JP2003314738A - 流量制御弁 - Google Patents

流量制御弁

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JP2003314738A
JP2003314738A JP2002120085A JP2002120085A JP2003314738A JP 2003314738 A JP2003314738 A JP 2003314738A JP 2002120085 A JP2002120085 A JP 2002120085A JP 2002120085 A JP2002120085 A JP 2002120085A JP 2003314738 A JP2003314738 A JP 2003314738A
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Japan
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mover
control valve
flow control
movable element
axial direction
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JP2002120085A
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Akira Kunishima
旭 國島
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Bosch Corp
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Bosch Automotive Systems Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動子の軸線の偏りを抑えることで可動子の
渋りや磨耗を低減し、もって、耐久性の向上を図ると共
に、安定した流量制御を得ることができる流量制御弁を
提供する。 【解決手段】 可動子32の軸方向と直交する方向への
動きを規制するための規制手段を設ける。規制手段とし
ては、可動子32の周囲に非磁性材料によって形成され
ると共に内面に環状凹部51を有する筒状の保持環50
を設け、可動子32に、一端が環状凹部51と対向する
周面に開口し、他端が可動子32を配設する内部空間に
開口して液体を流入可能とする連通路52を設けて構成
する。環状凹部51によって可動子32の周囲に満たさ
れた液体の圧力バランスを利用して、可動子32の軸線
の位置ずれを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁力により流
路面積を調整して液体の流量を制御する流量制御弁に関
し、機関などに用いる燃料調量用の制御弁として好適な
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の流量制御弁として、図8に示さ
れる電磁型の流量制御弁を用いことが検討されている。
これは、ハウジングA内に形成された内部空間Bに配設
されて自身の軸線方向に移動可能な可動子Cと、この可
動子Cの動きに応じて液体の流路面積を制御する弁部材
Dとを備えているもので、可動子Cを軸方向の離れた複
数箇所(2箇所)にガイド部E,Fを設け、このガイド
部E,Fによって可動子Cをクリアランスを持たせた状
態で移動可能に支持するようにしている。
【0003】ハウジングA、可動子CのアンカーC’、
及びガイド部Eは磁性材料によって形成されており、可
動子Cの周囲には、ハウジングAに収容された円筒状の
ソレノイドGが設けられている。したがって、ソレノイ
ドGへの通電により、図中の破線に示されるように、ハ
ウジングA、ガイド部E、可動子CのアンカーC’によ
って磁束が通過する磁気閉回路が形成され、可動子Cを
軸線方向に移動させる電磁力を発生させるようにしてい
る。そして、ソレノイドGに供給される電流又は電圧を
調節することで電磁力を変化させ、これにより可動子C
の軸方向の位置、即ち、弁部材Dの位置を変化させ、弁
部材Dを介して流れる液体の流量を調節するようにして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
流量制御弁を機関の燃料調量用として用いる場合には、
可動子Cの軸線を水平またはこれに近い状態にして配設
せざるを得ない場合があり、そのような場合には、次の
ような不都合が生じるおそれが懸念されている。即ち、
可動子Cの軸線を水平またはこれに近い状態で配設する
