JP5320854B2 - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池の製造方法に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池は、携帯電話やノートパソコン等に使用される民生用非水電解質二次電池と比較して、極めて高い出力特性、及び高いエネルギーを有することが求められている。したがって、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有する非水電解質二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。
非水電解質二次電池は、通常電池を数回サイクル作動(すなわち充電・放電)させることによって、定常使用前に調整を行う。この際の初期充電の充電電流等の設定が、得られる電池の充放電容量等の電池性能に影響を与えることが知られ、それ故、種々の初期充電方法が検討されてきた。例えば、特許文献1では、充電開始から負極活物質にリチウムが挿入されるステージよりも前までの充電範囲内に、低速充電期間を設ける方法が提案されている。
特開2002−208440号公報
民生用の非水電解質二次電池は、電極膜厚が比較的薄いため、電極抵抗が低く、従来の充電方法によっても充放電効率が大きく影響されることは少なかった。
一方、車両用途で実用化レベルを満足する容量、エネルギー密度を持つ非水電解質二次電池得るために、一つの手段として、電極を厚膜化することが考えられる。しかしながら、電極を厚膜化することにより電極抵抗が大きくなり、従来の方法によっては、高容量で充放電効率に優れた非水電解質二次電池を得ることが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、初回充電時を、0.05×C(mA)以下の充電電流で、上限電圧まで定電流充電を行い、次いで上限電圧にて定電圧充電を行うことにより、優れた充放電効率を有する電池が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、車両用途等に最適な優れた充放電効率を有する非水電解質二次電池が得られる。
以下、本発明の非水電解質二次電池の製造方法について詳細に説明する。
本発明の好適な実施形態(以下、第1実施形態とも称する)は、正極および負極を組み立てて得られる電極組立物に対して、0.05×C(mA)以下の充電電流で、上限電圧まで定電流充電を行う工程と、上限電圧にて定電圧充電を行う工程と、を含む、非水電解質二次電池の製造方法である。
本実施形態においては、一定以下の電流で定電流充電を上限電圧まで行い(以下、「定電流充電段階」とも称する)、その後、上限電圧にて定電圧充電を行う(以下、「定電圧充電段階」とも称する)という2段階の充電段階を必須に含む。
定電流充電段階における充電電流は、0.05×C(mA)以下、より好ましくは0.025×C(mA)以下、さらに好ましくは0.01×C(mA)以下である。定電流充電段階における充電電流をかような範囲に制御することで、負極の不可逆容量を低減することが可能となる。
負極の初回充放電におけるクーロン効率は通常100%に満たず、放電できない容量は不可逆容量と呼ばれるが、SEI被膜中/上に存在するLiは不可逆容量の主たる原因である。SEI被膜とは、通常、非水電解質二次電池の初回充電時に負極活物質上に形成される被膜であって、不働態化層とも称される。SEI被膜は、電解液の分解を抑制し、サイクル特性を向上させるためには重要である。本発明のように、0.05×C(mA)以下の充電電流で定電流充電を行うことによって、電池の不可逆容量を低減することが可能となるが、これは、非常に低い電流で充電を行うことで、SEI被膜中/上のLi量を減らすことができるためであると考えられる。
定電流充電段階における充電電流は、少なければ少ないほど不可逆容量を減らすことができるため、充電電流の下限は特に制限されるものではない。ただし、生産性等の観点からは、充電電流は0.001×C(mA)以上であることが好ましく、0.005×C(mA)以上であることがより好ましい。
ここで、Cは、負極理論容量(対極をリチウムとした場合に初回に充電される容量)を1時間で放電しきる電流値を表す。負極理論容量は、きわめて小さい電流値(0Vに到達するまで20時間程度要する電流値)で定電流充電を行い、終止電圧0Vに到達後、0.1mA以下の電流値になるまで充電して得られる容量である。
定電流充電は、上限電圧に達するまで行う。上限電圧は特に制限されるものではないが、通常は3.5V以上である。より好ましくは4.0〜4.5Vであり、さらに好ましくは4.0〜4.3Vである。上限電圧が4.5V以下であると、優れた充放電効率の電池を得ることができる。また上限電圧が4.0V以上であると、放電容量を増加させることができる。
第1実施形態においては、定電流充電に次いで、上限電圧にて定電圧充電を行う。本願発明者らは、定電流充電を行うだけでは、負極が本来有する充電容量を最大限に活用できないことを見出した。上述したように、高容量の電池の要求が高まる中、定電流充電についで、さらに定電圧充電を行うことによって、簡便に電池の可逆可能な充電容量を増加させ、充放電効率を向上させることが可能となる。
定電圧充電は、セル電圧が上限電圧に達した後に上限電圧にて行う。定電圧充電においては、セル電圧が当該一定の電圧を超えないように電流量が絞られる。
