JP2003311589A - 微細形状の加工方法とその装置 - Google Patents

微細形状の加工方法とその装置

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JP2003311589A
JP2003311589A JP2002123613A JP2002123613A JP2003311589A JP 2003311589 A JP2003311589 A JP 2003311589A JP 2002123613 A JP2002123613 A JP 2002123613A JP 2002123613 A JP2002123613 A JP 2002123613A JP 2003311589 A JP2003311589 A JP 2003311589A
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Takenao Yoshikawa
武尚 吉川
Yukio Maeda
幸雄 前田
Masato Taya
昌人 田谷
Tomohisa Ota
共久 太田
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Hitachi Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細形状を有する金型を高精度に加工可能な
加工装置および加工方法を提供する。 【解決手段】 被加工物を保持し滑らかに水平方向に移
動する加工テーブルと、加工テーブル上部に位置し、被
加工物を加工するための加工工具を保持し、加工工具を
垂直方向に移動して被加工物と加工工具との相対位置を
位置決め可能な加工ヘッドと、前記加工ヘッドと前記加
工テーブルとの距離を測定する変位計測検出装置を具備
し、加工の際に前記変位計測検出装置を用いて加工ヘッ
ドと加工テーブルの相対距離を測定し加工ヘッドへの位
置決め指令値に反映させて加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微細形状を金型に形
成するための加工方法および加工装置に係り、特に、サ
ブミクロンオーダーの微細形状を金型からの転写成形に
より微細プリズム形状、マイクロレンアレイ形状などを
有する成形品を得るための転写原型となる金型の加工方
法と加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】サブミクロンオーダーの微細形状を得る
手法として、その反転形状を金型加工により得て、その
金型を母型として転写成形し所望の形状を得ることがで
きる。この際微細形状の形状精度は母型である金型の精
度に左右され、精度の良い成形品を得るためには高精度
の金型加工が必要となる。ここで、微細な金型加工を行
う方法としては、NC制御方式の超精密加工機を用いて
切削加工する方法がある。これは水平方向にピッチン
グ、ヨーイング誤差量のきわめて少ない高精度に移動可
能なX―Yテーブルと、X―Yテーブルに対して垂直方
向に移動可能なZ方向駆動軸を備えた加工装置である。
Z方向駆動軸には加工用の工具を取り付けるための加工
ヘッドが取り付けられる。
【0003】前記加工装置にて、例えば、図3に示すよ
うな微細なプリズム形状を得る場合には、加工ヘッドに
所望のプリズム形状に応じた切削工具を取り付け、X―
Yテーブルに被加工物である金型を取り付ける。プリズ
ム形状に対して、切削方向(例えば、X方向)、ピッチ
割り出し方向(例えばY方向のピッチ)を設定し、X―
Yテーブルのいずれかの移動軸に対して金型を取り付け
る。そして、加工ヘッドの移動により切削工具と金型と
の位置関係を制御し、即ち、切削の深さに応じた位置関
係になるように両者の間隔を制御し、プリズム形状に応
じた切込み量を設定し加工を行う。プリズム形状に基づ
き、X―Yテーブルの移動と加工ヘッドの移動とを制御
するためのNCプログラムを作成し金型への連続溝切削
加工を行うことにより所望のプリズム形状を得ることが
できる。
【0004】この場合、NCプログラムによる金型と切
削工具の相対的な移動は以下に記す動作を行う。図5
(a)に示すように、まず切削工具と金型とが十分離れ
た状態で切削方向に対し金型の加工範囲外に工具を位置
させる。プリズム形状に対応したピッチ割り出しを行い
溝切削位置に工具を位置させる。続いて図5(b)に示
すように、所定の形状に応じた切込み量を与えることが
出きるように、切削工具を金型に対して垂直方向に移動
する。この切込み量については、プリズム形状の深さが
小さい場合には1回の切込み量で設定するが、大きい場