と、図8(b)に模式的に示されるように、可動子Cが
自重により下方へずれることから、ガイド部Eと可動子
Cとの間のクリアランスに偏りが生じ、可動子Cの下方
のクリアランスが上方よりも小さくなる。このため、こ
のような可動子の軸線がずれた状態でソレノイドGに通
電すると、可動子Cの下部を通過する磁束が多くなり、
可動子Cを下方へ吸引しようとする磁気力が他の部分に
比べて大きくなり、可動子Cの下部がガイド部E,Fと
強く接触し、この接触した状態で可動子Cが移動するこ
ととなるので渋りや摺動磨耗が生じ、耐久性が低下する
と共に、適正な可動子Cの動きが阻害されて安定した流
量制御が得られなくなるおそれがある。特に、この流量
制御弁をコモンレールシステムの燃料供給ポンプへ燃料
を供給する調量弁として用いる場合には、コモンレール
内の燃料の圧力制御不良を起こし、エンジン異音の発生
などの原因となる。
【0005】そこで、この発明においては、可動子の軸
線の偏りを抑えることで可動子の渋りや磨耗を低減し、
もって、耐久性の向上を図ると共に、安定した流量制御
を得ることができる流量制御弁を提供することを主たる
課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明に係る流量制御弁は、内部にソレノイドを
収容したハウジングと、前記ハウジング内に形成された
内部空間に配設され、自身の軸方向に移動可能な可動子
と、この可動子の軸方向位置に応じて流路面積を制御す
る弁部材と、前記可動子を移動可能に保持するガイド部
とを備え、前記ソレノイドへの通電により、前記ハウジ
ングと前記可動子との間で前記ガイド部を介して磁束を
通過させ、これにより前記可動子を移動させる電磁力を
発生させると共に、前記ソレノイドへの通電量を制御し
て前記可動子の軸方向位置を調節するようにしている構
成において、前記可動子の軸方向と直交する方向への動
きを規制するための規制手段を設けたことを特徴として
いる(請求項1)。
【0007】したがって、流量制御弁が可動子の軸線を
水平又はこれに近い状態に設置された場合においても、
規制手段によって可動子の軸方向と直交する方向への動
きが規制されるので、可動子がガイド部に強く押し当て
られる不都合を回避又は低減することが可能となる。
【0008】前記規制手段としては、具体的には、前記
可動子の周囲に非磁性材料によって形成されると共に内
面に凹部を有する筒状の保持環を設け、前記可動子に、
一端が前記凹部と対向する周面に開口し、他端が内部空
間に開口して前記液体を流入可能とする連通路を設けて
構成するようにしてもよい(請求項2)。
【0009】このような構成においては、連通路を介し
て保持環の凹部に流入される液体が可動子の周面に導か
れることになる。このため、可動子が軸方向と直交する
方向へ移動して軸線がずれた場合には、ずれた側におい
て保持環との間のクリアランスが相対的に小さくなるの
で、その部分の凹部に満たされた液体の圧力が他の部分
よりも相対的に大きくなり、ずれた方向と反対側の方向
へ可動子を付勢する力が作用し、可動子の軸方向と直交
する方向への動きが規制されることとなる。このよう
に、可動子の周囲に満たされる液体の圧力バランスを利
用して、可動子の軸線のずれを防止するようにしてい
る。
【0010】ここで、連通路は、可動子の軸線方向に沿
って穿設された縦孔と、この縦孔に一端が連通し他端が
内部空間に開口する横孔とによって構成されるとよい
(請求項3)。特に、可動子を積極的に回転させて特定
部分での摺動磨耗の恐れを回避するために、連通路の横
孔を、可動子の周面に開口する部分が可動子の軸線と縦
孔とを含む平面からずれた位置に形成されることが好ま
しい(請求項4)。
【0011】また、上記課題を達成するために、可動子
とガイド部との間に形成されるクリアランスに偏りが生
じないようにするために、ガイド部とは別に可動子を移
動可能に保持する保持器を設けて規制手段を構成するよ
うにしてもよい(請求項5)。
【0012】このような構成においては、流量制御弁が
可動子の軸線を水平又はこれに近い状態に設置した場合
においても、保持器によって可動子の回りに形成される
クリアランスの偏りを無くすことができ、可動子の軸方
向と直交する方向への動きが規制されることとなる。
【0013】さらに、上記課題を達成するために、規制
手段を、非磁性材料によって形成されたスリーブを可動
子の周面に対向して設け、可動子の軸方向と直交する方
向へのずれ量に応じた付勢力を、スリーブに対してずれ
量を小さくする方向へ付勢する付勢手段を設けて構成す
るようにしてもよい(請求項6)。
【0014】このような構成においては、流量制御弁が
