップのレイアウト設計において、トッ
プレベルの配置配線は、通常、専用の配置配線ツール
(ソフトウェア)により自動で処理が行われる。図11
は、従来のこの種の配置配線ツールのシステム構成を示
すものである。このLSI配線システムは、クライアン
ト/サーバ型のシステムとして構築されており、LSI
のレイアウト設計を行う設計者uは、自身の端末C上で
サーバSにアクセスして配線ツール11を起動しする。
配線ツール110は、配線ツール11のサーバS上にお
ける実行プロセスである。配線ツールクライアントプロ
グラム120は、クライアント端末C側における配線ツ
ール11のクライアントモジュールであり、配線ツール
11の提供する処理・機能のうち部分的な処理を担当す
る。設計者uは、起動した配線ツール110上で対象の
設計データdに対してトップレベル配置配線処理を行
う。設計データdは階層構成のデータであり、特にその
トップレベルに対する配置配線処理を行うことが多いが
それに限るものではない。配置配線処理は、所定の配線
処理条件・ルールの設定に従って配線ツール11により
自動処理される。設計者uは、配線ツール11の提供す
る各種の編集コマンドを利用しながら配線パスの配置配
線を実行する。配線ツール11による配置配線処理完了
後に目的の設計データが生成される。
【0003】近年の大規模・高密度化したLSIの場
合、配線密度が非常に高く、配線ツール11による自動
配線処理に限界があり、ショートエラーやスペーシング
エラーにより配線処理が正常に完了できない状況が発生
することがあった。この場合、通常は配線ツール11が
配線処理条件・ルールの追加・変更を行って自動で配線
修正を行うようになっているが、それでもなおうまく修
正できず配線処理がエラー終了してしまう場合があっ
た。また、バックアノテーションによりチップ上の一部
の限られたエリア内の配線修正を行ったときにも自動配
線修正ではうまく修正できない状況が発生することがあ
った。このように、配線ツール11による自動配線処理
でエラーが発生してしまってどうしても配線処理が完了
できない場合、遅延に問題が無い配線パスであれば、こ
のエラーを解決するために最後の手段として人手による
配線修正を行うという方法が採られていた。
【0004】人手による配線修正作業では、まず、設計
者uは、配線ツール11上で対象の設計データdをロー
ドし、エラー内容を分析した上でエラーが生じた配線箇
所を配線ツール11の表示画面(端末C側のディスプレ
イに表示される)上で見て確認する。そして、設計者u
は、修正すべき配線パスを決定し、その配線パスに関し
て迂回させる等の修正方法を決定し、配線ツール11の
編集コマンドで配線パスあるいは配線パスを構成する図
形の1つ1つに対しインタラクティブに削除・追加等の
編集を行う。しかしながらこの場合、配線ツール11上
で対象の設計データdを扱えるのは一人の設計者uであ
るため、修正個所が数十箇所と多い場合は作業にかなり
の時間がかかっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点に鑑みてなされたものであり、LSI等のチップのレ
イアウト設計に関して複数の設計者の端末から同一の設
計データを対象としてアクセスして同時並行的に編集を
行うことができ、大規模・高密度LSIチップのレイア
ウト設計を効率化することのできるLSI配線システム
及びプログラムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、複数の設計者のクライア
ント端末からサーバが管理する設計データを同時並行的
に編集させてLSIレイアウト設計を行うLSI配線シ
ステムであって、サーバは、各設計者ごとに配線ツール
のプロセスを並列的に実行して設計データの作業用コピ
ーで編集させる手段と、設計者による作業用コピーの編
集の結果状態に更新が生じた際にその設計者以外の他の
設計者のプロセス及び作業用コピーに更新を反映する制
御を行うデータ更新制御手段と、設計データを構成する
所定の図形オブジェクト単位で編集に関する排他ロック
の制御を行うロック制御手段と、複数の設計者による同
時並行編集の様子を随時、端末の編集画面に表示させる
処理を行う表示制御手段とを有することを特徴としてい
る。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、ロック制御手段は、配線パス単位で書き込
み編集に関する排他ロックの制御を行うことを特徴とし
ている。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1または2
に記載の発明において、データ更新制御手段は、配線パ
ス単位で更新を反映する制御を行うことを特徴としてい
る。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
いずれか1項に記載の発明において、表示制御手段は、
設計データを構成する所定の図形オブジェクト単位で、
そのオブジェクト名と、オブジェクトを編集中のユーザ
名と、を含む情報を表示させることを特徴としている。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項1から4の
いずれか1項に記載の発明において、サーバは、複数の
設計者の配線ツールのプロセス間でのデータ更新制御及
びロック制御を中心管理する管理プロセスを実行する手
段をさらに有し、管理プロセスは、設計データを管理
し、第1の設計者の配線ツールのプロセス及び作業用コ
ピーで図形オブジェクトに関してデータ更新あるいは編
集に関するロック要求が発生すると、設計データ中で対
応する図形オブジェクトをデータ更新あるいはロック処
理し、第1の設計者以外の他の設計者の配線ツールのプ
ロセス及び作業用コピーの対応する図形オブジェクトに
対してデータ更新あるいはロックを掛ける処理を行うこ
とを特徴としている。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項1から5の
いずれか1項に記載の発明において、サーバは、第1の
配線ツールのプロセスが図形オブジェクトを編集する際
にそのオブジェクトにそのプロセスでの編集用に排他ロ
ックを掛け、第1のプロセスによる上記オブジェクトの
編集の結果生じる状態の更新を検出してその更新を第1
のプロセス以外のプロセスに通知して反映させ、第1の
プロセスによる上記オブジェクトの編集処理が終わる所
定のタイミングでロックを解除する処理を行うことを特
徴としている。
【0012】請求項7記載の発明は、請求項1から6の
いずれか1項に記載の発明において、ロック制御手段
は、図形オブジェクトに対する選択の発生に伴い、その
オブジェクトにロックを掛ける制御を行うことを特徴と
している。
【0013】請求項8記載の発明は、複数の設計者のク
ライアント端末からサーバが管理する設計データを同時
並行的に編集させてLSIレイアウト設計を行う処理を
コンピュータに実行させるプログラムであって、各設計
者ごとに配線ツールのプロセスを並列的に実行して設計
