JP2003308830A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JP2003308830A
JP2003308830A JP2003019058A JP2003019058A JP2003308830A JP 2003308830 A JP2003308830 A JP 2003308830A JP 2003019058 A JP2003019058 A JP 2003019058A JP 2003019058 A JP2003019058 A JP 2003019058A JP 2003308830 A JP2003308830 A JP 2003308830A
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lithium
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JP2003019058A
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Yoshimasa Koishikawa
佳正 小石川
Yoshin Yagi
陽心 八木
Kensuke Hironaka
健介 弘中
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Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力かつ長寿命のリチウム二次電池を提供
する。 【解決手段】 正極活物質に比表面積が0.35m
g以上のマンガン酸リチウムを用いた。厚さ20μmの
アルミニウム箔の両面に、アルミニウム箔片面単位面積
当たりのマンガン酸リチウムの重量が120g/m
下の範囲でマンガン酸リチウムを塗着させて正極を作製
した。このとき、比表面積と重量との積、すなわち、ア
ルミニウム箔の片面単位面積に対するマンガン酸リチウ
ムの表面積Sの比を40以上とした。作製した正極を用
いて円筒型リチウムイオン電池を組み立てた。十分な電
極反応面積を確保し、マンガン酸リチウムの表面局部に
かかる負荷を分散する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム二次電池に
係り、特に、正極活物質にマンガン酸リチウム(異種元
素置換を含む)を用いた正極合材を正極集電基材に塗着
した正極と、負極とを有する電極群を電解液に浸潤させ
たリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池を代表するリチウムイ
オン二次電池は、主にVTRカメラやノートパソコン、
携帯電話等のポータブル機器用電源として広く普及して
きた。また、リチウムイオン二次電池は高エネルギー密
度を有することから、電気自動車用電源としても注目さ
れている。すなわち、自動車産業界においては環境問題
に対応すべく、排出ガスのない、動力源を完全に電池の
みとした電気自動車(EV)や、内燃機関エンジン及び
電池の両方を動力源とするハイブリッド電気自動車(H
EV)の開発が本格化し、リチウムイオン二次電池等を
用いた電気自動車(EV、HEV)が一部実用段階に到
達している。特に、電気自動車への電力供給施設等のイ
ンフラを整備する必要のないHEVの開発は加速されて
おり、HEV用電源となる電池の開発も急速に進められ
ている。
【0003】HEVにおいては、自動車の加速力をモー
タ駆動でアシストするために強力なアシスト力を必要と
し、HEV用電源となる電池の高出力化が要求されてい
る。また、ハイブリッドシステムの制御方法にもよる
が、HEV用電源となる電池は、車両走行時に、最大電
流値が10C以上に及ぶ大電流での充電や放電が瞬間的
にかつ連続的に繰り返される。HEV用電源となる電池
には、このような使用条件下においても高出力性能の維
持が求められ、HEVの長期の使用期間に対応するため
10年以上の寿命性能の実現も求められている。例え
ば、一般に、正極合材の厚さと空隙率とを規定すること
で、高出力、長寿命を達成する技術が開示されている
(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−325948号公報(段
