JP4280025B2 - 微細パターンの形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は微細パターンの形成方法に係り、特にプリント配線板の導体パターン形成や絶縁パターン形成等に応用できる微細パターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板の導体パターンや絶縁パターンの形成は、フォトリソグラフィー法、印刷法、電着法等により行なわれており、これらの形成方法の中でも高精度な配線が可能なフォトリソグラフィー法が用いられている。
フォトリソグラフィー法によるプリント配線板の作製では、銅めっき層上に感光性レジストのパターンを形成し、これをマスクとして銅めっき層をエッチングすることにより導体パターンが形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のようなフォトリソグラフィー法を用いた導体パターン形成等の従来の微細パターン形成は工程が複雑であり、製造コストの低減に支障を来たしていた。
また、金属微粒子を分散させたインクをインクジェットヘッドから基板上に吐出させ、インク中の溶媒等を乾燥除去して微細な配線パターンを形成することが提案されている(特開平10−204350号公報)。しかし、インクジェットヘッドから吐出可能なインクは、低粘度であることが要求され、このためインクの金属微粒子濃度が低いものとなり、信頼性の高い配線パターン等を形成するためには同一部位にインクジェットによる複数回のインク付着が必要になり、パターン精度の低下、工程の複雑化が避けられないという問題があった。
【0004】
本発明は上述のような実情に鑑みてなされたものであり、インキを直描することにより微細パターンを高い精度で、かつ、簡便に形成することができる微細パターンの形成方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、微細パターン形成装置からインキをパターン被形成体上に吐出させ、その後、インキを加熱することにより所望の微細パターンを形成する方法において、前記インキは、平均粒子径が1〜100nmの範囲内にある超微粒子と、該超微粒子の表面を被覆する分散剤と、有機バインダーと、130〜250℃の温度範囲での加熱により前記分散剤を超微粒子表面から除去する捕捉物質とを少なくとも含有するものであり、かつ、粘度が1〜10000cpの範囲内であり、前記分散剤は、窒素原子、酸素原子、および、イオウ原子の少なくとも1種を含む基であって、これら原子の有する孤立電子対により前記超微粒子を構成する元素と配位的な結合が可能な基を有する化合物であり、前記捕捉物質は、前記分散剤が含有する、窒素原子、酸素原子、および、イオウ原子の少なくとも1種を含む基に対して、加熱により反応性を発現する化合物であり、前記微細パターン形成装置は、シリコン基板と、該シリコン基板の表面から裏面に貫通するように設けられた複数の微細孔と、前記シリコン基板の表面側に配設された主電極と、前記シリコン基板の裏面側に所定の間隔を設けて配置された対向電極と、前記シリコン基板の表面側に配設された支持部材と、前記シリコン基板表面側の前記微細孔の開口部にインキを供給するためのインキ流路と、該インキ流路に接続されたインキ供給装置とを備え、主電極に電圧を印加した状態で、インキ流路から低圧力で供給されたインキを各微細孔を介して吐出させるような構成とした。
【0006】
また、本発明の他の態様として、主電極に印加する電圧を調整して、インキ吐出幅および吐出量を制御するような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記インキは、粘度が100〜10000cpの範囲内であるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記超微粒子は、金、銀、銅、錫、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、タングステン、ニッケル、タンタル、ビスマス、鉛、インジウム、亜鉛、チタンの少なくとも1種であるような構成とした。
【0007】
また、本発明の他の態様として、前記微細パターン形成装置は、前記シリコン基板裏面側の前記微細孔の開口部にノズルが突設されているような構成、前記微細孔の壁面は珪素酸化物層を有し、前記ノズルは珪素酸化物からなるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記微細パターン形成装置は、前記対向電極がドラム形状および平板形状のいずれかであるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記微細パターン形成装置は、前記微細孔の開口径が1〜100μmの範囲内、前記微細孔の形成ピッチが2〜1000μmの範囲内であるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記ノズルの突出長は、10〜400μmの範囲内にあるような構成とした。
【0008】
また、本発明の他の態様として、前記微細パターン形成装置は、前記シリコン基板表面側の前記微細孔の開口部がシリコン基板表面側に広がったテーパー形状凹部であるような構成、あるいは、前記微細パターン形成装置は、前記シリコン基板表面側の前記微細孔の開口部がシリコン基板表面側に広がった多段形状凹部であるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記微細パターン形成装置は、前記微細孔が2以上のグループに分けられ、各微細孔グループごとに別個のインキ流路を備えるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、各微細孔グループごとに別個の主電極を備えるような構成とした。
【0009】
このような本発明では、インキが含有する超微粒子の平均粒径が極めて小さいので、パターン被形成体上に吐出されたインキ中における平面方向および厚み方向の超微粒子数が多く、その後の加熱によって分散剤が捕捉物質により除去されることにより超微粒子同士が密着して信頼性の高い微細パターンが形成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本発明は、微細パターン形成装置からインキをパターン被形成体上に吐出させ、その後、インキを加熱することにより所望の微細パターンを形成する方法である。
【0011】
本発明で使用するインキ
まず、本発明の微細パターン形成方法において使用するインキについて説明する。本発明において使用するインキは、平均粒子径が1〜100nm、好ましくは2〜10nmの範囲内にある超微粒子と、この超微粒子の表面を被覆する分散剤と、有機バインダーと、加熱により上記分散剤を超微粒子表面から除去する作用を有する捕捉物質とを少なくとも含有するものである。
【0012】
超微粒子の材質は、金、銀、銅、錫、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、タングステン、ニッケル、タンタル、ビスマス、鉛、インジウム、亜鉛、チタン等の導電材料の1種、あるいは、2種以上の組み合わせ、または、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)等の電気絶縁材料の1種、あるいは、2種以上の組み合わせとすることができる。このような超微粒子は、分散剤により被覆することにより超微粒子状態を維持させることができる。超微粒子の平均粒子径が1nm未満であると、超微粒子の状態が極端に不安定となって凝集を生じ、インキとしての安定性が悪くなり、また、平均粒子径が100nmを超えると、本発明における超微粒子としての特徴がなくなり、本発明の効果を奏することが困難となり好ましくない。
上記の超微粒子の形成方法には特に制限はなく、例えば、ガス中蒸発法により形成することができ、また、他の方法により形成された超微粒子(市販品も含む)を使用することもできる。
【0013】
超微粒子を被覆して凝集を防止する分散剤は、超微粒子を構成する元素と配位的な結合を形成する際、窒素、酸素、またはイオウ原子上の孤立電子対を有する基を利用するもので、例えば、窒素原子を含む基としてアミノ基が挙げられる。また、イオウ原子を含む基としては、スルファニル基(−SH)、スルフィド型のスルファンジイル基(−S−)が挙げられる。また、酸素原子を含む基としては、ヒドロキシ基、エーテル型のオキシ基(−O−)が挙げられる。
【0014】
