JP2003311694A - 半導体マイクロアクチュエータ - Google Patents

半導体マイクロアクチュエータ

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JP2003311694A
JP2003311694A JP2002126616A JP2002126616A JP2003311694A JP 2003311694 A JP2003311694 A JP 2003311694A JP 2002126616 A JP2002126616 A JP 2002126616A JP 2002126616 A JP2002126616 A JP 2002126616A JP 2003311694 A JP2003311694 A JP 2003311694A
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heat insulating
frame
semiconductor microactuator
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Application number
JP2002126616A
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English (en)
Inventor
Masaari Kamakura
將有 鎌倉
Shigeaki Tomonari
恵昭 友成
Hiroshi Kawada
裕志 河田
Hitoshi Yoshida
仁 吉田
Kazuji Yoshida
和司 吉田
Keiko Kawahito
圭子 川人
Kimiaki Saito
公昭 齊藤
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱絶縁性と支持強度を損なうことなく大きな
アクチュエータ力を実現できる半導体マイクロアクチュ
エータを提供すること。 【解決手段】 半導体基板に形成したフレーム1と、フ
レーム1より内方に突設して温度変化により変位する可
撓領域21と、可撓領域21の一端に連設してフレーム
1の開口面と直交する方向に相対的に変位する可動エレ
メント22と、少なくとも可撓領域21とフレーム1と
の間に設けられて可撓領域21からの熱伝導を抑制する
熱絶縁領域3と、を備えた半導体マイクロアクチュエー
タ。熱絶縁領域3を可撓領域21の可撓方向に向かって
線膨張係数が小さくなるように形成した半導体マイクロ
アクチュエータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度変化による可
撓部の撓みを利用して可動エレメントの変位を得る半導
体マイクロアクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体マイクロアクチュエータと
して特開2000−317897に示されているものを
図5に示す。このものは、フレーム101と、熱絶縁領
域102と、可動部位103とを主要構成要素としてお
り、このうち、可動部位103は可撓領域104と可動
エレメント105とから構成されている。
【0003】フレーム101は、シリコン(Si)等の
半導体基板からなり、略四角形状の枠体をなしている。
また、その表面には後述する加熱手段104cに電力を
供給するための電極101aが形成されている。
【0004】可撓領域104は、平面視において略四角
形状をした平板をなしており、例えば、シリコンからな
る梁104aと、アルミニウム(Al)からなる薄膜1
04bにより構成されている。このうち、梁104aの
表面には、例えば、不純物拡散抵抗等からなる加熱手段
104cが設けられている。また、薄膜104bは梁1
04aと略同等の大きさで形成されており、梁104a
と薄膜104bとでバイメタル構造を構成している。
【0005】可動エレメント105は、断面視において
下側(図5の下方)に狭小する薄肉の斜状面を有したシ
リコンからなる箱体をなしており、梁104aの他端に
連設されている。
【0006】熱絶縁領域102は、例えば、ポリイミド
樹脂からなり、断面視において略四角形状をした棒体で
ある。その長さは、梁104aの幅(梁104aの突出
方向と直交する方向)と略同等であり、その厚さは、梁
104aの厚さより大きく形成されている。また、この