落番号「0009」「0060」)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな大電流での瞬間的な充放電が繰り返されるときに
は、充放電反応は活物質と電極との界面近傍で行われる
ので、電解液と接触する活物質の表面積(電極反応面積)
を十分に確保しないとリチウム二次電池の出力を高める
ことができず、リチウム二次電池は高負荷のパルス的な
充放電に追従することができない。また、活物質の表面
積が十分にないと、活物質の表面局部に電流が集中する
ので、活物質表面の構造破壊を生じ電極を劣化させる、
という問題がある。
【0006】本発明は上記事案に鑑み、高出力かつ長寿
命のリチウム二次電池を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、正極活物質にマンガン酸リチウム乃至該
結晶中のリチウム及び/又はマンガンの一部を他の金属
元素で置換したマンガン酸リチウムを用いた正極合材を
正極集電基材に塗着した正極と、負極とを有する電極群
を電解液に浸潤させたリチウム二次電池において、前記
正極集電基材の片面単位面積に対する前記正極活物質の
表面積S(正極活物質の比表面積×正極活物質の重量)
の比が40以上であることを特徴とする。
【0008】本発明のリチウム二次電池は、正極活物質
にマンガン酸リチウム乃至該結晶中のリチウム及び/又
はマンガンの一部を他の金属元素で置換したマンガン酸
リチウムを用いた正極合材を正極集電基材に塗着した正
極と、負極とを有する電極群が電解液に浸潤されてい
る。本発明では、正極集電基材の片面単位面積に対する
正極活物質の表面積S(正極活物質の比表面積×正極活
物質の重量)の比が40未満になると、電極反応面積を
十分に確保することができず電極反応が充放電に追従す
ることができないため、リチウム二次電池の出力を低下
させると共に、正極活物質の表面局部に電流が集中し正
極活物質表面の構造破壊を生じ電極を劣化させるので、
正極集電基材の片面単位面積に対する正極活物質の表面
積Sの比を40以上として、リチウム二次電池の出力及
び寿命を向上させる。
【0009】この場合において、正極活物質の比表面積
が0.35m/g以上であることが好ましい。すなわ
ち、正極活物質の比表面積が0.35m/g未満の場
合には、正極集電基材の面積に対して多量の正極活物質
を塗着しなければ、十分な反応面積を得ることができな
くなる反面、この塗着量が多くなると正極集電基材から
正極活物質の距離が離れ電極抵抗が増大する。また、正
極活物質の塗着量に対して実際に電極反応に使われる正
極活物質の量が小さくなり(正極活物質利用率が小さく
なり)出力密度が低下する。また、比表面積の大きな正
極活物質を多量に塗着しても、正極活物質の重量が12
0g/mを超えると、正極合材層の厚さ方向の電極抵
抗成分の影響を受け、高負荷のパルス的な充放電に対す
る耐久性の向上が少なくなるので、正極活物質の重量は
120g/m以下であることが好ましい。このとき、
正極活物質の比表面積を0.80m/g以上とし、か
つ、正極集電基材の片面単位面積あたりの正極活物質の
重量を100g/m以下とすることが更に好ましい。
また、正極活物質がスピネル型結晶構造又は層状結晶構
造を有することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明を
円筒型リチウムイオン電池に適用した実施の形態につい
て説明する。
【0011】(正極の作製)正極活物質として後述する
所定比表面積のマンガン酸リチウム100重量部に対し
て、導電剤として鱗片状黒鉛10重量部及び結着剤とし
てポリフッ化ビニリデン5重量部を添加し、これに分散
溶媒としてN−メチルピロリドンを添加、混練してスラ
リを作製した。作製したスラリを厚さ20μmのアルミ
ニウム箔(正極集電基材)の両面に、アルミニウム箔片
面単位面積当たりのマンガン酸リチウムの重量(以下、
目付け量という。)が後述する所定量となるように塗布
した。その後乾燥することによりアルミニウム箔に正極
合材を塗着させ、プレス、裁断して、幅82mm、厚さ
90μmの正極を得た。従って、アルミニウム箔両面に
塗着させた正極合材の厚みは、片面当たり35μmとな
る。なお、アルミニウム箔にスラリを塗布するときに、
正極長寸方向の一方の側縁に幅30mmの未塗布部を残
し、該未塗布部に切り欠きを入れ、切り欠き残部を正極
