JP2003313081A - セラミック積層グリーンシート及びその上へのパターン形成方法 - Google Patents

セラミック積層グリーンシート及びその上へのパターン形成方法

Info

Publication number
JP2003313081A
JP2003313081A JP2002115364A JP2002115364A JP2003313081A JP 2003313081 A JP2003313081 A JP 2003313081A JP 2002115364 A JP2002115364 A JP 2002115364A JP 2002115364 A JP2002115364 A JP 2002115364A JP 2003313081 A JP2003313081 A JP 2003313081A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic
green sheet
pattern
uppermost layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002115364A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigekatsu Onishi
重克 大西
Naoyuki Shiozawa
直行 塩沢
Satoshi Ozawa
里志 小澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2002115364A priority Critical patent/JP2003313081A/ja
Publication of JP2003313081A publication Critical patent/JP2003313081A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックグリーンシート上に感光性ペース
トを用いて現像時の残渣の発生や焼成時のデラミネーシ
ョン等の発生もなく、フォトリソグラフィー法により良
好なパターンが形成できるセラミックグリーンシート、
及びパターン形成方法を提供する。 【解決手段】 複数層のセラミックグリーンシートの積
層体からなるセラミック積層グリーンシートであり、少
なくとも最上部の層に含まれるセラミック粉末の粒径及
び/又は単位容積当りの含有比率が、他の層に含まれる
セラミック粉末の粒径及び/又は単位容積当りの含有比
率よりも小さくし、最上部の層を平滑性に優れたものと
する。好ましくは、最上部の層の厚さはシート全体の厚
さの3〜50%である。このセラミック積層グリーンシ
ート上に感光性ぺ一ストを塗布、乾燥し、次いで所定の
パターン通りに選択的に露光後、現像することにより、
導体パターン、抵抗体パターン等の各種パターンを効率
的に形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック積層グ
リーンシート及びその上に導体パターン、抵抗体パター
ン等のパターンを形成する方法に関するものである。な
お、本明細書において、セラミックグリーンシートと
は、受動体素子の作製の為にセラミックで作製したグリ
ーンシートや、半導体素子等を搭載し、それらを相互に
配線した高密度実装などに好適に用いられる焼成セラミ
ック基板、特に多層セラミック基板に好適に用いられる
セラミックで作製したグリーンシートをいい、セラミッ
ク積層グリーンシートとは複数層からなるセラミックグ
リーンシートをいう。本発明のセラミック積層グリーン
シートは、特に、セラミック多層基板の表層及び内層用
電極の微細な回路パターン形成に有利に用いることがで
きる。
【0002】
【従来の技術】多層セラミック基板は、主としてグリー
ンシート積層法によって作製されている。グリーンシー
ト積層法とは、導体層を印刷し、ビアホール加工を済ま
せたグリーンシートを多数枚積層して熱圧着後、同時に
焼成して多層基板とする方法である。従来、セラミック
グリーンシート基板に導体パターンを形成する方法とし
ては、導電ぺ一ストを用いたスクリーン印刷法が採用さ
れている。しかし、この方法では、L(線幅)/S(幅間
隔)=60μm/60μm以下の微細パターンの形成は
困難である。
【0003】一方、感光性導電ぺ一ストを用い、フォト
リソグラフィー(写真製版技術)法を利用して微細な導
体パターンを形成する方法は従来から知られている(例
えば、特開昭63−265979号公報、特開平5−6
7405号公報、特開平11−249301号公報、特
開平5−204151号公報参照)。しかしながら、こ
の方法は、焼成後のセラミック基板を用いる場合には有
利に適用できるが、焼成していない従来のグリーンシー
トに感光性導電ぺ一ストを用いて導体パターンを形成
し、その後同時焼成しようとした場合、グリーンシート
の表面が粗く凹凸を有するため、現像時に未露光部をき
れいに除去することが非常に難しく、残渣を生じるとい
う問題があった。
【0004】また、特開平8−34096号公報には、
