JP2003315439A - 舶用レーダ装置 - Google Patents

舶用レーダ装置

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JP2003315439A
JP2003315439A JP2002118326A JP2002118326A JP2003315439A JP 2003315439 A JP2003315439 A JP 2003315439A JP 2002118326 A JP2002118326 A JP 2002118326A JP 2002118326 A JP2002118326 A JP 2002118326A JP 2003315439 A JP2003315439 A JP 2003315439A
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JP2002118326A
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Yasuo Ito
恭夫 伊藤
Koichi Kobayashi
幸一 小林
Takumi Fujikawa
巧 冨士川
Motoharu Kondo
基治 近藤
Ayakinu Shibata
彩衣 柴田
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Furuno Electric Co Ltd
Original Assignee
Furuno Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動物標や自船近傍に存在する物標を確実に
面相関処理し識別することができる舶用レーダ装置を構
成する。 【解決手段】 レーダ探知部101と自船運動推定部1
02と探知データ制御部103と物標情報処理部104
と面相関処理部106と探知データ出力部107とから
舶用レーダ装置を構成する。探知データ制御部103で
は探知データをトゥルー処理する。面相関処理部106
では、移動物標をそれぞれ独立して記憶する相関処理用
メモリを備え、相関処理用メモリ毎に面相関処理を行
い、移動物標毎の探知データを得る。探知データ出力部
107では、これら移動物標毎の探知データをトゥルー
処理した探知データに合成して、表示器の仕様に応じた
形式に変換して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、探知信号から探
知データを出力する舶用レーダ装置、特に探知データを
面相関処理する手段を備える舶用レーダ装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】舶用レーダ装置は、探知領域内に探知信
号を送受信するアンテナと、受信した探知信号から探知
データを生成する探知部と、探知データを表示する表示
部とからなる。
【0003】アンテナは所定の角速度で回転し、同時に
所定の間隔で探知信号を外部の探知領域に送信する。探
知領域内の物標に反射したエコー信号をアンテナが受信
することにより、探知部で所定の信号処理を行い、探知
データを得る。このような探知信号は距離方向(r)と
方位方向(θ)とからなる極座標系の情報を持っている
ので、方位方向に或角度で距離方向にアンテナ(自船)
から或距離の位置に物標が存在するというような極座標
系の探知データを得る。この探知データを直交座標系に
変換し、表示器の画素に対応するようにデータ変換し
て、ディスプレイ等の表示器に出力する。
【0004】このような舶用レーダ装置の表示方式とし
ては、自船位置を表示画面上に固定し、自船の移動に応
じて相対的に固定物標(陸地等)が移動するように表示
する方式(相対運動表示方式)と、固定物標を固定して
自船の移動をキャンセルさせる方式(トゥルー処理表示
方式)がある。
【0005】また、このような舶用レーダ装置では、海
面反射等の影響を抑制するために、面相関処理を行って
いる。面相関処理では、アンテナの1回転(1スキャ
ン)分の各データ点の探知データを保存しておき、次の
1回転または数回転の同じデータ点の探知データとの相
関をとりS/N比を求めて、S/N比が低い場合にはノ
イズ、すなわち物標がないものとして、画像データとし
て表示しない。一方、S/N比が所定値よりも高い場合
には、物標として識別し、画像データとして表示する。
【0006】このような面相関処理の手法として、例え
ば、スキャン毎の各データ点のデータをN回積分するこ
とにより、海面反射等の常時一定しない反応はデータレ
ベルが√(1/N)となり、データレベルを低減するこ
とができる。これにより、S/N比は小さくなるため、
ノイズとして除去することができる。
