JP2003315128A - 熱式流量計測装置 - Google Patents
熱式流量計測装置Info
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Abstract
素子の経年変化による流量計測誤差が生ぜず、好ましく
は周囲温度上昇によっても流量計測精度を維持できる熱
式流量計測装置を提供する。 【解決手段】 ヒータ素子の通流方向上下流にもうけた
第1、第2のサーモパイルで流体の通流方向上下流の温
度を計測し流量を計測するため測温センサの自己発熱に
よる誤差が生じない。またヒータ制御手段で周囲温度の
変化に応じて、第1、第2のサーモパイルの測温温度の
平均値を周囲温度よりも一定温度だけ高く維持するた
め、ヒータ素子の劣化によって上記サーモパイルの測温
温度の平均値が影響を受けない。好ましくはヒータ制御
手段で周囲温度の上昇よりもヒータ素子温度と周囲温度
との差を大きくするように制御することで、周囲温度上
昇による流量センサの感度低下を軽減する。
Description
ンサにおける自己発熱やヒータ素子の経年変化にかかわ
ることなく、高精度な流量計測を行い得る熱式流量計測
装置に関する。
は、たとえば図5に示すようにシリコン基板B上に設け
た発熱抵抗体からなるヒータ素子Rhを間にして、流体
の通流方向Fに測温抵抗体からなる一対の温度センサR
u、Rdを設けた素子構造を有する。この熱式流量計測
装置は、図6に示すように、上記ヒータ素子Rhに供給
される電流によって発せられる熱で生じる前記流体の通
流方向Fにおける温度分布(以下「ヒータ周辺温度分
布」という)が前記流体の流速によって変化することを
利用し、測温抵抗素子である温度センサRu,Rdの温
度による抵抗値変化から、前記流体の流量を検出するよ
うに構成される。
め、ヒータ制御手段がヒータ素子Rhを駆動・制御して
おり、ヒータ制御手段は、図5中、前記ヒータ素子Rh
から離れた位置に設けられた周囲温度測温センサ素子を
なす周囲温度測温抵抗素子Rrを用いて、周囲温度(計
測対象である流体の温度)を計測し、ヒータ素子Rhと
周囲温度との温度差((ヒータ素子Rhの温度)−(周
囲温度)、以下「(ヒータ温度−周囲温度)DT」と表
示する)を常に一定に保つようにしている。
図6に示すように、流体の流量Qがゼロの場合には、通
流方向下流側の温度は通流方向上流側の温度と同一とな
り、流体の流量Qがゼロでない場合には、下流側の温度
が上流側の温度よりも高くなる。そこで熱式流量計測装
置は、通流下流側の温度センサRdと通流上流側の温度
センサRuとの測温結果から、下流側と上流側との温度
差を流量センサの出力として検出し流量Qを計測するも
のである。
は、温度センサRu,Rdの温度による抵抗値変化を電
流により電圧に変換して計測される。そのため、温度セ
ンサRu,Rd(通流上下流の温度センサ)が上記電流
による自己発熱で温度上昇し、流量Qの計測に誤差が生
じてしまうという問題がある。こうした通流上下流の温
度センサによる自己発熱による流量計測の誤差を生じさ
せない熱式流量計測装置として、たとえば特開2001
−249040号公報に、ヒータ制御手段が(ヒータ温
度−周囲温度)DTを一定値に維持して、ヒータ素子の
上流、下流に設けられたサーモパイル(熱電対)でヒー
タ周辺温度分布を測定することにより流体の流量を計測
する熱式流量計測装置が開示されている。
量計測装置では、図7に示すように、ヒータ制御手段
(増幅器1及びトランジスタ2)が、周囲温度測温セン
サ素子によって周囲温度を電圧として測定し、この測定
結果をヒータ素子Rhの電圧と比較することにより、両
者が同一電圧になるようにヒータ素子Rhに流れる電流
を制御するものとなっている。
抵抗素子Rrと抵抗R1を、直列接続されたヒータ素子
Rhと抵抗R2に並列接続してブリッジ回路を形成し、
ブリッジ回路に供給される電流によってブリッジ回路の
出力が平衡するようにヒータ制御手段がヒータ素子Rh
に流れる電流を制御する。したがって、周囲温度がT℃
のときの周囲温度測温抵抗素子Rrの電圧降下(Er