セラミックグリーンシート上に感光性樹脂組成物の硬化
皮膜からなる樹脂層を形成することが提唱されている。
しかしながら、このような樹脂層をセラミックグリーン
シート上に形成した場合、焼成する際にデラミネーショ
ン(焼成後のセラミックシートと導体パターン層との間
に剥離、割れ目等が生ずる現象)が発生するという問題
があった。また、400〜450℃の低温で完全に燃焼
すること(脱バインダー)が難しくなる可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記したよ
うな従来技術の問題を解決すべくなされたものであり、
その主たる目的は、セラミックグリーンシート上に感光
性ペーストを塗布、乾燥し、現像した際の残渣の発生
や、焼成時のデラミネーション等の発生もなく、フォト
リソグラフィー法により良好なパターンが形成できるセ
ラミックグリーンシート、及びセラミックグリーンシー
ト上に導体パターン、抵抗体パターン等の各種パターン
を効率的に形成できる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、複数層のセラミックグリーンシー
トの積層体からなり、少なくとも最上部の層に含まれる
セラミック粉末の粒径及び/又は単位容積当りの含有比
率が、他の層に含まれるセラミック粉末の粒径及び/又
は単位容積当りの含有比率よりも小さいことを特徴とす
るセラミック積層グリーンシートが提供される。好適な
態様においては、最上部の層の厚さはシート全体の厚さ
の3〜50%である。さらに本発明によれば、前記のよ
うなセラミック積層グリーンシート上に感光性ぺ一スト
を塗布、乾燥し、次いで所定のパターン通りに選択的に
露光した後、現像することを特徴とするセラミック積層
グリーンシート上へのパターン形成方法が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】前記したように、従来の焼成して
いないグリーンシートに感光性ぺ一ストを用いてパター
ンを形成した場合には現像時に残渣を生じるという問題
があり、一方、特開平8−34096号公報に記載のよ
うに、セラミックグリーンシート上に感光性樹脂組成物
の硬化皮膜からなる樹脂層を形成した場合、焼成する際
にデラミネーションが発生するという問題があり、ま
た、400〜450℃の低温で完全に燃焼すること(脱
バインダー)が難しくなり、その後の同時焼成時にクラ
ック等を発生する可能性がある。
【0008】本発明者らは、このような問題について鋭
意研究の結果、表面状態の粗いグリーンシートの凹部内
に導電粉末がトラップ(保留)されることにより、現像
時に未露光部をきれいに除去することが非常に難しく、
残渣を生じること、及びデラミネーション等の問題はグ
リーンシートとパターン層との間に接着強度の劣る異質
の層が存在することに起因するという知見を得、これを
解決するためには、セラミック粉末含有という意味で同
種の複数層のセラミックグリーンシートの積層体からな
る構造とし、かつ、少なくとも最上部の層に含まれるセ
ラミック粉末の粒径及び/又は単位容積当りの含有比率
が、他の層に含まれるセラミック粉末の粒径及び/又は
単位容積当りの含有比率よりも小さくし、最上部の層を
平滑性に優れたものとする必要があることを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0009】すなわち、本発明のセラミック積層グリー
ンシートは、複数層のセラミックグリーンシートの積層
体からなり、少なくとも最上部の層に含まれるセラミッ
ク粉末の粒径及び/又は単位容積当りの含有比率が、他
の層に含まれるセラミック粉末の粒径及び/又は単位容
積当りの含有比率よりも小さくし、最上部の層を平滑性
に優れたものとしたことを特徴としている。また、粒度
分布を調整して嵩密度の高いセラミック粉末を用いるこ
とにより、最上部の層の平滑性を向上させることができ
る。
【0010】このように、本発明のセラミック積層グリ
ーンシートは、最上部の層が平滑性に優れているため、
従来の表面状態の粗いグリーンシートの凹部内に導電粉
末がトラップ(保留)されるような状態を回避でき、ま
た、最上部の層もその下の他の層もセラミック粉末含有
という意味で同種の層であるため、焼成時のデラミネー
ション等の発生も回避できる。その結果、セラミック積
層グリーンシート上に感光性ペーストを用いてフォトリ
ソグラフィー法によりパターンを形成しても、未露光部
の硬化していない部分を完全に除去でき、現像時の残渣
の発生や、焼成時のデラミネーション等の発生もなく、
微細なパターンを形成することができる。
【0011】以下、本発明のセラミック積層グリーンシ
ート及びその製造方法について説明する。セラミックグ
リーンシートは、通常、セラミック粉末、有機バインダ
ー、ジエチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、
ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルフ
