JP2003314312A - 内燃機関の可変バルブ制御装置 - Google Patents

内燃機関の可変バルブ制御装置

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JP2003314312A
JP2003314312A JP2002117015A JP2002117015A JP2003314312A JP 2003314312 A JP2003314312 A JP 2003314312A JP 2002117015 A JP2002117015 A JP 2002117015A JP 2002117015 A JP2002117015 A JP 2002117015A JP 2003314312 A JP2003314312 A JP 2003314312A
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JP
Japan
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valve control
mode
amount
control amount
vehicle operation
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JP2002117015A
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English (en)
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Yoshihiro Sakashita
善洋 坂下
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転者の要求や車両の運転状態の変化に応じ
て可変バルブタイミング制御の制御特性を変化させるこ
とができるようにする。 【解決手段】 運転者の要求や車両の運転状態に基づい
て、エンジン出力向上を優先するパワーモード、燃費節
減を優先するエコノミーモード、通常のノーマルモード
のうちのいずれか1つの車両運転モードを選択する(ス
テップ101)。パワーモードでは、パワーモード時の
目標進角量マップを用いてエンジン運転状態に応じた目
標進角量VTTを算出する(ステップ102、10
3)。一方、エコノミーモードでは、エコノミーモード
時の目標進角量マップを用いてエンジン運転状態に応じ
た目標進角量VTTを算出する(ステップ104、10
5)。また、ノーマルモードでは、ノーマルモード時の
目標進角量マップを用いてエンジン運転状態に応じた目
標進角量VTTを算出する(ステップ106)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気バ
ルブ及び/又は排気バルブのバルブタイミング、リフト
量、作用角等の少なくとも1つを可変する内燃機関の可
変バルブ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両に搭載される内燃機関におい
ては、出力向上、燃費節減、排気エミッション低減等を
目的として、吸気バルブや排気バルブのバルブタイミン
グ、リフト量、作用角等を可変する可変バルブ制御装置
を採用したものが増加しつつある。例えば、特開200
0−170558号公報に示すように、バルブタイミン
グを可変する可変バルブタイミング制御装置では、エン
ジン運転状態(例えばエンジン回転速度と冷却水温)に
応じてバルブタイミングを可変制御するようにしてい
る。
【0003】一般に、エンジン出力、燃費、排気エミッ
ション等のエンジン性能向上目標を全て同時に高い次元
で満足させるような可変バルブタイミング制御を行うこ
とはできないため、従来の一般的な可変バルブタイミン
グ制御システムでは、車両の種類やエンジンの出力特性
を考慮して、可変バルブタイミング制御の制御特性を、
例えば、エンジン出力向上と燃費節減のどちらか一方を
優先した制御特性に設定するか、或は、エンジン出力向
上と燃費節減とを適当にバランスさせた制御特性に設定
するものが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際の車両
の運転方法や道路状況は様々であり、運転者の要求や車
両の運転状態の変化(例えば平地走行から登坂走行への
変化)に伴って優先すべきエンジン性能向上目標が変化
することがある。例えば、登坂走行や高負荷走行では、
燃費節減よりもエンジン出力向上を優先して加速レスポ
ンスを向上させることが望ましく、反対に、平地の定速
走行や低負荷走行では、エンジン出力向上よりも燃費節
減を優先するのが望ましい。
【0005】しかし、従来の可変バルブタイミング制御
システムでは、可変バルブタイミング制御の制御特性を
予め設定した制御特性に固定しているため、運転者の要
求や車両の運転状態の変化によって優先すべきエンジン
性能向上目標が変化しても、変化前と同じ制御特性で可
変バルブタイミング制御を行うことになり、その結果、
優先すべきエンジン性能向上目標に対して可変バルブタ
イミング制御の制御特性が合わなくなってくることがあ
り、可変バルブタイミング制御の効果を十分に活用する
ことができない。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、運転者の要求や車両
の運転状態の変化に応じて可変バルブ制御の制御特性を
変化させることができ、可変バルブ制御の効果を十分に
活用することができる内燃機関の可変バルブ制御装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の可変バルブ制御装置
は、車両運転モードを車両運転モード判定手段により判
定し、その車両運転モードに応じてバルブ制御量をバル
ブ制御量設定手段により設定するようにしたものであ
る。このようにすれば、運転者の要求や車両の運転状態
の変化に応じて車両運転モードを切り換えることがで
き、その車両運転モードに合わせてバルブ制御量を変化
させることができる。これにより、運転者の要求や車両
の運転状態の変化に応じて可変バルブ制御の制御特性を
変化させることができ、可変バルブ制御の効果を十分に
活用することができる。
【0008】車両運転モードの制御仕様は、種々のもの
が考えられるが、例えば、請求項2のように、所定のパ
ワーモード条件が成立したときに機関出力向上を優先す
るパワーモードを選択し、所定のエコノミーモード条件
が成立したときに燃費節減を優先するエコノミーモード