t)と等しい電圧(Ert)がヒータ素子Rhに印加さ
れる。ところが、ヒータ素子Rhは発熱によって経年変
化してその抵抗値が変化することが否めず、ヒータ素子
Rhの抵抗値が経年変化すると、ヒータ駆動電流は変動
し、ヒータ素子の発する熱量の経年変化が生じて、ヒー
タ周辺温度分布に経年変化が生じることになる。こうし
て上述の熱式流量計測装置では、経年変化によって流体
の流量計測に誤差を生じるという問題がある。
に制御する熱式流量計測装置では、図8の流量計測特性
に示すように、周囲温度の上昇に対して流量センサの出
力が低下(感度低下)することが知られており、好まし
くは、周囲温度上昇によっても流量計測精度を維持する
ことが望まれる。なお図8の温度は周囲温度である。本
発明は、上記問題を解決するためになされたものであ
り、通流上下流の温度センサの自己発熱や、流量センサ
のヒータ素子の経年変化による流量計測に誤差が生じる
ことがなく、好ましくは、周囲温度上昇によっても流量
計測精度を維持できる熱式流量計測装置を提供すること
を目的とする。
に、本発明の請求項1における熱式流量計測装置では、
流量センサが備えた周囲温度測温センサ素子による測温
温度の変化に応じて、第1および第2のサーモパイルの
測温温度の平均値を周囲温度測温センサ素子による測温
温度よりも一定温度だけ高く維持するヒータ制御手段を
備える。
度を周囲温度よりも一定値だけ高くするものではなく、
第1および第2のサーモパイルの測温温度の平均値を周
囲温度よりも一定温度だけ高く維持するものであるた
め、ヒータ素子が経年変化してその抵抗値が変化して
も、第1および第2のサーモパイルの測温温度の平均値
が影響を受けないものとなる。
流体の通流方向にそれぞれ設けられた第1および第2の
サーモパイルの熱起電力で、流体の通流方向上下流にお
ける流体の温度を計測する。したがって通流上下流の温
度センサに流れる電流に起因する通流上下流の温度セン
サの自己発熱による流量計測の誤差が生ずることなく高
精度の流量計測が可能となる。
ーモパイルとの測温温度差から流量センサを通流する流
体の流量を計測する流量計測手段を備えたこの熱式流量
計測装置は、流体の流量をヒータ素子の経年変化にかか
わらず正確に計測でき、且つ通流上下流の温度センサの
自己発熱による流量計測の誤差なく流体の流量を正確に
計測できる。
置では、ヒータ制御手段は、前記第1および第2のサー
モパイルの測温温度の平均値を維持すると共に、周囲温
度測温センサ素子による測温温度上昇に応じて(ヒータ
温度−周囲温度)DTを周囲温度の上昇よりも大きくす
るように、前記ヒータ素子のヒータ温度を制御する。し
たがって、熱式流量計測装置は(ヒータ温度−周囲温
度)DTを周囲温度の上昇よりも大きくすることが可能
となり、周囲温度上昇に対する流量センサの感度低下を
補償して高精度の流量計測を実現することができる。
置では、流量センサの周囲温度測温センサ素子は測温抵
抗素子であって、この測温抵抗素子に抵抗温度係数設定
用抵抗素子が接続されている。この測温抵抗素子による
抵抗温度係数設定により、熱式流量計測装置は(ヒータ
温度−周囲温度)DTを周囲温度の上昇よりも大きくす
ることが可能となり、周囲温度上昇に対する流量センサ
の感度低下を補償して高精度の流量計測を実現すること
ができる。
実施形態に係る熱式流量計測装置を説明する。図1は、
本発明に係る熱式流量計測装置の一実施形態の要部概略
構成図である。図1(a)に示す熱式流量計測装置10
は、通流上流温度センサにサーモパイルTpu、通流下
流温度センサにサーモパイルTpdを使用し、これらサ
ーモパイルの間にヒータ素子Rhを設けた流量センサ1
1を有している。
ンサと同様に構成されており、図5における通流方向F
の上流側温度センサRuの位置に上流温度センサである
サーモパイルTpuが、通流方向Fの下流側温度センサ
Rdの位置に下流温度センサであるサーモパイルTpd
が、そして周囲温度測定抵抗素子Rrの位置に同じく周
囲温度測定抵抗素子Rrまたは周囲温度測温サーモパイ
ルTprが設けられている。
