JP2003306657A - 接着性樹脂組成物および接着性フィルム - Google Patents
接着性樹脂組成物および接着性フィルムInfo
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Abstract
ともに、被着体を回収する際には、容易に被着体を剥離
し得る接着性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 下記(A)、(B)および(C)
成分を含有する接着性樹脂組成物;該接着性樹脂組成物
をフィルム化してなる接着性フィルム;支持基材上に該
接着性フィルムを積層してなる接着性積層フィルム;該
接着性フィルム及び/又は該接着性積層フィルムの接着
性フィルム層に被着体を積層し、該積層物を(C)成分
の分解温度未満で加熱して得られる、接着剤層と被着体
とを有する積層体;及び該積層体を(C)成分の分解温
度以上にて加熱することにより積層体から被着体を剥離
することを特徴とする被着体の回収方法である。 (A):エポキシ基を含有するオレフィン樹脂 (B):硬化剤 (C):加熱分解型発泡剤
Description
するオレフィン樹脂と硬化剤と加熱分解型発泡剤とから
なる接着性樹脂組成物、該接着性樹脂組成物をフィルム
化してなる接着性フィルム、支持基材上に該接着性フィ
ルムを積層してなる接着性積層フィルム、該接着性フィ
ルムを加熱して得られる接着剤層に被着体を接着してな
る積層体、及び該積層体を加熱して、積層体から被着体
を剥離・回収する方法に関する。
を接着して得られる積層体は、自動車用部品、家電製
品、エレクトニクス製品、事務用品、生活用品などに数
多く使用されている。そして、特許文献1には、エチレ
ン・α,β−不飽和カルボン酸類共重合体とエポキシ基
含有エチレン系共重合体とをドライブレンドした後、押
出成型して得られた接着層を介して、被着体と強く接着
した積層体が得られることも開示されている。一方、最
近、該被着体をリサイクル(再利用)するために、積層
体から被着体を回収する方法が求められている。
求の範囲、実施例 第1表)
者らが検討したところ、前記した特許文献1に記載の積
層体における接着層は強い接着力を有するため、該積層
体から接着層を付着させることなく、被着体を容易に剥
離して回収することは困難であった。本発明の目的は、
被着体に対する接着性に優れるとともに、被着体を回収
する際には、容易に被着体を剥離し得る接着性樹脂組成
物を提供することである。
(B)および(C)成分を含有する接着性樹脂組成物;
該接着性樹脂組成物をフィルム化してなる接着性フィル
ム;支持基材上に該接着性フィルムを積層してなる接着
性積層フィルム;該接着性フィルムに被着体を積層し、
該積層物を(C)成分の分解温度未満で加熱して得られ
る、接着剤層と被着体とを有する積層体;該接着性積層
フィルムの接着性フィルム層側に被着体を積層し、該積
層物を(C)成分の分解温度未満で加熱して接着したの
ち支持基材を剥離することにより得られる、接着剤層と
被着体とを有する積層体;該接着性積層フィルムの接着
性フィルム層側に被着体を積層し、支持基材を剥離した
のち、(C)成分の分解温度未満で加熱して接着するこ
とにより得られる、接着剤層と被着体とを有する積層
体;及び該積層体を(C)成分の分解温度以上にて加熱
することにより積層体から被着体を剥離することを特徴
とする被着体の回収方法である。 (A):エポキシ基を含有するオレフィン樹脂 (B):硬化剤 (C):加熱分解型発泡剤
本発明における(A)成分は、エポキシ基を含有するオ
レフィン樹脂であり、具体的には、エポフレンド(登録
商標、ダイセル化学工業株式会社製)など、炭素・炭素
二重結合を含むオレフィン樹脂を酸化することにより、
エポキシ基が生成されたオレフィン樹脂;エポキシ基を
含有する炭素・炭素二重結合を含む単量体を重合してな
る樹脂などが例示される。
炭素・炭素二重結合を含む単量体を重合して得られるオ
レフィン樹脂が好ましく、とりわけ、前記(a1)単量
体と(a2)単量体とを重合して得られるエポキシ基含
有エチレン系共重合体(以下、A1共重合体と記すこと
がある。)が好適である。A1共重合体について詳細に
説明すると、一般式(1)におけるRは、二重結合、特
に非芳香族CC二重結合を有する炭素数2〜18の炭化