データの作業用コピーで編集させる処理と、設計者によ
る作業用コピーの編集の結果状態に更新が生じた際にそ
の設計者以外の他の設計者のプロセス及び作業用コピー
に更新を反映する制御を行うデータ更新制御処理と、設
計データを構成する所定の図形オブジェクト単位で編集
に関する排他ロックの制御を行うロック制御処理と、複
数の設計者による同時並行編集の様子を随時、端末の編
集画面に表示させる処理を行う表示制御処理とをコンピ
ュータに実行させることを特徴としている。
【0014】請求項9記載の発明は、請求8項記載の発
明において、ロック制御処理では、配線パス単位で書き
込み編集に関する排他ロックの制御を行うことを特徴と
している。
【0015】請求項10記載の発明は、請求項8または
9に記載の発明において、データ更新制御処理では、配
線パス単位で更新を反映する制御を行うことを特徴とし
ている。
【0016】請求項11記載の発明は、請求項8から1
0のいずれか1項に記載の発明において、表示制御処理
では、設計データを構成する所定の図形オブジェクト単
位で、そのオブジェクト名と、オブジェクトを編集中の
ユーザ名と、を含む情報を表示させることを特徴として
いる。
【0017】請求項12記載の発明は、請求項8から1
1のいずれか1項に記載の発明において、複数の設計者
の配線ツールのプロセス間でのデータ更新制御及びロッ
ク制御を中心管理する管理処理をさらにコンピュータに
実行させ、管理処理では、設計データを管理し、第1の
設計者の配線ツールのプロセス及び作業用コピーで図形
オブジェクトに関してデータ更新あるいは編集に関する
ロック要求が発生すると、設計データ中で対応する図形
オブジェクトをデータ更新あるいはロック処理し、第1
の設計者以外の他の設計者の配線ツールのプロセス及び
作業用コピーの対応する図形オブジェクトに対してデー
タ更新あるいはロックを掛ける処理を行うことを特徴と
している。
【0018】請求項13記載の発明は、請求項8から1
2のいずれか1項に記載の発明において、第1の配線ツ
ールのプロセスが図形オブジェクトを編集する際にその
オブジェクトにそのプロセスでの編集用に排他ロックを
掛け、第1のプロセスによるそのオブジェクトの編集の
結果生じる状態の更新を検出して更新を第1のプロセス
以外のプロセスに通知して反映させ、第1のプロセスに
よるオブジェクトの編集処理が終わる所定のタイミング
でロックを解除する処理をコンピュータに実行させるこ
とを特徴としている。
【0019】請求項14記載の発明は、請求項8から1
3のいずれか1項に記載の発明において、ロック制御処
理では、図形オブジェクトに対する選択の発生に伴い、
そのオブジェクトにロックを掛ける制御を行うことを特
徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の
第1の実施の形態におけるLSI配線システム100の
構成を示す図である。本LSI配線システム100は、
サーバSと複数のクライアント端末Cとを有し、これら
は所定の通信インタフェースを介して通信する。サーバ
Sは、配線ツール1を備え(インストールし)、また、
LSI配線に係わる設計データd1等の関連データを管
理するサーバコンピュータであり、通信インタフェース
を介して本発明に特徴的なLSI配線処理サービスを複
数のクライアントに対して提供する。クライアント端末
Cは、配線ツール1に関するクライアントプログラム2
0を備える端末であり、LSIのレイアウト設計を行う
設計者uが作業を行うコンピュータである。典型的に
は、サーバSとクライアント端末CとがLAN接続され
る構成を採る。本システム100は、複数の設計者uが
同一の設計データd1に関して同時並行的に配線修正作
業を行う手段を提供する。図1では、複数同時並行作業
の例として、サーバSのクライアントとして3人の設計
者u1〜u3がそれぞれ別のクライアント端末C1〜C
3で作業を行う構成を示している。各クライアント端末
Cごとのクライアントプログラム20をそれぞれクライ
アントプログラム21〜23とする。
【0021】本LSI配線システム100では、複数の
設計者uごとの複数台のクライアント端末Cで同時並行
的に詳細配線後の設計データd1に対して人手の配線修
正処理を行うことができる。本システム100は、クラ
イアント/サーバ型のシステムとして構成されており、
クライアントである複数の設計者uの端末C1〜C3か
ら、本発明に特徴的な配線ツール1のサービスを提供す
るサーバであるサーバSにアクセスして同時並行的にア
プリケーションプログラムである配線ツール1を起動で
き、同一の設計データd1に関して編集を行うことがで
きる。
【0022】配線ツール1は、本発明の実施の形態にお
けるLSI配線プログラムであり、LSIのレイアウト
設計に関する処理、特に、人手による配線修正に係わる
処理を行うアプリケーションプログラムである。サーバ
Sは、配線ツール1の処理の基盤となるOS及びハード
ウェアを提供する。配線ツール1は、サーバSにおける
オリジナルのプログラムであり、所定のプログラムメモ
リに格納保持される。一方、配線ツール11〜13は、
配線ツール1の、各クライアントC1〜C3ごとのサー
バS上での実行プロセスである(これを10とする)。
配線ツール1の各実行プロセス10は、各クライアント
端末C1〜C3からの指示に基づき(及び必要なプログ
ラムモジュールが)起動され、サーバSの備えるメモリ
上にロードされて各クライアントCごとの処理を担当し
実行する。配線ツールプロセス10とクライアントプロ
グラム20との間では所定のインタフェースにより要求
/応答等のメッセージ及び処理データのやりとりが行わ
れる。
【0023】設計データd1は、サーバSにおけるオリ
ジナルのデータである。設計データd2は、そのサーバ
Sでの作業用のコピーであり、配線編集処理開始時に配
線ツール1により自動的に生成される。配線編集後、設
計者uの作業及び配線ツール1の処理により更新された
設計データd2を元の設計データd1に上書き保存して
反映することにより配線編集作業が完了することにな
る。また、設計データd3(d31〜d33)は、設計
データd1に関する、各クライアント端末C1〜C3及
び配線ツールプロセス11〜13ごとの作業用コピーで
ある。これも各クライアントCによる配線編集開始時に
配線ツール1により自動的に生成される。
【0024】サーバS側の配線ツール1の実行プロセス
10(11〜13)と、クライアント端末C側のクライ
アントプログラム20(21〜23)とは、所定のイン
タフェースを介して通信する。通信の下位層の処理で
は、例えば所定のLANプロトコルを利用して通信す
る。通信の上位層の処理では、配線ツールプロセス10
とクライアントプログラム20との間で、メッセージや
編集コマンド等の方式、サーバSとクライアントCとの
間での役割分担等に関する所定のインタフェースに基づ
き通信を行う。
【0025】クライアントプログラム20(21〜2
3)は、配線編集に係わる処理のうちの部分的な処理を
(サーバS側と分担で)担当するモジュールであり、特