リード片とした。隣り合う正極リード片を50mm間隔
とし、正極リード片の幅を5mmとした。
【0012】本実施形態では、正極活物質の比表面積が
0.35〜1.00m/gの範囲にあるマンガン酸リ
チウムを用い、目付け量は80〜200g/mの範囲
として。また、アルミニウム箔の片面単位面積に対する
正極活物質の表面積Sの比は40〜100の範囲とし
た。なお、表面積Sは、マンガン酸リチウムの比表面積
と、アルミニウム箔に塗布した目付け量とを乗じること
で算出することができる。
【0013】(負極の作製)負極活物質として非晶質炭
素粉末90重量部に対して、結着剤のポリフッ化ビニリ
デンを10重量部添加し、これに分散溶媒としてN−メ
チルピロリドンを添加、混練したスラリを厚さ10μm
の圧延銅箔の両面に塗布した。その後乾燥、プレス、裁
断することにより、幅86mm、厚さ70μmの負極を
得た。なお、圧延銅箔にスラリを塗布するときに、負極
長寸方向の一方の側縁に幅30mmの未塗布部を残し、
該未塗布部に正極と同様に切り欠きを入れ、切り欠き残
部を負極リード片とした。隣り合う負極リード片を50
mm間隔とし、負極リード片の幅を5mmとした。
【0014】(電池の組立)図1に示すように、上記作
製した正極と負極とを、これら両極が直接接触しないよ
うに幅90mm、厚さ40μmのポリエチレン製セパレ
ータと共に捲回し捲回群6を作製した。捲回の中心に
は、ポリプロピレン製の中空円筒状の軸芯1を用いた。
このとき、正極リード片2と負極リード片3とが、それ
ぞれ捲回群6の互いに反対側の両端面に位置するように
した。また、正極、負極、セパレータの長さを調整し、
捲回群6の直径を38±0.1mmとした。
【0015】正極リード片2を変形させ、その全てを、
捲回群6の軸芯1のほぼ延長線上にある正極集電リング
4の周囲から一体に張り出している鍔部周辺付近に集
合、接触させた後、正極リード片2と鍔部周辺とを超音
波溶接して正極リード片2を鍔部周面に接続した。一
方、負極集電リング5と負極リード片3との接続操作
も、正極集電リング4と正極リード片2との接続操作と
同様に実施した。
【0016】その後、正極集電リング4の鍔部周面全周
に絶縁被覆を施した。この絶縁被覆には、基材がポリイ
ミドで、その片面にヘキサメタアクリレートからなる粘
着剤を塗布した粘着テープを用いた。この粘着テープを
鍔部周面から捲回群6外周面に亘って一重以上巻いて絶
縁被覆とし、捲回群6を電池容器7内に挿入した。電池
容器7の外径は40mm、内径は39mmである。
【0017】負極集電リング5には予め電気的導通のた
めの負極リード板8が溶接されており、電池容器7に捲
回群6を挿入後、電池容器7の底部と負極リード板8と
を溶接した。
【0018】一方、正極集電リング4には、予め複数枚
のアルミニウム製のリボンを重ね合わせて構成した正極
リード9を溶接しておき、正極リード9の他端を、電池
容器7を封口するための電池蓋の下面に溶接した。電池
蓋は、蓋ケース12と、蓋キャップ13と、気密を保つ
弁押え14と、開裂弁11とで構成されており、これら
が積層されて蓋ケース12の周縁をカシメることによっ
て組立てられている。
【0019】次に、非水電解液を所定量電池容器7内に
注入した後、正極リード9を折りたたむようにして電池
蓋で電池容器7に蓋をし、EPDM樹脂製ガスケット1
0を介してカシメて密封することにより円筒型リチウム
イオン電池20を完成させた。非水電解液には、エチレ
ンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比で
1:2の割合で混合した混合溶媒に、リチウム塩の六フ
ッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル
の濃度で溶解したものを用いた。作製した円筒型リチウ
ムイオン電池20の設計容量は4.0Ahであり、電池
体積は125.6mlである。
【0020】
【実施例】次に、本実施形態に従いマンガン酸リチウム
の比表面積及び目付け量を変化させて作製した円筒型リ
チウムイオン電池20の実施例について説明する。な
お、比較のために作製した比較例の電池についても併記
する。
【0021】(実施例1)下表1に示すように、実施例
1では、比表面積が0.40m/gのマンガン酸リチ
ウムを用い、目付け量を100g/mとした。このと
き、アルミニウム箔の片面単位面積に対するマンガン酸