【0007】一方で、固定物標は常にデータが存在する
ため、積分すればその回数分データレベルは増加する。
これにより、特に、島等の固定物標が画面上動かないト
ゥルー処理表示方式において、固定物標に対する十分な
S/N比を得ることができ、それらを正確に識別するこ
とができる。
【0008】また、従来の面相関処理は、探知データを
直交座標系に変換した後に、直交座標系のデータ点で相
関を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の舶用レーダ装置では、次に示す解決すべき課題が
存在した。
【0010】相対運動表示方式のレーダ装置では、固定
物標であっても、自船が移動していれば、相対的に移動
物標となってしまう。このため、面相関処理を行うと必
要なS/N比を得ることができなくなってしまう。
【0011】また、他船や海鳥等の移動物標は、自船が
移動していなくても、移動物標自身が移動するため、面
相関処理を行うと必要なS/N比を得ることができな
い。特に、海鳥や小型船などの小さな物標では、存在を
示すデータ点が少なくなるため、前の1スキャンと次の
1スキャンとで、重なり合う頻度が極端に減ってしまっ
たり、場合によっては無くなってしまうこともある。こ
の場合、S/N比がとれないため、これらの小さな物標
をノイズとして処理してしまい、画像データとして表示
しないことがあるという問題があった。
【0012】また、トゥルー処理を行った探知データで
は、固定物標は移動しないため、S/N比を十分とるこ
とができるが、移動物標はトゥルー処理を行っても、移
動しているため、面相関を取りにくく、上記と同様に画
像データとして表示できない場合があった。
【0013】また、極座標系の探知データを直交座標系
に変換する場合に、図10に示すように、自船位置から
遠ざかるほど、すなわち、距離方向に遠い位置になるほ
ど、極座標系でデータ点数が同じ物標であっても、直交
座標系でこの物標に使用する画像素子数は多くなる。逆
に言えば、自船(極座標の中心)に近づくほど、同じデ
ータ点数で、直交座標系の画像素子の使用数が少なくな
っていく。このことは、実際の大きさが変わらず、極座
標系上で同じデータ点数を有する物標を考えたとき、こ
れを直交座標系の画像素子に変換すると、自船の近くの
物標ほど小さく表示されることとなる。このため、例え
ば、自船近傍の小型の物標、例えば自船に近接する小型
船、ブイ等は、識別しにくくなってしまう。この状態で
面相関処理を行えば、必要なS/Nをとることが難し
い。このように、自船近傍の小型物標を認識できず、こ
の画像データを表示できなくなる可能性があった。
【0014】また、面相関処理は、前述のように直交座
標系の画像素子に変換した後に、各画像素子毎の探知デ
ータを用いて行っている。しかし、画像素子に表示する
画像データは離散的なものであるので、直交座標系に変
換する際にすべての極座標系のデータ点の探知データを
そのまま用いるわけではない。極座標系から直交座標系
への変換は、各画像素子毎に相当する複数の極座標系の
探知データから所定の変換処理を行うことで代表値を決
定するので、面相関処理するデータ点数が減少し、これ
により面相関処理の効果が小さくなってしまう。また、
画像素子のデータは離散的な量であるので、図11に示
すように、実際の探知データから得られる形状とは異な
る形状となる可能性がある。これを面相関処理すると、
更に異なる形状となってしまう可能性があり、特に小さ
い物標については、相関関係がとれずに画像データを得
ることができなくなることもあった。
【0015】この発明の目的は、移動する物標や自船近
傍に存在する物標、特に小型の物標についても確実に面
相関処理することができる舶用レーダ装置を構成するこ
とにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は、探知信号か
ら探知データを生成するレーダ探知部と、移動物標を識
別し、追尾して記憶する記憶手段と、移動する物標毎に
面相関処理する面相関処理手段と、移動物標毎の探知デ
ータを合成して表示器等に出力する出力部とから舶用レ
ーダ装置を構成する。
【0017】上記舶用レーダ装置では、レーダ探知部で
探知信号から極座標系の探知データを生成する。移動物
標の識別、追尾は、公知の船舶自動識別装置(AIS)
や自動衝突予防援助装置(ARPA)等で行うことがで
きる。ARPAやAISで追尾される物標を含む所定範
囲の探知データは、移動物標毎に記憶手段に記憶され
る。各移動物標は追尾されているため、移動物標毎の記
憶手段には、常に移動物標の探知データが記憶される。
これらの移動する物標毎の探知データを面相関処理し、
探知データ出力部に出力する。