タリルブチルグリコレート等のエステル系可塑剤、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等
のケトン類や、トルエン、キシレン、ノルマルヘキサン
等の炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類などの溶媒、及び必要に
応じて脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤やカルボ
ン酸塩、スルホン酸塩等のアニオン界面活性剤などの分
散剤などを適宜配合し、混合してスラリーとした後、該
スラリーをキャリアフィルム上にドクターブレード法な
どの公知の方法によって成膜することにより行なわれる
が、本発明におけるセラミック積層グリーンシートの製
造においては、前記したように多層構造として製造す
る。
【0012】セラミックグリーンシートを多層構造にす
る一つの方法は、セラミックスラリーをキャリアフィル
ム上にドクターブレード法により成膜し、乾燥してグリ
ーンシートとした後、その上に再度ドクターブレード法
又は印刷法により成膜を繰り返す方法である。ドクター
ブレード法をカレンダーロール法やカーテンコート法に
置き換えても同様の成膜は可能である。他の方法として
は、それぞれのセラミックスラリーをキャリアフィルム
上に単層に成膜し、このようにして個々に作製された上
層のセラミックグリーンシートを下層のセラミックグリ
ーンシート上に積層し、ロール又はプレスにより熱圧着
して張り合わせる方法がある。いずれの方法において
も、最上部の層に適用するセラミックスラリー又はセラ
ミックグリーンシートに含まれるセラミック粉末の粒径
及び/又は単位容積当りの含有比率が、他の層のセラミ
ックグリーンシートに含まれるセラミック粉末の粒径及
び/又は単位容積当りの含有比率よりも小さくし、最上
部の層を平滑性に優れたものとすることが必要である。
【0013】セラミック積層グリーンシートに含有され
るセラミック粉末としては、セラミック粉末単独、ガラ
ス−セラミック複合系、結晶化ガラス系、非ガラス系な
どが挙げられるが、特定の焼成温度のものに限定され
ず、低温焼成用あるいは高温焼成用などの公知のセラミ
ック原料がいずれも使用できる。通常、低温用は850
〜1000℃、高温用は1400〜1650℃で焼結で
きるセラミック原料である。
【0014】単独で使用可能なセラミック粉末は、特に
限定されるものではなく種々のものを例示できるが、例
えば、部分安定化ジルコニア、安定化ジルコニア、アル
ミナ、チタニア、ムライト、スピネル、ベリリア、マグ
ネシア、ジルコン粉末、コーディエライト粉末、チタン
酸バリウム粉末、チタン酸鉛粉末、チタン酸ジルコン酸
鉛粉末、窒化珪素、窒化アルミニウム等を主成分とする
材料又はこれらの混合物等を挙げることができる。ま
た、焼結助剤として、シリカ、粘土、遷移金属酸化物等
が添加された材料であってもよい。部分安定化ジルコニ
アの安定化剤としては、イットリア、マグネシア、セリ
ア、カルシア、イッテルビア、その他希土類金属の酸化
物等を用いることができる。
【0015】本発明のセラミック積層グリーンシート中
に含有されるバインダーとしては、従来から公知の樹脂
を用いることができるが、燃焼特性として400〜45
0℃の低温で完全に燃焼すること(脱バインダー)が要求
される。バインダーしては、従来からセラミックグリー
ンシートのバインダーとして用いられているポリビニル
ブチラール(PVB)、セルロース及びそれらの誘導体
等のバインダーを用いることができる。さらに、メチル
(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体及びその
誘導体などのアクリル系バインダーなどを用いることが
できる。特に、現像液と接触する最上部の層に使用され
るバインダーしては、耐溶剤性や耐現像液性に優れた
(メタ)アクリル酸エステルの共重合体及びその誘導体
などのアクリル系バインダーを用いることが好ましい。
なお、本明細書において(メタ)アクリレートとはアク
リレートとメタクリレートを総称する用語であり、他の
類似の表現についても同様である。
【0016】前記したように、現像時の残渣の発生を抑
えるためには、最上部の層を平滑にすることが有効であ
る。最上部の層の平滑性を向上させるためには、それに
含まれるセラミック粉末の粒径を他の層に含まれるセラ
ミック粉末の粒径よりも微細化させたり、あるいはバイ
ンダーの含有割合を大きくすればよい。また、粒度分布
を調整して嵩密度の高いセラミック粉末を用いることに
より、最上部の層の平滑性を向上させることができる。
セラミック粉末の粒径を微細化させる方法としては、ス
ラリーのボールミルもしくはアトライターミルによる粉
砕時間を長くとる方法が利用できる。例えば、通常のボ
ールミルの粉砕時間が1日である場合には、4日行なう
ことによりセラミック粉末の粒径が微細化したスラリー
が得られる。また、セラミック粉末とバインダーの比率
は90:10〜70:30が適当であるが、最上部の層