を選択し、パワーモード条件とエコノミーモード条件が
両方とも不成立のときにノーマルモードを選択するよう
にすると良い。これにより、機関出力向上を優先するパ
ワーモードと、燃費節減を優先するエコノミーモード
と、両者の中間的な特性のノーマルモードの3段階で、
車両運転モードを切り換えることができる。
【0009】この場合、請求項3のように、パワーモー
ド条件は、運転者によりパワーモードスイッチがオンさ
れた時、登坂走行時、加速時の燃料噴射増量補正時、内
燃機関の高回転・高負荷運転時、変速装置のシフトダウ
ン時のいずれかの時に成立するようにしても良い。この
ようにすれば、運転者が機関出力向上を要求した時や車
両の運転状態が機関出力向上を優先すべき状態となった
時にパワーモードに切り換えることができる。
【0010】また、請求項4のように、エコノミーモー
ド条件は、運転者によりエコノミーモードスイッチがオ
ンされた時、又はスロットル開度が所定開度以上になる
頻度が所定値を越えた時に成立するようにしても良い。
このようにすれば、運転者が燃費節減を要求した時や車
両の運転状態が燃費節減を優先すべき状態となった時に
エコノミーモードに切り換えることができる。
【0011】また、車両運転モードの切り換えに応じて
可変バルブ制御の制御特性を変化させる具体的方法は、
例えば、請求項5のように、各車両運転モード毎にそれ
ぞれ機関運転状態に応じたバルブ制御量を設定するため
のマップを記憶手段に記憶しておき、車両運転モードの
判定結果に対応したマップを用いて機関運転状態に応じ
たバルブ制御量を設定するようにしても良い。このよう
にすれば、車両運転モードの切り換えに応じてバルブ制
御量を適正に変化させることができる。
【0012】或は、請求項6のように、いずれか1つの
車両運転モードについて機関運転状態に応じたバルブ制
御量を設定するためのマップ(以下「基本バルブ制御量
マップ」という)を記憶手段に記憶しておき、この基本
バルブ制御量マップを用いて機関運転状態に応じた基本
バルブ制御量を求め、車両運転モードの判定結果に応じ
て基本バルブ制御量を補正して最終的なバルブ制御量を
求めるようにしても良い。このようにしても、車両運転
モードの切り換えに応じてバルブ制御量を適正に変化さ
せることができる。
【0013】ところで、近年の電子制御化されたAT
(オートマチックトランスミッション)では、車両運転
モード(例えばパワーモードやエコノミーモード)に応
じてATのシフトタイミング(シフトスケジュール)を
変化させるようにしたものがある。ATのシフト動作や
可変バルブ装置の制御には、油圧制御回路による応答遅
れがあるが、ATの油圧制御回路は、可変バルブ装置の
油圧制御回路に比べて複雑で大きな構成となっているた
め、ATの応答遅れの方が、可変バルブ装置の応答遅れ
よりも大きい。
【0014】そこで、請求項7のように、車両運転モー
ドの切り換えに伴ってバルブ制御量を変化させる際に、
車両運転モードの切り換えタイミングから所定のディレ
イ期間経過後に、バルブ制御量を切り換え先の車両運転
モードに応じたバルブ制御量に変化させる処理を開始す
るようにしても良い。このようにすれば、ATのシフト
動作の応答遅れを考慮して遅らせたタイミングで、バル
ブ制御量を切り換え先の車両運転モードに応じたバルブ
制御量に変化させる処理を開始することができ、可変バ
ルブ制御とAT制御の切り換えを同期させることができ
る。また、仮に、車両運転モードが短時間のうちに頻繁
に切り換わったとしても、ディレイ期間を設けることに
よってバルブ制御量が短時間のうちに頻繁に切り換わる
チャタリング現象を防止することができる。
【0015】この場合、請求項8のように、ディレイ期
間を機関運転状態に応じて設定するようにしても良い。
ATや可変バルブ装置の応答遅れ特性は、それぞれの油
圧制御回路の作動油の油圧や流動性(粘度)によって変
化するが、機関運転状態によって、油圧供給源となるオ
イルポンプの駆動状態や油温が変化して、作動油の油圧
や流動性(粘度)が変化するため、機関運転状態によっ
てATや可変バルブ装置の応答遅れ特性が変化する。従
って、機関運転状態に応じてディレイ期間を設定すれ
ば、機関運転状態に応じてATや可変バルブ装置の応答
遅れ特性が変化するのに対応して、ディレイ期間を適正
値に設定することができる。
【0016】また、車両運転モードの切り換えに伴って
バルブ制御量を変化させる際に、バルブ制御量を切り換
え先の車両運転モードに応じたバルブ制御量まで瞬時に
変化させるように制御すると、その変化量が大きい場合
には、エンジントルクが急変してドライバビリティに悪
影響を及ぼす可能性があると共に、バルブ制御量がオー
バーシュートして切り換え先のバルブ制御量付近で振動
するハンチング現象が発生する可能性もある。
【0017】これらの対策として、請求項9のように、
車両運転モードの切り換えに伴ってバルブ制御量を変化
させる際に、バルブ制御量を切り換え先の車両運転モー
ドに応じたバルブ制御量に向けて徐々に変化させるよう
にしても良い。このようにすれば、車両運転モードの切
り換え時に、バルブ制御量を徐々に変化させることがで
きるので、エンジントルクの急変を防止してドライバビ
リティの悪化を防止することができると共に、バルブ制
御量のオーバーシュートやハンチングを防止して可変バ
ルブ制御の収束性を向上させることができる。
【0018】ここで、バルブ制御量を切り換え先の車両
運転モードに応じたバルブ制御量に変化させる際の変化
量は、そのときの機関運転状態によって変化するので、
請求項10のように、バルブ制御量を徐々に変化させる
際の徐変条件を機関運転状態に応じて設定するようにし
ても良い。このようにすれば、バルブ制御量の変化量に
応じた適正な徐変条件を設定することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】《実施形態(1)》以下、本発明
の実施形態(1)を図1乃至図3に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略
構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管
12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、こ
のエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出する
エアフローメータ14が設けられている。このエアフロ