【0018】このように移動する物標毎に面相関処理さ
れた探知データを合成し、極座標系から出力する表示器
の仕様に合う直交座標系の探知データに変換して、表示
器に出力する。
【0019】このような処理をすることで、通常、探知
データからは除去されてしまうような移動する小型の物
標を正確に識別する。
【0020】また、この発明は、トゥルー処理を行うこ
とで、島等の固定物標は表示画面上で常に一定の位置に
固定されるため、この固定物標に関して面相関処理を行
うことなく、トゥルー処理した表示画面上で識別する。
【0021】また、この発明は、探知データを面相関処
理する際に、自船(極座標系の中心)からの距離に応じ
て、極座標系の方位方向に所定の拡がりを与える変換を
探知データに行う。この処理では、自船近くの物標を示
す探知データほど拡がりを大きく与えるように変換す
る。これにより、極座標系から直交座標系に変換した時
に、自船に近づくほどデータ点の拡がりが小さくなるこ
とを防ぐ。
【0022】また、この発明は、前記の拡がりを持たせ
る変換処理を行った後の探知データを用いて面相関処理
を行う。変換処理された探知データは、自船近傍の物標
ほどその探知データに拡がりが与えられているので、自
船近傍の小型物標であっても十分なデータ点を得ること
となり、この物標の面相関処理効果を向上させる。
【0023】この面相関処理は、前記の探知データに拡
がりを持たせる変換処理を行った後の探知データであれ
ば、極座標系、直交座標系のいずれで行っても、面相関
の効果を向上することができる。
【0024】また、前述のように物標毎に部分的に面相
関処理を行う方法を用いるだけでなく、アンテナで受信
した探知信号から得られる全体の探知データについて面
相関処理することもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】第1の実施形態に示す舶用レーダ
装置の構成について、図1〜図5を参照して説明する。
図1は舶用レーダ装置のブロック図であり、図2は面相
関処理部のブロック図であり、図3は探知データ出力部
のブロック図である。図4の(a)は探知データ画面を
示した図であり、(b)はこの発明の記憶手段に対応す
る各相関処理用メモリの配置を示した図であり、(c)
〜(f)はそれぞれの相関処理用メモリ画面を示した図
である。図5は探知データの必要部のみを抽出し、相関
処理用メモリに記憶して、面相関処理を行う面相関処理
部の処理内容を示した概念図であり、(a)から(d)
に時系列に変化した内容を示している。図1〜図5にお
いて、101はレーダ探知部、102は自船運動推定
部、103は探知データ制御部、104は物標情報処理
部、106は面相関処理部、107は探知データ出力
部、201はGPS、202はGYRO、203は船速
計、204は船舶自動識別装置(AIS)、205は自
動衝突予防援助装置(ARPA)である。
【0026】また、161a〜161nはReadアド
レス計算機、162a〜162nは物標探知データ抽出
部、163a〜163nはディジタルフィルタ、164
a〜164nは相関処理用メモリ、171a〜171n
は探知データ部分合成部、172は探知データ全体合成
部、173は座標変換部である。
【0027】また、1は探知データ画面、10はトゥル
ー処理画面、11〜13は相関処理用メモリ画面であ
る。
【0028】レーダ探知部101にはアンテナ111が
接続されており、レーダ探知部101で生成した探知信
号をアンテナ111を介して、探知領域内に送信する。
探知領域内に島、他船、海鳥等の物標が存在する場合、
探知信号は物標で反射する。この反射探知信号(エコー
信号)をアンテナ111で受信することにより、レーダ
探知部101は所定の処理を行って、極座標系の探知デ
ータを生成し、探知データ制御部103に出力する。
【0029】自船運動推定部102は、GPS装置20
1やGYRO装置202や船速計203に接続してお
り、これらの装置から自船の位置、方位、針路、速度を
入力するとともに、レーダ探知部101から探知データ
が更新されるタイミングを示す信号を入力する。この探
知データが更新するタイミングで、位置、方位、針路、
速度をもとに、探知データ上での自船位置の移動量を算
出し、探知データ制御部103に出力する。
【0030】探知データ制御部103は、自船運動推定
部102から入力した自船位置の移動量に関するデータ
をもとに、レーダ探知部101から入力した探知データ
から、トゥルー処理を行い、探知データ出力部と面相関
処理部に出力する。トゥルー処理はレーダ表示画面上の
海図を固定して、自船の運動をキャンセルする処理であ
る。なお、ここまでの処理を行った探知データを直交座
標系に変換して表示器上に画像表示すると、図4の