合には所定量の切込みを同じピッチ割り出し位置で複数
回行うこととなる。所定量の切込み量を与えるために、
切削工具の垂直方向への移動を加工ヘッドにて行った
後、図5(c)に示すようにX―Yテーブルを移動して金
型の表面を切削工具にて削り取り溝切削を行う。1パス
(1条)の溝切削を終了した後、図5(d)に示すよう
に加工ヘッドの移動により工具を切削前の位置に戻し、
さらにX―Yテーブルの移動にて水平方向も切削前の位
置に戻す。続いて、切削方向とは直角方向にX―Yテー
ブルを移動して、ピッチ割り出しを行い次の溝切削位置
決めを行う。以降、上記の動作を繰り返し行うことによ
って、所望のプリズム形状の金型を得ることが可能とな
る。
【0005】また、特開平5−57520号公報には、
加工ヘッドと被加工材を設置した移動テーブルとの距離
を変位センサにて測定し、切込み深さ変位をフィードバ
ック制御して微細溝の加工を行う加工方法と加工装置が
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来方式においては、
高精度の微細形状を得ることができる形状が限られてお
り、特にプリズム形状のピッチが微小で加工が長時間に
およぶ場合には、加工装置の設置されている温度環境要
因にて装置に微小な伸び縮みが生じ、その結果、加工ヘ
ッドとX―Yテーブルとの相対位置が変化し、切削工具
が金型に対して設定値より大きく食い込みすぎる、また
は設定値より不足した切込み量となるといった加工精度
の低下が発生する問題がある。また、切削加工時のX―
Yテーブルの動きによっても駆動源であるモータの発
熱、駆動機構部の摺動抵抗による発熱の影響によって、
加工テーブルを中心とした熱膨張の発生により、加工ヘ
ッドとX―Yテーブルの相対位置が変化し、その結果、
加工精度が低下するという問題がある。特に、切削速度
を高めた場合には、X―Yテーブルとそのテーブルを支
えるものとの間の摩擦熱、モータの熱が高くなるため
に、熱の影響が顕著になる。
【0007】図9は運転時間に対する加工テーブルと加
工ヘッドとの相対距離変化量を示す特性図であり、横軸
に運転時間を、縦軸に加工テーブルと加工ヘッドの相対
距離量を示す。図より明らかなように、当初、運転時間
が大きくなるにつれ距離変化量が大きくなるが、変化量
がある程度大きくなると増加が止まり、あとはわずかな
量の増減を繰り返しながら、次第に減少していくといっ
た変化がみられた。この変化はテーブルの送り速度や移
動量などによって変化することが確認できている。
【0008】これらの結果、例えば、プリズム形状が、
図4に示すように三角溝形状と平坦部分とが混在してい
る形状の場合には、上記相対距離の減少により切込み量
の深さが変化し、切込み量が増大した場合には平坦部分
の寸法が少なくなる不良が、また切込み量が低下した場
合には平坦部分の寸法が大きくなるといった不良が発生
し、金型が加工不良となってしまう問題があった。
【0009】また、特開平5−57520号公報の手法
では、専用の加工装置と変位センサとリファレンス治具
の設置に高精度な段取り作業が必要となり、様々な外形
寸法・高さ寸法を有する金型切削加工において、その都
度高精度な段取り作業を伴うといった課題がある。ま
た、特開平5−57520号公報の手法では、専用の加
工装置と変位センサとリファレンス治具の設置に高精度
な段取り作業が必要となり、様々な外形寸法・高さ寸法
を有する金型切削加工において、その都度高精度な段取
り作業を伴うといった課題がある。また、切削加工時に
は、工具と型表面とに霧状に切削油を吹き付けるミスト噴
霧を実施する必要がある。このミスト噴霧による影響がセ
ンサ部分での外乱を引き起こす課題がある。
【0010】本発明の目的は、上記従来の欠点を解決
し、加工装置の外部温度変化と加工時の装置X―Yテー
ブル移動に起因した加工ヘッドとX―Yテーブルの相対
位置変化による精度低下を抑止し、高精度な微細形状を
高速でかつ高精度に金型に形成するための加工方法およ
び加工装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ために、第1の発明では、加工装置は、被加工物を保持
し水平方向に移動する加工テーブルと、前記加工テーブ
ル上部に配置され、前記被加工物を加工するための加工
工具を保持し、前記加工工具を垂直方向に移動して被加
工物と加工工具との相対位置を位置決め可能な加工ヘッ
ドと、前記加工ヘッドと前記加工テーブルとの距離を測
定する変位計測検出装置と、前記変位計測検出装置によ
って測定された値を反映させて加工ヘッドの位置を制御
