JP2003311944A - 微細パターンの形成方法 - Google Patents

微細パターンの形成方法

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JP2003311944A JP2002121036A JP2002121036A JP2003311944A JP 2003311944 A JP2003311944 A JP 2003311944A JP 2002121036 A JP2002121036 A JP 2002121036A JP 2002121036 A JP2002121036 A JP 2002121036A JP 2003311944 A JP2003311944 A JP 2003311944A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキを直描することにより微細パターンを
高い精度で形成することができる微細パターンの形成方
法を提供する。 【解決手段】 使用するインキを、平均粒子径が1〜1
00nmの範囲内にある超微粒子と、この超微粒子の表
面を被覆する分散剤と、有機バインダーと、加熱により
前記分散剤を超微粒子表面から除去する補足物質とを少
なくとも含有し、かつ、粘度が1〜10000cpの範
囲内であるものとし、主電極と対向電極間に形成される
電界と供給時の低圧力とによりシリコン基板の微細孔か
らパターン被形成体上にインキを吐出して直接描画し、
その後、インキを加熱することにより所望の微細パター
ンを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微細パターンの形成
方法に係り、特にプリント配線板の導体パターン形成や
絶縁パターン形成等に応用できる微細パターンの形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント配線板の導体パターンや
絶縁パターンの形成は、フォトリソグラフィー法、印刷
法、電着法等により行なわれており、これらの形成方法
の中でも高精度な配線が可能なフォトリソグラフィー法
が用いられている。フォトリソグラフィー法によるプリ
ント配線板の作製では、銅めっき層上に感光性レジスト
のパターンを形成し、これをマスクとして銅めっき層を
エッチングすることにより導体パターンが形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
フォトリソグラフィー法を用いた導体パターン形成等の
従来の微細パターン形成は工程が複雑であり、製造コス
トの低減に支障を来たしていた。また、金属微粒子を分
散させたインクをインクジェットヘッドから基板上に吐
出させ、インク中の溶媒等を乾燥除去して微細な配線パ
ターンを形成することが提案されている(特開平10−
204350号公報)。しかし、インクジェットヘッド
から吐出可能なインクは、低粘度であることが要求さ
れ、このためインクの金属微粒子濃度が低いものとな
り、信頼性の高い配線パターン等を形成するためには同
一部位にインクジェットによる複数回のインク付着が必
要になり、パターン精度の低下、工程の複雑化が避けら
れないという問題があった。
【0004】本発明は上述のような実情に鑑みてなされ
たものであり、インキを直描することにより微細パター
ンを高い精度で、かつ、簡便に形成することができる微
細パターンの形成方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、微細パターン形成装置からインキ
をパターン被形成体上に吐出させ、その後、インキを加
熱することにより所望の微細パターンを形成する方法に
おいて、前記インキは、平均粒子径が1〜100nmの
範囲内にある超微粒子と、該超微粒子の表面を被覆する
分散剤と、有機バインダーと、加熱により前記分散剤を
超微粒子表面から除去する捕捉物質とを少なくとも含有
するものであり、かつ、粘度が1〜10000cpの範
囲内であり、前記微細パターン形成装置は、シリコン基
板と、該シリコン基板の表面から裏面に貫通するように
設けられた複数の微細孔と、前記シリコン基板の表面側
に配設された主電極と、前記シリコン基板の裏面側に所
定の間隔を設けて配置された対向電極と、前記シリコン
基板の表面側に配設された支持部材と、前記シリコン基
板表面側の前記微細孔の開口部にインキを供給するため
のインキ流路と、該インキ流路に接続されたインキ供給
装置とを備え、主電極に電圧を印加した状態で、インキ
流路から低圧力で供給されたインキを各微細孔を介して
吐出させるような構成とした。
【0006】また、本発明の他の態様として、主電極に
印加する電圧を調整して、インキ吐出幅および吐出量を
制御するような構成とした。また、本発明の他の態様と
して、前記インキは、粘度が100〜10000cpの
範囲内であるような構成とした。また、本発明の他の態
様として、前記インキに含有される超微粒子は、金、
銀、銅、錫、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウ
ム、イリジウム、オスミウム、タングステン、ニッケ
ル、タンタル、ビスマス、鉛、インジウム、亜鉛、チタ
ンの少なくとも1種であるような構成、前記超微粒子の
表面を被覆する分散剤は、窒素原子、酸素原子、およ
び、イオウ原子の少なくとも1種を含む基であって、こ
れら原子の有する孤立電子対により超微粒子を構成する
元素と配位的な結合が可能な基を有する化合物であるよ
うな構成、前記インキに含有される捕捉物質は、前記分
散剤が含有する、窒素原子、酸素原子、および、イオウ
原子の少なくとも1種を含む基に対して、加熱により反
応性を発現する化合物であるような構成とした。
【0007】また、本発明の他の態様として、前記微細
パターン形成装置は、前記シリコン基板裏面側の前記微
細孔の開口部にノズルが突設されているような構成、前
記微細孔の壁面は珪素酸化物層を有し、前記ノズルは珪
素酸化物からなるような構成とした。また、本発明の他
の態様として、前記微細パターン形成装置は、前記対向
電極がドラム形状および平板形状のいずれかであるよう
な構成とした。また、本発明の他の態様として、前記微
細パターン形成装置は、前記微細孔の開口径が1〜10
0μmの範囲内、前記微細孔の形成ピッチが2〜100
0μmの範囲内であるような構成とした。また、本発明
の他の態様として、前記ノズルの突出長は、10〜40
0μmの範囲内にあるような構成とした。
【0008】また、本発明の他の態様として、前記微細
パターン形成装置は、前記シリコン基板表面側の前記微
細孔の開口部がシリコン基板表面側に広がったテーパー
形状凹部であるような構成、あるいは、前記微細パター
ン形成装置は、前記シリコン基板表面側の前記微細孔の
開口部がシリコン基板表面側に広がった多段形状凹部で
あるような構成とした。また、本発明の他の態様とし
て、前記微細パターン形成装置は、前記微細孔が2以上
のグループに分けられ、各微細孔グループごとに別個の
インキ流路を備えるような構成とした。また、本発明の
他の態様として、各微細孔グループごとに別個の主電極
を備えるような構成とした。
【0009】このような本発明では、インキが含有する
超微粒子の平均粒径が極めて小さいので、パターン被形
成体上に吐出されたインキ中における平面方向および厚
み方向の超微粒子数が多く、その後の加熱によって分散
剤が捕捉物質により除去されることにより超微粒子同士
が密着して信頼性の高い微細パターンが形成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。本発明は、微細パターン形成
装置からインキをパターン被形成体上に吐出させ、その
後、インキを加熱することにより所望の微細パターンを
形成する方法である。
【0011】本発明で使用するインキ まず、本発明の微細パターン形成方法において使用する
インキについて説明する。本発明において使用するイン
キは、平均粒子径が1〜100nm、好ましくは2〜1
0nmの範囲内にある超微粒子と、この超微粒子の表面
を被覆する分散剤と、有機バインダーと、加熱により上
記分散剤を超微粒子表面から除去する作用を有する捕捉
物質とを少なくとも含有するものである。
【0012】超微粒子の材質は、金、銀、銅、錫、白
金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、
オスミウム、タングステン、ニッケル、タンタル、ビス
マス、鉛、インジウム、亜鉛、チタン等の導電材料の1
種、あるいは、2種以上の組み合わせ、または、シリカ
(SiO2)、アルミナ(Al23)等の電気絶縁材料
の1種、あるいは、2種以上の組み合わせとすることが
できる。このような超微粒子は、分散剤により被覆する
ことにより超微粒子状態を維持させることができる。超
微粒子の平均粒子径が1nm未満であると、超微粒子の
状態が極端に不安定となって凝集を生じ、インキとして
の安定性が悪くなり、また、平均粒子径が100nmを
超えると、本発明における超微粒子としての特徴がなく
なり、本発明の効果を奏することが困難となり好ましく
ない。上記の超微粒子の形成方法には特に制限はなく、
例えば、ガス中蒸発法により形成することができ、ま
た、他の方法により形成された超微粒子(市販品も含
む)を使用することもできる。
【0013】超微粒子を被覆して凝集を防止する分散剤
は、超微粒子を構成する元素と配位的な結合を形成する
際、窒素、酸素、またはイオウ原子上の孤立電子対を有
する基を利用するもので、例えば、窒素原子を含む基と
してアミノ基が挙げられる。また、イオウ原子を含む基
としては、スルファニル基(−SH)、スルフィド型の
スルファンジイル基(−S−)が挙げられる。また、酸
素原子を含む基としては、ヒドロキシ基、エーテル型の
