JP2003313441A - 安定化された含ハロゲン樹脂組成物 - Google Patents

安定化された含ハロゲン樹脂組成物

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JP2003313441A JP2002125980A JP2002125980A JP2003313441A JP 2003313441 A JP2003313441 A JP 2003313441A JP 2002125980 A JP2002125980 A JP 2002125980A JP 2002125980 A JP2002125980 A JP 2002125980A JP 2003313441 A JP2003313441 A JP 2003313441A
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Shigeo Miyata
宮田茂男
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Sea Water Chemical Institute Inc
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KAISUI KAGAKU KENKYUSHO KK
Sea Water Chemical Institute Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鉛系安定剤に代わる無毒で初期および中期着色
が少なく、無発泡、高熱安定性、低価格の熱安定剤を提
供する。 【解決手段】微粒子、高比表面積の水酸化カルシウムの
結晶表面をZnまたはZnとMgおよび/またはAlの
溶液、またはそれらの水酸化物で置換または被覆した新
規な水酸化カルシウム系化合物を熱安定剤として使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水酸化カルシウム
の結晶表面のCaがZnまたはZnとMgおよび/また
はAlの水酸化物で置換、またはそれらの水酸化物で被
覆された水酸化カルシウム系化合物を含有することを特
徴とする安定化された含ハロゲン樹脂組成物に関する。
さらに詳しくは、水酸化カルシウムの欠点である初期お
よび中期の着色を低減した、無毒で熱安定性に優れた安
定化された含ハロゲン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】含ハロゲン樹脂は熱や光に対して不安定
であるため、熱熔融加工する前に熱安定剤を添加する必
要がある。熱安定剤としては、鉛系化合物、有機スズ系
化合物、Cd/Ba系金属石けん、Ba/Zn系金属石
けん、Ca/Zn系金属石けん、ハイドロタルサイト類
等が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】熱安定剤の毒性およ
び、それらが環境に及ぼす悪影響に対する関心が世界的
に高まりつつある。その結果、今まで大量に使用されて
きた鉛系、Cd/Ba系を安全なものに代替する新たな
規制が出来つつある。この傾向から近い将来、有機スズ
系、Ba/Zn系等も規制化される可能性がある。
【0004】安全性が高い既存の熱安定剤としては、C
a/Zn系とハイドロタルサイト類である。しかし、C
a/Zn系は熱安定効果が見劣りし、ハイドロタルサイ
ト類は結晶水があって発泡し易く、しかも比較的高価で
ある。
【0005】したがって本発明は、無毒で熱安効果が高
く、発泡が無く、且つ安価な熱安定剤の提供を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は無毒で、安価
で、結晶水を持たない水酸化カルシウムに注目し、その
欠点である初期、中期着色を次の方法で克服した。すな
わち、本発明は水酸化カルシウムの結晶表面のCaをZ
nまたはZnとMgおよび/またはAlで置換、または
それらの水酸化物で被覆し、その後、アニオン系界面活
性剤で表面処理した新規な水酸化カルシウム系化合物を
熱安定剤として含有する、安定化された含ハロゲン樹脂
を提供する。
【0007】さらに本発明は、新規な水酸化カルシウム
系化合物およびその製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の水酸化カルシウム系化合
物には2つの形態がある。第1の形態は、水酸化カルシ
ウムの結晶表面近傍のCaをZnまたはZnおよび/ま
たはAlで置換し、それらの水酸化物とした物である。
第2の形態は、ZnまたはZnおよびMg/またはAl
と、これらとほぼ当量以上のアルカリとを水酸化カルシ
ウム結晶表面上に共沈させ、被覆した物である。水酸化
カルシウムに対するZnまたはZnおよびMg/または
Alの合計モル数の割合は、0.01〜10モル%、好
ましくは0.1〜10モル%、特に好ましくは0.1〜
6モル%である。
【0009】本発明で用いるZnまたはZnとMg/ま
たはAlは、水酸化カルシウムの結晶表面のCaを置換
またはそれらの水酸化物で被覆することにより、水酸化
カルシウムの初期および中期の着色を改善する。その理
由は、Ca>Mg>Zn≧Alの順に電子供与性が低下
し、その順序で水酸化物の含ハロゲン樹脂に対する着色
性が低下するものと考えられるからである。しかも、熱
安定剤として反応に関与するのは、水酸化カルシウムの
結晶表面近傍だけであるから、結晶表面近傍だけ改質す
れば、水酸化カルシウムの性質を実質的に改質できたこ
とになる。以上の考えに基づき、本発明に到達した。
【0010】本発明の水酸化カルシウム系化合物はその
結晶の特徴から、X線回析パターンは、水酸化カルシウ
ム、またはそれとZnとMgおよび/またはAlの混合
水酸化物と思われる微弱な約7.6Å近傍の回析ピーク