定電圧充電における充電時間は、0.5時間以上であることが好ましく、3時間以上であることがより好ましく、5時間以上であることがさらに好ましい。このように一定時間以上、定電圧充電を行うことにより、可逆可能な充電容量が増し、優れた充放電効率を有する電池が得られる。なお、充電時間は長いほど可逆可能な充電容量が増すため、特に限定されるものではないが、生産性の観点からは、10時間以下であることが好ましく、5時間以下であることがより好ましい。
正極および負極を組み立てて得られる電極組立物は、上記充電が行える形態であれば、従来公知のいかなる電極組立物も用いることができる。通常、電極組立物を構成する部材と、充電後に得られる非水電解質二次電池を構成する部材とは同一である。すなわち、電極組立物は、上記定電流定電圧充電を行う前の非水電解質二次電池とも言える。以下、電極組立物の構造および構成部材について説明する。
図1は、電極組立物の代表的な一実施形態である、扁平型(積層型)の非双極型非水電解質二次電池の全体構造を模式的に表した断面概略図である。
図1に示すように、本実施形態の非双極型リチウムイオン二次電池10では、電池外装材22に高分子−金属を複合したラミネートフィルムを用いている。そして、ラミネートフィルムの周辺部の全部を熱融着にて接合することにより、発電要素(電池要素)17を収納し密封した構成を有している。ここで、発電要素(電池要素)17は、正極集電体11の両面に正極(正極活物質層)12が形成された正極板、電解質層13、および負極集電体14の両面に負極(負極活物質層)15が形成された負極板を積層した構成を有している。この際、一の正極板片面の正極(正極活物質層)12と前記一の正極板に隣接する一の負極板片面の負極(負極活物質層)15とが電解質層13を介して向き合うようにして、正極板、電解質層13、負極板の順に複数積層されている。
これにより、隣接する正極(正極活物質層)12、電解質層13、および負極(負極活物質層)15は、一つの単電池層16を構成する。したがって、本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、単電池層16が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。なお、発電要素(電池要素;積層体)17の両最外層に位置する最外層正極集電体11aには、いずれも片面のみに正極(正極活物質層)12が形成されている。なお、図1と正極板と負極板の配置を変えることで、発電要素(電池要素)17の両最外層に最外層負極集電体(図示せず)が位置するようにし、該最外層負極集電体の場合にも片面のみに負極(負極活物質層)15が形成されているようにしてもよい。
また、上記の各電極板(正極板及び負極板)と導通される正極タブ18および負極タブ19が、正極端子リード20および負極端子リード21を介して各電極板の正極集電体11及び負極集電体14に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられている。そして、正極タブ18および負極タブ19は上記熱融着部に挟まれて上記の電池外装材22の外部に露出される構造を有している。
(活物質層)
活物質層は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
負極活物質としては、従来公知の負極活物質を用いることができる。炭素材料;合金系負極材料;リチウム−チタン複合酸化物(チタン酸リチウム:LiTi12)等のリチウム−移金属複合酸化物;チタン酸カリウム、炭化チタン、二酸化チタン、酸化マグネシウム等が好適に例示される。出力特性、容量、反応性、サイクル耐久性の観点からは、炭素材料および合金系負極材料が好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても良い。
炭素材料としては、グラファイト、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。これらのうち、グラファイトがより好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても良い。
上記炭素材料としては、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン、カーボンファイバ等が挙げられる。これらのうち、グラファイトがさらに好ましい。
上記合金系負極材料としては、具体的には、ケイ素、スズ、アルミニウム、亜鉛、ゲルマニウム、鉛、マグネシウム、ナトリウム、ガリウム、およびインジウムからなる群より選択される少なくとも1種以上を含むことが好ましく、ケイ素またはスズを含むことがより好ましい。具体的な化合物としては、ケイ素、一酸化ケイ素、二酸化錫、炭化ケイ素、錫が挙げられる。好適な化合物は、ケイ素、一酸化ケイ素および二酸化スズであり、より好適な化合物は、ケイ素および一酸化ケイ素である。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても良い。
正極活物質としては、従来公知の正極活物質を用いることができる。例えば、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される、リチウム−遷移金属複合酸化物を好適に使用できる。具体的には、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。この他、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどが挙げられる。これらの正極活物質は、出力特性、容量、反応性、サイクル耐久性に優れ、また低コストでもある。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは1〜20μmである。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、活物質粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