の平滑性を向上させるためには、最上部の層に用いるス
ラリーのバインダー量を他の層のバインダー量よりもよ
り多くする。例えば、最上部の層のセラミック粉末とバ
インダーの比率を80:20〜70:30とし、それよ
り下の他の層を従来のグリーンシートと同様の90:1
0〜80:20とすることにより平滑性が向上し、現像
後のグリーンシート上の銀粉等の無機粉末の残渣の発生
を抑えることができる。
【0017】最上部の層の厚さは、セラミック積層グリ
ーンシート全体の厚さの3〜50%、好ましくは3〜3
0%とする。特に最上部の層のバインダーとして脱バイ
ンダー性が良くない物を使用した場合、最上部の層の膜
厚が全膜厚の30%を越えるとグリーンシートを焼成し
て樹脂組成物を除去するのに時間がかかったり、不活性
雰囲気下での焼成後、炭素が残留する場合があり、絶縁
不良の原因やデラミネーションの原因となるので好まし
くない。通常、セラミックグリーンシートの厚みは、用
途により数十μmから数百μm程度であるため、最上部
の層の最適な膜厚は一定ではないが、成膜の容易性や脱
バインダー性を配慮すると、例えば全膜厚が400μm
の場合20μm程度が妥当であり、また、例えば全膜厚
が40μmの場合5μm程度が妥当である。
【0018】また、最上部の層に含まれるバインダーの
含有割合を大きくする場合、最上部の層と下部の層との
厚さの比率は3:97〜50:50の範囲内にあること
が必要であり、好ましくは5:95〜30:70の範囲
内である。樹脂組成物の除去性(脱バインダー性)を考慮
すると、最上部の層は薄い程良い。しかしながら、下部
の層のセラミツクグリーンシートの凹凸が数μm以上の
深さの場合、最上部の層の膜厚が5μm未満であると、
それ以下では微細なセラミック粉末を使用した最上部の
層を用いても凹凸を少なくする効果が薄れる為、最上部
の層は5μm以上あることが望ましい。
【0019】次に、前記のようにして作製されたセラミ
ック多層グリーンシート上に、感光性ペーストを用いて
フォトリソグラフィー法によりパターンを形成する方法
について説明する。感光性ペーストとしては、感光性導
電ペースト、感光性抵抗体ペースト、感光性誘電ペース
ト、感光性絶縁ペーストなどが使用され、それぞれ、樹
脂バインダー、光重合性モノマー、光重合開始剤等を含
有する感光性樹脂組成物中に導電粉末、抵抗体粉末、誘
電体粉末を含有するものである。なお、これらの感光性
ペーストを構成する成分は、公知慣用のものを用いるこ
とができる。
【0020】まず、感光性導電ぺ一ストや感光性抵抗体
ぺ一スト等の感光性ペーストを、前述したようにして作
製したセラミック積層グリーンシート上に、ディップコ
ート法、スクリーン印刷法、スキージ、ディスペンサあ
るいはローラなどによる公知の方法により塗布し、乾燥
する。その後、塗膜をフォトマスクを介して所定のパタ
ーン通りに選択的に露光して光硬化させた後、現像する
ことにより、セラミック積層グリーンシート上に高精細
なパターンを形成できる。
【0021】ここで、露光に用いられる光源としては、
低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンラン
プ、殺菌灯、レーザー光、ブラックランプ、無電極ラン
プなどが使用される。これらの中でも超高圧水銀灯が好
適である。露光条件は、塗布した感光性ペーストの膜厚
によって異なるが、50〜5000mJ/cm2の範囲
が好ましい。露光量がこの範囲にあると光硬化が充分に
達成されるため、耐溶剤性や耐現像液性が向上する。
【0022】露光後の現像は、従来と同様に浸漬法やス
プレー法で行なうことができる。また、樹脂バインダー
がカルボキシル基を有する感光性樹脂の場合、アルカリ
水溶液で現像できる。アルカリ水溶液としては、水酸化
ナトリウムや水酸化カルシウムの水溶液などのような金
属アルカリ水溶液を使用できるが、有機アルカリ水溶液
を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去し易いので好
ましい。有機アルカリの具体例としては、テトラメチル
アンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアン
モニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン等が挙げられる。アルカリ水溶液の濃度
は通常0.2〜1%である。また、現像液としては有機
溶媒を使用できる。さらに、該有機溶媒にその溶解力が
失われない範囲で水を添加してもよい。なお、現像後に
不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行なうこと
が好ましい。
【0023】前記のようにして導体パターン等の所定の
パターンが形成されたセラミック積層グリーンシートを
必要枚数重ね合わせ、例えば約90〜130℃の温度で
約50〜200kg/cm2の圧力下で熱圧着し、多層
シート基板を作製する。その後、セラミック積層グリー
ンシートやそれに用いた導体粉末等の種類に応じた適宜