に対応してサーモパイルTpuおよびサーモパイルTp
dの平均測温温度を制御するために、基準電圧源12の
出力端子12a、12bから出力される基準電圧Vre
fと、直列接続されたサーモパイルTpuおよびサーモ
パイルTpdの測温温度の合計値(平均値)に応じた熱
起電力とを比較して、この比較結果に基づきヒータ素子
Rhの駆動電圧を発生する増幅器13(ヒータ制御手
段)を有している。
直列接続されたサーモパイルTpuとサーモパイルTp
dから、上流側と下流側の測温温度による熱起電力の合
計値が入力されるが、この場合、合計値は平均値の2倍
であり、増幅器13の利得設定やヒータ制御手段の利得
の設定等で、合計値を平均値として取り扱うことができ
る。なお図1(a)中のCは増幅器13に負帰還をかけ
てヒータ制御手段の動作を安定化する。
測手段であるサーモパイルTpuの両端電圧を検出する
増幅器14と、サーモパイルTpdの両端電圧を検出す
る増幅器15と、増幅器15の出力電圧から増幅器14
の出力電圧を減算する減算器16とを備えている。減算
器16はサーモパイルTpdの両端電圧とサーモパイル
Tpuの両端電圧と減算し、サーモパイルTpdとサー
モパイルTpuとの温度差を検出する流量センサ出力回
路の作用を有する。なお、各増幅器13〜15は高入力
インピーダンスであるとする。
による流量計測について、周囲温度が一定で流量がゼロ
の場合と、ゼロでない場合の流量計測を説明し、さらに
周囲温度が上昇した場合における流量センサの感度低下
の軽減の作用を説明する。まず、周囲温度が一定で流量
がゼロの場合については、周囲温度が20℃のときを例
に説明する。
分布は、図2(a)に示すように、ヒータ素子Rhが配
置された位置(図中Hと表示する)を中心として対称に
分布する。そして周囲温度が20℃で一定であるとする
と、サーモパイルTpu、Tpdが配置された位置(そ
れぞれU、Dと表示する)の温度は同一で30℃となっ
て流量センサ11のヒータ周辺温度分布が安定するもの
とする。
することによって実現される。すなわち増幅器13の非
反転入力端子に、基準電圧源12から周囲温度が20℃
のときの基準電圧Vrefが入力されているときに、増
幅器13が平衡するためには、この基準電圧Vrefに
対して、サーモパイルTpuおよびサーモパイルTpd
のそれぞれ30℃における熱起電力の合計値60℃(平
均値30℃)が増幅器13の反転入力端子に入力される
必要がある。この平衡状態を実現するため、位置U、D
の温度の合計値(平均値)が合計値60℃(平均値30
℃)となるように、増幅器13はヒータ素子Rhに電圧
を印加する。
の温度の合計値(平均値)は、増幅器13で駆動された
ヒータ素子Rhが発する熱で維持されている。このと
き、たとえば(ヒータ温度−周囲温度)DTは45℃と
なって、位置Hの温度は65℃となるものとする。こう
した熱式流量計測装置10による(ヒータ温度−周囲温
度)DTの制御においては、ヒータ素子Rhの経時変化
が生じても、流量センサのヒータ周辺温度分布に従来の
熱式流量計測装置のような経時変化が生じることはな
い。
おいて、増幅器13の非反転入力端子には前述の基準電
圧Vrefが入力されている。したがって経時変化でヒ
ータ素子Rhの抵抗値が増加しても、サーモパイルTp
uおよびサーモパイルTpdのそれぞれ30℃における
熱起電力の合計値が60℃(平均値30℃)に対応する
電圧になって、増幅器13が平衡する。すなわちヒータ
周辺温度分布に経時変化は生じない。
タ素子Rhの経時変化が生じても、流量センサ11のヒ
ータ周辺温度分布にも経時変化が生じることを防止する
作用を有すると共に、サーモパイルTpuおよびサーモ
パイルTpdの測温温度が熱起電力として得られ、通流
上下流の温度センサに電流が流れないため、自己発熱に
よる流量計測誤差が生じない。
イルTpdの測温温度に差がないときには、減算器16
はゼロ(V)(流量ゼロに相当する)を出力する。な
お、増幅器13を上記のようにフィードバック制御動作
をさせる基準値を与える前述の基準電圧Vrefは以下