利用可能なアミノ基を有する化合物の代表として、アルキルアミンを挙げることができる。尚、このようなアルキルアミンは、元素と配位的な結合を形成した状態で、通常の保管環境、具体的には、40℃に達しない範囲では、離脱しないものが好適であり、沸点が60℃以上の範囲、好ましくは100℃以上となるものが好ましい。ただし、インキの加熱処理(加熱硬化等)を行う際には、速やかに超微粒子表面から離脱することが可能であることが必要であり、少なくとも、沸点が300℃を超えない範囲、通常、250℃以下の範囲となるものが好ましい。例えば、アルキルアミンとして、そのアルキル基は、C4〜C20が用いられ、さらに好ましくはC8〜C18の範囲に選択され、アルキル鎖の末端にアミノ基を有するものが用いられる。例えば、C8〜C18の範囲のアルキルアミンは、熱的な安定性もあり、また、その蒸気圧もさほど高くなく、室温等で保管する際、含有率を所望の範囲に維持・制御することが容易であるなど、ハンドリング性の面から好適に用いられる。一般に、このような配位的な結合を形成する上では、第一級アミン型のものがより高い結合能を示し好ましいが、第二級アミン型、ならびに、第三級アミン型の化合物も利用可能である。また、1,2−ジアミン型、1,3−ジアミン型等、近接する2以上のアミノ基が結合に関与する化合物も利用可能である。また、ポリオキシアルキレンアミンを用いることもできる。その他、末端のアミノ基以外に、親水性の末端基、例えば、水酸基を有するヒドロキシアミン、例えば、エタノールアミン等を利用することもできる。
【0015】
また、利用可能なスルファニル基(−SH)を有する化合物の代表として、アルカンチオールを挙げることができる。尚、このようなアルカンチオールも、元素と配位的な結合を形成した状態で、通常の保管環境、具体的には、40℃に達しない範囲では、離脱しないものが好適であり、沸点が60℃以上の範囲、好ましくは100℃以上となるものが好ましい。ただし、インキの加熱処理(加熱硬化等)を行う際には、速やかに超微粒子表面から離脱することが可能であることが必要であり、少なくとも、沸点が300℃を超えない範囲、通常、250℃以下の範囲となるものが好ましい。例えば、アルカンチオールとして、そのアルキル基は、C4〜C20が用いられ、さらに好ましくはC8〜C18の範囲に選択され、アルキル鎖の末端にスルファニル基(−SH)を有するものが用いられる。例えば、C8〜C18の範囲のアルカンチオールは、熱的な安定性もあり、また、その蒸気圧もさほど高くなく、室温等で保管する際、含有率を所望の範囲に維持・制御することが容易であるなど、ハンドリング性の面から好適に用いられる。一般に、第一級チオール型のものがより高い結合能を示し好ましいが、第二級チオール型、ならびに、第三級チオール型の化合物も利用可能である。また、1,2−ジチオール型等の、2以上のスルファニル基(−SH)が結合に関与するものも利用可能である。
【0016】
また、利用可能なヒドロキシ基を有する化合物の代表として、アルカンジオールを挙げることができる。一例として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類等を挙げることができる。尚、このようなアルカンジオールも、元素と配位的な結合を形成した状態で、通常の保管環境、具体的には、40℃に達しない範囲では、離脱しないものが好適であり、沸点が60℃以上の範囲、好ましくは100℃以上の範囲となるものが好ましい。ただし、インキの加熱処理(加熱硬化等)を行う際には、速やかに超微粒子表面から離脱することが可能であることが必要であり、少なくとも、沸点が300℃を超えない範囲、通常、250℃以下の範囲となるものが好ましい。例えば、1,2−ジオール型等の、2以上のヒドロキシ基が結合に関与するもの等がより好適に利用可能である。
【0017】
上述のような分散剤による超微粒子の被覆は、分散剤と超微粒子とを混合させること等により行うことができる。
このように分散剤により被覆された超微粒子のインキ中における含有量は、特に制限はなく、インキを構成する他の成分、インキ粘度の設定値、形成する微細パターンの使用目的等に応じて適宜設定することができる。
【0018】
インキを構成する有機バインダーとしては、後述する加熱処理によって硬化収縮を生じ、超微粒子を接触させる作用をなすとともに、パターン被形成体に対する接着性を発現するものが用いられる。このような有機バインダーとしては、一般の導電性ペーストに使用される熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱分解性樹脂等を用いることができ、加熱、硬化処理により、十分な硬化がなされる樹脂成分を1種以上選択して利用することができる。利用できる熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、オリゴエステルアクリレート樹脂、キシレン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂(オリゴマーを含有し、熱硬化性を示すもの)、オキセタン樹脂、オキサジン樹脂等を挙げることができる。中でも、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、オキサジン樹脂は、超微細な回路形成をする際にも、密着性が良好であり、勿論、硬化物の物性も導電性ペーストに適するので、有機バインダーとして好ましいものである。
【0019】
また、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ケトン樹脂、ポリスチレン樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂は、適当な溶剤に溶解した状態としてワニス状樹脂組成物中に含有させる。熱分解性樹脂としては、セルロースエステル、セルロースエーテル等のセルロース樹脂類、あるいは、ポリアクリルニトリル等を挙げることができる。また、熱分解性樹脂も、適当な溶剤に溶解した状態としてワニス状樹脂組成物中に含有させる。インキを微細パターン形状に描画した後、加熱することにより溶剤を揮発除去し、次いで、冷却固化して、熱可塑性樹脂がバインダーとなった硬化物(微細パターン)となる。熱可塑性樹脂のうちでも、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂が、超微細な回路形成をする際にも、良好な密着性を示し、さらに、固化後の物性も導電性ペーストに適するので、有機バインダーとして好ましいものである。
【0020】
尚、ワニス状の樹脂組成物には、有機バインダーとして機能する樹脂成分の他に、パターン被形成体の表面への密着性を向上させる目的で、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、グラスレジン、ガラスフリット等の成分を必要に応じて適量添加することもできる。また、一般に導電ペーストに利用されるレベリング剤を必要に応じて添加することもできる。その他、得られるインキにおいて、後述するような粘度とするために、予め希釈溶剤を添加したワニス状の樹脂組成物とすることもできる。
このような有機バインダーの含有量は、超微粒子100重量部あたり、1〜30重量部、好ましくは3〜20重量部程度することができる。
【0021】
また、インキを構成する捕捉物質は、加熱によって、超微粒子を被覆している分散剤を捕捉して超微粒子表面から除去するものであり、分散剤が含有する、窒素原子、酸素原子、および、イオウ原子の少なくとも1種を含む基に対して、加熱により反応性を発現する化合物である。したがって、捕捉物質に含有されて反応性を示す化合物(例えば、酸無水物または酸無水物誘導体)の含有量は、上記の分散剤に含有される末端アミノ基、ヒドロキシ基等の総和に応じて、少なくとも、それと等量となる量を超えて添加することが好ましい。尚、酸無水物または酸無水物誘導体は、加熱した際、場合によっては、超微粒子に存在する、塩基性を有する金属酸化物の皮膜とも反応して、カルボン酸の金属塩を生成する機能も有するため、その反応性をも考慮にいれ、若干過剰な量が適宜設定される。上記の反応性を示す限り、捕捉物質に利用できる化合物は酸無水物またはその誘導体あるいは有機酸に限定されるものではない。例えば、利用可能な有機酸としては、C1〜C10の直鎖飽和カルボン酸であるギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、オクチル酸をはじめ、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ならびにアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、安息香酸、ソルビン酸等のC1〜C18の直鎖または分岐の飽和カルボン酸ならびに各種不飽和カルボン酸、ならびにオレイン酸、リノール酸等の重合物であるダイマー酸やトリマー酸、更には、シュウ酸、マロン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸等の二塩基酸等、種々のカルボン酸に加えて、カルボキシ基に代えて、リン酸基(−O−P(O)(OH)2)、あるいは、スルホ基(−SO3H)を有するリン酸エステル、スルホン酸等のその他の有機酸を挙げることができる。
【0022】