の焼成雰囲気や焼成温度でこの多層シート基板を焼成す
ることにより、セラミック多層基板を作製することがで
きる。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明につ
いて具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定さ
れるものでないことはもとよりである。なお、以下にお
いて「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り
全て質量基準である。
【0025】実施例1 <下層となるグリーンシートの作製>ガラス−セラミッ
ク粉末の組成は、96%純度のアルミナ粉末50%と棚
硅酸塩ガラス50%である。棚硅酸塩ガラス組成は、S
iO2:54%、Al23:14%、CaO:20%、
MgO:2%、B23:9%である。このガラス−セラ
ミック粉末としては、予めアトライターにて微粉末した
平均粒子径2.2μm、比表面積1.5m2/gの粉末を
使用した。次に、このガラス−セラミック粉末100部
に、バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂(積水
化学(株)製:BM−2)12部、可塑剤としてDOP
(ジオクチルフタレート)2部、分散剤としてソルビタ
ン脂肪酸エステル(花王(株)製:SP−030)2
部、有機溶剤としてトルエン/2−プロパノール混合溶
液(容積比50/50)を所定割合にて調合して充分混
合し、アトライターミル(直径5mmのジルコニアボー
ル使用)で5時間混合し、真空脱泡してスラリーを調製
した。このようにして調製したスラリーを、ドクターブ
レード法によりキャリアフィルムに塗布、乾燥し、厚み
300μmの下層となるセラミックグリーンシートを作
製した。 <最上部の層を作製するためのスラリーの調製>ガラス
−セラミック粉末としては、上記下層となるグリーンシ
ートの作製で用いたガラス−セラミック粉末と同一の組
成のものを用いた。但し、ガラス粉末としては、予めア
トライターにて微粉末した平均粒子径0.9μm、比表
面積6.9m2/gの粉末を使用した。次に、この粉末1
00部に、バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂
(積水化学(株)製:BM−2)12部、可塑剤として
DOP(ジオクチルフタレート)2部、分散剤としてソ
ルビタン脂肪酸エステル(花王(株)製:SP−03
0)2部、及び有機溶剤としてトルエン/2−プロパノ
ール混合溶液(容積比50/50)を所定割合にて調合
して充分混合し、さらにアトライターミル(直径5mm
のジルコニアボール使用)で10時間混合し、真空脱泡
してスラリーを調製した。 <セラミック積層グリーンシートの作製>次に、ドクタ
ブレード法により、上記厚み300μmの下層となるセ
ラミックグリーンシート上に、前述した最上層用のセラ
ミックスラリーを塗布、乾燥して膜厚30μmの最上層
を形成し、2層からなるセラミック積層グリーンシート
を作製した。
【0026】実施例2 最上部の層を作製するスラリーのガラス−セラミック粉
末として前記実施例1の下層グリーンシートの作製に用
いたガラス−セラミック粉末を用い、バインダーとして
ポリビニルブチラール樹脂を20部としたこと以外は、
実施例1と同様にして2層からなるセラミック積層グリ
ーンシートを作製した。
【0027】比較例1 実施例1で作製した下層のグリーンシートを比較例とし
て用いた。
【0028】応用実施例 前記実施例1、2で作製したセラミック積層グリーンシ
ート及び比較例1で作製したセラミックグリーンシート
上に、以下に説明する方法で導電性パターンを形成し、
現像後の未露光部分について残渣の有無を顕微鏡観察し
た。また、以下に説明する方法でパターンを形成したグ
リーンシートを焼成し、デラミネーションの有無を目視
観察した。その結果を表1にまとめて示す。この表に示
す結果から明らかなように、本発明にかかるセラミック
積層グリーンシートによれば、現像した際の残渣の発生
や、焼成時のデラミネーションの発生もなく、良好な微
細パターンとすることができる。また、本発明によれ
ば、感光性導電ペーストを用いたフォトリソグラフィー
法により線幅/幅間隔が20μm/30μm以下の微細
パターンを得ることができた。しかも、焼成後において
は、断線発生のない導体パターンが得られた。
【0029】<導電性パターンの形成及び焼成> (a)感光性導電ぺ一ストは下記の方法で調製した。 ぺ一スト組成物の粉末成分として、導電粉末(球状の銀
粉末、比表面積0.8m2/g)97%と、ガラスフリッ
ト(ガラス組成はSiO2:54%、Al23:14
%、CaO:20%、MgO:2%、B23:9%、平
均粒子径0.9μm、比表面積6.9m2/gの粉末)3
%の混合粉末を使用した。次に、この混合粉末550部
に、バインダーとしてメタクリル酸とメチルメタクリレ
ートとからなるカルボキシル基を有するアクリル共重合
体変性ポリマー100部をエチルカルビトールアセテー