に、本実施例の構成の場合、端末Cにおいて設計データ
d3を含む編集画面の表示処理と、配線ツール1に対す
る編集コマンド等の入力・送信処理などの処理(ユーザ
インタフェース処理)のみ担当し、配線に係わる主要な
処理はサーバS側の配線ツール10(11〜13)で実
行される。クライアントプログラム20は、一実施形態
として例えばWebブラウザで構成できる。本実施例の
システム100の場合、サーバS側のプロセス10で
は、クライアントC側に表示させる表示データの作成ま
で含めて行う。
【0026】なお、本実施例のシステム100では、ク
ライアントプログラム20は配線編集に関するユーザイ
ンタフェース処理を主に行うものとしたが、サーバS側
とクライアントC側での配線編集処理に関する役割分担
はこれに限ることなく、クライアントプログラム20が
配線に関する他の処理を担当する構成にしてもよい。つ
まり、配線ツール1として提供する処理・機能に関する
ノード(装置)上への配置の詳細な構成は問わない。
【0027】設計者uの使用するクライアント端末C
は、CPUなどの制御装置、ROM、RAM、HDDな
どの記憶装置、キーボードやポインティングデバイス
(マウスやタッチパッド等)などの入力装置、ディスプ
レイなどの出力装置、所定のOSやドライバ、及び、サ
ーバSと通信を行うための通信インタフェース等を備
え、これらが所定のバス構成で接続されている(非図
示)。クライアント端末Cは、クライアントプログラム
20を備え(インストールし)、これがメモリ上にロー
ドされてCPUにより逐次実行されることによりその機
能を実現する。
【0028】クライアントプログラム20は、少なくと
も、配線ツール1に関するユーザインタフェース機能を
備え、設計データd3及び配線編集のためのインタフェ
ースとなる表示データ(GUIデータ)等を出力装置へ
出力する処理や配線編集処理のための各種操作メニュー
やコマンド等の入出力処理等を行う。クライアントプロ
グラム20は、通信インタフェースを介してサーバSの
配線ツールプロセス10との間で通信を行う。クライア
ントプログラム20は、サーバS側のプロセス10に対
して各種の処理の要求(リクエスト)を行い、要求に基
づきサーバS側のプロセス10で処理された結果を応答
(レスポンス)として受信する。クライアント端末C及
びクライアントプログラム20は、必要に応じてサーバ
S側からの応答データをメモリに保存したり出力装置へ
出力して表示する処理等を行う。
【0029】サーバSは、CPUなどの制御装置、RO
M、RAM、HDDなどの記憶装置、及び、複数のクラ
イアント端末Cと通信を行うための通信インタフェース
等を備え、これらが所定のバス構成で接続されている
(非図示)。サーバSは、配線ツール1、設計データd
1を所定のメモリに管理する。配線ツール1はクライア
ントCからの指示に基づき起動され、実行プロセス10
がサーバSの有するメモリ上に確保される。クライアン
トCごとに確保されたこの各実行プロセス10間では、
設計データd2に関する同時並行的な編集を実現するた
めに、更新データのやり取り等の所定の制御が行われる
(後述)。
【0030】サーバSと複数の設計者uの端末Cとは、
所定の通信インタフェースにより接続される。典型的に
はLAN接続される。つまり、サーバ、クライアントの
各コンピュータは、所定の通信処理モジュール(LAN
インタフェースカード等)を備え、通信処理モジュール
はLANの伝送媒体を介して通信処理を行う。各ソフト
ウェアは、その通信処理モジュールを使用してプロセス
間での通信を行う。配線ツール1のサーバSは、当該サ
ービスの受け付けのポートを開き、通信インタフェース
を介してクライアントCからの要求及び処理データを待
ち受ける。要求を受けると、要求に対応するプログラム
モジュールが対応する処理を行い、応答を返信する。
【0031】本システム100においてLSIの配線編
集作業、特に人手での配線修正作業を行う際の処理につ
いて順に説明する。まず、設計者uは、クライアント端
末Cから配線ツール1のサーバSにアクセスする。そし
て、所定の入力を行って配線ツール1を起動する。ま
た、編集対象の設計データd1を指定する。サーバS
は、クライアントCからの指示に基づき、設計ツール1
の実行プロセス10を起動する。実行プロセス10は、
複数のクライアントCごとに確保される。
【0032】図5は、配線ツール1起動時の処理につい
て示すフローチャートである。まず、サーバSは、クラ
イアントCからの指示に基づき、配線ツール1のプロセ
ス10を起動する(ステップS51)。配線ツールプロ
セス10は、クライアントCからの指定に基づき、配線
修正対象のデータであるオリジナルの設計データd1か
ら、そのサーバSでの作業用コピーである設計データd
2を自動生成する(ステップS52)。また、サーバS
は、各設計者u(クライアントC)ごとの配線ツールプ
ロセス10を生成すると共に、設計データd2に関し
て、その各クライアントC及び配線ツールプロセス10
ごとの作業用コピーである設計データd3を自動生成す
る(ステップS53)。これにより各クライアントCで
の設計者uによる配線編集作業の準備が完了する。
【0033】上記準備が完了後、配線ツール1の各プロ
セス10は、クライアントCからの要求を待ち受け、要
求(要求メッセージ及びその処理データ)を受信する
と、対応する配線ツール1のプログラムモジュールによ
りサービス処理(ロジック、ファンクション)を実行
し、処理結果の応答(応答メッセージ及び処理結果デー
タ)をクライアントC側へ返信する処理をメインループ
で繰り返し実行する。配線ツールプロセス10における
その処理の様子を図6に示す。これは一般的なクライア
ント/サーバ型の処理である。なお、配線ツールプロセ
ス10は、クライアントC側から設計データd1(d
3)に関する配線編集の完了(配線ツール1アプリケー
ションの終了要求)を示すメッセージを受信すると、配
線ツールプロセス10を終了する。
【0034】図2に、設計者uの端末Cでの配線編集画
面の例を示す。端末Cにおいてクライアントプログラム
20は、編集対象の設計データd3をディスプレイへ出
力して表示する処理を行う。配線編集画面は、メイン編
集ウインドウw1、チップ全体ウインドウw2、コマン
ド入力ウインドウw3、編集メニューウインドウw4等
から構成される。コマンド入力ウィンドウw3は、配線
ツール1の提供する各種機能を実行するためのコマンド
を入力するためのウィンドウ(文字入力インタフェー
ス)である。配線ツールプロセス10は、入力されたコ
マンドを解釈して対応する処理を行う。編集メニューウ
ィンドウw4は、配線ツール1が提供する各種の操作の
メニューを表示する領域である。設計者uは、表示され
ているメニュー中から操作項目を選択入力する。配線ツ
ールプロセス10は、選択入力された項目に対応する処
理を実行する。
【0035】図3に、チップ全体ウインドウw2の表示
例を示す。チップ全体ウインドウw2には、編集対象の
LSIチップの面全体が表示され、或る設計データd1
に関して同時並行的な編集を行っている全ての設計者u