ーメータ14の下流側には、スロットルバルブ15が設
けられ、このスロットルバルブ15の開度(スロットル
開度)がスロットル開度センサ16によって検出され
る。
【0020】また、スロットルバルブ15の下流側に
は、サージタンク17が設けられ、このサージタンク1
7に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設
けられている。また、サージタンク17には、エンジン
11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が
設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート
近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り
付けられている。
【0021】エンジン11のシリンダヘッドには、各気
筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点火プラグ2
1の火花放電によって筒内の混合気に着火される。更
に、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を
検出する冷却水温センサ22や、エンジン回転速度を検
出するクランク角センサ23が取り付けられている。
【0022】また、エンジン11の吸気バルブ27と排
気バルブ28は、それぞれ吸気カム軸と排気カム軸(い
ずれも図示せず)によって駆動され、吸気カム軸には、
吸気バルブ27のバルブタイミングを可変する油圧式の
可変バルブタイミング装置29(可変バルブ装置)が設
けられている。一方、排気カム軸には、排気バルブ28
のバルブタイミングを可変する油圧式の可変バルブタイ
ミング装置30(可変バルブ装置)が設けられている。
各可変バルブタイミング装置29,30を駆動する油圧
は、それぞれ油圧制御弁31,32(OCV)によって
制御される。
【0023】一方、エンジン11の排気管24には、排
出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等
の触媒25が設けられ、この触媒25の上流側に、排出
ガスの空燃比又はリーン/リッチ等を検出する排出ガス
センサ26(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ
ている。
【0024】前述した各種センサの出力は、エンジン制
御回路(以下「ECU」と表記する)33に入力され
る。このECU33は、マイクロコンピュータを主体と
して構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶さ
れた各種のエンジン制御プログラムを実行することで、
エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁20の燃料噴射量
や点火プラグ21の点火時期を制御する。
【0025】また、ECU33は、吸気バルブタイミン
グと排気バルブタイミングについてそれぞれバルブタイ
ミング制御プログラムを実行することで、バルブタイミ
ングの実進角量を目標進角量に一致させるように、各可
変バルブタイミング装置29,30の油圧制御弁31,
32をフィードバック制御する。
【0026】その際、ECU33は、図3に示す車両運
転モード判定プログラムを実行することで、所定のパワ
ーモード条件が成立したときにエンジン出力向上を優先
するパワーモードを選択し、所定のエコノミーモード条
件が成立したときに燃費節減を優先するエコノミーモー
ドを選択し、パワーモード条件とエコノミーモード条件
が両方とも不成立のときにノーマルモードを選択する。
【0027】更に、ECU33は、各車両運転モード毎
にそれぞれエンジン運転状態に応じた目標進角量(バル
ブ制御量)のマップをROM(記憶手段)に予め記憶し
ておき、図2に示す目標進角量算出プログラムを実行す
ることで、図3の車両運転モード判定プログラムで選択
した車両運転モードに対応した目標進角量マップを用い
てエンジン運転状態に応じた目標進角量を算出する。
【0028】図2に示す目標進角量算出プログラムは、
イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定周
期で実行され、特許請求の範囲でいうバルブ制御量設定
手段としての役割を果たす。本プログラムが起動される
と、まず、ステップ101で、後述する図3に示す車両
運転モード判定プログラムを実行して、パワーモード、
エコノミーモード、ノーマルモードのうちのいずれか1
つの車両運転モードを選択する。
【0029】この後、ステップ102に進み、選択した
車両運転モードがパワーモードであるか否かを判定す
る。パワーモードが選択されていれば、ステップ103
に進み、パワーモード時の目標進角量マップを検索し
て、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度
NEと負荷)に応じた目標進角量VTTを算出する。こ
のパワーモード時の目標進角量マップは、エンジン運転
状態に応じたバルブタイミングの制御特性が、エンジン
出力向上を優先した制御特性となるように設定され、E
CU33のROMに予め記憶されている。これにより、
パワーモードが選択されているときには、エンジン出力
向上を優先した制御特性で可変バルブタイミング制御を
行うことができる。
【0030】一方、上記ステップ102でパワーモード
が選択されていないと判定された場合には、ステップ1
04に進み、選択した車両運転モードがエコノミーモー
ドであるか否かを判定する。エコノミーモードが選択さ
れていれば、ステップ105に進み、エコノミーモード
時の目標進角量マップを検索して、現在のエンジン運転
状態(例えばエンジン回転速度NEと負荷)に応じた目
標進角量VTTを算出する。このエコノミーモード時の
目標進角量マップは、エンジン運転状態に応じたバルブ
タイミングの制御特性が、燃費節減を優先した制御特性
となるように設定され、ECU33のROMに予め記憶
されている。これにより、エコノミーモードが選択され
ているときには、燃費節減を優先した制御特性で可変バ
ルブタイミング制御を行うことができる。
【0031】また、上記ステップ102でパワーモード
が選択されていないと判定され、且つ、上記ステップ1
04でエコノミーモードが選択されていないと判定され
た場合には、ノーマルモードが選択されていると判断し
て、ステップ106に進み、ノーマルモード時の目標進