との混合である。
【0011】本発明の水酸化カルシウム系化合物が良好
な熱安定剤として効果を発揮するためには、1次粒子、
2次粒子共に小さく、且つ含ハロゲン樹脂との相溶性が
高いことが好ましい。そのためには、BET比表面積が
少なくとも3m/g以上、好ましくは5〜20m
g、特に好ましくは10〜20m/gであり、且つレ
ーザー回析法で測定される粒度分布から算出される累積
平均2次粒子径が2μm以下、好ましくは1.5μm以
下、特に好ましくは1.0μm以下であることが好まし
い。
【0012】含ハロゲン樹脂との相溶性を高めるため
に、アニオン系界面活性剤を用い、水酸化カルシウム系
化合物の重量に対し、0.1〜10重量%の量で表面処
理することが好ましい。
【0013】本発明の水酸化カルシウム系化合物の製造
は、水酸化カルシウムを水等の溶媒に分散させた後、攪
拌下にZnまたはZnとMgおよび/またはAlの混合
水溶液を添加反応させることにより実施できる。この場
合、温度は特に制約は無いが、好ましくは約20〜90
℃である。これ以外の製造方法は上記製造において、Z
nまたはZnとMgおよび/またはAlの合計モル数に
対し、約当量以上のアルカリ、例えば水酸化ナトリウム
等をZnまたはZnとMgおよび/またはAlの混合水
溶液と同時添加し、共沈させることにより実施できる。
水酸化カルシウムの代わりにドロマイトを焼成後、水和
して用いることもできる。本発明で用いる水溶性のZ
n、MgおよびAlの塩としては、例えば硝酸塩、塩化
物、硫酸塩、アルミン酸ソーダ、酢酸塩、有機酸金属塩
等を挙げることができる。
【0014】本発明の水酸化カルシウム系化合物の表面
処理は、高級脂肪酸またはそのアルカリ金属塩、ジアル
キルスルホコハク酸類のアルカリ金属塩、ジ(ユーエチ
ルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、アルキルサル
フェートおよびアルキルエーテルサルフェート類のアル
カリ金属塩、アシルメチルタウリン酸類のアルカリ金属
塩、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、高
分子型ポリカルボン酸またはそのアルカリ金属塩、リン
酸エステルまたはそのアルカリ金属塩等のアニオン系界
面活性剤を用いることができる。その使用量は水酸化カ
ルシウム系化合物の重量に基づき0.1〜10重量%、
好ましくは0.5〜5%、特に好ましくは1〜4%であ
る。
【0015】表面処理方法はそれ自体公知の方法により
実施できるが、水媒体中に本発明水酸化カルシウム系化
合物を分散させ、攪拌下に前記アニオン系界面活性剤の
水溶液を添加する湿式法を用いることが好ましい。もち
ろん溶媒を使用せず、ヘンシエルミキサー等で解砕・混
合しつつ、表面処理剤を添加する乾式法も採用すること
ができる。表面処理後は必要に応じて、ろ過、水洗、脱
水、乾燥、粉砕等の手段を適宜選択して実施し、最終製
品形態とすることができる。
【0016】本発明の安定化された含ハロゲン樹脂は、
含ハロゲン樹脂100重量部に0.01〜10重量部、
好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは0.2〜
3重量部の本発明水酸化カルシウム系化合物を含有す
る。本発明の安定化された含ハロゲン樹脂は、これ以外
に(a)0.01〜2重量部、好ましくは0.1〜1重
量部の亜鉛化合物、(b)0.001〜2重量部、好ま
しくは0.01〜1重量部のβ−ジケトン類、(c)
0.001〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部の
多価アルコール類、(d)0〜1重量部、好ましくは0
〜0.5重量部の過塩素酸塩類、(e)0〜2重量部、
好ましくは0〜1重量部のハイドロタルサイト類を併用
して用いることが好ましい。
【0017】本発明で用いる(a)亜鉛化合物として
は、例えばラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等
の有機酸の亜鉛塩、酸化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機亜鉛化
合物等を挙げることができる。好ましくは亜鉛の有機酸
塩である。
【0018】本発明で用いる(b)β−ジケトン類は、
亜鉛化合物と併用することにより、初期着色防止に有用
な化合物であり、下記一般式(1)
【化1】 (式中、RおよびRは同一または異なってもよく、
30個までの炭素原子を有する直鎖、または分枝状のア
ルキル、またはアルケニル基、アリ−ル基、または脂環
式基、Rは水素、アルキル基、アルケニル基を表わ
す)で表される化合物である。このようなβ−ジケトン
類の中で好ましく用いられる物として、例えばジベンゾ
イルメタン(DBM)、ステアロイルベンゾイルメタン
(SBM)、ベンゾイルアセトン、アセチルアセトン、
デヒドロ酢酸等を挙げることができる。
【0019】本発明で用いる(c)多価アルコール類は
熱安定性の改良に有用であり、多価アルコ−ル、または
多価アルコ−ルとモノ、またはポリカルボン酸との部分
エステルである。その様な化合物としては、マンニト−
ル、ソルビト−ル、ペンタエリスリト−ル、ジペンタエ
リスリトール、トリメチロ−ルプロパン等を挙げること
ができる。
【0020】本発明で用いる(d)過塩素酸塩類は初期
着色防止に有用であり、例えば過塩素酸のNa,K,C
a,Ba等の金属塩、および下記式(2)
【化2】 (式中、M2+はMgおよび/またはZnを示し、A
n−はCO 2−,HPO等のClO 以外のn
価のアニオンを示し、x,y,zおよびmはそれぞれ次
の範囲、0.1<x<0.5、好ましくは0.2≦x≦
0.4,0<y<0.5、好ましくは0.2≦y≦0.