ものは、フレーム101と梁104aとの間に介在して
フレーム101と梁104aとに固着されている。
【0007】このように構成された半導体マイクロバル
ブによれば、電極101aを介して加熱手段104cに
電力を供給すると、加熱手段104cは発熱して梁10
4aの温度が上昇する。このとき、薄膜104bは梁1
04aより熱膨張係数が大きいため、相対的に梁104
aより大きく伸長する。したがって、梁104aは下方
向(図5の下側)に撓むことになり、結果的に可動エレ
メント105を下方向に変位させることができるのであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような半導体マイ
クロアクチュエータにおいて、大きなアクチュエータ力
を得ようとする場合、加熱手段104cによる発熱を効
率よく可動部位103の変位に利用する必要がある。そ
のためには、熱絶縁領域102の幅(可動部位103の
突出方向)を広くして熱絶縁性を向上させることが重要
となる。ところが、その幅を広くすると可動部位103
を支持する支持強度が低下してしまい、逆に大きなアク
チュエータ力を得ることが困難になる。
【0009】本発明は、上記の点に鑑みてなしたもので
あり、その目的とするところは、熱絶縁性と支持強度を
損なうことなく大きなアクチュエータ力を実現できる半
導体マイクロアクチュエータを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明の半導体マイクロアクチュエー
タは、半導体基板に形成したフレームと、フレームより
内方に突設して温度変化により変位する可撓領域と、可
撓領域の一端に連設してフレームの開口面と直交する方
向に相対的に変位する可動エレメントと、少なくとも可
撓領域とフレームとの間に設けられて可撓領域からの熱
伝導を抑制する熱絶縁領域と、を備えた半導体マイクロ
アクチュエータにおいて、前記熱絶縁領域を可撓領域の
可撓方向に向かって線膨張係数が小さくなるように形成
したことを特徴としている。
【0011】請求項2に係る発明の半導体マイクロアク
チュエータは、請求項1記載の構成において、前記熱絶
縁領域は、複数の層構造をなすこととしている。
【0012】請求項3に係る発明の半導体マイクロアク
チュエータは、請求項1又は2記載の構成において、前
記熱絶縁領域は、可撓領域の突出方向において可撓領域
の可撓方向に向かって狭小する形状を有する構造体であ
ることとしている。
【0013】請求項4に係る発明の半導体マイクロアク
チュエータは、請求項1乃至3いずれかに記載の構成に
おいて、前記熱絶縁領域は、可撓領域の表面と接触する
庇部を有していることとしている。
【0014】請求項5に係る発明の半導体マイクロアク
チュエータは、請求項1乃至4いずれかに記載の構成に
おいて、前記熱絶縁領域は、平面視において波形状を有
する構造体であることとしている。
【0015】請求項6に係る発明の半導体マイクロアク
チュエータは、請求項1乃至5いずれかに記載の構成に
おいて、前記熱絶縁領域とフレーム及び可撓領域との間
に線膨張係数の最も小さい領域を介在させたこととして
いる。
【0016】請求項7に係る発明の半導体マイクロアク
チュエータは、請求項1乃至6いずれかに記載の構成に
おいて、前記熱絶縁領域の可撓領域の突出方向に平行な
部位の長さは、可撓領域の突出方向の長さの1%から
8.5%であることとしている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。
【0018】[第1の実施形態]図1は、本実施形態に
係る半導体マイクロアクチュエータを示すものであり、
(a)は中央で切断したときの断面斜視図、(b)及び
(c)は熱絶縁領域の拡大図である。また、図2は、熱
絶縁領域の可撓領域に対する長さの割合とアクチュエー
タ力との関係を示す特性図である。
【0019】この半導体マイクロアクチュエータは、フ
レーム1と、可動部位2と、熱絶縁領域3とを主要構成
要素としており、このうち、可動部位2は、可撓領域2
1と、可動エレメント22とから構成されている。
【0020】フレーム1は、後述する可動部位2が温度
変化により揺動する際の支持部となるものである。この
ものは、例えば、シリコンからなる半導体基板にて形成
されており、その形状は平面視において略四角形状をな