角量マップを検索して、現在のエンジン運転状態(例え
ばエンジン回転速度NEと負荷)に応じた目標進角量V
TTを算出する。このノーマルモード時の目標進角量マ
ップは、エンジン運転状態に応じたバルブタイミングの
制御特性が、エンジン出力向上と燃費節減とを適当にバ
ランスさせた制御特性となるように設定され、ECU3
3のROMに予め記憶されている。これにより、エコノ
ミーモードが選択されているときには、エンジン出力向
上と燃費節減とを適当にバランスさせた制御特性で可変
バルブタイミング制御を行うことができる。
【0032】一方、上記ステップ101で起動される図
3に示す車両運転モード判定プログラムは、特許請求の
範囲でいう車両運転モード判定手段としての役割を果た
す。本プログラムが起動されると、まず、ステップ20
1〜205で、パワーモード条件が成立しているか否か
を判定する。ここで、パワーモード条件は、例えば、次
の〜の条件のうちのいずれか1つを満たすことであ
る。
【0033】登坂走行中であること(ステップ20
1) 尚、パワーモード時のバルブタイミングの制御特性が、
エンジンブレーキ性能向上にも効果がある場合には、
の条件を登坂走行中又は降坂走行中であることとしても
良い。
【0034】加速時の燃料噴射増量補正中であること
(ステップ202) エンジン回転速度NEが所定回転速度よりも高く、且
つ、負荷が所定値よりも大きい状態であること、つま
り、高回転・高負荷運転中であること(ステップ20
3) 運転者によりパワーモードスイッチ(図示せず)がオ
ンされていること(ステップ204) 変速装置(図示せず)がシフトダウンされた状態であ
ること(ステップ205)
【0035】上記〜の条件のうちのいずれか1つを
満たせば、パワーモード条件が成立するが、上記〜
の条件を全て満たさなければ、パワーモード条件が不成
立となる。
【0036】パワーモード条件が成立したと判定された
場合には、運転者がエンジン出力向上を要求しているか
又は車両の運転状態がエンジン出力向上を優先すべき状
態となっていると判断して、ステップ208に進み、車
両運転モードとしてパワーモードを選択する。
【0037】一方、上記ステップ201〜205でパワ
ーモード条件が不成立と判定された場合には、次のステ
ップ206、207で、エコノミーモード条件が成立し
ているか否かを判定する。ここで、エコノミーモード条
件は、例えば、次のとの条件のうちのいずれか1つ
を満たすことである。
【0038】運転者によりエコノミースイッチ(図示
せず)がオンされていること(ステップ206) スロットル開度が所定開度以上になる頻度が所定値を
越えていること(ステップ207) 上記との条件のうちのいずれか1つを満たせば、エ
コノミーモード条件が成立するが、上記との条件を
両方とも満たさなければ、エコノミーモード条件が不成
立となる。
【0039】エコノミーモード条件が成立したと判定さ
れた場合には、運転者が燃費節減を要求しているか又は
車両の運転状態が燃費節減を優先すべき状態となってい
ると判断して、ステップ209に進み、車両運転モード
としてエコノミーモードを選択する。
【0040】一方、上記ステップ201〜205でパワ
ーモード条件が不成立と判定され、且つ、上記ステップ
206、207でエコノミーモード条件が不成立と判定
された場合には、ステップ210に進み、車両運転モー
ドとしてノーマルーモードを選択する。
【0041】以上の処理により、エンジン出力向上を優
先するパワーモードと、燃費節減を優先するエコノミー
モードと、エンジン出力向上と燃費節減を適当にバラン
スさせるノーマルモードの3段階で、車両運転モードを
切り換える。
【0042】以上説明した本実施形態(1)によれば、
運転者がエンジン出力向上を要求した時や車両の運転状
態がエンジン出力向上を優先すべき状態となった時に
は、パワーモード条件が成立して車両運転モードをパワ
ーモードに切り換え、エンジン出力向上を優先した制御
特性で可変バルブタイミング制御を行う。一方、運転者
が燃費節減を要求した時や車両の運転状態が燃費節減を
優先すべき状態となった時には、エコノミーモード条件
が成立して車両運転モードをエコノミーモードに切り換
え、燃費節減を優先した制御特性で可変バルブタイミン
グ制御を行う。また、パワーモード条件とエコノミーモ
ード条件が両方とも不成立の時には、車両運転モードを
ノーマルモードに切り換え、エンジン出力向上と燃費節
減を適当にバランスさせた制御特性で可変バルブタイミ
ング制御を行う。これにより、運転者の要求や車両の運
転状態が変化して優先すべきエンジン性能向上目標が変
化したときに、その変化に合わせて可変バルブタイミン
グ制御の制御特性を変化させることができて、可変バル
ブタイミング制御の効果を十分に活用することができ
る。
【0043】《実施形態(2)》前記実施形態(1)で
は、各車両運転モード毎にそれぞれエンジン運転状態に
応じた目標進角量のマップを設け、選択した車両運転モ
ードに対応した目標進角量マップを用いて目標進角量を
設定するようにしたが、本発明の実施形態(2)では、
図4に示す目標進角量算出プログラムを実行すること
で、基本となる車両運転モードについて作成された基本
目標進角量マップを用いてエンジン運転状態に応じた基
本目標進角量を求めた後、選択した車両運転モードに応
じて基本目標進角量を補正して最終的な目標進角量を求
めるようにしている。
【0044】図4に示す目標進角量算出プログラムが起
動されると、まず、ステップ301で、基本目標進角量
マップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエ
ンジン回転速度NEと負荷)に応じた基本目標進角量V
Tbse を算出する。本実施形態(2)では、この基本目
標進角量マップとして、例えばノーマルモード時の目標
進角量マップがECU33のROMに予め記憶されてい
る。
【0045】この後、ステップ302に進み、前述した
図3に示す車両運転モード判定プログラムを実行して、
所定条件に基づいてパワーモード、エコノミーモード、
ノーマルモードのうちのいずれか1つの車両運転モード
を選択した後、ステップ303に進み、選択した車両運
転モードがパワーモードであるか否かを判定する。パワ
ーモードが選択されていれば、ステップ304に進み、
パワーモード時の補正量マップを検索して、現在のエン
ジン運転状態(例えばエンジン回転速度NEと負荷)に
応じた補正量dVTpow を算出する。このパワーモード
時の補正量マップは、基本目標進角量VTbse をパワー