リチウムの表面積Sの比(以下、表面積Sの比、とい
う。)は40となる。
【0022】
【表1】
【0023】(実施例2〜実施例4)表1に示すよう
に、実施例2〜実施例4では、目付け量を変えた以外は
実施例1と同様にした。実施例2では、120g/m
とし、実施例3では150g/mとし、実施例4では
200g/mとした。このときの表面積Sの比は、実
施例2では48、実施例3では60、実施例4では80
となる。
【0024】(実施例5〜実施例6)表1に示すよう
に、実施例5〜実施例6では、比表面積が0.80m
/gのマンガン酸リチウムを用い、目付け量を、実施例
5では80g/mとし、実施例6では100g/m
とした。このときの表面積Sの比は、実施例5では6
4、実施例6では80となる。
【0025】(実施例7)表1に示すように、実施例7
では、比表面積が1.00m/gのマンガン酸リチウ
ムを用い、目付け量を100g/mとした。このとき
の表面積Sの比は100となる。
【0026】(実施例8)表1に示すように、実施例8
では、比表面積が0.34m/gのマンガン酸リチウ
ムを用い、目付け量を120g/mとした。このとき
の表面積Sの比は41となる。
【0027】(比較例1〜比較例2)表1に示すよう
に、比較例1〜比較例2では、マンガン酸リチウムの比
表面積を、比較例1では0.40m/gとし、比較例
2では0.60m/gとし、目付け量を、比較例1で
は80g/mとし、比較例2では60g/mとし
た。このときの表面積Sの比は、比較例1では32、比
較例2では36となる。
【0028】<試験・評価>次に、以上のようにして作
製した実施例及び比較例の各電池について、HEVでの
使用条件を模擬したパルスサイクル試験の前後に、直流
内部抵抗(以下、DCRという。)を測定し耐久性能及
び出力密度を評価した。
【0029】(DCR測定)初期DCRは電池作製後、
初期容量安定化運転を行った後に測定した。各電池を
4.1Vの満充電状態とした後、25°Cの雰囲気下に
て、10Aで5秒間、30Aで5秒間、60Aで5秒
間、放電したとき電圧の変化から算出した値を初期DC
R値とした。後述するパルスサイクル試験後に、同様の
方法でDCRを測定し、サイクル試験後DCRとした。
DCR上昇率は下記式(1)より算出し、また、出力密
度は、円筒型リチウムイオン電池20を充放電するとき
の上限電圧4.1Vとし、下限電圧2.5Vとして、下
記式(2)より算出した。
【0030】
【数1】
【0031】(パルスサイクル試験)パルスサイクル試
験は、5C相当の電流値で10秒間の充電と、10C相
当の電流値で5秒間の放電と、を2000時間連続的に
繰り返すことで行った。試験は、45°Cの雰囲気下で
行った。
【0032】下表2に、DCR上昇率及び出力密度の評
価結果を示す。
【0033】
【表2】
【0034】表1及び表2に示すように、マンガン酸リ
チウムの比表面積と目付け量を制御して表面積Sの比が
40以上の実施例1〜実施例8の円筒型リチウムイオン
電池20では、DCR上昇率が155%以下と低く抑え
られ優れたパルスサイクル特性を示した。中でも、比表
面積が0.80〜1.00m/gのマンガン酸リチウ
ムを用い、目付け量を80〜100g/mとした実施
例5〜実施例7の円筒型リチウムイオン電池20では、
出力密度も8000W/lを超え特に優れた出力特性を
示した。ところが、目付け量を150〜200g/m
と大きくした実施例3及び実施例4の円筒型リチウムイ
オン電池20では、出力密度がそれぞれ5200、36
00W/lと小さくなった。また、マンガン酸リチウム
の比表面積を0.34m/gと小さくした実施例8の
円筒型リチウムイオン電池20では、出力密度が520
0W/lと小さくなった。これに対して、表面積Sの比
が40を下回る比較例1及び比較例2の円筒型リチウム
イオン電池では、DCR上昇率がそれぞれ210%、2
05%にまで至る結果となり、出力密度もそれぞれ55
00W/l、5700W/lと小さくなった。
【0035】以上のように、本実施形態の円筒型リチウ
ムイオン電池20は、マンガン酸リチウムの比表面積と
目付け量を制御し表面積Sの比を40以上とすること
で、十分な電極反応面積を確保することができるので、
高負荷のパルス的な充放電サイクル時にも電極反応が充
放電に追従することができることから、DCR上昇率を