可動子の軸線を水平又はこれに近い状態に設置された場
合においても、付勢手段によって、スリーブには可動子
の軸線のずれ量に応じた付勢力が付与されるので、可動
子の軸線のずれを規制することができ、可動子がガイド
部に強く押し当てられる不都合を回避又は低減すること
が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明する。本発明における流量制御弁は、車両
の燃料噴射システムにおいて低圧側から高圧側へ供給さ
れる液体燃料の流量を調整する調量弁として用いる場合
等に適したものであり、以下においては、コモンレール
システムに利用した場合の例が示されている。
【0016】図1において、コモンレールシステムの全
体概略構成が示されている。このコモンレールシステム
は、燃料を格納する燃料タンク1と、燃料を加圧供給す
る燃料供給ポンプ2と、燃料供給ポンプ2から供給され
た高圧燃料を蓄積するコモンレール3と、内燃機関の気
筒毎に設けられたインジェクタ4とを有して構成されて
いる。
【0017】このシステムにおいては、燃料タンク1と
燃料供給ポンプ2とを接続する配管5と、燃料供給ポン
プ2とコモンレール3とを接続する配管6と、コモンレ
ール3と各インジェクタ4とを接続する配管7とを有
し、燃料タンク1から吸い上げられた燃料油を燃料供給
ポンプ2で加圧した後にコモンレール3へ圧送し、この
コモンレール3から各インジェクタ4へ供給するように
なっている。また、このシステムは、燃料供給ポンプ2
へ送られる所定圧以上の燃料油を戻し管8を介して燃料
タンク1に戻すと共に、コモンレール3内の規定圧以上
の燃料油やインジェクタ4の噴射中においてリークする
燃料油を戻し管9を介して燃料タンク1へ戻すようにし
ている。
【0018】燃料供給ポンプ2は、導入される燃料を加
圧して圧送するサプライポンプ10と、燃料油の流量を
調節する流量制御弁11と、燃料タンク1の低圧燃料を
吸い上げるギアポンプによって構成されたフィードポン
プ12とを一体に組み付けて構成されているもので、燃
料制御弁11は、フィードポンプ12からサプライポン
プ10へ至る燃料経路の途中に設けられている。したが
って、流量制御弁11によってフィードポンプ12から
サプライポンプ10へ供給される燃料流量が調量され、
サプライポンプ10へ供給された燃料は、図示しないプ
ランジャ4によって加圧され、コモンレール2へ圧送さ
れるようになっている。ここで、流量制御弁11は、取
付け箇所との関係から後述する可動子の軸線をほぼ水平
にして配設されており、電子式コントロールユニット
(ECU)13によって弁開度が電磁的に制御されるよ
うになっている。
【0019】尚、電子式コントロールユニット(EC
U)13は、図示しないセンサ類、スイッチ類で検出さ
れた車両側情報やコモンレール側情報に基づき、最適な
流量が得られるように流量制御弁11を制御すると共
に、最適な噴射時期と噴射量が得られるようにインジェ
クタ4を制御するようになっている。
【0020】図2に流量制御弁11の具体的構成例が示
されている。この流量制御弁11は、一端が開口し、他
端が閉塞されたケース部材21と、このケース部材21
の開口端を閉塞するように組み付けられたコア22とを
有し、これらケース部材21とコア22とによってハウ
ジング23が構成されている。ケース部材21及びコア
22は磁性材料によって形成されており、ケース部材2
1には、入力ソケット部24を備えた樹脂部材25が閉
塞端側から一体的に組み付けられている。
【0021】ケース部材21は、閉塞端側が径を小さく
した小径部21aに形成され、開口端側が小径部21a
よりも径を大きくした大径部21bに形成されており、
ケース部材21の大径部21bの内部には、円筒状のソ
レノイド26が収容固定されている。ソレノイド26
は、小径部27aと大径部27bとを備えた円柱形状を
なすボビン27の外周に励磁コイル28を巻設して構成
されているもので、この励磁コイル28は、樹脂部材2
5の入力ソケット部24に電気的に接続され、この入力
ソケット部24を介して前記電子式コントロールユニッ
ト(ECU)13から通電されるようになっている。
【0022】コア22は、ケース部材21の開口端部に
嵌合するフランジ部22aと、このフランジ部22aか
らケース部材21の内側に向けて延設され、前記ボビン
27の大径部27bの内面にシール部材29を介して嵌
入される第1シリンダ部22bと、フランジ部22aか
ら第1シリンダ部22bとは反対側に延設され、燃料供
給ポンプ2のサプライポンプ10にシール部材30を介
して組み付けられる第2シリンダ部22cとを有して構
成されている。