オキシ基(−O−)が挙げられる。
【0014】利用可能なアミノ基を有する化合物の代表
として、アルキルアミンを挙げることができる。尚、こ
のようなアルキルアミンは、元素と配位的な結合を形成
した状態で、通常の保管環境、具体的には、40℃に達
しない範囲では、離脱しないものが好適であり、沸点が
60℃以上の範囲、好ましくは100℃以上となるもの
が好ましい。ただし、インキの加熱処理(加熱硬化等)
を行う際には、速やかに超微粒子表面から離脱すること
が可能であることが必要であり、少なくとも、沸点が3
00℃を超えない範囲、通常、250℃以下の範囲とな
るものが好ましい。例えば、アルキルアミンとして、そ
のアルキル基は、C4〜C20が用いられ、さらに好ま
しくはC8〜C18の範囲に選択され、アルキル鎖の末
端にアミノ基を有するものが用いられる。例えば、C8
〜C18の範囲のアルキルアミンは、熱的な安定性もあ
り、また、その蒸気圧もさほど高くなく、室温等で保管
する際、含有率を所望の範囲に維持・制御することが容
易であるなど、ハンドリング性の面から好適に用いられ
る。一般に、このような配位的な結合を形成する上で
は、第一級アミン型のものがより高い結合能を示し好ま
しいが、第二級アミン型、ならびに、第三級アミン型の
化合物も利用可能である。また、1,2−ジアミン型、
1,3−ジアミン型等、近接する2以上のアミノ基が結
合に関与する化合物も利用可能である。また、ポリオキ
シアルキレンアミンを用いることもできる。その他、末
端のアミノ基以外に、親水性の末端基、例えば、水酸基
を有するヒドロキシアミン、例えば、エタノールアミン
等を利用することもできる。
【0015】また、利用可能なスルファニル基(−S
H)を有する化合物の代表として、アルカンチオールを
挙げることができる。尚、このようなアルカンチオール
も、元素と配位的な結合を形成した状態で、通常の保管
環境、具体的には、40℃に達しない範囲では、離脱し
ないものが好適であり、沸点が60℃以上の範囲、好ま
しくは100℃以上となるものが好ましい。ただし、イ
ンキの加熱処理(加熱硬化等)を行う際には、速やかに
超微粒子表面から離脱することが可能であることが必要
であり、少なくとも、沸点が300℃を超えない範囲、
通常、250℃以下の範囲となるものが好ましい。例え
ば、アルカンチオールとして、そのアルキル基は、C4
〜C20が用いられ、さらに好ましくはC8〜C18の
範囲に選択され、アルキル鎖の末端にスルファニル基
(−SH)を有するものが用いられる。例えば、C8〜
C18の範囲のアルカンチオールは、熱的な安定性もあ
り、また、その蒸気圧もさほど高くなく、室温等で保管
する際、含有率を所望の範囲に維持・制御することが容
易であるなど、ハンドリング性の面から好適に用いられ
る。一般に、第一級チオール型のものがより高い結合能
を示し好ましいが、第二級チオール型、ならびに、第三
級チオール型の化合物も利用可能である。また、1,2
−ジチオール型等の、2以上のスルファニル基(−S
H)が結合に関与するものも利用可能である。
【0016】また、利用可能なヒドロキシ基を有する化
合物の代表として、アルカンジオールを挙げることがで
きる。一例として、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類等
を挙げることができる。尚、このようなアルカンジオー
ルも、元素と配位的な結合を形成した状態で、通常の保
管環境、具体的には、40℃に達しない範囲では、離脱
しないものが好適であり、沸点が60℃以上の範囲、好
ましくは100℃以上の範囲となるものが好ましい。た
だし、インキの加熱処理(加熱硬化等)を行う際には、
速やかに超微粒子表面から離脱することが可能であるこ
とが必要であり、少なくとも、沸点が300℃を超えな
い範囲、通常、250℃以下の範囲となるものが好まし
い。例えば、1,2−ジオール型等の、2以上のヒドロ
キシ基が結合に関与するもの等がより好適に利用可能で
ある。
【0017】上述のような分散剤による超微粒子の被覆
は、分散剤と超微粒子とを混合させること等により行う
ことができる。このように分散剤により被覆された超微
粒子のインキ中における含有量は、特に制限はなく、イ
ンキを構成する他の成分、インキ粘度の設定値、形成す
る微細パターンの使用目的等に応じて適宜設定すること
ができる。
【0018】インキを構成する有機バインダーとして
は、後述する加熱処理によって硬化収縮を生じ、超微粒
子を接触させる作用をなすとともに、パターン被形成体
に対する接着性を発現するものが用いられる。このよう
な有機バインダーとしては、一般の導電性ペーストに使
用される熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱分解性樹脂等
を用いることができ、加熱、硬化処理により、十分な硬
化がなされる樹脂成分を1種以上選択して利用すること
ができる。利用できる熱硬化性樹脂としては、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニ
ルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、オリゴエス
テルアクリレート樹脂、キシレン樹脂、ビスマレイミド
トリアジン樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂
(オリゴマーを含有し、熱硬化性を示すもの)、オキセ
タン樹脂、オキサジン樹脂等を挙げることができる。中
でも、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、オキサジン樹脂
は、超微細な回路形成をする際にも、密着性が良好であ
り、勿論、硬化物の物性も導電性ペーストに適するの
で、有機バインダーとして好ましいものである。
【0019】また、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド
樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ケトン樹脂、ポ
リスチレン樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂
は、適当な溶剤に溶解した状態としてワニス状樹脂組成
物中に含有させる。熱分解性樹脂としては、セルロース
エステル、セルロースエーテル等のセルロース樹脂類、
あるいは、ポリアクリルニトリル等を挙げることができ
る。また、熱分解性樹脂も、適当な溶剤に溶解した状態
としてワニス状樹脂組成物中に含有させる。インキを微
細パターン形状に描画した後、加熱することにより溶剤
を揮発除去し、次いで、冷却固化して、熱可塑性樹脂が
バインダーとなった硬化物(微細パターン)となる。熱
可塑性樹脂のうちでも、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、アクリル樹脂が、超微細な回路形成をする際にも、
良好な密着性を示し、さらに、固化後の物性も導電性ペ
ーストに適するので、有機バインダーとして好ましいも
のである。
【0020】尚、ワニス状の樹脂組成物には、有機バイ
ンダーとして機能する樹脂成分の他に、パターン被形成
体の表面への密着性を向上させる目的で、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤、グラスレジン、ガラ
スフリット等の成分を必要に応じて適量添加することも
できる。また、一般に導電ペーストに利用されるレベリ
ング剤を必要に応じて添加することもできる。その他、
得られるインキにおいて、後述するような粘度とするた
めに、予め希釈溶剤を添加したワニス状の樹脂組成物と
することもできる。このような有機バインダーの含有量
は、超微粒子100重量部あたり、1〜30重量部、好
ましくは3〜20重量部程度することができる。
【0021】また、インキを構成する捕捉物質は、加熱
によって、超微粒子を被覆している分散剤を捕捉して超
微粒子表面から除去するものであり、分散剤が含有す
る、窒素原子、酸素原子、および、イオウ原子の少なく
とも1種を含む基に対して、加熱により反応性を発現す
る化合物である。したがって、捕捉物質に含有されて反
応性を示す化合物(例えば、酸無水物または酸無水物誘
導体)の含有量は、上記の分散剤に含有される末端アミ
ノ基、ヒドロキシ基等の総和に応じて、少なくとも、そ
れと等量となる量を超えて添加することが好ましい。
尚、酸無水物または酸無水物誘導体は、加熱した際、場
合によっては、超微粒子に存在する、塩基性を有する金
属酸化物の皮膜とも反応して、カルボン酸の金属塩を生
成する機能も有するため、その反応性をも考慮にいれ、
若干過剰な量が適宜設定される。上記の反応性を示す限
り、捕捉物質に利用できる化合物は酸無水物またはその
誘導体あるいは有機酸に限定されるものではない。例え
ば、利用可能な有機酸としては、C1〜C10の直鎖飽
和カルボン酸であるギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン
酸、ヘキサン酸、オクチル酸をはじめ、ステアリン酸、
イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ならびに
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、安
息香酸、ソルビン酸等のC1〜C18の直鎖または分岐
の飽和カルボン酸ならびに各種不飽和カルボン酸、なら
びにオレイン酸、リノール酸等の重合物であるダイマー
酸やトリマー酸、更には、シュウ酸、マロン酸、セバシ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アルキルコ
ハク酸、アルケニルコハク酸等の二塩基酸等、種々のカ