すとともに断面視において内方の一面に斜状面を有する
枠体である。また、このものには、後述する加熱手段2
1cに電力を供給するための、例えば、アルミニウムか
らなる電極11と配線12が形成されている。
【0021】可撓領域21は、温度変化によりフレーム
1の平面方向と直交する方向に揺動して後述する可動エ
レメント22を変位させるものである。この可撓領域2
1は、梁21aと薄膜21bとから形成されてバイメタ
ル構造をなしている。このうち、梁21aは、例えば、
シリコンからなる半導体基板にて形成されており、その
形状は、平面視において略四角形状で且つ薄肉状の平板
である。この梁21aは、後述する熱絶縁領域3を介し
てフレーム1の所定の一辺の中央付近から内方に向かっ
て突設されている。また、梁21aの表面(図1(a)
の上方)には不純物を拡散することにより形成した拡散
抵抗による加熱手段21cが埋設されている。一方、薄
膜21bは、梁21aより熱膨張係数の大きい、例え
ば、ニッケル(Ni)からなる金属にて形成されてお
り、その形状は、平面視において略四角形状をなす平板
である。また、このものは、梁21aの表面上に設けら
れており、梁21aを略同等の大きさである。
【0022】可動エレメント22は、可撓領域21の揺
動に連動して変位し、例えば、マイクロバルブにおける
弁体のように対応する部位に作用して種々機能を奏する
部位である。このものは、例えば、シリコンからなる半
導体基板により形成されており、その形状は断面視にお
いて下側(図1(a)の下方)に狭小する逆台形をなす
塊状体である。また、可動エレメント22は、梁21a
に連設してフレーム1と同一平面上の中央付近に位置し
ている。
【0023】熱絶縁領域3は、フレーム1と梁21aと
の間に設けられて加熱手段21cにて発生した熱がフレ
ーム1に伝導することを抑制するためのものである。そ
の形状は、断面視において下側(図1(b)の下方)に
狭小する台形状をした棒体である。その長さは、梁21
aの幅(梁21aの突出方向と直交する方向)と略同等
であり、その幅は、梁21aの長さ(梁21aの突出方
向と平行な方向)の7%程度に形成されている。この数
字は、本願発明者らが実験及び考察を繰り返したことに
より得られたものであり、熱絶縁領域3の可撓領域21
に対する長さの割合とアクチュエータ力との関係を表し
た特性図を図2に示す。この特性図では熱絶縁領域3の
長さの割合が可撓領域21の長さの7%程度でアクチュ
エータ力が最大になり、7%近傍に至るまではほぼ直線
的にアクチュエータ力は上昇するが、7%を越えると急
激に低下する。なお、このときの可撓領域21の長さ
は、2.3mm、2.5mm,2.7mmの3種であ
る。また、熱絶縁領域3は、異なる線膨張係数を持つ二
種類の熱絶縁材料で構成された層構造をしており、その
上層部31は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンか
らなり、下層部32は、例えば、ポリイミドから形成さ
れている。また、上層部31の線膨張係数は下層部32
の線膨張係数より大きくなるように形成されている。ま
た、上層部31と下層部32の厚みは略同等に形成され
ており、それぞれは梁21aの表面から突出している。
さらに、上層部31の突出している部位には梁21aの
表面と平行に設けられてそれと固着する庇部33,33
が設けられている。
【0024】また、この熱絶縁領域3は、図1(c)に
示すように断面視において梁21aの内部に段差を持つ
層構造に形成することも可能である。その他の構造及び
構成は図1(b)に示したものと変わらない。
【0025】その動作は、電極11に電圧を印加して加
熱手段21cに電力を供給すると、加熱手段21cは抵
抗体であるため発熱を開始する。その熱は、梁21aと
薄膜21bの両者を加熱し、互いの線膨張係数の差によ
り、すなわち、梁21aの線膨張係数が薄膜21bの線
膨張係数より小さいことにより、薄膜21bの熱膨張量
が梁21aの熱膨張量を上回って、結果的に可撓領域2
1は下方向(図1(a)の下側)に撓むことになる。
【0026】ところで、加熱手段21cにて発熱した熱
は、熱絶縁領域3も同時に加熱することになり、したが
って、熱絶縁領域3も可撓領域21と同様に熱膨張す
る。本実施形態で形成された熱絶縁領域3は、その上層
部31の線膨張係数が下層部32の線膨張係数より大き
いため、上層部31の熱膨張量は下層部32の熱膨張量