することができる制御装置とを具備し、前記加工テーブ
ルを一方向に移動させて一条の加工を行い、前記一方向
とは略直交する方向に前記加工テーブルを移動させて他
の一条の加工を行う場合、前記加工を開始する前に、前
記制御装置によって、前記加工テーブルに対して前記加
工ヘッドの位置決めを行い、前記一条の加工途中では、
前記加工ヘッドの位置を一定に保つ。
【0012】第2の発明では、第1の発明において、前
記加工ヘッドは、モータ駆動源による大ストローク移動
用の駆動機構と、圧電素子による微小位置決め駆動機構
とを具備する。
【0013】第3の発明では、加工装置は、被加工物を
保持し水平方向に移動する加工テーブルと、前記加工テ
ーブル上部に配置され、前記被加工物を加工するための
加工工具を保持し、前記加工工具を垂直方向に移動して
被加工物と加工工具との相対位置を位置決め可能であ
り、モータ駆動源による大ストローク移動用の駆動機構
及び圧電素子による微小位置決め用の駆動機構を有する
加工ヘッドと、前記加工ヘッドと前記加工テーブルとの
距離を測定する変位計測検出装置と、前記変位計測検出
装置によって測定された値を反映させる制御装置とを具
備し、前記加工テーブルを一方向に移動させて加工す
る。
【0014】第4の発明では、第3の発明において、前
記制御装置は、大ストローク移動用の駆動機構を制御す
るための第1の制御装置と、圧電素子による微小位置決
め用の駆動機構を制御するための第2の制御装置を備え
る。
【0015】第5の発明では、第1乃至4の何れかの発
明において、前記変位計測検出装置は前記加工ヘッドに
設けられた変位検出器、及び前記加工テーブルに設けら
れたセンサターゲットを備える。
【0016】第6の発明では、第5の発明において、前
記センサターゲットは前記被加工物の加工方向とは直交
する方向の幅近傍の長さから前記検出器が前記センサタ
ーゲットを計測することができる長さである。
【0017】第7の発明では、加工方法は、被加工物を
加工テーブルに保持するステップと、前記加工テーブル
上部に配置され、前記被加工物を加工するための加工工
具を加工ヘッドに保持するステップと、前記加工ヘッド
と前記加工テーブルとの距離を測定するステップと、前
記加工テーブルを一方向に移動させて一条の加工を行
い、前記一方向と略直交する方向に前記加工テーブルを
移動させて他の一条の加工を行う加工ステップと、前記
加工を開始する前に、前記距離を測定するステップによ
って得られた制御値を反映させて前記加工ヘッドを位置
決めするステップと、前記加工テーブルに対して前記加
工ヘッドの位置決めを行って一条の加工を行い、一条の
加工途中では、前記加工ヘッドの位置を一定に保つステ
ップとを備える。
【0018】第8の発明では、第7の発明において、前
記加工ヘッドは大ストローク移動用の駆動機構と、圧電
素子による微小位置決め用の駆動機構を有し、前記距離
を測定するステップで得られた指令値によって、前記圧
電素子による微小位置決め駆動機構を制御するステップ
を備える。
【0019】第9の発明では、加工方法は、被加工物を
加工テーブルに保持するステップと、前記加工テーブル
上部に配置され、前記被加工物を加工するための加工工
具を加工ヘッドに保持するステップと、前記加工ヘッド
と前記加工テーブルとの距離を測定するステップと、前
記加工テーブルを一方向に移動させて一条の加工を行
い、前記一方向とは略直交する方向の前記加工テーブル
を移動させて他の一条の加工を行う加工ステップと、前
記一条の加工を開始する前に、モータ駆動源による大ス
トローク移動用の駆動機構及び圧電素子による微小位置
決め用の駆動機構を用いて、前記加工ヘッドの位置決め
をするステップとを備え、前記位置決めステップにおい
て、前記距離測定ステップで得られた指令値で前記微小
位置決め用の駆動機構を制御する。
【0020】第10の発明では、第9の発明において、
前記加工テーブルに対して前記加工ヘッドの位置決めを
行って一条の加工を行う際に、一条の加工途中では、前
記加工ヘッドの位置を一定に保つ。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例を用い、図面を参照して説明する。図1は本
発明による加工装置の一実施例を示す正面図および側面
図であり、図1(a)図は正面図を、図1(b)図は側
面図を示す。図において、1は加工装置、2は装置フレ
ームである。装置フレーム2には、X―Yテーブル3
と、Z軸移動機構部4が具備されており、NC制御部6
によってそれぞれXYZ方向に移動制御できるように構
成されている。Z軸移動機構部4はボールねじ等を用い
たモータ駆動源によって、大ストローク移動用の駆動機