トに溶解した溶液、モノマーとしてトリメチロールプロ
パントリメタクリレート20部、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート20部、光重合開始剤として2−
メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モル
ホリノアミノプロパノン−1 10部、2,4−ジエチ
ルチオキサントンを配合し、充分に混合した後、さらに
3本ローラで混合・分散して感光性導電ぺ一ストを調製
した。 (b)塗膜形成 前記実施例1及び2で作製したセラミック積層グリーン
シート及び比較例1で作製したセラミックグリーンシー
トに、それぞれ上記感光性導電ぺ一ストを250メッシ
ュのポリエステル製のスクリーンを用いて、全面にイエ
ローランプの下で印刷し、80℃で20分間保持して乾
燥した。乾燥後の塗膜の厚みはおよそ20μmに調整し
た。 (c)露光 上記のようにして形成した塗膜を、ファインパターンを
形成したクロムマスクを用いて、上面から200mJ/
cm2の出力の超高圧水銀灯で紫外線露光した。 (d)現像 次に、25℃の炭酸ナトリウム0.4%水溶液に浸漬し
て現像し、その後、スプレーを用いて光硬化していない
部分を水洗浄した。 (e)焼成 セラミック積層グリーンシート上に印刷した塗膜を、大
気雰囲気中、450℃で1時間保持して脱バインダーさ
せた後、900℃で1時間焼成し、セラミック基板を得
た。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のセラミッ
ク積層グリーンシートは、複数層のセラミックグリーン
シートの積層体からなり、かつ、少なくとも最上部の層
に含まれるセラミック粉末の粒径及び/又は単位容積当
りの含有比率が、他の層に含まれるセラミック粉末の粒
径及び/又は単位容積当りの含有比率よりも小さくし、
最上部の層を平滑性に優れたものとしたため、従来のよ
うにセラミックグリーンシート上に感光性ペーストを塗
布、乾燥し、現像した際の残渣の発生や、焼成時のデラ
ミネーション等の発生もなく、フォトリソグラフィー法
により導体パターン、抵抗体パターン等の高精細の良好
な各種パターンを効率的に形成できる。また、セラミッ
ク積層グリーンシート上に感光性ぺ一ストを用いてパタ
ーン形成ができるので、L/S=20μm/30μmm
程度の微細な導体パターン、抵抗体パターン等の各種パ
ターンを有するセラミック多層基板を同時焼成によって
形成することができる。その結果、セラミック多層基板
のより一層の小形化、高密度化が可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 C04B 35/00 G B28B 11/00 Z (72)発明者 小澤 里志 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内 Fターム(参考) 4E351 AA07 BB01 BB05 BB24 BB31 CC12 CC22 DD01 GG01 GG06 4G030 AA07 AA08 AA35 AA36 AA37 BA12 CA03 CA04 CA08 GA11 GA14 GA15 GA16 GA17 GA20 4G055 AA08 AC09 BA35 5E339 AB06 BB02 BC01 BD14 BE05 EE05 GG01 5E346 AA12 AA15 AA38 BB01 CC17 CC39 DD02 DD03 DD34 EE21 GG03 GG04 GG06 GG09 HH11 HH26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数層のセラミックグリーンシートの積
    層体からなり、少なくとも最上部の層に含まれるセラミ
    ック粉末の粒径及び/又は単位容積当りの含有比率が、
    他の層に含まれるセラミック粉末の粒径及び/又は単位
    容積当りの含有比率よりも小さいことを特徴とするセラ
    ミック積層グリーンシート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のセラミック積層グリー
    ンシート上に感光性ぺ一ストを塗布、乾燥し、次いで所
    定のパターン通りに選択的に露光した後、現像すること
    を特徴とするセラミック積層グリーンシート上へのパタ
    ーン形成方法。
JP2002115364A 2002-04-17 2002-04-17 セラミック積層グリーンシート及びその上へのパターン形成方法 Withdrawn JP2003313081A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002115364A JP2003313081A (ja) 2002-04-17 2002-04-17 セラミック積層グリーンシート及びその上へのパターン形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002115364A JP2003313081A (ja) 2002-04-17 2002-04-17 セラミック積層グリーンシート及びその上へのパターン形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003313081A true JP2003313081A (ja) 2003-11-06