水素基であり、一般式(2)におけるR’は、二重結
合、特に非芳香族CC二重結合を有する炭素数2〜18
の炭化水素基であり、いずれの炭化水素基においても、
炭化水素基上の水素原子がハロゲン原子で置換されてい
てもよい。
(3)〜(8)で表される炭化水素基などが例示され
る。
中の酸素原子とRが直接結合した単結合またはカルボニ
ル基である。(a2)単量体の具体例としては、アリル
グリシジルエーテル、2-メチルアリルグリシジルエーテ
ル、スチレン-p-グリシジルエーテル等の不飽和グリシ
ジルエーテル;グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、イタコン酸グリシジルエステル等の不飽
和グリシジルエステル等が挙げられる。
来する構造単位の含有量としては、A1共重合体を構成
するすべての構造単位100重量部に対して、通常、1
〜30重量部程度である。(a2)単量体に由来する構
造単位の含有量が1重量部以上であると、得られる接着
性フィルム層の機械的強度が向上する傾向にあることか
ら好ましく、30重量部以下であると、A1共重合体と
しての保存安定性に優れる傾向にあることから好まし
い。
ることのなく、エチレンと共重合可能な単量体(以下、
(a3)単量体と記すことがある。)、すなわち、
(a1)単量体および(a2)単量体とは異なる単量体で
あってエチレンと共重合可能な単量体を、(a1)単量
体および(a2)単量体とともに重合せしめてもよい。
尚、(a3)単量体は、カルボン酸基や水酸基など、エ
ポキシ基と反応し得る官能基を含有しない。
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−
プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸t−ブチル及びメタクリル酸イ
ソブチル等の炭素数が3〜8程度のアルキル基を有する
α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル;酢酸ビニ
ル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチ
ック酸ビニル等の炭素数2〜8程度のカルボン酸を有す
るビニルエステル;プロピレン、1−ブテン、イソブテ
ンなどの炭素数3〜20程度のα−オレフィン;ブタジ
エン、イソプレン、シクロペンタジエンなどのジエン化
合物;塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドな
どのビニル化合物などが挙げられる。(a3)単量体と
しては、中でも、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メ
タクリル酸メチルが好適である。
来する構造単位の含有量としては、A1共重合体を構成
するすべての構造単位100重量部に対して、通常、0
〜70重量部程度であり、とりわけ、25〜60重量部
程度が好ましい。(a3)単量体に由来する構造単位を
含有すると、接着性樹脂組成物を混練する際の取り扱い
が容易になる傾向や、A1共重合体が有機溶媒に溶解し
やすい傾向となることから好ましく、70重量部以下で
あると、高圧ラジカル法等によりA1共重合体を容易に
製造し得る傾向にあることから好ましい。
フト共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体のいず
れであってもよく、例えば、プロピレン・エチレンブロ
ック共重合体に(a2)単量体をグラフトさせた共重合
体(日本特許第2632980号公報)、エチレン・エ
ポキシ基含有モノマー共重合体にα,β−不飽和カルボ
ン酸エステルをグラフトさせた共重合体(日本特許第2
600248号公報)等が挙げられる。
ば、エチレン以外の原料となる単量体を、エチレンおよ
びラジカル発生剤の存在下に、500〜4000気圧程
度、100〜300℃程度、適当な溶媒や連鎖移動剤の
存在下又は不存在下に共重合させる方法;ポリエチレン
にエチレン以外の原料となる単量体をラジカル発生剤と
ともに混合し、押出機中で溶融グラフト共重合させる方
法などが挙げられる。
販品を使用することもできる。該市販品としては例えば
「ボンドファーストCG5001」、「ボンドファース