構を構成しており、Z軸移動機構部4には切削工具7を
固定するための加工ヘッド5を備えている。本加工装置
1はX―Yテーブル3上に被加工物である金型8を固定
し、加工ヘッド5に固定された切削工具7と金型8とを
相対的に移動させることによって、切削工具7で金型8
の表面に微細形状の加工を行う。加工ヘッド5は変位検
出器9を備え、X―Yテーブル3には変位検出ユニット
11のターゲット10が備えられている。変位検出器9
及びターゲット10で加工ヘッド部5とX―Yテーブル
3との相対距離の測定が可能な変位計測検出装置を構成
している。この変位計測検出装置の出力はNC制御部6
に入力される。
【0022】変位検出器としては、静電容量式変位セン
サ、渦電流式変位センサ、レーザ式変位センサ等の非接
触式変位センサを用いる。加工装置1の構成では金型8
の加工の切削方向送りをX―Yテーブル3のX方向移動
によって行い、ピッチ割り出しをX―Yテーブル3のY
方向移動によって行う。また、Z軸移動機構部4のZ方
向移動によって切込み送りを行う。
【0023】図1に示す加工装置1における作用を図3
に示すプリズム形状の金型加工の例を用いて説明する。
図3はプリズム形状の金型の斜視図及び断面図であり、
図3(a)は斜視図を、図3(b)はそのA−A断面図
である。図3に示すプリズム形状は溝部20が複数本並
んだ形状となっている。図4は平坦部を有するプリズム
形状の金型の斜視図及び断面図であり、図4(a)は斜
視図を、図4(b)はそのA−A断面図である。このプ
リズム形状は溝部20の間に平坦部21を持っている。
図3、図4に示すプリズムを作成をするためには、溝部
20を1本づつX方向に工具7を移動させることによっ
て加工を行い、Y方向にピッチ送りを行い、更にX方向
に工具7を移動することを繰り返すことによって所望の
形状を得ることができる。ここで、溝部20の1本を加
工する際の工具7の動作を示したのが図5である。
【0024】図5は切削工具の動作を示すための、切削
工具と金型の側面図であり、図5(a)から図5(d)に示
す動作を行うことによって溝部20の加工を行う。まず
図5(a)に示すように工具7を金型8のX方向の端部
よりやや距離を置いた位置に位置決めする。次に図5
(b)に示すように点線で示した金型8の溝部の切込み
深さ部分に切削工具7の先端が位置するようにZ方向の
位置を調整して位置決めを行う。続いて図5(c)に示
すように工具7を金型8に対してX方向に移動させ切削
加工を行う。ここで実際の加工装置では金型8がX方向
に移動して相対的に図5(c)の動作を行う。切削加工
が終わった後、図5(d)に示すように切削工具7をZ方
向に移動し、さらにX方向に移動して図5(a)の位置
に戻す位置決めを行う。図5(b)の動作とY方向の移
動によるピッチ割り出し動作を行うことによって、図3
に示すプリズム形状の加工が可能となる。
【0025】ここで、上記の加工を行う際には、図1に
示すX―Yテーブル3のX方向の往復移動により、X方
向の駆動機構部の摺動抵抗により発熱が起こりX―Yテ
ーブル3はZ方向に上昇する現象が発生する。この上昇
量はX―Yテーブル3の往復運動の移動速度が大きいほ
ど、上昇量も大きくなる。X―Yテーブル3が上昇する
ことにより加工ヘッド5との相対距離が小さくなる。こ
の上昇量を加工ヘッド5とX―Yテーブル3とに取り付
けた変位検出器9およびセンサターゲット10にて計測
を行い、工具7の切込み量設定に補正を行うことで、上
昇量が発生する条件下でも高精度な加工が可能となる。
【0026】補正を行う際には図6に示すステップにて
加工ヘッド5とX―Yテーブル3の相対位置を測定し補
正を行う。図6は図1に示す加工装置の処理動作の一実
施例を示すフローチャートである。まず、ステップ31
で、変位検出器9の下部にセンサターゲット10が位置
するようにX―Yテーブル3の移動を行う。また加工ヘ
ッド5のZ高さ位置を検出器の0点が納まる距離に位置
決めを行う。このZ高さは、以降の加工中では計測する
際に必ず同じ位置に位置決めする。ステップ32で、こ
の位置にて加工ヘッド5とX―Yテーブル3との相対位
置を計測してメモリに入力する。検出器により測定した
値を制御部6の処理部分に取り込み相対位置を算出す
る。ステップ35でこの算出された相対位置に基づいて
工具位置を設定し、ステップ36で工具切込み指令を出
すと、ステップ37で切削工具7をZ軸駆動ユニット4
でZ方向に移動させ、次に、ステップ38で、X―Yテ
ーブル3をX方向に移動させて切削加工を行う。2パス
目以降は、ステップ33で、変位検出ユニットで加工ヘ