を上回り、結果的に熱絶縁領域3も下方向に撓むことで
可動部位2の変位を従来のものと比較してより大きくす
ることが可能となるのである。
【0027】したがって、以上説明した半導体アクチュ
エータによると、熱絶縁領域3を可撓領域21の可撓方
向に向かって線膨張係数が小さくなるような二層構造に
したので、熱絶縁領域3も加熱手段21cによる熱で可
撓領域21と同方向に撓むようになり、従来のものと比
較して可動部位2の変位量を大きくすることが可能とな
る。また、熱絶縁領域3を可撓領域21の突出方向と平
行な断面において可撓領域21の可撓方向に向かって狭
小する断面を有する構造体としているので、熱絶縁領域
3とフレーム1及び可撓領域21との接合面積が大きく
なり、固着強度を大きくすることができる。また、熱絶
縁領域3に可撓領域21の表面と固着する庇部33,3
3を有しているので、熱絶縁領域3上面の面積が大きく
なった分だけその熱膨張量をより多くすることができ、
さらに可動部位2の変位量を大きくすることが可能とな
る。また、熱絶縁領域3の可撓領域21の突出方向に平
行な部位の長さは、可撓領域21の突出方向の長さの7
%としているので、可動部位2の支持強度を低下させる
ことなく撓み量を大きくすることができる。
【0028】[第2の実施形態]図3は、本実施形態に
係る半導体マイクロアクチュエータの熱絶縁領域を示す
ものであり、(a)はその平面図、(b)はその断面図
である。
【0029】この実施形態の半導体マイクロアクチュエ
ータは、熱絶縁領域4が第1の実施形態と異なるもので
あり、他の構成要素は第1の実施形態のものと実質的に
同一であるので説明を省略する。また、同一部材におい
ては第1の実施形態と同一の番号を付す。
【0030】熱絶縁領域4は、第1の実施形態とその機
能を同じにするものである。その形状は、断面視におい
て下側(図1(b)の下方)に狭小する台形状をなし、
平面視において矩形波状をなす折れ曲がり棒体である。
その長さは、梁21aの幅(梁21aの突出方向と直交
する方向)と略同等であり、その幅は、梁21aの長さ
(梁21aの突出方向と平行な方向)の7%程度に形成
されている。以下、第1の実施形態と同様に、このもの
は、異なる線膨張係数を持つ二種類の熱絶縁材料で構成
された層構造をしており、その上層部41は、例えば、
ポリテトラフルオロエチレンからなり、下層部42は、
例えば、ポリイミドから形成されている。また、上層部
41の線膨張係数は下層部42の線膨張係数より大きく
なるように形成されている。また、上層部41と下層部
42の厚みは略同等になるように形成されており、それ
ぞれは梁21aの表面から突出している。さらに、上層
部41の突出している部位には梁21aの表面と平行に
設けられてそれと固着する庇部43が設けられている。
【0031】また、この熱絶縁領域4は、図1(c)に
示すように断面視において梁21aの内部に段差を持つ
層構造に形成することも可能である。
【0032】また、その動作についても第1の実施形態
と同様である。
【0033】したがって、以上説明した半導体アクチュ
エータによると、第1の実施形態で説明した効果に加
え、熱絶縁領域4を平面視において矩形波状を有する棒
体に形成しているので、熱絶縁領域4とフレーム1及び
可撓領域21との接合面積をより大きくすることがで
き、さらに固着強度を大きくすることができる。
【0034】[第3の実施形態]図4は、本実施形態に
係る半導体マイクロアクチュエータの熱絶縁領域を示す
断面図である。
【0035】この実施形態の半導体マイクロアクチュエ
ータは、熱絶縁領域5が第1の実施形態及び第2の実施
形態と異なるものであり、他の構成要素は第1の実施形
態及び第2の実施形態のものと実質的に同一であるので
説明を省略する。また、同一部材においては第1の実施
形態と同一の番号を付す。
【0036】熱絶縁領域5は、第1の実施形態とその機
能を同じにするものである。その形状は、断面視におい
て略四角形状をなす棒体であり、上辺を略四角形と同じ
にして下方向へ狭小する台形状の部位と、その台形状の
部位を構成する上層部51と下層部52の斜面に固着し
てフレーム1及び梁21aとの間に介在する低膨張部5
4とから構成されている。その長さは、梁21aの幅
(梁21aの突出方向と直交する方向)と略同等であ
り、その幅は、梁21aの長さ(梁21aの突出方向と