【0023】したがって、ハウジング内には、ケース部
材21の小径部21aの内側からソレノイド26の内側
を通ってコア22の第1シリンダ部22bに至る内部空
間31が形成され、この内部空間31に可動子32が自
身の軸方向に移動可能に収容されている。
【0024】可動子32は、軟鉄系の磁性材料によって
形成された円柱形状のアンカー33と、このアンカー3
3の中心に穿設された中心孔33aに圧入され、アンカ
ー33と一体をなして移動する非磁性材料によって形成
されたアンカーロッド34とにより構成されている。
【0025】ケース部材21の小径部21aの内周面に
は、磁性材料で形成された筒状のブッシュ35が嵌入さ
れており、このブッシュ35は、その内径が可動子32
のアンカー33を移動可能に支持してガイドするために
適した大きさに形成されており、ガイド部として機能し
ている。このアンカー33とブッシュ35との間のクリ
アランスは小さく設定されており(例えば100μm程
度)、内部空間31はアンカー33とケース部材21と
によって第1室36が画成され、また、アンカー33と
コア22の第1シリンダ部22bとによって第2室37
が画成されている。
【0026】コア22の第1シリンダ部22bには、中
心部に孔38が形成されており、この孔38に可動子3
2のアンカーロッド34が挿通されるようになってい
る。この孔38は、その内周面の一部がアンカーロッド
34を移動可能に支持してガイドするために適した大き
さに絞られており、この絞り部39によってコア22と
一体に形成されたガイド部が形成されている。したがっ
て、可動子32は、アンカー35の端部近傍に設けられ
たブッシュ35によって構成されるガイド部とアンカー
ロッド34の端部近傍に設けられた絞り部39によって
構成されるガイド部とによって、軸方向の離れた2箇所
で全体が移動可能に支持されている。
【0027】尚、コア22の第1フランジ部22bの端
部には、アンカー側へ向うほど薄肉となるように断面楔
上に形成されたアンカー受部40が形成され、可動子3
2を吸引する力が可動子32の軸方向位置に拘わらずほ
ぼ一定となるようにしている。
【0028】前記第2シリンダ部22cには、中心部に
前記孔38と連通する弁部材収容孔41が形成され、こ
の弁部材収容孔41にはピストンからなる弁部材42が
移動可能に配設されている。この弁部材42の一端に
は、可動子32のアンカーロッド34が当接し、他端に
は、第2シリンダ部22cの開口端部に嵌入されたリテ
ーニングナット43との間に弾装されるスプリング44
が当接している。また、弁部材42には、巾の異なる大
小2段のスリット45が周壁に形成され、このスリット
45とこれに連通する軸方向に穿設された孔46とを介
して、第2シリンダ部22cに形成されたフィードポン
プ側に連通する流入ポート47とサプライポンプ側に連
通する流出ポート48との連通を可能にしており、弁部
材42の軸方向位置を調節することで流入ポート47と
スリット45とが連通する位置を異ならせ、この弁部材
42を介して流れる燃料流量を制御することができるよ
うになっている。尚、前記第1及び第2空間36,37
には、流入ポート47を介して弁部材42を流れる低圧
燃料が、各摺動部分のクリアランスを介して流入され、
満たされた状態となっている。
【0029】そして、可動子32のアンカー33を支持
するガイド部(ブッシュ35)とアンカーロッド34を
支持するガイド部(絞り部39)との間には、ソレノイ
ド26の内側に取り付けられてアンカー33の周面を覆
う保持環50が設けられている。この保持環50は、非
磁性材料によって形成されているもので、内面に環状凹
部51が形成され、アンカー35の外周面との間に隙間
が形成されるようになっている。また、アンカー33に
は、アンカーロッド34を中心として周方向の複数箇
所、この例においては、図3に示されるように、周方向
の4箇所に等間隔に連通路52が形成されている。この
連通路52は、一端が環状凹部51と対向するアンカー
33の周面に開口し、他端が第2空間37に開口するよ
うに形成されているもので、可動子32の軸線方向に沿
って穿設された縦孔52aと、この縦孔52aに一端が
連通し他端が凹部51に開口する径方向に穿設された横
孔52bとによって構成されており、第2空間37に満
たされた燃料を保持環50の環状凹部51に供給できる
ようになっている。
【0030】したがって、上述の可動子32とガイド部
(ブッシュ35,絞り部39)および保持環50との関
係を模式的に示すと、図4に示されるようになり、可動
子32は、その両端部がガイド部(ブッシュ35,絞り
部39)によって軸方向に移動可能に支持されると共