正極活物質層および負極活物質層には、通常電解質が含まれる。
電解質としては、液体電解質(電解液)または液体電解質を含むゲル電解質が挙げられる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられうる有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;プロピオン酸メチルなどのエステル類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類;酢酸メチル、ギ酸メチルなどのエステル類;スルホラン;ジメチルスルホキシド;または3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オンなどが挙げられる。これらの可塑剤は、単独で使用されてもまたは2種以上混合して使用してもよい。SEI被膜が負極活物質表面上に形成しやすいため、可塑剤は、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、およびビニレンカーボネートからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、支持塩は、特に限定されず、公知の支持塩(リチウム塩)が使用できる。例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩;LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩などが挙げられ、これらのうち、LiPFが好ましく使用される。これらの支持塩は、単独で使用されてもまたは2種以上混合して使用してもよい。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系ポリマーには、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
ゲル電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
正極活物質層および負極活物質層に、含まれうるその他の添加剤としては、バインダ、導電助剤等が挙げられる。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、合成ゴム系バインダ、ポリイミド、ポリアミドイミド等が揚げられる。
導電助剤とは、正極活物質層または負極活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、気相成長炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。活物質層が導電助剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
正極活物質層および負極活物質層中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、非水電解質二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
各活物質層の厚さについても特に制限はなく、電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、各活物質層の厚さは、2〜100μm程度である。電極が膜厚化することにより、充放電効率が悪化する傾向にある。したがって、電極が厚い場合に、本発明の効果が顕著に得ることができると言えるため、活物質層、特に負極活物質層の厚さが炭素材料では40μm以上であることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい。また、合金系負極材料では5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15〜40μmであることがさらに好ましい。また、活物質層が上記下限以上であると、高エネルギー密度化に適した膜厚とも言える。
[電解質層]
電解質層13を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。液体電解質については、上述の電解質の欄で説明したので説明は割愛する。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない真性ポリマー電解質に分類される。ゲル電解質については、上述の電解質の欄で説明したので説明は割愛する。
なお、電解質層が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。したがって、電解質層が真性ポリマー電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
ゲル電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
[集電体]