4,0≦z<y,y+nz=x,0≦m<3、を満足す
る0または正の数を示す)で表される過塩素酸イオン
を、層間アニオンとして含有するハイドロタルサイト類
を挙げることができる。
【0021】本発明で用いる(e)ハイドロタルサイト
類は熱安定性の改良に有用であり、式(2)において、
2+がMgおよび/またはZnで、An−がCO
2−で、x=0.25〜0.4,y=0〜0.4のハイ
ドロタルサイト類を用いることが好ましい。
【0022】本発明で用いる含ハロゲン樹脂としては次
の様なものが例示される。ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エ
チレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩
化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレ
ン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩
化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩
化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化
ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン
共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩
化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル
−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリ
ル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル
共重合体、塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体等
の含塩素合成樹脂。これらの含塩素合成樹脂相互の、あ
るいは他の塩素を含まない合成樹脂とのブレンド品、ブ
ロック共重合体、グラフト共重合体等。
【0023】本発明の樹脂組成物には、慣用の他の添加
剤を配合することもできる。この様な他の添加剤として
は、例えば次のものを例示できる。ビスフェノールAテ
トラC12−15アルキルジホスファイト、トリデシル
ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリス(モ
ノフェニル)ホスファイト等のホスファイト系安定助
剤。エポキシ化植物油、エポキシ化オレイン酸エステル
類、エポキシ化エルシン酸エステル類等のエポキシ系安
定助剤。チオジプロピオン酸、ジエチルチオジプロピオ
ン酸エステル等の含硫黄化合物系安定助剤。アルキルガ
レート、アルキル化フェノール等のフェノール、スチレ
ン化フェノール等のフェノール系安定助剤。グリシン、
アラニン、ロイシン、イソロイシン、グリシンアミド、
ヒスチジンエチルエステル、トリプトファンベンジルエ
ステル等のα−アミノ酸およびその官能性誘導体系安定
助剤。スチレン化パラクレゾール、2,6−ジ第3級ブ
チル−4−メチルフェノール、ブチル化アニソール、
4,4'−メチレンビス(6−第3級ブチル−3−メチ
ルフェノール)、2,2'メチレンビス(6−第3級ブ
チル−4−メチルフェノール)、1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[3−
(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニル)
プロピオニルオキシメチレン]メタン等の酸化防止剤。
【0024】これら添加剤の配合量は適宜選択すること
ができ、例えば含ハロゲン樹脂100重量部に対して約
0.01〜約5重量部の安定助剤類、約0.01〜約2
重量部の酸化防止剤が例示される。本発明は前期添加物
以外に慣用の他の添加剤、例えば可塑剤、滑剤、加工助
剤、耐候性改良剤、帯電防止剤、防曇剤、強化剤、充填
剤、顔料等を配合してもよい。本発明において、含ハロ
ゲン樹脂と本発明の添加剤、および他の添加剤との混合
混練は、両者を均一に混合できる慣用の方法を採用すれ
ばよい。例えば一軸または二軸押出機、ロール、バンバ
リーミキサー等の任意の混合混練手段を採用できる。成
形方法にも特別の制約はなく、例えば射出成形、押出成
形、ブロー成形、プレス成形、回転成形、カレンダー成
形、シートフォーミング成形、トランスファー成形、積
層成形、真空成形等の任意の成形手段を採用できる。
【0025】以下、実施例に基づき本発明をより詳細に
説明する。以下の各例において、%は重量%を意味す
る。
【0026】
【実施例1】4モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶
液(約40℃)を1.05リットル入れた、容量3リッ
トルのステンレス製反応槽をケミスターラーで攪拌しつ
つ、2モル/リットルの塩化カルシウム水溶液(約40
℃)1リットルを除々に加え、微粒子の水酸化カルシウ
ムを合成した。引き続き、0.1モル/リットルの塩化
亜鉛水溶液(Caに対して0.5モル%に相当)100
mlを加え、約10分間攪拌を継続した。得られた反応
物スラリーを減圧ろ過、水洗後、水を加え、攪拌処理し
て再スラリー化し、全量を約3リットルとした後、加熱
して約70℃昇温した。これに3.2gのラウリン酸ソ
ーダ(純度87%、水酸化カルシウム系化合物に対して
約2%に相当)を溶解した温水(約70℃)100ml
を攪拌下に加え、表面処理を行った。この後、ろ過、水
洗し、約120℃で10時間乾燥し、粉砕した。
【0027】粉砕物のX線回析は、水酸化カルシウムの
みの回析パターンを示した。粉砕物を塩酸に溶解して、
キレート滴定法で分析を行った結果、Ca:Znのモル
比は99.5:0.5であった。粉砕品を塩酸に溶解
後、エーテルで抽出し、乾燥後、重量を測定し、ラウリ
ン酸量を定量した結果、1.7%であった。BET比表
面積を液体窒素吸着法で測定した結果、16m/gで
あった。
【0028】粉砕物をイソプロピルアルコールに加え、
超音波で5分間分散処理後、レーザー回析法粒度分布測
定機を用いて粒度分布を測定した結果、累積50%の平
均2次粒子径は0.98μmであった。TG/DTA装
置を用い、200℃までの重量変化を測定した結果、重
量減少は無かった。したがって、発泡の原因となる水の
発生は無いと考えられる。
【0029】
【実施例2】実施例1において、塩化亜鉛の代わりに塩
化亜鉛、塩化マグネシウム、硝酸アルミニウムの混合水
溶液[Zn2+=0.1モル/リットル、Mg=0.3
モル/リットル、Al=0.1モル/リットル,(Zn
+Mg+Al)/Ca=2.5モル%に相当]100m
lを加える以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0030】粉砕物のX線回析は、約7.6Åに微弱な
ピークが見られる以外は水酸化カルシウムの回析パター
ンであった。粉砕物の化学組成はCa:Zn:Mg:A
lのモル比で、97.4:0.5:1.5:0.6であ
り、ラウリン酸含有量は1.6%であった。BET比表
面積は17m/g、累積50%の平均2次粒子径は
1.2μmであった。TG/DTA分析による200℃
までの脱水量は0.8%であった。
【0031】
【実施例3】市販の高純度生石灰120gを60℃の温
水1リットルに加え、30分間ケミスターラーで攪拌
し、水和反応により、水酸化カルシウムを生成させた。
水和物を200メッシュのフルイ上に加え、水を加えな
がら水篩を行った。水篩した水酸化カルシウムの濃度を
塩酸で中和滴定法により定量し、2モル量を採り、容量
3リットルの反応槽に移し、スラリーの液量を約1.5
リットル(50℃)とした。このスラリーに、硝酸亜鉛
と硝酸アルミニウムの混合水溶液(Zn2+=0.1モ
ル/リットル、Al=0.05モル/リットル、約50
℃)300mlと、1モル/リットルの水酸化ナトリウ
ム95mlを攪拌下に加えた。引き続き、70℃まで加
熱し、水酸化カルシウムの3%に相当する1.65gの
ステアリン酸ナトリウム(純度90%)を溶解した温水
約300mlを攪拌下に加え、表面処理を行った。その
後、ろ過、水洗、乾燥、粉砕した。
【0032】粉砕物のX線回析は、約7.6Åに微弱な
ピークが見られる以外は水酸化カルシウムのみ回析パタ
ーンであった。化学組成はCa:Zn:Alのモル比
で、97.8:1.5:0.7であり、ステアリン酸の
含有量は2.4%であった。BET比表面積は12m
/g、累積50%の平均2次粒子径は1.0μmであっ
た。TG/DTA分析による200℃までの脱水量は
0.6%であった。
【0033】
【比較例1】実施例1において、塩化亜鉛を使用しない
以外は実施例1と同様の操作を行い、水酸化カルシウム
を合成した。この物のラウリン酸量は1.6%、BET
比表面積は15m/g、累積50%の平均2次粒子径
は1.1μmであった。TG/DTA分析による200
℃までの脱水量は0.1%であった。
【0034】
【実施例4】下記処方でポリ塩化ビニルに、実施例1−
3で得られた水酸化カルシウム系化合物を熱安定剤とし
て混合後、オープンロールを用いて165℃で3分間熔
融、混練し、厚さ1mmのシートを作成した。 [処方]ポリ塩化ビニル(信越化学製、分子量700) 100重量部 ステアリン酸亜鉛 0.2重量部 ステアロイルベンゾイルメタン 0.15重量部 ジペンタエリスリトール 0.2重量部 熱安定剤 1.0重量部
【0035】得られたシートを約3cm×3cmの大き
さに切り出し、これをテストピースとし、185℃のギ