低く抑えることができると共に、マンガン酸リチウムの
表面局部に電流が集中することを回避することができる
ことから、マンガン酸リチウム表面の構造破壊が生じて
電極を劣化させることを回避することができる。従っ
て、円筒型リチウムイオン電池20では、高出力、長寿
命が実現される。
【0036】また、表面積Sの比を40以上としても、
マンガン酸リチウムの比表面積が0.35m/gを下
回る場合には、電極反応面積が不十分であるため、得ら
れる円筒型リチウムイオン電池20の出力密度が低下す
る(実施例8)ので、マンガン酸リチウムの比表面積は
0.35m/g以上とすることが望ましい。
【0037】更に、マンガン酸リチウムの目付け量が1
20g/mを超える場合には、正極合材層の厚さ方向
の電極抵抗成分の影響を受けるため、得られる円筒型リ
チウムイオン電池20の出力密度が低下する(実施例3
及び実施例4)。このことから、表面積Sの比が40以
上の場合には、同一体積の電池では目付け量が大きくな
ると電池缶内に収容できる電極面積が小さくなるため、
電池の出力密度が小さくなる傾向にあることが判明し
た。マンガン酸リチウムの目付け量を小さくして同一体
積の電池缶内に収容可能な電極面積を増加させ、比表面
積の大きなマンガン酸リチウムを用いても、表面積Sの
比が40に満たない場合(比較例1及び比較例2)に
は、得られるリチウムイオン電池のDCR上昇率が極端
に高くなり、十分な出力密度を得ることもできない。従
って、マンガン酸リチウムの目付け量は120g/m
以下とすることが望ましい。
【0038】更にまた、マンガン酸リチウムの比表面積
を0.80m/g以上とし、目付け量を100g/m
以下とすることで得られる実施例5〜実施例7の電池
は、他の実施例の電池に比べ、DCR上昇率を低く抑え
ることができると共に、出力密度を向上させることがで
きることも判明した。
【0039】また更に、本実施形態では、正極活物質
に、リチウムと資源量が豊富なマンガンの複酸化物であ
るマンガン酸リチウムを用いたので、円筒型リチウムイ
オン電池20を低コストで作製できるものと期待でき、
また、マンガン酸リチウムは、例えば、円筒型リチウム
イオン電池20の電圧監視回路が故障し過充電状態に陥
っても、コバルト酸リチウムやニッケル酸リチウムを正
極活物質に用いた場合より電池異常時の電極反応が穏や
かなので、安全性の点で優れている。
【0040】更に、本実施形態では、正極活物質とし
て、マンガン酸リチウムを用いたが、充放電により結晶
構造中にリチウムが挿入・脱離可能な材料であればよ
く、その結晶構造、すなわち、スピネル構造、層状岩塩
型構造を含む層状構造等に依存しない。また、結晶中の
マンガンやリチウムの一部をそれら以外の元素で置換あ
るいはドープした材料を使用するようにしてもよい。例
えば、化学式Li1+xMn2−x−yやLi
1+xMn1−x−yなどで表され、Mはマン
ガンの一部をLi、Fe、Co、Ni、Cr、Al、M
g、等の元素で置換したマンガン酸リチウム、具体的に
は化学式Li1.09Mn1.815Al .095
やLi1.0Mn0.5Ni0.5で表されるマ
ンガン酸リチウム等を用いることができ、結晶構造中の
一部の元素が欠損した欠損部を有するマンガン酸リチウ
ムであってもよい。
【0041】なお、本実施形態では、正極及び負極を捲
回した捲回式の構造の円筒型リチウムイオン電池20を
例示したが、本発明はこれに限定されることなく、積層
式の構造としたリチウムイオン電池にも適用可能であ
る。従って、本発明は電池の形状についても円筒型に限
定されるものではなく、角形、その他の多角形の電池に
も適用可能である。
【0042】また、本実施形態では、負極活物質に、晶
質の炭素材を用いた場合と比べて負極(圧延銅箔)への
密着性に優れる非晶質炭素を用いた例を示したが、天然
黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素材等を
使用してもよく、その粒子形状についても、鱗片状、球
状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。こ
のような炭素材を負極活物質に用いると、断面渦巻き状
に捲回して電極群を形成するときの可撓性に優れ、負極
からの負極活物質層の剥離離脱を防止することができ
る。
【0043】更に、本実施形態では、LiPFを電解