正極集電体11および負極集電体14を構成する材料に特に制限はない。例えば、金属や導電性高分子が採用されうる。具体的には、例えば、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属材料が挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性、電池作動電位という観点からは、アルミニウム、銅が好ましい。
[タブ(正極タブおよび負極タブ)]
電池外部に電流を取り出す目的で、各集電体に電気的に接続されたタブ(正極タブ18および負極タブ19)が電池外装材の外部に取り出されている。具体的には、図1に示すように各正極集電体11に電気的に接続された正極タブ18と各負極集電体14に電気的に接続された負極タブ19とが、電池外装材22であるラミネートシートの外部に取り出される。
タブ(正極タブ18および負極タブ19)を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン電池用のタブとして従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。タブの構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましく、より好ましくは軽量、耐食性、高導電性の観点からアルミニウム、銅などが好ましい。なお、正極タブ18と負極タブ19とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。また、各集電体11、14を延長することにより正極タブ18および負極タブ19としてもよいし、別途準備した正極タブ18および負極タブ19を各集電体11、14に接続してもよい。
[正極および負極端子リード]
正極端子リード20および負極端子リード21に関しても、必要に応じて使用する。例えば、各集電体11、14から出力電極端子となる正極タブ18および負極タブ19を直接取り出す場合には、正極端子リード20および負極端子リード21は用いなくてもよい。
正極端子リード20および負極端子リード21の材料は、公知のリチウムイオン電池で用いられる端子リードを用いることができる。なお、電池外装材22から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆するのが好ましい。
[電池外装材]
電池外装材22としては、公知の金属缶ケースを用いることができほか、発電要素(電池要素)を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。本発明では、高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるラミネートフィルムが望ましい。
図2は、電極組立物の他の代表的な一実施形態である双極型の扁平型(積層型)のリチウムイオン二次電池(以下、単に双極型リチウムイオン二次電池、または双極型二次電池とも称する)の全体構造を模式的に表わした概略断面図である。
図2に示すように、本実施形態の双極型リチウムイオン二次電池30は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素(電池要素)37が、電池外装材42の内部に封止された構造を有する。本実施形態の双極型二次電池30の発電要素(電池要素)37は、1枚または2枚以上で構成される双極型電極34で電解質層35を挟み、隣合う双極型電極34の正極(正極活物質層)32と負極(負極活物質層)33とが対向するようになっている。ここで、双極型電極34は、集電体31の片面に正極(正極活物質層)32を設け、もう一方の面に負極(負極活物質層)33を設けた構造を有している。すなわち、双極型二次電池30では、集電体31の片方の面上に正極(正極活物質層)32を有し、他方の面上に負極(負極活物質層)33を有する双極型電極34を、電解質層35を介して複数枚積層した構造の発電要素(電池要素)37を具備してなる。
隣接する正極(正極活物質層)32、電解質層35および負極(負極活物質層)33は、一つの単電池層(=電池単位ないし単セル)36を構成する。従って、双極型二次電池30は、単電池層36が積層されてなる構成を有するともいえる。また、電解質層35からの電解液の漏れによる液絡を防止するために単電池層36の周辺部にはシール部(絶縁層)43が配置されている。該シール部(絶縁層)43を設けることで隣接する集電体31間を絶縁し、隣接する電極(正極32及び負極33)間の接触による短絡を防止することもできる。
なお、発電要素(電池要素)37の最外層に位置する正極側電極34a及び負極側電極34bは、双極型電極構造でなくてもよい。集電体31a、31b(または端子板)に必要な片面のみの正極(正極活物質層)32または負極(負極活物質層)33を配置した構造としてもよい。発電要素(電池要素)37の最外層に位置する正極側の最外層集電体31aには、片面のみに正極(正極活物質層)32が形成されているようにしてもよい。同様に、発電要素(電池要素)37の最外層に位置する負極側の最外層集電体31bには、片面のみに負極(負極活物質層)33が形成されているようにしてもよい。また、双極型リチウムイオン二次電池30では、上下両端の正極側最外層集電体31a及び負極側最外層集電体31bにそれぞれ正極タブ38および負極タブ39が、必要に応じて正極端子リード40及び負極端子リード41を介して接合されている。但し、正極側最外層集電体31aが延長されて正極タブ38とされ、電池外装材42であるラミネートシートから導出されていてもよい。同様に、負極側最外層集電体31bが延長されて負極タブ39とされ、同様に電池外装材42であるラミネートシートから導出される構造としてもよい。