ルボン酸に加えて、カルボキシ基に代えて、リン酸基
(−O−P(O)(OH)2)、あるいは、スルホ基
(−SO3H)を有するリン酸エステル、スルホン酸等
のその他の有機酸を挙げることができる。
【0022】また、好適に利用できる有機の酸無水物も
しくは酸無水物の誘導体として、無水フタル酸、無水ト
リメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒ
ドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒド
ロトリメリテート)等の芳香族酸無水物、無水マレイン
酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル
テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ア
ルキル無水コハク酸、アルケニル無水コハク酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物等の
環状脂肪族酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼ
ライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等の脂肪族酸無
水物を挙げることができる。これらの中でも、メチルテ
トラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、アルケニル無水コハク酸、およびこれらの誘導体
は、比較的低い加熱処理温度においても、例えば、アミ
ン化合物の末端アミノ基等に対して適度な反応性を有す
ることから好適に用いられる。
【0023】このようなインキは、含有する超微粒子の
材質により導体ペースト、絶縁ペースト等とすることが
でき、その粘度を1〜10000cpの範囲内で設定す
ることができる。粘度が1cp未満であると、超微粒子
の含有量が低く、パターン形成が困難となる。一方、1
0000cpを超えると、ラインの厚みが厚くなりすぎ
るため長時間の加熱(焼成)処理が必要となり、この処
理中にラインが崩れ、所望の寸法精度のパターンが得ら
れなくなる。尚、粘度の測定は、B型粘度計、E型粘度
計を用いて行うものとする。
【0024】本発明で使用するインキは、上述の超微粒
子、分散剤、有機バインダー、捕捉物質の他に、溶剤を
含有してもよい。溶剤としては、特に限定はなく、室温
付近では容易に蒸散することのない、比較的高沸点な非
極性溶剤、あるいは、低極性溶剤である高級アルコー
ル、高級アミン、例えば、テルピネオール、ミネラルス
ピリット、キシレン、トルエン、テトラデカン、ドデカ
ン等を挙げることができる。
【0025】本発明のパターン形成方法では、上記のよ
うな超微粒子を含有するインキと、後述する微細パター
ン形成装置を使用するので、従来のインクジェット方式
では使用することが困難な高い粘度、例えば、100〜
10000cpの粘度範囲であっても、ライン幅1μm
程度の微細パターンの形成が可能である。
【0026】本発明で使用する微細パターン形成装置 次に、本発明の微細パターン形成方法において使用する
微細パターン形成装置について説明する。図1は本発明
で使用する微細パターン形成装置の一例を示す概略断面
図である。図1において、微細パターン形成装置1は、
シリコン基板2と、このシリコン基板2の表面2A側に
配設された主電極6、支持部材8と、シリコン基板2の
裏面2B側に所定の間隔を設けて配置された対向電極7
と、シリコン基板2と支持部材8との空隙部にインキを
供給するインキ流路9と、このインキ流路9に接続され
たインキ供給装置10とを備えている。
【0027】シリコン基板2は、表面2A側から裏面2
B側に貫通する複数の微細孔3を備え、この微細孔3の
表面2A側の開口部3aは、上記のシリコン基板2と支
持部材8とにより形成されている空隙部に露出してい
る。シリコン基板2の材質はシリコンの単結晶が好まし
く、厚みは200〜500μm程度が好ましい。このよ
うなシリコン基板2は、その線膨張係数が約2.6×1
-6/Kと低いため、温度による形状変化が極めて小さ
いものである。
【0028】微細孔3は、その軸方向に垂直な横断面形
状(シリコン基板2の表面2Aに平行な断面)が円形、
その軸方向に沿った縦断面形状(シリコン基板2の表面
2Aに垂直な断面)が長方形である円柱形状の空間から
なるものであり、その壁面には珪素酸化物層4が設けら
れている。通常、この珪素酸化物層4の厚みは5000
〜10000Å程度である。図示例では、シリコン基板
2の厚み、珪素酸化物層4を備えた微細孔3の開口径、
形成数、形成ピッチ等は、装置の構成を説明するために
簡略化してあるが、微細孔3の開口径は1〜100μm
程度、微細孔3のアスペクト比は1〜100程度の範囲
で適宜設定することができる。また、微細孔3の形成数
および形成ピッチは、微細パターン形成装置1により形
成するパターンの形状、形成方法等に応じて適宜設定す
ることができ、形成ピッチは最小で2μm程度が好まし
い。微細孔3の横断面形状は、上記の円形の他に楕円
形、多角形等、あるいは、特殊な形状であってもよい。
また、微細孔3が、横断面形状が異なる2種以上の微細
孔からなるものでもよい。横断面形状が楕円形、長方形
の場合、長手方向の開口径は5〜500μmの範囲で適
宜設定することができる。また、微細孔3の縦断面形状
は、上記の長方形の他に、シリコン基板2の裏面2B側
が狭い台形(テーパー形状)であってもよい。
【0029】図2は、シリコン基板2の表面2A側に配
設された主電極6を説明するための支持部材8を取り除
いた状態の平面図である。図2に示されるように、主電
極6は、開口部6aを有し、複数(図示例では5個)の
微細孔3を囲むように配設されている。主電極6は、ア
ルミニウム、銅、クロム、金、銀、シリコン等の導電性
薄膜からなるものであり、通常、シリコン基板2側にポ
リイミド等の電気絶縁性薄膜を介して配設することがで
きる。
【0030】対向電極7は、電気的に接地状態および浮
遊状態のいずれであってもよい。但し、より細いライン
を描画するには、接地状態が好ましい。図示例では、対
向電極7は、電気的に接地状態にあり、上記の主電極6
に所定の電圧が印加されたときに主電極6との間で電界
を生じさせる作用をなす。この対向電極7は、例えば、
ドラム形状、平板形状等とすることができる。この場
合、シリコン基板2と対向電極7との間隙部、あるい
は、対向電極7上にパターン被形成体を位置させて、後
述するように、直接描画によりパターン形成を行うこと
ができる。また、パターン被形成体が導電性を有する場
合には、パターン被形成体に対向電極を兼ねさせてもよ
く、より細いラインを描画するには、対向電極7を接地
状態とすることが好ましい。上記の対向電極7とシリコ
ン基板2との距離は50〜500μm程度の範囲内で設
定することができる。このような対向電極7は、SUS
304、銅、アルミニウム等の導電性を有する材料で形
成されたものを用いることができる。また、ガラス、樹
脂材料等の非導電性材料に導電性薄膜を形成して対向電
極とすることもできる。
【0031】支持部材8は、上述のシリコン基板2の表
面2A側に配設され、シリコン基板2を保持するための
ものである。図示例では、支持部材8はシリコン基板2
と同じ平面形状の基部8aと、この基部8aの周縁に設
けられたフランジ部8b、基部8aの中央に設けられた
開口部8cからなり、フランジ部8bにてシリコン基板
2の表面2A側の周辺部と固着されている。これによ
り、シリコン基板2と支持部材8との間にインキが供給
される空間(インキ供給空間)が形成されている。この
支持部材8は、その線膨張係数がシリコン基板2の線膨
張係数の1/10倍〜10倍の範囲内の材料、例えば、
パイレックス(登録商標)ガラス(商品名コーニング#
7740、線膨張係数=3.5×10-6/K)、SUS
304(線膨張係数=17.3×10-6/K)等を用い
ることが好ましい。これにより、熱によるシリコン基板
2と支持部材8との間に発生する歪が極めて小さいもの
となり、シリコン基板2の平坦性が保たれ、位置精度の
高いパターン形成が可能となる。
【0032】インキ流路9は、上記の支持部材8の開口
部8cに接続され、その他端はインキ供給装置10に接
続されている。図示例では、パイプ形状のインキ流路9
が1つ接続されているが、微細パターン形成装置1の大
きさ、インキ流圧の均一性等を考慮して、開口部8cを
複数設け、各開口部8cにインキ流路9を接続してもよ
い。また、支持部材8やシリコン基板2を加工すること
により、インキ流路を支持部材8および/またはシリコ
ン基板2の内部に形成してもよい。インキ供給装置10
は特に制限はなく、連続供給ポンプ、定量供給ポンプ等
いずれであってもよく、微細パターン形成装置1の使用
目的に応じて適宜選択することができる。
【0033】このような微細パターン形成装置1は、イ
ンキ吐出手段として、主電極6と対向電極7との間に形
成される電界と、インキ供給装置10からのインキ供給
圧とを併用するので、低いインキ供給圧でシリコン基板
2の微細孔3からインキを微量かつ高精度で吐出させる
ことができる。また、例えば、粘度が100〜1000
0cpの範囲にある高粘度のインキを微量かつ高精度で
吐出させることができる。尚、インキ供給空間にインキ
があれば、インキ供給圧がなく電界だけでもインキの吐
出が可能である。ここで、低圧力とは、5psi以下の
圧力を意味する。以下、本発明の説明において同様であ
る。
【0034】また、主電極6と対向電極7との間に形成
される電界強度を変えることにより、微細孔3から吐出
するインキの吐出幅および吐出量を制御することが可能
である。したがって、所定の開口径をもつ微細孔3から
所望の吐出幅と吐出量でインキを吐出させることができ