(a)に示すような探知データ画面1となる。
【0031】また、この探知データを自動衝突予防援助
装置(ARPA)に出力することにより、自動衝突予防
援助装置(ARPA)では、この探知データを用いて他
船位置を確認する。
【0032】このような処理を行うことにより、探知領
域内に存在する島等の固定物標は、自船の移動による物
標の相対的な移動を打ち消すことができるため、レーダ
で容易に識別することができる。これにより、探知領域
内の固定物標を正確に識別し、その探知データを出力す
ることができる。
【0033】一方、トゥルー処理を行っても、移動物標
は1スキャン毎にその位置が移動するため、面相関処理
を行ってもその探知データは除去される。
【0034】つまり、探知データ制御部103にてトゥ
ルー処理された探知データを直交座標系に変換すると、
図4の(c)に示すようなトゥルー処理画面10を得る
ことができる。
【0035】船舶自動識別装置(AIS)204や自動
衝突予防援助装置(ARPA)205は、移動物標を識
別し、追尾する。
【0036】船舶自動識別装置(AIS)とは、航行中
の各船舶が、それぞれに識別番号(船名)、位置、進路
および船速などの状況を、自動的にVHF帯の電波で送
受信し合い、互いの海図上の位置関係を把握する装置で
ある。
【0037】また、自動衝突予防援助装置(ARPA)
とは、他船の位置や方向を常に捕捉し、その船の速度と
進行方向などを算出する装置である。
【0038】物標情報処理部104は、船舶自動識別装
置(AIS)204や自動衝突予防援助装置(ARP
A)205から得られる移動物標の識別、追尾データか
ら、探知データ上の各移動物標の位置、移動方向、移動
量を算出し、面相関処理部106に出力する。
【0039】面相関処理部106は、図2に示すよう
に、移動物標の個数に対応する数のReadアドレス計
算機161a〜161nと探知データ抽出部162a〜
162nとディジタルフィルタ163a〜163nとを
備えている。各ディジタルフィルタ163a〜163n
はそれぞれ面相関処理を行う関数演算部fと記憶手段で
ある相関処理用メモリ164a〜164nを備えてい
る。
【0040】各Readアドレス計算機161a〜16
1n、探知データ抽出部162a〜162n、相関処理
用メモリ164a〜164nをそれぞれ備えるディジタ
ルフィルタ163a〜163nは、識別された移動物標
の個数に応じて、自動的に割り付けられる。
【0041】物標情報処理部104から入力した各移動
物標の位置、移動状況をもとに、Readアドレス計算
機161a〜161nは、それぞれ一つの移動物標の探
知データ上のアドレスを算出する。探知データ抽出部1
62a〜162nは、このReadアドレスを用い、探
知データ制御部103から出力されたトゥルー処理され
た探知データの該当アドレスを読み出し、ディジタルフ
ィルタ163a〜163nに出力する。ディジタルフィ
ルタ163a〜163nでは、読み出された、移動物標
付近の探知データのみを、関数演算部fに通して相関処
理用メモリ164a〜164nに記憶する。関数演算部
fは、1スキャン毎に受信する各移動物標付近の探知デ
ータを積分演算することにより面相関処理を行い、得よ
うとする移動物標のレベルを重畳し、ノイズのレベルを
抑制していき、移動物標を検出する。このようにして得
られた各移動物標毎の探知データは相関処理用メモリ1
64a〜164nに再度記憶され、探知データ出力部1
07に出力される。
【0042】ここで、移動物標の動きを打ち消し、面相
関処理する方法について、図5を参照して説明する。本
説明では、a船を移動物標として、この探知データを相
関処理用メモリ164aで記憶する例を示す。
【0043】ある時点でのa船の位置および移動状況を
物標情報処理部104から得ると、Readアドレス計
算機161aは極座標系でのa船(物標)のアドレスを
計算する。この計算結果から、図5の(a)に示すよう
に、a船(物標)を含む所定の範囲のアドレスを指定
し、移動物標を含む指定範囲の探知データを読み出し、
相関処理用メモリ164aに記憶する。なお、図では省
略しているが、関数演算部fを介して、直前のスキャン
までの探知データと面相関処理した結果を記憶する。
【0044】次の1スキャンが行われると、移動してい
るa船は図5の(b)に示すように探知データ上の位置
も移動する。Readアドレス計算機161aは、前述
と同様に物標の位置、移動状況を得て、移動したa船の
アドレスの増分を算出し、探知データから読み出す。読
み出されたa船を含む探知データは面相関処理され、相
関処理用メモリ164aに記憶される。ここで、Rea
dアドレス計算機161aでa船の移動分を計算してア
ドレス指定しているので、相関処理メモリ164a上で