また、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、発電要素(電池要素;積層体)37部分を電池外装材(外装パッケージ)42に減圧封入し、正極タブ38及び負極タブ39を電池外装材42の外部に取り出した構造とするのがよい。この双極型リチウムイオン二次電池30の基本構成は、複数積層した単電池層(単セル)36が直列に接続された構成ともいえるものである。
非双極型リチウムイオン二次電池と双極型リチウムイオン二次電池の各構成要件および製造方法に関しては、リチウムイオン二次電池内の電気的な接続形態(電極構造)が異なることを除いては、基本的には同様である。
[電極組立物の製造方法]
正極および負極の組立て方法は、従来公知の方法を採用することができる。例えば、積層型電池の場合には、まず、活物質、導電剤およびバインダーなどの電極材料を含む電極スラリーの混合物をスラリー粘度調製溶媒に分散して正極活物質スラリーおよび負極活物質スラリーを調製し、集電体に上記スラリーを塗布する。
スラリー粘度調製溶媒としては、特に制限されることはないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられる。スラリーはホモジナイザーまたは混練装置などを用いて溶媒および固形分よりインク化される。スラリーを集電体に塗布するための塗布手段も特に限定されないが、例えば、自走型コータ、ドクターブレード法、スプレー法などの一般に用いられる手段が採用されうる。
続いて、集電体の表面に形成された塗膜を乾燥させる。これにより、塗膜中の溶媒が除去される。塗膜を乾燥させるための乾燥手段も特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、加熱処理が例示される。乾燥条件(乾燥時間、乾燥温度など)は、スラリーの塗布量やスラリー粘度調製溶媒の揮発速度に応じて適宜設定されうる。得られた乾燥物はプレスすることによって電極の密度や厚みが調整され、正極および負極が得られる。
その後、正極と負極がセパレータを介して対向するように積層させることにより、単電池を作製するとよい。そして、単電池の数が所望の数となるまでセパレータおよび電極の積層を繰り返す。
第1実施形態の非水電解質二次電池の製造方法により得られる非水電解質二次電池(以下、第2実施形態とも称する)は不可逆容量が抑制されるとともに、充電容量が増加する。したがって、充放電効率の優れた非水電解質二次電池が得られる。第2実施形態の非水電解質二次電池の製造直後の充放電効率は、負極活物質が炭素材料または酸素原子を含まない合金系負極材料の場合、90%以上であることが好ましく、90〜95%であることがより好ましく、90〜93%であることがさらに好ましい。充放電効率は高ければ高いほど好ましい。一方で、不可逆容量の主因となるSEI被膜は、電解液の分解を抑制し、サイクル特性を向上させるためには重要である。したがって、電池のサイクル特性を考慮すると、Liがある程度消費されてSEI被膜が形成されることが好ましく、充放電効率は上記範囲内が適当である。
酸素原子を含まない合金系負極材料としては、例えば、ケイ素、錫などが挙げられる。
また、負極活物質が酸素原子を含む合金系負極材料の場合、第2実施形態の非水電解質二次電池の製造直後の充放電効率は、75%以上であることが好ましい。さらに、75〜90%であることがより好ましい。充放電効率は高ければ高いほど好ましい。一方で、不可逆容量の主因となるSEI被膜は、電解液の分解を抑制し、サイクル特性を向上させるためには重要である。したがって、電池のサイクル特性を考慮すると、Liがある程度消費されてSEI被膜が形成されることが好ましく、充放電効率は上記範囲内が適当である。
酸素原子を含む合金系負極材料としては、例えば、一酸化ケイ素、二酸化錫、炭化ケイ素などが挙げられる。
本発明の第3実施形態は、負極活物質が炭素材料または酸素原子を含まない合金系負極材料であり、負極中のLi量の合計に対して、負極活物質中の充放電可能なLi量が90モル%以上である、非水電解質二次電池である。より好ましくは、負極活物質中の充放電可能なLi量が90〜95モル%であり、さらに好ましくは、90〜93モル%である。
「負極中のLi量の合計」は、負極活物質中の充放電可能なLi量と不可逆なLi量(放電されないLi量)との合計である。「不可逆なLi量」とは、その後の放電に寄与することのないLi量を指す。不可逆なLiは、SEI被膜中/上や、放電後の負極活物質内に存在し、主にSEI被膜上に存在する。負極活物質中の充放電可能なLi量を90モル%以上に制御することで、充放電効率が優れた電池となる。一方で、SEI被膜中/上のLi量を減らしすぎるとサイクル寿命等が悪化するため、負極活物質中の充放電可能なLi量を95モル%以下に制御する(不可逆なLi量は5モル%以上とする)ことが好ましい。
さらに、本発明の第4実施形態は、負極活物質が酸素原子を含む合金系負極材料であり、負極中のLi量の合計に対して、負極活物質中の充放電可能なLi量が75モル%以上である非水電解質二次電池である。より好ましくは、負極中のLi量の合計に対して、負極活物質中の充放電可能なLi量が75〜90モル%である。不可逆なLiは、SEI被膜中/上や、負極活物質内に、主にSEI被膜上に存在する。負極活物質中の充放電可能なLi量を75モル%以上に制御することで、充放電効率が優れた電池となる。一方で、サイクル寿命等の理由により、負極活物質中の充放電可能なLi量を90モル%以下に制御する(不可逆なLi量は10モル%以上とする)ことが好ましい。