トE」、「ボンドファースト20B」などの「ボンドフ
ァースト(登録商標)」シリーズ(住友化学工業(株)
製 グリシジルメタクリレートとのエチレンコポリマー
およびエチレンターポリマ−)、「セポルジョンG」シ
リーズ(住友精化(株)製)、「レクスパールRA」シ
リーズ(日本ポリオレフィン(株)製)などを挙げるこ
とができる。
用硬化剤であり、例えば、脂肪族ポリアミン、芳香族ポ
リアミンなどのアミン類;多価カルボン酸とポリアミン
とを脱アンモニア反応して得られるポリアミドポリアミ
ン、アミノ酸を重合して得られるポリアミドなどのアミ
ド類;カルボン酸基および酸無水物基を含有する高分
子;フェノールノボラック;ジシアンジアミド、ポリス
ルフィド、ポリメルカプタン、ジヒドラジド、グアニジ
ン、イミダゾールなどの潜在性硬化剤;熱あるいは光カ
チオン性重合開始剤などが挙げられる。(B)成分とし
て、2種以上の硬化剤を用いてもよい。
水物基を含有する高分子が好ましく、とりわけ、
(b1)単量体と、(b2)単量体と、(b3)単量体と
を重合して得られるエチレン・α,β−不飽和カルボン
酸類共重合体(以下、B1共重合体と記すことがあ
る。)が好適である。
する。B1共重合体における(b2)単量体のα,β−
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、モノアルキルフマレート、モノ
アルキルマレートなどのモノカルボン酸;マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、3,6−エンド
メチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ−シス−フタ
ル酸などのジカルボン酸などが挙げられる。また、(b
2)単量体のα,β−不飽和カルボン酸無水物として
は、前記α,β−不飽和カルボン酸の分子内または分子
間無水物が挙げられる。(b2)単量体としては、中で
も、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が好適
である。
来する構造単位の含有量としては、B1共重合体を構成
するすべての構造単位100重量部に対して、通常、
0.01〜20重量部程度、好ましくは0.1〜15重
量部程度である。(b2)単量体に由来する構造単位の
含有量が0.01重量部以上であると、得られる接着性
フィルムの機械的強度が向上する傾向にあることから好
ましく、20重量部以下であると、B1共重合体として
の保存安定性に優れる傾向にあることから好ましい。
飽和カルボン酸エステルとしては、炭素数が3〜8程度
のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルが挙げら
れ、具体的には、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、
アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸
イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル及びメタクリル酸イソブチル等が挙げられ
る。
ニルエステルとしては、炭素数1〜20程度のカルボン
酸ビニルエステルが挙げられ、具体的には、酢酸ビニ
ル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチ
ック酸ビニルなどが挙げられる。(b3)単量体として
は、中でも、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル
が好適である。
由来する構造単位の含有量としては、B1共重合体を構
成するすべての構造単位100重量部に対して、通常、
25〜70重量部、好ましくは25〜65重量部程度で
ある。(b3)単量体に由来する構造単位の含有量が2
5重量部以上であると、本発明の接着性樹脂組成物を混
練する際の取り扱いが容易になる傾向にあることから好
ましく、また、B1共重合体が有機溶媒に溶解しやすい
傾向となることから好ましい。70重量部以下である
と、高圧ラジカル法等によりB1共重合体を容易に製造
し得る傾向にあることから好ましい。
としてA1共重合体を含有し、(B)成分としてB1共