また、好適に利用できる有機の酸無水物もしくは酸無水物の誘導体として、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)等の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルキル無水コハク酸、アルケニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物等の環状脂肪族酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等の脂肪族酸無水物を挙げることができる。これらの中でも、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、アルケニル無水コハク酸、およびこれらの誘導体は、比較的低い加熱処理温度においても、例えば、アミン化合物の末端アミノ基等に対して適度な反応性を有することから好適に用いられる。
【0023】
このようなインキは、含有する超微粒子の材質により導体ペースト、絶縁ペースト等とすることができ、その粘度を1〜10000cpの範囲内で設定することができる。粘度が1cp未満であると、超微粒子の含有量が低く、パターン形成が困難となる。一方、10000cpを超えると、ラインの厚みが厚くなりすぎるため長時間の加熱(焼成)処理が必要となり、この処理中にラインが崩れ、所望の寸法精度のパターンが得られなくなる。尚、粘度の測定は、B型粘度計、E型粘度計を用いて行うものとする。
【0024】
本発明で使用するインキは、上述の超微粒子、分散剤、有機バインダー、捕捉物質の他に、溶剤を含有してもよい。溶剤としては、特に限定はなく、室温付近では容易に蒸散することのない、比較的高沸点な非極性溶剤、あるいは、低極性溶剤である高級アルコール、高級アミン、例えば、テルピネオール、ミネラルスピリット、キシレン、トルエン、テトラデカン、ドデカン等を挙げることができる。
【0025】
本発明のパターン形成方法では、上記のような超微粒子を含有するインキと、後述する微細パターン形成装置を使用するので、従来のインクジェット方式では使用することが困難な高い粘度、例えば、100〜10000cpの粘度範囲であっても、ライン幅1μm程度の微細パターンの形成が可能である。
【0026】
本発明で使用する微細パターン形成装置
次に、本発明の微細パターン形成方法において使用する微細パターン形成装置について説明する。
図1は本発明で使用する微細パターン形成装置の一例を示す概略断面図である。図1において、微細パターン形成装置1は、シリコン基板2と、このシリコン基板2の表面2A側に配設された主電極6、支持部材8と、シリコン基板2の裏面2B側に所定の間隔を設けて配置された対向電極7と、シリコン基板2と支持部材8との空隙部にインキを供給するインキ流路9と、このインキ流路9に接続されたインキ供給装置10とを備えている。
【0027】
シリコン基板2は、表面2A側から裏面2B側に貫通する複数の微細孔3を備え、この微細孔3の表面2A側の開口部3aは、上記のシリコン基板2と支持部材8とにより形成されている空隙部に露出している。シリコン基板2の材質はシリコンの単結晶が好ましく、厚みは200〜500μm程度が好ましい。このようなシリコン基板2は、その線膨張係数が約2.6×10-6/Kと低いため、温度による形状変化が極めて小さいものである。
【0028】
微細孔3は、その軸方向に垂直な横断面形状(シリコン基板2の表面2Aに平行な断面)が円形、その軸方向に沿った縦断面形状(シリコン基板2の表面2Aに垂直な断面)が長方形である円柱形状の空間からなるものであり、その壁面には珪素酸化物層4が設けられている。通常、この珪素酸化物層4の厚みは5000〜10000Å程度である。図示例では、シリコン基板2の厚み、珪素酸化物層4を備えた微細孔3の開口径、形成数、形成ピッチ等は、装置の構成を説明するために簡略化してあるが、微細孔3の開口径は1〜100μm程度、微細孔3のアスペクト比は1〜100程度の範囲で適宜設定することができる。また、微細孔3の形成数および形成ピッチは、微細パターン形成装置1により形成するパターンの形状、形成方法等に応じて適宜設定することができ、形成ピッチは最小で2μm程度が好ましい。
微細孔3の横断面形状は、上記の円形の他に楕円形、多角形等、あるいは、特殊な形状であってもよい。また、微細孔3が、横断面形状が異なる2種以上の微細孔からなるものでもよい。横断面形状が楕円形、長方形の場合、長手方向の開口径は5〜500μmの範囲で適宜設定することができる。また、微細孔3の縦断面形状は、上記の長方形の他に、シリコン基板2の裏面2B側が狭い台形(テーパー形状)であってもよい。
【0029】
図2は、シリコン基板2の表面2A側に配設された主電極6を説明するための支持部材8を取り除いた状態の平面図である。図2に示されるように、主電極6は、開口部6aを有し、複数(図示例では5個)の微細孔3を囲むように配設されている。主電極6は、アルミニウム、銅、クロム、金、銀、シリコン等の導電性薄膜からなるものであり、通常、シリコン基板2側にポリイミド等の電気絶縁性薄膜を介して配設することができる。
【0030】
対向電極7は、電気的に接地状態および浮遊状態のいずれであってもよい。但し、より細いラインを描画するには、接地状態が好ましい。図示例では、対向電極7は、電気的に接地状態にあり、上記の主電極6に所定の電圧が印加されたときに主電極6との間で電界を生じさせる作用をなす。この対向電極7は、例えば、ドラム形状、平板形状等とすることができる。この場合、シリコン基板2と対向電極7との間隙部、あるいは、対向電極7上にパターン被形成体を位置させて、後述するように、直接描画によりパターン形成を行うことができる。また、パターン被形成体が導電性を有する場合には、パターン被形成体に対向電極を兼ねさせてもよく、より細いラインを描画するには、対向電極7を接地状態とすることが好ましい。上記の対向電極7とシリコン基板2との距離は50〜500μm程度の範囲内で設定することができる。
このような対向電極7は、SUS304、銅、アルミニウム等の導電性を有する材料で形成されたものを用いることができる。また、ガラス、樹脂材料等の非導電性材料に導電性薄膜を形成して対向電極とすることもできる。
【0031】
支持部材8は、上述のシリコン基板2の表面2A側に配設され、シリコン基板2を保持するためのものである。図示例では、支持部材8はシリコン基板2と同じ平面形状の基部8aと、この基部8aの周縁に設けられたフランジ部8b、基部8aの中央に設けられた開口部8cからなり、フランジ部8bにてシリコン基板2の表面2A側の周辺部と固着されている。これにより、シリコン基板2と支持部材8との間にインキが供給される空間(インキ供給空間)が形成されている。この支持部材8は、その線膨張係数がシリコン基板2の線膨張係数の1/10倍〜10倍の範囲内の材料、例えば、パイレックス(登録商標)ガラス(商品名コーニング#7740、線膨張係数=3.5×10-6/K)、SUS304(線膨張係数=17.3×10-6/K)等を用いることが好ましい。これにより、熱によるシリコン基板2と支持部材8との間に発生する歪が極めて小さいものとなり、シリコン基板2の平坦性が保たれ、位置精度の高いパターン形成が可能となる。
【0032】
インキ流路9は、上記の支持部材8の開口部8cに接続され、その他端はインキ供給装置10に接続されている。図示例では、パイプ形状のインキ流路9が1つ接続されているが、微細パターン形成装置1の大きさ、インキ流圧の均一性等を考慮して、開口部8cを複数設け、各開口部8cにインキ流路9を接続してもよい。また、支持部材8やシリコン基板2を加工することにより、インキ流路を支持部材8および/またはシリコン基板2の内部に形成してもよい。
インキ供給装置10は特に制限はなく、連続供給ポンプ、定量供給ポンプ等いずれであってもよく、微細パターン形成装置1の使用目的に応じて適宜選択することができる。
【0033】
このような微細パターン形成装置1は、インキ吐出手段として、主電極6と対向電極7との間に形成される電界と、インキ供給装置10からのインキ供給圧とを併用するので、低いインキ供給圧でシリコン基板2の微細孔3からインキを微量かつ高精度で吐出させることができる。また、例えば、粘度が100〜10000cpの範囲にある高粘度のインキを微量かつ高精度で吐出させることができる。尚、インキ供給空間にインキがあれば、インキ供給圧がなく電界だけでもインキの吐出が可能である。ここで、低圧力とは、5psi以下の圧力を意味する。以下、本発明の説明において同様である。
【0034】
また、主電極6と対向電極7との間に形成される電界強度を変えることにより、微細孔3から吐出するインキの吐出幅および吐出量を制御することが可能である。したがって、所定の開口径をもつ微細孔3から所望の吐出幅と吐出量でインキを吐出させることができる。さらに、インキ供給量を変えることによって吐出量を任意に設定することが可能であり、また、電界強度とインキ供給圧の双方を変えることにより、微細孔3から吐出するインキの吐出幅および吐出量を制御することが可能である。したがって、1回の直接描画によりパターン被形成体上に高精度のパターンを所定の厚みで安定して形成することができる。
【0035】
