JP2003307257A - 車両用自動変速機 - Google Patents

車両用自動変速機

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JP2003307257A
JP2003307257A JP2002113232A JP2002113232A JP2003307257A JP 2003307257 A JP2003307257 A JP 2003307257A JP 2002113232 A JP2002113232 A JP 2002113232A JP 2002113232 A JP2002113232 A JP 2002113232A JP 2003307257 A JP2003307257 A JP 2003307257A
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JP
Japan
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gear
shaft
input
automatic transmission
vehicle
Prior art date
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Application number
JP2002113232A
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English (en)
Inventor
Toshio Kobayashi
利雄 小林
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to US10/412,253 priority patent/US6860168B1/en
Priority to EP03252421A priority patent/EP1355086B1/en
Publication of JP2003307257A publication Critical patent/JP2003307257A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H47/00Combinations of mechanical gearing with fluid clutches or fluid gearing
    • F16H47/06Combinations of mechanical gearing with fluid clutches or fluid gearing the fluid gearing being of the hydrokinetic type

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸方向寸法を短くし得る車両用自動変速機を
提供する。 【解決手段】 自動変速機は同心上に配置された第1入
力軸10aおよび第2入力軸10bと、これらに平行と
なった出力軸19とを有し、入力軸10a,10bと出
力軸19との間には複数の変速歯車列が設けられてい
る。入力軸10a,10bおよび出力軸19に平行に入
力切換軸20が配置され、入力切換軸20には第1入力
軸10aに対して動力伝達状態と遮断状態とに切り換え
る第1摩擦クラッチ31と、第2入力軸10bに対して
動力伝達状態と遮断状態とに切り換える第2摩擦クラッ
チ31が設けられている。エンジンのクランク軸48と
入力切換軸20との間にはトルクコンバータ49が設け
られ、エンジン動力は入力切換軸20へ迂回させて第1
摩擦クラッチ31または第2摩擦クラッチ32を介して
出力軸19に伝達される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平行軸式の車両用自
動変速機に関し、特に、終減速装置が内蔵された横置き
式のトランスアクスル型の自動変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】平行軸式の変速機は、複数の駆動歯車が
設けられた入力軸と、この入力軸に平行に配置され駆動
歯車にそれぞれ噛合う複数の被駆動歯車が設けられた出
力軸とを有している。駆動歯車と被駆動歯車とにより形
成される複数の変速歯車列の中から動力伝達を行う変速
歯車列を噛合いクラッチにより切り換えることによって
変速操作が行われる。手動変速機にあっては運転者がシ
フトレバーを操作することによって噛合いクラッチが駆
動されて変速動作が行われる。この噛合いクラッチを油
圧アクチュエータで駆動するようにすると、平行軸式の
手動変速機を基本的構成とする自動的変速機とすること
ができる。
【0003】エンジンと変速機からなるパワーユニット
をエンジン房内に横向きに配置するようにした平行軸式
の自動変速機としては、特開昭60-256656号公報に開示
されるものがある。この変速機は、エンジンのクランク
軸に連結された駆動軸と、その外側に同心上に配置され
それぞれ複数の駆動歯車が設けられた2つの中空の入力
軸とを有し、駆動軸の一端部には一方の入力軸と駆動軸
とを連結する第1の摩擦クラッチが配置され、駆動軸の
他端部には他方の入力軸と駆動軸とを連結する第2の摩
擦クラッチが配置されている。この変速機にあっては、
それぞれの摩擦クラッチを選択的に係合させるとともに
噛合いクラッチによりいずれかの変速歯車列を動力伝達
状態に切り換えることによって所定の変速段に設定する
ことができる。
【0004】また、特開平10-89456号公報は、2つの摩
擦クラッチを備えた平行軸式の変速機を開示している。
この変速機は同心上に配置されてそれぞれ複数の駆動歯
車が設けられた2つの入力軸を有し、それぞれの入力軸
の一端部とクランク軸との間には摩擦クラッチが設けら
れ、噛合クラッチを切り換える時に2つの摩擦クラッチ
を切り換えるようにしており、電子制御スロットル弁の
制御を連動させながら変速が行われる。
【0005】さらに、特開平11-264449号公報は、駆動
歯車が設けられた中間軸と被駆動歯車が設けられた出力
軸とを有し、エンジンのクランク軸の回転を中間軸に伝
達する摩擦クラッチと、副軸を介して出力軸に伝達する
摩擦クラッチとが出力軸の延長方向に配置するようにし
た変速機を開示する。
【0006】このように、手動変速機の機構を基本構成
とする自動変速機における変速操作を、摩擦クラッチと
噛合いクラッチとを連動させながら円滑に行うようにし
ようとすると、上述した先行技術に開示されるように、
2つの摩擦クラッチをエンジンと変速機との間に設けた