平行な方向)の7%程度に形成されている。また、上層
部51及び下層部52は、異なる線膨張係数を持つ二種
類の熱絶縁材料で構成された層構造をしており、その上
層部51は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンから
なり、下層部52は、例えば、ポリイミドから形成され
ている。また、上層部51の線膨張係数は下層部52の
線膨張係数より大きくなるように形成されている。ま
た、上層部51と下層部52の厚みは略同等になるよう
に形成されており、それぞれは梁21aの表面から突出
している。また、上層部51の突出している部位には梁
21aの表面と平行に設けられてそれと固着する庇部5
3,53が設けられている。そして、低膨張部54は、
下層部52よりも小さい線膨張係数をもつ材料(例え
ば、下層部52と同じポリイミドを主成分とするもの)
にて形成されている。
【0037】また、この熱絶縁領域5は、図1(c)に
示すように断面視において梁21aの内部に段差を持つ
層構造に形成することも可能である。この場合、低膨張
部54は下層部52とフレーム1及び梁21aとの間に
介在している。
【0038】また、その動作についても第1の実施形態
と同様である。
【0039】したがって、以上説明した半導体アクチュ
エータによると、第1の実施形態で説明した効果に加
え、前記熱絶縁領域とフレーム及び可撓領域との間に線
膨張係数の最も小さい低膨張部54を介在させているの
で、熱絶縁領域5とフレーム1及び可撓領域21との接
合面においても線膨張差が発生することになり、可動部
位2の変位量をさらに大きくすることができる。
【0040】これまで、3つの実施形態について説明し
たが、熱絶縁領域3,4,5は、フレーム1と梁21a
との間にのみ設けられるものではなく、例えば、梁21
aと可動エレメント22との間にも設けてもよい。これ
により、加熱手段21cにて発熱した熱が可動エレメン
ト22方向へ伝導することを抑制することができ、熱効
率が向上して可動部位2の変位を省電力で行うことがで
きる。また、熱絶縁領域3を構成する層は2層に限定さ
れるものではなく、より複数の層にて形成しても同様の
効果が得られる。
【0041】
【発明の効果】請求項1に係る発明の半導体マイクロア
クチュエータは、少なくとも可撓領域とフレームとの間
に設けられて可撓領域からの熱伝導を抑制する熱絶縁領
域を可撓領域の可撓方向に向かって線膨張係数が小さく
なるように形成しているので、熱絶縁領域の上部と下部
とで熱膨張量に差が生じてそれ自体も撓むようになり、
結果的に大きなアクチュエータ力を得ることができる。
【0042】請求項2に係る発明の半導体マイクロアク
チュエータは、請求項1の効果に加えて、熱絶縁領域を
複数の層構造をなすように形成しているので、可撓領域
の可撓方向に向かって線膨張係数が小さくなる構造を簡
単に実現できる。
【0043】請求項3に係る発明の半導体マイクロアク
チュエータは、請求項1又は2の効果に加えて、熱絶縁
領域を可撓領域の突出方向と平行な断面において可撓領
域の可撓方向に向かって狭小する形状をしているので、
熱絶縁領域とフレーム及び可撓領域との接合面積が大き
くなり、固着強度を大きくすることができる。
【0044】請求項4に係る発明の半導体マイクロアク
チュエータは、請求項1乃至3いずれかに記載の効果に
加えて熱絶縁領域は、可撓領域の表面と接触する庇部を
有しているので、熱絶縁領域上面の面積が大きくなった
分だけ熱膨張量をより多くすることができ、さらに可動
部位2の変位量を大きくすることができる。
【0045】請求項5に係る発明の半導体マイクロアク
チュエータは、請求項1乃至4いずれかに記載の効果に
加えて、熱絶縁領域は、平面視において波形状を有する
構造体であるので、熱絶縁領域とフレーム及び可撓領域
との接合面積をより大きくすることができ、さらに固着
強度を大きくすることができる。
【0046】請求項6に係る発明の半導体マイクロアク
チュエータは、請求項1乃至5いずれかに記載の効果に
加えて、熱絶縁領域とフレーム及び可撓領域との間に線
膨張係数の最も小さい領域を介在させているので、熱絶
縁領域とフレーム及び可撓領域との接合面においても線
膨張差が発生することになり、可動部位の変位量をさら
に大きくすることができる。
【0047】請求項7に係る発明の半導体マイクロアク
チュエータは、請求項1乃至6いずれかに記載の効果に