ッド7とX―Yテーブル3の相対距離を計測し、ステッ
プ34で、制御部で位置ずれ量を算出する。位置ずれ量
は加工開始で測定したZ高さ位置を基準とし、この高さ
位置からのずれ量を計算する。次に、ステップ35で、
工具位置を設定し、以降前述のステップ36〜38を経
て工具7を用いて切削を行う。
【0027】以上述べたように、本実施例では、加工ヘ
ッドとX―Yテーブル3間の距離の測定を各パス毎に、
即ち、X方向への切削が終わる毎に行っている。切削中
でも加工ヘッド7とX―Yテーブル3間の相対距離を計
測して制御部にフィードバックすると、振動或いは切削
油噴霧によるノイズが入り込み誤差が生じる。これを避
けるために、本実施例では、各パスにおける切削加工の
前に加工ヘッド7とX―Yテーブル3間の相対距離を計
測し、工具7の位置を設定しているため、振動による誤
差を防ぐことができる。
【0028】図7はX―Yテーブル上の金型、センサタ
ーゲット及び切削工具の配置の一実施例を示す斜視図及
び上面図であり、図7(a)は斜視図、図7(b)は上
面図である。図8はX―Yテーブル上の金型、センサタ
ーゲット及び切削工具の配置の他の実施例を示す上面図
である。図7と図8に示す実施例では、センサターゲッ
ト10の長さが異なるだけである。即ち、図8に示すセ
ンサターゲット10の方が短くなっている。センサター
ゲット10はX―Yテーブル3上の一部に設けられてお
り、加工の際に切削工具7と金型8との移動に妨げとな
らないように、X方向の切削移動方向とは反対側の位置
に配置されている。
【0029】7(b)においてはセンサターゲット10の
Y方向の寸法は金型8のY寸法とほぼ同等の大きさにし
ている。これにより金型8のY方向寸法のどの位置にお
いてもセンサターゲット10の位置に変位検出器9をX
方向に位置決めすることで距離の測定が可能となる。
【0030】図8に示したのはセンサターゲット10を
変位検出器9が十分測定可能である範囲内で面積を十分
小さくして配置した例を示す。金型8のY寸法が大きく
なった場合には、図7(b)の状態ですべてのY寸法に
対してセンサターゲット10のZ方向高さを精度良く配
置することは難しい。そこで、図8に示すようにセンサ
ターゲット10を小さくし、測定する位置を一点に定
め、計測を行うことによってセンサターゲット10の形
状誤差やX―Yテーブル3へのセンサターゲット10の
設置時の傾き誤差による精度低下の影響を排除した計測
が可能となる。この場合は、計測の際にセンサターゲッ
ト10の上部に変位検出器9が位置するようなステップ
を設け、所定のピッチ送りを行った後加工を行う方式と
なる。
【0031】図2は本発明による加工装置の他の実施例
を示す正面図である。図の実施例では、加工ヘッド5は
微小駆動機構部12を備えている。微小駆動機構部12
としては、例えば、圧電素子、磁歪素子、で構成するこ
とが考えられる。このように、加工ヘッド5に微小駆動
機構部12を具備することにより切削工具7のZ方向へ
の移動はZ軸駆動機構4による大ストロークZ1の移動
と微小駆動機構部12による微小変位移動Z2の移動が
可能となる。微小駆動機構部12の変位制御はNC制御
部と連動制御可能な微小変位制御部13によって微小変
位移動12を行う。本加工装置構成によれば、市販の超
精密加工装置上でも微小駆動機構部12を具備した加工
ヘッド5を取り付けることにより、変位検出器9とセン
サターゲット10による計測結果を反映した補正加工が
実現できる。図2の構成の場合、X―Yテーブル3の上
昇量に応じた補正量の指令値を微小変位制御部13に指
令する。加工装置1のNC制御部6は微細形状に基づい
た設計データによりNCプログラムを作成する。これに
よりNC制御部6やNCプログラムに特別な処理・機能
を追加することなく高精度な金型加工が可能となる。
【0032】本発明による加工装置の具体的な実施例に
ついて説明する。図3に示すプリズム状の金型8の連続
溝加工を図2に示す加工装置1を用いて加工する場合、
図5に示す方法により金型加工を実施している。この場
合、X方向の金型寸法は100mm、Y方向の金型寸法
は70mmである。Y方向のピッチ割り出し寸法は1ミ
クロンである。金型8の材質はステンレス系の鋼材の上
面に銅メッキを行ったもので、メッキ部分をV字型のダ
イヤモンドバイトにて切削することにより溝加工を行っ
た。補正加工を行わない場合には、加工開始からY方向
の寸法が約20mmの範囲でX―Yテーブルの上昇量が
約8ミクロンと大きくなり所望の加工を行うことができ
なかった。そこで、本発明による加工方法を実施した。
変位検出器9による補正は1溝を加工するごとに図6で