り、変速機の両端に設けることが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、運転席
前方のエンジン房内にエンジンと変速機を横置きに配置
するパワーユニットとして2つの摩擦クラッチを有する
従来の平行軸式の自動変速機を適用すると、摩擦クラッ
チとその作動制御機器を含めて変速機が長大化すること
になる。特に、制御性、耐久性および信頼性を考慮して
摩擦クラッチとして乾式クラッチに変えて湿式クラッチ
を採用しようとすると、変速機周辺のスペースや変速機
自体の設計自由度が悪化し、変速機全長の長大化が避け
られない。
【0008】前述したそれぞれの公報に開示されるよう
に、エンジンと変速機との間に2つの摩擦クラッチを設
けたり、入力軸の延長上に2つの摩擦クラッチを配置す
るようにした変速機は、変速機の全長が長くなるので、
エンジンを多気筒化したり排気量を増大化させること
は、車両の幅方向の寸法に制約される。また、変速機の
幅方向寸法が大きくなると、車両の前面や側面などの衝
突に対応させるため、エンジン房内に十分なクラッシュ
ストロークのスペースを確保することができなくなり、
変速機の車載性を満足させることが困難になるとともに
車の外観やパッケージングに大きな影響を与える不都合
がある。
【0009】特に、エンジンのクランク軸にトルクコン
バータを設けるようにした場合には、トルクコンバータ
を含めた変速機の全長が長大化することになる。
【0010】上述した先行技術にあっては、摩擦クラッ
チを入力軸や出力軸の延長上に配置するようにしている
ので、手動変速機の部品や生産設備を最大限に共用する
ことが難しい。さらに、車両を滑らかに発進させるため
に発進クラッチを微妙に制御したり、変速ショックを無
くすように円滑な変速を行うには、油圧の増減制御を高
機能化しなければならず、高い生産性を確保するには、
手動変速機と自動変速機の共用化を犠牲にしなければな
らない。
【0011】本発明の目的は、軸方向寸法を短くし得る
車両用自動変速機を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、エンジン房内に横置
きに配置され、全長を短くし得る車両用自動変速機を提
供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、トルクコンバータを
有し、全長を短くし得る車両用自動変速機を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用自動変速
機は、複数の駆動歯車を備えた第1入力軸と、前記第1
入力軸に同心上に回転自在に装着され複数の駆動歯車を
備えた第2入力軸と、それぞれの前記入力軸に平行に配
置され前記駆動歯車に常時噛合ってそれぞれ変速歯車列
を形成する複数の被駆動歯車を備えた出力軸とを有する
車両用自動変速機であって、それぞれの前記入力軸およ
び前記出力軸に平行に配置され、前記第1入力軸に動力
を伝達する状態と遮断する状態とに切り換える第1摩擦
係合要素、および前記第2入力軸に動力を伝達する状態
と遮断する状態とに切り換える第2摩擦係合要素を備え
る入力切換軸と、エンジンのクランク軸に連結される入
力部と前記入力切換軸に連結される出力部とを有するト
ルクコンバータと、前記複数の変速歯車列を動力伝達状
態と遮断状態とに切り換える複数の噛合いクラッチとを
有し、エンジン動力を前記入力切換軸へ迂回させて前記
第1摩擦係合要素または前記第2摩擦係合要素を介して
前記出力軸に動力を伝達することを特徴とする。
【0015】本発明の車両用自動変速機は、駆動側入力
歯車を備え前記トルクコンバータの前記出力部に連結さ
れた駆動歯車軸を前記第1と第2入力軸の延長上に配置
し、前記駆動側入力歯車に噛合う被駆動側入力歯車を前
記入力切換軸に設けたことを特徴とする。また、本発明
の車両用自動変速機は、前記第1入力軸に設けられたい
ずれかの駆動歯車に噛合う第1切換歯車を前記入力切換
軸に回転自在に設けるとともに前記第1摩擦係合要素の
出力部に連結し、前記第2入力軸に設けられたいずれか
の駆動歯車に噛合う第2切換歯車を前記入力切換軸に回
転自在に設けるとともに前記第2摩擦係合要素の出力部
に連結したことを特徴とする。
【0016】本発明の車両用自動変速機は、前記第1切
換歯車と前記第2切換歯車との間に前記第1および第2
摩擦係合要素を設けたことを特徴とする。また、本発明
の車両用自動変速機は、前記第1および第2摩擦係合要
素を前記第1切換歯車と前記第2切換歯車よりも外側に
位置させて前記入力切換軸の端部に設けたことを特徴と
する。
【0017】本発明の車両用自動変速機は、前記第1入
力軸に設けられた複数の駆動歯車は奇数と偶数の一方の
変速段用変速歯車列を形成し、前記第2入力軸に設けら
れた複数の駆動歯車は奇数と偶数の他方の変速段用変速
歯車列を形成することを特徴とする。また、本発明の車
両用自動変速機は、エンジンの吸入空気量を調整してエ
ンジン回転数を出力軸回転数に同期制御する電子制御ス
ロットルを有することを特徴とする。
【0018】本発明の車両用自動変速機は、駆動側ロー
タおよび従動側ロータを備え、変速機端部に配置される
油圧ポンプと、前記第1および第2入力軸の内部を貫通
して前記クランク軸を前記ロータに連結するポンプ駆動
軸とを有することを特徴とする。また、本発明の車両用
自動変速機は、前記油圧ポンプをトランスミッションケ
ースに装着し、前記油圧ポンプから吐出される作動油を
前記トルクコンバータおよび摩擦クラッチなどの油圧作
動機器に供給することを特徴とする。
【0019】本発明の車両用自動変速機は、前記トルク
コンバータは前記入力部と前記出力部とを締結するロッ
クアップクラッチを有し、それぞれの前記摩擦クラッチ
の係合と開放に連動して前記ロックアップクラッチの締
結と開放を行うことを特徴とする。
【0020】本発明の車両用自動変速機は、前記入力切
換軸に回転自在に設けられる後退用第1駆動歯車と、前
記後退用第1駆動歯車に噛合って前記出力軸に設けられ
る後退用被駆動歯車と、前記第1および第2入力軸の一
方に設けられた駆動歯車と噛合って前記入力切換軸に回
転自在に設けられる後退用第2駆動歯車と、前記後退用
第1駆動歯車と前記後退用第2駆動歯車とを連結状態と
遮断状態とに切り換える後退用噛合いクラッチとを有す
ることを特徴とする。
【0021】本発明の車両用自動変速機は、前記第1と
第2入力軸の一方に取り付けられた後退用駆動歯車と、
前記出力軸に設けられて一体に回転する後退用被駆動歯
車と、前記後退用駆動歯車および前記後退用被駆動歯車
に噛合う状態と噛合いを解く状態とに切換移動するアイ
ドラ歯車と、このアイドラ歯車を切換移動させる後退用