る。さらに、インキ供給量を変えることによって吐出量
を任意に設定することが可能であり、また、電界強度と
インキ供給圧の双方を変えることにより、微細孔3から
吐出するインキの吐出幅および吐出量を制御することが
可能である。したがって、1回の直接描画によりパター
ン被形成体上に高精度のパターンを所定の厚みで安定し
て形成することができる。
【0035】図3は本発明で使用できる微細パターン形
成装置の他の例を示す概略断面図である。図3に示され
るように、微細パターン形成装置11は、基本構造は上
記の微細パターン形成装置1と同じであり、シリコン基
板12の裏面12B側の微細孔13の開口部13bにノ
ズル15が突設されたものである。このノズル15は、
珪素酸化物からなり、上記の珪素酸化物層14と一体的
に形成され、突出量は10〜400μmの範囲で適宜設
定することができる。このようなノズル15を設けるこ
とにより、微細孔13から吐出されたインキがシリコン
基板12の裏面12B側に付着することが防止される。
また、主電極16は、シリコン基板12の裏面12B側
に配設することもできる。図4は、シリコン基板12の
裏面12B側に配設された枠形状の主電極を説明するた
めの背面図である。図4に示されるように、主電極16
は、複数のノズル15を囲むように設けられた開口部1
6aを有している。上記の主電極16と対向電極17と
の距離は50〜500μm程度の範囲内で設定すること
ができる。
【0036】このような微細パターン形成装置11で
は、インキ吐出手段として、主電極16と対向電極17
との間に形成される電界と、インキ供給装置20からの
インキ供給圧とを併用することにより、インキ供給圧力
を高くすることなくインキを微量かつ高精度で吐出させ
ることができるので、ノズル15の破損が防止される。
また、上述の微細パターン形成装置11では、ノズル1
5の機械的強度を向上させるために、補強層を設けても
よい。図5は、微細パターン形成装置11に補強層を設
けた例を示す概略断面図である。図5に示されるよう
に、補強層15′は、ノズル15の先端面と外側面とを
覆い、さらに、内側面の先端面近傍に形成され、また、
シリコン基板12の裏面12Bに形成されている。この
補強層15′の厚みは上述のノズル15の厚みの2倍以
上、好ましくは5倍以上とすることができ、通常、1〜
5μmの範囲で厚みを適宜設定することができる。この
補強層15′は、例えば、珪素酸化物、リン珪素ガラス
等の材料により形成することができる。
【0037】また、ノズル15の内側面に形成される補
強層15′の厚みを変えることにより、ノズル15の実
質的な開口径を調整することができる。このため、所定
の開口径をもつノズル15を形成し、微細パターン形成
装置の使用目的、使用するインキの特性等に応じて、ノ
ズル15の内側面に形成する補強層15′の厚みを制御
して、所望の開口径をもつノズル15を形成することが
できる。補強層15′の形成は、例えば、プラズマCV
D法、イオンプレーティング法、減圧CVD法等を用い
ることができ、これらの成膜法は回り込み量が大きいの
で、立体構造を有するノズル15の内側面への形成に有
利である。尚、図示例では、補強層15′は、シリコン
基板12の裏面12Bにも形成されているが、この部位
に補強層15′を備えないものであってもよい。
【0038】図6は本発明で使用できる微細パターン形
成装置の他の例を示す概略断面図である。図6におい
て、微細パターン形成装置21は、シリコン基板22
と、このシリコン基板22の表面22Aに形成されたテ
ーパー形状の凹部23′aと、シリコン基板22の裏面
22B側に突出したノズル25と、シリコン基板22の
表面22A側に配設された主電極26、シリコン基板2
2の裏面22B側に所定の間隔を設けた配設された対向
電極27と、支持部材28と、シリコン基板22と支持
部材28との空隙部にインキを供給するインキ流路29
と、このインキ流路29に接続されたインキ供給装置3
0とを備えている。
【0039】シリコン基板22は、表面22A側の複数
のテーパー形状の凹部23′aの底部から裏面22B側
に貫通する微細孔23を備え、この微細孔23の表面2
2A側の開口部23aはテーパー形状の凹部23′aに
露出し、テーパー形状の凹部23′aは上記のシリコン
基板22と支持部材28とにより形成されている空隙部
に露出している。シリコン基板22は、表面22Aと裏
面22Bの結晶方位が<100>であるシリコンの単結
晶であり、厚みは200〜500μm程度が好ましい。
このようなシリコン基板22は、その線膨張係数が約
2.6×10-6/Kと低いため、温度による形状変化が
極めて小さいものである。テーパー形状の凹部23′a
の壁面は、珪素酸化物層24が設けられており、通常、
この珪素酸化物層24の厚みは5000〜10000Å
程度である。凹部23′aのテーパー形状は、逆円錐形
状、逆四角錐形状等、いずれであってもよく、深さは5
〜150μm程度、最大開口径は10〜200μm程度
の範囲で設定することができる。また、凹部23′aの
形成ピッチは最小で15μm程度が好ましい。
【0040】微細孔23は、その軸方向に垂直な横断面
(シリコン基板22の表面22Aに平行な断面)形状が
円形、その軸方向に沿った縦断面(シリコン基板22の
表面22Aに垂直な断面)形状が長方形である円柱形状
の空間からなるものであり、その壁面には、上記の凹部
23′aの壁面から連続するように珪素酸化物層24が
設けられている。また、ノズル25は、珪素酸化物から
なり、上記の微細孔23の壁面に形成された珪素酸化物
層24と一体的に形成され、微細孔23に連通してい
る。
【0041】主電極26は、開口部を有し、複数(図示
例では5個)のテーパー形状の凹部23′aを囲むよう
に配設されている。また、対向電極27は、電気的に接
地状態および浮遊状態のいずれであってもよく、対向電
極27とシリコン基板22との距離は50〜500μm
程度の範囲内で設定することができる。尚、支持部材2
8、インキ流路29、および、インキ供給装置30は、
上述の微細パターン形成装置1の支持部材8、インキ流
路9、および、インキ供給装置10と同様であり、ここ
での説明は省略する。
【0042】このような微細パターン形成装置21は、
テーパー形状の凹部23′aを備えることによりインキ
の流路抵抗が減少し、より高粘度のインキ、例えば、粘
度が100〜10000cpの範囲にあるようなインキ
をシリコン基板22の裏面の複数のノズル25から微量
かつ高精度で吐出させることができ、同時にシリコン基
板22の裏面へのインキ付着を防止することができる。
また、インキ吐出手段として、主電極26と対向電極2
7との間に形成される電界と、インキ供給装置30から
のインキ供給圧とを併用することにより、インキ供給圧
力を高くすることなくインキを微量かつ高精度で吐出さ
せることができるので、ノズル25の破損が防止され
る。尚、微細パターン形成装置21においても、ノズル
25に補強層を形成してもよく、また、微細パターン形
成装置1のように、ノズルが突出していなものとしても
よい。
【0043】図7は本発明に使用できる微細パターン形
成装置の他の例を示す概略断面図である。図7におい
て、微細パターン形成装置31は、シリコン基板32
と、このシリコン基板32の表面32Aに形成された多
段形状の凹部33′aと、シリコン基板32の裏面32
B側に突出したノズル35と、シリコン基板32の表面
32A側に配設された主電極36、シリコン基板32の
裏面32B側に所定の間隔を設けた配設された対向電極
37と、支持部材38と、シリコン基板32と支持部材
38との空隙部にインキを供給するインキ流路39と、
このインキ流路39に接続されたインキ供給装置40と
を備えている。
【0044】シリコン基板32は、表面32A側の複数
の多段形状の凹部33′aの底部から裏面32B側に貫
通する微細孔33を備え、この微細孔33の表面32A
側の開口部33aは凹部33′aに露出し、この凹部3
3′aは上記のシリコン基板32と支持部材38とによ
り形成されている空隙部に露出している。これにより、
微細孔33は微細開口部である開口部33aと、広幅開
口部である凹部33′aとからなる2段の凹部開口を有
することになる。シリコン基板32の材質は、上述のシ
リコン基板2と同様とすることができ、厚みもシリコン
基板2と同様の範囲で設定することができる。また、シ
リコン基板32は、凹部33′aと微細孔33との境界
部分に、表面と平行に酸化珪素薄膜をもつSOI(Sili
con On Insulator)ウエハであってもよい。
【0045】凹部33′aの壁面は、珪素酸化物層34
が設けられており、通常、この珪素酸化物層34の厚み
は5000〜10000Å程度である。凹部33′aの
形状は、円柱形状、立方体形状、直方体形状等、いずれ
であってもよく、深さは1〜150μm程度、開口径は
5〜200μm程度の範囲で設定することができる。ま
た、凹部33′aの形成ピッチは最小で10μm程度が
好ましい。図示例では、上述のように、微細開口部であ
る開口部33aと、広幅開口部である凹部33′aとか
らなる2段の開口部であるが、3段以上の開口部であっ
てもよい。
【0046】微細孔33は、その軸方向に垂直な横断面
(シリコン基板32の表面32Aに平行な断面)形状が
円形、その軸方向に沿った縦断面(シリコン基板32の
表面32Aに垂直な断面)形状が長方形である円柱形状
の空間からなるものであり、その壁面には、上記の凹部
33′aの壁面から連続するように珪素酸化物層34が
設けられている。また、ノズル35は、珪素酸化物から
なり、上記の微細孔33の壁面に形成された珪素酸化物
層34と一体的に形成され、微細孔33に連通してい
る。
【0047】主電極36は、開口部を有し、複数(図示
例では5個)の多段形状の凹部33′aを囲むように配