図3は本発明で使用できる微細パターン形成装置の他の例を示す概略断面図である。図3に示されるように、微細パターン形成装置11は、基本構造は上記の微細パターン形成装置1と同じであり、シリコン基板12の裏面12B側の微細孔13の開口部13bにノズル15が突設されたものである。このノズル15は、珪素酸化物からなり、上記の珪素酸化物層14と一体的に形成され、突出量は10〜400μmの範囲で適宜設定することができる。このようなノズル15を設けることにより、微細孔13から吐出されたインキがシリコン基板12の裏面12B側に付着することが防止される。
また、主電極16は、シリコン基板12の裏面12B側に配設することもできる。図4は、シリコン基板12の裏面12B側に配設された枠形状の主電極を説明するための背面図である。図4に示されるように、主電極16は、複数のノズル15を囲むように設けられた開口部16aを有している。上記の主電極16と対向電極17との距離は50〜500μm程度の範囲内で設定することができる。
【0036】
このような微細パターン形成装置11では、インキ吐出手段として、主電極16と対向電極17との間に形成される電界と、インキ供給装置20からのインキ供給圧とを併用することにより、インキ供給圧力を高くすることなくインキを微量かつ高精度で吐出させることができるので、ノズル15の破損が防止される。
また、上述の微細パターン形成装置11では、ノズル15の機械的強度を向上させるために、補強層を設けてもよい。図5は、微細パターン形成装置11に補強層を設けた例を示す概略断面図である。図5に示されるように、補強層15′は、ノズル15の先端面と外側面とを覆い、さらに、内側面の先端面近傍に形成され、また、シリコン基板12の裏面12Bに形成されている。この補強層15′の厚みは上述のノズル15の厚みの2倍以上、好ましくは5倍以上とすることができ、通常、1〜5μmの範囲で厚みを適宜設定することができる。この補強層15′は、例えば、珪素酸化物、リン珪素ガラス等の材料により形成することができる。
【0037】
また、ノズル15の内側面に形成される補強層15′の厚みを変えることにより、ノズル15の実質的な開口径を調整することができる。このため、所定の開口径をもつノズル15を形成し、微細パターン形成装置の使用目的、使用するインキの特性等に応じて、ノズル15の内側面に形成する補強層15′の厚みを制御して、所望の開口径をもつノズル15を形成することができる。
補強層15′の形成は、例えば、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、減圧CVD法等を用いることができ、これらの成膜法は回り込み量が大きいので、立体構造を有するノズル15の内側面への形成に有利である。
尚、図示例では、補強層15′は、シリコン基板12の裏面12Bにも形成されているが、この部位に補強層15′を備えないものであってもよい。
【0038】
図6は本発明で使用できる微細パターン形成装置の他の例を示す概略断面図である。図6において、微細パターン形成装置21は、シリコン基板22と、このシリコン基板22の表面22Aに形成されたテーパー形状の凹部23′aと、シリコン基板22の裏面22B側に突出したノズル25と、シリコン基板22の表面22A側に配設された主電極26、シリコン基板22の裏面22B側に所定の間隔を設けた配設された対向電極27と、支持部材28と、シリコン基板22と支持部材28との空隙部にインキを供給するインキ流路29と、このインキ流路29に接続されたインキ供給装置30とを備えている。
【0039】
シリコン基板22は、表面22A側の複数のテーパー形状の凹部23′aの底部から裏面22B側に貫通する微細孔23を備え、この微細孔23の表面22A側の開口部23aはテーパー形状の凹部23′aに露出し、テーパー形状の凹部23′aは上記のシリコン基板22と支持部材28とにより形成されている空隙部に露出している。シリコン基板22は、表面22Aと裏面22Bの結晶方位が<100>であるシリコンの単結晶であり、厚みは200〜500μm程度が好ましい。このようなシリコン基板22は、その線膨張係数が約2.6×10-6/Kと低いため、温度による形状変化が極めて小さいものである。
テーパー形状の凹部23′aの壁面は、珪素酸化物層24が設けられており、通常、この珪素酸化物層24の厚みは5000〜10000Å程度である。凹部23′aのテーパー形状は、逆円錐形状、逆四角錐形状等、いずれであってもよく、深さは5〜150μm程度、最大開口径は10〜200μm程度の範囲で設定することができる。また、凹部23′aの形成ピッチは最小で15μm程度が好ましい。
【0040】
微細孔23は、その軸方向に垂直な横断面(シリコン基板22の表面22Aに平行な断面)形状が円形、その軸方向に沿った縦断面(シリコン基板22の表面22Aに垂直な断面)形状が長方形である円柱形状の空間からなるものであり、その壁面には、上記の凹部23′aの壁面から連続するように珪素酸化物層24が設けられている。また、ノズル25は、珪素酸化物からなり、上記の微細孔23の壁面に形成された珪素酸化物層24と一体的に形成され、微細孔23に連通している。
【0041】
主電極26は、開口部を有し、複数(図示例では5個)のテーパー形状の凹部23′aを囲むように配設されている。また、対向電極27は、電気的に接地状態および浮遊状態のいずれであってもよく、対向電極27とシリコン基板22との距離は50〜500μm程度の範囲内で設定することができる。
尚、支持部材28、インキ流路29、および、インキ供給装置30は、上述の微細パターン形成装置1の支持部材8、インキ流路9、および、インキ供給装置10と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0042】
このような微細パターン形成装置21は、テーパー形状の凹部23′aを備えることによりインキの流路抵抗が減少し、より高粘度のインキ、例えば、粘度が100〜10000cpの範囲にあるようなインキをシリコン基板22の裏面の複数のノズル25から微量かつ高精度で吐出させることができ、同時にシリコン基板22の裏面へのインキ付着を防止することができる。また、インキ吐出手段として、主電極26と対向電極27との間に形成される電界と、インキ供給装置30からのインキ供給圧とを併用することにより、インキ供給圧力を高くすることなくインキを微量かつ高精度で吐出させることができるので、ノズル25の破損が防止される。
尚、微細パターン形成装置21においても、ノズル25に補強層を形成してもよく、また、微細パターン形成装置1のように、ノズルが突出していなものとしてもよい。
【0043】
図7は本発明に使用できる微細パターン形成装置の他の例を示す概略断面図である。図7において、微細パターン形成装置31は、シリコン基板32と、このシリコン基板32の表面32Aに形成された多段形状の凹部33′aと、シリコン基板32の裏面32B側に突出したノズル35と、シリコン基板32の表面32A側に配設された主電極36、シリコン基板32の裏面32B側に所定の間隔を設けた配設された対向電極37と、支持部材38と、シリコン基板32と支持部材38との空隙部にインキを供給するインキ流路39と、このインキ流路39に接続されたインキ供給装置40とを備えている。
【0044】
シリコン基板32は、表面32A側の複数の多段形状の凹部33′aの底部から裏面32B側に貫通する微細孔33を備え、この微細孔33の表面32A側の開口部33aは凹部33′aに露出し、この凹部33′aは上記のシリコン基板32と支持部材38とにより形成されている空隙部に露出している。これにより、微細孔33は微細開口部である開口部33aと、広幅開口部である凹部33′aとからなる2段の凹部開口を有することになる。
シリコン基板32の材質は、上述のシリコン基板2と同様とすることができ、厚みもシリコン基板2と同様の範囲で設定することができる。また、シリコン基板32は、凹部33′aと微細孔33との境界部分に、表面と平行に酸化珪素薄膜をもつSOI(Silicon On Insulator)ウエハであってもよい。
【0045】
凹部33′aの壁面は、珪素酸化物層34が設けられており、通常、この珪素酸化物層34の厚みは5000〜10000Å程度である。凹部33′aの形状は、円柱形状、立方体形状、直方体形状等、いずれであってもよく、深さは1〜150μm程度、開口径は5〜200μm程度の範囲で設定することができる。また、凹部33′aの形成ピッチは最小で10μm程度が好ましい。図示例では、上述のように、微細開口部である開口部33aと、広幅開口部である凹部33′aとからなる2段の開口部であるが、3段以上の開口部であってもよい。
【0046】
微細孔33は、その軸方向に垂直な横断面(シリコン基板32の表面32Aに平行な断面)形状が円形、その軸方向に沿った縦断面(シリコン基板32の表面32Aに垂直な断面)形状が長方形である円柱形状の空間からなるものであり、その壁面には、上記の凹部33′aの壁面から連続するように珪素酸化物層34が設けられている。また、ノズル35は、珪素酸化物からなり、上記の微細孔33の壁面に形成された珪素酸化物層34と一体的に形成され、微細孔33に連通している。
【0047】