噛合いクラッチとを有することを特徴とする。また、本
発明の車両用自動変速機は、前記アイドラ歯車を介して
エンジン動力を前記後退用被駆動歯車に伝達する状態に
設定するとともに、前記2つの摩擦係合要素のいずれか
を所定時間動力伝達状態に設定して後退段に切り換える
ことを特徴とする。
【0022】本発明の車両用自動変速機は、それぞれの
前記摩擦係合要素はアクセル開度に応じて係合力を徐々
に変化させて滑りながらエンジン動力を前記出力軸に伝
達して車両を発進させ、所定の車速またはエンジン回転
数で係合力を高めて直結することを特徴とする。本発明
の車両用自動変速機は、前記出力軸およびこれに組み付
けられる部品を手動変速機と共用することを特徴とす
る。
【0023】本発明にあっては、それぞれ複数の駆動歯
車が設けられた同心上の第1と第2の入力軸と駆動歯車
に噛合う被駆動歯車が設けられた出力軸とに平行に入力
切換軸が配置され、エンジン動力をトルクコンバータを
介して入力切換軸に伝達し、入力切換軸から入力軸に伝
達するようにしたので、トルクコンバータを含めて変速
機の全長を短くすることができる。入力切換軸と入力軸
との間には複数の摩擦クラッチが設けられており、エン
ジン動力をいずれかの摩擦クラッチを介して入力軸に伝
達することにより、エンジントルクを出力軸に伝達しな
がら変速操作を行うことができる。自動変速機の全長を
手動変速機と同様の寸法とすることができるので、自動
変速機を構成するトランスミッションケース、変速歯車
列および出力軸などの部品を手動変速機としても使用す
ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形
態である車両用自動変速機を示すスケルトン図であり、
図2は図1に示す自動変速機の断面図であり、図3は図
2におけるA−A線に沿う方向の断面図である。
【0025】トランスミッションケース9内には中空の
第1入力軸10aが回転自在に装着され、この第1入力
軸10aの端部には中空の第2入力軸10bがニードル
軸受を介して回転自在に装着されており、2つの入力軸
10a,10bは同心上となっている。第1入力軸10
aには第1速の駆動歯車11aと、第3速の駆動歯車1
3aと、第5速の駆動歯車15aとがそれぞれ一体に設
けられている。一方、第2入力軸10bには第2速の駆
動歯車12aと、第4速の駆動歯車14aとがそれぞれ
一体に設けられている。ただし、第1入力軸を中空と
し、第2入力軸を第1入力軸の中空孔内に回転自在に装
着するようにしても良い。
【0026】トランスミッションケース9内には同心上
の2つの入力軸10a,10bに平行となって回転自在
に出力軸19が設けられており、この出力軸19にはそ
れぞれの駆動歯車11a〜15aに常時噛合って変速歯
車列を形成する被駆動歯車11b〜15bが回転自在に
設けられている。第1入力軸10aと出力軸19との間
に設けられる変速歯車列は第1速と第3速と第5速の奇
数段の変速歯車列を形成し、第2入力軸10bと出力軸
19との間に設けられる変速歯車列は第2速と第4速の
偶数段の変速歯車列を形成している。
【0027】それぞれの入力軸10a,10bおよび出
力軸19に対して平行となってトランスミッションケー
ス9内には入力切換軸20が回転自在に装着されてい
る。この入力切換軸20には、第3速の駆動歯車13a
と常時噛合う第1切換歯車21と、第4速の駆動歯車1
4aと常時噛合う第2切換歯車22とが回転自在に設け
られている。図2に示すように、第1切換歯車21は入
力切換軸20の外側に回転自在に嵌合されたスリーブ2
3に固定され、第2切換歯車22は入力切換軸20の外
側に回転自在に嵌合されたスリーブ24と一体となって
いる。
【0028】このように、変速機は同心上の入力軸10
a,10bとこれと平行な出力軸19とこれらに平行な
入力切換軸20との3軸構成となっており、変速機の軸
方向の全長を短くすることができ、エンジンと変速機と
をエンジン房内に横置きに配置しても、車両の幅方向寸
法に制約されることなく、変速機の車載性を向上させる
ことができ、エンジン房内に十分なクラッシュスペース
を確保することができる。
【0029】入力切換軸20には後退用第1駆動歯車1
6a1が回転自在に設けられ、図3に示されるように、
後退用第1駆動歯車16a1に噛合う後退用被駆動歯車
16bが出力軸19に一体に取り付けられている。図2
は図3に示した矢印B−B線に沿う断面図であり、図1
および図2においては後退用第1駆動歯車16a1と後
退用被駆動歯車16bは離れた状態となって示されてい
るが、両方の歯車16a1,16bは図3に示すように
直接噛合っている。入力切換軸20には第1入力軸10
aに設けられた駆動歯車11aに噛合う後退用第2駆動
歯車16a2が回転自在に設けられている。後退用の2
つの駆動歯車16a1,16a2と後退用被駆動歯車1
6bとにより後退用の歯車列が形成されている。
【0030】入力切換軸20にはそれぞれ湿式多板式の
第1摩擦クラッチ31と第2摩擦クラッチ32とが摩擦
係合要素として設けられている。第1摩擦クラッチ31
は入力切換軸20に固定された筒体25に取り付けられ
る第1クラッチドラム33aと、第1切換歯車21に固
定されるクラッチハブ34aとを有し、クラッチドラム
33aの内側には複数枚の摩擦プレート35aが組み付
けられ、クラッチハブ34aの外側には摩擦プレート3
6aが組み付けられている。図2に示すように、第1ク
ラッチドラム33a内には油圧ピストン37aが配置さ
れており、油室38a内に作動油を供給することにより
それぞれの摩擦プレート35a,36aは係合状態とな
る。このように係合状態となると、入力切換軸20は第
1切換歯車21を介して第1入力軸10aに連結され
る。作動油を排出すると戻りばね39aのばね力によっ
て係合状態は解除される。油室38a内に供給する作動
油の圧力を調整することにより、摩擦プレート35a,
36aの係合力を調整することができる。
【0031】第2摩擦クラッチ32は筒体25に取り付
けられる第2クラッチドラム33bと、第2切換歯車2
2に固定されるクラッチハブ34bとを有しており、ク
ラッチドラム33bとクラッチハブ34bとの間には、
第1摩擦クラッチ31と同様に、摩擦プレート35b,
36bが組み付けられている。さらに、第2クラッチド
ラム33b内に配置された油圧ピストン37bを油室3
8bに供給される作動油によって加圧すると、摩擦プレ
ート35b,36bは係合状態となる。このように係合
状態となると、入力切換軸20は第2切換歯車22を介
して第2入力軸10bに連結される。作動油を排出する