のようにして発生される。図1(b)に示す基準電圧源
12は、サーモパイルTprに生じた熱起電力にオフセ
ットを加えて増幅器12cで増幅することで基準電圧V
refを発生する。同様に、図1(c)に示す基準電圧
源12は、周囲温度測温抵抗素子Rrの両端電圧に増幅
器12cでオフセットを加えて増幅することで、基準電
圧Vrefを発生する。なお図1(c)中R12は周囲
温度測温抵抗素子Rrに電流を供給するための抵抗素子
である。
いて、流量がゼロからQ1に増加したときの流量計測に
ついて説明する。ヒータ素子Rhが発した熱は、流体と
共に流量センサ11の外部に流出するので、流量がゼロ
からQ1に増加すると、この流出熱量が増加する。した
がってヒータ素子Rhの発する熱量が増加しない限り、
位置Dおよび位置Uにおける測温温度の平均値が減少す
る。そうすると位置Dおよび位置Uの測温温度の差も減
少する。たとえば、図2(b)に示すように、位置Uの
温度は27℃となり位置Dの温度は29℃となって、こ
れらの合計値は56℃であり(平均値は28℃)とな
り、上記各サーモパイルTpd、Tpuの測温温度差は
2℃になってしまう如くである。
に伴いサーモパイルTpuおよびサーモパイルTpdの
測温温度の温度差が減少し、流量計測特性を示す曲線
は、高流量領域でその傾斜が減少することになる。この
ことは高流量領域で流量センサの誤差発生原因となり、
また流量センサの流量計測範囲を狭めることになる。し
かし、熱式流量計測装置10では、周囲温度が一定のと
きには、増幅器13は、流量の変化に依存することな
く、周囲温度が一定(たとえば前述20℃)のときの基
準電圧Vrefに基づいて、流量がゼロの場合と同様
に、位置Dおよび位置Uにおける測温温度の平均値(た
とえば前述30℃)を制御する。
温温度との平均値が30℃になるまで、増幅器13がヒ
ータ素子Rhに印加する電圧を上昇させて(ヒータ温度
−周囲温度)DTを増加させる。周囲温度が20℃で流
量Q1の場合に、図2(c)に示すように、たとえば
(ヒータ温度−周囲温度)DTが50℃(ヒータ温度7
0℃)となることで増幅器13が平衡したとする。そし
てこの平衡状態では、位置Uの温度は28℃となり位置
Dの温度は32℃であるとする。そしてサーモパイルT
puおよびサーモパイルTpdの測温温度の差に基づ
き、減算器16は流量Q1に相当する電圧を出力する。
サーモパイルTpu,Tpdの測温温度の平均値を周囲
温度よりも一定温度だけ高く維持するものであるため、
図3(a)の20℃の流量計測特性曲線に示すように、
流体の流量増加によって生じる高流量領域での流量計測
特性曲線の傾斜減少を軽減する作用を有し、したがって
高流量領域での流量計測の誤差を軽減する作用も有する
ことになる。
測について説明する。周囲温度が(20+α)℃に上昇
した場合において流量がゼロのときには、増幅器13の
反転入力端子に、基準電圧源12から周囲温度が(20
+α)℃のときの基準電圧Vrefが入力される(αは
20℃からの温度上昇分)。このとき増幅器13は、こ
の基準電圧Vrefに対して、位置U、Dの温度の平均
値が(30+α)℃となるようヒータ素子Rhをフィー
ドバック制御して(ヒータ温度−周囲温度)DTが維持
されることになる。たとえば周囲温度30℃において、
前述(周囲温度20℃)の流量ゼロにおける(ヒータ温
度−周囲温度)DTの45℃が維持される如くである。
周囲温度が(20+α)℃において流量がQ1ときに
も、同様である。
u,Tpdの測温温度の平均値を周囲温度よりも一定温
度だけ高く維持すれば、(ヒータ温度−周囲温度)DT
を一定に維持する場合の流量計測特性(図8)よりも、
流量計測特性曲線の傾斜減少を軽減等できるが、図3
(a)の(−20)℃や60℃の流量計測特性曲線に示
すように、周囲温度の上昇に伴う流量センサの感度低下
が生じることが否めない。
温度−周囲温度)DTを周囲温度上昇よりもさらに大き
くすることで、上記感度低下を軽減する作用について説
明する。図1(c)に示す基準電圧源12において、抵
抗素子Rxを周囲温度測温抵抗素子Rrに並列接続し、