が現在チップ上のどの位置で編集を行っているのかを示
す情報を中心に表示される。図3では、配線パス単位
で、編集中の設計者uの情報を”ユーザu1”〜”ユー
ザu3”として表示している。チップ全体ウインドウw
2では、複数の設計者uにより現在編集されている全て
の配線パスpがハイライト表示される。
【0036】また、図4に、メイン編集ウインドウw1
の表示例を示す。メイン編集ウィンドウw1には、レイ
アウト対象のチップ面全体のうちの或る編集エリアが表
示される。編集エリア内には、自分が編集を行っている
配線パスpが表示されるのみならず、他の設計者uが編
集している配線パスpが有る場合にもその図形が他の設
計者uによる編集作業中であることがわかるように区別
してハイライト表示される。表示する情報として、ユー
ザ名(=編集中の設計者名)、配線パス名などの情報を
表示する。同図は、設計者u1の編集中の画面であるも
のとする。このとき、他のユーザである設計者u2が配
線パスAを編集中だった場合、設計者u1(クライアン
トC1)に対応するプロセスである配線ツールプロセス
11は、その配線パスAに関して、設計者u2が編集中
であることを示す情報(”配線パスA”、”ユーザu
2”)を端末C1の画面に表示させる。同図では単に”
配線パスA”としたが、適当な配線パス名やその他関連
情報などを表示するようにしてもよい。また例えば、設
計者u1が端末C1のメイン編集ウインドウw1上で図
4に参照されるような編集エリアを表示している時、こ
の編集エリア内で別の設計者u2が配線パスAを構成す
る図形オブジェクトの1つである線オブジェクトA−4
を削除しようとしており、配線ツール12において線オ
ブジェクトA−4を削除するコマンドを実行したものと
する。すると、配線ツール12において設計データd3
2内の配線パスAに関して要求されたコマンドに対応す
る更新処理(線オブジェクトA−4の削除処理)を行う
と共に、その事を配線ツール11にも通知して、設計デ
ータd31内の配線パスAに関しても更新処理(線オブ
ジェクトA−4の削除処理)を行わせる。これにより、
端末C1の編集画面においても表示更新を行って線オブ
ジェクトA−4を画面から消去させる。このように、本
システム100では、複数の設計者uの各編集状況を、
随時(更新発生ごとに)、端末Cの編集画面に表示する
制御を行う。
【0037】図4で、配線パスp自体は所定のデータ構
造を持つ図形オブジェクトであり、配線パスpのオブジ
ェクトは、さらに複数の図形オブジェクトから構成され
る。ここでは配線パスpがさらに複数の線オブジェクト
A−1〜A−6から構成される例を示している。
【0038】LSI配線に係わる設計データd(d1〜
d3)は、階層構造のデータである。編集画面には、或
る階層の平面でのレイアウトデータを表示する。階層構
造のデータであるとは、或る階層の平面における配線パ
スは別階層の平面における配線パスと接続されることが
有り得るということである。或る階層の平面において
は、複数の配線パスpのオブジェクトが配置される。こ
の配線パスpオブジェクトは、線オブジェクトなどのさ
らなる図形オブジェクトが複数組み合わせられて構成さ
れるデータであってよい。また、配線パスpは、配線パ
ス名や編集中の設計者名(ユーザ名)などの情報と関連
付けて管理される。
【0039】次に、本システム100の主要な動作につ
いて説明する。例として、3人の設計者u1〜u3が各
端末C1〜C3から同時並行的に或る1つの設計データ
d1を対象として人手配線修正作業を行う場合の動作に
ついて説明する。図1で、3人の設計者u1〜u3は、
設計データd1の人手配線修正を行う際に、それぞれの
端末C1〜C3上で配線ツール1をプロセス11〜13
として起動する。それぞれのプロセス11〜13は、設
計データd2から設計データd3を作業用コピーとして
取得する。配線ツールプロセス10は、自身の管理する
設計データd3と、サーバSの管理する設計データd2
との状態の差異を常に監視する。つまり、配線ツールプ
ロセス10は、設計データd3に変更(更新)が生じる
と、設計データd2との差分情報Δdを検出し、その差
分情報Δdを他の配線ツールプロセス10が管理する設
計データd3に反映する制御処理を行う(以下、データ
更新制御と呼ぶ)。これにより、複数の配線ツールプロ
セス10間でリアルタイム(※厳密には遅延が有る)に
設計データdに関する更新を各設計データd3に反映し
て、すぐに各端末Cの編集画面上に更新状況を表示させ
る。データ更新制御は、配線パスp単位で行う(あるい
は線オブジェクト単位等で行ってもよい)。つまり、或
る設計者uによる編集により或る配線パスpに更新が発
生した場合、その更新をすぐに他の設計者uの設計デー
タd3における配線パスpのデータに反映する。
【0040】図9に、設計データdに関する上記のデー
タ更新制御について説明するための図を示す。また、図
7は、データ更新制御の手順を示すフローチャートであ
る。例えば、配線ツールプロセス11で設計データd3
1に関して更新が生じた場合を例に説明する。設計者u
1による編集の結果、設計データd31のうち特に図形
オブジェクトob1に関して更新が生じ、オブジェクト
ob1がob1’となったものとする(ステップS7
1)。ここでオブジェクトob1は、或る配線パスpで
ある。配線ツールプロセス11は、その更新に伴う差分
情報Δ(ob1とob1’の差分)を検出する(ステッ
プS72)。そして、差分情報Δを他の12、13に通
知する。ここでは、まず、設計データd2に差分情報Δ
を通知し、設計データd2に対しΔを反映して更新を行
う(ステップS73)。設計データd2の更新後、プロ
セス11以外の他のプロセス12、13に差分情報Δの
通知を行う。他のプロセス11、12は、それぞれ差分
情報Δの通知を受けると、通知された差分情報Δを、自
身の管理する設計データd32、33に反映して対象の
オブジェクトob1に関して状態を更新する処理を行う
(ステップS74)。そして、この反映処理に伴い、各
クライアント端末C2、C3における編集画面の表示の
更新を行わせるべく、クライアントプログラム22、2
3に、更新データを反映した表示データを作成して送信
し、編集画面における表示の更新を行わせる(ステップ
S75)。
【0041】なお、上記では、或る図形オブジェクトに
関し、その状態における差分を扱って複数の設計データ
d3間でのデータ更新制御を行うとしたが、差分情報Δ
を扱うのではなく、更新が発生したオブジェクトについ
て更新後の状態を扱ってそれを基に他のオブジェクトの
更新を行うように処理しても得られる結果は同じであ
る。
【0042】また、上記のデータ更新制御と共に、扱う
データに関して、複数の設計者uで同時並行作業を行わ
せるための所定のロック制御が必要となる。ロック制御
として、或るデータ単位、典型的には配線パスpを単位
として、編集に関する排他制御を行う。つまり、配線ツ
ールプロセス10は、或る設計者uが或る配線パスpを
編集中、その配線パスpに関して他の設計者uによる書
き込み編集を禁止(排他制御)するロック(以下、編集