説明した補正処理を行い、Y方向寸法70mmの溝加工を
実施することができた。金型を計測した結果、Y方向寸
法70mmにおいて加工深さが0.1ミクロン以内で加工
できていることを確認した。
【0033】以上述べたように、本発明による加工装置
および加工方法を用いることによって、微細形状の高精
度な金型加工が実現できる。また、溝加工前の平坦部の
基準面加工を行う際にも本発明による加工方法を適用す
ることで、さらに精度の高い金型が得られる。
【0034】なお、本実施例は溝加工時の切削加工につ
いて示したが、加工ヘッドに切削工具でなく、成形加工
を行う圧子等を取り付け、金型8に対して圧子を押圧し
微細な凹凸形状をえる圧痕加工を行う際にも本発明方法
は有効である。圧痕加工を行うさいにも、本加工方式に
よる基準平面加工と圧痕加工時の工具のZ方向移動量に
補正を行うことで、高精度な微細形状を金型表面に得る
ことが可能である。
【0035】また、加工装置構成は図1に示すX―Yテ
ーブルとZ軸移動機構部を有する装置を例に示したが、
本発明法はこれに限定するものではなく、相対的に工具
と金型とを移動して加工を行う装置構成ならば良い。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、微
細形状を有する高精度な金型加工が可能となり、その転
写成形品においても設計形状に忠実な精度の高い製品を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による加工装置の一実施例を示す正面図
および側面図である。
【図2】本発明による加工装置の他の実施例を示す正面
図である。
【図3】プリズム形状の金型の斜視図及び断面図であ
る。
【図4】平坦部を有するプリズム形状の金型の斜視図及
び断面図である。
【図5】切削工具の動作を示すための、切削工具と金型
の側面図である。
【図6】図1に示す加工装置の処理動作の一実施例を示
すフローチャートである。
【図7】X―Yテーブル上の金型、センサターゲット及
び切削工具の配置の一実施例を示す斜視図及び上面図で
ある。
【図8】X―Yテーブル上の金型、センサターゲット及
び切削工具の配置の他の実施例を示す上面図である。
【図9】運転時間に対する加工テーブルと加工ヘッドと
の相対距離変化量を示す特性図である。
【符号の説明】
1…加工装置、2…装置フレーム、3…X―Yテーブ
ル、4…Z軸駆動機構、5…加工ヘッド、6…NC制御
部、7…切削工具、8…金型、9…変位検出器、10…
センサターゲット、11…変異検出ユニット、12…圧
電素子、13…微小変位制御部、20…溝部、21…平
坦部。
フロントページの続き (72)発明者 前田 幸雄 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 田谷 昌人 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 日立 化成工業株式会社内 (72)発明者 太田 共久 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 日立 化成工業株式会社内 Fターム(参考) 3C001 KA02 KB01 TA03 TB03 3C029 EE02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工物を保持し水平方向に移動する加工
    テーブルと、前記加工テーブル上部に配置され、前記被
    加工物を加工するための加工工具を保持し、前記加工工
    具を垂直方向に移動して被加工物と加工工具との相対位
    置を位置決め可能な加工ヘッドと、前記加工ヘッドと前
    記加工テーブルとの距離を測定する変位計測検出装置
    と、前記変位計測検出装置によって測定された値を反映
    させて加工ヘッドの位置を制御することができる制御装
    置とを具備し、前記加工テーブルを一方向に移動させて
    一条の加工を行い、前記一方向とは略直交する方向に前
    記加工テーブルを移動させて他の一条の加工を行う場
    合、前記加工を開始する前に、前記制御装置によって、
    前記加工テーブルに対して前記加工ヘッドの位置決めを
    行い、前記一条の加工途中では、前記加工ヘッドの位置
    を一定に保つことを特徴とする加工装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の加工装置において、前記
    加工ヘッドは、モータ駆動源による大ストローク移動用
    の駆動機構と、圧電素子による微小位置決め駆動機構と