この並列接続回路の抵抗温度係数を設定する。たとえ
ば、20℃における周囲温度測温抵抗素子Rrの抵抗値
と抵抗Rxの抵抗値が等しく、周囲温度測温抵抗素子R
rの抵抗温度係数がα1であり抵抗Rxの抵抗温度係数
がゼロならば、上記温度係数は(α1)/2になるが如
くに、上記温度係数を任意に設定することができる。
より、基準電圧源12が出力する基準電圧Vrefの周
囲温度変化に対する変化を適宜設定できる。したがって
サーモパイルTpu,Tpdの測温温度の平均値を、周
囲温度の上昇よりも、大きく上昇させて、増幅器13を
平衡させることが可能となる。そうすると(ヒータ温度
−周囲温度)DTを周囲温度の上昇よりも大きくするこ
とが可能となり、ヒータ周辺温度分布の傾きを増加させ
ることができ、サーモパイルTpu,Tpdの測温温度
の差を大きくすることが可能となる。こうして温度上昇
の伴う流量センサの感度低下が軽減され、図3(c)に
示す流量計測特性曲線のように、周囲温度上昇に伴う流
量センサの感度低下を軽減できる。
センサのヒータ素子の経年変化による流量計測に誤差が
生じることがないことに加えて、周囲温度上昇によって
も流量計測精度を維持できる熱式流量計測装置の提供が
可能となる。なお図1(b)(c)に示す基準電圧源1
2において、サーモパイルTprの熱起電力または周囲
温度測温抵抗素子Rrの両端電圧を増幅してオフセット
を付加することでも、上記のように増幅器13を平衡さ
せ、サーモパイルTpu,Tpdの測温温度の平均値を
周囲温度の上昇よりも大きく上昇さることとができるが
如く、基準電圧源12は上記の実施形態に限定されな
い。
の変形例の要部概略構成図を示す。なお図1の熱式流量
計測装置10と同様の機能を有する構成要素については
同一の符号を付してその説明を省略する。図4に示す熱
式流量計測装置20は、流量センサ11、基準電圧源1
2、増幅器13〜15、演算装置21、増幅器22を有
する。演算装置21は、主に中央演算ユニット(以下
「CPU」と表示する)21aと入力インターフェース
21b及び出力インターフェース21cとを有してい
る。そして入力インターフェース21bはAD変換器
(アナログ・ディジタル変換器、図示せず)を有してお
り、出力インターフェース21cはDA変換器(ディジ
タル・アナログ変換器、図示せず)を有している。増幅
器22は出力インターフェース21cのDA変換器出力
でヒータ素子Rhを駆動する。図4中の21dは流量セ
ンサ出力端子である。
およびサーモパイルTpdの測温温度の合計値(平均
値)に対応した熱起電力と基準電圧源12からの基準電
圧Vrefとを比較して、その出力を演算装置21の入
力インターフェース21bが有するAD変換器を介して
CPU21aに伝達する。CPU21aは、各サーモパ
イルTpu、Tpdの測温温度の合計値(平均値)と基
準電圧Vrefとが同一電位になるようにヒータ素子R
hを駆動すべく演算を行い、出力インターフェース21
cのDA変換器および増幅器22を介してヒータ素子R
hを駆動する。
Vrefによって、サーモパイルTpuおよびサーモパ
イルTpdの測温温度の合計値(平均値)が制御され、
この結果、熱式流量計測装置20は前述の熱式流量計測
装置10と同様にサーモパイルTpuおよびサーモパイ
ルTpdの測温温度を制御することができる。また、増
幅器14はサーモパイルTpuの熱起電力を増幅し、そ
の出力を演算装置21の入力インターフェース21bが
有するAD変換器を介してCPU21aに伝達し、増幅
器15もサーモパイルTpdの熱起電力を同様にCPU
21aに伝達する。CPU21aは、サーモパイルTp
uの熱起電力とサーモパイルTpdの熱起電力との差か
ら流量Qを演算して出力インターフェース21cを介し
て流量センサ出力端子21dから外部機器(図示せず)
に出力する。
量計測装置10と同様に、ヒータ素子Rhの経時変化が
生じても、流量センサ11のヒータ周辺温度分布に経時
変化が生じることを防止する作用を有し、サーモパイル
TpuおよびサーモパイルTpdの測温温度が熱起電力
として得られるので、通流上下流の温度センサによる自