ロックと呼ぶ)を掛ける制御を行う。このロック制御に
より、設計データd3に関してデータ整合性をとる。
【0043】ロック制御では、所定のデータ単位に読み
込み編集は許可する。つまり、更新は許可しないが、ク
ライアント端末Cでの表示(参照)は許可する。サーバ
S側で前述のデータ更新制御が行われることにより、所
定のデータ単位(配線パスp単位等)で編集によるデー
タ更新結果が複数の設計者uの設計データd3に反映さ
れ、端末Cの編集画面に表示される。
【0044】システム100は、或る設計者u及び対応
する配線ツールプロセス10が編集する図形オブジェク
トを編集ロックし、そのオブジェクトに関して他の設計
者uが編集することができないように処理する(※他の
設計者uは、他のオブジェクトの編集を行う)。本実施
例では、配線パスpのオブジェクトを単位としてロック
制御を行う(※より小さな単位(線オブジェクト単位
等)や大きな単位(複数の配線パスのセットを単位とす
る等)でロック制御を行うこともできる。処理は同様で
ある)。
【0045】図10は、設計データdに関するロック制
御について説明するための図である。また、図8はロッ
ク制御の手順を示すフローチャートである。設計データ
d中の配線パスpを単位としてロック制御を行う処理手
順を説明する。
【0046】設計者u1が設計データd31のうちの或
る配線パスpに関して編集を行うものとする。クライア
ント端末C1及びクライアントプログラム21及び配線
ツールプロセス11において、設計者u1は、これから
編集を行おうとしている対象の配線パスpのオブジェク
トを選択する。クライアントプログラム21は、配線ツ
ールプロセス11に対して、配線パスpに関して編集を
開始することを示す要求メッセージを送信する。これは
また配線パスpに関してロックを要求するメッセージで
もある。つまり、配線パスpオブジェクトの選択がロッ
ク要求のトリガとなる(あるいは、設計者uに、コマン
ドとして編集ロックを掛けるためのコマンドを選択入力
させ、その入力に応じてロック要求を発行するようにし
てもよい)。
【0047】配線ツールプロセス11は、クライアント
C側から配線パスpに関するロック要求を受けると(ス
テップS81)、指定された配線パスpのオブジェクト
に関して既に他のプロセス10により編集ロックが掛け
られていないかどうかを確認する(ステップS82)。
ここでは、設計データd2に対してロック要求を発行す
る。プロセス11は、設計データd2のうちの配線パス
pオブジェクトに関して、そのロック状態を判断する。
設計データd2の配線パスpに関し、既に他の設計者u
による編集のために編集ロックが掛けられている場合
(ステップS82・YES)、ロック不許可と決定し、
設計者u1に対して書き込み編集を許可しない結果を得
る(ステップS86)。設計データd2の配線パスpオ
ブジェクトに関して他の設計者u及びプロセス10によ
る編集ロックが掛けられていない場合(ステップS82
・NO)、設計データd2の配線パスpオブジェクトに
対して該当クライアントCの編集用に編集ロックを掛け
る処理を行い(ステップS83)、ロック許可の結果を
得、設計者u1に対して書き込み編集を許可するように
設計データd3中の配線パスpオブジェクトの状態を設
定する(ステップS84)。
【0048】配線ツールプロセス11により設計データ
d2中の配線パスpオブジェクトに対して編集ロックが
掛けられた直後、他の設計者u2、u3の配線ツールプ
ロセス12、13に対して配線パスpに関するロック命
令を発行するように制御する。ロック命令を受けた配線
ツールプロセス12、13は、それぞれ、設計データd
32、d33において、指定された配線パスpオブジェ
クトに対して、編集ロックを掛けて書き込み編集を不許
可となるように設定する(ステップS85)。
【0049】設計データd2及び各設計データd31〜
d33における配線パスpオブジェクトに関して編集ロ
ック処理が正常に行われた後、設計者u1は、配線パス
pの編集(更新処理)を行うことができる。
【0050】なお、上述したデータ更新制御やロック制
御では、各配線ツールプロセス10間で分散処理的に設
計データd3に関するロック制御やデータ更新制御を行
うものとして説明したが、クライアントCごとの各プロ
セス10を管理するプロセスとして上記ロック制御やデ
ータ更新制御を管理するプロセス(プログラム)を設け
てそれを介して制御を行うようにしても良い。そのよう
な制御を行うシステム構成について以下説明する。
【0051】或る設計者u1が或る設計データd31の
或る配線パスpオブジェクトに関して編集を行うものと
する。クライアントCごとの配線ツールプロセス10を
管理し、また、設計データd2を管理してデータ更新制
御やロック制御を行うプロセスを管理プロセス3とす
る。管理プロセス3は、配線ツール1に含まれるプログ
ラムモジュールであり、必要に応じて起動される。クラ
イアント端末C1及びクライアントプログラム21及び
配線ツールプロセス11において、まず設計者u1は、
配線パスpのオブジェクトを選択する。クライアントプ
ログラム21は、配線ツールプロセス11に対して、配
線パスpに関して編集を開始することを示す要求メッセ
ージを送信する。これはまた配線パスpに関して編集ロ
ックを要求するメッセージでもある。
【0052】配線ツールプロセス11は、クライアント
C側からロック要求を受けると、指定された配線パスp
のオブジェクトに関して既にロックが掛けられていない
かどうかを確認する。ここで、プロセス11は、管理プ
ロセス3に対し、配線パスpに関する編集ロック要求を
出力する。
【0053】管理プロセス3は、設計データd2を管理
している。プロセス11から編集ロック要求を受ける
と、指定された配線パスpオブジェクトに関して既に編
集ロックが掛けられていないかどうかを確認する。管理
プロセス3は、設計データd2中の配線パスpオブジェ
クトを参照し、そのロック状態を確認する。
【0054】管理プロセス3は、設計データd2中の配
線パスpオブジェクトの状態を確認した結果、既に他の
設計者u及びプロセス10による編集のためにロックが
掛けられていた場合、プロセス11に対してロック不許
可(編集不許可)の結果を示すメッセージを返す。プロ
セス11は、管理プロセス3からロック不許可の結果メ
ッセージを受けると、配線パスpオブジェクトに関して
書き込み編集が許可されないように処理する。また、管
理プロセス3は、設計データd2中の配線パスpオブジ
ェクトの状態を確認した結果、他の設計者u及びプロセ
ス10(ここではu2、u3及びプロセス12、13)
によるロックが掛けられていないことを確認すると、設
計データd2中の配線パスpオブジェクトに対して編集
ロックを掛ける処理を行い、ロック許可及び成功を示す
メッセージをプロセス11に対して返す。また、プロセ
ス11以外のプロセス12、13に対して、設計データ
d3中の配線パスpオブジェクトに関して編集ロックを
掛けるようロック命令を発行する。ロック命令を受けた
プロセス12、13は、それぞれ、設計データd32、