に、中程が保持環50によっても軸方向に移動可能に支
持されている。
【0031】上記構成において、ソレノイド26への通
電により、ソレノイド26の周りの磁性材料、即ち、ケ
ース部材21、ブッシュ35、可動子32のアンカー3
3、コア22によって磁束が通過する磁気閉回路が形成
され、可動子32を軸方向に吸引する吸引力が発生し、
可動子32がこの吸引力とスプリングと44のバネ力と
が釣り合った位置へ移動することとなる。したがって、
ソレノイド26へ供給される通電量を制御することで、
可動子32の軸方向位置が調整され、弁部材42を介し
て流れる燃料流量が制御されることとなる。
【0032】可動子32には、このような軸方向の力に
加え、ブッシュ35との間にもクリアランスを介して磁
束が流れることから、可動子32の軸方向と直交する径
方向にも磁気力(Transverse Magnetic Force )が生じ
ることになる。このため、可動子32の軸線を水平方向
にしたことにより、可動子32が自重によって下方へ変
位することとなれば、可動子32の下方のクリアランス
が小さくなるので、その部分を流れる磁束が多くなり、
この部分での径方向の磁気力が相対的に大きくなってガ
イド部35に強く引きつけられることになる。しかしな
がら、保持環50の環状凹部51には、可動子32との
間に燃料が満たされているので、可動子32の軸線が下
方へずれた場合には、アンカー33と環状凹部51との
間の下側のクリアランスが上側のクリアランスよりも小
さくなり、環状凹部51の下側に満たされた燃料が環状
溝51の上側に満されている燃料よりも圧力が相対的に
高くなる。よって、可動子32の下方の燃料によって可
動子32を上方へ付勢する力が相対的に大きくなり、可
動子32は、その軸線がガイド部35の軸線と一致する
位置へ戻されることとなる。即ち、可動子32の軸線の
ずれが環状凹部51に満たされた燃料油の圧力の偏りで
規制されることとなる。
【0033】したがって、可動子32の軸線のずれが規
制されることから、可動子32とガイド部35との接触
を極力避けることができるようになり、磁束の偏りに伴
う径方向の吸引力の偏りを防止することが可能となり、
可動子32やガイド部35,39の磨耗を回避または低
減することが可能となる。
【0034】また、上述の構成においては、可動子32
とガイド部35との接触を極力避けることができるの
で、可動子32の適正な動きを確保することが可能とな
り、燃料供給ポンプ2からコモンレール3へ供給される
燃料の送油量の乱れを無くすことが可能となり、コモン
レール3内の圧力制御不良や、これに伴うエンジン異音
の発生などの不都合を回避することが可能となる。
【0035】上述の構成においては、連通路52を形成
するに当たり、横孔52bを縦孔52aから径方向に延
設した構成であったが、図5に示されるように、この横
孔52bを、可動子32の周面に開口する部分が可動子
32の軸線と縦孔52aとを含む平面からずらした位置
に形成される構成としてもよい。具体的には、たとえ
ば、可動子32の軸線と縦孔52aとを含む平面に対し
て略垂直となるように横孔52bを穿設するようにして
もよい。このような構成においては、連通路52から保
持環50の環状凹部51に流出する燃料によって、可動
子32に回転力が与えられることになるので、可動子3
2の下端にくる部分を変更させることができ、仮に、可
動子32とガイド部35,39との接触が生じる場合で
あっても、同一個所の磨耗が促進される不都合を避ける
ことが可能となる。
【0036】尚、前述した図2に示される第2シリンダ
部22cに形成された流入ポート47と流出ポート48
は逆にしてもよく、流入ポート47をサプライポンプ側
に連通する流出ポートとし、流出ポート48をフィード
ポンプ側に連通する流入ポートとして用いるようにして
もよい。また、連通路52は、一端が環状凹部51と対
向するアンカー33の周面に開口し、他端が第2空間3
7に開口するように形成されているが、他端を第1空間
36に開口するように形成してもよい。
【0037】図6に、上記可動子32の軸線のずれを規
制する他の構成例が示されている。この例においては、
保持環50の内面に凹部を形成する代わりに、アンカー
33に圧入されたアンカーロッド34の弁部材側と反対
側の端部をアンカー33から突出させ、この突出した部
分を軸受けからなる保持器60によって移動可能に支持
するようにしてもよい。
【0038】このような構成においては、可動子32の
軸線の動きが保持器60によって強制的に規制されるこ
とになるので、可動子32の軸線をガイド部35,39
との間のクリアランスが全方向においてほぼ均一となる