質とし、電解液溶媒としてエチレンカーボネートとジメ
チルカーボネートの混合溶媒を用いたが、電解質や電解
液溶媒としては特に制限されるものではない。例えば、
電解質としては、LiClO 、LiAsF、LiP
、LiBF、LiB(C)、CHSO
Li、CFSOLi等やこれらの混合物を用いた電
池においても同等の効果が確認されている。また、電解
液溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカ
ーボネート、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチロラ
クトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、
4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテ
ル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、
プロピオニトリル等またはこれらの2種類以上の混合溶
媒が用いた電池においても同等の効果が確認されてい
る。
【0044】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、正極
集電基材の片面単位面積に対する正極活物質の表面積S
(正極活物質の比表面積×正極活物質の重量)の比を4
0以上とすることで、電極反応面積を十分に確保するこ
とができ電極反応が充放電に追従することができるの
で、リチウム二次電池の出力を維持すると共に、正極活
物質の表面局部に電流が集中することもなく正極活物質
表面の構造破壊による電極の劣化が抑制されるので、リ
チウム二次電池の寿命を向上させることができる、とい
う効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施形態の円筒型リチウム
イオン電池の断面図である。
【符号の説明】
6 電極群 7 電池容器 20 円筒型リチウムイオン電池(リチウム二次電池)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 弘中 健介 東京都中央区日本橋本町二丁目8番7号 新神戸電機株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ05 AK03 AL08 AM03 AM07 BJ02 BJ14 DJ17 HJ01 HJ07 HJ13 5H050 AA02 AA07 BA17 CA09 CB09 DA02 FA05 FA19 HA01 HA07 HA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質にマンガン酸リチウム乃至該
    結晶中のリチウム及び/又はマンガンの一部を他の金属
    元素で置換したマンガン酸リチウムを用いた正極合材を
    正極集電基材に塗着した正極と、負極とを有する電極群
    を電解液に浸潤させたリチウム二次電池において、前記
    正極集電基材の片面単位面積に対する前記正極活物質の
    表面積S(正極活物質の比表面積×正極活物質の重量)
    の比が40以上であることを特徴とするリチウム二次電
    池。
  2. 【請求項2】 前記正極活物質の比表面積が0.35m
    /g以上であることを特徴とする請求項1に記載のリ
    チウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記正極活物質の重量が120g/m
    以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 前記正極活物質の比表面積が0.80m
    /g以上であり、かつ、前記正極活物質の重量が10
    0g/m以下であることを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 前記正極活物質がスピネル型結晶構造又
    は層状結晶構造を有することを特徴とする請求項1乃至
    請求項4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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