d33において、指定された配線パスpオブジェクトに
対して、編集ロックを掛けて書き込み編集を許可しない
ように処理する。一方、プロセス11は、管理プロセス
3から配線パスpオブジェクトに関してロック許可を示
すメッセージを得ると、配線パスpに関してクライアン
トC1による書き込み編集を許可する処理を行う。
【0055】上記の一連の手続きにより配線パスpに対
する編集ロックが完了し、設計者u1は、配線パスpの
編集(更新処理)を開始することができる。
【0056】設計者u1は、編集ロックの掛けられた配
線パスpに関して、必要な編集を行う。これにより設計
データd3中の配線パスpのデータ(状態)が更新され
たものとする。プロセス11は、このデータ更新の発生
に伴い、設計データd31とd2との間の差分情報Δ
d、特に、配線パスpに関する差分情報Δp(差分の
み、あるいは、更新後のデータを扱って処理する)を検
出し、これを管理プロセス3に通知する。管理プロセス
3は、差分情報Δpの通知をプロセス11から受ける
と、設計データd2中の配線パスpに対してその差分情
報Δpを反映して状態を更新する。そして、他の設計者
u2、u3のプロセス12、13に対して、差分情報Δ
pを通知する。
【0057】配線ツールプロセス12、13の各々は、
管理プロセス3から差分情報Δpの通知を受けると、そ
れぞれの管理する設計データd32、d33中の配線パ
スpオブジェクトに対して差分情報Δpを反映して状態
を更新する処理を行う。各プロセス12、13は、この
状態更新処理の発生に伴い、必要に応じて、端末C1
2、13側の編集画面における表示状態を更新するため
のデータを作成して端末C側に送信することで、編集画
面に配線パスpの編集結果を反映させる。
【0058】設計者u1のプロセス11では、配線パス
pに関して編集が一旦終了した適切なタイミングで、管
理プロセス3に対して編集ロック解除の要求メッセージ
(つまり配線パスpに関する編集終了メッセージ)を出
力する。管理プロセス3は、この要求メッセージを受け
て、設計データd2中で、指定された配線パスpに関す
る編集ロックの解除を行う(他のプロセス12、13に
もロック解除の命令を発行して解除させる)。
【0059】以上により本発明の実施の形態について説
明した。なお、上述した実施形態は、本発明の好適な実
施形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定さ
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々変形実施が可能である。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、LSI等のレイアウト設計、特に人手による
配線修正作業に関して、複数の設計者の端末から同一の
設計データにアクセスして同時並行的に編集させる手段
を提供するため、設計データの配線修正時間の短縮化を
図って効率的にレイアウト設計を行うことができる。ま
た他の設計者の編集状況を画面でリアルタイムに確認す
ることができるため効率良く設計データの修正作業を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるLSI配線システ
ム100の構成を示す図である。
【図2】クライアント端末Cでの配線編集画面の表示例
を示す図である。
【図3】チップ全体ウィンドウw2の表示例を示す図で
ある。
【図4】メイン編集ウィンドウw1の表示例を示す図で
ある。
【図5】本発明の実施の形態におけるLSI配線システ
ム100での配線ツール起動時の処理手順を示すフロー
チャートである。
【図6】クライアントCからの要求に基づくサーバS側
の配線ツールプロセス10でのサービス処理の様子を示
す図である。
【図7】設計データdに関するデータ更新制御の手順を
示すフローチャートである。
【図8】設計データdに関するロック制御の手順を示す
フローチャートである。
【図9】設計データdに関するデータ更新制御を説明す
るための図である。
【図10】設計データdに関するロック制御を説明する
ための図である。
【図11】従来のLSI配線システムの構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
100 LSI配線システム S サーバ C、C1〜C3 クライアント端末 u、u1〜u3 設計者(ユーザ) 1 配線ツール(オリジナルのプログラム) 10、11〜13 配線ツール1の各クライアントCご
との実行プロセス 20、21〜23 配線ツール1のクライアントプログ
ラム d 設計データ d1 設計データ(オリジナル) d2 設計データ(サーバSの作業用コピー) d3 設計データ(クライアントCごとの作業用コピ
ー) w1 メイン編集ウィンドウ w2 チップ全体ウィンドウ w3 コマンド入力ウィンドウ w4 編集メニューウィンドウ p、A 配線パス(配線パスオブジェクト) A−1〜A−6 配線パスAを構成する図形オブジェク
ト(線オブジェクト) Δ 差分情報 Δd 設計データdに関する差分情報 Δp 配線パスpに関する差分情報 ob1 図形オブジェクト ob1’ 図形オブジェクトob1の編集による更新後
の状態 3 管理プロセス 11 従来システムでの配線ツール 110 従来システムでの配線ツール11の実行プロセ
ス 120 従来システムでの配線ツールクライアントプロ
グラム

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の設計者のクライアント端末からサ
    ーバが管理する設計データを同時並行的に編集させてL
    SIレイアウト設計を行うLSI配線システムであっ
    て、 前記サーバは、 前記各設計者ごとに配線ツールのプロセスを並列的に実
    行して前記設計データの作業用コピーで編集させる手段
    と、 前記設計者による前記作業用コピーの編集の結果状態に
    更新が生じた際に該設計者以外の他の設計者のプロセス
    及び作業用コピーに該更新を反映する制御を行うデータ
    更新制御手段と、 前記設計データを構成する所定の図形オブジェクト単位
    で編集に関する排他ロックの制御を行うロック制御手段
    と、 前記複数の設計者による同時並行編集の様子を随時、前
    記端末の編集画面に表示させる処理を行う表示制御手段
    と、を有することを特徴とするLSI配線システム。
  2. 【請求項2】 前記ロック制御手段は、配線パス単位で
    書き込み編集に関する排他ロックの制御を行うことを特
    徴とする請求項1記載のLSI配線システム。
  3. 【請求項3】 前記データ更新制御手段は、配線パス単
    位で前記更新を反映する制御を行うことを特徴とする請
    求項1または2に記載のLSI配線システム。
  4. 【請求項4】 前記表示制御手段は、前記設計データを
    構成する所定の図形オブジェクト単位で、そのオブジェ
    クト名と、該オブジェクトを編集中のユーザ名と、を含
    む情報を表示させることを特徴とする請求項1から3の