a船は固定された状態で記憶することができる。
【0045】同様に、図5の(c)、(d)に示すよう
に、a船が移動しても、Readアドレス計算機161
aで、移動したa船に対応する増分のアドレスを計算す
るため、相関処理メモリ164a上はa船は固定されて
記憶することができる。
【0046】このような方法を用いることで、相関処理
メモリ上では、移動物標であるa船が固定されるため、
面相関処理効果を向上することができ、正確に識別する
ことができる。
【0047】また、このように極座標系で面相関処理を
行うことにより、データ点の大きさが自船からの距離に
影響されなくなるため、自船に近い物標における面相関
処理効果の低減を抑制することができる。これにより、
自船からの位置に関係なく、正確に物標を認識すること
ができる。
【0048】なお、図4に示すb船についても同様の方
法を用いることができる。
【0049】また、図4に示す海鳥のように、その位置
や移動情報をAISやARPA等で確認することができ
ない場合もある。しかし、自船運動を打ち消した探知デ
ータにおいて、ある時点から経時的に持続して移動する
物標を識別したら、その移動情報を算出し、アドレスを
指定手段を備えることにより、海鳥等の移動物標のアド
レスを指定することができる。この移動情報から得られ
る、移動物標を含む所定のアドレス範囲を相関処理用メ
モリに記憶していくことにより、相関処理用メモリ上の
移動物標の位置のアドレスを固定することができる。こ
れにより、面相関処理効果を向上することができ、移動
物標を明確に識別することができる。
【0050】このような方法で得た移動物標毎の部分探
知データを直交座標系に変換すると、図4の(d)、
(e)、(f)に示すような相関処理用メモリ画面1
1,12,13を得ることができる。
【0051】探知データ出力部107は、図3に示すよ
うに、移動物標数に応じた探知データ部分合成部171
a〜171nと、探知データ全体合成部172と、座標
変換部173とから構成されている。
【0052】探知データ部分合成部171aは、探知デ
ータ制御部103から出力された探知データと相関処理
用メモリ164aから出力された移動物標の探知データ
とを合成する。この際、Readアドレス計算機161
aから、この移動物標の探知データのアドレスを入力す
ることにより、探知データ上の所定の位置に移動物標の
探知データを重ね合わせ、部分合成探知データを生成
し、探知データ全体合成部172に出力する。
【0053】同様に、探知データ部分合成部171b〜
171nにおいても、各物標の探知データを探知データ
制御部103から出力された探知データに重ね合わせ、
部分合成探知データを生成し、探知データ全体合成部1
72にそれぞれ出力する。
【0054】探知データ全体合成部172は、各探知デ
ータ部分合成部から出力された部分合成探知データを重
ね合わせ、探知データを完成させる。
【0055】完成した極座標系探知データは、座標変換
部173で、出力する表示器の画素仕様に応じて、直交
座標系の探知データに変換し、表示器に出力する。
【0056】出力された表示器では、図4の(a)、
(b)に示すような探知データ画面1を表示する。
【0057】このような構成とすることにより、移動物
標を正確に識別しながら、海面反射等のノイズを除去し
た探知データを得ることができる。
【0058】なお、本実施形態では、島等の固定物標を
トゥルー処理することにより識別したが、トゥルー処理
を行わなくても、島等の固定物標を自船に対して相対的
に移動する移動物標としてみたてることにより、面相関
処理を行って識別してもよい。
【0059】また、前述の実施形態では、面相関処理を
極座標系の探知データで行った場合を示しているが、探
知データを直交座標系に変換した後に、面相関処理を行
っても、同様に面相関の効果を向上することができる。
【0060】次に、第2の実施形態に係る舶用レーダ装
置の構成について、図6〜図8を参照して説明する。図
6はレーダ探知部のブロック図であり、101はレーダ
探知部、111はアンテナ、112は探知信号受信部、
113は第1の探知データ記憶手段である第1の極座標
系メモリ、114は距離カウンタ、115はFIRフィ
ルタ、116は第2の探知データ記憶手段である第2の
極座標系メモリである。図7は距離方向の距離に応じて
方位方向に所定の拡がりを与える点拡がり関数を示した
図である。図8は第1の極座標メモリと第2の極座標メ
モリとにおける探知データの書き込み、読み出し方向を
示した図である。図9は第1の極座標メモリと第2の極
座標メモリと表示器とにおける探知データを示した図で
ある。
【0061】レーダ探知部101は、探知信号受信部1