ヤオーブンに入れ、10分間隔で取り出し、初期着色発
生までの時間と、中期の着色(赤茶色〜黄色)のレベ
ル、および黒化するまでの時間(熱安定時間)を目視で
判定した。同時に目視で発泡の有無も調べた。その結果
を表1に示す。
【0036】
【比較例2】比較例1で得られた水酸化カルシウムを用
い、実施例4の方法に従って、ポリ塩化ビニルの熱安定
性等を評価した結果を表1に示す。
【0037】
【比較例3】実施例4において、熱安定剤として、試薬
1級のステアリン酸カルシウムを用いた場合の評価結果
を表1に示す。
【0038】
【実施例5】実施例2で得られた水酸化カルシウム系化
合物と、市販の過塩素酸型ハイドロタルサイト類(商品
名 アルカマイザー5)を97:3の比率で粉末混合し
た物を熱安定剤として使用した。その結果を表1に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、水酸化カルシウムの結
晶表面をZnまたはZnとMgおよび/またはAlと置
換、またはそれらの水酸化物で被覆することにより、初
期および中期着色が良好で、且つ無毒、無発泡、高熱安
定性の優れた含ハロゲン樹脂用熱安定剤を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/09 C08K 5/09 9/00 9/00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含ハロゲン樹脂100重量部に、水酸化カ
    ルシウムの結晶表面のCaがZnまたはZnとMgおよ
    び/またはAlで置換、またはそれらの水酸化物で被覆
    された水酸化カルシウム系化合物を0.01〜10重量
    部含有することを特徴とする安定化された含ハロゲン樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1の水酸化カルシウム系化合物にお
    いて、Zn,MgおよびAlの合計モル数が、全Caの
    0.01〜10モル%の範囲であることを特徴とする請
    求項1記載の安定化された含ハロゲン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1の水酸化カルシウム系化合物のB
    ET比表面積が5〜20m/gの範囲にあり、且つ累
    積50%の平均2次粒子径が2μm以下であることを特
    徴とする請求項1記載の安定化された含ハロゲン樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】請求項1記載の水酸化カルシウム系化合物
    が、0.1〜10重量%のアニオン系界面活性剤で表面
    処理されていることを特徴とする請求項1記載の安定化
    された含ハロゲン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1記載の安定化された含ハロゲン樹
    脂組成物において、水酸化カルシウム系化合物に、さら
    に(a)0.01〜2重量部の亜鉛化合物、(b)0.
    001〜2重量部のβ−ジケトン類、(c)0.001
    〜2重量部の多価アルコール類、(d)0〜1重量部の
    過塩素酸塩類、(e)0〜2重量部のハイドロタルサイ
    ト類を含有することを特徴とする請求項1記載の安定化
    された含ハロゲン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】水酸化カルシウムの結晶表面のCaがZn
    またはZnとMgおよび/またはAlで、且つ全Caに
    対して0.01〜10モル%の量で置換、または水酸化
    物で被覆されていることを特徴とする水酸化カルシウム
    系化合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006118325A1 (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Kyowa Chemical Industry Co., Ltd. 樹脂組成物
JPWO2008062560A1 (ja) * 2006-11-21 2010-03-04 三菱樹脂株式会社 非鉛系塩化ビニル系樹脂組成物及び非鉛系塩化ビニル系押出成形体
KR101705683B1 (ko) * 2016-06-29 2017-02-13 주식회사 뉴보텍 열안정성 및 가공성이 향상된 무독성 합성수지 파이프용 수지 조성물 및 그로부터 제조되는 합성수지 파이프
CN111793198A (zh) * 2020-06-19 2020-10-20 广东鑫达新材料科技有限公司 一种适用于pvc钙锌稳定剂的钙盐及制备方法

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