モード時の目標進角量VTTに補正するための補正量d
VTpow を設定するマップであり、ECU33のROM
に予め記憶されている。
【0046】この後、ステップ305に進み、基本目標
進角量VTbse を補正するための補正量dVTmodeとし
てパワーモード時の補正量dVTpow を設定する。 dVTmode=dVTpow
【0047】一方、上記ステップ303でパワーモード
が選択されていないと判定された場合には、ステップ3
06に進み、選択した車両運転モードがエコノミーモー
ドであるか否かを判定する。エコノミーモードが選択さ
れていれば、ステップ307に進み、エコノミーモード
時の補正量マップを検索して、現在のエンジン運転状態
(例えばエンジン回転速度NEと負荷)に応じた補正量
dVTeco を算出する。このエコノミーモード時の補正
量マップは、基本目標進角量VTbse をエコノミーモー
ド時の目標進角量VTTに補正するための補正量dVT
eco を設定するマップであり、ECU33のROMに予
め記憶されている。
【0048】この後、ステップ308に進み、基本目標
進角量VTbse を補正するための補正量dVTmodeとし
てエコノミーモード時の補正量dVTeco を設定する。 dVTmode=dVTeco
【0049】また、上記ステップ303でパワーモード
が選択されていないと判定され、且つ、上記ステップ3
06でエコノミーモードが選択されていないと判定され
た場合には、ノーマルモードが選択されていると判断し
て、ステップ309に進み、基本目標進角量VTbse を
補正する必要がないため、補正量dVTmodeを「0」に
設定する。 dVTmode=0
【0050】上記ステップ305又は308又は309
で、車両運転モードに応じた補正量dVTmodeを設定し
た後、ステップ310に進み、次式により基本目標進角
量VTbse を補正量dVTmodeで補正して目標進角量V
TTを算出する。 VTT=VTbse +dVTmode
【0051】以上説明した本実施形態(2)のようにし
ても、前記実施形態(1)と同じように、運転者の要求
や車両の運転状態が変化して優先すべきエンジン性能向
上目標が変化したときに、その変化に合わせて可変バル
ブタイミング制御の制御特性を変化させることができ、
可変バルブタイミング制御の効果を十分に活用すること
ができる。
【0052】尚、本実施形態(2)では、ノーマルモー
ド時の目標進角量を基本目標進角量として求め、この基
本目標進角量を補正してパワーモード時やエコノミーモ
ード時の目標進角量を求めるようにしたが、パワーモー
ド時の目標進角量を基本目標進角量として求め、この基
本目標進角量を補正してノーマルモード時やエコノミー
モード時の目標進角量を求めるようにしても良い。或
は、エコノミーモード時の目標進角量を基本目標進角量
として求め、この基本目標進角量を補正してノーマルモ
ード時やパワーモード時の目標進角量を求めるようにし
ても良い。
【0053】《実施形態(3)》次に、本発明の実施形
態(3)を図5乃至図9を用いて説明する。近年の電子
制御化されたAT(オートマチックトランスミッショ
ン)では、車両運転モード(例えばパワーモードやエコ
ノミーモード)に応じてATのシフトタイミング(シフ
トスケジュール)を変化させるようにしたものがある。
ATのシフト動作や可変バルブタイミング装置29,3
0の制御には、油圧制御回路による応答遅れがあるが、
ATの油圧制御回路は、可変バルブタイミング装置2
9,30の油圧制御回路に比べて複雑で大きな構成とな
っているため、ATの応答遅れの方が、可変バルブタイ
ミング装置29,30の応答遅れよりも大きい。
【0054】そこで、本実施形態(3)では、車両運転
モードの切り換えに伴って目標進角量を変化させる際
に、車両運転モードの切り換えタイミングから所定のデ
ィレイ時間経過後に、目標進角量を切り換え先の車両運
転モードに応じた目標進角量に変化させる処理を開始す
るディレイ制御を実施する。これにより、車両運転モー
ドに応じてATのシフトタイミングを変化させるシステ
ムの場合に、ATのシフト動作の応答遅れを考慮して遅
らせたタイミングで、目標進角量を切り換え先の車両運
転モードに応じた目標進角量に変化させる処理を開始し
て、可変バルブタイミング制御とAT制御の切り換えを
同期させる。
【0055】また、車両運転モードの切り換えに伴って
目標進角量を変化させる際に、目標進角量を切り換え先
の車両運転モードに応じた目標進角量まで瞬時に変化さ
せると、その変化量が大きい場合には、エンジントルク
が急変してドライバビリティに悪影響を及ぼす可能性が
あると共に、実進角量がオーバーシュートして切り換え
先の目標進角量付近で振動するハンチング現象が発生す
る可能性がある。
【0056】これらの対策として、本実施形態(3)で
は、車両運転モードの切り換えに伴って目標進角量を変
化させる際に、目標進角量を切り換え先の車両運転モー
ドに応じた目標進角量に向けて徐々に変化させる徐変制
御を実施する。
【0057】以下、本実施形態(3)でECU33が実
行する図5乃至図8に示す各プログラムの処理内容を説
明する。
【0058】図5に示す目標進角量算出プログラムは、
イグニッションスイッチのオン後に所定周期で実行され
る。本プログラムが起動されると、まずステップ401
で、前述した図3に示す車両運転モード判定プログラム
を実行して、パワーモード、エコノミーモード、ノーマ
ルモードのうちのいずれか1つの車両運転モードを選択
した後、ステップ402に進み、後述する図6に示すデ
ィレイ時間算出プログラムを実行して、車両運転モード
の切り換え時のディレイ制御に用いるディレイ時間TD
Lを算出する。
【0059】この後、ステップ403に進み、後述する
図7に示す通常目標進角量算出プログラムを実行するこ
とで、車両運転モードに対応した通常目標進角量マップ
を用いて、現在のエンジン運転状態に応じた通常目標進
角量VTT0 を算出する。
【0060】この後、ステップ404に進み、後述する
図8に示す最終目標進角量算出プログラムを実行するこ
とで、車両運転モードの切り換えタイミングからディレ
イ時間TDL経過後に、目標進角量を切り換え先の車両
運転モードに応じた通常目標進角量VTT0 に変化させ
る処理を開始する共に、目標進角量を切り換え先の車両
運転モードに応じた通常目標進角量VTT0 に向けて徐
々に変化させるように最終目標進角量VTTを算出す
る。
【0061】一方、上記ステップ402で、図6に示す
ディレイ時間算出プログラムが起動されると、ステップ