主電極36は、開口部を有し、複数(図示例では5個)の多段形状の凹部33′aを囲むように配設されている。また、対向電極37は、電気的に接地状態および浮遊状態のいずれであってもよく、対向電極37とシリコン基板32との距離は50〜500μm程度の範囲内で設定することができる。
尚、支持部材38、インキ流路39、および、インキ供給装置40は、上述の微細パターン形成装置1の支持部材8、インキ流路9、および、インキ供給装置10と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0048】
このような微細パターン形成装置31は、多段形状の凹部33′aを備えることによりインキの流路抵抗が減少し、より高粘度のインキ、例えば、粘度が100〜10000cpの範囲にあるようなインキをシリコン基板32の裏面の複数のノズル35から微量かつ高精度で吐出させることができ、同時にシリコン基板32の裏面へのインキ付着を防止することができる。また、インキ吐出手段として、主電極36と対向電極37との間に形成される電界と、インキ供給装置40からのインキ供給圧とを併用することにより、インキ供給圧力を高くすることなくインキを微量かつ高精度で吐出させることができるので、ノズル35の破損が防止される。
尚、微細パターン形成装置31においても、ノズル35に補強層を形成してもよく、また、微細パターン形成装置1のように、ノズルが突出していなものとしてもよい。
【0049】
図8は本発明で使用できる微細パターン形成装置の他の例を示す概略断面図であり、図9は図8に示される微細パターン形成装置の底面図である。図8および図9において、微細パターン形成装置41は、連続した3つの装置部41a,41b,41cからなり、共通のシリコン基板42と、このシリコン基板42の表面42A側に配設された3つの主電極46a,46b,46c、3つの支持部材48と、シリコン基板42の裏面42B側に所定の間隔を設けて配置された対向電極47と、シリコン基板42と各支持部材48との空隙部にインキを供給する3つのインキ流路49と、これらのインキ流路49に接続されたインキ供給装置50a,50b,50cとを備えている。
【0050】
シリコン基板42は、各装置部41a,41b,41cごとに、表面42A側から裏面42B側に貫通する複数の微細孔43を備え、この微細孔43の表面42A側の開口部43aは、シリコン基板42と各支持部材48とにより形成されている各空隙部に露出している。シリコン基板42の材質は上述のシリコン基板2と同様とすることができ、厚みもシリコン基板2と同様の範囲で設定することができる。
【0051】
微細孔43は、各装置部41a,41b,41cごとに所定の方向(図9の矢印A方向)に沿って同列上に複数配置するようなパターンで形成されている。すなわち、装置部41aでは、矢印A方向に沿って配置された微細孔43の列がピッチP1で複数列形成され、同様に、装置部41b、装置部41cでも、微細孔43の列がピッチP1で複数列形成されている。そして、各装置部41a,41b,41cにおける微細孔43の列は、相互にピッチP2(P1=3×P2)で位置がずれているので、微細パターン形成装置41全体としては、ピッチP2で各装置部41a,41b,41cの微細孔列が繰り返し配列されたものとなっている。このような微細孔43の横断面形状、縦断面形状、開口径、形成ピッチは、上述の微細孔3と同様にして適宜設定できる。また、微細孔43の壁面に形成されている珪素酸化物層44も、上述の珪素酸化物層4と同様とすることができる。尚、図示例では、珪素酸化物層44を備えた微細孔43の開口径、形成数、形成ピッチ等は、装置の構成の説明を容易とするために簡略化してある。
【0052】
主電極46a,46b,46cは、各装置部41a,41b,41cごとに設けられており、各主電極は、上述の主電極6と同様に、複数(図示例では5個)の微細孔43を囲むように配設されている。
対向電極47は、電気的に接地状態および浮遊状態のいずれであってもよい。但し、より細いラインを描画するには、接地状態が好ましい。図示例では、対向電極47は、電気的に接地状態にあり、上記の主電極46に所定の電圧が印加されたときに、微細孔43に電界を印加させる作用をなす。この対向電極47は、上述の微細パターン形成装置1の対向電極7と同様、必要に応じて種々の形状とすることができる。
【0053】
支持部材48は、上述のシリコン基板42の表面42A側に配設され、シリコン基板42を保持するためのものであり、上述の支持部材8と同様に、その線膨張係数がシリコン基板42の線膨張係数の1/10倍〜10倍の範囲内の材料を用いることが好ましい。
インキ流路49は、上記の各支持部材48の開口部48cに接続され、他端はインキ供給装置50a,50b,50cに接続されている。インキ供給装置50a,50b,50cは、連続供給ポンプ、定量供給ポンプ等、微細パターン形成装置41の使用目的に応じて適宜選択することができる。尚、図示例では、各支持部材48に設けられているインキ流路49は1つであるが、インキ流圧の均一性等を考慮して、1つの支持部材48に複数の開口部48cを設け、各開口部48cにインキ流路49を接続してもよい。また、インキ流路を支持部材48の内部に形成してもよい。
【0054】
このような本発明の微細パターン形成装置41は、インキ吐出手段として、主電極46a,46b,46cと対向電極47との間に形成される電界と、インキ供給装置50a,50b,50cからのインキ供給圧とを併用するので、低いインキ供給圧でシリコン基板42の微細孔43からインキを微量かつ高精度で吐出させることができる。また、粘度の高いインキ、例えば、粘度が100〜10000cpの範囲にあるインキを微量かつ高精度で吐出させることができる。尚、インキ供給空間にインキがあれば、インキ供給圧がなく電界だけでもインキの吐出が可能である。また、インキ供給装置50a,50b,50cから別種のインキを供給することにより、各装置部41a,41b,41cごとに所望のインキで直接描画によるパターン形成ができ、特に、後述する本発明の形成方法によるストライプ状パターンの形成に有利である。さらに、主電極46a,46b,46cと対向電極47間に形成される電界強度を変えることにより、微細孔43から吐出するインキの吐出幅および吐出量を制御することが可能である。そして、微細パターン形成装置41は、各装置部41a,41b,41cが一体となっているので、複数の装置を接合する必要がなく、かつ、各装置の位置精度が極めて高いものとなる。さらに、インキ供給装置50a,50b,50cを制御して供給量を変えることによってインキ吐出量を任意に設定することが可能である。
【0055】
尚、微細パターン形成装置41においても、図3に示されるようなノズルをシリコン基板42の裏面42B側の微細孔43の開口部43bに突設してもよい。この場合、ノズルに上述の補強層15′のような補強層を形成してもよい。
また、微細パターン形成装置41においても、微細孔43の表面42A側の開口部43aを、上述のようなテーパー形状あるいは多段形状の凹部としてもよく、これにより、インキの流路抵抗が減少し、より高粘度のインキを複数の微細孔43から微量かつ高精度で吐出させることができる。
【0056】
図10は本発明で使用できる微細パターン形成装置の他の例を示す図であり、図10(A)は概略断面図、図10(B)は底面図である。図10において、微細パターン形成装置51は、シリコン基板52と、このシリコン基板52の表面52A側に配設された電気的に独立した3種の主電極56a,56b,56cと、支持部材58と、シリコン基板52の裏面52B側に所定の間隔を設けて配置された対向電極57と、シリコン基板52および支持部材58内に形成された3種のインキ流路59a,59b,59cと、各インキ流路に接続されたインキ供給装置60a,60b,60cとを備えている。
シリコン基板52は表面52A側から裏面52B側に貫通する複数の微細孔53を備え、この微細孔53の表面52A側の開口部53aは、表面52A側に溝状に形成された3種のインキ流路59a,59b,59c内のいずれかに露出している。シリコン基板52の材質は上述のシリコン基板2と同様とすることができ、厚みもシリコン基板2と同様の範囲で設定することができる。
【0057】
微細孔53は所定の方向(図10(B)の矢印a方向)に沿って同列上に複数配置され、この列がピッチPで複数形成されている。図示例では、矢印a方向に沿って複数の微細孔が配列された6本の微細孔列53A,53B,53C,53D,53E,53FがピッチPで形成されている。このような微細孔53の横断面形状、縦断面形状、開口径、形成ピッチは、上述の微細孔3と同様にして適宜設定できる。また、微細孔53の壁面に形成されている珪素酸化物層54も、上述の珪素酸化物層4と同様とすることができる。
【0058】
主電極56a,56b,56cは、各微細孔列53A,53B,53C,53D,53E,53Fを囲むように配設されている。すなわち、微細孔列53Aと53Dを囲む主電極56aと、53Bと53Eを囲む主電極56bと、53Cと53Fを囲む主電極56cとからなる、電気的に独立の3つの主電極56a,56b,56cからなる。