本明細書において、負極活物質中の充放電可能なLi量は、放電に利用可能なLi量とする。したがって、電池の放電容量を測定した後、下記式(1)によりLi量を測定することができる。
Figure 0005320854
なお、非水電解質二次電池が満充電されていない場合には、一旦完全放電した後に、きわめて小さい電流値(満充電に達するまで20時間程度要する電流値)で定電流充電を行った後に、充電時と同じ電流値で放電容量を測定する。
本明細書において、負極中のLi量の合計は、負極活物質中の充放電可能なLi量と、不可逆なLi量との合計とする。
不可逆なLi量(mol)は、電池を完全放電(0V)した後に、電極を取り出し、ICP質量分析を行うことにより算出することができる。
また、非水電解質二次電池の不可逆なLi量は、初回の充放電容量が把握できる場合には、下記式(2)により簡便に算出することができる。
Figure 0005320854
また、負極活物質中の充放電可能なLi量は、初回放電容量より、下記式(3)により算出することができる。
Figure 0005320854
したがって、初回の充放電容量が把握できる場合には、上記式(2)および上記式(3)より算出される、不可逆なLi量および負極活物質中の充放電可能なLi量より、負極中のLi量に対する負極活物質中の充放電可能なLi量の比率が下記のように算出される。
Figure 0005320854
上記式において、初回放電容量(mAh)/初回充電容量(mAh)=初回充放電効率(%)であるので、負極中のLi量に対する負極活物質中の充放電可能なLi量の比率は、初回の充放電効率と同等となる。
第3および第4実施形態の非水電解質二次電池は、第1実施形態の製造方法により容易に得ることができる。第1実施形態の製造方法によれば、上記のようにSEI被膜上のLi量を低減して、不可逆容量を低減するができ、電池容量を増加させることが可能となったものと推測される。
第3よび第4実施形態の非水電解質二次電池の構造および構成部材は、第1実施形態の欄で説明したものと同様である。
[非水電解質二次電池の外観構成]
図3は、本発明に係る非水電解質二次電池の代表的な実施形態である積層型の扁平な非双極型あるいは双極型のリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図3に示すように、積層型の扁平なリチウムイオン二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。発電要素(電池要素)57は、リチウムイオン二次電池50の電池外装材52によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素(電池要素)57は、正極タブ58及び負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素(電池要素)57は、先に説明した図1あるいは図2に示す非双極型あるいは双極型のリチウムイオン二次電池10、30の発電要素(電池要素)17、37に相当するものである。また、正極(正極活物質層)12、32、電解質層13、35および負極(負極活物質層)15、33で構成される単電池層(単セル)16、36が複数積層されたものである。
なお、本発明のリチウムイオン電池は、図1、2に示すような積層型の扁平な形状のものに制限されるものではない。巻回型のリチウムイオン電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよい。上記円筒型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。
また、図3に示すタブ58、59の取り出しに関しても、特に制限されるものではない。正極タブ58と負極タブ59とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ58と負極タブ59をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、図3に示すものに制限されるものではない。また、巻回型のリチウムイオン電池では、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
本発明の非水電解質二次電池の構造としては、特に限定されず、形態・構造で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など、従来公知のいずれの形態・構造にも適用し得るものである。また、非水電解質二次電池内の電気的な接続形態(電極構造)で見た場合、(内部並列接続タイプ)電池および双極型(内部直列接続タイプ)電池のいずれにも適用し得るものである。
[組電池]
本発明の組電池は、本発明の非水電解質二次電池を複数個接続して構成した物である。詳しくは少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。なお、本発明の組電池では、非双極型リチウムイオン二次電池と双極型リチウムイオン二次電池を用いて、これらを直列に、並列に、または直列と並列とに、複数個組み合わせて、組電池を構成することもできる。
また、図4は、本発明に係る組電池の代表的な実施形態の外観図であって、図4Aは組電池の平面図であり、図4Bは組電池の正面図であり、図4Cは組電池の側面図である。