12と第1、第2の極座標系メモリ113,116と距
離カウンタ114とFIRフィルタ115とからなる。
舶用レーダ装置の他の構成は第1の実施形態に示したも
のと同じである。
【0062】アンテナ111で受信した探知信号は、探
知信号受信部112で受信されて極座標系の探知データ
に変換され、第1の極座標系メモリ113に記憶され
る。
【0063】第1の極座標系メモリ113では、図8の
(a)に示すように、まず一つの方位における距離方向
の探知データを全て書き込み、次の方位における距離方
向の探知データを書き込んでいく。このようにして、順
に1スキャン分の探知データを記憶する。一方、探知デ
ータを出力する場合には、図8の(b)に示すように、
まず一つの距離方向の距離における方位方向の探知デー
タを全て読み出し、次の距離方向の距離における方位方
向の探知データを読み出していく。
【0064】距離カウンタ114は距離方向の情報を第
1の極座標メモリ113から受信し、各物標の距離方向
の距離データをFIRフィルタ115に出力する。
【0065】FIRフィルタは、インパルス応答を中心
に対して対称に出力する特性を有する。この特性を利用
し、距離方向の距離に応じて、フィルタ係数を変更すれ
ば、その距離に応じて、インパルス応答長、すなわち方
位方向に異なる拡がり量を有する変換を実現することが
できる。
【0066】FIRフィルタ115では、距離カウンタ
114からの距離データをもとに、その距離に応じて異
なるフィルタ係数で探知データを変換する。ここで、図
7に示すように、自船からの距離が近くなるほど、イン
パルス応答の幅が広がるように設定する。このように設
定することで、自船近くの物標を示す探知データは方位
方向に所定の拡がりをもち、距離方向に遠くなるほど、
入力された探知データと等しくなるように出力すること
ができる。
【0067】第2の極座標系メモリ116は、図8の
(c)に示すように、まず一つの距離方向の距離におけ
る方位方向の探知データを全て書き込み、次の距離方向
の距離における方位方向の探知データを書き込んでい
く。
【0068】このような方法で探知データを変換するこ
とにより、第1の極座標系メモリ113における図9の
(a)に示すような探知データを、第2の極座標系メモ
リ116における図9の(b)に示すような探知データ
に置き換えることができる。
【0069】このような変換を行うことにより、後段の
探知データ出力部で極座標系の探知データから直交座標
系の探知データに変換する際に、図9の(c)に示すよ
うに距離方向の距離に関係なく、探知データの大きさを
一定にすることができる。これにより、同じ大きさの物
標であっても、自船に近づくにしたがい探知データが小
さくなることを抑制することができる。
【0070】また、このように変換した極座標系の探知
データを直交座標系に変換した後に面相関処理を行う
と、自船近傍の物標に対して相関の対象となる探知デー
タの大きさを大きくとることができるため、小型の物標
をさらに容易に識別することができる。
【0071】
【発明の効果】この発明によれば、移動物標毎に対して
部分的な探知データを記憶する複数の記憶手段と、記憶
手段毎に面相関処理して探知データを出力する複数の面
相関処理部を備えることにより、海面反射等のノイズを
除去しながら、移動する物標を正確に識別することがで
きる舶用レーダ装置を構成することができる。
【0072】また、この発明によれば、探知データをト
ゥルー処理することにより、島等の固定物標は、面相関
処理することなく識別することができる。
【0073】また、この発明によれば、受信した探知信
号から得た探知データに自船からの距離に応じて、方位
方向に拡がりを与える関数を掛け合わせる処理を行うこ
とにより、自船近くの物標についても、十分な探知デー
タの大きさを得ることができ、自船近くの物標を容易に
識別することができる。また、直交座標系の探知データ
に変換した際に、自船近くの物標が小さくなってしまう
ことを抑制することができる。
【0074】さらに、この発明によれば、前述のように
変換した探知データを直交座標系で面相関処理を行うこ
とにより、自船からの距離に関係なく、物標の探知デー
タを十分な大きさで得ることができるため、さらに容易
に物標を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】舶用レーダ装置のブロック図
【図2】面相関処理部のブロック図
【図3】探知データ出力部のブロック図
【図4】探知データ、探知データに対する各相関処理メ
モリのアドレス配置、および相関処理メモリ毎の探知デ
ータを示した図
【図5】面相関処理部の処理内容を示した図
【図6】レーダ探知部のブロック図
【図7】距離方向の距離に応じて方位方向に所定の拡が