と戻りばね39bによって係合状態は解除され、油室3
8b内に供給する作動油の圧力を調整することにより、
摩擦プレート35b,36bの係合力が調整される。
【0032】第1速と第3速の変速歯車列をそれぞれ動
力伝達状態に切り換える位置と、いずれにも動力を伝達
しない中立位置とに切り換えるために出力軸19には第
1の噛合いクラッチ41が設けられ、第2速と第5速の
変速歯車列をそれぞれ動力伝達状態に切り換える位置
と、いずれにも動力を伝達しない中立位置とに切り換え
るために出力軸19には第2の噛合いクラッチ42が設
けられている。さらに、第4速の変速歯車列を動力伝達
状態に切り換える位置と、動力を伝達しない中立位置と
に切り換えるために出力軸19には第3の噛合いクラッ
チ43が設けられ、後退用の変速歯車列を動力伝達状態
に切り換える位置と、動力を伝達しない中立位置とに切
り換えるために入力切換軸20には第4の噛合いクラッ
チ44が設けられている。
【0033】それぞれの噛合いクラッチ41〜44は、
シンクロメッシュ機構つまり同期噛合い機構によって形
成されており、噛合いクラッチ41〜43は出力軸19
に固定されたシンクロハブ41a〜43aと、これと一
体に回転し軸方向に移動自在に設けられたシンクロスリ
ーブ41b〜43bとを有している。また、第4の噛合
いクラッチ44は後退用第1駆動歯車16a1に設けら
れたシンクロハブ44aと、これ一体に回転し軸方向に
移動自在に設けられたシンクロスリーブ44bとを有し
ている。たとえば、第1の噛合いクラッチ41のシンク
ロスリーブ41bを第1速の被駆動歯車側のクラッチギ
ヤとシンクロナイザーリングとに噛み合わせると第1速
の変速歯車列が動力伝達状態に切り換えられる。なお、
図1および図2においては、シンクロナイザーリングは
省略されている。
【0034】入力軸10a,10bの延長上には駆動歯
車軸45が配置されてトランスミッションケース9に回
転自在に装着され、この駆動歯車軸45に設けられた駆
動側入力歯車46に噛合う被駆動側入力歯車47が入力
切換軸20に取り付けられている。駆動歯車軸45には
エンジン動力が入力されるようになっており、エンジン
動力は駆動歯車軸45から入力切換軸20にまず伝達さ
れる。このエンジン26にはエンジントルクやエンジン
回転数を調整する電子制御スロットル27が設けられて
おり、通常は図示しないアクセルペダルの踏み込み量に
応じた電子制御装置からの出力信号により電子制御スロ
ットル27を開閉してエンジン制御が行われる。また、
電子制御スロットル27は必要に応じてアクセルペダル
の踏み込み量に関係なく、検出された運転状況により予
め設定されたマップなどに基づいて開閉しエンジン制御
が行われる。
【0035】エンジン動力を入力切換軸20に伝達する
ために、駆動歯車軸45とエンジンのクランク軸48と
の間にはトルクコンバータ49が設けられている。
【0036】出力軸19には終減速装置50の減速小歯
車51が取り付けられ、この減速小歯車51は減速大歯
車52に噛合っており、この終減速装置50はトランス
ミッションケース9内に組み込まれている。減速大歯車
52に取り付けられたデファレンシャルケース53には
それぞれ駆動輪に連結される2本の車軸54a,54b
が回転自在に装着され、それぞれの車軸54a,54b
には傘歯車からなるサイドギヤ55a,55bが固定さ
れている。デファレンシャルケース53に車軸54a,
54bに直角方向に延びて固定されたビニオン軸56に
は、それぞれサイドギヤ55a,55bに噛合うピニオ
ンギヤ57a,57bが回転自在に取り付けられてい
る。
【0037】図2に示すように、トルクコンバータ49
はポンプインペラ61が設けられたアウターシェル62
と、これに固定されるフロントカバー63とを有し、フ
ロントカバー63はクランク軸48に取り付けられたド
ライブプレート64に固定されている。ポンプインペラ
61に対向してタービンランナ65が配置され、タービ
ンランナ65はタービン出力軸68を介して駆動歯車軸
45に連結され、タービンランナ65にはロックアップ
クラッチ66が固定されている。ポンプインペラ61と
タービンランナ65の間に配置されるステータ67は、
ワンウエイクラッチを介して駆動歯車軸45の外側に配
置されている。
【0038】同心上の第1と第2入力軸10a,10b
の内部にはポンプ駆動軸69が回転自在に貫通してお
り、このポンプ駆動軸69の一端部はトルクコンバータ
49の中心部を貫通してクランク軸48に連結されてい
る。トランスミッションケース9には、変速機の端部に
位置させて油圧ポンプ74が配置されており、油圧ポン
プ74は駆動側ロータ74aと従動側ロータ74bとを
有し、駆動側ロータ74aにはポンプ駆動軸69の他端
部が連結されている。この油圧ポンプ74から吐出され
る作動油は、摩擦クラッチ31,32およびトルクコン
バータ49などの油圧作動機器に供給されるようになっ
ている。
【0039】上述した変速機における第1速から第5速
の変速歯車列と後退用の変速歯車列のそれぞれを動力伝
達状態と遮断状態とに切り換えるために、図3に示すよ
うに、トランスミッションケース9内には出力軸19に
平行に3本のフォークロッド71〜73が軸方向に往復
動自在に装着されている。第1のフォークロッド71に
取り付けられるシフタフォーク71aはシンクロスリー
ブ41bに係合し、第2のフォークロッド72に取り付
けられるシフタフォーク72aはシンクロスリーブ42
bに係合している。そして、第3のフォークロッド73
には、シンクロスリーブ43bに係合するシフタフォー
ク73aと、シンクロスリーブ44bに係合するシフタ
フォーク73bとが取り付けられている。
【0040】図4は上述の自動変速機の作動を制御する
ための油圧制御装置を示す概略図であり、エンジンによ
り駆動される油圧ポンプ74から供給される作動油をシ
フトアクチュエータ75とセレクトアクチュエータ76
の2つの油圧アクチュエータに供給するとともに、2つ
の摩擦クラッチ31,32の油圧ピストン37a,37
bに供給することにより自動的に変速操作が行われる。
シフトアクチュエータ75は矢印Xで示す方向に直線往
復動するとともに2位置に位置決め停止するようになっ
ており、セレクトアクチュエータ76は矢印Yで示す方
向に直線往復動するとともに3位置に位置決め停止する
ようになっている。これらの直線往復動は図示しないリ
ンク機構を介してフォークロッド71〜73に切換動作
として伝達される。セレクトアクチュエータ76の作動
によって3本のフォークロッド71〜73のいずれをシ
フトアクチュエータ75により作動させるかが選択さ
れ、シフトアクチュエータ76によってそれぞれのフォ