501で、ディレイ時間マップを検索して、現在のエン
ジン運転状態(例えばエンジン回転速度NEと負荷)に
応じてディレイ時間TDLを算出する。
【0062】ここで、ATや可変バルブタイミング装置
29,30の応答遅れ特性は、それぞれの油圧制御回路
の作動油の油圧や流動性(粘度)によって変化するが、
エンジン運転状態によって、油圧供給源となるオイルポ
ンプの駆動状態や油温が変化して、作動油の油圧や流動
性(粘度)が変化するため、エンジン運転状態によって
ATや可変バルブタイミング装置29,30の応答遅れ
特性が変化する。
【0063】そこで、本プログラムでは、エンジン運転
状態に応じてディレイ時間TDLを算出することで、エ
ンジン運転状態に応じてATや可変バルブタイミング装
置29,30の応答遅れ特性が変化するのに対応して、
ディレイ時間TDLを適正な値に設定するようにしてい
る。
【0064】しかしながら、演算処理の簡略化のために
ディレイ時間TDLを予め設定した固定値としても良い
ことは言うまでもない。
【0065】図7に示す通常目標進角量算出プログラム
(図5のステップ403)では、車両運転モードがパワ
ーモードの場合には、ステップ601→ステップ602
へと進み、パワーモード時の通常目標進角量マップを検
索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転
速度NEと負荷)に応じた通常目標進角量VTT0 を算
出する。
【0066】一方、車両運転モードがエコノミーモード
の場合には、ステップ601→ステップ603→ステッ
プ604へと進み、エコノミーモード時の通常目標進角
量マップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えば
エンジン回転速度NEと負荷)に応じた通常目標進角量
VTT0 を算出する。
【0067】また、車両運転モードがノーマルモードの
場合には、ステップ601→ステップ603→ステップ
605へと進み、ノーマルモード時の通常目標進角量マ
ップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエン
ジン回転速度NEと負荷)に応じた通常目標進角量VT
T0 を算出する。
【0068】図8に示す最終目標進角量算出プログラム
(図5のステップ404)では、まず、ステップ701
で、車両運転モードが切り換わってからの経過時間がデ
ィレイ時間TDLを越えたか否か判定する。車両運転モ
ードが切り換わってからディレイ時間TDL経過前は、
ステップ701からステップ705に進み、切り換え前
の車両運転モードにおける通常目標進角量VTT0 (以
下「切り換え前の通常目標進角量VTT0 」と略記す
る)を最終目標進角量VTTとして設定する。
【0069】その後、車両運転モードが切り換わってか
らディレイ時間TDL経過後は、ステップ701からス
テップ702に進み、現在の最終目標進角量VTTが、
切り換え先の車両運転モードにおける通常目標進角量V
TT0 (以下「切り換え先の通常目標進角量VTT0 」
と略記する)以上であるか否かを判定する。ここで、デ
ィレイ時間TDL経過後の初回は、最終目標進角量VT
T=切り換え前の通常目標進角量VTT0 となっている
ため、このステップ702で、切り換え前の通常目標進
角量VTT0 が、切り換え先の通常目標進角量VTT0
以上であるか否かを判定することになる。
【0070】現在の最終目標進角量VTT(ディレイ時
間TDL経過後の初回は切り換え前の通常目標進角量V
TT0 )が、切り換え先の通常目標進角量VTT0 より
も小さいと判定された場合には、ステップ703に進
み、最終目標進角量VTTに所定の徐変量αを加算した
値と、切り換え先の通常目標進角量VTT0 とを比較し
て、小さい方を最終目標進角量VTTに設定する。これ
により、最終目標進角量VTTが切り換え先の通常目標
進角量VTT0 に到達するまで、最終目標進角量VTT
を徐変量αずつ増加させて切り換え先の通常目標進角量
VTT0 に向かって徐々に変化させる。
【0071】尚、徐変量αは、演算処理の簡略化のため
に予め設定した固定値としても良いが、目標進角量を切
り換え先の通常目標進角量VTT0 に変化させる際の変
化量(つまり、切り換え前の通常目標進角量VTT0 と
切り換え先の通常目標進角量VTT0 との差)は、その
ときのエンジン運転状態によって変化するので、徐変量
αをエンジン運転状態に応じてマップ等により設定する
ようにしても良い。
【0072】一方、上記ステップ702で、現在の最終
目標進角量VTT(ディレイ時間TDL経過後の初回は
切り換え前の通常目標進角量VTT0 )が、切り換え先
の通常目標進角量VTT0 以上と判定された場合には、
ステップ704に進み、最終目標進角量VTTから所定
の徐変量αを減算した値と、切り換え先の通常目標進角
量VTT0 とを比較して、大きい方を最終目標進角量V
TTに設定する。これにより、最終目標進角量VTTが
切り換え先の通常目標進角量VTT0 に到達するまで、
最終目標進角量VTTを徐変量αずつ減少させて切り換
え先の通常目標進角量VTT0 に向かって徐々に変化さ
せる。
【0073】以上説明した本実施形態(3)の実行例を
図9のタイムチャートを用いて説明する。車両運転モー
ドとしてノーマルモードが選択されているときには、ノ
ーマルモード時の通常目標進角量マップに基づいて通常
目標進角量VTT0 を算出し、パワーモードが選択され
ているときには、パワーモード時の通常目標進角量マッ
プに基づいて通常目標進角量VTT0 を算出するが、車
両運転モードがノーマルモードからパワーモードに切り
換わった際には、車両運転モードが切り換わった時点t
1 からディレイ時間TDLが経過する前は、目標進角量
VTTをノーマルモードにおける通常目標進角量VTT
0 に設定する。
【0074】その後、車両運転モードが切り換わった時
点t1 からディレイ時間TDLが経過した時点t2 (A
Tの応答遅れを考慮して遅らせたタイミング)で、目標
進角量VTTをノーマルモードにおける通常目標進角量
VTT0 からパワーモードにおける通常目標進角量VT
T0 に変化させる処理を開始し、目標進角量VTTを徐
変量αずつ増加させてパワーモードにおける通常目標進
角量VTT0 に向かって徐々に変化させる。
【0075】その後、目標進角量VTTがパワーモード
における通常目標進角量VTT0 に到達した時点t3
で、目標進角量VTTを徐変する処理を停止し、目標進
角量VTTをパワーモードにおける通常目標進角量VT