    いずれか1項に記載のLSI配線システム。
  5. 【請求項5】 前記サーバは、前記複数の設計者の配線
    ツールのプロセス間での前記データ更新制御及びロック
    制御を中心管理する管理プロセスを実行する手段をさら
    に有し、 前記管理プロセスは、前記設計データを管理し、第1の
    設計者の配線ツールのプロセス及び作業用コピーで図形
    オブジェクトに関してデータ更新あるいは編集に関する
    ロック要求が発生すると、前記設計データ中で対応する
    図形オブジェクトをデータ更新あるいはロック処理し、
    前記第1の設計者以外の他の設計者の配線ツールのプロ
    セス及び作業用コピーの対応する図形オブジェクトに対
    してデータ更新あるいはロックを掛ける処理を行うこと
    を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のL
    SI配線システム。
  6. 【請求項6】 前記サーバは、 第1の前記配線ツールのプロセスが図形オブジェクトを
    編集する際に該オブジェクトに該プロセスでの編集用に
    排他ロックを掛け、 前記第1のプロセスによる前記オブジェクトの編集の結
    果生じる状態の更新を検出して該更新を前記第1のプロ
    セス以外のプロセスに通知して反映させ、 前記第1のプロセスによる前記オブジェクトの編集処理
    が終わる所定のタイミングで前記ロックを解除する処理
    を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項
    にLSI配線システム。
  7. 【請求項7】 前記ロック制御手段は、図形オブジェク
    トに対する選択の発生に伴い、該オブジェクトに前記ロ
    ックを掛ける制御を行うことを特徴とする請求項1から
    6のいずれか1項に記載のLSI配線システム。
  8. 【請求項8】 複数の設計者のクライアント端末からサ
    ーバが管理する設計データを同時並行的に編集させてL
    SIレイアウト設計を行う処理をコンピュータに実行さ
    せるプログラムであって、 前記各設計者ごとに配線ツールのプロセスを並列的に実
    行して前記設計データの作業用コピーで編集させる処理
    と、 前記設計者による前記作業用コピーの編集の結果状態に
    更新が生じた際に該設計者以外の他の設計者のプロセス
    及び作業用コピーに該更新を反映する制御を行うデータ
    更新制御処理と、 前記設計データを構成する所定の図形オブジェクト単位
    で編集に関する排他ロックの制御を行うロック制御処理
    と、 前記複数の設計者による同時並行編集の様子を随時、前
    記端末の編集画面に表示させる処理を行う表示制御処理
    と、をコンピュータに実行させることを特徴とするLS
    I配線プログラム。
  9. 【請求項9】 前記ロック制御処理では、配線パス単位
    で書き込み編集に関する排他ロックの制御を行うことを
    特徴とする請求項8記載のLSI配線プログラム。
  10. 【請求項10】 前記データ更新制御処理では、配線パ
    ス単位で前記更新を反映する制御を行うことを特徴とす
    る請求項8または9に記載のLSI配線プログラム。
  11. 【請求項11】 前記表示制御処理では、前記設計デー
    タを構成する所定の図形オブジェクト単位で、そのオブ
    ジェクト名と、該オブジェクトを編集中のユーザ名と、
    を含む情報を表示させることを特徴とする請求項8から
    10のいずれか1項に記載のLSI配線プログラム。
  12. 【請求項12】 前記複数の設計者の配線ツールのプロ
    セス間での前記データ更新制御及びロック制御を中心管
    理する管理処理をさらにコンピュータに実行させ、 該管理処理では、前記設計データを管理し、第1の設計
    者の配線ツールのプロセス及び作業用コピーで図形オブ
    ジェクトに関してデータ更新あるいは編集に関するロッ
    ク要求が発生すると、前記設計データ中で対応する図形
    オブジェクトをデータ更新あるいはロック処理し、前記
    第1の設計者以外の他の設計者の配線ツールのプロセス
    及び作業用コピーの対応する図形オブジェクトに対して
    データ更新あるいはロックを掛ける処理を行うことを特
    徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載のLS
    I配線プログラム。
  13. 【請求項13】 第1の前記配線ツールのプロセスが図
    形オブジェクトを編集する際に該オブジェクトに該プロ
    セスでの編集用に排他ロックを掛け、 前記第1のプロセスによる前記オブジェクトの編集の結
    果生じる状態の更新を検出して該更新を前記第1のプロ
    セス以外のプロセスに通知して反映させ、 前記第1のプロセスによる前記オブジェクトの編集処理
    が終わる所定のタイミングで前記ロックを解除する処理
    をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項8
    から12のいずれか1項にLSI配線プログラム。
  14. 【請求項14】 前記ロック制御処理では、図形オブジ
    ェクトに対する選択の発生に伴い、該オブジェクトに前
    記ロックを掛ける制御を行うことを特徴とする請求項8
    から13のいずれか1項に記載のLSI配線プログラ
    ム。
JP2002124831A 2002-04-25 2002-04-25 Lsi配線システム及びプログラム Pending JP2003316841A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002124831A JP2003316841A (ja) 2002-04-25 2002-04-25 Lsi配線システム及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002124831A JP2003316841A (ja) 2002-04-25 2002-04-25 Lsi配線システム及びプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003316841A true JP2003316841A (ja) 2003-11-07

Family

ID=29539776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002124831A Pending JP2003316841A (ja) 2002-04-25 2002-04-25 Lsi配線システム及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003316841A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009122765A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Fujitsu Ltd 配線設計処理方法、配線設計処理プログラムおよび配線設計処理装置