設されている。また、対向電極37は、電気的に接地状
態および浮遊状態のいずれであってもよく、対向電極3
7とシリコン基板32との距離は50〜500μm程度
の範囲内で設定することができる。尚、支持部材38、
インキ流路39、および、インキ供給装置40は、上述
の微細パターン形成装置1の支持部材8、インキ流路
9、および、インキ供給装置10と同様であり、ここで
の説明は省略する。
【0048】このような微細パターン形成装置31は、
多段形状の凹部33′aを備えることによりインキの流
路抵抗が減少し、より高粘度のインキ、例えば、粘度が
100〜10000cpの範囲にあるようなインキをシ
リコン基板32の裏面の複数のノズル35から微量かつ
高精度で吐出させることができ、同時にシリコン基板3
2の裏面へのインキ付着を防止することができる。ま
た、インキ吐出手段として、主電極36と対向電極37
との間に形成される電界と、インキ供給装置40からの
インキ供給圧とを併用することにより、インキ供給圧力
を高くすることなくインキを微量かつ高精度で吐出させ
ることができるので、ノズル35の破損が防止される。
尚、微細パターン形成装置31においても、ノズル35
に補強層を形成してもよく、また、微細パターン形成装
置1のように、ノズルが突出していなものとしてもよ
い。
【0049】図8は本発明で使用できる微細パターン形
成装置の他の例を示す概略断面図であり、図9は図8に
示される微細パターン形成装置の底面図である。図8お
よび図9において、微細パターン形成装置41は、連続
した3つの装置部41a,41b,41cからなり、共
通のシリコン基板42と、このシリコン基板42の表面
42A側に配設された3つの主電極46a,46b,4
6c、3つの支持部材48と、シリコン基板42の裏面
42B側に所定の間隔を設けて配置された対向電極47
と、シリコン基板42と各支持部材48との空隙部にイ
ンキを供給する3つのインキ流路49と、これらのイン
キ流路49に接続されたインキ供給装置50a,50
b,50cとを備えている。
【0050】シリコン基板42は、各装置部41a,4
1b,41cごとに、表面42A側から裏面42B側に
貫通する複数の微細孔43を備え、この微細孔43の表
面42A側の開口部43aは、シリコン基板42と各支
持部材48とにより形成されている各空隙部に露出して
いる。シリコン基板42の材質は上述のシリコン基板2
と同様とすることができ、厚みもシリコン基板2と同様
の範囲で設定することができる。
【0051】微細孔43は、各装置部41a,41b,
41cごとに所定の方向(図9の矢印A方向)に沿って
同列上に複数配置するようなパターンで形成されてい
る。すなわち、装置部41aでは、矢印A方向に沿って
配置された微細孔43の列がピッチP1で複数列形成さ
れ、同様に、装置部41b、装置部41cでも、微細孔
43の列がピッチP1で複数列形成されている。そし
て、各装置部41a,41b,41cにおける微細孔4
3の列は、相互にピッチP2(P1=3×P2)で位置
がずれているので、微細パターン形成装置41全体とし
ては、ピッチP2で各装置部41a,41b,41cの
微細孔列が繰り返し配列されたものとなっている。この
ような微細孔43の横断面形状、縦断面形状、開口径、
形成ピッチは、上述の微細孔3と同様にして適宜設定で
きる。また、微細孔43の壁面に形成されている珪素酸
化物層44も、上述の珪素酸化物層4と同様とすること
ができる。尚、図示例では、珪素酸化物層44を備えた
微細孔43の開口径、形成数、形成ピッチ等は、装置の
構成の説明を容易とするために簡略化してある。
【0052】主電極46a,46b,46cは、各装置
部41a,41b,41cごとに設けられており、各主
電極は、上述の主電極6と同様に、複数(図示例では5
個)の微細孔43を囲むように配設されている。対向電
極47は、電気的に接地状態および浮遊状態のいずれで
あってもよい。但し、より細いラインを描画するには、
接地状態が好ましい。図示例では、対向電極47は、電
気的に接地状態にあり、上記の主電極46に所定の電圧
が印加されたときに、微細孔43に電界を印加させる作
用をなす。この対向電極47は、上述の微細パターン形
成装置1の対向電極7と同様、必要に応じて種々の形状
とすることができる。
【0053】支持部材48は、上述のシリコン基板42
の表面42A側に配設され、シリコン基板42を保持す
るためのものであり、上述の支持部材8と同様に、その
線膨張係数がシリコン基板42の線膨張係数の1/10
倍〜10倍の範囲内の材料を用いることが好ましい。イ
ンキ流路49は、上記の各支持部材48の開口部48c
に接続され、他端はインキ供給装置50a,50b,5
0cに接続されている。インキ供給装置50a,50
b,50cは、連続供給ポンプ、定量供給ポンプ等、微
細パターン形成装置41の使用目的に応じて適宜選択す
ることができる。尚、図示例では、各支持部材48に設
けられているインキ流路49は1つであるが、インキ流
圧の均一性等を考慮して、1つの支持部材48に複数の
開口部48cを設け、各開口部48cにインキ流路49
を接続してもよい。また、インキ流路を支持部材48の
内部に形成してもよい。
【0054】このような本発明の微細パターン形成装置
41は、インキ吐出手段として、主電極46a,46
b,46cと対向電極47との間に形成される電界と、
インキ供給装置50a,50b,50cからのインキ供
給圧とを併用するので、低いインキ供給圧でシリコン基
板42の微細孔43からインキを微量かつ高精度で吐出
させることができる。また、粘度の高いインキ、例え
ば、粘度が100〜10000cpの範囲にあるインキ
を微量かつ高精度で吐出させることができる。尚、イン
キ供給空間にインキがあれば、インキ供給圧がなく電界
だけでもインキの吐出が可能である。また、インキ供給
装置50a,50b,50cから別種のインキを供給す
ることにより、各装置部41a,41b,41cごとに
所望のインキで直接描画によるパターン形成ができ、特
に、後述する本発明の形成方法によるストライプ状パタ
ーンの形成に有利である。さらに、主電極46a,46
b,46cと対向電極47間に形成される電界強度を変
えることにより、微細孔43から吐出するインキの吐出
幅および吐出量を制御することが可能である。そして、
微細パターン形成装置41は、各装置部41a,41
b,41cが一体となっているので、複数の装置を接合
する必要がなく、かつ、各装置の位置精度が極めて高い
ものとなる。さらに、インキ供給装置50a,50b,
50cを制御して供給量を変えることによってインキ吐
出量を任意に設定することが可能である。
【0055】尚、微細パターン形成装置41において
も、図3に示されるようなノズルをシリコン基板42の
裏面42B側の微細孔43の開口部43bに突設しても
よい。この場合、ノズルに上述の補強層15′のような
補強層を形成してもよい。また、微細パターン形成装置
41においても、微細孔43の表面42A側の開口部4
3aを、上述のようなテーパー形状あるいは多段形状の
凹部としてもよく、これにより、インキの流路抵抗が減
少し、より高粘度のインキを複数の微細孔43から微量
かつ高精度で吐出させることができる。
【0056】図10は本発明で使用できる微細パターン
形成装置の他の例を示す図であり、図10(A)は概略
断面図、図10(B)は底面図である。図10におい
て、微細パターン形成装置51は、シリコン基板52
と、このシリコン基板52の表面52A側に配設された
電気的に独立した3種の主電極56a,56b,56c
と、支持部材58と、シリコン基板52の裏面52B側
に所定の間隔を設けて配置された対向電極57と、シリ
コン基板52および支持部材58内に形成された3種の
インキ流路59a,59b,59cと、各インキ流路に
接続されたインキ供給装置60a,60b,60cとを
備えている。シリコン基板52は表面52A側から裏面
52B側に貫通する複数の微細孔53を備え、この微細
孔53の表面52A側の開口部53aは、表面52A側
に溝状に形成された3種のインキ流路59a,59b,
59c内のいずれかに露出している。シリコン基板52
の材質は上述のシリコン基板2と同様とすることがで
き、厚みもシリコン基板2と同様の範囲で設定すること
ができる。
【0057】微細孔53は所定の方向(図10(B)の
矢印a方向)に沿って同列上に複数配置され、この列が
ピッチPで複数形成されている。図示例では、矢印a方
向に沿って複数の微細孔が配列された6本の微細孔列5
3A,53B,53C,53D,53E,53Fがピッ
チPで形成されている。このような微細孔53の横断面
形状、縦断面形状、開口径、形成ピッチは、上述の微細
孔3と同様にして適宜設定できる。また、微細孔53の
壁面に形成されている珪素酸化物層54も、上述の珪素
酸化物層4と同様とすることができる。
【0058】主電極56a,56b,56cは、各微細
孔列53A,53B,53C,53D,53E,53F
を囲むように配設されている。すなわち、微細孔列53
Aと53Dを囲む主電極56aと、53Bと53Eを囲
む主電極56bと、53Cと53Fを囲む主電極56c
とからなる、電気的に独立の3つの主電極56a,56
b,56cからなる。対向電極57は、電気的に接地状
態および浮遊状態のいずれであってもよい。但し、より
細いラインを描画するには、接地状態が好ましい。図示
例では、対向電極57は、電気的に接地状態にあり、上
記の主電極56a,56b,56cに所定の電圧が印加
されたときに主電極56a,56b,56cとの間に電
界を生じる。この対向電極57は、上述の微細パターン
形成装置1の対向電極7と同様に、必要に応じて種々の
形状とすることができる。支持部材58は、上述のシリ
コン基板52の表面52A側に配設されてシリコン基板
52を保持する板状の部材であり、かつ、支持部材58