T0 に設定する。
【0076】以上説明した本実施形態(3)によれば、
ATのシフト動作の応答遅れを考慮して車両運転モード
の切り換えタイミングからディレイ時間TDLが経過し
た時点で、目標進角量VTTを切り換え先の車両運転モ
ードにおける通常目標進角量VTT0 に変化させる処理
を開始するディレイ制御を実施するようにしたので、可
変バルブタイミング制御とAT制御の切り換えを同期さ
せることができる。また、仮に、車両運転モードが短時
間のうちに頻繁に切り換わったとしても、ディレイ制御
によって目標進角量ひいては実進角量が短時間のうちに
頻繁に切り換わるチャタリング現象を防止することがで
きる。
【0077】更に、本実施形態(3)では、車両運転モ
ードの切り換えに伴って目標進角量VTTを変化させる
際に、目標進角量VTTを切り換え先の車両運転モード
における通常目標進角量VTT0 に向けて徐々に変化さ
せる徐変制御を実施するようにしたので、車両運転モー
ドの切り換え時に、エンジントルクの急変を防止してド
ライバビリティの悪化を防止することができると共に、
実目標進角量のオーバーシュートやハンチングを防止し
て収束性を向上させることができる。
【0078】《実施形態(4)》前記実施形態(3)で
は、各車両運転モード毎にそれぞれエンジン運転状態に
応じた通常目標進角量マップを設け、選択した車両運転
モードに対応した通常目標進角量マップを用いて通常目
標進角量を求めるようにしたが、本発明の実施形態
(4)では、図10に示す通常目標進角量算出プログラ
ムを実行することで、上記実施形態(2)と同じよう
に、基本となる車両運転モードについて作成した基本目
標進角量マップを用いてエンジン運転状態に応じた基本
目標進角量を求めた後、選択した車両運転モードに応じ
て基本目標進角量を補正して最終的な通常目標進角量を
求めるようにしている。
【0079】図10に示す目標進角量算出プログラムで
は、ステップ801で、基本目標進角量マップを検索し
て、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度
NEと負荷)に応じた基本目標進角量VTbse を算出す
る。本実施形態(4)では、この基本目標進角量マップ
として、例えばノーマルモード時の通常目標進角量マッ
プがECU33のROMに予め記憶されている。
【0080】この後、車両運転モードがパワーモードの
場合には、ステップ802→ステップ803へと進み、
パワーモード時の補正量マップを検索して、現在のエン
ジン運転状態(例えばエンジン回転速度NEと負荷)に
応じた補正量dVTpow を算出した後、ステップ804
に進み、補正量dVTmodeとしてパワーモード時の補正
量dVTpow を設定する(dVTmode=dVTpow )。
【0081】一方、車両運転モードがエコノミーモード
の場合には、ステップ802→ステップ805→ステッ
プ806へと進み、エコノミーモード時の補正量マップ
を検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン
回転速度NEと負荷)に応じた補正量dVTeco を算出
した後、ステップ807に進み、補正量dVTmodeとし
てエコノミーモード時の補正量dVTeco を設定する
(dVTmode=dVTeco )。
【0082】また、車両運転モードがノーマルモードの
場合には、ステップ802→ステップ805→ステップ
808へと進み、補正量dVTmodeを「0」に設定する
(dVTmode=0)。
【0083】以上のようにして車両運転モードに応じた
補正量dVTmodeを設定した後、ステップ809に進
み、基本目標進角量VTbse を補正量dVTmodeで補正
して通常目標進角量VTTを算出する(VTT=VTbs
e +dVT)。以上説明した本実施形態(4)のように
しても、前記実施形態(3)と同じ効果を得ることがで
きる。
【0084】尚、本実施形態(4)では、ノーマルモー
ド時の通常目標進角量を基本目標進角量として求め、こ
の基本目標進角量を補正してパワーモード時やエコノミ
ーモード時の通常目標進角量を求めるようにしたが、パ
ワーモード時の通常目標進角量を基本目標進角量として
求め、この基本目標進角量を補正してノーマルモード時
やエコノミーモード時の通常目標進角量を求めるように
しても良い。或は、エコノミーモード時の通常目標進角
量を基本目標進角量として求め、この基本目標進角量を
補正してノーマルモード時やパワーモード時の通常目標
進角量を求めるようにしても良い。
【0085】また、上記実施形態(3)、(4)では、
車両運転モードの切り換えに伴って目標進角量を変化さ
せる際に、ディレイ時間経過後に目標進角量を変化させ
る処理を開始するディレイ制御と、目標進角量を徐々に
変化させる徐変制御とを両方とも実施するようにした
が、ディレイ制御と徐変制御のいずれか一方のみを実施
するようにしても良い。
【0086】また、上記各実施形態(1)〜(4)で
は、運転者がスイッチ操作した時と、車両の運転状態が
所定状態となった時の両方(つまり手動と自動の両方)
で、車両運転モードを切り換えるようにしたが、運転者
がスイッチ操作した時のみ(つまり手動でのみ)、車両
運転モードを切り換えるようにしても良い。或は、車両
の運転状態が所定状態となった時のみ(つまり自動での
み)、車両運転モードを切り換えるようにしても良い。
【0087】また、上記各実施形態(1)〜(4)で
は、車両運転モードをパワーモード、エコノミーモー
ド、ノーマルモードの3段階で切り換えるようにした
が、2段階又は4段階以上に切り換えるようにしても良
く、車両運転モードの種類や数は、適宜変更しても良
い。
【0088】また、上記各実施形態(1)〜(4)で
は、吸気バルブタイミング制御と排気バルブタイミング
制御の両方に本発明を適用したが、吸気バルブタイミン
グ制御と排気バルブタイミング制御のいずれか一方につ
いてのみ本発明を適用するようにしても良い。
【0089】その他、本発明は、吸気バルブや排気バル
ブのリフト量、作用角等を可変する可変バルブ制御に適
用しても良い等、種々変更して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエンジン制御
システム全体の概略構成図
【図2】実施形態(1)の目標進角量算出プログラムの
処理の流れを示すフローチャート
【図3】実施形態(1)の車両運転モード判定プログラ
ムの処理の流れを示すフローチャート
【図4】実施形態(2)の目標進角量算出プログラムの