ように固定することができ、可動子32とガイド部(ブ
ッシュ35,絞り部39)との接触を避けることがで
き、可動子32やガイド部35,39の磨耗を回避また
は低減することが可能となる。
【0039】また、このような構成においても、保持環
50の内面に環状凹部を形成し、この環状凹部にアンカ
ー33に設けた連通路を介して燃料を導く構成とし、保
持器60と保持環50の2箇所で可動子32の軸線のず
れを規制するようにしてもよく、また、保持器60に保
持環50と同様の凹部を設けて燃料を導き、燃料油の圧
力の偏りを利用して可動子32の軸線のずれを規制する
ようにしてもよい。
【0040】図7において、可動子32の軸線のずれを
規制するさらに他の構成例が示されている。この例にお
いては、可動子32の周囲に、非磁性材料によって形成
された円筒状のスリーブ61を可動子32の周面に対向
して設け、可動子32の軸線とガイド部35,39の軸
線とのずれ量に応じた付勢力を、スリーブ61の周囲に
配設された弾性部材62によって形成し、この付勢力
を、スリーブ61に対してずれ量を小さくする方向へ付
勢するようにしている。特に、この例においては、スリ
ーブ61が前記環状凹部51を有する保持環50によっ
て構成され、また、弾性部材62がスリーブ61の外周
面にあてがわれると共に周方向に等間隔に配された複数
(例えば、上下の2箇所)の圧縮スプリングによって構
成されている。
【0041】このような構成においては、可動子32の
軸線が偏ると、その偏りがスリーブ61を介して弾性部
材62へ伝達され、弾性部材62の弾性変形が生じるこ
とになる。このため、弾性部材62の復元力が、スリー
ブ61に対して可動子32の軸線のずれ量を小さくする
方向へ付勢されることとなるので、燃料圧によって可動
子32の軸線のずれを規制することができると共に、弾
性部材62の復元力によっても可動子32の軸線のずれ
を規制することができるようになり、磁束の偏りに伴う
径方向の磁気力の偏りを無くすことが可能となり、可動
子32やガイド部35,39の磨耗をより確実に回避ま
たは低減することが可能となる。
【0042】尚、上述の構成においては、上下2箇所に
弾性部材62を配設した構成例を示したが、可動子32
のあらゆる方向へのずれを見越して上下および水平方向
の計4箇所に等間隔に弾性部材62を配設するようにし
てもよい。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
可動子の軸方向と直交する方向への動きを規制するため
の規制手段を設けたので、可動子の周囲のクリアランス
に偏りが生じて軸方向と直交する方向での磁気力に偏り
が生じる不都合を回避することができ、可動子がガイド
部に強く接触することに起因する渋りや摺動磨耗を抑
え、流量制御弁の耐久性を向上させると共に、安定した
流量制御を確保することが可能となる。
【0044】ここで、規制手段を、可動子の周囲に非磁
性材料によって形成されると共に内面に凹部を有する筒
状の保持環を設け、可動子に、一端が凹部と対向する周
面に開口し、他端が内部空間に開口して液体を流入可能
とする連通路を設けて構成するようにすれば、連通路を
介して凹部に流入される液体の圧力バランスを利用し
て、可動子の軸線のずれを防止することが可能となる。
【0045】連通路は、可動子の軸線方向に沿って穿設
された縦孔と、この縦孔に一端が連通し他端が内部空間
に開口する横孔とによって構成することが、連通路の成
形加工を容易にし、既存の構成部材を利用することがで
きる点で好ましい。特に、連通路の横孔を、可動子の周
面に開口する部分が可動子の軸線と縦孔とを含む平面か
らずれた位置に形成するようにすれば、連通孔を介して
凹部に供給される液体によって可動子を積極的に回転さ
せることが可能となり、特定部分での摺動磨耗の恐れを
回避することが可能となる。
【0046】また、規制手段を、ガイド部とは別に可動
子を移動可能に保持する保持器を設けて構成するように
すれば、可動子をガイド部との間に形成されるクリアラ
ンスに偏りが生じないように保持することが可能とな
り、可動子の渋りや磨耗を抑えて流量制御弁の耐久性を
向上させると共に、安定した流量制御を確保することが
可能となる。
【0047】さらに、規制手段を、非磁性材料によって
形成されたスリーブを可動子の周面に対向して設け、可
動子の軸方向と直交する方向へのずれ量に応じた付勢力
を、スリーブに対して前記ずれ量を小さくする方向へ付
勢する付勢手段を設けることで構成するようにすれば、
可動子の軸線とガイド部の軸線とがずれた場合には、そ
のずれ量に応じた付勢力が可動子に付与されるので、可