重合体を含有し、(A)成分および(B)成分の合計1
00重量部に対し、(a1)単量体および(b1)単量体
であるエチレンに由来する構造単位の含有量合計が30
〜75重量部であることことが好ましい。
ば、エチレン以外の原料となる単量体を、エチレンおよ
びラジカル発生剤の存在下に、500〜4000気圧程
度、100〜300℃程度、適当な溶媒や連鎖移動剤の
存在下又は不存在下に共重合させる方法;ポリエチレン
にエチレン以外の原料となる単量体をラジカル発生剤と
ともに混合し、押出機中で溶融グラフト共重合させる方
法などが挙げられる。
販品を使用することもできる。該市販品としては、例え
ば「ボンダイン(登録商標)」シリーズ((有)住化ア
トフィナ製)、「レクスパールET」シリーズ(日本ポ
リオレフィン(株)製)、「PRIMACOR」シリー
ズ(Dow Chemical製)などを挙げることが
できる。
成分および(B)成分の重量比率としては、通常、
(A)/(B)=99/1〜40/60程度である。こ
の範囲内であると(C)成分との混練性に優れる傾向
や、フィルム化が容易になる傾向がある。また、(A)
成分と(B)成分とを混合したときのメルトフローレー
ト(以後MFRとする)は、190℃、2.16kg荷
重の条件で、5〜400g/10分程度であることが好
ましい。
成分としては、例えば、加熱することにより分解する発
泡剤が挙げられ、具体的には、無機発泡剤および有機発
泡剤等が例示される。無機発泡剤としては、重炭酸ナト
リウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝
酸アンモニウム等の炭酸塩化合物;ポリリン酸アミド、
ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン等のリン酸塩
化合物;でんぷん、セルロース、糖類、ジペンタエリス
リトール等の炭化性材料;マグネシウム末、アルミニウ
ム末等の軽金属;水素化ホウ素ナトリウム、水素化ナト
リウムなどの水素化物;アジ化ナトリウムなどのアジ化
物等が挙げられる。
ド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロ
ソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミド等のニトロソ
化合物、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’
−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ヒド
ラゾルカルボンアミド等のヒドラジド化合物、p−トル
エンスルホニルアジド、アセトン−p−スルホニルヒド
ラゾン、メラミン、尿素、ジシアンアミド等などが挙げ
られる。発泡剤として、2種類以上の発泡剤を使用して
もよい。また、発泡剤の中でも有機発泡剤が好ましく、
とりわけ、アゾジカルボンアミドが好適である。
成分の含有量は、(A)および(B)成分の合計100
重量部に対して、通常、2〜10重量部程度である。
(C)成分の合計が2重量部以上であると、得られる積
層体から被着体を剥離・回収することが容易な傾向にあ
り、(C)成分が10重量部以下の場合、接着力が安定
傾向にある。また、被着体に対する接着性樹脂組成物の
接着力が高い場合には、(C)成分の含有量を比較的多
くすることにより得られた積層体から被着体を容易に剥
離せしめることができる。
により得られる(A)、(B)および(C)成分を含有
するものである。本発明の接着性樹脂組成物には、本発
明の効果を損なわない範囲で無機フィラー、顔料、酸化
防止剤、加工安定剤、耐候剤、熱安定剤、光安定剤、核
剤、滑剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤が含
有されていてもよい。
えば、(A)、(B)および(C)成分、必要により更
に添加剤を、ラボプラストミルなどの混練機等で混練し
て混練物として得る方法;該混練物をさらにプレス、1
軸あるいは2軸押出し機によるTダイ加工などで押出成
型して、フィルム状の接着性樹脂組成物を得る方法;
(A)、(B)および(C)成分、必要により更に添加
剤を有機溶媒中に溶解または分散し、液状の接着性樹脂
組成物を得る方法;エマルジョン状の(A)成分、エマ