対向電極57は、電気的に接地状態および浮遊状態のいずれであってもよい。但し、より細いラインを描画するには、接地状態が好ましい。図示例では、対向電極57は、電気的に接地状態にあり、上記の主電極56a,56b,56cに所定の電圧が印加されたときに主電極56a,56b,56cとの間に電界を生じる。この対向電極57は、上述の微細パターン形成装置1の対向電極7と同様に、必要に応じて種々の形状とすることができる。
支持部材58は、上述のシリコン基板52の表面52A側に配設されてシリコン基板52を保持する板状の部材であり、かつ、支持部材58のシリコン基板52側にはインキ流路59cが溝状に形成されている。
【0059】
図11は、図10(A)に示されるシリコン基板52のA−A線矢視における横断面図、図12は図10(A)に示される支持部材58のB−B線矢視における横断面図である。
図10(A)および図11に示されるように、シリコン基板52には、微細孔列53A,53Dの各開口部とインキ供給装置60aとを接続するように形成された溝状のインキ流路59a、および、微細孔列53B,53Eの各開口部とインキ供給装置60bとを接続するように形成された溝状のインキ流路59bとが形成されている。また、微細孔列53C,53Fの各開口部上にインキ流路59cが溝状に形成されている。さらに、図10(A)および図12に示されるように、支持部材58には、微細孔列53C,53Fの各開口部とインキ供給装置60cとを接続するように形成された溝状のインキ流路59cが形成されている。
【0060】
このような支持部材58とシリコン基板52との間に形成される3種のインキ流路59a,59b,59cは、図13に示されるように、相互に独立している。尚、支持部材58の材質は、上述の支持部材8と同様に、その線膨張係数がシリコン基板52の線膨張係数の1/10倍〜10倍の範囲内の材料を用いることが好ましい。
【0061】
このような微細パターン形成装置51は、インキ吐出手段として、主電極56a,56b,56cと対向電極57との間に形成される電界と、インキ供給装置60a,60b,60cからのインキ供給圧とを併用するので、低いインキ供給圧でシリコン基板52の微細孔53からインキ、例えば、粘度が100〜10000cpの範囲にあるようなインキを微量かつ高精度で吐出させることができる。また、インキ供給装置60a,60b,60cを制御してインキ供給量を変えることによって吐出量を任意に設定することが可能であり、さらに、電界強度とインキ供給圧の双方を変えることにより、微細孔53から吐出するインキの吐出幅および吐出量を制御することが可能である。そして、微細パターン形成装置51は、各インキごとに複数の装置を接合したものでないため、各微細孔列の位置精度が極めて高いものとなる。
【0062】
また、微細パターン形成装置51においても、微細孔53の表面52A側の開口部53aを、上述のようなテーパー形状あるいは多段形状の凹部としてもよく、これにより、インキの流路抵抗が減少し、より高粘度のインキ、例えば、粘度が100〜10000cpの範囲にあるようなインキを複数の微細孔53から微量かつ高精度で吐出させることができる。
【0063】
図14は本発明で使用可能な微細パターン形成装置の他の例を示す平面図である。図14において、微細パターン形成装置61は、シリコン基板62と、このシリコン基板62の表面62A側に配設された主電極と、支持部材と、シリコン基板62の裏面側に所定の間隔を設けて配置された対向電極と、シリコン基板62と支持部材との空隙部にインキを供給するインキ流路と、このインキ流路に接続されたインキ供給装置とを備えている。ただし、図14では、シリコン基板62のみを示し、主電極、対向電極、支持部材、インキ流路、インキ供給装置は図示していない。
【0064】
シリコン基板62は表面62A側から裏面側に貫通する複数の微細孔63を備え、この微細孔63が1つのパターン65をなすような位置に形成され、かつ、複数(図示例では10個)のパターン65がシリコン基板62に設けられている。尚、微細孔63は1つのパターン65においてのみ示し、他のパターン65はその輪郭のみを鎖線で示してある。
シリコン基板62の材質は上述のシリコン基板2と同様とすることができ、厚みもシリコン基板2と同様の範囲で設定することができる。また、微細孔63の横断面形状、縦断面形状、開口径、形成ピッチは、上述の微細孔3と同様にして適宜設定できる。また、微細孔63は壁面に珪素酸化物層を備えるものでよく、この珪素酸化物層も上述の珪素酸化物層4と同様とすることができる。
【0065】
このようなシリコン基板62に表面62A側には、主電極が各パターン65を囲むように配設されている。また、対向電極は、電気的に接地状態にあり、上記の主電極に所定の電圧が印加されたときに、微細孔63に電界を印加させる作用をなす。この対向電極は、上述の微細パターン形成装置1と同様とすることができる。また、シリコン基板62は、上述の支持部材8のように周縁にフランジ部を有する支持部材を用い、周辺部(図14に斜線で示す領域)に支持部材のフランジ部を固着することができる。そして、支持部材の開口部にインキ供給路を接続し、このインキ供給路の他端にインキ供給装置を接続することができる。
【0066】
このような微細パターン形成装置61は、インキ吐出手段として、主電極と対向電極との間に形成される電界と、インキ供給装置からのインキ供給圧とを併用するので、低いインキ供給圧でシリコン基板62の微細孔63からインキを微量かつ高精度で吐出させることができる。また、粘度の高いインキ、例えば、粘度が100〜10000cpの範囲にあるインキを微量かつ高精度で吐出させることができる。尚、インキ供給空間にインキがあれば、インキ供給圧がなく電界だけでもインキの吐出が可能である。そして、シリコン基板62の微細孔63からインキを、隣接する微細孔63から吐出されたインキ同士がパターン被形成体上で接触する程度の適量で吐出させて直接描画することにより、パターン65に対応した形状のパターンをパターン被形成体上に高い精度で安定して形成することができる。インキの吐出量は、インキ供給装置を制御することにより調整が可能である。
上記の例では、複数のパターン65が全て同一形状であるが、これに限定されるものではなく、例えば、プリント配線板の導体パターンのような任意の形状とすることができる。
【0067】
微細パターン形成方法
次に、上述のインキおよび微細パターン形成装置を用いた本発明の微細パターン形成方法について説明する。
図15は、上述の微細パターン形成装置41を用いた本発明の微細パターン形成方法の一実施形態を説明する図である。図15において、まず、微細パターン形成装置41の主電極46a,46b,46cに所定の電圧を印加した状態で、インキ供給装置50a,50b,50cから、それそれインキA、インキB、インキCを各インキ流路49を介して供給しながら、パターン被形成体Sを微細パターン形成装置41に対して所定方向(矢印A方向)に走査させる。この走査方向Aは、上記の微細パターン形成装置41における微細孔の配列方向A(図9参照)と一致するものである。この場合、微細パターン形成装置41のシリコン基板42とパターン被形成体Sとの間隙は、50〜500μm程度の範囲で設定することができる。これにより、シリコン基板42の微細孔43から吐出されたインキによって、パターン被形成体S上にインキA、インキB、インキCの順で繰り返し配列されたストライプ状パターンが直接描画によって形成される。
【0068】
次に、ストライプ状パターンに描画されたインキを加熱することにより、超微粒子の表面を被覆している分散剤を捕捉物質によって除去する。この加熱処理の温度は、インキに使用されている分散剤、捕捉物質等を考慮して130〜250℃の範囲で適宜設定することができる。加熱手段としては、熱風、赤外線照射、電磁誘導等を用いることができる。この加熱処理により捕捉物質が活性化し、化学的に分散剤を超微粒子表面から除去するとともに、周囲の樹脂バインダーが硬化収縮することで、超微粒子同士を密着させることになる。例えば、超微粒子が導電性物質である場合、微細な薄膜パターンであっても電気的な信頼性が高い低抵抗回路パターンの形成が可能となる。
【0069】
上述の例では、各ストライプのピッチはP2となり、1本のストライプが同列上の複数の微細孔から吐出されるインキにより形成されるため、個々の微細孔からの吐出量が少なくても、パターン被形成体Sの走査速度を高めて、パターン形成速度を高くすることができる。このようなストライプ状パターンは、微細孔43の径の大きさ、あるいは、主電極46a,46b,46cと対向電極47間に形成される電界強度を変えて微細孔43から吐出するインキの吐出幅を制御することにより、極めて高い精度で形成され、かつ、従来のフォトリソグラフィー法に比べて工程が簡便である。
【0070】
尚、図示例では、パターン被形成体Sは少なくとも表面が導電性を有し、接地された対向電極47を兼ねている。また、紙やフィルムのような薄い電気絶縁体をパターン被形成体とすることもでき、この場合、薄い電気絶縁体を載置するための基板等を接地された対向電極47とする。対向電極47は、電気的に接地状態および浮遊状態のいずれであってもよいが、より細いラインを描画するには、接地状態が好ましい。