ークロッド71〜73が駆動される。この2つのアクチ
ュエータ75,76の駆動により、第1速から第5速ま
での変速段と後退段のいずれかが設定される。
【0041】図4に示すように、シフトアクチュエータ
75とセレクトアクチュエータ76と2つの摩擦クラッ
チ31,32の油圧ピストン37a,37bにポンプ7
4から供給される作動油の圧力を調整するために、電磁
弁V1〜V6のソレノイドには電子制御ユニットECUか
ら制御信号が送られるようになっている。電子制御ユニ
ットECUには、運転者がセレクトレバーによってドライ
ブレンジ、リバースレンジ、パーキングレンジおよびニ
ュートラルレンジのいずれが選択されたかを検出するた
めのインヒビタスイッチ77と、エンジン回転数を検出
するエンジン回転数センサ78と、ブレーキが操作され
たことを検出するブレーキスイッチ79などの各種セン
サからの検出信号が送られるようになっている。
【0042】上述した自動変速機において、第1速の変
速段による車両走行時には、第1摩擦クラッチ31が係
合状態になり、第1の噛合いクラッチ41のシンクロス
リーブ41bが第1速の被駆動歯車11bに噛合う。こ
れにより、エンジンから減衰ダンパー49を介して入力
切換軸20に伝達されたエンジン動力は、第1摩擦クラ
ッチ31と第1速の変速歯車列を介して出力軸19に伝
達される。第2速の変速段による車両走行時には、第2
摩擦クラッチ32が係合状態になり、第2の噛合いクラ
ッチ42のシンクロスリーブ42bが第2速の被駆動歯
車12bに噛合う。これにより、エンジンから減衰ダン
パー49を介して入力切換軸20に伝達されたエンジン
動力は、第2摩擦クラッチ32と第2速の変速歯車列を
介して出力軸19に伝達される。
【0043】さらに、第3速の変速段では第1摩擦クラ
ッチ31が係合状態になり、第1の噛合いクラッチ41
が被駆動歯車13bに噛合い、第4速の変速段では第2
摩擦クラッチ32が係合状態になり、第3の噛合いクラ
ッチ43が被駆動歯車14bに噛合う。第5速の変速段
では第1摩擦クラッチ31が係合状態となり、第2の噛
合いクラッチ42が被駆動歯車15bに噛合う。さら
に、後退段が選択されたときには、第1摩擦クラッチ3
1が係合状態になり、第4の噛合いクラッチ44が後退
用第2駆動歯車16a2に噛合うことになる。
【0044】図5は各変速段における2つの摩擦クラッ
チ31,32の係合状態と、ギヤ比を示す動力伝達表を
示す。図5において、Pレンジはパーキングレンジ、R
レンジはリバースレンジ、Nレンジはニュートラルレン
ジを示し、各摩擦クラッチ31,32については○は係
合している状態を示し、×は解放状態を示す。また、Z
1a〜Z5aは第1速から第5速の駆動歯車11a〜15a
の歯数を示し、Z1b〜Z5bは第1速からの第5速の被駆
動歯車11b〜15bの歯数を示す。さらに、ZP1は第
1切換歯車21の歯数、ZP2は第2切換歯車22の歯
数、ZR1は後退用駆動歯車16aの歯数、ZR2は後退用
被駆動歯車16bの歯数、ZR3はアイドラ歯車17の歯
数、ZF1は減速小歯車51の歯数、ZF2は減速大歯車5
2の歯数、ZD1は駆動側入力歯車46の歯数、ZD2は被
駆動側入力歯車47の歯数をそれぞれ示す。第1速のギ
ヤ比は約3.3であり、第2速のギヤ比は約2.1であり、第
3速のギヤ比は約1.3であり、第4速のギヤ比は約1.0で
あり、第5速のギヤ比は約0.8であり、後退段のギヤ比
は約3.5である。
【0045】次に、上述した自動変速機における変速操
作について説明する。まず、運転者が操作レバーつまり
セレクトレバーをニュートラル位置やパーキング位置に
操作すると、2つの摩擦クラッチ31,32は開放状態
となるとともに、それぞれの噛合いクラッチ41〜44
は中立位置となる。この状態では、エンジン動力は駆動
輪には伝達されない。
【0046】次いで、停止状態の車両を第1速で発進さ
せるには、第1の噛合いクラッチ41のシンクロスリー
ブ41bを第1速の被駆動歯車11bに噛み合わせて第
1速の変速歯車列を動力伝達状態とし、奇数段側の第1
摩擦クラッチ31を緩く係合させる。これにより、エン
ジン動力は入力切換軸20を介して第1速の変速歯車列
に伝達され、アクセル操作に伴って第1摩擦クラッチ3
1の係合力を強めることにより滑らかに滑らせながら、
エンジントルクが出力軸19に伝達され、所定の車速や
エンジン回転数以上となったら、第1摩擦クラッチ31
を締結状態とする。一方、雪道などの滑り易い路面で車
両を発進させるには、たとえば、偶数段である第2速の
変速歯車列を介して動力伝達を行うべく、第2の噛合い
クラッチ42のシンクロスリーブ42bを第2速の被駆
動歯車12bに噛み合わせて第2速の変速歯車列を動力
伝達状態とし、第2摩擦クラッチ32の係合力を徐々に
高める。これにより、駆動輪には急激な駆動力が加えら
れず、滑り易い路面でも確実に車輪が路面をグリップし
て発進が可能となる。
【0047】車両の走行状態に応じて、たとえば、第1
速から第2速に変速するときは、予め車速とアクセル開
度などで決まる変速速度線図や変速マップなどに従い、
第2の噛合いクラッチ42のシンクロスリーブ42bを
第2速の被駆動歯車12bに噛み合わせて空転状態の第
2速の変速歯車列を動力伝達可能状態に切り換える。こ
のようにして、第2速へのアップシフトが可能となった
状態のもとで、第2摩擦クラッチ32を係合し、第1摩
擦クラッチ31を開放させるとともに噛合いクラッチ4
1のシンクロスリーブ41bを中立位置に戻す。
【0048】第2速から第3速などの他のアップシフト
変速においても、2つの摩擦クラッチ31,32の係合
と開放とを行って同様に変速操作を行うことができる。
このように、アップシフトを行う場合には、遊星歯車式
の自動変速機におけるクラッチツークラッチ変速の要領
で2つの摩擦クラッチを円滑に係合および開放させるこ
とによって、変速ショックを発生させることなく円滑な
変速機能を確保することができる。このように、1段毎
の変速操作にあっては、奇数段用と偶数段用の2つの摩
擦クラッチ31,32を交互に作動させることになる。
【0049】また、車両を後退移動させる際には、噛合
いクラッチ44のシンクロスリーブ44bを後退用第2
駆動歯車16a2に噛み合わせた後に、摩擦クラッチ3
1を係合させる。
【0050】一方、たとえば、加速開始して車速が所定
の速度まで達した状態のもとで、急にアクセルペダルを
戻した場合には、予め変速マップによって、第1速から
第3速または第4速などへ飛び越え変速をさせる場合が
ある。この場合、奇数段から偶数段には上述した要領に
したがってアップシフトさせる。これに対して、第1速