ルジョン状の(B)成分および(C)成分、必要により
更に添加剤を混合し、水に分散されたエマルジョン状の
接着性樹脂組成物を得る方法などが挙げられる。
まま、接着剤として使用することもできるが、本発明の
接着性樹脂組成物をフィルム化することにより接着性フ
ィルム(以下、本接着性フィルムと記す場合がある。)
とすることができる。本接着性フィルムは、例えば本発
明の接着性樹脂組成物を混練して得られる混練物を加圧
成型する方法、本発明の接着性樹脂組成物を溶剤に溶解
または分散し、平面上に塗布し、乾燥する方法により容
易に得ることができる。本接着性フィルムの厚さは、通
常、3μm程度以上であり、好ましくは3〜200μm
程度、とりわけ好ましくは10〜150μm程度であ
る。
なる接着性積層フィルム(以下、本接着性積層フィルム
と記す場合がある。)は、支持基材の面が接着しないこ
とから、取扱いの容易さの点で好ましい態様である。本
接着性積層フィルムは、例えば、混練物として得られた
本発明の接着性樹脂組成物と支持基材とを共押出成型に
より積層する方法;支持基材上に、押出成型により本接
着性フィルムを積層する方法;支持基材の上に、溶液状
またはエマルジョン状の本発明の接着性樹脂組成物を、
例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、
マイクロバーコーター、キスコーター、マイヤーバーコ
ーター、エアーナイフコーターなどのロールコーター、
ブレードコーターなどで塗布し、続いて、加熱通風オー
ブン、真空乾燥器などで乾燥する方法等により製造する
ことができる。
エチレン、ポリプロピレン、4−メチル−1−ペンテン
共重合体などのポリオレフィンからなるフィルム;離型
紙;離型ポリエチレンテレフタレートからなるフィル
ム;三酢酸セルロースからなるフィルムなどが挙げられ
る。ここで、離型紙および離型ポリエチレンテレフタレ
ートからなるフィルムは、本発明の積層体から支持基材
を剥離させるために、通常、これらの離型処理面が、本
接着性フィルム層に接している。
練;乾燥など、本接着性フィルムや本接着性積層フィル
ムを製造する際の温度としては、通常、これら操作を実
施するために必要な温度程度であり、かつ、本発明の接
着性樹脂組成物における(C)成分がほとんど発泡しな
い程度の温度、すなわち(C)成分の分解温度以下程度
であり、具体的には、100〜120℃程度である。
ルムを加熱して得られる接着剤層(以下、本接着剤層と
記す場合がある。)と被着体とからなる積層体である。
本接着性積層フィルムを用いた場合には、支持基材は通
常、剥離して除かれる。具体的な積層体の製造方法とし
ては、例えば、本接着性積層フィルムの本接着性フィル
ム層側に被着体を積層し、加熱することにより接着した
のち支持基材を剥離する方法;本接着性積層フィルムの
本接着性フィルム層側に被着体を積層し、支持基材を剥
離したのち加熱する方法;本接着性積層フィルムの本接
着性フィルム側に被着体を積層し、支持基材を剥離した
のち、支持基材を剥離した面に該被着体とは異なる被着
体を積層し、加熱する方法などが挙げられる。
成分の種類により変わるが、(C)成分の分解温度未満
程度であり、具体的には、80〜150℃程度である。
加熱による接着の状態を確認しつつ、(C)成分の分解
が実質的に起らない範囲でその時間は適宜決めることが
できるが、比較的高温で行う場合には短時間で、比較的
低温で行う場合には長時間で行うのが一般的である。ま
た、予め本発明の接着性樹脂組成物の設定温度における
ゲル化時間、(C)成分の発泡に要する時間を確認して
おき、その結果によりゲル化が生じ、かつ発泡の起らな
い時間を適宜決めることもできる。一般的には(C)成
分の発泡温度より5〜20℃程度低い温度で5〜60分
程度の間で適宜選択して設定される。加熱の際に、プレ
ス機にて1〜6MPa程度加圧してもよい。
本接着剤層と接着し得る材料である。具体的には、例え
ば、セルロース系高分子材料;金、銀、銅、鉄、錫、
鉛、シリコンなどの金属、ガラス、セラミックスなどの
無機物;メラミン系樹脂、アクリル・ウレタン系樹脂、
ウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン・
アクリロニトリル系共重合体、ポリカーボネート系樹
脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、
シリコーン樹脂などの合成高分子材料等が挙げられる。
被着体の材料として、異なる2種類以上の材料を混合、
複合してもよい。また、積層体が本接着剤層を介して、
異なる2つの被着体が接着してなるものである場合、2
つの被着体を構成する材料は、同じ種類の材料でも異な
る種類の材料のいずれでもよい。尚、被着体としては、
被着体を剥離・回収する際の加熱温度よりも高い耐熱温
度を有すると、被着体と本接着剤層との界面が剥離しや
すい傾向があることから好ましい。
・回収することが求められる被着体、例えば、冷蔵庫、
洗濯機、エアコン、電子レンジ、掃除機、テレビ、電池
等の家電製品;パソコン、プリンター、複写機、固定電
話、携帯電話等の事務用品;バンパー、バッテリー容器
などの自動車、家具、住宅構造材などの生活用品;液晶
パネル、半導体、プリント配線板、集積回路、二次電池
容器等のエレクトロニクス製品などに使用することがで
きる。また、半導体等のエレクトロニクス製品を被着体
とし、製造時の工程剥離紙(一時接着性材料)に本発明
の接着性フィルムまたは接着性積層フィルムを使用する
こともできる。
着体が積層体から容易に剥離、回収され、リサイクル
(再利用)に供し得る。例えば本接着性積層フィルムを
工程剥離紙として使用する場合、積層体は工程剥離紙
(本接着性フィルムを加熱して得られる接着剤層)と製
品(被着体)とからなる中間製造品であり,工程剥離紙
が不要になったら加熱することにより、製品が容易に剥
離・回収される。具体的な被着体を剥離・回収する方法
としては、例えば、オーブン、温水槽などに積層体を入
れ、発泡剤の分解温度により異なるが、通常、80〜3
00℃程度、好ましくは120〜240℃程度で加熱す
ることにより(C)を発泡せしめて被着体を剥離・回収
する方法;火炎、赤外線、スチーム、超音波、電磁波な
どを積層体に照射して(C)を発泡せしめて被着体を剥
離・回収する方法;鉄板などの加熱体に積層体を置き、
(C)を発泡せしめて被着体を剥離・回収する方法など
が挙げられる。いずれの場合にも本接着剤層から(C)
成分が発泡するのに充分な温度および時間を適宜組み合
わせて決めることができる。例えば(C)成分の発泡温
度〜+20℃程度で、5〜60分程度の条件を挙げるこ
とができる。
体から容易に剥離可能であり、該被着体には本接着剤層
由来物がほとんど付着していないか、本接着剤層由来物
が付着していても、被着体から容易に剥離し得る程度で
あり、該被着体をリサイクル(再利用)する、あるいは
容易に製品として得ることができる。また、回収された
金属、プラスチックなどの被着体は、溶融して、別途成
型の上、再利用してもよい。
に説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。例中の部は、特に断らないかぎり重量基準を
意味する。(A)、(B)および(C)成分は下記を使
用した。なお、MFR(メルトフローレート)はJIS
K7210に準拠し、190℃、2160g荷重の条
件下で測定した値を示した。
001」、エチレン-アクリル酸メチル-グリシジルメタ
クリレート共重合体、 グリシジルメタクリレートに由来する構造単位の含有量
18重量% MFR=360g/10分
0」、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共
重合体、 アクリル酸エチルに由来する構造単位の含有量 6重量
%、 無水マレイン酸に由来する構造単位の含有量 3重量
%、 MFR=200g/10分
0〜14μm
ッチ式ニーダー「ラボプラストミル」((株)東洋精機
製作所製 本体:50C150、ミキサー:R100
H)に添加し、バレル設定温度100℃の条件下、10
rpmで7分間予備混練した後、50rpmで5分間本
混練し、接着性樹脂組成物を得た。
備成型条件にて熱プレスしたのち、100℃に予熱され
た熱プレスの熱板にSUS板、およびフッ素樹脂シート
を順次積層し、該フッ素樹脂シートの上にポリエチレン
テレフタレート型枠と得られた予備成型品を置き、さら
にフッ素樹脂シートそしてSUS(ステンレス)板を置
いて、下記に記載したフィルム成型条件に従って熱プレ
スして、接着性フィルムを得た。続いて、該接着性フィ