また、パターン被形成体Sが可撓性を有する場合、パターン被形成体Sの裏面に、微細パターン形成装置41と対向するようにバックアップローラーを配置し、パターン被形成体Sにテンションをかけながら搬送して直接描画することが好ましい。
また、本発明の微細パターン形成方法では、上述のように対向電極47上に描画されたパターンを、別のパターン被形成体に転写することにより、微細パターンを形成してもよい。
【0071】
図16は、本発明の微細パターン形成方法の他の実施形態を説明するための図であり、本発明の微細パターン形成装置61を使用した例である。図16において、まず、微細パターン形成装置61(図示例では、シリコン基板62のみを示す)をパターン被形成体Sの所定位置に配置し、主電極に所定の電圧を印加した状態で、インキ流路から供給された一定量のインキを各微細孔63を介してパターン被形成体上に吐出させることによりパターンを形成する。尚、図示例では、パターン被形成体Sは少なくとも表面が導電性を有し、接地された対向電極を兼ねている。また、紙やフィルムのような薄い電気絶縁体をパターン被形成体Sとすることもでき、この場合、薄い電気絶縁体を載置するための基板等が接地された対向電極とされる。対向電極は、電気的に接地状態および浮遊状態のいずれであってもよいが、より細いラインを描画するには、接地状態が好ましい。
【0072】
その後、パターン被形成体Sを矢印A方向に所定の距離搬送させ、同様のパターン形成を行う。このような操作の繰り返しにより、パターン被形成体S上には、所望のパターン65が形成できる。尚、微細パターン形成装置61のシリコン基板62とパターン被形成体Sとの間隙は、50〜500μm程度の範囲で設定することができる。
次に、上述のようにパターン形状で描画されたインキを加熱することにより、超微粒子の表面を被覆している分散剤を捕捉物質によって除去する。加熱処理は上述と同様にして行うことができ、この加熱処理により捕捉物質が活性化し、化学的に分散剤を超微粒子表面から除去するとともに、周囲の樹脂バインダーが硬化収縮することで、超微粒子同士が密着して微細パターンが形成される。
【0073】
また、微細パターン形成装置61における複数の微細孔63から構成されるパターン65を、例えば、プリント配線板の導体パターンとしておき、インキとして導体ペーストを用いることにより、フォトリソグラフィー法によらず簡便にプリント配線板を製造することができる。この場合、主電極は、上述の図2、図4に示した枠形状の電極とし、この対向電極の下方にプリント配線板を位置させてパターン形成を行うことができる。
尚、本発明の微細パターン形成方法では、上述のように対向電極上に描画されたパターンを、別のパターン被形成体に転写することにより、微細パターンを形成してもよい。
【0074】
上述の微細パターン形成方法は本発明の一例であり、上述のようなインキを使用し、例示したような微細パターン形成装置を使用することにより種々の態様で微細パターンを形成することができる。
本発明の微細パターン形成方法は、プリント配線板の導体パターン形成、種々の絶縁パターン形成等に応用できる。
【0075】
【実施例】
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
微細パターン形成装置の作製
表面をRCA洗浄したシリコン基板(直径3インチ、厚み200μm、片面研磨、結晶方位<100>、線膨張係数=2.6×10-6/K)を準備した。このシリコン基板の全面に低圧CVD法により珪素窒化物層を0.1μmの厚みで形成した。その後、シリコン基板の一方の面の珪素窒化物層上にスパッタリング法によりアルミニウム薄膜を0.2μmの厚みで形成した。
【0076】
次いで、アルミニウム薄膜上に感光性レジスト(シプレイ(株)製Micro Posit S1818)を塗布し、所定のフォトマスクを介して露光、現像することにより、レジストパターンを形成した。その後、このレジストパターンをマスクとしてアルミニウム薄膜をアルミニウムエッチャント(混酸アルミ)でエッチングし、上記のレジストパターンを除去して、微細開口(直径20μmの円形開口)が120μmのピッチで同一直線上に42個形成された金属パターンを形成した。次に、金属パターンをマスクとしてシリコン基板に対してICP−RIE(Inductively Coupled Plasma - Reactive Ion Etching)エッチングによるディープエッチングを行い、シリコン基板に貫通微細孔(直径20μm)を穿設した。
【0077】
次いで、金属パターンを硫酸過水(硫酸:過酸化水素水=1:1)により剥離除去し、シリコン基板を下記の条件で熱酸化炉内で酸化することにより、貫通微細孔の壁面に厚み5000〜10000Å程度の珪素酸化物層を形成した。
(熱酸化条件)
・加熱温度 : 1050℃
・水素ガス供給量 : 1slm
・酸素ガス供給量 : 1slm
・加熱時間 : 約15時間
【0078】
次に、金属パターンが設けられていたシリコン基板の面からICP−RIE(Inductively Coupled Plasma - Reactive Ion Etching)によるドライエッチングを行い、珪素窒化物層を除去し、さらに、シリコン基板をエッチングして、貫通微細孔内壁に形成されている珪素酸化物層が長さ100μm露出したところでドライエッチングを停止した。
上述の工程により、シリコン基板のエッチング側に、シリコン基板の微細孔に連通した珪素酸化物からなる微細ノズルが形成された。この微細ノズルは、先端部の開口直径19μm、そのバラツキが±1μm、形成ピッチ120μmであり、極めて精度の高いものであった。
【0079】
次に、120μmピッチで同一線上に42個形成された微細孔を囲むように、シリコン基板の表面にアルミニウム箔を加工した主電極を配設した。尚、この主電極とシリコン基板との間には、絶縁のためのポリイミド層(厚み70μm)を設けた。
次に、フランジ部と開口部の形成加工を行ったポリエーテルエーテルケトン樹脂製の支持部材を、エポキシ系接着剤によりシリコン基板の表面(微細ノズルの非形成面)の周辺部の珪素窒化物層上に固着した。
次に、支持部材の開口部に樹脂製パイプのインキ流路を接続し、この樹脂製パイプの他端をインキ供給装置(EFD(株)製1500XL)を接続した。
【0080】
一方、上記のシリコン基板の裏面に対向するように、酸化インジウムスズ(ITO)を表面に備えたガラス基板(対向電極を兼ねるパターン被形成体)を配置し、かつ、接地した。このガラス基板のITO電極表面からシリコン基板のノズル先端までの距離を250μmとし、ガラス基板に対して平行にシリコン基板を走査可能とした。これにより微細パターン形成装置を得た。
【0081】
パターン形成用のインキ調製
超微粒子として銀の超微粒子、分散剤として高級アミン(ドデシルアミン)、有機バインダーとしてレゾール型フェノール樹脂(群栄化学(株)製PL−2211)、捕捉物質として酸無水物(メチルヘキサヒドロ無水フタル酸)、溶剤としてテトラデカンを含有する18種のインキ(インキ試料1〜18)を下記の方法により調製した。
(インキ調製方法(インキ試料1〜10))
銀超微粒子100重量部当たり分散剤1重量部とした各種平均粒子径の銀超微粒子100重量部に対して、有機バインダー5重量部、捕捉物質0.45重量部を添加、混合し、溶剤を用いてインキ粘度を100cpに調整した。
(インキ調製方法(インキ試料11〜18))
銀超微粒子100重量部当たり分散剤2重量部とした平均粒子径10nmの銀超微粒子100重量部に対して、有機バインダー5重量部、捕捉物質0.9重量部を添加、混合し、溶剤を用いて表1に示すインキ粘度に調整した。
【0082】
このように調製した各インキに含有される超微粒子の平均粒子径、インキ粘度、超微粒子の含有量、有機バインダーの含有量を下記の表1に示した。尚、インキ粘度の測定は、B型粘度計(20℃)およびE型粘度計(25℃)を用いて行った。
【0083】
【表1】
【0084】
微細パターンの形成
上述のように作製した微細パターン形成装置の主電極に、電源(ファンクションジェネレータ、アンプ(×1000)、オシロスコープで構成した)から電圧(直流1kV)を印加し、シリコン基板を対向電極(ITOを備えたガラス基板)に対して走査(速度250mm/秒)させた。次いで、インキ供給装置から圧力をかけずにインキをシリコン基板に供給し、ノズルからインキを吐出させてストライプ形状のパターンを直描した。その後、ガラス基板を250℃のオーブン中に60分間入れてインキに加熱処理を施してストライプ状のパターンを形成した。
【0085】
この結果、含有する銀超微粒子の平均粒子径が1〜100nmの範囲であり、粘度が1〜10000cpの範囲であるインキ試料2〜8、インキ試料12〜17を用いたパターン形成では、線幅10±2μmの微細なストライプ形状パターンの形成が可能であり、特に粘度の高いインキ(インキ試料15〜試料17)では、更に線幅が1.5±0.5μmまでの微細なストライプ形状パターンの形成が可能であった。また、これらのパターンは、いずれも比抵抗が3×10-6〜5×10-6Ωcm以下であり、優れた導電性を備えることが確認された。