のシリコン基板52側にはインキ流路59cが溝状に形
成されている。
【0059】図11は、図10(A)に示されるシリコ
ン基板52のA−A線矢視における横断面図、図12は
図10(A)に示される支持部材58のB−B線矢視に
おける横断面図である。図10(A)および図11に示
されるように、シリコン基板52には、微細孔列53
A,53Dの各開口部とインキ供給装置60aとを接続
するように形成された溝状のインキ流路59a、およ
び、微細孔列53B,53Eの各開口部とインキ供給装
置60bとを接続するように形成された溝状のインキ流
路59bとが形成されている。また、微細孔列53C,
53Fの各開口部上にインキ流路59cが溝状に形成さ
れている。さらに、図10(A)および図12に示され
るように、支持部材58には、微細孔列53C,53F
の各開口部とインキ供給装置60cとを接続するように
形成された溝状のインキ流路59cが形成されている。
【0060】このような支持部材58とシリコン基板5
2との間に形成される3種のインキ流路59a,59
b,59cは、図13に示されるように、相互に独立し
ている。尚、支持部材58の材質は、上述の支持部材8
と同様に、その線膨張係数がシリコン基板52の線膨張
係数の1/10倍〜10倍の範囲内の材料を用いること
が好ましい。
【0061】このような微細パターン形成装置51は、
インキ吐出手段として、主電極56a,56b,56c
と対向電極57との間に形成される電界と、インキ供給
装置60a,60b,60cからのインキ供給圧とを併
用するので、低いインキ供給圧でシリコン基板52の微
細孔53からインキ、例えば、粘度が100〜1000
0cpの範囲にあるようなインキを微量かつ高精度で吐
出させることができる。また、インキ供給装置60a,
60b,60cを制御してインキ供給量を変えることに
よって吐出量を任意に設定することが可能であり、さら
に、電界強度とインキ供給圧の双方を変えることによ
り、微細孔53から吐出するインキの吐出幅および吐出
量を制御することが可能である。そして、微細パターン
形成装置51は、各インキごとに複数の装置を接合した
ものでないため、各微細孔列の位置精度が極めて高いも
のとなる。
【0062】また、微細パターン形成装置51において
も、微細孔53の表面52A側の開口部53aを、上述
のようなテーパー形状あるいは多段形状の凹部としても
よく、これにより、インキの流路抵抗が減少し、より高
粘度のインキ、例えば、粘度が100〜10000cp
の範囲にあるようなインキを複数の微細孔53から微量
かつ高精度で吐出させることができる。
【0063】図14は本発明で使用可能な微細パターン
形成装置の他の例を示す平面図である。図14におい
て、微細パターン形成装置61は、シリコン基板62
と、このシリコン基板62の表面62A側に配設された
主電極と、支持部材と、シリコン基板62の裏面側に所
定の間隔を設けて配置された対向電極と、シリコン基板
62と支持部材との空隙部にインキを供給するインキ流
路と、このインキ流路に接続されたインキ供給装置とを
備えている。ただし、図14では、シリコン基板62の
みを示し、主電極、対向電極、支持部材、インキ流路、
インキ供給装置は図示していない。
【0064】シリコン基板62は表面62A側から裏面
側に貫通する複数の微細孔63を備え、この微細孔63
が1つのパターン65をなすような位置に形成され、か
つ、複数(図示例では10個)のパターン65がシリコ
ン基板62に設けられている。尚、微細孔63は1つの
パターン65においてのみ示し、他のパターン65はそ
の輪郭のみを鎖線で示してある。シリコン基板62の材
質は上述のシリコン基板2と同様とすることができ、厚
みもシリコン基板2と同様の範囲で設定することができ
る。また、微細孔63の横断面形状、縦断面形状、開口
径、形成ピッチは、上述の微細孔3と同様にして適宜設
定できる。また、微細孔63は壁面に珪素酸化物層を備
えるものでよく、この珪素酸化物層も上述の珪素酸化物
層4と同様とすることができる。
【0065】このようなシリコン基板62に表面62A
側には、主電極が各パターン65を囲むように配設され
ている。また、対向電極は、電気的に接地状態にあり、
上記の主電極に所定の電圧が印加されたときに、微細孔
63に電界を印加させる作用をなす。この対向電極は、
上述の微細パターン形成装置1と同様とすることができ
る。また、シリコン基板62は、上述の支持部材8のよ
うに周縁にフランジ部を有する支持部材を用い、周辺部
(図14に斜線で示す領域)に支持部材のフランジ部を
固着することができる。そして、支持部材の開口部にイ
ンキ供給路を接続し、このインキ供給路の他端にインキ
供給装置を接続することができる。
【0066】このような微細パターン形成装置61は、
インキ吐出手段として、主電極と対向電極との間に形成
される電界と、インキ供給装置からのインキ供給圧とを
併用するので、低いインキ供給圧でシリコン基板62の
微細孔63からインキを微量かつ高精度で吐出させるこ
とができる。また、粘度の高いインキ、例えば、粘度が
100〜10000cpの範囲にあるインキを微量かつ
高精度で吐出させることができる。尚、インキ供給空間
にインキがあれば、インキ供給圧がなく電界だけでもイ
ンキの吐出が可能である。そして、シリコン基板62の
微細孔63からインキを、隣接する微細孔63から吐出
されたインキ同士がパターン被形成体上で接触する程度
の適量で吐出させて直接描画することにより、パターン
65に対応した形状のパターンをパターン被形成体上に
高い精度で安定して形成することができる。インキの吐
出量は、インキ供給装置を制御することにより調整が可
能である。上記の例では、複数のパターン65が全て同
一形状であるが、これに限定されるものではなく、例え
ば、プリント配線板の導体パターンのような任意の形状
とすることができる。
【0067】微細パターン形成方法 次に、上述のインキおよび微細パターン形成装置を用い
た本発明の微細パターン形成方法について説明する。図
15は、上述の微細パターン形成装置41を用いた本発
明の微細パターン形成方法の一実施形態を説明する図で
ある。図15において、まず、微細パターン形成装置4
1の主電極46a,46b,46cに所定の電圧を印加
した状態で、インキ供給装置50a,50b,50cか
ら、それそれインキA、インキB、インキCを各インキ
流路49を介して供給しながら、パターン被形成体Sを
微細パターン形成装置41に対して所定方向(矢印A方
向)に走査させる。この走査方向Aは、上記の微細パタ
ーン形成装置41における微細孔の配列方向A(図9参
照)と一致するものである。この場合、微細パターン形
成装置41のシリコン基板42とパターン被形成体Sと
の間隙は、50〜500μm程度の範囲で設定すること
ができる。これにより、シリコン基板42の微細孔43
から吐出されたインキによって、パターン被形成体S上
にインキA、インキB、インキCの順で繰り返し配列さ
れたストライプ状パターンが直接描画によって形成され
る。
【0068】次に、ストライプ状パターンに描画された
インキを加熱することにより、超微粒子の表面を被覆し
ている分散剤を捕捉物質によって除去する。この加熱処
理の温度は、インキに使用されている分散剤、捕捉物質
等を考慮して130〜230℃の範囲で適宜設定するこ
とができる。加熱手段としては、熱風、赤外線照射、電
磁誘導等を用いることができる。この加熱処理により捕
捉物質が活性化し、化学的に分散剤を超微粒子表面から
除去するとともに、周囲の樹脂バインダーが硬化収縮す
ることで、超微粒子同士を密着させることになる。例え
ば、超微粒子が導電性物質である場合、微細な薄膜パタ
ーンであっても電気的な信頼性が高い低抵抗回路パター
ンの形成が可能となる。
【0069】上述の例では、各ストライプのピッチはP
2となり、1本のストライプが同列上の複数の微細孔か
ら吐出されるインキにより形成されるため、個々の微細
孔からの吐出量が少なくても、パターン被形成体Sの走
査速度を高めて、パターン形成速度を高くすることがで
きる。このようなストライプ状パターンは、微細孔43
の径の大きさ、あるいは、主電極46a,46b,46
cと対向電極47間に形成される電界強度を変えて微細
孔43から吐出するインキの吐出幅を制御することによ
り、極めて高い精度で形成され、かつ、従来のフォトリ
ソグラフィー法に比べて工程が簡便である。
【0070】尚、図示例では、パターン被形成体Sは少
なくとも表面が導電性を有し、接地された対向電極47
を兼ねている。また、紙やフィルムのような薄い電気絶
縁体をパターン被形成体とすることもでき、この場合、
薄い電気絶縁体を載置するための基板等を接地された対
向電極47とする。対向電極47は、電気的に接地状態
および浮遊状態のいずれであってもよいが、より細いラ
インを描画するには、接地状態が好ましい。また、パタ
ーン被形成体Sが可撓性を有する場合、パターン被形成
体Sの裏面に、微細パターン形成装置41と対向するよ
うにバックアップローラーを配置し、パターン被形成体
Sにテンションをかけながら搬送して直接描画すること
が好ましい。また、本発明の微細パターン形成方法で
は、上述のように対向電極47上に描画されたパターン
を、別のパターン被形成体に転写することにより、微細
パターンを形成してもよい。
【0071】図16は、本発明の微細パターン形成方法
の他の実施形態を説明するための図であり、本発明の微
細パターン形成装置61を使用した例である。図16に
おいて、まず、微細パターン形成装置61(図示例で
は、シリコン基板62のみを示す)をパターン被形成体
Sの所定位置に配置し、主電極に所定の電圧を印加した
状態で、インキ流路から供給された一定量のインキを各
微細孔63を介してパターン被形成体上に吐出させるこ