Family

ID=29533705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002115364A Withdrawn JP2003313081A (ja) 2002-04-17 2002-04-17 セラミック積層グリーンシート及びその上へのパターン形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003313081A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101197877B1 (ko) 2010-07-13 2012-11-05 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 발포 성형용 부직포 적층체
CN116313833A (zh) * 2023-05-19 2023-06-23 苏州晶晟微纳半导体科技有限公司 一种陶瓷基板及其制备方法和用途

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101197877B1 (ko) 2010-07-13 2012-11-05 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 발포 성형용 부직포 적층체
CN116313833A (zh) * 2023-05-19 2023-06-23 苏州晶晟微纳半导体科技有限公司 一种陶瓷基板及其制备方法和用途
CN116313833B (zh) * 2023-05-19 2023-08-29 苏州晶晟微纳半导体科技有限公司 一种陶瓷基板及其制备方法和用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4468314B2 (ja) 厚膜回路パターニング方法
TWI797313B (zh) 感光性導電糊及使用其之圖案形成胚片之製造方法
JP2003335808A (ja) 光反応性樹脂組成物、それを用いた回路基板およびセラミック多層基板の製造方法
JP3360378B2 (ja) セラミックス・グリーンシート上にパターンを形成する方法
JPH0834096A (ja) セラミックス・グリーンシートおよびセラミックス・グリーンシート上にパターンを形成する方法
JP2003313081A (ja) セラミック積層グリーンシート及びその上へのパターン形成方法
JP2001264965A (ja) 感光性導体ペーストならびに電子部品、電子装置
JP4044830B2 (ja) 複合シートの製造方法、並びに積層部品の製造方法
JP2003313080A (ja) セラミック積層グリーンシート及びその上へのパターン形成方法
JP3586957B2 (ja) パターン形成用フィルム
KR20060055298A (ko) 무기재료막, 무기재료막 구조물, 그 제조방법 및 전사필름
JP4466250B2 (ja) 卑金属粉末、樹脂組成物、卑金属粉末の製造方法、樹脂組成物の製造方法、回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法
TWI780277B (zh) 感光性組成物、複合體、電子零件及電子零件的製造方法
JP2002148786A (ja) 感光性セラミックス組成物
JP3804020B2 (ja) 無機材料膜、無機材料膜構造物、およびその製造方法並びに転写フィルム
JP4666950B2 (ja) 複合体及び複合体の製造方法並びに積層部品の製造方法
JP2006066626A (ja) 複合体及び複合体の製造方法並びに、複合シートの製造方法、積層体の製造方法、積層部品の製造方法
JP4423025B2 (ja) 多層基板及びその製造方法
WO2023032536A1 (ja) 感光性導電ペースト、導電パターン付き基材の製造方法、電子部品の製造方法、硬化膜、焼成体および電子部品
JP2005136007A (ja) 複合シート、並びに積層部品の製造方法
JP2002162735A (ja) 感光性セラミックス組成物
JPH10241579A (ja) プラズマディスプレイ用背面基板及びその製造方法
JP4711641B2 (ja) 複合シートの製造方法、積層体の製造方法および積層部品の製造方法
US20100209843A1 (en) Process for thick film circuit patterning
JP2005276762A (ja) Pdp用無機隔壁層及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050705