ルムを離型加工したポリエチレンテレフタレートフィル
ム「エンブレットSC」(ユニチカ製)の離型面と重ね
合わせ、ラミネーター「VA−700」(大成ラミネー
ター社製)を用いて、ロール温度:80℃、ロール速
度:0.5m/min、ロール圧:4.9×104Pa
(0.5kgf/cm2、ゲージ読み)の条件で熱ラミ
ネートを行い、(支持基材:離型ポリエチレンテレフタ
レートフィルム)/(接着性フィルム層)の接着性積層
フィルムを得た。
回)、 加圧:50kg/cm2×1分→100kg/cm2×
1分→150kg/cm2、冷却100kg/cm2×
2分 <フィルム成型条件> 型枠:150mm×75mm×0.1mm厚、 熱板設定温度:100℃、予熱10分(ダンピング3
回)、 加圧:50kg/cm2×1分→100kg/cm2×
1分→150kg/cm2、冷却100kg/cm2×
2分
断したのち、接着性フィルムの上に、被着体としてSU
S(ステンレス)またはスライドガラスを積層した。す
なわち、下から、(支持基材)/(接着性フィルム層)
/(被着体)の順で積層した。次に、支持基材を手で剥
離したのち、基材として下記の離型処理が施されていな
いポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィル
ム)を積層したのち、得られた(基材)/(接着性フィ
ルム層)/(被着体)をヒートシールテスター(テスタ
ー産業(株)製「ヒートシールテスター TP−701
−B」)を用いて上下バーから150℃、9.8×10
4Pa (ゲージ圧力:1kgf/cm2)の圧力で3
0分間ヒートシールして本発明の積層体を得た。なお、
用いた被着体は下記のものであり、用いた接着性樹脂組
成物に含有される(A)〜(C)成分および被着体につ
いては表1に示した。
0.8mm厚 スライドガラス:MATSUNAMI(株)製 S11
26 76mm×26mm×1.0mm厚 表面水縁磨処理済 <基材> PETフィルム:DIAFOIL T600E50−W
07 50μm厚 三菱化学ポリエステルフィルム製 両面コートフィルム
%の条件下にて1時間状態調製したのち、10mm幅×
100mm長さ(接着長さ25mm)の試験片を切り出
し、温度23℃、相対湿度50%の条件下にて、剥離速
度100mm/秒、剥離角度180°で剥離試験を実施
した。
に被着体を下にして置き、5分間加熱を行った後、状態
観察を行った。結果を表1に示した。尚、判定は下記の
基準に従った。 ○:ただちに被着体が分離された。 ×:容易には被着体を分離することができなかった。
凝集剥離が共に生じた。
られた接着性フィルムおよび接着性積層フィルムは、接
着前には、保管、運搬、接着作業性などの取り扱い容易
なドライフィルム状形態を有し、かつ、加熱して接着す
ることにより優れた接着力を有する接着剤層となりえ
る。そして、別途、加熱するだけで、容易に接着力が低
減して被着体が剥離・回収され、回収された被着体に
は、接着性フィルム由来の接着剤がほとんど付着してい
ないか、付着していても、被着体から容易に剥離し得る
程度であり、該被着体は、リサイクル(再利用)するこ
とができる。このような優れた特性を利用して、本発明
の積層体は、例えば、半導体封止材料、太陽電池やEL
(エレクトロルミネセンス)ランプなどの電子部品封止
材料、集積回路/基板間のダイボンディングシートおよ
び基板間の層間絶縁層、プリント配線板のソルダーレジ
スト、自動車部品などの加飾フィルム、プラズマディス
プレイに使用し得る。また半導体製造時などの工程剥離
紙(一時接着性材料)としても使用し得る。
Claims (19)
- 【請求項1】下記(A)、(B)および(C)成分を含
有する接着性樹脂組成物。 (A):エポキシ基を含有するオレフィン樹脂 (B):硬化剤 (C):加熱分解型発泡剤 - 【請求項2】(A)成分が下記(a1)と(a2)とを重
合して得られるエポキシ基含有エチレン系共重合体であ
る請求項1に記載の接着性樹脂組成物。 (a1)エチレン (a2)下記一般式(1)および(2)で表される単量
体 からなる群から選ばれる少なくとも1種類の単量体 (式中、Rは二重結合を有する炭素数2〜18の炭化水
素基を表し、該炭化水素基には、ハロゲン原子が結合し
ていてもよい。Xは単結合またはカルボニル基を表