とによりパターンを形成する。尚、図示例では、パター
ン被形成体Sは少なくとも表面が導電性を有し、接地さ
れた対向電極を兼ねている。また、紙やフィルムのよう
な薄い電気絶縁体をパターン被形成体Sとすることもで
き、この場合、薄い電気絶縁体を載置するための基板等
が接地された対向電極とされる。対向電極は、電気的に
接地状態および浮遊状態のいずれであってもよいが、よ
り細いラインを描画するには、接地状態が好ましい。
【0072】その後、パターン被形成体Sを矢印A方向
に所定の距離搬送させ、同様のパターン形成を行う。こ
のような操作の繰り返しにより、パターン被形成体S上
には、所望のパターン65が形成できる。尚、微細パタ
ーン形成装置61のシリコン基板62とパターン被形成
体Sとの間隙は、50〜500μm程度の範囲で設定す
ることができる。次に、上述のようにパターン形状で描
画されたインキを加熱することにより、超微粒子の表面
を被覆している分散剤を捕捉物質によって除去する。加
熱処理は上述と同様にして行うことができ、この加熱処
理により捕捉物質が活性化し、化学的に分散剤を超微粒
子表面から除去するとともに、周囲の樹脂バインダーが
硬化収縮することで、超微粒子同士が密着して微細パタ
ーンが形成される。
【0073】また、微細パターン形成装置61における
複数の微細孔63から構成されるパターン65を、例え
ば、プリント配線板の導体パターンとしておき、インキ
として導体ペーストを用いることにより、フォトリソグ
ラフィー法によらず簡便にプリント配線板を製造するこ
とができる。この場合、主電極は、上述の図2、図4に
示した枠形状の電極とし、この対向電極の下方にプリン
ト配線板を位置させてパターン形成を行うことができ
る。尚、本発明の微細パターン形成方法では、上述のよ
うに対向電極上に描画されたパターンを、別のパターン
被形成体に転写することにより、微細パターンを形成し
てもよい。
【0074】上述の微細パターン形成方法は本発明の一
例であり、上述のようなインキを使用し、例示したよう
な微細パターン形成装置を使用することにより種々の態
様で微細パターンを形成することができる。本発明の微
細パターン形成方法は、プリント配線板の導体パターン
形成、種々の絶縁パターン形成等に応用できる。
【0075】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。微細パターン形成装置の作製 表面をRCA洗浄したシリコン基板(直径3インチ、厚
み200μm、片面研磨、結晶方位<100>、線膨張
係数=2.6×10-6/K)を準備した。このシリコン
基板の全面に低圧CVD法により珪素窒化物層を0.1
μmの厚みで形成した。その後、シリコン基板の一方の
面の珪素窒化物層上にスパッタリング法によりアルミニ
ウム薄膜を0.2μmの厚みで形成した。
【0076】次いで、アルミニウム薄膜上に感光性レジ
スト(シプレイ(株)製Micro Posit S1818)を塗
布し、所定のフォトマスクを介して露光、現像すること
により、レジストパターンを形成した。その後、このレ
ジストパターンをマスクとしてアルミニウム薄膜をアル
ミニウムエッチャント(混酸アルミ)でエッチングし、
上記のレジストパターンを除去して、微細開口(直径2
0μmの円形開口)が120μmのピッチで同一直線上
に42個形成された金属パターンを形成した。次に、金
属パターンをマスクとしてシリコン基板に対してICP
−RIE(Inductively Coupled Plasma - Reactive Ion
Etching)エッチングによるディープエッチングを行
い、シリコン基板に貫通微細孔(直径20μm)を穿設
した。
【0077】次いで、金属パターンを硫酸過水(硫酸:
過酸化水素水=1:1)により剥離除去し、シリコン基
板を下記の条件で熱酸化炉内で酸化することにより、貫
通微細孔の壁面に厚み5000〜10000Å程度の珪
素酸化物層を形成した。 (熱酸化条件) ・加熱温度 : 1050℃ ・水素ガス供給量 : 1slm ・酸素ガス供給量 : 1slm ・加熱時間 : 約15時間
【0078】次に、金属パターンが設けられていたシリ
コン基板の面からICP−RIE(Inductively Coupled
Plasma - Reactive Ion Etching)によるドライエッチ
ングを行い、珪素窒化物層を除去し、さらに、シリコン
基板をエッチングして、貫通微細孔内壁に形成されてい
る珪素酸化物層が長さ100μm露出したところでドラ
イエッチングを停止した。上述の工程により、シリコン
基板のエッチング側に、シリコン基板の微細孔に連通し
た珪素酸化物からなる微細ノズルが形成された。この微
細ノズルは、先端部の開口直径19μm、そのバラツキ
が±1μm、形成ピッチ120μmであり、極めて精度
の高いものであった。
【0079】次に、120μmピッチで同一線上に42
個形成された微細孔を囲むように、シリコン基板の表面
にアルミニウム箔を加工した主電極を配設した。尚、こ
の主電極とシリコン基板との間には、絶縁のためのポリ
イミド層(厚み70μm)を設けた。次に、フランジ部
と開口部の形成加工を行ったポリエーテルエーテルケト
ン樹脂製の支持部材を、エポキシ系接着剤によりシリコ
ン基板の表面(微細ノズルの非形成面)の周辺部の珪素
窒化物層上に固着した。次に、支持部材の開口部に樹脂
製パイプのインキ流路を接続し、この樹脂製パイプの他
端をインキ供給装置(EFD(株)製1500XL)を
接続した。
【0080】一方、上記のシリコン基板の裏面に対向す
るように、酸化インジウムスズ(ITO)を表面に備え
たガラス基板(対向電極を兼ねるパターン被形成体)を
配置し、かつ、接地した。このガラス基板のITO電極
表面からシリコン基板のノズル先端までの距離を250
μmとし、ガラス基板に対して平行にシリコン基板を走
査可能とした。これにより微細パターン形成装置を得
た。
【0081】パターン形成用のインキ調製 超微粒子として銀の超微粒子、分散剤として高級アミン
(ドデシルアミン)、有機バインダーとしてレゾール型
フェノール樹脂(群栄化学(株)製PL−2211)、
捕捉物質として酸無水物(メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸)、溶剤としてテトラデカンを含有する18種のイ
ンキ(インキ試料1〜18)を下記の方法により調製し
た。 (インキ調製方法(インキ試料1〜10))銀超微粒子
100重量部当たり分散剤1重量部とした各種平均粒子
径の銀超微粒子100重量部に対して、有機バインダー
5重量部、捕捉物質0.45重量部を添加、混合し、溶
剤を用いてインキ粘度を100cpに調整した。 (インキ調製方法(インキ試料11〜18))銀超微粒
子100重量部当たり分散剤2重量部とした平均粒子径
10nmの銀超微粒子100重量部に対して、有機バイ
ンダー5重量部、捕捉物質0.9重量部を添加、混合
し、溶剤を用いて表1に示すインキ粘度に調整した。
【0082】このように調製した各インキに含有される
超微粒子の平均粒子径、インキ粘度、超微粒子の含有
量、有機バインダーの含有量を下記の表1に示した。
尚、インキ粘度の測定は、B型粘度計(20℃)および
E型粘度計(25℃)を用いて行った。
【0083】
【表1】
【0084】微細パターンの形成 上述のように作製した微細パターン形成装置の主電極
に、電源(ファンクションジェネレータ、アンプ(×1
000)、オシロスコープで構成した)から電圧(直流
1kV)を印加し、シリコン基板を対向電極(ITOを
備えたガラス基板)に対して走査(速度250mm/
秒)させた。次いで、インキ供給装置から圧力をかけず
にインキをシリコン基板に供給し、ノズルからインキを
吐出させてストライプ形状のパターンを直描した。その
後、ガラス基板を250℃のオーブン中に60分間入れ
てインキに加熱処理を施してストライプ状のパターンを
形成した。
【0085】この結果、含有する銀超微粒子の平均粒子
径が1〜100nmの範囲であり、粘度が1〜1000
0cpの範囲であるインキ試料2〜8、インキ試料12
〜17を用いたパターン形成では、線幅10±2μmの
微細なストライプ形状パターンの形成が可能であり、特
に粘度の高いインキ(インキ試料15〜試料17)で
は、更に線幅が1.5±0.5μmまでの微細なストラ
イプ形状パターンの形成が可能であった。また、これら
のパターンは、いずれも比抵抗が3×10-6〜5×10
-6Ωcm以下であり、優れた導電性を備えることが確認
された。
【0086】しかし、平均粒子径が0.5nmである銀
超微粒子を含有するインキ試料1は、銀超微粒子の状態
が不安定であるため、インキ内で銀超微粒子の凝集が生
じ、ノズルの詰まり、吐出安定性の低下、ライン幅の不
均一化等の問題が発生した。また、平均粒子径が100
nmを超える銀超微粒子を含有するインキ試料9、10
を用いて形成された微細パターンは、パターン形状が乱
れ、微細なラインアンドスペースでは、電気的なショー
ト等の問題が生じた。さらに、粘度が0.5cpである
インキ試料11を用いて形成された微細パターンは、吐
出されたインキがガラス基板に到達した後に濡れ広がる
ため、10μm以下の微細パターンの形成が困難であっ
た。また、粘度が10000cpを超えるインキ試料1
8を用いて形成された微細パターンは、インキ吐出によ
り描画されたパターンの厚みが厚くなりすぎ、上記加熱
処理では不十分で更に長時間の加熱が必要となり、この
加熱処理の間にパターン形状が崩れ、微細パターンの形
成が困難であった。
【0087】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば主
電極と対向電極間に形成される電界と供給時の低圧力と
によりシリコン基板の微細孔からインキが吐出されてパ
ターン被形成体上に付着して直接描画がなされ、インキ