図4に示すように、本発明に係る組電池300は、本発明のリチウムイオン二次電池が複数、直列に又は並列に接続して装脱着可能な小型の組電池250を形成する。この装脱着可能な小型の組電池250をさらに複数、直列に又は並列に接続して、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に適した大容量、大出力を持つ組電池300を形成することもできる。図4Aは、組電池の平面図、図4Aは正面図、図4Cは側面図を示しているが、作成した装脱着可能な小型の組電池250は、バスバーのような電気的な接続手段を用いて相互に接続し、この組電池250は接続治具310を用いて複数段積層される。何個の非双極型ないし双極型のリチウムイオン二次電池を接続して組電池250を作製するか、また、何段の組電池250を積層して組電池300を作製するかは、搭載される車両(電気自動車)の電池容量や出力に応じて決めればよい。
[車両]
本発明の車両は、本発明の非水電解質二次電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を搭載したことを特徴とするものである。本発明の非水電解質二次電池は優れた充放電効率であるから、こうした電池を搭載するとEV走行距離の長いプラグインハイブリッド電気自動車や、一充電走行距離の長い電気自動車を構成できる。言い換えれば、本発明の非水電解質二次電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池は、車両の駆動用電源として用いられうる。車両としては、例えば、自動車ならばハイブリット車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)が挙げられる。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、他の車両、例えば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
図5は、本発明の組電池を搭載した車両の概念図である。
図5に示したように、組電池300を電気自動車400のような車両に搭載するには、電気自動車400の車体中央部の座席下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、組電池300を搭載する場所は、座席下に限らず、後部トランクルームの下部でもよいし、車両前方のエンジンルームでも良い。以上のような組電池300を用いた電気自動車400は十分な出力を提供しうる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1〜8、比較例1〜5)
(1)正極の作製
正極活物質として、LiMn(平均粒子径10μm)(85wt%)、導電助剤として、アセチレンブラック(5wt%)、バインダーとして、PVdF(10wt%)を混合した。前記混合物に対して、溶媒としてN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を加えて十分に撹拌してスラリーを調製した。集電体(アルミニウム(材料名)、厚さ20μm)の片面に上記のスラリーを塗布し、乾燥させた。集電体を20mmΦで打ち抜いて正極を得た。乾燥後の正極活物質層の厚さは、80μmであった。
(2)負極の作製
負極活物質として、グラファイト(商品名;MAGD20、日立化成社製)(90wt%)、バインダーとして、PVdF(10wt%)を混合した。前記混合物に対して、溶媒としてNMPを加えて十分に撹拌してスラリーを調製した。集電体(銅(材料名)、厚さ10μm)の片面に上記のスラリーを塗布し、乾燥させた。集電体を14mmΦで打ち抜いて負極を得た。乾燥後の負極活物質層の厚さは、40μmであった。
(3)電極組立物の作製
電極、およびセパレータ(ポリエチレン製多孔質フィルム)を積層した。この積層体を外装ケースに載置後、電解液(エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)=4/6(体積比)混合液にLiPFが1Mの濃度に溶解した溶液)を注液した。この後、絶縁用のガスケットを用いて封口することによりコイン型の電極組立物を作製した。
(4)充電工程
下記表1および表2における条件で、前記電極組立物の充電を行って、リチウムイオン二次電池を得た。この電池の理論容量(C)は、2mAhである。
実施例1〜3および比較例1〜4は、定電流段階での電流値を種々変更したものである。また、実施例4〜8は、定電圧段階での充電時間を種々変更したものである。
Figure 0005320854
Figure 0005320854
(充放電効率の評価)
実施例1〜8および比較例1〜5のリチウムイオン二次電池について、充放電効率(%)=放電容量(mAh)/充電容量(mAh)を求めた。放電条件は、0.2×C(mA)で行った。なお、充放電効率は、負極中のLi量の合計に対する、負極活物質中の充放電可能なLi量の比率に等しい。
充放電効率の結果を下記表3、表4および図6に示す。
Figure 0005320854
Figure 0005320854
以上の結果から、本発明の非水電解質二次電池は、充放電効率に優れたものであることが示された。
(実施例9〜16、比較例6〜10)
(1)正極の作製
実施例1と同様にして正極を作製した。
(2)負極の作製
負極活物質として、Si(90wt%)、バインダーとして、PVdF(10wt%)を混合し、前記混合物に対して、溶媒としてNMPを加えて十分に撹拌してスラリーを調製した。集電体(銅(材料名)、厚さ10μm)の片面に上記のスラリーを塗布し、乾燥させた。集電体を14mmΦで打ち抜いて負極を得た。乾燥後の負極活物質層の厚さは、5μmであった。
(3)電極組立物の作製