【0086】
しかし、平均粒子径が0.5nmである銀超微粒子を含有するインキ試料1は、銀超微粒子の状態が不安定であるため、インキ内で銀超微粒子の凝集が生じ、ノズルの詰まり、吐出安定性の低下、ライン幅の不均一化等の問題が発生した。また、平均粒子径が100nmを超える銀超微粒子を含有するインキ試料9、10を用いて形成された微細パターンは、パターン形状が乱れ、微細なラインアンドスペースでは、電気的なショート等の問題が生じた。
さらに、粘度が0.5cpであるインキ試料11を用いて形成された微細パターンは、吐出されたインキがガラス基板に到達した後に濡れ広がるため、10μm以下の微細パターンの形成が困難であった。また、粘度が10000cpを超えるインキ試料18を用いて形成された微細パターンは、インキ吐出により描画されたパターンの厚みが厚くなりすぎ、上記加熱処理では不十分で更に長時間の加熱が必要となり、この加熱処理の間にパターン形状が崩れ、微細パターンの形成が困難であった。
【0087】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば主電極と対向電極間に形成される電界と供給時の低圧力とによりシリコン基板の微細孔からインキが吐出されてパターン被形成体上に付着して直接描画がなされ、インキが含有する超微粒子の平均粒径が極めて小さいので、パターン被形成体上に吐出されたインキ中における平面方向および厚み方向の超微粒子数が多く、その後の加熱によって分散剤が捕捉物質により除去され超微粒子同士が密着して信頼性の高い微細パターンが形成される。また、電界強度および/またはインキ供給圧を変えることによりインキの吐出幅と吐出量を制御して、高精度のパターン形成を簡便かつ安定して行うことができる。さらに、微細孔の表面側の開口部をテーパー形状あるいは多段形状の凹部とすることにより、インキの流路抵抗が低減され、より高粘度のインキを微量かつ高精度で吐出させることができるので、インキの超微粒子含有濃度を高くしても高精度のパターン形成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用できる微細パターン形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】シリコン基板の表面側に配設された主電極を説明するための支持部材を取り除いた状態の平面図である。
【図3】本発明において使用できる微細パターン形成装置の他の例を示す概略断面図である。
【図4】シリコン基板の裏面側に配設された枠形状の主電極を説明するための背面図である。
【図5】本発明において使用できる微細パターン形成装置の他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明において使用できる微細パターン形成装置の他の例を示す概略断面図である。
【図7】本発明において使用できる微細パターン形成装置の他の例を示す概略断面図である。
【図8】本発明において使用できる微細パターン形成装置の他の例を示す概略断面図である。
【図9】図8に示される微細パターン形成装置の底面図である。
【図10】本発明において使用できる微細パターン形成装置の他の例を示す図であり、図10(A)は概略断面図、図10(B)は底面図である。
【図11】図10に示される微細パターン形成装置の支持部材のA−A線矢視における横断面図である。
【図12】図10に示される微細パターン形成装置の支持部材のB−B線矢視における横断面図である。
【図13】図10に示される微細パターン形成装置のインキ流路を示す斜視図である。
【図14】本発明において使用できる微細パターン形成装置の他の例を示す概略断面図である。
【図15】本発明の微細パターン形成方法の一実施形態を示す斜視図である。
【図16】本発明の微細パターン形成方法の他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41,51,61…微細パターン形成装置
2,12,22,32,42,52,62…シリコン基板
3,13,23,33,43,53,63…微細孔
3a,13a,23a,33a,43a,53a…開口部
3b,13b,23b,33b,43b,53b…開口部
23′a…テーパー形状の凹部
33′a…多段形状の凹部
4,14,24,34,44,54…珪素酸化物層
6,16,26,36、46a,46b,46c,56a,56b,56c…主電極
7,17,27,37,47,57…対向電極
9,19,29,39,49,59…インキ流路
10,20,30,40、50a,50b,50c,60a,60b,60c…インキ供給装置
15,25,35…ノズル
S…パターン被形成体
Claims (13)
- 微細パターン形成装置からインキをパターン被形成体上に吐出させ、その後、インキを加熱することにより所望の微細パターンを形成する方法において、
前記インキは、平均粒子径が1〜100nmの範囲内にある超微粒子と、該超微粒子の表面を被覆する分散剤と、有機バインダーと、130〜250℃の温度範囲での加熱により前記分散剤を超微粒子表面から除去する捕捉物質とを少なくとも含有するものであり、かつ、粘度が1〜10000cpの範囲内であり、前記分散剤は、窒素原子、酸素原子、および、イオウ原子の少なくとも1種を含む基であって、これら原子の有する孤立電子対により前記超微粒子を構成する元素と配位的な結合が可能な基を有する化合物であり、前記捕捉物質は、前記分散剤が含有する、窒素原子、酸素原子、および、イオウ原子の少なくとも1種を含む基に対して、加熱により反応性を発現する化合物であり、
前記微細パターン形成装置は、シリコン基板と、該シリコン基板の表面から裏面に貫通するように設けられた複数の微細孔と、前記シリコン基板の表面側に配設された主電極と、前記シリコン基板の裏面側に所定の間隔を設けて配置された対向電極と、前記シリコン基板の表面側に配設された支持部材と、前記シリコン基板表面側の前記微細孔の開口部にインキを供給するためのインキ流路と、該インキ流路に接続されたインキ供給装置とを備え、主電極に電圧を印加した状態で、インキ流路から低圧力で供給されたインキを各微細孔を介して吐出させることを特徴とする微細パターンの形成方法。 - 主電極に印加する電圧を調整して、インキ吐出幅および吐出量を制御することを特徴とする請求項1に記載の微細パターンの形成方法。
- 前記インキは、粘度が100〜10000cpの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微細パターンの形成方法。
- 前記超微粒子は、金、銀、銅、錫、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、タングステン、ニッケル、タンタル、ビスマス、鉛、インジウム、亜鉛、チタンの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
- 前記微細パターン形成装置は、前記シリコン基板裏面側の前記微細孔の開口部にノズルが突設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
- 前記微細孔の壁面は珪素酸化物層を有し、前記ノズルは珪素酸化物からなることを特徴とする請求項5に記載の微細パターンの形成方法。
- 前記微細パターン形成装置は、前記対向電極がドラム形状および平板形状のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
- 前記微細パターン形成装置は、前記微細孔の開口径が1〜100μmの範囲内、前記微細孔の形成ピッチが2〜1000μmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
- 前記ノズルの突出長は、10〜400μmの範囲内にあることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
- 前記微細パターン形成装置は、前記シリコン基板表面側の前記微細孔の開口部がシリコン基板表面側に広がったテーパー形状凹部であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
- 前記微細パターン形成装置は、前記シリコン基板表面側の前記微細孔の開口部がシリコン基板表面側に広がった多段形状凹部であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
- 前記微細パターン形成装置は、前記微細孔が2以上のグループに分けられ、各微細孔グループごとに別個のインキ流路を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の微細パターンの形成方法。
- 各微細孔グループごとに別個の主電極を備えることを特徴とする請求項12に記載の微細パターンの形成方法。
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