が含有する超微粒子の平均粒径が極めて小さいので、パ
ターン被形成体上に吐出されたインキ中における平面方
向および厚み方向の超微粒子数が多く、その後の加熱に
よって分散剤が捕捉物質により除去され超微粒子同士が
密着して信頼性の高い微細パターンが形成される。ま
た、電界強度および/またはインキ供給圧を変えること
によりインキの吐出幅と吐出量を制御して、高精度のパ
ターン形成を簡便かつ安定して行うことができる。さら
に、微細孔の表面側の開口部をテーパー形状あるいは多
段形状の凹部とすることにより、インキの流路抵抗が低
減され、より高粘度のインキを微量かつ高精度で吐出さ
せることができるので、インキの超微粒子含有濃度を高
くしても高精度のパターン形成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用できる微細パターン形成装
置の一例を示す概略断面図である。
【図2】シリコン基板の表面側に配設された主電極を説
明するための支持部材を取り除いた状態の平面図であ
る。
【図3】本発明において使用できる微細パターン形成装
置の他の例を示す概略断面図である。
【図4】シリコン基板の裏面側に配設された枠形状の主
電極を説明するための背面図である。
【図5】本発明において使用できる微細パターン形成装
置の他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明において使用できる微細パターン形成装
置の他の例を示す概略断面図である。
【図7】本発明において使用できる微細パターン形成装
置の他の例を示す概略断面図である。
【図8】本発明において使用できる微細パターン形成装
置の他の例を示す概略断面図である。
【図9】図8に示される微細パターン形成装置の底面図
である。
【図10】本発明において使用できる微細パターン形成
装置の他の例を示す図であり、図10(A)は概略断面
図、図10(B)は底面図である。
【図11】図10に示される微細パターン形成装置の支
持部材のA−A線矢視における横断面図である。
【図12】図10に示される微細パターン形成装置の支
持部材のB−B線矢視における横断面図である。
【図13】図10に示される微細パターン形成装置のイ
ンキ流路を示す斜視図である。
【図14】本発明において使用できる微細パターン形成
装置の他の例を示す概略断面図である。
【図15】本発明の微細パターン形成方法の一実施形態
を示す斜視図である。
【図16】本発明の微細パターン形成方法の他の実施形
態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41,51,61…微細パター
ン形成装置 2,12,22,32,42,52,62…シリコン基
板 3,13,23,33,43,53,63…微細孔 3a,13a,23a,33a,43a,53a…開口
部 3b,13b,23b,33b,43b,53b…開口
部 23′a…テーパー形状の凹部 33′a…多段形状の凹部 4,14,24,34,44,54…珪素酸化物層 6,16,26,36、46a,46b,46c,56
a,56b,56c…主電極 7,17,27,37,47,57…対向電極 9,19,29,39,49,59…インキ流路 10,20,30,40、50a,50b,50c,6
0a,60b,60c…インキ供給装置 15,25,35…ノズル S…パターン被形成体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大東 良一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 松葉 頼重 茨城県つくば市東光台5丁目9番の3 ハ リマ化成株式会社筑波研究所内 (72)発明者 上田 雅行 茨城県つくば市東光台5丁目9番の3 ハ リマ化成株式会社筑波研究所内 Fターム(参考) 2C056 FB05 FC01 HA20 HA21

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細パターン形成装置からインキをパタ
    ーン被形成体上に吐出させ、その後、インキを加熱する
    ことにより所望の微細パターンを形成する方法におい
    て、 前記インキは、平均粒子径が1〜100nmの範囲内に
    ある超微粒子と、該超微粒子の表面を被覆する分散剤
    と、有機バインダーと、加熱により前記分散剤を超微粒
    子表面から除去する捕捉物質とを少なくとも含有するも
    のであり、かつ、粘度が1〜10000cpの範囲内で
    あり、 前記微細パターン形成装置は、シリコン基板と、該シリ
    コン基板の表面から裏面に貫通するように設けられた複
    数の微細孔と、前記シリコン基板の表面側に配設された
    主電極と、前記シリコン基板の裏面側に所定の間隔を設
    けて配置された対向電極と、前記シリコン基板の表面側
    に配設された支持部材と、前記シリコン基板表面側の前
    記微細孔の開口部にインキを供給するためのインキ流路
    と、該インキ流路に接続されたインキ供給装置とを備
    え、主電極に電圧を印加した状態で、インキ流路から低
    圧力で供給されたインキを各微細孔を介して吐出させる
    ことを特徴とする微細パターンの形成方法。
  2. 【請求項2】 主電極に印加する電圧を調整して、イン
    キ吐出幅および吐出量を制御することを特徴とする請求
    項1に記載の微細パターンの形成方法。
  3. 【請求項3】 前記インキは、粘度が100〜1000
    0cpの範囲内であることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の微細パターンの形成方法。
  4. 【請求項4】 前記超微粒子は、金、銀、銅、錫、白
    金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、
    オスミウム、タングステン、ニッケル、タンタル、ビス
    マス、鉛、インジウム、亜鉛、チタンの少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の微細パターンの形成方法。
  5. 【請求項5】 前記超微粒子の表面を被覆する分散剤
    は、窒素原子、酸素原子、および、イオウ原子の少なく
    とも1種を含む基であって、これら原子の有する孤立電
    子対により超微粒子を構成する元素と配位的な結合が可
    能な基を有する化合物であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれかに記載の微細パターンの形成方
    法。
  6. 【請求項6】 前記インキに含有される捕捉物質は、前
    記分散剤が含有する、窒素原子、酸素原子、および、イ
    オウ原子の少なくとも1種を含む基に対して、加熱によ
    り反応性を発現する化合物であることを特徴とする請求
    項5に記載の微細パターンの形成方法。
  7. 【請求項7】 前記微細パターン形成装置は、前記シリ
    コン基板裏面側の前記微細孔の開口部にノズルが突設さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいず
    れかに記載の微細パターンの形成方法。
  8. 【請求項8】 前記微細孔の壁面は珪素酸化物層を有
    し、前記ノズルは珪素酸化物からなることを特徴とする
    請求項7に記載の微細パターンの形成方法。
  9. 【請求項9】 前記微細パターン形成装置は、前記対向
    電極がドラム形状および平板形状のいずれかであること
    を特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の
    微細パターンの形成方法。
  10. 【請求項10】 前記微細パターン形成装置は、前記微
    細孔の開口径が1〜100μmの範囲内、前記微細孔の
    形成ピッチが2〜1000μmの範囲内であることを特
    徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の微細
    パターンの形成方法。
  11. 【請求項11】 前記ノズルの突出長は、10〜400
    μmの範囲内にあることを特徴とする請求項8乃至請求
    項10のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
  12. 【請求項12】 前記微細パターン形成装置は、前記シ
    リコン基板表面側の前記微細孔の開口部がシリコン基板
    表面側に広がったテーパー形状凹部であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の微細パ
    ターンの形成方法。
  13. 【請求項13】 前記微細パターン形成装置は、前記シ
    リコン基板表面側の前記微細孔の開口部がシリコン基板
    表面側に広がった多段形状凹部であることを特徴とする
    請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の微細パター
    ンの形成方法。
  14. 【請求項14】 前記微細パターン形成装置は、前記微
    細孔が2以上のグループに分けられ、各微細孔グループ
    ごとに別個のインキ流路を備えることを特徴とする請求
    項1乃至請求項13のいずれかに記載の微細パターンの
    形成方法。
  15. 【請求項15】 各微細孔グループごとに別個の主電極
    を備えることを特徴とする請求項14に記載の微細パタ
    ーンの形成方法。
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