処理の流れを示すフローチャート
【図5】実施形態(3)の目標進角量算出プログラムの
処理の流れを示すフローチャート
【図6】実施形態(3)のディレイ時間算出プログラム
の処理の流れを示すフローチャート
【図7】実施形態(3)の通常目標進角量算出プログラ
ムの処理の流れを示すフローチャート
【図8】実施形態(3)の最終目標進角量算出プログラ
ムの処理の流れを示すフローチャート
【図9】実施形態(3)の実行例を示すタイムチャート
【図10】実施形態(4)の通常目標進角量算出プログ
ラムの処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…ス
ロットルバルブ、20…燃料噴射弁、21…点火プラ
グ、24…排気管、27…吸気バルブ、28…排気バル
ブ、29,30…可変バルブタイミング装置(可変バル
ブ装置)、33…ECU(車両運転モード判定手段,バ
ルブ制御量設定手段)。
フロントページの続き Fターム(参考) 3G092 AA01 AA05 AA11 DA01 DA02 DA03 DC01 DG05 EA08 EA11 EA16 EA17 EA22 EB04 EC09 FA01 FA03 GA06 GA12 GA18 GB06 GB09 HA01Z HA05Z HA06Z HA13X HE03Z HE08Z HF00Z HF08Z HF12Z HF21Z HG02Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気バルブ及び/又は排気バ
    ルブのバルブタイミング、リフト量、作用角等の少なく
    とも1つ(以下「バルブ制御量」という)を可変する内
    燃機関の可変バルブ制御装置において、 車両運転モードを判定する車両運転モード判定手段と、 前記車両運転モード判定手段で判定した車両運転モード
    に応じて前記バルブ制御量を設定するバルブ制御量設定
    手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の可変バ
    ルブ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記車両運転モード判定手段は、所定の
    パワーモード条件が成立したときに機関出力向上を優先
    するパワーモードを選択する手段と、所定のエコノミー
    モード条件が成立したときに燃費節減を優先するエコノ
    ミーモードを選択する手段と、前記パワーモード条件と
    前記エコノミーモード条件が両方とも不成立のときにノ
    ーマルモードを選択する手段のうちの2つ以上の手段を
    備えていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関
    の可変バルブ制御装置。
  3. 【請求項3】前記パワーモード条件は、運転者によりパ
    ワーモードスイッチがオンされた時、登坂走行時、加速
    時の燃料噴射増量補正時、内燃機関の高回転・高負荷運
    転時、変速装置のシフトダウン時のいずれかの時に成立
    することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変
    バルブ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記エコノミーモード条件は、運転者に
    よりエコノミーモードスイッチがオンされた時、又はス
    ロットル開度が所定開度以上になる頻度が所定値を越え
    た時に成立することを特徴とする請求項2又は3に記載
    の内燃機関の可変バルブ制御装置。
  5. 【請求項5】 各車両運転モード毎にそれぞれ機関運転
    状態に応じたバルブ制御量を設定するためのマップを記
    憶する記憶手段を備え、 前記バルブ制御量設定手段は、前記車両運転モード判定
    手段で判定した車両運転モードに対応したマップを用い
    て機関運転状態に応じたバルブ制御量を設定することを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関
    の可変バルブ制御装置。
  6. 【請求項6】 いずれか1つの車両運転モードについて
    機関運転状態に応じたバルブ制御量を設定するためのマ
    ップ(以下「基本バルブ制御量マップ」という)を記憶
    する記憶手段を備え、 前記バルブ制御量設定手段は、前記基本バルブ制御量マ
    ップを用いて機関運転状態に応じた基本バルブ制御量を
    求め、前記車両運転モード判定手段で判定した車両運転
    モードに応じて前記基本バルブ制御量を補正して最終的
    なバルブ制御量を求めることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の内燃機関の可変バルブ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記バルブ制御量設定手段は、前記車両
    運転モードの切り換えに伴って前記バルブ制御量を変化
    させる際に、前記車両運転モードの切り換えタイミング
    から所定のディレイ期間経過後に該バルブ制御量を切り
    換え先の車両運転モードに応じたバルブ制御量に変化さ
    せる処理を開始することを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれかに記載の内燃機関の可変バルブ制御装置。
  8. 【請求項8】 前記バルブ制御量設定手段は、前記ディ
    レイ期間を機関運転状態に応じて設定することを特徴と
    する請求項7に記載の内燃機関の可変バルブ制御装置。
  9. 【請求項9】 前記バルブ制御量設定手段は、前記車両
    運転モードの切り換えに伴って前記バルブ制御量を変化
    させる際に、該バルブ制御量を切り換え先の車両運転モ
    ードに応じたバルブ制御量に向けて徐々に変化させるこ
    とを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の内燃
    機関の可変バルブ制御装置。
  10. 【請求項10】 前記バルブ制御量設定手段は、前記バ
    ルブ制御量を徐々に変化させる際の徐変条件を機関運転
    状態に応じて設定することを特徴とする請求項9に記載
    の内燃機関の可変バルブ制御装置。
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