から第3速へのアップシフトのように、奇数段同士の変
速の場合には、係合状態の摩擦クラッチ31を一旦開放
してから噛合いクラッチ41のシンクロスリーブ41b
を第3速の被駆動歯車13bに噛み合わせ、次いで摩擦
クラッチ31を係合させる。このようにして、変速ショ
ックを発生させることなく、円滑に飛び越し変速を行う
ことができる。
【0051】また、ダウンシフト変速を行う場合にも、
基本的にはアップシフト変速と同様に、2つの摩擦クラ
ッチ31,32とそれぞれの噛合いクラッチを制御する
ことにより行うことができる。ダウンシフト変速は通常
の減速のみのならず、飛び越し変速も行うことができ
る。
【0052】特に、ロックアップクラッチ66を備えた
トルクコンバータ49が設けられており、エンジンには
電子制御スロットルが設けられているので、変速時には
エンジン動力をロックアップクラッチ66を係合させて
入力軸に伝達する直結状態とロックアップクラッチ66
を開放した状態とに制御するとともに、2つの摩擦クラ
ッチ31,32の係合と開放とを制御することにより円
滑に変速制御を行うことができる。たとえば、第1速か
ら第3速または第5速に飛び越え変速したり、逆に第5
速から第2速または第3速に飛び越え変速する場合に
は、変速比の差が大きいので駆動力の変化が急になる
が、エンジンの吹き上がりを促したり、ロックアップク
ラッチ66の結合度合いを制御して、変速ショックを軽
減させて滑らかに変速段の切換を行うことができる。
【0053】図6は本発明の他の実施の形態である車両
用自動変速機を示すスケルトン図であり、図6において
は図1に示した部材と共通する部材には同一の符号が付
されている。この自動変速機は後退段の変速歯車列の構
成が前述した場合と相違しており、後退用駆動歯車16
aは第1入力軸10aに一体に設けられ、後退用被駆動
歯車16bは第1噛合いクラッチ41のシンクロスリー
ブ41bに取り付けられている。これらの歯車16a,
16bに噛合う位置と離れる位置とに移動自在にアイド
ラ歯車17がアイドラ軸17aに設けられており、アイ
ドラ歯車17は噛合いクラッチ44により噛合う位置と
離れる位置とに駆動される。したがって、噛合いクラッ
チ41が中立位置のときにアイドラ歯車17を両方の歯
車16a,16bに噛み合わせると変速機は後退段とな
る。
【0054】図6にあっては、便宜的にアイドラ歯車1
7が後退用駆動歯車16aのみに噛合った状態で示され
ているが、アイドラ歯車17は後退用被駆動歯車16b
にも噛合っている。アイドラ歯車17を両方の歯車16
a,16bに噛合う位置と離れる位置とに移動させるた
めの噛合いクラッチ44は選択摺動式の噛合いクラッチ
となっている。この場合には、運転者が操作レバーをリ
バース位置に操作したときには、摩擦クラッチ31を解
放状態とし、まず、噛合いクラッチ44によりアイドラ
歯車17を後退用駆動歯車16aと後退用被駆動歯車1
6bとに噛合わせる。このように、アイドラ歯車17を
介して動力伝達状態に設定した後に、摩擦クラッチ31
を係合状態として後退段が設定される。このように、後
退段への変速操作を行うことにより、後退用噛合いクラ
ッチとして選択摺動式を装着しても、ギヤ鳴りを発生さ
せることなく、円滑に変速操作を行うことができる。
【0055】図7は本発明の他の実施の形態である車両
用自動変速機を示すスケルトン図であり、図7において
は図1に示した部材と共通する部材には同一の符号が付
されている。この自動変速機おける2つの摩擦クラッチ
31,32が入力切換軸20の端部に配置されており、
図1に示した場合よりも摩擦クラッチ31,32の摩擦
プレートの外形を大きくすることができ、トルク伝達の
高い場合にも適用することができる。なお、摩擦クラッ
チ31,32のクラッチドラム33a,33bは1つの
ドラムによって形成することができる。
【0056】図8は本発明の他の実施の形態である車両
用自動変速機を示すスケルトン図であり、図8において
は前述した部材と共通する部材には同一の符号が付され
ている。この自動変速機にあっては、入力切換軸20の
外側に中空軸28が回転自在に装着され、この中空軸2
8の一端部には摩擦クラッチ31のクラッチハブ34a
が固定され、他端部には第1切換歯車21が固定されて
いる。この切換歯車21は後退用第1駆動歯車16a1
と被駆動側入力歯車47との間に配置されており、第1
入力軸10aに固定された駆動歯車21aに噛合ってい
る。したがって、前述した変速機では入力切換軸20か
ら第1入力軸10aに対しては第3速用の駆動歯車13
aを介してエンジン動力を伝達するようにしているのに
対して、この変速機にあっては、変速段を構成しない駆
動歯車21aを介して入力切換軸20から第1入力軸1
0aのエンジン動力を伝達するようにしている。この駆
動歯車21aの歯数は駆動歯車13aとほぼ同一に設定
されている。
【0057】一方、入力切換軸20から第2入力軸10
bに対しては、前述した変速機と同様に、第4速用の駆
動歯車14aに噛合う第2入力切換歯車22を介してエ
ンジン動力が伝達される。このように、入力切換軸20
から第1および第2の入力軸10a,10bに対するエ
ンジン動力の伝達は、変速用の歯車を介して行うように
しても良く、変速用歯車以外の動力伝達用の歯車を介し
て行うようにしても良い。図8に示すタイプの変速機に
あっても、後退用歯車列を図6に示す構造としても良
く、2つの摩擦クラッチ31,32を図7に示すように
配置するようにしても良い。
【0058】前述したそれぞれの自動変速機を構成する
種々の部品は、そのまま手動変速機の部品としても使用
することができる。たとえば、図示した自動変速機にお
ける第1と第2の入力軸10a,10bを1つの入力軸
とし、摩擦クラッチ31,32を取り外し、入力切換軸
20を交換すれば、そのままトランスミッションケー
ス、出力軸19、および変速歯車列などを手動変速機の
部品としても共用することができる。さらに、変速機の
生産設備も自動変速機と手動変速機とについて共用する
ことができる。
【0059】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。たとえば、2つの摩擦クラッチ31,32はそれ
ぞれ湿式多板式の油圧クラッチであるが、電磁クラッチ
を用いるようにしても良い。また、変速段の数は図示す
る場合には前進5段となっているが、前進6段としても
良い。さらに、図示する変速機にあっては、入力軸を第
1と第2の2つにより形成したが、3つあるいはそれ以
上の入力軸を設け、入力切換軸20から3つあるいはそ
れ以上の動力伝達経路を介してエンジン動力を入力軸に