加えて、熱絶縁領域の可撓領域の突出方向に平行な部位
の長さは、可撓領域の突出方向の長さの1%から8.5
%としているので、可動部位の支持強度を低下させるこ
となく撓み量を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係る半導体マイクロアクチ
ュエータを示すものであり、(a)は中央で切断したと
きの断面斜視図、(b)及び(c)は熱絶縁領域の拡大
図である。
【図2】 熱絶縁領域の梁に対する長さの割合とアクチ
ュエータ力との関係を示す特性図である。
【図3】 第2の実施形態に係る半導体マイクロアクチ
ュエータの熱絶縁領域を示すものであり、(a)はその
平面図、(b)はその断面図である。
【図4】 第3の実施形態に係る半導体マイクロアクチ
ュエータの熱絶縁領域を示す断面図である。
【図5】 従来の半導体マイクロアクチュエータを示す
断面斜視図である。
【符号の説明】
1 フレーム 21 可撓領域 22 可動エレメント 3 熱絶縁領域 33 庇部 4 熱絶縁領域 43 庇部 5 熱絶縁領域 53 庇部 54 低膨張部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河田 裕志 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 吉田 仁 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 吉田 和司 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 川人 圭子 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 齊藤 公昭 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に形成したフレームと、フレ
    ームより内方に突設して温度変化により変位する可撓領
    域と、可撓領域の一端に連設してフレームの開口面と直
    交する方向に相対的に変位する可動エレメントと、少な
    くとも可撓領域とフレームとの間に設けられて可撓領域
    からの熱伝導を抑制する熱絶縁領域と、を備えた半導体
    マイクロアクチュエータにおいて、 前記熱絶縁領域を可撓領域の可撓方向に向かって線膨張
    係数が小さくなるように形成したことを特徴とする半導
    体マイクロアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記熱絶縁領域は、複数の層構造をなす
    請求項1記載の半導体マイクロアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記熱絶縁領域は、可撓領域の突出方向
    と平行な断面において可撓領域の可撓方向に向かって狭
    小する形状を有する構造体である請求項1又は2記載の
    半導体マイクロアクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記熱絶縁領域は、可撓領域の表面と固
    着する庇部を有している請求項1乃至3いずれかに記載
    の半導体マイクロアクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記熱絶縁領域は、平面視において波形
    状を有する構造体である請求項1乃至4いずれかに記載
    の半導体マイクロアクチュエータ。
  6. 【請求項6】 前記熱絶縁領域とフレーム及び可撓領域
    との間に線膨張係数の最も小さい領域を介在させた請求
    項1乃至5いずれかに記載の半導体マイクロアクチュエ
    ータ。
  7. 【請求項7】 前記熱絶縁領域の可撓領域の突出方向に
    平行な部位の長さは、可撓領域の突出方向の長さの1%
    から8.5%である請求項1乃至6いずれかに記載の半
    導体マイクロアクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106922042A (zh) * 2017-03-06 2017-07-04 武汉微纳传感技术有限公司 一种微热盘及其制造方法

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