動子の軸線のずれを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係る流量制御弁が用いられ
るコモンレールシステムを示す概略構成図である。
【図2】図2は、この発明に係る流量制御弁を示す断面
図である。
【図3】図3は、この発明に係る流量制御弁に用いられ
る可動子を示す構成例であり、図3(a)はその斜視図
を、図3(b)はその正面図である。
【図4】図4は、本発明に係る流量制御弁の可動子と、
ガイド部及び保持環との関係を模式的に示した断面図で
ある。
【図5】図5は、この発明に係る流量制御弁に用いられ
る可動子の他の構成例であり、図5(a)はその斜視図
を、図5(b)はその正面図である。
【図6】図6は、可動子32の軸線のずれを規制する他
の構成例を説明する、可動子と、ガイド部及び保持環と
の関係を模式的に示した断面図である。
【図7】図7は、可動子32の軸線のずれを規制するさ
らに他の構成例を説明する、可動子と、ガイド部及び保
持環との関係を模式的に示した断面図である。
【図8】図8(a)は、従前の流量制御弁を示す断面図
であり、図8(b)はその可動子とガイド部との関係を
模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
11 流量制御弁 26 ソレノイド 31 内部空間 32 可動子 35 ブッシュ 39 絞り部 50 保持環 51 凹部 52 連通路 52a 縦孔 52b 横孔 60 保持器 61 スリーブ 62 弾性部材
フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AB02 AC01 AC09 BA46 BA51 CA04U CD14 CD17 CD30 CE24 CE31 CE34 3H106 DA05 DA23 DB02 DB12 DB23 DB32 DC08 DD09 EE04 EE23 EE24 EE30 GA15 GA22 KK18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にソレノイドを収容したハウジング
    と、前記ハウジング内に形成された内部空間に配設さ
    れ、自身の軸方向に移動可能な可動子と、この可動子の
    軸方向位置に応じて流路面積を制御する弁部材と、前記
    可動子を移動可能に保持するガイド部とを備え、前記ソ
    レノイドへの通電により、前記ハウジングと前記可動子
    との間で前記ガイド部を介して磁束を通過させ、これに
    より前記可動子を移動させる電磁力を発生させると共
    に、前記ソレノイドへの通電量を制御して前記可動子の
    軸方向位置を調節するようにしている流量制御弁におい
    て、前記可動子の軸方向と直交する方向への動きを規制
    するための規制手段を設けたことを特徴とする流量制御
    弁。
  2. 【請求項2】 前記規制手段は、前記可動子の周囲に非
    磁性材料によって形成されると共に内面に凹部を有する
    筒状の保持環を設け、前記可動子に、一端が前記凹部と
    対向する周面に開口し、他端が内部空間に開口して前記
    液体を流入可能とする連通路を設けて構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の流量制御弁。
  3. 【請求項3】 前記連通路は、前記可動子の軸線方向に
    沿って穿設された縦孔と、この縦孔に一端が連通し他端
    が内部空間に開口する横孔とによって構成されている請
    求項2記載の流量制御弁。
  4. 【請求項4】 前記連通路の横孔は、前記可動子の周面
    に開口する部分が前記可動子の軸線と前記縦孔とを含む
    平面からずれた位置に形成されていることを特徴とする
    請求項3記載の流量制御弁。
  5. 【請求項5】 前記規制手段は、前記ガイド部とは別に
    前記可動子を移動可能に保持する保持器を設けて構成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の流量制御弁。
  6. 【請求項6】 前記規制手段は、非磁性材料によって形
    成されたスリーブを前記可動子の周面に対向して設け、
    前記可動子の軸方向と直交する方向へのずれ量に応じた
    付勢力を、前記スリーブに対して前記ずれ量を小さくす
    る方向へ付勢する付勢手段を設けて構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の流量制御弁。
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