伝達するようにしても良い。また、油圧ポンプ74をエ
ンジンによらず電動モータにより駆動するようにしても
良い。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、それぞれ複数の駆動歯
車が設けられた同心上の第1と第2の入力軸と駆動歯車
に噛合う被駆動歯車が設けられた出力軸とに平行に入力
切換軸を配置し、エンジン動力をトルクコンバータおよ
び入力切換軸を介して入力軸に伝達するようにしたの
で、トルクコンバータを含めて変速機の全長を短くする
ことができる。
【0061】入力切換軸と入力軸との間に複数の摩擦ク
ラッチを設けたので、それぞれの摩擦クラッチを切換る
ことにより変速操作を円滑に行うことができ、飛び越し
変速をも円滑に行うことができる。
【0062】自動変速機の全長を手動変速機と同様の寸
法とすることができるので、自動変速機を構成するトラ
ンスミッションケース、変速歯車列および出力軸などの
部品を手動変速機としても使用することができるととも
にそれぞれの生産設備を共用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である車両用自動変速機
を示すスケルトン図である。
【図2】図1に示す自動変速機の断面図である。
【図3】図2におけるA−A線に沿う方向の断面図であ
る。
【図4】自動変速機の作動を制御するための油圧制御装
置を示す概略図である。
【図5】各変速段における2つの摩擦クラッチの係合状
態と、ギヤ比を示す動力伝達表である。
【図6】本発明の他の実施の形態である車両用自動変速
機を示すスケルトン図である。
【図7】本発明の他の実施の形態である車両用自動変速
機を示すスケルトン図である。
【図8】本発明の他の実施の形態である車両用自動変速
機を示すスケルトン図である。
【符号の説明】
9 トランスミッションケース 10a 第1入力軸 10b 第2入力軸 11a〜15a 駆動歯車 11b〜15b 被駆動歯車 16a1 後退用第1駆動歯車 16a2 後退用第2駆動歯車 16b 後退用被駆動歯車 17 アイドラ歯車 19 出力軸 20 入力切換軸 21 第1切換歯車 22 第2切換歯車 26 エンジン 27 電子制御スロットル 31 第1摩擦クラッチ 32 第2摩擦クラッチ 33a,33b クラッチドラム 34a,34b クラッチハブ 41〜44 噛合いクラッチ 41a〜44a シンクロハブ 41b〜44b シンクロスリーブ 45 駆動歯車軸 46 駆動側入力歯車 47 被駆動側入力歯車 49 トルクコンバータ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年2月25日(2003.2.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】出力軸19には終減速装置50の減速小歯
車51が取り付けられ、この減速小歯車51は減速大歯
車52に噛合っており、この終減速装置50はトランス
ミッションケース9内に組み込まれている。減速大歯車
52に取り付けられたデファレンシャルケース53には
それぞれ駆動輪に連結される2本の車軸54a,54b
が回転自在に装着され、それぞれの車軸54a,54b
には傘歯車からなるサイドギヤ55a,55bが固定さ
れている。デファレンシャルケース53に車軸54a,
54bに直角方向に延びて固定されたニオン軸56に
は、それぞれサイドギヤ55a,55bに噛合うピニオ
ンギヤ57a,57bが回転自在に取り付けられてい
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】上述した自動変速機において、第1速の変
速段による車両走行時には、第1摩擦クラッチ31が係
合状態になり、第1の噛合いクラッチ41のシンクロス
リーブ41bが第1速の被駆動歯車11bに噛合う。こ
れにより、エンジンからトルクコンバータ49を介して
入力切換軸20に伝達されたエンジン動力は、第1摩擦
クラッチ31と第1速の変速歯車列を介して出力軸19
に伝達される。第2速の変速段による車両走行時には、
第2摩擦クラッチ32が係合状態になり、第2の噛合い
クラッチ42のシンクロスリーブ42bが第2速の被駆
動歯車12bに噛合う。これにより、エンジンからトル
クコンバータ49を介して入力切換軸20に伝達された
エンジン動力は、第2摩擦クラッチ32と第2速の変速
歯車列を介して出力軸19に伝達される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】一方、入力切換軸20から第2入力軸10
bに対しては、前述した変速機と同様に、第4速用の駆
動歯車14aに噛合う第2切換歯車22を介してエンジ
ン動力が伝達される。このように、入力切換軸20から
第1および第2の入力軸10a,10bに対するエンジ
ン動力の伝達は、変速用の歯車を介して行うようにして
も良く、変速用歯車以外の動力伝達用の歯車を介して行
うようにしても良い。図8に示すタイプの変速機にあっ
ても、後退用歯車列を図6に示す構造としても良く、2
つの摩擦クラッチ31,32を図7に示すように配置す
るようにしても良い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J028 EA25 EB07 EB13 EB31 EB33 EB37 EB54 EB62 EB66 FA06 FA13 FB04 FC32 FC42 FC64 GA03 HA14 HB08 HB09 3J552 MA04 MA12 MA26 NA01 NB04 PA67 UA02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の駆動歯車を備えた第1入力軸と、
    前記第1入力軸に同心上に回転自在に装着され複数の駆
    動歯車を備えた第2入力軸と、それぞれの前記入力軸に
    平行に配置され前記駆動歯車に常時噛合ってそれぞれ変
    速歯車列を形成する複数の被駆動歯車を備えた出力軸と
    を有する車両用自動変速機であって、それぞれの前記入
    力軸および前記出力軸に平行に配置され、前記第1入力
    軸に動力を伝達する状態と遮断する状態とに切り換える
    第1摩擦係合要素、および前記第2入力軸に動力を伝達
    する状態と遮断する状態とに切り換える第2摩擦係合要
    素を備える入力切換軸と、 エンジンのクランク軸に連結される入力部と前記入力切
    換軸に連結される出力部とを有するトルクコンバータ
    と、 前記複数の変速歯車列を動力伝達状態と遮断状態とに切
    り換える複数の噛合いクラッチとを有し、 エンジン動力を前記入力切換軸へ迂回させて前記第1摩