己発熱で測温に誤差が生じることがない。さらに前述の
ように基準電圧Vrefの周囲温度変化に対する変化を
周囲温度の上昇よりも大きくすることで、図3(c)に
示す流量計測特性曲線のように、周囲温度上昇に伴う流
量センサの感度低下を軽減することもできる。
センサのヒータ素子の経年変化による流量計測に誤差が
生じることがなく、且つ周囲温度上昇によっても流量計
測精度を維持できる熱式流量計測装置の提供が可能とな
る。なお、基準電圧Vrefを増幅器13および入力イ
ンターフェース21bが有するAD変換器を介してCP
U20bに入力し、CPU20bが、基準電圧Vref
とサーモパイルTpuの熱起電力とTpdの熱起電力と
の平均値から、両者を一致させる演算を行い、出力イン
ターフェース21cのDA変換器および増幅器22を介
してヒータ素子Rhを駆動するものであってもよい。
装置は、上述した実施形態に限定されるものではなく、
その趣旨を逸脱しない範囲で変形して実施することがで
きる。
に記載の熱式流量計測装置では、ヒータ素子が経年変化
してその抵抗値が変化しても、第1および第2のサーモ
パイルの測温温度の平均値制御に影響が生ずることがな
いので、ヒータ素子の経年変化にかかわらず流体の流量
を正確に計測でき、且つ通流上下流の温度センサの自己
発熱による流量計測の誤差もない熱式流量計測装置を実
現することができる。
温度)DTを周囲温度の上昇よりも大きくすることがで
き、周囲温度上昇に対する流量センサの感度低下を補償
して高精度の流量計測が可能な熱式流量計測装置を実現
することができる。請求項3の発明では、測温抵抗素子
と抵抗温度係数設定用抵抗素子とによる抵抗温度係数設
定により(ヒータ温度−周囲温度)DTを周囲温度の上
昇よりも大きくすることが可能となり、周囲温度上昇に
対する流量センサの感度低下を補償して高精度の流量計
測が可能な熱式流量計測装置を実現することができる。
要部概略構成図である。
を説明するグラフである。
するグラフである。
の一例を示す要部概略構成図である。
を説明するグラフである。
部概略構成図である。
グラフである。
子) Tpr 周囲温度測温サーモパイル(周囲温度測温セ
ンサ素子) Rx 抵抗(抵抗温度係数設定用抵抗素子)
Claims (3)
- 【請求項1】 ヒータ素子、このヒータ素子を間にして
流体の通流方向にそれぞれ設けられた第1および第2の
サーモパイル、およびその周囲温度を検出する周囲温度
測温センサ素子を備えた流量センサと、 前記周囲温度測温センサ素子による測温温度の変化に応
じて、前記第1および第2のサーモパイルの測温温度の
平均値を前記周囲温度測温センサ素子による測温温度よ
りも一定温度だけ高く維持するように、前記ヒータ素子
のヒータ温度を制御するヒータ制御手段と、 前記第1のサーモパイルと前記第2のサーモパイルとの
測温温度差から前記流量センサを通流する流体の流量を
計測する流量計測手段とを備えたことを特徴とする熱式
流量計測装置。 - 【請求項2】 前記ヒータ制御手段は、 前記周囲温度測温センサ素子による測温温度上昇に応じ
て、前記第1および第2のサーモパイルの測温温度の平
均値を、前記周囲温度測温センサ素子による測温温度上
昇よりもさらに高く維持するように、前記ヒータ素子の
ヒータ温度を制御することを特徴とする請求項1に記載
の熱式流量計測装置。 - 【請求項3】 請求項2に記載の熱式流量計測装置にお
いて、 前記周囲温度測温センサ素子は測温抵抗素子であって、
この測温抵抗素子に抵抗温度係数設定用抵抗素子が接続
されたことを特徴とする熱式流量計測装置。
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JP (1) | JP2003315128A (ja) |
-
2002
- 2002-04-26 JP JP2002127059A patent/JP2003315128A/ja active Pending
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