US7788622B2 (en) 2003-11-21 2010-08-31 Mentor Graphics Corporation Distributed autorouting of conductive paths
US7949990B2 (en) 2001-12-10 2011-05-24 Mentor Graphics Corporation Parallel electronic design automation: shared simultaneous editing
JP2011141814A (ja) * 2010-01-08 2011-07-21 Hitachi Ltd ファイル共有管理システム

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0468470A (ja) * 1990-07-10 1992-03-04 Hitachi Ltd Cadシステム
JPH04304567A (ja) * 1991-04-01 1992-10-27 Canon Inc 画像処理システム
JPH07182292A (ja) * 1993-12-21 1995-07-21 Toshiba Corp 共有データ管理装置
JPH0962726A (ja) * 1995-08-29 1997-03-07 Hitachi Ltd Cadデータインタフェース方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0468470A (ja) * 1990-07-10 1992-03-04 Hitachi Ltd Cadシステム
JPH04304567A (ja) * 1991-04-01 1992-10-27 Canon Inc 画像処理システム
JPH07182292A (ja) * 1993-12-21 1995-07-21 Toshiba Corp 共有データ管理装置
JPH0962726A (ja) * 1995-08-29 1997-03-07 Hitachi Ltd Cadデータインタフェース方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7949990B2 (en) 2001-12-10 2011-05-24 Mentor Graphics Corporation Parallel electronic design automation: shared simultaneous editing
US7788622B2 (en) 2003-11-21 2010-08-31 Mentor Graphics Corporation Distributed autorouting of conductive paths
JP2009122765A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Fujitsu Ltd 配線設計処理方法、配線設計処理プログラムおよび配線設計処理装置
JP2011141814A (ja) * 2010-01-08 2011-07-21 Hitachi Ltd ファイル共有管理システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11418409B2 (en) System-on-chip (SoC) assembly, configurable IP generation and IP integration utilizing distributed computer systems
US5019961A (en) Computer apparatus and method for logical modelling
US7546571B2 (en) Distributed electronic design automation environment
US9882961B2 (en) System and method for abstraction of objects for cross virtual universe deployment
US7921190B2 (en) Method and system for interactively configuring a network device
US6671701B1 (en) System and method to maintain real-time synchronization of data in different formats
US5812130A (en) Data management system and method for concurrent engineering
US20060101368A1 (en) Distributed electronic design automation environment
US8719949B1 (en) Parameter based operation
JP5239739B2 (ja) プリント基板配線処理装置、プリント基板配線処理プログラム、プリント基板配線処理方法
US7096439B2 (en) System and method for performing intellectual property merge
JP2005513597A5 (ja)
CN110222106A (zh) 集成的工作流和数据库事务
JP2008217651A (ja) 設計支援装置、設計支援方法、およびプログラム
JP3434038B2 (ja) ネットワ−ク構築支援システム
US7921404B2 (en) Method of reusing constraints in PCB designs
JP3942877B2 (ja) Cadデータを管理するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体およびcadデータを管理するためのプログラム
JP2003316841A (ja) Lsi配線システム及びプログラム
JP2003186914A (ja) チーム形式設計・編集システム
CN114564855B (zh) 基于fmea数据节点的关联关系的操作方法及电子设备
CN112015560A (zh) 一种用于构建it基础设施的装置
JPH0962726A (ja) Cadデータインタフェース方法
JP2000215178A (ja) シミュレ―ション装置およびシミュレ―ション方法
JPH0756786A (ja) 構造化文書処理装置
JPH09128437A (ja) 差分表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070501

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071002