    擦係合要素または前記第2摩擦係合要素を介して前記出
    力軸に動力を伝達することを特徴とする車両用自動変速
    機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用自動変速機におい
    て、駆動側入力歯車を備え前記トルクコンバータの前記
    出力部に連結された駆動歯車軸を前記第1と第2入力軸
    の延長上に配置し、前記駆動側入力歯車に噛合う被駆動
    側入力歯車を前記入力切換軸に設けたことを特徴とする
    車両用自動変速機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の車両用自動変
    速機において、前記第1入力軸に設けられた駆動歯車に
    噛合う第1切換歯車を前記入力切換軸に回転自在に設け
    るとともに前記第1摩擦係合要素の出力部に連結し、前
    記第2入力軸に設けられた駆動歯車に噛合う第2切換歯
    車を前記入力切換軸に回転自在に設けるとともに前記第
    2摩擦係合要素の出力部に連結したことを特徴とする車
    両用自動変速機。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車
    両用自動変速機において、前記第1切換歯車と前記第2
    切換歯車との間に前記第1および第2摩擦係合要素を設
    けたことを特徴とする車両用自動変速機。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車
    両用自動変速機において、前記第1および第2摩擦係合
    要素を前記第1切換歯車と前記第2切換歯車よりも外側
    に位置させて前記入力切換軸の端部に設けたことを特徴
    とする車両用自動変速機。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車
    両用自動変速機において、前記第1入力軸に設けられた
    複数の駆動歯車は奇数と偶数の一方の変速段用変速歯車
    列を形成し、前記第2入力軸に設けられた複数の駆動歯
    車は奇数と偶数の他方の変速段用変速歯車列を形成する
    ことを特徴とする車両用自動変速機。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の車
    両用自動変速機において、エンジンの吸入空気量を調整
    してエンジン回転数を出力軸回転数に同期制御する電子
    制御スロットルを有することを特徴とする車両用自動変
    速機。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の車
    両用自動変速機において、駆動側ロータおよび従動側ロ
    ータを備え、変速機端部に配置される油圧ポンプと、前
    記第1および第2入力軸の内部を貫通して前記クランク
    軸を前記ロータに連結するポンプ駆動軸とを有すること
    を特徴とする車両用自動変速機。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の車両用自動変速機におい
    て、前記油圧ポンプをトランスミッションケースに装着
    し、前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記トルク
    コンバータおよび摩擦クラッチなどの油圧作動機器に供
    給することを特徴とする車両用自動変速機。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    車両用自動変速機において、前記トルクコンバータは前
    記入力部と前記出力部とを締結するロックアップクラッ
    チを有し、それぞれの前記摩擦クラッチの係合と開放に
    連動して前記ロックアップクラッチの締結と開放を行う
    ことを特徴とする車両用自動変速機。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の車両用自動変速機において、前記入力切換軸に回転自
    在に設けられる後退用第1駆動歯車と、前記後退用第1
    駆動歯車に噛合って前記出力軸に設けられる後退用被駆
    動歯車と、前記第1および第2入力軸の一方に設けられ
    た駆動歯車と噛合って前記入力切換軸に回転自在に設け
    られる後退用第2駆動歯車と、前記後退用第1駆動歯車
    と前記後退用第2駆動歯車とを連結状態と遮断状態とに
    切り換える後退用噛合いクラッチとを有することを特徴
    とする車両用自動変速機。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の車両用自動変速機において、前記第1と第2入力軸の
    一方に取り付けられた後退用駆動歯車と、前記出力軸に
    設けられて一体に回転する後退用被駆動歯車と、前記後
    退用駆動歯車および前記後退用被駆動歯車に噛合う状態
    と噛合いを解く状態とに切換移動するアイドラ歯車と、
    このアイドラ歯車を切換移動させる後退用噛合いクラッ
    チとを有することを特徴とする車両用自動変速機。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の車両用自動変速機
    において、前記アイドラ歯車を介してエンジン動力を前
    記後退用被駆動歯車に伝達する状態に設定するととも
    に、前記2つの摩擦係合要素のいずれかを所定時間動力
    伝達状態に設定して後退段に切り換えることを特徴とす
    る車両用自動変速機。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の車両用自動変速機において、それぞれの前記摩擦係合
    要素はアクセル開度に応じて係合力を徐々に変化させて
    滑りながらエンジン動力を前記出力軸に伝達して車両を
    発進させ、所定の車速またはエンジン回転数で係合力を
    高めて直結することを特徴とする車両用自動変速機。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1項に記載
    の車両用自動変速機において、前記出力軸およびこれに
    組み付けられる部品を手動変速機と共用することを特徴
    とする車両用自動変速機。
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