りを与える点拡がり関数を示した図
【図8】第1、第2の極座標系メモリにおける探知デー
タの書き込み、読み出し方向を示した図
【図9】第1、第2の極座標系メモリと表示器とにおけ
る探知データを示した図
【図10】極座標系データ点と直交座標系画像素子との
関係を示した図
【図11】直交座標系に変換した探知データを面相関処
理した状態を示した図
【符号の説明】
1−探知データ画面 10−トゥルー処理画面 11〜13−相関処理用メモリ画面 101−レーダ探知部 102−自船運動推定部 103−探知データ制御部 104−物標情報処理部 106−面相関処理部 107−探知データ出力部 111−アンテナ 112−探知信号受信部 113−第1の極座標系メモリ 114−距離カウンタ 115−FIRフィルタ 116−第2の極座標系メモリ 161a〜161n−Readアドレス計算機 162a〜162n−物標探知データ抽出部 163a〜163n−ディジタルフィルタ 164a〜164n−相関処理用メモリ 171a〜171n−探知データ部分合成部 172−探知データ全体合成部 173−座標変換部 201−GPS 202−GYRO 203−船速計 204−船舶自動識別装置(AIS) 205−自動衝突予防援助装置(ARPA)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨士川 巧 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気株 式会社内 (72)発明者 近藤 基治 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気株 式会社内 (72)発明者 柴田 彩衣 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気株 式会社内 Fターム(参考) 5J070 AC01 AC06 AC13 AC15 AD01 AE02 AF05 AH04 AH39 AJ02 AJ14 AK22 BF11 BG06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探知信号を送信し、物標からのエコー信
    号に基づいて、探知データを生成するレーダ探知部と、 移動物標を識別、且つ追尾し、各移動物標を含む所定範
    囲の探知データを該移動物標毎に記憶する複数の記憶手
    段と、 該複数の記憶手段に記憶されている探知データを該記憶
    手段毎に面相関処理する複数の面相関処理手段と、 該複数の面相関処理手段で面相関処理した探知データを
    合成して出力する出力手段とを備えたことを特徴とする
    舶用レーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記探知データのレーダ表示を、自船の
    移動をキャンセルするトゥルー処理により行う探知デー
    タ制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の
    舶用レーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記レーダ探知部は、前記探知データ
    を、極座標において自船からの距離に応じて方位方向に
    所定の拡がりを与えるように変換する変換手段と、該変
    換された探知データを記憶する探知データ記憶手段とを
    備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の舶用レーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記面相関処理手段は、前記変換手段に
    より変換された探知データを用いて面相関処理を行うこ
    とを特徴とする請求項3に記載の舶用レーダ装置。
  5. 【請求項5】 探知信号を送信し、物標からのエコー信
    号に基づいて、探知データを生成するレーダ探知部と、
    該探知データを面相関処理する面相関処理部と、該面相
    関処理部で面相関処理した探知データを出力する出力部
    とを備えた舶用レーダ装置において、 前記レーダ探知部は、前記探知データを、極座標におい
    て自船からの距離に応じて方位方向に所定の拡がりを与
    えるように変換し、 前記面相関処理部は、前記レーダ探知部で生成された探
    知データを極座標系から直交座標系に変換し、該直交座
    標系の探知データで面相関処理することを特徴とする舶
    用レーダ装置。
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