実施例1と同様にしてコイン型の電極組立物を作製した。
(4)充電工程
下記表5および表6における条件で、前記電極組立物の充電を行って、リチウムイオン二次電池を得た。この電池の理論容量は、2mAhである。
実施例9〜11および比較例6〜9は、定電流段階での電流値を種々変更したものである。また、実施例12〜16は、定電圧段階での充電時間を種々変更したものである。
Figure 0005320854
Figure 0005320854
(充放電効率の評価)
実施例実施例9〜16、比較例6〜10のリチウムイオン二次電池について、充放電効率を求めた。
充放電効率の結果を下記表7および表8に示す。
Figure 0005320854
Figure 0005320854
以上の結果から、本発明の非水電解質二次電池は、充放電効率に優れたものであることが示された。
(実施例17〜24、比較例11〜15)
(1)正極の作製
実施例1と同様にして正極を作製した。
(2)負極の作製
負極活物質として、SiO(90wt%)、バインダーとして、PVdF(10wt%)を混合し、前記混合物に対して、溶媒としてNMPを加えて十分に撹拌してスラリーを調製した。集電体(銅(材料名)、厚さ10μm)の片面に上記のスラリーを塗布し、乾燥させた。集電体を14mmΦで打ち抜いて負極を得た。乾燥後の負極活物質層の厚さは、7μmであった。
(3)電極組立物の作製
実施例1と同様にしてコイン型の電極組立物を作製した。
(4)充電工程
下記表9および表10における条件で、前記電極組立物の充電を行って、リチウムイオン二次電池を得た。この電池の理論容量は、2mAhである。
実施例17〜19および比較例11〜14は、定電流段階での電流値を種々変更したものである。また、実施例20〜24は、定電圧段階での充電時間を種々変更したものである。
Figure 0005320854
Figure 0005320854
(充放電効率の評価)
実施例実施例17〜24、比較例11〜15のリチウムイオン二次電池について、充放電効率を求めた。
充放電効率の結果を下記表11、表12および図7に示す。
Figure 0005320854
Figure 0005320854
以上の結果から、本発明の非水電解質二次電池は、充放電効率に優れたものであることが示された。
本発明のリチウムイオン電池の代表的な一実施形態である積層型の扁平な非双極型リチウムイオン二次電池の概要を模式的に表した断面概略図である。 本発明のリチウムイオン電池の代表的な他の一実施形態である積層型の扁平な双極型リチウムイオン二次電池の概要を模式的に表した断面概略図である。 本発明に係るリチウムイオン電池の代表的な実施形態である積層型の扁平なリチウムイオン二次電池の外観を模式的に表した斜視図である。 本発明に係る組電池の代表的な実施形態を模式的に表した外観図であって、図4Aは組電池の平面図であり、図4Bは組電池の正面図であり、図4Cは組電池の側面図である。 本発明の組電池を搭載した車両の概念図である。 実施例1〜3および比較例1〜4の非水電解質二次電池の充放電効率と電流値との関係をプロットした図である。 実施例17〜19および比較例11〜14の非水電解質二次電池の充放電効率と電流値との関係をプロットした図である。
符号の説明

10 非双極型リチウムイオン二次電池、
11 正極集電体、
11a 最外層正極集電体、
12、32 正極(正極活物質層)、
13、35 電解質層、
14 負極集電体、
15、33 負極(負極活物質層)、
16、36 単電池層(=電池単位ないし単セル)、
17、37、57 発電要素(電池要素;積層体)、
18、38、58 正極タブ、
19、39、59 負極タブ、
20、40 正極端子リード、
21、41 負極端子リード、
22、42、52 電池外装材(たとえばラミネートフィルム)、
30 双極型リチウムイオン二次電池、
31 集電体、
31a 正極側の最外層集電体、
31b 負極側の最外層集電体、
34 双極型電極、
34a、34b 最外層に位置する電極、
43 シール部(絶縁層)、
50 リチウムイオン二次電池、
250 小型の組電池、
300 組電池、
310 接続治具、 400 電気自動車。

Claims (5)

  1. 正極および負極活物質として炭素材料を含む負極を組み立てて得られる電極組立物に対して、0.025×C(mA)以下の充電電流で、上限電圧まで定電流充電を行う工程と、
    前記上限電圧にて定電圧充電を行う工程と、
    を含む、非水電解質二次電池の製造方法。
  2. 前記上限電圧が、4.0〜4.5Vである、請求項1に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  3. 正極および負極活物質として合金系材料を含む負極を組み立てて得られ電極組立物に対して、0.025×C(mA)以下の充電電流で、上限電圧まで定電流充電を行う工程と、
    前記上限電圧にて定電圧充電を行う工程と、
    を含み、
    上記上限電圧が4.0〜4.3Vであり、
    非水電解質の溶媒がフッ素含有溶媒を含まない、非水電解質二次電池の製造方法。
  4. 前記定電圧充電を0.5時間以上行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  5. 前記負極の厚さが40μm以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
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