    を具備することを特徴とする加工装置。
  3. 【請求項3】被加工物を保持し水平方向に移動する加工
    テーブルと、前記加工テーブル上部に配置され、前記被
    加工物を加工するための加工工具を保持し、前記加工工
    具を垂直方向に移動して被加工物と加工工具との相対位
    置を位置決め可能であり、モータ駆動源による大ストロ
    ーク移動用の駆動機構及び圧電素子による微小位置決め
    用の駆動機構を有する加工ヘッドと、前記加工ヘッドと
    前記加工テーブルとの距離を測定する変位計測検出装置
    と、前記変位計測検出装置によって測定された値を反映
    させる制御装置とを具備し、前記加工テーブルを一方向
    に移動させて加工することを特徴とする加工装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の加工装置において、前記制
    御装置は、大ストローク移動用の駆動機構を制御するた
    めの第1の制御装置と、圧電素子による微小位置決め用
    の駆動機構を制御するための第2の制御装置を備えるこ
    とを特徴とする加工装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の何れかに記載の加工装置
    において、前記変位計測検出装置は前記加工ヘッドに設
    けられた変位検出器、及び前記加工テーブルに設けられ
    たセンサターゲットを備えることを特徴とする加工装
    置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の加工装置において、前記セ
    ンサターゲットは前記被加工物の加工方向とは直交する
    方向の幅近傍の長さから前記検出器が前記センサターゲ
    ットを計測することができる長さであることを特徴とす
    る加工装置。
  7. 【請求項7】被加工物を加工テーブルに保持するステッ
    プと、前記加工テーブル上部に配置され、前記被加工物
    を加工するための加工工具を加工ヘッドに保持するステ
    ップと、前記加工ヘッドと前記加工テーブルとの距離を
    測定するステップと、前記加工テーブルを一方向に移動
    させて一条の加工を行い、前記一方向と略直交する方向
    に前記加工テーブルを移動させて他の一条の加工を行う
    加工ステップと、前記加工を開始する前に、前記距離を
    測定するステップによって得られた制御値を反映させて
    前記加工ヘッドを位置決めするステップと、前記加工テ
    ーブルに対して前記加工ヘッドの位置決めを行って一条
    の加工を行い、一条の加工途中では、前記加工ヘッドの
    位置を一定に保つステップとを備えることを特徴とする
    加工方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の加工方法において、前記
    加工ヘッドは大ストローク移動用の駆動機構と、圧電素
    子による微小位置決め用の駆動機構を有し、前記距離を
    測定するステップで得られた指令値によって、前記圧電
    素子による微小位置決め駆動機構を制御するステップを
    備えることを特徴とする加工方法。
  9. 【請求項9】被加工物を加工テーブルに保持するステッ
    プと、前記加工テーブル上部に配置され、前記被加工物
    を加工するための加工工具を加工ヘッドに保持するステ
    ップと、前記加工ヘッドと前記加工テーブルとの距離を
    測定するステップと、前記加工テーブルを一方向に移動
    させて一条の加工を行い、前記一方向とは略直交する方
    向の前記加工テーブルを移動させて他の一条の加工を行
    う加工ステップと、前記一条の加工を開始する前に、モ
    ータ駆動源による大ストローク移動用の駆動機構及び圧
    電素子による微小位置決め用の駆動機構を用いて、前記
    加工ヘッドの位置決めをするステップとを備え、前記位
    置決めステップにおいて、前記距離測定ステップで得ら
    れた指令値で前記微小位置決め用の駆動機構を制御する
    ことを特徴とする加工方法。
  10. 【請求項10】請求項9記載の加工方法において、前記
    加工テーブルに対して前記加工ヘッドの位置決めを行っ
    て一条の加工を行う際に、一条の加工途中では、前記加
    工ヘッドの位置を一定に保つことを特徴とする加工方
    法。
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