す。) (式中、R’は二重結合を有する炭素数2〜18の炭化
水素基を表し、該炭化水素基には、ハロゲン原子が結合
していてもよい。) - 【請求項3】(A)成分が、前記(a1)単量体、前記
(a2)単量体、および、エポキシ基とは反応すること
のなくエチレンと共重合可能な単量体、を重合して得ら
れる共重合体である請求項1または2に記載の接着性樹
脂組成物。 - 【請求項4】(B)成分が、下記(b1)、(b2)およ
び(b3)を重合して得られるエチレン・α,β−不飽
和カルボン酸類共重合体である請求項1〜3のいずれか
に記載の接着性樹脂組成物。 (b1)エチレン (b2)α,β−不飽和カルボン酸および/またはα,
β−不飽和カルボン酸無水物 (b3)ビニルエステルおよび/またはα,β−不飽和
カルボン酸エステル - 【請求項5】(B)成分が、(B)成分を構成するすべ
ての構造単位の合計100重量部に対して、(b2)に
由来する構造単位を0.01〜20重量部、(b3)に
由来する構造単位を25〜70重量部含有する請求項4
に記載の接着性樹脂組成物。 - 【請求項6】(A)成分が前記(a1)と前記(a2)と
を重合して得られるエポキシ基含有エチレン系共重合体
を含有し、(B)成分が前記(b1)、前記(b2)およ
び前記(b3)を重合して得られるエチレン・α,β−
不飽和カルボン酸類共重合体を含有し、エチレンに由来
する構造単位の含有量の合計が、(A)成分および
(B)成分の合計100重量部に対し、30〜75重量
部である請求項1〜5のいずれかに記載の接着性樹脂組
成物。 - 【請求項7】(A)成分と(B)成分との重量比率が、
(A)/(B)=90/10〜40/60である請求項
1〜6のいずれかに記載の接着性樹脂組成物。 - 【請求項8】(C)成分が、アゾジカルボンアミドであ
る請求項1〜7のいずれかに記載の接着性樹脂組成物。 - 【請求項9】(A)成分および(B)成分の合計100
重量部に対し、(C)成分が2〜10重量部である請求
項1〜8のいずれかに記載の接着性樹脂組成物。 - 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の接着性
樹脂組成物がフィルム化されてなる接着性フィルム。 - 【請求項11】接着性樹脂組成物を混練して得られる混
練物を加圧成型することにより得られる請求項10に記
載の接着性フィルム。 - 【請求項12】接着性樹脂組成物を溶剤に溶解または分
散し、平面上に塗布し、乾燥して得られる請求項10に
記載の接着性フィルム。 - 【請求項13】支持基材上に、請求項10〜12のいず
れかに記載の接着性フィルムを積層してなる接着性積層
フィルム。 - 【請求項14】支持基材が、ポリオレフィンからなるフ
ィルム、離型ポリエチレンテレフタレートからなるフィ
ルム、三酢酸セルロースからなるフィルムおよび離型紙
から選ばれる少なくとも1種類である請求項13に記載
の接着性積層フィルム。 - 【請求項15】請求項10〜12のいずれかに記載の接
着性フィルムに被着体を積層し、該積層物を(C)成分
の分解温度未満で加熱して得られる、接着剤層と被着体
とを有する積層体。 - 【請求項16】請求項13または14に記載の接着性積
層フィルムの接着性フィルム層側に被着体を積層し、該
積層物を(C)成分の分解温度未満で加熱して接着した
のち、支持基材を剥離することにより得られる、接着剤
層と被着体とを有する積層体。 - 【請求項17】請求項13または14に記載の接着性積
層フィルムの接着性フィルム層側に被着体を積層し、支
持基材を剥離したのち、(C)成分の分解温度未満で加
熱して接着することにより得られる、接着剤層と被着体
とを有する積層体。 - 【請求項18】請求項13または14に記載の接着性積
層フィルムの接着性フィルム層側に被着体を積層し、支
持基材を剥離したのち、支持基材が剥離された面側に該
被着体とは異なる被着体を積層し、(C)成分の分解温
度未満に加熱して接着することにより得られる、接着剤
層と被着体とを有する積層体。 - 【請求項19】請求項15〜18のいずれかに記載の積
層体を(C)成分の分解温度以上にて加熱することによ
り積層体から被着体を剥離することを特徴とする被着体
の回収方法。
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